説明

車載ナビゲーション装置

【課題】過去の車両の運行状況から送迎判断を行い、送る者または迎えの対象者と車両との位置関係を明瞭にでき、車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者側から迎えの車両を探したりする無駄が排除できる。
【解決手段】送迎運転判断手段81で「迎え」目的と判断されたときには、目的地に所定の距離接近したとき、到着予測通知手段82によって迎えの対象者に対して出迎え途中の情報を通知し、到着位置連絡手段83によって車両が目的地に到着したとき、過去の「迎え」の乗車位置または「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡するから、迎えの車両が到着しているか否か、車両が到着している場合には、どこに停車しているかが、自分の携帯で確認でき、車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者側から迎えの車両を探したりする無駄が排除できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両による送迎の際に、送迎相手に対して車両の存在を明確にできる車載ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載ナビゲーション装置を使用した送迎システムとして、特許文献1に掲載の技術がある。
即ち、特許文献1に掲載の技術は、公共交通機関の便名、到着場所への到着時刻及び到着場所に対応した位置情報が関連付けられたダイヤ情報を記憶するダイヤ情報記憶手段と、上記ユーザ端末から公共交通機関の便名設定が行われた時、上記ダイヤ情報記憶手段に記憶されたダイヤ情報に基づいて設定された便名に対応する到着場所と当該到着場所への到着時刻とを自動設定する自動設定手段と、該自動設定手段により自動設定された到着場所に対応した位置情報と、自動設定された到着場所まで移動する送迎者の出発地に対応した位置情報に基づいて到着場所への到着時刻に到着するための送迎者の出発地からの出発時刻を設定する出発時刻設定手段と、該出発時刻設定手段により設定された出発時刻を上記ユーザ端末に通知する通知手段とを備えるものである。
【0003】
このように構成された特許文献1の技術は、ユーザが携帯端末から公共交通機関の便名を設定すると、到着場所、到着場所への到着時刻が自動設定され、到着場所への到着時刻に到着するための送迎者の出発地からの出発時刻がユーザの携帯端末に通知されるため、到着時刻を調べる手間を省略でき、出発時刻を決める手間を省略することができる。また、送迎者が自宅以外の場所から公共交通機関到着場所まで送迎する場合であっても、適切な出発時刻をユーザに通知することができる。ここで、便名の設定は、公共交通機関を利用して移動する移動者或いは移動者を到着場所まで迎えに行く送迎者のどちらのユーザ端末から入力すればよい。
【特許文献1】特開2004−198130
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1の技術は、通勤、通学の定常的な公共交通機関の利用においても、迎えを依頼する時刻が判明しても、その車両が何れに到着しているかは不明である。特に、車種が一致していると他人の車両を自分の送迎用の車両と見間違って、間違った方向に歩いてしまう可能性もある。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決し、過去の車両の運行状況から送迎判断を行い、送る者または迎えの対象者と車両との位置関係を明瞭にでき、車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者側から迎えの車両を探したりする無駄が排除できる車載ナビゲーション装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1にかかる車載ナビゲーション装置は、車両の発進が「迎え」目的であるか、「送り」目的であるか否かを判断する送迎運転判断手段と、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的であると判断され、前記車両が目的地に到着したとき、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡するものである。
ここで、前記車両の目的地を設定したとき、「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断する手段は、本発明における送迎運転判断手段を構成しており、条件設定によって確率的に決定してもよいし、ドライバがマニュアルで入力してもよい。
また、前記車両が目的地に到着したとき、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡する手段は、本発明における到着位置連絡手段を構成し、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置は、前回のデータであっても、特定の理想位置からでもよい。
【0007】
請求項2にかかる車載ナビゲーション装置は、前記車両が前記目的地に到着したとき、その目的地付近で停車し、前記車両のドアが開閉された地点を乗車位置及びその時刻情報として登録する乗車位置登録手段を具備している。
ここで、上記乗車位置登録手段は、前記車両が目的地に到着したとき、その目的地付近で停車し、前記車両のドアが開閉された地点を乗車とみなして乗車位置及びその時刻情報を登録するものである。
【0008】
請求項3にかかる車載ナビゲーション装置は、車両の発進が「迎え」目的であるか、「送り」目的であるか否かを判断する送迎運転判断手段で、「送り」目的であると判断され、その目的地付近で停車したとき、車両のドアが開閉された地点を降車とみなして降車位置及びその時刻情報として降車位置登録手段で登録する。
ここで、前記車両の目的地を設定したとき、「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断する手段は、本発明における送迎運転判断手段を構成しおり、条件設定によって確率的に決定してもよいし、ドライバがマニュアルで入力してもよい。
また、前記送迎運転判断手段で「送り」目的であると判断されたとき、その目的地付近で停車したとき、前記車両のドアが開閉された地点を降車とみなして降車位置及びその時刻情報を登録する手段は、本発明における降車位置登録手段を構成している。
【0009】
請求項4にかかる車載ナビゲーション装置は、車両の目的地を設定したとき、前記車両の発進が「迎え」目的であるか、「送り」目的であるか否かを判断する。「迎え」目的と判断され、前記目的地に近づいたとき、迎えの対象者に出迎え途中を通知し、また、前記車両が前記目的地に到着したとき、過去の乗車位置または過去の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡する。そして、前記車両の目的地に到着したとき、その目的地付近で停車し、前記車両のドアが開閉された地点を乗車位置及びその時刻情報として登録するものである。更に、「送り」目的であると判断されたとき、前記車両のドアが開閉された地点を降車位置及びその時刻情報として登録するものである。
ここで、前記車両の目的地を設定したとき、「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断する手段は、本発明における送迎運転判断手段を構成しており、条件設定によって確率的に決定してもよいし、ドライバがマニュアルで入力してもよい。
また、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的と判断されたとき、迎えの対象者に対して出迎え途中を通知する手段は、本発明における到着予測通知手段を構成している。そして、車両が目的地に到着したとき、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡する手段は、本発明における到着位置連絡手段を構成している。
更に、車両が目的地に到着したとき、その目的地付近で停車し、車両のドアが開閉された地点を乗車位置及びその時刻情報として登録する手段は、本発明における乗車位置登録手段を構成している。また、前記送迎運転判断手段で「送り」目的であると判断されたとき、その目的地付近で停車したとき、車両のドアが開閉された地点を降車位置及びその時刻情報として登録する手段は、本発明における降車位置登録手段を構成している。
【0010】
請求項5にかかる車載ナビゲーション装置は、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的であると判断されたとき、前記目的地に近づいた前記目的地から所定距離離れた地点で、迎えの対象者に前記車両が出迎え途中にあることの情報を通知するものである。
ここで、「迎え」目的であると判断されたとき、前記目的地に近づいた前記目的地から所定距離離れた地点で、迎えの対象者に前記車両が出迎え途中にあることの情報を通知する手段は、本発明における到着予測通知手段を構成し、前記車両が出迎え途中にあることの情報としては、メールまたは電話によって、目的地から何Kmの圏内に入ったとか、何分後に到着するとか、特定のポイントを通過したという情報を通知するものである。
【0011】
請求項6にかかる車載ナビゲーション装置の送迎運転判断手段は、車両の乗車に至るドアの開閉、例えば、ドライバ側のみ、助手席のドア、後部座席のドアの開閉によって乗員が1名か、複数かを判断し、また、設定された目的地が「送り」目的または「迎え」目的の送迎位置として登録されているか否かを判断し、また、過去に当該目的地を設定した時間帯、曜日に「送り」または「迎え」をした履歴の存在を判断し、加えて、過去に当該目的地の設定回数が複数設定されていたかを判断し、その1以上の情報によって確率的に判断を行うものである。
【0012】
請求項7にかかる車載ナビゲーション装置は、前記送迎運転判断手段で「送り」または「迎え」が判断されたとき、前記目的地付近の過去の「送り」の降車位置または「迎え」の乗車位置を、前記車両の前記目的地を修正した修正目的地としてルート案内するものである。
ここでは、修正目的地として過去のデータからピンポイントでガイドするものであり、停車位置をより正確に特定するものである。
【0013】
請求項8にかかる車載ナビゲーション装置は、エンジンを停止させることなく、パーキング状態で前記車両のドアが開閉され、別の目的地を設定したときには、その場所を「送り」の降車場所または「迎え」の乗車位置として判断し、当該目的地を降車位置及びその時刻情報として登録するものである。
ここで、エンジンを停止させることなく、パーキング状態でドアが開閉され、別の目的地を設定したときとは、自宅に戻るという動作を含めて、当初の目的が達成されたものであるから、その場所を「送り」の降車場所または「迎え」の乗車位置として特定するものである。
【0014】
請求項9にかかる車載ナビゲーション装置は、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的と判断されたとき、車両の停車時間が確保できる停車位置を前記目的地として修正するものである。
ここで、停車時間が確保できる停車位置とは、駐車場、ロータリー等の交通に影響を与えない駐車場所を意味するものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の車載ナビゲーション装置は、送迎運転判断手段で車両の目的地を設定したとき、「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断し、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的と判断され、前記目的地に近づいたとき、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡する。
したがって、送迎に使用している前記車両であれば、前記車両の発進が「送り」目的または「迎え」目的であるかを判断し、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的と判断され、前記到着位置連絡手段によって前記車両が前記目的地に到着したとき、前日等の過去の「迎え」の乗車位置または送った過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡するから、迎えの車両が到着しているか否か、前記車両が到着している場合には、どこに停車しているかが、自分の携帯端末で確認でき、迎えの対象者と前記車両との位置関係を明瞭にでき、前記車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者が迎えの車両を探したりする無駄が排除できる。
【0016】
請求項2の車載ナビゲーション装置は、前記車両が前記目的地に到着したとき、その目的地付近で停車し、前記車両のドアが開閉された地点を乗車位置及びその時刻情報として登録する乗車位置登録手段を具備するものであるから、請求項1の効果に加えて、前記車両が前記目的地に到着したとき、その目的地付近で停車して前記車両のドアが開閉された地点を乗車とみなして乗車位置及びその時刻情報を登録することによって、学習させることができ、より送迎判断の信頼性を高くすることができる。
【0017】
請求項3の車載ナビゲーション装置は、車両の発進が「迎え」目的であるか、「送り」目的であるか否かを判断する送迎運転判断手段で、「送り」目的であると判断され、その目的地付近で停車したとき、降車位置登録手段で車両のドアが開閉された地点を降車位置及びその時刻情報として登録するものである。
したがって、降車場所が特定されるから、「迎え」のときでも、その降車場所から迎えの前記車両の位置を特定し、かつ、学習させることができ、より送迎判断の信頼性を高くすることができる。
【0018】
請求項4の車載ナビゲーション装置は、送迎運転判断手段で車両の目的地を設定したとき、「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断し、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的と判断し、到着位置連絡手段によって前記車両が前記目的地に到着したとき、前回等の過去の「迎え」の乗車位置または前回等の過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡する。更に、乗車位置登録手段によって、前記車両が前記目的地に到着したとき、その目的地付近で停車して前記車両のドアが開閉された地点を乗車位置及びその時刻情報として登録する。また、前記送迎運転判断手段で「送り」であると判断されたとき、その目的地付近で停車したとき、前記車両のドアが開閉された地点を降車位置及びその時刻情報として登録する。
したがって、送迎に使用している車両であれば、前記車両の発進が「送り」目的または「迎え」目的であるかを判断し、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的と判断され、到着位置連絡手段によって前記車両が前記目的地に到着したとき、前日等の過去の「迎え」の乗車位置または送り届けた前回等の過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡するから、迎えの前記車両が到着しているか否か、前記車両が到着している場合には、どこに停車しているかが、自分の携帯端末で確認でき、迎えの対象者と前記車両との位置関係を明瞭にでき、前記車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者側から迎えの車両を探したりする無駄が排除できる。
特に、「迎え」目的と判断されたときには、前日等の過去の「迎え」の乗車位置または前回等の過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡するものであるから、到着遅れについても容易に判断できる。
また、前記車両が前記目的地に到着したとき、その目的地付近で停車してドアが開閉された地点を乗車位置及びその時刻情報として登録することによって、学習させることができ、信頼性を挙げることができる。そして、降車場所が特定され、迎えのときには、その降車場所から迎えの車両の位置を特定し、かつ、学習させることができ、より送迎判断の信頼性を高くすることができる。
【0019】
請求項5の車載ナビゲーション装置は、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的であると判断されたとき、前記目的地に近づいた前記目的地から所定距離離れた地点で、迎えの対象者に前記車両が出迎え途中にあることの情報を通知する到着予測通知手段を具備するものであるから、請求項1または請求項2、請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、前記目的地に所定の距離接近したとき、前記到着予測通知手段によって迎えの対象者に対して前記車両が出迎え途中にあることの情報を通知するものであるから、前記車両が到着する時刻が推定でき、かつ、迎えの車両が到着していないときには、到着遅れであることが分かり、また、到着位置連絡手段によって前記車両が前記目的地に到着したとき、前日等の過去の「迎え」の乗車位置または送り届けた前回等の過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡してくるから、それを待つことにより、自分の携帯端末で確認でき、迎えの対象者と前記車両との位置関係を明瞭にでき、前記車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者側から迎えの車両を探したりする無駄が排除できる。
【0020】
請求項6の車載ナビゲーション装置の「迎え」目的であるか、「送り」目的であるか否かを判断する送迎運転判断手段は、前記車両の目的地を設定したとき、前記車両に乗車するドアの開閉、当該目的地が送迎位置としての登録の有無、当該目的地を設定した時間帯、当該設定した曜日、過去に当該目的地の設定回数の頻度のうちの1以上の情報によって判断するものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、信頼性の高い確率で「送り」または「迎え」を特定でき、自動判断が可能となる。
【0021】
請求項7にかかる車載ナビゲーション装置は、前記送迎運転判断手段で「送り」目的または「迎え」目的が判断されたとき、前記目的地付近の過去の「送り」の降車位置または「迎え」の乗車位置を、前記車両の前記目的地を修正した修正目的地とするものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、一般のナビゲーション装置は、目的地に近づくと、目的地付近ですというメッセージによってルート案内を終了するが、それをピンポイントで修正目的地としてガイドするものであり、停車位置をより正確にすることができる。
【0022】
請求項8の車載ナビゲーション装置は、前記車両が目的地付近到着後、エンジンを停止させることなく、パーキング状態で前記車両のドアが開閉され、別の目的地を設定したときには、その場所を「送り」の降車場所または「迎え」の乗車位置として判断し、当該目的地を降車位置及びその時刻情報として登録するものであるから、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、通常の走行によって「送り」の降車場所または「迎え」の乗車位置を特定することができる。
【0023】
請求項9の車載ナビゲーション装置は、前記送迎運転判断手段で「迎え」目的と判断されたとき、前記車両の目的地を停車時間が確保できる停車位置を前記目的地として修正するものであるから、請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の効果に加えて、「迎え」のとき、渋滞で目的地に到着できない場合、待ち時間が長い場合があっても、前記車両の目的地を停車時間が確保できるロータリー、駐車場等を目的地とするとにより、交通状況に合致した停車・駐車位置を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図中、同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
図1は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の全体構成図である。また、図2は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置のメインプログラムのフローチャートで、図3は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の残余のメインプログラムのフローチャートである。また、図4は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の到着予測通知手段の説明図、図5は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の到着位置通知手段の説明図、図6は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の停車位置選択手段の説明図、図7は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の地下駐車場を選択した場合の対応の説明図である。
【0025】
図1において、本実施の形態の車載ナビゲーション装置は、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うマイクロプロセッサからなる演算・制御部1と、ドライバ等の操作者からの操作を受け付ける各種キー入力、音声入力、タッチスイッチ等の操作部2と、操作者に対して操作情報、地図等の情報を表示する液晶からなるディスプレイ3と、ルート案内、交通規制情報、渋滞情報の案内に関する音声ガイダンスを行うスピーカ4を有している。また、本実施の形態においては、運転席側のドアスイッチ91と、助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92も入力されている。なお、操作部2としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置等を使用することもできる。更に、ディスプレイ3の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
なお、この演算・制御部1は、車両の盗難防止用の回路と同様に、イグニッションスイッチを切っても動作する回路である。
【0026】
マイクロプロセッサからなる演算・制御部1は、全体の演算及び制御を行うCPU11、及びCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されると共に、ルート探索や、ルートが探索されたときのルートデータ、交通規制情報、渋滞情報等が記憶されるRAM12、制御用プログラムの他、バイパス道路情報、合流地点毎の所要時間の算出を行うプログラム等が記憶されたROM13、ROM13から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ14等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ15等を備えている。なお、このタイマ15は本実施の形態の乗車位置の時刻情報を登録する際、降車位置の時刻情報を登録する際にも使用される。
【0027】
ROM13には、各種のプログラムが記憶され、RAM12に各種のデータが記憶されるようになっており、また、プログラム、データ等を外部記憶装置、メモリカード等からプログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリ14に書き込まれる。更に、メモリカード等を交換または外部から所定のプログラム、データ等をインストールすることによってプログラム、データ等を更新することができる。
演算・制御部1には、操作部2、ディスプレイ3、スピーカ4、通信部5等の各周辺装置が電気的に接続されている。操作部2は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種キー等の複数の操作スイッチから構成される。演算・制御部1は、操作部2の各スイッチの操作により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0028】
ディスプレイ3は、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までのルート案内、ルート案内に沿った案内情報、後述のルート変更案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時間、メール、テレビ番組等が表示される。
なお、ディスプレイ3として液晶ディスプレイの代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、EL等を使用し、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することもできる。そして、ディスプレイ3は操作部2としてのタッチスイッチを兼ねてもよい。スピーカ4は、演算・制御部1からの指示に基づいて、本線道路、バイパス道路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、ルート案内のルート変更を案内する音声案内を出力する。なお、スピーカ4より出力される音声としては、合成された音声の他に、各種効果音、予めメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0029】
また、日本道路交通情報センター(JARTIC(登録商標):Japan Road Traffic Information Center(以下、単に「JARTIC」という))からのAM放送(周波数1620KHz)、及び/または、道路交通情報通信システムセンター(VICS(登録商標):Vehicle Information and Communication System(以下、単に「VICS」という))52等の情報センターとの間でネットワーク51を介して通信を行う通信部5を有している。ネットワーク51を介してVICS52から警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や、交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信可能となっている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報としては、道路渋滞情報の場合、後述のVICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時間等であり、交通規制情報の場合、VICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0030】
また、ネットワーク51としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステムのETC(Electronic Toll Collection System)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0031】
そして、通信部5は、例えば、VICS52等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報からなる道路交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信部5は、ネットワーク51として通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器である。更に、通信部5はVICS52からの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報からなるFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。更にまた、本実施の形態では、携帯電話及び車載用電話等のネットワーク51に接続される車載端末53を有しており、携帯電話等の携帯端末54と携帯ネットワークを介して接続可能になっている。
【0032】
本実施の形態の車載ナビゲーション装置は、現在の自車の位置、方位、目標位置(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となるように各種センサからなる自車の現在地を検出する現在地検知部6と、同じく、各種のデータが記録され、書込み、読出しが可能な記憶容量が大きいハードディスクからなる地図情報処理部7、送迎情報を処理する送迎情報処理部8を具備している。
【0033】
本実施の形態の車載ナビゲーション装置を構成する特徴的な構成要素について図1に基づいて、更に、具体的に説明する。
自車の現在地を検出する現在地検知部6は、GPSセンサ61、地磁気センサ62、距離センサ63、ステアリングセンサ64、方位検知部としてのジャイロセンサ65、高度計66、更に、自車の走行速度及び走行距離を検出する車速センサ67等からなる。なお、この距離センサ63と車速センサ67は単一のものとすることもできる。
特に、本実施の形態においては、GPSセンサ61のみを使用し、現在地検知部6とすることもできる。GPSセンサ61は、人工衛星から発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時間を検出する。地磁気センサ62は、地磁気を測定することによって自車方位を検出する。距離センサ63は、道路上の所定位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ63としては、例えば、自車の車輪の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するが、車速センサ67の出力を積分して距離を検出してもよい。
【0034】
また、ステアリングセンサ64は自車の操舵角を検出するものである。ここで、ステアリングセンサ64としては、例えば、ステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、ジャイロセンサ65は自車の旋回角を検出するものである。ここで、ジャイロセンサ65としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ65によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0035】
地図情報処理部7としては、本実施の形態ではハードディスクを使用した場合で説明する。このハードディスクに記憶された交通情報DB(データベース、以下、単に『DB』という)71、地図情報DB74、及び所定のプログラム等を読み出す機能を備えている。なお、本実施の形態においては、地図情報処理部7としてハードディスクを使用されているが、ハードディスクの他にメモリカード、DVD、光ディスク等を外部記憶装置の一部として使用することもできる。
【0036】
交通情報DB71には、VICS52から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時間等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報から作成した渋滞情報72が格納されている。また、この交通情報DB71には、VICS52から受信した交通規制のある道路工事、建築工事等による交通規制情報等に関する道路交通情報から作成した交通規制情報73が格納されている。なお、交通情報DB71には、本発明の実施の形態の放送局からの放送情報を用いるものではなく、VICSリンクIDによって得られる情報である。JARTIC、全国各地のNHK、民放の何れを受信するかを単数または複数に決定し、或いはその受信時間も設定することができる。特に、JARTICのデータは放送時間を特定する必要がないが、NHK、民放の何れも、交通情報の放送時間を特定するのが望ましい。
【0037】
VICS52から受信した各道路交通情報には、種別情報、位置、渋滞区間の距離、渋滞度等の情報と共に、VICSリンクIDが含まれる。VICSリンクIDは、道路を所定の交差点毎に分割して規格化された走行案内用リンクとしてのVICSリンクに付与された識別番号である。なお、前記道路交通情報には、各VICSリンクにおける始点及び終点の座標、始点から終点までの距離等の情報も含まれている。
【0038】
ここで、地図情報DB74に記憶される道路とVICSリンクとは同一情報を扱うものではない。即ち、一般的には、道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。そこで、交通情報DB71には、各道路に識別番号として付与されるリンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を有し、VICSリンクIDに基づいて、対応するリンクIDを特定することができるようになっている。そのため、ナビゲーション機能では、VICS52からVICSリンクIDを受信すると、該VICSリンクIDに基づいて渋滞情報等の道路交通情報を表示すべき道路の区間を特定することができる。そして、VICS52から受信した現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて渋滞情報72として格納される。また、VICS52から受信した交通規制情報等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて交通規制情報73として格納される。
【0039】
また、地図情報DB74には、一般のナビゲーション機能による走行案内やルート探索に使用されるナビ地図情報75が格納されている。ここで、ナビ地図情報75には、ルート案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、分岐地点に関する分岐地点のデータ、施設の一種である道路に関するリンクデータ、ルートを探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。そして、地図情報DB74の内容は、地図情報配信センターから通信部5を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0040】
そして、ルート探索データとしては、設定された目的地までのルートを探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、分岐地点を通過する際のコストや道路を構成するリンクのコストからなる探索コストを算出し、使用するコストデータ、ルート探索により選択された誘導ルートをディスプレイ3の地図上に表示するためのルート表示データ等から構成されている。
店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDと共に記録される。なお、前記地図情報DB74には、所定の情報をナビゲーション装置のスピーカ4によって出力するための音声出力データも記録される。
【0041】
本実施の形態の送迎情報を処理する送迎情報処理部8は、送迎運転判断手段81、到着予測通知手段82、到着位置連絡手段83、乗車位置登録手段84、降車位置登録手段85、停車位置選択手段86からなっている。
送迎運転判断手段81は、車両の目的地をナビゲーション機能に設定したとき、一般に、車両の乗車に至るドアの開閉、例えば、運転席側のドアスイッチ91のみが動作したときは、ドライバのみが乗り込んだと判断し、「迎え」目的の動作とみなされる。また、運転席側のドアスイッチ91に加えて、助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92の動作があれば、他に乗員がいると判断され、「送り」目的の動作とみなされる。勿論、父親を迎えに出る場合、子供を同乗させたという場合もあり得るから、車両の乗車に至るドアの開閉は、送迎を判断する一つの要件である。
勿論、ドライバのスイッチ操作によって「送り」目的または「迎え」目的をスイッチの入力とすることができるし、スイッチの入力がないとき、自動で判断させる処理とすることもできる。
【0042】
また、車両のナビゲーション機能の目的地に設定した目的地が、送迎位置として登録されているか否かを判断し、「迎え」の乗車位置または「送り」の降車位置と判断されている場合には、それによって送迎目的の判断ができる。しかし、例えば、「・・・駅」のような場合は、「迎え」の乗車位置及び「送り」の降車位置の何れにも該当する可能性があるので、目的地が「迎え」の乗車位置及び「送り」の降車位置としての登録の有無は、送迎を判断する一つの要件である。
そして、車両のナビゲーション機能の目的地に設定した1時間程度の幅で設定した時間帯は、通常の通勤、通学は同じパターンの繰り返しであるから、それによっても、送迎目的の判断を行うことができる。勿論、その時間帯外の使用の可能性もあるので、目的地を設定した時間帯は、送迎を判断する一つの要件である。
【0043】
更に、車両のナビゲーション機能の目的地に設定した曜日、特に金曜日、土曜日、日曜日は、通常の通勤、通学とは異なるパターンであるから、それによっても、送迎目的の判断を行うことができる。勿論、その曜日以外の使用の可能性もあるので、目的地を設定した曜日は、送迎目的を判断する一つの要件である。この曜日の判断は、タイマ15から年、月、日、時、分の情報から算出してもよいし、本実施の形態の乗車位置の時刻情報を登録する際、降車位置の時刻情報を登録する際に予め曜日を記憶させてもよい。
また、過去に車両のナビゲーション機能の目的地に設定した当該目的地の設定回数頻度が多い場合の確率により、「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断することもできる。この過去に当該目的地の設定回数がどれだけであるかは、「迎え」目的または「送り」目的を判断する一つの要件である。
【0044】
したがって、それら車両の目的地を設定したとき、車両の乗車に至るドアの開閉、当該目的地が「迎え」の乗車位置または「送り」の降車位置としての登録の有無、当該目的地を設定した時間帯、車両の目的地を設定した曜日、過去に当該目的地の設定回数の多さのうち、1以上の情報によって「送り目的」または「迎え」目的であるか否かを判断する送迎運転判断手段81が構成されている。勿論、1以上の情報によって「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断することができるが、2以上を使用するともっと信頼性の高い判断結果を得ることができる。
【0045】
また、本実施の形態の送迎情報処理部8は、送迎運転判断手段81で「迎え」目的と判断され、ナビゲーション機能の目的地に近づいたとき、その目的地から所定距離離れた地点で、迎えの対象者に対して到着時刻、特定距離を通過した等の出迎え途中の車両の情報を通知する到着予測通知手段82を有している。
到着予測通知手段82は、目的地に向かっている車両の到着時刻、特定距離を通過した等の出迎え途中を送信する機能である。目的地に向かっている車両が目的地中心に3Kmの範囲に入ったとき、メールでまたはボイスで迎えの対象者の携帯端末54に対し、迎えの車両が目的地の3Kmの圏内に入ったことを連絡する。または、それを車両の学習によって、到着予測時間として連絡することもできる。本実施の形態の到着予測通知手段82は、「迎えの車両は3Km手前を走行中」というように、ユーザ側が何Km手前と数値を設定すれば、それがメール送信されるようになっている。本実施の形態では、目的地中心に3Kmの範囲に入ったことを通報するものであるが、本発明を実施する場合には、特定のポイントを通過したことを報知させてもよい。しかし、目的地が多数ある場合、その汎用性からすれば、目的地中心に3Kmの圏内に入ったことを通報するのが望ましい。また、到着予測時間を報知する場合には、過去のデータから、「迎えの車両は約5分で到着します」というように、特定の距離から到着する時間を過去の曜日及び時間帯のデータから学習して、報知することもできる。
なお、この到着予測通知手段82の機能は、車両と目的地の距離の関係等で使用しないで設定することもできる。
【0046】
そして、本実施の形態の送迎情報処理部8は、到着位置連絡手段83を有している。到着位置連絡手段83は、車両が目的地に到着したとき、過去、例えば、前回の「迎え」の乗車位置、或いは最も使用頻度の高い「迎え」の乗車位置、または過去、例えば、前回の「送り」の降車位置、或いは最も使用頻度の高い前回の「送り」の降車位置よりもどれだけその停車位置がずれているかを連絡するもので、例えば、昨日の「迎え」の乗車位置を基準とすることもできるし、今日の「送り」のときの降車位置を基準とすることもできる。これは、ユーザが基準を前回等の過去の「迎え」の乗車位置または前回等の過去の「送り」の降車位置にするかは、任意に設定することができる。
【0047】
更に、本実施の形態の送迎情報処理部8は、乗車位置登録手段84及び降車位置登録手段85を有している。乗車位置登録手段84は、車両がナビゲーション機能の目的地に到着したとき、その目的地付近で停車し、助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92の動作があれば、そのドアが開閉された地点を乗車として乗車位置及びその時刻情報(年、月、日、時、分、曜日)をメモリに登録するものである。
また、降車位置登録手段85は、送迎運転判断手段81で「送り」であると判断されたとき、ナビゲーション機能の目的地付近で停車したとき、助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92の動作があれば、そのドアが開閉された地点を降車として降車位置及びその時刻情報(年、月、日、時、分、曜日)をメモリに登録するものである。
また、停車位置選択手段86は、送迎運転判断手段81で「迎え」と判断されたとき、ルート案内する車両の目的地を停車時間が十分確保できる停車位置とできないとき、前記目的地を駐車可能の場所等に修正するものである。また、「迎え」のとき、渋滞で目的地に到着できない場合、迎えの対象者が遅れる場合等、待ち時間が長い場合に、ルート案内する前記車両の目的地を停車時間が十分確保できるロータリー、駐車場等を目的地と変更し、交通状況に合致した停車・駐車位置を確保するものである。
【0048】
このように構成された車載ナビゲーション装置は、ROM13に格納されたプログラムによって、次のように実行される。
まず、図2に示す演算・制御部1は盗難監視プログラムを実行しているマイクロコンピュータと同一のもので処理しており、イグニッションスイッチが切られているときも動作しており、イグニッションスイッチが入ったときのみ、ナビゲーション機能が動作するものである。その間は、運転席側のドアスイッチ91と助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92が動作した時間が記憶される。
【0049】
ステップS1で、運転席側のドアスイッチ91及び/または助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92の動作を確認する。運転席側のドアスイッチ91及び/または助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92が動作したとき、ステップS2でその動作状態を記憶し、車両のドアの開閉が生じてから所定時間、ステップS3では5分以内にエンジンを始動させたときのみステップS4の処理に入る。
ステップS1でドアの開閉が確認できないとき、ステップS3で5分以内にエンジンを始動させないとき、このルーチンの処理を脱する。即ち、積荷に時間がかかる等の場合は、送迎から除外している。勿論、この5分を10分として変更することは可能である。
【0050】
ステップS3で5分以内にエンジンを始動させたとき、ステップS4でナビゲーション機能に目的地が設定されるのを待ち、目的地が入力されたとき、ステップS5で送迎の判断を行う。ステップS5の送迎判断では、次の事項の確率から「送り」目的または「迎え」目的を特定する。
【0051】
(1)運転席側のドアスイッチ91のみが動作したときは、「迎え」目的とする。
(2)助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッ チ92の動作があれば、「送り」目的とする。
(3)設定した目的地が、「迎え」の乗車位置または「送り」の降車位置と特定されてい る場合には、それによって「迎え」目的または「送り」目的とする。
(4)目的地を設定した時間帯によって、「迎え」目的または「送り」目的とする。
(5)目的地を設定した曜日によって、「迎え」目的または「送り」目的とする。
(6)過去に設定した当該目的地の設定回数の頻度により、「送り」目的または「迎え」 目的とする。
の要件の1以上または信頼性を上げる場合には2以上の要件によって、「送り」目的または「迎え」目的の送迎判断を行う。勿論、ドライバの「送り」のスイッチまたは「迎え」のスイッチのスイッチ操作によって「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断してもよいし、両者を併用してもよい。
【0052】
「送り」目的と判断された場合、ステップS6で目的地を過去のデータに基づく「送り」の降車位置として発生確率の高い場所を修正目的地として訂正する。即ち、ナビゲーション機能の目的地を実際に使用している「送り」の降車位置に訂正し、ステップS7でルート案内を開始させる。なお、ステップS6(後述するステップS11)で目的地を過去のデータの学習に基づいて「送り」の降車位置として発生確率の高い場所を修正目的地として訂正しているが、本発明を実施する場合には、必ずしも修正目的地で置換しなくとも、最初に設定された目的地を使用しても良い。しかし、修正目的地として設定すれば正確な位置関係が明確になる。なお、本実施の形態では、修正目的地を用いた場合の事例で説明する。
ステップS8で修正目的地に到着したか判断し、修正目的地に到着したと判断されるまで、ステップS8の処理を継続する。ステップS8で修正目的地に到着したと判断したとき、ステップS9で助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92が動作したことを判断し、ステップS10で「送り」の降車位置及び降車した年、月、日、時、分、曜日等の時刻情報をメモリに書き込み、そのデータを学習材料とする。
【0053】
また、ステップS5で送迎判断し、「迎え」と判断されたとき、ステップS11で目的地を過去のデータに基づく「迎え」の乗車位置として発生確率の高い場所を修正目的地として訂正する。即ち、ナビゲーション機能の目的地を実際に使用している「迎え」の乗車位置に訂正し、ステップS12でルート案内を開始させる。ステップS13で修正目的地の手前3Kmを通過し、修正目的地を中心に半径3Kmの範囲内に入ると、ステップS14で「迎えの車両は3Km手前を走行中」、または「迎えの車両は約5分で到着します」という出迎え途中のメッセージを迎えの対象者の携帯端末54に車載端末53から携帯ネットワークを介してメール送信する。図4はその説明図で、出迎え途中の情報を携帯端末54に送信し、車両が迎えに向かっていることを説明している。
なお、過去のデータに基づく「迎え」の乗車位置の発生が乱れている場合には、直前のデータの使用として前回の「迎え」の乗車位置、前回の「送り」の降車位置とすることができる。
【0054】
ステップS15で修正目的地に到着したか判断し、修正目的地に到着したと判断されるまで継続する。即ち、修正目的地に到着するのが渋滞、事故、工事等で困難な場合は、再度、目的地修正のキー操作を行うことになる。
ステップS15で修正目的地に到着したと判断したとき、ステップS16で車両の停止を判断し、ステップS17で迎えの対象者に停車位置が過去の乗車位置よりもどれだけ離れているかをメール送信する。例えば、「前回の乗車位置よりも200m北東」、「地下鉄5番出口対向車線」と場所を指定する。このとき、「前回の乗車位置よりも300m北」の判断は、ナビゲーション機能で算出できるが、「地下鉄5番出口対向車線」は、予め停車する位置を登録することによって実行される。図5はその説明図で、出迎えの車両が「前回の降車位置よりも200m北東」に到着していることを迎えの対象者の携帯端末54に送信している。
そして、ステップS18で助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92が動作したことを判断し、ステップS19で「迎え」の乗車位置及び乗車した年、月、日、時、分、曜日等の時刻情報をメモリに書き込み、そのデータを学習材料とする。
【0055】
また、ステップS20で修正目的地に到着するのが渋滞、事故、工事等で困難な場合で、目的地修正のキー操作が確認されると、ステップS21で停車位置候補として、駅のロータリー、駐車場、大手スーパーの駐車場等を停車位置候補として表示し、ステップS22でそのうちの1つを選択すると、ステップS23で迎えの対象者に停車可能位置として提案する。ステップS24で再修正がない場合には、ステップS25で停車可能位置に到着したことが確認されると、ステップS26で迎えの対象者に停車位置を報知する。このステップS20乃至ステップS24は本実施の形態の停車位置選択手段86を構成している。そして、ステップS27で助手席側のドアスイッチ及び後部座席側ドアスイッチからなるその他のドアスイッチ92が動作したことを判断し、ステップS28で「迎え」の乗車位置及び乗車した年、月、日、時、分、曜日等の時刻情報をメモリに書き込み、そのデータを学習材料とする。
【0056】
図6は停車位置選択手段86の具体的内容を示すもので、車両側のディスプレイ3と携帯端末54との交信状況を示している。この事例では、ロータリーAを7回使用し、コンビニBに買い物と同時に5回の駐車を行っており、また地下駐車場に3回駐車しているというデータを交信している。
なお、ステップS24で道路状況から、再修正の必要性を判断したとき、迎えの対象者から提案があったとき、ステップS21乃至ステップS24のルーチンを繰り返し実行する。
ここでは、停車位置選択手段86で、地下駐車場が選択されたとする。地下駐車場からは、携帯端末54が使用できなくなる。この場合には、図7(a)のように車両が地下駐車場に向かい、その後、図7(b)のように地下駐車場の入口で一旦停止し、目的地を「自宅に戻る」等の目的地変更を行う。そして、地下駐車場の入口に対応付けた「駅の5番出口に近い地下駐車場に停車」とのメッセージを送信する。したがって、図7(c)のように迎えの対象者は何ら不安感を持つことなく、地下駐車場の迎えの車両を見つけることができる。
【0057】
以上のように、上記実施の形態の車載ナビゲーション装置は、車両の出発地から目的地の間のルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内する車載ナビゲーション装置において、車両の発進が「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断するステップS5からなる送迎運転判断手段81と、送迎運転判断手段81で「迎え」目的と判断され、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡するステップS15乃至ステップS17からなる到着位置連絡手段83を発明の構成とすることができる。
即ち、送迎運転判断手段81で車両の目的地を設定し、到着位置連絡手段83によって車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、ステップS15乃至ステップS17によって前回の「迎え」の乗車位置または前回の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に送信する。更に、乗車位置登録手段84によって、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、その目的地(修正目的地)付近で停車して車両のドアが開閉された地点を乗車として乗車位置及びその時刻情報を登録する。
【0058】
したがって、送迎に使用している車両であれば、到着位置連絡手段83によって車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、前日等の前回の「迎え」の乗車位置または送り届けた前回の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡するから、迎えの車両が到着しているか否か、車両が到着している場合には、どこに停車しているかが、自分の携帯で確認でき、迎えの対象者と車両との位置関係を明瞭にでき、車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者側から迎えの車両を探したりする無駄が排除できる。
ここで、到着位置連絡手段83によって車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、前日、前回等の過去の「迎え」の乗車位置または送り届けた同日等の前回、前日、前回等の過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対しての連絡は、基準を過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置とするかは、道路状況、交通状況、ドライバの習性等によって任意に設定できる。通常、駅であれば、乗降口に最も近づいた位置を基準位置とし、それを使用すると突然の来客に対しても分かり易くなる。
【0059】
また、上記実施の形態の車載ナビゲーション装置は、車両の出発地から目的地の間のルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内する車載ナビゲーション装置において、車両の発進が「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断するステップS5からなる送迎運転判断手段81と、送迎運転判断手段81で「迎え」目的と判断されたとき、目的地(修正目的地)に近づいた目的地(修正目的地)から所定距離離れた地点で、迎えの対象者に出迎え途中を通知するステップS13及びステップS14からなる到着予測通知手段82と、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡するステップS15乃至ステップS17からなる到着位置連絡手段83と、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、その目的地(修正目的地)付近で停車し、車両のドアが開閉された地点を乗車として乗車位置及びその時刻情報を登録するステップS18及びステップS19からなる乗車位置登録手段84を発明の構成とすることができる。
【0060】
送迎運転判断手段81で車両の目的地を設定したとき、ステップS5で車両の乗車に至るドアの開閉、当該目的地が送迎位置としての登録の有無、当該目的地を設定した時間帯、当該設定した曜日、過去に当該目的地の設定回数の頻度のうちの1以上の情報によって「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断し、または図示していないが、ドライバの「送り」のスイッチまたは「迎え」のスイッチのスイッチ操作によって「送り」または「迎え」であるか否かを判断する。そして、送迎運転判断手段81で「迎え」目的と判断されたとき、目的地(修正目的地)に近づいたとき、ステップS13及びステップS14によって到着予測通知手段82によって迎えの対象者に対して到着時刻等の出迎え途中にあることの情報をメール等で通知し、また、到着位置連絡手段83によって車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、ステップS15乃至ステップS17によって前回の「迎え」の乗車位置または前回の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に送信する。更に、乗車位置登録手段84によって、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、その目的地(修正目的地)付近で停車して車両のドアが開閉された地点を乗車として乗車位置及びその時刻情報を登録する。
【0061】
したがって、送迎に使用している車両であれば、車両の乗車に至るドアの開閉、当該目的地が送迎位置としての登録の有無、当該目的地を設定した時間帯、当該設定した曜日、過去に当該目的地の設定回数が複数のうちの1以上の情報、またはドライバのスイッチ操作によって「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断し、送迎運転判断手段81で「迎え」目的と判断されたときには、目的地(修正目的地)に所定の距離接近したとき、到着予測通知手段82によって迎えの対象者に対して到着時刻、目的地から離れている通過距離等の出迎え途中を通知し、更に、到着位置連絡手段83によって車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、前日等の前回の「迎え」の乗車位置または送り届けた前回の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡するから、迎えの車両が到着しているか否か、車両が到着している場合には、どこに停車しているかが、自分の携帯で確認でき、迎えの対象者と車両との位置関係を明瞭にでき、車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者側から迎えの車両を探したりする無駄が排除できる。
【0062】
特に、「迎え」目的と判断されたときには、目的地(修正目的地)に所定の距離接近したとき、迎えの対象者に対して到着時刻、目的地から離れている通過距離等の出迎え途中を通知しているから、迎えの車両が来ていないときには、その到着遅れであることが分かり、また、車両が目的の到着位置にあるとき、前回の「迎え」の乗車位置または前回の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡するものであるから、車両の位置が容易に判断できる。
また、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、その目的地(修正目的地)付近で停車してドアが開閉された地点を乗車として乗車位置及びその時刻情報を登録することによって、学習させることができる。
よって、過去の車両の運行状況から送迎判断を行い、送る者または迎えの対象者と車両との位置関係を明瞭にでき、車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者側から迎えの車両を探したりする無駄が排除できる。
【0063】
そして、上実施の形態の車載ナビゲーション装置は、車両の出発地から目的地の間のルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内する車載ナビゲーション装置において、車両の発進が「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断するステップS5からなる送迎運転判断手段81と、送迎運転判断手段81で「送り」目的であると判断されたとき、その目的地(修正目的地)付近で停車したとき、ドアが開閉された地点を降車位置及びその時刻情報として登録するステップS9及びステップS10からなる降車位置登録手段85とを具備する発明の構成とすることもできる。
この構成によって、送迎運転判断手段81で車両の目的地を設定したとき、車両の乗車に至るドアの開閉、当該目的地が送迎位置としての登録の有無、当該目的地を設定した時間帯、当該設定した曜日、過去に当該目的地の設定回数が複数のうちの1以上の情報によって「送り」または「迎え」であるか否かを判断し、送迎運転判断手段81で「送り」であると判断されたとき、その目的地(修正目的地)付近で停車したとき、ドアが開閉された地点を降車として降車位置及びその時刻情報を登録する。
したがって、降車場所が特定され、迎えのときには、その降車場所から迎えの車両の位置を特定し、かつ、学習させることができる。
【0064】
上実施の形態の車載ナビゲーション装置は、車両の出発地から目的地の間のルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内する車載ナビゲーション装置において、車両の発進が「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断するステップS5からなる送迎運転判断手段81と、送迎運転判断手段81で「迎え」目的であると判断されたとき、目的地(修正目的地)に近づいた目的地(修正目的地)から所定距離離れた地点で、迎えの対象者に出迎え途中にあることの情報を通知するステップS13及びステップS14からなる到着予測通知手段82と、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡するステップS15乃至ステップS17からなる到着位置連絡手段83と、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、その目的地付近で停車し、車両のドアが開閉された地点を乗車位置及びその時刻情報として登録するステップS18及びステップS19からなる乗車位置登録手段84と、送迎運転判断手段81で「送り」であると判断されたとき、その目的地(修正目的地)付近で停車したとき、ドアが開閉された地点を降車位置及びその時刻情報として登録するステップS9及びステップS10からなる降車位置登録手段85とを具備する構成とすることができる。
【0065】
この構成によって、送迎運転判断手段81で車両の目的地を設定したとき、車両の乗車に至るドアの開閉、当該目的地が送迎位置としての登録の有無、当該目的地を設定した時間帯、当該設定した曜日、過去に当該目的地の設定回数が複数のうちの1以上の情報によって「送り」目的または「迎え」目的であるか否かを判断し、送迎運転判断手段81で「迎え」と判断されたとき、目的地(修正目的地)に近づいたとき、到着予測通知手段82によって迎えの対象者に対して到着時刻または特定の位置を通過したこと等の出迎え途中にあることの情報をメール等で通知し、そして、到着位置連絡手段83によって車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、前回等の過去の「迎え」の乗車位置または前回等の過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡する。更に、乗車位置登録手段84によって、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、その目的地(修正目的地)付近で停車してドアが開閉された地点を乗車として乗車位置及びその時刻情報を登録する。また、送迎運転判断手段81で「送り」であると判断されたとき、その目的地(修正目的地)付近で停車したとき、ドアが開閉された地点を降車として降車位置及びその時刻情報を登録する。
【0066】
したがって、送迎に使用している車両であれば、車両の乗車に至るドアの開閉、当該目的地が送迎位置としての登録の有無、当該目的地を設定した時間帯、当該設定した曜日、過去に当該目的地の設定回数の頻度の1以上の情報によって、車両の発進が「送り」目的または「迎え」目的であるかを判断し、送迎運転判断手段81で「迎え」目的と判断されたときには、前記目的地に所定の距離接近したとき、到着予測通知手段82によって迎えの対象者に対して到着時刻を通知し、更に、到着位置連絡手段83によって車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、前日等の前回の「迎え」の乗車位置または送り届けた同日等の前回の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡するから、迎えの車両が到着しているか否か、車両が到着している場合には、どこに停車しているかが、自分の携帯で確認できるから、迎える者と車両との位置関係を明瞭にでき、車両側で迎えの対象者を探したり、迎えの対象者側から迎えの車両を探したりする無駄が排除できる。
【0067】
特に、「迎え」目的と判断されたときには、目的地(修正目的地)に所定の距離接近したとき、迎えの対象者に対して到着時刻を通知しているから、車両が存在していないときには、その到着遅れであることが分かり、また、車両が目的の到着位置にあるとき、前回等の過去の「迎え」の乗車位置または前回等の過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを迎えの対象者に対して連絡するものであるから、到着遅れについても容易に判断できる。
また、車両が目的地(修正目的地)に到着したとき、その目的地(修正目的地)付近で停車してドアが開閉された地点を乗車として乗車位置及びその時刻情報を登録することによって、学習させることができる。そして、降車場所が特定され、迎えのときには、その降車場所から迎えの車両の位置を特定し、かつ、学習させることができる。
【0068】
殊に、図2及び図3を用いて、上記実施の形態として説明した車載ナビゲーション装置は、ステップS5からなる送迎運転判断手段81で「送り」目的または「迎え」目的が判断されたとき、目的地(修正目的地)付近の過去の「送り」の降車位置または「迎え」の乗車位置を、車両の目的地を修正した修正目的地としてルート案内するものであるから、一般のナビゲーション装置では目的地に近づくと、「目的地付近です」というメッセージによってルート案内を終了するが、それをピンポイントで修正目的地としてガイドするものであり、停車位置をより正確にすることができる。
【0069】
また、本発明を実施する場合の車載ナビゲーション装置は、車両が目的地(修正目的地)付近到着後、エンジンを停止させることなく、パーキング状態でドアが開閉され、別の目的地を設定したとき、その場所を「送り」の降車場所として、当該目的地を降車位置及びその時刻情報を登録するものであるから、通常の走行によって「送り」の降車場所を特定することができる。
【0070】
そして、本発明を実施する場合の車載ナビゲーション装置は、ステップS5からなる送迎運転判断手段81で「迎え」目的と判断されたとき、ステップS20乃至ステップS24でルート案内する車両の目的地を停車時間が十分確保できる停車位置を目的地として修正するものであるから、「迎え」目的のとき、待ち時間が長い場合がある。このようなときには、ルート案内する車両の目的地を停車時間が十分確保できるロータリー、駐車場等を目的地とし、交通状況に合致した停車位置を確保できる。
【0071】
上記実施の形態の車載ナビゲーション装置は、送迎の対象者を特定していないが、送迎対象者が複数ある場合には、送迎対象者をマニュアルで区別することにより、送迎対象者にあった対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の全体構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置のメインプログラムのフローチャートである。
【図3】図3は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の残余のメインプログラムのフローチャートである。
【図4】図4は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の到着予測通知手段の説明図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の到着位置通知手段の説明図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の停車位置選択手段の説明図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態にかかる車載ナビゲーション装置の地下駐車場を選択した場合の対応の説明図である。
【符号の説明】
【0073】
1 演算・制御部
3 ディスプレイ
8 送迎情報処理部
53 車載端末
54 携帯端末
81 送迎運転判断手段
82 到着予測通知手段
83 到着位置連絡手段
84 乗車位置登録手段
85 降車位置登録手段
86 停車位置選択手段
91 運転席側のドアスイッチ
92 その他のドアスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載ナビゲーション装置において、
前記車両の発進が「迎え」目的であるか、「送り」目的であるか否かを判断する送迎運転判断手段と、
前記送迎運転判断手段で「迎え」目的であると判断され、前記車両が目的地に到着したとき、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡する到着位置連絡手段と
を具備することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記車両が前記目的地に到着したとき、その目的地付近で停車し、前記車両のドアが開閉された地点を乗車位置及びその時刻情報として登録する乗車位置登録手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
車載ナビゲーション装置において、
前記車両の発進が「迎え」目的であるか、「送り」目的であるか否かを判断する送迎運転判断手段と、
前記送迎運転判断手段で「送り」目的であると判断され、その目的地付近で停車したとき、車両のドアが開閉された地点を降車位置及びその時刻情報として登録する降車位置登録手段と
を具備することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項4】
車両の出発地から目的地の間のルートを探索すると共に、該探索されたルートに従ってルート案内する車載ナビゲーション装置において、
前記車両の発進が「迎え」目的であるか、「送り」目的であるか否かを判断する送迎運転判断手段と、
前記送迎運転判断手段で「迎え」目的であると判断され、前記車両が前記目的地に到着したとき、過去の「迎え」の乗車位置または過去の「送り」の降車位置よりもどれだけ位置がずれているかを連絡する到着位置連絡手段と、
前記車両が前記目的地に到着したとき、その目的地付近で停車し、前記車両のドアが開閉された地点を乗車位置及びその時刻情報として登録する乗車位置登録手段と、
前記送迎運転判断手段で「送り」目的であると判断されたとき、その目的地付近で停車したとき、前記車両のドアが開閉された地点を降車位置及びその時刻情報として登録する降車位置登録手段と
を具備することを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記送迎運転判断手段で「迎え」目的であると判断されたとき、前記目的地に近づいた前記目的地から所定距離離れた地点で、迎えの対象者に前記車両が出迎え途中にあることの情報を通知する到着予測通知手段を具備することを特徴とする請求項1または請求項2、請求項4の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記「迎え」目的であるか、「送り」目的であるか否かを判断する送迎運転判断手段は、前記車両の目的地を設定したとき、前記車両に乗車するドアの開閉、当該目的地が送迎位置としての登録の有無、当該目的地を設定した時間帯、当該設定した曜日、過去に当該目的地の設定回数の頻度のうちの1以上の情報によって判断することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記送迎運転判断手段で「送り」目的または「迎え」目的が判断されたとき、前記目的地付近の過去の「送り」の降車位置または過去の「迎え」の乗車位置を前記車両の前記目的地を修正した修正目的地としてルート案内することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記車両が目的地付近到着後、エンジンを停止させることなく、パーキング状態で前記車両のドアが開閉され、別の目的地を設定したときには、その場所を「送り」の降車場所または「迎え」の乗車位置として判断し、当該目的地を降車位置及びその時刻情報として登録することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記送迎運転判断手段で「迎え」目的と判断されたとき、停車時間が確保できる停車位置を前記目的地として選択する停車位置選択手段を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の車載ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−244032(P2009−244032A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89813(P2008−89813)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】