説明

画像表示装置

【課題】画像を見やすくし、且つ、低コストで導入しやすいセキュリティ機能を備えた画像表示装置を提供する。
【解決手段】ディスプレイ本体11の画面17の向きは上下及び左右の方向に変更可能とされる。カメラ13により撮像された撮像画像の画像データは一定時間毎にコントローラ14に送信される。この画像データに基づいて、撮像画像から視聴者の顔画像が検出される。撮像画像内における視聴者の顔画像の位置に基づいて、ディスプレイ本体11の回転角度が算出される。コントローラ14は、算出された回転角度に基づいて、ディスプレイ本体11を回転させる。これにより、画面17が視聴者の顔の方向に向く。また、監視モードに設定されている場合には、検出された顔画像の人物が不審者か否かが判定される。不審者であると判定された場合には、不審者の顔画像が画面17に表示され、その顔画像がメモリに記録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面に表示される画像を見やすくする画像表示装置に関する。また、本発明は、セキュリティシステムとしての機能を有する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ブラウン管型テレビに代わり、液晶型テレビが市場に多く出回っている。この液晶型テレビはその奥行き方向の幅が小さく、設置するのに場所をとらないという利点がある。その一方、液晶型テレビはブラウン管型テレビと比較して視野角が狭いため、そのテレビの画面に写る画像が見にくくなるという問題がある。その他、視野角をブラウン管型テレビ並みに拡大させた液晶型テレビ、いわゆるワイドビュー対応の液晶型テレビも普及し始めているが、そのテレビの画面を横から見た場合などには、やはりテレビの画像が見にくくなることがある。
【0003】
これまでは、テレビの画像を見やすくするために、テレビの画面があるテレビ本体を回転自在にする可動式スタンドを設け、視聴者がその可動式スタンドをリモコンなどで適宜操作することにより、テレビの画像が見やすくなる位置に、テレビ本体を動かしていた。その他、可動式スタンドの設置状態に応じて、画面に写る画像が見えやすくなるように、テレビの画質データを調整する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
なお、テレビを用いた発明に関連するものとして、プログレッシブテレビに監視カメラを設け、そのプログレッシブテレビが有する映像中の動き情報を検出する機能を用いて、監視カメラが得た撮像信号から動き情報を検出し、その動き情報に基づいて、不審者が侵入したか否かを判定する監視機能付きテレビジョン受像機が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−341105号公報
【特許文献2】特開2000−224572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の方法の場合であれば、テレビの画像が見にくくなったときに、視聴者がわざわざリモコンなどで操作しなければならないという煩わしさがある。また、特許文献1の発明については、可動式スタンドの設置状態に応じてテレビの画質を最適にしたとしても、視聴者がテレビを見る位置が変わってしまうと、テレビの画像が見えにくくなることがある。また、特許文献2の発明は、プログレッシブテレビ以外のテレビ、例えばインターレス型のテレビなど映像中の動き情報を検出する機能を備えていないテレビには、適用することができない。
【0006】
本発明は、テレビの画面に写る画像を見やすくし、且つ、低コストで導入しやすいセキュリティ機能を備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の画像表示装置は、ディスプレイの表示画面が観察可能な視聴エリアを撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像の中から人物の顔画像を検出する顔画像検出手段と、前記顔画像検出手段で検出された顔画像の位置に応じて前記ディスプレイの表示画面の向きを変更する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
前記顔画像検出手段によって複数の顔画像が検出されたときに、前記制御手段は前記複数の顔画像を含む一つの検出エリアを特定し、前記検出エリアの中心に前記ディスプレイの表示画面を向き合わせることが好ましい。
【0009】
前記顔画像検出手段で検出された顔画像が予め登録された人の顔画像であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により登録済みの人以外の顔画像であることが判定されたときには前記顔画像検出手段で検出された顔画像の画像データを記録する記録手段とを備え、前記制御手段をオフして前記判定手段及び記録手段をオン状態とする監視モードを有することが好ましい。
【0010】
前記監視モード下で前記撮像手段から得られる画像データを外部に送信する送信手段を備えることが好ましい。
【0011】
前記判定手段により登録済みの人以外の顔画像であることが判定されたときに、パスワード入力部へのパスワードの入力を促すパスワード入力指示部と、前記パスワード入力指示部から入力されたパスワードが適正か否かを照合するパスワード照合部とを備え、パスワードが適正であるときには前記記録手段または前記送信手段の作動が禁止されることが好ましい。
【0012】
前記撮像手段の光学系にズームレンズを用いることが好ましい。テレビ信号を受信する受信装置を備え、受信したテレビ信号に基づいて前記ディスプレイに画像表示を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、撮像手段を用いて視聴エリアを撮像し、顔画像検出手段を用いて撮像画像から人物の顔画像を検出し、検出した顔画像の位置に応じてディスプレイの表示画面の向きを変更することにより、その視野角が狭い場合であっても、ディスプレイの画面に写る画像を見やすくすることができる。
【0014】
また、本発明は、撮像手段で撮像された顔画像が予め登録された人の顔画像であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により登録済みの人以外の顔画像であることが判定されたときに撮像手段から得られる画像データを記録する記録手段とを更に備えている。ディスプレイの表示画面の向きを変更する制御手段をオフとし、前記判定手段及び記録手段をオン状態にする監視モードに設定することで、不審者の侵入を監視することが可能となる。撮像手段と顔画像検出手段を不審者の侵入の監視のためにも用いることで、低コストでセキュリティシステムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に示すように、本発明を適用したテレビジョン受像機10は、ディスプレイ本体11、スタンド12、カメラ13、コントローラ14、通報サーバ15、アラーム16を備えている。なお、図示は省略するが、テレビジョン受像機には、アンテナを介してテレビの信号を受信する受信部と、テレビの信号をテレビの画像信号に変換する信号変換部とを備えている。
【0016】
ディスプレイ本体11は略直方体形状であり、画面17と操作部18とを備えている。画面17はLCDから構成されており、ディスプレイ本体11の前面11aに設けられている。画面17は、信号変換部で変換されたテレビの画像信号に基づいて、テレビの画像を表示する。また、ディスプレイ本体11の裏面11bにはアーム19が取り付けられており、このアーム19は、スタンド12に対して略上下方向(図1〜図3「Y方向」)及び略左右方向(図4及び5「X方向」)に所定の角度で回転可能となっている。このアーム19の回転に従って、ディスプレイ本体11もX方向又はY方向に所定の角度で回転する。このディスプレイ本体11の回転によって、画面17の向きはX方向又はY方向に変更される。なお、ディスプレイ本体はLCDに限る必要はなく、CRTやプラズマディスプレイその他周知の表示手段であってもよい。
【0017】
また、操作部18はディスプレイ本体11の前面11aに設けられており、電源ボタンなどのボタンに加え、監視モード設定ボタン18a、パスワード入力部18b(いずれも図6参照)を備えている。監視モード設定ボタン18aは、不審者の侵入を監視する監視モードの設定を行う。監視モード設定ボタン18aにより監視モードが設定されると、画面17の表示が停止され、監視モードに設定された旨の情報がコントローラ14に送信される。パスワード入力部18bはテンキーなどの入力手段から構成されている。入力されたパスワードはコントローラ14に送信される。なお、監視モードが設定されたときに、画面の表示を停止させたが、これに限らず、例えば、コントローラやカメラの電源はオンとしたままで、ディスプレイ本体の電源のみをオフとしてもよい。
【0018】
スタンド12は、スタンド本体20、スタンドベース21、ジョイント22からなる。スタンド本体20の内部は中空状とされ、その両端には開口20a,20bが形成されている。また、スタンドベース21の内部も中空状とされ、その上面の略中央部には後述する回転軸30用の軸孔21aが形成されている。なお、スタンド本体とスタンドベースとを別体としたが、これに限らず一体としてもよい。
【0019】
ジョイント22は、スタンド本体20の上面でX方向に所定の角度で回転可能とされている。また、ジョイント22の側面には、ディスプレイ本体11のアーム19を挿通させるための挿通孔22aが形成されている。この挿通孔22aは、アーム19が所定の範囲でY方向に移動可能な程度の大きさにしてある。アーム19にはギア24が取り付けられており、このギア24には回転軸25が固着されている。この回転軸25はジョイント22の内部において回転可能に軸支されている。ギア24はモータ27の回転に従って回転する。モータ27は、ドライバ(図示省略)を介して、コントローラ14により駆動制御される。コントローラ14の駆動制御により、図1〜図3に示すように、ディスプレイ本体11は、回転軸25の中心25aを回転中心として、Y方向に回転する。このディスプレイ本体11の回転により、画面17の向きはY方向に変更される。
【0020】
また、ジョイント22の下面には回転軸30が固着されており、この回転軸30の下端にはギア31が設けられている。ギア31はモータ32の回転に従って回転する。モータ32は、ドライバ(図示省略)を介して、コントローラ14により駆動制御される。このコントローラ14の駆動制御により、図4及び5に示すように、ジョイント22が回転軸30の中心を回転中心として回転し、これに連動してディスプレイ本体11はX方向に回転する。このディスプレイ本体11の回転により、画面17の向きはX方向に変更される。なお、図4及び5では、スタンドベースの図示を省略している。
【0021】
図1に示すように、カメラ13はスタンドベース21の上面に固定して取り付けられており、ディスプレイ本体11の画面17の略前方を撮像する。カメラ13はズームレンズ(図示省略)を備えている。カメラ13の撮像範囲は、画面17にテレビの画像を表示する視聴モード用の撮像範囲と、監視モード用の撮像範囲とがあり、設定されているモードによって適宜切り替えられる。
【0022】
視聴モード用の撮像範囲は、画面17の略前方であって、その画面17から数メートル以内の範囲とされる。そのため、カメラ13のズームレンズはワイド端にセットされている。一方、監視モード用の撮像範囲は、不審者の顔を確実に検出することができる範囲とされる。そのため、後述するコントローラ14の顔画像検出部33で顔画像が検出されるまで、ズームレンズがワイド端とテレ端との間で所定量移動し、その移動毎に撮像が行われる。カメラ13により撮像された撮像画像は画像データとして、コントローラ14に送信される。
【0023】
なお、カメラ13をスタンドベース21の上面に固定して取り付けたが、これに限る必要はない。例えば、不審者の監視を強化する場合には、カメラをスタンドベース21の上面の面内で360°回転させる回転機構を設け、一定時間毎に所定の角度でカメラを回転させ、その回転毎に撮像を行ってもよい。このように、カメラに回転機構を設けることにより、カメラの撮像範囲をテレビジョン受像機10が設置されている空間全体に拡げることができる。
【0024】
コントローラ14はスタンドベース21の内部に設けられおり、図6に示すように、顔画像検出部33、第1位置特定部34、第2位置特定部35、回転角度算出部36、顔画像照合部37、パスワード入力指示部38、パスワード照合部39、ズーム指示部42、メモリ14aを備えている。
【0025】
顔画像検出部33は、カメラ13からの画像データに基づいて、顔画像の検出を行う。メモリ14aには予め複数の顔画像パターンが記憶されており、これら複数の顔画像パターンを用いてパターンマッチングを行うことで、顔画像の検出を行う。例えば、視聴モードが設定されている場合には、図7及び8に示すように、撮像画像45から1人又は複数の視聴者の顔画像46,47が検出される。なお、顔画像の検出は顔画像のパターンマッチングに限らず、撮像画像が構成する各画素の色が肌色範囲に属する色であるかどうかの判断を行い、肌色部分が所定の面積以上である箇所を顔画像として検出してもよい。
【0026】
図7に示すように、第1位置特定部34は、視聴モードに設定され、且つ、顔画像検出部33において1人の視聴者の顔画像46が検出された場合に、撮像画像45中の顔画像の位置46aを特定する。また、図8に示すように、第2位置特定部35は、視聴モードに設定され、且つ、顔画像検出部33において複数の視聴者の顔画像47が検出された場合に、複数の視聴者の顔画像47を含む一つの検出エリア48を特定する。さらに、第2位置特定部35は、検出エリア48からその中心位置48aを特定する。
【0027】
図6に示すように、回転角度算出部36は、第1位置特定部34で特定された顔画像の位置46a又は第2位置特定部35で特定された検出エリアの中心位置48aに基づいて、ディスプレイ本体11の回転角度を算出する。コントローラ14は、算出された回転角度に基づいて、ディスプレイ本体11をX方向またはY方向に回転させる。これにより、視聴者が1人である場合には、その視聴者の顔の方向に、ディスプレイ本体11の画面17が向くようになる。また、視聴者が複数である場合には、各視聴者の顔が含まれる範囲の中心方向に、ディスプレイ本体11の画面17が向くようになる。
【0028】
顔画像照合部37は、監視モード設定手段18aにより監視モードに設定されている場合に、顔画像検出部33で検出された顔画像とメモリ14aに予め登録された家の住人の顔画像(以下「登録顔画像」という)との照合を行う。登録顔画像と一致した場合には、監視モードが維持され、再度、顔画像検出部33において顔画像の検出が行われる。一方、登録顔画像と一致しない場合には、パスワード入力指示部38により、パスワードの入力が指示される。パスワードの入力を指示する方法としては、ディスプレイ本体11の画面17に、「一定時間内にパスワードを入力してください」とのメッセージの表示をする方法が挙げられる。
【0029】
なお、登録顔画像は家の住人の顔画像に限る必要はない。例えば、本発明のテレビジョン受像機を店などに設置した場合には、登録顔画像をその店の従業員の顔画像としてもよい。また、登録顔画像と一致した場合には、監視モードを解除して、視聴モードに切り替えてもよい。また、登録顔画像と一致しない場合には、顔画像が検出された人物を不審者と判定してもよい。
【0030】
パスワード照合部39は、パスワード入力部18bにより入力されたパスワードと、メモリ14aに予め設定されたパスワード(以下「設定パスワード」という)との照合を行う。設定パスワードと一致しない場合や、パスワード入力指示部38の入力指示から一定時間内にパスワードが入力されない場合には、顔画像検出部33で顔画像が検出された人物が不審者であると判定される。この場合には、以下に示すように、ズーム指示部42、通報サーバ15、アラーム16などによって、不審者侵入時の処理が実行される。一方、設定パスワードと一致した場合には、不審者侵入時の処理の実行は禁止され、監視モードの状態が維持される。なお、顔画像照合部37と同様に、設定パスワードと一致した場合には、監視モードを解除して、視聴モードに切り替えてもよい。
【0031】
ズーム指示部42は、パスワード照合部39で不審者と判定された場合に、カメラ13に対して、その不審者の顔を拡大するように指示する。これにより、不審者の顔が拡大された画像データがコントローラ14に送信され、この画像データはメモリ14aに記録される。また、図9に示すように、ディスプレイ本体11の画面17にその顔画像が表示されるとともに、不審者に対して警告するメッセージの表示がなされる。それに加えて、アラーム16が鳴り、音で不審者に対して警告する。
【0032】
通報サーバ15は、モデムなどの通信手段(図示省略)を備えており、電話回線などのネットワーク50に接続されている。通報サーバ15には、連絡先の電話番号、メールアドレス、及び不審者が侵入したことを知らせる音声メッセージのデータが記憶されている。通報サーバ15は、パスワード照合部39で不審者と判定された場合に、連絡先の電話番号に電話をかける。電話がつながると、連絡先の電話に不審者が侵入したことを知らせる音声メッセージが流される。また、通報サーバ15は、メモリ14aに記録された不審者の顔画像の画像データを、連絡先のメールアドレスに送信する。なお、音声メッセージに代えて、不審者が侵入したことを知らせる内容の電子メールを、連絡先のメールアドレス、携帯電話などに送信してもよい。
【0033】
次に、本発明の作用を図10のフローチャートを参照しながら説明する。ディスプレイ本体11の操作部18の電源ボタンにより電源がONにされると、視聴モードに設定され、ディスプレイ本体11の画面17にテレビの画像が表示される。また、カメラ13の撮像、コントローラ14内の顔画像検出部33、第1及び第2位置特定部34,35、回転角度算出部36の稼動が開始される。コントローラ14は、カメラ13から画像データを取得する。
【0034】
そして、顔画像検出部33は、カメラ13からの画像データに基づいて、顔画像の検出を行う。顔画像検出部33において1人の視聴者の顔画像46が検出された場合には、第1位置特定部34により、その1人の視聴者の顔画像の位置46aが特定される。また、顔画像検出部33において複数の視聴者の顔画像47が検出された場合には、第2位置特定部35により、各視聴者の顔画像47を含む一つの検出エリア48が特定される。さらに、第2位置特定部35は、検出エリア48からその中心位置48aを特定する。一方、顔画像検出部33で顔画像が検出されない場合には、再度カメラ13により撮像が行われ、コントローラ14はその撮像画像の画像データを取得する。
【0035】
回転角度算出部36は、第1位置特定部34で特定された顔画像の位置46a又は第2位置特定部35で特定された検出エリアの中心位置48aに基づいて、ディスプレイ本体11の回転角度を算出する。コントローラ14は、算出された回転角度に基づいて、ディスプレイ本体を回転させる。これにより、画面17の向きが変更される。
【0036】
一方、監視モード設定ボタン18aにより監視モードに設定されると、ディスプレイ本体11の画面17の表示が停止されるとともに、コントローラ14内の第1及び2位置特定部34,35の稼動、及び回転角度算出部36の稼動が停止される。その一方で、カメラ13、コントローラ14内の顔画像検出部33の稼動は維持されるとともに、顔画像照合部37、パスワード入力指示部38、パスワード照合部39、ズーム指示部42、通報サーバ15、アラーム16の稼動が開始される。
【0037】
顔画像検出部33は、カメラ13からの画像データに基づいて、顔画像の検出を行う。顔画像検出部33により人物の顔画像が検出された場合には、顔画像照合部37により、その検出された顔画像と登録顔画像との照合が行われる。一方、顔画像検出部33で顔画像が検出されない場合には、顔画像検出部33で顔画像が検出されるまで、ズームレンズをワイド端とテレ端との間で移動させ、その移動毎に撮像を行う。撮像した撮像画像の画像データは、コントローラ14に送信される。
【0038】
顔画像照合部37において、登録顔画像と一致した場合には監視モードが維持され、登録顔画像と一致しない場合には、パスワード入力指示部38により、パスワードの入力が指示される。パスワード入力部18bにより入力されたパスワードと設定パスワードとの照合が、パスワード照合部39により行われる。照合の結果、設定パスワードと一致した場合には、不審者侵入時の処理の実行が禁止され、監視モードの状態が維持される。設定パスワードと一致しない場合や、一定時間内にパスワードの入力がないような場合には、顔画像検出部33で検出された顔画像の人物が不審者であると判定され、不審者侵入時の処理が実行される。
【0039】
パスワード照合部39で不審者と判定された場合には、ズーム指示部39は、カメラ13に対して、不審者の顔を拡大するように指示する。不審者の顔が拡大された画像データは、メモリ14aに記録される。また、ディスプレイ本体11の画面17は、不審者の顔画像を表示するとともに、警告のメッセージを表示する。さらに、アラームが鳴り、音で不審者に警告する。
【0040】
さらに、通報サーバ15は、連絡先の電話番号に電話をかけ、その電話に不審者が侵入したことを知らせる音声メッセージを流す。また、通報サーバ15は、メモリ14aに記録された不審者の顔画像の画像データを、連絡先のメールアドレスに送信する。
【0041】
なお、上記実施形態では、テレビジョン受像機に本発明を適用したが、これに限る必要ない。例えば、パソコンのディスプレイ等にも本発明を適用することができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、ディスプレイ本体をスタンドに取り付け、このスタンド内にディスプレイ本体の画面の向きを変更させる機構を設けたが、これに限る必要はない。例えば、スタンドに代えて、ディスプレイ本体を壁に取り付け、その壁にディスプレイ本体の画面の向きを変更させる機構を設けてもよい。
【0043】
なお、上記実施形態では、顔画像検出部で検出された顔画像の人物が不審者であるか否かを判定するために、家の住人の顔画像とのパターンマッチングを行ったが、これに限る必要はない。例えば、監視モード設定状態において、顔画像検出部で顔画像が検出された際には、その顔画像の人物が家の住人であることを証明するために、その家の住人にしか知りえない操作を要求してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明を適用したテレビジョン受像機を示す断面図である。
【図2】ディスプレイ本体の画面の向きが上方向に変更された状態を示す側面図である。
【図3】ディスプレイ本体の画面の向きが下方向に変更された状態を示す側面図である。
【図4】ディスプレイ本体の画面の向きが左方向に変更された状態を示す平面図である。
【図5】ディスプレイ本体の画面の向きが右方向に変更された状態を示す平面図である。
【図6】コントローラを示すブロック図である。
【図7】1人の視聴者の顔画像が検出された状態を示す説明図である。
【図8】複数の視聴者の顔画像が検出された状態を示す説明図である。
【図9】不審者の侵入が検知されたときに表示されるディスプレイ本体の画面を示す正面図である。
【図10】本発明の作用を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
10 テレビジョン受像機
11 ディスプレイ本体
12 スタンド
13 カメラ
14 コントローラ
14a メモリ
15 通報サーバ
16 アラーム
18 操作部
18a 監視モード設定ボタン
18b パスワード入力部
20 スタンド本体
22 ジョイント
24,31 ギア
25,30 回転軸
27,32 モータ
33 顔画像検出部
34 第1位置特定部
35 第2位置特定部
36 回転角度算出部
37 顔画像照合部
38 パスワード入力指示部
39 パスワード照合部
42 ズーム指示部
45 撮像画像
46a 顔画像の位置
48a 中心位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイの表示画面が観察可能な視聴エリアを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像の中から人物の顔画像を検出する顔画像検出手段と、
前記顔画像検出手段で検出された顔画像の位置に応じて前記ディスプレイの表示画面の向きを変更する制御手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記顔画像検出手段によって複数の顔画像が検出されたときに、前記制御手段は前記複数の顔画像を含む一つの検出エリアを特定し、前記検出エリアの中心に前記ディスプレイの表示画面を向き合わせることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記顔画像検出手段で検出された顔画像が予め登録された人の顔画像であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により登録済みの人以外の顔画像であることが判定されたときには前記顔画像検出手段で検出された顔画像の画像データを記録する記録手段とを備え、前記制御手段をオフして前記判定手段及び記録手段をオン状態とする監視モードを有することを特徴とする請求項1または2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記監視モード下で前記撮像手段から得られる画像データを外部に送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記判定手段により登録済みの人以外の顔画像であることが判定されたときに、パスワード入力部へのパスワードの入力を促すパスワード入力指示部と、前記パスワード入力指示部から入力されたパスワードが適正か否かを照合するパスワード照合部とを備え、パスワードが適正であるときには前記記録手段または前記送信手段の作動が禁止されることを特徴とする請求項3または4記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記撮像手段の光学系にズームレンズを用いることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項7】
テレビ信号を受信する受信装置を備え、受信したテレビ信号に基づいて前記ディスプレイに画像表示を行うことを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−199514(P2008−199514A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35210(P2007−35210)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】