説明

画像読み取り手段を有する画像形成装置

【課題】上下方向の寸法および水平方向の寸法を小さくでき、ジャムの少ない、画像読み取り手段を有する画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ガイドレバー44がトナー開放位置にあると、その上面とフラットベットユニット6の下面との間に用紙3の搬送路の一部としての隙間を形成するので、用紙3は、搬送路を略U字形状に前側へ折り返されてからトナーカートリッジ40の上方を通過して、排出トレイ95に排出される。そのため、その搬送路におけるUターン位置での曲率半径を大きくすることができ、ジャムの低減した、用紙3の確実な搬送を図ることができる。また、スキャナ部20は、プロセスカートリッジ21および排出トレイ95に重なるように、それらの下方に隣接配置されており、また、供給トレイ9の上方に重なるように隣接配置されているので、レーザプリンタ1の小型化を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り手段を有する画像形成装置、詳しくは、フラットベットスキャナが装備されたレーザプリンタなどに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの画像形成装置において、原稿に記載された画像を読み取るための画像読み取り手段と、画像読み取り手段によって読み取った情報を記録媒体に画像形成する画像形成手段とを一体的に備える画像形成装置が知られており、複写機、ファクシミリ/ネットワーク通信機能を備えたデジタル複合機、プリンタなどとして市販されている
このような画像読み取り手段を備えた画像形成装置として、上から順に、スキャナユニット、排紙トレイ、スキャナ部、プロセス部、給紙カセットが配置される複合機が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、別の画像読み取り手段を備えた画像形成装置として、その下方に設けられた給紙カセットから給紙される用紙が、プロセスカートリッジの下方を通過して定着器に案内されてから、画像形成装置のケース外の排紙トレイに排出される複合機が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。
また、さらに別の画像読み取り手段を備えた画像形成装置として、ファクシミリ装置において、原稿排紙トレイが定着部の水平方向に隣接して備えられており、下方に設けられたカセットから給紙され、プロセスカートリッジの下方を通過して定着部に案内された用紙を、いわゆる胴内排紙するものが提案されている(たとえば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開2004−214803号公報
【特許文献2】特開2004−69884号公報
【特許文献3】特開平10−247051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の複合機においては、装置全体の上下方向の寸法(厚み)を小さく(薄く)することが困難である。
特許文献2に記載の複合機においては、排紙トレイを複合機のケース外に備えることにより、上述した、装置全体の上下方向の寸法を小さく(薄く)できる一方で、ケース外に排紙トレイを備えるため、装置の水平方向の寸法が大きくなるという不具合がある。
【0005】
また、特許文献2に記載の複合機では、搬送される用紙は、その搬送途中において搬送方向を反転(Uターン)させてからプロセスカートリッジの下方を通過して画像が形成された後、排紙トレイへ向かうように搬送されるので、この搬送路のUターン位置における曲率半径が比較的小さくなり、用紙はUターン位置において小回りして搬送される。そのため、Uターン位置を通過した後の用紙、特に搬送方向下流側の先端部はカールするように癖付けられてしまい、その後の搬送途中において搬送路をなす構成部品に引っ掛かり、用紙詰まり(ジャム)が発生しやすくなる。また、用紙がプロセスカートリッジの下方を通過するため、ジャムが発生したときに用紙を除去することが難しい。
【0006】
特許文献3に記載のファクシミリ装置においては、胴内排紙するために、原稿排紙トレイが定着部の水平方向に隣接配置されるので、上述した装置全体の上下方向の寸法、および水平方向の寸法を小さくできるが、特許文献2に記載の複合機と同様に、用紙はプロセスカートリッジの下方を通過してから原稿排紙トレイに搬送されるため、ジャムが発生しやすくなる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上下方向の寸法および水平方向の寸法を小さくでき、ジャムの少ない、万が一ジャムが発生してもその処理が容易な、画像読み取り手段を有する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像読み取り手段を有する画像形成装置であって、筺体と、前記筺体の上方に備えられ、原稿の画像情報を読み取り可能な画像読み取り手段と、前記筺体内に備えられ、静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像して現像剤像を形成するための現像剤を担持する現像剤担持体と、前記像担持体に形成された前記現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、前記現像剤を収容する現像剤収容部とを備えるプロセス手段と、前記筺体内における前記プロセス手段の下方に備えられ、前記像担持体に露光走査することで前記静電潜像を形成する露光手段と、前記筐体内における前記プロセス手段の下方に備えられ、前記記録媒体を収容する記録媒体供給部と、前記筺体内における前記記録媒体供給部の上方に備えられ、前記筐体に対して着脱可能に装着され、少なくとも前記現像剤収容部を有する現像剤カートリッジと、前記筺体内における前記記録媒体供給部の上方に備えられ、前記像担持体に対して前記現像剤収容部の水平方向反対側に配置され、前記プロセス手段によって前記記録媒体に転写された前記現像剤像を前記記録媒体に定着する定着手段と、前記定着手段に対して前記プロセス手段の水平方向反対側の前記筐体外に備えられ、前記記録媒体供給部の上方に重なるように配置される記録媒体排出部と、前記筺体内において、前記記録媒体供給部から供給された前記記録媒体を前記現像剤カートリッジの上方を通過させるように形成されている搬送路とを備えていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によると、記録媒体供給部から供給された記録媒体は、現像剤カートリッジの上方を通過してから、現像剤カートリッジが着脱自在に装着されるプロセス手段と、プロセス手段に対して現像剤カートリッジの水平方向反対側に配置された定着手段とを経て、定着手段に対してプロセス手段の水平方向反対側に配置された記録媒体排出部に排出される。
【0010】
そのため、プロセス手段に対して着脱自在に装着される現像剤カートリッジを上下方向において挟むように記録媒体の搬送路を形成することができ、さらにその搬送路におけるUターン位置での曲率半径を大きくすることができ、ジャムが低減された、記録媒体の確実な搬送を図ることができる。また、万が一ジャムが発生しても用紙はプロセス手段の上方にあるため、除去が容易である。
【0011】
また、このようなUターンを形成する記録媒体の搬送路において、露光手段はプロセス手段の下方に備えられているので、プロセス手段と記録媒体供給部との上下方向におけるスペースの有効活用が可能となる。
そのため、画像読み取り手段を有する画像形成装置の上下方向における寸法を小さくすることができ、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
【0012】
また、記録媒体排出部は、記録媒体供給部の上方に重なるように配置されているので、筐体の水平方向途中での記録媒体の排出、いわゆる胴内排紙が可能となる。
そのため、画像読み取り手段を有する画像形成装置の水平方向における寸法を小さくすることができ、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記記録媒体供給部が供給トレイであり、前記筐体において、前記定着手段と水平方向において対向配置され、前記現像剤像が定着された前記記録媒体を前記筐体外に排出するための排出口が形成されており、前記記録媒体供給部における水平方向途中に配置される排出壁が備えられ、前記記録媒体排出部は、前記排出壁に対して前記定着手段の水平方向反対側の前記筐体外に備えられ、排出トレイを備えていることを特徴としている。
【0014】
このような構成によると、記録媒体は、定着手段と水平方向に対向配置された排出壁に形成された排出口を経て、排出壁に対して定着手段の水平方向反対側の筐体外に備えられた記録媒体排出部に確実に搬送される。そのため、記録媒体の、記録媒体排出部への確実な搬送を達成することができる。また、排出壁によって、加熱した定着手段に直接触れる事が不可能となり、火傷などを未然に防ぐことができる。
【0015】
また、排出壁は、記録媒体供給部の水平方向途中に配置されるので、排出壁に対して定着手段の水平方向反対側の筐体外に備えられた記録媒体排出部を、記録媒体供給部と上下方向に重なるように配置することが確実に可能となり、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
また、記録媒体排出部は、排出トレイを備えているので、記録媒体を積層状に載置することができる。
【0016】
そのため、画像読み取り手段を有する画像形成装置の利便性を向上することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記排出トレイの、前記記録媒体の排出方向と直交する上下左右方向が閉塞されていることを特徴としている。
このような構成によると、排出トレイの、前記記録媒体の排出方向と直交する上下左右方向が閉塞されているので、記録媒体を確実に積層状に載置することができる。また、上下左右方向が閉鎖されていると、上部に画像読み取り手段を配置した場合でも画像形成装置の剛性が増し、画像読み取り手段を走査したときに画像形成装置本体が振動することを防止し、高い信頼性を得ることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または3に記載の発明において、前記露光手段が、その一部が、上下方向において、前記記録媒体排出部および前記記録媒体供給部と重なるように配置されていることを特徴としている。
このような構成によると、露光手段の一部が、上下方向において、記録媒体排出部および記録媒体供給部と重なることで、画像読み取り手段を有する画像形成装置の水平方向における寸法を小さくすることができる。また、このように配置することで露光手段とプロセス手段との上下方向における重なりを減らすことにより、画像読み取り手段を有する画像形成装置の上下方向の厚みを薄くすることができる。
【0018】
その結果、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記画像読み取り手段は、前記筺体に対して開閉自在に設けられており、前記現像剤カートリッジは、前記画像読み取り手段が前記筺体を開放したときに、前記筺体に対して、前記記録媒体排出部における前記記録媒体の排出方向下流側端部側かつ上方から着脱可能であることを特徴としている。
【0019】
このような構成によると、記録媒体排出部における記録媒体の排出方向下流側端部側において、排出された記録媒体を取り出すことができ、同じ位置にて、画像読み取り手段が筐体を開放したときに、記録媒体の排出方向下流側端部側かつ上方から現像剤カートリッジを筐体に対して着脱することができる。
そのため、ユーザは、排出された記録媒体の取り出しと現像剤カートリッジの交換とを同じ位置にてすることができるので、画像読み取り手段を有する画像形成装置の操作性を向上することができる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明において、前記記録媒体供給部は、前記筺体に対して、前記記録媒体排出部における前記記録媒体の排出方向下流側端部側から着脱可能であることを特徴としている。
このような構成によると、ユーザは、記録媒体排出部における記録媒体の排出方向下流側端部側に位置したまま、記録媒体供給部を筐体に対して着脱することができる。
【0021】
そのため、画像読み取り手段を有する画像形成装置の利便性を向上することができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明において、前記現像剤カートリッジは、その上部に、前記筺体に装着されたときに前記記録媒体の搬送路の一部を形成して、前記現像剤カートリッジの上方を通過する前記記録媒体をガイドする第1ガイド部材を有することを特徴としている。
【0022】
このような構成によると、第1ガイド部材により、現像剤カートリッジの上方を通過する記録媒体を円滑に搬送することができる。
また、第1ガイド部材は、記録媒体の搬送路の一部を形成するので、搬送路を形成する部品の一部を兼ねることができ、別部品で搬送路を形成する場合に比べて、搬送路を形成する部品の点数を削減することができるので、画像形成装置の小型化を達成することができる。
【0023】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記第1ガイド部材は、前記記録媒体の搬送路に沿った第1の姿勢と、前記搬送路に交差する第2の姿勢とを取り、前記第1の姿勢のときに前記搬送路の一部を形成することを特徴としている。
このような構成によると、第1ガイド部材が、搬送路に沿った第1の姿勢を取ると、搬送路が完成されるので、記録媒体の搬送路に沿った確実かつ円滑な搬送を達成することができる。
【0024】
一方、突出部材が、搬送路と交差する第2の姿勢を取ると、搬送路は未完成となるので、記録媒体の搬送を確実に阻止することができる。
その結果、記録媒体の確実な搬送を達成することができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記第1ガイド部材は、前記搬送路の一部を形成する位置において、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の両端部から、搬送される前記記録媒体の厚み方向へ突出するスペース確保部材を備えていることを特徴としている。
【0025】
このような構成によると、スペース確保部材によって、第1ガイド部材の、搬送路の一部を形成する位置において、搬送される記録媒体の厚み方向に隙間が確保される。
そのため、記録媒体がこの隙間を通過することができるので、記録媒体の円滑な搬送を達成することができる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記第1ガイド部材は、各前記スペース確保部材の間に、前記記録媒体の搬送方向に複数のリブを備え、前記リブの搬送される前記記録媒体の厚み方向への突出量が前記スペース確保部材の突出量より少ないことを特徴としている。
【0026】
このような構成によると、リブにより摩擦を低減して記録媒体を搬送することができる。しかも、リブの記録媒体の厚み方向への突出量がスペース確保部材の突出量より少ないので、突出方向において、スペース確保部材とリブとの間に確実に隙間を確保でき、記録媒体のリブに沿った確実な搬送を達成することができる。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の発明において、前記画像読み取り手段が、その下部に前記記録媒体をガイドする第2ガイド部材を有することを特徴としている。
【0027】
このような構成によると、第2ガイド部材により、現像剤カートリッジの上方を通過する記録媒体を円滑に搬送することができる。
また、請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の発明において、前記現像剤カートリッジと前記画像読み取り手段との間には、前記搬送路のみが設けられていることを特徴としている。
【0028】
このような構成によると、現像剤カートリッジと画像読み取り手段との間には搬送路のみが設けられているので、画像読み取り手段を有する画像形成装置の上下方向における寸法を小さくすることができ、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
また、請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の発明において、前記画像読み取り手段が、前記原稿を載せて読み取るための原稿台と、前記原稿を前記原稿台へ搬送する搬送手段とを備え、前記搬送手段が前記原稿を前記原稿台へ搬送する方向と、前記記録媒体の搬送方向とは、上下方向において同一面に投影したときに直交していることを特徴としている。
【0029】
このような構成によると、搬送手段が原稿を原稿台へ搬送する方向と、記録媒体の搬送方向とを、上下方向において同一面に投影したときに直交させることにより、これらの方向を同一とさせるよりも、画像読み取り手段を有する画像形成装置の、記録媒体の搬送方向における寸法を小さくすることができる。また、このときにできたスペースに、画像読み取り手段を有する画像形成装置の操作パネルを設けると、ユーザは記録媒体の排出方向下流側端部側に位置したまま、操作パネルを操作できるため、利便性を著しく向上することができる。
【0030】
その結果、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記画像読み取り手段を有する画像形成装置の、前記記録媒体の搬送方向における寸法と、前記搬送手段が前記原稿を前記原稿台へ搬送する方向における寸法とが、ほぼ等しいことを特徴としている。
【0031】
このような構成によると、前記記録媒体の搬送方向における寸法と、前記搬送手段が前記原稿を前記原稿台へ搬送する方向における寸法とを、ともに小さくできる。そのため、画像読み取り手段を有する画像形成装置は、上下方向において同一面に投影したときには、略正方形状をなし、これによって、画像読み取り手段を有する画像形成装置の設置面積を最小化することができ、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載の発明によれば、ジャムが低減された、記録媒体の確実な搬送を図ることができる。また、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができ、例えジャムが発生してもジャム処理が容易となる。
請求項2に記載の発明によれば、記録媒体の、記録媒体排出部への確実な搬送を達成することができる。また、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。また、加熱した定着手段に触れることを防止することができる。さらに、画像読み取り手段を有する画像形成装置の利便性を向上することができる。
【0033】
請求項3に記載の発明によれば、記録媒体を確実に積層状に載置することができ、かつ、画像読み取り手段を有する画像形成装置の剛性を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、画像読み取り手段を有する画像形成装置の操作性を向上することができる。
【0034】
請求項6に記載の発明によれば、画像読み取り手段を有する画像形成装置の利便性を向上することができる。
請求項7に記載の発明によれば、現像剤カートリッジの上方を通過する記録媒体を円滑に搬送することができる。また、画像形成装置の小型化を達成することができる。
請求項8に記載の発明によれば、記録媒体の確実な搬送を達成することができる。
【0035】
請求項9に記載の発明によれば、記録媒体の円滑な搬送を達成することができる。
請求項10に記載の発明によれば、記録媒体のリブに沿った確実な搬送を達成することができる。
請求項11に記載の発明によれば、現像剤カートリッジの上方を通過する記録媒体を円滑に搬送することができる。
【0036】
請求項12に記載の発明によれば、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
請求項13に記載の発明によれば、画像読み取り手段を有する画像形成装置の操作性を向上しつつ小型化を達成することができる。
請求項14に記載の発明によれば、画像読み取り手段を有する画像形成装置の小型化を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
1.レーザプリンタの全体構成
図1および図2は、本発明の画像読み取り手段を有する画像形成装置の一実施形態としてのレーザプリンタを示す要部側断面図であり、図1は、後述する画像読み取り手段としてのフラットベットユニットが閉じられた態様を示したものであり、図2は、フラットベットユニットが開かれた態様を示したものである。
【0038】
このレーザプリンタ1は、筐体としての本体ケーシング2と、その本体ケーシング2内に収容される、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4と、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5と、本体ケーシング2に形成される記録媒体排出部としての排出部37と、本体ケーシング2の上方に備えられ、原稿に記載された画像を読み取るためのフラットベットユニット6とを備えている。
【0039】
なお、以下の説明では、後述する現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ40およびプロセス手段としてのプロセスカートリッジ21が本体ケーシング2に装着された状態において、図1の紙面左側を正面(前)側とし、図1の紙面右側を背面(後)側とする。また、図1の紙厚方向手前側を、右側とし、図1の紙厚方向手奥側を、左側とする。
(1)本体ケーシング
図1に示すように、本体ケーシング2は、平面視略正方形状かつ側断面視略L字のボックス形状をなし、本体ケーシング2の上壁には、後述するトナーカートリッジ40およびトナーカートリッジ40が着脱自在に装着されるプロセスカートリッジ21を個々にまたは一体的に着脱するための着脱口7が形成されており、フラットベットユニット6は、その着脱口7を開閉するように配置されている。このフラットベットユニット6は、その後端部に幅方向(左右方向)に沿って挿通された支軸8に揺動自在に支持されている。
【0040】
これによって、フラットベットユニット6を、支軸8を支点として閉じてフラットベットユニット6の前端部が本体ケーシング2の上端部に近接する閉鎖位置に移動させると、フラットベットユニット6によって着脱口7が閉鎖される。そして、図2に示すように、フラットベットユニット6を、支軸8を支点として開いてフラットベットユニット6の前端部が本体ケーシング2の上端部から離間する離間位置に移動させると、着脱口7が正面側に向かって大きく開放され、この着脱口7を介して、正面側から、トナーカートリッジ40およびプロセスカートリッジ21を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0041】
また、図1に示すように、本体ケーシング2の正面の上半分部分には正面側壁140が形成されており、本体ケーシング2の正面の下半分部分には供給トレイ着脱口141が形成されている。供給トレイ着脱口141は幅方向に長手の矩形状であり、この供給トレイ着脱口141を介して、後述する記録媒体供給部としての供給トレイ9を本体ケーシング2に対して前後方向へ着脱することができる。
【0042】
(2)フィーダ部
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に配置され、前後方向に沿って着脱自在に装着される供給トレイ9と、供給トレイ9の後端部の上方に設けられる分離ローラ10および分離パッド11と、分離ローラ10の前側(分離パッド11に対して用紙3の搬送方向上流側)に設けられる給紙ローラ12とを備えている。
【0043】
供給トレイ9は、上側が開放されたボックス形状であり、正面側には把持部19が一体的に備えられている。把持部19は、その基端部が供給トレイ9の正面側上端縁に接続されており、その遊端部が供給トレイ9の上下方向略中央位置まで下方に向けて延設された側断面視逆L字状に形成されており、供給トレイ9の正面の上半分部分を覆っている。
また、フィーダ部4は、分離ローラ10に対向配置され、かつ分離パッド11の後端側上方に設けられる紙粉取りローラ13と、その紙粉取りローラ13の、用紙3の搬送方向下流側にて分離ローラ10に対向配置される第1ガイドローラ14および第2ガイドローラ15とを備えている。なお、第1ガイドローラ14は、第2ガイドローラ15よりも用紙3の搬送方向上流側に配置され、また、第2ガイドローラ15が分離ローラ10に対して当接配置され、第1ガイドローラ14は分離ローラ10に対して間隔を隔てて配置されている。
【0044】
また、分離ローラ10の前側上方には、1対のローラからなるレジストローラ16が設けられている。
供給トレイ9の内部には、用紙3を積層状に載置可能な用紙押圧板17が設けられている。この用紙押圧板17は、前端部において揺動可能に支持されることによって、後端部が、下方に配置され供給トレイ9の底板18に沿う載置位置と、後端部が、上方に配置され傾斜する供給位置との間で揺動可能とされている。供給トレイ9を、供給トレイ着脱口141を介して本体ケーシング2より離脱させると、用紙押圧板17は、その自重によって、後端部が下方に移動し、用紙押圧板17が載置位置に位置される。用紙押圧板17が載置位置に位置されると、用紙押圧板17上に用紙3を積層状に載置することができる。
【0045】
また、供給トレイ9には、用紙押圧板17の後端部を上方に持ち上げるためのレバー(図示せず)が設けられている。このレバー(図示せず)は、用紙押圧板17を、載置位置と供給位置との間で揺動させる。
このレバー(図示せず)によって用紙押圧板17が供給位置に位置されると、用紙押圧板17上の用紙3は、給紙ローラ12に押圧され、給紙ローラ12の回転によって、分離ローラ10と分離パッド11との間の分離位置に向けて給紙が開始される。
【0046】
給紙ローラ12によって分離位置に向けて送り出された用紙3は、分離ローラ10の回転によって、分離ローラ10と分離パッド11との間に挟まれたときに、1枚ごとに捌かれて給紙される。給紙された用紙3は、紙粉取りローラ13と分離ローラ10との間を通過し、そこで紙粉が取り除かれた後、第1ガイドローラ14および第2ガイドローラ15にガイドされることにより略U字形状に沿って、前側へ折り返され、レジストローラ16に向けて搬送される。
【0047】
なお、第1ガイドローラ14は、略U字形状の折り返し位置(U字における最深部、図1においては最後部)にて、上述したように分離ローラ10に対して間隔を隔てて対向配置されている。そのため、紙粉取りローラ13を通過した用紙3の搬送方向下流側先端部が、分離ローラ10の外周面に沿わずに分離ローラ10から離間するように搬送されても、第1ガイドローラ14によって、分離ローラ10に沿って搬送されるように搬送方向が修正される。
【0048】
レジストローラ16は、用紙3を、レジスト後に、後述する、像担持体としての感光ドラム28と転写手段としての転写ローラ31との間であって、感光ドラム28上のトナー像を用紙3に転写する転写位置に搬送する。
(3)画像形成部
画像形成部5は、露光手段としてのスキャナ部20、プロセスカートリッジ21および定着手段としての定着部22を備えている。
【0049】
(a)スキャナ部
スキャナ部20は、本体ケーシング2内のフィーダ部4の上方において、供給トレイ9の前端部から前後方向中央よりもやや後側までにわたって供給トレイ9の上方に重なるように隣接配置され、かつ、前後方向における前半分部分が後述する排紙トレイ95の下方に重なるように隣接配置されている。このスキャナ部20は、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー23、fθレンズ24、レンズ25および反射鏡26を前後方向に沿って備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー23で偏向されて、fθレンズ24を通過した後、さらにレンズ25を通過し、反射鏡26によって光路が斜め前側上方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ21の感光ドラム28の表面上に照射される。
【0050】
(b)プロセスカートリッジ
図3は、図1に示すレーザプリンタの、プロセスカートリッジの要部側断面図であり、図3(a)〜図3(c)は、プロセスカートリッジの現像部に対してトナーカートリッジが着脱される態様を示したものである。
図4は、図1に示すレーザプリンタの、プロセスカートリッジを後側上方から見た右側斜視図であり、図4(a)〜図4(c)は、図3(a)〜図3(c)に対応してプロセスカートリッジの現像部に対してトナーカートリッジが着脱される態様を示したものである。
【0051】
図5において、図5(a)は、後述する外側筐体がトナー閉鎖位置にあるときのトナーカートリッジを後側上方から見た右側斜視図であり、図5(b)は、外側筐体がトナー閉鎖位置にあるときのトナーカートリッジを前側上方から見た左側斜視図である。
図6は、図2において、レーザプリンタに対してプロセスカートリッジを着脱する態様を示したものである。
【0052】
プロセスカートリッジ21は、図1に示すように、本体ケーシング2内において、前半分部分がスキャナ部20の上方に重なるように隣接配置され、後半分部分が供給トレイ9の上方に重なるように隣接配置されている。
このプロセスカートリッジ21は、図6に示すように、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されている。なお、本体ケーシング2に対するプロセスカートリッジ21の着脱方向は、図示矢印に示すように、後側斜め下方(装着方向)および前側斜め上方(離脱方向)である。
【0053】
このプロセスカートリッジ21は、図3に示すように、ドラム部27と現像部30とを一体的に備え、また、このプロセスカートリッジ21に対して着脱自在に装着されるトナーカートリッジ40を備えている。
(b−1)ドラム部
ドラム部27は、ドラム筐体76と、そのドラム筐体76内に設けられる、感光ドラム28、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ31およびクリーニングブラシ32とを備えている。
【0054】
ドラム筐体76は、幅方向に長手の後方が開放されるボックス形状であり、ドラム前壁77、ドラム左側壁79(図4参照)、ドラム右側壁80(図4参照)、ドラム天壁81およびドラム底壁82から一体的に形成されている。
ドラム左側壁79およびドラム右側壁80は、図4に示すように、幅方向において、互いに間隔を隔てて対向配置されている。また、ドラム左側壁79およびドラム右側壁80には、その前後方向中央からやや後方かつ上下方向における中央に、側面視楕円形状の楕円孔94がそれぞれ形成されている。
【0055】
ドラム底壁82は、ドラム左側壁79およびドラム右側壁80の各下端縁間において架設されている。ドラム前壁77は、ドラム左側壁79およびドラム右側壁80の各前端縁間に架設されている。また、ドラム天壁81は、ドラム左側壁79およびドラム右側壁80の各上端縁間に架設されている。
なお、図3に示すように、ドラム底壁82の前後方向途中には、スキャナ部20からのレーザビームを感光ドラム28に照射するためのレーザ入射口78が形成されている。また、ドラム天壁81の後端縁と後述する現像部30の現像天壁67の前端縁との間には第1通過口84が開口され、ドラム前壁77の上端部には第2通過口85が開口されている。第1通過口84および第2通過口85は、ともに幅方向に長手の矩形状に形成されている。
【0056】
そして、このドラム筐体76では、ドラム前壁77と、ドラム左側壁79およびドラム右側壁80ならびにドラム底壁82の各前半分部分と、ドラム天壁81とによって区画される部分が、感光ドラム28、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ31およびクリーニングブラシ32を収容するドラム収容部83とされている。このドラム収容部83は、前側および後側が開放される筒体形状に形成されている。
【0057】
また、ドラム左側壁79およびドラム右側壁80ならびにドラム底壁82の各後半分部分によって区画される部分が、現像部30が配置される現像配置部86とされている。この現像配置部86は、上側が開放される正断面視コ字状の有底枠体形状に形成されている。
そして、ドラム収容部83と現像配置部86とは互いに連通している。
【0058】
感光ドラム28は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体33と、このドラム本体33の軸心において、ドラム本体33の軸方向に沿って延びる金属製のドラム軸34とを備えている。ドラム軸34の軸方向両端部がドラム筐体76のドラム左側壁79およびドラム右側壁80の間において支持され(図4参照)、このドラム軸34に対してドラム本体33が回転自在に支持されることにより、感光ドラム28は、ドラム筐体76において、ドラム軸34を中心に回転自在に設けられている。また、感光ドラム28は、モータ(図示せず)からの駆動力が入力されることにより、回転駆動される。
【0059】
スコロトロン型帯電器29は、感光ドラム28の斜め前側下方において、ドラム筐体76のドラム底壁82に支持されており、感光ドラム28と接触しないように間隔を隔てて、感光ドラム28と対向配置されている。このスコロトロン型帯電器29は、感光ドラム28と間隔を隔てて対向配置された放電ワイヤ35と、放電ワイヤ35と感光ドラム28との間に設けられ、放電ワイヤ35から感光ドラム28への電荷量を制御するためのグリッド36とを備えている。
【0060】
このスコロトロン型帯電器29では、グリッド36にバイアス電圧を印加すると同時に、放電ワイヤ35に高電圧を印加して、放電ワイヤ35をコロナ放電させることにより、感光ドラム28の表面を一様に正極性に帯電させる。
転写ローラ31は、ドラム筐体76において、感光ドラム28の上方に設けられ、感光ドラム28と上下方向において対向して接触し、感光ドラム28との間にニップを形成するように配置されており、このニップが上述した感光ドラム28と転写ローラ31との間の転写位置となる。
【0061】
また、この転写ローラ31は、ドラム筐体76のドラム左側壁79およびドラム右側壁80の間において回転自在に支持されている金属製のローラ軸と、そのローラ軸を被覆する導電性のゴム材料からなるゴムローラとを備えている。転写ローラ31には、転写時に転写バイアスが印加される。また、転写ローラ31は、モータ(図示せず)からの駆動力が入力されることにより、回転駆動される。
【0062】
クリーニングブラシ32は、ドラム筐体76のドラム前壁77に組み付けられ、感光ドラム28の斜め前側下方、かつスコロトロン型帯電器29の斜め前側上方(感光ドラム28の回転方向(図3矢印参照)におけるスコロトロン型帯電器29の上流側)において、感光ドラム28と対向して接触するように配置されている。
(b−2)現像部
現像部30は、ドラム筐体76の現像配置部86においてドラム部27に対して一体的に備えられている。
【0063】
この現像部30は、現像筐体62と、その現像筐体62内に設けられる、供給ローラ101、現像剤担持体としての現像ローラ104および層厚規制ブレード107とを備えている。
現像筐体62は、幅方向に長手の、前側が開放されるボックス形状の前側筐体38と、上方が開放される円筒形状の後側筐体39とを一体的に備えている。
【0064】
前側筐体38は、現像後壁64、現像左側壁65(図4参照)、現像右側壁66(図4参照)、現像天壁67および現像底壁68から一体的に形成されている。
現像左側壁65および現像右側壁66は、側面視略矩形状であり、幅方向において、互いに間隔を隔てて対向配置されている。
現像底壁68は、現像左側壁65および現像右側壁66の各下端縁間において架設されており、前後方向において前から順番に、第1底壁73と、第2底壁74とを一体的に備えている。
【0065】
第1底壁73は、現像底壁68の前側に配置され、後側から前側へ向かって側断面視略鉤状に延びる平面視略矩形板状に形成されている。
第2底壁74は、第1底壁73の後端縁から連続して延び、供給ローラ101に沿う側断面略半円弧状に形成されている。
現像天壁67は、現像左側壁65および現像右側壁66の各上端縁間に架設されており、第1天壁115と第2天壁116とを一体的に備えている。
【0066】
第1天壁115は、現像天壁67の前側に配置されており、後方へ向かって斜め上方に延設されている。
なお、用紙3は現像天壁67の上方を通過し、図4に示すように、この第1天壁115において、搬送される用紙3と対向する上面の後端部における幅方向両端部には、第1ガイド突起90がそれぞれ設けられている。第1ガイド突起90は、略直方体形状であり、用紙3の厚さ方向、すなわち上方に向かって突出している。
【0067】
そして、幅方向に対向する各ガイド突起90の間には、上方に向かって突出し、かつ前後方向、すなわち用紙3の搬送方向に沿うように延設された凸条である複数の第1ガイドリブ91が幅方向に等間隔で設けられている。
そして、第1ガイド突起90は、第1天壁115の上面からの突出量が第1ガイドリブ91の突出量よりも大きく、その差は用紙3の肉厚よりも大きい。
【0068】
図3に示すように、第2天壁116は、第1天壁115の後端縁から下方に延び、そして屈曲して後方へ延びて現像後壁64の上端縁に接続される、右側断面視略L字状に形成されている。
現像後壁64は、現像左側壁65および現像右側壁66の各後端縁間に架設されている。また、現像後壁64の下端縁は第2底壁74の後端縁に接続されている。
【0069】
また、現像天壁67、現像左側壁65、現像右側壁66および現像底壁68の各前端縁によって、前側筐体38の前側に開口される挿通口87が形成されている。挿通口87は、幅方向に長手の矩形状に形成されている。
後側筐体39は、左側壁69、右側壁70および湾曲壁75から一体的に形成されている。
【0070】
左側壁69および右側壁70は、図4(c)に示すように、幅方向において互いに対向配置され、側面視略弦月形状に形成されている。
左側壁69および右側壁70には、厚さ方向に貫通するガイド溝97がそれぞれ形成されている。ガイド溝97は、左側壁69および右側壁70の前後方向中央の上端縁から前側斜め下方に延びる直線溝部98と、直線溝部98の下端部から湾曲壁75の周縁に沿って後方へ連続して延びる曲線溝部99とを一体的に備える、側断面視鎌形状に形成されている。
【0071】
また、左側壁69の左側には、幅方向に間隔を隔てて、左側壁69と側面視が同形状のプレート134が備えられている。このプレート134には、ガイド溝97は形成されていない。
湾曲壁75は、左側壁69および右側壁70の各上端縁を除く各外周縁間に架設されており、側断面視略半円弧状に形成されている。そして、湾曲壁75の上面において、湾曲壁75の幅方向両端から両幅寸法の約4分の1ずつ内側の位置には、湾曲壁75の、前後方向における、中央位置と前端部との間における途中位置から、中央位置と後端部との間における途中位置までの範囲において湾曲壁75の周方向に沿って凹設された1対の周方向溝部110が形成されている。なお、各周方向溝部110は、平面視において矩形状に形成されている。
【0072】
このような、前側筐体38と後側筐体39において、図3に示すように、前側筐体38では、現像後壁64、現像左側壁65、現像右側壁66、現像天壁67および現像底壁68によって区画される部分が、供給ローラ101、現像ローラ104および層厚規制ブレード107を収容する現像室72とされている。
そして、後側筐体39では、左側壁69、右側壁70および湾曲壁75によって区画される部分が、トナーカートリッジ40を収容するトナーカートリッジ収容室71とされている。このトナーカートリッジ収容室71は、上側が開放される有底枠体形状に形成されている。
【0073】
また、前側筐体38と後側筐体39とは、現像後壁64の後側面と湾曲壁75の前側面とを介して連結されており、現像後壁64と湾曲壁75との連結部分の幅方向両端部には、厚さ方向に貫通する導入口88が形成されている。各導入口88は、幅方向に長手の矩形状であり、各導入口88により、トナーカートリッジ収容室71と現像室72とが連通されている。
【0074】
トナーカートリッジ収容室71内部には、シャッター111が備えられている。
シャッター111は、側断面視において、湾曲壁75の略半円弧形状よりも円弧部の小さい略半円弧形状の薄板であり、その後部かつ幅方向両端から両幅寸法の約4分の1ずつ内側の位置には、図4に示すように、平面視矩形状で厚さ方向に貫通する第1貫通穴112がそれぞれ設けられている。
【0075】
そして、シャッター111は、トナーカートリッジ収容室71内部において、湾曲壁75の上面において、その略半円弧形状に沿ってスライド自在に支持されており、各第1貫通穴112は、湾曲壁75の各周方向溝部110に常時対向している。また、このシャッター111は、上述した各導入口88をともに閉鎖する現像閉鎖位置と、これらを開放する現像開放位置とに移動可能である。
【0076】
図3に示すように、供給ローラ101は、導入口88の前側に配置されている。この供給ローラ101は、金属製の供給ローラ軸102と、その供給ローラ軸102を被覆する導電性の発泡材料からなるスポンジローラ103とを備えている。供給ローラ軸102は、現像左側壁65および現像右側壁66の、前後方向において第2底壁74に対応する位置に、その軸方向両端部が回転自在に支持されている。供給ローラ101は、モータ(図示せず)からの駆動力が、供給ローラ軸102に入力されることにより回転駆動される。
【0077】
現像ローラ104は、供給ローラ101の前側において、供給ローラ101と互いに圧縮されるように接触した状態で配置されている。この現像ローラ104は、金属製の現像ローラ軸105と、その現像ローラ軸105を被覆する導電性のゴム材料からなるゴムローラ106とを備えている。
現像ローラ軸105は、現像左側壁65および現像右側壁66の、前後方向において第1底壁73に対応する位置に、その軸方向両端部が回転自在に支持されている。ゴムローラ106は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムから形成され、その表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはポリイミドのような耐摩耗性に優れた樹脂のコート層が被覆されている。現像ローラ104は、モータ(図示せず)からの駆動力が現像ローラ軸105に入力されることにより回転駆動される。また、図4に示すように、現像ローラ104には、ドラム左側壁79およびドラム右側壁80に形成された楕円孔94を介して露出された現像ローラ軸105の幅方向一端部を介して、現像時に現像バイアスが印加される。
【0078】
図3に示すように、層厚規制ブレード107は、金属製の板ばね材からなるブレード本体の遊端部に設けられる絶縁性または導電性のシリコーンゴムまたはウレタンゴムからなる断面略半円形状の押圧部108を備えている。この層厚規制ブレード107は、ブレード本体の基端部が現像ローラ104の上方において現像天壁67に支持されることにより、押圧部108がブレード本体の弾性力によって現像ローラ104上に圧接されている。
【0079】
(b−3)トナーカートリッジ
トナーカートリッジ40は、現像筐体62のトナーカートリッジ収容室71に対して着脱自在に装着される。そのため、このトナーカートリッジ40は、プロセスカートリッジ21に装着された状態で、着脱口7を介して本体ケーシング2に対してプロセスカートリッジ21を着脱させることで、本体ケーシング2に対して着脱させることができる。さらに、このトナーカートリッジ40は、単体で、着脱口7を介して本体ケーシング2に装着されているプロセスカートリッジ21に対して着脱させることもできる。
【0080】
このトナーカートリッジ40は、図5(a)に示すように、右側面視が略逆9字形状であり、半透明の樹脂等で形成された外側筐体41および内側筐体42を備えている。
外側筐体41は、トナーカートリッジ40の右側面視略逆9字形状をなし、円筒部43と第1ガイド部材としてのガイドレバー44とを一体的に備えている。
円筒部43は、幅方向に長手であり、かつ中空の円筒形状であり、円筒形状の、外側周面壁45と、外側周面壁45の幅方向両側端面として外側周面壁45の肉厚によって形成されたリング状の1対の外側側端壁46とを備えている。各外側側端壁46の周上における、幅方向に互いに対向する1箇所には、幅方向外側に向かってそれぞれ突出する円柱形状の外側突起47が設けられている。
【0081】
ガイドレバー44は、幅方向における寸法が外側周面壁45の幅方向における寸法と等しく、幅方向に長手の略矩形平板状をなし、外側周面壁45における周上1箇所から接線方向に突出するように設けられている。詳しくは、外側周面壁45において、ガイドレバー44の基端部は、円筒部43の周上において、円筒部43の中心軸に対して外側突起47の反対側に位置している。そして、ガイドレバー44の遊端部は、円筒部43を右側面から見たときに、反時計回りの方向へ突出している。
【0082】
なお、レーザプリンタ1における画像形成動作において用紙3が搬送されるとき、用紙3は、ガイドレバー44の、円筒部43の外側周面壁45と対向する下面と反対側の上面の上を通過する。そして、ガイドレバー44の、上述した上面の幅方向両端部における、上述した基端部側と遊端部側とに、スペース確保部材としての第2ガイド突起92がそれぞれ設けられている。
【0083】
第2ガイド突起92は、第1ガイド突起90と同寸法の略直方体形状であり、ガイドレバー44において、外側周面壁45から離れる方向、すなわち画像形成時にガイドレバー44の上面の上を搬送される用紙3の厚さ方向に突出している。
そして、幅方向に対向する各第2ガイド突起92の間には、外側周面壁45から離脱する方向に突出し、かつガイドレバー44の基端部から遊端部への方向、すなわち、画像形成時における用紙3の搬送方向に沿うように延設された凸条からなる複数の第2ガイドリブ93が、幅方向に等間隔で設けられている。なお、第2ガイドリブ93の、ガイドレバー44の上面からの突出量は、第1ガイドリブ91の第1天壁115の上面からの突出量と等しく設定されている。
【0084】
そして、第2ガイドリブ93は、ガイドレバー44の上面からの突出量が第2ガイド突起92のガイドレバー44の上面からの突出量よりも小さく、それらの差は用紙3の肉厚よりも大きく設定されている。
そして、外側周面壁45の、外側突起47とほぼ同一周上位置における、幅方向両端から両幅寸法の約4分の1ずつ内側の位置には、図5(b)に示すように、径方向外側へ突出する第1径方向突起48がそれぞれ設けられている。
【0085】
また、外側周面壁45の幅方向両端部において、ガイドレバー44の基端部に対して、左側面から見たときの円筒部43の時計回りの方向で隣接する位置には、外側周面壁45を厚さ方向に貫通する第1排出穴49がそれぞれ形成されている。
第1排出穴49は、径方向外側から見たときには矩形状に形成されている。
また、外側周面壁45には、各第1排出穴49の周縁に沿い、かつ径方向外側に突出する第2径方向突起50がそれぞれ設けられている。各第2径方向突起50は、径方向外側から見たときには矩形枠状をなしており、ゴム等の弾性材料で形成されている。
【0086】
内側筐体42は、幅方向に長手であり、かつ外側筐体41の円筒部43よりも小径の中空の円筒形状をなし、円筒形状の内側周面壁51(図3参照)と、内側周面壁51の幅方向両側面を塞ぐ平板円板状の1対の内側側端壁52とを一体的に備えている。そして、幅方向に対向する各内側側端壁52の円中心には、図3に示すように、アジテータ回転軸53が架設され、このアジテータ回転軸53は、各内側側端壁52によって回転自在に支持されている。また、アジテータ回転軸53には、アジテータ56が設けられている。また、図5(b)に示すように、アジテータ回転軸53の左側部分は左側の内側側端壁52から幅方向外側に突出しており、その突出部分にアジテータギヤ100が設けられている。このアジテータ56は、モータ(図示せず)からの駆動力が、アジテータ回転軸53に設けられたアジテータギヤ100に入力されることにより回転される。
【0087】
各内側側端壁52における、アジテータ回転軸53よりも径方向外側かつ、幅方向において互いに対向する位置において、幅方向外側に突出する円筒形状の内側突起54が設けられている。
また、内側周面壁51の周上1箇所における幅方向両端部には、厚さ方向に貫通する第2排出穴55が形成されている。第2排出穴55は、径方向外側から見たときには第1排出穴49とほぼ同寸法の矩形状に形成されている。
【0088】
内側筐体42は、外側筐体41に対して内嵌されており、内側筐体42と外側筐体41とは、内側周面壁51の外周面と外側周面壁45の内周面との幅方向両端部における間には、摺動パッキン(図示せず)が設けられており、これによって、外側筐体41と内側筐体42とは周方向へ互いに摺動自在となっている。また、この摺動パッキン(図示せず)によって、内側筐体42の内部は、外部に対して空密的、液密的に保たれている。
【0089】
このようなトナーカートリッジ40において、外側筐体41は、内側筐体42に対して、内側筐体42の第2排出穴55を、外側周面壁45の、第1排出穴49の形成部分以外の部分で塞いで内側筐体42内部を密閉し、かつ外側突起47と内側突起54とがアジテータ回転軸53から径方向外側へ引いた同一直線上に並ぶトナー閉鎖位置に移動可能である。一方で、この外側筐体41は、内側筐体42に対して、第1排出穴49と第2排出穴55とを対向させて内側筐体42内部を開放し、かつ外側突起47と内側突起54とアジテータ回転軸53とが側面視において所定の角度に並ぶトナー開放位置に移動可能である。
【0090】
そして、内側筐体42内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが収容されている。トナーには、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などによって共重合させることにより得られる重合トナーが用いられている。この重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
【0091】
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。トナーの平均粒径は、約6〜10μmである。
なお、図4に示すように、現像筐体62の現像左側壁65および現像右側壁66には、トナーカートリッジ収容室71に収容されたときのトナーカートリッジ40に対応する位置に、トナーカートリッジ40内に収容されているトナーの残量を検出するためのトナー検出用窓57がそれぞれ設けられている。各トナー検出用窓57は、幅方向においてトナーカートリッジ40を挟んで対向配置されている。
【0092】
本体ケーシング2には、発光素子および受光素子を備えるトナーエンプティセンサ(図示せず)が設けられており、一方のトナー検出用窓57の外側に発光素子(図示せず)、他方のトナー検出用窓57の外側に受光素子(図示せず)が配置されており、発光素子から出射され、一方のトナー検出用窓57を介してトナーカートリッジ40に入射され、トナーカートリッジ40から他方のトナー検出用窓57を介して出射する検出光を受光素子にて検出し、これによって、このトナーエンプティセンサでは、その検出光の検出の頻度に応じてトナーの残量を判別するようにしている。
【0093】
そして、トナーカートリッジ40に収容されているトナーの残量がわずかになると、トナーエンプティセンサの判別により、図示しない操作パネルなどにトナーエンプティの警告が表示される。
(b−4)トナーカートリッジのプロセスカートリッジに対する着脱
(b−4−i)トナーカートリッジの装着
レーザプリンタ1において、図2に示すように、フラットベットユニット6を、支軸8を中心として開いて本体ケーシング2の着脱口7を開放する。すると、着脱口7からプロセスカートリッジ21が露出され、現像部30のトナーカートリッジ収容室71が上方に開放される。
【0094】
そして、図4(c)に示すように、外側筐体41がトナー閉鎖位置にあるトナーカートリッジ40のガイドレバー44を把持して、ガイドレバー44が円筒部43に対して上側に位置する姿勢で、上方から前側斜め下方に向けて装着させ、トナーカートリッジ40をトナーカートリッジ収容室71内に収容する。このとき、図4(b)に示すように、トナーカートリッジ40の幅方向両端部にある各外側突起47および各内側突起54は、ガイド溝97の直線溝部98に導かれる。
【0095】
そして、トナーカートリッジ収容室71内におけるトナーカートリッジ40の下降に伴って、直線溝部98に沿って下降する各外側突起47が直線溝部98の下端部に当接すると、トナーカートリッジ40のトナーカートリッジ収容部71への装着は完了する。なお、トナーカートリッジ収容部71に収容されたトナーカートリッジ40において、トナー閉鎖位置にある外側筐体41のガイドレバー44は、図2の破線に示すように、その遊端部が本体ケーシング2の上端縁よりも上方に位置する姿勢を取る(なお、このガイドレバー44の姿勢を、以降第2の姿勢とする。)。詳しくは、トナー閉鎖位置にあるガイドレバー44の遊端部は、側面視において、離間位置から閉鎖位置までの間で揺動するフラットベットユニット6の揺動軌跡として形成される半円弧の領域の内側に位置する。
【0096】
このとき、図4(b)に示すように、トナーカートリッジ40において各外側突起47よりも径方向内側(アジテータ回転軸53側)に配置される各内側突起54は、直線溝部98の上下方向途中に位置しており、直線溝部98の下端部には到達していない。そのため、内側筐体42の回動は規制されている。一方、直線溝部98の下端部に当接している各外側突起47は、直線溝部98から連続する曲線溝部99に面している。そのため、外側筐体41の回動は外側突起47が曲線溝部99へ移動できる範囲で許容されている。
【0097】
また、上述したカートリッジ収容室71内部に備えられたシャッター111は、現像閉鎖位置にあり、トナーカートリッジ40がトナーカートリッジ収容室71に装着されると、図3(b)に示すように、外側筐体41の各第1径方向突起48がシャッター111の各第1貫通穴112を貫通し、湾曲壁75の各周方向溝部110に嵌合する。これと同時に、外側筐体41の各第2径方向突起50の下端縁がシャッター111の上端縁に係止される。
【0098】
そして、ガイドレバー44を操作して、そのガイドレバー44を、アジテータ回転軸53を中心に、右側面視において反時計回りの方向へ回動させると、外側筐体41が、内側筐体42に対して相対移動して、トナー閉鎖位置からトナー開放位置に移動し、同時にシャッター111が、第1貫通穴112を貫通する第1径方向突起48に押圧されて現像閉鎖位置から現像開放位置に移動する。
【0099】
詳しくは、外側筐体41においては、ガイドレバー44の回動に伴い、ガイドレバー44が設けられている円筒部43もガイドレバー44の回動方向(上述した右側面視反時計回りの方向)へ回動する。これに伴い、図4(a)に示すように、直線溝部98の下端部に当接していた各外側突起47は、直線溝部98の下端部から連続する曲線溝部99に導かれて、ガイドレバー44の回動方向へ回動する。
【0100】
そして、各外側突起47が、曲線溝部99の、直線溝部98の下端部に連続する一端部とは反対側の他端縁に当接すると、外側筐体41、すなわちガイドレバー44および円筒部43の回動が規制され、外側筐体41の内側筐体42に対するトナー閉鎖位置からトナー開放位置への移動が完了する。このとき、回動が規制されたガイドレバー44の遊端縁が現像部30の現像天壁67の第1天壁115の後端縁と前後方向において対向し、ガイドレバー44と第1天壁115とは、側断面視においてやや上方に向けて突き合わされるように連続する(なお、このガイドレバー44の姿勢を、以降第1の姿勢とする。)。
【0101】
なお、図1に示すように、互いに連続する第1天壁115の上面ならびにガイドレバー44の上面と、閉じられた状態にあるフラットベットユニット6の後述する第2ガイド部材としての用紙搬送ガイド130の下面との間には隙間が形成される。この隙間は、第2ガイド突起92の突出方向下流側端縁から第2ガイドリブ93の突出方向下流側端縁までの高さと、第2ガイド突起92の幅方向内側端縁間の幅(図4(a)参照)と、上述した、互いに連続するガイドレバー44の上面および第1天壁115の上面とにより形成されており、用紙3の搬送路の一部をなし、画像形成時において用紙3が搬送される。このとき、第2ガイドリブ93は、第1天壁115に向かって突出して設けられており、その先端は第1ガイドリブ91の後端部に乗り上げるように構成されており、用紙3が良好に搬送されるようになっている。
【0102】
また、ガイドレバー44の遊端部は、図2に示すように、外側筐体41がトナー閉鎖位置にあるときには、本体ケーシング2の上端縁よりも上方に位置していたが、外側筐体41がトナー開放位置に移動すると、本体ケーシング2内に収容される。
そして、ガイドレバー44および外側筐体41の回動に伴い、図3(a)に示すように、シャッター111の各第1貫通穴112を貫通して各周方向溝部110に嵌合された各第1径方向突起48も、各周方向溝部110に導かれてガイドレバー44の回動方向へ回動し、各外側突起47が曲線溝部99の上述した他端縁に当接すると同時に、各周方向溝部110の後端縁に当接する。
【0103】
また、外側筐体41の各第2径方向突起50の下端縁に上端縁が係止され、外側筐体41の各第1径方向突起48に各第1貫通穴112が貫通されたシャッター111も、各第2径方向突起50の下端縁によりシャッター111の上端縁が押圧されるとともに各第1径方向突起48により第1貫通穴112において押圧されることにより、ガイドレバー44の回動方向へ回動する。このため、外側筐体41のトナー閉鎖位置からトナー開放位置への移動が完了すると同時に、シャッター111の現像閉鎖位置から現像開放位置への移動も完了する。
【0104】
シャッター111が現像開放位置にあるトナーカートリッジ収容室71と、外側筐体41がトナー開放状態にあるトナーカートリッジ40とにおいては、トナーカートリッジ収容室71の各導入口88と、トナーカートリッジ40の、対向状態にある各第1排出穴49および各第2排出穴55とが対向する。そのため、各導入口88、各第1排出穴49および各第2排出穴55を介して、トナーカートリッジ40の内側筐体42内部と現像部30の現像室72内部とが連通する。
【0105】
なお、第2径方向突起50が各導入口88に対して、その周囲を取り囲むように当接されるので、各導入口88および各第1排出穴49は、外部へトナーが漏れないようにシールされる。
上述したように、トナー閉鎖位置からトナー開放位置へと外側筐体41が回動するのに対し、内側筐体42は、外側筐体41に対して周方向に摺動自在であり、かつ内側突起54が直線溝部98の上下方向途中に位置して、直線溝部98の下端部に到達しておらず、曲線溝部99に面していないことから、ガイドレバー44の回動に伴って外側筐体41と共回りすることが規制されている。
【0106】
(b−4−ii)トナーカートリッジの離脱
シャッター111が現像開放位置にあり、外側筐体41が内側筐体42に対してトナー開放位置にある状態において、ガイドレバー44を操作し、そのガイドレバー44を右側面視において時計回りの方向へ回動させると、外側筐体41が内側筐体42に対して相対移動して、トナー開放位置からトナー閉鎖位置に移動し、同時にシャッター111が、第1貫通穴112を貫通する第1径方向突起48により押圧されて、現像開放位置から現像閉鎖位置に移動する。このとき、第2天壁116が一段下がった位置にあるので、第2天壁116とガイドレバー44との間に隙間が生じるため、この隙間に指を入れることで容易にガイドレバー44を操作することができる。
【0107】
詳しくは、図4(b)に示すように、外側筐体41においては、ガイドレバー44の回動に伴い、ガイドレバー44が設けられている円筒部43もガイドレバー44の回動方向(上述した時計回りの方向)へ回動する。これに伴い、曲線溝部99の上述した他端縁に当接していた各外側突起47(図4(a)参照)も曲線溝部99に導かれて、ガイドレバー44の回動方向へ回動する。
【0108】
そして、各外側突起47が、曲線溝部99の一端部と連続する直線溝部98の下端部に到達すると、外側筐体41、すなわちガイドレバー44および円筒部43の回動が規制され、外側筐体41の内側筐体42に対するトナー開放位置からトナー閉鎖位置への移動が完了する。
そして、図3(b)に示すように、ガイドレバー44および円筒部43の回動に伴い、シャッター111の各第1貫通穴112を貫通して各周方向溝部110に嵌合された各第1径方向突起48も、各周方向溝部110に導かれてガイドレバー44の回動方向へ回動し、各外側突起47が、曲線溝部99の一端部と連続する直線溝部98の下端部に到達すると同時に、各周方向溝部110の前端縁に当接する。
【0109】
また、外側筐体41の各第1径方向突起48に各第1貫通穴112が貫通されたシャッター111も、ガイドレバー44の回動方向へ回動する。このため、外側筐体41のトナー開放位置からトナー閉鎖位置への移動が完了すると同時に、シャッター111の現像開放位置から現像閉鎖位置への移動も完了する。
そして、外側筐体41のトナー開放位置からトナー閉鎖位置への移動およびシャッター111の現像開放位置から現像閉鎖位置への移動が完了してから、図3(c)に示すように、トナーカートリッジ収容室71からトナーカートリッジ40を後側斜め上方に向けて離脱させる。このとき、各第1径方向突起48がシャッター111の各第1貫通穴112および湾曲壁75の各周方向溝部110に対して離間し、外側筐体41の各第2径方向突起50もシャッター111に対して離間する。
【0110】
そして、図4(c)に示すように、各外側突起47および各内側突起54がガイド溝97の直線溝部98に導かれつつ、トナーカートリッジ40が上昇し、各外側突起47および各内側突起54が直線溝部98から外れると、トナーカートリッジ40のトナーカートリッジ収容部71からの離脱は完了する。
(b−5)現像転写動作
上記(b−4−i)にて説明したように、トナーカートリッジ40をトナーカートリッジ収容室71に収容した後に、このレーザプリンタ1により画像形成するときには、モータ(図示せず)からの駆動力が、アジテータギヤ100を介してアジテータ回転軸53に入力される。すると、図3(a)に示すように、アジテータ回転軸53が、右側面視時計回りに回転され、アジテータ56が、アジテータ回転軸53を中心として、トナーカートリッジ40の内側筐体42内部を周方向に移動する。そうすると、トナーカートリッジ40内のトナーが、アジテータ56によって攪拌され、第1排出穴49、第2排出穴55および導入口88を介して、現像室72内に向かって放出される。
【0111】
導入口88から現像室72内に放出されたトナーは、供給ローラ101の回転により、現像ローラ104に供給され、このとき、供給ローラ101と現像ローラ104との間で正極性に摩擦帯電される。現像ローラ104上に供給されたトナーは、現像ローラ104の回転に伴って、層厚規制ブレード107の押圧部108と現像ローラ104のゴムローラ106との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ104上に担持される。
【0112】
感光ドラム28の表面は、その感光ドラム28の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器29により一様に正極性に帯電された後、スキャナ部20からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ104の回転により、現像ローラ104上に担持されかつ正極性に帯電されているトナーが、感光ドラム28に対向して接触するときに、感光ドラム28の表面上に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正極性に帯電されている感光ドラム28の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム28の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム28の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0113】
その後、感光ドラム28の表面上に担持されたトナー像は、レジストローラ16によって搬送され、ドラム筐体76内に第1通過口84から進入した用紙3が感光ドラム28と転写ローラ31との間の転写位置を通過する間に、転写ローラ31に印加される転写バイアスによって、用紙3に転写される。
なお、用紙3は、図1に示すように、分離ローラ10の周りを略U字形状に前側へ折り返されてからトナーカートリッジ40の上方へ進み、現像部30の第1天壁115の上面およびトナー開放位置にあるガイドレバー44の上面とフラットベットユニット6の下面との間の隙間を通過した後に、ドラム部27の第1通過口84を経て転写位置へ到達する。
【0114】
そして、トナー像が転写された用紙3は、第2通過口85からドラム筐体76外に排出され、定着部22に搬送される。転写位置から定着部22までにおいて、用紙3は略水平方向に搬送される。
なお、転写後に感光ドラム28上に残存する転写残トナーは、現像ローラ104に回収される。
【0115】
(c)定着部
定着部22は、スキャナ部20の上方に重なるように隣接配置され、かつプロセスカートリッジ21の前側に設けられており、定着フレーム58と、その定着フレーム58内に、加熱ローラ59、加圧ローラ60および排紙ローラ96とを備えている。
加熱ローラ59は、表面がフッ素樹脂によってコーティングされている金属管と、その金属管内に挿入されている加熱のためのハロゲンランプとを備えている。この加熱ローラ59は、モータ(図示せず)からの駆動力が入力されることによって回転駆動される。
【0116】
加圧ローラ60は、加熱ローラ59の上方において、加熱ローラ59を押圧するように対向配置されている。この加圧ローラ60は、金属製のローラ軸と、そのローラ軸を被覆するゴム材料からなるゴムローラとを備えている。加圧ローラ60は、加熱ローラ59の回転駆動に従って従動される。
排紙ローラ96は、1対のローラからなり、加熱ローラ59と加圧ローラ60に対して、用紙3の搬送方向下流側に配置されている。
【0117】
定着部22では、転写位置において用紙3上に転写されたトナー像を、用紙3が加熱ローラ59と加圧ローラ60との間を通過する間に熱定着させる。トナー像が定着した用紙3は、次に述べるように、排紙ローラ96によって排出口148を介して排出トレイ95に向かって搬送される。定着部22から排出口148までにおいて、用紙3は水平方向に搬送される。
【0118】
(4)排出部
図7は、図1に示すレーザプリンタの右側面図であり、図8は、図1に示すレーザプリンタの正面図である。
排出部37は、本体ケーシング2の正面側において、排出トレイ95と排出口148とを備えている。
【0119】
本体ケーシング2において、図8に示すように、正面側壁140には、その両端部に1対の前端壁142が備えられている。そして、正面側壁140の、1対の前端壁142によって幅方向において挟まれる部分には、図1に示すように、後方に向かって凹陥する排出トレイ95が形成されている。この排出トレイ95は、供給トレイ9およびスキャナ部20の前後方向における前半分の上方に重なるように配置されている。
【0120】
詳しくは、この排出トレイ95は、図8に示すように、排出底壁145と1対の排出側壁146と排出壁としての排出後壁147とを備えている。排出底壁145は、1対の前端壁142によって幅方向において挟まれる部分において正面側壁140の下端縁から連続して後方へ延びる平面視矩形板状に形成されている。
1対の排出側壁146は、排出底壁145の幅方向両端縁から、幅方向に互いに対向し、かつ上方に向かって延設されている。なお、排出側壁146の上端縁は、正面側壁140の上端縁と面一になる。
【0121】
排出後壁147は、排出底壁145の後端縁から連続して上方へ延び、各排出側壁146の略下半分部分の間に架設された正面視矩形板状であり、図1に示すように、定着部22よりも前方に隣接配置されている。そのため、排出後壁147の上端縁は、排出側壁146の上下方向略中央に位置している。
このような排出トレイ95は、フラットベットユニット6が閉じられて本体ケーシング2の着脱口7が閉鎖されているときには正面側が開放されているが、上側はフラットベットユニット6の下面により閉塞されており、フラットベットユニット6が開かれて着脱口7が開放されると、図2に示すように、上側も開放される。
【0122】
なお、フラットベットユニット6の、後述する原稿台120の下表面の前後方向略中央かつ幅方向中央には、この下表面から下方へ突出するスキャナ側排紙後壁131が形成されている。このスキャナ側排紙後壁131は、図8に示すように、正面視が本体ケーシング2の排出後壁147と同寸法の矩形状であり、図1に示すように、フラットベットユニット6を閉じて本体ケーシング2の着脱口7を閉鎖すると、スキャナ側排紙後壁131の下端縁が排出後壁147の上端縁と上下方向に間隔を隔てて対向する。この間隔は用紙3の肉厚より大きく、定着部22と排出トレイ95とを連通させる排出口148となる。
【0123】
定着部22において熱定着された用紙3は、排紙ローラ96によって、排出口148を介して排出トレイ95の排出底壁145上に排紙される。
(5)フラットベットユニット
(a)フラットベットユニットの全体構成
図9は、図1に示すレーザプリンタを後側上方から見た右側斜視図であり、原稿押さえカバーの前端部を上方に持ち上げて原稿台のガラス面を開放した態様を示したものである。
【0124】
フラットベットユニット6は、平面視略正方形状であり、図9に示すように、原稿台120と、原稿台120に開閉自在に支持される原稿押さえカバー121とを備えている。
原稿台120は、平面視矩形状の厚板に形成されており、その上面には、原稿が載置されるガラス面122が形成され、その前端部には操作パネル125が備えられ、その下面には、上述したスキャナ側排紙後壁131(図2参照)とともに用紙搬送ガイド130(図2参照)が形成されている。
【0125】
ガラス面122は、原稿台120の上面がフラットとなるように、原稿台120にガラス板を埋設することにより、形成されている。このガラス面122は、平面視矩形状をなし、その長手方向が原稿台120の長手方向に沿うように配置されている。
また、原稿台120には、原稿を読み取るためのCCDセンサ(図示せず)や、そのCCDセンサ(図示せず)をガラス面122と対向した状態で走査させるための走査モータ(図示せず)が内装されている。
【0126】
CCDセンサ(図示せず)は、ガラス面122の内側(下側)において左右方向に移動可能に支持されており、常には、ガラス面122の左端に待機され、通常の原稿読取時には、走査モータ(図示せず)によって、ガラス面122と対向した状態で左側から右側に向けて走査される。
操作パネル125は、フラットベットユニット6の前端部に設けられており、レーザプリンタ1の動作状態などが表示される液晶パネルや、各条件を設定するユーザが操作可能なボタンなどを備えている。
【0127】
用紙搬送ガイド130は、左右方向に長手に形成され、図1に示すように、フラットベットユニット6が閉じられて本体ケーシング2の上部の着脱口7が閉鎖された状態において、第1天壁115の上面およびガイドレバー44の上面に対して隙間を隔てて沿うように、上方に向かって緩やかにくぼむように形成されている。
また、用紙搬送ガイド130の下側後端部では、上述した、1対のレジストローラ16の一方が回転自在に支持されている。
【0128】
原稿押さえカバー121は、図9に示すように、原稿台120と同形状の平面視矩形状の薄板に形成されており、その上面において、左側端部には原稿を自動読取するための搬送手段としてのADF(オート・ドキュメント・フィーダ)装置123が備えられている。このADF装置123には、ケーシング126、原稿搬送ローラ(図示せず)、原稿搬送モータ(図示せず)および原稿検知センサ(図示せず)が備えられている。ケーシング126は前後方向に長手のボックス形状であり、原稿搬送ローラ(図示せず)および原稿搬送モータ(図示せず)が内装されており、またその右側壁における上下方向中央部には、図8に示すように、待機原稿トレイ124が備えられている。待機原稿トレイ124は、平面視が略台形の薄板形状(図9参照)であり、その略台形における底辺部が基端部としてADF装置123に支持され、遊端部が略水平方向に右側へ向かって延設されており、原稿を積層状にセットすることができる。
【0129】
また、ケーシング126の右側壁において、図7に示すように、待機原稿トレイ124の上方には、原稿をケーシング126内部に取り込むために開口された原稿取り込み口127が形成され、待機原稿トレイ124の下方には、原稿をケーシング126から排出するための原稿排出口128が形成されている。原稿取り込み口127および原稿排出口128は、ともに前後方向に長手の矩形状に形成されている。
【0130】
また、原稿押さえカバー121は、図9に示すように、その後端部がヒンジ129を介して原稿台120の後端部に揺動自在に支持されている。
そして、原稿押さえカバー121は、その後端部のヒンジ129を支点として、その前端部が上下方向に揺動する。原稿押さえカバー121の前端部を上方に持ち上げると、原稿台120のガラス面122が開放され、原稿押さえカバー121の前端部を下方に降ろすと、原稿台120のガラス面122が被覆される。これによって、原稿押さえカバー121は、原稿台120のガラス面122を開閉自在に被覆する。
【0131】
(b)スキャナユニットにおける通常の原稿読取
そして、このフラットベットユニット6では、原稿押さえカバー121の前端部を上方に持ち上げて、ガラス面122に原稿が載置されるようにセットし、その後、原稿押さえカバー121の前端部を下方に降ろして、操作パネル125でボタンを操作する。すると、CCDセンサ(図示せず)が、走査モータ(図示せず)によって、ガラス面122に載置される原稿と対向した状態で左側から右側に向けて走査され、原稿の画像情報が読み取られる。
【0132】
原稿の読み取り終了後には、再び、原稿押さえカバー121の前端部を上方に持ち上げて、ガラス面122上から原稿を取り去る。また、CCDセンサ(図示せず)は、走査が終了すると、走査モータ(図示せず)によって、自動的にガラス面122の左端に移動し、待機する。
(c)スキャナユニットにおける自動原稿読取
ADF装置123による原稿の自動読取では、原稿検知センサ(図示せず)が、待機原稿トレイ124に原稿がセットされたことを検知すると、上述した通常の原稿読取とは異なり、CCDセンサ(図示せず)が図示しない自動原稿読取位置にて固定される。そして、操作パネル125でボタンを操作すると、原稿搬送モータ(図示せず)が駆動されてその駆動力により原稿搬送ローラ(図示せず)が回転され、原稿搬送ローラ(図示せず)の回転により、原稿が左側へ移動し、原稿取り込み口127を介してケーシング126内に取り込まれる。取り込まれた原稿は、原稿搬送路(図示せず)を通過し、CCDセンサ(図示せず)に対向したときに、CCDセンサ(図示せず)の走査により原稿の画像情報が読み取られ、その後、原稿排出口128から右側へ向けて搬送され、原稿押えカバー121の上面に排出される。
【0133】
(d)読み取られた原稿の画像情報に基づく画像形成
図1に示すように、画像形成部5においては、上述した、CCDセンサ(図示せず)によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、画像データを作成し、上記したように、用紙3に画像を形成する。
2.作用効果
以上のように、このレーザプリンタ1では、用紙3は、供給トレイ9から供給され、分離ローラ10の周りを略U字形状に前側へ折り返されてからトナーカートリッジ40の上方へ進む。そして、用紙3は、現像部30の第1天壁115の上面およびトナー開放位置にあって第1天壁115と連続するガイドレバー44の上面とフラットベットユニット6の下面との間の隙間を搬送路の一部として通過してから、プロセスカートリッジ21の転写位置、定着部22および排出口148を経て、排出トレイ95に排出される。
【0134】
そのため、トナーカートリッジ40を上下方向において挟むように用紙3の搬送路を形成することができ、さらにその搬送路におけるUターン位置での曲率半径を大きくすることができるので、ジャムが低減された、用紙3の確実な搬送を図ることができる。また、用紙3がプロセスカートリッジ21の上方を搬送されるため、ジャム時において用紙3を除去し易いという利点がある。
【0135】
そして、ガイドレバー44により、トナーカートリッジ40の上方を通過する用紙3を円滑に搬送することができる。
また、ガイドレバー44は、上述したように、搬送路の一部を形成するので、搬送路を形成する部品の一部を兼ねることができ、別部品で搬送路を形成する場合に比べて、搬送路を形成する部品の点数を削減することができるので、レーザプリンタ1の小型化を達成することができる。
【0136】
上述したUターンを形成する用紙3の搬送路において、スキャナ部20は、プロセスカートリッジ21の前半分部分の下方に重なるように隣接配置されているので、プロセスカートリッジ21と供給トレイ9との上下方向におけるスペースの有効活用が可能となる。特に、トナーカートリッジ40がスキャナ部20と重なることがないため、トナーカートリッジ40のトナー容量を大きくしつつ、上下方向におけるスペース低減をすることが可能となる。
【0137】
そのため、レーザプリンタ1の上下方向における寸法を小さくすることができ、レーザプリンタ1の小型化を達成することができる。
また、排出部37の排出トレイ95が供給トレイ9の上方に重なるように配置されることにより、用紙3の胴内排紙が可能となるので、レーザプリンタ1の前後方向における寸法を小さくすることができ、レーザプリンタ1の小型化を達成することができる。
【0138】
また、用紙3は、定着部22の前方に隣接配置された排出後壁147に形成された排出口148を介して排出トレイ95の排出底壁145上に確実に排紙される。そのため、用紙3の、排出トレイ95への確実な搬送を達成することができる。
また、排出後壁147は定着部22よりも前方に隣接配置されている。すなわち、排出後壁147は、供給トレイ9の前後方向途中に位置するので、排出後壁147と、排出後壁147から前側に連続する排出底壁145および1対の排出側壁146とで形成される排出トレイ95を、供給トレイ9の上方に重なるように配置することが可能となり、レーザプリンタ1の小型化を達成することができる。
【0139】
そして、排出トレイ95の上下左右方向は、排出底壁145と1対の排出側壁146と閉鎖位置にあるフラットベットユニット6の下面とにより閉塞されるので、排出後壁147の排出口148から排出された用紙3を確実に積層状に載置することができる。また、レーザプリンタ1全体の剛性を高めることが可能となり、上部のフラットベットユニット6の動作時においても、レーザプリンタ1全体が振動したりすることがない。
【0140】
また、供給トレイ9は、上側が開放されたボックス形状であるので用紙3を積層状に載置することができる。
そのため、レーザプリンタ1の利便性を向上することができる。
スキャナ部20は、供給トレイ9の前端部から前後方向中央よりもやや後側までにわたって供給トレイ9の上方に重なるように隣接配置され、かつ、前後方向における前半分部分が排出トレイ95の下方に重なるように隣接配置されているので、レーザプリンタ1の前後方向における寸法を小さくすることができる。
【0141】
その結果、レーザプリンタ1の小型化を達成することができる。
また、排出トレイ95は、本体ケーシング2の正面側壁140の、1対の前端壁142によって幅方向において挟まれる部分において後方に向かって凹陥するように形成されており、排出トレイ95に排出された用紙3を本体ケーシング2の正面側から取り出すことができる。そして、ユーザは、排出トレイ95の形成されている本体ケーシング2の正面側において、フラットベットユニット6を離間位置に移動させると、着脱口7が正面側に向かって大きく開放される。この着脱口7を介して、後側斜め下方(装着方向)および前側斜め上方(離脱方向)の着脱方向にて、トナーカートリッジ40を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0142】
そのため、ユーザは、排出された用紙3の取り出しとトナーカートリッジ40の交換とを同じ位置にてすることができるので、レーザプリンタ1の操作性を向上することができる。
また、排出トレイ95が本体ケーシング2の正面側に形成されているのと同様に、本体ケーシング2の正面には供給トレイ着脱口141が形成されている。
【0143】
そのため、ユーザは、本体ケーシング2の正面側に位置したまま、供給トレイ着脱口141を介して供給トレイ9を、本体ケーシング2に対して前後方向へ着脱することができ、レーザプリンタ1の利便性を向上することができる。
また、ガイドレバー44は、トナー開放位置にあるときには、第1天壁115と連続することにより用紙3の搬送路に沿って搬送路の上述した一部を形成する第1の姿勢を取るので搬送路が完成され、用紙3の、搬送路に沿った確実かつ円滑な搬送を達成することができる。
【0144】
一方、ガイドレバー44は、トナー閉鎖位置にあるときには、第1天壁115と連続しないことにより搬送路と交差する第2の姿勢を取るので搬送路は未完成となり、用紙3の搬送を確実に阻止することができる。
そのため、用紙3の確実な搬送を達成することができる。
また、ガイドレバー44の上面において、ガイドレバー44の上面の上を搬送される用紙3の厚さ方向に突出するように設けられた第2ガイド突起92により、ガイドレバー44の上面とフラットベットユニット6の下面との間に、上述した用紙3の搬送路の一部を形成する隙間が確保される。
【0145】
そのため、用紙3がこの隙間を通過することができるので、用紙3の円滑な搬送を達成することができる。
また、幅方向に対向する各第2ガイド突起92の間において、第2ガイド突起92の突出方向と同じ方向に突出し、画像形成時における用紙3の搬送方向に沿うように延設された凸条からなる複数の第2ガイドリブ93が、幅方向に等間隔で設けられている。
【0146】
これらの第2ガイドリブ93により摩擦を低減して用紙3を搬送することができる。
しかも、第2ガイドリブ93は、ガイドレバー44の上面からの突出量が第2ガイド突起92のガイドレバー44の上面からの突出量よりも小さく、それらの差は用紙3の肉厚よりも大きく設定されている。
そのため、第2ガイド突起92の突出方向下流側端縁から第2ガイドリブ93の突出方向下流側端縁までの間に、上述した用紙3の搬送路の一部を形成する隙間を確実に確保でき、用紙3の第2ガイドリブ93に沿った確実な搬送を達成することができる。
【0147】
また、フラットベットユニット6には、その下面に用紙搬送ガイド130が備えられており、上述した用紙3の搬送路の一部を形成する隙間は、天壁115の上面およびガイドレバー44の上面と用紙搬送ガイド130の下面との間に形成されたものである。
そのため、用紙搬送ガイド130によって用紙3を円滑に搬送することができる。
また、天壁115の上面およびガイドレバー44の上面と用紙搬送ガイド130の下面との間には、上述した隙間のみが形成されており、他に構成部材などが介在しない。
【0148】
そのため、レーザプリンタ1の上下方向における寸法を小さくすることができ、レーザプリンタ1の小型化を達成することができる。
また、用紙3は、上述したように、分離ローラ10の周りを略U字形状に前側へ折り返されてから画像形成され、本体ケーシング2の正面側に形成された排出トレイ95に排出される。一方、フラットベットユニット6において、ADF装置123により画像情報が読み取られた原稿は、原稿排出口128から右側へ向けて搬送され、原稿押えカバー121の上面に排出される。
【0149】
このように、原稿の搬送方向と用紙3の搬送方向とを、上下方向において同一面に投影したときに直交させることにより、これらの方向を同一とさせるよりも、レーザプリンタ1の、用紙3の搬送方向における寸法を小さくすることができる。また、このときにできたスペースに操作パネル125を設けると、ユーザは用紙3の排出方向下流側端部側(正面側)に位置したまま、操作パネル125を操作できるため、利便性を著しく向上することができる。
【0150】
その結果、レーザプリンタ1の小型化を達成することができる。
そして、本体ケーシング2およびフラットベットユニット6は、ともに平面視略正方形状であるので、レーザプリンタ1の、原稿の搬送方向、すなわち左右方向における寸法と、用紙3の搬送方向、すなわち前後方向における寸法とをほぼ等しく、かつ小さく設定することができる。
【0151】
そのため、レーザプリンタ1も、平面視略正方形状をなし、その設置面積を最小化することができるので、レーザプリント1の小型化を達成することができる。
3.変形例
本実施形態においては、操作パネル125を原稿台120に備えたが、本体ケーシング2に備えてもよい。図10および図11は、操作パネルを本体ケーシングに備えたレーザプリンタを示したものであり、そのようなレーザプリンタにおいて、図10はスキャナユニットが閉じられた態様を示しており、図11はスキャナユニットが開かれた態様を示している。なお、図10および図11において、上記に説明した部材と同様の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0152】
図10および図11に示すように、操作パネル125は、その前端縁が本体ケーシング2の正面側壁140の上端縁と連続するように本体ケーシング2に対して一体的に設けられている。そのため、トナーカートリッジ40およびプロセスカートリッジ21を本体ケーシング2に対して着脱するときに開閉されるフラットベットユニット6の重量が軽減され、操作性が向上する。また、操作パネル125を本体ケーシング2に固定することにより、操作パネル125への配線が容易となり、ノイズの発生などの不具合を防止し、操作パネル125の信頼性を向上させることができる。
【0153】
また、上記した実施形態では、プロセスカートリッジ21はドラム部27と現像部30とを一体的に備えており、そのプロセスカートリッジ21を本体ケーシング2に着脱自在に装着させている。これに加えて、本発明の画像形成装置は、たとえば、ドラム部27が、感光ドラム28、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ31およびクリーニングブラシ32などを設けるドラムカートリッジとしての態様をなして本体ケーシング2に着脱自在に装着されてもよい。同様に、現像部30が、トナーカートリッジ収容室71、現像ローラ104、供給ローラ101および層厚規制ブレード107を設ける現像カートリッジとしての態様をなしてドラム部27に着脱自在に装着されてもよい。また、トナーカートリッジ40を現像剤収容部とし、現像部30と現像剤収容部とが一体となった現像カートリッジとしての形態をとってもよい。さらに、ドラム部27、現像部30および現像剤収容部が一体となったプロセスカートリッジの形態をとってもよい。
【0154】
また、上記の実施形態において、供給トレイ9は本体ケーシング2に対して着脱自在であったが、供給トレイ9は本体ケーシング2と一体的に形成されていてもよい。その場合、供給トレイ9には正面側壁は形成されておらず、用紙3は供給トレイ着脱口141を介して供給トレイ9内に収容される。
一方、排出トレイ95は本体ケーシング2と一体的に形成されていたが、供給トレイ9のように着脱可能な態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の一実施形態としてのレーザプリンタを示す要部側断面図であり、スキャナユニットが閉じられた態様を示したものである。
【図2】図1において、スキャナユニットが開かれた態様を示したものである。
【図3】プロセスカートリッジの現像部に対してトナーカートリッジが着脱される態様を説明するための動作図であって、(a)は、トナーカートリッジが現像部に装着され、トナーカートリッジの外側筐体がトナー開放位置にあり、現像部のシャッターが現像開放位置にある態様、(b)は、トナーカートリッジが現像部に装着され、トナーカートリッジの外側筐体がトナー閉鎖位置にあり、現像部のシャッターが現像閉鎖位置にある態様、(c)は、トナーカートリッジが現像部から離脱された態様における、図1に示すレーザプリンタのプロセスカートリッジの要部側断面図である。
【図4】図3(a)〜図3(c)に対応して、プロセスカートリッジの現像部に対してトナーカートリッジが着脱される態様を説明するための動作図であって、(a)は、トナーカートリッジが現像部に装着され、トナーカートリッジの外側筐体がトナー開放位置にあり、現像部のシャッターが現像開放位置にある態様、(b)は、トナーカートリッジが現像部に装着され、トナーカートリッジの外側筐体がトナー閉鎖位置にあり、現像部のシャッターが現像閉鎖位置にある態様、(c)は、トナーカートリッジが現像部から離脱された態様における、図1に示すレーザプリンタのプロセスカートリッジを後側上方から見た右側斜視図である。
【図5】(a)は、外側筐体がトナー閉鎖位置にあるときのトナーカートリッジを後側上方から見た右側斜視図であり、(b)は、外側筐体がトナー閉鎖位置にあるときのトナーカートリッジを前側上方から見た左側斜視図である。
【図6】図2において、レーザプリンタに対してプロセスカートリッジを着脱する態様を示したものである。
【図7】図1に示すレーザプリンタの右側面図である。
【図8】図1に示すレーザプリンタの正面図である。
【図9】図1に示すレーザプリンタを後側上方から見た右側斜視図であり、原稿押さえカバーの前端部を上方に持ち上げて原稿台のガラス面を開放した態様を示したものである。
【図10】図1において、変形例を適用した態様を示した図である。
【図11】図2において、変形例を適用した態様を示した図である。
【符号の説明】
【0156】
1 レーザプリンタ
2 本体ケーシング
6 フラットベットユニット
9 供給トレイ
20 スキャナ部
21 プロセスカートリッジ
22 定着部
28 感光ドラム
31 転写ローラ
37 排出部
40 トナーカートリッジ
44 ガイドレバー
92 第2ガイド突起
93 第2ガイドリブ
95 排出トレイ
104 現像ローラ
120 原稿台
123 ADF装置
130 用紙搬送ガイド
147 排紙後壁
148 排紙口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体と、
前記筺体の上方に備えられ、原稿の画像情報を読み取り可能な画像読み取り手段と、
前記筺体内に備えられ、静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像して現像剤像を形成するための現像剤を担持する現像剤担持体と、前記像担持体に形成された前記現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、前記現像剤を収容する現像剤収容部とを備えるプロセス手段と、
前記筺体内における前記プロセス手段の下方に備えられ、前記像担持体に露光走査することで前記静電潜像を形成する露光手段と、
前記筐体内における前記プロセス手段の下方に備えられ、前記記録媒体を収容する記録媒体供給部と、
前記筺体内における前記記録媒体供給部の上方に備えられ、前記筐体に対して着脱可能に装着され、少なくとも前記現像剤収容部を有する現像剤カートリッジと、
前記筺体内における前記記録媒体供給部の上方に備えられ、前記像担持体に対して前記現像剤収容部の水平方向反対側に配置され、前記プロセス手段によって前記記録媒体に転写された前記現像剤像を前記記録媒体に定着する定着手段と、
前記定着手段に対して前記プロセス手段の水平方向反対側の前記筐体外に備えられ、前記記録媒体供給部の上方に重なるように配置される記録媒体排出部と、
前記筺体内において、前記記録媒体供給部から供給された前記記録媒体を前記現像剤カートリッジの上方を通過させるように形成されている搬送路と
を備えていることを特徴とする、画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記記録媒体供給部は供給トレイであり、
前記筐体において、前記定着手段と水平方向において対向配置され、前記現像剤像が定着された前記記録媒体を前記筐体外に排出するための排出口が形成されており、前記記録媒体供給部における水平方向途中に配置される排出壁が備えられ、
前記記録媒体排出部は、前記排出壁に対して前記定着手段の水平方向反対側の前記筐体外に備えられ、排出トレイを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項3】
前記排出トレイの、前記記録媒体の排出方向と直交する上下左右方向が閉塞されていることを特徴とする、請求項2に記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項4】
前記露光手段は、その一部が、上下方向において、前記記録媒体排出部および前記記録媒体供給部と重なるように配置されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項5】
前記画像読み取り手段は、前記筺体に対して開閉自在に設けられており、
前記現像剤カートリッジは、前記画像読み取り手段が前記筺体を開放したときに、前記筺体に対して、前記記録媒体排出部における前記記録媒体の排出方向下流側端部側かつ上方から着脱可能であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項6】
前記記録媒体供給部は、前記筺体に対して、前記記録媒体排出部における前記記録媒体の排出方向下流側端部側から着脱可能であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項7】
前記現像剤カートリッジは、その上部に、前記筺体に装着されたときに前記記録媒体の搬送路の一部を形成して、前記現像剤カートリッジの上方を通過する前記記録媒体をガイドする第1ガイド部材を有することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項8】
前記第1ガイド部材は、前記記録媒体の搬送路に沿った第1の姿勢と、前記搬送路に交差する第2の姿勢とを取り、前記第1の姿勢のときに前記搬送路の一部を形成することを特徴とする、請求項7に記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項9】
前記第1ガイド部材は、前記搬送路の一部を形成する位置において、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向の両端部から、搬送される前記記録媒体の厚み方向へ突出するスペース確保部材を備えていることを特徴とする、請求項8に記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項10】
前記第1ガイド部材は、各前記スペース確保部材の間に、前記記録媒体の搬送方向に複数のリブを備え、前記リブの搬送される前記記録媒体の厚み方向への突出量が前記スペース確保部材の突出量より少ないことを特徴とする、請求項9に記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項11】
前記画像読み取り手段は、その下部に前記記録媒体をガイドする第2ガイド部材を有することを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項12】
前記現像剤カートリッジと前記画像読み取り手段との間には、前記搬送路のみが設けられていることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項13】
前記画像読み取り手段は、前記原稿を載せて読み取るための原稿台と、前記原稿を前記原稿台へ搬送する搬送手段とを備え、
前記搬送手段が前記原稿を前記原稿台へ搬送する方向と、前記記録媒体の搬送方向とは、上下方向において同一面に投影したときに直交していることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。
【請求項14】
前記画像読み取り手段を有する画像形成装置の、前記記録媒体の搬送方向における寸法と、前記搬送手段が前記原稿を前記原稿台へ搬送する方向における寸法とが、ほぼ等しいことを特徴とする、請求項13に記載の画像読み取り手段を有する画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−155905(P2007−155905A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348117(P2005−348117)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】