説明

移動体監視システム

【課題】移動経路上に定めたチェック地点の位置情報と、当該チェック地点までの移動所要時間と、監視対象者の位置情報に基づき、目的地へ移動中の監視対象者を監視する移動体監視システムを提供する。
【解決手段】移動経路上に定めたチェック地点の位置情報と、基準地点から当該チェック地点までの移動所要時間を予め設定しておき、移動体端末装置を携帯した監視対象者が目的地に向かうため基準地点を通過した契機で時間測定を開始し、各チェック地点までの所要時間が経過するたびに、監視処理サーバは移動体端末装置の位置情報とチェック地点の位置情報を比較する。位置情報が一致しない場合、監視処理サーバは、監視端末装置へ警告情報を送信する。また、監視端末装置から移動経路上の監視区間を指定することによりチェック地点の位置情報や移動所要時間などのデータを自動的に作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の移動経路上を移動する歩行者等を監視する移動体監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通学路上の任意の地点に設置した無線タグと、子どもが携帯するタグリーダを利用して、子どもが所定の時間内に予め定めた地点を通過したか、保護者等が確認できるようにしたシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1においては、通学路上に定めたチェック地点にタグIDを記憶した無線タグを予め設置し、タグIDとチェック地点間の所要時間の上限値を予め管理サーバに登録しておき、子どもがチェック地点を通過する際に読み取ったタグIDを管理サーバに送信し、そのタグIDとタグIDの受信時刻からチェック地点間の移動時間を計算し、予め定めた所要時間の上限値と比較することにより、子どもが所定の時間内にチェック地点を通過したか否かを確認できるようにしている。
【特許文献1】特開2006−146545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようにチェック地点に無線タグを設置し、そのタグIDを子どもが携帯するタグリーダで読み取る方式では、無線タグが設置されていない場所ではシステムを利用できないという問題や、無線タグが設置されていない場所に子どもが移動してしまった場合、子供の所在地が分からなくなるといった問題もある。
【0005】
また、子どもの数が増えるに従い無線タグの設置地点も増えるため、無線タグの購入、設置、保守等のコストが高くなり、さらに、管理サーバがタグリーダから受信するデータ量も増加するため、タグリーダと管理サーバ間の通信ネットワークの輻輳や管理サーバの高負荷による処理の遅延が発生する場合は、通信ネットワークの高速化、サーバの増設または高性能化等の対策に要するコストもかかるようになる。
【0006】
また、システムの利用者は、無線タグの設置地点や設置地点間の距離を考慮しながら、チェック地点の名称または設置されているタグのIDと、その地点までの所要時間を管理情報に設定するといった煩雑な作業が必要になる。
【0007】
本発明は、前記の問題を解決し、子ども等の監視対象者が所定の時間で予め定めたチェック地点を通過しなかった場合に、保護者等の監視者へ警告情報を送信する移動体監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、移動体端末装置の識別情報と、移動体端末装置と通信するための移動体端末宛先情報と、監視端末装置と通信するための監視端末宛先情報と、移動経路上に定めたチェック地点に付与した地点番号と、前記チェック地点の位置情報と、前記移動経路上に定めた基準地点から前記チェック地点まで移動するのに要する所要時間とを関連付けて記憶した監視情報記憶手段と、前記移動体端末装置の位置情報を取得し、現在地情報を算出する位置情報算出手段と、前記移動経路上の監視開始地点に設置された識別情報読取装置が、前記移動体端末装置に記憶された識別情報を読み取ることにより、または前記移動体端末装置が、前記監視開始地点に設置された記憶媒体に記憶された監視開始地点情報を読み取ることにより、前記移動体端末装置が前記監視開始地点を通過したことを検出し、監視開始通知を送信する監視開始通知手段と、前記監視開始通知を受信した契機で時間測定を開始し、前記監視情報記憶手段から前記地点番号の順番で読み出したチェック地点までの前記所要時間が経過したときにタイマ信号を送信するタイマ手段と、前記タイマ信号を受信した契機で、前記監視端末宛先情報を利用して前記位置情報算出手段から取得した前記移動体端末装置の現在地情報と、前記監視情報記憶手段から読み出した前記所要時間に対応する前記チェック地点の位置情報とが一致するか判断し、不一致の場合は、前記監視端末宛先情報を利用して前記監視端末装置へ警告情報を送信する位置情報比較手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述の移動体監視システムにおいて、前記位置情報算出手段は、GPS衛星から受信したGPS信号または前記移動体端末装置の無線基地局から受信した信号に基づき現在地情報を算出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述の移動体監視システムにおいて、前記位置情報比較手段は、前記位置情報算出手段から取得した現在地情報に基づき、前記移動体端末装置の位置が図示される地図の所在を示すURLを前記警告情報に埋め込む、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述の移動体監視システムにおいて、前記監視情報記憶手段は、前記警告情報の送信回数と、送信間隔とをさらに有し、前記位置情報比較手段は、前記監視端末装置から中止要求を受信するか前記送信回数に達するまで、前記位置情報算出手段から現在地情報の取得、および前記警告情報の送信を前記送信間隔で繰り返して行う、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述の移動体監視システムにおいて、前記監視情報記憶手段の前記位置情報には、チェック地点の位置を含む範囲が記憶されており、前記位置情報比較手段は、前記位置情報算出手段から取得した現在地情報が、前記範囲内に含まれていない場合に前記監視端末装置へ前記警告情報を送信する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上述の移動体監視システムにおいて、前記監視情報記憶手段には、前記移動経路の往路および復路における前記監視開始地点の地点番号と位置情報がさらに記憶されており、前記タイマ手段は、前記監視開始通知を受信した契機で前記位置情報算出手段から位置情報を取得し、取得した前記位置情報に対応する前記監視情報記憶手段の前記地点番号が最小値である場合は地点番号の昇順、最大値である場合は地点番号の降順で、前記監視情報記憶手段から前記位置情報および前記所要時間を読み出すことを決定する処理をさらに行う、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上述の移動体監視システムにおいて、地図情報を記憶した地図情報記憶手段と、チェック地点間の基準距離、監視対象者の移動速度を記憶した監視情報作成用情報記憶手段と、監視者等が入力した前記移動体端末宛先情報と、前記移動経路上の監視開始地点と監視終了地点の位置情報を送信する経路情報入力手段と、前記監視開始地点と前記監視終了地点の位置情報から、前記地図情報記憶手段に記憶されている地図情報を検索し、前記監視開始地点と前記監視終了地点との間の監視区間を構成する線分データを読み出す経路情報検索手段と、前記線分データから計算した線分距離と、前記基準距離とを移動経路に沿った順番で比較し、前記線分距離が前記基準距離以上の場合は、前記基準距離との差の絶対値が最小になるように前記線分距離を等分し、等分した地点および該線分の終点をチェック地点として位置情報を取得し、前記線分距離が前記基準距離未満の場合は、前記基準距離との差の絶対値が最小になるように以降の前記線分距離を加算し、最後の線分の終点をチェック地点として位置情報を取得し、前記基準地点と前記チェック地点の前記位置情報から計算した前記基準地点からチェック地点までの距離を、前記移動速度で除算して所要時間を算出し、各チェック地点に移動経路に沿った順番で地点番号を付与し、前記移動体端末宛先情報に対して、前記地点番号と、当該地点番号に対応する前記チェック地点の位置情報と、当該チェック地点に対応する前記所要時間とを関連付けて監視情報記憶手段に記憶する監視情報作成手段と、をさらに有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上述の移動体監視システムにおいて、前記監視情報作成用情報記憶手段は、チェック地点の範囲がさらに記憶されており、前記監視情報作成手段は、チェック地点の位置情報を前記監視情報記憶手段に記憶する際に、前記チェック地点の範囲を付加することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上述の移動体監視システムにおいて、前記監視情報作成手段は、往路および復路における前記監視開始地点の地点番号および位置情報を前記監視情報記憶手段にさらに記憶することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、監視対象者または監視対象物とともに移動する移動体端末装置と、移動経路上に定めた監視開始地点に設置した識別情報読取装置と、監視端末装置とが通信ネットワークを介して監視処理サーバに接続された移動体監視システムであって、前記移動体端末装置に設けられ、前記監視処理サーバからの要求に応じて、GPS衛星または無線基地局から受信した信号から自身の位置情報を算出し、前記監視処理サーバへ送信する位置情報算出手段と、自身の識別情報を記憶した識別情報記憶手段と、前記識別情報読取装置に設けられ、前記識別情報を読み取ることにより監視開始地点であることを検出し、前記識別情報を少なくとも含む監視開始通知を前記監視処理サーバへ送信する監視開始通知手段と、前記監視処理サーバに設けられ、前記識別情報に対して、該識別情報を記憶した前記移動体端末装置と通信するための移動体端末宛先情報と、前記監視端末装置と通信するための監視端末宛先情報と、前記移動経路上に定めたチェック地点の位置情報と、前記移動経路上の基準地点から前記チェック地点までの所要時間とを関連付けて記憶した監視情報記憶手段と、前記識別情報読取装置から前記監視開始通知を受信した契機で時間計測を開始し、前記監視情報記憶手段から前記移動経路に沿った順番で読み出したチェック対象地点までの前記所要時間が経過したときにタイマ信号を送信するタイマ手段と、前記タイマ信号を受信した契機で、前記位置情報算出手段から取得した前記移動体端末装置の位置情報と、前記監視情報記憶手段から読み出した前記チェック対象地点の位置情報とが一致するか判断し、不一致の場合は、前記監視端末宛先情報を利用して前記監視端末装置へ警告情報を送信する位置情報比較手段と、前記監視端末装置に設けられ、前記監視処理サーバから受信した前記警告情報を出力する警告情報出力手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上述の移動体監視システムにおいて、監視対象者または監視対象物とともに移動する移動体端末装置と、監視端末装置とが通信ネットワークを介して接続された移動体監視システムであって、前記移動体端末装置に設けられ、GPS衛星または無線基地局からの信号を受信し、自身の位置情報を算出する位置情報算出手段と、監視開始地点に設置された記憶媒体に記憶された監視開始地点情報を読み取ることにより監視開始地点であることを検出し、監視開始通知を送信する監視開始通知手段と、前記監視端末装置と通信するための監視端末宛先情報と、前記移動経路上に定めたチェック地点の位置情報と、前記移動経路上の基準地点から前記チェック地点までの所要時間とを関連付けて記憶した監視情報記憶手段と、前記監視開始通知手段から監視開始通知を受信した契機で時間計測を開始し、前記監視情報記憶手段から前記移動経路に沿った順番で読み出したチェック対象地点までの前記所要時間が経過したときにタイマ信号を送信するタイマ手段と、前記タイマ信号を受信した契機で、前記位置情報算出手段から取得した前記移動体端末装置の位置情報と、前記監視情報記憶手段から読み出した前記チェック対象地点の位置情報とが一致するか判断し、不一致の場合は、前記監視端末宛先情報を利用して前記監視端末装置へ警告情報を送信する位置情報比較手段と、前記監視端末装置に設けられ、前記移動体端末装置から受信した前記警告情報を出力する警告情報出力手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、監視対象者の位置情報をGPS(Global Positioning System)信号から取得することにより、通学路等の移動経路上に無線タグが設置されていなくても、監視対象者の移動状況の監視が可能となる。
また、無線タグの購入、設置、保守等のコストがかからないため、短期間かつ低コストで本システムの導入が可能となる。
【0020】
また、監視対象者が携帯するGPS機能付の移動体端末装置にチェック地点とチェック地点までの所要時間等の監視情報を記憶させ、当該移動体端末装置自身で監視することにより、管理サーバとの通信が不要となる。これにより移動体端末装置と管理サーバ間の通信ネットワークの輻輳や管理サーバでの高負荷の発生等の問題を解消することができる。
【0021】
さらに、監視対象者を監視する区間の両端の位置を画面上で指定するだけで、監視対象者を監視するときに必要となるチェック地点の位置情報や、チェック地点までの所要時間等の監視情報が自動作成できるため、ユーザの利便性も高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明による移動体監視システムの実施形態を説明するにあたり、図1に基づき本発明の概要を説明する。
図1は監視対象者が利用する移動経路の一例である。1aから1gは移動経路上の監視区間に定めた地点であり、地点には地点の移動経路上での並び順を示す地点番号、地点間には監視対象者が地点間を移動するのに要する所要時間が定められている。
監視対象者が学校に向かうため自宅を出発し、監視区間の起点である地点1aを通過すると、移動体監視システムは時間計測を開始する。地点1aから次のチェック地点である地点1bまでの所要時間である130秒が経過すると、移動体監視システムは移動体端末装置から監視対象者の位置情報を取得し、地点1bの位置情報と一致するか否か判断する。一致しない場合は、警告情報を監視端末装置へ送信し、一致する場合は、地点1cから地点1gまで上記の処理を順次行う。
また、本発明は、監視者等が指定した監視区間の両端の位置情報、チェック地点の間隔の基準距離、監視対象者の移動速度等から、前記の処理を行うために必要となるチェック地点の位置情報やチェック地点までの所要時間等の監視情報を作成する。
【0023】
以降、監視区間の起点、つまり監視対象者の監視処理を開始する地点を「監視開始地点」、所要時間が経過したときに監視対象者が通過する予定の地点を「チェック地点」と記載する。例えば、図1において移動体監視システムが地点1aと地点1gの間で監視対象者を監視する場合、監視対象者が自宅から学校に向かう往路では、地点1aが監視開始地点、地点1bから地点1gがチェック地点となり、学校から自宅へ向かう復路では、地点1gが監視開始地点、地点1fから地点1aがチェック地点となる。また、チェック地点のうち監視対象者が次に通過する予定の地点を「チェック対象地点」と記載する。例えば、図1において監視対象者が地点1bを通過して地点1cに向かって移動している場合、チェック対象地点は地点1cとなる。
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
A.第1の実施形態
図2は、第1の実施形態における移動体監視システムの構成図である。
この移動体監視システムは、移動体端末装置11、GPS衛星12、識別情報読取装置13、監視処理サーバ14、監視端末装置15、ネットワーク16から構成され、移動体端末装置11、識別情報読取装置13、監視端末装置15の各装置は、ネットワーク16を介して監視処理サーバ14と接続されている。
【0025】
移動体端末装置11は、監視対象者が携帯した状態、または監視対象者が利用する移動手段に取り付けた状態で使用され、監視処理サーバ14からの要求に応じてGPS衛星12から受信したGPS信号を利用して自身の現在地の位置情報を取得し、ネットワーク16を経由して監視処理サーバ14へ送信する。また、移動体端末装置11ごとに固有の識別情報が記憶されており、識別情報読取装置13が読み取り可能な形態で出力する手段を備えている。移動体端末装置11としては、例えばGPS携帯電話を用いる。
【0026】
識別情報読取装置13は、監視開始地点に設置され、移動体端末装置11に記憶されている識別情報を読み取り、当該識別情報を少なくとも含む監視開始通知を、ネットワーク16を経由して監視処理サーバ14へ送信する。本発明を実施するにあたっては、移動体端末装置11に内蔵または装着した無線タグに記憶された識別情報を無線タグリーダにより読み取るのが最も適しているが、例えば、監視対象者の操作により移動体端末装置11の画面に識別情報を文字や図形で表示させ、それを識別情報読取装置13により光学的に読み取る等、監視対象者の操作を介在させるようにしてもよい。
【0027】
監視処理サーバ14は、全ての監視対象者の移動経路について、チェック地点の位置情報やチェック地点までの所要時間等の監視情報が記憶されており、これらの情報とネットワーク16を経由して受信した移動体端末装置11の位置情報を利用して、監視対象者が所定の移動経路上を所定の時間で目的地に向かって移動しているか否かを監視する。監視処理サーバ14は、ネットワーク16を経由して識別情報読取装置13から前記監視開始通知を受信した契機で時間計測を開始し、チェック対象地点までの所要時間が経過したときにネットワーク16を経由して受信した移動体端末装置11の現在地の位置情報と、チェック対象地点の位置情報が一致するか否か判断し、不一致の場合は監視端末装置15へ警告情報を送信する。
また、監視処理サーバ14は、監視端末装置15からネットワーク16を経由して監視対象者の移動経路に関する情報を受信し、監視情報を作成する。
【0028】
監視端末装置15は、監視者の自宅等に設置した状態、または監視者が携帯した状態で使用され、監視処理サーバ14からネットワーク16を経由して受信した前記警告情報を画面やスピーカー等の出力装置へ出力する。
また、監視者等が入力した移動経路に関する情報を、ネットワーク16を経由して監視処理サーバ14へ送信する。
監視端末装置15は一人の監視対象者に対して複数台設けてもよく、この場合、警告情報はそれぞれの監視端末装置15へ送信される。
【0029】
ネットワーク16は、移動体端末装置11、識別情報読取装置13、監視端末装置15の各装置と監視処理サーバ14との間で通信するためのネットワークであり、例えばインターネットを用いる。
【0030】
図3は、第1の実施形態における移動体監視システムの各装置の構成を示すブロック図である。
初めに、移動経路上を移動する監視対象者を監視するときの構成について説明する。
【0031】
移動体端末装置11は、位置情報算出手段21、識別情報記憶手段22から構成される。
位置情報算出手段21は、監視処理サーバ14から位置情報の送信要求を受信し、GPS衛星が電波により送信するGPS信号から、自身の現在地の緯度および経度を算出し、ネットワーク16を経由して監視処理サーバ14へ送信する。
識別情報記憶手段22は、移動体端末装置11ごとに固有の識別情報が記憶されており、識別情報読取装置13に対して出力する手段を備えている。識別情報は、例えば、無線タグ、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスク装置等に記憶する。
【0032】
識別情報読取装置13は、監視開始通知手段23から構成される。
監視開始通知手段23は、識別情報記憶手段22に記憶されている識別情報を読み取ることにより移動体端末装置11が監視開始地点を通過したことを検出し、前記識別情報を少なくとも含む監視開始通知を、ネットワーク16を経由して監視処理サーバ14へ送信する。
【0033】
監視処理サーバ14は、監視情報記憶手段24、タイマ手段25、位置情報比較手段26から構成される。
監視情報記憶手段24は、移動体端末情報テーブル241、チェック地点テーブル242、所要時間テーブル243が記憶されている。
移動体端末情報テーブル241は、識別情報に対して、移動体端末宛先情報、監視対象者名、警告情報の送信回数と送信間隔を関連付けて設定したテーブルである。
識別情報は、移動体端末装置11の識別情報記憶手段22に記憶されている識別情報と同一のデータである。
移動体端末宛先情報は、移動体端末装置11の電話番号や電子メールアドレス等の通信用の宛先情報であり、監視処理サーバ14が移動体端末装置11へ位置情報の送信を要求するときに使用する。
監視対象者名は、監視対象者の氏名や名称であり、警告情報を受信した監視者が監視対象者を特定できるように、警告情報に埋め込んで使用する。したがって、監視対象者が一人しかいない監視者を持つ監視対象者については、設定を省略してもよい。
監視端末宛先情報は、監視端末装置15の電話番号や電子メールアドレス等の通信用の宛先情報であり、監視処理サーバ14が監視端末装置15へ警告情報を送信するときに使用する。1人の監視対象者につき複数の監視者がいる場合は、それぞれが使用する監視端末装置15の宛先情報を設定する。
警告情報の送信回数および送信間隔は、警告情報の送信回数とその時間間隔であり、監視処理サーバ14が監視端末装置15へ警告情報を送信するときに使用する。警告情報の送信が1回のみの場合は、設定を省略してもよい。
図4に、移動体端末情報テーブル241の設定例を示す。
【0034】
チェック地点テーブル242は、移動体端末宛先情報に対して、地点番号、位置情報を関連付けて設定したテーブルである。
移動体端末宛先情報は、移動体端末情報テーブル241の移動体端末宛先情報と同一のデータである。
地点番号は、チェック地点に対して移動経路の両端のどちらか一方から昇順または降順で付与した番号であり、チェック対象地点を特定するために使用する。
位置情報は、地点番号に対応するチェック地点の緯度および経度であり、移動体端末装置11の緯度および経度と比較するために使用する。監視対象者の移動速度やGPS信号から取得した位置情報の誤差等を考慮して、チェック地点の位置を含む範囲で設定してもよい。
図5に、図1の移動経路の往路において監視対象者を監視するときのチェック地点テーブル242の設定例を示す。この例では、チェック地点の緯度および経度を中心として緯度方向に±0.16秒、経度方向に±0.2秒の範囲で位置情報を設定している。
【0035】
所要時間テーブル243は、移動体端末宛先情報に対して、地点番号、所要時間を関連付けて設定したテーブルである。
移動体端末宛先情報は、移動体端末情報テーブル241およびチェック地点テーブル242の移動体端末宛先情報と同一のデータである。
地点番号は、チェック地点テーブル242の地点番号と同一のデータである。
所要時間は、地点番号に対応する一つ前の地点(監視開始地点またはチェック地点)から地点番号に対応するチェック地点まで、監視対象者が移動するのに要する時間であり、移動体端末装置11へ位置情報の送信要求を送信する契機を取得するために使用する。
図6に、図1の移動経路の往路において監視対象者を監視するときの所要時間テーブル243の設定例を示す。
【0036】
同じ移動経路の往路と復路において監視対象者を監視する場合は、往路と復路のチェック地点について、それぞれチェック地点テーブル、所要時間テーブルを設定する以外に、往路と復路における監視開始地点の地点番号と位置情報をチェック地点テーブル242に設定する。
図7に、図1の移動経路の往路と復路において監視対象者を監視するときのチェック地点テーブル242の設定例を示す。
図8に、図1の移動経路の往路と復路において監視対象者を監視するときの所要時間テーブル243の設定例を示す。
【0037】
タイマ手段25は、監視開始通知手段23からネットワーク16を経由して前記監視開始通知を受信した契機でタイマを起動して時間計測を開始する。監視開始通知の識別情報に対応する移動体端末宛先情報を移動体端末情報テーブルから読み出し、当該移動体端末宛先情報に対応する所要時間テーブル243から、予め定められている順番(地点番号の昇順または降順)で地点番号を読み出し、対応する所要時間が経過するたびに、タイマをリセットして0から時間計測を再開始するとともに、所要時間が経過したことを通知するためのタイマ信号を位置情報比較手段26へ送信する。
【0038】
位置情報比較手段26は、タイマ手段25からタイマ信号を受信した契機で、移動体端末情報テーブル241に設定されている識別番号に対応する移動体端末装置11の宛先情報を利用して、移動体端末装置11へ位置情報の送信を要求する。位置情報比較手段26は、ネットワーク16を経由して受信した移動体端末装置11の現在地の緯度および経度が、チェック地点テーブル242に設定されているチェック対象地点の緯度および経度と一致するか、またはチェック対象地点の範囲に含まれるか判断し、不一致または含まれない場合は、移動体端末情報テーブル241に設定されている監視対象者の氏名、移動体端末装置11の現在地の位置情報を警告情報に埋め込み、移動体端末情報テーブル241に設定されている監視端末宛先情報を利用して監視端末装置15へ送信する。位置情報としては、警告情報を電子メールで送信する場合は、現在地を図示した地図の所在を示すURL、電話で送信する場合は、住所や目印となる付近の建造物等の名称を使用する。
【0039】
なお、チェック地点テーブル242の位置情報および所要時間テーブル243の所要時間を読み出す順番(地点番号の昇順または降順)を予め定めない場合や、移動経路の往路と復路で監視対象者を監視する場合は、監視開始通知を受信したときの移動体端末装置11の位置情報から地点番号を特定することにより、読み出す順番を決定する。
このときのタイマ手段25および位置情報比較手段26の処理を、図1の往路と復路を監視するときのチェック地点テーブル242、所要時間テーブル243の設定例である図7、図8に基づき説明する。
【0040】
タイマ手段25が監視開始通知を受信すると、位置情報比較手段26はタイマ手段25からの要求により、移動体端末装置11の現在地の位置情報を取得する。位置情報比較手段26は取得した位置情報でチェック地点テーブル242の位置情報を検索し、対応する地点番号を読み出す。このとき、地点番号が“1”、つまり往路における監視開始地点であった場合は、チェック地点は地点番号“2”から地点番号“7”の順番になるので、チェック地点テーブル242からは、この順番で位置情報を読み出し、所要時間テーブル243からは地点番号“2”から始まる往路用の所要時間を、この順番で読み出すことになる。
【0041】
監視端末装置15は、警告情報出力手段27から構成される。
警告情報出力手段27は、監視処理サーバ14から受信した警告情報を画面やスピーカー等の出力装置へ出力する。
【0042】
次に、監視対象者等からの操作により、チェック地点テーブル242および所要時間テーブル243を作成するときの構成について説明する。
この場合、図3に示すように、監視端末装置15に経路情報送信手段28、監視処理サーバ14に地図情報記憶手段29、監視情報作成用情報記憶手段2A、経路情報検索手段2B、監視情報作成手段2Cをさらに追加した構成となる。
【0043】
経路情報送信手段28は、監視者等が監視端末装置15の画面に表示された地図上で指定した監視区間の両端の位置から緯度および経度を算出し、移動体端末装置11の移動体端末宛先情報とともに監視処理サーバ14の経路情報検索手段2Bへネットワーク16を経由して送信する。
【0044】
地図情報記憶手段29は、ベクトル地図情報の線分データが記憶されている。
監視情報作成用情報記憶手段2Aは、監視情報作成用テーブル2A1が記憶されている。
監視情報作成用テーブル2A1は、基準距離、移動速度、チェック地点の範囲を設定したテーブルである。
基準距離は、チェック地点の間隔の基準となる距離であり、チェック地点テーブル242の位置情報を算出するために使用する。
移動速度は、監視対象者が移動経路上を移動する速度であり、所要時間テーブル243の所要時間を算出するために使用する。
チェック地点の範囲は、チェック地点の範囲を指定するための緯度方向および経度方向の距離であり、チェック地点テーブル242の位置情報を範囲指定するために使用する。チェック地点テーブル242の位置情報を範囲指定しない場合は、設定を省略する。
図9に、監視情報作成用テーブル2A1の設定例を示す。これは監視情報作成用テーブル2A1を全ての移動体端末装置11で共用するときの設定例であるが、移動体端末宛先情報を追加して、移動体端末装置11ごとに設定できるようにしてもよい
【0045】
経路情報検索手段2Bは、監視端末装置15の経路情報送信手段28からネットワーク16を経由して受信した移動体端末宛先情報が、移動体端末情報テーブル241の移動体端末宛先情報に設定されているか否かチェックし、設定されている場合は、受信した監視区間の起点と終点の緯度および経度で地図情報記憶手段29に記憶されているベクトル地図情報を検索し、当該監視区間を構成する線分データを読み出す。
また、監視区間に対応する移動経路が複数存在した場合は、監視者等に移動経路を選択させるため、検索した経路情報を監視端末装置15へ送信する。
【0046】
監視情報作成手段2Cは、経路情報検索手段2Bが地図情報記憶手段29から読み出した線分データ、監視情報作成用テーブル2A1から、チェック地点テーブル242と所要時間テーブル243を作成する。
監視情報作成手段2Cは、線分データの両端の位置情報から各線分の距離を計算し、監視区間の起点側または終点側から、線分距離が監視情報作成用テーブル2A1の基準距離以上であるか否か比較する。ここでは、起点側から終点側に向かう順番で線分距離を比較するものとして以降の処理を説明する。
【0047】
基準距離以上の場合は、基準距離との差の絶対値が最小となるように線分距離を等分し、等分した地点と当該線分の終点をチェック地点とする。基準距離よりも短い場合は基準距離との差の絶対値が最小になるように以降の線分距離を加算し、最後の線分の終点をチェック地点とする。これらチェック地点に付与した地点番号とともに、チェック地点の緯度および経度をチェック地点テーブル242に設定する。
【0048】
次に、監視区間の起点(つまり監視開始地点)の位置情報およびチェック地点テーブル242に設定したチェック地点の位置情報から、一つ前の地点(監視開始地点またはチェック地点)からチェック地点までの距離を計算し、それを監視情報作成用テーブル2A1の移動速度で除算することにより所要時間を計算し、当該チェック地点の地点番号とともに所要時間テーブル243に設定する。なお、同じ移動経路の往路と復路において、同じ地点を利用して監視対象者を監視する場合は、最初の線分の起点の緯度および経度もチェック地点テーブル242に設定し、往路と復路における所要時間を所要時間テーブル243に設定する。
【0049】
上述した移動経路へのチェック地点の設定方法を図10に基づき説明する。
図10は、自宅と学校との間の移動経路の往路と復路に、基準距離を150mとして自宅側からチェック地点を設定したときの例である。
図10(A)の線分1から線分5は地図情報記憶手段29から読み出した線分データに対応しており、両端の地点の緯度および経度から計算した線分距離は図のとおりとする。
【0050】
線分1の線分距離“390m”は基準距離以上であるため、|150m−390m/n|が最小となる整数nを求めると、n=3となる。したがって、線分1については、3等分した地点である地点2bおよび地点2c、線分1の起点の地点2a、線分1の終点の地点2dがチェック地点となる。次の線分2の線分距離“50m”は基準距離より短いため、|150m−(線分2の線分距離+・・・+線分mの線分距離)|が最小となる整数mを求めるとm=4となるので、線分2から線分4については、線分4の終点の地点2eがチェック地点となる。
次の線分5の線分距離330mは基準距離以上であるため、|150m−330m/n|が最小となる整数nを求めると、n=2となる。したがって、線分5については、2等分した地点である地点2f、線分5の終点の地点2gがチェック地点となる。
以上の結果、図10(B)に示すように、自宅から学校へ向かう往路におけるチェック地点は地点2bから地点2g、学校から自宅へ向かう復路では地点2fから地点2aとなる。なお、自宅から学校へ向かう往路のみ監視する場合は、線分1の起点2aは監視開始地点であるため、チェック地点とする必要はない。
以上により、基準距離に近い間隔でチェック地点を設定できるため、監視対象者の位置情報のチェックを均等に近い時間間隔で行うことができる。
【0051】
A−1.実施例1
第1の実施形態において、図1の移動経路の往路についてのみ監視対象者を監視するときの監視処理サーバ14の処理を図11に基づき説明する。移動体端末情報テーブル241、チェック地点テーブル242、所要時間テーブル243の設定内容は、それぞれ図4、図5、図6のとおりとする。また、チェック地点テーブル242の位置情報、所要時間テーブル243の所要時間を読み出す順番は地点番号の昇順とする。
【0052】
移動体端末装置11を携帯した“幕張太郎”が自宅を出発して監視開始地点である地点1aを通過すると、地点1aに設置されている識別情報読取装置13の監視開始通知手段23は、移動体端末装置11の識別情報記憶手段22に記憶されている識別情報“001”を読み取り、監視開始通知をネットワーク16を経由して監視処理サーバ14のタイマ手段25へ送信する。
【0053】
監視処理サーバ14のタイマ手段25は、監視開始通知を受信(ステップS101)するとタイマを起動し、時間計測を開始する(ステップS102)。
タイマ手段25は受信した監視開始通知の識別情報“001”をキーにして移動体端末情報テーブル241を検索し、移動体端末宛先情報“09012345678”を読み出す。タイマ手段25は、この移動体端末宛先情報をキーにして所要時間テーブル243を検索し、地点番号が最小である地点番号“2”に対応する所要時間“130秒”を読み出す(ステップS103)。なお、この例では最初のチェック地点である地点1bから最後のチェック地点である地点1gに向かって昇順で地点番号を設定しているため、地点番号の昇順で対応する所要時間を読み出すことになるが、降順で地点番号を設定した場合は、降順で読み出すことになる。
【0054】
タイマ手段25は、所要時間の“130秒”が経過していないか定期的にタイマをチェック(ステップS104)し、経過したことを検出するとタイマをリセットして時間計測を0から再開始する(ステップS105)とともに、位置情報比較手段26へタイマ通知を送信する。
【0055】
位置情報比較手段26は、タイマ通知を受信すると移動体端末宛先情報“09012345678”を利用して、移動体端末装置11へネットワーク16を経由して位置情報の送信要求を送信し、移動体端末装置11の現在地の位置情報を受信する(ステップS106)。
位置情報比較手段26は、タイマ手段25が読み出した移動体端末宛先情報“09012345678”をキーにしてチェック地点テーブル242を検索し、地点番号“2”に対応する位置情報“北緯35度39分04秒200±160,東経139度56分05秒200±200”を読み出す(ステップS107)。
【0056】
位置情報比較手段26は、移動体端末装置11の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲内であるか否か判断する(ステップS108)。
移動体端末装置11の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲内である場合は、最後のチェック地点であるか否かを判定し(ステップS109)、最後のチェック地点ではないためステップS103に戻り、移動体端末装置11の位置情報が、チェック対象地点の範囲外となるまで、以降の地点番号“3”から地点番号“7”のチェック地点について、ステップS103からステップS109の処理を順次行う。
【0057】
移動体端末装置11の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲外である場合は、移動体端末情報テーブル241から読み出した監視対象者名と、移動体端末装置11から受信した位置情報から監視対象者の現在地を図示した地図の所在を示すURLを警告情報に埋め込み、移動体端末情報テーブル241から読み出した監視端末装置宛先情報“makuhari@xxx.jp,teacher01@xxx.jp”を利用して、監視端末装置15へ警告情報を電子メールで送信する(ステップS110)。移動体端末情報テーブル241に送信回数“5”と送信間隔“10秒”が設定されているので、5回分警告情報を送信したか判定し(ステップS111)、送信回数に達していない場合は、警告情報を送信してから10秒が経過したか判定し(ステップS112)、経過したときは移動体端末装置11の現在地の位置情報を取得して(ステップS113)、ステップS110に戻る。送信回数に達した場合は処理を終了する。なお、図示していないが、監視端末装置15から警告情報の送信を中止する要求があった場合は、送信回数に達していなくても警告情報の送信を中止し、処理を終了するようにしてもよい。
【0058】
A−2.実施例2
第1の実施形態において、図1の移動経路の往路と復路について監視対象者を監視するときの監視処理サーバ14の処理を図12に基づき説明する。移動体端末情報テーブル241、チェック地点テーブル242、所要時間テーブル243の設定内容は、それぞれ図4、図7、図8のとおりとする。
【0059】
移動体端末装置11を携帯した“幕張太郎”が自宅を出発して監視開始地点である地点1aを通過すると、地点1aに設置されている識別情報読取装置13の監視開始通知手段23は、移動体端末装置11の識別情報記憶手段22に記憶されている識別情報“001”を読み取り、監視開始通知をネットワーク16を経由して監視処理サーバ14のタイマ手段25へ送信する。
【0060】
監視処理サーバ14のタイマ手段25は、監視開始通知を受信(ステップS201)するとタイマを起動し、時間計測を開始する(ステップS202)。
タイマ手段25は受信した監視開始通知の識別情報“001”をキーにして移動体端末情報テーブル241を検索し、移動体端末宛先情報“09012345678”を読み出す。タイマ手段25は、移動体端末宛先情報“09012345678”を利用して、移動体端末装置11へネットワーク16を経由して位置情報の送信要求を送信し、移動体端末装置11の現在地の位置情報“北緯35度39分04秒200,東経139度56分00秒000”を受信する(ステップS203)。
【0061】
タイマ手段25は、受信した移動体端末装置11の位置情報をキーにしてチェック地点テーブル242の位置情報を検索し、対応する地点番号“1”を読み出す。次に当該地点番号が当該チェック地点テーブル242の地点番号の中で最小か最大かを判断(ステップS204)する。ここで地点番号“1”は最小であるため、チェック地点テーブル242および所要時間テーブル243のレコードを読み出す順番を地点番号の昇順とする(ステップS205)。
【0062】
タイマ手段25は、移動体端末宛先情報“09012345678”をキーにして所要時間テーブル243を検索し、前回読み出した地点番号“1”の次に大きな地点番号“2”に対応する所要時間“130秒”を読み出す(ステップS207)。
タイマ手段25は、所要時間の“130秒”が経過していないか定期的にタイマをチェック(ステップS208)し、経過したことを検出するとタイマをリセットして時間計測を0から再開始する(ステップS209)とともに、位置情報比較手段26へタイマ通知を送信する。
【0063】
位置情報比較手段26は、タイマ通知を受信すると移動体端末宛先情報“09012345678”を利用して、移動体端末装置11へネットワーク16を経由して位置情報の送信要求を送信し、移動体端末装置11の現在地の位置情報を受信する(ステップS210)。
位置情報比較手段26は、タイマ手段25が読み出した移動体端末宛先情報“09012345678”をキーにしてチェック地点テーブル242を検索し、地点番号“2”に対応する位置情報“北緯35度39分04秒200±160,東経139度56分05秒200±200”を読み出す(ステップS211)。
【0064】
位置情報比較手段26は、移動体端末装置11の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲内であるか否か判断する(ステップS212)。
移動体端末装置11の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲内である場合は、最後のチェック地点であるか否かを判定し(ステップS213)、最後のチェック地点ではないためステップS207に戻り、移動体端末装置11の位置情報が、チェック対象地点の範囲外となるまで、以降の地点番号“3”から地点番号“7”のチェック地点について、ステップS207からステップS213の処理を順次行う。
【0065】
移動体端末装置11の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲外である場合は、移動体端末情報テーブル241から読み出した監視対象者名と、移動体端末装置11から受信した位置情報から監視対象者の現在地を図示した地図の所在を示すURLを警告情報に埋め込み、移動体端末情報テーブル241から読み出した監視端末装置宛先情報“makuhari@xxx.jp,teacher01@xxx.jp”を利用して、監視端末装置15へ警告情報を電子メールで送信する(ステップS214)。移動体端末情報テーブル241に送信回数“5”と送信間隔“10秒”が設定されているので、5回分警告情報を送信したか判定し(ステップS215)、送信回数に達していない場合は、警告情報を送信してから10秒が経過したか判定し(ステップS216)、経過したときは移動体端末装置11の現在地の位置情報を取得して(ステップS217)、ステップS214に戻る。送信回数に達した場合は処理を終了する。なお、図示していないが、監視端末装置15から警告情報の送信を中止する要求があった場合は、送信回数に達していなくても警告情報の送信を中止し、処理を終了するようにしてもよい。
【0066】
次に、監視端末装置11を携帯した“幕張太郎”が学校を出発して監視開始地点である地点1gを通過すると、地点1gに設置されている識別情報読取装置13の監視開始通知手段23は、移動体端末装置11の識別情報記憶手段22に記憶されている識別情報“001”を読み取り、監視開始通知としてネットワーク16を経由して監視処理サーバ14のタイマ手段25へ送信する。
【0067】
監視処理サーバ14のタイマ手段25は、監視開始通知の識別情報“001”を受信(ステップS201)するとタイマを起動し、時間計測を開始する(ステップS202)。
タイマ手段25は受信した監視開始通知の識別情報“001”をキーにして移動体端末情報テーブル241を検索し、移動体端末宛先情報“09012345678”を読み出す。タイマ手段25は、移動体端末宛先情報“09012345678”を利用して、移動体端末装置11へネットワーク16を経由して位置情報の送信要求を送信し、移動体端末装置11の現在地の位置情報“北緯35度39分00秒000,東経139度56分30秒800”を受信する(ステップS203)。
【0068】
タイマ手段25は、受信した移動体端末装置11の位置情報をキーにしてチェック地点テーブル242を検索して対応する地点番号“7”を読み出し、この地点番号が当該チェック地点テーブル242の地点番号の中で最小か最大かを判断(ステップS204)する。ここで地点番号“7”は最大であるため、チェック地点テーブル242および所要時間テーブル243のレコードを読み出す順番を地点番号の降順とする(ステップS206)。
以降のステップS207からステップS217は、チェック地点テーブル242および所要時間テーブル243のレコードを地点番号の降順で読み出す以外は、前述した自宅から学校へ向かう往路における処理と同じである。
【0069】
A−3.実施例3
第1の実施形態において、図10(A)の移動経路の往路と復路を監視する際に使用するチェック地点テーブル242および所要時間テーブル243を作成するときの監視処理サーバの処理を図13に基づき説明する。移動体端末情報テーブル241の設定内容は図4、監視情報作成用テーブル2A1の設定内容は図9のとおりとする。
【0070】
監視者等が、監視対象者である“幕張太郎”が使用する移動体端末装置11の移動体端末宛先情報“09012345678”を監視端末装置15から入力するとともに、監視端末装置15の画面に表示された地図上で、幕張太郎が利用する移動経路を選択し、監視区間の両端の位置を指定し、送信ボタンをクリックする。
経路情報送信手段28は、監視区間の両端の位置から、当該地点の緯度および経度を算出(北緯35度39分04秒200,東経139度56分00秒000、北緯35度39分00秒000,東経139度56分30秒800)し、移動体端末宛先情報とともにネットワーク16を経由して監視処理サーバ14の経路情報検索手段2Bへ送信する。
【0071】
経路情報検索手段2Bは、監視処理サーバ14の経路情報送信手段28から、監視区間の両端の位置情報と移動体端末宛先情報を受信する(ステップS301)。
経路情報検索手段2Bは、移動体端末宛先情報“09012345678”で移動体端末情報テーブル241を検索し、当該移動体端末宛先情報が設定されているかチェックする。設定されているため、監視区間の両端の位置情報で地図情報記憶手段29のベクトル地図情報を検索し、監視区間を構成する線分の線分データを読み出す(ステップS302)。
読み出した線分1から線分5までの各線分データについて、両端の位置情報から線分距離を計算し(ステップS303)、ワーク用メモリに書き込む。
【0072】
線分1の線分距離“390m”を読み出し(ステップS304)、監視情報作成用テーブル2A1に設定されている基準距離“150m”と比較する(ステップS305)。
線分距離≧基準距離となるので、|150m−390m/n|が最小となる整数nを求めると、n=3となる(ステップS306)。
線分1の起点の位置情報“北緯35度39分04秒200,東経139度56分00秒000”と線分1の終点の位置情報“北緯35度39分04秒200,東経139度56分15秒600”から、3等分した地点をチェック地点として位置情報“北緯35度39分04秒200,東経139度56分05秒200、および北緯35度39分04秒200,東経139度56分10秒400”を計算し(ステップS307)、さらに線分1の終点の位置情報をチェック地点として読み出す(ステップS308)。
線分1が最後の線分であるか否か判定し(ステップS309)、最後の線分ではないためステップS304に戻り、次の線分2の線分距離“50m”を読み出し、監視情報作成用テーブル2A1に設定されている基準距離“150m”と比較する(ステップS305)。
【0073】
線分距離<基準距離となるので、|150m−(線分2の線分距離+・・・+線分mの線分距離)|が最小となる整数mを求めると、m=4となる(ステップS310)。
線分4の終点の位置情報“北緯35度39分00秒000,東経139度56分17秒600”をチェック地点として読み出す(ステップS311)。
線分4が最後の線分であるか否か判定し(ステップS309)、最後の線分ではないためステップS304に戻り、次の線分5の線分距離“330m”を読み出し、監視情報作成用テーブル2A1に設定されている基準距離“150m”と比較する(ステップS305)。
【0074】
線分距離≧基準距離となるので、|150m−330m/n|が最小となる整数nを求めると、n=2となる(ステップS306)。
線分5の起点の位置情報“北緯35度39分00秒000,東経139度56分17秒600”と線分5の終点の位置情報“北緯35度39分00秒000,東経139度56分30秒800”から、2等分した地点の位置情報“北緯35度39分00秒000,東経139度56分24秒200”を計算し(ステップS307)、さらに線分5の終点の位置情報をチェック地点として読み出す(ステップS308)。
線分5が最後の線分であるか否か判定し(ステップS309)、最後の線分であるため線分1の起点の位置情報“北緯35度39分04秒200,東経139度56分00秒000”をチェック地点として読み出す(ステップS312)。なお、前述のとおり、自宅から学校へ向かう往路のみ監視する場合は、線分1の起点はチェック地点ではないため、位置情報を読み出す必要はない。
【0075】
監視情報作成用テーブル2A1に設定されているチェック地点の範囲“10m”を読み出し、チェック地点付近の緯度方向および経度方向の範囲に変換し、チェック地点の位置情報に付加する(ステップS313)。ここでは、緯度方向に約0.32秒、経度方向に約0.4秒となるので、チェック地点を中心とする場合は、チェック地点の緯度および経度に対して、それぞれ±0.16秒、±0.2秒とした範囲となる。
【0076】
自宅から学校に向かう順番でチェック地点に対して、1から昇順に地点番号を設定する(ステップS314)。監視端末装置15から受信した移動体端末宛先情報、地点番号、位置情報をチェック地点テーブル242に書き込む(ステップS315)。
【0077】
チェック地点テーブル242の位置情報からチェック地点間の距離を計算し、監視情報作成用テーブル2A1の移動速度で除算することにより、監視対象者である“幕張太郎”がチェック地点間を移動するのに要する所要時間を算出する(ステップS316)。
監視端末装置15から受信した移動体端末宛先情報、往路におけるチェック地点の地点番号、復路におけるチェック地点の地点番号、所要時間を所要時間テーブル243に書き込む(ステップS517)。
【0078】
B.第2の実施形態
図14は、第2の実施形態における移動体監視システムの構成図である。
この移動体監視システムは、移動体端末装置31、GPS衛星32、情報記憶媒体33、監視情報管理サーバ34、監視端末装置35、ネットワーク36から構成され、移動体端末装置31、監視情報管理サーバ34、監視端末装置35の各装置は、ネットワーク36を介して接続されている。
【0079】
移動体端末装置31は、監視対象者が携帯した状態、または監視対象者が利用する移動手段に取り付けた状態で使用され、当該移動体端末装置31に関するチェック地点の位置情報やチェック地点までの所要時間等の監視情報が記憶されており、これらの情報とGPS衛星32から受信したGPS信号から取得した自身の現在地の位置情報を利用して、監視対象者が所定の移動経路上を所定の時間で目的地に向かって移動しているか否かを監視する。移動体端末装置31は、情報記憶媒体33に記憶されている情報を読み取った契機で時間計測を開始し、チェック対象地点までの所要時間が経過したときに自身の現在地の位置情報と、チェック対象地点の位置情報が一致するか否か判断し、不一致の場合は監視端末装置35へ警告情報を送信する。移動体端末装置31としては、例えばGPS携帯電話を用いる。
【0080】
情報記憶媒体33は、監視開始地点に設置され、移動体端末装置31が読み取り可能な監視開始地点であることを示す情報(以降、「監視開始地点情報」と記載する)が記憶されている。本発明を実施するにあたっては、情報記憶媒体33としては無線タグを用いて、無線タグリーダを内蔵または装着した移動体端末装置31により読み取るのが最も適しているが、例えば、情報記憶媒体33に監視開始地点情報を文字や記号で表示させ、それを移動体端末装置31により光学的に読み取る等、監視対象者の操作を介在させるようにしてもよい。
【0081】
監視情報管理サーバ34は、全ての監視対象者の移動経路について、チェック地点の位置情報やチェック地点までの所要時間等の監視情報が記憶されており、移動体端末装置31または監視端末装置35からの要求に応じて、当該移動体端末装置31に関する監視情報を抽出し、ネットワーク36を経由して移動体端末装置31へ送信する
また、監視情報管理サーバ34は、監視端末装置35からネットワーク36を経由して監視対象者の移動経路に関する情報を受信し、監視情報を作成する。
【0082】
監視端末装置35は、監視者の自宅等に設置した状態、または監視者が携帯した状態で使用され、監視処理サーバ24からネットワーク36を経由して受信した前記警告情報を画面やスピーカー等の出力装置へ出力する。
また、監視者等が入力した移動経路に関する情報を、ネットワーク36を経由して監視情報管理サーバ34へ送信する。
監視端末装置35は一人の監視対象者に対して複数台設けてもよく、この場合、警告情報はそれぞれの監視端末装置35へ送信する。
【0083】
ネットワーク36は、移動体端末装置31、監視情報管理サーバ34、監視端末装置35との間で通信するためのネットワークであり、例えばインターネットを用いる。
【0084】
図15は、第2の実施形態における移動体監視システムの各装置の構成を示すブロック図である。
初めに、移動経路上を移動する監視対象者を監視するときの構成について説明する。
【0085】
監視情報管理サーバ34は、監視情報記憶手段41、監視情報送信手段42から構成される。
監視情報記憶手段41は、移動体端末情報テーブル411、チェック地点テーブル412、所要時間テーブル413が記憶されている。
移動体端末情報テーブル411は、移動体端末宛先情報に対して、監視対象者名、警告情報の送信回数と送信間隔を関連付けて設定したテーブルである。データ項目に識別情報が不要であること以外は、第1の実施形態における移動体端末情報テーブル241と同一である。
図16に移動体端末情報テーブル411の設定例を示す。
チェック地点テーブル412および所要時間テーブル413は、第1の実施形態におけるチェック地点テーブル242、所要時間テーブル243と同一である。
【0086】
監視情報送信手段42は、監視者や監視対象者等が監視端末装置35または移動体端末装置31から指定した移動体端末装置31に関するレコードを移動体端末情報テーブル411、チェック地点テーブル412、所要時間テーブル413から抽出し、当該移動体端末装置31へ送信する。
【0087】
移動体端末装置31は、監視情報受信手段43、監視情報記憶手段44、監視開始通知手段45、タイマ手段46、位置情報比較手段47、位置情報算出手段48から構成される。
監視情報受信手段43は、移動体端末情報テーブル411、チェック地点テーブル412、所要時間テーブル413から抽出した当該移動体端末装置31に関するレコードを監視情報送信手段42から受信し、監視情報記憶手段44へ記憶する。
【0088】
監視情報記憶手段44は、監視情報受信手段43が受信した移動体端末情報テーブル441、チェック地点テーブル442、所要時間テーブル443が記憶されている。データ項目に移動体端末宛先情報が不要であり、当該移動体端末装置31に関するレコードのみであること以外は、監視情報記憶手段41に記憶されている移動体端末情報テーブル411、チェック地点テーブル412、所要時間テーブル413と同一である。
図17に移動体端末情報テーブル441の設定例を示す。
図18にチェック地点テーブル442の設定例を示す。
図19に所要時間テーブル443の設定例を示す。
【0089】
監視開始通知手段45は、情報記憶媒体33に記憶されている監視開始地点情報を読み取ることにより移動体端末装置31が監視開始地点を通過したことを検出し、監視開始通知をタイマ手段46へ送信する。
【0090】
タイマ手段46は、監視開始通知手段45から前記監視開始通知を受信した契機でタイマを起動して時間計測を開始する。所要時間テーブル443から、予め定められている順番(地点番号の昇順または降順)で所要時間テーブル443から地点番号を読み出し、対応する所要時間が経過するたびに、タイマをリセットして0から時間計測を再開始するとともに、所要時間が経過したことを送信するためのタイマ信号を位置情報比較手段47へ送信する。
【0091】
位置情報比較手段47は、タイマ手段46からタイマ信号を受信した契機で、自身の現在地の緯度および経度を位置情報算出手段48から取得し、チェック地点テーブル442に設定されているチェック対象地点の緯度および経度と一致するか、またはチェック対象地点の範囲に含まれるか判断し、不一致または含まれない場合は、移動体端末情報テーブル441に設定されている監視対象者の氏名、自身の現在地の位置情報を警告情報に埋め込み、移動体端末情報テーブル441に設定されている監視端末宛先情報を利用して監視端末装置35へ送信する。位置情報としては、警告情報を電子メールで送信する場合は、現在地を図示した地図の所在を示すURL、電話で送信する場合は、住所や目印となる付近の建造物等の名称を使用する。
位置情報算出手段48は、GPS衛星が電波により送信するGPS信号を受信し、自身の現在地の緯度および経度を算出する。
【0092】
なお、チェック地点テーブル442の位置情報および所要時間テーブル443の所要時間を読み出す順番(地点番号の昇順または降順)を予め定めない場合や、移動経路の往路と復路で監視対象者を監視する場合は、タイマ手段46が監視開始通知を受信したときに位置情報比較手段は監視開始地点の地点番号を特定することにより、読み出す順番を決定する。
このときのタイマ手段46および位置情報比較手段47の処理を、図1の往路と復路を監視するときのチェック地点テーブル442、所要時間テーブル443の設定例である図20、図21に基づき説明する。
【0093】
タイマ手段46が監視開始通知を受信すると、位置情報比較手段47はタイマ手段46からの要求により、移動体端末装置31の現在地の位置情報を取得する。位置情報比較手段は取得した位置情報でチェック地点テーブルの位置情報を検索し、対応する地点番号を読み出す。このとき、地点番号が“1”、つまり往路における監視開始地点であった場合は、チェック地点は地点番号“2”から地点番号“7”の順番になるので、チェック地点テーブル442からは、この順番で位置情報を読み出し、所要時間テーブル443からは地点番号“2”から始まる往路用の所要時間を、この順番で読み出すことになる。
【0094】
監視端末装置35は、警告情報出力手段49から構成される。
警告情報出力手段49は、監視処理サーバ34から受信した警告情報を画面やスピーカー等の出力装置へ出力する。
【0095】
次に、移動経路上を移動する監視対象者を監視するときに使用するチェック地点テーブル412および所要時間テーブル413を作成するときの構成について説明する。
この場合、図15に示すように、監視端末装置35に経路情報送信手段4A、監視情報管理サーバ34に地図情報記憶手段4B、監視情報作成用情報記憶手段4C、経路情報検索手段4D、監視情報作成手段4Eをさらに追加した構成となる。
【0096】
経路情報送信手段4Aは、監視者等が監視端末装置35の画面に表示された地図上で指定した監視区間の起点と終点の位置から緯度および経度を算出し、移動体端末装置31の移動体端末宛先情報とともに監視情報管理サーバ34の経路情報検索手段4Dへネットワーク36を経由して送信する。
【0097】
地図情報記憶手段4Bは、ベクトル地図情報の線分データが記憶されている。
監視情報作成用情報記憶手段4Cは、監視情報作成用テーブル4C1が記憶されている。データ項目やその設定内容は、第1の実施形態における監視情報作成用テーブル2A1と同一である。
【0098】
経路情報検索手段4Dは、監視端末装置35の経路情報送信手段4Aからネットワーク36を経由して受信した移動体端末宛先情報が、移動体端末情報テーブル411の移動体端末宛先情報に設定されているか否かチェックし、設定されている場合は、受信した監視区間の起点と終点の緯度および経度で地図情報記憶手段4Bに記憶されているベクトル地図情報を検索し、当該監視区間を構成する線分データを読み出す。
また、監視区間に対応する移動経路が複数存在した場合は、監視者等に移動経路を選択させるため、検索した経路情報を監視端末装置35へ送信する。
【0099】
監視情報作成手段4Eは、経路情報検索手段4Dが地図情報記憶手段4Bから読み出した線分データ、監視情報作成用テーブル4C1から、チェック地点テーブル412と所要時間テーブル413を作成する。
監視情報作成手段4Eは、線分データの両端の位置情報から各線分の距離を計算し、監視区間の起点側または終点側から、線分距離が監視情報作成用テーブル4C1の基準距離以上であるか否か比較する。ここでは、起点側から終点側に向かう順番で線分距離を比較するものとして以降の処理を説明する。
【0100】
基準距離以上の場合は、基準距離との差の絶対値が最小となるように線分距離を等分し、等分した地点と当該線分の終点をチェック地点とする。基準距離よりも短い場合は基準距離との差の絶対値が最小になるように以降の線分距離を加算し、最後の線分の終点をチェック地点とする。これらチェック地点に付与した地点番号とともに、チェック地点の緯度および経度をチェック地点テーブル242に設定する。
【0101】
次に、監視区間の起点(つまり監視開始地点)の位置情報およびチェック地点テーブル412に設定したチェック地点の位置情報から、一つ前の地点(監視開始地点またはチェック地点)からチェック地点までの距離を計算し、それを監視情報作成用テーブル4C1の移動速度で除算することにより所要時間を計算し、当該チェック地点の地点番号とともに所要時間テーブル413に設定する。なお、同じ移動経路の往路と復路において、同じ地点を利用して監視対象者を監視する場合は、最初の線分の起点の緯度および経度もチェック地点テーブル412に設定し、往路と復路における所要時間を所要時間テーブル413に設定する。
移動経路へのチェック地点の具体的な設定方法は、第1の実施形態において説明したとおりである。
【0102】
B−1.実施例4
第2の実施形態において、図1の移動経路の往路についてのみ監視対象者を監視するときの移動体端末装置31の処理を図12に基づき説明する。移動体端末情報テーブル441、チェック地点テーブル442、所要時間テーブル443の設定内容は、それぞれ図17、図18、図19のとおりとする。
【0103】
移動体端末装置31を携帯した“幕張太郎”が自宅を出発して監視開始地点である地点1aを通過すると、移動体端末装置31の監視開始地点検出手段45は、地点1aに設置されている情報記憶媒体33に記憶されている監視開始地点情報を読み取り(ステップS401)、監視開始通知をタイマ手段46へ送信する。
タイマ手段46は、監視開始通知を受信するとタイマを起動し、時間計測を開始する(ステップS402)。
【0104】
タイマ手段46は、所要時間テーブル443から地点番号が最小である地点番号“2”に対応する所要時間“130秒”を読み出す(ステップS403)。なお、この例では最初のチェック地点である地点1bから最後のチェック地点である地点1gに向かって昇順で地点番号を設定しているため、地点番号の昇順で対応する所要時間を読み出すことになるが、降順で地点番号を設定した場合は、降順で読み出すことになる。
【0105】
タイマ手段46は、所要時間の“130秒”が経過していないか定期的にタイマをチェック(ステップS404)し、経過したことを検出するとタイマをリセットして時間計測を0から再開始する(ステップS405)とともに、位置情報比較手段47へタイマ通知を送信する。
【0106】
位置情報比較手段47は、タイマ通知を受信すると、位置情報算出手段48から自身の現在地の位置情報を取得する(ステップS406)。次に、チェック地点テーブル442を検索し、地点番号“2”に対応する位置情報“北緯35度39分04秒200±160,東経139度56分05秒200±200”を読み出す(ステップS407)。
【0107】
位置情報比較手段47は、移動体端末装置31の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲内であるか否か判断する(ステップS408)。
移動体端末装置31の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲内である場合は、最後のチェック地点であるか否かを判定し(ステップS409)、最後のチェック地点ではないためステップS403に戻り、移動体端末装置31の位置情報が、チェック対象地点の範囲外となるまで、以降の地点番号“3”から地点番号“7”のチェック地点について、ステップS403からステップS409の処理を順次行う。
【0108】
移動体端末装置31の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲外である場合は、移動体端末情報テーブル441から読み出した監視対象者名と、位置情報算出手段48から読み出した位置情報から監視対象者の現在地を図示した地図の所在を示すURLを警告情報に埋め込み、移動体端末情報テーブル441から読み出した監視端末装置宛先情報(makuhari@xxx.jp,teacher01@xxx.jp)を利用して、監視端末装置35へ警告情報を電子メールで送信する(ステップS410)。移動体端末情報テーブル441に送信回数“5”と送信間隔“10秒”が設定されているので、5回分警告情報を送信したか判定し(ステップS411)、送信回数に達していない場合は、警告情報を送信してから10秒が経過したか判定し(ステップS412)、経過したときは移動体端末装置31の現在地の位置情報を取得して(ステップS413)、ステップS410に戻る。送信回数に達した場合は処理を終了する。なお、図示していないが、監視端末装置35から警告情報の送信を中止する要求があった場合は、送信回数に達していなくても警告情報の送信を中止し、処理を終了するようにしてもよい。
【0109】
B−2.実施例5
第1の実施形態において、図1の移動経路上の往路と復路について監視対象者を監視するときの移動体端末装置31の処理を図13に基づき説明する。移動体端末情報テーブル441、チェック地点テーブル442、所要時間テーブル443の設定内容は、それぞれ図17、図20、図21のとおりとする。
【0110】
移動体端末装置31を携帯した“幕張太郎”が自宅を出発して監視開始地点である地点1aを通過すると、移動体端末装置31の監視開始地点検出手段45は、地点1aに設置されている情報記憶媒体33に記憶されている監視開始地点情報を読み取り(ステップS501)、監視開始通知をタイマ手段46へ送信する。
タイマ手段46は、監視開始通知を受信するとタイマを起動し、時間計測を開始する(ステップS502)。
【0111】
タイマ手段46は、位置情報算出手段48から自身の現在地の位置情報“北緯35度39分04秒200,東経139度56分00秒000”を取得する(ステップS503)。
タイマ手段46は、移動体端末装置11の現在地の位置情報をキーにしてチェック地点テーブル442の位置情報を検索し、対応する地点番号“1”を読み出す。次に当該地点番号がチェック地点テーブル442の地点番号の中で最小か最大かを判断(ステップS504)する。ここで地点番号“1”は最小であるため、チェック地点テーブル442および所要時間テーブル443のレコードを読み出す順番を地点番号の昇順とする(ステップS505)。
【0112】
タイマ手段46は、移動体端末宛先情報“09012345678”をキーにして所要時間テーブル443を検索し、前回読み出した地点番号“1”の次に大きな地点番号“2”に対応する所要時間“130秒”を読み出す(ステップS507)。
【0113】
タイマ手段25は、所要時間の“130秒”が経過していないか定期的にタイマをチェック(ステップS508)し、経過したことを検出するとタイマをリセットして時間計測を0から再開始する(ステップS209)とともに、位置情報比較手段47へタイマ通知を送信する。
【0114】
位置情報比較手段47は、タイマ通知を受信すると、位置情報算出手段48から自身の現在地の位置情報を取得する(ステップS510)。次に、チェック地点テーブルを検索し、地点番号“2”に対応する位置情報“北緯35度39分04秒200±160,東経139度56分05秒200±200”を読み出す(ステップS511)。
【0115】
位置情報比較手段47は、移動体端末装置31の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲に含まれるか否か判断する(ステップS512)。
移動体端末装置31の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲内である場合は、最後のチェック地点であるか否かを判定し(ステップS513)、最後のチェック地点ではないためステップS507に戻り、移動体端末装置31の位置情報が、チェック対象地点の範囲外となるまで、以降の地点番号“3”から地点番号“7”のチェック地点について、ステップS507からステップS513の処理を順次行う。
【0116】
移動体端末装置31の位置情報が、地点番号“2”に対応する位置情報の範囲外である場合は、移動体端末情報テーブル441から読み出した監視対象者名と、位置情報算出手段48から取得した位置情報から監視対象者の現在地を図示した地図の所在を示すURLを警告情報に埋め込み、移動体端末情報テーブル441から読み出した監視端末装置宛先情報(makuhari@xxx.jp,teacher01@xxx.jp)を利用して、監視端末装置35へ警告情報を電子メールで送信する(ステップS514)。移動体端末情報テーブル441に送信回数“5”と送信間隔“10秒”が設定されているので、5回分警告情報を送信したか判定し(ステップS515)、送信回数に達していない場合は、警告情報を送信してから10秒が経過したか判定し(ステップS516)、経過したときは移動体端末装置31の現在地の位置情報を取得して(ステップS517)、ステップS514に戻る。送信回数に達した場合は処理を終了する。なお、図示していないが、監視端末装置35から警告情報の送信を中止する要求があった場合は、送信回数に達していなくても警告情報の送信を中止し、処理を終了するようにしてもよい。
【0117】
次に、移動体端末装置31を携帯した“幕張太郎”が学校を出発して監視開始地点である地点1gを通過すると、移動体端末装置31の監視開始地点検出手段45は、地点1gに設置されている情報記憶媒体33に記憶されている監視開始地点情報を読み取り(ステップS501)、監視開始通知をタイマ手段46へ送信する。
タイマ手段46は、監視開始通知を受信するとタイマを起動し、時間計測を開始する(ステップS502)。
【0118】
タイマ手段46は、位置情報算出手段48から自身の現在地の位置情報“北緯35度39分00秒000,東経139度56分30秒800”を取得する(ステップS503)。
【0119】
タイマ手段46は、移動体端末装置11の現在地の位置情報をキーにしてチェック地点テーブル442の位置情報を検索し、対応する地点番号“7”を読み出す。次に当該地点番号がチェック地点テーブル442の地点番号の中で最小か最大かを判断(ステップS504)する。ここで地点番号“7”は最大であるため、チェック地点テーブル442および所要時間テーブル443のレコードを読み出す順番を地点番号の降順とする(ステップS506)。
以降のステップS507からステップS517は、チェック地点テーブル442および所要時間テーブル443のレコードを地点番号の降順で読み出す以外は、前述した自宅から学校へ向かう往路における処理と同じである。
【0120】
なお、第2の実施形態におけるチェック地点テーブル412および所要時間テーブル413の作成については、第1の実施形態と同一の処理であるため、説明は省略する。
なお、上述した実施形態において、位置情報算出手段は、位置情報をGPS信号から取得しているが、例えば携帯電話の基地局からの信号を利用して取得してもよい。これにより、GPS信号が届きにくいビル内や地下街でも位置情報を取得できるようになる。
【0121】
また、位置情報比較手段は、移動体端末装置の位置情報がチェック地点の位置情報と一致、または、移動体端末装置の位置情報がチェック地点の位置情報の範囲内に含まれる場合、監視者に対して、予定通りの時間でチェック地点を通過したことを通知するようにしてもよい。
【0122】
また、地図情報記憶手段から読み出したベクトル地図情報の線分データに、信号機、踏切等の移動時間を遅延させる要素が設定されている場合は、監視情報作成手段が所要時間テーブルに所要時間を設定するときに、この遅延時間を加算するようにしてもよい。具体的には、チェック地点間の距離を移動速度で除算して求めた所要時間が180秒であり、このチェック地点間に平均待ち時間が60秒と仮定した信号機が1箇所ある場合、所要時間テーブルの所要時間は、“180秒〜240秒”として設定する。この場合、タイマ手段は180秒が経過したときにタイマ信号を送信し、位置情報比較手段は移動体端末装置の位置情報とチェック対象地点の位置情報を比較する。位置情報が一致またはチェック地点の範囲内である場合は次のチェック地点までの所要時間で時間計測を開始し、位置情報が不一致またはチェック地点の範囲外の場合は、240秒が経過するまで、一定間隔で移動体端末装置の位置情報を取得し、チェック対象地点の位置情報との比較を行う。
【0123】
また、監視対象者が待ち合わせや、話をしながらの歩行等による遅延を考慮して、所要時間経過時に取得した移動体端末装置の位置情報が、チェック対象地点手前の移動経路上であった場合は、当該地点とチェック対象地点の位置情報から、チェック対象地点までの残存距離を計算し、この距離を監視対象者の歩行速度で除算して、チェック対象地点までの所要時間を計算し、この時間が経過したときに、再度移動体端末装置とチェック地点の位置情報を比較するようにしてもよい。この場合、監視対象者の歩行速度を予め監視情報記憶手段に設定しておいてもよいし、一つ前のチェック地点から所要時間経過時の移動体端末装置の位置までの距離を所要時間で除算して求めてもよい。
【0124】
また、前述の実施形態では、移動体端末装置の位置をチェック地点の範囲と比較する場合は、チェック地点テーブルの位置情報にチェック地点の範囲を設定するようにしているが、GPS衛星や無線基地局の測位誤差を考慮する場合は、位置情報算出手段が位置情報を取得するたびに、GPS信号や無線基地局の信号に含まれる測位誤差情報を利用して、チェック地点の範囲を決定するようにしてもよい。これにより、常時変動しているGPS信号や無線基地局の信号の測位誤差が原因となる警告情報の誤送信を防止することができる。
【0125】
また、前述の実施形態では、監視情報記憶手段、監視用情報記憶手段に記憶されている各種テーブルの設定例を説明したが、本発明を実施可能な形態であれば、この設定例に限られるものではない。例えば、移動体端末情報テーブル、チェック地点テーブル、所要時間テーブルは、移動体端末宛先情報をキーにして結合した一つのテーブルであってもよいし、チェック地点テーブルと所要時間テーブルは、往路用と復路用で独立させてもよい。
【0126】
また、所要時間テーブルの所要時間は、監視開始地点からチェック地点までの移動に要する時間としてもよい。この場合、タイマ手段は、所要時間が経過したときにタイマのタイマをリセットは行わず、時間計測を継続して行うようにすればよい。
また、移動経路上でのチェック地点の並び順を特定できるように、チェック地点テーブルと所要時間テーブルに地点番号を設定しているが、チェック地点の並び順に合わせて、これらテーブルのレコードを設定する場合は、レコードの並び順でチェック地点の並び順を特定できるため、地点番号の設定を省略してもよい。
また、本発明による監視対象は子ども等の人間に限定するものではなく、所定の移動経路を所定の時間で移動するものであれば、何を監視対象としてもよい。
【0127】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、移動体監視システムに用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の実施形態による移動経路を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による移動体監視システムの概略構成図である。
【図3】第1の実施形態による移動体監視システムの構成を示すブロック図である。
【図4】監視情報記憶手段24に記憶される移動体端末情報テーブルの一例を示す図である。
【図5】監視情報記憶手段24および監視情報記憶手段41に記憶されるチェック地点テーブルの一例を示す図である。
【図6】監視情報記憶手段24および監視情報記憶手段41に記憶される所要時間テーブルの一例を示す図である。
【図7】監視情報記憶手段24に記憶されるチェック地点テーブルの一例を示す図である。
【図8】監視情報記憶手段24に記憶される所要時間テーブルの一例を示す図である。
【図9】監視情報作成用情報記憶手段2Aに記憶される監視情報作成用テーブルの一例を示す図である。
【図10】移動経路上へのチェック地点の設定方法を示す図である。
【図11】第1の実施形態における監視処理サーバ14による監視処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第1の実施形態における監視処理サーバ14による監視処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第1の実施形態における監視処理サーバ14および第2の実施形態における移動体端末装置による監視情報の作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態による移動体監視システムの概略構成図である。
【図15】第2の実施形態による移動体監視システムの構成を示すブロック図である。
【図16】監視情報記憶手段41に記憶される移動体端末情報テーブルの一例を示す図である。
【図17】監視情報記憶手段44に記憶される移動体端末情報テーブルの一例を示す図である。
【図18】監視情報記憶手段44に記憶されるチェック地点テーブルの一例を示す図である。
【図19】監視情報記憶手段44に記憶される所要時間テーブルの一例を示す図である。
【図20】監視情報記憶手段44に記憶されるチェック地点テーブルの一例を示す図である。
【図21】監視情報記憶手段44に記憶される所要時間テーブルの一例を示す図である。
【図22】第2の実施形態における移動体端末装置31による監視処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】第2の実施形態における移動体端末装置31による監視処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0130】
1a〜1g 移動経路上の地点(監視開始地点またはチェック地点)
11 移動体端末装置
12 GPS衛星
13 識別情報読取装置
14 監視処理サーバ
15 監視端末装置
16 ネットワーク
21 位置情報算出手段
22 識別情報記憶手段
23 監視開始通知手段
24 監視情報記憶手段
241 移動体端末情報テーブル
242 チェック地点テーブル
243 所要時間テーブル
25 タイマ手段
26 位置情報比較手段
27 警告情報出力手段
28 経路情報送信手段
29 地図情報記憶手段
2A 監視情報作成用情報記憶手段
2A1 監視情報作成用テーブル
2B 経路情報検索手段
2C 監視情報作成手段
31 移動体端末装置
32 GPS衛星
33 情報記憶媒体
34 監視情報管理サーバ
35 監視端末装置
36 ネットワーク
41 監視情報記憶手段
411 移動体端末情報テーブル
412 チェック地点テーブル
413 所要時間テーブル
42 監視情報送信手段
43 監視情報受信手段
44 監視情報記憶手段
441 移動体端末情報テーブル
442 チェック地点テーブル
443 所要時間テーブル
45 監視開始通知手段
46 タイマ手段
47 位置情報比較手段
48 位置情報算出手段
49 警告情報出力手段
4A 経路情報送信手段
4B 地図情報記憶手段
4C 監視情報作成用情報記憶手段
4C1 監視情報作成用テーブル
4D 経路情報検索手段
4E 監視情報作成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体端末装置の識別情報と、移動体端末装置と通信するための移動体端末宛先情報と、監視端末装置と通信するための監視端末宛先情報と、移動経路上に定めたチェック地点に付与した地点番号と、前記チェック地点の位置情報と、前記移動経路上に定めた基準地点から前記チェック地点まで移動するのに要する所要時間とを関連付けて記憶した監視情報記憶手段と、
前記移動体端末装置の位置情報を取得し、現在地情報を算出する位置情報算出手段と、
前記移動経路上の監視開始地点に設置された識別情報読取装置が、前記移動体端末装置に記憶された識別情報を読み取ることにより、または前記移動体端末装置が、前記監視開始地点に設置された記憶媒体に記憶された監視開始地点情報を読み取ることにより、前記移動体端末装置が前記監視開始地点を通過したことを検出し、監視開始通知を送信する監視開始通知手段と、
前記監視開始通知を受信した契機で時間測定を開始し、前記監視情報記憶手段から前記地点番号の順番で読み出したチェック地点までの前記所要時間が経過したときにタイマ信号を送信するタイマ手段と、
前記タイマ信号を受信した契機で、前記監視端末宛先情報を利用して前記位置情報算出手段から取得した前記移動体端末装置の現在地情報と、前記監視情報記憶手段から読み出した前記所要時間に対応する前記チェック地点の位置情報とが一致するか判断し、不一致の場合は、前記監視端末宛先情報を利用して前記監視端末装置へ警告情報を送信する位置情報比較手段と、
を有することを特徴とする移動体監視システム。
【請求項2】
前記位置情報算出手段は、GPS衛星から受信したGPS信号または前記移動体端末装置の無線基地局から受信した信号に基づき現在地情報を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体監視システム。
【請求項3】
前記位置情報比較手段は、前記位置情報算出手段から取得した現在地情報に基づき、前記移動体端末装置の位置が図示される地図の所在を示すURLを前記警告情報に埋め込む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動体監視システム。
【請求項4】
前記監視情報記憶手段は、前記警告情報の送信回数と、送信間隔とをさらに有し、
前記位置情報比較手段は、前記監視端末装置から中止要求を受信するか前記送信回数に達するまで、前記位置情報算出手段から現在地情報の取得、および前記警告情報の送信を前記送信間隔で繰り返して行う、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の移動体監視システム。
【請求項5】
前記監視情報記憶手段の前記位置情報には、チェック地点の位置を含む範囲が記憶されており、
前記位置情報比較手段は、前記位置情報算出手段から取得した現在地情報が、前記範囲内に含まれていない場合に前記監視端末装置へ前記警告情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の移動体監視システム。
【請求項6】
前記監視情報記憶手段には、前記移動経路の往路および復路における前記監視開始地点の地点番号と位置情報がさらに記憶されており、
前記タイマ手段は、前記監視開始通知を受信した契機で前記位置情報算出手段から位置情報を取得し、
取得した前記位置情報に対応する前記監視情報記憶手段の前記地点番号が最小値である場合は地点番号の昇順、最大値である場合は地点番号の降順で、前記監視情報記憶手段から前記位置情報および前記所要時間を読み出すことを決定する処理をさらに行う、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の移動体監視システム。
【請求項7】
地図情報を記憶した地図情報記憶手段と、
チェック地点間の基準距離、監視対象者の移動速度を記憶した監視情報作成用情報記憶手段と、
監視者等が入力した前記移動体端末宛先情報と、前記移動経路上の監視開始地点と監視終了地点の位置情報を送信する経路情報入力手段と、
前記監視開始地点と前記監視終了地点の位置情報から、前記地図情報記憶手段に記憶されている地図情報を検索し、前記監視開始地点と前記監視終了地点との間の監視区間を構成する線分データを読み出す経路情報検索手段と、
前記線分データから計算した線分距離と、前記基準距離とを移動経路に沿った順番で比較し、
前記線分距離が前記基準距離以上の場合は、前記基準距離との差の絶対値が最小になるように前記線分距離を等分し、等分した地点および該線分の終点をチェック地点として位置情報を取得し、前記線分距離が前記基準距離未満の場合は、前記基準距離との差の絶対値が最小になるように以降の前記線分距離を加算し、最後の線分の終点をチェック地点として位置情報を取得し、
前記基準地点と前記チェック地点の前記位置情報から計算した前記基準地点からチェック地点までの距離を、前記移動速度で除算して所要時間を算出し、
各チェック地点に移動経路に沿った順番で地点番号を付与し、
前記移動体端末宛先情報に対して、前記地点番号と、当該地点番号に対応する前記チェック地点の位置情報と、当該チェック地点に対応する前記所要時間とを関連付けて監視情報記憶手段に記憶する監視情報作成手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の移動体監視システム。
【請求項8】
前記監視情報作成用情報記憶手段は、チェック地点の範囲がさらに記憶されており、
前記監視情報作成手段は、チェック地点の位置情報を前記監視情報記憶手段に記憶する際に、前記チェック地点の範囲を付加することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の移動体監視システム。
【請求項9】
前記監視情報作成手段は、往路および復路における前記監視開始地点の地点番号および位置情報を前記監視情報記憶手段にさらに記憶することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の移動体監視システム。
【請求項10】
監視対象者または監視対象物とともに移動する移動体端末装置と、移動経路上に定めた監視開始地点に設置した識別情報読取装置と、監視端末装置とが通信ネットワークを介して監視処理サーバに接続された移動体監視システムであって、
前記移動体端末装置に設けられ、前記監視処理サーバからの要求に応じて、GPS衛星または無線基地局から受信した信号から自身の位置情報を算出し、前記監視処理サーバへ送信する位置情報算出手段と、
自身の識別情報を記憶した識別情報記憶手段と、
前記識別情報読取装置に設けられ、前記識別情報を読み取ることにより監視開始地点であることを検出し、前記識別情報を少なくとも含む監視開始通知を前記監視処理サーバへ送信する監視開始通知手段と、
前記監視処理サーバに設けられ、前記識別情報に対して、該識別情報を記憶した前記移動体端末装置と通信するための移動体端末宛先情報と、前記監視端末装置と通信するための監視端末宛先情報と、前記移動経路上に定めたチェック地点の位置情報と、前記移動経路上の基準地点から前記チェック地点までの所要時間とを関連付けて記憶した監視情報記憶手段と、
前記識別情報読取装置から前記監視開始通知を受信した契機で時間計測を開始し、前記監視情報記憶手段から前記移動経路に沿った順番で読み出したチェック対象地点までの前記所要時間が経過したときにタイマ信号を送信するタイマ手段と、
前記タイマ信号を受信した契機で、前記位置情報算出手段から取得した前記移動体端末装置の位置情報と、前記監視情報記憶手段から読み出した前記チェック対象地点の位置情報とが一致するか判断し、不一致の場合は、前記監視端末宛先情報を利用して前記監視端末装置へ警告情報を送信する位置情報比較手段と、
前記監視端末装置に設けられ、前記監視処理サーバから受信した前記警告情報を出力する警告情報出力手段と、
を有することを特徴とする移動体監視システム。
【請求項11】
監視対象者または監視対象物とともに移動する移動体端末装置と、監視端末装置とが通信ネットワークを介して接続された移動体監視システムであって、
前記移動体端末装置に設けられ、GPS衛星または無線基地局からの信号を受信し、自身の位置情報を算出する位置情報算出手段と、
監視開始地点に設置された記憶媒体に記憶された監視開始地点情報を読み取ることにより監視開始地点であることを検出し、監視開始通知を送信する監視開始通知手段と、
前記監視端末装置と通信するための監視端末宛先情報と、前記移動経路上に定めたチェック地点の位置情報と、前記移動経路上の基準地点から前記チェック地点までの所要時間とを関連付けて記憶した監視情報記憶手段と、
前記監視開始通知手段から監視開始通知を受信した契機で時間計測を開始し、前記監視情報記憶手段から前記移動経路に沿った順番で読み出したチェック対象地点までの前記所要時間が経過したときにタイマ信号を送信するタイマ手段と、
前記タイマ信号を受信した契機で、前記位置情報算出手段から取得した前記移動体端末装置の位置情報と、前記監視情報記憶手段から読み出した前記チェック対象地点の位置情報とが一致するか判断し、不一致の場合は、前記監視端末宛先情報を利用して前記監視端末装置へ警告情報を送信する位置情報比較手段と、
前記監視端末装置に設けられ、前記移動体端末装置から受信した前記警告情報を出力する警告情報出力手段と、
を有することを特徴とする移動体監視システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2008−242556(P2008−242556A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78477(P2007−78477)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】