説明

車載情報機器の情報共有システム

【課題】 キーレスエントリシステムを用いて、カーナビゲーションシステムで得られた情報を携帯できる子機にて参照可能とした情報共有システムを提供する。
【解決手段】 キーレスエントリシステムの子機10′と親機10とを備え、カーナビゲーションシステム6で記憶若しくは取得された情報の内、車両の停止した位置から特定範囲の地域に関連する情報を親機10のメモリ5に記憶し、その記憶した情報を微弱無線を利用して子機10′に送信し、子機10′のメモリ5′に記憶させて通知手段7で表示可能とする情報共有システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーション等の車載情報機器の情報共有システムに係り、特に、カーナビゲーションで得られた情報を車外でも利用できる情報共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車へのLAN(Local Area Network)の導入が進んでおり、ドアやシート等のボディ系機能に、また、走行制御やエアバック等のセーフティ系機能に利用されている。また、カーナビゲーション、オーディオ、インターネット等の情報系機能にもLANが導入され始めている。
【0003】
これまで車載LANの通信プロトコルは、自動車メーカー毎に異なる独自のプロトコルが主流であったが、現在、国際的に標準化されつつある。例えば、ドイツのBOSCH社で提案されたCAN(Controller Area Network)プロトコルがある。
【0004】
このCANプロトコルは、シリアルバスシステムであり、自動車関連のアプリケーションとして1980年代初期に開発され、1993年にISO11898−1として国際規格化され、最大で1Mbpsの通信速度を有する。
【0005】
そのCANプロトコルをベースに伝送速度が250kbpsのIDB−C(ITS Data Bus on CAN)の検討も進められている。CAN以外での制御系車載LANプロトコルでもTDMA(Time Divisional Multiple Access)方式のFlexRay等のより高速(10Mbps)な規格もある。
【0006】
また、一般的なキーレスエントリシステムは、車両のドアロックのオン・オフ等を遠隔操作にて実現するものである。
但し、キーレスエントリシステムは、通信方式がASK(Amplitude Shift Keying)、又はFSK(Frequency Shift Keying)を用い、通信距離は、一般的に20m程度であり、それに子機から親機への一方向の通信となっていた。
これは、通信機の無線部におけるアンテナフィルタとしてのバンドパスフィルタ(BPF)に、帯域幅が数百kHz〜数MHzの広帯域特性を持つSAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波)フィルタを用いていたため、20m以上の長い距離で通信を行うことができないものとなっていた。
尚、通信距離が比較的に短いため、耐干渉に強くないASK又はFSKの通信方式でも十分対応できるものとなっていた。
【0007】
このような従来のキーレスエントリシステムにおいても、双方向通信を実現するものも考案されている。
例えば、平成13(2001)年4月24日公開の特開2001−115697号公報「遠隔制御用送信装置、及び遠隔制御用受信装置」(出願人:富士通テン株式会社、発明者:土橋長一郎)がある。
この先行技術は、携帯機から車載機への伝送路とは別に、車載機からその動作状態を示す信号をLEDから送信し、携帯機ではその信号を受光部で受信し、表示用のLCD又はLEDに報知出力するキーレスエントリシステムが記載されている(特許文献1)。
【0008】
また、関連する他の先行技術として、平成16(2004)年4月8日公開の特開2004−108016号公報「車両、電子キー及び情報伝達方法」(出願人:ソニー株式会社、発明者:品田哲)がある。
この先行技術は、カーナビゲーション装置とパーソナルコンピュータとの間の送受信に携帯電話機、PDA、キーレスエントリシステムの電子キーを用いるというものであるが、電子キー自体に表示部を設けて、カーナビケーション装置で得られた情報を表示するといったものではない(特許文献2)。
【0009】
また、他の先行技術として、平成12(2000)年5月26日公開の特開2000−145224号公報「キーレスエントリシステム」(出願人:マツダ株式会社、発明者:大坪善徳)がある。
この先行技術は、車載機はカーナビゲーションユニットと相互通信可能であるが、車載機と無線通信する携帯機には表示部はなく、カーナビゲーションユニットの情報を表示するといったものではない(特許文献3)。
【0010】
また、他の先行技術として、平成12(2000)年8月2日公開の特開2000−213215号公報「遠隔制御システム」(出願人:富士通テン株式会社、発明者:横山正穂他)がある。
この先行技術は、携帯性の送信機とカーナビゲーションやカーオーディオに接続する受信機とを備え、送信機からの信号によって駆動された状態をカーナビゲーション等の表示部に表示するものであり、送信機に表示部を設け、そこにカーナビゲーションの情報を表示するといったものではない(特許文献4)。
【0011】
【特許文献1】特開2001−115679号公報
【特許文献2】特開2004−108016号公報
【特許文献3】特開2000−145224号公報
【特許文献4】特開2000−213215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、カーナビゲーションシステムにおいて、種々の情報を収集できるのにも拘わらず、その情報が車内でしか活用できず、車を降りてから活用できないという問題点があった。
例えば、目的の美術館に車で出かけた場合、その美術館のおおよその場所は、カーナビゲーションシステムで知ることができるが、美術館に関する詳細な情報については、車内であればカーナビゲーションシステムで取得できる場合があるにも拘わらず、車を降りてからは携帯電話機等を利用して別に情報の検索を行い、詳細情報を取得するようになっていた。
【0013】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、キーレスエントリシステムを用いて、カーナビゲーションシステムで得られた情報を携帯できる子機にて参照可能とし、利用者の利便性を向上させることができる情報共有システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、携帯性を備える子機と、車載の親機とを有し、両機器を無線通信で接続するキーレスエントリシステムを用いた情報共有システムであって、情報を記憶すると共に情報を取得する車載の情報機器を備え、親機は、情報機器から特定地域に関する情報の提供を受けて、当該情報を記憶部に格納し、記憶部に格納した情報を子機にダウンロードするために送信し、子機は、親機から送信された情報を受信して記憶部に格納してダウンロードを行い、ダウンロードされた情報を通知手段に提供可能としたことを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記情報共有システムにおいて、情報機器が、車両の位置検出の機能を備え、車両が停止した位置を検出し、停止位置から特定範囲内の地域に関する情報を提供することを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記情報共有システムにおいて、親機が、車両の停止を検出し、情報機器に車両停止位置から特定範囲内の地域に関する情報の提供を要求し、情報機器が、親機からの要求に基づいて情報の提供を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記情報共有システムにおいて、親機が、記憶部に格納した情報の内、一部の情報を子機にダウンロードし、子機からダウンロードされていない情報の送信要求を受けると、当該情報を子機に送信し、子機が、ダウンロードされていない情報の送信を親機に要求し、親機から送信された情報を受信して記憶部に格納し、当該情報を通知手段に提供可能としたことを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記情報共有システムにおいて、子機にダウンロードする一部の情報は、前記子機での検索用のデータであることを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記情報共有システムにおいて、子機及び親機における無線機のアンテナフィルタとして、狭帯域の水晶フィルタを用い、通信方式をスペクトラム拡散方式として、高周波の微弱電波で、子機と親機との間を双方向通信としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、携帯性を備える子機と、車載の親機とを有し、両機器を無線通信で接続するキーレスエントリシステムを用いた情報共有システムであって、情報を記憶すると共に情報を取得する車載の情報機器を備え、親機は、情報機器から特定地域に関する情報の提供を受けて、当該情報を記憶部に格納し、記憶部に格納した情報を子機にダウンロードするために送信し、子機は、親機から送信された情報を受信して記憶部に格納してダウンロードを行い、ダウンロードされた情報を通知手段に提供可能としたものであり、情報機器で記憶又は取得した情報を携帯できる子機で利用可能とし、利用者の利便性を向上させることができる効果がある。
【0021】
本発明によれば、情報機器が、車両の位置検出の機能を備え、車両が停止した位置を検出し、停止位置から特定範囲内の地域に関する情報を提供する上記情報共有システムとしているので、車両の停止位置から関連する情報を容易に子機で利用可能とし、利用者の利便性を向上させることができる効果がある。
【0022】
本発明によれば、親機が、車両の停止を検出し、情報機器に車両停止位置から特定範囲内の地域に関する情報の提供を要求し、情報機器が、親機からの要求に基づいて情報の提供を行う上記情報共有システムとしているので、車両停止が検出されると、車両の停止位置から関連する情報を容易に子機で利用可能とし、利用者の利便性を向上させることができる効果がある。
【0023】
本発明によれば、親機が、記憶部に格納した情報の内、一部の情報を子機にダウンロードし、子機からダウンロードされていない情報の送信要求を受けると、当該情報を子機に送信し、子機が、ダウンロードされていない情報の送信を親機に要求し、親機から送信された情報を受信して記憶部に格納し、当該情報を通知手段に提供可能とした上記情報共有システムとしているので、親機から子機への通信量を少なくし、子機の記憶部の容量を小さくでき、通信効率を向上させ、システムのコストを低下させることができる効果がある。
【0024】
本発明によれば、子機にダウンロードする一部の情報は、前記子機での検索用のデータである上記情報共有システムとしているので、子機では情報の検索を容易に行うことができ、検索結果を親機に送信要求すれば、通信効率を更に向上させることができる効果がある。
【0025】
本発明によれば、子機及び親機における無線機のアンテナフィルタとして、狭帯域の水晶フィルタを用い、通信方式を素ペクトラム拡散方式として、高周波の微弱電波で、子機と親機との間を双方向通信とした上記情報共有システムとしているので、狭帯域の水晶フィルタが受信感度をよくし、従来より長い通信距離が可能となり、その通信距離において耐干渉性の高いスペクトラム拡散方式を用いることで、実用的なシステムを実現できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る情報共有システムは、キーレスエントリシステムの子機と親機とを備え、カーナビゲーションシステムで記憶若しくは取得された情報の内、車両の停止した位置から特定範囲の地域に関連する情報を親機のメモリに記憶し、その記憶した情報を微弱無線を利用して子機に送信し、子機のメモリに記憶させて表示可能とするものであり、利用者は、子機を携帯して車両を離れても、当該子機の表示部にカーナビゲーションシステムで得られた情報を表示できる効果がある。
【0027】
また、本発明の実施の形態に係る情報共有システムは、通信方式にSS(スペクトラム拡散:Spread Spectrum)を用い、微弱電波を用いて子機と親機との間の双方向通信を実現し、子機のメモリにカーナビゲーションシステムで取得された情報の一部、例えば検索用のインデックス部分を記憶させておき、当該部分を子機の通知手段(表示部)で参照しながら、検索し、更に必要な情報を要求する場合には、子機から親機に情報の送信要求を行い、親機でメモリが検索されて要求のあった情報を子機に送信し、子機は送信要求した情報をその表示部に表示するものであり、子機のメモリに全ての情報を格納していなくとも必要に応じて親機から情報の提供を効率的に受けることができるものである。
【0028】
本発明の実施の形態に係る情報共有システムにおける子機及び親機の通信装置には、受信信号の帯域制限に数十kHzの狭帯域の水晶フィルタを用いることで、受信感度を向上させ、通信距離を日本国内の微弱電波機器では最大150mにすることを可能とし、更に従来に比べて通信距離が伸びたことにより干渉を受けやすくなるため、通信方式も耐干渉性が低いASK又はFSK方式から耐干渉性が高いSS方式を採用し、従来よりも長い通信距離で双方向通信を実現している。
【0029】
本発明の実施の形態に係る情報共有システムについて図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る情報共有システムの概略構成図である。
本発明の実施の形態に係る情報共有システム(本システム)は、図1に示すように、キーレスエントリシステムの子機10′と、親機10と、カーナビゲーションシステム6とを基本的に有している。
子機10′と親機10とは対応付けられており、双方向通信には、微弱無線のSS方式を採用し、通信距離最大150m程度を実現している。
【0030】
子機10′は、親機10のメモリに記憶されたデータの一部又は全部を自機のメモリにダウンロードし、ダウンロードしたデータを表示部に表示させて情報の検索を行い、ダウンロードが一部のデータである場合であってダウンロードされていないデータについて必要があれば、親機10にデータの送信要求を送信し、それに対して受信したデータをメモリに記憶して表示部に表示させるものである。
尚、親機10のメモリ内容を全てダウンロードした場合は、子機10′が親機10にデータの送信要求を送信する必要はないものである。
子機10′の具体的構成については後述する。
【0031】
親機10は、カーナビゲーションシステムから情報の取得を行い、取得した情報をメモリに記憶し、更にその情報の一部又は全部を子機10′にダウンロードし、子機10′からのデータの送信要求に対して該当するデータを検索して子機10′に送信するものである。
また、親機10は、エンジンを止めてイグニッションキーを抜いても電源はオンのままとなるものである。
親機10の具体的構成については後述する。
【0032】
カーナビゲーションシステム6は、GPS(Global Positioning System)機能を備え、車両の位置を検出して地図上に表示し、更にインターネット等のネットワークに接続して施設や建物に関する情報を取得し、親機10からの情報取得の要求に対して、若しくは自装置の自動的処理によって、車両の現在位置を中心とした特定エリア(例えば、中心から半径3km)の施設等の情報を選択して親機10に出力する。
カーナビゲーションシステム6は、エンジンを止めてイグニッションキーを抜くと電源オフとなるものである。
【0033】
次に、親機10の具体的構成について図2を参照しながら説明する。図2は、本システムの親機の構成ブロック図である。
親機10は、送受信を行う無線部1と、送受信用の信号処理を行う信号処理部2と、アンテナ部3と、全体の制御を行う制御部4と、情報を記憶するメモリ5とを備えている。
尚、親機10の制御部4がカーナビゲーションシステム6に接続している。
【0034】
本システムの親機の各部を説明する。
無線部1は、アンテナ部3から取り込まれた信号を増幅し、帯域制限してIF(中間周波数:Intermediate Frequency)周波数帯にダウンコンバートし、更に信号処理部2への入力レベルに増幅する。
また、無線部1は、信号処理部2から入力された信号をRF(無線周波数:Radio Frequency)周波数帯に変換し、帯域制限して微弱無線局の電界強度レベル内で高周波増幅する。
尚、無線部1の内部の具体的構成は後述する。
【0035】
信号処理部2は、無線部1から入力された信号をキャリア復調し、逆拡散して同期した信号を復調し、受信データの復号を行って制御部4に出力する。
また、信号処理部2は、制御部4から入力されたデータを拡散変調し、波形整形してキャリア変調し、無線部1に出力する。
尚、信号処理部2の内部の具体的構成は後述する。
【0036】
制御部4は、信号処理部2で復号した受信データからIDを取得し、取得したID(相手からのID)が自己のIDと一致するか否かを判定し、一致する場合に、受信データを取り込む。また、接続するカーナビゲーションシステム6から入力されたデータをメモリ5に記憶させると共に、メモリ5内のデータを信号処理部2に出力する。
【0037】
また、制御部4は、カーナビゲーションシステム6に対して特定範囲の情報の提供を要求して、データの入力を受けるとメモリ5に検索可能に記憶する。
そして、制御部4は、メモリ5に記憶したデータの一部又は全部を子機10′に向けてダウンロードするために信号処理部2に出力してデータの送信を実行する。
制御部4は、子機10′からの特定データの送信要求を受けると、当該データをメモリ5から検索し、該当するデータを信号処理部2に出力して子機10′への送信を実行する。
ここで、制御部4は、上記処理を実行するものであるから、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラム実行により処理を行うものである。
【0038】
メモリ5は、カーナビゲーションシステム6から提供された特定範囲の情報を検索可能に記憶し、制御部4からのアクセスによりデータ検索を行い、必要なデータを出力する。
検索可能とするためには、予めカテゴリー毎の分類を決めておき、カーナビゲーションシステム6から入力される情報について制御部4がカテゴリーを判断し、分類に応じて格納する。そして、その分類に対応したインデックスを作成し、そのインデックスを用いて情報の検索を行えば、検索容易となるものである。このインデックスを用いた検索でも、キーワード検索が可能であれば利便性は更に向上する。
尚、子機10′に最初にダウンロードされるデータとして、最小限、検索用のインデックスデータだけでも構わない。
【0039】
次に、本システムの子機10′の構成について図3を参照しながら説明する。図3は、本システムの子機の構成ブロック図である。
子機10′は、送受信を行う無線部1′と、送受信用の信号処理を行う信号処理部2′と、アンテナ部3′と、全体の制御を行う制御部4′と、情報を記憶するメモリ5′と、情報の表示を行う表示部となる通知手段7と、指示等を入力する入力部となる伝達手段8とを備えている。
【0040】
無線部1′、信号処理部2′、アンテナ部3′の構成及び動作は、親機10の無線部1、信号処理部2、アンテナ部3と同様である。
制御部4′は、親機10から受信して入力したダウンロードのデータをメモリ5′に格納し、当該データを通知手段7に表示出力する。
また、制御部4′は、伝達手段8からの指示によりメモリ5′に対するデータ検索を行い、通知手段7に検索結果を表示出力する。
また、制御部4′は、伝達手段8からの指示により親機10に対してデータ送信要求の信号を信号処理部2′に出力して送信を行わせる。
ここで、制御部4′は、上記処理を実行するものであるから、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラム実行により処理を行うものである。
【0041】
メモリ5′は、親機10からダウンロードしたデータを検索可能に記憶する。
ダウンロードのデータは、親機10のメモリ5に記憶されたデータの一部又は全てとなる。全てのデータを記憶する場合は、親機10へデータ送信要求を送信する必要ない。
また、ダウンロードのデータが、上記インデックスデータである場合は、そのデータを検索用として使用し、目的(検索結果)のデータが特定されると、当該データの送信要求を親機10に送信して、親機10から目的のデータを受信してメモリ5′に記憶し、通知手段7に表示出力する。
【0042】
通知手段7は、制御部4′から出力されるデータを表示する。尚、通知手段7は、表示部の代わりにデータを音声にて出力する音声出力部であってもよい。
伝達手段8は、制御部4′に指示を入力する入力部であり、例えば、ボタンや矢印キー等である。
【0043】
尚、本システムにおいて、親機10がカーバッテリーで動作してその制御部4がカーナビゲーションシステム6のインタフェースに接続し、子機10′が電池で動作してその制御部4′が通知手段(表示部)及び伝達手段(入力部)等のユーザインタフェースに接続する点で相違する。
【0044】
次に、本システムにおける無線部1の構成について図4を参照しながら説明する。図4は、無線部1の構成ブロック図である。尚、無線部1′の構成も同様である。
無線部1は、図4に示すように、バンドパスフィルタ(BPF)11と、パワーアンプ(PA)12と、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)13と、スイッチ(SW)14、スイッチ(SW)15、バンドパスフィルタ(BPF)16と、スイッチ(SW)17、発振器(Oscillator:OSC)18、受信ミキサ19、ローパスフィルタ(LPF)20と、可変利得増幅器(Automatic Gain Control Amplifier:AGC)21と、ローパスフィルタ(LPF)22と、送信ミキサ23とを基本的に有している。
【0045】
ここで、BPF16は、アンテナ部3で受信されたVHF帯以上の周波数のキャリア帯信号をフィルタリングする水晶フィルタ(315MHz±20kHz)を用い、OSC18は、水晶振動子(315MHz−48kHz)を具備する高周波ローカル発振器を用い、温度特性及び経年変化特性がそれぞれ互いに実質的に同じになる動作環境となる部位に実装する。
【0046】
このような実装とすることで、仮に周波数のずれが発生した場合であっても、そのずれの方向が両者同じ方向になるので、不都合を回避することができる。
ここで、「同じ動作環境」とは、例えば、水晶フィルタ及び水晶振動子を、各々の温度特性を実質的に同じにする材質から成る一つのモジュール容器に同梱すること等をいう。
【0047】
アンテナフィルタとして水晶フィルタを用いることは、従来のSAWフィルタに比べて極めて狭帯域の帯域制限を実現できるものであり、キャリア帯信号が通過する帯域幅は数十kHz程度であって、SAWフィルタに比べて格段に狭帯域となる。
そのため、雑音電力が低いために、受信側の受信感度を飛躍的に向上させることができる。
【0048】
そもそも、水晶フィルタは、短波帯までの比較的短い周波数の無線機で使用されているが、水晶フィルタの実現可能範囲に一定の上限があるため、キーレスエントリシステムのようなVHF帯(30〜30MHz)又はUHF帯(300MHz〜3GHz)の周波数での使用は考えられていなかった。そのため、高周波帯用に開発されたSAWフィルタがキーレスエントリシステムに使用されたものの、広帯域のSAWフィルタでは受信感度を高めることはできず、最大20m程度の通信距離での運用となっていた。
【0049】
しかしながら、水晶フィルタを開発・製造する出願人の努力により、水晶フィルタが使用可能な周波数の範囲は拡大される方向にあり、更に、水晶は、基本波の他に、オーバートーン(基本波の周波数に対して奇数倍の周波数で使用可能であること)を利用し、水晶フィルタをVHF帯以上の高周波でもアンテナフィルタに適用できるに至った。
【0050】
水晶フィルタは、例えば、ATカットした水晶片を有している。ATカットは、水晶のX軸に平行でZ軸から35度15分近辺にカットしたもので、周波数温度特性が広い温度範囲にわたって3次曲線の極めて良好な特性を示す。
水晶フィルタは、例えば、3次オーバートーン、100〜130MHz、好ましくは105MHzのものを315MHzで使用する。
これにより、水晶フィルタの3dB減衰域での帯域幅は、数十kHz程度となり、SAWフィルタの帯域幅と比較すると、格段に狭帯域となり、受信感度が飛躍的に向上でき、通信距離が最大150m程度を実現できたものである。
【0051】
次に、無線部1における動作を説明する。無線部1′の動作も同様である。
まず、無線機1における受信の動作を説明する。
アンテナ部3から入力された信号は無線部1に入力され、BPF11を通過して帯域制限された後に、SW14にて受信側に切り替えられ、LNA13で増幅され、SW15でBPF16に出力される。
【0052】
そして、信号は、BPF16で帯域制限され、SW17で受信側に切り替えられ、受信ミキサ19でOSC18からの発振周波数を用いて合成され、IF周波数帯へダウンコンバートされる。
IF周波数となった信号は、LPF20で受信ミキサ19による高調波スプリアスを除去した後に、AGC21にて信号処理部2のアナログ/デジタル変換器(A/D)31に適切な一定の入力レベルに増幅される。
【0053】
次に、無線機1における送信の動作を説明する。
信号処理部2から出力されたIF信号は、LPF22にて高調波を除去してOSC18からの発振周波数で送信ミキサ23にてミキシングし、RF周波数帯に変換される。
その後にSW17でRF周波数の信号はBPF16に出力され、BPF16にて帯域制限され、SW15が送信側に切り替えられ、PA12にて微弱無線局の電界強度レベル内で高周波増幅される。
そして、SW14を経由し、BPF11にて空間に放射される最後の帯域制限を行い、アンテナ部3からアンテナ送信される。
【0054】
次に、本システムにおける信号処理部2の構成について図5を参照しながら説明する。図5は、信号処理部2の構成ブロック図である。尚、信号処理部2′の構成も同様である。
信号処理部2は、図5に示すように、アナログ/デジタル変換器(A/D)31と、キャリア復調回路32と、AGC制御回路33と、キャリアデータ生成回路34と、拡散符号生成回路35と、逆拡散回路36と、同期回路37と、BPSK(2相位相変調方式:Binary Phase Shift Keying)復調回路38と、データ受信回路39と、データ生成回路40と、拡散回路41と、BPSK変調回路42と、波形整形回路43と、キャリア変調回路44と、デジタル/アナログ変換器(D/A)45とを基本的に有している。
【0055】
次に、信号処理部2における動作を説明する。尚、信号処理部2′の動作も同様である。
まず、信号処理部2における受信の動作を説明する。尚、以下の信号処理部2は、親機のものを想定している。
無線部1から入力された信号は、アナログ/デジタル変換器(A/D)31でデジタル値となった後にキャリア復調回路32によりキャリアデータ生成回路34から出力されるキャリアデータを用いて復調され、I成分とQ成分の複素データに分割される。
このとき、AGC21の利得の制御をAGC制御回路33で行う。具体的には、キャリア復調回路32から出力されるI成分とQ成分について、I成分の2乗とQ成分の2乗との和の平方根を使って一定になるようAGC21に制御信号を出力する。
【0056】
次に、受信した複素データに対して、拡散符号生成回路35から生成された拡散符号を用いて逆拡散回路36でそれぞれ逆拡散処理を行う。逆拡散に使う符号は相手側(子機)の送信に使用された拡散符号を使って行われる。
次に、同期回路37において、マッチドフィルタを用いて相関検出を行い、予め決められた閾値以上のピークを検出したときを同期タイミングとして、子局装置(子機)側と同期して受信が行われる。
同期した信号をBPSK復調回路38でBPSK復調し、元のデータに復号してデータ受信回路39に出力する。データ受信回路39は、復号したデータを制御部4に出力する。
【0057】
尚、同期回路37で同期タイミングが得られると、同期回路37は、当該同期タイミングに基づいて、無線部1、信号処理部2における全ての回路等に受信用同期タイミング、送信用同期タイミングを出力する。
【0058】
次に、信号処理部2における送信の動作を説明する。尚、信号処理部2′の動作も同様である。
制御部4からの送信用のデータは、データ生成回路40に入力され、データ生成回路40は、送信用データを拡散回路41に出力する。
拡散回路41では、拡散符号生成回路35から出力される予め決められた拡散符号により拡散変調を行い1、0の信号に拡散する。それをBPSK変調回路42でBPSK変調し、1、−1にレベル変換し、波形整形回路43におけるデジタルフィルタにて波形整形をする。
【0059】
波形整形した送信データに対して、キャリア変調回路44にてキャリアデータ生成回路34から出力されるIF周波数である送信キャリアのデータを乗算する。このデジタル値をD/A45にてアナログ値に変換し無線周波数帯のIF信号が無線部1のLPF22に出力される。
【0060】
本システムにおける高周波無線機の無線部1、信号処理部2の各部は、集積化されたICチップで構成され、水晶フィルタと共にモジュール容器に収容されて一体化されるようになっているので、小型化を図ることができる。
特に、水晶フィルタはSAWフィルタより遙かに小型軽量であるため、小型化に向いており、本システムにおける子機の小型化を実現できるものである。
【0061】
次に、本システムにおける親機10とカーナビゲーションシステム6を備える車載側に構成の一実施例について図6を参照しながら説明する。図6は、本システムの車載側装置の一実施例を示す構成ブロック図である。
本システムの車載側装置は、図6に示すように、各装置が車載LAN網で接続され、更に各装置は、電子制御装置(ECU:Electric Control Unit)とインタフェース部(I/F部)を介してLAN網に接続している。
【0062】
例えば、ECU1は、ドアロック、照明、パワーウインドウ等の装置に接続し、ECU2は、衝突センサ、ABS(Antilock Brake System)等の装置に接続し、ECU3は、エンジン、トランスミッション等の装置に接続している。具体的には、各装置に対してセンサが設けられ、各装置の状態を子機10′からの要求によりLAN網を介して親機10に出力し、子機10′に送信する。ただ、ドアロック、照明、パワーウインドウ等、更にエンジンについては、子機10′からの遠隔操作によって動作させることが可能である。
【0063】
また、カーナビゲーションシステム6は、I/F部を介してECU0に接続し、親機10も車載LAN I/F部9で制御部4を車載LAN網に接続している。
カーナビゲーションシステム6は、ハードディスク又はDVD等に情報を記憶し、更にインターネットを経由して最新の情報を取得して蓄積することが可能なものである。
【0064】
そのように取得された情報に対して、親機10の制御部4は、特定範囲の情報、例えば、車両の現在位置から半径3km以内の施設・建物の情報、その範囲内で開催されるイベントの情報等を要求し、カーナビゲーションシステム6から入力されたデータを親機10のメモリ5に格納する。メモリ5に格納されたデータの一部又は全部が子機10′に送信されてダウンロードされる。
【0065】
次に、本システムの動作処理について図2,3及び図7を参照しながら説明する。図7は、本システムの子機における表示例を示す概略図である。
まず、親機10のメモリ5への情報格納の処理について説明する。情報格納処理については種々の方法が考えられる。
第1に、利用者が子機10′から特定地域に関する情報取得を親機10に要求した場合は、親機10の制御部4は、カーナビゲーションシステム6にその特定地域に関する情報の送出要求を出力する。そして、カーナビゲーションシステム6は、関連する情報を取得して親機10に出力する。親機10の制御部4は、入力された情報をメモリ5に格納する。
【0066】
第2に、車両が停止し、エンジンがオフとなった場合に、親機10の制御部4がその状態を検出し、カーナビゲーションシステム6に現在位置に対する特定範囲の情報の送出要求を出力する。そして、カーナビゲーションシステム6は、現在位置に対して関連する情報を取得して親機10に出力する。親機10の制御部4は、入力された情報をメモリ5に格納する。
【0067】
第3に、車両が停止し、エンジンがオフとなった場合に、カーナビゲーションシステム6が、自発的に現在位置に対して特定範囲の情報を取得して親機10に出力する。親機10の制御部4は、入力された情報をメモリ5に格納する。
上記第2,3の処理で、特定範囲の情報は、予め現在位置から、例えば半径3kmと設定しておくものである。
尚、上記第1〜3の処理を行うために、親機10の制御部4及びカーナビゲーションシステム6において、上記処理を実行するプログラムが動作可能となっている。
【0068】
メモリ5に情報を格納した後、親機10の制御部4は、格納したデータの一部又は全部を信号処理部2、無線部1、アンテナ部3を介して子機10′に送信し、ダウンロードする。
子機10′の制御部4′は、アンテナ部3′、無線部1′、信号処理部2′を介して親機10からのデータを受信して入力し、メモリ5′に格納する。
その後、制御部4′は、伝達手段8からの指示によりメモリ5′に格納されたデータを検索して通知手段7に表示出力する。
【0069】
尚、図7には、子機10′(図では「キーカード」と呼ぶ)に、例えば、美術館の情報として、地図と開催内容を表示した例を示している。
図7では、表示部が通知手段7に相当し、2つのボタン、上下左右への矢印キーが伝達手段8に相当している。
【0070】
また、子機10′のメモリ5′にダウンロードされたデータが、親機10のメモリ5に格納されたデータの一部である場合に、子機10′からデータ送信要求の処理について説明する。
子機10′の伝達手段8からの指示で、メモリ5′内のデータを検索した結果、表示させたいデータがメモリ5′内に格納されていない場合は、伝達手段8は目的のデータ取得の指示を入力すると、制御部4′は、当該データの送信要求を信号処理部2′、無線部1′、アンテナ部3を介して親機10に送信する。
【0071】
親機10の制御部4は、アンテナ部3、無線部1、信号処理部2を介して受信した子機10′からのデータ送信要求を入力し、目的のデータをメモリ5から検索を行い、検索されたデータを信号処理部2、無線部1、アンテナ部3を介して子機10′に送信する。
子機10′の制御部4′は、アンテナ部3′、無線部1′、信号処理部2′を介して受信した親機10からのデータを入力し、メモリ5′に格納すると共に通知手段7に当該データを表示出力する。
【0072】
このように、子機10′のメモリ5′に一部のデータのみをダウンロードするのは、親機10から子機10′への伝送量を減らすことで、伝送効率を向上させ、更に子機10′のメモリ5′の記憶容量を小さくしてコストを削減できる効果がある。
更に、子機10′と親機10との通信距離が最大150mとなったため、車両を離れてからの子機10′と親機10との間のデータ送受信がより現実的に可能となったものである。
【0073】
本システムによれば、カーナビゲーションシステム6等の車載の情報機器で取得した情報を子機10′の通知手段7で閲覧可能としたことで、車外でもその情報を参照でき、利用者の利便性を向上させることができる効果がある。
【0074】
また、本システムによれば、通信距離最大150m程度で、子機と親機との間を双方向通信としているので、子機10′と親機10をキーレスエントリシステムとして利用できると共に、子機10′を情報表示装置としても利用でき、更なる利便性を向上させることができる効果がある。
【0075】
特に、無線部1,1′のアンテナフィルタに狭帯域な水晶フィルタを用いて受信感度を高め、従来のキーレスエントリシステムと比べて長い通信距離を実現し、更にSS方式を採用することで、長い通信距離であっても干渉に強い実用的な無線システムにすることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、子機と親機との間の通信距離150m程度で、双方向通信を可能とし、キーレスエントリシステムを用いて、カーナビゲーションシステムで得られた情報を子機にて参照可能とする情報共有システムに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報共有システムの概略構成図である。
【図2】本システムの親機の構成ブロック図である。
【図3】本システムの子機の構成ブロック図である。
【図4】無線部1の構成ブロック図である。
【図5】信号処理部2の構成ブロック図である。
【図6】本システムの車載側装置の一実施例を示す構成ブロック図である。
【図7】本システムの子機における表示例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0078】
1,1′…無線部、 2,2′…信号処理部、 3,3′…アンテナ部、 4,4′…制御部、 5,5′…メモリ、 6…カーナビゲーションシステム、 7…通知手段、 8…伝達手段、 9…車載LAN I/F部、 10…親機、 10′…子機、 11…バンドパスフィルタ(BPF)、 12…パワーアンプ(PA)、 13…低雑音増幅器(LNA)、 14…スイッチ(SW)、 15…スイッチ(SW)、 16…バンドパスフィルタ(BPF)、 17…スイッチ(SW)、 18…発振器(OSC)、 19…受信ミキサ、 20…ローパスフィルタ(LPF)、 21…可変利得増幅器(AGC)、 22…ローパスフィルタ(LPF)、 23…送信ミキサ、 31…アナログ/デジタル変換器(A/D)、 32…キャリア復調回路、 33…AGC制御回路、 34…キャリアデータ生成回路、 35…拡散符号生成回路、 36…逆拡散回路、 37…同期回路、 38…BPSK復調回路、 39…データ受信回路、 40…データ生成回路、 41…拡散回路、 42…BPSK変調回路、 43…波形整形回路、 44…キャリア変調回路、 45…デジタル/アナログ変換器(D/A)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯性を備える子機と、車載の親機とを有し、両機器を無線通信で接続するキーレスエントリシステムを用いた情報共有システムであって、
情報を記憶すると共に情報を取得する車載の情報機器を備え、
前記親機は、前記情報機器から特定地域に関する情報の提供を受けて、当該情報を記憶部に格納し、前記記憶部に格納した情報を前記子機にダウンロードするために送信し、
前記子機は、前記親機から送信された情報を受信して記憶部に格納してダウンロードを行い、ダウンロードされた情報を通知手段に提供可能としたことを特徴とする情報共有システム。
【請求項2】
情報機器は、車両の位置検出の機能を備え、車両が停止した位置を検出し、停止位置から特定範囲内の地域に関する情報を提供することを特徴とする請求項1記載の情報共有システム。
【請求項3】
親機は、車両の停止を検出し、情報機器に車両停止位置から特定範囲内の地域に関する情報の提供を要求し、
前記情報機器は、前記親機からの要求に基づいて情報の提供を行うことを特徴とする請求項2記載の情報共有システム。
【請求項4】
親機は、記憶部に格納した情報の内、一部の情報を子機にダウンロードし、前記子機からダウンロードされていない情報の送信要求を受けると、当該情報を前記子機に送信し、
前記子機は、ダウンロードされていない情報の送信を前記親機に要求し、前記親機から送信された情報を受信して記憶部に格納し、当該情報を通知手段に提供可能としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の情報共有システム。
【請求項5】
子機にダウンロードする一部の情報は、前記子機での検索用のデータであることを特徴とする請求項4記載の情報共有システム。
【請求項6】
子機及び親機における無線機のアンテナフィルタとして、狭帯域の水晶フィルタを用い、通信方式を素ペクトラム拡散方式として、高周波の微弱電波で、子機と親機との間を双方向通信としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の情報共有システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−123738(P2006−123738A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315093(P2004−315093)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】