説明

経路情報表示端末、経路情報サーバ、経路情報システムおよび経路情報プログラム

【課題】 観光経路を提供する経路情報システム100において、目的地までの道順等、限定された経路情報を基に現在位置を確認しながら観光スポットを探索する不便さを解消するために、経路情報と位置、地図を統一的に処理し、限定された経路・目印・目的地だけではガイドできない、目的に応じて自由に設定された目的別コースを提供することを目的とする。
【解決手段】 観光ガイド情報を提供する経路情報システム100において、経路情報表示端末200から登録した経路情報と経路情報表示端末200の位置の履歴とを基に、経路情報サーバ300は観光ガイドの経路情報を特定し、経路情報表示端末200に特定した経路情報を送信する。経路情報表示端末200は観光スポットの種別毎の記号を地図情報に重畳させて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、測位情報と地図情報とを利用して携帯型電子情報端末に経路情報を提供する分野に属する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や電子書籍端末等の携帯型電子情報端末で地図を利用してナビゲーションを行うシステムにおいては、これまで、携帯型電子情報端末の情報記憶部に予め記憶された情報、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体で提供された情報若しくはネットワークを介して授受された情報に基づいて現在位置から目的地までの道順等を限定された経路情報で提供するものが見られる。但し、現在位置及び通過した履歴を基に、その履歴と目的とに応じて設定されたコースをガイドするものは無かった。
かかる情報の利用者には、ナビゲーションシステムにより提供された経路情報の他に地図やガイドブック等を見比べて自分の現在位置を確認しながら観光スポットを探索するという手間がかかっていた。
特開2003−256431号公報及び特開2004−139560号公報には、端末に対して通信によって予め設定した観光コースを文字、画像により提供する装置・システムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−256431号公報
【特許文献2】特開2004−139560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、かかる不便さを解消するために、経路情報と現在位置と地図とを統一的に処理し、限定された経路・目印・目的地だけではガイドできない目的別コースを目的に応じて自由に設定して提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明にかかる経路情報表示端末は、経路情報表示端末の位置を取得して経路情報表示端末の位置情報を送信する端末位置情報処理部と、端末位置情報処理部が送信した位置情報に対応する経路情報を受信する経路情報受信部と、端末位置情報処理部が送信した位置情報に対応する地図情報を受信する地図情報受信部と、上記経路情報受信部が受信した経路情報と上記地図情報受信部が受信した地図情報とを関連付けて記憶機器に記憶する地図情報・経路情報表示処理部と、上記地図情報・経路情報表示処理部が関連付けた経路情報と地図情報とを表示装置に重畳表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0005】
また、上記経路情報表示端末は、さらに、観光スポットの位置情報を入力する入力部と、上記入力部が入力した観光スポットの位置情報に各観光スポットの識別子と上記入力部が入力した各観光スポットの位置情報の入力順とを付加する経路情報入力処理部と、上記経路情報入力処理部が観光スポットの識別子と観光スポットの位置情報の入力順とを付加した観光スポットの位置情報を送信する入力経路情報送信部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、上記経路情報表示端末の上記地図情報受信部が地図情報を受信し、上記経路情報受信部が経路情報を受信し、上記地図情報・経路情報表示処理部で経路情報と地図情報とを重畳表示することを判断した後、上記表示部が観光スポットの種別毎の表示図形と表示記号との少なくともいずれかを含む経路情報と地図情報とを表示装置に重畳表示することを特徴とする。
【0007】
次に、本発明にかかる経路情報サーバは、地図情報を記憶する地図情報記憶部と、経路情報を記憶する経路情報記憶部と、上記地図情報記憶部に記憶された地図情報が示す地図上における経路情報表示端末の位置の履歴を求める端末経路判断部と、上記経路情報記憶部に記憶された経路情報に基づいて新たに経路情報を作成する経路情報作成部と、上記端末経路判断部が経路情報表示端末の位置の履歴を求めるための経路情報表示端末の位置情報及び上記経路情報記憶部が記憶する経路情報を受信し上記経路情報作成部が作成した経路情報を送信する情報送受信部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記端末経路判断部は、経路情報表示端末の現在位置と経路情報表示端末の位置履歴と地図上の位置情報とに基づいて経路情報表示端末の地図上の位置の履歴を求めることを特徴とする。
【0009】
また、上記経路情報サーバは、さらに、上記情報送受信部が経路情報表示端末から受信した経路情報に示される各観光スポットの識別子と各観光スポットの観光順序とを基に一連の観光スポットの経路情報を作成し、作成した経路情報を上記経路情報記憶部に登録する経路情報登録部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、上記経路情報登録部は、経路情報を予め上記経路情報記憶部に登録することを特徴とする。
【0011】
また、上記経路情報作成部は、上記端末経路判断部が求めた経路情報表示端末の地図上の位置の履歴と上記経路情報記憶部に登録された経路情報とに基づいて経路情報表示端末の移動経路に位置する観光スポットを特定し、特定した観光スポットの全部又は一部を含む経路情報を新たに作成することを特徴とする。
【0012】
また、上記経路情報作成部は、経路情報に観光スポットの種別毎に表示する図形と記号との少なくともいずれかの情報を付加して新たな経路情報を作成することを特徴とする。
【0013】
次に、本発明にかかる経路情報システムは、経路情報を入力して表示する経路情報表示端末と経路情報を記憶管理する経路情報サーバとがネットワークを介して接続される経路情報システムであり、上記経路情報表示端末は、観光スポットの位置情報を入力する入力部と、上記入力部が入力した観光スポットの位置情報に各観光スポットの識別子と上記入力部が入力した各観光スポットの位置情報の入力順とを付加する経路情報入力処理部と、上記経路情報入力処理部が観光スポットの識別子と観光スポットの位置情報の入力順とを付加した観光スポットの位置情報を送信する入力経路情報送信部と、経路情報表示端末の位置を取得する端末位置情報処理部と、経路情報を受信する経路情報受信部と、地図情報を受信する地図情報受信部と、上記経路情報受信部が受信した経路情報と上記地図情報受信部が受信した地図情報とを関連付けて記憶する地図情報・経路情報表示処理部と、上記地図情報・経路情報表示処理部関連付けた観光スポットの種別毎の表示図形と表示記号との少なくともいずれかを含む経路情報と地図情報とを表示装置に重畳表示する表示部とを備え、上記経路情報サーバは、地図情報を記憶する地図情報記憶部と、経路情報を記憶する経路情報記憶部と、上記地図情報記憶部に記憶された地図情報が示す地図上における上記経路情報表示端末の位置の履歴を求める端末経路判断部と、新たに経路情報を作成する経路情報作成部と、上記端末経路判断部が上記経路情報表示端末の位置の履歴を求めるための上記経路情報表示端末の位置情報及び上記経路情報記憶部が記憶する経路情報を受信し上記経路情報作成部が作成した経路情報を送信する情報送受信部と、上記経路情報表示端末から受信した経路情報に示される各観光スポットの識別子と各観光スポットの観光順序とを基に一連の観光スポットの経路情報を作成して上記経路情報記憶部に登録する経路情報登録部とを備え、上記端末経路判断部は上記経路情報表示端末の現在位置と上記経路情報表示端末の位置履歴と地図上の位置情報とに基づいて上記経路情報表示端末の地図上の位置の履歴を求め、上記経路情報作成部は上記端末経路判断部が求めた上記経路情報表示端末の地図上の位置の履歴と上記経路情報記憶部に登録された経路情報とに基づいて上記経路情報表示端末の移動経路に位置する観光スポットを特定し当該観光スポットの全部又は一部を含む経路情報を作成し観光スポットの種別毎に表示する図形と記号との少なくともいずれかの情報を作成した経路情報に付加して新たな経路情報を作成することを特徴とする。
【0014】
次に、本発明にかかる経路情報プログラムは、経路情報表示端末の位置情報を受信する端末位置情報受信ステップと、経路情報表示端末の現在位置と経路情報表示端末の位置履歴と地図上の位置情報とに基づいて経路情報表示端末の地図上の位置の履歴を求めて地図情報記憶部から経路情報表示端末の現在位置近傍の地図情報を取得する端末経路判断ステップと、経路情報表示端末の地図上の位置の履歴と経路情報記憶部に登録された経路情報とに基づいて経路情報表示端末の移動経路に位置する観光スポットを特定する経路情報作成ステップと、経路情報を経路情報表示端末へ送信する経路情報送信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
また、上記経路情報作成ステップは、観光スポットの全部又は一部を含む経路情報を特定することをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
また、上記経路情報作成ステップは、経路情報に観光スポットの種別毎に表示する図形と記号との少なくともいずれかの情報を付加することをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、経路情報と現在位置と地図とを統一的に処理し、限定された経路・目印・目的地に制限されずに、現在位置及び通過した位置の履歴を基に、通過した位置の履歴と目的とに応じて設定されたコースのガイドを提供できると共に、目的に応じて自由に設定された目的別コースを提供できる。また、本発明は、各スポットの種類毎に色・形状を区別した情報を表示することで、端末画面の地図上で観光目的の再確認機能やコースの順番等の一元表示機能を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に関する実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、実施の形態にかかる経路情報表示端末200と経路情報サーバ300との機能ブロック図である。
【0020】
経路情報システムは経路情報表示端末200と経路情報サーバ300とを有する。
経路情報表示端末200は、端末位置情報処理部210、入力部220、経路情報入力処理部221、入力経路情報送信部222、表示部230、地図情報・経路情報表示処理部231、経路情報受信部232、地図情報受信部233を備える。
端末位置情報処理部210は、経路情報表示端末200の位置(例えば、座標)を取得し、該経路情報表示端末200の位置情報を経路情報サーバ300へ送信する。端末位置情報処理部210は、例えば、測位衛星400(GPS(Global Positioning System)/準天頂衛星)や高精度測位サービスサーバ410を利用して経路情報表示端末200の位置情報を作成する。
入力部220は、経路情報表示端末200のポイントペン等の入力デバイスとのインタフェースであって、当該入力デバイスのGUI(Graphical User Interface)機能によって観光スポットの位置情報を入力する。
経路情報入力処理部221は、入力部220から入力された観光スポットの位置情報に各観光スポットの識別子と入力部220から入力された各観光スポットの位置情報の入力順とを付加する。観光スポットの位置情報の入力順は観光スポットの観光順序を示す。
入力経路情報送信部222は、経路情報入力処理部221で処理された観光スポットの位置情報を観光スポットの経路情報として経路情報サーバ300へ送信する。
経路情報受信部232は、経路情報サーバ300から経路情報を受信する。
地図情報受信部233は、経路情報サーバ300から地図情報を受信する。
地図画像・経路情報表示処理部231は、経路情報受信部232で受信した経路情報と地図情報受信部233で受信した地図情報とを関連付けて重畳表示するかどうかを判断する。
表示部230は、地図情報・経路情報表示処理部231で重畳表示すると判断した経路情報と地図情報とを重畳させて表示装置に表示する。
【0021】
経路情報サーバ300は、地図情報記憶部310、経路情報記憶部311、端末経路判断部330、経路情報作成部340、情報送受信部320を備える。
【0022】
情報送受信部320は、経路情報表示端末200への地図情報と経路情報との送信と、経路情報表示端末200からの位置情報の受信とを行う。
【0023】
地図情報記憶部310は、地図情報(地図画像データ、数値データ等)及び地図に含まれる情報を記憶している。地図情報及び地図に含まれる情報とは、例えば、地名や道路名などの文字データ、駅前・観光地などの地図や市町村のマークなどの画像データ、道路情報(道路の地図データ、道路画像データ等)などである。
経路情報記憶部311は、経路情報登録部350で登録した観光スポットの経路情報及び地図に示される観光スポットに関する各種情報を記憶している。ここで、観光スポットの経路情報は、観光スポットのコース種別(寺社巡りコース、七福神ルート、美術館巡りルート、滝巡りコース、レストラン・喫茶店巡りルート等)に関する情報、識別子及び観光順序等を元に合成し登録した一連の観光スポットの経路に関する情報などである。また、観光スポットに関する各種情報とは、例えば、観光のガイド情報、店舗の情報、それらの情報の地図上の位置などである。
端末経路判断部330は、経路情報表示端末200の地図上の位置の履歴を求める。
経路情報作成部340は、経路情報表示端末200の経路情報を作成する。
【0024】
経路情報システム100は、上記のように構成した経路情報表示端末200と経路情報サーバ300とを有することにより、経路情報表示端末200から経路情報サーバ300に観光スポットの経路情報を登録することができると共に、経路情報サーバ300から経路情報表示端末200に観光スポットの経路情報を提供することができる。
以下において、経路情報表示端末200から経路情報サーバ300に観光スポットの経路情報を登録する経路情報の登録処理を図2に基づいて説明し、経路情報サーバ300から経路情報表示端末200に観光スポットの経路情報を提供する経路情報の作成・送信処理を図3に基づいて説明する。
【0025】
図2は、実施の形態にかかる経路情報サーバ300が実行する経路情報の登録処理の動作を表すフローチャートである。図2に基づいて、経路情報サーバ300が実行する経路情報の登録処理の動作を説明する。
「〜部」で説明する経路情報サーバ300と経路情報表示端末200との各構成要素は中央処理装置を用いて以下の処理を実行する。
【0026】
端末経路情報受信ステップS101では、経路情報サーバ300の情報送受信部320は、経路情報表示端末200の入力経路情報送信部222から観光スポットの経路情報を受信する。
このとき、経路情報表示端末200では、まず、入力部220がユーザが経路情報サーバ300に登録したい観光スポットに関して位置情報を入力する。入力部220が位置情報を入力した観光スポットを入力観光スポットとする。次に、経路情報入力処理部221は各入力観光スポットに対して識別子を生成する。また、経路情報入力処理部221は入力部220が入力した入力観光スポットの入力順の情報を入力観光スポットを観光する順序(観光する経路)を示すの観光順序情報として生成する。そして、入力経路情報送信部222は入力観光スポットの位置情報と識別子と観光順序情報とを観光スポットの経路情報として経路情報サーバ300の情報送受信部320に送信する。
【0027】
経路情報登録ステップS102では、経路情報サーバ300の経路情報登録部350は、情報送受信部320が経路情報表示端末200から受信した観光スポットの経路情報に示される各観光スポットの識別子と観光スポットの観光順序情報とを基に一連の観光スポットの経路情報を登録経路情報として新たに作成する。そして、経路情報登録部350は登録経路情報を経路情報記憶部311に登録する。ここで、観光スポットの経路情報は、当該経路情報登録ステップS102を経ずに、予め推奨する内容で経路情報記憶部311に登録しておいてもよい。一連の観光スポットの経路情報とは、例えば、寺社巡りコース、七福神ルート、美術館巡りルート、滝巡りコース、レストラン・喫茶店巡りルート等の目的に応じて自由に設定された目的別コースのガイド情報を示す。
【0028】
図3は、実施の形態にかかる経路情報サーバ300が実行する経路情報の作成・送信処理の動作を表すフローチャートである。図3に基づいて、経路情報サーバ300が実行する経路情報の作成・送信処理の動作を説明する。
ここでは、経路情報記憶部311が記憶している観光スポットに関する各種情報とは、観光のガイド情報であるとする。
「〜部」で説明する経路情報サーバ300と経路情報表示端末200との各構成要素は中央処理装置を用いて以下の処理を実行する。
【0029】
端末位置情報受信ステップS201では、経路情報サーバ300の情報送受信部320は、経路情報表示端末200の端末位置情報処理部210から経路情報表示端末200の位置情報を受信する。
このとき、経路情報表示端末200の端末位置情報処理部210は、測位衛星400および高精度測位サービスサーバ410を利用して測位処理を行い、経路情報表示端末200の位置情報を作成し、経路情報表示端末200の位置情報を経路情報サーバ300の情報送受信部320に送信する。高精度測位サービスサーバ410とは、例えば、GPS測位で生じる誤差を補正した高精度な位置情報を提供するサーバである。端末位置情報処理部210は測位衛星400が送信したGPS電波に関する受信情報を高精度測位サービスサーバ410に送信し、高精度測位サービスサーバ410から経路情報表示端末200の位置情報を受信する。但し、端末位置情報処理部210は、高精度測位サービスサーバ410を利用せず、自らがGPS測位を行って位置情報を作成してもよい。
また、端末位置情報処理部210が作成する位置情報は複数回の測位結果の履歴(以下、位置履歴とする)を示し、過去の測位結果が示す位置から現在の測位結果が示す位置への変位方向は経路情報表示端末200の進行方向、移動経路を表す。
また、端末位置情報処理部210は設定された出発地、目的地、現在地などを位置情報として作成してもよい。
【0030】
端末経路判断ステップS202では、経路情報サーバ300の端末経路判断部330は、まず、経路情報表示端末200の位置情報に基づいて、経路情報表示端末200の現在位置の近傍を示す地図情報を地図情報記憶部310から取得する。次に、端末経路判断部330は、経路情報表示端末200の現在位置と経路情報表示端末200の位置履歴と地図情報が示す地図上の位置情報とに基づいて経路情報表示端末200の地図上の位置の履歴を求める。
【0031】
経路情報作成ステップS203では、経路情報サーバ300の経路情報作成部340は、経路情報表示端末200の地図上の位置の履歴と経路情報記憶部311に登録されている観光スポットの経路情報とに基づいて観光スポットを特定し、特定した観光スポットの全部又は一部を含む経路情報を提供経路情報として新たに作成する。例えば、経路情報作成部340は経路情報表示端末200の進行方向に位置する観光スポット、経路情報表示端末200が通過・訪問済みの観光スポット、経路情報表示端末200の現在位置から特定の範囲内に位置する観光スポット、経路情報表示端末200の目的地から特定の範囲内に位置する観光スポットなどを特定する。このとき、経路情報作成部340は、該経路情報に観光スポットの種別毎に表示する図形と記号との少なくともいずれかの情報を提供経路情報に付加する。観光スポットの種別毎に表示する図形と記号との少なくともいずれかの情報とは、例えば、履歴の観光スポット(通過済みの観光スポット)は灰色の小円で表示し、経路情報表示端末200の現在位置は赤色の三角形で表示し、経路情報表示端末200の現在位置の先に位置する観光スポットは赤色の星形で表示し、経路情報表示端末200が未通過の経路に位置する観光スポットは黄色の大円等の図形又は記号で表示することなどを示す図形情報である。経路情報作成部340は、さらに、提供経路情報に経路上の観光スポットの情報(以下、観光スポット情報とする)を付加する。ここで、観光スポット情報は、観光名所の地名、建造物、遺跡、店舗、人工又は天然の造形物等の観光物の名称などである。
【0032】
経路情報送信ステップS204では、経路情報サーバ300の情報送受信部320は、端末経路判断部330が取得した地図情報と経路情報作成部340が作成した提供経路情報とを経路情報表示端末200へ送信する。
経路情報送信ステップS204において経路情報サーバ300の情報送受信部320が地図情報と提供経路情報とを送信した際、経路情報表示端末200では、地図情報受信部233が地図情報を受信し、経路情報受信部232が提供経路情報を受信し、地図情報・経路情報表示処理部231が提供経路情報と地図情報とを重畳表示するかの判断処理を行い、地図情報・経路情報表示処理部231が提供経路情報と地図情報とを重畳表示すると判断した場合、表示部230が観光スポットの種別毎の表示図形・表示記号を含む提供経路情報と地図情報とを表示装置に重畳表示する。例えば、地図情報・経路情報表示処理部231は、提供経路情報が示す観光スポットの全てについて提供経路情報と地図情報とを重畳させて表示すると判断してもよいし、提供経路情報が示す観光スポットのうちで最も経路情報表示端末200の近くにある観光スポットについて提供経路情報と地図情報とを重畳させて表示すると判断してもよい。
【0033】
図4は、経路情報表示端末200の表示部230が表示装置に表示する経路情報の表示例である。
【0034】
実施の形態にかかる経路情報サーバ300によれば、地図情報と離れて存在する情報を、地図情報と併せた情報とすることが可能である。そして、経路情報表示端末200は、経路情報サーバ300が作成した経路情報を表示することが可能である。また、経路情報表示端末200は、表示する機能、入力する機能と位置を特定する機能のみ備えていることで足りる。
【0035】
図5は、実施の形態における経路情報システム100の外観の一例を示す図である。
図5において、経路情報システム100は、経路情報サーバ300、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(Key・Board:K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・ Drive)、CDD905(コンパクトディスク装置)、プリンタ装置906、スキャナ装置907、マイク908、スピーカー909、データベース910などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
経路情報サーバ300は、コンピュータであり、ファクシミリ機932、電話器931とケーブルで接続され、また、LAN942(ローカルエリアネットワーク)、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
また、経路情報システム100はインターネット940を介して経路情報サーバ300に接続する経路情報表示端末200を備える。
経路情報表示端末200は無線または有線で通信を行う通信機を有して測位衛星400からのGPS電波の受信や経路情報サーバ300とのデータ送受信を行う。また、経路情報表示端末200は液晶画面の表示装置901やキーボード902(テンキー、十字キー)も有する。
【0036】
図6は、実施の形態における経路情報表示端末200と経路情報サーバ300とのハードウェア資源の一例を示す図である。
図6において、経路情報表示端末200と経路情報サーバ300とは、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。また、経路情報サーバ300が備えるCPU911はマウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907、マイク908、スピーカー909、データベース910にも接続される。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶機器、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915、キーボード902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力機器、入力装置あるいは入力部の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力機器、出力装置あるいは出力部の一例である。
【0037】
通信ボード915は、ファクシミリ機932、電話器931、LAN942等に接続されている。通信ボード915は、LAN942に限らず、インターネット940、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されていても構わない。インターネット940或いはISDN等のWANに接続されている場合、ゲートウェイ941は不用となる。
磁気ディスク装置920には、OS921(オペレーティングシステム)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0038】
上記プログラム群923には、実施の形態において「〜部」、「〜手段」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、実施の形態において、「〜部」や「〜手段」の機能を実行した際の「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」などの結果データ、「〜部」や「〜手段」の機能を実行するプログラム間で受け渡しするデータ、その他の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示・抽出のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、実施の形態において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disc)等の記録媒体に記録される。また、データや信号値は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0039】
また、実施の形態において「〜部」、「〜手段」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「手段」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」、「〜手段」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、経路情報プログラムは、「〜部」、「〜手段」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、「〜部」、「〜手段」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、上記実施の形態における経路情報を各種の都市、地域情報に関する経路情報、あるいは、各種施設内の順路の情報に置き換えることによって、観光ガイドに限らず、各種の経路に関連ある様々な情報を案内する各種の案内システムなどに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施の形態にかかる経路情報表示端末200と経路情報サーバ300との機能ブロック図である。
【図2】実施の形態にかかる経路情報サーバ300が実行する経路情報の登録処理の動作を表すフローチャートである。
【図3】実施の形態にかかる経路情報サーバ300が実行する経路情報の作成・送信処理の動作を表すフローチャートである。
【図4】経路情報表示端末200の表示部230が表示装置に表示する経路情報の表示例である。
【図5】実施の形態における経路情報システム100の外観の一例を示す図である。
【図6】実施の形態における経路情報表示端末200と経路情報サーバ300とのハードウェア資源の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
100 経路情報システム、200 経路情報表示端末、210 端末位置情報処理部、220 入力部、221 経路情報入力処理部、222 入力経路情報送信部、230 表示部、231 地図情報・経路情報表示処理部、232 経路情報受信部、233 地図情報受信部、300 経路情報サーバ、310 地図情報記憶部、311 経路情報記憶部、320 情報送受信部、330 端末経路判断部、340 経路情報作成部、350 経路情報登録部、400 測位衛星、410 高精度測位サービスサーバ、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、908 マイク、909 スピーカー、910 データベース、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 ファクシミリ機、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路情報を受信する経路情報受信部と、
地図情報を受信する地図情報受信部と、
経路情報と地図情報とを関連付ける地図情報・経路情報表示処理部と、
経路情報と地図情報とを重畳表示する表示部と、
を備えることを特徴とする経路情報表示端末。
【請求項2】
経路情報サーバにネットワークを介して接続される上記経路情報表示端末は、さらに、
観光スポットの位置情報を入力する入力部と、
観光スポットの位置情報に当該観光スポットの識別子と入力順とを付加する経路情報入力処理部と、
観光スポットの識別子と入力順とを付加した観光スポットの位置情報を送信する入力経路情報送信部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の経路情報表示端末。
【請求項3】
上記経路情報表示端末の上記地図情報受信部が地図情報を受信し、
上記経路情報受信部が経路情報を受信し、
上記地図情報・経路情報表示処理部で経路情報と地図情報との重畳表示を判断処理後、
上記表示部が観光スポットの種別毎の表示図形・記号を含む経路情報と地図情報とを重畳表示すること
を特徴とする請求項1乃至請求項2いずれかに記載の経路情報表示端末。
【請求項4】
経路情報表示端末にネットワークを介して接続される経路情報サーバであり、
地図情報を記憶する地図情報記憶部と、
経路情報を記憶する経路情報記憶部と、
地図上の位置の履歴を求める端末経路判断部と、
経路情報を作成する経路情報作成部と、
経路情報表示端末の位置情報及び経路情報を受信し経路情報を送信する情報送受信部と
を備えることを特徴とする経路情報サーバ。
【請求項5】
上記端末経路判断部は、経路情報表示端末の現在位置と経路情報表示端末の位置履歴と地図上の位置情報とを比較して経路情報表示端末の地図上の位置の履歴を求めることを特徴とする請求項4記載の経路情報サーバ。
【請求項6】
上記経路情報サーバは、さらに、
経路情報表示端末から受信した経路情報の各観光スポットの識別子及び順序を基に一連の観光スポットの経路情報を作成して経路情報記憶部に登録する経路情報登録部
を備えることを特徴とする請求項4乃至請求項5いずれかに記載の経路情報サーバ。
【請求項7】
上記経路情報登録部は、予め経路情報を経路情報記憶部に登録することを特徴とする請求項4乃至請求項6いずれかに記載の経路情報サーバ。
【請求項8】
上記経路情報作成部は、経路情報表示端末の地図上の位置の履歴と経路情報記憶部に登録された経路情報とを比較して上記履歴に該当する観光スポットを特定し、当該観光スポットの全部又は一部を含む経路情報を特定することを特徴とする請求項4乃至請求項7いずれかに記載の経路情報サーバ。
【請求項9】
上記経路情報作成部は、経路情報に観光スポットの種別毎に表示する図形・記号の情報を付加することを特徴とする請求項4乃至請求項8いずれかに記載の経路情報サーバ。
【請求項10】
経路情報表示端末と経路情報サーバとがネットワークを介して接続される経路情報システムであり、
上記経路情報表示端末は、
観光スポットの位置情報を入力する入力部と、
観光スポットの位置情報に当該観光スポットの識別子と入力順とを付加する経路情報入力処理部と、
観光スポットの識別子と入力順とを付加した観光スポットの位置情報を送信する入力経路情報送信部と、
上記経路情報表示端末の位置を取得する端末位置情報処理部と、
経路情報を受信する経路情報受信部と、
地図情報を受信する地図情報受信部と、
経路情報と地図情報とを関連付ける地図情報・経路情報表示処理部と、
観光スポットの種別毎の表示図形・記号を含む経路情報と地図情報とを重畳表示する表示部と
を備え、
上記経路情報サーバは、
地図情報を記憶する地図情報記憶部と、
経路情報を記憶する経路情報記憶部と、
地図上の位置の履歴を求める端末経路判断部と、
経路情報を作成する経路情報作成部と、
上記経路情報表示端末の位置情報及び経路情報を受信し経路情報を送信する情報送受信部と
上記経路情報表示端末から受信した経路情報の各観光スポットの識別子及び順序を基に一連の観光スポットの経路情報を経路情報記憶部に登録する経路情報登録部と
を備え、
上記端末経路判断部は上記経路情報表示端末の現在位置と経路情報表示端末の位置履歴と地図上の位置情報とを比較して経路情報表示端末の地図上の位置の履歴を求め、
上記経路情報作成部は上記経路情報表示端末の地図上の位置の履歴と経路情報記憶部に登録された経路情報とを比較して上記履歴に該当する観光スポットと当該観光スポットの全部又は一部を含む経路情報とを特定し経路情報に観光スポットの種別毎に表示する図形・記号の情報を付加すること
を特徴とする経路情報システム。
【請求項11】
経路情報表示端末の位置情報を受信する端末位置情報受信ステップと、
経路情報表示端末の現在位置と経路情報表示端末の位置履歴と地図上の位置情報とを比較して経路情報表示端末の地図上の位置の履歴を求めて地図情報記憶部から経路情報表示端末の現在位置近傍の地図情報を取得する端末経路判断ステップと、
経路情報表示端末の地図上の位置の履歴と経路情報記憶部に登録された経路情報とを比較して上記履歴に該当する観光スポットを特定する経路情報作成ステップと、
経路情報を経路情報表示端末へ送信する経路情報送信ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする経路情報プログラム。
【請求項12】
上記経路情報作成ステップは、観光スポットの全部又は一部を含む経路情報を特定することをコンピュータに実行させることを特徴とする請求項11記載の経路情報プログラム。
【請求項13】
上記経路情報作成ステップは、経路情報に観光スポットの種別毎に表示する図形・記号の情報を付加することをコンピュータに実行させることを特徴とする請求項11乃至請求項12いずれかに記載の経路情報プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−271366(P2007−271366A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95263(P2006−95263)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】