説明

画像取得装置、欠陥修正装置および画像取得方法

【課題】電極パターンまたは配線パターンに安定的に焦点を合わせることができる画像取得装置、欠陥修正装置および画像取得方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、欠陥が生じている基板111の一部を拡大した画像を取得する欠陥修正装置100であって、基板111の一部を撮像する撮像部121と、基板111を載置したステージを移動するステージ移動部113と、対物レンズ129の基板111に対する焦点合わせを行う合焦検出部123と、ステージ移動部113を制御して、合焦検出部123が焦点合わせを行う場合に合焦検出領域から基板111の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させるステージ制御部156と、合焦検出部123による焦点合わせ後の焦点条件を固定する合焦制御部155と、合焦制御部155による焦点条件の固定後に撮像部121に基板の一部を撮像させる撮像制御部153とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、欠陥が生じている基板の一部を拡大した画像を取得する画像取得装置および画像取得方法、基板の欠陥を修復する欠陥修正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイやPDP(Plasma Display Panel)や有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイや表面電動型電子放出素子ディスプレイなどのFPD(Flat Panel Display)基板、半導体ウェハ、プリント基板など、各種基板の製造では、その歩留りを向上するために、各パターニングプロセス後、欠陥検査装置(たとえば特許文献1参照)によって欠陥が存在するか否かが検査され、欠陥が存在すれば、欠陥修正装置によって欠陥が修正される。このような欠陥には、電極および配線の短絡、接続不良、断線、パターン不良および基板表面に付着したパーティクルやレジスト等の異物が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−192358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の欠陥検査装置および欠陥修正装置では、検査対象となる欠陥検出精度を高めるため、焦点位置を最適化してから検査対象の電極パターンまたは配線パターンを撮像し、このパターン画像と、標本パターンの画像とを比較して、電極や配線の短絡等を検出している。 しかしながら、測距領域である合焦検出領域内に高さ形状を持つ巻き込み系の異物がある場合には、この異物の方に焦点が合ってしまって電極パターンまたは配線パターンがぼやけてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電極パターンまたは配線パターンに安定的に焦点を合わせることができる画像取得装置、欠陥修正装置および画像取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像取得装置は、欠陥が生じている基板の一部を拡大した画像を取得する画像取得装置であって、レンズおよび撮像素子を備え、前記基板の一部を拡大して撮像する撮像手段と、前記基板上における前記撮像手段の視野領域を変更する位置変更手段と、前記レンズの前記基板に対する焦点合わせを行う合焦検出手段と、前記位置変更手段を制御して、前記合焦検出手段が焦点合わせを行う場合に前記焦点合わせの対象となる合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる前記欠陥を退避させる位置制御手段と、前記合焦検出手段による焦点合わせ後の焦点条件を固定する合焦制御手段と、前記合焦制御手段による焦点条件の固定後に、前記撮像手段に前記基板の一部を拡大して撮像させる撮像制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる欠陥修正装置は、レーザ光を基板に照射して前記基板の欠陥を修復する欠陥修正装置であって、上記記載の画像取得装置と、上記記載の画像取得装置の撮像手段によって取得された画像に基づいて前記基板に前記レーザ光を照射して修復処理を行う欠陥修正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる画像取得方法は、欠陥が生じている基板の一部を拡大した画像を撮像手段による撮像によって取得する画像取得方法であって、前記基板上における前記撮像手段の視野領域を変更して、焦点合わせの対象となる合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させる退避ステップと、前記撮像手段のレンズの前記基板に対する焦点合わせを行う合焦検出ステップと、前記合焦検出ステップによる焦点合わせ後の焦点条件を固定する焦点固定ステップと、前記焦点固定ステップで固定した焦点条件で前記基板の一部を拡大して撮像する撮像ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、焦点合わせを行う場合に焦点合わせの対象となる合焦検出領域から基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させた状態で焦点合わせを行い、この焦点合わせ後の焦点条件を固定してから基板の一部を撮像するため、合焦検出領域に欠陥自体が位置しない状態で焦点合わせを行うことから、合焦検出領域の電極パターンまたは配線パターンに安定的に焦点を合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる欠陥修正装置を有する欠陥修正システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す欠陥修正装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、合焦検出領域を説明するための図である。
【図4】図4は、図2に示す欠陥修正装置におけるパターンマッチング処理までの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、欠陥情報の一例を示す図である。
【図6】図6は、図2に示す退避条件取得部の座標置き換えを説明するための図である。
【図7】図7は、図2に示す退避条件取得部による退避条件取得処理を説明するための図である。
【図8】図8は、従来における欠陥画像を説明する図である。
【図9】図9は、図2に示す欠陥修正装置による欠陥画像を説明する図である。
【図10】図10は、実施の形態2にかかる欠陥修正装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、図10に示す欠陥修正装置におけるパターンマッチング処理までの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、図11に示す画像処理を説明する図である。
【図13】図13は、図11に示すパターンマッチング判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、基板上の欠陥の一例を示す図である。
【図15】図15は、図1に示すステージ制御部の制御を説明する図である。
【図16】図16は、図2に示す退避条件取得部による退避条件取得処理を説明するための図である。
【図17】図17は、図2に示す退避条件取得部による退避条件取得処理を説明するための図である。
【図18】図18は、図2に示す退避条件取得部による退避条件取得処理を説明するための図である。
【図19】図19は、図2に示す退避条件取得部による退避条件取得処理を説明するための図である。
【図20】図20は、図2に示す退避条件取得部による退避条件取得処理を説明するための図である。
【図21】図21は、実施の形態にかかる欠陥修正装置の他の構成を示すブロック図である。
【図22】図22は、実施の形態にかかる欠陥修正装置の他の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる実施の形態として、たとえば、ガラス基板、半導体ウェハなどの基板の欠陥を修正する欠陥修正装置を例として説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0012】
(実施の形態1)
実施の形態について説明する。図1は、実施の形態にかかる欠陥修正装置を有する欠陥修正システムの概略構成を示すブロック図である。この欠陥修正システムは、基板に対する製造システムの一部であり、たとえば図1に示すように、欠陥検査装置1、生産ライン情報を統括する生産データ管理サーバ3、欠陥情報データベース5に接続して欠陥情報を管理する欠陥情報管理サーバ4、レビュー検査装置6および欠陥修正装置100がネットワーク2を介して接続する構成を有する。
【0013】
まず、システム全体の処理の概要を説明する。欠陥検査装置1は、たとえばフォトリソグラフィー工程においてレジストパターンが形成された基板が搬送システムによって搬送されてくると、設定された検査条件にしたがって、この基板における断線、パターン不良および異物等の欠陥を検出し、欠陥の基板上の座標位置を示す欠陥位置座標および欠陥の大きさを示すサイズ情報を取得する。欠陥情報管理サーバ4は、これらの各情報を、FTP(File Transfer Protocom)などを用いてネットワーク2経由で取得し、欠陥情報データベース5に登録するとともに生産データ管理サーバ3に登録内容を送信する。
【0014】
欠陥検査装置1による欠陥検査後の基板のうち欠陥が生じている基板はレビュー検査装置6に搬送される。レビュー検査装置6は、レビュー対象の基板の欠陥を示したレビュー情報を欠陥情報管理サーバ4に要求する。レビュー検査装置6は、欠陥情報管理サーバ4より送信されたレビュー情報にしたがって欠陥画像を撮像し、画像処理機能により欠陥の種類を分類する。欠陥情報管理サーバ4は、このレビュー結果をネットワーク2経由で取得し、欠陥情報データベース5に登録するとともに生産データ管理サーバ3に登録内容を送信する。
【0015】
レビュー検査装置6によるレビュー検査後の基板は欠陥修正装置100に搬送される。欠陥修正装置100は、修正対象の基板の欠陥の位置および種別を示した欠陥情報を欠陥情報管理サーバ4に要求する。欠陥修正装置100は、欠陥情報管理サーバ4より送信された欠陥情報にしたがって欠陥を撮像し、撮像した欠陥画像と所定の標本パターン画像とのマッチングによって、欠陥の抽出と、電極パターンまたは配線パターンをレーザ加工領域から除外するためにレーザ光の非照射領域を設定するマスク設定とを行ってから、レーザ光を照射して基板上の欠陥を修正する。
【0016】
この欠陥修正装置100は、測距領域である合焦検出領域に欠陥が位置しない状態で、欠陥撮像前の焦点位置の最適化を行う合焦検出処理を行っている。そこで、この欠陥修正装置100について、詳細に説明する。図2は、図1に示す欠陥修正装置100の概略構成を示すブロック図である。特許請求の範囲における画像取得装置は、この欠陥修正装置100のうち、図1に示すステージ110、ステージ移動部113、顕微鏡部120、入力部142、通信部143、記憶部144、表示部146を含む出力部145および制御部150によって構成される。
【0017】
図2に示すように、欠陥修正装置100は、欠陥が生じている修正対象の基板111を載置するステージ110と、ステージ110を水平移動させるステージ移動部113と、ステージ110上に載置された基板111を上方から観察する顕微鏡部120と、基板111に照射する欠陥修復用のレーザ光を出力するレーザ照射部130と、欠陥修正装置100に対する各種操作や設定を指示する指示情報が入力される入力部142と、所定の形式にしたがった情報をネットワーク2を介して外部装置との間で通信する通信部143と、各種プログラムおよび配線、電極の各種標本パターン画像を記憶する記憶部144と、顕微鏡部120で取得された画像や各種情報を表示する表示部146を含む出力部145と、記憶部144から読み出した各種プログラムおよびパラメータを実行するとともに欠陥修正装置100内の各部を制御する制御部150と、を備える。
【0018】
修正対象である基板111は、たとえばFPD用のガラス基板や半導体基板やプリント基板などである。ステージ110の載置面には、無数の穴が設けられており、この無数の穴は不図示のポンプから供給される気体によって基板111を浮上させた状態で不図示の固定部材によりステージ110上で保持する。または、この無数の穴を、不図示のバキュームポンプに連結し、この無数の穴からの吸気によって、ステージ110上に載置された基板111をステージ110対して吸着して固定することも可能である。また、上記のような、ステージ110上で基板111を保持する保持手段として、上記以外にも支持ピンやクランプ機構など、機械的な手段を用いる構成としてもよい。
【0019】
ステージ110は、ステージ移動部113によって後述する対物レンズ129の光軸に直交した平面内で自在に移動され、対物レンズ129に対する基板111の当該平面上での位置を変化させる。ステージ移動部113は、ステージ110を移動することによって、基板111上における撮像部121の視野領域を位置変更する。
【0020】
顕微鏡部120は、CCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子を含む撮像部121と、ステージ110上の基板111を照明する照明部125と、を含み、基板111の一部を拡大した画像を取得する撮像部として機能する。照明部125から出力された照明光は、ハーフミラー126で反射された後、基板111に対する観察光軸AXと同軸の光として対物レンズ129を介して基板111を照明する。また、このように照明された基板111の像は、観察光軸AXに沿って配置された対物レンズ129、ハーフミラー138、ハーフミラー126、ハーフミラー124および結像レンズ122を含む観察光学系によって、撮像部121の受光面に、たとえば数倍〜数十倍に拡大されて結像される。
【0021】
撮像部121で取得された画像データは、撮像制御部153に入力され、各種画像処理が施された後、表示部146に出力される。これによって、表示部146に、顕微鏡部120で取得された視野領域の画像が略リアルタイムに表示される。この観察光学系を介した撮像部121の視野領域は、1つのショット領域よりも広範囲である。また、照明部125によって照明される領域は、少なくとも視野領域よりも広範囲である。また、少なくとも視野領域内は、照明部125からの照明光によって上方から略均一に照明される。
【0022】
対物レンズ129は、ステージ110に載置された基板111の上部に位置するようにレボルバ128により保持される。対物レンズ129は、レボルバ128に対して着脱自在に取り付けられており、レボルバ128の回転またはスライド動作に応じてステージ110上に配置される。また、レボルバ128は、焦準機構127によって昇降移動することが可能であり、合焦検出部123は、焦準機構127を制御してこのレボルバ128を昇降させることによって、対物レンズ129の基板111に対する焦点合わせを行い、焦点位置の最適化を行う。
【0023】
レーザ照射部130は、基板111に照射されるレーザ光を出力するレーザ光源131と、レーザ光源131からのレーザ光と撮像部121の視野領域を調整するためのガイド光を出力するLED132と、レーザ光源131からのレーザ光の光束断面形状(以下、レーザ断面形状という)を所望の形状に整形する光束整形手段として機能する空間光変調器135と、制御部150の制御のもとレーザ照射部130が出力する欠陥修復用のレーザ光の光束断面形状(レーザ光の光軸と垂直な断面の形状)を調整する領域設定部136と、を含み、顕微鏡部120の撮像部121が取得した画像に基づいて基板111に欠陥修復用に空間変調したレーザ光を照射して欠陥を修正する欠陥修正部として機能する。
【0024】
LED132からのガイド光は、ハーフミラー133で反射されることで、その光軸がレーザ光源131の光軸と一致する。また、レーザ光源131からのレーザ光ならびにLED132からのガイド光は、高反射ミラー134、空間光変調器135、および高反射ミラー137を介した後、ハーフミラー138で反射されることで、その光軸が観察光軸AXと一致する。したがって、ハーフミラー138で反射されたレーザ光およびガイド光は、対物レンズ129を介してステージ110上の基板111に、上方から観察光軸AXに沿って照射される。
【0025】
空間光変調器である空間光変調器135は、たとえば微小デバイスの1つである微小ミラーが2次元アレイ状に配列された構成を備える。各微小ミラーの反射角は、制御部150からの制御のもと、オン角度とオフ角度との少なくとも2つのうちのいずれかに切り替え可能である。オン角度とは、この状態にある微小ミラーで反射されたレーザ光がステージ110上の基板111に投射される角度であり、オフ角度とは、この状態にある微小ミラーで反射されたレーザ光が不必要な光として光路外に設けられる不図示の遮光部材や吸収部材などのレーザダンパーに照射される角度である。したがって、2次元アレイ状に配列された微小ミラーそれぞれの反射角をオン角度とオフ角度とのいずれかにスイッチングすることで、基板111に投射されるレーザ光の断面形状を制御することが可能である。これによって、レーザ光源131からのレーザ光の断面形状を修復パターンの形状に調整して基板111に照射することが可能となる。この修復パターンは、正常な配線パターン以外にレーザ光を照射する修復パターンであり、たとえばパターン除去不良などの欠陥を修復する場合には、ショット領域中の正常な配線等の領域に対応する微小ミラーをオフ角度とし、それ以外の領域に対応する微小ミラーをオン角度としたパターンとなる。なお、空間光変調器135には、例えばDMD(登録商標)を用いればよい。
【0026】
領域設定部136は、制御部150から入力された修復箇所のパターンにしたがって空間光変調器135の微小ミラーの反射角をそれぞれ制御することで、レーザ光の断面形状を修復パターンの形状に制御する。なお、修復パターンの設定は、上記のように正常な配線パターンに応じて設定する以外に、欠陥形状に合わせて設定するようにしても構わない。この場合、レーザ光の断面形状を欠陥形状に合わせて、欠陥領域に対応する微小ミラーをオン角度とし、欠陥領域以外の領域に対応する微小ミラーをオフ角度とすればよい。
【0027】
入力部142は、キーボード、マウス等を用いて構成されており、使用者からの各種設定パラメータ等の入力指示を、表示部146に表示されるGUI(Graphical User Interface)と連携して取得する。通信部143は、通信インターフェース等を用いて構成されており、外部装置から処理対象の基板の欠陥の欠陥情報を受信するとともに、画像データを含む各種データ等を外部に送信する。記憶部144は、ハードディスク、ROM、RAMおよび携帯型記憶媒体等を用いて構成されており、欠陥修正装置100の各種動作を制御するための制御プログラムを予め記憶する。また、記憶部144は、基板111の工程・品種に応じた、電極(または配線)パターンの標本パターン画像を記憶する。表示部146は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、観察画像、設定情報、及び報知情報等を表示する。
【0028】
制御部150は、欠陥情報取得部151と、合焦検出領域演算部152と、撮像制御部153と、退避条件取得部154と、合焦制御部155と、ステージ制御部156と、パターンマッチング処理部157とを備える。
【0029】
欠陥情報取得部151は、通信部143を介して、ネットワーク2経由で、前工程の欠陥検査装置1およびレビュー検査装置6で取得した欠陥情報を欠陥情報管理サーバ4から取得する。この欠陥情報は、処理対象の欠陥の基板111上の位置を特定するものであり、処理対処の基板111の工程および品種、各欠陥の重心座標値、および、欠陥の大きさを示すサイズ情報として各欠陥に外接する長方形の隣り合わない二頂点の基板上の座標を含む。
【0030】
合焦検出領域演算部152は、入力部142を通じて、撮像部121の画素座標系で示した視野領域に対する合焦検出領域の相対座標値、対物レンズ129や結像レンズ122の倍率および使用する撮像部121の画素サイズが入力されると、撮像部121における合焦検出領域をステージ110上の実座標に変換して記憶部144に格納する。この合焦検出領域は合焦検出部123に依存するため、合焦検出部123に応じて設定する必要がある。
【0031】
たとえば図3(a)に示すように合焦検出領域が撮像部121の視野領域Fcの中心Fc0から右上にオフセットした240ピクセル角の合焦検出領域A0であると仮定されている場合を例に説明する。対物レンズ129の倍率は5倍、10倍、20倍、50倍の4種類、結像レンズ122の倍率は0.5倍、撮像部121の画素サイズが6.5μm/ピクセルであるとき、対物レンズ129の倍率が20倍の場合については、合焦検出領域A0は、合焦検出領域演算部152の演算によって、ステージ110上においては、図3(b)に示すステージ110上の視野領域Fs(撮像部121の視野領域Fcに対応)の中心Fs0右上の156μm角の領域である合焦検出領域S0に変換される。そして、合焦検出領域演算部152は、記憶部144に、ステージ110上の実座標に変換した合焦検出領域についての情報を記憶させる。なお、この図3に示す例では、視野領域Fc,Fsのいずれも、中心Fc0,Fs0の座標は(0,0)に設定される。
【0032】
撮像制御部153は、撮像部121の撮像処理を制御する。合焦制御部155は、合焦検出領域に対する焦点合わせが終了した後に、焦準機構127を制御して焦点条件が最適となる高さにレボルバ128を固定することによって、合焦検出部123による焦点合わせ後の焦点条件を固定する。撮像制御部153は、この合焦制御部155による焦点条件の固定後に、撮像部に修正対象の欠陥が位置する基板の一部を拡大して撮像させる。
【0033】
退避条件取得部154は、欠陥情報取得部151によって取得された欠陥情報をもとに、修正対象の欠陥の重心位置がステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置するように基板111を移動させるとしたときに該欠陥が合焦検出領域S0内に位置するか否かを判断する。言い換えると、退避条件取得部154は、画像取得領域内に含まれる欠陥の重心位置がステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置するように基板111上における視野領域Fsを面積一定のまま位置変更するとしたときに該欠陥が合焦検出領域S0内に位置するか否かを判断する。退避条件取得部154は、修正対象の欠陥が合焦検出領域S0内に位置すると判断した場合、この欠陥が合焦検出領域S0外となるように、欠陥情報に含まれる欠陥の重心の座標と欠陥のサイズ情報とをもとに合焦検出領域S0からの退避距離および退避方向を演算し、演算した退避距離および退避方向を退避条件として取得する。
【0034】
ステージ制御部156は、退避条件取得部154によって修正対象の欠陥の重心位置がステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置するように基板111を移動させるとしたときに該欠陥が合焦検出領域S0内に位置すると判断された場合に、ステージ移動部113を制御して、合焦検出部123による焦点合わせ時に、焦点合わせの対象となる合焦検出領域S0から修正対象の欠陥を退避させる。このとき、ステージ制御部156は、退避条件取得部154によって取得された退避条件にしたがって合焦検出領域S0から修正対象の欠陥を退避させる。そして、ステージ制御部156は、合焦制御部155による焦点条件の固定後に、ステージ移動部113を制御して基板111を移動させることによって、修正対象の欠陥の重心をステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置させる。撮像制御部153は、ステージ制御部156が修正対象の欠陥の重心を視野領域Fsの中心Fs0に位置させた後に、撮像部121に、基板111の一部を拡大して撮像させる。
【0035】
すなわち、ステージ制御部156は、画像撮像時および欠陥修正処理時には、欠陥情報の欠陥座標をもとに、修正対象の欠陥の重心座標が顕微鏡部120の視野領域における中心に位置するように、ステージ110を水平移動する。これによって欠陥の重心座標が顕微鏡部120の視野領域における中心に位置するように、顕微鏡部120と基板111との相対位置が制御される。
【0036】
パターンマッチング処理部157は、撮像制御部153の制御のもと撮像部121によって撮像された欠陥を含む基板111の画像(欠陥画像)を処理してパターンマッチング処理を行う。パターンマッチング処理部157は、予め求められ記憶部144内に格納された標本パターン画像のうち、基板111の工程の種類に応じた標本パターン画像を使用して、欠陥画像の電極(または配線)パターンが、標本パターン画像の電極(または配線)パターンに合致しているかを判断し、異物やパターン不良などの欠陥を抽出する。制御部150は、パターンマッチング処理部157によるパターンマッチング処理結果をもとに修正対象領域を設定し、修正対象領域以外をレーザ加工領域から除外するためにレーザ光の非照射領域を設定するマスク設定を行う。その後、制御部150は、領域設定部136に欠陥修復用のレーザ光の光束断面形状を調整させてから、レーザ光源131にレーザ光を照射させて欠陥修正処理を行う。
【0037】
次に、図2に示す欠陥修正装置100におけるパターンマッチング処理に使用される欠陥画像を取得し、パターンマッチングを行うまでの処理について説明する。図4は、図2に示す欠陥修正装置100におけるパターンマッチング処理までの処理手順を示すフローチャートである。
【0038】
図4に示すように、まず、合焦検出領域演算部152は、撮像部121の画素座標系で示した視野領域に対する合焦検出領域の相対座標値、対物レンズ129や結像レンズ122の倍率および使用する撮像部121の画素サイズをもとに、撮像部121における合焦点検出領域をステージ110上の実座標に変換して記憶部144に格納する合焦検出領域の初期設定処理を行う(ステップS1)。なお、合焦検出領域は合焦検出部123に依存するものであるため、この合焦検出領域の初期設定処理は、毎回行われる必要はなく、たとえば定期的に行われる。また、合焦検出領域の初期設定処理に要する各情報の入力に当たっての形態は問わず、たとえばレビュー検査装置6の制御ソフト上の初期設定ファイル内で事前に登録する形態であってもよい。
【0039】
そして、基板111がステージ110に載置されると、欠陥情報取得部151は、この基板111に対する工程・品種、画像取得対象の基板111上の欠陥情報を取得する欠陥情報取得処理を行う(ステップS2)。この欠陥情報は、たとえば、図5に例示する欠陥リストT1に示すように、各欠陥に付された欠陥番号と、欠陥の重心座標、および、この欠陥に外接する外接長方形の隣り合わない二頂点として左上の頂点の座標および右下の頂点の座標とが対応付けられている。欠陥情報取得部151は、通信部143を介して、ネットワーク経由で欠陥情報管理サーバ4から欠陥情報を取得する。また、記憶部144に予め欠陥情報が記憶されており、欠陥情報取得部151は、記憶部144から欠陥情報を取得してもよい。
【0040】
次いで、退避条件取得部154は、欠陥情報取得処理(ステップS2)において取得された取得された欠陥情報をもとに予め演算することによって、修正対象の欠陥の重心がステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置するように基板111を移動させるとしたときに該欠陥が合焦検出領域S0内に位置するか否かを判断する(ステップS3)。言い換えると、退避条件取得部154は、ステップS3において、修正対象の欠陥、すなわち基板111の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の重心が視野領域Fsの中心に位置するように基板111上における視野領域Fsを位置変更するとしたときに該欠陥が合焦検出領域S0内に位置する否かを判断している。
【0041】
ここで、図5に例示した欠陥リストT1のように、欠陥の重心座標および該欠陥の外接長方形の各頂点の座標が、記憶部144に記憶された視野領域Fsと異なる原点を基準とする場合には、退避条件取得部154は、各座標の座標を視野領域Fsの原点に合わせて置き換える必要がある。たとえば、図6(a)の図5の欠陥リストT1の欠陥番号1に対応する欠陥Dに対して判断する場合には、まずこの欠陥Dのステージ110上の重心Pgの実座標を、図6(b)のように、視野領域Fsの中心Fs0と同じ座標(0,0)に置き換える。続いて、退避条件取得部154は、欠陥Dの外接長方形R1の左上の頂点の座標および右下の頂点の座標を、重心Pgを原点とした相対座標に置き換える。それから、退避条件取得部154は、欠陥Dの重心Pgがステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置するように基板111を移動させた場合に欠陥Dの外接長方形R1が合焦検出領域S0内に位置するか否かを判断する。
【0042】
退避条件取得部154は、修正対象の欠陥が合焦検出領域S0内に位置すると判断した場合(ステップS3:Yes)、欠陥情報取得処理(ステップS2)において取得された取得された欠陥情報のうちサイズ情報をもとに修正対象の欠陥の合焦検出領域S0からの退避距離および退避方向を該欠陥に対する退避条件として取得する退避条件取得処理を行う(ステップS4)。
【0043】
たとえば、図6(b)に示す欠陥Dの場合には、図7(b)に示すように、重心位置Pgをステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置させると、欠陥Dの外接長方形R1が合焦検出領域S0内に位置する。この場合には、退避条件取得部154は、欠陥Dの外接長方形R1が示す領域が、合焦検出領域S0に重ならないために必要な退避距離の最小距離を演算する。この場合には、欠陥Dの外接長方形R1を、図中のX軸左方向に移動すれば70μmの距離L1分移動させるだけで、合焦検出領域S0と外接長方形R1との重なりを解消することができる。このため、退避条件取得部154は、この欠陥Dに対しては、ステージ110のX軸方向左側に70μmの退避距離で退避させるとした退避条件を設定する。なお、欠陥の領域は外接長方形で示されているため、この外接長方形を、外接長方形のいずれか一辺に直交する1次元方向に退避させるとした退避条件で足りる。
【0044】
ステージ制御部156は、退避条件取得処理(ステップS4)によって取得された退避条件にしたがって合焦検出領域から修正対象の欠陥を退避させる退避処理を行う(ステップS5)。具体的には、ステージ制御部156は、欠陥Dに対しては、退避条件取得部154によって設定されたX軸方向左側に距離L1(70μm)だけ、ステージ移動部113にステージ110を移動させることによって、図7(a)の矢印Y1に示すように、合焦検出領域S0から欠陥Dの外接長方形R1を退避させる。
【0045】
その後、合焦検出部123は、撮像部121の対物レンズ129の、基板111の合焦検出領域S0に対する焦点合わせを行う合焦検出処理を行う(ステップS6)。このステップS6においては、ステップS5の退避処理によって、合焦検出部123は、合焦検出領域S0内に欠陥が位置しない状態で合焦検出処理を行うことができる。そして、合焦制御部155は、合焦検出部123によって焦点合わせが終了した後、この合わせ込まれた焦点条件を固定する焦点固定処理を行う(ステップS7)。
【0046】
ステージ制御部156は、焦点固定処理(ステップS7)後に、修正対象の欠陥の重心を視野領域Fsの中心Fs0に位置させる位置変更処理を行う(ステップS8)。具体的には、ステージ制御部156は、欠陥Dに対しては、X軸方向右側に距離L1(70μm)だけ、ステージ移動部113にステージ110を移動させることによって、図7(b)の矢印Y2に示すように、欠陥Dの重心Pgを視野領域Fsの中心Fs0に位置させる。
【0047】
その後、撮像部121は、撮像制御部153の制御のもと、修正対象の欠陥の重心が撮像視野Fsの中心Fs0に位置した状態で、基板111の一部を拡大して撮像する撮像処理を行う(ステップS11)。この撮像処理によって撮像された画像は、表示部146に表示出力されるほか、記憶部144に格納される。また、通信部143を介して、ネットワーク2経由で、欠陥情報管理サーバ4に送信されてもよい。そして、パターンマッチング処理部157は、ステップS11において撮像された画像を処理してパターンマッチング処理を行い(ステップS12)、処理結果を出力する。
【0048】
一方、退避条件取得部154が修正対象の欠陥が合焦検出領域S0内に位置しないと判断した場合には(ステップS3:No)、欠陥を退避させる必要がないので、ステージ制御部156は、修正対象の欠陥の重心をそのまま視野領域Fsの中心Fs0に位置させる位置変更処理を行い(ステップS9)、合焦検出部123は、ステップS6と同様に合焦検出処理を行う(ステップS10)。次いで、撮像制御部153は、修正対象の欠陥の重心が撮像視野Fsの中心Fs0に位置した状態で、基板111の一部を拡大して撮像する撮像処理を行う(ステップS11)。そして、パターンマッチング処理部157は、撮像部121によって撮像された画像を処理してパターンマッチング処理を行い(ステップS12)、処理結果を出力する。
【0049】
ここで、従来では、図8に示すように、合焦検出領域S0内に高さが高い欠陥Dが重なってしまった場合には欠陥の方に焦点が合ってしまって、欠陥Dの下方に位置する電極パターンまたは配線パターンがぼやけて判別できなくなってしまい、正確な修正処理を行うことができなかった。
【0050】
これに対し、本実施の形態1では、合焦検出領域S0から欠陥Dを予め退避させて、合焦検出領域内に欠陥が位置しない状態で焦点位置の最適化を行っている。言い換えると、実施の形態1では、図9の矢印Y1aのように、合焦検出処理前に距離L1aだけX軸方向にステージ110上の基板111を移動させることによって、合焦検出領域S0から欠陥Dの外接長方形R1を退避させた状態で焦点位置の最適化を行っている。このため、欠陥修正装置100は、合焦検出領域に欠陥自体位置しないため、欠陥に焦点が合うこと自体起こらない。したがって、欠陥修正装置100は、基板111に形成された電極パターンまたは配線パターンに安定的に焦点を合わせることができ、鮮明な電極(または配線)パターン画像を取得することができる。
【0051】
また、欠陥修正装置100は、電極(または配線)パターンを正確に取得できるため、レーザ加工領域から除外するためにレーザ光の非照射領域を設定するマスク設定がエラーとなることもなく、確実かつ正確に欠陥修正処理を行うことができる。したがって、欠陥修正装置100においては、マスク設定エラーの回避することができることから処理能力を高めることができるとともに、マスク設定エラー発生時における装置操作者の対応時間も削減できる。
【0052】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、欠陥情報として、欠陥の重心座標しか取得できない場合について説明する。図10は、実施の形態2にかかる欠陥修正装置の概略構成を示すブロック図である。
【0053】
図10に示すように、実施の形態2にかかる欠陥修正装置200は、図2に示す制御部150に代えて、制御部150と同様の機能を有する制御部250を備えた構成を有する。制御部250は、制御部150と比して、さらに、撮像部121によって撮像された画像に対して所定の処理を行う画像処理部253を備える。
【0054】
画像処理部253は、撮像部121によって撮像された欠陥画像を処理して、修正処理対象の欠陥の大きさを求める。画像処理部253は、修正処理対象の欠陥の大きさを示すものとして、この欠陥が外接する外接長方形の隣り合わない二頂点の基板111上の座標を求める。そして、退避条件取得部154は、欠陥情報に含まれる欠陥の重心の座標と画像処理部253によって求められた欠陥の大きさをもとに基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の合焦検出領域からの退避距離および退避方向を取得している。
【0055】
次に、図10に示す欠陥修正装置100におけるパターンマッチング処理に使用される欠陥画像を取得し、パターンマッチングを行うまでの処理について説明する。図11は、図10に示す欠陥修正装置200におけるパターンマッチング処理までの処理手順を示すフローチャートである。
【0056】
図11に示すように、まず、合焦検出領域演算部152は、図4のステップS1と同様に合焦検出領域の初期設定処理を行う(ステップS21)。そして、基板111がステージ110に載置されると、欠陥情報取得部151は、この基板111の欠陥情報を取得する欠陥情報取得処理を行う(ステップS22)。ここで、この欠陥情報は、各欠陥に付された欠陥番号と、欠陥の重心座標とが対応付けられている。
【0057】
次いで、欠陥修正装置200は、修正対象の欠陥の重心を視野領域の中心に位置させた状態の欠陥画像を撮像し、パターンマッチング処理部157による該欠陥画像と標本パターン画像とのパターン合致を判断するパターンマッチング判断処理を行う(ステップS23)。
【0058】
そして、制御部250は、パターンマッチング判断処理におけるパターンマッチング処理部157の判断結果をもとに、欠陥画像に含まれるパターンと標本パターンとが合致したか否かを判断する(ステップS24)。
【0059】
制御部250は、欠陥画像に含まれるパターンと標本パターンとが合致したと判断した場合には(ステップS24:Yes)、欠陥ではなく電極パターンまたは配線パターンに焦点が合った鮮明な電極(または配線)パターン画像が得られたものと判断できるため、そのまま該欠陥画像を使用して欠陥修正処理を行う。
【0060】
これに対し、制御部250は、欠陥画像に含まれるパターンと標本パターンとが合致しないと判断した場合には(ステップS24:No)、電極パターンまたは配線パターンいではなく欠陥に焦点が合ってしまい電極(または配線)パターン画像を正確に得られなかったものと判断できる。このため、欠陥を合焦検出領域から確実に退避させるために、まず、画像処理部253が、パターンマッチング判断処理において得られた欠陥画像を処理して、欠陥画像に示された欠陥の大きさを求める画像処理を行う(ステップS25)。画像処理部253は、欠陥画像を2値化してラッピング処理等を行うことによって、図12に示すように、欠陥Dが外接する外接長方形R2の隣り合わない二頂点P21,P22の撮像部121の視野領域Fcにおける座標を求め、求めた二頂点P21,P22の座標をステージ110上の座標に変換する。
【0061】
そして、退避条件取得部154は、欠陥情報取得処理(ステップS22)において取得された欠陥情報に含まれる欠陥の重心の座標と、画像処理(ステップS25)において画像処理部253によって求められた欠陥の大きさとをもとに、修正対象の欠陥の重心がステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置するように基板111を移動させるとしたときに場合に該欠陥が合焦検出領域S0内に位置するか否かを判断する(ステップS33)。
【0062】
また、退避条件取得部154は、修正対象の欠陥が合焦検出領域S0内に位置すると判断した場合(ステップS33:Yes)、欠陥の重心の座標と画像処理部253が求めた欠陥の大きさとをもとに修正対象の欠陥の合焦検出領域S0からの退避距離および退避方向を取得する退避条件取得処理を行う(ステップS34)。次いで、図4に示すステップS4〜ステップS8、ステップS11およびステップS12と同様の処理手順で、退避処理(ステップS35)、合焦検出処理(ステップS36)、焦点固定処理(ステップS37)、修正対象の欠陥の重心を視野領域Fsの中心Fs0に位置させる位置変更処理(ステップS38)、撮像処理(ステップS41)およびパターンマッチング処理(ステップS42)を行い、処理結果を出力する。
【0063】
一方、退避条件取得部154が修正対象の欠陥が合焦検出領域S0内に位置しないと判断した場合には(ステップS33:No)、欠陥を退避させる必要がないので、図4に示すステップS9〜ステップS12と同様の処理手順を行って、ステージ制御部156は、修正対象の欠陥の重心をそのまま視野領域Fsの中心Fs0に位置させる位置変更処理(ステップS39)、合焦検出処理(ステップS40)、撮像処理(ステップS41)およびパターンマッチング処理(ステップS42)を行い、処理結果を出力する。
【0064】
ここで、図11に示すパターンマッチング判断処理について、図13に示すフローチャートを参照して具体的に説明する。図13に示すように、パターンマッチング判断処理においては、ステージ制御部156のステージ移動部113の制御によって修正対象の欠陥の重心を視野領域Fsの中心Fs0に位置させる位置変更処理(ステップS51)が行われ、合焦検出部123による合焦検出処理(ステップS52)が行われた後に、修正対象の欠陥が生じている基板の画像を撮像する撮像処理を行う(ステップS53)。
【0065】
そして、パターンマッチング処理部157は、予め記憶部144内に格納された標本パターン画像のうち、基板111の工程の種類に応じた標本パターン画像を取得し(ステップS54)、撮像処理において撮像された欠陥を含む画像の電極(または配線)パターンと、標本パターン画像の電極(または配線)パターンとを比較する(ステップS55)。パターンマッチング処理部157は、撮像処理において撮像された欠陥を含む画像の電極(または配線)パターンと、標本パターン画像の電極(または配線)パターンとが合致するか否かを判断する(ステップS56)。そして、パターンマッチング処理部157は、合致すると判断した場合には(ステップS56:Yes)、合致した旨、すなわちパターンマッチングが成功した旨を出力し(ステップS57)、合致しないと判断した場合には(ステップS56:No)、合致しない旨、すなわちパターンマッチングが失敗した旨を出力し(ステップS58)、パターンマッチング判断処理を終了する。
【0066】
このように、実施の形態2によれば、欠陥情報として欠陥の重心座標しか取得できない場合であっても、欠陥を実際に撮像した画像を処理して欠陥の大きさを取得することによって、合焦検出領域S0から欠陥Dを退避させた状態で合焦検出処理を行うため、実施の形態1と同様の効果を奏することが可能である。
【0067】
また、実施の形態1,2においては、パターンマッッチング処理あるいはパターンマッチング判断処理に使用する画像として、欠陥の重心位置が撮像部121の視野領域の中心に位置する画像を例として説明しているが、もちろんこれに限らず、たとえば欠陥の外接長方形の中心が視野領域の中心に位置する画像を使用してもよい。
【0068】
また、合焦検出領域S0は、一つに限らず、合焦検出部123の機能に合わせて複数存在してもよい。たとえば像コントラスト方式の合焦検出部の場合、合焦検出領域は複数設定する場合が多いため、この場合には、退避条件取得部154は、欠陥の外接長方形が、いずれの合焦検出領域にも重ならないような欠陥の退避距離および退避方向を求めればよい。
【0069】
また、合焦検出領域は、合焦検出部123の機能に合わせて、視野領域内に限らず視野領域の外側に設定される場合もある。たとえばレーザなどによるアクティブ方式の合焦検出部123の場合、合焦検出領域は、視野領域の大きさに依存せずに任意に設定できることが多いためである。合焦検出領域が視野領域外である場合には、画像取得のために欠陥の重心または欠陥の外接長方形の中心を視野領域の中心に位置させたときに、この欠陥の外接長方形が合焦検出領域に重なる可能性が小さくなるため、この場合には、欠陥を退避する回数が減ってタクトの向上につながる。
【0070】
また、制御部150,250は、欠陥が隣接して複数存在する場合は、欠陥の外接長方形を結合した大きな長方形を形成して、この大きな長方形について退避条件を求めてよい。たとえば、図14に示すように、欠陥D1と欠陥D2とが近接して存在する場合には、欠陥D1の外接長方形R11と欠陥D2の外接長方形R12との双方が含まれる長方形R10を形成すればよい。欠陥の数が多すぎて、欠陥の外接長方形が合焦検出領域に位置しないための退避距離が求められない場合に、各欠陥の外接長方形を一つの大きな長方形に結合し、この長方形全体が合焦検出領域から退避できる退避条件を求めればよく、これによって退避条件の算出エラーを回避することができる。
【0071】
また、実施の形態1,2では、合焦検出処理時に欠陥の外接長方形が合焦検出領域に重ならないように最小距離で欠陥を合焦検出領域から退避させた場合を例に説明したが、もちろんこれに限らない。ステージ制御部156は、合焦検出領域のX軸方向またはY軸方向の幅が分かっている場合には、ステージ移動部113を制御して、この幅が分かっている方向に、修正対象の欠陥の重心がステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置するとした位置からこの幅分だけ基板を移動させれば、欠陥を確実に合焦検出領域外に退避させることができる。
【0072】
また、ステージ制御部156は、欠陥情報取得部が取得した欠陥情報、画像処理部253によって求められた欠陥の大きさから、修正対象の欠陥の重心位置がステージ110上の視野領域Fsの中心Fs0に位置するように基板111を移動させるとしたときに該欠陥が合焦検出領域S0内に位置すると判断した場合には、ステージ移動部113を制御して、図15の矢印のように、この修正処理対象の欠陥Dを撮像部121の視野領域Fc外に退避させてもよい。図15のように合焦検出領域A0が撮像部121の視野領域Fc内に位置する場合には、このように欠陥Dを視野領域Fc外に退避させることによって、欠陥を確実に合焦検出領域外に退避させることができる。
【0073】
また、実施の形態1,2においては、合焦検出領域は、視野領域の中心に位置してもよく、スポット状であってもよい。そして、退避条件取得部154は、欠陥Dの外接長方形が合焦検出領域と所定の距離を隔てて退避するように退避条件を設定してもよい。
【0074】
たとえば、図16のように視野領域Fcの中心Fc0に位置するスポット状の合焦検出領域の場合には、退避条件取得部154は、欠陥修正対象の欠陥D1の外接長方形R3と、中心Fc0に位置する合焦検出領域とが、x軸方向に所定の距離Laを隔てて退避するように退避条件を設定する。この距離Laは、アライメントのずれ、光学的なずれ、対物レンズの芯ずれ、機差によるずれを考慮して設定される。この距離Laは、実際に装置ごとに、欠陥修正対象の欠陥D1の外接長方形R3と、中心Fc0に位置する合焦検出領域との距離を変えて合焦検出処理を行った結果をもとに設定してもよい。このように、アライメントのずれ、光学的なずれ、対物レンズの芯ずれ、機差によるずれを考慮した距離だけ離して、欠陥を合焦検出領域から退避させることによって、さらに正確な合焦検出処理を実現できる。
【0075】
さらに、欠陥の外接長方形と合焦検出領域との距離は、欠陥の外接長方形の大きさと視野領域の大きさに対応させて設定してもよい。たとえば、図16の欠陥D3のように、外接長方形R3のx軸方向の幅Ldx3が視野領域Fcのx軸方向の幅の1/2の長さLfxよりも短い場合には、退避条件取得部154は、欠陥D3の外接長方形R3が中心Fc0に位置する合焦検出領域から、x軸方向に距離Laを隔てて退避する退避条件を求める。これに対して、図17の欠陥D4のように、外接長方形R4のx軸方向の幅Ldx4が視野領域Fcのx軸方向の幅の1/2の長さLfxよりも長い場合には、欠陥D4の外接長方形R4が中心Fc0に位置する合焦検出領域から、x軸方向に距離Lb(>La)を隔てて退避する退避条件を求める。なお、退避時には、欠陥D3,D4の重心のy座標は、中心Fc0のy座標と同一となるように退避条件は設定される。
【0076】
また、合焦検出領域は、図18の合焦検出領域A2のようにライン状であってもよい。この場合も、退避条件取得部154は、欠陥の外接長方形の大きさと視野領域の大きさに対応させて退避時における欠陥の外接長方形と合焦検出領域との距離を設定してもよい。たとえば、図18の欠陥D5のように、この欠陥D5の外接長方形R5のy軸方向の幅Ldy5が視野領域Fcのy軸方向の幅の1/2の長さLfyよりも短い場合には、退避条件取得部154は、外接長方形R5が合焦検出領域A2から、y軸方向に距離Lcを隔てて退避する退避条件を求める。これに対して、図19の欠陥D6のように、この欠陥D6の外接長方形R6のy軸方向の幅Ldy6が視野領域Fcのy軸方向の幅の1/2の長さLfyよりも長い場合には、外接長方形R6が合焦検出領域A2から、y軸方向に距離Ld(>Lc)を隔てて退避する退避条件を求める。なお、退避時には、欠陥D5,D6の重心のx座標は、中心Fc0のx座標と同一となるように退避条件は設定される。
【0077】
このように、欠陥の外接長方形の大きさに対応した距離だけ所定方向に離れるように欠陥を合焦検出領域から退避させることによって、合焦検出領域からの欠陥の退避を確実化することができる。
【0078】
また、本実施の形態1,2では、欠陥に対応する領域を外接長方形で示した場合を例に説明したが、もちろんこれに限らず、図20のように、欠陥Fが外接する真円R7で示してもよい。この場合には、欠陥を矢印のように2次元的に退避させる必要があるため、退避条件取得部154は、x軸方向およびy軸方向のそれぞれの方向に対して退避距離を求める。
【0079】
また、本実施の形態1,2においては、ステージ110を移動させるのではなく、図21の欠陥修正装置100aのように、顕微鏡部120およびレーザ照射部130の双方を基板111表面と平行に移動する顕微鏡移動部161を設けて、基板111上における撮像部121の視野領域を位置変更してもよい。この場合には、制御部150aの顕微鏡移動制御部156aは、顕微鏡移動部161を制御することによって合焦検出時に合焦検出領域から欠陥を退避させる。また、図22の欠陥修正装置100bのように、ステージ移動部113および顕微鏡移動部161の双方を設けて、基板111上における撮像部121の視野領域を位置変更してもよい。この場合には、制御部150bのステージ制御部156および顕微鏡移動制御部156aがステージ移動部113および顕微鏡移動部161をそれぞれ制御することによって、合焦検出時に合焦検出領域から欠陥を退避させる。
【0080】
また、本実施の形態1,2においては、欠陥修正装置100,100a,100b,200を例に説明したがもちろんこれに限らず、レビュー検査装置6に適用してもよい。レビュー検査装置6に適用する場合には、レーザ照射部130を削除した構成となる。さらに、欠陥修正装置100,100a,100b,200からレーザ照射部130を削除した構成を欠陥検査装置1に適用することも可能である。このように、欠陥修正装置100,100a,100b,200からレーザ照射部130を削除した構成は、欠陥が生じている基板の画像を取得する画像取得装置を備えた各種装置に適用可能である。
【0081】
また、本実施の形態1,2では、退避条件取得部154は、退避条件を演算して求めた場合を例に説明したが、もちろんこれに限らず、予め求められ記憶部144に格納された欠陥情報の各内容と、欠陥情報の各内容に対応する退避条件とを条件テーブルを参照して、最も適切な退避条件を条件テーブルから選択してもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 欠陥検査装置
2 ネットワーク
3 生産データ管理サーバ
4 欠陥情報管理サーバ
5 欠陥情報データベース
6 レビュー検査装置
100,100a,100b,200 欠陥修正装置
110 ステージ
111 基板
120 顕微鏡部
121 撮像部
122 結像レンズ
123 合焦検出部
124,126,133,138 ハーフミラー
125 照明部
127 焦準機構
128 レボルバ
129 対物レンズ
130 レーザ照射部
131 レーザ光源
134,137 高反射ミラー
135 空間光変調器
136 領域設定部
142 入力部
143 通信部
144 記憶部
145 出力部
146 表示部
150,150a,250,150b 制御部
151 欠陥情報取得部
152 合焦検出領域演算部
153 撮像制御部
154 退避条件取得部
155 合焦制御部
156 ステージ制御部
156a 顕微鏡移動制御部
157 パターンマッチング処理部
161 顕微鏡移動部
253 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
欠陥が生じている基板の一部を拡大した画像を取得する画像取得装置であって、
レンズおよび撮像素子を備え、前記基板の一部を拡大して撮像する撮像手段と、
前記基板上における前記撮像手段の視野領域を変更する位置変更手段と、
前記レンズの前記基板に対する焦点合わせを行う合焦検出手段と、
前記位置変更手段を制御して、前記合焦検出手段が焦点合わせを行う場合に前記焦点合わせの対象となる合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる前記欠陥を退避させる位置制御手段と、
前記合焦検出手段による焦点合わせ後の焦点条件を固定する合焦制御手段と、
前記合焦制御手段による焦点条件の固定後に、前記撮像手段に前記基板の一部を拡大して撮像させる撮像制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像取得装置。
【請求項2】
前記位置制御手段は、前記合焦制御手段による焦点条件の固定後に、退避させた前記欠陥の特定点を前記撮像手段の視野領域の所定位置に位置させ、
前記撮像制御手段は、前記位置制御手段が前記欠陥の特定点を前記撮像手段の視野領域の所定位置に位置させた後に、前記撮像手段に前記基板の一部を撮像させることを特徴とする請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項3】
前記欠陥の前記基板上の位置を特定する欠陥情報を取得する欠陥情報取得手段をさらに備え、
前記位置制御手段は、前記欠陥情報取得手段によって取得された欠陥情報をもとに前記合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像取得装置。
【請求項4】
前記欠陥情報をもとに前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の前記合焦検出領域からの退避距離および退避方向を退避条件として取得する退避条件取得手段をさらに備え、
前記位置制御手段は、前記退避条件取得手段によって取得された退避条件にしたがって前記合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させることを特徴とする請求項3に記載の画像取得装置。
【請求項5】
前記退避条件は、前記欠陥が退避後に前記合焦検出領域から所定の距離を隔てているという条件を含むことを特徴とする請求項4に記載の画像取得装置。
【請求項6】
前記欠陥情報は、前記欠陥の特定点の座標を少なくとも含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の画像取得装置。
【請求項7】
前記欠陥情報は、前記欠陥の大きさを示すサイズ情報をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の画像取得装置。
【請求項8】
前記サイズ情報は、前記欠陥に外接する長方形の隣り合わない二頂点の基板上の座標であり、
前記退避条件取得手段は、前記欠陥情報に含まれる欠陥の特定点の座標と前記欠陥に外接する長方形の隣り合わない二頂点の基板上の座標とをもとに、前記長方形のいずれか一辺と直交する方向への前記欠陥の退避距離を取得することを特徴とする請求項7に記載の画像取得装置。
【請求項9】
前記撮像手段によって撮像された前記欠陥を含む画像を処理して前記欠陥の大きさを求める画像処理手段をさらに備え、
前記退避条件取得手段は、前記欠陥情報に含まれる欠陥の特定点の座標と、前記画像処理手段によって求められた前記欠陥の大きさとをもとに前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の前記合焦検出領域からの退避距離および退避方向を取得することを特徴とする請求項6に記載の画像取得装置。
【請求項10】
前記撮像手段によって撮像された欠陥を含む画像に含まれるパターンと、予め求められた標本パターンとのパターンマッチングを行うパターンマッチング手段をさらに備え、
前記画像処理手段は、前記パターンマッチング手段において前記欠陥を含む画像に含まれるパターンと前記標本パターンとが合致しない場合に前記欠陥を含む画像を処理することを特徴とする請求項9に記載の画像取得装置。
【請求項11】
前記位置制御手段は、前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の特定点が前記撮像手段の視野領域の所定位置に位置するように前記基板上における前記撮像手段の視野領域を変更するとしたときに該欠陥が前記合焦検出領域内に位置すると判断した場合には、前記位置変更手段に、前記合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させることを特徴とする請求項2〜10のいずれか一つに記載の画像取得装置。
【請求項12】
前記位置制御手段は、前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の特定点が前記撮像手段の視野領域の所定位置に位置するように前記基板上における前記撮像手段の視野領域を変更するとしたときに前記欠陥が前記合焦検出領域内に位置すると判断した場合には、前記位置変更手段に、前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を前記撮像手段の視野領域外に退避させることを特徴とする請求項2に記載の画像取得装置。
【請求項13】
前記欠陥の特定点は、前記欠陥の重心であることを特徴とする請求項2〜12のいずれか一つに記載の画像取得装置。
【請求項14】
前記位置変更手段は、前記基板を移動することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の画像取得装置。
【請求項15】
前記位置変更手段は、前記撮像手段を移動することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の画像取得装置。
【請求項16】
レーザ光を基板に照射して前記基板の欠陥を修復する欠陥修正装置であって、
請求項1〜15のいずれか一つに記載の画像取得装置と、
前記画像取得装置の撮像手段によって取得された画像に基づいて前記基板に前記レーザ光を照射して修復処理を行う欠陥修正手段と、
を備えたことを特徴とする欠陥修正装置。
【請求項17】
欠陥が生じている基板の一部を拡大した画像を撮像手段による撮像によって取得する画像取得方法であって、
前記基板上における前記撮像手段の視野領域を変更して、焦点合わせの対象となる合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させる退避ステップと、
前記撮像手段のレンズの前記基板に対する焦点合わせを行う合焦検出ステップと、
前記合焦検出ステップによる焦点合わせ後の焦点条件を固定する焦点固定ステップと、
前記焦点固定ステップで固定した焦点条件で前記基板の一部を拡大して撮像する撮像ステップと、
を含むことを特徴とする画像取得方法。
【請求項18】
前記焦点固定ステップと前記撮像ステップの間に行われ、前記基板上における前記撮像手段の視野領域を変更して、退避させた前記欠陥の特定点を前記撮像手段の視野領域の所定位置に位置させる位置変更ステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の画像取得方法。
【請求項19】
前記退避ステップの前に、前記欠陥の前記基板上の位置を特定する欠陥情報を取得する欠陥情報取得ステップをさらに含み、
前記退避ステップは、前記欠陥情報取得ステップにおいて取得された欠陥情報をもとに前記合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させることを特徴とする請求項17または18に記載の画像取得方法。
【請求項20】
前記退避ステップの前に、前記欠陥情報をもとに前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の前記合焦検出領域からの退避距離および退避方向を退避条件として取得する退避条件取得ステップをさらに含み、
前記退避ステップは、前記退避条件取得ステップによって取得された退避条件にしたがって前記合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させることを特徴とする請求項19に記載の画像取得方法。
【請求項21】
前記退避条は、前記欠陥が退避後に前記合焦検出領域から所定の距離を隔てているという条件を含むことを特徴とする請求項20に記載の画像取得装置。
【請求項22】
前記欠陥情報は、前記欠陥の特定点の座標を少なくとも含むことを特徴とする請求項20または21に記載の画像取得方法。
【請求項23】
前記欠陥情報は、前記欠陥の大きさを示すサイズ情報をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の画像取得方法。
【請求項24】
前記サイズ情報は、前記欠陥に外接する長方形の隣り合わない二頂点の基板上の座標であり、
前記退避条件取得ステップは、前記欠陥情報に含まれる欠陥の特定点の座標と前記欠陥に外接する長方形の隣り合わない二頂点の基板上の座標とをもとに、前記長方形のいずれか一辺と直交する1次元方向への前記欠陥の退避距離を取得することを特徴とすることを特徴とする請求項23に記載の画像取得方法。
【請求項25】
前記欠陥を含む画像を撮像する欠陥画像撮像ステップと、
前記欠陥画像撮像ステップにおいて撮像された画像を処理して前記欠陥の大きさを求める画像処理ステップと、
をさらに含み、
前記退避条件取得ステップは、前記欠陥情報に含まれる欠陥の特定点の座標と、前記画像処理ステップにおいて求められた前記欠陥の大きさとをもとに前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の前記合焦検出領域からの退避距離および退避方向を取得することを特徴とする請求項22に記載の画像取得方法。
【請求項26】
前記欠陥画像撮像ステップによって撮像された画像に含まれるパターンと、予め求められた標本パターンとのパターンマッチングを行うパターンマッチングステップをさらに含み、
前記画像処理ステップは、前記パターンマッチングステップにおいて前記欠陥画像撮像ステップによって撮像された画像に含まれるパターンと前記標本パターンとが合致しない場合に前記欠陥画像撮像ステップにおいて撮像された画像を処理することを特徴とする請求項25に記載の画像取得方法。
【請求項27】
前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の特定点が前記撮像手段の視野領域の所定位置に位置するように前記基板上における前記撮像手段の視野領域を変更するとしたときに該欠陥が前記合焦検出領域内に位置する否かを判断する判断ステップをさらに含み、
前記退避ステップは、前記判断ステップにおいて前記欠陥が前記合焦検出領域内に位置すると判断された場合に前記合焦検出領域から前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を退避させることを特徴とする請求項18〜26のいずれか一つに記載の画像取得方法。
【請求項28】
前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥の特定点が前記撮像手段の視野領域の所定位置に位置するように前記基板上における前記撮像手段の視野領域を変更するとしたときに該欠陥が前記合焦検出領域内に位置する否かを判断する判断ステップをさらに含み、
前記退避ステップは、前記判断ステップにおいて前記欠陥が前記合焦検出領域内に位置すると判断された場合に、前記基板の画像取得対象領域内に含まれる欠陥を前記撮像手段の視野領域外に退避させることを特徴とする請求項18に記載の画像取得方法。
【請求項29】
前記欠陥の特定点は、前記欠陥の重心であることを特徴とする請求項18〜28のいずれか一つに記載の画像取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−257303(P2011−257303A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133079(P2010−133079)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】