自動順位付け多方向直列型処理装置
【課題】太陽電池製造システムに対する需要が増え続けるにつれ、直線システムのスループットの利点を得つつ、メインフレーム構成の柔軟性も提供する。
【解決手段】数枚の基板を同時に処理する装置及び方法が提供される。システムは、直線状でありつつ、処理を自律的に順位付けして基板を必要に応じて異なる方向に移動させる新規なアーキテクチャを採用している。システムは、数枚の基板を同時に移動させるが、従来技術とは異なりトレイを使用しない。
【解決手段】数枚の基板を同時に処理する装置及び方法が提供される。システムは、直線状でありつつ、処理を自律的に順位付けして基板を必要に応じて異なる方向に移動させる新規なアーキテクチャを採用している。システムは、数枚の基板を同時に移動させるが、従来技術とは異なりトレイを使用しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体、太陽電池、及びその他の用途用のシリコン・ウェーハ等の基板をクリーンな環境で処理するためのシステム構成、装置、及び方法に関する。クリーンな環境は、真空又は大気圧下であってよい。システムは、LCDや太陽電池(solar applications)用のガラス、薄膜太陽電池用のステンレス鋼等、その他の基板にも使用することができる。
【背景技術】
【0002】
太陽光(PV)電池産業は、おおまかに2つに区分することができる。薄膜型のPV電池と、シリコン・ウェーハ型のPV電池である。近年のソーラー・パネルに対する需要の急増により、シリコン・ウェーハ型と薄膜型の両方において多様な太陽電池を高い生産高で製造することを可能にするべく、多様なシステムが現在開発されている。
【0003】
半導体ウェーハを製造する最先端のシステムは、一般的に、いくつかの処理チャンバが周囲に取り付けられたメインフレームを使用する。メインフレームは、真空下に維持され、ロボットアームを収容している。アームは、各ウェーハを各処理チャンバに出し入れし、ロードロックを介してメインフレームから搬出する。フラット・パネル・ディスプレイ用のパネルの製造にも同様の構成が利用されてきた。ただし、フラット・パネル・ディスプレイ基板用のメインフレーム及び処理チャンバはずっと大型である。近年、このようなフラット・パネル製造システムが薄膜太陽電池の製造用に改良されているが、成功例は限られている。薄膜用に開発されている別のシステムは、roll‐to‐rollシステムであり、フレキシブル基板が一方のロールから供給され、製造システム内を通され、他方の側で巻き取りロールに回収される。
【0004】
システム構成の別の型は、直線搬送システムである。薄膜用では、これらのシステムは、一般的に、大きいガラス基板を、透明ガラスとして一端においてシステムに搬入し、製造された太陽電池として他端においてシステムから搬出するように、ローラーに載せて直線状に移動させる。他方、シリコン型の製造では、直線システムは、多数のシリコン・ウェーハを載せたトレイを移動させる。トレイは、チャンバからチャンバへと直線状に移動し、各チャンバ内では、単一のトレイ上で多数の、たとえば、各々125mm×125mmの64枚のシリコン・ウェーハが同時に処理される。トレイは、システムの一方の側から入り他方の側から出るが、その後、たとえば、一連の製造チャンバの下に配置される搬送システムを使用して入口側に戻される必要がある。
【0005】
メインフレーム構成の利点の一つは、一つのチャンバが誤動作しているとき、もしくは停止させる必要があるとき、システムは残りのチャンバを使用して動作し続けることができることである。さらに、システムはモジュール式であり、ユーザはスループット要件やその他の考慮事項に従っていかなる個数の処理チャンバを使用してもシステムを稼働させ得る。反対に、直線構成では、チャンバの一つが故障すると、全システムが停止し使用することが不可能となる。さらに、直線システムはモジュール式ではなく、一度システムを構築すると処理チャンバの個数を容易には変更できない。
【0006】
直線システムの利点の一つは、高スループットで基板を処理することができることである。つまり、基板は一つの処理チャンバから次へと直接的に移動し、処理間でのメインフレーム・ロボットによる取り扱いによるオーバーヘッドが発生しない。反対に、メインフレーム構成では、一つのチャンバで処理が終了するたびに基板をロボットアームにより拾い上げて別のチャンバに移動させる必要があり、搬送オーバーヘッドが付加されてスループットを低下させることとなる。また、トレイなしでウェーハを移動させるシステムでは、ウェーハが損傷すると、清掃・復旧のために全システムを停止させなければならないおそれがある。トレイを使用するシステムは、トレイが破断したウェーハを保持して破片をシステムから運び出すことができれば、この問題を回避し得る。
【0007】
太陽電池製造システムに対する需要が増え続けるにつれ、直線システムのスループットの利点を得つつ、メインフレーム構成の柔軟性も提供することが可能な構成に対する要請が発生している。
【発明の開示】
【0008】
本発明の多様な実施形態は、様々なサイズのシリコン・ウェーハを処理して高スループットを達成することが可能な独自の直線システム・アーキテクチャを提供する。システムの多様な実施形態は、高い精度かつスループットで数枚の基板を同時に処理し、破損した基板の検出と復旧とを可能にする装置及び方法を提供する。システムは、直線状でありつつ、処理を自律的に順位付けして基板を必要に応じて異なる方向に移動させる新規なアーキテクチャを採用している。システムは、数枚の基板を同時に移動させるが、従来技術とは異なりトレイを使用しない。さらに、システムは、様々な材質の大型基板を個別に処理するために使用されることも可能である。
【0009】
本発明の多様な実施形態によると、ウェーハの一面もしくは両面を処理するべく使用され得る直線型システムが提供される。システムは、ウェーハの一面を処理し、ウェーハを反転させて他面を処理することが可能であり、ウェーハの各面に類似の又は異なる処理法を使用することができる。
【0010】
本発明の多様な実施形態によると、システムの両側もしくは片側からウェーハをフィードされ得る直線アーキテクチャが提供される。システムは、ウェーハが片側もしくは両側からフィードされるかに無関係に稼働し続けてウェーハを処理するべく、処理とウェーハ搬送とを自律的に順位付けする。
【0011】
本発明の実施形態によると、両側積み込み型(dual−load)処理システムの自動順位付け操作用のコントローラで実施されるコンピュータ化された方法が提供される。真空処理システムは、2つの積み込みポートを有する真空処理チャンバと、2つのロードロック・チャンバとを含み、各ロードロック・チャンバは真空弁を介して2つのポートの一方にそれぞれ結合される。方法は以下のように進行する。新しいワークピースがロードロック・チャンバの一方に導入されたとき、当該ロードロック・チャンバで真空を開始し、ロードロック・チャンバの一方で所望の真空レベルが達成されたとき、当該ロードロック・チャンバでワークピース交換の準備が整ったことを示すレディ 信号をコントローラに送信し、真空処理チャンバで処理が終了したとき、どちらのロードロック・チャンバがレディ信号を送信したかをコントローラに判定させ、当該ロードロック・チャンバでワークピース交換を開始する。ここで、ワークピースは、フラット・パネル・ディスプレイもしくはソーラー・パネルを製造するためのガラス基板等の1枚の大型基板、シリコン・ウェーハ等の複数の基板を保持するトレイ、又はシリコン・ウェーハ等の複数の基板を保持するハンガーを意味する。
【0012】
本発明のその他の観点や特徴は、本明細書に記載され、添付の特許請求の範囲において請求される本発明の範囲及び趣旨に含まれる多様な実施形態についての記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るシステム・アーキテクチャの主要な要素を示す概要図であり、2方向の基板フローを示している。
【図2A】本発明の実施形態に係るシステム・アーキテクチャの主要な要素を示す概要図であり、帰還経路の基板フローを示している。
【図2B】本発明の実施形態に係るシステム・アーキテクチャの主要な要素を示す概要図であり、基板反転機能を持つ帰還経路の基板フローを示している。
【図3】本発明の自動順位付け特性を示す簡略な処理フローを示すフロー・チャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図18】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図19】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図21】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図22】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図23】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図24】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図25】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図26】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図27】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図28】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図29】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図30】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図31】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図32】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図33】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図34】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図35】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図36】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図37】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図38】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図39】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図40】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図41】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図42】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図43】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図44】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図45】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図46】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図47】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図48】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図49】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図50】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図51】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図52】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図53】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図54】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図55】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図56】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図57】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図58】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図59】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図60】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図61】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図62】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図63】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図64】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図65】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図66】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図67】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図68】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図69】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図70】本発明の実施形態に係る下方ハンガーの上面図を示す。
【図71】本発明の実施形態に係る上方ハンガーを示す。
【図72】本発明の実施形態に係る上方ハンガーの詳細を示す。
【図73】本発明の実施形態に係るサセプタ取り出し特性を示す。
【図74】本発明の実施形態に係る上方および下方ハンガーを有するロードロック・アセンブリを示す図である。
【図75】本発明の実施形態に係る基板反転アセンブリの実施形態を示す。
【図76】本発明の実施形態に係る基板反転アセンブリの実施形態を示す。
【図77】本発明の実施形態に係る基板反転アセンブリの実施形態を示す。
【図78】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図79】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図80】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図81】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図82】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図83】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図84】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図85】様々なサセプタ・ロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図86】様々なサセプタ・ロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図87】処理チャンバの断面を示しており、本発明の実施形態に係る整列特性を示している。
【図88】本発明に係るサセプタの実施形態を示す。
【図89】本発明の多様な実施形態のロード・チャンバで使用することができるトレイを示す。
【図90】処理チャンバ内でのウェーハの破損を検出可能にする本発明の別の特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、図面に例示される本発明の特定的実施形態を参照して本明細書に記載される。しかし、図面に示される多様な実施形態は単なる例示であり、添付の特許請求の範囲に定義される本発明を限定するものではないことは理解されるべきである。
本発明の多様な実施形態は、たとえば半導体集積回路、太陽電池、フラット・パネル・ディスプレイ、LED、及びその他の用途用の基板を製造する装置及び方法を提供する。システム構成は、シリコン基板型の太陽電池の製造に特に有益であり、したがって例示としては、この用途に関連して記載される。システムは、自律的に基板の搬送及び製造を順位付け、システムへのフィードに柔軟性を提供する。この特性を、まず図1−図3を参照して一般的条件において説明する。その後により詳細な説明をする。
【0015】
図1では、単一の処理チャンバ100が直線システムの中央に配置されている。この実施形態では、処理チャンバは、たとえばPECVD処理チャンバ等のプラズマ処理チャンバである。真空弁102、104が、一つずつ、チャンバ100の各側に設けられている。ロードロック・チャンバ110がチャンバ100の一方の側に設けられ、類似のロードロック・チャンバ115がチャンバ100の他方の側に設けられている。真空弁112がロードロック110の入口に設けられ、類似の弁114がロードロック・チャンバ115の入口側に設けられている。ロード・チャンバ120がロードロック・チャンバ110の入口側に設けられ、ロード・チャンバ125がロードロック・チャンバ115の入口側に設けられている。Lで表される矢印はシステムの左側からフィードされるウェーハの流れを示し、Rで表される矢印はシステムの右側からフィードされるウェーハの流れを示す。
【0016】
図1に示されるウェーハの流れについて、システムの右側から搭載されるウェーハから始めてより詳細に記載する。基板を載せたトレイがロード・チャンバ120に搭載される。トレイは、二次元アレイ状に配置された例えば64枚の基板を運搬することができる。ロード・チャンバ120では、ウェーハはトレイから取り出され、ウェーハ・ハンガー(図1では不図示であるが、後述される)に搭載される。ハンガーはロードロック・チャンバ110に移動され、次に弁112が閉じられる。次に、ロードロック・チャンバ110に真空が引き込まれる。正しい真空レベルに達すると、弁102が開かれ、ウェーハ・ハンガーは処理チャンバ100に移動し、そこではウェーハはウェーハ・ハンガーから取り出されサセプタに載置される。次に、ウェーハ・ハンガーは処理チャンバ100から取り出されてロードロック・チャンバ110に戻され、弁102が閉じられる。次に、処理チャンバが活性化され、チャンバ内の基板が処理される。
【0017】
一方、上記の処理と並行して、上記のようにハンガーに搭載される新しい基板を満載したウェーハ・ハンガーがロード・チャンバ125からロードロック115に搬送され、ロードロック115に真空が引き込まれる。ロードロック115も(同じくロードロック110も)、ウェーハ・ハンガーを有している。そのウェーハ・ハンガーは空であり、別の水平面に配置されている。これにより、上方及び下方のウェーハ・ハンガーが構成される。
チャンバ100での処理が終了すると、弁104が開かれ両方のウェーハ・ハンガーがロードロック115からチャンバ100に移動される。下方ハンガーは処理済みの基板を回収するべくロードロック115からチャンバ100に移動され、上方ハンガーはチャンバ100で処理されるべく新しい基板を載置するためにロードロック・チャンバ115からチャンバ100に移動される。両方のハンガーがロードロック115に戻されると、弁104が閉じられ、チャンバ100が活性化されて新しいウェーハが処理され、ロードロック115は大気圧へと通気される。次に、弁114が開かれ、上方ハンガーがロード・チャンバ125に移動されて上方ハンガーに新たな基板が搭載され、次に下方ハンガーがロード・チャンバ125に移動されて処理済み基板が取り出される。上方及び下方ハンガーの役割を交互させてもよく、下方ハンガーを新しい基板に使用し、上方ハンガーを処理済み基板に使用してもよいことに注意されたい。しかし、記載された構成によってより優れたシステム・スループットが提供される。
【0018】
理解され得るように、システムに右側から搭載された基板は、システムからその左側において取り出され、したがって直線状に動作する。反対に、左側から搭載された基板は右側から取り出され、これらの基板も同じく直線状に動作する。したがって、開示されるシステムは、実質的に、双方向直線システムである。この構成は処理チャンバの完全利用を可能にし、したがってウェーハを搭載して取り出す仕組みは、メインフレーム・システムにおいてとは異なり制限的な要因ではない。さらに、後述するように、上方及び下方ハンガーの全ての動作の間、センサーが設けられて各基板位置での基板の有無が特定され、各ハンガーの移動及び位置が特定されて、システムの動作が自律的に維持されることが可能となっている。
【0019】
図1は両側からフィードされるシステムの動作を示しているが、システムは一方の側からのみフィードされて動作することも可能である。たとえば、ロードロック110、弁112、及びロード・チャンバ120無しでシステムを購入することが可能である。反対に、ロードロック110、弁112、及びロード・チャンバ120のいずれかの修理が必要であるか、システムの右側がなんらかの理由により遊休状態に置かれていることもあり得る。後述するように、システムは、右側に基板が搭載されていないことを自動的に検出し、自律的に図2Aに示される方法で動作する。つまり、基板を搬送するトレイはロード・チャンバ125に積み込まれる。ロード・チャンバ125では、ウェーハはトレイから取り出され、上方ハンガーに搭載される。ハンガーはロードロック・チャンバ115に移動され、次に弁114が閉じられる。ロードロック・チャンバ115及び処理チャンバ100に真空が引き込まれる。弁104が開き、次に上方ハンガーが処理チャンバ100に移動し、そこではウェーハが上方ハンガーから取り出されてサセプタに載置される。次に上方ハンガーが処理チャンバ100から取り出され、弁104が閉じられる。次に処理チャンバが活性化され、チャンバ内の基板が処理される。処理が終了すると、弁104が開く。後述するように、ロードロック115には処理対象の基板が既に搭載されている上方ハンガーが存在する。そこには空である下方ハンガーも存在する。下方ハンガーは処理済み基板を回収するべくロードロック115からチャンバ100に移動され、上方ハンガーはチャンバ100で処理されるべく基板を載置するためにロードロック115からチャンバ100に移動される。両方のハンガーがロードロック115に戻されると、弁104が閉じられ、チャンバ100に処理のためが活性化され、ロードロック115は大気圧へと通気される。弁114が開かれ、両方のハンガーがロード・チャンバ125に取り出されて、処理済み基板が下方ハンガーから取り出され、新しい基板が上方ハンガーに搭載される。理解され得るように、この例では、左側からシステムに搭載された基板は、同じく左側においてシステムから取り出され、したがって直線状の帰還経路にしたがって動作する。
【0020】
理解され得るように、図1及び図2Aに示される例では、基板は一面側のみが処理される。図2Bは、基板の両面を処理するべくシステムが使用される例を示す。図2Bのシステムは、ロード・チャンバの一つ、ここではロード・チャンバ120がウェーハ反転機構を搭載されて反転チャンバ130を構成する点以外は図1及び図2Aのものと類似している。反転チャンバ130は、大気圧ベースもしくは真空ベースでとすることができる。このシステムにおいて、基板を運ぶトレイがロード・チャンバ125に搭載される。ロード・チャンバ125では、ウェーハはトレイから取り出されて上方ハンガーに積み込まれる。上方ハンガーはロードロック・チャンバ115に移動され、次に弁114が閉じられる。次に、ロードロック・チャンバ115及び処理チャンバ100に真空が引き込まれる。弁104が開き、次に上方ハンガーが処理チャンバ100に移動し、そこでは、ウェーハが上方ハンガーから取り出されサセプタに載置される。次に上方ハンガーが処理チャンバ100から取り出され、弁104が閉じられる。次に、処理チャンバが活性化され、チャンバ内の基板が処理される。処理が終了すると、弁102が開かれる。後述するように、ロードロック110は予め真空までポンピングされており、上方ハンガーに反転された処理対象の基板が既に積み込まれている。ロードロック110には、空である下方ハンガーも存在する。下方ハンガーが処理済みの基板を回収するべくロードロック110からチャンバ100に移動され、上方ハンガーがチャンバ100で処理されるべく反転された基板をチャンバ100に載置するため、ロードロック・チャンバ110からチャンバ100に移動される。両方のハンガーがロードロック110に戻されると、弁102が閉じられ、処理のためにチャンバ100が活性化され、ロードロック110は大気圧へと通気される。弁112が開かれ、両方のハンガーが反転チャンバ130に取り出される。処理済みの基板は下方ハンガーから取り出され、反転され、上方ハンガーに(反転されて)再搭載される。次のサイクルでは、上方ハンガーが処理チャンバ100に移動され、基板の他方の面が処理される。次に、基板はロード・チャンバ125においてシステムの左側から取り出される。理解され得るように、この例では、左側からシステムに搭載された基板は、同じく左側においてシステムから取り出され、したがって直線の帰還経路にしたがって動作する。
【0021】
図1−図3の実施形態及び本明細書に記載されるその他の実施形態の有益な特性の一つは、システムがその動作を自動的に順位付けることである。この特性は、以下の記載から理解することができる。図1を参照すると、コントローラ140はシステムの多様な要素と通信して動作させる。しかし、従来システムのコントローラと異なり、コントローラ140は全処理フローを制御するにおいて処理システムの手順をプログラムされる必要はない。むしろ、本発明の特性によると、各段階がその役割を遂行し、タスクの終了をコントローラに伝達する。次にコントローラは次のタスクを実行するためのコマンドを送信する。たとえば、ロード・チャンバ120が処理のために基板を送り込む態勢が整ったことをコントローラに伝達すると、コントローラ140は弁112を開き、移動機構に対し、上方ハンガーをロード・チャンバ120からロードロック110に移動させるように指示する。これは、状態や、システムのその他の部分により実行されるその他の動作とは無関係に実行されることができる。ハンガーがロードロック110内にあるとき、コントローラは弁112を閉じ、ロードロック110を真空圧力までポンピングする。次に、チャンバ110が新しい基板をチャンバ100に移送して処理済みの基板を取り出す準備が整ったことをコントローラ140に示すと、コントローラ140は弁102を開いて基板の交換を可能にする。
【0022】
図1の実施形態を参照して、新しい基板がロード・チャンバ120と125の両方に積み込まれた場合、どちらの基板が先に処理されるかは、ロードロック・チャンバ110と115のどちらが先に、自身は大気圧下にあり処理済みの基板を新しい基板と交換する準備が整っている旨のメッセージをコントローラに送信したかにより決定される。コントローラ140は、どちらのロード・チャンバが稼働されて基板を積み込まれているかを感知しない。コントローラが知る必要があるのは、どちらのロードロックが基板を交換する準備が整っているかだけである。したがって、図2Aを参照して、右側が非常に低速で積み込まれ、ロードロック115が先に準備が整った場合、処理済みの基板がどちらから来たのかとは無関係に、基板の交換はロードロック115で実行される。さらに、右側がメンテナンスのために停止されていたり、さらにはシステムから取り外されている場合に、コントローラ140はそのことを完全に感知の対象外とし得る。コントローラ140は、単にロードロック115のみからレディ信号を受け取り、したがって、左側から来た基板のみを処理するべく自動的に順位付ける。
【0023】
本発明の自動順位付け特性を例示するべく図3Aにいくらか単純化した処理フローが示される。しかし、より詳細な処理例は以下に提供される。ステップ300は、チャンバが内部のウェーハの処理を完了したことをコントローラが特定するまで繰り返される。その時点でコントローラは、ロードロックAとロードロックBのどちらがレディ状態にあるか、つまりポンプダウンされて新しいウェーハを移送する準備ができているかを確認する。ロードロックAがレディ状態にある場合、ステップ315でコントローラは、チャンバをロードロックAから分離している真空弁の開放を指示する。次にステップ320でコントローラは、ロードロックAからチャンバに上方ハンガーと下方ハンガーを駆動するべく駆動機構を稼働させる。ステップ325でシステムはウェーハの交換を実行し、ステップ330でプロセッサはハンガーをチャンバから出すよう駆動する。一実施形態によると、ウェーハの交換とハンガーをチャンバから出すように駆動することは以下の通りに実行される。まず、処理済みウェーハがサセプタから降ろされて下方ハンガーに置かれ、次に下方ハンガーがチャンバから出てロードロックに戻るよう駆動される。次に新しいウェーハが上方ハンガーから降ろされてサセプタに載置され、次にコントローラが再び駆動機構を稼働させて上方ハンガーがチャンバから出るように駆動する。ステップ335でコントローラは、処理チャンバでウェーハの処理を開始する。ステップ310でロードロックBがロードロックAより先にレディ状態になった場合にも、全く同じ処理が実行される。したがって、コントローラは予めプログラムされた処理手順を必要としない。ロードロックAから積み込まれたウェーハが処理された後、ロードロックAがレディ状態にあれば、それらはロードロックAに、つまりそれらの積み込み元に積み出される。他方、ロードロックBがレディ状態にあれば、それらはロードロックBを介して、つまりそれらの積み込み元とは反対の方向に積み出される。
【0024】
以下において、本発明の実施形態の自動順位付け特性を、システムの多様な特性をさらに記載しつつさらに説明する。以下の記載はシステムが両側において完全に稼働される場合について提示されるが、片側のみ稼働される場合についても同じ処理が実施されることができることは理解されるべきである。
【0025】
図4では、同じく処理チャンバ400が中央に示されており、左側と右側にはロード・チャンバ及びロードロックが示されている。ロード・チャンバ420、425ではウェーハがトレイに載置され、ロードロック410、415では上方ハンガー416、418及び下方ハンガー417、419が「駐車」されている。これがシステムの開始時点での状態であり、以下に続く処理手順の記載から明らかになるであろうが、一旦システムが稼働されると、システム内には常にウェーハが存在し、処理チャンバ内で処理されている。これにより、処理チャンバがその最大処理能力まで利用され、メインフレーム構成でのようにウェーハが積み込まれている間は遊休状態に置かれる、ということがないことが保証される。
【0026】
本実施形態の一特性が、ハンガー416−419を移動及び/又は案内するローラーのシェーディングにより示されている。図4では、太線のシェーディングで示されるローラーは、電動ローラー、つまり、たとえば直接駆動式、チェーン式、ベルト式等のモータに接続されたローラーである。一実施形態によると、同じ高さにある全ての電動ローラーは同時に動力を与えられる。例えば、これは、単一のモータを使用し、同じ高さにある電動ローラーの全てをリンク、ベルト、チェーン等を介して駆動することにより達成されることができる。このような構成では、全システムがモータを2つだけ使用して電動化される(例えば図9参照)。他方、2つの同心円として示されるローラーは、遊動ローラーでありモータに接続されていない。理解され得るように、処理チャンバ400内には電動ローラーは設けられていない。これは、プラズマ・チャンバ400内での汚染や激しく動作し高温となる位置での機構の損傷の可能性を回避するためである。以下にさらに詳述するが、この特性は、各ハンガーに延長部413を設けることにより可能となる。
【0027】
図4に、別の特性がカメラ442、444として示される。この実施形態では、直線カメラ・アレイ442、444がロードロック・チャンバにそれぞれ設けられ、ハンガー上の各ウェーハ位置でのウェーハの存在及び状態を確認する。ここではカメラとして記載されるが、スルービーム・センサーを使用することも可能である。後述するが、ハンガーはハンガーが特定の位置にあるときにカメラを動作させるトリガーを有しており、ハンガーが一列のウェーハを直線カメラ・アレイに晒す位置付けとなるたびに画像が撮像される。二次元カメラ・アレイを使用してハンガー全体を撮像してもよいが、それにはより多くの要素や光学機器が必要となる。したがって、この実施形態では直線アレイが使用され、ハンガーからのトリガー稼働にしたがって一度につき一列のみが撮像される。以下にさらに説明されるように、画像はハンガー上の各ウェーハの存在及び状態を確認するべく処理される。
【0028】
処理チャンバ400には、リフト機構406と、処理中に基板を支持する設計の加熱された処理サセプタ408とが取り付けられている。リフト機構406は、ハンガー及びサセプタ408に対してウェーハを積み下ろしするよう設計されている。リフト機構426がロード・チャンバ425内に設けられており、トレイにウェーハを積み下ろしするべくトレイ402を昇降させる。類似の構成がロード・チャンバ420に設けられている。図4に示される特定の状況では、真空ドア414、412が開かれて示されており、ロード・チャンバ及びロードロックの大気圧を均一にしてウェーハの移送を容易にしている。他方、真空ドア401、404は閉じられており、処理チャンバ400は大気圧から隔離されている。
【0029】
図5で、トレイにウェーハが載置された後、リフト機構によってトレイがロード・チャンバ内の上方交換と呼ばれる位置に下降される。図6でリフト機構がトレイから基板を上昇させ、図7で上方ハンガーがロード・チャンバに移送され、図8でリフト機構が下降されて基板がハンガーに載置される。図9で上方ハンガーがロードロックに戻り、図10でロード・チャンバとロードロックとの間の弁が閉じられる。次に、図11に示されるように、リフト機構によりトレイを上昇させてさらに基板を受け取ることができる。
【0030】
理解され得るように、処理システムの全体にわたってトレイを移動させる従来の直線システムとは異なり、本実施形態では基板はトレイから取り出され、処理チャンバへと搬入されるべくハンガーに載置される。トレイは基板をロード・チャンバに導入するべく使用されるだけであり、システム内へと基板を載せて移動することはない。このようにすると、トレイは処理チャンバ内で生じる汚染や損傷を被るおそれなく再使用されることができる。また、基板を搬送するトレイを使用するシステムでは、トレイの加熱冷却の問題がある。つまり、基板の加熱を必要とする処理では、トレイも加熱される必要があり、その質量のためにより多くのエネルギーが必要になる。そして、処理の後でトレイは冷却される必要があり、特別な冷却ステーションもしくはチャンバが必要となる場合もある。ここでは基板はトレイ無しで処理されるため、この問題は回避される。最も重要なことであるが、トレイを処理チャンバに移動させる従来の直線システムでは、状態、製造、及び予めの載置(previous depositions)の全てが処理性能を変化させ得るので、本実施形態で処理チャンバでのトレイの使用を排除することにより、より安定的で再現可能な処理性能と生産量とが提供される。
【0031】
ポンプダウン動作に対する準備が整ったことをコントローラに最初に示したロードロックが真空状態にポンピングされる。この実施形態では、単一のポンプが使用され、コントローラは導管システムの弁を操作してどちらのロードロックがポンピングされるかを制御する。図12では、右側のロードロックが最初であり、ポンピングされている。同時に、両側のトレイに新しい基板を搭載してもよい。右側のロードロックで真空レベルに到達すると、図13に示されるようにチャンバに通じるゲートもしくは真空ドア402が開かれる。また、左側のロードロックは、この時点でポンピング可能となる。しかし、ポンプを2つ使用すれば、両方のロードロックを同時にポンピングすることが可能であることに注意すべきである。本実施形態の双方向構成では、真空ポンプを1つだけ使用して両方のロードロックに用いることによってツールの完全出力を実現することができる。
【0032】
図14で上方ハンガーが処理チャンバに移動され、図15でチャンバ内のサセプタ408が、図16に示されるようにその上方ロード位置にリフト406によって上昇される。これは本発明の別の有益な特性であり、サセプタ408をその台座(不図示)から上昇させることができる。台座は加熱要素及びサセプタ接地ハードウェアを保持しており、必要に応じてサセプタを修理のためにハンガーにより処理チャンバの外へと出すことができる。図17では、基板をハンガー418から取り出すべくリフト・ピン409が上昇され、図18で上方ハンガー418がロードロック410に戻される。図19で上方ハンガー418はロードロック410内にあり、真空弁402が閉じられる。以下の記載から理解され得るように、右側のロードロック410からハンガー418により基板がチャンバ400にフィードされるが、ハンガー418はロードロック410に戻り、基板は左側のロードロック415を介してチャンバ400から取り出される。
【0033】
図20でロードロック410は通気され、処理チャンバ400は処理圧力に調節される。また、基板をサセプタ408に載置するべくリフト・ピン409が下降される。図21でサセプタ408はその処理位置へとさらに上昇されている。図22で処理が処理チャンバ400で実行され、その間、右側のロード・チャンバのトレイがロード・チャンバ内に下降される。この時点で、図23に示されるように、新しい基板を上方ハンガー及びロードロックに導入する処理が進行可能となっている。
【0034】
一方、処理が完了すると図24及び図25に示されるように、サセプタがアンロード位置に移動され、チャンバがその基準圧力へとポンピングされる。図26で左側のロードロックがポンプダウンされ、チャンバ内のリフト・ピンが基板をサセプタから取り除くべく上昇される。図27でチャンバの左側の弁が開かれ、図28及び図29で上方ハンガーと下方ハンガーの両方が処理チャンバに移動する。図30でリフト・ピンが処理済み基板を下方ハンガーに載置するべく下降され、図31で下方ハンガーがチャンバからロードロックに戻される。理解され得るように、この例ではシステムの左側に取り出された処理済み基板は、実際にはシステムに右側から積み込まれたものである。
【0035】
その後、図32−図34でサセプタがロード位置に移動され、リフト・ピンを使用して新しい基板が上方のトレイから取り出されサセプタに載置される。その後、図35−図50で新しくロードされた基板を処理し、処理された基板をシステムから取り出し、新たな基板をシステムの左側における上方ハンガーに搭載するように手順が継続する。処理が終了すると、処理済みの基板を今回はシステムの右側に積み出すように処理が進行する(前述したように、これらの基板はシステムの左側から積み込まれたものである)。図51−図69参照。
【0036】
ここからは、システムの利点及び多用途性を補強するシステムの多様な要素及び特性について記載する。図70は、本発明の実施形態に係る下方ハンガー500の上面図を示す。この点に関して、ここでは下方及び上方ハンガーは一つの特定的な実施形態として記載されるが、それらの役割は取り替えられてよく、新しいウェーハを下方ハンガーから積み込み、処理済みウェーハを上方ハンガーにより取り出すようにシステムは設計され得ることは理解されるべきである。ハンガーは一般的に、駆動レール505、510と、基板を保持するためのプレート/構造体515を有する。
【0037】
図70に示されるように、下方ハンガー500のプレート/構造体515には、孔もしくは窓520が、各基板位置当たり1つの窓520ずつ配置されている。このようにされているのは、光学システムによって基板が各位置に置かれているかを判定し、基板の喪失もしくは損傷を特定するのを可能にするためである。また、拡大された吹き出しには、センサー窓が、駆動レール及びセンサー・タイミング用のトリガーとともに示されている。トリガーによりシステム内でのハンガーの位置の判定が可能になる。トリガー522は駆動制御用に存在し、レール510に形成された孔の形態を有している。トリガー524は、各行の基板当たり1つずつレール510に設けられており、システムは各行の基板の位置のタイミングを知ることが可能となっている。例えば、トリガー524の1つから信号を検出するたびにシステムは、光学式基板検出システムを作動させて当該行の全ての位置にウェーハがあるかを確認する(図4参照)。さらに、終点トリガー526が設けられており、ハンガー・レールの終点位置を示している。システムのコントローラは、システムの温度測定を行いその熱膨張を計算する。熱膨張は5mm以上に達し得る。この計算と終点トリガーを使用して、コントローラは各位置でトレイをどの程度移動させるかを決定する。
【0038】
図71は、上方搬送キャリア・アセンブリとも呼ばれる上方ハンガーを示す。上方ハンガーは下方ハンガーとは異なっており、上方ハンガーは基板をサセプタに整列させるための設備を有している。図71に示されるように、上方ハンガーは、2つの静止部600、610、及びレール615と625との間に配置された1つの「浮遊」トレイ/構造体605を有する。上方ハンガーは、光学システムにより各位置に基板が存在するかを検知するための窓630も有する。吹き出しには、断面の詳細が示されており、上昇された位置にある浮遊トレイ605と、ウェーハ・ネスト635とが示されている。ウェーハ・ネストは各ウェーハを定位置に整列させて保持し、上方のトレイがサセプタに対して整列されたとき、各ウェーハがサセプタ上で定位置に整列されるようになっている。ハンガー整列装置645を使用して上方ハンガー全体が定位置に整列される。
【0039】
図72は上方ハンガーの詳細を示しており、整列させるために使用される特性を示している。図72では、ハンガー整列オリフィス740がハンガー整列ピン745と合致して、上方ハンガーの浮遊トレイ705をサセプタ750に整列させるようになっている。これにより、トレイ搬送機構の公差(tolerance)を減少させることができる。搬送機構はオリフィス740が整列ピンに届く範囲にトレイを運ぶだけでよく、サセプタが上昇されたときにピンがオリフィスをとらえ、浮遊トレイ705がサセプタに整列されるようにオリフィスをセンタリング(center)する。また、基板ネスト730が設けられており、各基板を上方ハンガーの浮遊部内に正確に位置付ける。図72には、サセプタ750をヒータ760に整列させるのに使用されるサセプタ整列ピン755も示されている。このようにすれば、ヒータ、サセプタ、及びトレイの全3要素が互いに「自動整列」される。したがって、ウェーハがトレイから取り出されてサセプタに載置されたとき、それらは全て正確な位置に整列される。
【0040】
図73は、処理チャンバ内からサセプタを取り出して交換するための、本発明の別の特性を示している。特筆すべきことに、従来技術ではチャンバの蓋を開いて手作業でサセプタを取り出す以外にチャンバからサセプタを取り出す手立てがなかった。この方法では、システムをオフラインにし室温まで冷却して開くことが必要となり、チャンバが大気に晒されるので「真空状態が破壊」され、また、サセプタを交換した後には、システムを再加熱して安定させ、真空圧力にポンピングすることも必要となる。反対に、本発明の特性によると、システムを冷却し、チャンバを開いてチャンバを大気に晒すことなしにサセプタを取り出すことが可能である。
【0041】
図73に示されるように、本実施形態では、ハンガーの一方、この例では下方ハンガー800が、サセプタを処理チャンバからロード・チャンバに取り出すための設備を有する。上記したように、ハンガー800は、各基板の正確な位置決めを保証する基板「ネスト」もしくは「台座」810を有する複数の基板フック805を有する(1枚の基板802が例示として破線で示されている)。ハンガー800はローラー820に乗っており、図4に関して説明されたように、ローラーのいくつかは動力を与えられ、いくつかは遊休状態に置かれる。ヒータ850は、図72に関して説明されたようにサセプタ及びハンガーを整列させるためのサセプタ整列ピン852とハンガー整列ピン854とを有する。ハンガー800は、サセプタ860を引っ掛けて搬送するためのサセプタ・フック840を有する。この動作では、下方ハンガー800が処理チャンバに導入され、次にヒータ850とサセプタ860とがサセプタ取り出し位置に移動され、そこでサセプタが下方ハンガー800に設けられたフック840に係合する。次にヒータ850が下降され、サセプタ860はフック840に吊るされたまま残される。その後、下方ハンガー800はロード・チャンバに返送され、サセプタを洗浄もしくは交換のために取り出すことが可能となる。洗浄されたサセプタもしくは新しいサセプタを下方ハンガーに載せることができ、下方ハンガーをチャンバに返送して新しいサセプタをヒータの上に載置することが可能となる。
【0042】
図74は、本発明の実施形態に係る、上方及び下方ハンガー905、907を有するロードロック・アセンブリを示す図である。ロードロック・アセンブリは、処理チャンバに接続する構造の開口902と、ロード・チャンバに接続する構造の開口904とを有するロードロック本体900を有する。真空ドア(不図示)によって開口902がチャンバから分離され、ドア932によって開口904がロード・チャンバから分離されており、ドア932はドライブ934により操作される。蓋906が本体900から取り外されて示されており、ロードロック・アセンブリの内部要素が見えるようになっている。下方ハンガー907は延長部909を有しており、上方ハンガー905の同様の延長部は、静止トレイ908により覆い隠されて見えなくなっている。駆動延長部によって、処理チャンバに能動的な駆動要素を設けることなく処理チャンバにハンガーを駆動して出し入れすることが可能となり、汚染を回避することができるようになる。つまり、駆動力は、駆動ローラー910(駆動アセンブリ930により駆動される)を延長部に係合させることによりロードロックから提供される。ハンガーの動きを同期させるために単一のモータが使用され、モータはチェーン及び/又は直接駆動により多様な駆動ローラーを駆動する。
【0043】
図74は、上方もしくは下方ハンガー上の各基板位置での基板の有無を検出するために使用される上方のセンサー・アレイ922及び下方のセンサー・アレイ924も示している。本実施形態では、直線状のセンサー・アレイが設けられており、図70に関して説明されたように、センサー・トリガーが検出されるたびにウェーハを検出するべく稼働される。
【0044】
図75−図77は、ここに開示されるシステムから独立して設けることが可能な基板反転アセンブリの実施形態を示す。図75−図77に示される実施形態では、反転アセンブリ1005は一方のロード・チャンバ1000を覆うように設けられている。図75では反転アセンブリ1005はハンガー無しで示されており、図76はシステムをハンガー1110と共に示している。図76は、ウェーハが反転装置を有するロード・チャンバに積み下ろしされる実施形態用のロード・トレイ1125も示している。この場合、反転機構1105がz駆動アセンブリ1130に接続されており、z駆動アセンブリ1130は、ロード・トレイ1125を導入する必要があるときに反転機構1105を上昇させ、反転動作を行うために反転機構1105を下降させる。z駆動アセンブリは図75の実施形態に設けられて「圧壊回避(crush avoidance)」機構として使用されることもできる。つまり、手順がなんらかの理由でコースから逸脱して反転が終了する前にポスト1010が上昇された場合、z駆動は反転機構を上昇させてポストと反転機構もしくはウェーハとの衝突を回避することができる。
【0045】
図75に戻り、リフト・ポスト1010は、ウェーハをハンガーから上昇させて反転機構の上に載置し、また反対に、ウェーハを反転装置から取り出してハンガーに載置するべく使用される。リフト・ポストはリフト機構1015により作動される。反転アセンブリ1005は、複数の個別ウェーハ・ホルダー1020を有し、各個別ウェーハ・ホルダーは真空を使用して一枚のウェーハを保持する。機械式クランプ等の、ウェーハを保持するためのその他の手段が設けられてもよい。図75に示されるように、空気圧がマニホールドに供給され、マニホールドは空気を各ポスト1010に送達する。各ポスト1010はオリフィス1025を有しており、オリフィス1025を通じて空気が流れ、ウェーハが反転ホルダー1020の真空から解放されるときにウェーハに対するクッションを形成する。このようにすると、ウェーハをポスト上に非常に丁寧に解放することができ、損傷を回避することができる。これは、ウェーハが反転された後、ポストを上昇させて空気クッションを作動させるように手順化することができる。その後、真空を解消してウェーハをクッションの上に落下させる。その後、ウェーハがポストの上に安定して乗るように、空気圧がオフになるまでゆっくりと下げられる。
【0046】
図77は、反転アセンブリ1200をより詳細に示している。反転アセンブリ1200は、数行の反転ピボット1210が回転可能に取り付けられているフレーム1205を有する。ピボットの全ては同期リンク1235に接続され、回転駆動装置1240により全てが一緒に回転されるようになっている。各ピボット1210には、いくつかの基板ホルダー1215が取り付けられており、各ホルダー1215は、ウェーハを正確に保持し整列させるための台座1220を有している。図77の詳細は、この場合は正方形もしくは長方形である基板ごとに設けられる台座1220を、基板の整列及び保持を支援する真空孔1225を有するネスト機構とともに示している。各基板ホルダーは、リフト・ポストへのアクセス口となり、基板ホルダーから基板を上昇させることを可能にするためのアクセス・ポートも有する。
【0047】
図78は、本発明の実施形態に係る処理チャンバ1300の部分断面図を示しており、シャワーヘッド・プレート1304、側壁1306、及び床1308を有するシャワーヘッド・アセンブリ1302を示している。基板1310を保持する上方ハンガー1305がチャンバ内のハンガー位置に示されている。例示目的においてウェーハ1310はハンガー1305上の利用可能な位置のうち2−3個にだけ示されているが、通常は利用可能位置の全てにウェーハが搭載されることは留意されたい。ウェーハは各吊り下げ位置の吊り下げポスト1344に設けられた整列ポケット1342内に据え付けられている。これにより、各ウェーハがハンガー上のウェーハ位置に正確に整列され据え付けられることが保証される。図78は、新しいウェーハが処理チャンバに運び込まれたばかりのときの位置、又は処理済みウェーハが処理チャンバから取り出されようとしているときの位置を示している。上記したように、ハンガー1305は遊動ローラー1315に乗っており、駆動ローラー(図78では不図示)に係合する延長部を使用して駆動される。サセプタ1320が台座1325の上に配置されており、台座1325は、本実施形態では、サセプタを、したがって基板を加熱するヒータを含む。サセプタは各ウェーハ位置に一つずつのポートと、各ポート内に一つずつ配置された平円盤1330とを有する。また、図78に示されるように、平円盤1330を使用して各基板を上昇させるべくリフト・ピン1335が配置されている。つまり、本実施形態では、リフト・ピン1335は基板に直接係合するのではなく、平円盤1330をサセプタから上昇させて基板に係合させる。リフト・ピン1335は、リフト機構1336によって一斉に作動される。本図及び後続の図では、2−3個のリフト・ピン1335のみが示されるが、実際には各ウェーハ位置にリフト・ピンが存在する。
【0048】
図79は、処理チャンバの断面図を示しており、上方ハンガーの吊り下げ延長部1442に接触するよう上昇されたサセプタ1420を示している。これは、新しいウェーハがハンガーからサセプタに移送されようとしているときの位置、又は処理済みウェーハがサセプタからハンガーにちょうど移送されたときの位置である。図示されるように、パッドもしくは平円盤1430がウェーハ1410の真下にある。
【0049】
図80では、上方ハンガーの浮遊部1540がサセプタ1520によってわずかに上昇され、上記のように整列ピンを使用してサセプタ1520に対して整列されている。その後サセプタ1520は図78に示される位置に戻され、図81に示されるようにリフト・ピン1635が上方位置に移動されてリフト・パッド1630を上昇させ、基板1610を上昇させる前に基板1610に接触させる。図82は、延長位置にあり、基板1710を上方ハンガー1740から離して上昇させているリフト・ピン1735を示している。その後、上方ハンガーは処理チャンバから取り出され、図83に示されるようにサセプタ1820が上方処理位置に上昇され、基板1810がサセプタに載置される。図示されるように、リフト・ピン1835のリフト上面1837が多少下降され、平円盤1830がウェーハ下の台座に載置されるようになっている。
【0050】
図84は、サセプタ1920がアンロード位置にあり、リフト・ピン1935が延長されてリフト・パッド1930に係合し、基板1910をサセプタ1920から取り外している要素を示している。その後、リフト・ピン1935は下降されてウェーハ1910を下方ハンガー1945に載置し、基板1910は処理チャンバから取り出される。図示されるように、下方ハンガー1945は、下方の遊動ローラー1915に乗っている。
【0051】
図85−図86は、様々なサセプタ・ロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示している。上記したように、本発明の特性はチャンバを開いて大気圧雰囲気に晒す必要なくサセプタを取り出すことが可能であることである。サセプタの修理が必要なときはいつでもこの操作を実行することができる。また、この操作は、ウェーハが処理チャンバ内で破損したときにも有益である。理解され得るように、ウェーハが処理チャンバ内で破損したとき、その破片がサセプタ上に堆積される可能性がある。以下の操作を使用して、サセプタを取り出し、破片を除去してチャンバに戻すことができる。このようにすると、ウェーハが破損したときチャンバを開く必要がない。
【0052】
図85で、下方ハンガー2045が処理チャンバに導入され、遊動ローラー2015に載っている。サセプタ2020は下方ハンガー2045に設けられたサセプタ・フック2050に下降される。図86で、台座2125が下降されてサセプタ2120から離される。図示されるように、サセプタ2120がフック2150に保持されているとき、リフト・パッドもしくは平円盤2130はサセプタ2120に留まる。その後、下方ハンガー2145はチャンバの外へと駆動されることができ、サセプタが取り出される。これにより、処理チャンバを開く必要なくサセプタの交換もしくは洗浄が可能となる。さらに、換えのサセプタはシステムの他方の側から搭載されることができ、システムは稼働し続けることができる。実際、一実施形態によると、換えのサセプタは必要に応じて使用されるように一方もしくは両方のロード・チャンバに置かれている。
【0053】
処理チャンバがやや大型の場合、サセプタがシャワーヘッドに正確に平行に配置されるようにすることが必要となることがある。これは、サセプタがロード/アンロード及び処理のために垂直に移動される場合には特に必要である。図87は、処理チャンバの断面図を示しており、本発明の実施形態に係る整列特性を示している。図87で、球状の台座2210がチャンバの底面2220に取り付けられている。台座2210は、所定の直径の球の一部の形状を有する切り込みを有する。サセプタを支持するリフト機構は、球状の台座2210に「乗った」、整合する球状のコア2205を有する。これにより、サセプタがシャワーヘッドに対して正確に平行になるまで、湾曲両矢印に示されるようにリフト・アセンブリ2215をわずかに傾斜させることが可能となる。その後、固定ボルト2225が締められ、リフト・アセンブリが所望の傾斜位置に固定される。
【0054】
図88は、本発明に係るサセプタの実施形態を示す。図88に示されるように、サセプタ2320は、一般的に複数の基板用台座2305を有する長方形のプレートである。各基板用台座2305は、リフト・ピンが基板パッドもしくは平円盤2330にアクセスして係合するためのリフト・ピン・アクセス開口2310を有する。各平円盤は、サセプタにおいてピン・アクセス開口2310の外側に形成された平円盤用台座2335に置かれている。リフト・ピンを使用して基板パッド2330を上昇させ、したがって各基板をサセプタから離して上昇させる。図88には、サセプタを台座に整列させるための孔2360、及びハンガー整列ピンを通過させて上方ハンガーの整列オリフィスに係合させるための切り込み2365も示されている。
【0055】
図89は、本発明の多様な実施形態のロード・チャンバで使用されることができるトレイ2400を示している。トレイ2400は、一般的に各基板位置用の基板ネスト2405、2415を有するプレートである。ネストは、基板をネストにセンタリング(center)する構造の4つのネスト要素2415を有する。図89から、トレイ2405の縁部に設けられたネスト要素以外の各ネスト要素2415は、4つのウェーハ位置に作用することは理解されるべきである。トレイ2400の縁部のネスト要素2405は、1つもしくは2つのウェーハ位置に作用し得る。図89の詳細図で、基板2410がネストに置かれて示されている。また、各基板用台座の中央にはリフト・ピンがトレイから基板を上昇させるためのアクセス孔2470がある。
【0056】
図90は、処理チャンバ内でのウェーハの破損を検出することを可能にする本発明の別の特性を示している。この特性によると、処理チャンバ内のウェーハの画像を撮像するためにデジタル・カメラが使用され、画像がウェーハ破損を点検するために処理される。図90で、処理チャンバ2500は輪郭形状として概略的に示されている。真空ドア・アセンブリ2505も輪郭形状として概略的に示されている。カメラ2510が真空ドア・アセンブリ2505の内部に配置されており、ドアが開いたときカメラはチャンバ内部の画像を撮像することができる。破線は、各カメラの視野を示している。処理チャンバ2500内で処理が終了したとき、ドアが開かれウェーハが取り出される。トレイが運び込まれる前に、カメラが起動されてチャンバ内のウェーハの画像を撮像し、チャンバ内に破損したウェーハが存在するかが判定される。存在するなら、上記された通り下方ハンガーが運び込まれてサセプタを取り出してもよい。
【0057】
真空ドア・アセンブリの内部に2つのカメラを設置することは一例であり、カメラの個数とその配置は変更されてもよいことは理解されるべきである。ここでの趣旨は、チャンバから取り出される前にウェーハの画像を取得して、破損したウェーハがあるかを判定することである。図90に、チャンバ・ボディの側面に3つのカメラ2510’が設置され、窓2515を通して内部を観察している別の例が示されている。類似の構成をチャンバの他方の側面に設けることもできる。
【0058】
カメラからの画像はプロセッサ2520に送信され処理される。画像はカメラの画角に規定される角度(perspective)を有しているので、プロセッサ2520はまず画像をカメラの画角から通常の座標に転置及び/又は修正する。この操作で、プロセッサはレンズ歪みを除去し画像を一定のサイズ及び向きに修正してもよい。次に、プロセッサは期待ウェーハ位置を特定し、期待位置に実際にウェーハが存在するかを検出する。次に、プロセッサは特定された各ウェーハを検査して破損しているか否かを分類する。プロセッサは、アレイの中のカメラの数Nだけこの処理を繰り返し、カメラ位置の数Mだけこの処理を繰り返してもよい。または、カメラからの画像は、オペレータが視認して破損したウェーハがあるかを判断するべく単にディスプレイ2530に送信されるだけでもよい。もちろん、画像はプロセッサ及びディスプレイの両方に送信されてもよく、オペレータはプロセッサによる破損ウェーハの有無の判定を制御もしくは認証する主体であってよい。さらに、カメラは全てのウェーハがサセプタ上に正しく置かれるようにするべく、チャンバ内で処理が開始する前の画像を撮像するために使用されてもよい。理解され得るように、ウェーハがサセプタ上に正しく置かれていなければ、プラズマ・アーキングが生じ得る。
【0059】
また、画像を撮像するときに処理チャンバの内部を照明する照明機構2535が設けられている。照明機構2535は、専用の窓を設けられるLED、フラッシュ・ライト等の独立した光源の形態であってよい。または、照明機構は、各カメラの周囲に設けられ、カメラと同様の視野を有するLEDの形態であってもよい。さらに別の実施形態では、照明はシャワーヘッドから反射するようにチャンバの天井に向けられる。このようにすると、光はチャンバ内で均等に分配される。
【0060】
本発明をその特定的実施形態を参照して記載したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。特に、多様な変更及び改良が、当業者により、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実施され得る。また、上に引用した従来技術文献の全てを参照として本明細書に取り込む。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体、太陽電池、及びその他の用途用のシリコン・ウェーハ等の基板をクリーンな環境で処理するためのシステム構成、装置、及び方法に関する。クリーンな環境は、真空又は大気圧下であってよい。システムは、LCDや太陽電池(solar applications)用のガラス、薄膜太陽電池用のステンレス鋼等、その他の基板にも使用することができる。
【背景技術】
【0002】
太陽光(PV)電池産業は、おおまかに2つに区分することができる。薄膜型のPV電池と、シリコン・ウェーハ型のPV電池である。近年のソーラー・パネルに対する需要の急増により、シリコン・ウェーハ型と薄膜型の両方において多様な太陽電池を高い生産高で製造することを可能にするべく、多様なシステムが現在開発されている。
【0003】
半導体ウェーハを製造する最先端のシステムは、一般的に、いくつかの処理チャンバが周囲に取り付けられたメインフレームを使用する。メインフレームは、真空下に維持され、ロボットアームを収容している。アームは、各ウェーハを各処理チャンバに出し入れし、ロードロックを介してメインフレームから搬出する。フラット・パネル・ディスプレイ用のパネルの製造にも同様の構成が利用されてきた。ただし、フラット・パネル・ディスプレイ基板用のメインフレーム及び処理チャンバはずっと大型である。近年、このようなフラット・パネル製造システムが薄膜太陽電池の製造用に改良されているが、成功例は限られている。薄膜用に開発されている別のシステムは、roll‐to‐rollシステムであり、フレキシブル基板が一方のロールから供給され、製造システム内を通され、他方の側で巻き取りロールに回収される。
【0004】
システム構成の別の型は、直線搬送システムである。薄膜用では、これらのシステムは、一般的に、大きいガラス基板を、透明ガラスとして一端においてシステムに搬入し、製造された太陽電池として他端においてシステムから搬出するように、ローラーに載せて直線状に移動させる。他方、シリコン型の製造では、直線システムは、多数のシリコン・ウェーハを載せたトレイを移動させる。トレイは、チャンバからチャンバへと直線状に移動し、各チャンバ内では、単一のトレイ上で多数の、たとえば、各々125mm×125mmの64枚のシリコン・ウェーハが同時に処理される。トレイは、システムの一方の側から入り他方の側から出るが、その後、たとえば、一連の製造チャンバの下に配置される搬送システムを使用して入口側に戻される必要がある。
【0005】
メインフレーム構成の利点の一つは、一つのチャンバが誤動作しているとき、もしくは停止させる必要があるとき、システムは残りのチャンバを使用して動作し続けることができることである。さらに、システムはモジュール式であり、ユーザはスループット要件やその他の考慮事項に従っていかなる個数の処理チャンバを使用してもシステムを稼働させ得る。反対に、直線構成では、チャンバの一つが故障すると、全システムが停止し使用することが不可能となる。さらに、直線システムはモジュール式ではなく、一度システムを構築すると処理チャンバの個数を容易には変更できない。
【0006】
直線システムの利点の一つは、高スループットで基板を処理することができることである。つまり、基板は一つの処理チャンバから次へと直接的に移動し、処理間でのメインフレーム・ロボットによる取り扱いによるオーバーヘッドが発生しない。反対に、メインフレーム構成では、一つのチャンバで処理が終了するたびに基板をロボットアームにより拾い上げて別のチャンバに移動させる必要があり、搬送オーバーヘッドが付加されてスループットを低下させることとなる。また、トレイなしでウェーハを移動させるシステムでは、ウェーハが損傷すると、清掃・復旧のために全システムを停止させなければならないおそれがある。トレイを使用するシステムは、トレイが破断したウェーハを保持して破片をシステムから運び出すことができれば、この問題を回避し得る。
【0007】
太陽電池製造システムに対する需要が増え続けるにつれ、直線システムのスループットの利点を得つつ、メインフレーム構成の柔軟性も提供することが可能な構成に対する要請が発生している。
【発明の開示】
【0008】
本発明の多様な実施形態は、様々なサイズのシリコン・ウェーハを処理して高スループットを達成することが可能な独自の直線システム・アーキテクチャを提供する。システムの多様な実施形態は、高い精度かつスループットで数枚の基板を同時に処理し、破損した基板の検出と復旧とを可能にする装置及び方法を提供する。システムは、直線状でありつつ、処理を自律的に順位付けして基板を必要に応じて異なる方向に移動させる新規なアーキテクチャを採用している。システムは、数枚の基板を同時に移動させるが、従来技術とは異なりトレイを使用しない。さらに、システムは、様々な材質の大型基板を個別に処理するために使用されることも可能である。
【0009】
本発明の多様な実施形態によると、ウェーハの一面もしくは両面を処理するべく使用され得る直線型システムが提供される。システムは、ウェーハの一面を処理し、ウェーハを反転させて他面を処理することが可能であり、ウェーハの各面に類似の又は異なる処理法を使用することができる。
【0010】
本発明の多様な実施形態によると、システムの両側もしくは片側からウェーハをフィードされ得る直線アーキテクチャが提供される。システムは、ウェーハが片側もしくは両側からフィードされるかに無関係に稼働し続けてウェーハを処理するべく、処理とウェーハ搬送とを自律的に順位付けする。
【0011】
本発明の実施形態によると、両側積み込み型(dual−load)処理システムの自動順位付け操作用のコントローラで実施されるコンピュータ化された方法が提供される。真空処理システムは、2つの積み込みポートを有する真空処理チャンバと、2つのロードロック・チャンバとを含み、各ロードロック・チャンバは真空弁を介して2つのポートの一方にそれぞれ結合される。方法は以下のように進行する。新しいワークピースがロードロック・チャンバの一方に導入されたとき、当該ロードロック・チャンバで真空を開始し、ロードロック・チャンバの一方で所望の真空レベルが達成されたとき、当該ロードロック・チャンバでワークピース交換の準備が整ったことを示すレディ 信号をコントローラに送信し、真空処理チャンバで処理が終了したとき、どちらのロードロック・チャンバがレディ信号を送信したかをコントローラに判定させ、当該ロードロック・チャンバでワークピース交換を開始する。ここで、ワークピースは、フラット・パネル・ディスプレイもしくはソーラー・パネルを製造するためのガラス基板等の1枚の大型基板、シリコン・ウェーハ等の複数の基板を保持するトレイ、又はシリコン・ウェーハ等の複数の基板を保持するハンガーを意味する。
【0012】
本発明のその他の観点や特徴は、本明細書に記載され、添付の特許請求の範囲において請求される本発明の範囲及び趣旨に含まれる多様な実施形態についての記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るシステム・アーキテクチャの主要な要素を示す概要図であり、2方向の基板フローを示している。
【図2A】本発明の実施形態に係るシステム・アーキテクチャの主要な要素を示す概要図であり、帰還経路の基板フローを示している。
【図2B】本発明の実施形態に係るシステム・アーキテクチャの主要な要素を示す概要図であり、基板反転機能を持つ帰還経路の基板フローを示している。
【図3】本発明の自動順位付け特性を示す簡略な処理フローを示すフロー・チャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図18】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図19】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図21】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図22】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図23】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図24】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図25】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図26】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図27】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図28】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図29】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図30】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図31】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図32】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図33】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図34】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図35】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図36】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図37】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図38】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図39】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図40】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図41】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図42】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図43】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図44】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図45】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図46】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図47】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図48】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図49】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図50】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図51】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図52】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図53】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図54】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図55】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図56】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図57】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図58】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図59】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図60】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図61】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図62】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図63】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図64】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図65】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図66】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図67】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図68】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図69】本発明の実施形態に係る処理順位付けを示す図である。
【図70】本発明の実施形態に係る下方ハンガーの上面図を示す。
【図71】本発明の実施形態に係る上方ハンガーを示す。
【図72】本発明の実施形態に係る上方ハンガーの詳細を示す。
【図73】本発明の実施形態に係るサセプタ取り出し特性を示す。
【図74】本発明の実施形態に係る上方および下方ハンガーを有するロードロック・アセンブリを示す図である。
【図75】本発明の実施形態に係る基板反転アセンブリの実施形態を示す。
【図76】本発明の実施形態に係る基板反転アセンブリの実施形態を示す。
【図77】本発明の実施形態に係る基板反転アセンブリの実施形態を示す。
【図78】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図79】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図80】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図81】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図82】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図83】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図84】様々なロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図85】様々なサセプタ・ロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図86】様々なサセプタ・ロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示す。
【図87】処理チャンバの断面を示しており、本発明の実施形態に係る整列特性を示している。
【図88】本発明に係るサセプタの実施形態を示す。
【図89】本発明の多様な実施形態のロード・チャンバで使用することができるトレイを示す。
【図90】処理チャンバ内でのウェーハの破損を検出可能にする本発明の別の特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、図面に例示される本発明の特定的実施形態を参照して本明細書に記載される。しかし、図面に示される多様な実施形態は単なる例示であり、添付の特許請求の範囲に定義される本発明を限定するものではないことは理解されるべきである。
本発明の多様な実施形態は、たとえば半導体集積回路、太陽電池、フラット・パネル・ディスプレイ、LED、及びその他の用途用の基板を製造する装置及び方法を提供する。システム構成は、シリコン基板型の太陽電池の製造に特に有益であり、したがって例示としては、この用途に関連して記載される。システムは、自律的に基板の搬送及び製造を順位付け、システムへのフィードに柔軟性を提供する。この特性を、まず図1−図3を参照して一般的条件において説明する。その後により詳細な説明をする。
【0015】
図1では、単一の処理チャンバ100が直線システムの中央に配置されている。この実施形態では、処理チャンバは、たとえばPECVD処理チャンバ等のプラズマ処理チャンバである。真空弁102、104が、一つずつ、チャンバ100の各側に設けられている。ロードロック・チャンバ110がチャンバ100の一方の側に設けられ、類似のロードロック・チャンバ115がチャンバ100の他方の側に設けられている。真空弁112がロードロック110の入口に設けられ、類似の弁114がロードロック・チャンバ115の入口側に設けられている。ロード・チャンバ120がロードロック・チャンバ110の入口側に設けられ、ロード・チャンバ125がロードロック・チャンバ115の入口側に設けられている。Lで表される矢印はシステムの左側からフィードされるウェーハの流れを示し、Rで表される矢印はシステムの右側からフィードされるウェーハの流れを示す。
【0016】
図1に示されるウェーハの流れについて、システムの右側から搭載されるウェーハから始めてより詳細に記載する。基板を載せたトレイがロード・チャンバ120に搭載される。トレイは、二次元アレイ状に配置された例えば64枚の基板を運搬することができる。ロード・チャンバ120では、ウェーハはトレイから取り出され、ウェーハ・ハンガー(図1では不図示であるが、後述される)に搭載される。ハンガーはロードロック・チャンバ110に移動され、次に弁112が閉じられる。次に、ロードロック・チャンバ110に真空が引き込まれる。正しい真空レベルに達すると、弁102が開かれ、ウェーハ・ハンガーは処理チャンバ100に移動し、そこではウェーハはウェーハ・ハンガーから取り出されサセプタに載置される。次に、ウェーハ・ハンガーは処理チャンバ100から取り出されてロードロック・チャンバ110に戻され、弁102が閉じられる。次に、処理チャンバが活性化され、チャンバ内の基板が処理される。
【0017】
一方、上記の処理と並行して、上記のようにハンガーに搭載される新しい基板を満載したウェーハ・ハンガーがロード・チャンバ125からロードロック115に搬送され、ロードロック115に真空が引き込まれる。ロードロック115も(同じくロードロック110も)、ウェーハ・ハンガーを有している。そのウェーハ・ハンガーは空であり、別の水平面に配置されている。これにより、上方及び下方のウェーハ・ハンガーが構成される。
チャンバ100での処理が終了すると、弁104が開かれ両方のウェーハ・ハンガーがロードロック115からチャンバ100に移動される。下方ハンガーは処理済みの基板を回収するべくロードロック115からチャンバ100に移動され、上方ハンガーはチャンバ100で処理されるべく新しい基板を載置するためにロードロック・チャンバ115からチャンバ100に移動される。両方のハンガーがロードロック115に戻されると、弁104が閉じられ、チャンバ100が活性化されて新しいウェーハが処理され、ロードロック115は大気圧へと通気される。次に、弁114が開かれ、上方ハンガーがロード・チャンバ125に移動されて上方ハンガーに新たな基板が搭載され、次に下方ハンガーがロード・チャンバ125に移動されて処理済み基板が取り出される。上方及び下方ハンガーの役割を交互させてもよく、下方ハンガーを新しい基板に使用し、上方ハンガーを処理済み基板に使用してもよいことに注意されたい。しかし、記載された構成によってより優れたシステム・スループットが提供される。
【0018】
理解され得るように、システムに右側から搭載された基板は、システムからその左側において取り出され、したがって直線状に動作する。反対に、左側から搭載された基板は右側から取り出され、これらの基板も同じく直線状に動作する。したがって、開示されるシステムは、実質的に、双方向直線システムである。この構成は処理チャンバの完全利用を可能にし、したがってウェーハを搭載して取り出す仕組みは、メインフレーム・システムにおいてとは異なり制限的な要因ではない。さらに、後述するように、上方及び下方ハンガーの全ての動作の間、センサーが設けられて各基板位置での基板の有無が特定され、各ハンガーの移動及び位置が特定されて、システムの動作が自律的に維持されることが可能となっている。
【0019】
図1は両側からフィードされるシステムの動作を示しているが、システムは一方の側からのみフィードされて動作することも可能である。たとえば、ロードロック110、弁112、及びロード・チャンバ120無しでシステムを購入することが可能である。反対に、ロードロック110、弁112、及びロード・チャンバ120のいずれかの修理が必要であるか、システムの右側がなんらかの理由により遊休状態に置かれていることもあり得る。後述するように、システムは、右側に基板が搭載されていないことを自動的に検出し、自律的に図2Aに示される方法で動作する。つまり、基板を搬送するトレイはロード・チャンバ125に積み込まれる。ロード・チャンバ125では、ウェーハはトレイから取り出され、上方ハンガーに搭載される。ハンガーはロードロック・チャンバ115に移動され、次に弁114が閉じられる。ロードロック・チャンバ115及び処理チャンバ100に真空が引き込まれる。弁104が開き、次に上方ハンガーが処理チャンバ100に移動し、そこではウェーハが上方ハンガーから取り出されてサセプタに載置される。次に上方ハンガーが処理チャンバ100から取り出され、弁104が閉じられる。次に処理チャンバが活性化され、チャンバ内の基板が処理される。処理が終了すると、弁104が開く。後述するように、ロードロック115には処理対象の基板が既に搭載されている上方ハンガーが存在する。そこには空である下方ハンガーも存在する。下方ハンガーは処理済み基板を回収するべくロードロック115からチャンバ100に移動され、上方ハンガーはチャンバ100で処理されるべく基板を載置するためにロードロック115からチャンバ100に移動される。両方のハンガーがロードロック115に戻されると、弁104が閉じられ、チャンバ100に処理のためが活性化され、ロードロック115は大気圧へと通気される。弁114が開かれ、両方のハンガーがロード・チャンバ125に取り出されて、処理済み基板が下方ハンガーから取り出され、新しい基板が上方ハンガーに搭載される。理解され得るように、この例では、左側からシステムに搭載された基板は、同じく左側においてシステムから取り出され、したがって直線状の帰還経路にしたがって動作する。
【0020】
理解され得るように、図1及び図2Aに示される例では、基板は一面側のみが処理される。図2Bは、基板の両面を処理するべくシステムが使用される例を示す。図2Bのシステムは、ロード・チャンバの一つ、ここではロード・チャンバ120がウェーハ反転機構を搭載されて反転チャンバ130を構成する点以外は図1及び図2Aのものと類似している。反転チャンバ130は、大気圧ベースもしくは真空ベースでとすることができる。このシステムにおいて、基板を運ぶトレイがロード・チャンバ125に搭載される。ロード・チャンバ125では、ウェーハはトレイから取り出されて上方ハンガーに積み込まれる。上方ハンガーはロードロック・チャンバ115に移動され、次に弁114が閉じられる。次に、ロードロック・チャンバ115及び処理チャンバ100に真空が引き込まれる。弁104が開き、次に上方ハンガーが処理チャンバ100に移動し、そこでは、ウェーハが上方ハンガーから取り出されサセプタに載置される。次に上方ハンガーが処理チャンバ100から取り出され、弁104が閉じられる。次に、処理チャンバが活性化され、チャンバ内の基板が処理される。処理が終了すると、弁102が開かれる。後述するように、ロードロック110は予め真空までポンピングされており、上方ハンガーに反転された処理対象の基板が既に積み込まれている。ロードロック110には、空である下方ハンガーも存在する。下方ハンガーが処理済みの基板を回収するべくロードロック110からチャンバ100に移動され、上方ハンガーがチャンバ100で処理されるべく反転された基板をチャンバ100に載置するため、ロードロック・チャンバ110からチャンバ100に移動される。両方のハンガーがロードロック110に戻されると、弁102が閉じられ、処理のためにチャンバ100が活性化され、ロードロック110は大気圧へと通気される。弁112が開かれ、両方のハンガーが反転チャンバ130に取り出される。処理済みの基板は下方ハンガーから取り出され、反転され、上方ハンガーに(反転されて)再搭載される。次のサイクルでは、上方ハンガーが処理チャンバ100に移動され、基板の他方の面が処理される。次に、基板はロード・チャンバ125においてシステムの左側から取り出される。理解され得るように、この例では、左側からシステムに搭載された基板は、同じく左側においてシステムから取り出され、したがって直線の帰還経路にしたがって動作する。
【0021】
図1−図3の実施形態及び本明細書に記載されるその他の実施形態の有益な特性の一つは、システムがその動作を自動的に順位付けることである。この特性は、以下の記載から理解することができる。図1を参照すると、コントローラ140はシステムの多様な要素と通信して動作させる。しかし、従来システムのコントローラと異なり、コントローラ140は全処理フローを制御するにおいて処理システムの手順をプログラムされる必要はない。むしろ、本発明の特性によると、各段階がその役割を遂行し、タスクの終了をコントローラに伝達する。次にコントローラは次のタスクを実行するためのコマンドを送信する。たとえば、ロード・チャンバ120が処理のために基板を送り込む態勢が整ったことをコントローラに伝達すると、コントローラ140は弁112を開き、移動機構に対し、上方ハンガーをロード・チャンバ120からロードロック110に移動させるように指示する。これは、状態や、システムのその他の部分により実行されるその他の動作とは無関係に実行されることができる。ハンガーがロードロック110内にあるとき、コントローラは弁112を閉じ、ロードロック110を真空圧力までポンピングする。次に、チャンバ110が新しい基板をチャンバ100に移送して処理済みの基板を取り出す準備が整ったことをコントローラ140に示すと、コントローラ140は弁102を開いて基板の交換を可能にする。
【0022】
図1の実施形態を参照して、新しい基板がロード・チャンバ120と125の両方に積み込まれた場合、どちらの基板が先に処理されるかは、ロードロック・チャンバ110と115のどちらが先に、自身は大気圧下にあり処理済みの基板を新しい基板と交換する準備が整っている旨のメッセージをコントローラに送信したかにより決定される。コントローラ140は、どちらのロード・チャンバが稼働されて基板を積み込まれているかを感知しない。コントローラが知る必要があるのは、どちらのロードロックが基板を交換する準備が整っているかだけである。したがって、図2Aを参照して、右側が非常に低速で積み込まれ、ロードロック115が先に準備が整った場合、処理済みの基板がどちらから来たのかとは無関係に、基板の交換はロードロック115で実行される。さらに、右側がメンテナンスのために停止されていたり、さらにはシステムから取り外されている場合に、コントローラ140はそのことを完全に感知の対象外とし得る。コントローラ140は、単にロードロック115のみからレディ信号を受け取り、したがって、左側から来た基板のみを処理するべく自動的に順位付ける。
【0023】
本発明の自動順位付け特性を例示するべく図3Aにいくらか単純化した処理フローが示される。しかし、より詳細な処理例は以下に提供される。ステップ300は、チャンバが内部のウェーハの処理を完了したことをコントローラが特定するまで繰り返される。その時点でコントローラは、ロードロックAとロードロックBのどちらがレディ状態にあるか、つまりポンプダウンされて新しいウェーハを移送する準備ができているかを確認する。ロードロックAがレディ状態にある場合、ステップ315でコントローラは、チャンバをロードロックAから分離している真空弁の開放を指示する。次にステップ320でコントローラは、ロードロックAからチャンバに上方ハンガーと下方ハンガーを駆動するべく駆動機構を稼働させる。ステップ325でシステムはウェーハの交換を実行し、ステップ330でプロセッサはハンガーをチャンバから出すよう駆動する。一実施形態によると、ウェーハの交換とハンガーをチャンバから出すように駆動することは以下の通りに実行される。まず、処理済みウェーハがサセプタから降ろされて下方ハンガーに置かれ、次に下方ハンガーがチャンバから出てロードロックに戻るよう駆動される。次に新しいウェーハが上方ハンガーから降ろされてサセプタに載置され、次にコントローラが再び駆動機構を稼働させて上方ハンガーがチャンバから出るように駆動する。ステップ335でコントローラは、処理チャンバでウェーハの処理を開始する。ステップ310でロードロックBがロードロックAより先にレディ状態になった場合にも、全く同じ処理が実行される。したがって、コントローラは予めプログラムされた処理手順を必要としない。ロードロックAから積み込まれたウェーハが処理された後、ロードロックAがレディ状態にあれば、それらはロードロックAに、つまりそれらの積み込み元に積み出される。他方、ロードロックBがレディ状態にあれば、それらはロードロックBを介して、つまりそれらの積み込み元とは反対の方向に積み出される。
【0024】
以下において、本発明の実施形態の自動順位付け特性を、システムの多様な特性をさらに記載しつつさらに説明する。以下の記載はシステムが両側において完全に稼働される場合について提示されるが、片側のみ稼働される場合についても同じ処理が実施されることができることは理解されるべきである。
【0025】
図4では、同じく処理チャンバ400が中央に示されており、左側と右側にはロード・チャンバ及びロードロックが示されている。ロード・チャンバ420、425ではウェーハがトレイに載置され、ロードロック410、415では上方ハンガー416、418及び下方ハンガー417、419が「駐車」されている。これがシステムの開始時点での状態であり、以下に続く処理手順の記載から明らかになるであろうが、一旦システムが稼働されると、システム内には常にウェーハが存在し、処理チャンバ内で処理されている。これにより、処理チャンバがその最大処理能力まで利用され、メインフレーム構成でのようにウェーハが積み込まれている間は遊休状態に置かれる、ということがないことが保証される。
【0026】
本実施形態の一特性が、ハンガー416−419を移動及び/又は案内するローラーのシェーディングにより示されている。図4では、太線のシェーディングで示されるローラーは、電動ローラー、つまり、たとえば直接駆動式、チェーン式、ベルト式等のモータに接続されたローラーである。一実施形態によると、同じ高さにある全ての電動ローラーは同時に動力を与えられる。例えば、これは、単一のモータを使用し、同じ高さにある電動ローラーの全てをリンク、ベルト、チェーン等を介して駆動することにより達成されることができる。このような構成では、全システムがモータを2つだけ使用して電動化される(例えば図9参照)。他方、2つの同心円として示されるローラーは、遊動ローラーでありモータに接続されていない。理解され得るように、処理チャンバ400内には電動ローラーは設けられていない。これは、プラズマ・チャンバ400内での汚染や激しく動作し高温となる位置での機構の損傷の可能性を回避するためである。以下にさらに詳述するが、この特性は、各ハンガーに延長部413を設けることにより可能となる。
【0027】
図4に、別の特性がカメラ442、444として示される。この実施形態では、直線カメラ・アレイ442、444がロードロック・チャンバにそれぞれ設けられ、ハンガー上の各ウェーハ位置でのウェーハの存在及び状態を確認する。ここではカメラとして記載されるが、スルービーム・センサーを使用することも可能である。後述するが、ハンガーはハンガーが特定の位置にあるときにカメラを動作させるトリガーを有しており、ハンガーが一列のウェーハを直線カメラ・アレイに晒す位置付けとなるたびに画像が撮像される。二次元カメラ・アレイを使用してハンガー全体を撮像してもよいが、それにはより多くの要素や光学機器が必要となる。したがって、この実施形態では直線アレイが使用され、ハンガーからのトリガー稼働にしたがって一度につき一列のみが撮像される。以下にさらに説明されるように、画像はハンガー上の各ウェーハの存在及び状態を確認するべく処理される。
【0028】
処理チャンバ400には、リフト機構406と、処理中に基板を支持する設計の加熱された処理サセプタ408とが取り付けられている。リフト機構406は、ハンガー及びサセプタ408に対してウェーハを積み下ろしするよう設計されている。リフト機構426がロード・チャンバ425内に設けられており、トレイにウェーハを積み下ろしするべくトレイ402を昇降させる。類似の構成がロード・チャンバ420に設けられている。図4に示される特定の状況では、真空ドア414、412が開かれて示されており、ロード・チャンバ及びロードロックの大気圧を均一にしてウェーハの移送を容易にしている。他方、真空ドア401、404は閉じられており、処理チャンバ400は大気圧から隔離されている。
【0029】
図5で、トレイにウェーハが載置された後、リフト機構によってトレイがロード・チャンバ内の上方交換と呼ばれる位置に下降される。図6でリフト機構がトレイから基板を上昇させ、図7で上方ハンガーがロード・チャンバに移送され、図8でリフト機構が下降されて基板がハンガーに載置される。図9で上方ハンガーがロードロックに戻り、図10でロード・チャンバとロードロックとの間の弁が閉じられる。次に、図11に示されるように、リフト機構によりトレイを上昇させてさらに基板を受け取ることができる。
【0030】
理解され得るように、処理システムの全体にわたってトレイを移動させる従来の直線システムとは異なり、本実施形態では基板はトレイから取り出され、処理チャンバへと搬入されるべくハンガーに載置される。トレイは基板をロード・チャンバに導入するべく使用されるだけであり、システム内へと基板を載せて移動することはない。このようにすると、トレイは処理チャンバ内で生じる汚染や損傷を被るおそれなく再使用されることができる。また、基板を搬送するトレイを使用するシステムでは、トレイの加熱冷却の問題がある。つまり、基板の加熱を必要とする処理では、トレイも加熱される必要があり、その質量のためにより多くのエネルギーが必要になる。そして、処理の後でトレイは冷却される必要があり、特別な冷却ステーションもしくはチャンバが必要となる場合もある。ここでは基板はトレイ無しで処理されるため、この問題は回避される。最も重要なことであるが、トレイを処理チャンバに移動させる従来の直線システムでは、状態、製造、及び予めの載置(previous depositions)の全てが処理性能を変化させ得るので、本実施形態で処理チャンバでのトレイの使用を排除することにより、より安定的で再現可能な処理性能と生産量とが提供される。
【0031】
ポンプダウン動作に対する準備が整ったことをコントローラに最初に示したロードロックが真空状態にポンピングされる。この実施形態では、単一のポンプが使用され、コントローラは導管システムの弁を操作してどちらのロードロックがポンピングされるかを制御する。図12では、右側のロードロックが最初であり、ポンピングされている。同時に、両側のトレイに新しい基板を搭載してもよい。右側のロードロックで真空レベルに到達すると、図13に示されるようにチャンバに通じるゲートもしくは真空ドア402が開かれる。また、左側のロードロックは、この時点でポンピング可能となる。しかし、ポンプを2つ使用すれば、両方のロードロックを同時にポンピングすることが可能であることに注意すべきである。本実施形態の双方向構成では、真空ポンプを1つだけ使用して両方のロードロックに用いることによってツールの完全出力を実現することができる。
【0032】
図14で上方ハンガーが処理チャンバに移動され、図15でチャンバ内のサセプタ408が、図16に示されるようにその上方ロード位置にリフト406によって上昇される。これは本発明の別の有益な特性であり、サセプタ408をその台座(不図示)から上昇させることができる。台座は加熱要素及びサセプタ接地ハードウェアを保持しており、必要に応じてサセプタを修理のためにハンガーにより処理チャンバの外へと出すことができる。図17では、基板をハンガー418から取り出すべくリフト・ピン409が上昇され、図18で上方ハンガー418がロードロック410に戻される。図19で上方ハンガー418はロードロック410内にあり、真空弁402が閉じられる。以下の記載から理解され得るように、右側のロードロック410からハンガー418により基板がチャンバ400にフィードされるが、ハンガー418はロードロック410に戻り、基板は左側のロードロック415を介してチャンバ400から取り出される。
【0033】
図20でロードロック410は通気され、処理チャンバ400は処理圧力に調節される。また、基板をサセプタ408に載置するべくリフト・ピン409が下降される。図21でサセプタ408はその処理位置へとさらに上昇されている。図22で処理が処理チャンバ400で実行され、その間、右側のロード・チャンバのトレイがロード・チャンバ内に下降される。この時点で、図23に示されるように、新しい基板を上方ハンガー及びロードロックに導入する処理が進行可能となっている。
【0034】
一方、処理が完了すると図24及び図25に示されるように、サセプタがアンロード位置に移動され、チャンバがその基準圧力へとポンピングされる。図26で左側のロードロックがポンプダウンされ、チャンバ内のリフト・ピンが基板をサセプタから取り除くべく上昇される。図27でチャンバの左側の弁が開かれ、図28及び図29で上方ハンガーと下方ハンガーの両方が処理チャンバに移動する。図30でリフト・ピンが処理済み基板を下方ハンガーに載置するべく下降され、図31で下方ハンガーがチャンバからロードロックに戻される。理解され得るように、この例ではシステムの左側に取り出された処理済み基板は、実際にはシステムに右側から積み込まれたものである。
【0035】
その後、図32−図34でサセプタがロード位置に移動され、リフト・ピンを使用して新しい基板が上方のトレイから取り出されサセプタに載置される。その後、図35−図50で新しくロードされた基板を処理し、処理された基板をシステムから取り出し、新たな基板をシステムの左側における上方ハンガーに搭載するように手順が継続する。処理が終了すると、処理済みの基板を今回はシステムの右側に積み出すように処理が進行する(前述したように、これらの基板はシステムの左側から積み込まれたものである)。図51−図69参照。
【0036】
ここからは、システムの利点及び多用途性を補強するシステムの多様な要素及び特性について記載する。図70は、本発明の実施形態に係る下方ハンガー500の上面図を示す。この点に関して、ここでは下方及び上方ハンガーは一つの特定的な実施形態として記載されるが、それらの役割は取り替えられてよく、新しいウェーハを下方ハンガーから積み込み、処理済みウェーハを上方ハンガーにより取り出すようにシステムは設計され得ることは理解されるべきである。ハンガーは一般的に、駆動レール505、510と、基板を保持するためのプレート/構造体515を有する。
【0037】
図70に示されるように、下方ハンガー500のプレート/構造体515には、孔もしくは窓520が、各基板位置当たり1つの窓520ずつ配置されている。このようにされているのは、光学システムによって基板が各位置に置かれているかを判定し、基板の喪失もしくは損傷を特定するのを可能にするためである。また、拡大された吹き出しには、センサー窓が、駆動レール及びセンサー・タイミング用のトリガーとともに示されている。トリガーによりシステム内でのハンガーの位置の判定が可能になる。トリガー522は駆動制御用に存在し、レール510に形成された孔の形態を有している。トリガー524は、各行の基板当たり1つずつレール510に設けられており、システムは各行の基板の位置のタイミングを知ることが可能となっている。例えば、トリガー524の1つから信号を検出するたびにシステムは、光学式基板検出システムを作動させて当該行の全ての位置にウェーハがあるかを確認する(図4参照)。さらに、終点トリガー526が設けられており、ハンガー・レールの終点位置を示している。システムのコントローラは、システムの温度測定を行いその熱膨張を計算する。熱膨張は5mm以上に達し得る。この計算と終点トリガーを使用して、コントローラは各位置でトレイをどの程度移動させるかを決定する。
【0038】
図71は、上方搬送キャリア・アセンブリとも呼ばれる上方ハンガーを示す。上方ハンガーは下方ハンガーとは異なっており、上方ハンガーは基板をサセプタに整列させるための設備を有している。図71に示されるように、上方ハンガーは、2つの静止部600、610、及びレール615と625との間に配置された1つの「浮遊」トレイ/構造体605を有する。上方ハンガーは、光学システムにより各位置に基板が存在するかを検知するための窓630も有する。吹き出しには、断面の詳細が示されており、上昇された位置にある浮遊トレイ605と、ウェーハ・ネスト635とが示されている。ウェーハ・ネストは各ウェーハを定位置に整列させて保持し、上方のトレイがサセプタに対して整列されたとき、各ウェーハがサセプタ上で定位置に整列されるようになっている。ハンガー整列装置645を使用して上方ハンガー全体が定位置に整列される。
【0039】
図72は上方ハンガーの詳細を示しており、整列させるために使用される特性を示している。図72では、ハンガー整列オリフィス740がハンガー整列ピン745と合致して、上方ハンガーの浮遊トレイ705をサセプタ750に整列させるようになっている。これにより、トレイ搬送機構の公差(tolerance)を減少させることができる。搬送機構はオリフィス740が整列ピンに届く範囲にトレイを運ぶだけでよく、サセプタが上昇されたときにピンがオリフィスをとらえ、浮遊トレイ705がサセプタに整列されるようにオリフィスをセンタリング(center)する。また、基板ネスト730が設けられており、各基板を上方ハンガーの浮遊部内に正確に位置付ける。図72には、サセプタ750をヒータ760に整列させるのに使用されるサセプタ整列ピン755も示されている。このようにすれば、ヒータ、サセプタ、及びトレイの全3要素が互いに「自動整列」される。したがって、ウェーハがトレイから取り出されてサセプタに載置されたとき、それらは全て正確な位置に整列される。
【0040】
図73は、処理チャンバ内からサセプタを取り出して交換するための、本発明の別の特性を示している。特筆すべきことに、従来技術ではチャンバの蓋を開いて手作業でサセプタを取り出す以外にチャンバからサセプタを取り出す手立てがなかった。この方法では、システムをオフラインにし室温まで冷却して開くことが必要となり、チャンバが大気に晒されるので「真空状態が破壊」され、また、サセプタを交換した後には、システムを再加熱して安定させ、真空圧力にポンピングすることも必要となる。反対に、本発明の特性によると、システムを冷却し、チャンバを開いてチャンバを大気に晒すことなしにサセプタを取り出すことが可能である。
【0041】
図73に示されるように、本実施形態では、ハンガーの一方、この例では下方ハンガー800が、サセプタを処理チャンバからロード・チャンバに取り出すための設備を有する。上記したように、ハンガー800は、各基板の正確な位置決めを保証する基板「ネスト」もしくは「台座」810を有する複数の基板フック805を有する(1枚の基板802が例示として破線で示されている)。ハンガー800はローラー820に乗っており、図4に関して説明されたように、ローラーのいくつかは動力を与えられ、いくつかは遊休状態に置かれる。ヒータ850は、図72に関して説明されたようにサセプタ及びハンガーを整列させるためのサセプタ整列ピン852とハンガー整列ピン854とを有する。ハンガー800は、サセプタ860を引っ掛けて搬送するためのサセプタ・フック840を有する。この動作では、下方ハンガー800が処理チャンバに導入され、次にヒータ850とサセプタ860とがサセプタ取り出し位置に移動され、そこでサセプタが下方ハンガー800に設けられたフック840に係合する。次にヒータ850が下降され、サセプタ860はフック840に吊るされたまま残される。その後、下方ハンガー800はロード・チャンバに返送され、サセプタを洗浄もしくは交換のために取り出すことが可能となる。洗浄されたサセプタもしくは新しいサセプタを下方ハンガーに載せることができ、下方ハンガーをチャンバに返送して新しいサセプタをヒータの上に載置することが可能となる。
【0042】
図74は、本発明の実施形態に係る、上方及び下方ハンガー905、907を有するロードロック・アセンブリを示す図である。ロードロック・アセンブリは、処理チャンバに接続する構造の開口902と、ロード・チャンバに接続する構造の開口904とを有するロードロック本体900を有する。真空ドア(不図示)によって開口902がチャンバから分離され、ドア932によって開口904がロード・チャンバから分離されており、ドア932はドライブ934により操作される。蓋906が本体900から取り外されて示されており、ロードロック・アセンブリの内部要素が見えるようになっている。下方ハンガー907は延長部909を有しており、上方ハンガー905の同様の延長部は、静止トレイ908により覆い隠されて見えなくなっている。駆動延長部によって、処理チャンバに能動的な駆動要素を設けることなく処理チャンバにハンガーを駆動して出し入れすることが可能となり、汚染を回避することができるようになる。つまり、駆動力は、駆動ローラー910(駆動アセンブリ930により駆動される)を延長部に係合させることによりロードロックから提供される。ハンガーの動きを同期させるために単一のモータが使用され、モータはチェーン及び/又は直接駆動により多様な駆動ローラーを駆動する。
【0043】
図74は、上方もしくは下方ハンガー上の各基板位置での基板の有無を検出するために使用される上方のセンサー・アレイ922及び下方のセンサー・アレイ924も示している。本実施形態では、直線状のセンサー・アレイが設けられており、図70に関して説明されたように、センサー・トリガーが検出されるたびにウェーハを検出するべく稼働される。
【0044】
図75−図77は、ここに開示されるシステムから独立して設けることが可能な基板反転アセンブリの実施形態を示す。図75−図77に示される実施形態では、反転アセンブリ1005は一方のロード・チャンバ1000を覆うように設けられている。図75では反転アセンブリ1005はハンガー無しで示されており、図76はシステムをハンガー1110と共に示している。図76は、ウェーハが反転装置を有するロード・チャンバに積み下ろしされる実施形態用のロード・トレイ1125も示している。この場合、反転機構1105がz駆動アセンブリ1130に接続されており、z駆動アセンブリ1130は、ロード・トレイ1125を導入する必要があるときに反転機構1105を上昇させ、反転動作を行うために反転機構1105を下降させる。z駆動アセンブリは図75の実施形態に設けられて「圧壊回避(crush avoidance)」機構として使用されることもできる。つまり、手順がなんらかの理由でコースから逸脱して反転が終了する前にポスト1010が上昇された場合、z駆動は反転機構を上昇させてポストと反転機構もしくはウェーハとの衝突を回避することができる。
【0045】
図75に戻り、リフト・ポスト1010は、ウェーハをハンガーから上昇させて反転機構の上に載置し、また反対に、ウェーハを反転装置から取り出してハンガーに載置するべく使用される。リフト・ポストはリフト機構1015により作動される。反転アセンブリ1005は、複数の個別ウェーハ・ホルダー1020を有し、各個別ウェーハ・ホルダーは真空を使用して一枚のウェーハを保持する。機械式クランプ等の、ウェーハを保持するためのその他の手段が設けられてもよい。図75に示されるように、空気圧がマニホールドに供給され、マニホールドは空気を各ポスト1010に送達する。各ポスト1010はオリフィス1025を有しており、オリフィス1025を通じて空気が流れ、ウェーハが反転ホルダー1020の真空から解放されるときにウェーハに対するクッションを形成する。このようにすると、ウェーハをポスト上に非常に丁寧に解放することができ、損傷を回避することができる。これは、ウェーハが反転された後、ポストを上昇させて空気クッションを作動させるように手順化することができる。その後、真空を解消してウェーハをクッションの上に落下させる。その後、ウェーハがポストの上に安定して乗るように、空気圧がオフになるまでゆっくりと下げられる。
【0046】
図77は、反転アセンブリ1200をより詳細に示している。反転アセンブリ1200は、数行の反転ピボット1210が回転可能に取り付けられているフレーム1205を有する。ピボットの全ては同期リンク1235に接続され、回転駆動装置1240により全てが一緒に回転されるようになっている。各ピボット1210には、いくつかの基板ホルダー1215が取り付けられており、各ホルダー1215は、ウェーハを正確に保持し整列させるための台座1220を有している。図77の詳細は、この場合は正方形もしくは長方形である基板ごとに設けられる台座1220を、基板の整列及び保持を支援する真空孔1225を有するネスト機構とともに示している。各基板ホルダーは、リフト・ポストへのアクセス口となり、基板ホルダーから基板を上昇させることを可能にするためのアクセス・ポートも有する。
【0047】
図78は、本発明の実施形態に係る処理チャンバ1300の部分断面図を示しており、シャワーヘッド・プレート1304、側壁1306、及び床1308を有するシャワーヘッド・アセンブリ1302を示している。基板1310を保持する上方ハンガー1305がチャンバ内のハンガー位置に示されている。例示目的においてウェーハ1310はハンガー1305上の利用可能な位置のうち2−3個にだけ示されているが、通常は利用可能位置の全てにウェーハが搭載されることは留意されたい。ウェーハは各吊り下げ位置の吊り下げポスト1344に設けられた整列ポケット1342内に据え付けられている。これにより、各ウェーハがハンガー上のウェーハ位置に正確に整列され据え付けられることが保証される。図78は、新しいウェーハが処理チャンバに運び込まれたばかりのときの位置、又は処理済みウェーハが処理チャンバから取り出されようとしているときの位置を示している。上記したように、ハンガー1305は遊動ローラー1315に乗っており、駆動ローラー(図78では不図示)に係合する延長部を使用して駆動される。サセプタ1320が台座1325の上に配置されており、台座1325は、本実施形態では、サセプタを、したがって基板を加熱するヒータを含む。サセプタは各ウェーハ位置に一つずつのポートと、各ポート内に一つずつ配置された平円盤1330とを有する。また、図78に示されるように、平円盤1330を使用して各基板を上昇させるべくリフト・ピン1335が配置されている。つまり、本実施形態では、リフト・ピン1335は基板に直接係合するのではなく、平円盤1330をサセプタから上昇させて基板に係合させる。リフト・ピン1335は、リフト機構1336によって一斉に作動される。本図及び後続の図では、2−3個のリフト・ピン1335のみが示されるが、実際には各ウェーハ位置にリフト・ピンが存在する。
【0048】
図79は、処理チャンバの断面図を示しており、上方ハンガーの吊り下げ延長部1442に接触するよう上昇されたサセプタ1420を示している。これは、新しいウェーハがハンガーからサセプタに移送されようとしているときの位置、又は処理済みウェーハがサセプタからハンガーにちょうど移送されたときの位置である。図示されるように、パッドもしくは平円盤1430がウェーハ1410の真下にある。
【0049】
図80では、上方ハンガーの浮遊部1540がサセプタ1520によってわずかに上昇され、上記のように整列ピンを使用してサセプタ1520に対して整列されている。その後サセプタ1520は図78に示される位置に戻され、図81に示されるようにリフト・ピン1635が上方位置に移動されてリフト・パッド1630を上昇させ、基板1610を上昇させる前に基板1610に接触させる。図82は、延長位置にあり、基板1710を上方ハンガー1740から離して上昇させているリフト・ピン1735を示している。その後、上方ハンガーは処理チャンバから取り出され、図83に示されるようにサセプタ1820が上方処理位置に上昇され、基板1810がサセプタに載置される。図示されるように、リフト・ピン1835のリフト上面1837が多少下降され、平円盤1830がウェーハ下の台座に載置されるようになっている。
【0050】
図84は、サセプタ1920がアンロード位置にあり、リフト・ピン1935が延長されてリフト・パッド1930に係合し、基板1910をサセプタ1920から取り外している要素を示している。その後、リフト・ピン1935は下降されてウェーハ1910を下方ハンガー1945に載置し、基板1910は処理チャンバから取り出される。図示されるように、下方ハンガー1945は、下方の遊動ローラー1915に乗っている。
【0051】
図85−図86は、様々なサセプタ・ロード/アンロード位置にある処理チャンバの断面を示している。上記したように、本発明の特性はチャンバを開いて大気圧雰囲気に晒す必要なくサセプタを取り出すことが可能であることである。サセプタの修理が必要なときはいつでもこの操作を実行することができる。また、この操作は、ウェーハが処理チャンバ内で破損したときにも有益である。理解され得るように、ウェーハが処理チャンバ内で破損したとき、その破片がサセプタ上に堆積される可能性がある。以下の操作を使用して、サセプタを取り出し、破片を除去してチャンバに戻すことができる。このようにすると、ウェーハが破損したときチャンバを開く必要がない。
【0052】
図85で、下方ハンガー2045が処理チャンバに導入され、遊動ローラー2015に載っている。サセプタ2020は下方ハンガー2045に設けられたサセプタ・フック2050に下降される。図86で、台座2125が下降されてサセプタ2120から離される。図示されるように、サセプタ2120がフック2150に保持されているとき、リフト・パッドもしくは平円盤2130はサセプタ2120に留まる。その後、下方ハンガー2145はチャンバの外へと駆動されることができ、サセプタが取り出される。これにより、処理チャンバを開く必要なくサセプタの交換もしくは洗浄が可能となる。さらに、換えのサセプタはシステムの他方の側から搭載されることができ、システムは稼働し続けることができる。実際、一実施形態によると、換えのサセプタは必要に応じて使用されるように一方もしくは両方のロード・チャンバに置かれている。
【0053】
処理チャンバがやや大型の場合、サセプタがシャワーヘッドに正確に平行に配置されるようにすることが必要となることがある。これは、サセプタがロード/アンロード及び処理のために垂直に移動される場合には特に必要である。図87は、処理チャンバの断面図を示しており、本発明の実施形態に係る整列特性を示している。図87で、球状の台座2210がチャンバの底面2220に取り付けられている。台座2210は、所定の直径の球の一部の形状を有する切り込みを有する。サセプタを支持するリフト機構は、球状の台座2210に「乗った」、整合する球状のコア2205を有する。これにより、サセプタがシャワーヘッドに対して正確に平行になるまで、湾曲両矢印に示されるようにリフト・アセンブリ2215をわずかに傾斜させることが可能となる。その後、固定ボルト2225が締められ、リフト・アセンブリが所望の傾斜位置に固定される。
【0054】
図88は、本発明に係るサセプタの実施形態を示す。図88に示されるように、サセプタ2320は、一般的に複数の基板用台座2305を有する長方形のプレートである。各基板用台座2305は、リフト・ピンが基板パッドもしくは平円盤2330にアクセスして係合するためのリフト・ピン・アクセス開口2310を有する。各平円盤は、サセプタにおいてピン・アクセス開口2310の外側に形成された平円盤用台座2335に置かれている。リフト・ピンを使用して基板パッド2330を上昇させ、したがって各基板をサセプタから離して上昇させる。図88には、サセプタを台座に整列させるための孔2360、及びハンガー整列ピンを通過させて上方ハンガーの整列オリフィスに係合させるための切り込み2365も示されている。
【0055】
図89は、本発明の多様な実施形態のロード・チャンバで使用されることができるトレイ2400を示している。トレイ2400は、一般的に各基板位置用の基板ネスト2405、2415を有するプレートである。ネストは、基板をネストにセンタリング(center)する構造の4つのネスト要素2415を有する。図89から、トレイ2405の縁部に設けられたネスト要素以外の各ネスト要素2415は、4つのウェーハ位置に作用することは理解されるべきである。トレイ2400の縁部のネスト要素2405は、1つもしくは2つのウェーハ位置に作用し得る。図89の詳細図で、基板2410がネストに置かれて示されている。また、各基板用台座の中央にはリフト・ピンがトレイから基板を上昇させるためのアクセス孔2470がある。
【0056】
図90は、処理チャンバ内でのウェーハの破損を検出することを可能にする本発明の別の特性を示している。この特性によると、処理チャンバ内のウェーハの画像を撮像するためにデジタル・カメラが使用され、画像がウェーハ破損を点検するために処理される。図90で、処理チャンバ2500は輪郭形状として概略的に示されている。真空ドア・アセンブリ2505も輪郭形状として概略的に示されている。カメラ2510が真空ドア・アセンブリ2505の内部に配置されており、ドアが開いたときカメラはチャンバ内部の画像を撮像することができる。破線は、各カメラの視野を示している。処理チャンバ2500内で処理が終了したとき、ドアが開かれウェーハが取り出される。トレイが運び込まれる前に、カメラが起動されてチャンバ内のウェーハの画像を撮像し、チャンバ内に破損したウェーハが存在するかが判定される。存在するなら、上記された通り下方ハンガーが運び込まれてサセプタを取り出してもよい。
【0057】
真空ドア・アセンブリの内部に2つのカメラを設置することは一例であり、カメラの個数とその配置は変更されてもよいことは理解されるべきである。ここでの趣旨は、チャンバから取り出される前にウェーハの画像を取得して、破損したウェーハがあるかを判定することである。図90に、チャンバ・ボディの側面に3つのカメラ2510’が設置され、窓2515を通して内部を観察している別の例が示されている。類似の構成をチャンバの他方の側面に設けることもできる。
【0058】
カメラからの画像はプロセッサ2520に送信され処理される。画像はカメラの画角に規定される角度(perspective)を有しているので、プロセッサ2520はまず画像をカメラの画角から通常の座標に転置及び/又は修正する。この操作で、プロセッサはレンズ歪みを除去し画像を一定のサイズ及び向きに修正してもよい。次に、プロセッサは期待ウェーハ位置を特定し、期待位置に実際にウェーハが存在するかを検出する。次に、プロセッサは特定された各ウェーハを検査して破損しているか否かを分類する。プロセッサは、アレイの中のカメラの数Nだけこの処理を繰り返し、カメラ位置の数Mだけこの処理を繰り返してもよい。または、カメラからの画像は、オペレータが視認して破損したウェーハがあるかを判断するべく単にディスプレイ2530に送信されるだけでもよい。もちろん、画像はプロセッサ及びディスプレイの両方に送信されてもよく、オペレータはプロセッサによる破損ウェーハの有無の判定を制御もしくは認証する主体であってよい。さらに、カメラは全てのウェーハがサセプタ上に正しく置かれるようにするべく、チャンバ内で処理が開始する前の画像を撮像するために使用されてもよい。理解され得るように、ウェーハがサセプタ上に正しく置かれていなければ、プラズマ・アーキングが生じ得る。
【0059】
また、画像を撮像するときに処理チャンバの内部を照明する照明機構2535が設けられている。照明機構2535は、専用の窓を設けられるLED、フラッシュ・ライト等の独立した光源の形態であってよい。または、照明機構は、各カメラの周囲に設けられ、カメラと同様の視野を有するLEDの形態であってもよい。さらに別の実施形態では、照明はシャワーヘッドから反射するようにチャンバの天井に向けられる。このようにすると、光はチャンバ内で均等に分配される。
【0060】
本発明をその特定的実施形態を参照して記載したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。特に、多様な変更及び改良が、当業者により、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実施され得る。また、上に引用した従来技術文献の全てを参照として本明細書に取り込む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空処理チャンバと、
前記真空処理チャンバの第1の側に結合された第1のロードロック・チャンバと、
前記第1の側と反対の、前記真空処理チャンバの第2の側に結合された第2のロードロック・チャンバと、
前記真空処理チャンバとは反対側で前記第1のロードロック・チャンバに結合された第1の交換ステーションと、
前記真空処理チャンバとは反対側で前記第2のロードロック・チャンバに結合された第2の交換ステーションと、
前記第1の交換ステーションに配置され、前記第1の交換ステーションに新しい基板を積み込み、前記第1の交換ステーションから処理済みの基板を取り出すべく動作する第1の交換機構と
を備えることを特徴とする直列型基板処理システム。
【請求項2】
前記第2の交換ステーションに配置され、前記第2の交換ステーションに新しい基板を積み込み、前記第2の交換ステーションから処理済みの基板を取り出すべく動作する第2の交換機構をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の交換ステーションは、基板反転機構を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記基板反転機構は、
フレームと、
前記フレームに回転可能に結合された複数のピボットと、
少なくとも1つが前記ピボットのそれぞれに結合された複数の基板ホルダーと、
前記ピボットに結合され、前記ピボットを同時に回転させる回転駆動装置と
を備える
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ピボットのそれぞれは、真空導管を備える
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1及び第2のロードロック・チャンバのそれぞれは、
少なくとも1枚の基板を支持するべく構成された上方ハンガーと、
少なくとも1枚の基板を支持するべく構成された下方ハンガーと、
前記真空処理チャンバに前記上方及び下方ハンガーを出し入れするべく構成された搬送機構と
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記真空処理チャンバ内に配置されたサセプタと、
基板を前記上方ハンガーと前記サセプタとの間、及び前記下方ハンガーと前記サセプタとの間で交換するべく構成された交換装置と
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記サセプタを垂直に移動させて、前記サセプタを、ハンガー移送のための下方位置、基板交換のための中間位置、及び基板処理のための上方位置の少なくとも3つの位置の1つに位置付けるべく構成されたリフト機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記下方ハンガーは、前記サセプタに係合して前記サセプタを前記第1又は第2の交換ステーションの一方に搬送するためのフックをさらに備える
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理チャンバはヒータを備え、前記サセプタは前記ヒータの上面に自由に位置付けられる
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記サセプタを前記ヒータに整列させるべく配置された整列ピンをさらに備える
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記上方又は下方ハンガーの一方は浮遊プレートを備え、前記リフト機構は前記浮遊プレートに係合して上昇させ、それにより前記浮遊プレートを前記サセプタに整列させるべく構成されている
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記サセプタは複数の基板用台座を備え、前記基板用台座のそれぞれは、内部にリフト・パッドが配置されている
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記真空処理チャンバは複数のリフト・ピンを備えるリフト・ピン機構をさらに備え、各リフト・ピンは前記リフト・パッドの1つに係合するよう構成されている
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの一方は新しい基板の前記真空処理チャンバへの導入専用に構成され、前記上方ハンガー又は下方ハンガーの他方は処理済み基板の前記真空処理チャンバからの取り出し専用に構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1及び第2のロードロック・チャンバのそれぞれは能動的駆動装置を備え、前記上方及び下方ハンガーのそれぞれは駆動延長部を備えており、前記上方および下方ハンガーのそれぞれは前記能動的駆動装置が前記駆動延長部に係合することにより前記真空処理チャンバへと駆動されることができる
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記能動的駆動装置に動力を与えて、前記上方及び下方ハンガーの両方を前記第1又は第2のロードロック・チャンバの一方から前記真空処理チャンバに基板交換のために導入させ、前記真空処理チャンバ内での基板処理の前に前記上方及び下方ハンガーを前記真空処理チャンバから取り出させるべくプログラムされたコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記第1又は第2のロードロック・チャンバがレディ状態であるかを示すレディ信号を待ち受け、前記レディ信号に対応する前記能動的駆動装置に動力を与えるようプログラムされている
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記上方及び下方ハンガーの少なくとも一方における基板の有無を検出するべく配置されたセンサー・アレイをさらに備える
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項20】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの少なくとも一方は、前記センサー・アレイを稼働させるためのトリガー機構を備える
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1のロードロック・チャンバと前記真空処理チャンバとの間に配置された真空ドアと、
前記処理チャンバの外に配置され、前記真空ドアを介して前記チャンバ内に視野を有する少なくとも1つのカメラと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記処理チャンバの外に配置され、窓を介して前記チャンバ内に視野を有する少なくとも1つのカメラと、
前記カメラから画像を受信し、前記画像内に破損したウェーハが登場するかを判定するべく前記画像を点検するプロセッサと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
両側積み込み型(dual−load)処理システムの自動順位付け操作用のコントローラで実施されるコンピュータ化された方法であって、
前記真空処理システムは、2つの積み込みポートを有する真空処理チャンバと、2つのロードロック・チャンバとを備え、各ロードロック・チャンバは真空弁を介して前記2つのポートの一方にそれぞれ結合され、
新しいワークピースが前記ロードロック・チャンバの一方に導入されたとき、当該ロードロック・チャンバで真空を開始し、
前記ロードロック・チャンバの一方で所望の真空レベルが達成されたとき、当該ロードロック・チャンバでワークピース交換の準備が整ったことを示すレディ 信号を前記コントローラに送信し、
前記真空処理チャンバで処理が終了したとき、どちらのロードロック・チャンバがレディ信号を送信したかを前記コントローラに判定させ、当該ロードロック・チャンバでワークピース交換を開始する
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
ワークピース交換を開始することは、
レディ信号の送信元である前記ロードロック・チャンバに対応する前記真空弁を開き、
処理済みワークピースを前記真空処理チャンバ内からレディ信号の送信元である前記ロードロック・チャンバに搬出し、
前記新しいワークピースを前記真空処理チャンバに搬入する
ことを含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
真空処理チャンバと、
前記チャンバの一方の側に結合されたロードロック・チャンバと、
前記チャンバとは反対側で前記ロードロックに結合された交換ステーションと、
少なくとも1枚の基板を支持するべく構成された上方ハンガーと、
少なくとも1枚の基板を支持するべく構成された下方ハンガーと、
前記交換ステーションと、前記ロードロック・チャンバと、前記処理チャンバとの間で前記上方及び下方ハンガーを移動させるべく構成された搬送機構と
を備えることを特徴とする直列型処理システム。
【請求項26】
前記処理チャンバ内に配置されたサセプタと、
基板を前記上方ハンガーと前記サセプタとの間、及び前記下方ハンガーと前記サセプタとの間で交換するべく構成された交換機構と
をさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
基板を前記上方ハンガー及び下方ハンガーの一方に載せ、ウェーハを前記上方ハンガー及び下方ハンガーの一方から降ろすべく構成されたロード機構をさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記サセプタを垂直に移動させて、前記サセプタを、ハンガー移送のための下方位置、基板交換のための中間位置、及び基板処理のための上方位置の少なくとも3つの位置の1つに位置付けるべく構成されたリフト機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記サセプタの下に配置されたヒータをさらに備えることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記下方ハンガーは、前記サセプタに係合して前記サセプタを前記処理チャンバから取り出すためのフックをさらに備える
ことを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項31】
前記ロードロック・チャンバと前記真空処理チャンバとの間に配置された真空ドアと、
前記処理チャンバの外に配置され、前記真空ドアを介して前記チャンバ内に視野を有する少なくとも1つのカメラと
をさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
前記上方及び下方ハンガーの少なくとも一方における基板の有無を検出するべく配置されたセンサー・アレイをさらに備える
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの少なくとも一方は、前記センサー・アレイを稼働させるためのトリガー機構を備える
ことを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記ロードロック・チャンバは能動的駆動装置を備え、前記上方及び下方ハンガーは駆動延長部を備えており、前記上方および下方ハンガーは前記能動的駆動装置が前記駆動延長部に係合することにより前記真空処理チャンバへと駆動されることができる
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項35】
前記処理チャンバは、ヒータと、前記ヒータの上面に自由に位置付けられるサセプタとを備える
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項36】
前記サセプタを前記ヒータに整列させるべく配置された整列ピンをさらに備えることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記サセプタは複数の基板用台座を備え、前記基板用台座のそれぞれは、内部にリフト・パッドが配置されている
ことを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項38】
前記真空処理チャンバは複数のリフト・ピンを備えるリフト・ピン機構をさらに備え、各リフト・ピンは前記リフト・パッドの1つに係合するよう構成されている
ことを特徴とする請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記処理チャンバは、前記処理チャンバの底面に取り付けられた球状の台座と、
前記球状の台座に結合されたサセプタ・リフト機構とをさらに備える
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項40】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの一方は浮遊プレートを備え、前記処理チャンバは前記浮遊プレートに係合し上昇させるべく構成されたリフト機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記リフト機構に係合されたときに前記浮遊プレートを整列させるべく構成された整列機構をさらに備えることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの一方は新しい基板の前記真空処理チャンバへの導入専用に構成され、前記上方ハンガー又は下方ハンガーの他方は処理済み基板の前記真空処理チャンバからの取り出し専用に構成されている
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項43】
前記上方及び下方ハンガーを前記真空処理チャンバに基板交換のために導入し、前記真空処理チャンバ内での基板処理の前に前記上方及び下方ハンガーを前記真空処理チャンバから取り出すべくプログラムされたコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項44】
前記交換ステーション内に配置されたロード・トレイをさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項1】
真空処理チャンバと、
前記真空処理チャンバの第1の側に結合された第1のロードロック・チャンバと、
前記第1の側と反対の、前記真空処理チャンバの第2の側に結合された第2のロードロック・チャンバと、
前記真空処理チャンバとは反対側で前記第1のロードロック・チャンバに結合された第1の交換ステーションと、
前記真空処理チャンバとは反対側で前記第2のロードロック・チャンバに結合された第2の交換ステーションと、
前記第1の交換ステーションに配置され、前記第1の交換ステーションに新しい基板を積み込み、前記第1の交換ステーションから処理済みの基板を取り出すべく動作する第1の交換機構と
を備えることを特徴とする直列型基板処理システム。
【請求項2】
前記第2の交換ステーションに配置され、前記第2の交換ステーションに新しい基板を積み込み、前記第2の交換ステーションから処理済みの基板を取り出すべく動作する第2の交換機構をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の交換ステーションは、基板反転機構を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記基板反転機構は、
フレームと、
前記フレームに回転可能に結合された複数のピボットと、
少なくとも1つが前記ピボットのそれぞれに結合された複数の基板ホルダーと、
前記ピボットに結合され、前記ピボットを同時に回転させる回転駆動装置と
を備える
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ピボットのそれぞれは、真空導管を備える
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1及び第2のロードロック・チャンバのそれぞれは、
少なくとも1枚の基板を支持するべく構成された上方ハンガーと、
少なくとも1枚の基板を支持するべく構成された下方ハンガーと、
前記真空処理チャンバに前記上方及び下方ハンガーを出し入れするべく構成された搬送機構と
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記真空処理チャンバ内に配置されたサセプタと、
基板を前記上方ハンガーと前記サセプタとの間、及び前記下方ハンガーと前記サセプタとの間で交換するべく構成された交換装置と
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記サセプタを垂直に移動させて、前記サセプタを、ハンガー移送のための下方位置、基板交換のための中間位置、及び基板処理のための上方位置の少なくとも3つの位置の1つに位置付けるべく構成されたリフト機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記下方ハンガーは、前記サセプタに係合して前記サセプタを前記第1又は第2の交換ステーションの一方に搬送するためのフックをさらに備える
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理チャンバはヒータを備え、前記サセプタは前記ヒータの上面に自由に位置付けられる
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記サセプタを前記ヒータに整列させるべく配置された整列ピンをさらに備える
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記上方又は下方ハンガーの一方は浮遊プレートを備え、前記リフト機構は前記浮遊プレートに係合して上昇させ、それにより前記浮遊プレートを前記サセプタに整列させるべく構成されている
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記サセプタは複数の基板用台座を備え、前記基板用台座のそれぞれは、内部にリフト・パッドが配置されている
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記真空処理チャンバは複数のリフト・ピンを備えるリフト・ピン機構をさらに備え、各リフト・ピンは前記リフト・パッドの1つに係合するよう構成されている
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの一方は新しい基板の前記真空処理チャンバへの導入専用に構成され、前記上方ハンガー又は下方ハンガーの他方は処理済み基板の前記真空処理チャンバからの取り出し専用に構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1及び第2のロードロック・チャンバのそれぞれは能動的駆動装置を備え、前記上方及び下方ハンガーのそれぞれは駆動延長部を備えており、前記上方および下方ハンガーのそれぞれは前記能動的駆動装置が前記駆動延長部に係合することにより前記真空処理チャンバへと駆動されることができる
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記能動的駆動装置に動力を与えて、前記上方及び下方ハンガーの両方を前記第1又は第2のロードロック・チャンバの一方から前記真空処理チャンバに基板交換のために導入させ、前記真空処理チャンバ内での基板処理の前に前記上方及び下方ハンガーを前記真空処理チャンバから取り出させるべくプログラムされたコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記第1又は第2のロードロック・チャンバがレディ状態であるかを示すレディ信号を待ち受け、前記レディ信号に対応する前記能動的駆動装置に動力を与えるようプログラムされている
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記上方及び下方ハンガーの少なくとも一方における基板の有無を検出するべく配置されたセンサー・アレイをさらに備える
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項20】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの少なくとも一方は、前記センサー・アレイを稼働させるためのトリガー機構を備える
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1のロードロック・チャンバと前記真空処理チャンバとの間に配置された真空ドアと、
前記処理チャンバの外に配置され、前記真空ドアを介して前記チャンバ内に視野を有する少なくとも1つのカメラと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記処理チャンバの外に配置され、窓を介して前記チャンバ内に視野を有する少なくとも1つのカメラと、
前記カメラから画像を受信し、前記画像内に破損したウェーハが登場するかを判定するべく前記画像を点検するプロセッサと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
両側積み込み型(dual−load)処理システムの自動順位付け操作用のコントローラで実施されるコンピュータ化された方法であって、
前記真空処理システムは、2つの積み込みポートを有する真空処理チャンバと、2つのロードロック・チャンバとを備え、各ロードロック・チャンバは真空弁を介して前記2つのポートの一方にそれぞれ結合され、
新しいワークピースが前記ロードロック・チャンバの一方に導入されたとき、当該ロードロック・チャンバで真空を開始し、
前記ロードロック・チャンバの一方で所望の真空レベルが達成されたとき、当該ロードロック・チャンバでワークピース交換の準備が整ったことを示すレディ 信号を前記コントローラに送信し、
前記真空処理チャンバで処理が終了したとき、どちらのロードロック・チャンバがレディ信号を送信したかを前記コントローラに判定させ、当該ロードロック・チャンバでワークピース交換を開始する
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
ワークピース交換を開始することは、
レディ信号の送信元である前記ロードロック・チャンバに対応する前記真空弁を開き、
処理済みワークピースを前記真空処理チャンバ内からレディ信号の送信元である前記ロードロック・チャンバに搬出し、
前記新しいワークピースを前記真空処理チャンバに搬入する
ことを含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
真空処理チャンバと、
前記チャンバの一方の側に結合されたロードロック・チャンバと、
前記チャンバとは反対側で前記ロードロックに結合された交換ステーションと、
少なくとも1枚の基板を支持するべく構成された上方ハンガーと、
少なくとも1枚の基板を支持するべく構成された下方ハンガーと、
前記交換ステーションと、前記ロードロック・チャンバと、前記処理チャンバとの間で前記上方及び下方ハンガーを移動させるべく構成された搬送機構と
を備えることを特徴とする直列型処理システム。
【請求項26】
前記処理チャンバ内に配置されたサセプタと、
基板を前記上方ハンガーと前記サセプタとの間、及び前記下方ハンガーと前記サセプタとの間で交換するべく構成された交換機構と
をさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
基板を前記上方ハンガー及び下方ハンガーの一方に載せ、ウェーハを前記上方ハンガー及び下方ハンガーの一方から降ろすべく構成されたロード機構をさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記サセプタを垂直に移動させて、前記サセプタを、ハンガー移送のための下方位置、基板交換のための中間位置、及び基板処理のための上方位置の少なくとも3つの位置の1つに位置付けるべく構成されたリフト機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記サセプタの下に配置されたヒータをさらに備えることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記下方ハンガーは、前記サセプタに係合して前記サセプタを前記処理チャンバから取り出すためのフックをさらに備える
ことを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項31】
前記ロードロック・チャンバと前記真空処理チャンバとの間に配置された真空ドアと、
前記処理チャンバの外に配置され、前記真空ドアを介して前記チャンバ内に視野を有する少なくとも1つのカメラと
をさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
前記上方及び下方ハンガーの少なくとも一方における基板の有無を検出するべく配置されたセンサー・アレイをさらに備える
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの少なくとも一方は、前記センサー・アレイを稼働させるためのトリガー機構を備える
ことを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記ロードロック・チャンバは能動的駆動装置を備え、前記上方及び下方ハンガーは駆動延長部を備えており、前記上方および下方ハンガーは前記能動的駆動装置が前記駆動延長部に係合することにより前記真空処理チャンバへと駆動されることができる
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項35】
前記処理チャンバは、ヒータと、前記ヒータの上面に自由に位置付けられるサセプタとを備える
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項36】
前記サセプタを前記ヒータに整列させるべく配置された整列ピンをさらに備えることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記サセプタは複数の基板用台座を備え、前記基板用台座のそれぞれは、内部にリフト・パッドが配置されている
ことを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項38】
前記真空処理チャンバは複数のリフト・ピンを備えるリフト・ピン機構をさらに備え、各リフト・ピンは前記リフト・パッドの1つに係合するよう構成されている
ことを特徴とする請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記処理チャンバは、前記処理チャンバの底面に取り付けられた球状の台座と、
前記球状の台座に結合されたサセプタ・リフト機構とをさらに備える
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項40】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの一方は浮遊プレートを備え、前記処理チャンバは前記浮遊プレートに係合し上昇させるべく構成されたリフト機構をさらに備える
ことを特徴とする請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記リフト機構に係合されたときに前記浮遊プレートを整列させるべく構成された整列機構をさらに備えることを特徴とする請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記上方ハンガー又は下方ハンガーの一方は新しい基板の前記真空処理チャンバへの導入専用に構成され、前記上方ハンガー又は下方ハンガーの他方は処理済み基板の前記真空処理チャンバからの取り出し専用に構成されている
ことを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項43】
前記上方及び下方ハンガーを前記真空処理チャンバに基板交換のために導入し、前記真空処理チャンバ内での基板処理の前に前記上方及び下方ハンガーを前記真空処理チャンバから取り出すべくプログラムされたコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項44】
前記交換ステーション内に配置されたロード・トレイをさらに備えることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図90】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図90】
【公開番号】特開2011−124579(P2011−124579A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−275100(P2010−275100)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(509263179)オルボテック エルティ ソラー,エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275100(P2010−275100)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(509263179)オルボテック エルティ ソラー,エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】
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