説明

車載装置及び道路状況表示方法

【目的】 以前に通過したことがある地点の現在の道路状況を画像で表示し、かつ、現在の道路状況と前記通行時の道路状況を比較できるようにする「車載装置及び道路状況表示方法」を提供することである。
【構成】 所定の車両通過地点の道路状況画像をカメラ16で撮影し、該通過地点の道路状況画像を該地点の位置データに対応させてドライブレコーダ17に保存しておく。そして、後日、ナビゲーション制御部11により所定の目的地までの経路を探索したとき、該探索経路上に前記保存してある地点が存在するか調べる。探索経路上に前記保存してある地点が存在すれば、車載機制御部15は外部より通信により該地点の最近の道路状況画像を取得して表示すると共に、前記保存されている該地点通過時に撮影した道路状況画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載装置及び道路状況表示方法に係わり、特に以前に通過したときの通過地点の道路状況と最近の(現在を含む)道路状況とを並べて表示する車載装置及びその道路状況表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車載装置としてのナビゲーション装置は、自動車位置マークと自動車位置周辺の地図をスクリーンに表示すると共に目的地までの誘導経路を描画地図上に表示し、該地図及び誘導経路を自動車の走行に応じてスクロール表示する。ナビゲーション装置を搭載した車の運転には地図帳が不要となり運転が大幅に楽になる。
ところで、以前に通過したことがある工事地点を再度通る場合、運転者は、最新の該工事地点の詳細情報を取得できないため、該地点を通るか否かを決めるに際して不安を感じることが多い。具体的には、
・該工事地点が、以前走行した時に工事渋滞にはまった場所であるか記憶が定かでなく、該工事地点を通るのに不安を感じることがある。すなわち、工事渋滞にはまった場所であると確かに記憶していれば、該工事地点を回避できるが、記憶が定かでないため、該工事地点を通るのに不安を感じる。また、
・工事地点が、以前走行した時と工事規模に変化があるのか分からず、該地点を通るのに不安を感じる。すなわち、前回通過したとき、小規模な工事であったため工事渋滞なく通過できたが、現在工事規模が大きくなって工事渋滞が発生しているのかわからないため不安を感じる。
【0003】
工事地点情報などを外部より取得して描画地図上にアイコン表示する機能を備えたナビゲーション装置がある。しかし、アイコン表示だけでは現在の工事の詳細がわからず、また本当に通れるのか否かについて不安を感じる。
また、従来技術として往路通行時に交差点を通過したときに該交差点の風景を車両後部から撮影して保存しておき、復路走行時に保存してある風景を描画し、あるいは該風景中に存在する標識を識別して該標識に応じて左折禁止、進入禁止などの注意を運転者にする車両走行誘導装置がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−186047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術は往復通行する際に有効なものであり、しかも、以前に通行した工事地点の最近の詳細情報を提供するものではない。
以上から本発明の目的は、以前に通過したことがある地点の最近の道路状況を表示し、かつ、最近の道路状況と前記通行時の道路状況を比較できるようにし、さらには、的確に該地点を通行すべきか否かを決定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は本発明によれば、道路状況を表示する車載装置及びその道路状況表示方法により達成される。
本発明の第1の車載装置は、所定の車両通過地点の道路状況を取得する道路状況取得部、該通過地点の道路状況を示す情報を該地点の位置データに対応させて保存する保存部、指定された地点の道路状況情報を外部より通信により取得する通信部、所定の地点の道路状況情報の表示が要求されたとき、外部より該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存部に保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示する制御部を備えている。
本発明の第2の車載装置は、所定の車両通過地点の道路状況を取得する道路状況取得部、該通過地点の道路状況を示す情報を該地点の位置データに対応させて保存する保存部、指定された地点の道路状況情報を外部より通信により取得する通信部、目的地までの経路を探索し、該探索経路上に前記保存してある地点が存在するとき、外部より該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存部に保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示する制御部を備えている。
上記第1、第2の車載装置において、前記道路状況取得部は、車両通過地点の道路状況画像を撮影するカメラであり、前記道路状況情報は道路状況画像である。あるいは、前記道路状況取得部は、外部から送信されている車両通過地点における工事情報を取得する工事情報取得部であり、前記道路状況情報は工事情報である。
本発明の第1の道路状況表示方法は、所定の車両通過地点の道路状況を取得するステップ、該通過地点の道路状況情報を該地点の位置データに対応させて保存するステップ、所定地点の道路状況情報の表示が要求されたとき、外部より通信により該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示するステップを備えている。
本発明の第2の道路状況表示方法は、所定の車両通過地点の道路状況を取得するステップ、該通過地点の道路状況情報を該地点の位置データに対応させて保存するステップ、 目的地までの経路を探索するステップ、該探索経路上に前記保存してある地点が存在するとき、外部より通信により該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示するステップを備えている。
上記第1、第2の道路状況表示方法において、前記道路状況情報は、カメラで撮影した車両通過地点の道路状況画像、あるいは、外部から受信した車両通過地点における工事情報である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、所定の車両通過地点の道路状況を取得し、該通過地点の道路状況情報を該地点の位置データに対応させて保存し、所定地点の道路状況情報の表示が要求されたとき、外部より通信により該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示するようにしたから、要求により以前に通過したことがある地点の最近の道路状況を表示でき、かつ、最近の道路状況と前記通行時の道路状況を比較することができ、的確に該地点を通行すべきか否かを決定することができる。また、前記道路状況情報を画像とすることにより、道路状況を画像で表示でき、かつ、最近の道路状況と前記通行時の道路状況を容易に比較することができる。また、前記道路状況情報を外部装置から受信した車両通過地点における工事情報とすることにより、工事の有無、状況を確実に入手して表示することができる。
また、本発明によれば、所定の車両通過地点の道路状況を取得し、該通過地点の道路状況情報を該地点の位置データに対応させて保存し、目的地までの経路を探索し、該探索経路上に前記保存してある地点が存在するとき、外部より通信により該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示するようにしたから、誘導系路上の以前に通過したことがある地点の最近の道路状況を表示でき、かつ、最近の道路状況と前記通行時の道路状況を比較することができ、的確に該地点を通行すべきか否かを決定することができる。また、前記道路状況情報を画像とすることにより、道路状況を画像で表示でき、かつ、最近の道路状況と前記通行時の道路状況を容易に比較することができる。また、前記道路状況情報を外部装置から受信した車両通過地点における工事情報とすることにより、工事の有無、状況を確実に入手して表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
所定の車両通過地点の道路状況画像を撮影し、該通過地点の道路状況画像を該地点の位置データに対応させて保存しておく。そして、後日、所定の目的地までの経路を探索したとき、該探索経路上に前記保存してある地点が存在するか調べる。探索経路上に前記保存してある地点が存在すれば、外部より通信により該地点の最近の道路状況画像を取得して表示すると共に、前記保存されている該地点通過時に撮影した道路状況画像を表示する。このようにすれば、誘導系路上の以前に通過したことがある地点の最近の道路状況を画像で表示でき、かつ、最近の道路状況と前記通行時の道路状況を比較することができる。
【実施例1】
【0008】
・車載装置の構成
図1は本発明の車載装置の構成図であり、ナビゲーション制御部11は自動車位置周辺の地図及び自動車位置を示す自動車位置マークを表示装置12のスクリーンに表示すると共に目的地までの誘導経路を探索して描画地図上に表示し、地図及び誘導経路を自動車の走行に応じてスクロール表示する。地図メモリ部13はハードディスク、DVDディスク等の地図記憶媒体に地図を保存し、適宜読み出してナビゲーション制御部11に入力するようになっている。位置計算部14は走行距離センサーやジャイロなどの自立走行センサー及びGPSを備え、これらより得た信号を用いて自動車位置を計算してナビゲーション制御部11に入力する。
車載機制御部15は、車載機全体を制御すると共に、(1)カメラ16から取り込んだ通過地点の道路状況画像を通過地点の位置データに対応させてドライブレコーダ17に書き込み、(2)また、外部通信装置18を介して外部装置より通信により所定地点の最近の道路情報(道路状況画像、工事中の有無データを含む)を取得して表示装置12に表示する。図2はドライブレコーダ17における道路情報保存例であり、データ記憶部17aと画像記憶部17bで構成され、データ記憶部17aには、通過地点の位置データ(経緯度)、撮影日時、道路状況画像の記憶位置を示す画像ポインタが記憶され、画像記憶部17bにはカメラで取り込んだ道路状況画像が記憶されている。
操作部19はナビゲーション制御用の各種入力操作を行うと共に、カメラ16による通過地点の道路状況画像の取り込み要求や所定地点の最近及び登録時の道路状況表示を要求する。画像撮影処理部20は車載機制御部15からの指示によりカメラ16を制御して道路状況画像を取得し、該道路状況画像に画像処理を施して車載機制御部15に入力する。
ナビゲーション制御部11、表示装置12、車載機制御部15、操作部19はバス21に接続されている。なお、図示しないが、ハンズフリー電話装置やオーディオ装置もバス21に接続され、表示部12および操作部19を共用するようになっている。
【0009】
・外部通信
外部通信装置18はインターネット通信、あるいは車々間通信(無線LAN等により車と車との間で行う通信)により外部装置より所定地点の最近(現在を含む)の道路情報を取得する。図3は最近の道路情報を取得する通信方法の説明図であり、図3(A)は、車載機CMMが工事情報を提供するセンターCNTと無線LAN等を介してインターネット接続し、接続後に該センターCNTに通過地点の位置データを送信して該センターより該通過地点の道路状況画像、工事中の有無データ等を取得する例である。図3(B)は、センターCNTが各工事地点の最近の道路状況画像を、該地点を通過する他車の車載機CMM′より取得して管理しており、車載機CMMがセンターCNTとインターネット接続し、接続後に該センターCNTに通過地点の位置データを送信して該センターより該通過地点の道路状況画像、工事中の有無データを取得する。図3(C)は車々間通信により他車の車載機CMM′′より最新道路状況
画像を取得する例である。
【0010】
・表示例
所定の地点が工事中の時、該工事中の通過地点の道路状況画像をカメラ16で撮影し、該通過地点の位置データと撮影日時に対応させて道路状況画像をドライブレコーダ17に保存しておく。後日、操作部19より所定地点の道路状況画像の表示が要求されたとき、あるいは、目的地までの探索経路上に保存してある地点が存在するとき、車載機制御部15は外部通信装置18を制御して外部より該地点Pの現在の詳細情報(道路状況画像、工事中の有無等)を取得して表示装置12に表示すると共に、前記保存されている該地点通過時に撮影した道路状況画像を表示する。
図4は本発明の工事中通過地点表示例であり、(A)は現在も該地点Pが道路工事中の場合における表示例であり、(B)は該地点Pの道路工事が既に完了している場合の表示例である。スクリーン部分S1に地点通過時に撮影した道路状況画像を表示し、スクリーン部分S2に現在の道路状況画像を表示し、スクリーン部分S3に現在の工事状況(工事中、工事終了)を示すメッセージを表示し、スクリーン部分S4に着目地点Pの周辺地図、誘導経路GPT、地点を示すマークMK、撮影日などを表示する。なお、DLは工事中を示す人形(人間の場合もある)、PLは工事中を示すプレートである。
(B)に示す表示を見て対象地点が現在工事中でないことを確認すれば、運転者からの削除指示によりあるいは自動的にマークMKを消去し、かつ、ドライブレコーダ17から該地点の登録データを削除する。
以上より、操作部より要求された地点あるいは誘導系路上の以前に通過したことがある地点の最近の道路状況を画像で表示でき、かつ、最近の道路状況と通行時の道路状況を比較することができる。この結果、運転者は確実に工事中であるか、工事が完了したか及び工事中であれば道路工事の進捗状況を把握することができる。
【0011】
・工事中通過地点の道路状況画像の取り込み制御
工事中通過地点の道路状況画像を取り込むには、操作部19から要求する場合と自動的に工事地点を検出して取り込む場合がある。
図5は操作部19から要求する場合における道路状況画像の取り込み制御フローである。
工事中の地点に到着したとき、運転手は操作部19上の所定のキー操作により道路状況撮影登録要求を発行する(ステップ101)。この登録要求により車載機制御部15は画像撮影処理部20に撮影を指示し、カメラ16で撮影した道路状況画像を該画像撮影処理部20より取り込み(ステップ102)、該道路状況画像を、工事中通過地点の位置データ、撮影日時に対応させてドライブレコーダ17に書き込む(ステップ103)。
図6は自動的に工事地点を検出して取り込むと共に操作部19からの要求により道路状況画像を取り込む制御フローである。
画像撮影処理部20は、カメラ16により常時、車両前方の風景を撮影し(ステップ151)、撮影画像中に工事中であることを示す人形DLあるいは工事中を示すプレートPLが存在するか、換言すれば工事中であるかチェックする(ステップ152)。工事中を検出しなければ、操作部19より道路状況撮影登録要求が出されたかチェックし(ステップ153)、出されていなければステップ151に戻り、以降の処理を繰り返す。なお、ステップ152は自動的に工事中を検出できない場合を考慮した処理ステップである。
一方、ステップ152において、工事中であることを検出すれば、あるいは、ステップ153において操作部19より道路状況撮影登録要求が発行すれば、カメラ16で撮影した道路状況画像を該画像撮影処理部20より取り込み(ステップ154)、該道路状況画像を、工事中通過地点の位置データ、撮影日時に対応させてドライブレコーダ17に書き込む(ステップ155)。
【0012】
・地点の道路状況画像の表示制御
地点の道路状況画像を表示するには、操作部19から要求する場合と探索系路上に登録した工事中通過点が存在する場合がある。
図7は操作部19から所定地点の道路状況画像表示を要求する場合の表示制御フローである。
操作部19の所定キーの操作により、登録地点の詳細状況表示を要求する(ステップ201)。該要求により、車載機制御部15はドライブレコーダ17に記憶されている情報を用いて登録地点リストを表示する(ステップ202)。ユーザは登録地点リストより所望の地点を選択する(ステップ203)。これにより、車載機制御部15はドライブレコーダ17に記憶されている該地点の情報に基づいて図4に示すようにスクリーン部分S1に地点通過時に撮影した道路状況画像を表示し、スクリーン部分S4に着目地点Pの周辺地図、誘導経路GPT、地点を示すマークMK、撮影日などを表示する(ステップ204)。
また、車載機制御部15は外部より通信によりステップ203で選択した地点の最詳細情報(車々間通信の場合には道路状況画像)を取得し(ステップ205)、スクリーン部分S2に外部より取得した現在の道路状況画像を表示し、スクリーン部分S3に現在の工事状況(工事中、工事終了)を示すメッセージを表示する(ステップ206)。ユーザは、表示画像より確実に登録地点が現在工事中であるか、既に工事が完了したか及び工事中であれば道路工事の進捗状況を把握することができる。
ついで、該登録地点データを削除するか判断し(ステップ207)、削除する場合には削除のためキー操作を行って削除する(ステップ208)。なお、工事中でないことを自動的に判断して削除することもできる。
【0013】
図8は探索系路上に登録した工事中通過点が存在する場合の表示制御フローである。
ナビゲーション制御部11は目的地までの誘導経路探索を行い(ステップ301)、経路探索が終了すれば、経路上にドライブレコーダ17に登録した登録地点が存在するかチェックし(ステップ302)、登録地点が存在しなければ処理を終了する。
一方、経路上に登録地点が存在すれば、ナビゲーション制御部11は車載機制御部15に該登録地点の詳細状況表示を要求する(ステップ303)。これにより、車載機制御部15はドライブレコーダ17に記憶されている該登録地点情報に基づいて図4(A)、図4(B)示すように、スクリーン部分S1に地点通過時に撮影した道路状況画像を表示し、スクリーン部分S4に着目地点Pの周辺地図、誘導経路GPT、地点を示すマークMK、撮影日等を表示する(ステップ304)。
また、車載機制御部15は外部より通信により登録地点の最新詳細情報を取得し(ステップ305)、スクリーン部分S2に外部より取得した現在の道路状況画像を表示し、スクリーン部分S3に現在の工事状況(工事中、工事終了)を示すメッセージを表示する(ステップ306)。ユーザは、表示画像より確実に登録地点が現在工事中であるか、既に工事が完了したか及び工事中であれば道路工事の進捗状況を識別することができる。
ついで、登録地点を迂回するか判断し(ステップ307)、迂回しなければ登録地点情報をドライブレコーダ17から削除し(ステップ308)、迂回が指示されれば登録地点を迂回する誘導経路を再探索する(ステップ309)。
以上の実施例では図1に示す車載装置に本発明を適用した場合について説明したが、ドライブレコーダ17や外部通信装置18、画像撮影処理部20、カメラ16をナビゲーション制御部11に接続してなるナビゲーション装置を車載装置とみなして適用することもできる。
【実施例2】
【0014】
図9は本発明の第2実施例の車載装置の構成図であり、図1の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点は第1実施例におけるカメラ、画像撮影処理部の代わりに、道路交通情報取得部51を設けた点である。現在、道路交通情報通信システム(VICS)により、渋滞、事故、規制、工事中などの道路交通情報を車載のナビゲーション装置に提供し、地図上に道路交通情報を文字により、あるいは簡易図形により、あるいは渋滞を示す矢印により表示するようになっている。道路交通情報受信機51aは道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)から送られてくる道路交通情報を受信し、道路交通情報解析部51bは道路交通情報受信機51aが受信した道路交通情報より工事情報を抽出し、工事中であれば工事地点の位置、工事期間、工事規模、工事進捗情況等を車載機制御部15に入力する。車載機制御部15は、車載機全体を制御すると共に、(1) 道路交通情報取得部51から取り込んだ通過地点の工事情報を該通過地点の位置データに対応させてドライブレコーダ17に書き込み、(2)また、外部通信装置18を介して外部装置より通信により所定地点の最近の工事情報を取得して表示装置12に表示する。
工事情報のドライブレコーダ17への書き込みは以下のように行う。道路交通情報受信機51aは道路交通情報を常時VICSセンターから受信しており、道路交通情報解析部51bは該道路交通情報より工事情報を抽出し、工事中であれば、工事地点の位置、工事期間、工事規模、工事進捗情況等を車載機制御部15に入力する。車載機制御部15は、入力された工事情報に基づいて、ドライブレコーダ17に工事地点(登録地点という)の位置データに対応させて、工事中、工事期間、工事規模、工事進捗情況等を自動的に記録する。
また、工事情報の表示制御は以下のように行う。操作部19の所定キーを操作して登録地点の詳細状況表示を要求すると、車載機制御部15はドライブレコーダ17に記憶されている情報を用いて登録地点リストを表示する。この状態においてユーザが登録地点リストより所望の地点を選択すれば、車載機制御部15はドライブレコーダ17に記憶されている該地点の工事情報、すなわち、該地点通過時に取得した工事情報をスクリーンに表示する。また、車載機制御部15は外部より通信により該選択した地点の工事情報を取得してスクリーンに表示する。ユーザは、上記工事情報の表示より確実に登録地点が依然として工事中であるか、既に工事が完了したか及び工事中であれば道路工事の進捗状況を把握することができる。
以上はキー操作により工事情報を表示した例であるが、探索経路上にドライブレコーダ17に登録した地点が存在する場合には以下の制御により工事情報を表示する。ナビゲーション制御部11は目的地までの誘導経路探索を行い、経路探索が終了すれば、経路上にドライブレコーダ17に登録した登録地点が存在するかチェックし、登録地点が存在しなければ処理を終了する。一方、経路上に登録地点が存在すれば、ナビゲーション制御部11は車載機制御部15に該登録地点の詳細状況表示を要求する。これにより、車載機制御部15はドライブレコーダ17に記憶されている該登録地点の工事情報をスクリーンに表示する。また、車載機制御部15は外部より通信により登録地点の最新の工事情報を取得し、現在の工事状況(工事中、工事終了)を示すメッセージを表示する。ユーザは、表示された工事情報より確実に登録地点が現在工事中であるか、既に工事が完了したか及び工事中であれば道路工事の進捗状況を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例の車載装置の構成図である。
【図2】ドライブレコーダにおける道路情報保存例である。
【図3】最新の道路情報を取得する通信方法の説明図である。
【図4】本発明の工事中通過地点表示例である。
【図5】操作部から要求する場合における道路状況画像の取り込み制御フローである。
【図6】自動的に工事地点を検出して取り込むと共に操作部からの要求により道路状況画像を取り込む制御フローである。
【図7】操作部から所定地点の道路状況画像表示を要求する場合の表示制御フローである。
【図8】探索系路上に登録した工事中通過点が存在する場合の表示制御フローである。
【図9】本発明の第2実施例の車載装置の構成図である。
【符号の説明】
【0016】
11 ナビゲーション制御部
12 表示装置
13 地図メモリ部
14 位置計算部
15 車載機制御部
16 カメラ
17 ドライブレコーダ
18 外部通信装置
19 操作部
20 画像撮影処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路状況を表示する車載装置において、
所定の車両通過地点の道路状況を取得する道路状況取得部、
該通過地点の道路状況を示す情報を該地点の位置データに対応させて保存する保存部、
指定された地点の道路状況情報を外部より通信により取得する通信部、
所定の地点の道路状況情報の表示が要求されたとき、外部より該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存部に保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示する制御部、
を備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
道路状況を表示する車載装置において、
所定の車両通過地点の道路状況を取得する道路状況取得部、
該通過地点の道路状況を示す情報を該地点の位置データに対応させて保存する保存部、
指定された地点の道路状況情報を外部より通信により取得する通信部、
目的地までの経路を探索し、該探索経路上に前記保存してある地点が存在するとき、外部より該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存部に保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示する制御部、
を備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
前記道路状況取得部は、車両通過地点の道路状況画像を撮影するカメラであり、前記道路状況情報は道路状況画像である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の車載装置。
【請求項4】
前記道路状況取得部は、外部から送信されている車両通過地点における工事情報を取得する工事情報取得部であり、前記道路状況情報は工事情報である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の車載装置。
【請求項5】
道路状況を表示する車載装置の道路状況表示方法において、
所定の車両通過地点の道路状況を取得し、
該通過地点の道路状況情報を該地点の位置データに対応させて保存し、
所定地点の道路状況情報の表示が要求されたとき、外部より通信により該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示する、
ことを特徴とする道路状況表示方法。
【請求項6】
道路状況を表示する車載装置の道路状況表示方法において、
所定の車両通過地点の道路状況を取得し、
該通過地点の道路状況情報を該地点の位置データに対応させて保存し、
目的地までの経路を探索し、
該探索経路上に前記保存してある地点が存在するとき、外部より通信により該地点の最近の道路状況情報を取得して表示すると共に、前記保存されている該地点通過時に取得した道路状況情報を表示する、
ことを特徴とする道路状況表示方法。
【請求項7】
前記道路状況情報は、カメラで撮影した車両通過地点の道路状況画像である、ことを特徴とする請求項5または6記載の道路状況表示方法。
【請求項8】
前記道路状況情報は、外部から受信した車両通過地点における工事情報である、ことを特徴とする請求項5または6記載の道路状況表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−292701(P2006−292701A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117701(P2005−117701)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】