説明

車両用制御装置

【課題】車両状態の診断機能とナビゲーション機能とを協働制御することを可能とすることである。
【解決手段】車両用制御装置10は、診断装置用CPU20と、車両状態検出部22と、撮像器インタフェース24とを含み、さらにナビゲーション装置用CPU40と、ナビゲーション表示器42と、GPSインタフェース44とを含み、さらに、記憶部60を備える。診断装置用CPU20と、ナビゲーション装置用CPU40と、記憶部60とは、相互に内部バスで接続される。ナビゲーション装置用CPU40は、走行径路算出モジュール50と、診断装置用CPU20によって診断された診断結果を取得する診断結果取得モジュール52と、取得された診断結果に基づいて推奨径路を再計算する走行径路再計算モジュール54とを含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用制御装置に係り、特に車両状態を診断する診断装置と、ナビゲーション装置とを有する車両における車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、現在位置から目的位置までの推奨径路を計算し、これをディスプレイ等の画面に表示するナビゲーション機能を備えるものがある。ここで、ナビゲーション機能を実行するには地図情報等の大規模なデータが必要なことから、記憶装置として大容量HDDが用いられる。車両には、その他に記憶されたデータを用いて処理を行う装置が搭載されるが、その場合に、その目的のための記憶装置として、ナビゲーション機能に用いられる大容量HDDが利用されることがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ナビゲーション装置のHDDが有する大容量性を利用して、これを車両用診断装置の記憶装置に用い、ナビゲーション装置の表示装置に診断結果のメッセージ表示を行うことが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、画像イメージセンサによって撮像された車両内外の撮像データを圧縮してカーナビゲーションシステムのHDDに記憶し、このデータを読み出してLCDタッチパネルに表示することが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−44550号公報
【特許文献2】特開2005−102087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来技術においては、ナビゲーション機能に用いられる大容量HDDを他の目的に利用することが開示されている。しかしながら、従来技術においては、ナビゲーション機能に用いられる大容量HDDのあまった記憶容量を他の目的のために利用しているだけで、ナビゲーション機能に付加価値を与えるものではない。例えば、特許文献1では、車両用診断装置がナビゲーション装置の記憶装置を利用することが述べられているが、車両診断装置の診断機能とナビゲーション装置のナビゲーション機能とを協働的に作用させるものではない。
【0007】
本発明の目的は、車両状態の診断機能とナビゲーション機能とを協働制御することを可能とする車両用制御装置を提供することである。他の目的は、ナビゲーション機能に用いられる記憶装置に記憶される情報を用いることで車両の診断機能の向上を図ることを可能とする車両用制御装置を提供することである。以下の手段は、上記目的の少なくとも1つに貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車両用制御装置は、車両状態を診断する診断部と、車両の現在地と目的地との間の走行径路の中で、予め定められた基準に基づいて推奨径路を求める走行径路算出部と、算出された走行径路を表示する表示部と、を備え、走行径路算出部は、診断部の診断結果に基づいて推奨径路を再計算する手段を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る車両用制御装置において、診断部は、車両の蓄電装置の充電状態を取得し、過充電状態または過放電状態と診断するときに、その診断結果を走行径路算出部に出力する手段を有し、走行径路算出部は、診断部から受け取った診断結果に基づき、過充電状態のときは車両の回転電機を駆動源として走行する道路を優先する径路を推奨経路として算出し、過放電状態のときは車両の回転電機を発電機として回生する道路を優先する径路を推奨径路として算出することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る車両用制御装置において、診断部に用いられる診断用データの格納と、走行径路算出部及び表示部に用いられるナビゲーション用データの格納とに共用して用いられる記憶部を備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る車両用制御装置において、診断部は、車両が充電中のときの車両状態を充電中情報として取得して記憶部に記憶させる手段と、車両が充電中のときの車両周辺の状態を外部撮像器にて撮像したデータを外部監視情報として取得して記憶部に記憶させる手段と、記憶された充電中情報と外部監視情報とに基づき、充電中の車両状態を診断する手段と、を有することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る車両用制御装置において、表示部は、記憶された充電中情報と外部監視情報の少なくとも1方を表示することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記構成により、車両用制御装置は、走行径路算出部は、診断部の診断結果に基づいて推奨径路を再計算する。これによって、車両状態の診断機能とナビゲーション機能とを協働制御することが可能となる。
【0014】
また、車両用制御装置において、診断部は、車両の蓄電装置の充電状態を取得し、過充電状態または過放電状態と診断するときに、その診断結果を走行径路算出部に出力し、走行径路算出部は、診断部から受け取った診断結果に基づき、過充電状態のときは走行負荷の大きい走行径路を推奨経路として算出し、過放電状態のときは走行負荷の少ない走行径路を推奨径路として算出する。このようにして、車両状態の診断機能とナビゲーション機能とを協働制御することが可能となる。
【0015】
また、車両用制御装置において、診断部に用いられる診断用データの格納と、走行径路算出部及び表示部に用いられるナビゲーション用データの格納とに共用して用いられる記憶部を備える。したがって、記憶装置の数を抑制することができ、また、車両状態の診断機能とナビゲーション機能との協働制御において利便性が向上する。
【0016】
また、車両用制御装置において、診断部は、車両が充電中のときの車両状態を充電中情報として取得して記憶部に記憶させ、車両が充電中のときの車両周辺の状態を外部撮像器にて撮像したデータを外部監視情報として取得して記憶部に記憶させ、記憶された充電中情報と外部監視情報とに基づき、充電中の車両状態を診断する。これによって、ナビゲーション機能に用いられる記憶装置に記憶される情報を用いることで車両の診断機能の向上を図ることが可能となる。
【0017】
また、車両用制御装置において、表示部は、記憶された充電中情報と外部監視情報の少なくとも1方を表示する。このようにして、ナビゲーション機能に用いられる記憶装置と表示部とを用いて、車両の診断機能の向上が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、車両用制御装置10の構成を示す図である。車両用制御装置10は、車両に搭載される診断装置の機能と、やはり車両に搭載されるナビゲーション装置の機能とを協調的に制御する機能を有する。
【0019】
車両用制御装置10は、診断装置用CPU20と、診断装置用CPU20に接続される車両状態検出部22と、やはり診断装置用CPU20に接続される撮像器インタフェース24とを含んで構成される。これらが、車両状態を診断する診断部の主要な構成要素となる。また、車両用制御装置10は、ナビゲーション装置用CPU40と、ナビゲーション装置用CPU40に接続されるナビゲーション表示器42と、やはりナビゲーション装置用CPU40に接続されるGPSインタフェース44とを含んで構成される。これらが、車両の現在位置と目的位置との間の推奨径路を算出して表示するナビゲーション機能を実行するための主要な構成要素となる。さらに、車両用制御装置10は、記憶部60を備える。
【0020】
そして、診断装置用CPU20と、ナビゲーション装置用CPU40と、記憶部60とは、相互に内部バスで接続される。したがって、記憶部60は、診断部に用いられる診断用データの格納と、ナビゲーション機能の実行のために用いられるナビゲーション用データの格納とに共用して用いられる。このように、車両用制御装置10は、車両診断装置が有する機能と、ナビゲーション装置が有する機能とを融合させ、協働的に作用させる構成をとっている。ここで、大別すれば、診断機能のための要素は、診断装置用CPU20と車両状態検出部22と、撮像器インタフェース24と、記憶部60の一部であり、ナビゲーション機能のための要素は、ナビゲーション装置用CPU40と、ナビゲーション表示器42と、GPSインタフェース44と、記憶部60の一部である、ということができる。かかる車両用制御装置10は、車両搭載に適したコンピュータで構成することができる。
【0021】
車両状態検出部22は、車両の走行時における車両の各要素の状態を検出する機能を有するものである。例えば、車速を検出する車速検出部、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出部、アクセル開度を検出するアクセル開度検出部等が含まれる。
【0022】
また、車両がエンジンと回転電機とを備えるハイブリッド車両においては、蓄電装置の充電状態(State Of Charge)を判断するSOC判断部、回転電機の回転数を検出する回転電機回転数検出部、冷却水の温度を検出する冷却水温度検出部等が車両状態検出部22に含まれる。
【0023】
また、燃料電池を搭載する車両においては、燃料電池の発電状態を判断する発電状態判断部、燃料電池用の冷却水の温度を検出する燃料電池冷却水温度検出部等が車両状態検出部に含まれる。
【0024】
車両状態を示すデータとしては、車両を構成する各要素に設けられたセンサ装置の出力データを用いることができる他、車両の制御装置の入力信号または出力信号に基づいて算出されるデータを用いることができる。したがって、ここで車両状態検出部22とは、センサ装置のみならず、車両の制御装置も含む広義の意味で用いている。
【0025】
撮像器インタフェース24は、車両に備えられ、特に車両の外部を撮像する撮像器に撮像指示を与え、撮像されたデータを受け取る機能を有するインタフェース部である。撮像器は、車両内部の車室内を撮像するものであってもよい。また、車両に備えられるものでなく、車両の外部の施設に設けられるいわゆる外部撮像装置であってもよい。このような外部撮像装置としては、駐車場における監視装置、ガソリンスタンドにおける監視装置等をあげることができる。これらの外部撮像装置と交信するには、例えば、無線電波を用いることができる。
【0026】
ハイブリッド車両の場合に、外部撮像装置として、充電スタンドにおける監視装置を用いることができる。このときには、ハイブリッド車両と、充電スタンドとは、電源供給ラインで接続されているので、この電源供給ラインを介し、いわゆるPLC(Power Line Communication)技術を用い、監視装置と交信することができる。この場合には、PLC技術を用いたインタフェース回路で、撮像器インタフェース24を構成することになる。
【0027】
ナビゲーション表示器42は、車両の現在位置と目的位置との間の推奨径路を表示する機能を有する小型ディスプレイで、車室内に設けられる表示器である。
【0028】
GPSインタフェース44は、GPS方式により車両の現在位置を示すデータを受信するインタフェース回路である。
【0029】
記憶部60は、元々はナビゲーション装置用の記憶装置であるが、診断装置の機能に用いられるデータ等も記憶される。記憶部60に記憶されるものは、車両用制御装置10に用いられる各種プログラムの他、大別すると、診断用データ62と、ナビゲーション用データ68である。診断用データ62には、車両状態検出部22から取得したデータ、これらを加工したデータである車両状態情報64と、撮像器インタフェース24から取得したデータ、これらを加工したデータである外部監視情報66が含まれる。ナビゲーション用データ68には、地図情報等が含まれる。また、各種プログラムには、GPSインタフェース44から取得したデータから、現在位置を算出し、これを地図情報上に表示するためのプログラム、現在位置から目的位置までの推奨径路を算出し、これを地図情報上に表示するためのプログラム等が含まれる。
【0030】
診断装置用CPU20は、状態診断モジュール30と、車両状態検出部22からのデータを取得する車両状態取得モジュール32と、撮像器インタフェース24からのデータを取得する外部監視状態取得モジュール34とを含んで構成される。車両状態取得モジュール32によって取得されたデータは、記憶部60において車両状態情報64として記憶される。また、外部監視状態取得モジュール34によって取得されたデータは、記憶部60において外部監視情報として記憶される。
【0031】
状態診断モジュール30は、各種のデータに基づき、予め定めた基準に従って、車両の状態が正常か否かを判断し、車両の状態が正常でない場合には、その原因を解析してその結果を診断結果として出力する機能を有する。診断結果の出力は、例えば、異常表示ランプ等で表示される他、ナビゲーション表示器42に表示するものとできる。
【0032】
診断の基礎となる各種のデータは、記憶部60に記憶されている車両状態情報64と外部監視情報66である。したがって、車両の状態診断には、ナビゲーション機能と診断機能とで共用される記憶部60のデータが用いられることになる。
【0033】
例えば、SOC判断部によって判断された蓄電装置の充電状態が車両状態検出部22を介して取得されると、一旦、記憶部60の車両状態情報64として記憶される。そして、状態診断モジュール30は、記憶部60からこれらのデータを読み出し、他の必要な情報を加えて、予め定められた診断基準に従って、蓄電装置が正常な充電状態にあるか否かを判断し、正常でないと判断すると、次に、過充電状態か過放電状態かを判断する。このように、記憶部60のデータを用いて、車両状態の診断が実行される。
【0034】
また、他の例をあげると、ハイブリッド車両が充電スタンドで充電中の際に、充電スタンドの監視カメラの撮像データがPLC技術によって撮像器インタフェース24を介して取得されると、取得された画像データは、一旦、記憶部60の外部監視情報として記憶される。そして、状態診断モジュール30は、記憶部60からこれらのデータを読み出し、他の必要な情報を加えて、予め定められた診断基準に従って、充電中の車両の外部状況が正常か否かを判断する。また、読み出された撮像データは、画像データに変換され、ナビゲーション表示器42に表示される。表示は、リアルタイムで行うこともできる。このように、記憶部60のデータを用いて、車両状態の診断が実行され、ナビゲーション表示器42に表示される。
【0035】
ナビゲーション装置用CPU40は、現在位置から目的位置までの推奨径路を算出する走行径路算出モジュール50と、診断装置用CPU20によって診断された診断結果を取得する診断結果取得モジュール52と、取得された診断結果に基づいて推奨径路を再計算する走行径路再計算モジュール54とを含んで構成される。算出または再算出された推奨径路は、ナビゲーション表示器42に表示される。
【0036】
上記構成の作用、特に診断装置用CPU20とナビゲーション装置用CPU40とが協働して実行する機能について、図2、図3を用いて説明する。以下では、図1の符号を用いて説明する。
【0037】
図2は、診断装置用CPU20の機能によって車両の状態が異常であるとされたときに、その結果をナビゲーション装置用CPU40の機能によって、推奨径路が変更される様子を示す図である。
【0038】
図2は、ナビゲーション表示器42に表示される内容を模式的に示す図で、地図上に現在位置72と、目的位置74が示されている。そして、ナビゲーション装置用CPU40の走行径路算出モジュール50によって一旦算出された推奨径路76が破線で示されている。この推奨径路76は、従来技術で用いられる最短径路算出方法を適用して求められる径路を用いることができる。図2では、車両70がこの推奨径路76に沿って走行する様子が模式的に示されている。
【0039】
診断装置用CPU20において、状態診断モジュール30は、この走行中も、車両状態検出部22から取得し記憶部60に記憶される車両状態情報64に基づいて、車両状態が正常か否かを継続的に診断している。ここで、地点80は、車両状態が正常でない、と診断された地点である。ここでは、車両に搭載される蓄電装置の充電状態が正常でない、と判断され、さらに、蓄電装置が過放電であると診断されたものとする。
【0040】
診断装置用CPU20の状態診断モジュール30は、その診断結果を適当な警告ランプで表示させるとともに、その診断結果をナビゲーション装置用CPU40に伝送する。ナビゲーション装置用CPU40では、診断結果取得モジュール52がその診断結果を受信し、走行径路再計算モジュール54がその診断結果に基づいて、新しい推奨径路を算出する。
【0041】
診断結果に基づいて走行径路を再計算するために、予め診断結果に応じた再計算の基準を定めることができる。例えば、上記のように、蓄電装置の充電状態が正常でないときには、過充電の場合に、車両の回転電機を駆動源として走行する道路を優先する径路、例えば登り坂を優先する経路を、推奨し、過放電状態のときは車両の回転電機を発電機として回生する道路を優先する径路、例えば下り坂を優先する経路を推奨する。また、ブレーキに不具合が生じたときには、下り坂を避ける径路が推奨される。
【0042】
図2の地点80において、診断結果が過放電とされると、走行径路再計算モジュール54は、登り坂を禁止し、平坦地よりも下り坂の径路の方を優先する条件を加え、地点80から目的位置74までの推奨径路を算出する。図2では、算出された新しい推奨径路82が実線で示されている。なお、地点80以後の今までの推奨径路77は、参考のため、破線で示されている。
【0043】
このようにして、診断装置用CPU20と、ナビゲーション装置用CPU40との協働により、現在の車両状態に適合して、目的位置までの推奨径路が更新される。
【0044】
図3は、車両に搭載されたバッテリが外部電源によって充電可能なハイブリッド車両の場合に、充電中の状態を診断する様子を示す図である。以下では、図1の符号を用いて説明する。図3では、充電スタンド100において車両70が充電中である様子が示されている。そして、充電スタンド100に設けられる監視カメラ104の監視データが、車両70と充電スタンド100とを電気的に接続する電源供給ライン102を用い、PLC技術によって撮像器インタフェース24を介し、診断装置用CPU20に伝送される。図3では、監視カメラ104は、車両70における給電の様子の他に、車両70の近傍にいる人106の挙動、車両近傍の建物108の状態等も撮像し、診断装置用CPU20に伝送される。また、充電中の蓄電装置の充電状態の変化等は、車両状態検出部22を介し、診断装置用CPU20に伝送される。
【0045】
伝送されたデータは、外部監視情報66、充電中情報110として、記憶部60に記憶される。そして、この記憶された充電中情報110に基づいて、状態診断モジュール30は、充電中の車両状態の診断を実行する。また、外部監視情報66に基づいて、充電中の車両70の周辺の状況に異常がないか判断する。また、PLC技術によって伝送された外部監視情報66は、画像データに変換され、例えばリアルタイムでナビゲーション表示器42に表示され、車室内の運転者等に提供される。
【0046】
なお、車両に搭載された車載カメラを用いて撮像することもできる。例えば、道路の白線を認識し、走行レーンを確保するシステム向けに用いられる車載カメラを用いて、車両の外の状況を撮像し、これを外部監視情報66、充電中情報110として、記憶部60に記憶し、これを利用できる。そしてその車載カメラの電源を、外部電源により充電されるバッテリの電力をDC/DCコンバータで降圧したもので駆動するものとできる。
【0047】
このように、車両診断装置のためとナビゲーション装置のためとに共用される記憶部60に記憶される情報に基づき、充電中の車両状態が診断される。また、充電中の車両周辺状態が診断装置用CPU20によって取得され、ナビゲーション装置用CPU40の機能を用いてナビゲーション表示器42に表示される。このようにして、診断装置用CPU20とナビゲーション装置用CPU40との協働が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る実施の形態の車両用制御装置の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態における診断装置用CPUの機能によって車両の状態が異常であるとされたときに、その結果をナビゲーション装置用CPUの機能によって、推奨径路が変更される様子を示す図である。
【図3】本発明に係る実施の形態において、車両がハイブリッド車両の場合に、充電中の状態を診断する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 車両用制御装置、20 診断装置用CPU、22 車両状態検出部、24 撮像器インタフェース、30 状態診断モジュール、32 車両状態取得モジュール、34 外部監視状態取得モジュール、40 ナビゲーション装置用CPU、42 ナビゲーション表示器、44 GPSインタフェース、50 走行径路算出モジュール、52 診断結果取得モジュール、54 走行径路再計算モジュール、60 記憶部、62 診断用データ、64 車両状態情報、66 外部監視情報、68 ナビゲーション用データ、70 車両、72 現在位置、74 目的位置、76,77,82 推奨径路、80 地点、100 充電スタンド、102 電源供給ライン、104 監視カメラ、106 人、108 建物、110 充電中情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両状態を診断する診断部と、
車両の現在地と目的地との間の走行径路の中で、予め定められた基準に基づいて推奨径路を求める走行径路算出部と、
算出された走行径路を表示する表示部と、
を備え、
走行径路算出部は、
診断部の診断結果に基づいて推奨径路を再計算する手段を有することを特徴とする車両用制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
診断部は、車両の蓄電装置の充電状態を取得し、過充電状態または過放電状態と診断するときに、その診断結果を走行径路算出部に出力する手段を有し、
走行径路算出部は、診断部から受け取った診断結果に基づき、過充電状態のときは車両の回転電機を駆動源として走行する道路を優先する径路を推奨経路として算出し、過放電状態のときは車両の回転電機を発電機として回生する道路を優先する径路を推奨径路として算出することを特徴とする車両用制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
診断部に用いられる診断用データの格納と、走行径路算出部及び表示部に用いられるナビゲーション用データの格納とに共用して用いられる記憶部を備えることを特徴とする車両用制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用制御装置において、
診断部は、
車両が充電中のときの車両状態を充電中情報として取得して記憶部に記憶させる手段と、
車両が充電中のときの車両周辺の状態を外部撮像器にて撮像したデータを外部監視情報として取得して記憶部に記憶させる手段と、
記憶された充電中情報と外部監視情報とに基づき、充電中の車両状態を診断する手段と、
を有することを特徴とする車両用制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用制御装置において、
表示部は、記憶された充電中情報と外部監視情報の少なくとも1方を表示することを特徴とする車両用制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−25244(P2009−25244A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−191163(P2007−191163)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】