説明

自律移動装置

【課題】自律的に移動する自律移動装置において、自己の属するエリア内の危険度を判断して表示することが可能な自律移動装置を提供する。
【解決手段】自律移動装置1は、通信機12によって他の自律移動装置1’の位置における危険度を取得し、カメラ10および通信機12によって他の自律移動装置1’との距離を取得する。危険度判断部22は、当該危険度と距離とから自己の位置における危険度を判断する。表示灯46は、自己の位置における危険度に対応した表示をする。これによって、他の自律移動装置1’からの情報を利用して、自己の属するエリア内の危険度を判断して表示することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自律移動装置に関し、特には自己の属するエリア内の危険度を判断して表示することが可能な自律移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自律移動型ロボットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の自律移動型ロボットは、指定位置にいる取扱登録者に荷物を届けるための物で、指定目的位置に自走可能に走行する走行部と、開閉可能な収納扉を有する収納部と、収納扉を閉状態に保持するロック部と、ロボットの取扱登録者を認識する登録者認識部と、ロボットの現在位置を検出する位置検出手段とを備え、位置検出手段による指定目的位置へのロボットの到達確認と、登録者認識部での取扱登録者の確認とが共になされることによりロック部が解除されるように設定されている制御部を有する。指定目的位置へのロボットの到達確認と、取扱登録者の確認とが共になされることにより収納扉のロックが解除されるため、搬送物が第3者により盗難にあったり、危険物が不用意に拡散してしまうことが無いようになっている。
【特許文献1】特開2001−287183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記自律移動型ロボットによれば、重い荷物などを運ぶことができる。しかしながら、ある領域内において交通環境等の危険度を低下させるということに関してはなんら考慮されていない。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、自律的に移動する自律移動装置において、自己の属するエリア内の危険度を判断して表示することが可能な自律移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、自律的に移動する自律移動装置において、他の自律移動装置から他の自律移動装置の位置における危険度を受信する外部情報受信手段と、外部情報受信手段が受信した他の自律移動装置の位置における危険度と、他の自律移動装置と自己との位置関係とに基づいて、自己の位置における危険度を判断する危険度判断手段と、危険度判断手段が判断した自己の位置における危険度に基づいた表示を行う表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、外部情報受信手段が他の自律移動装置の位置における危険度を受信し、危険度判断手段が他の自律移動装置の危険度と他の自律移動装置と自己との位置関係とに基づいて自己の位置における危険度を判断するため、他の自律移動装置からの情報を利用して自己の位置における危険度を判断することができる。また、表示手段が自己の位置における危険度に基づいた表示を行うため、他の自律移動装置からの情報を利用して、自己の属するエリア内の危険度を判断して表示することが可能となる。
【0007】
この場合、自己の位置における環境を認識する環境認識手段をさらに備え、危険度判断手段は、外部情報受信手段が受信した他の自律移動装置の位置における危険度と、他の自律移動装置と自己との位置関係と、前記環境認識手段が認識した自己の位置における環境とに基づいて自己の位置における危険度を判断することが好適である。
【0008】
この構成によれば、環境認識手段が自己の位置における環境を認識し、危険度判断手段は、自己の位置における環境にも基づいて自己の位置における危険度を判断するため、自律移動装置は自身が認識した結果をも判断材料に加えて自己の属するエリア内の危険度を判断して表示することが可能となる。
【0009】
この場合、危険度判断手段が判断した自己の位置における危険度を他の自律移動装置に送信する送信手段をさらに備えることが好適である。
【0010】
この構成によれば、送信手段が自己の位置における危険度を他の自律移動装置に送信するため、他の自律移動装置に対しエリア内の危険度を判断する判断材料をフィードバックすることができ、あるエリア内に属する複数の自律移動装置が、全体として、一層的確にエリア内の危険度を判断して表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の自律移動装置によれば、他の自律移動装置からの情報を利用して、自己の属するエリア内の危険度を判断して表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
まず、図1を用いて、実施形態に係る自律移動装置1の構成について説明する。図1は、自律移動装置1の構成を示すブロック図である。自律移動装置1は、他の自律移動装置の位置における危険度を受信することにより、自己の属するエリア内の危険度を判断し、当該危険度に基づいて信号灯46を各種のパターンに点灯させ、道路を通行する車両の運転者に対して当該エリアの危険度を表示する。また、自律移動装置1は、この自律移動装置1を使用する特定の人(以下「主人」という)のそばについて、主人に追従するように、または主人を誘導するように自律的に移動する。さらに、自律移動装置1は、カメラ10および通信機12などによって取得される情報から、主人およびその周囲環境を認識するとともに、認識された周囲環境に基づいて主人の危険度を判断する。そして、主人が危険であると判断された場合には、例えばスピーカ30から警告音を発したり、バックライト32を点灯させたり、または車輪36を駆動して自律移動装置1を移動させることにより主人の危険度を低減する。
【0014】
カメラ10は、主人やその周囲環境の画像を取得する一対のCCDカメラと、取得した画像を画像処理する画像処理部とを有している。この画像処理部では、一対のCCDカメラで取得した画像からエッジ抽出やパターン認識処理などによって、主人や、その周囲の障害物や、道路標識や、他の自律移動装置などを抽出して認識する。また、左右の取得画像中における主人や他の自律移動装置などの対象物位置の違いを基にして三角測量方式により対象物との距離および横変位を求め、前フレームで求めた距離に対する変化量から相対速度を求める。これにより、自律移動装置1は、他の自律移動装置と自己との位置関係、具体的には他の自律移動装置との距離を取得することができる。カメラ10と後述する電子制御装置(以下「ECU」という)20とは通信回線で接続されており、カメラ10により取得された情報は、この通信回線を介してECU20に伝送される。
【0015】
通信機12は、送信機13および受信機14を含んで構成され、例えば、自律移動装置1の周囲にある他の自律移動装置、車両、および交差点に設置されている信号機や道路に設置されているカメラ、レーダなどのインフラストラクチャとの間で情報を送受信するものである。送信機13は、例えば、主人の位置・移動方向・移動速度、および特に自己の位置および自己の位置における危険度などの情報を、他の自律移動装置や周辺を走行する車両などに送信する。すなわち、送信機13は、特許請求の範囲に記載の送信手段として機能する。
【0016】
一方、受信機14は、例えば、他の自律移動装置から送信された他の歩行者の位置・移動方向・移動速度、および特に他の自律移動装置の位置および他の自律移動装置の位置における危険度などの情報、周辺を走行する車両から送信された走行車両の位置・移動方向・移動速度・操作状態などの情報、周辺に停車されている車両から送信された停車車両の位置などの情報、および上述したインフラストラクチャから送信された信号機の点灯状態や交通状態などの情報を受信する。すなわち、受信機14は、特許請求の範囲に記載の外部情報受信手段として機能する。なお、通信機12は、例えば半径約100mの範囲で情報の送受信を行うことが可能に設定されている。
【0017】
通信機12とECU20とは、通信回線で接続されることにより、相互に情報の交換が可能となるように構成されている。ECU20で生成された送信情報はこの通信回線を介してECU20から送信機13に伝送される。一方、受信機14によって受信された各種の受信情報は、この通信回線を介してECU20に伝送される。
【0018】
このように、本実施形態では、カメラ10および通信機12によって主人およびその周囲の環境が認識される。より詳細には、例えば、主人の位置・移動方向・移動速度、他の歩行者、自転車や自動車などの位置・形状・移動方向・移動速度・操作状態、停車車両、電柱や落下物などの障害物の位置・形状、および信号機の点灯状態や道路標識などの交通状態などの周囲の環境が認識される。また、例えば、物体の種類、重量や材質などに関する属性も認識される。ここで、物体の種類に関する属性としては、例えば、大型車、小型車、二輪車、自転車などの分類が挙げられる。重量に関する属性としては、重いか軽いか、また、材質に関する属性としては、表面が軟らかいか硬いかなどが挙げられる。これらの環境の情報により、危険度判断部22の周囲危険度取得部23は、自己の周囲の環境に基づく危険度を算出する。すなわち、カメラ10および通信機12は特許請求の範囲に記載の環境認識手段として機能する。
【0019】
ここで、主人であるか否かの認識は、例えば、主人−自律移動装置1間通信の通信情報に主人であることを示すID情報を乗せることにより、または、撮像された人物が着ている衣服の形状や模様が予め学習させておいた主人のものと一致するか否かを判断することにより行うことができる。さらに、指紋や虹彩による認証技術などを組み合わせて用いてもよい。
【0020】
そして、上記構成によって、ECU20の内部には、カメラ10および通信機12により認識された環境、他の自律移動装置の位置における危険度、他の自律移動装置と自己との距離に基づいて主人の危険度を判断する危険度判断部22、危険度判断部22により判断された危険度に基づいてスピーカ30、バックライト32、電動モータ34、プロジェクタ42、ディスプレイ44や信号灯46などを駆動する表示アクチュエータ制御部26が構築されている。
【0021】
危険度判断部22は、自己の周囲の環境および他の自律移動装置の位置における危険度を取得する周囲危険度取得部23と、他の自律移動装置と自己との距離の逆数を取得する距離取得部24と、周囲危険度取得部23により取得した危険度と距離取得部24により取得した距離とにより自己の位置における危険度を更新する危険度更新部25を含んで構成されている。
【0022】
すなわち、ECU20を構成する危険度判断部22は特許請求の範囲に記載の危険度判断手段として機能する。また、表示アクチュエータ制御部26、およびスピーカ30、バックライト32、電動モータ34、プロジェクタ42、ディスプレイ44および信号灯46などの各アクチュエータは、特許請求の範囲に記載の表示手段として機能する。なお、自己の属するエリア内の危険度を表示する動作の詳細については後述する。
【0023】
スピーカ30はECU20に接続されており、表示アクチュエータ制御部26から出力される制御信号に応じて、警告音や音声情報などを発することによって主人に注意を促す。バックライト32もECU20に接続されており、表示アクチュエータ制御部26により駆動され、例えば危険度に応じた色の光を発することによって主人に注意を促す。また、電動モータ34もECU20に接続されており、表示アクチュエータ制御部26により駆動され、電動モータ34に取り付けられている車輪36を回転させることによって自律移動装置1を移動させる。さらに、ECU20には、プロジェクタ42やディスプレイ44が接続されており、危険情報や危険回避情報などの各種情報を投影したり表示したりすることにより、主人に注意を促す。
【0024】
信号灯46はECU20に接続されており、表示アクチュエータ制御部26により駆動され、例えば危険度に応じたパターンの光を発することによって、主人および車両の運転者等の外部に対して注意を促す。例えば、信号灯46は、積層信号灯、キセノン灯、回転灯および積層回転灯のいずれかから選択される物を適用することができる。信号灯46は、例えば危険度が高くなるにつれて、例えば、危険度小:青、危険度中:黄、危険度大:赤、危険度最大:点滅、といったパターンの光を発する。なお、信号灯46は、自律移動装置1を全体的に光らせたり、または部分的に光らせたりするものであっても良い。あるいは信号灯46は、危険度に応じてその点滅パターンを変更させる物であっても良い。
【0025】
次に、図2および図3を併せて参照して自律移動装置1の動作について説明する。図2は、危険度の更新処理の処理手順を示すフローチャートである。図3は、実施形態に係る危険度を低下させる動作を示す図である。図2のフローチャートに示される危険度の更新処理は、主としてECU20によって行われるものであり、自律移動装置1の電源がオンされてからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。以下の説明では、図3(a)に示すように、自律移動装置1が主人100に追従しつつ、車両80が通行する車道60付近の歩道70を移動している場合を想定する。歩道70には、複数の他の自律移動装置1’が各々の主人100’に追従しつつ位置している。
【0026】
ステップS100では、通信機12の受信機14により受信したそれぞれの他の自律移動装置1’の位置における危険度αを、危険度判断部22の周囲危険度取得部23により取得する。併せてステップS100では、カメラ10および通信機12により取得された主人およびその周囲の環境の情報が読み込まれ、環境が認識される。より詳細には、例えば、主人の位置・移動方向・移動速度、他の歩行者、自転車や自動車などの位置・形状・移動方向・移動速度・操作状態、停車車両、電柱や落下物などの障害物の位置・形状、および信号機の点灯状態や道路標識などの交通状態などの周囲の環境が認識される。また、例えば、物体の種類、重量や材質などに関する属性も認識される。これらの環境の情報により、危険度判断部22の周囲危険度取得部23は、自己の周囲の環境に基づく危険度αを算出し、現在の自己の位置における危険度α=αとする。
【0027】
ステップS102では、カメラ10および通信機12により、それぞれの他の自律移動装置1’と自己との距離が取得される。危険度判断部22の距離取得部24は、当該他の自律移動装置1’との距離から、その逆数dを取得する。
【0028】
ステップS104では、危険度判断部22の危険度更新部25は、ステップS100で取得した危険度αと、ステップS102で取得した距離の逆数dとから、新たな自分の危険度αnewを算出する。具体的には、新たな危険度αnewは以下の式により、算出する。
αnew=(Σα・d)/(Σd
【0029】
なお、上式において、環境に基づく危険度αも上式に含め、この場合の距離の逆数dは、d=1とする。
【0030】
ステップS106では、危険度判断部22の危険度更新部25は、現在の自分の危険度αをステップS104で求めたαnewに更新し、α=αnewとする。表示アクチュエータ表示部26は、信号灯46を新たな危険度αnewに応じたパターンに発光させる。通信機12の送信器13は、新たな危険度αnewを自己の位置における危険度として他の自律移動装置1’に送信する。
【0031】
ステップS106では、自律移動装置1は、上記動作に併せて、スピーカ30を駆動して警告音や音声情報などを発することにより主人に注意を促す動作や、バックライト32を点灯または点滅させ、危険度に応じた色(例えば、黄色や赤色など)の光を発することにより主人に注意を促す動作を行う。また、ステップS106では、自律移動装置1は、プロジェクタ42を駆動して路面上に危険情報や危険回避情報などの各種情報を投影することにより、主人の注意を喚起したり、各種情報をディスプレイ44に表示することにより、主人の注意を喚起する動作を行う。あるいは、自律移動装置1は、自己の位置における危険度が極めて高いと判断したときは、車輪36を駆動して自律移動装置1を移動させて、車両等と主人との間に入ることにより主人の危険度を低減する。
【0032】
以上のS100〜S106のステップが繰り返されることにより、自律移動装置1は常に他の自律移動装置1’の位置における危険度に基づいて更新された危険度に応じた表示を外部に対して行う。
【0033】
自律移動装置1が以上のような動作を行うことにより、本実施形態の自律移動装置1は、実際の交通状況では以下のような機能を果たす。図3(a)に示されるように、自律移動装置1は当初、他の自律移動装置1’よりも自己の位置における危険度を低く判断し、表示灯46は低い危険度に応じた色である青を発光していた状況を想定する。一方、車道60を通行する車両80の数が多いため、他の自律移動装置1’はそれぞれの位置における危険度を高く判断し、それぞれの表示灯は高い危険度に応じた色である赤を発光している。
【0034】
自律移動装置1が上記のS100〜S106のステップを実行することにより、自律移動装置1は自己の位置における危険度を、他の自律移動装置1’の位置における危険度に基づいた高い危険度に更新し、表示灯の発光色を当該高い危険度に応じた色である赤に変更する。この場合、図3(b)に示すように、当該エリア内にいる自律移動装置1,1’はそれぞれの位置における危険度を均一に判断するようになり、各々の自律移動装置1,1’の存在するエリアは、同じ高い危険度に応じた赤色による表示で占められ、視覚的に危険度が目立ち易くなる。これを車両80の運転者から見ると、当該エリアの危険度の高さを容易に認識できることになる。当該エリアの危険度の高さを車両80の運転者に認識させることは、車両80の運転者に車両80の速度を落とす、駐車車両を移動させる等の危険度を低減させる自発的な行為を促すことになる。
【0035】
車両80の運転者による自発的な行為により、図3(c)に示すように、各々の自律移動装置1,1’の存在するエリアにおける危険度は徐々に低下する。この場合、各々の自律移動装置1,1’はそれぞれの位置における危険度を低い側に更新し、それぞれの表示灯を低い危険度に応じた青色に発光させる。これによって、各々の自律移動装置1,1’の存在するエリアは、同じ低い危険度に応じた青色による表示で占められる。これを車両80の運転者から見ると、当該エリアの危険度の低さを容易に認識できることになり、当該エリアを安心して通行できる。なお、エリアの危険度の制御は、エリア内への車両の進入規制、エリア内での速度規制、駐車車両の排除などを管理システムで制御することによって行っても良い。
【0036】
本実施形態の自律移動装置1,1’によれば、通信機12が他の自律移動装置1’の位置における危険度を受信し、危険度判断部22が他の自律移動装置1’の危険度と距離とに基づいて自己の位置における危険度を判断するため、他の自律移動装置1’からの情報を利用して自己の位置における危険度を判断することができる。また、表示灯46が自己の位置における危険度に基づいた表示を行うため、他の自律移動装置1’からの情報を利用して、自己の属するエリア内の危険度を判断して表示することが可能となる。
【0037】
また、本実施形態の自律移動装置1,1’によれば、カメラ10および通信機12が自己の位置における環境を認識し、危険度判断部22は、自己の位置における環境にも基づいて自己の位置における危険度を判断するため、自律移動装置1は自身が認識した結果も判断材料に加えて自己の属するエリア内の危険度を判断して表示することが可能となる。
【0038】
さらに、本実施形態の自律移動装置1,1’によれば、送信機13が自己の位置における危険度を他の自律移動装置1’に送信するため、他の自律移動装置1’に対しエリア内の危険度を判断する判断材料をフィードバックすることができ、あるエリア内に属する自律移動装置全体1,1’として、一層的確にエリア内の危険度を判断して表示することが可能となる。
【0039】
加えて本実施形態によれば、他の自律移動装置1’がいる領域を同様の危険度を示す表示で危険度を均一化して表示することができるため、危険度の表示を視覚的に目立たせて車両の運転者等に当該エリアの危険度を容易に認識させることができ、結果として、大規模な交通情報を表示するシステム等によらなくとも、車両の運転者の自発的な行動を促して当該エリアの危険度を低減できる。
【0040】
尚、本発明の自立移動装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施形態に係る自律移動装置の構成を示すブロック図である。
【図2】危険度の更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】実施形態に係る危険度を低下させる動作を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1,1’…自律移動装置、10…カメラ、12…通信機、13…送信機、14…受信機、20…ECU、22…危険度判断部、23…周囲危険度取得部、24…距離取得部、25…危険度更新部、26…表示アクチュエータ制御部、30…スピーカ、32…バックライト、34…電動モータ、36…車輪、42…プロジェクタ、44…ディスプレイ、46…信号灯、60…車道、70…歩道、80…車両、100,100’…主人。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律的に移動する自律移動装置において、
他の自律移動装置から前記他の自律移動装置の位置における危険度を受信する外部情報受信手段と、
前記外部情報受信手段が受信した前記他の自律移動装置の位置における危険度と、前記他の自律移動装置と自己との位置関係とに基づいて、自己の位置における危険度を判断する危険度判断手段と、
前記危険度判断手段が判断した自己の位置における危険度に基づいた表示を行う表示手段と、
を備えた自律移動装置。
【請求項2】
自己の位置における環境を認識する環境認識手段をさらに備え、
前記危険度判断手段は、前記外部情報受信手段が受信した前記他の自律移動装置の位置における危険度と、前記他の自律移動装置と自己との位置関係と、前記環境認識手段が認識した自己の位置における環境とに基づいて自己の位置における危険度を判断する、請求項1に記載の自律移動装置。
【請求項3】
前記危険度判断手段が判断した自己の位置における危険度を前記他の自律移動装置に送信する送信手段をさらに備えた請求項1または2に記載の自律移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−316922(P2007−316922A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145472(P2006−145472)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】