説明

車車間通信制御装置および車車間通信制御プログラム

【課題】すれ違うことができないほど狭い道路を挟んで2台の車両が対向して走行しているような場面において、車車間通信を利用して、対向車両よりも自車両が優先的にその狭い道路を走行できるようにする。
【解決手段】車両用ナビゲーション装置が、横幅が狭いため車両がすれ違うことができない可能性が高い道路にさしかかる度に、その手前で(ステップ205)対向車両がある状況において(ステップ210)、自車両が当該1車両道路手前で基準時間以上停止した後(ステップ220)、偽の自車位置を算出し(ステップ230)、算出した偽の自車位置を車両情報に含めて他車両に向けて送信する(ステップ240)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の位置や向きの情報をやりとりするための車車間通信制御装置および車車間通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車車間通信によって互いの位置情報をやりとりし、車両同士のすれ違いに適したポイントをドライバーに示すことで、すれ違い支援を行う技術が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平11−83508号公報
【特許文献2】特開2004−245610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような技術を、すれ違うことができないほど狭い道路を挟んで2台の車両が対向して走行しているような場面に用いると、一方の車両がその狭い道路を通り過ぎるまで、他方の車両がすれ違いポイントにおいて待たされることになる。このようなとき、状況によっては、ある方向に走行する車両が多数あるために、その逆方向に走行したい車両が長時間すれ違いポイントで待たされるといった不都合が発生する可能性がある。また、緊急事態の発生等、他の対向車両よりも先にその狭い道路を走行したいという要請が発生する可能性もある。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、すれ違うことができないほど狭い道路を挟んで2台の車両が対向して走行しているような場面において、車車間通信を利用して、対向車両よりも自車両が優先的にその狭い道路を走行できるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための本発明の第1の特徴は、無線受信した車両情報に基づいた通知をドライバーに対して行う他車両の車載器に対して情報を送信する車車間通信器を備えた車車間通信制御装置が、横幅が狭いため車両がすれ違うことができない可能性が高い道路(以下、1車両道路という)上の偽の自車位置を特定し、自車両が当該1車両道路の手前にいるとき、その特定した偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報としてこの車車間通信器に送信させることである。
【0006】
このように、車車間通信制御装置が、自車両の位置に加えて、当該1車両道路上の位置を偽の自車位置として車車間通信器に送信させるので、それを受信した対向車両側の車載器は、当該1車両道路上に対向車両がいることに基づく通知をドライバーに行う。まだ1車両道路に進入していない対向車両のドライバーがこの通知を受けた場合、当該ドライバーが、自らの車両を敢えて当該1車両道路に進入させることは希であると考えられるので、自車両は、この対向車両に優先して当該1車両道路を通過することができるようになる。
【0007】
また、特定した偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報として車車間通信器に送信させるのは、自車両が1車両道路の手前で基準待ち時間以上停止した後であってもよい。このようになっていることで、この車車間通信制御装置を搭載した車両のドライバーが、当該1車両道路の手前で基準待ち時間を大きく超えて待たされる可能性が低くなる。
【0008】
また、車車間通信制御装置は、自車両が当該1車両道路上にいるとき、最後に送信させた偽の自車位置が真の自車位置よりも先にあれば、当該特定した偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報として当該車車間通信器に送信させ、また、最後に送信させた偽の自車位置が真の自車位置の背後にあれば、当該真の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報として当該車車間通信器に送信させるようになっていてもよい。
【0009】
このようになっていることで、自車両が当該1車両道路を走行しているときにおいても、偽の自車位置または真の自車位置を有する車両情報が送信される。また、最後に送信させた偽の自車位置と真の自車位置のうち、より進んでいる方が車両情報として送信されるので、車両情報に偽の自車位置を含める場合と真の自車位置を含める場合との切り替わりにおいて、対向車両側が受ける車両の位置情報の飛びが少ないので、対向車両側のドライバーに与える違和感を低減することができる。
【0010】
また、車車間通信器が、他車両の位置および向きを示す情報を無線受信するようになっている場合、車車間通信制御装置は、当該車車間通信器が受信した他車両の位置および向きを示す情報に基づいて、当該1車両道路上のすべての対向車両の後方の位置を、偽の自車位置として特定するようになっていてもよい。
【0011】
このようになっていることで、当該車車間通信制御装置が偽の自車位置情報を送信したとしても、その偽の自車位置情報の示す位置は、既に1車両道路に進入しているすべての対向車両の後方となっているので、それら既に1車両道路に進入している対向車両のドライバーは、偽の自車位置情報に惑わされずに1車両道路を抜けることができる可能性が高まる。
【0012】
また、車車間通信制御装置は、自車両が当該1車両道路の手前にいるとき、特定した偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、当該1車両道路の先の道路上の車両に搭載された車載器宛の車両情報として、当該車車間通信器に送信させるようになっていてもよい。
【0013】
このように、偽の自車位置情報の送信相手を、当該1車両道路の先の道路上の車両に搭載された車載器とすることで、まだ当該1車両道路に進入していない車両に対して選択的に偽の自車位置情報を送ることができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するための本発明の第2の特徴は、無線受信した情報に基づいた通知をドライバーに対して行う車載器に対して情報を送信する車車間通信器を備えた車車間通信制御装置が、1車両道路の手前に自車両がいるとき、自車両が1車両道路に進入する旨の情報を当該車車間通信器に送信させることである。
【0015】
このようになっていることで、その送信された情報を受信した対向車両側の車載器は、当該1車両道路上に対向車両進入する旨の通知をドライバーに行う。まだ1車両道路に進入していない対向車両のドライバーがこの通知を受けた場合、当該ドライバーが、自らの車両を敢えて当該1車両道路に進入させることは希であると考えられるので、自車両は、この対向車両に優先して当該1車両道路を通過することができるようになる。
【0016】
また、このような情報を車車間通信器に送信させるのは、自車両が1車両道路の手前で基準待ち時間以上停止した後であってもよい。このようになっていることで、この車車間通信制御装置を搭載した車両のドライバーが、当該1車両道路の手前で基準待ち時間を大きく超えて待たされる可能性が低くなる。
【0017】
また、車車間通信器が、他車両の位置および向きを示す情報を無線受信する場合、車車間通信制御装置は、自車両が当該1車両道路の手前にいるとき、自車両が1車両道路に進入する旨の情報を、当該1車両道路の先の道路上の車両の車載器宛の情報として、当該車車間通信器に送信させるようになっていてもよい。
【0018】
このように、自車両が1車両道路に進入する旨の情報の送信相手を、当該1車両道路の先の道路上の車両に搭載された車載器とすることで、まだ当該1車両道路に進入していない車両に対して選択的に情報を送ることができる。
【0019】
また、本発明の第1の特徴は、1車両道路上の偽の自車位置を特定する偽自車位置特定機能、および、自車両が当該1車両道路の手前にいるとき、当該特定機能によって特定された当該偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報として、無線受信した車両情報に基づいた通知をドライバーに対して行う他車両の車載器に対して情報を送信する車車間通信器に送信させる送信制御機能を、コンピュータに実現させる車車間通信制御プログラムとしても捉えることができる。
【0020】
また、本発明の第2の特徴は、1車両道路の手前に自車両がいることを判定する機能、および、当該1車両道路の手前に自車両がいるとき、自車両が1車両道路に進入する旨の情報を、無線受信した情報に基づいた通知をドライバーに対して行う車載器に対して情報を送信する車車間通信器に送信させる機能を、コンピュータに実現させる車車間通信制御プログラムとしても捉えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態においては、横幅が狭いため車両がすれ違うことができない可能性が高い道路(以下、1車両道路という)上または1車両道路手前において、対向車両の車載器に偽の自車両の位置を送信するための車車間通信制御装置の一例として、図1に示す車両用ナビゲーション装置1を用いる。この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14、車車間通信器15、RAM16、ROM17、外部記憶媒体18、および制御回路19を有している。
【0022】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路19に出力する。
【0023】
操作スイッチ群12は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路19に出力する。
【0024】
画像表示装置13は、制御回路19から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0025】
車車間通信器15は、図示しないアンテナが受信した信号に対して増幅、周波数変換、復調、A/D変換等、所定の車車間通信用の無線通信プロトコルに従った処理を施し、その結果を制御回路19に出力する。また車車間通信器15は、制御回路19から入力されたデータに対してD/A変換、変調、周波数変換、増幅等、所定の車車間通信用無線通信プロトコルに従った処理を施し、その結果の信号を上記のアンテナに出力する。車車間通信に用いる通信方式としては、例えばCDMA等がある。このような作動により、車車間通信器15は、制御回路19の制御に基づいて、他車両に搭載された車車間通信器とデータの授受を行うようになる。
【0026】
外部記憶媒体18は、HDD、DVD―ROM、CD−ROM等の不揮発性の記憶媒体であり、制御回路19が読み出して実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0027】
地図データは、リンクおよびノードの位置、種別、ノードとリンクとの接続関係、リンクの横幅、リンクの有するレーン数等を含む道路データ、および施設データを有している。
【0028】
制御回路(コンピュータに相当する)19は、ROM17および外部記憶媒体18から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、および外部記憶媒体18から情報を読み出し、RAM16および外部記憶媒体18に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13およびスピーカ14と信号の授受を行う。
【0029】
制御回路19がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、誘導経路探索処理、経路案内処理等がある。
【0030】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0031】
誘導経路探索処理は、操作スイッチ群12からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。
【0032】
経路案内処理は、外部記憶媒体18から地図データを読み出し、算出された誘導経路、目的地、経由地および現在位置等をこの地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置13に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達した等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声信号をスピーカ14に出力する処理である。
【0033】
また、制御回路19は、図2および図3にそれぞれフローチャートとして示す表示制御プログラム100および車車間通信制御プログラム200を、繰り返し実行するようになっている。
【0034】
制御回路19は、表示制御プログラム100を実行することで、車車間通信器15が他車両から送信される車両情報を受信する度に(ステップ110)、スピーカ14および車車間通信器15を用いて、その受信した車両情報に基づいた通知をドライバーに対して行う(ステップ120)。ここで、車両情報は、その車両情報の送信元の車両の現在位置(緯度、経度)、現在の向き(例えば北向き、南西向き、ノードAからノードBへの向き、ノードBからノードAへの向き等)、および送信元の装置の識別データ等の情報を含んでいる。
【0035】
また、ステップ120におけるドライバーへの通知としては、スピーカ14にその他車両の位置や向きを知らせる音声を出力させてもよい。ここで、他車両の位置を示す音声は、当該他車両がどの道路(例えば1車両道路、2車線道路)上にいるかを示す音声でもよい。当該他車両がどの道路上にいるかは、外部記憶媒体18中の地図データを用いて特定する。また、ドライバーへの通知としては、画像表示装置13に地図データに基づく地図画像を描画させ、さらに、その地図画像中の他車両の現在位置に相当する部分に、他車両を示すマークを重ねて描画させるようになっていてもよい。ここで、当該他車両のマークは、その他車両の現在の向きが視覚的にわかるような形状および向きとなっているものとする。
【0036】
また、制御回路19は、図3の車車間通信制御プログラム200を実行することで、自車両についての上述の車両情報を、他車両に向けて送信するようになっている。ただし、以下説明する通り、送信する車両情報に含まれる自車位置は、真の自車位置である場合もあれば、偽の自車位置である場合もある。制御回路19は、この車車間通信制御プログラム200の実行において、まずステップ205で、自車両が1車両道路の手前にいるか否かを判定し、手前にいる場合は続いてステップ210を実行し、手前にいない場合は続いてステップ280を実行する。
【0037】
ここで、ある道路が1車両道路であるか否かは、地図データ中のリンクの横幅の情報に基づいて、その道路が基準幅以下であるか否かを判定することで特定する。ここで、基準幅は、あらかじめ記憶された一定値(例えば4メートル)であってもよいし、道路の渋滞度等の各種条件(例えば、自車両の幅や対向車両の幅の情報、工事中による片側通行規制の有無等)に基づいて変動する値であってもよいし、一定の範囲内でランダムに決まる値であってもよい。
【0038】
また、自車両が当該道路の手前にいるか否かは、自車両の前方基準手前距離以内に、当該道路の手前側端部があるか否かで判定する。ここで、基準手前距離は、あらかじめ記憶された一定値(例えば30メートル)であってもよいし、各種条件(例えば道路の渋滞度)に基づいて変動する値であってもよいし、一定の範囲内でランダムに決まる値であってもよい。
【0039】
ステップ210では、当該1車両道路およびその1車両道路の先の道路に、対向車両がいるか否かを判定し、対向車両がいる場合は続いてステップ220を実行し、いない場合は続いてステップ280を実行する。なお、対向車両がいるか否かは、表示制御プログラム100の実行の結果受信した車両情報に基づいて判定する。このように、本実施形態においては、対向車両も車両用ナビゲーション装置1と同等の構成および作動の装置を搭載しているものとする。以下では、対向車両の有する車両用ナビゲーション装置1と同等の構成および作動の装置を車載器と記す。ただし、この他車両の車載器は、車両情報に常に真の車両位置を含めて送信するようになっていてもよい。
【0040】
ここで、自車両が1車両道路手前におり、対向車両がある場合の一例としての道路俯瞰図を、図4に示す。この図においては、2車線道路31が1車両道路32に繋がっており、また1車両道路32が2車線道路31と反対の端部において2車線道路33と繋がっている。自車両41は、2車線道路31の1車両道路32手前において、図中下方向を向いており、1車両道路32上には対向車両42および43がおり、また、2車線道路33上には対向車両44および45がいる。
【0041】
ステップ220では、自車両が1車両道路の手前で基準待ち時間以上停止したか否かを判定する。この判定は、自車両の現在位置が当該手前位置に基準待ち時間以上留まっているか否かで判定してもよいし、当該1車両道路の手前で自車両の速度がゼロになって以降、その速度ゼロの状態が基準待ち時間以上続いているか否かで判定してもよい。なお、基準待ち時間は、あらかじめ記憶された一定値であってもよいし、各種条件に基づいて変動する値であってもよいし、一定の範囲内でランダムに決まる値であってもよい。自車両が1車両道路の手前で基準待ち時間以上停止した場合、続いてステップ230を実行し、基準待ち時間以上停止していない場合、続いてステップ280を実行する。
【0042】
ステップ230では、偽の自車位置を算出する。この偽の自車位置は、1車両道路上の特定の位置である。より具体的には、偽の自車位置は、1車両道路上のすべての対向車両の後方に該当する位置とする。図5に、この偽の自車位置46の一例を、図4と同じ形式の図中に示す。なお、対向車両が1車両道路にいるかどうかは、表示制御プログラム100の実行によって受信した車両情報中の位置の情報と、地図データ中の当該1車両道路の位置の情報とを比較することで判定する。
【0043】
また、算出する偽の自車位置は、より詳細には、当該1車両道路上の対向車両のうち一台でも当該1車両道路の行程の半分を過ぎていない場合は、当該1車両道路上の対向車両のうち最後尾の車両の直後(例えば当該車両から数メートル以内の位置)とする。そして、当該1車両道路上の対向車両のすべてが既に当該1車両道路の行程の半分を過ぎている場合は、当該1車両道路の両端のうち、自車両が後に通過する方の端に近い位置を偽の自車位置とする。このように、偽の自車位置があまり当該1車両道路の自車両の進入位置側に近づかないようにするのは、偽の自車位置が、当該1車両道路の自車両の進入位置側に近い場合よりも、より進行した位置にある場合の方が、対向車両のドライバーが当該1車両道路への進入を踏み止まる可能性が高いからである。
【0044】
また、算出する偽の自車位置は、ゆっくりとした速度(例えば時速10km程度)で自車両と同じ向きに進行するよう、前回のステップ230において算出した位置よりも先に進めるようになっていてもよい。
【0045】
続いてステップ240では、車両情報を車車間通信器15に送信させる。この車両情報には、直前のステップ230で算出した偽の自車位置、自車両の向きの情報、および自身の識別データを含める。
【0046】
このような車両情報が送信されると、対向車両の車載器は、この情報を受信し、表示制御プログラム100の処理を実行することで、偽の車両位置の通知をドライバーに対して行う。すると、まだ1車両道路に進入していない対向車両(例えば図5の対向車両44、45)のドライバーは、偽自車位置(例えば図5の偽自車位置46)を対向車両が走行していると判断して、1車両道路の手前で停止する。そして、その停止した車両の車載器は、その位置を示す車両情報を送信する。偽の自車位置を送信した側の車両用ナビゲーション装置1は、停止した車両側からの車両情報に基づいた表示を行うので、それによって、偽の自車位置を送信した側の車両は、既に1車両道路上にいた対向車両が1車両道路を抜けた段階で、1車両道路内に進入することができる。図6に、図4、5のような状況において、対向車両42、43が1車両道路32を抜け、対向車両44、45が2車線道路33で停止して待っている状態で、自車両41が1車両道路32に進入した場面を示す。
【0047】
ステップ240に続くステップ250では、直前のステップ240で車車間通信器15に送信させた車両情報中の偽の自車位置と、現在の真の自車位置とを比較し、偽の自車位置が現在の真の自車位置よりも先にあれば、続いてステップ230を再度実行し、逆に現在の真の自車位置が偽の自車位置よりも先にあれば、続いてステップ260を実行する。
【0048】
ステップ260では、現在位置特定処理の結果に基づく真の自車位置、自車両の向き、および自身の識別データを含む車両情報を、車車間通信器15に送信させる。
【0049】
続いてステップ270では、真の自車位置が1車両道路を抜けたか否かを、地図データに基づいて判定し、抜けた場合車車間通信制御プログラム200の1回分の実行を終了し、抜けていない場合ステップ260の処理を再度実行する。
【0050】
またステップ280では、ステップ260と同様、真の自車位置、自車両の向き、および識別データを含む車両情報を、車車間通信器15に送信させ、その後車車間通信制御プログラム200の1回分の実行を終了する。
【0051】
以上のような車車間通信制御プログラム200を制御回路19が繰り返し実行することで、車両用ナビゲーション装置1は、1車両道路手前にさしかかる度に、その手前で(ステップ205参照)対向車両がある状況において(ステップ210参照)、自車両が当該1車両道路手前で基準時間以上停止した後(ステップ220参照)、偽の自車位置を算出し(ステップ230参照)、算出した偽の自車位置を車両情報に含めて他車両に向けて送信する(ステップ240参照)。
【0052】
このように、車両用ナビゲーション装置1が、自車両の位置に加えて、当該1車両道路上の位置を偽の自車位置として車車間通信器15に送信させるので、それを受信した対向車両側の車載器は、当該1車両道路上に対向車両がいる旨の通知をドライバーに行う。まだ1車両道路に進入していない対向車両(例えば図5の対向車両44、45)のドライバーがこの通知を受けた場合、当該ドライバーが、自らの車両を敢えて当該1車両道路に進入させることは希であると考えられるので、自車両は、この対向車両に優先して当該1車両道路を通過することができるようになる。
【0053】
また、偽の自車位置を車両情報として送信させるのは、自車両が1車両道路の手前で基準時間以上停止した後であるので、自車両のドライバーが、当該1車両道路の手前で基準時間を大きく超えて待たされる可能性が低くなる。
【0054】
また、算出する偽の自車位置は、1車両道路上のすべての対向車両の後方に該当する位置となっているので、車両用ナビゲーション装置1が偽の自車位置情報を送信したとしても、その偽の自車位置情報の示す位置は、既に1車両道路に進入しているすべての対向車両(例えば図5における対向車両42、43)の後方となっているので、それら既に1車両道路に進入している対向車両のドライバーは、偽の自車位置情報に惑わされて立ち往生してしまうことなく、1車両道路を抜けることができる。
【0055】
また、車両用ナビゲーション装置1は、この偽の自車位置の算出および送信を、真の自車位置が偽の自車位置を追い越すまで行い(ステップ250参照)、真の自車位置が偽の自車位置を追い越すと、真の自車位置を車両情報に含めて他車両に向けて送信する(ステップ260、280参照)
このようになっていることで、自車両が当該1車両道路を走行しているときにおいても、車両情報が送信され、また、最後に送信させた偽の自車位置と真の自車位置のうち、より進んでいる方が車両情報として送信されるので、車両情報に偽の自車位置を含める場合と真の自車位置を含める場合との切り替わりにおいて、対向車両側が受ける車両の位置情報の示す位置が逆戻りしたり急激に進んだりすることがないので、対向車両側のドライバーに与える違和感が少ない。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1および他車両の車載器のハードウェア構成は、第1実施形態と同じである。また、本実施形態の車両用ナビゲーション装置1および他車両の車載器の作動内容は、制御回路19が、表示制御プログラム100に代えて図7に示す表示制御プログラム300を、車車間通信制御プログラム200に代えて車図8に示す車間通信制御プログラム400を、それぞれ実行するようになっている点以外は、第1実施形態と同様である。
【0056】
以下、本実施形態の車両用ナビゲーション装置1の作動が、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態の車両用ナビゲーション装置1は、偽の自車位置情報に代えて、自車両が1車両道路に進入するので対向車両は停止して欲しい旨を示す情報(以下、停止要求と記す)を、1車両道路にまだ進入していない対向車両の車載器宛に送信するようになっている。
【0057】
この車両用ナビゲーション装置1の制御回路19は、表示制御プログラム300を実行することで、車車間通信器15が他車両から送信される第1実施形態と同様の車両情報を受信する度に(ステップ310)、スピーカ14および車車間通信器15を用いて、その受信した車両情報に基づいた通知をドライバーに対して行う(ステップ320)。そしてさらに、車車間通信器15が他車両から送信される停止要求を受信する度に(ステップ330)、その無線受信した停止要求に基づいた通知をドライバーに対して行う(ステップ340)。
【0058】
また、ステップ330における停止要求を受信したか否かの判定において、その停止要求中に宛先の情報が含まれている場合、その宛先の情報に自らの車両用ナビゲーション装置1が合致する場合に限り、停止要求を受信したと判定する。ここで、宛先の情報としては、例えば、受信側の車両用ナビゲーション装置1の識別データを限定する情報や、受信側の現在位置を限定する情報や、受信側の向きを限定する情報等がある。
【0059】
また、ステップ340におけるドライバーへの通知としては、スピーカ14に1車両道路の手前で停止するよう要求する音声を出力させてもよいし、1車両道路の手前で停止するよう要求する文字および画像を画像表示装置13に表示させてもよい。
【0060】
また、制御回路19は、車車間通信制御プログラム400の実行において、まずステップ405で、図3のステップ205と同様に、自車両が1車両道路の手前にいるか否かを判定し、手前にいる場合は続いてステップ410を実行し、手前にいない場合は続いてステップ480を実行する。
【0061】
ステップ410では、図3のステップ210と同様に、当該1車両道路およびその1車両道路の先の道路に、対向車両がいるか否かを判定し、対向車両がいる場合は続いてステップ420を実行し、いない場合は続いてステップ480を実行する。
【0062】
ステップ420では、図3のステップ220と同様に、自車両が1車両道路の手前で基準待ち時間以上停止したか否かを判定し、基準待ち時間以上停止した場合、続いてステップ440を実行し、基準待ち時間以上停止していない場合、続いてステップ480を実行する。
【0063】
ステップ440では、所定の停止要求を車車間通信器15に送信させる。なおこのとき、停止要求中に、宛先の情報を含める。停止要求中に含める宛先の情報としては、受信側として、当該1車両道路にまだ進入していない対向車両の車載器のみを限定するものとする。例えば、自車両と対向する方向を限定する情報と、自車両から見て当該1車両道路より先にある位置を限定する情報とを、宛先情報としてもよい。
【0064】
また例えば、当該1車両道路にまだ進入していない対向車両の識別データを限定する情報を、宛先情報としてもよい。この場合、どの識別データに対応する車両がどの位置にいてどちらを向いているかは、その車両の車載器から送信された車両データ中の車両位置、向き、および識別データに基づいて特定する。
【0065】
ステップ440に続いては、ステップ470で、図3のステップ270と同様に、真の自車位置が1車両道路を抜けたか否かを判定し、抜けた場合車車間通信制御プログラム400の1回分の実行を終了し、抜けていない場合ステップ440の処理を再度実行する。
【0066】
またステップ480では、図3のステップ280と同様、真の自車位置、自車両の向き、および識別データを含む車両情報を、車車間通信器15に送信させ、その後車車間通信制御プログラム400の1回分の実行を終了する。
【0067】
以上のような車車間通信制御プログラム400を繰り返し実行することで、車両用ナビゲーション装置1は、1車両道路にさしかかる度に、その手前で(ステップ405参照)対向車両がある状況において(ステップ410参照)、自車両が当該1車両道路手前で基準時間以上停止した後(ステップ420参照)、停止要求を他車両に向けて送信する(ステップ440参照)。
【0068】
このようになっていることで、その送信された停止要求を受信した対向車両側の車載器は、当該1車両道路上に対向車両が進入するので停止するよう指示する通知をドライバーに行う。まだ1車両道路に進入していない対向車両のドライバーがこの通知を受けた場合、当該ドライバーが、自らの車両を敢えて当該1車両道路に進入させることは希であると考えられるので、自車両は、この対向車両に優先して当該1車両道路を通過することができるようになる。
【0069】
また、このような停止要求を車車間通信器15に送信させるのは、自車両が1車両道路の手前で基準待ち時間以上停止した後であるので、この車両用ナビゲーション装置1を搭載した車両のドライバーが、当該1車両道路の手前で基準待ち時間を大きく超えて待たされる可能性が低くなる。
【0070】
また、車両用ナビゲーション装置1は、停止要求を、当該1車両道路の先の道路上の車両の車載器のみを宛先として送信させるようになっているので、まだ当該1車両道路に進入していない車両に対して選択的に情報を送ることができ、既に1車両道路に進入している対向車両のドライバーは、停止要求を受けることなく1車両道路を抜けることができる。
【0071】
なお、上記の各実施形態において、車両用ナビゲーション装置1が車車間通信制御装置に相当する。また、第1実施形態においては、制御回路19が、車車間通信制御プログラム200のステップ230を実行することで、偽自車位置特定手段として機能し、ステップ240、260および280を実行することで、送信制御手段として機能する。また、第2実施形態においては、制御回路19が、車車間通信制御プログラム400のステップ440を実行することで、送信制御手段として機能する。
(他の実施形態)
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各構成要素の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0072】
例えば、上記の第1実施形態において、車両用ナビゲーション装置1は、1車両道路上のすべての対向車両の後方の位置を、偽の自車位置として算出しているが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、1車両道路上の対向車両の前方の位置を、偽の自車位置としてもよい。この場合、その偽自車位置を送信する宛先を、まだ1車両道路に進入していない対向車両のみに限定してもよい。そのためには、他車両の車載器の制御回路19が、表示制御プログラム100のステップ110における車両情報を受信したか否かの判定において、その車両情報中に宛先の情報が含まれている場合、その宛先の情報に自らの車両用ナビゲーション装置1が合致する場合に限り、車両情報を受信したと判定するようになっていればよい。
【0073】
ここで、宛先の情報としては、例えば、受信側の車両用ナビゲーション装置1の識別データを限定する情報や、受信側の現在位置を限定する情報や、受信側の向きを限定する情報等がある。そして自車両の制御回路19は、車車間通信制御プログラム200のステップ240において、車両情報中に含める宛先の情報を含める。この宛先の情報としては、受信側として、当該1車両道路にまだ進入していない対向車両の車載器のみを限定するものとする。例えば、自車両と対向する方向を限定する情報と、自車両から見て当該1車両道路より先にある位置を限定する情報とを、宛先の情報としてもよい。また例えば、当該1車両道路にまだ進入していない対向車両の識別データを限定する情報を、宛先の情報としてもよい。この場合、どの識別データに対応する車両がどの位置にいてどちらを向いているかは、その車両の車載器から送信された車両情報中の車両位置、向き、および識別データに基づいて特定する。
【0074】
このように、車両用ナビゲーション装置1は、偽の自車位置を含む車両情報を、当該1車両道路の先の道路上の車両の車載器のみを宛先として送信させるようになっているので、まだ当該1車両道路に進入していない車両に対して選択的に情報を送ることができ、既に1車両道路に進入している対向車両のドライバーは、偽の車両位置の情報を受けることなく1車両道路を抜けることができる。
【0075】
また、このように、偽の自車位置の宛先を当該1車両道路の先の道路上の車両に限定する場合や、第2実施形態のように停止要求の宛先を当該1車両道路の先の道路上の車両に限定する場合において、宛先を限定する方法としては、上記のように宛先の情報を送信する以外にもある。例えば、あらかじめ車載器の位置と受信チャネル(周波数やCDMAの拡散コード等)との対応付けが決まっている場合を考える。図9に、図4〜図6に示した道路における受信チャネルの割り当て例を示す。この図においては、1車両道路と、その両端に繋がる道路とで、受信チャネルが区別されている。具体的には、2車線道路31においては受信チャネルAが割り当てられ、1車両道路32においては受信チャネルBが割り当てられ、2車線道路33においては受信チャネルCが割り当てられている。
【0076】
このような場合に、車両用ナビゲーション装置1や他の車載器は、道路と受信チャネルとの対応表を有し、表示制御プログラム100のステップ110、および表示制御プログラム300のステップ310、330で、その対応表において自車両の走行する道路に体操する受信チャネルで車両情報等を受信した場合に限り受信したと判定する。そして車両用ナビゲーション装置1は、車車間通信制御プログラム200のステップ240において、そして、車車間通信制御プログラム400のステップ440において、当該1車両道路の先に繋がる道路に対応する受信チャネルで送信を行うよう車車間通信器15を制御する。このようになっていることで、自車両41から送信された車両情報や停止要求は、対向車両44、45のみで受信されるようになり、対向車両42、43では受信できなくなる。
【0077】
また、車車間通信制御プログラム200の1回分の実行中においては、偽の自車位置の算出は一度きりであってもよい。すなわち、車車間通信制御プログラム200の1回分の実行中においては、偽の自車位置の示す位置は変化しなくてもよい。
【0078】
また、ステップ230の偽自車位置の算出は、ステップ205〜220の結果にかかわらず常時算出するようになっていたとしても、その算出した偽自車位置が、算出される度に毎回他車両に向けて送信されるようになっておらず、ステップ205、210、220の判定が肯定となった場合にのみ送信されるようになっていればよい。
【0079】
また、車両用ナビゲーション装置1は、ユーザの操作スイッチ群12に対する所定の操作があったことに基づいてステップ230〜270を実行するようになっていてもよい。このようにすることで、災害時や事故発生時等の緊急時に、ドライバーの意志に基づいて迅速に優先的に1車両道路を走行することができるようになる。
【0080】
また、車車間通信においては、車両情報や停止要求は、多数の車両間で中継されるようになっていてもよい。
【0081】
また、車両の向きを示す情報の送信は、車両の向きそのものの送信ではなく、送信する偽自車位置を時系列的に1車両道路に沿って変化させることで、実質的に車両の向きの情報を送信するようになっていてもよい。また、あらかじめ走行方向と無線送信のチャネルとの対応付けが、方向(例えば東西南北)とチャネルを対応づける共通の対応表によって送信側と受信側で示し合わされている場合は、自車両の走行方向に対応したチャネルを用いて車両情報を送信することで、実質的に車両の向きの情報を送信するようになっていてもよい。すなわち、車両用ナビゲーション装置1は、車両の向きを表す情報を送信するようになっていれば、その情報は直接的に向きを表す情報であっても間接的に向きを表す情報であっても構わない。
【0082】
また、車車間通信制御プログラム200のステップ240で送信する情報は、停止を要求する情報でなくとも、自車両が1車両道路に進入する旨の情報であれば足りる。
【0083】
また、車車間通信制御プログラム200においては、対向車両があるとないとに関わらず、ステップ220以降を実行するようになっていてもよい。また、自車両が基準待ち時間以上停止しているといないとに関わらず、ステップ230以降を実行するようになっていてもよい。また同様に、車車間通信制御プログラム400においては、対向車両があるとないとに関わらず、ステップ420以降を実行するようになっていてもよい。また、自車両が基準待ち時間以上停止しているといないとに関わらず、ステップ430以降を実行するようになっていてもよい。
【0084】
また、上記実施形態においては、車車間通信制御装置の一例として車両用ナビゲーション装置1が示されているが、車車間通信制御装置は必ずしもナビゲーション装置でなくともよい。その場合、自車両の現在位置は、その車両に搭載されているナビゲーション装置から取得するようになっていてもよいし、GPS受信機等の現在位置特定装置から取得するようになっていてもよい。またこの場合、地図データは、その車両に搭載されているナビゲーション装置から取得するようになっていてもよいし、無線LANやDSRC(Dedicated Short Line Communications)等の無線通信を介した広域ネットワーク(例えばインターネット)との接続を利用して、当該広域ネットワーク上の地図データサーバが取得するようになっていてもよい。
【0085】
また、上記の各実施形態においては、偽の自車位置の算出および送信制御、ならびに停止要求の算出および送信制御は、ソフトウェア的に実現されているが、これらの機能を備えた専用のハードウェアによって実現されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】第1実施形態において制御回路19が実行する表示制御プログラム100のフローチャートである。
【図3】第1実施形態において制御回路19が実行する車車間通信制御プログラム200のフローチャートである。
【図4】2車線道路31、1車両道路32、2車線道路33を走行する自車両41および対向車両42〜45を示す俯瞰図である。
【図5】2車線道路31、1車両道路32、2車線道路33を走行する自車両41および対向車両42〜45、および算出された偽自車位置46を示す俯瞰図である。
【図6】2車線道路31、1車両道路32、2車線道路33を走行する自車両41および対向車両42〜45、および算出された偽自車位置46を示す俯瞰図である。
【図7】第2実施形態において制御回路19が実行する表示制御プログラム300のフローチャートである。
【図8】第2実施形態において制御回路19が実行する車車間通信制御プログラム400のフローチャートである。
【図9】2車線道路31、1車両道路32、2車線道路33における受信コードの割り当てを示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…操作スイッチ群、
13…画像表示装置、14…スピーカ、15…車車間通信器、16…RAM、
17…ROM、18…外部記憶媒体、19…制御回路、31、33…2車線道路、
32…1車両道路、41…自車両、42〜45…対向車両、46…偽自車位置、
100、300…表示制御プログラム、200、400…車車間通信制御プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線受信した車両情報に基づいた通知をドライバーに対して行う他車両の車載器に対して情報を送信する車車間通信器と、
横幅が狭いため車両がすれ違うことができない可能性が高い道路(以下、1車両道路という)上の偽の自車位置を特定する偽自車位置特定手段と、
自車両が前記1車両道路の手前にいるとき、前記特定手段が特定した前記偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報として前記車車間通信器に送信させる送信制御手段と、を備えた車車間通信制御装置。
【請求項2】
前記送信制御手段は、自車両が前記1車両道路の手前で基準待ち時間以上停止した後に、前記特定手段が特定した前記偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報として前記車車間通信器に送信させることを特徴とする請求項1に記載の車車間通信制御装置。
【請求項3】
前記送信制御手段は、自車両が前記1車両道路上にいるとき、最後に前記車車間通信器に送信させた偽の自車位置が真の自車位置よりも先にあれば、前記特定手段が特定した偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報として前記車車間通信器に送信させ、また、最後に前記車車間通信器に送信させた偽の自車位置が真の自車位置の背後にあれば、前記真の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報として前記車車間通信器に送信させることを特徴とする請求項1または2に記載の車車間通信制御装置。
【請求項4】
前記車車間通信器は、他車両の位置および向きを示す情報を無線受信し、
前記偽自車位置特定手段は、前記車車間通信器が受信した他車両の位置および向きを示す情報に基づいて、前記1車両道路上のすべての対向車両の後方の位置を、偽の自車位置として特定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車車間通信制御装置。
【請求項5】
前記送信制御手段は、自車両が前記1車両道路の手前にいるとき、前記特定手段が特定した前記偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、前記1車両道路の先の道路上の車両に搭載された前記車載器宛の車両情報として、前記車車間通信器に送信させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車車間通信制御装置。
【請求項6】
無線受信した情報に基づいた通知をドライバーに対して行う他車両の車載器に対して情報を送信する車車間通信器と、
横幅が狭いため車両がすれ違うことができない可能性が高い道路(以下、1車両道路という)の手前に自車両がいるとき、自車両が1車両道路に進入する旨の情報を前記車車間通信器に送信させる送信制御手段と、を備えた車車間通信制御装置。
【請求項7】
前記送信制御手段は、自車両が前記1車両道路の手前で基準待ち時間以上停止した後に、自車両が1車両道路に進入する旨の情報を前記車車間通信器に送信させることを特徴とする請求項6に記載の車車間通信制御装置。
【請求項8】
前記送信制御手段は、自車両が前記1車両道路の手前にいるとき、自車両が1車両道路に進入する旨の情報を、前記1車両道路の先の道路上の車両に搭載された前記車載器宛の情報として、前記車車間通信器に送信させることを特徴とする請求項6または7に記載の車車間通信制御装置。
【請求項9】
横幅が狭いため車両がすれ違うことができない可能性が高い道路(以下、1車両道路という)上の偽の自車位置を特定する偽自車位置特定手段、および、
自車両が前記1車両道路の手前にいるとき、前記特定手段が特定した前記偽の自車位置、および自車両の向きを示す情報を、車両情報として、無線受信した車両情報に基づいた通知をドライバーに対して行う他車両の車載器に対して情報を送信する車車間通信器に送信させる送信制御手段として、コンピュータを機能させる車車間通信制御プログラム。
【請求項10】
横幅が狭いため車両がすれ違うことができない可能性が高い道路(以下、1車両道路という)の手前に自車両がいることを判定する手段、および、
前記1車両道路の手前に自車両がいるとき、自車両が1車両道路に進入する旨の情報を、無線受信した情報に基づいた通知をドライバーに対して行う他車両の車載器に対して情報を送信する車車間通信器に送信させる手段として、コンピュータを機能させる車車間通信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−260000(P2006−260000A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74924(P2005−74924)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】