説明

車載経路誘導装置

【課題】地震が発生した後に、迅速な避難行動を行えるようにする。
【解決手段】車載ナビゲーション装置1は、P波の観測地への到達を検出した直後に、地震センター13から取得した地震情報に基づいて自車両が現在位置で災害を被る可能性が有るか否かを判定し、自車両が現在位置で災害を被る可能性が有る旨を判定すると、地震センター13から取得した現在位置周辺の防災地図情報に基づいて地震発生に伴う災害を回避し得る安全区域を特定し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行う。地震波(P波及びS波)が震源で発生してからP波が観測地に到達するまでの時間とS波が観測地に到達するまでの時間との時間差(初期微動継続時間)の中で避難行動を開始できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置から目的地までの経路を探索して経路案内を行う機能を備えてなる車載経路誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地震が発生したときに当該地震発生に伴う災害を回避し得る安全区域に避難することができるように、センターから緊急情報を受信すると、現在位置から安全区域までの経路を探索して経路案内を行い、車両を安全区域に誘導するように構成されてなる車載ナビゲーション装置が供されている(例えば特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2005−321323号公報
【特許文献2】特開2006−292402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した特許文献1,2に記載されているものは、地震波のうちS波が観測地に到達した後にセンターから緊急情報を受信し、現在位置から安全区域までの経路を探索して経路案内を行う構成であるので、経路案内を開始する時点では既に主要動(大きな揺れ)が発生しており、主要動が発生した中で避難行動を開始せざるを得ず、安全を十分に確保するという点で改善する余地があった。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、地震が発生した後に、迅速な避難行動を可能とする車載経路誘導装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した発明によれば、制御手段は、P波の観測地への到達をP波到達検出手段が検出すると、その直後に、地震情報取得手段が取得した地震情報に基づいて自車両が現在位置で災害を被る可能性が有るか否かを判定する。そして、制御手段は、自車両が現在位置で災害を被る可能性が有る旨を判定すると、防災地図情報取得手段が取得した現在位置周辺の防災地図情報に基づいて地震発生に伴う災害を回避し得る安全区域を特定し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行う。
【0006】
これにより、従来のものとは異なって、地震波のうちS波が観測地に到達した直後に現在位置から安全区域までの経路案内を開始するのではなく、地震波のうちP波が観測地に到達した直後に現在位置から安全区域までの経路案内を開始することにより、地震波(P波及びS波)が震源で発生してからP波が観測地に到達するまでの時間とS波が観測地に到達するまでの時間との時間差(初期微動継続時間)の中で、つまり、主要動が発生する前に避難行動を開始することができ、迅速な避難行動を可能とすることができる。
【0007】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、自車両が現在位置で災害を被る可能性が有る旨を判定すると、現在位置特定手段が特定した現在位置から所定目的地までの経路案内中であるか否かを判定し、経路案内中である旨を判定すると、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し、防災地図情報取得手段が取得した現在位置周辺の防災地図情報に基づいて地震発生に伴う災害を回避し得る安全区域を特定し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行う。これにより、現在位置から所定目的地までの経路案内中であれば、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し、現在位置から安全区域までの経路案内を優先して行うことができる。
【0008】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、自車両が現在位置で災害を被る可能性が無い旨を判定すると、現在位置特定手段が特定した現在位置から所定目的地までの経路案内中であるか否かを判定し、経路案内中である旨を判定すると、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が有るか否かを判定し、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が有る旨を判定すると、このときにも、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し、防災地図情報取得手段が取得した現在位置周辺の防災地図情報に基づいて地震発生に伴う災害を回避し得る安全区域を特定し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行う。これにより、自車両が現在位置で災害を被る可能性が無くても、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が有れば、このときも、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し、現在位置から安全区域までの経路案内を優先して行うことができる。
【0009】
請求項4に記載した発明によれば、制御手段は、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が無い旨を判定すると、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断することなく継続して行うので、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が無ければ、現在位置から所定目的地までの経路案内を中断することなく継続して行うことができる。
【0010】
請求項5に記載した発明によれば、制御手段は、複数の安全区域が存在すると、それら複数の安全区域のうち現在位置からの移動距離が最短の安全区域を選択して特定するので、現在位置からの移動距離が最短の安全区域までの経路案内を行うことができる。
【0011】
請求項6に記載した発明によれば、制御手段は、複数の安全区域が存在すると、渋滞データ取得手段が取得した渋滞データを参照し、それら複数の安全区域のうち現在位置を出発して到着すると予想される到着予想時刻が最近の安全区域を選択して特定するので、現在位置を出発して到着すると予想される到着予想時刻が最近の安全区域までの経路案内を行うことができる。
【0012】
請求項7に記載した発明によれば、制御手段は、複数の安全区域が存在すると、地図データ取得手段が取得した地図データを参照し、それら複数の安全区域のうち現在位置から所定条件を満たす経路を経由する安全区域を選択して特定するので、所定条件として倒壊の危険性が有る道路(例えば高速道路などの高架道路や橋に連結する道路)を避ける条件を設定しておくことにより、その倒壊の危険性が有る道路を避ける経路を経由する安全区域までの経路案内を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、車載ナビゲーションシステムの全体構成を機能ブロック図により示している。車載ナビゲーション装置1は、制御部2(本発明でいう現在位置特定手段、制御手段、P波到達検出手段)、位置検出部3、Bluetooth通信モジュール4(本発明でいう地震情報取得手段、防災地図情報取得手段)、データ通信モジュール5(本発明でいう地震情報取得手段、防災地図情報取得手段)、表示部6、音声出力部7、記憶部8、地図データ入力部9(本発明でいう地図データ取得手段)及びVICS(登録商標)受信機10(本発明でいう渋滞データ取得手段)を備えて構成されている。
【0014】
制御部2は、CPU、RAM、ROM及びI/Oバスを有し、制御プログラムを実行して装置全体の動作を制御する。位置検出部3は、加速度を検出するGセンサ3a、ジャイロスコープ3b、移動距離を検出する距離センサ3c、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信するGPS受信機3dを備えて構成され、これらの各構成要素は互いに性質の異なる検出誤差を有している。制御部2は、これら各構成要素から入力した検出信号を互いに補完して現在位置を検出(特定)する。この場合、位置検出器3は、要求される検出精度で現在位置を検出可能であれば、これら全ての構成要素を備える必要はなく、また、ステアリングの舵角を検出するステアリングセンサや各車輪の回転を検出する車輪センサなどが組合わされて構成されていても良い。
【0015】
Bluetooth通信モジュール4は、路上に設置されている路上機11との間でBluetooth通信を行い、データ通信モジュール5は、基地局12との間で広域無線通信を行う。表示部6は、例えばカラー液晶ディスプレイから構成され、メニュー表示選択画面などの各種の表示画面を表示したり、制御部2が経路案内中にあるときには現在位置を表す現在位置マークや走行軌跡などを地図データの地図上に重ねて表示したりする。尚、表示部6は、有機ELやプラズマディスプレイなどから構成されていても良い。音声出力部7は、スピーカから構成され、制御部2が経路案内中にあるときには経路案内メッセージを音声出力する。記憶部8は、各種情報を記憶する。地図データ入力部9は、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードまたはHDDなどの記録媒体を装着し、装着している記録媒体から地図データを入力する。VICS受信機10は、VICS情報を管理するセンター装置から配信されたVICS情報を受信する。
【0016】
上記した制御部2は、その機能毎に、現在位置と地図データ入力部9から入力した地図データとを照合して現在位置を道路リンク上にマップマッチングするマップマッチング部2a、現在位置からユーザが設定した目的地までの経路を探索する経路探索部2b、経路探索部2bが探索した経路及び地図データに含まれている道路データや交差点の位置データなどに基づいて経路案内に必要な地点を算出して経路案内を行う経路案内部2c、現在位置周辺の地図や高速道路の略図や交差点付近の拡大図などを描画する描画部2dなどを備えて構成されている。また、上記した車載ナビゲーション装置1は、これら各機能ブロックの他に、ユーザが操作する操作スイッチ部、音声を入力する音声入力部、音声を音声認識する音声認識部などをも備えて構成されている。
【0017】
地震センター13は、各地に点在する地震計14を接続している。地震計14は、地震が発生したことに応じて震源で発生された地震波(P波・S波)が到達すると、地震波が到達したことを表す地震波到達信号(P波到達信号・S波到達信号)を地震センター13に送信し、地震センター13は、地震計から地震波到達信号を受信すると、地震波到達信号を通信網15を介して路上機11及び基地局12に配信し、地震波到達信号を路上機11及び基地局12から配信させる。ここで、P波及びS波は震源で同時に発生するが、縦波であるP波が地層内を伝達する速度は横波であるS波が地層内を伝達する速度よりも速く、震源で発生した地震波のうちP波が地震計14に到達する時刻とS波が地震計14に到達する時刻とでは前者が後者よりも速い。したがって、地震センター13は、P波到達信号を路上機11及び基地局12から送信させた後に、S波到達信号を路上機11及び基地局12か配信させることになり、その時間差はいわゆる初期微動継続時間に対応する時間である。また、地震センター13は、各地の地震計14から受信した地震波到達信号を解析して地震情報(震源地、震源の深さ、マグニチュード、各地の震度など)を生成し、その生成した地震情報を通信網15を介して路上機11及び基地局12に配信し、地震情報を路上機11及び基地局12から配信させる。
【0018】
路上機11及び基地局12は、その設置されている設置場所を含む地域の防災地図情報、つまり、ローカルな防災地図情報を記憶保持しており、地震センター13から受信した地震情報を配信すると同時に防災地図情報をも配信する。防災地図情報は、いわゆる周知の防災マップが電子化された防災地図データであり、更新可能な地図データである。
【0019】
次に、上記した構成の作用について、図2ないし図6を参照して説明する。尚、ここでは、Bluetooth通信モジュール4及びデータ通信モジュール5が常時活性状態にあり、車載ナビゲーション装置1を搭載した車両が路上機11により形成されるBluetooth通信圏内を走行しているときにはBluetooth通信モジュール4が路上機11との間でBluetooth通信回線を自動接続し、車載ナビゲーション装置1を搭載した車両が基地局12により形成される広域通信圏内を走行しているときにはデータ通信モジュール5が基地局12との間で広域通信回線を自動接続することを前提として説明する。
【0020】
車載ナビゲーション装置1において、制御部2は、P波到達信号をBluetooth通信モジュール4及びデータ通信モジュール5のいずれかにより受信したか否かを監視している(ステップS1)。ここで、制御部2は、P波到達信号をBluetooth通信モジュール4及びデータ通信モジュール5のいずれかにより受信した旨を判定すると(ステップS1にて「YES」)、位置検出部3の各構成要素から入力した検出信号に基づいて現在位置を検出し(ステップS2)、地震情報及び防災地図情報をBluetooth通信モジュール4及びデータ通信モジュール5のいずれかにより受信したか否かを判定すると共に(ステップS3)、P波到達信号を受信してから予め規定されている所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。
【0021】
ここで、制御部2は、P波到達信号を受信してから予め規定されている所定時間が経過する前に地震情報及び防災地図情報をBluetooth通信モジュール4及びデータ通信モジュール5のいずれかにより受信した旨を判定すると(ステップS3にて「YES」)、その受信した地震情報を解析し、現在位置で災害を被る可能性が有るか否かを判定する(ステップS5)。つまり、制御部2は、震源地、震源の深さ、マグニチュード、各地の震度などを総合的に判断し、現在位置で災害を被る可能性が有るか否かを判定する。
【0022】
そして、制御部2は、地震センター13から受信した地震情報を解析した結果として現在位置で災害を被る可能性が有る旨を判定すると(ステップS5にて「YES」)、その受信した防災地図情報を参照し、災害を回避し得る安全区域を特定する(ステップS6)。このとき、制御部2は、複数の安全区域が存在すれば、現在位置からの移動距離が最短の安全区域を選択して特定しても良いし、例えばVICS受信機10により受信したVICS情報に含まれる渋滞データを考慮し、現在位置を出発して到着すると予想される到着予想時刻が最近の安全区域を選択して特定しても良いし、記録媒体から地図データ入力部9により入力した地図データに含まれる道路データを考慮し、倒壊の危険性が有る道路(例えば高速道路などの高架道路や橋に連結する道路)を避けた経路を経由する安全区域を選択して特定しても良い。また、制御部2は、これら移動距離、到着予想時刻及び道路条件を総合的に判断し、安全区域を選択して特定しても良い。
【0023】
そして、制御部2は、その時点でユーザが設定した現在位置から所定目的地までの経路案内中であるか否かを判定し(ステップS7)、現在位置から所定目的地までの経路案内中でない旨を判定すると(ステップS7にて「NO」)、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索し、現在位置から安全区域までの経路案内を行い(ステップS9)、一方、現在位置から所定目的地までの経路案内中である旨を判定すると(ステップS7にて「YES」)、現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し(ステップS8)、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索し、現在位置から安全区域までの経路案内を行う(ステップS9)。
【0024】
すなわち、制御部2は、図3に示すように、現在位置から所定目的地までの経路案内の表示画面(誘導経路を太線にて示す)を表示部6に表示させている状態にあるときに、P波到達信号を受信したことに伴って安全区域を特定すると、図4に示すように、例えば「地震が発生しました 安全な場所に誘導します」という避難誘導メッセージを表示部6に表示させた後に、図5に示すように、現在位置から安全区域までの経路案内の表示画面を表示部6に表示させる。このとき、制御部2は、経路案内先をユーザが設定した所定目的地から安全区域に変更したことに伴って移動距離及び到着予想時刻を再計算して表示させる。また、制御部2は、図6に示すように、安全区域の大まかな位置をユーザに理解させるべく現在位置と安全区域(「G」にて示す)とを同時に表示可能となる地図縮尺に自動切替して表示させても良い。
【0025】
また、制御部2は、現在位置から安全区域までの経路案内の表示画面を表示部6に表示させると同時に、現在位置に応じてユーザにとって有益な情報を表示させても良い。例えば現在位置が市街地であれば、現在位置の周辺に立設されている建造物に関する情報(高さなど)を表示させたり、現在位置がトンネル内であれば、トンネルの出口までの距離を表示させたり、現在位置が高速道路上であれば、最寄りのインターチェンジやサービスエリアまでの距離を表示させたりしても良い。
【0026】
また、制御部2は、現在位置で災害を被る可能性が無い旨を判定すると(ステップS5にて「NO」)、このときも、その時点でユーザが設定した現在位置から所定目的地までの経路案内中であるか否かを判定し(ステップS10)、現在位置から所定目的地までの経路案内中である旨を判定すると(ステップS10にて「YES」)、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が有るか否かを判定する(ステップS11)。
【0027】
そして、制御部2は、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が有る旨を判定すると(ステップS11にて「YES」)、この場合も、その受信した防災地図情報を参照し、経路途中でも災害を回避し得る安全区域を特定し(ステップS12)、現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し(ステップS13)、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索し、現在位置から安全区域までの経路案内を行う(ステップS14)。
【0028】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載ナビゲーション装置1において、P波の観測地への到達を検出した直後に、地震センター13から取得した地震情報に基づいて自車両が現在位置で災害を被る可能性が有るか否かを判定し、自車両が現在位置で災害を被る可能性が有る旨を判定すると、地震センター13から取得した現在位置周辺の防災地図情報に基づいて地震発生に伴う災害を回避し得る安全区域を特定し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行うように構成したので、地震波(P波及びS波)が震源で発生してからP波が観測地に到達するまでの時間とS波が観測地に到達するまでの時間との時間差(初期微動継続時間)の中で避難行動を開始することができ、迅速な避難行動を可能とすることができる。
【0029】
また、現在位置から所定目的地までの経路案内中である旨を判定すると、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行うように構成したので、現在位置から安全区域までの経路案内を優先して行うことができる。
【0030】
また、自車両が現在位置で災害を被る可能性が無い旨を判定し、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が有る旨を判定すると、このときにも、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行うように構成したので、自車両が現在位置で災害を被る可能性が無くても、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が有れば、このときも、現在位置から安全区域までの経路案内を優先して行うことができる。
【0031】
また、複数の安全区域が存在するときに、それら複数の安全区域のうち現在位置からの移動距離が最短の安全区域を選択して特定するように構成すれば、その現在位置からの移動距離が最短の安全区域までの経路案内を行うことができ、現在位置を出発して到着すると予想される到着予想時刻が最近の安全区域を選択して特定ように構成すれば、その現在位置を出発して到着すると予想される到着予想時刻が最近の安全区域までの経路案内を行うことができ、例えば倒壊の危険性が有る道路を経由する安全区域を選択して特定するように構成すれば、その倒壊の危険性が有る道路を避けた経路を経由する安全区域までの経路案内を行うことができる。
【0032】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
車載ナビゲーション装置1を搭載した車両が基地局12により形成される広域通信圏内を走行しているときにデータ通信モジュール5が基地局12との間で広域通信回線を自動接続する構成に限らず、通信コストを削減すると共に周波数帯域の占有を回避するために、車載ナビゲーション装置1を搭載した車両が基地局12により形成される広域通信圏内を走行しているときにP波到達信号を受信した旨をトリガとしてデータ通信モジュール5が基地局12との間で広域通信回線を自動接続する構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】フローチャート
【図3】表示画面の一例を示す図
【図4】図3相当図
【図5】図3相当図
【図6】図3相当図
【符号の説明】
【0034】
図面中、1は車載ナビゲーション装置(車載経路誘導装置)、2は制御部(現在位置特定手段、制御手段、P波到達検出手段)、4はBluetooth通信モジュール(地震情報取得手段、防災地図情報取得手段)、5はデータ通信モジュール(地震情報取得手段、防災地図情報取得手段)、9は地図データ入力部(地図データ取得手段)、10はVICS受信機(渋滞データ取得手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記現在位置特定手段が特定した現在位置から目的地までの経路を探索して経路案内を行う制御手段とを備えた車載経路誘導装置であって、
地震波のうちP波が観測地に到達した旨を検出するP波到達検出手段と、
地震情報を取得する地震情報取得手段と、
防災地図情報を取得する防災地図情報取得手段とを備え、
前記制御手段は、P波の観測地への到達を前記P波到達検出手段が検出した直後に、前記地震情報取得手段が取得した地震情報に基づいて自車両が現在位置で災害を被る可能性が有るか否かを判定し、自車両が現在位置で災害を被る可能性が有る旨を判定したときには、前記防災地図情報取得手段が取得した現在位置周辺の防災地図情報に基づいて地震発生に伴う災害を回避し得る安全区域を特定し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行うことを特徴とする車載経路誘導装置。
【請求項2】
請求項1に記載した車載経路誘導装置において、
前記制御手段は、自車両が現在位置で災害を被る可能性が有る旨を判定したときには、前記現在位置特定手段が特定した現在位置から所定目的地までの経路案内中であるか否かを判定し、経路案内中である旨を判定したときに、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し、前記防災地図情報取得手段が取得した現在位置周辺の防災地図情報に基づいて地震発生に伴う災害を回避し得る安全区域を特定し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行うことを特徴とする車載経路誘導装置。
【請求項3】
請求項2に記載した車載経路誘導装置において、
前記制御手段は、自車両が現在位置で災害を被る可能性が無い旨を判定したときには、前記現在位置特定手段が特定した現在位置から所定目的地までの経路案内中であるか否かを判定し、経路案内中である旨を判定したときに、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が有るか否かを判定し、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が有る旨を判定したときにも、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断し、前記防災地図情報取得手段が取得した現在位置周辺の防災地図情報に基づいて地震発生に伴う災害を回避し得る安全区域を特定し、現在位置から当該特定した安全区域までの経路を探索して経路案内を行うことを特徴とする車載経路誘導装置。
【請求項4】
請求項3に記載した車載経路誘導装置において、
前記制御手段は、現在位置から所定目的地までの経路途中で災害を被る可能性が無い旨を判定したときには、その現在位置から所定目的地までの経路案内を中断することなく継続して行うことを特徴とする車載経路誘導装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載した車載経路誘導装置において、
前記制御手段は、複数の安全区域が存在するときには、それら複数の安全区域のうち現在位置からの移動距離が最短の安全区域を選択して特定することを特徴とする車載経路誘導装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載した車載経路誘導装置において、
渋滞データを取得する渋滞データ取得手段を備え、
前記制御手段は、複数の安全区域が存在するときには、前記渋滞データ取得手段が取得した渋滞データを参照し、それら複数の安全区域のうち現在位置を出発して到着すると予想される到着予想時刻が最近の安全区域を選択して特定することを特徴とする車載経路誘導装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれかに記載した車載経路誘導装置において、
地図データを取得する地図データ取得手段を備え、
前記制御手段は、複数の安全区域が存在するときには、前記地図データ取得手段が取得した地図データを参照し、それら複数の安全区域のうち現在位置から所定条件を満たす経路を経由する安全区域を選択して特定することを特徴とする車載経路誘導装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−36621(P2009−36621A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200837(P2007−200837)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】