説明

車両用表示装置

【課題】ディスプレイに周囲映像を表示する地図上のモニタ領域を可変にして,制御装置のメモリ容量の減少を可能にし,またディスプレイの使い勝手の向上を図る。
【解決手段】車両Vに取り付けられて周囲映像を撮像するカメラ1と,車両Vの現在位置を検出する車両位置検出手段3と,地図データを表示するナビゲーション装置4と,車両Vの運転席近傍に配置されてカメラ1で撮像された周囲映像と他の映像を切換表示するディスプレイ5と,地図データ上にモニタ点P1…を設定するモニタ点設定手段6と,地図データ上に設定されたモニタ点P1…を登録し,このモニタ点P1…を中心とする所定半径Rのモニタ領域A1…内に車両Vが進入したことを判定したとき,ディスプレイ5に周囲映像を表示させる制御装置7とを備える車両用表示装置において,制御装置7が決定するモニタ領域の広さを変更し得るモニタ領域可変手段9を制御装置7に接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,車両に取り付けられて周囲映像を撮像する撮像手段と,車両の現在位置を検出する車両位置検出手段と,地図データを表示する地図データ表示手段と,車両の運転席近傍に配置されて前記撮像手段で撮像された周囲映像と他の映像を切換表示する映像表示手段と,地図データ上にモニタ点を設定するモニタ点設定手段と,地図データ上に設定されたモニタ点を登録し,このモニタ点を中心とする所定半径のモニタ領域内に車両が進入したことを判定したとき,映像表示手段に周囲映像を表示させる制御装置とを備え,車両が交差点等を含むモニタ領域に進入すると,映像表示手段に周囲映像を表示させて,運転者の周囲状況の確認の補助に供するようにした車両用表示装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
かゝる車両用表示装置は,例えば下記特許文献1に開示されるように,既に知られている。
【特許文献1】特開平8−293098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の車両用表示装置では,地図データ上に設定されたモニタ点を設定したとき,そのモニタ点を中心として登録される円形のモニタ領域の半径は一定になっていたので,次のような不都合がある。
(1)例えば多数の交差点が集中するような区域において,それぞれの交差点をモニタ点として登録するには,メモリ容量が大きい制御装置を必要とし,その分,車両用表示装置のコストが上がることになる。
(2)例えば車両が駐車場から道路に出る際に周囲を確認するため,駐車場の出口にモニタ点を設定した場合には,それによって登録されるモニタ領域が広過ぎてしまい,車両が道路に出てしまっても,比較的長い時間,ディスプレイの映像が周囲映像のまゝとなり,地図等の映像への切換わりが遅くなる。
【0004】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,上記のような不都合を解消し得る前記車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために,本発明は,車両に取り付けられて周囲映像を撮像する撮像手段と,車両の現在位置を検出する車両位置検出手段と,地図データを表示する地図データ表示手段と,車両の運転席近傍に配置されて前記撮像手段で撮像された周囲映像と他の映像を切換表示する映像表示手段と,地図データ上にモニタ点を設定するモニタ点設定手段と,地図データ上に設定されたモニタ点を登録し,このモニタ点を中心とする所定半径のモニタ領域内に車両が進入したことを判定したとき,映像表示手段に周囲映像を表示させる制御装置とを備える車両用表示装置において,制御装置が決定するモニタ領域の広さを変更し得るモニタ領域可変手段を制御装置に接続したことを第1の特徴とする。
【0006】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記モニタ領域可変手段によりモニタ領域が拡大されたとき,その拡大モニタ領域内に包含される他のモニタ領域のモニタ点の登録を消去するように制御装置を構成したことを第2の特徴とする。
【0007】
さらに本発明は,車両に取り付けられて周囲映像を撮像する撮像手段と,車両の現在位置を検出する車両位置検出手段と,地図データを表示する地図データ表示手段と,車両の運転席近傍に配置されて前記撮像手段で撮像された周囲映像と他の映像を切換表示する映像表示手段と,地図データ上にモニタ点を設定するモニタ点設定手段と,地図データ上に設定されたモニタ点を登録し,このモニタ点を中心とする所定半径のモニタ領域内に車両が進入したことを判定したとき,映像表示手段に周囲映像を表示させる制御装置とを備える車両用表示装置において,地図データ上にモニタ点の統合希望領域及びモニタ点の統合希望数を設定するモニタ点統合手段を制御装置に接続し,地図データ上に設定された統合希望領域に既登録のモニタ点が前記統合希望数以上存在するときは,それら既登録のモニタ点に対応するモニタ領域を含む新モニタ領域を登録すると共に,前記既登録のモニタ点の登録を消去するように制御装置を構成したことを第3の特徴とする。
【0008】
尚,前記撮像手段は,後述する本発明の実施例中のカメラ1に対応し,また地図表示手段はナビゲーション装置4に,映像表示手段はディスプレイ5にそれぞれ対応するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の特徴によれば,制御装置が決定するモニタ領域をモニタ領域可変手段により拡大するときは,その拡大モニタ領域内には,モニタを必要とする複数の地点を含ませることができるから,それだけ制御装置におけるメモリのモニタ点記憶量の減少を図り,そのメモリ容量を特別増加せずに済む。しかも広域に亙りモニタが可能となる。一方,制御装置が決定するモニタ領域をモニタ領域可変手段により縮小するときは,映像表示手段への周囲映像の表示を小モニタ領域に限ることができ,これにより例えば駐車場の出口に小モニタ領域を登録した場合には,車両が駐車場から道路に出た後でも必要以上の時間,周囲映像を表示させることを防ぎ,また道路から駐車場に近づいたときでも必要以上早く周囲映像に切換わることを防いで,映像表示手段の使い勝手の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の第2の特徴によれば,拡大モニタ領域内に,他のモニタ領域が含まれる場合には,該他のモニタ領域のモニタ点の登録を自動的に消去して,モニタ点の増加を自動的に抑えることができる。
【0011】
本発明の第3の特徴によれば,モニタ点の統合希望領域内に,既登録モニタ点が統合希望数以上存在するときは,それら既登録モニタ点に対応する複数のモニタ領域を含む広い新モニタ領域を登録すると共に,前記既登録モニタ点の登録を消去するので,希望数以上のモニタ点を統合することになって,制御装置におけるにメモリのモニタ点記憶量の減少を図り,そのメモリ容量を特別増加せずに済む。しかも広域に亙りモニタが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
【0013】
図1〜図14は本発明の第1実施例を示すもので,図1は車両用表示装置のブロック図,図2は同車両用表示装置の映像切換作用を示すフローチャート,図3は同車両用表示装置のモニタ領域変更作用を示すフローチャート,図4はモニタ点登録状態を示すディスプレイ映像図,図5はモニタ点登録リストを示すディスプレイ映像図,図6はモニタ領域拡大状態を示すディスプレイ映像図,図7はモニタ領域拡大に伴ない変更されたモニタ点登録リストを示すディスプレイ映像図,図8は車両走行におけるディスプレイ映像の切換状況説明図,図9は別のモニタ領域拡大状態を示す,図6との対応図,図10はモニタ領域縮小状態を示すディスプレイ映像図,図11はモニタ領域縮小に伴ない変更されたモニタ点登録リストを示すディスプレイ映像図,図12はモニタ領域の変更要領の一例を示すディスプレイ映像図,図13はモニタ領域の変更要領の別の例を示すディスプレイ映像図,図14はモニタ領域の変更要領の更に別の例を示すディスプレイ映像図である。図15〜図17は本発明の第2実施例を示すもので,図15は車両用表示装置のブロック図,図16は同車両用表示装置のモニタ点統合作用を示すフローチャート,図17は同モニタ点統合作用を示す,ディスプレイ映像図である。
【0014】
最初に図1〜図14に示す本発明の第1実施例について説明する。
【0015】
図1,図4及び図8において,本発明の車両用表示装置は,車両Vの前端部に付設されて左右の周囲映像を撮像し得るカメラ1と,このカメラ1の作動及び非作動状態を切換えるカメラスイッチ2と,GPSからの情報に基づいて車両Vの走行位置を検知する車両位置検出手段3と,地図データを表示するナビゲーション装置4と,車両Vの運転席近傍に配置されてカメラ1で撮像された周囲映像と他の映像を切換表示するディスプレイ5と,地図データ上にモニタ点を設定するモニタ点設定手段6と,車両Vの走行速度検出する車速センサ8と,地図データ上に設定されたモニタ点を登録しておき,そのモニタ点を中心とする所定半径R(例えば30m)のモニタ領域A…内に車両Vが進入し,且つ車速センサ8からの信号に基づいて車速が第1所定値(例えば6km/h)未満であると判定したとき,ディスプレイ5に周囲映像を表示させ,またディスプレイ5への周囲映像の表示後,モニタ領域A…内での車両Vの走行速度が第1所定値より高い第2所定値(例えば10km/h)以上であると判定したときはディスプレイ5の表示を地図映像を含む他の映像に切換える制御装置7と,制御装置7に登録されたモニタ領域の半径を拡大したり縮小することを可能にするモニタ領域可変手段9とから構成される。
【0016】
こゝで,モニタ領域可変手段9が行う前記所定半径Rの変更範囲は,例えば初期登録半径を30mとして,5〜2000mと設定される。そして,モニタ領域可変手段9の作動により初期半径RをReに拡大した場合,制御装置7は,その拡大半径Reに対応する拡大モニタ領域Aeを登録すると共に,その拡大モニタ領域Aeに,既登録の他のモニタ領域A1が含まれるときは,該他のモニタ領域A1のモニタ点P1の登録を消去するようになっている。また制御装置7は,各種入力情報を記憶するメモリ7aと,ディスプレイ7の映像を周囲映像や地図映像その他に切換え得る表示切換手段7bを備えている。
【0017】
次に,この第1実施例の作用を図2〜図8を参照しながら説明する。
【0018】
地図データの走行経路上にモニタ点を登録するには,カメラスイッチ2をオフ状態にして,図4に示すようにディスプレイ5に所望の地図映像を表示させ,希望する交差点P1にカーソルCを合わせて,モニタ点設定手段6を作動させる。またその交差点P1が現在位置になっていれば,その位置でモニタ点設定手段6を作動させる。このように現在位置をモニタ点に設定することは,位置の設定精度を高める上で有効である。
【0019】
すると制御装置7は,その交差点P1をモニタ点として登録し,登録マークmを交差点P1に付すと共に,通常,そのモニタ点P1を中心とする所定半径R(例えばR=30m)の円形領域を初期モニタ領域A1に決定する。これを図5に示すディスプレイ5のメニュー映像に表示し得るようにメモリ7aに記憶する。
【0020】
いま,こうした要領で図6に示すように,地図映像上に,隣接する2つの交差点P1及びP2をモニタ点として登録し,2つの初期モニタ領域A1,A2を決定したとする。
【0021】
次に,カメラスイッチ2をオン状態にしてから,車両Vが上記モニタP1及びP2を通過するときの車両用表示装置の作用について,図2及び図8により説明する。
【0022】
先ずステップS1で車両Vが第1の初期モニタ領域A1に進入したと判断すると,ステップS2に進み,車速が6km/h未満であると判定すると,ステップS3で周囲映像をディスプレイ5に表示するので,運転者は,その周囲映像を見て車両Vの左右交通状況を確認することができる。
【0023】
ステップS3からステップS4に移り,車両Vがまだ初期モニタ領域A1に存在していると判定したときは,ステップ5へと進む。こゝで車速が10m/h以上であると判定すると,ステップS6でディスプレイ5の表示を地図映像を含む他の映像に切換え,ステップS1に戻る。車両Vがまだ第1の初期モニタ領域A1にいるときでも,車速が10m/h以上となると,ステップS1からステップS2を経てステップS4に移り,表示切換手段7bがディスプレイ5の映像を地図映像に切換える。
【0024】
以上において,車両Vのモニタ領域A1でディスプレイ5に周囲映像を表示させる車速の第1所定値(6km/h)と,ディスプレイ5の表示を地図映像を含む他の映像に切換えさせる車両の第2所定値(10km/h)との間にヒステリシスをつけることは,所定値近傍での映像の頻繁な切換わりを防ぐ上に有効である。
【0025】
車両Vが交差点P2を囲む第2の初期モニタ領域A2を通過するときも,車両用表示装置は上記と同様に作動する。
【0026】
ところで,上記2つの初期モニタ領域A1,A2が極めて近接し,もしくは一部重畳している場合には,一方のモニタ領域を拡大して,他方のモニタ領域を包含させるようにすることができれば,制御装置7におけるメモリ7aのモニタ点登録容量を半減することができるであろう。
【0027】
そこで,こうした場合にはモニタ領域可変手段9を作動して,例えば図6に示すように,一方の初期モニタ領域A2の半径R(=例えば30m)を半径Re(=例えば120m)に拡大して,該初期モニタ領域A2をAeに拡大し,この拡大モニタ領域Aeに他方のモニタ領域A1を包含させる。
【0028】
このとき,車両用表示装置は図3のフローチャートに従って作動する。即ちステップ11で所望のモニタ領域A2の半径Rが変更されると,ステップ12に進み,その半径Rが前回の半径より拡大したと判定したときは,ステップ13に進み,拡大モニタ領域Aeに,他のモニタ領域A1が含まれていると判定すれば,ステップ14に移って該他のモニタ領域A1のモニタ点P1の登録を消去し,エンドとなる。またステップ12で変更された半径Rが前回より拡大していないと判定したときは,そのまゝエンドに行く。
【0029】
かくして,所望のモニタ領域A2を,これが他のモニタ領域A1を包含するようにAeに拡大することにより,制御装置7におけるメモリ7aのモニタ点記憶量の減少を図り,そのメモリ容量を特別増加せずに済む。しかも広域に亙りモニタが可能となる。
【0030】
しかも,拡大した1つのモニタ領域Aeに複数の交差点P1,P2が存在する場合には,車両Vが前回と同様の条件で交差点を通過するとき,図8の(a),(b)及び(d)から明らかなように,拡大モニタ領域Aeを通過中,車速が6m/h未満且つ10m/h以上である限り,ディスプレイ5に周囲映像を表示することになり,映像の短時間の無用な切換わりを防ぐことができる。
【0031】
またこの第1実施例では,図9に示すように操作することもできる。即ち,2つのモニタ点P1及びP2の中間点P3を新たなモニタ点P3として登録し,この新モニタ点P3に対応する初期モニタ領域A3の所定半径RをReに延長して,それに対応する拡大モニタ領域Aeを,それが2つの旧モニタ領域A1,A2を含むように拡大すれば,制御装置7は2つの旧モニタ点P1及びP2の登録を消去することになるから,前述の場合と同様に,1つの拡大モニタ領域Aeにより2つのモニタ領域A1,A2をモニタすることができる。
【0032】
さらにこの第1実施例では,モニタ領域可変手段9を次のように使用することもできる。例えば図10及び図11に示すように,道路16に面した駐車場15の出入口Pを中心として初期モニタ領域A(半径R=30m)を登録した後,モニタ領域可変手段9を作動して,初期モニタ領域Aを例えば半径Rr=5mのモニタ領域Arに縮小させる。こうすると,ディスプレイ5への周囲映像の表示は小モニタ領域Arに限ることができる。したがって,車両Vが駐車場15から道路16に出た後でも必要以上の時間,ディスプレイ5に周囲映像を表示させることを防ぎ,また道路16から駐車場15に近づいたときでもディスプレイ5の地図映像等が必要以上早く周囲映像に切換わることを防いで,ディスプレイ5の使い勝手の向上を図ることができる。
【0033】
図12〜図14にモニタ領域Aの半径Rを変更する方法の具体例を示す。
【0034】
即ち,前記モニタ領域可変手段9を作動状態にすると,ディスプレイ5に図12〜図14のような半径Rの変更画面が表示され,各画面の指示に従って半径Rを増減し得るようになっている。図12の場合は,Rの増減が段階的であり,図13及び図14の場合は,それが無段階的である。
【0035】
次に,図15〜図17示す本発明の第2実施例について説明する。
【0036】
図15に示すように,この第2実施例では,前記第1実施例のモニタ領域可変手段9に代えて,モニタ点統合手段10が制御装置7に接続される。その他の構成は,第1実施例と同様であるので,図15中,第1実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,重複する説明を省略する。
【0037】
上記モニタ点統合手段10は,その作動により,ディスプレイ5の地図映像上に任意の位置に仮モニタ点Pzと,それを中心とする任意半径のモニタ点統合希望領域Zとを設定,表示させ得ると共に,その統合希望領域Z内で統合を希望する既登録モニタ点の数Nを設定することができる。そしてこの第3実施例における制御装置7は,地図映像上のモニタ点統合希望領域Zに,仮モニタ点Pz以外の既登録モニタ点P1,P2…PQが前記設定数N以上存在するときは,それら既登録モニタ点P1,P2…PQに対応するモニタ領域A1,A2…AQを含む広い新モニタ領域A′を登録すると共に,既登録モニタ点P1,P2…PQの登録を消去するように構成される。但し,新モニタ領域A′の作成に当たっては,その最大半径R′は一定距離に,例えば2000mと規制される。
【0038】
この第2実施例の作用を図16及び図17により説明する。
【0039】
ディスプレイ5の地図映像上には,例えばQ個(例えば5個)のモニタ点P1,P2…PQが既に登録されているとする。
【0040】
先ずステップ21において,モニタ点統合手段10の作動により,ディスプレイ5の地図映像上の任意位置に仮モニタ点Pzと,それを中心とする任意半径のモニタ点統合希望領域Zとを表示させると共に,統合すべく既登録のモニタ点の数N(例えば3個)と設定する。この場合,既登録のモニタ点の一つを仮モニタ点に選定することもできる。
【0041】
而して,制御装置7がステップ22でモニタ点統合希望領域Z内に含まれる既登録モニタ点の数が5個と判定すると,ステップ23に進み,外側の4個のモニタ点P1,P2,P4,PQを頂点とする多角形Mの最長対角線Lの中点Cを求める。次いでステップ24で,中点Cを新モニタ点として,モニタ点統合希望領域Z内の全てのモニタ点P1,P2…PQに対応するモニタ領域A1,A2…AQを全て含む新モニタ領域A′を作成する。最後にステップ25で新モニタ領域A′の半径Rが2000m以下か否かを判別し,それ以下であれば,ステップ26で新モニタ領域A′を登録すると共に,新モニタ領域A′内の仮モニタ点Pz及び既登録モニタ点P1,P2…PQの登録の消去を行う。
【0042】
ステップ25で新モニタ領域A′の半径Rが2000mを上回る判定されたときは,ステップ27に進み,新モニタ領域A′の半径を2000mに補正し,そしてステップ25進み,補正した新モニタ領域A′に含まれる仮モニタ点Pz及び,既登録モニタ領域のみのモニタ点の登録の消去を行う。
【0043】
こゝで,新モニタ領域A′の最大半径Rを規制したことは,モニタ点の統合が繰り返されたとき,新モニタ領域が無限に拡大することを防ぐためである。
【0044】
こうして,所定個数以上のモニタ点は統合されることになるから,制御装置7におけるにメモリのモニタ点記憶量の減少を図り,そのメモリ容量を特別増加せずに済む。しかも広域に亙りモニタが可能となる。しかもモニタ点統合手段10の作動により,仮モニタ点Pzと,それを中心とする任意半径のモニタ点統合希望領域Zとを設定すると共に,統合すべく既登録のモニタ点の数を設定するだけで,複数のモニタ点を自動的に統合させることができるので,その操作が極めて簡単である。
【0045】
ステップ22でモニタ点統合希望領域Z内に含まれる既登録モニタ点の数がN個未満と判定したときは,ステップ28に進んで仮モニタ点Pzを新モニタ点として,それを囲む初期モニタ領域を登録する。
【0046】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施例に係る車両用表示装置のブロック図。
【図2】同車両用表示装置の映像切換作用を示すフローチャート。
【図3】同車両用表示装置のモニタ領域変更作用を示すフローチャート。
【図4】モニタ点登録状態を示すディスプレイ映像図。
【図5】モニタ点登録リストを示すディスプレイ映像図。
【図6】モニタ領域拡大状態を示すディスプレイ映像図。
【図7】モニタ領域拡大に伴ない変更されたモニタ点登録リストを示すディスプレイ映像図。
【図8】車両走行におけるディスプレイ映像の切換状況説明図。
【図9】別のモニタ領域拡大状態を示す,図6との対応図
【図10】モニタ領域縮小状態を示すディスプレイ映像図
【図11】モニタ領域縮小に伴ない変更されたモニタ点登録リストを示すディスプレイ映像図
【図12】モニタ領域の変更要領の一例を示すディスプレイ映像図。
【図13】モニタ領域の変更要領の別の例を示すディスプレイ映像図。
【図14】モニタ領域の変更要領の更に別の例を示すディスプレイ映像図。
【図15】本発明の第2実施例に係る車両用表示装置のブロック図。
【図16】同車両用表示装置のモニタ点統合作用を示すフローチャート。
【図17】同モニタ点統合作用を示す,ディスプレイ映像図
【符号の説明】
【0048】
A1〜AQ・・・モニタ領域
Ae・・・・拡大モニタ領域
A′・・・・新モニタ領域
N・・・・・モニタ点統合希望数
P1〜PQ・・・モニタ点
R・・・・・モニタ領域の半径
Re・・・・拡大モニタ領域の半径
V・・・・・車両
Z・・・・・モニタ点統合希望領域
1・・・・・撮像手段(カメラ)
3・・・・・車両位置検出手段
4・・・・・地図表示手段(ナビゲーション装置)
5・・・・・映像表示手段(ディスプレイ)
6・・・・・モニタ設定手段
7・・・・・制御装置
9・・・・・モニタ領域可変手段
10・・・・モニタ点統合手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(V)に取り付けられて周囲映像を撮像する撮像手段(1)と,車両(V)の現在位置を検出する車両位置検出手段(3)と,地図データを表示する地図データ表示手段(4)と,車両(V)の運転席近傍に配置されて前記撮像手段(1)で撮像された周囲映像と他の映像を切換表示する映像表示手段(5)と,地図データ上にモニタ点を設定するモニタ点設定手段(6)と,地図データ上に設定されたモニタ点(P1…)を登録し,このモニタ点(P1…)を中心とする所定半径(R)のモニタ領域内に車両(V)が進入したことを判定したとき,映像表示手段(5)に周囲映像を表示させる制御装置(7)とを備える車両用表示装置において,
制御装置(7)が決定するモニタ領域の広さを変更し得るモニタ領域可変手段(9)を制御装置(7)に接続したことを特徴とする,車両用表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用表示装置において,
前記モニタ領域可変手段(9)によりモニタ領域が拡大されたとき,その拡大モニタ領域(Ae)内に包含される他のモニタ領域(A1…)のモニタ点(P1…)の登録を消去するように制御装置(7)を構成したことを特徴とする,車両用表示装置。
【請求項3】
車両(V)に取り付けられて周囲映像を撮像する撮像手段(1)と,車両(V)の現在位置を検出する車両位置検出手段(3)と,地図データを表示する地図データ表示手段(4)と,車両(V)の運転席近傍に配置されて前記撮像手段(1)で撮像された周囲映像と他の映像を切換表示する映像表示手段(5)と,地図データ上にモニタ点を設定するモニタ点設定手段(6)と,地図データ上に設定されたモニタ点を登録し,このモニタ点を中心とする所定半径のモニタ領域内に車両(V)が進入したことを判定したとき,映像表示手段(5)に周囲映像を表示させる制御装置(7)とを備える車両用表示装置において,
地図データ上にモニタ点の統合希望領域(Z)及びモニタ点の統合希望数(N)を設定するモニタ点統合手段(10)を制御装置(7)に接続し,地図データ上に設定された統合希望領域(Z)に既登録のモニタ点(P1,P2…PQ)が前記統合希望数(N)以上存在するときは,それら既登録のモニタ点(P1,P2…PQ)に対応するモニタ領域(A1,A2…AQ)を含む新モニタ領域(A′)を登録すると共に,前記既登録のモニタ点(P1,P2…PQ)の登録を消去するように制御装置(7)を構成したことを特徴とする,車両用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−101286(P2007−101286A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−289643(P2005−289643)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】