説明

車両用駆動装置の制御装置

【課題】内燃機関の熱効率を維持したまま変速時の出力変動を抑制すること。
【解決手段】内燃機関と、電動機と、電動機に接続されるとともに第1断接手段を介して選択的に内燃機関に接続される第1入力軸と、第2断接手段を介して選択的に内燃機関に接続される第2入力軸と、被駆動部に動力を出力する出力軸と、第1入力軸上に配置され第1同期装置を介して第1入力軸に選択的に連結される複数のギヤよりなる第1ギヤ群と、第2入力軸上に配置され第2同期装置を介して第2入力軸に選択的に連結される複数のギヤよりなる第2ギヤ群と、出力軸上に配置され第1ギヤ群のギヤと第2ギヤ群のギヤとが噛合する複数のギヤよりなる第3ギヤ群とを有する変速機とを備えた車両用駆動装置の制御装置は、変速段階でトルク相に次いでイナーシャ相を経由する変速機がアップシフトを行う際、イナーシャ相での出力変動を電動機の動作で吸収するよう電動機を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速時の出力変動を抑制する車両用駆動装置の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、特許文献1に開示されているハイブリッド車両のパワートレーン及びその制御系統を示す模式図である。特許文献1に開示のハイブリッド車両は、駆動力源としてエンジン3及びモータ・ジェネレータ2を有し、変速機7が、その変速段階でトルク相からイナーシャ相を経由する構成を有する。特許文献1で説明されている実施例2では、変速機7でのアップシフト時に発生し得る変速ショックを抑制するために、当該車両において変速開始が予測されると、アップシフトによるトルク相が開始される前には、電子制御装置30は、エンジントルクが変化しないように、電子スロットルバルブ3Aの開度を増加して吸入空気量を増加させ、かつ、点火時期を遅角させる。次に、変速機7でアップシフトが実行されトルク相が開始されると、電子制御装置30は、出力トルクの減少を補償するために、吸入空気量は変えずに、点火時期を進角させる。その結果、エンジントルクが上昇する。その後、イナーシャ相が開始されると、電子制御装置30は、出力トルクが変化しないように、点火時期を略一定に維持したまま、吸入空気量を減少させる。その結果、エンジントルクが低下する。この後、エンジントルクがトルク相の開始前と同じトルクになった以降、電子制御装置30は、吸入空気量及び点火時期を略一定に維持する。
【0003】
図9は、第1速から第2速にアップシフトする際の上記制御に対応するタイムチャートの一例を示す図である。時刻t1以前は、電子スロットルバルブ3Aの開度及び点火時期が一定に制御されており、エンジントルクも一定である。時刻t1で変速開始が予測されると、電子スロットルバルブ3Aの開度を増加し、かつ、点火時期を遅角させる制御が実行される。この時刻t1以降もエンジントルクは略一定に制御されているため、ワンウェイクラッチF1で受け止める反力トルクも略一定である。また、モータ・ジェネレータ2は、時刻t1以前から正回転で回生制御されており、時刻t1以降もモータ・ジェネレータ2の回生トルクは略一定に制御される。さらに、エンジン3の動力が伝達されるモータ・ジェネレータ1は時刻t1以前から逆回転で力行制御されており、時刻t1以降もモータ・ジェネレータ1の力行トルクは略一定に制御される。
【0004】
次いで、時刻t2でアップシフトが開始されると、ブレーキB1の係合が開始され、かつ、ワンウェイクラッチF1の解放が開始されるというトルク相に移行する。トルク相が開始された場合は、電子スロットルバルブ3Aの開度は略一定に制御される一方、点火時期を進角させる制御が実行されて、エンジントルクが上昇する。この点火時期制御及び電子スロットルバルブ3Aの開度の制御により、トルク相においても、変速機7の出力トルクの低下が抑制され、車両の駆動力の低下を抑制できる。また、トルク相においては、モータ・ジェネレータ2の回生トルクが低下され、次いで、モータ・ジェネレータ2を力行に切り換える制御が実行される。
【0005】
そして、時刻t3でトルク相が終了してイナーシャ相が開始されると、電子スロットルバルブ3Aの開度が低下され、かつ、点火時期が略一定に制御されて、エンジントルクが低下する。イナーシャ相において、エンジントルクは、トルク相の開始前のトルクに戻され、かつ、モータ・ジェネレータ2の力行トルクは、第2速に対応する力行トルクまで上昇される。
【0006】
なお、電子スロットルバルブ3Aの制御に基づくエンジントルクの制御応答性と、点火時期制御に基づくエンジントルクの制御応答性とを比較すると、点火時期制御に基づくエンジントルクの応答性の方が高い。このため、上記制御では、「トルク相が開始される前に、電子スロットルバルブ3Aの開度を増加させ、かつ、点火時期を遅角させる」という予備制御を実行すると共に、「トルク相が開始された場合は、制御応答性が高い点火時期制御を行うことにより、トルク相における出力トルクの低下を抑制」している。
【0007】
つまり、トルク相でエンジントルクを制御する際に電子スロットルバルブ3Aの調整及び点火時期制御を行うが、電子スロットルバルブ3Aの制御応答性が低いため、トルク相になってから電子スロットルバルブ3Aを調整したのでは応答遅れが生じる可能性がある。このため、上記制御では、トルク相の開始前に電子スロットルバルブ3Aの開度を増加する制御を実行している。しかし、トルク相の開始前に車両の駆動力変化が生じることがないように、トルク相の開始前には、電子スロットルバルブ3Aの開度を増加する制御と並行して、点火時期を遅角させる制御を実行している。そして、トルク相が開始されると、制御応答性が高い点火時期制御によって点火時期を進角させることにより、応答遅れを生じることなく駆動力の変化を抑制することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−9657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、エンジンに対して上記説明した吸入空気量と点火時期の制御を行うと、エンジンの熱効率が低下して、エネルギー損失が増加してしまう。
【0010】
本発明の目的は、内燃機関の熱効率を維持したまま変速時の出力変動を抑制可能な車両用駆動装置の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の車両用駆動装置の制御装置は、内燃機関(例えば、後述の実施形態のエンジン6)と、電動機(例えば、後述の実施形態のモータ7)と、前記電動機に接続されるとともに第1断接手段(例えば、後述の実施形態の第1クラッチ41)を介して選択的に前記内燃機関に接続される第1入力軸(例えば、後述の実施形態の第1主軸11)と、第2断接手段(例えば、後述の実施形態の第2クラッチ42)を介して選択的に前記内燃機関に接続される第2入力軸(例えば、後述の実施形態の第2中間軸16)と、被駆動部(例えば、後述の実施形態の駆動輪DW,DW)に動力を出力する出力軸(例えば、後述の実施形態のカウンタ軸14)と、前記第1入力軸上に配置され第1同期装置(例えば、後述の実施形態のロック機構61、第1変速用シフター51)を介して前記第1入力軸に選択的に連結される複数のギヤ(例えば、後述の実施形態の遊星歯車機構30、第3速用駆動ギヤ23a、第5速用駆動ギヤ25a)よりなる第1ギヤ群と、前記第2入力軸上に配置され第2同期装置(例えば、後述の実施形態の第2変速用シフター52)を介して前記第2入力軸に選択的に連結される複数のギヤ(例えば、後述の実施形態の第2速用駆動ギヤ22a、第4速用駆動ギヤ24a)よりなる第2ギヤ群と、前記出力軸上に配置され前記第1ギヤ群のギヤと前記第2ギヤ群のギヤとが噛合する複数のギヤ(例えば、後述の実施形態の第1共用従動ギヤ23b、第2共用従動ギヤ24b)よりなる第3ギヤ群と、を有する変速機(例えば、後述の実施形態の変速機20)と、を備えた車両用駆動装置の制御装置(例えば、後述の実施形態の制御装置2)であって、変速段階でトルク相に次いでイナーシャ相を経由する前記変速機がアップシフトを行う際、前記イナーシャ相での出力変動を前記電動機の動作で吸収するよう前記電動機を制御することを特徴としている。
【0012】
さらに、請求項2に記載の発明の車両用駆動装置の制御装置では、前記変速機がアップシフトを行う直前の前記第1断接手段が締結していない状態のとき、前記第1ギヤ群で前記第1入力軸が異なるギヤに連結されるよう前記第1同期装置を制御する際には、トルクを出力しない状態に前記電動機を制御することを特徴としている。
【0013】
さらに、請求項3に記載の発明の車両用駆動装置の制御装置では、前記変速機が、前記第2入力軸を介した第2伝達経路から前記第1入力軸を介した第1伝達経路に変更した際、前記電動機は前記第1伝達経路を介して前記イナーシャ相での出力変動を吸収することを特徴としている。
【0014】
さらに、請求項4に記載の発明の車両用駆動装置の制御装置では、前記変速機が、前記第1入力軸を介した第1伝達経路から前記第2入力軸を介した第2伝達経路に変更する際、前記電動機は前記第1伝達経路を介して前記イナーシャ相での出力変動を吸収することを特徴としている。
【0015】
さらに、請求項5に記載の発明の車両用駆動装置の制御装置では、前記変速機が、前記第1入力軸を介した第1伝達経路のまま、前記第1ギヤ群で前記第1入力軸が異なるギヤに連結されるよう前記第1同期装置を制御する場合、前記第1断接手段を締結状態から非締結状態に移行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜5に記載の発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、内燃機関の熱効率を維持したまま変速時の出力変動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】HEVの内部構成の一例を示すブロック図
【図2】モータ及び変速機の断面図
【図3】モータ及び変速機の内部構成の概念図
【図4】車両が第4速走行から第5速走行に切り替わる(アップシフトする)際の第1実施例の状態変化を示すタイミングチャート
【図5】車両が第4速走行時に、第1変速用シフター51が第3速用接続位置でインギヤした状態でモータが回生動作しているときの、変速機20における動力伝達経路を示す概念図
【図6】車両が第5速走行時に、第1変速用シフター51が第5速用接続位置でインギヤした状態でモータが回生動作しているときの、変速機20における動力伝達経路を示す概念図
【図7】車両が第4速走行から第5速走行に切り替わる(アップシフトする)際の第2実施例の状態変化を示すタイミングチャート
【図8】特許文献1に開示されているハイブリッド車両のパワートレーン及びその制御系統を示す模式図
【図9】第1速から第2速にアップシフトする際の特許文献1に記載の制御に対応するタイムチャートの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
HEV(Hybrid Electrical Vehicle:ハイブリッド電気自動車)は、内燃機関(以下「エンジン」という)及び/又は電動機(以下「モータ」という)の駆動力によって走行する。図1は、HEVの内部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すHEV(以下、単に「車両」という。)は、駆動源としてのエンジン(ENG)6と、駆動源としてのモータ(MOT)7と、バッテリ3と、インバータ(INV)101と、変速機(T/M)20と、制御装置2とを備える。
【0019】
以下、各構成要素の関係と変速機20の内部構成等について、図2及び図3を参照しながら説明する。図2は、モータ及び変速機の断面図である。また、図3は、モータ及び変速機の内部構成の概念図である。
【0020】
エンジン6は、例えばガソリンエンジン又はディーゼルエンジンであり、このエンジン6のクランク軸6aには、変速機20の第1クラッチ41(第1断接手段)と第2クラッチ(第2断接手段)42が設けられている。
【0021】
モータ7は、3相ブラシレスDCモータであり3n個の電機子71aで構成されたステータ71と、このステータ71に対向するように配置されたロータ72とを有している。各電機子71aは、鉄芯71bと、この鉄芯71bに巻き回されたコイル71cで構成されており、不図示のケーシングに固定され、回転軸を中心に周方向にほぼ等間隔で並んでいる。3n個のコイル71cは、n組のU相、V相、W相の3相コイルを構成している。
【0022】
ロータ72は、鉄芯72aと、回転軸を中心にほぼ等間隔で並んだn個の永久磁石72bを有しており、隣り合う各2つの永久磁石72bの極性は、互いに異なっている。鉄芯72aを固定する固定部72cは、中空円筒状を有し、後述する遊星歯車機構30のリングギヤ35の外周側に配置され、遊星歯車機構30のサンギヤ32に連結されている。これにより、ロータ72は、遊星歯車機構30のサンギヤ32と一体に回転するように構成されている。
【0023】
遊星歯車機構30は、サンギヤ32と、このサンギヤ32と同軸上に配置され、かつ、このサンギヤ32の周囲を取り囲むように配置されたリングギヤ35と、サンギヤ32とリングギヤ35に噛合されたプラネタリギヤ34と、このプラネタリギヤ34を自転可能、かつ、公転可能に支持するキャリア36とを有している。このようにして、サンギヤ32とリングギヤ35とキャリア36が、相互に差動回転自在に構成されている。
【0024】
リングギヤ35には、同期機構(シンクロナイザー機構)を有しリングギヤ35の回転を停止(ロック)可能に構成されたロック機構61(シンクロナイザー機構)が設けられている。なお、ロック機構61の代わりにブレーキ機構を用いてもよい。
【0025】
図1に示すように、モータ7は、インバータ101を介してバッテリ3に接続されている。バッテリ3は、直列に接続された複数の蓄電セルを有し、例えば100〜200Vの高電圧を供給する。蓄電セルは、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池である。インバータ101は、バッテリ3からの直流電圧を交流電圧に変換して3相電流をモータ7に供給する。また、インバータ101は、モータ7の回生動作時に入力される交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ3に充電する。したがって、モータ7は、バッテリ3から供給された電力によって駆動され、また、減速走行時における駆動輪DW,DWの回転やエンジン6の動力により回生発電を行って、バッテリ3の充電(エネルギー回収)を行うことが可能である。
【0026】
変速機20は、エンジン6及び/又はモータ7からの動力を駆動輪DW,DWに伝達するための、いわゆるツインクラッチ式変速機である。変速機20は、前述した第1クラッチ41及び第2クラッチ42と、遊星歯車機構30と、後述する複数の変速ギヤ群とを備える。
【0027】
より具体的に、変速機20は、エンジン6のクランク軸6aと同軸(回転軸線A1)上に配置された第1主軸11(第1の入力軸)と、第2主軸12と、連結軸13と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線B1を中心として回転自在なカウンタ軸14(出力軸)と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線C1を中心として回転自在な第1中間軸15と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線D1を中心として回転自在な第2中間軸16(第2の入力軸)と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線E1を中心として回転自在なリバース軸17を備えている。
【0028】
第1主軸11には、エンジン6側に第1クラッチ41が設けられ、エンジン6側とは反対側に遊星歯車機構30のサンギヤ32とモータ7のロータ72が取り付けられている。従って、第1主軸11は、第1クラッチ41によって選択的にエンジン6のクランク軸6aと連結されるとともにモータ7と直結され、エンジン6及び/又はモータ7の動力がサンギヤ32に伝達されるように構成されている。
【0029】
第2主軸12は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン6側の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。また、第2主軸12には、エンジン6側に第2クラッチ42が設けられ、エンジン6側とは反対側にアイドル駆動ギヤ27aが一体に取り付けられている。従って、第2主軸12は、第2クラッチ42によって選択的にエンジン6のクランク軸6aと連結され、エンジン6の動力がアイドル駆動ギヤ27aへ伝達されるように構成されている。
【0030】
連結軸13は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン6側とは反対側の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。また、連結軸13には、エンジン6側に第3速用駆動ギヤ23aが一体に取り付けられ、エンジン6側とは反対側に遊星歯車機構30のキャリア36が一体に取り付けられている。従って、プラネタリギヤ34の公転により連結軸13に取り付けられたキャリア36と第3速用駆動ギヤ23aが一体に回転するように構成されている。
【0031】
さらに、第1主軸11には、第1主軸11と相対回転自在に第5速用駆動ギヤ25aが設けられるとともに、第1主軸11と一体に回転するリバース従動ギヤ28bが取り付けられている。さらに第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aとの間には、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23a又は第5速用駆動ギヤ25aとを連結又は開放する第1変速用シフター51(第1同期装置)が設けられている。そして、第1変速用シフター51が第3速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aが連結して一体に回転し、第5速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第5速用駆動ギヤ25aが一体に回転し、第1変速用シフター51がニュートラル位置にあるときには、第1主軸11は第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aに対し相対回転する。なお、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aが一体に回転するとき、第1主軸11に取り付けられたサンギヤ32と第3速用駆動ギヤ23aに連結軸13で連結されたキャリア36が一体に回転するとともに、リングギヤ35も一体に回転し、遊星歯車機構30が一体となる。また、第1変速用シフター51がニュートラル位置にあって、ロック機構61が接続されると、リングギヤ35がロックされ、サンギヤ32の回転が減速されてキャリア36に伝達される。
【0032】
第1中間軸15には、第2主軸12に取り付けられたアイドル駆動ギヤ27aと噛合する第1アイドル従動ギヤ27bが一体に取り付けられている。
【0033】
第2中間軸16には、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ27bと噛合する第2アイドル従動ギヤ27cが一体に取り付けられている。第2アイドル従動ギヤ27cは、前述したアイドル駆動ギヤ27aと第1アイドル従動ギヤ27bとともに第1アイドルギヤ列27Aを構成している。また、第2中間軸16には、第1主軸11周りに設けられた第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aと対応する位置にそれぞれ第2中間軸16と相対回転可能な第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aとが設けられている。さらに第2中間軸16には、第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aとの間に、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22a又は第4速用駆動ギヤ24aとを連結又は開放する第2変速用シフター52(第2同期装置)が設けられている。そして、第2変速用シフター52が第2速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22aとが一体に回転し、第2変速用シフター52が第4速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第4速用駆動ギヤ24aとが一体に回転し、第2変速用シフター52がニュートラル位置にあるときには、第2中間軸16は第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aに対し相対回転する。
【0034】
カウンタ軸14には、エンジン6側とは反対側から順に第1共用従動ギヤ23bと、第2共用従動ギヤ24bと、パーキングギヤ21と、ファイナルギヤ26aとが一体に取り付けられている。
ここで、第1共用従動ギヤ23bは、連結軸13に取り付けられた第3速用駆動ギヤ23aと噛合して第3速用駆動ギヤ23aと共に第3速用ギヤ対23を構成し、第2中間軸16に設けられた第2速用駆動ギヤ22aと噛合して第2速用駆動ギヤ22aと共に第2速用ギヤ対22を構成する。
第2共用従動ギヤ24bは、第1主軸11に設けられた第5速用駆動ギヤ25aと噛合して第5速用駆動ギヤ25aと共に第5速用ギヤ対25を構成し、第2中間軸16に設けられた第4速用駆動ギヤ24aと噛合して第4速用駆動ギヤ24aと共に第4速用ギヤ対24を構成する。
ファイナルギヤ26aは差動ギヤ機構8と噛合して、差動ギヤ機構8は、駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに連結されている。従って、カウンタ軸14に伝達された動力はファイナルギヤ26aから差動ギヤ機構8、駆動軸9,9、駆動輪DW,DWへと出力される。
【0035】
リバース軸17には、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ27bと噛合する第3アイドル従動ギヤ27dが一体に取り付けられている。第3アイドル従動ギヤ27dは、前述したアイドル駆動ギヤ27aと第1アイドル従動ギヤ27bとともに第2アイドルギヤ列27Bを構成している。また、リバース軸17には、第1主軸11に取り付けられた後進用従動ギヤ28bと噛合する後進用駆動ギヤ28aがリバース軸17と相対回転自在に設けられている。後進用駆動ギヤ28aは、後進用従動ギヤ28bとともに後進用ギヤ列28を構成している。さらに後進用駆動ギヤ28aのエンジン6側とは反対側にリバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとを連結又は開放する後進用シフター53が設けられている。そして、後進用シフター53が後進用接続位置でインギヤするときには、リバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとが一体に回転し、後進用シフター53がニュートラル位置にあるときには、リバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとが相対回転する。
【0036】
なお、第1変速用シフター51、第2変速用シフター52、後進用シフター53は、接続する軸とギヤの回転数を一致させる同期機構(シンクロナイザー機構)を有するクラッチ機構を用いている。
【0037】
このように構成された変速機20は、2つの変速軸の一方の変速軸である第1主軸11上に第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aからなる奇数段ギヤ群(第1ギヤ群)が設けられ、2つの変速軸の他方の変速軸である第2中間軸16上に第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aからなる偶数段ギヤ群(第2ギヤ群)が設けられる。なお、変速機20の偶数段ギヤ群が第6速用駆動ギヤをさらに有し、かつ、奇数段ギヤ群が第7速用駆動ギヤをさらに有しても良い。
【0038】
本実施形態の変速機20は、上記説明した構成であるため、以下説明する第1〜第5の伝達経路を有する。
(1)第1伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第1主軸11、遊星歯車機構30、連結軸13、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。ここで、遊星歯車機構30の減速比は、第1伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達されるエンジントルクが第1速相当となるように設定されている。即ち、遊星歯車機構30の減速比と第3速用ギヤ対23の減速比をかけ合わせた減速比が第1速相当となるように設定されている。
【0039】
(2)第2伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第2主軸12、第1アイドルギヤ列27A(アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、第2アイドル従動ギヤ27c)、第2中間軸16、第2速用ギヤ対22(第2速用駆動ギヤ22a、第1共用従動ギヤ23b)又は第4速用ギヤ対24(第4速用駆動ギヤ24a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
【0040】
(3)第3伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第1主軸11、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)又は第5速用ギヤ対25(第5速用駆動ギヤ25a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、遊星歯車機構30を介さずに、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
【0041】
(4)第4伝達経路は、モータ7が、遊星歯車機構30又は第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)又は第5速用ギヤ対25(第5速用駆動ギヤ25a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
【0042】
(5)第5伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第2主軸12、第2アイドルギヤ列27B(アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、第3アイドル従動ギヤ27d)、リバース軸17、後進用ギヤ列28(後進用駆動ギヤ28a、後進用従動ギヤ28b)、遊星歯車機構30、連結軸13、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
【0043】
制御装置2は、バッテリ3からモータ7への電力供給及びモータ7からバッテリ3へのエネルギー回生を制御する。また、制御装置2は、加速要求、制動要求、エンジン回転数、モータ回転数、モータ温度、第1主軸11及び第2主軸12の各回転数、カウンタ軸14等の回転数、車速、シフトポジション、並びに、SOC(State of Charge)などに関する情報が入力される。一方、制御装置2は、エンジン6を制御する信号、モータ7を制御する信号、バッテリ3の発電状態・充電状態・放電状態などを示す信号、第1変速用シフター51、第2変速用シフター52及び後進用シフター53を制御する信号、並びに、ロック機構61の接続(ロック)と開放(ニュートラル)を制御する信号などを出力する。
【0044】
制御装置2が、変速機20の第1クラッチ41及び第2クラッチ42の断接を制御するとともに、ロック機構61、第1変速用シフター51、第2変速用シフター52及び後進用シフター53の接続位置を制御(プレシフト)することにより、車両はエンジン6で第1〜第5速走行及び後進走行を行うことができる。
【0045】
車両が第1速走行を行う際、制御装置2が第1クラッチ41を締結しロック機構61を接続することで第1伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達される。また、車両が第2速走行を行う際、制御装置2が第2クラッチ42を締結して第2変速用シフター52を第2速用接続位置でインギヤすることで第2伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達される。また、車両が第3速走行を行う際、制御装置2が第1クラッチ41を締結して第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤすることで第3伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達される。
【0046】
また、車両が第4速走行を行う際、制御装置2が第1クラッチ41を締結して第2変速用シフター52を第4速用接続位置でインギヤすることで第2伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達される。また、車両が第5速走行を行う際、制御装置2が第1変速用シフター51を第5速用接続位置でインギヤすることで第3伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達される。さらに、車両が後進走行を行う際、制御装置2が第2クラッチ42を締結して後進用シフター53を接続することで、第5伝達経路を介して後進走行が行われる。
【0047】
また、エンジン走行中にロック機構61を接続したり、第1及び第2変速用シフター51、52をプレシフトすることでモータ7でアシストしたり回生したり、さらにアイドリング中であってもエンジン6をモータ7で始動したりバッテリ3を充電することもできる。さらに、第1及び第2クラッチ41、42を切断してモータ7でEV走行を行うこともできる。EV走行の走行モードとしては、第1及び第2クラッチ41、42を切断して、ロック機構61を接続することで第4伝達経路を介して走行する第1速EVモードと、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤすることで第4伝達経路を介して走行する第3速EVモードと、第1変速用シフター51を第5速用接続位置でインギヤすることで第4伝達経路を介して走行する第5速EVモードとが存在する。
【0048】
(第1実施例)
図4は、車両が第4速走行から第5速走行に切り替わる(アップシフトする)際の第1実施例の状態変化を示すタイミングチャートである。図4に示される符号Neはエンジン6の回転数、符号Nmはモータ7の回転数、符号C42は第2クラッチ42の状態、符号C41は第1クラッチ41の状態、符号Teはエンジン6のトルク、符号Tmはモータ7の回生トルク、符号Tdsは変速機20のカウンタ軸14からの出力をそれぞれ示す。なお、図4に示した実施例では、変速機20における伝達経路を、第4速用ギヤ対24を介した第2伝達経路から第5速用ギヤ対25を介した第3伝達経路に切り替える直前に、制御装置2は、変速機20における第1変速用シフター51の接続位置を第3速用接続位置から第5速用接続位置にプレシフトする。図5は、車両が第4速走行時に、第1変速用シフター51が第3速用接続位置でインギヤした状態でモータが回生動作しているときの、変速機20における動力伝達経路を示す概念図である。また、図6は、車両が第5速走行時に、第1変速用シフター51が第5速用接続位置でインギヤした状態でモータが回生動作しているときの、変速機20における動力伝達経路を示す概念図である。
【0049】
図4に示すように、第1実施例では、車両が第4速走行から第5速走行に切り替える直前に、制御装置2は、変速機20における第1変速用シフター51の接続位置を第3速用接続位置から第5速用接続位置にプレシフトする。このとき、制御装置2は、BSFC(Brake Specific Fuel Consumption)ボトム運転中のエンジン6のトルクTeを下げ、モータ7の回生トルクTmが0[Nm]となるようモータ7を制御する。なお、BSFCボトム運転とは、消費燃料量が最小となる一定の回転数での定点運転である。
【0050】
次に、制御装置2は、変速機20における第2クラッチ42の締結度合を下げ、かつ、第1クラッチ41の締結度合を上げる。なお、この時点でトルク相が開始される。なお、トルク相では、変速機20のカウンタ軸14からの出力が低下する。したがって、制御装置2は、各クラッチの締結度合を逆転させていくに従って、エンジン6のトルクを徐々に上げる。各クラッチの締結度合がほぼ逆転するとイナーシャ相が開始される。
【0051】
イナーシャ相では変速機20のカウンタ軸14からの出力がトルク相に比べて増加する。このため、制御装置2は、イナーシャ相が開始されるとエンジン6のトルクTeを下げる。その後、制御装置2は、エンジン6のトルクTeを徐々に上げると共に、モータ7の回生トルクTmを上げる。制御装置2は、エンジン6のトルクTeがBSFCボトム運転時のトルクまで上がり、変速機20のカウンタ軸14からの出力が変速前の出力とほぼ同等になると、第1クラッチ41を完全に締結する。その結果、車両は第5速走行に完全に切り替わる。
【0052】
このように、変速機20でアップシフトされる際に制御装置2が行う第1実施例の制御では、イナーシャ相における出力力の増大をモータ7の回生動作によって吸収している。このため、図4の符号Tdsで示されるように、変速に伴う変速機20のカウンタ軸14からの出力は、変速中に多少の変動はあるものの、変速前後でほぼ同一である。
【0053】
(第2実施例)
図7は、車両が第4速走行から第5速走行に切り替わる(アップシフトする)際の第2実施例の状態変化を示すタイミングチャートである。図7に示される符号Neはエンジン6の回転数、符号Nmはモータ7の回転数、符号C42は第2クラッチ42の状態、符号C41は第1クラッチ41の状態、符号Teはエンジン6のトルク、符号Tmはモータ7の回生トルク、符号Tdsは変速機20のカウンタ軸14からの出力をそれぞれ示す。なお、図7に示した実施例では、変速機20における伝達経路を、第4速用ギヤ対24を介した第2伝達経路から第5速用ギヤ対25を介した第3伝達経路に切り替える前に、制御装置2は、変速機20における第1変速用シフター51の接続位置を第3速用接続位置から第5速用接続位置にプレシフトしておく。
【0054】
図7に示すように、第2実施例では、車両が第4速走行時に、制御装置2は、変速機20における第1変速用シフター51の接続位置を第5速用接続位置にプレシフトしておく。制御装置2は、第4速走行から第5速走行への切り替えを決定すると、変速機20における第2クラッチ42の締結度合を下げ、かつ、第1クラッチ41の締結度合を上げる。なお、この時点でトルク相が開始される。トルク相では、変速機20のカウンタ軸14からの出力が低下する。したがって、制御装置2は、各クラッチの締結度合を逆転させていくに従って、モータ7の回生トルクTmを徐々に下げる。各クラッチの締結度合がほぼ逆転するとイナーシャ相が開始される。
【0055】
イナーシャ相では変速機20のカウンタ軸14からの出力がトルク相に比べて増加する。このため、制御装置2は、イナーシャ相が開始されるとエンジン6のトルクTeを下げる。その後、制御装置2は、エンジン6のトルクTeを下げたまま、モータ7の回生トルクTmをさらに下げる。その後、制御装置2は、エンジン6のトルクTeをBSFCボトム運転時のトルクまで上げて、第1クラッチ41を完全に締結する。その結果、車両は第5速走行に完全に切り替わる。
【0056】
このように、変速機20でアップシフトされる際に制御装置2が行う第2実施例の制御では、トルク相における出力の低下及びイナーシャ相における出力の増大を、モータ7の回生動作によって吸収している。このため、図7の符号Tdsで示されるように、変速に伴う変速機20のカウンタ軸14からの出力は、変速前後でほぼ同一である。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、変速時の出力変動をモータ7の動作によって吸収することによって、エンジン6の熱効率を維持したまま変速時の出力変動を抑制することができる。なお、第1実施例及び第2実施例では、車両が第4速走行から第5速走行に切り替わる際の例について説明したが、第2速走行から第3速走行、第3速走行から第4速走行及び第1速走行から第3速走行といったアップシフト時にも上記制御を適用することができる。なお、第2速走行から第4速走行といった偶数段変速時に出力変動を吸収する場合、奇数段(1、3、5速)でプレシフトを行っておくことによって、変速時に偶数段及び奇数段が共に連結する出力軸を介してモータ7で変動を吸収する。
【符号の説明】
【0058】
2 制御装置
3 バッテリ
6 エンジン(内燃機関)
7 モータ(電動機)
11 第1主軸(第1の入力軸)
14 カウンタ軸(出力軸)
16 第2中間軸(第2の入力軸)
20 変速機
22a 第2速用駆動ギヤ
23a 第3速用駆動ギヤ
23b 第1共用従動ギヤ
24a 第4速用駆動ギヤ
24b 第2共用従動ギヤ
25a 第5速用駆動ギヤ
30 遊星歯車機構
41 第1クラッチ(第1断接手段)
42 第2クラッチ(第2断接手段)
51 第1変速用シフター(第1同期装置)
52 第2変速用シフター(第2同期装置)
61 ロック機構(シンクロナイザー機構)
101 インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、
電動機と、
前記電動機に接続されるとともに第1断接手段を介して選択的に前記内燃機関に接続される第1入力軸と、第2断接手段を介して選択的に前記内燃機関に接続される第2入力軸と、被駆動部に動力を出力する出力軸と、前記第1入力軸上に配置され第1同期装置を介して前記第1入力軸に選択的に連結される複数のギヤよりなる第1ギヤ群と、前記第2入力軸上に配置され第2同期装置を介して前記第2入力軸に選択的に連結される複数のギヤよりなる第2ギヤ群と、前記出力軸上に配置され前記第1ギヤ群のギヤと前記第2ギヤ群のギヤとが噛合する複数のギヤよりなる第3ギヤ群と、を有する変速機と、を備えた車両用駆動装置の制御装置であって、
変速段階でトルク相に次いでイナーシャ相を経由する前記変速機がアップシフトを行う際、前記イナーシャ相での出力変動を前記電動機の動作で吸収するよう前記電動機を制御することを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用駆動装置の制御装置であって、
前記変速機がアップシフトを行う直前の前記第1断接手段が締結していない状態のとき、前記第1ギヤ群で前記第1入力軸が異なるギヤに連結されるよう前記第1同期装置を制御する際には、トルクを出力しない状態に前記電動機を制御することを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用駆動装置の制御装置であって、
前記変速機が、前記第2入力軸を介した第2伝達経路から前記第1入力軸を介した第1伝達経路に変更した際、
前記電動機は前記第1伝達経路を介して前記イナーシャ相での出力変動を吸収することを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用駆動装置の制御装置であって、
前記変速機が、前記第1入力軸を介した第1伝達経路から前記第2入力軸を介した第2伝達経路に変更する際、
前記電動機は前記第1伝達経路を介して前記イナーシャ相での出力変動を吸収することを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
【請求項5】
請求項2に記載の車両用駆動装置の制御装置であって、
前記変速機が、前記第1入力軸を介した第1伝達経路のまま、前記第1ギヤ群で前記第1入力軸が異なるギヤに連結されるよう前記第1同期装置を制御する場合、前記第1断接手段を締結状態から非締結状態に移行させることを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−218945(P2011−218945A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89519(P2010−89519)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】