説明

車載受信機

【課題】耐ノイズ性を向上させながら車載受信機を共用化する。
【解決手段】ユーザが所持するキーレスエントリー用の携帯機11からの無線信号と車両Cに装着されたタイヤの空気圧監視用のTPMS送受信機12A〜12Dからの無線信号とを受信する1台の車載受信機13であって、携帯機11からFSK変調方式で変調して送信された無線信号とTPMS送受信機12A〜12DからASK変調方式で変調して送信された無線信号とを受信する共用アンテナ部24と、エンジン停止時に共用アンテナ部24で受信した信号をFSK変調方式に従って復調するFSK復調部32と、エンジン稼働時に共用アンテナ部24で受信した信号をASK変調方式に従って復調するASK復調部33とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載受信機に関し、詳しくは、異なる方式で変調された複数の無線信号を1台の車載受信機で復調可能とするのものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キーを鍵穴に挿入して操作することなく車両ドアのロック操作及びアンロック操作が可能なキーレスエントリーシステムが提供されている。例えば、キーレスエントリーシステムが実用化された初期から利用されているものとして、キーに付設された発信器のボタン操作により車両と無線で通信してドアロック解除/施錠を行うものがある。このタイプのシステムは、ドアロックの解錠のためにキーを鍵穴に挿入せずに済むものの、発信器をボタン操作する必要がある。
【0003】
そこで、近年ではパッシブキーレスエントリーと呼ばれるシステムが実用化され始めている。このシステムでは、ユーザがドアに付設されたタッチセンサを触れる等することで車両から要求信号が送信され、該要求信号を受信した携帯機からIDコードを含む応答信号が自動的に無線送信される。車両では受信した応答信号のIDコードの照合を行い、認証が一致すればドアロックを解除する。
【0004】
一方、走行中の安全確保のためにタイヤ空気圧監視装置(TPMS)を搭載した車両も普及し始めている。タイヤ空気圧監視装置では、前後輪の夫々にTPMS送受信機を内蔵し、エンジン動作中にTPMS送受信機から定期的にタイヤ空気圧情報をTPMS受信機に無線送信して監視するようにしている。特開2004−189072号公報では、キーレスエントリーシステムとタイヤ空気圧監視装置とを一体化しているが、キーレスエントリー用の受信部とタイヤ空気圧監視用の受信部とは別個に設けられている。1つの車両に2台の無線受信部が存在すると無駄であるので、1台の無線受信機で共用化できれば効率的である。
【0005】
しかしながら、キーレスエントリーとTPMSとを同一の受信機で共用化することを考えると両者で同じ変調方式を使用することになるが、そうすると自己の駐車車両の近くを他車が通過した時に他車のTPMS電波を受信してしまい、キーレスエントリーで自己の車両に乗り込もうとした時にキーレスエントリー信号にノイズが混入して誤動作を引き起こす可能性があるという問題がある。結局のところ、耐ノイズ性を考慮すれば、キーレスエントリーシステムとTPMSとで仕様の異なる別個の受信機を搭載せざるを得ないというのが現状である。
【特許文献1】特開2004−189072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、耐ノイズ性を向上させながらも受信機を共用化することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、ユーザが所持するキーレスエントリー用の携帯機からの無線信号と、車両に装着されたタイヤの空気圧監視用の送受信機からの無線信号とを受信する1台の車載受信機であって、
前記携帯機から変調して送信された無線信号と、前記携帯機とは異なる変調方式で変調して前記送受信機から送信された無線信号とを受信する共用アンテナ部と、
エンジン停止時に前記共用アンテナ部で受信した信号を前記携帯機の変調方式に従って復調する第1復調部と、
エンジン稼働時に前記共用アンテナ部で受信した信号を前記送受信機の変調方式に従って復調する第2復調部とを備えていることを特徴とする車載受信機を提供している。
【0008】
本発明者らは、キーレスエントリーは駐車中のエンジン停止中に使用される一方で、タイヤ空気圧監視装置はエンジン稼働中に使用され、両者の動作タイミングが重複しない点に着目し、車載受信機の復調方式をエンジンのオン/オフをトリガーとして切り替えることを発案した。
即ち、前記構成とすると、エンジンのオン/オフ状態により無線信号の変調方式を判断し、携帯機からの信号を第1復調部で復調処理する一方、送受信機からの信号を第2復調部で復調処理する構成としているので、受信機が1台で共用化されて部品コストの低減を図ることができる。
さらに、キーレスエントリー用の携帯機の変調方式とタイヤ空気圧監視用の送受信機の変調方式とを相違させることが可能となることで、自己の駐車車両の近くを他車が通過した時に他車のタイヤ空気圧監視電波を受信することがなく、携帯機からの無線信号の耐ノイズ性能が向上する。
【0009】
また、共用アンテナ部からの出力に接続された第1復調部および第2復調部は互いに並列接続しておき、第1復調部あるいは第2復調部の一方を選択的に回路接続すると共に他方を回路遮断するスイッチング部を設け、該スイッチング部はエンジンのオン/オフ状態に応じて切替を行う構成としていると好ましい。
【0010】
また、携帯機と送受信機の変調方式は、FSK、ASK、PSKなどの方式から重複しないように選択して用いるとよい。
例えば、ASKは、変復調ハードウェアが簡単で済むが、振幅ノイズやフェーディング等の振幅変化に弱い特性があるため、通信距離の近いタイヤ空気圧監視用の送受信機の変調方式に採用すると好適である。
FSKは、周波数の変化によりバイナリ値を判断しているため振幅変動の影響を受け難く、伝送品質(C/N比)に対する伝送誤り率はASKよりも良好であるので、タイヤ空気圧監視用送受信機よりも通信距離が長い携帯機の変調方式に採用すると好適である。
【0011】
前記携帯機からの無線信号と前記送受信機からの無線信号とは周波数が相違し、
前記共用アンテナ部で受信した信号の周波数をエンジン停止時には前記携帯機の無線周波数に従って復調用周波数に変換して前記第1復調部側へと出力する一方、エンジン稼働時には前記送受信機の無線周波数に従って前記復調用周波数に変換して前記第2復調部側へと出力する周波数変換手段を備えていると好ましい。
【0012】
前記構成とすると、キーレスエントリー用の携帯機からの無線周波数とタイヤ空気圧監視用の送受信機からの無線周波数とを相違させても1台の受信機で復調することができ、受信機の共用化を図ることができる。また、携帯機と送受信機との間で無線周波数を相違させることで、両者の無線信号の耐ノイズ性能も更に向上する。
【発明の効果】
【0013】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、キーレスエントリー用の携帯機の変調方式とタイヤ空気圧監視用の送受信機の変調方式とを相違させることができるので、自己の駐車車両の近傍を他車が通過した時に他車のタイヤ空気圧監視電波を受信する等して誤動作することがなく、携帯機からの無線信号の耐ノイズ性能が向上する。また、エンジンのオン/オフ状態により共用アンテナ部で受信する信号の周波数を判断し、携帯機と送受信機からの信号を変調方式が対応する方の復調部で復調する構成としているので、受信機の共用化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は第1実施形態のRKE兼TPMSシステム10を示し、ユーザが所持するパッシブキーレスエントリー用の携帯機11と、車両の四輪のタイヤに夫々内蔵されてタイヤの空気圧を検出するTPMS送受信機12A〜12Dと、車両に搭載されて携帯機11からの無線信号とTPMS送受信機12A〜12Dからの無線信号とを受信する車載受信機13とを備えている。
【0015】
車両Cは、ワイヤハーネスW/H1を伝送媒体としてボディ系LANを構築しており、該LANには、ドアロック装置36を駆動制御するドア制御ECU35と、表示装置38および警報装置39を制御するTPMS制御ECU37とが接続されており、車載受信機13はドア制御ECU35を介してLANに接続している。また、ワイヤハーネスW/H2を伝送媒体とした駆動系LANもゲートウェイ装置40を介して構築されており、該LANにはエンジンECU41が接続されている。
【0016】
携帯機11は、車両Cの図示しない送信機から無線送信されるLF帯の要求信号を受信するLF受信部14と、ドア制御ECU35での認証作業を行うためのIDコードを生成すると共に送受信制御を行う制御部15と、発信用の水晶振動子17を有しIDコードを含む信号をFSK(Frequency Shift Keying)方式で変調してUHF帯電波で無線送信するUHF送信部16とを備えている。
【0017】
TPMS送受信機12A〜12Dは、タイヤ圧センサ19と、送受信制御を行う制御部20と、車両Cの図示しない送信機から無線送信されるLF帯の要求信号を受信するLF受信部21と、携帯機11と同一周波数を発信する水晶振動子23を有しタイヤ圧センサ19で検出されたタイヤ空気圧情報を含む信号をASK(Amplitude Shift Keying)方式で変調してUHF帯電波で無線送信するUHF送信部22とを備えている。
【0018】
車載受信機13は、携帯機11とTPMS送受信機12A〜12Dからの無線信号を受信する共用アンテナ部24と、増幅器25と、UHF帯以外の周波数信号をフィルタリングするバンドパスフィルタ部26と、バンドパスフィルタ部26を透過した受信信号の周波数を復調用周波数に変換する周波数変換手段29と、A/D変換部30と、エンジン停止時に携帯機11の変調方式(FSK方式)に従って復調処理を行うFSK復調部(第1復調部)32と、FSK復調部32と並列接続されてエンジン稼働時に送受信機12A〜12Dの変調方式(ASK方式)に従って復調処理を行うASK復調部(第2復調部)33と、FSK復調部32あるいはASK復調部33の一方を選択的に回路接続するリレー31と、復調データをドア制御ECU35に出力する出力部34とを備えている。
【0019】
リレー30は、エンジンECU41からの指令により切替駆動され、エンジン停止時にFSK復調部32を回路接続すると共に、エンジン稼働時にはASK復調部33を回路接続するように制御される構成としている。
また、周波数変換手段29は、一定周波数を生成する水晶振動子27と、バンドパスフィルタ部26を透過した受信信号の周波数に水晶振動子27から発信される周波数を混合差分して復調用のIF信号(中間周波数信号)を出力するミキサー部28とを備えている。
【0020】
次に、車載受信機13の動作について説明する。
まず、携帯機11から送信される信号の処理手順について説明する。
エンジン停止中において、ユーザが所持する携帯機11のLF受信部14が車両C周囲の通信エリア内で車両Cから要求信号を受信すると、制御部15によりIDコードを含むデータがUHF送信部16に入力される。UHF送信部16では、水晶振動子17により生成された搬送波(例えば300.1MHz)にIDコードを含むデータをのせてFSK変調方式で無線送信する。
【0021】
この無線信号は車載受信機13の共用アンテナ部24で受信され、増幅器25を介してバンドパスフィルタ部26を透過し、ミキサー部28に入力される。ミキサー部28には、バンドパスフィルタ部26から入力された信号に対して、水晶振動子27から発信される周波数(例えば300MHz)の信号が挿入され、互いの差分をとることにより、中間周波数となる100kHzのIF信号が出力される。
【0022】
IF信号は、A/D変換部30においてアナログデータからデジタルデータに変換される。エンジン停止時にはリレー31はFSK復調部32に回路接続しているので、FSK復調部32で復調処理がなされ、出力部34を介してドア制御ECU35に復調データが出力される。ドア制御ECU34では、受信した復調データに含まれるIDコードが自己のIDコードと一致するかの照合作業を行い、一致すればドアロック装置36に指令してドアロックを解錠する。
【0023】
次に、TPMS送受信機12A〜12Dから送信される信号の処理手順について説明する。
TPMS制御ECU37は、エンジン稼動中において、車載送信機(図示せず)を介して4つのTPMS送受信機12A〜12Dの夫々に対して順番に要求信号を送信し、各TPMS送受信機12A〜12Dとの信号送受のタイミングをずらしている。要求信号をLF受信部21で受信したTPMS送受信機12Aは、タイヤ圧センサ19で検出された空気圧データを含む信号を制御部20によりUHF送信部22に入力する。UHF送信部22では、第2水晶振動子23により生成された搬送波(例えば300.1MHz)に空気圧データを含む信号をのせてASK変調方式で無線送信する。
【0024】
この無線信号は車載受信機13の共用アンテナ部24で受信され、増幅器25を介してバンドパスフィルター部26を透過し、ミキサー部28に入力される。ミキサー部28には、バンドパスフィルタ部26から入力された信号に対して、水晶振動子27から発信される周波数(例えば300MHz)の信号が挿入され、互いの差分をとることにより、中間周波数となる100kHzのIF信号が出力される。
【0025】
IF信号は、A/D変換部30においてアナログデータからデジタルデータに変換される。エンジン稼働時にはリレー31はASK復調部33に回路接続しているので、ASK復調部33で復調処理がなされ、出力部34を介してドア制御ECU35に復調データが出力される。ドア制御ECU35は復調データを宛先であるTPMS制御ECU37にLANを介して送信する。TPMS制御ECU37では、受信したタイヤ空気圧が所定の閾値以下である場合には異常であると判断して、警報装置39に指令して警報アラームを鳴らすと共に、表示装置38に指令して警告表示を行う。
【0026】
以上の構成によると、キーレスエントリー用の携帯機11からの変調方式とタイヤ空気圧監視用のTPMS送受信機12A〜12Dからの変調方式とを相違させることができるので、駐車中に他車のタイヤ空気圧監視電波を受信することがなく、携帯機11からの無線信号の耐ノイズ性能が向上し誤動作を防止することができる。また、エンジンのオン/オフに応じてエンジンECU41から指令してリレー31を切り替えることで、受信信号の変調方式に応じてFSK復調部32あるいはASK復調部33が選択され、車載受信機13を携帯機11用とTPMS送受信機12用とで共用化することができる。
【0027】
図3は第2実施形態を示す。
第1実施形態との相違点は、携帯機11’の無線周波数と、TPMS送受信機12’の無線周波数とを相違させている点である。
【0028】
携帯機11’は、UHF送信部16に発信用の第1水晶振動子50を設けている。
TPMS送受信機12’は、UHF送信部22に第1水晶振動子50とは異なる周波数を発信する第2水晶振動子51を設けている。
【0029】
車載受信機13’は、バンドパスフィルタ部26を透過した受信信号の周波数を復調用周波数に変換する周波数変換手段56を備えている。
周波数変換手段56は、携帯機11の発信周波数に対応する第1水晶振動子52と、第1水晶振動子52とは発信周波数が異なりTPMS送受信機12の発信周波数に対応する第2水晶振動子53と、バンドパスフィルタ部26を透過した受信信号の周波数に第1水晶振動子52あるいは第2水晶振動子53から発信される周波数を混合差分してIF信号(復調用周波数)を出力するミキサー部54と、第1水晶振動子52あるいは第2水晶振動子53のいずれか一方を選択的にミキサー部54に接続するリレー55とを備えている。
リレー55は、エンジンECU41からの指令により切替駆動し、エンジン停止時に第1水晶振動子52をミキサー部54に接続すると共に、エンジン稼働時に第2水晶振動子53をミキサー部54に接続するように制御を行う構成としている。
なお、他の構成は第1実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
【0030】
次に、車載受信機13’の動作について説明する。
まず、携帯機11’から送信される信号の処理手順について説明する。
エンジン停止中において、ユーザが所持する携帯機11’のLF受信部14が車両C周囲の通信エリア内で車両Cから要求信号を受信すると、制御部15によりIDコードを含むデータがUHF送信部16に入力される。UHF送信部16では、水晶振動子50により生成された搬送波(例えば300.1MHz)にIDコードを含むデータをのせてFSK変調方式で無線送信する。
【0031】
この無線信号は車載受信機13’の共用アンテナ部24で受信され、増幅器25を介してバンドパスフィルタ部26を透過し、ミキサー部54に入力される。エンジン停止時にリレー55は第1水晶振動子52をミキサー部54に接続しているので、ミキサー部54には、バンドパスフィルタ部26から入力された信号に対して、第1水晶振動子52から発信される周波数(例えば300MHz)の信号が挿入され、互いの差分をとることにより、中間周波数となる100kHzのIF信号が出力される。なお、以降の動作は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0032】
次に、TPMS送受信機12A’〜12D’から送信される信号の処理手順について説明する。
要求信号をLF受信部21で受信したTPMS送受信機12A’は、タイヤ圧センサ19で検出された空気圧データを含む信号を制御部20によりUHF送信部22に入力する。UHF送信部22では、第2水晶振動子51により生成された搬送波(例えば310.1MHz)に空気圧データを含む信号をのせてASK変調方式で無線送信する。
【0033】
この無線信号は車載受信機13’の共用アンテナ部24で受信され、増幅器25を介してバンドパスフィルター部26を透過し、ミキサー部54に入力される。エンジン稼働時にリレー55は、第2水晶振動子53をミキサー部54に接続しているので、ミキサー部54には、バンドパスフィルタ部26から入力された信号に対して、第2水晶振動子53から発信される周波数(例えば310MHz)の信号が挿入され、互いの差分をとることにより、中間周波数となる100kHzのIF信号が出力される。なお、以降の動作は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0034】
以上の構成とすると、携帯機11’からの無線周波数とTPMS送受信機12A’〜12D’からの無線周波数とを相違させても1台の車載受信機13’で復調することが可能となり、受信機13’の共用化を図ることができる。また、携帯機11’とTPMS送受信機12A’〜12D’との間で無線周波数を相違させることで、両者の無線信号の耐ノイズ性能も更に向上する。
【0035】
図4は第3実施形態を示す。
第2実施形態との相違点は、車載受信機13”の周波数変換手段59が水晶振動子57を1つとして周波数調節回路58により周波数の変更を行っている点である。
【0036】
周波数変換手段59は、所定の周波数を発信する水晶振動子57と、バンドパスフィルタ部26を透過した受信信号の周波数に水晶振動子57から発信される周波数を混合差分してIF信号(復調用周波数)を出力するミキサー部54と、水晶振動子57の振動周波数を調節する周波数調節回路58とを備えている。周波数調節回路58は、エンジンECU41からの指令によりエンジン停止時とエンジン稼働時とで水晶振動子57から発信される周波数を変更する構成としている。なお、他の構成は第2実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
以下、周波数調節回路58の具体例を示す。
図5の周波数調節回路58は、水晶振動子57にリレー61を介してコンデンサ60を並列接続している。リレー61の切替はエンジンECU41からの指令により駆動し、エンジン停止時にリレー61を閉じる一方、エンジン稼働時にリレー61を開く制御を行う。これにより、エンジン停止時とエンジン稼働時とで水晶振動子57で生成される発信周波数を相違させることが可能となる。
また、図6の周波数調節回路58は、水晶振動子57に可変コンデンサ62を並列接続し、エンジンECU41からの指令により、エンジン停止時とエンジン稼働時とで可変コンデンサ62の容量を変更する制御を行う。これにより、エンジン停止時とエンジン稼働時とで水晶振動子57で生成される発信周波数を相違させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態の車両を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の車載受信機を含むシステム構成図である。
【図3】第2実施形態の車載受信機を含むシステム構成図である。
【図4】第3実施形態の車載受信機を含むシステム構成図である。
【図5】周波数調節回路の具体例を示す図面である。
【図6】周波数調節回路の別の具体例を示す図面である。
【符号の説明】
【0039】
11 携帯機
12A〜12D TPMS送受信機
13 車載受信機
24 共用アンテナ部
27 水晶振動子
28 ミキサー部
29、56、59 周波数変換手段
30 A/D変換部
31 リレー
32 FSK復調部(第1復調部)
33 ASK復調部(第2復調部)
41 エンジンECU
C 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所持するキーレスエントリー用の携帯機からの無線信号と、車両に装着されたタイヤの空気圧監視用の送受信機からの無線信号とを受信する1台の車載受信機であって、
前記携帯機から変調して送信された無線信号と、前記携帯機とは異なる変調方式で変調して前記送受信機から送信された無線信号とを受信する共用アンテナ部と、
エンジン停止時に前記共用アンテナ部で受信した信号を前記携帯機の変調方式に従って復調する第1復調部と、
エンジン稼働時に前記共用アンテナ部で受信した信号を前記送受信機の変調方式に従って復調する第2復調部とを備えていることを特徴とする車載受信機。
【請求項2】
前記携帯機からの無線信号と前記送受信機からの無線信号とは周波数が相違し、
前記共用アンテナ部で受信した信号の周波数をエンジン停止時には前記携帯機の無線周波数に従って復調用周波数に変換して前記第1復調部側へと出力する一方、エンジン稼働時には前記送受信機の無線周波数に従って前記復調用周波数に変換して前記第2復調部側へと出力する周波数変換手段を備えている請求項1に記載の車載受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−213289(P2006−213289A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30884(P2005−30884)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】