経路情報提供装置
【課題】 通行止め等が発生する可能性を考慮して目的地までの経路設定が可能な経路情報提供装置を提供すること。
【解決手段】 目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置を提供する。経路情報提供装置17は、天候情報7を受信する天候情報受信手段14と、天候情報受信手段14により受信した天候情報7に基づき、ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段21と、ルートの走行予測時刻に、安全度判定手段21により安全度が所定より低い安全低下箇所が検出された場合、安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段22と、を有することを特徴とする。
【解決手段】 目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置を提供する。経路情報提供装置17は、天候情報7を受信する天候情報受信手段14と、天候情報受信手段14により受信した天候情報7に基づき、ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段21と、ルートの走行予測時刻に、安全度判定手段21により安全度が所定より低い安全低下箇所が検出された場合、安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段22と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定された目的地に至る経路に沿って自車両を誘導する車両用経路誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムでは、車両の位置情報に基づき車両に搭載された地図情報を参照して、自車両周辺の地図における地図上の自車両位置を表示し運転者に報知する。また、目的地を入力すれば現在位置から目的地までのルートを検索して、到達までの時間が最短と予測されるルートを運転者に案内する。
【0003】
また、基地局や道路側方に設置されたビーコンから渋滞情報、規制情報、事故情報などの情報を受信し、これを車両に搭載された表示装置に表示するシステムが開発されており、渋滞や規制により通行止めとなっている経路を避けてルートを設定するナビゲーションシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。かかるナビゲーションシステムでは、渋滞や通行止めを避けて目的地までのルートを設定するので、通行止め等が生じた道路を迂回する迂回ルートの再設定が可能となる。
【特許文献1】特開平07−129893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の発明は通行止めが実際に発生した場合に、その情報を利用して迂回するためのルート探索を行うものであるため、通行止めが生じるまでルート探索に反映されないという不都合がある。通行止めなどは天候の変化に影響されて発生するため、ルート探索時には通行止めが発生していなくても走行中に通行止めが発生することがある。したがって、通行止め等がすでに生じた場合など過去の情報に基づいてルートを探索するだけでは充分でない。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、通行止め等が発生する可能性を考慮して目的地までの経路設定が可能な経路情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するため、本発明は、目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置において、天候情報を受信する天候情報受信手段と、天候情報受信手段により受信した天候情報に基づき、ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段と、ルートの走行予測時刻に、安全度判定手段により安全度が所定より低い安全低下箇所が検出された場合、安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、通行止め等が発生する可能性を考慮して目的地までの経路設定が可能な経路情報提供装置を提供することができる。
【0008】
また、本発明の一形態において、安全度判定手段によりルートに通行止めの発生が予測された場合であって、迂回ルート探索手段により目的地に到達する迂回ルートが探索されない場合、迂回ルートが探索されない旨を運転者に報知する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、通行止めにより目的地に到達できない可能性があることを出発前に運転者に報知しうる。
【0010】
また、本発明の一形態において、安全低下箇所が検出された場合、所定時間の出発の延期又は休憩を推奨する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、安全低下箇所が検出された場合、運転者は、通行止めや迂回ルートを回避して出発の延期や休憩をとるか否かを判断できる
また、本発明の一形態において、ルートを走行して目的地まで走行する第1の走行時間より、迂回ルートを走行して目的地まで走行する第2の走行時間の方が所定より長い場合、所定時間の出発の延期又は休憩を推奨する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一形態において、ルート又は迂回ルートと共に、ルート又は迂回ルートの走行予測時刻における天候情報を報知する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、表示された天候情報を参照することで運転者は当該領域を走行する時刻に予想される天候を認識でき、天候の急激な悪化などに備えることができる。
【0014】
また、本発明の一形態において、天候情報は、雨天、曇り若しくは晴天の別、降水量、降雪量、風速、又は、水位、に関する前記天候情報である。
【0015】
また、本発明は、目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置において、天候情報を受信する天候情報受信手段と、天候情報受信手段により受信した天候情報に基づき、ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段と、安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段と、を有し、目的地からの復路において、安全度判定手段によりルートに通行止めの発生が予測された場合であって、迂回ルート探索手段により目的地に到達する迂回ルートが探索されない場合、目的地から戻れない状況となる場合がある旨を運転者に報知する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、目的地に到達した後に迂回ルートが探索されず戻れない場合をあることを目的地に到達する前に運転者に報知できる。
【発明の効果】
【0017】
通行止め等が発生する可能性を考慮して目的地までの経路設定が可能な経路情報提供装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【0019】
図1は、車両に適用された経路情報提供装置と天候情報等との関係を示す図である。車両3は、ナビゲーションシステム等の車載装置10を有し、センタ1と携帯電話など無線通信網で接続可能となっている。また、車両3は、放送局2からのFM放送等や道路側方に設置された送信機から電波を受信することができる。車両3は、センタ1を介して無線通信により、又は、放送局2から放送により天候情報7を受信する。また、VICS(Vehicle Information and Communication System)等により渋滞情報等の交通情報を受信することでより精度よいルート検索が可能となる。天候情報7は、数時間から数日後の天候情報である予測天候情報7aを有しており、詳しくは後述する。
【0020】
なお、センタ1は、車両1に種々のサービスを提供するものであり、CPU、ROM、RAM、記憶装置、通信装置等からなるコンピュータを備え、通信網や放送、ネットワークを介して車両3と通信する。
【0021】
車載装置10について説明する。図2は経路情報提供装置17を有する車載装置10の機能ブロック図を示す。GPS受信機11、車速センサ12及びジャイロセンサ13はナビゲーションシステム16に接続されており、車両の走行位置を高精度に推定する。ナビゲーションシステム16は道路地図DB20を有し、推定された走行位置に基づき走行位置周辺及び進行方向前方の道路地図を道路地図DB20から抽出する。抽出された道路地図は自車両の位置と共に表示装置18に表示される。
【0022】
また、ナビゲーションシステム16は経路情報提供装置17を有し、入力装置15と接続されている。経路情報提供装置17は、入力装置15から目的地が入力されると、推定された走行位置から目的地まで最短となるルートを探索し、表示装置18に表示すると共にスピーカ19から運転者に報知する。また、ナビゲーションシステム16は、通信装置14と接続されており、天候情報7や交通情報6を受信し、車両の情報をセンタ1に送信する。
【0023】
経路情報提供装置17は、安全度判定手段21と迂回ルート探索手段22を有する。安全度判定手段21は、天候情報受信手段により受信した天候情報7に基づき、目的地までのルートの走行安全度を判定する。また、迂回ルート探索手段22は、目的地までのルートの走行予測時刻に、安全度判定手段21により安全度が所定より低い安全低下箇所が検出された場合、安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する。走行安全度とは、天候が走行ルートに影響を与え、車両が安全に走行することができるかを否か又はどの程度安全かを示す度合いであり、例えば、通行止め、河川の氾濫、凍結、冠水などが生じるか否かを示す。天候の影響を受け通行止め等の状況が予測される箇所(後述するノード又はリンク)を安全低下箇所と称す。以下、詳細に説明する。
【0024】
ナビゲーションシステム16は、GPS(Grobal Positioning System)航法及び自律航法による位置推定に、マップマッチング法による補正を加えながら現在位置を推定するようになっている。複数(3個以上)のGPS衛星から発信される電波をGPS受信機11により受信し、電波の到達時間及びGPS衛星の位置情報に基づきGPS航法により車両の現在位置を推定する。
【0025】
また、ナビゲーションシステム16は、車速センサ12、ジャイロセンサ13からの情報に基づいて車両の走行経路を累積しながら自律航法により車両の現在位置を推定する。そして、これらのGPS航法及び自律航法による位置推定に対して、道路地図DB20から抽出した道路地図情報の道路と車両の位置とを対応づけるマップマッチング法により最終的に現在位置を精度よく推定する。
【0026】
なお、車速センサ12は、各車輪に設けられた例えばパルスセンサであり、所定時間間隔に検出されるパルス数に基づき車速を検出する。ジャイロセンサ13は、車両に働く横Gやその変化速度に基づき車両の進行方向を検出するものである。
【0027】
道路地図情報を格納する道路地図DB20は、CDやDVD−ROM、ハードディスクで構成され、道路網や交差点などの道路地図情報が、緯度経度に対応づけて格納されている。道路地図情報は、実際の道路網に対応して、ノード(道路と道路が交差する点、すなわち交差点)に関係する情報と、リンク(ノードとノードを接続する道路)に関係する情報とからなるテーブル状のデータベースに格納される。
【0028】
ノードテーブルは、ノードの番号、座標、そのノードから流出するリンク数及びそれらのリンク番号を有する。また、リンクテーブルは、リンクの番号、リンクを構成する始点ノードと終点ノード、リンク長を有する。ノード番号及びリンク番号は、互いに重複しないように定められている。したがって、ノード番号とリンク番号をそれぞれ辿ることで道路網が形成される。
【0029】
道路地図情報には、道路の幅長、車線数等の道路情報が格納されている。また、高速道路,一般国道,地方道というような道路種別情報や、制限速度や一方通行、Uターン禁止などの交通規則が記憶されている。
【0030】
入力装置15は、押下式のキーボード、ボタン、リモコン、十字キー、タッチパネル等で運転者からの操作を入力する。マイクを備え運転者の発する音声を音声認識回路で認識して操作を入力してもよい。運転者は、目的地を住所、地名、ランドマーク名、郵便番号等で入力することができる。
【0031】
表示装置18は、液晶や有機EL、HUD(Head Up Display)等であり、道路地図や交通情報、目的地までのルートを表示する。なお、入力装置が例えばタッチパネルである場合、表示装置18と兼用してもよい。また、スピーカ19は、ナビゲーションシステム16の音声出力装置と接続されており、ナビゲーションシステム16が案内する交差点などの進行方向を音声により出力する。
【0032】
通信装置14は、センタ1から天候情報7を受信し、また、交通情報6を受信する。受信手段はどのようなものであってもよいが、天候情報7を受信する場合、携帯電話網(GSM(Global System for Mobile Communications)、 TDMA(Time Division Multiple Access)、 CDMA(Code Division Multiple Access) 、PDC(Personal Digital Cellular))、PHS網、又は、無線LAN等、に接続し電波を受信する受信装置である。また、放送局2から予測天候情報を受信する場合、衛星通信放送、デジタル若しくはアナログAM/FM放送・テレビ放送等の電波を受信する受信装置である。
【0033】
また、交通情報6を通信する場合、FM多重放送をFMアンテナにより受信したり、道路側方に設けられたビーコンより電波または光を媒体に受信する。FM多重放送の場合、FMアンテナによりFM波を受信する。FM多重波では、近県までの広域エリアの道路の渋滞状況や規制情報などが送信される。
【0034】
ビーコンの場合、道路に沿って設置されたビーコン発信源からの電波などをビーコン用アンテナにより受信する。ビーコンは比較的に短い距離において情報を送信する。ビーコンは、渋滞・リンク旅行時間・規制・駐車場情報・区間旅行時間・障害情報等の情報を送信する。リンク旅行時間や区間旅行時間は、該当する交差点から所定のリンク又はリンクされた区間のまでの所要時間(旅行時間)である。したがって、ビーコンにより交通情報を受信することで、目的地までの到達時間や目的地までの所定の各地点を走行する走行時刻を予測できる。
【0035】
経路の探索について説明する。経路探索 の方法としては、リンクとノードに分類されている地図データを、リンクコストの積算が最も小さくなるような経路を選択する方法(例えば、ダイクストラ法、ボイヤー・ムーア法)が知られている。リンクコストは、リンク長や右左折コストや通行規制コスト等、これらの組み合わせにより算出される。例えば、Aをリンク長、Bを右左折コスト、Cを通行規制コスト、Dを道路種別係数、Eを道路幅員コスト係数とし、リンクコスト=(A+B+C)・D・Eとした場合、この式により算出される値が最も小さくなるように経路が探索される。なお、Dの道路種別係数は道路種別が大きいほど値が小さくなり、Eの道路幅員コスト係数は道路幅員が大きいほど値が小さくなるように設定される。
【0036】
図3は、ダイキストラ法による経路探索を説明するための図である。図3では道路網を格子で示し格子の交点をノード(交差点)、交点を結ぶ線をリンク(道路)とする。車両の現在地はノードP0であると推定され、目的地はノードPeである。図3のリンクのいずれにも通行規制がなく道路種別が一様であれば、リンクコストが最小になるのはノードP0とPeを直線で結ぶルートAであるので、経路情報提供装置17はルートAを表示装置18に表示し、また、スピーカ19からルートAを報知し運転者を目的地Peに誘導する。
【0037】
さらに、経路情報提供装置17は上記のようにビーコンからリンクや区間の旅行時間を受信した場合、目的地までのリンクの旅行時間の合計が最小となるような経路を探索し、リンクコストが最小となるように探索された経路を修正することができる(ダイナミックルートガイダンス)。すなわち、交通の状況に応じた経路誘導を行え、目的地まで距離的には遠回りでも、より短い時間で到着することのできる経路を提供できる。
【0038】
ダイキストラ法にダイナミックルートガイダンスのよる修正を加えて経路情報提供装置17が目的地までの経路を探索すると目的地までの例えば各ノード毎にノードを通過する通過時刻又はリンクを走行する走行時刻(以下、単に走行時刻という)を予測することができる。走行時刻は、走行距離と法定速度により算出できるし、ビーコンから旅行時間を受信した場合は精度よく走行時刻を予測できる。図3では現在時刻をt0、ノードN1の走行時刻をt1、ノードN2の走行時刻をt2、ノードN3の走行時刻t3及びノードN4の走行時刻t4と予測した。
【0039】
ところで、上述のように経路情報提供装置17は天候情報7を受信することができる。図4は経路情報提供装置17が受信する天候情報7の一例を示す。時刻t0で天候情報7を受信した場合、現在地であるノードP0の天候情報「雨量ゼロ、風速 微風、気温T度」等を受信する。また、天候情報7が現在地を含む広域の天候情報7を含む場合、ノードN1〜N3及びPeの天候情報を受信することができる。
【0040】
さらに、天候情報7が今後に予測される予測天候情報を含んでいた場合、現在地では現在時刻t0から例えば時刻t4までの予測された予測天候情報7aを受信する。
【0041】
しかしながら、車両は目的地Peに向けて移動しているため、時刻t1以降はノードP0に存在せず、時刻t1にはノードN1に、時刻t2にはノードN2に、時刻t3にはノードN3、時刻t4にはノードPeを走行又は到着していることが予測されている。
【0042】
したがって、予測天候情報7aとしては、車両の走行ルートとその走行時刻に合致した天候情報であることが好適であり、かかる予測天候情報7aを利用することで経路情報提供装置17はより安全性の高いルートを運転者に提供できる。経路情報提供装置17は図4のような天候情報7から、提供されたルートと予測された走行時刻に基づき予測天候情報7aを抽出する。図4では抽出する予測天候情報7aを太枠で囲んだ。
【0043】
予測天候情報7aを抽出した経路情報提供装置17は、ルートに天候面から安全性の低い走行箇所があるか否かを判定する。例えば、予測天候情報7aの予測雨量として一時間当たりの雨量が分かれば走行時刻までに予想される総雨量が分かるので、総雨量が所定の基準値より多い走行箇所があれば安全低下箇所として検出する。
【0044】
なお、雨量以外にも、リンクやノードに橋がある場合に川の水位が所定の基準値より高い場合や、リンクやノードに橋や崖がある場合に風速が所定の基準値より高い場合、積雪が所定の基準値より多い場合などは、当該リンク又はノードを安全低下箇所として検出する。
【0045】
本実施例では、安全低下箇所が検出された場合、経路情報提供装置17は安全低下箇所を迂回したルートを探索する。例えば、時刻t2のノードN2が安全低下箇所として検出された場合、ノードN2を通過するルートが探索されることが少なくなるようにノードN1からノードN3のリンク長Aに適当な重み定数を掛け、ルートを探索する。ルートAのリンクコストが重み定数により大きくなれば、走行距離が長くなってもよりリンクコストの低い迂回ルートが探索される。なお、安全低下箇所を走行するルートが検索されないようにノードN1からノードN3のリンクを探索ルートから除外してもよい。
【0046】
図5は、時刻t2にノードN2を迂回するルートB、Cを一例として示す。なお、ルートB又はCは予測天候情報7aに基づき探索されたルートであるので、ルートB又はCに安全低下箇所があれば更に迂回するルートを探索することができる。
【0047】
なお、安全低下箇所は、過去に生じた、河川の氾濫、強風、土砂災害、冠水、積雪、等により実際に通行止めとなった災害記録を保持・利用することで、精度よく検出できる。経路情報提供装置17がルートAを探索した場合、ルートAに過去に通行止めが生じたリンクやノードがあるか否かを災害記録から検索し、通行止めが生じた場合の天候を参照する。通行止めが生じた場合の天候と予測天候情報との相関に基づき安全低下箇所を検出できる。例えば、通行止めが生じた場合の雨量に対し80〜90%の雨量が予測天候情報7aから予測される場合、過去に通行止めとなったリンク又はノードが通行止めになると予測できる。
【0048】
災害記録はセンタ1のデータベースに災害記録DBとして保持・更新されていてもよいし、車両3が保有していてもよい。また、通行止めが生じた場合の天候は、センタ1が災害記録と共に記憶していてもよいし、車両3が災害記録と共に保有していてもよい。なお、車両3は、災害記録や通行止めが生じた場合の天候を通信装置14を介してセンタ1や所定のサーバから取得してもよい。
【0049】
以上のように、経路情報提供装置17は移動中の予測天候情報7aに基づき通行止めになる可能性のあるリンクやノードを迂回するルートを運転者に報知できる。なお、予測天候情報でなく天候情報により既に通行止めとなっている場合、迂回ルートを報知してもよい。また、FM多重放送やビーコンにより既に通行止めとなっていると判明しているが、予測天候情報7aにより天候が好転し通行止めが解除される確度が高い場合、通行止めになっている箇所を走行するルートを報知してもよい。
【実施例1】
【0050】
本実施例では、迂回ルートを探索しようとしても安全低下箇所を通過せざるを得ない場合について説明する。なお、迂回ルートの探索は実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0051】
図6(a)は、目的地に向かう車両と道路地図の一例を示す。図6(a)では運転者は地点P0に存在し、目的地Pe(エアポート)に向け走行する予定でいる。目的地Peは周囲を海で囲まれているため目的地Peに到達するためには橋30を走行しなければならない。したがって、経路情報提供装置17は橋30を走行するルートを探索する。
【0052】
経路情報提供装置17が予測天候情報7aを受信して、予測天候情報7aによれば橋30が走行する時刻に橋30に強風が吹くことが予測される場合、橋30を迂回するルートを道路地図DB20から探索する。しかし、橋30を迂回するルートは存在しないため探索される橋30を走行するルートを運転者に報知したのでは、運転者が通行止めに遭遇することとなり好ましくない。
【0053】
本実施例では、このように安全低下箇所を迂回するルートを探索できない場合、係る旨を出発前に報知することで、運転者に目的地Peに向かうか否かの判断材料を提供する。
【0054】
図6(b)は、表示装置18に表示された安全低下箇所を迂回するルートが探索できない場合の報知内容の一例を示す。安全低下箇所を迂回するルートを探索できない場合、経路情報提供装置17は例えば「強風のため、通行止めのおそれのある箇所を通過するルートしか探索されませんでした。」と表示装置18に表示する。
【0055】
運転者は図6(b)のような表示を参照することで、目的地Peまでのルートに通行止めになる可能性があることを認識でき、目的地Peに到達する別の交通手段や出発の取りやめ、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【0056】
ルート探索を行った時すでに橋30に強風が吹いており、安全低下箇所を迂回するルートを探索できない場合、同様に、係る旨を報知したほうが、運転者に目的地Peに向かうか否かの判断材料を提供できることとなる。
【0057】
図6(c)は、表示装置18に表示された、現在すでに安全低下箇所を迂回するルートが探索できない場合の報知内容の一例を示す。現在すでに安全低下箇所を迂回するルートを探索できない場合、経路情報提供装置17は「強風のため、現在、通行止めである箇所を通過するルートしか探索されませんでした。」と表示装置18に表示する。
【0058】
なお、現在、通行止めであっても、天候情報によればすでに強風が収まっている場合、又は、予測天候情報によれば強風が収まることが予測される場合、かかる情報を報知することが好適である。運転者は、通行止めが解除される可能性があることを認識して、目的地Peに到達する別の交通手段の決定や出発の取りやめ、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【0059】
図6では目的地Peへのルートに迂回できない安全低下箇所があることとしたが、目的地Pe又はその付近に安全低下箇所がある場合も車両により目的地Peに到達することが困難である。例えば、目的地Peの付近に河川があり、河川が氾濫する可能性がある場合である。
【0060】
図7(a)は、表示装置18に表示された目的地Peの付近に安全低下箇所がある場合の報知内容の一例を示す。図7(a)では、運転者は地点P0に存在し目的地Peに向け走行する予定でいる。目的地Peの付近には河川31が流れている。
【0061】
経路情報提供装置17が予測天候情報7aを受信して、予測天候情報7aによれば河川31が氾濫する可能性があることが予測される場合、目的地Peの付近までは走行できても目的地Peには到達できないので、運転者が足止めに遭遇することとなり好ましくない。
【0062】
そこで、目的地Peの付近に安全低下箇所がある場合、経路情報提供装置17は、図6(a)と同様に、「目的地付近は河川が氾濫する可能性があり、目的地まで到達できない場合があります。」と表示装置18に表示する。
【0063】
運転者は図6(b)のような表示を参照することで、目的地Peまで到達できない可能性があることを認識でき、目的地Peに到達する別の交通手段の決定や出発の取りやめ、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【0064】
また、ルート探索を行った時すでに、目的地Peが安全低下箇所となっている場合、同様に、係る旨を報知したほうが、運転者に目的地Peに向かうか否かの判断材料を提供できることとなる。
【0065】
図7(b)は、表示装置18に表示された、すでに目的地Peの付近に安全低下箇所がある場合の報知内容の一例を示す。現在既に目的地Peが安全低下箇所となっている場合、経路情報提供装置17は「目的地付近は河川が氾濫しており、目的地に到達することは困難です。」と表示装置18に表示する。
【0066】
以上のように本実施例によれば、安全低下箇所を迂回する迂回ルートが探索できない場合、早期に運転者に報知できるため、運転者は、目的地Peに到達する別の交通手段の決定や出発の取りやめ、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【実施例2】
【0067】
本実施例では目的地に到達した後、通行止めになる危険性がある箇所を走行して出発地方向に戻る必要がある場合について説明する。
【0068】
図6(a)のように、目的地Peに到達するため橋30を走行せざるを得ない場合、橋30が通行止めとならず目的地Peに到達できたが、出発地点に戻る場合に通行止めとなることがある。かかる場合には、目的地に到達する前(好ましくは出発前)に、出発地点に戻る場合に通行止めとなる可能性があることを運転者に報知することが好ましい。
【0069】
目的地に向かう往路では、目的地までの距離や旅行時間により安全低下箇所を走行する時刻を予想できるが、目的地でどの程度時間を費やすのか経路情報提供装置17には判断できないため、復路において安全低下箇所を走行する時刻を予想できない。そこで、例えば、出発時刻から所定時間(例えば、24時間であり、以下、往復想定時間という)内に通行止めになり戻れない可能性のリンク又はノードがあるか否かを予測天候情報7aに基づき判定する。
【0070】
簡単には、経路情報提供装置17は、出発地点と目的地との間に、目的地へ到達する到達予測時刻以降の往復想定時間内に通行止めとなる可能性のあるリンク又はノードがあり、かつ、迂回するルートがない場合、経路情報提供装置17は運転者に通行止め案内を報知する。
【0071】
図8は、表示装置18に表示された、目的地から戻れなくなる可能性がある場合の報知内容の一例を示す。図8では運転者は地点P0に存在し、目的地Pe(エアポート)に向け走行する予定でいる。目的地Peは周囲を海で囲まれているため目的地Peに到達するためには橋30を走行しなければならない。
【0072】
実施例2のように、経路情報提供装置17は、予測天候情報7aを受信して、天候情報7aによれば橋30が走行する時刻に強風となることが予測されるか否かを判定する。また、経路情報提供装置17は、予測天候情報7aにより到達予想時刻以降の往復想定時間内に安全低下箇所があるか否かを判定する。橋30に安全低下箇所が検出された場合、迂回するルートがないので、経路情報提供装置17は「XX時間後に強風のため通行止めになるおそれがあります。」と表示装置18に表示する。通行止めが解除される時刻が予測されれば、共に表示することが好適である。
【0073】
なお、図8のような報知は、所定の条件の成立下でのみ行うとしてもよい。例えば、目的地から戻る必要がない場合には、図8のような通行止め案内を報知する必要がない。例えば、ナビゲーションシステム16において起点として自宅を設定し自宅や自宅から所定範囲から出発する場合は、自宅に戻ること(往路と復路の道程があること)が予測できる。したがって、ナビゲーションシステム16において自宅を起点に設定してある場合、エアポート側を出発地点としてルート検索した場合には、エアポートに戻ることを想定する必要はない。
【0074】
このため、自宅またはその周辺を出発地点とする場合を復路における通行止め報知の条件とできる。通行止めが生じた場合に走行できなくなるリンク(図8では橋)を挟んで自宅側と目的地側のいずれに車両があるかは、リンクのトポロジー解析により判別できる。なお、自宅の位置はナビゲーションシステムに登録されている。
【0075】
また、目的地に到達できなければ復路について報知する必要ないので、目的地までは到達が予測されることを復路における通行止め報知の条件とできる。
【0076】
以上のように、本実施例によれば、目的地に到達した後、迂回するルートがない状態で通行止めが生じる可能性があることを出発時に予め報知できるので、目的地から戻れない可能性があることを認識でき、目的地から戻る時刻の検討や、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【実施例3】
【0077】
本実施例では、安全低下箇所が広範囲に渡り、迂回ルートの走行に長時間要する場合について説明する。図9は、走行ルートと予想される降雨の関係を示す図である。図9(a)では出発地点P0から目的地PeまでのルートDを雨雲が通過し、通過点に所定以上の雨量の降雨が予想されている。図9(a)では所定以上の雨量の領域(以下、降雨領域という)60がルートDを覆っている。
【0078】
本実施例では降雨領域60がルートDの所定区域を覆う時間に当該区域を車両が走行する。経路情報提供装置17は、図4のような予測天候情報7aに基づき、ルートDでは走行する時刻に降雨領域60による安全低下箇所があると判定し、迂回ルートを探索する。
【0079】
図9(b)は経路情報提供装置17が探索した迂回ルートの一例を示す。迂回ルートEは、比較的広範囲の降雨領域60を回避するものであるため迂回ルートEはルートDよりも長くなっている。このように迂回ルートが当初のルートDより所定以上長くなる場合、運転者に長い運転時間を強いることになるので予め運転者に報知しておくことが好適となる。
【0080】
迂回ルートを走行するために必要と予想される走行時間は、ビーコンによる旅行時間や走行距離と法定速度により推定できる。そこで、ルートDを走行する時間と比較してルートEを走行する時間が所定以上(例えばα時間)長い場合、経路情報提供装置17は「迂回ルートのため走行時間が○○時間長くなります」と表示装置18に表示する。運転者はかかる表示を認識して適切な判断を下せるようになる。
【0081】
また、迂回ルートの走行のため所定以上長いα時間が余計にかかる場合、経路情報提供装置17は出発時刻の延期を推奨したり、途中で休憩を取ることを推奨することができる。迂回するほど雨量の多い降雨領域60は短時間に移動したり雨が弱まることが多い。図9(c)は、所定時間経過後に降雨領域60が移動してルートDから離れた状態を示す。図9(c)のように所定時間内に降雨領域60がルートDから離れるのであれば、迂回ルートEを長い時間をかけて走行するよりも降雨領域60が通過するまで待機していた方が燃費や運転者の疲労の点から好ましい。
【0082】
図10(a)は、表示装置18に表示された出発前に出発の延期を勧める報知内容の一例を示す。図10(a)では経路情報提供装置17は出発の延期を勧めるため、「今出発されると迂回ルートを走行する必要がありますので、約○時間後に出発されることをお勧めします。」と表示する。
【0083】
また、図10(b)は表示装置18に表示された、途中で休憩を取ることを出発前に勧める報知内容の一例を示す。図10(b)では経路情報提供装置17は出発の延期を勧めるため、「今出発されるのと迂回ルートを走行する必要がありますので、途中で約○時間、休憩を取ることをお勧めします。」と表示する。
【0084】
出発の延期や休憩を勧めるか否かは、迂回ルートEの走行にかかると予想される時間と当初のルートDの走行にかかると予想される時間と差α時間、及び、ルートDから安全低下箇所が検出されなくなるまでの時間により判定できる。すなわち、T時間経過後に降雨領域60とルートDが重複しないようになればT時間経過後又はその少し後にルートDを走行できる。
【0085】
したがって、T時間がα時間と同程度又はα時間より短いのであれば、運転者は出発を延期又は休憩を取った方が効率的となる。T時間がα時間よりも所定以上長い場合(例えば、T>1.5×α)であれば迂回ルートを走行することで、走行距離は長くなっても出発を延期するより目的地に早く到達できる。
【0086】
ところで、休憩を取ることを勧める場合、休憩は出発地点で取ってもよいし降雨領域60の直前で取ってもよいことになる。しかし、出発後あまり早期に休憩を取ると、駐車場所の探索が必要であったり、目的地からあまりに離れた場所での休憩となるため心理的にも負担となる。また、降雨領域60までの走行中に、降雨領域60の天候が早期に回復し予測より早くルートDが走行可能となる場合もある。そこで、経路情報提供装置17は出発地点から所定以上先で休憩を取ることが可能な場合に、休憩を勧めることが好適となる。
【0087】
図11は、休憩地点と降雨領域との関係を示す図である。降雨領域60の出発地点側の端が出発地点Peと所定以上離れていれば、運転者はある程度走行してから、例えば地点Rで休憩を取ることができる。また、点線で示すように降雨領域60’の出発地点側の端が出発地点Peと所定以上離れていない場合、地点R’で休憩をとると出発地点からの走行距離が充分でないので、経路情報提供装置17は休憩でなく出発の延期を運転者に勧める。
【0088】
以上のように、本実施例によれば、迂回ルートが所定より長くなるか否かを判定して、迂回ルートの走行のため所定以上長い時間が余計にかかる場合、出発時刻の延期を推奨したり、途中で休憩を取ることを推奨することができる。また、迂回ルートの走行と、出発の延期又は休憩のいずれが適切かを判定して運転者に報知することができる。
【実施例4】
【0089】
目的地までのルートとその走行時刻及び予測天候情報が取得されれば、目的地までの走行中に運転者が遭遇する天候を、出発地点においても運転者に報知することが可能となる。安全低下箇所がなければリンクコストが最小となるルートの天候を表示し、安全低下箇所が検出され迂回ルートを探索した場合は迂回ルートの天候を表示する。
【0090】
図12(a)は、表示装置18に表示された走行ルートに表示された予測天候情報を示す図である。図12(a)では県や市など所定の領域に区分された道路地図に、探索されたルートFが表示されると共に領域毎に予測される天気が天候マークにより表示されている。
【0091】
探索されたルートFはAREA1〜AREA5を走行するものであるので、車両が主発地点P0にいる状態からルートFを走行してAREA1〜AREA5の各領域を走行する時刻の天気が表示されている。例えば、AREA1と2は雨のち曇り、AREA3は曇りのち晴れ、AREA4と5は晴れ、と予想されている。なお、同じ天候マークの領域は同じ色で表示することで、運転者の視認性を向上させている。
【0092】
運転者は図12(a)を参照することで当該領域を走行する時刻に予想される天候を認識でき、天候の急激な悪化などに備えることができる。
【0093】
車両がルートFを走行すれば、走行した時刻に取得される予測天候情報7aが更新して表示される。図12(b)はAREA2の走行が終了した頃の時刻に、AREA1とAREA2において予測される予測天候情報7aを示す。AREA1と2のように既に走行した領域を走行する時刻は、目的地に滞在せずそのまま戻る場合の時刻を予測してもよいし、出発地点に戻る予定の時刻を運転者が入力し入力された時刻に基づき算出されたAREA1と2の走行時刻であってもよい。図12(b)ではAREA1と2に戻る頃の時刻は曇りとなると予想されている。
【0094】
なお、走行が終了した領域の天候として、走行した領域に戻る時刻に予想される天気でなく表示する時刻の実際の天候を表示してもよい。また、運転者の操作により切り替わるようにしてもよいし、表示装置18の各領域に例えば上段と下段のように二つの天候を表示してもよい。
【0095】
また、安全低下箇所が検出されている場合は、安全低下箇所を道路地図上に表示することが好適である。図13は道路地図に表示される予想雨量の時間的推移を示す図である。
【0096】
図13は、10時、11時及び12時に予想される一時間当たりの雨量と予測される車両の走行ルート及び予測される車両の位置を示す。なお、雨量は、雨量が多いほど濃い色で表示することとし、運転者に容易に雨量を認識させる。また、雨量と表示される色の関係を示す雨量表54が表示装置18の一部に表示される。
【0097】
目的地Peに到達する到達予測時刻は予想されているので、到達予測時刻までに発生する安全低下箇所も予測天候情報7aに基づき出発時に予測されている。経路情報提供装置17は一つ又は複数の安全低下箇所に基づきルートGを探索した。
【0098】
例えば、10時に安全低下箇所X1が発生すると予想された場合、10時の道路地図ではルートGと安全低下箇所X1、及び、10時の頃に予測される走行位置が表示される。また、11時に安全低下箇所X2が発生する場合、11時の道路地図には予想される雨量と共に安全低下箇所X2が追加して表示される。
【0099】
なお、通行止めの可能性が高い安全低下箇所だけでなく、今後更に雨量が増した場合には安全低下箇所となりうる準安全低下箇所を検出し表示してもよい。このように、安全低下箇所X1や準安全低下箇所、及び、雨量による色分けを行った道路地図を時間の経過と共に表示するので、運転者は時間が経過すると天候により走行に影響が起こる得ることを認識できる。
【0100】
本実施例によれば、走行ルートの走行時刻に合わせて天候予報を運転者に提供することができる。また、時間の経過と共に推移する予測天候情報を走行位置や安全低下箇所と共に表示できるので、運転者は天候が走行に与える影響を容易に認識できる。
【0101】
以上のように、本実施の形態によれば、通行止め等が発生する可能性を考慮して目的地までの経路設定が可能な経路情報提供装置を提供することができる。なお、経路情報提供装置17の機能は車両3が有することとしたが、経路情報提供装置17のうち安全度判定手段21は、センタ1が有していてもよい。この場合、車両1は当初探索されたルートをセンタ1に送信する。センタ1は天候情報7とルート等に基づき安全低下箇所があるか否かを判定し、安全低下箇所がある場合は車両3に送信するので、車両3は迂回ルートを探索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】車両に適用された経路情報提供装置と天候情報等との関係を示す図である。
【図2】経路情報提供装置を有する車載装置の機能ブロック図である。
【図3】ダイキストラ法による経路探索を説明するための図である。
【図4】経路情報提供装置が受信する天候情報の一例である。
【図5】安全低下箇所を迂回するルートの一例である。
【図6】目的地に向かう車両と道路地図の一例を示す図である。
【図7】目的地の付近に安全低下箇所がある場合の報知内容の一例である。
【図8】目的地から戻れなくなる可能性がある場合の報知内容の一例である。
【図9】走行ルートと予想される降雨の関係を示す図である。
【図10】出発前に出発の延期を勧める報知内容の一例である。
【図11】休憩地点と降雨領域との関係を示す図である。
【図12】走行ルートに表示された予測天候情報を示す図である。
【図13】道路地図に表示される予想雨量の時間的推移を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
1 センタ
3 車両
6 交通情報
7 天候情報
16 ナビゲーションシステム
17 経路情報提供装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定された目的地に至る経路に沿って自車両を誘導する車両用経路誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムでは、車両の位置情報に基づき車両に搭載された地図情報を参照して、自車両周辺の地図における地図上の自車両位置を表示し運転者に報知する。また、目的地を入力すれば現在位置から目的地までのルートを検索して、到達までの時間が最短と予測されるルートを運転者に案内する。
【0003】
また、基地局や道路側方に設置されたビーコンから渋滞情報、規制情報、事故情報などの情報を受信し、これを車両に搭載された表示装置に表示するシステムが開発されており、渋滞や規制により通行止めとなっている経路を避けてルートを設定するナビゲーションシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。かかるナビゲーションシステムでは、渋滞や通行止めを避けて目的地までのルートを設定するので、通行止め等が生じた道路を迂回する迂回ルートの再設定が可能となる。
【特許文献1】特開平07−129893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の発明は通行止めが実際に発生した場合に、その情報を利用して迂回するためのルート探索を行うものであるため、通行止めが生じるまでルート探索に反映されないという不都合がある。通行止めなどは天候の変化に影響されて発生するため、ルート探索時には通行止めが発生していなくても走行中に通行止めが発生することがある。したがって、通行止め等がすでに生じた場合など過去の情報に基づいてルートを探索するだけでは充分でない。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、通行止め等が発生する可能性を考慮して目的地までの経路設定が可能な経路情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するため、本発明は、目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置において、天候情報を受信する天候情報受信手段と、天候情報受信手段により受信した天候情報に基づき、ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段と、ルートの走行予測時刻に、安全度判定手段により安全度が所定より低い安全低下箇所が検出された場合、安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、通行止め等が発生する可能性を考慮して目的地までの経路設定が可能な経路情報提供装置を提供することができる。
【0008】
また、本発明の一形態において、安全度判定手段によりルートに通行止めの発生が予測された場合であって、迂回ルート探索手段により目的地に到達する迂回ルートが探索されない場合、迂回ルートが探索されない旨を運転者に報知する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、通行止めにより目的地に到達できない可能性があることを出発前に運転者に報知しうる。
【0010】
また、本発明の一形態において、安全低下箇所が検出された場合、所定時間の出発の延期又は休憩を推奨する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、安全低下箇所が検出された場合、運転者は、通行止めや迂回ルートを回避して出発の延期や休憩をとるか否かを判断できる
また、本発明の一形態において、ルートを走行して目的地まで走行する第1の走行時間より、迂回ルートを走行して目的地まで走行する第2の走行時間の方が所定より長い場合、所定時間の出発の延期又は休憩を推奨する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一形態において、ルート又は迂回ルートと共に、ルート又は迂回ルートの走行予測時刻における天候情報を報知する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、表示された天候情報を参照することで運転者は当該領域を走行する時刻に予想される天候を認識でき、天候の急激な悪化などに備えることができる。
【0014】
また、本発明の一形態において、天候情報は、雨天、曇り若しくは晴天の別、降水量、降雪量、風速、又は、水位、に関する前記天候情報である。
【0015】
また、本発明は、目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置において、天候情報を受信する天候情報受信手段と、天候情報受信手段により受信した天候情報に基づき、ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段と、安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段と、を有し、目的地からの復路において、安全度判定手段によりルートに通行止めの発生が予測された場合であって、迂回ルート探索手段により目的地に到達する迂回ルートが探索されない場合、目的地から戻れない状況となる場合がある旨を運転者に報知する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、目的地に到達した後に迂回ルートが探索されず戻れない場合をあることを目的地に到達する前に運転者に報知できる。
【発明の効果】
【0017】
通行止め等が発生する可能性を考慮して目的地までの経路設定が可能な経路情報提供装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【0019】
図1は、車両に適用された経路情報提供装置と天候情報等との関係を示す図である。車両3は、ナビゲーションシステム等の車載装置10を有し、センタ1と携帯電話など無線通信網で接続可能となっている。また、車両3は、放送局2からのFM放送等や道路側方に設置された送信機から電波を受信することができる。車両3は、センタ1を介して無線通信により、又は、放送局2から放送により天候情報7を受信する。また、VICS(Vehicle Information and Communication System)等により渋滞情報等の交通情報を受信することでより精度よいルート検索が可能となる。天候情報7は、数時間から数日後の天候情報である予測天候情報7aを有しており、詳しくは後述する。
【0020】
なお、センタ1は、車両1に種々のサービスを提供するものであり、CPU、ROM、RAM、記憶装置、通信装置等からなるコンピュータを備え、通信網や放送、ネットワークを介して車両3と通信する。
【0021】
車載装置10について説明する。図2は経路情報提供装置17を有する車載装置10の機能ブロック図を示す。GPS受信機11、車速センサ12及びジャイロセンサ13はナビゲーションシステム16に接続されており、車両の走行位置を高精度に推定する。ナビゲーションシステム16は道路地図DB20を有し、推定された走行位置に基づき走行位置周辺及び進行方向前方の道路地図を道路地図DB20から抽出する。抽出された道路地図は自車両の位置と共に表示装置18に表示される。
【0022】
また、ナビゲーションシステム16は経路情報提供装置17を有し、入力装置15と接続されている。経路情報提供装置17は、入力装置15から目的地が入力されると、推定された走行位置から目的地まで最短となるルートを探索し、表示装置18に表示すると共にスピーカ19から運転者に報知する。また、ナビゲーションシステム16は、通信装置14と接続されており、天候情報7や交通情報6を受信し、車両の情報をセンタ1に送信する。
【0023】
経路情報提供装置17は、安全度判定手段21と迂回ルート探索手段22を有する。安全度判定手段21は、天候情報受信手段により受信した天候情報7に基づき、目的地までのルートの走行安全度を判定する。また、迂回ルート探索手段22は、目的地までのルートの走行予測時刻に、安全度判定手段21により安全度が所定より低い安全低下箇所が検出された場合、安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する。走行安全度とは、天候が走行ルートに影響を与え、車両が安全に走行することができるかを否か又はどの程度安全かを示す度合いであり、例えば、通行止め、河川の氾濫、凍結、冠水などが生じるか否かを示す。天候の影響を受け通行止め等の状況が予測される箇所(後述するノード又はリンク)を安全低下箇所と称す。以下、詳細に説明する。
【0024】
ナビゲーションシステム16は、GPS(Grobal Positioning System)航法及び自律航法による位置推定に、マップマッチング法による補正を加えながら現在位置を推定するようになっている。複数(3個以上)のGPS衛星から発信される電波をGPS受信機11により受信し、電波の到達時間及びGPS衛星の位置情報に基づきGPS航法により車両の現在位置を推定する。
【0025】
また、ナビゲーションシステム16は、車速センサ12、ジャイロセンサ13からの情報に基づいて車両の走行経路を累積しながら自律航法により車両の現在位置を推定する。そして、これらのGPS航法及び自律航法による位置推定に対して、道路地図DB20から抽出した道路地図情報の道路と車両の位置とを対応づけるマップマッチング法により最終的に現在位置を精度よく推定する。
【0026】
なお、車速センサ12は、各車輪に設けられた例えばパルスセンサであり、所定時間間隔に検出されるパルス数に基づき車速を検出する。ジャイロセンサ13は、車両に働く横Gやその変化速度に基づき車両の進行方向を検出するものである。
【0027】
道路地図情報を格納する道路地図DB20は、CDやDVD−ROM、ハードディスクで構成され、道路網や交差点などの道路地図情報が、緯度経度に対応づけて格納されている。道路地図情報は、実際の道路網に対応して、ノード(道路と道路が交差する点、すなわち交差点)に関係する情報と、リンク(ノードとノードを接続する道路)に関係する情報とからなるテーブル状のデータベースに格納される。
【0028】
ノードテーブルは、ノードの番号、座標、そのノードから流出するリンク数及びそれらのリンク番号を有する。また、リンクテーブルは、リンクの番号、リンクを構成する始点ノードと終点ノード、リンク長を有する。ノード番号及びリンク番号は、互いに重複しないように定められている。したがって、ノード番号とリンク番号をそれぞれ辿ることで道路網が形成される。
【0029】
道路地図情報には、道路の幅長、車線数等の道路情報が格納されている。また、高速道路,一般国道,地方道というような道路種別情報や、制限速度や一方通行、Uターン禁止などの交通規則が記憶されている。
【0030】
入力装置15は、押下式のキーボード、ボタン、リモコン、十字キー、タッチパネル等で運転者からの操作を入力する。マイクを備え運転者の発する音声を音声認識回路で認識して操作を入力してもよい。運転者は、目的地を住所、地名、ランドマーク名、郵便番号等で入力することができる。
【0031】
表示装置18は、液晶や有機EL、HUD(Head Up Display)等であり、道路地図や交通情報、目的地までのルートを表示する。なお、入力装置が例えばタッチパネルである場合、表示装置18と兼用してもよい。また、スピーカ19は、ナビゲーションシステム16の音声出力装置と接続されており、ナビゲーションシステム16が案内する交差点などの進行方向を音声により出力する。
【0032】
通信装置14は、センタ1から天候情報7を受信し、また、交通情報6を受信する。受信手段はどのようなものであってもよいが、天候情報7を受信する場合、携帯電話網(GSM(Global System for Mobile Communications)、 TDMA(Time Division Multiple Access)、 CDMA(Code Division Multiple Access) 、PDC(Personal Digital Cellular))、PHS網、又は、無線LAN等、に接続し電波を受信する受信装置である。また、放送局2から予測天候情報を受信する場合、衛星通信放送、デジタル若しくはアナログAM/FM放送・テレビ放送等の電波を受信する受信装置である。
【0033】
また、交通情報6を通信する場合、FM多重放送をFMアンテナにより受信したり、道路側方に設けられたビーコンより電波または光を媒体に受信する。FM多重放送の場合、FMアンテナによりFM波を受信する。FM多重波では、近県までの広域エリアの道路の渋滞状況や規制情報などが送信される。
【0034】
ビーコンの場合、道路に沿って設置されたビーコン発信源からの電波などをビーコン用アンテナにより受信する。ビーコンは比較的に短い距離において情報を送信する。ビーコンは、渋滞・リンク旅行時間・規制・駐車場情報・区間旅行時間・障害情報等の情報を送信する。リンク旅行時間や区間旅行時間は、該当する交差点から所定のリンク又はリンクされた区間のまでの所要時間(旅行時間)である。したがって、ビーコンにより交通情報を受信することで、目的地までの到達時間や目的地までの所定の各地点を走行する走行時刻を予測できる。
【0035】
経路の探索について説明する。経路探索 の方法としては、リンクとノードに分類されている地図データを、リンクコストの積算が最も小さくなるような経路を選択する方法(例えば、ダイクストラ法、ボイヤー・ムーア法)が知られている。リンクコストは、リンク長や右左折コストや通行規制コスト等、これらの組み合わせにより算出される。例えば、Aをリンク長、Bを右左折コスト、Cを通行規制コスト、Dを道路種別係数、Eを道路幅員コスト係数とし、リンクコスト=(A+B+C)・D・Eとした場合、この式により算出される値が最も小さくなるように経路が探索される。なお、Dの道路種別係数は道路種別が大きいほど値が小さくなり、Eの道路幅員コスト係数は道路幅員が大きいほど値が小さくなるように設定される。
【0036】
図3は、ダイキストラ法による経路探索を説明するための図である。図3では道路網を格子で示し格子の交点をノード(交差点)、交点を結ぶ線をリンク(道路)とする。車両の現在地はノードP0であると推定され、目的地はノードPeである。図3のリンクのいずれにも通行規制がなく道路種別が一様であれば、リンクコストが最小になるのはノードP0とPeを直線で結ぶルートAであるので、経路情報提供装置17はルートAを表示装置18に表示し、また、スピーカ19からルートAを報知し運転者を目的地Peに誘導する。
【0037】
さらに、経路情報提供装置17は上記のようにビーコンからリンクや区間の旅行時間を受信した場合、目的地までのリンクの旅行時間の合計が最小となるような経路を探索し、リンクコストが最小となるように探索された経路を修正することができる(ダイナミックルートガイダンス)。すなわち、交通の状況に応じた経路誘導を行え、目的地まで距離的には遠回りでも、より短い時間で到着することのできる経路を提供できる。
【0038】
ダイキストラ法にダイナミックルートガイダンスのよる修正を加えて経路情報提供装置17が目的地までの経路を探索すると目的地までの例えば各ノード毎にノードを通過する通過時刻又はリンクを走行する走行時刻(以下、単に走行時刻という)を予測することができる。走行時刻は、走行距離と法定速度により算出できるし、ビーコンから旅行時間を受信した場合は精度よく走行時刻を予測できる。図3では現在時刻をt0、ノードN1の走行時刻をt1、ノードN2の走行時刻をt2、ノードN3の走行時刻t3及びノードN4の走行時刻t4と予測した。
【0039】
ところで、上述のように経路情報提供装置17は天候情報7を受信することができる。図4は経路情報提供装置17が受信する天候情報7の一例を示す。時刻t0で天候情報7を受信した場合、現在地であるノードP0の天候情報「雨量ゼロ、風速 微風、気温T度」等を受信する。また、天候情報7が現在地を含む広域の天候情報7を含む場合、ノードN1〜N3及びPeの天候情報を受信することができる。
【0040】
さらに、天候情報7が今後に予測される予測天候情報を含んでいた場合、現在地では現在時刻t0から例えば時刻t4までの予測された予測天候情報7aを受信する。
【0041】
しかしながら、車両は目的地Peに向けて移動しているため、時刻t1以降はノードP0に存在せず、時刻t1にはノードN1に、時刻t2にはノードN2に、時刻t3にはノードN3、時刻t4にはノードPeを走行又は到着していることが予測されている。
【0042】
したがって、予測天候情報7aとしては、車両の走行ルートとその走行時刻に合致した天候情報であることが好適であり、かかる予測天候情報7aを利用することで経路情報提供装置17はより安全性の高いルートを運転者に提供できる。経路情報提供装置17は図4のような天候情報7から、提供されたルートと予測された走行時刻に基づき予測天候情報7aを抽出する。図4では抽出する予測天候情報7aを太枠で囲んだ。
【0043】
予測天候情報7aを抽出した経路情報提供装置17は、ルートに天候面から安全性の低い走行箇所があるか否かを判定する。例えば、予測天候情報7aの予測雨量として一時間当たりの雨量が分かれば走行時刻までに予想される総雨量が分かるので、総雨量が所定の基準値より多い走行箇所があれば安全低下箇所として検出する。
【0044】
なお、雨量以外にも、リンクやノードに橋がある場合に川の水位が所定の基準値より高い場合や、リンクやノードに橋や崖がある場合に風速が所定の基準値より高い場合、積雪が所定の基準値より多い場合などは、当該リンク又はノードを安全低下箇所として検出する。
【0045】
本実施例では、安全低下箇所が検出された場合、経路情報提供装置17は安全低下箇所を迂回したルートを探索する。例えば、時刻t2のノードN2が安全低下箇所として検出された場合、ノードN2を通過するルートが探索されることが少なくなるようにノードN1からノードN3のリンク長Aに適当な重み定数を掛け、ルートを探索する。ルートAのリンクコストが重み定数により大きくなれば、走行距離が長くなってもよりリンクコストの低い迂回ルートが探索される。なお、安全低下箇所を走行するルートが検索されないようにノードN1からノードN3のリンクを探索ルートから除外してもよい。
【0046】
図5は、時刻t2にノードN2を迂回するルートB、Cを一例として示す。なお、ルートB又はCは予測天候情報7aに基づき探索されたルートであるので、ルートB又はCに安全低下箇所があれば更に迂回するルートを探索することができる。
【0047】
なお、安全低下箇所は、過去に生じた、河川の氾濫、強風、土砂災害、冠水、積雪、等により実際に通行止めとなった災害記録を保持・利用することで、精度よく検出できる。経路情報提供装置17がルートAを探索した場合、ルートAに過去に通行止めが生じたリンクやノードがあるか否かを災害記録から検索し、通行止めが生じた場合の天候を参照する。通行止めが生じた場合の天候と予測天候情報との相関に基づき安全低下箇所を検出できる。例えば、通行止めが生じた場合の雨量に対し80〜90%の雨量が予測天候情報7aから予測される場合、過去に通行止めとなったリンク又はノードが通行止めになると予測できる。
【0048】
災害記録はセンタ1のデータベースに災害記録DBとして保持・更新されていてもよいし、車両3が保有していてもよい。また、通行止めが生じた場合の天候は、センタ1が災害記録と共に記憶していてもよいし、車両3が災害記録と共に保有していてもよい。なお、車両3は、災害記録や通行止めが生じた場合の天候を通信装置14を介してセンタ1や所定のサーバから取得してもよい。
【0049】
以上のように、経路情報提供装置17は移動中の予測天候情報7aに基づき通行止めになる可能性のあるリンクやノードを迂回するルートを運転者に報知できる。なお、予測天候情報でなく天候情報により既に通行止めとなっている場合、迂回ルートを報知してもよい。また、FM多重放送やビーコンにより既に通行止めとなっていると判明しているが、予測天候情報7aにより天候が好転し通行止めが解除される確度が高い場合、通行止めになっている箇所を走行するルートを報知してもよい。
【実施例1】
【0050】
本実施例では、迂回ルートを探索しようとしても安全低下箇所を通過せざるを得ない場合について説明する。なお、迂回ルートの探索は実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0051】
図6(a)は、目的地に向かう車両と道路地図の一例を示す。図6(a)では運転者は地点P0に存在し、目的地Pe(エアポート)に向け走行する予定でいる。目的地Peは周囲を海で囲まれているため目的地Peに到達するためには橋30を走行しなければならない。したがって、経路情報提供装置17は橋30を走行するルートを探索する。
【0052】
経路情報提供装置17が予測天候情報7aを受信して、予測天候情報7aによれば橋30が走行する時刻に橋30に強風が吹くことが予測される場合、橋30を迂回するルートを道路地図DB20から探索する。しかし、橋30を迂回するルートは存在しないため探索される橋30を走行するルートを運転者に報知したのでは、運転者が通行止めに遭遇することとなり好ましくない。
【0053】
本実施例では、このように安全低下箇所を迂回するルートを探索できない場合、係る旨を出発前に報知することで、運転者に目的地Peに向かうか否かの判断材料を提供する。
【0054】
図6(b)は、表示装置18に表示された安全低下箇所を迂回するルートが探索できない場合の報知内容の一例を示す。安全低下箇所を迂回するルートを探索できない場合、経路情報提供装置17は例えば「強風のため、通行止めのおそれのある箇所を通過するルートしか探索されませんでした。」と表示装置18に表示する。
【0055】
運転者は図6(b)のような表示を参照することで、目的地Peまでのルートに通行止めになる可能性があることを認識でき、目的地Peに到達する別の交通手段や出発の取りやめ、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【0056】
ルート探索を行った時すでに橋30に強風が吹いており、安全低下箇所を迂回するルートを探索できない場合、同様に、係る旨を報知したほうが、運転者に目的地Peに向かうか否かの判断材料を提供できることとなる。
【0057】
図6(c)は、表示装置18に表示された、現在すでに安全低下箇所を迂回するルートが探索できない場合の報知内容の一例を示す。現在すでに安全低下箇所を迂回するルートを探索できない場合、経路情報提供装置17は「強風のため、現在、通行止めである箇所を通過するルートしか探索されませんでした。」と表示装置18に表示する。
【0058】
なお、現在、通行止めであっても、天候情報によればすでに強風が収まっている場合、又は、予測天候情報によれば強風が収まることが予測される場合、かかる情報を報知することが好適である。運転者は、通行止めが解除される可能性があることを認識して、目的地Peに到達する別の交通手段の決定や出発の取りやめ、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【0059】
図6では目的地Peへのルートに迂回できない安全低下箇所があることとしたが、目的地Pe又はその付近に安全低下箇所がある場合も車両により目的地Peに到達することが困難である。例えば、目的地Peの付近に河川があり、河川が氾濫する可能性がある場合である。
【0060】
図7(a)は、表示装置18に表示された目的地Peの付近に安全低下箇所がある場合の報知内容の一例を示す。図7(a)では、運転者は地点P0に存在し目的地Peに向け走行する予定でいる。目的地Peの付近には河川31が流れている。
【0061】
経路情報提供装置17が予測天候情報7aを受信して、予測天候情報7aによれば河川31が氾濫する可能性があることが予測される場合、目的地Peの付近までは走行できても目的地Peには到達できないので、運転者が足止めに遭遇することとなり好ましくない。
【0062】
そこで、目的地Peの付近に安全低下箇所がある場合、経路情報提供装置17は、図6(a)と同様に、「目的地付近は河川が氾濫する可能性があり、目的地まで到達できない場合があります。」と表示装置18に表示する。
【0063】
運転者は図6(b)のような表示を参照することで、目的地Peまで到達できない可能性があることを認識でき、目的地Peに到達する別の交通手段の決定や出発の取りやめ、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【0064】
また、ルート探索を行った時すでに、目的地Peが安全低下箇所となっている場合、同様に、係る旨を報知したほうが、運転者に目的地Peに向かうか否かの判断材料を提供できることとなる。
【0065】
図7(b)は、表示装置18に表示された、すでに目的地Peの付近に安全低下箇所がある場合の報知内容の一例を示す。現在既に目的地Peが安全低下箇所となっている場合、経路情報提供装置17は「目的地付近は河川が氾濫しており、目的地に到達することは困難です。」と表示装置18に表示する。
【0066】
以上のように本実施例によれば、安全低下箇所を迂回する迂回ルートが探索できない場合、早期に運転者に報知できるため、運転者は、目的地Peに到達する別の交通手段の決定や出発の取りやめ、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【実施例2】
【0067】
本実施例では目的地に到達した後、通行止めになる危険性がある箇所を走行して出発地方向に戻る必要がある場合について説明する。
【0068】
図6(a)のように、目的地Peに到達するため橋30を走行せざるを得ない場合、橋30が通行止めとならず目的地Peに到達できたが、出発地点に戻る場合に通行止めとなることがある。かかる場合には、目的地に到達する前(好ましくは出発前)に、出発地点に戻る場合に通行止めとなる可能性があることを運転者に報知することが好ましい。
【0069】
目的地に向かう往路では、目的地までの距離や旅行時間により安全低下箇所を走行する時刻を予想できるが、目的地でどの程度時間を費やすのか経路情報提供装置17には判断できないため、復路において安全低下箇所を走行する時刻を予想できない。そこで、例えば、出発時刻から所定時間(例えば、24時間であり、以下、往復想定時間という)内に通行止めになり戻れない可能性のリンク又はノードがあるか否かを予測天候情報7aに基づき判定する。
【0070】
簡単には、経路情報提供装置17は、出発地点と目的地との間に、目的地へ到達する到達予測時刻以降の往復想定時間内に通行止めとなる可能性のあるリンク又はノードがあり、かつ、迂回するルートがない場合、経路情報提供装置17は運転者に通行止め案内を報知する。
【0071】
図8は、表示装置18に表示された、目的地から戻れなくなる可能性がある場合の報知内容の一例を示す。図8では運転者は地点P0に存在し、目的地Pe(エアポート)に向け走行する予定でいる。目的地Peは周囲を海で囲まれているため目的地Peに到達するためには橋30を走行しなければならない。
【0072】
実施例2のように、経路情報提供装置17は、予測天候情報7aを受信して、天候情報7aによれば橋30が走行する時刻に強風となることが予測されるか否かを判定する。また、経路情報提供装置17は、予測天候情報7aにより到達予想時刻以降の往復想定時間内に安全低下箇所があるか否かを判定する。橋30に安全低下箇所が検出された場合、迂回するルートがないので、経路情報提供装置17は「XX時間後に強風のため通行止めになるおそれがあります。」と表示装置18に表示する。通行止めが解除される時刻が予測されれば、共に表示することが好適である。
【0073】
なお、図8のような報知は、所定の条件の成立下でのみ行うとしてもよい。例えば、目的地から戻る必要がない場合には、図8のような通行止め案内を報知する必要がない。例えば、ナビゲーションシステム16において起点として自宅を設定し自宅や自宅から所定範囲から出発する場合は、自宅に戻ること(往路と復路の道程があること)が予測できる。したがって、ナビゲーションシステム16において自宅を起点に設定してある場合、エアポート側を出発地点としてルート検索した場合には、エアポートに戻ることを想定する必要はない。
【0074】
このため、自宅またはその周辺を出発地点とする場合を復路における通行止め報知の条件とできる。通行止めが生じた場合に走行できなくなるリンク(図8では橋)を挟んで自宅側と目的地側のいずれに車両があるかは、リンクのトポロジー解析により判別できる。なお、自宅の位置はナビゲーションシステムに登録されている。
【0075】
また、目的地に到達できなければ復路について報知する必要ないので、目的地までは到達が予測されることを復路における通行止め報知の条件とできる。
【0076】
以上のように、本実施例によれば、目的地に到達した後、迂回するルートがない状態で通行止めが生じる可能性があることを出発時に予め報知できるので、目的地から戻れない可能性があることを認識でき、目的地から戻る時刻の検討や、延期等、早期に判断を下すことが可能となる。
【実施例3】
【0077】
本実施例では、安全低下箇所が広範囲に渡り、迂回ルートの走行に長時間要する場合について説明する。図9は、走行ルートと予想される降雨の関係を示す図である。図9(a)では出発地点P0から目的地PeまでのルートDを雨雲が通過し、通過点に所定以上の雨量の降雨が予想されている。図9(a)では所定以上の雨量の領域(以下、降雨領域という)60がルートDを覆っている。
【0078】
本実施例では降雨領域60がルートDの所定区域を覆う時間に当該区域を車両が走行する。経路情報提供装置17は、図4のような予測天候情報7aに基づき、ルートDでは走行する時刻に降雨領域60による安全低下箇所があると判定し、迂回ルートを探索する。
【0079】
図9(b)は経路情報提供装置17が探索した迂回ルートの一例を示す。迂回ルートEは、比較的広範囲の降雨領域60を回避するものであるため迂回ルートEはルートDよりも長くなっている。このように迂回ルートが当初のルートDより所定以上長くなる場合、運転者に長い運転時間を強いることになるので予め運転者に報知しておくことが好適となる。
【0080】
迂回ルートを走行するために必要と予想される走行時間は、ビーコンによる旅行時間や走行距離と法定速度により推定できる。そこで、ルートDを走行する時間と比較してルートEを走行する時間が所定以上(例えばα時間)長い場合、経路情報提供装置17は「迂回ルートのため走行時間が○○時間長くなります」と表示装置18に表示する。運転者はかかる表示を認識して適切な判断を下せるようになる。
【0081】
また、迂回ルートの走行のため所定以上長いα時間が余計にかかる場合、経路情報提供装置17は出発時刻の延期を推奨したり、途中で休憩を取ることを推奨することができる。迂回するほど雨量の多い降雨領域60は短時間に移動したり雨が弱まることが多い。図9(c)は、所定時間経過後に降雨領域60が移動してルートDから離れた状態を示す。図9(c)のように所定時間内に降雨領域60がルートDから離れるのであれば、迂回ルートEを長い時間をかけて走行するよりも降雨領域60が通過するまで待機していた方が燃費や運転者の疲労の点から好ましい。
【0082】
図10(a)は、表示装置18に表示された出発前に出発の延期を勧める報知内容の一例を示す。図10(a)では経路情報提供装置17は出発の延期を勧めるため、「今出発されると迂回ルートを走行する必要がありますので、約○時間後に出発されることをお勧めします。」と表示する。
【0083】
また、図10(b)は表示装置18に表示された、途中で休憩を取ることを出発前に勧める報知内容の一例を示す。図10(b)では経路情報提供装置17は出発の延期を勧めるため、「今出発されるのと迂回ルートを走行する必要がありますので、途中で約○時間、休憩を取ることをお勧めします。」と表示する。
【0084】
出発の延期や休憩を勧めるか否かは、迂回ルートEの走行にかかると予想される時間と当初のルートDの走行にかかると予想される時間と差α時間、及び、ルートDから安全低下箇所が検出されなくなるまでの時間により判定できる。すなわち、T時間経過後に降雨領域60とルートDが重複しないようになればT時間経過後又はその少し後にルートDを走行できる。
【0085】
したがって、T時間がα時間と同程度又はα時間より短いのであれば、運転者は出発を延期又は休憩を取った方が効率的となる。T時間がα時間よりも所定以上長い場合(例えば、T>1.5×α)であれば迂回ルートを走行することで、走行距離は長くなっても出発を延期するより目的地に早く到達できる。
【0086】
ところで、休憩を取ることを勧める場合、休憩は出発地点で取ってもよいし降雨領域60の直前で取ってもよいことになる。しかし、出発後あまり早期に休憩を取ると、駐車場所の探索が必要であったり、目的地からあまりに離れた場所での休憩となるため心理的にも負担となる。また、降雨領域60までの走行中に、降雨領域60の天候が早期に回復し予測より早くルートDが走行可能となる場合もある。そこで、経路情報提供装置17は出発地点から所定以上先で休憩を取ることが可能な場合に、休憩を勧めることが好適となる。
【0087】
図11は、休憩地点と降雨領域との関係を示す図である。降雨領域60の出発地点側の端が出発地点Peと所定以上離れていれば、運転者はある程度走行してから、例えば地点Rで休憩を取ることができる。また、点線で示すように降雨領域60’の出発地点側の端が出発地点Peと所定以上離れていない場合、地点R’で休憩をとると出発地点からの走行距離が充分でないので、経路情報提供装置17は休憩でなく出発の延期を運転者に勧める。
【0088】
以上のように、本実施例によれば、迂回ルートが所定より長くなるか否かを判定して、迂回ルートの走行のため所定以上長い時間が余計にかかる場合、出発時刻の延期を推奨したり、途中で休憩を取ることを推奨することができる。また、迂回ルートの走行と、出発の延期又は休憩のいずれが適切かを判定して運転者に報知することができる。
【実施例4】
【0089】
目的地までのルートとその走行時刻及び予測天候情報が取得されれば、目的地までの走行中に運転者が遭遇する天候を、出発地点においても運転者に報知することが可能となる。安全低下箇所がなければリンクコストが最小となるルートの天候を表示し、安全低下箇所が検出され迂回ルートを探索した場合は迂回ルートの天候を表示する。
【0090】
図12(a)は、表示装置18に表示された走行ルートに表示された予測天候情報を示す図である。図12(a)では県や市など所定の領域に区分された道路地図に、探索されたルートFが表示されると共に領域毎に予測される天気が天候マークにより表示されている。
【0091】
探索されたルートFはAREA1〜AREA5を走行するものであるので、車両が主発地点P0にいる状態からルートFを走行してAREA1〜AREA5の各領域を走行する時刻の天気が表示されている。例えば、AREA1と2は雨のち曇り、AREA3は曇りのち晴れ、AREA4と5は晴れ、と予想されている。なお、同じ天候マークの領域は同じ色で表示することで、運転者の視認性を向上させている。
【0092】
運転者は図12(a)を参照することで当該領域を走行する時刻に予想される天候を認識でき、天候の急激な悪化などに備えることができる。
【0093】
車両がルートFを走行すれば、走行した時刻に取得される予測天候情報7aが更新して表示される。図12(b)はAREA2の走行が終了した頃の時刻に、AREA1とAREA2において予測される予測天候情報7aを示す。AREA1と2のように既に走行した領域を走行する時刻は、目的地に滞在せずそのまま戻る場合の時刻を予測してもよいし、出発地点に戻る予定の時刻を運転者が入力し入力された時刻に基づき算出されたAREA1と2の走行時刻であってもよい。図12(b)ではAREA1と2に戻る頃の時刻は曇りとなると予想されている。
【0094】
なお、走行が終了した領域の天候として、走行した領域に戻る時刻に予想される天気でなく表示する時刻の実際の天候を表示してもよい。また、運転者の操作により切り替わるようにしてもよいし、表示装置18の各領域に例えば上段と下段のように二つの天候を表示してもよい。
【0095】
また、安全低下箇所が検出されている場合は、安全低下箇所を道路地図上に表示することが好適である。図13は道路地図に表示される予想雨量の時間的推移を示す図である。
【0096】
図13は、10時、11時及び12時に予想される一時間当たりの雨量と予測される車両の走行ルート及び予測される車両の位置を示す。なお、雨量は、雨量が多いほど濃い色で表示することとし、運転者に容易に雨量を認識させる。また、雨量と表示される色の関係を示す雨量表54が表示装置18の一部に表示される。
【0097】
目的地Peに到達する到達予測時刻は予想されているので、到達予測時刻までに発生する安全低下箇所も予測天候情報7aに基づき出発時に予測されている。経路情報提供装置17は一つ又は複数の安全低下箇所に基づきルートGを探索した。
【0098】
例えば、10時に安全低下箇所X1が発生すると予想された場合、10時の道路地図ではルートGと安全低下箇所X1、及び、10時の頃に予測される走行位置が表示される。また、11時に安全低下箇所X2が発生する場合、11時の道路地図には予想される雨量と共に安全低下箇所X2が追加して表示される。
【0099】
なお、通行止めの可能性が高い安全低下箇所だけでなく、今後更に雨量が増した場合には安全低下箇所となりうる準安全低下箇所を検出し表示してもよい。このように、安全低下箇所X1や準安全低下箇所、及び、雨量による色分けを行った道路地図を時間の経過と共に表示するので、運転者は時間が経過すると天候により走行に影響が起こる得ることを認識できる。
【0100】
本実施例によれば、走行ルートの走行時刻に合わせて天候予報を運転者に提供することができる。また、時間の経過と共に推移する予測天候情報を走行位置や安全低下箇所と共に表示できるので、運転者は天候が走行に与える影響を容易に認識できる。
【0101】
以上のように、本実施の形態によれば、通行止め等が発生する可能性を考慮して目的地までの経路設定が可能な経路情報提供装置を提供することができる。なお、経路情報提供装置17の機能は車両3が有することとしたが、経路情報提供装置17のうち安全度判定手段21は、センタ1が有していてもよい。この場合、車両1は当初探索されたルートをセンタ1に送信する。センタ1は天候情報7とルート等に基づき安全低下箇所があるか否かを判定し、安全低下箇所がある場合は車両3に送信するので、車両3は迂回ルートを探索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】車両に適用された経路情報提供装置と天候情報等との関係を示す図である。
【図2】経路情報提供装置を有する車載装置の機能ブロック図である。
【図3】ダイキストラ法による経路探索を説明するための図である。
【図4】経路情報提供装置が受信する天候情報の一例である。
【図5】安全低下箇所を迂回するルートの一例である。
【図6】目的地に向かう車両と道路地図の一例を示す図である。
【図7】目的地の付近に安全低下箇所がある場合の報知内容の一例である。
【図8】目的地から戻れなくなる可能性がある場合の報知内容の一例である。
【図9】走行ルートと予想される降雨の関係を示す図である。
【図10】出発前に出発の延期を勧める報知内容の一例である。
【図11】休憩地点と降雨領域との関係を示す図である。
【図12】走行ルートに表示された予測天候情報を示す図である。
【図13】道路地図に表示される予想雨量の時間的推移を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
1 センタ
3 車両
6 交通情報
7 天候情報
16 ナビゲーションシステム
17 経路情報提供装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置において
天候情報を受信する天候情報受信手段と、
前記天候情報受信手段により受信した前記天候情報に基づき、前記ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段と、
前記ルートの走行予測時刻に、前記安全度判定手段により前記安全度が所定より低い安全低下箇所が検出された場合、
前記安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段と、
を有することを特徴とする経路情報提供装置。
【請求項2】
前記安全度判定手段により前記ルートに通行止めの発生が予測された場合であって、前記迂回ルート探索手段により前記目的地に到達する前記迂回ルートが探索されない場合、
前記迂回ルートが探索されない旨を前記運転者に報知する、
ことを特徴とする請求項1記載の経路情報提供装置。
【請求項3】
前記安全低下箇所が検出された場合、所定時間の出発の延期又は休憩を推奨する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の経路情報提供装置。
【請求項4】
前記ルートを走行して前記目的地まで走行する第1の走行時間より、前記迂回ルートを走行して前記目的地まで走行する第2の走行時間の方が所定より長い場合、所定時間の出発の延期又は休憩を推奨する、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の経路情報提供装置。
【請求項5】
前記ルート又は前記迂回ルートと共に、前記ルート又は前記迂回ルートの走行予測時刻における前記天候情報を報知する、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の経路情報提供装置。
【請求項6】
前記天候情報は、雨天、曇り若しくは晴天の別、降水量、降雪量、風速、又は、水位、に関する前記天候情報である、
ことを特徴とする請求項5記載の経路情報提供装置。
【請求項7】
目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置において
天候情報を受信する天候情報受信手段と、
前記天候情報受信手段により受信した前記天候情報に基づき、前記ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段と、
前記安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段と、を有し、
前記目的地からの復路において、前記安全度判定手段により前記ルートに通行止めの発生が予測された場合であって、前記迂回ルート探索手段により前記目的地に到達する前記迂回ルートが探索されない場合、
前記目的地から戻れない状況となる場合がある旨を運転者に報知する、
ことを特徴とする経路情報提供装置。
【請求項1】
目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置において
天候情報を受信する天候情報受信手段と、
前記天候情報受信手段により受信した前記天候情報に基づき、前記ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段と、
前記ルートの走行予測時刻に、前記安全度判定手段により前記安全度が所定より低い安全低下箇所が検出された場合、
前記安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段と、
を有することを特徴とする経路情報提供装置。
【請求項2】
前記安全度判定手段により前記ルートに通行止めの発生が予測された場合であって、前記迂回ルート探索手段により前記目的地に到達する前記迂回ルートが探索されない場合、
前記迂回ルートが探索されない旨を前記運転者に報知する、
ことを特徴とする請求項1記載の経路情報提供装置。
【請求項3】
前記安全低下箇所が検出された場合、所定時間の出発の延期又は休憩を推奨する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の経路情報提供装置。
【請求項4】
前記ルートを走行して前記目的地まで走行する第1の走行時間より、前記迂回ルートを走行して前記目的地まで走行する第2の走行時間の方が所定より長い場合、所定時間の出発の延期又は休憩を推奨する、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の経路情報提供装置。
【請求項5】
前記ルート又は前記迂回ルートと共に、前記ルート又は前記迂回ルートの走行予測時刻における前記天候情報を報知する、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の経路情報提供装置。
【請求項6】
前記天候情報は、雨天、曇り若しくは晴天の別、降水量、降雪量、風速、又は、水位、に関する前記天候情報である、
ことを特徴とする請求項5記載の経路情報提供装置。
【請求項7】
目的地までのルートを探索し運転者に報知する経路情報提供装置において
天候情報を受信する天候情報受信手段と、
前記天候情報受信手段により受信した前記天候情報に基づき、前記ルートの走行安全度を判定する安全度判定手段と、
前記安全低下箇所を迂回する迂回ルートを探索する迂回ルート探索手段と、を有し、
前記目的地からの復路において、前記安全度判定手段により前記ルートに通行止めの発生が予測された場合であって、前記迂回ルート探索手段により前記目的地に到達する前記迂回ルートが探索されない場合、
前記目的地から戻れない状況となる場合がある旨を運転者に報知する、
ことを特徴とする経路情報提供装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−47034(P2007−47034A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−232195(P2005−232195)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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