説明

開環した無水フタル酸を含む有機反射防止膜組成物およびその製造方法

【課題】超微細パターン形成リソグラフィー工程において、露光時に発生する反射光を吸収できる有機反射防止膜として用いることができる新規な吸光剤等を提供する。
【解決手段】有機反射防止膜形成用吸光剤は、テトラカルボン酸ベンジルのハーフエステル構造を有する化合物または該構造を主鎖に有するオリゴマーまたはポリマーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開環した無水フタル酸化合物としての新規な有機反射防止膜形成用吸光剤、有機反射防止膜組成物、前記有機反射防止膜組成物を用いた半導体素子のパターン形成方法、および前記パターン形成方法によって製造された半導体素子に関し、より詳しくは、ArFエキシマレーザを用いて半導体の超微細パターニングに有用な有機反射防止膜を製造するのに用いることができる新規な吸光剤、それを含有する、リソグラフィー工程において下部膜層の反射を防止し、定常波を防止し、且つ高ドライエッチング速度(etching rate)を有する有機反射防止膜組成物、前記有機反射防止膜組成物を用いた半導体素子のパターン形成方法、および前記パターン形成方法によって製造された半導体素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体素子の高集積化に伴い、超LSIなどの製造において0.10ミクロン以下の超微細パターンが求められ、露光波長も従来用いられてきたg線やi線領域においてより低い波長の光を用いたリソグラフィー工程が求められている。それにより、半導体素子製造工程において、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザを用いたマイクロリソグラフィー工程が現在用いられている。
【0003】
半導体素子のパターンサイズを小さくするため、露光工程が行われる間に反射率を最小1%未満に維持しないと均一なパターンを得ることができず、所望の収率を得るには、適切な工程マージンを負担しなければならない。よって、反射率を最大限に減らすために吸光できる有機分子が含まれた有機反射防止膜をフォトレジストの下方に位置させ、反射率を調節して下部膜層の反射を防止し定常波を除去する技術が重要となった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような問題点を克服するために、本発明は、193nmArFエキシマレーザを用いた超微細パターン形成リソグラフィー工程において、露光時に発生する反射光を吸収できる有機反射防止膜として用いることができる新規な吸光剤およびそれを含む有機反射防止膜組成物を提供することをその目的とする。
【0005】
また、本発明は、有機反射防止膜のエッチング速度を速くできる化学的構造で反射防止膜の基本構造を設計し、それに伴って重合体を製造し、それに基づいて有機反射防止膜を製造する方法を提供することによって、エッチング工程がより円滑に行われるようにし、更には、アンダーカット、フーチング(footing)などを除去して優れた超微細パターンの形成を達成できる前記有機反射防止膜組成物を用いた半導体素子のパターン形成方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は下記一般式1の化合物で表される有機反射防止膜形成用吸光剤を提供する。
【0007】
【化1】

(一般式1)
【0008】
前記式において、Aは、4価の、炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、1つ以上のヘテロ原子が連結された炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数4〜20の置換または非置換の芳香族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ芳香族基、炭素数4〜20の置換または非置換の脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールエーテル、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルフィド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルホキシド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールケトン、または炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールビスフェノールAであり、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアセタール基、置換または非置換のヒドロキシ基である。
【0009】
前記他の目的を達成するために、本発明は下記一般式2の化合物で表される有機反射防止膜形成用吸光剤を提供する。
【0010】
【化2】

(一般式2)
【0011】
前記式において、Aは、4価の、炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、1つ以上のヘテロ原子が連結された炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数4〜20の置換または非置換の芳香族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ芳香族基、炭素数4〜20の置換または非置換の脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールエーテル、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルフィド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルホキシド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールケトン、または炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールビスフェノールAであり、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアセタール基、置換または非置換のヒドロキシ基であり、nは2〜500の整数である。
【0012】
前記更に別の目的を達成するために、本発明は前記一般式1の化合物または前記一般式2の化合物で表される吸光剤、重合体、熱酸発生剤、架橋結合剤、および溶媒を含む有機反射防止膜組成物を提供する。
【0013】
前記更に別の目的を達成するために、本発明は、
本発明に係る有機反射防止膜組成物を被エッチング層の上部に塗布するステップ;
塗布された組成物をベーキング工程によって硬化させ、架橋結合を形成して有機反射防止膜を形成する防止膜形成ステップ;
有機反射防止膜の上部にフォトレジストを塗布し、露光後、現像してフォトレジストパターンを形成するステップ;および
フォトレジストパターンをエッチングマスクとして有機反射防止膜をエッチングした後、被エッチング層をエッチングして被エッチング層のパターンを形成するステップを含む半導体素子のパターン形成方法を提供する。
【0014】
前記更に別の目的を達成するために、本発明は本発明に係るパターン形成方法によって製造された半導体素子を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る有機反射防止膜組成物は優れた接着性、保管安定性、C/HパターンおよびL/Sパターンにおいて全て優れた解像度を示す。また、優れた工程マージン(process window)を有しており、基板の種類に関係なく優れたパターンプロファイル(pattern profile)を得ることができる。
【0016】
また、有機反射防止膜組成物を用いてパターンを形成することにより、193nm光源を用いる超微細パターン形成工程において反射防止膜を速くエッチングすることができ、それにより、より円滑な高集積半導体の開発に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明は下記一般式1で表される開環した無水フタル酸化合物を提供し、それを有機反射防止膜形成用吸光剤として提供する。
【0018】
【化3】

(一般式1)
【0019】
前記式において、Aは、4価の、炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、1つ以上のヘテロ原子が連結された炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数4〜20の置換または非置換の芳香族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ芳香族基、炭素数4〜20の置換または非置換の脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールエーテル、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルフィド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルホキシド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールケトン、または炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールビスフェノールAであり、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアセタール基、置換または非置換のヒドロキシ基である。
【0020】
本発明は下記一般式2で表される開環した無水フタル酸化合物を提供し、それを有機反射防止膜形成用吸光剤として提供する。
【0021】
【化4】

(一般式2)
【0022】
前記式において、Aは、4価の、炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、1つ以上のヘテロ原子が連結された炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数4〜20の置換または非置換の芳香族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ芳香族基、炭素数4〜20の置換または非置換の脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールエーテル、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルフィド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルホキシド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールケトン、または炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールビスフェノールAであり、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアセタール基、置換または非置換のヒドロキシ基であり、nは2〜500の整数、好ましくは2〜300の整数である。
【0023】
前記一般式2の化合物は重量平均分子量が350〜100,000であることが好ましく、400〜50,000であることがより好ましい。
【0024】
有機反射防止膜に含まれる吸光剤は、光吸収できる化学種である吸光剤が化合物に含まれている場合と吸光剤が光吸収できない重合体と別に分離されている場合に区別することができ、一般的には、光吸収化学種の量を調節できるように吸光剤を別途に用いる。
【0025】
前記本発明の吸光剤はベンゼン発色団を含み、熱硬化するための官能基を含んでいる。具体的には、ベンゼン発色団誘導体はその構造に応じてエッチング物性が大きく変わるために、本発明においては様々な構造の誘導体を導入して有機反射防止膜組成物に適用した。
【0026】
前記本発明に係る吸光剤と、後述する有機反射防止膜組成物に含まれる重合体である熱硬化化合物との反応により、前記吸光剤のアルコール化合物で開環して発生するカルボン酸官能基が熱硬化化合物のアセタール、エポキシ、ヘミアセタールなどの官能基と反応して架橋構造を形成する。
【0027】
本明細書における“置換”とは、1つ以上の水素原子がハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸やその塩、C−C10のアルキル基、C−C10のアルケニル基、C−C10のアルキニル基、C−C20のアリール基、C−C20のアリールアルキル基、C−C20のヘテロアリール基、またはC−C20のヘテロアリールアルキル基で置換され得ることを意味する。
【0028】
本発明に係る前記一般式1の化合物で表される有機反射防止膜形成用吸光剤の具体的な例としては一般式3〜42が挙げられる。
【0029】
【化5】

(一般式3)
【化6】

(一般式4)
【0030】
【化7】

(一般式5)
【化8】

(一般式6)
【0031】
【化9】

(一般式7)
【化10】

(一般式8)
【0032】
【化11】

(一般式9)
【化12】

(一般式10)
【0033】
【化13】

(一般式11)
【化14】

(一般式12)
【0034】
【化15】

(一般式13)
【化16】

(一般式14)
【0035】
【化17】

(一般式15)
【化18】

(一般式16)
【0036】
【化19】

(一般式17)
【化20】

(一般式18)
【0037】
【化21】

(一般式19)
【化22】

(一般式20)
【0038】
【化23】

(一般式21)
【化24】

(一般式22)
【0039】
【化25】

(一般式23)
【化26】

(一般式24)
【0040】
【化27】

(一般式25)
【化28】

(一般式26)
【0041】
【化29】

(一般式27)
【化30】

(一般式28)
【0042】
【化31】

(一般式29)
【化32】

(一般式30)
【0043】
【化33】

(一般式31)
【化34】

(一般式32)
【0044】
【化35】

(一般式33)
【化36】

(一般式34)
【0045】
【化37】

(一般式35)
【化38】

(一般式36)
【0046】
【化39】

(一般式37)
【化40】

(一般式38)
【0047】
【化41】

(一般式39)
【化42】

(一般式40)
【0048】
【化43】

(一般式41)
【化44】

(一般式42)
【0049】
また、本発明に係る前記一般式2の化合物で表される有機反射防止膜形成用吸光剤の具体的な例としては一般式43〜60が挙げられる。
【0050】
【化45】

(一般式43)
【化46】

(一般式44)
【0051】
【化47】

(一般式45)
【化48】

(一般式46)
【0052】
【化49】

(一般式47)
【化50】

(一般式48)
【0053】
【化51】

(一般式49)
【化52】

(一般式50)
【0054】
【化53】

(一般式51)
【化54】

(一般式52)
【0055】
【化55】

(一般式53)
【化56】

(一般式54)
【0056】
【化57】

(一般式55)
【化58】

(一般式56)
【0057】
【化59】

(一般式57)
【化60】

(一般式58)
【0058】
【化61】

(一般式59)
【化62】

(一般式60)
【0059】
前記本発明の一般式1の化合物は、下記一般式61で表される置換または非置換のベンジルアルコール化合物と様々な二無水物化合物を塩基雰囲気下で反応させた後、用いた塩基を酸で中和させることによって製造される。
【0060】
【化63】

(一般式61)
【0061】
前記式において、Rは水素、ハロゲン、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアセタール基、または置換または非置換のヒドロキシ基である。
【0062】
また、前記本発明の一般式2の化合物は下記一般式62で表される化合物と様々な二無水物化合物を反応させて製造することができる。
【0063】
【化64】

(一般式62)
【0064】
前記式において、Rは水素、ハロゲン、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアセタール基、または置換または非置換のヒドロキシ基である。
【0065】
前記本発明の吸光剤は通常の方法によって合成することができるが、好ましくは、本発明の吸光剤の反応性は塩基を用いて合成する。
【0066】
前記様々な二無水物は、アルコールとの反応性が良く、4個の反応基を有することにより、発色団を2つ導入してもその後の工程において架橋部位を2つ有し得る長所がある。
【0067】
前記塩基雰囲気を作るために用いることができる塩基としてはジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ2,2,2オクタン、1,5−ジアザビシクロ4,3,0ノナン、トリエチルアミン、2,6−ジターシャリブチルピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラブチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられ、特に制限されるものではない。
【0068】
合成溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、ハロゲン化ベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ケトン類、アミド類のうちから1種以上を選択して用いることができる。
【0069】
前記化合物の合成温度は溶媒に応じて選択することができ、5℃〜200℃、好ましくは20℃〜100℃である。
【0070】
また、本発明は前記本発明の吸光剤を含む有機反射防止膜組成物を提供する。本発明の一実施例によれば、有機反射防止膜組成物は本発明に係る吸光剤、重合体、熱酸発生剤、架橋結合剤、および溶媒を含む。
【0071】
好ましい有機反射防止膜組成物は下記の要件を満足しなければならない。
第1に、下部膜層の反射を防止するために露光光源の波長領域の光を吸収できる物質を含まなければならない。
第2に、反射防止膜を積層した後にフォトレジストを積層する工程において、フォトレジストの溶媒によって反射防止膜が溶解し破壊されてはいけない。そのために反射防止膜は熱によって硬化できる構造に設計されるべきであり、反射防止膜積層工程において、コーティング後ベーキング工程を行って硬化を進行させる。
第3に、反射防止膜は上部のフォトレジストより速くエッチングされ、下部膜層をエッチングするためのフォトレジストの損失を減らすべきである。
第4に、上部のフォトレジストに対する反応性を有してはいけない。また、アミン、酸のような化合物がフォトレジスト層に移行(migration)してはいけない。これは、フォトレジストパターンの模様、特に、フーチング(footing)或いはアンダーカット(undercut)を誘発し得るからである。
第5に、様々な基板に応じた色々な露光工程に適した光学的性質、すなわち適切な屈折率と吸光係数を有すべきであり、基板とフォトレジストに対する接着力が優れているべきである。
【0072】
前記本発明に係る有機反射防止膜組成物は上記の要件を全て満足する。以下、本発明に係る有機反射防止膜組成物についてより詳しく説明する。
【0073】
前記吸光剤は上述したように一般式1または一般式2で表される化合物であり、本発明の有機反射防止膜組成物に含まれる重合体はアクリレート系、無水マレイン酸系、フェノール系、エステル系の単量体を重合することによって得られるが、直鎖または側鎖の末端に吸光剤と反応できる架橋部位を含む重合体であって、特に制限されるものではない。
【0074】
このような重合体を用いた有機反射防止膜は、基板上に塗布後、ベーキング工程を経ると硬化が発生して溶媒に対する耐溶解性を持つようになる。よって、有機反射防止膜の積層後、感光剤の塗布時に反射防止膜が感光剤の溶媒によって溶解される現象が発生せず安定性を付与することができる。
【0075】
また、本発明の有機反射防止膜組成物は、吸光剤と重合体の硬化および性能を向上させるために添加剤を含むことができ、このような添加剤の例としては架橋結合剤と熱酸発生剤が挙げられる。
【0076】
先ず、前記架橋結合剤は少なくとも2つ以上の架橋形成官能基を有する化合物であることが好ましく、その例としてはアミノプラスチック化合物と多官能性エポキシ樹脂、二無水物の混合物などが挙げられる。
【0077】
アミノプラスチック化合物としてはジメトキシメチルグリコウリル、ジエトキシメチルグリコウリルおよびこれらの混合物、ジエチルジメチルメチルグリコウリル、テトラメトキシメチルグリコウリル、またはヘキサメトキシメチルメラミン樹脂などの化合物が挙げられる。
【0078】
また、多官能性エポキシ化合物としては、例えば、MY720、CY179MA、DENACOLなどとこれと類似する製品を用いることが好ましい。
【0079】
次に、硬化反応を促進する触媒剤として熱酸発生剤を用いることが好ましい。本発明に含まれる熱酸発生剤としてはトルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸のアミン塩またはピリジン塩化合物、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸のアミン塩またはピリジン塩化合物などを用いることもできる。
【0080】
また、前記本発明の有機反射防止膜組成物に用いることができる有機溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、乳酸エチル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、γ−ブチロラクトン、エトキシエタノール、メトキシエタノール、メチル3−メトキシプロピオネート(MMP)、エチル3−エトキシプロピオネート(EEP)などからなる群から選択された1つ以上の溶媒を用いることが好ましい。
【0081】
本発明の別の実施例によれば、有機反射防止膜組成物は、一般式1または一般式2の化合物で表される吸光剤が組成物全体に対し0.1〜40質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、最も好ましくは0.1〜10質量%である。重合体は組成物全体に対し0.1〜20質量%含まれることが好ましい。また、架橋結合剤は、組成物全体に対し0.01〜15質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.05〜7質量%である。熱酸発生剤は、組成物全体に対し0.01〜20質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量%であり、最も好ましくは0.02〜5質量%である。溶媒およびその他の公知の広く用いられる添加剤が更に残りの含量を構成することができる。
【0082】
有機反射防止膜を形成する工程を簡単に見てみると、上記のような構成成分を上記の組成比で含む有機反射防止膜組成物をウェハー上に塗布した後、ベーキングなどの熱工程を行うと前記熱酸発生剤から酸が発生し、発生した酸の存在下で一般式1または一般式2で表される化合物である吸光剤、重合体、および添加剤として用いられた架橋結合剤の間で発生する架橋反応が促進され、有機溶媒に溶解しない有機反射防止膜が形成される。このような有機反射防止膜は、フォトレジストを透過して到達した遠紫外線を吸収し、フォトレジスト下部膜からの乱反射を防止することができる。
【0083】
上記のような有機反射防止膜を用いた半導体素子のパターン形成方法は、有機反射防止膜組成物を被エッチング層の上部に塗布するステップ;塗布された組成物をベーキング工程によって硬化させ、架橋結合を形成して有機反射防止膜を形成する防止膜形成ステップ;有機反射防止膜の上部にフォトレジストを塗布し、露光後、現像してフォトレジストパターンを形成するステップ;およびフォトレジストパターンをエッチングマスクとして有機反射防止膜をエッチングした後、被エッチング層をエッチングして被エッチング層のパターンを形成するステップを含む。
【0084】
前記本発明に係る有機反射防止膜の積層工程において、ベーキング工程は150℃〜250℃の温度で0.5〜5分間行うことが好ましく、1分〜5分間行うことがより好ましい。
【0085】
また、本発明に係るパターン形成方法において、スピンオンカーボンハードマスクの上部に反射防止膜或いはシリコン反射防止膜などの有/無機組成物を積層する前や後にベーキング工程を一度更に行うことができ、このようなベーキング工程は70℃〜200℃の温度で行われることが好ましい。
【0086】
また、本発明は前記本発明のパターン形成方法によって製造された半導体素子を提供する。
【実施例】
【0087】
本発明を下記の合成例および実施例によってより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの合成例および実施例に限定されるものではない。
【0088】
下記合成例1〜10によって有機反射防止膜用吸光剤を合成した。
【0089】
合成例1
ビシクロ2,2,2オクテン2,3,5,6テトラカルボン酸二無水物50g、ベンゼンメタノール43.57g、ピリジン31.87g、ジメチルアミノピリジン4.92gを1,4−ジオキサン260.73gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。この反応物に酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後、再びジオキサンに溶かした後、この溶液を水に滴下してできた沈殿物をフィルタした後、蒸留水で数回洗浄した後に乾燥させ、化合物45.62g(収率=46.6%)を得ることができる。合成例1により製造された共重合体のH−NMR写真は図1に示す。
【0090】
合成例2
4,4’−オキシジフタル酸無水物105g、ベンゼンメタノール73.21g、ピリジン5.36g、ジメチルアミノピリジン8.27gを1,4−ジオキサン450.21gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。この反応物に酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして得た。合成例2により製造された固体吸光剤のH−NMR写真は図2に示す。
【0091】
合成例3
4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)50g、ベンジルアルコール19.74g、ピリジン15.2g、ジメチルアミノピリジン2.35gを1,4−ジオキサン174.56gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして得た。合成例3により製造された固体吸光剤のH−NMR写真は図3に示す。
【0092】
合成例4
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物50g、ベンジルアルコール33.56g、ピリジン24.55g、ジメチルアミノピリジン3.79gを1,4−ジオキサン223.8gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして得た。合成例4により製造された固体吸光剤のH−NMR写真は図4に示す。
【0093】
合成例5
4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物25g、ベンジルアルコール12.17g、ピリジン8.9g、ジメチルアミノピリジン1.38gを1,4−ジオキサン94.9gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして得た。合成例5により製造された固体吸光剤のH−NMR写真は図5に示す。
【0094】
合成例6
4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)20g、ベンゼンジメタノール5.31g、ピリジン3.04g、ジメチルアミノピリジン0.47gを1,4−ジオキサン57.64gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして得た。合成例6により製造された固体吸光剤のH−NMR写真は図6に示す。
【0095】
合成例7
4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)50g、4−(ヒドロキシメチル)安息香酸27.28g、ピリジン15.2g、ジメチルアミノピリジン2.35gを1,4−ジオキサン174.56gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして得た。
【0096】
合成例8
4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)50g、メチル−4−(ヒドロキシメチル)ベンゾネート31.39g、ピリジン15.2g、ジメチルアミノピリジン2.35gを1,4−ジオキサン174.56gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして得た。合成例8により製造された吸光剤のH−NMR写真は図8に示す。
【0097】
合成例9
4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)50g、4−メチルベンジルアルコール23.47g、ピリジン15.2g、ジメチルアミノピリジン2.35gを1,4−ジオキサン174.56gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして得た。合成例9により製造された吸光剤のH−NMR写真は図9に示す。
【0098】
合成例10
4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)50g、4−ヒドロキシベンジルアルコール23.85g、ピリジン15.2g、ジメチルアミノピリジン2.35gを1,4−ジオキサン174.56gに溶解させた後、80℃で24時間反応させた。反応が完了した後に反応溶液にギ酸を滴下して中和させた。酢酸エチルと蒸留水を用いて有機層を分離した。分離した有機層は溶媒を除去した後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶かして得た。合成例10により製造された固体吸光剤のH−NMR写真は図10に示す。
【0099】
実施例1
有機反射防止膜組成物Aの製造
前記合成例1で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Aを製造した。
【0100】
実施例2
有機反射防止膜組成物Bの製造
前記合成例2で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Bを製造した。
【0101】
実施例3
有機反射防止膜組成物Cの製造
前記合成例3で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Cを製造した。
【0102】
実施例4
有機反射防止膜組成物Dの製造
前記合成例4で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Dを製造した。
【0103】
実施例5
有機反射防止膜組成物Eの製造
前記合成例5で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Eを製造した。
【0104】
実施例6
有機反射防止膜組成物Fの製造
前記合成例6で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Fを製造した。
【0105】
実施例7
有機反射防止膜組成物Gの製造
前記合成例7で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Gを製造した。
【0106】
実施例8
有機反射防止膜組成物Hの製造
前記合成例8で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Hを製造した。
【0107】
実施例9
有機反射防止膜組成物Iの製造
前記合成例9で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Iを製造した。
【0108】
実施例10
有機反射防止膜組成物Jの製造
前記合成例10で製造された有機反射防止膜用吸光剤4gと、アクリル系重合体6g、テトラメトキシメチルグリコウリル2g、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート987.8gに溶解させた後、薄膜フィルタ(孔径0.2μm)で濾過することによって有機反射防止膜組成物Jを製造した。
【0109】
有機反射防止膜の物性測定およびフォトレジストパターンの形成結果
1)ストリッピングテスト
実施例1〜10で製造された有機反射防止膜組成物A〜Jのそれぞれをシリコンウェハー上にスピン塗布した後、230℃のホットプレート上で1分間焼成して有機反射防止膜を形成した。それぞれの厚さを測定し、有機反射防止膜がコーティングされたウェハーをフォトレジストに用いられる溶剤である乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルに1分間浸しておいた。その次、100℃のホットプレート上で1分間焼成して溶剤を完全に除去した後、再び有機反射防止膜の厚さを測定して溶剤に不溶であることを確認した。
【0110】
2)光学パラメータの測定
実施例1〜10で製造された有機反射防止膜組成物A〜Jのそれぞれをシリコンウェハー上にスピン塗布した後、230℃のホットプレート上で1分間焼成して有機反射防止膜を形成した。それぞれの反射防止膜を分光エリプソメータ(ellipsometer、J.A.Woollam)を利用して193nmにおける屈折率(n)と消光係数(k)を測定した。その測定結果は表1に示す。
【0111】
【表1】

【0112】
3)第1極小膜のシミュレーション
実施例1〜10で製造された有機反射防止膜組成物A〜Jのそれぞれを用いて有機反射防止膜を形成した後、分光エリプソメータを利用して193nmにおける屈折率n値、消光係数k値を測定した後、得られた屈折率(n)、消光係数(k)を用いてシミュレーションを行い、第1極小膜厚および第1極小膜厚で用いるときの反射率を計算した。シミュレーションを行うとき、シリコンウェハー上に酸窒化ケイ素が40nm蒸着されたときの反射率をシミュレーションした。シミュレーションソフトはKLA Tencor FINDLE Division PROLITHを使い、その結果は表1に示す。
【0113】
4)有機反射防止膜およびフォトレジストパターンの形成
実施例1〜10で製造された有機反射防止膜組成物A〜Jのそれぞれを酸窒化ケイ素が蒸着されたシリコンウェハー上にスピン塗布した後、230℃のホットプレート上で1分間焼成して有機反射防止膜を形成した。次に、前記反射防止膜の上部にArFフォトレジストを塗布した後に100℃で60秒間焼成した後、スキャナーで露光した後に115℃で60秒間再び焼成した。前記露光したウェハーをTMAH 2.38質量%の現像液を使って現像して、最終フォトレジストパターンを得ることができた。パターンサイズは80nmのL/S(Line and space)であり、その結果は表2に示す。
【0114】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施例により製造された共重合体のH−NMR写真である。
【図2】本発明の別の実施例により製造された共重合体のH−NMR写真である。
【図3】本発明の更に別の実施例により製造された共重合体のH−NMR写真である。
【図4】本発明の更に別の実施例により製造された共重合体のH−NMR写真である。
【図5】本発明の更に別の実施例により製造された共重合体のH−NMR写真である。
【図6】本発明の更に別の実施例により製造された共重合体のH−NMR写真である。
【図7】本発明の更に別の実施例により製造された共重合体のH−NMR写真である。
【図8】本発明の更に別の実施例により製造された共重合体のH−NMR写真である。
【図9】本発明の更に別の実施例により製造された共重合体のH−NMR写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式1の化合物で表される有機反射防止膜形成用吸光剤。
【化1】

(一般式1)
前記式において、Aは、4価の、炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、1つ以上のヘテロ原子が連結された炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数4〜20の置換または非置換の芳香族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ芳香族基、炭素数4〜20の置換または非置換の脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールエーテル、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルフィド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルホキシド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールケトン、または炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールビスフェノールAであり、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアセタール基、置換または非置換のヒドロキシ基である。
【請求項2】
下記一般式2の化合物で表される有機反射防止膜形成用吸光剤。
【化2】

(一般式2)
前記式において、Aは、4価の、炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、1つ以上のヘテロ原子が連結された炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数4〜20の置換または非置換の芳香族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ芳香族基、炭素数4〜20の置換または非置換の脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールエーテル、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルフィド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルホキシド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールケトン、または炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールビスフェノールAであり、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアセタール基、置換または非置換のヒドロキシ基であり、nは2〜500の整数である。
【請求項3】
前記一般式1または一般式2で表された化合物は、塩基雰囲気下で反応させてなる請求項1または2に記載の有機反射防止膜形成用吸光剤。
【請求項4】
前記塩基雰囲気は、ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ2,2,2オクタン、1,5−ジアザビシクロ4,3,0ノナン、トリエチルアミン、2,6−ジターシャリブチルピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラブチルアンモニウムブロマイドからなる群から選択された塩基化合物を用いる請求項3に記載の有機反射防止膜形成用吸光剤。
【請求項5】
前記一般式1の化合物または前記一般式2の化合物で表される吸光剤、重合体、熱酸発生剤、架橋結合剤、および溶媒を含む有機反射防止膜組成物。
【化3】

(一般式1)
【化4】

(一般式2)
前記式において、Aは、4価の、炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、1つ以上のヘテロ原子が連結された炭素数1〜20の置換または非置換の分岐状または直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数4〜20の置換または非置換の芳香族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ芳香族基、炭素数4〜20の置換または非置換の脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のヘテロ脂環族基、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールエーテル、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルフィド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールスルホキシド、炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールケトン、または炭素数3〜20の置換または非置換のジアリールビスフェノールAであり、R、R、およびRは、各々独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアセタール基、置換または非置換のヒドロキシ基であり、nは2〜500の整数である。
【請求項6】
吸光剤0.1〜5質量%、重合体0.1〜5質量%、熱酸発生剤0.01〜1質量%、および架橋結合剤0.05〜5質量%を含む請求項5に記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項7】
前記重合体は、直鎖または側鎖の末端に架橋部位を有する樹脂である請求項5または6に記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項8】
前記架橋結合剤は、2つ以上の架橋形成官能基を有する、アミノプラスチック化合物、多官能性エポキシ樹脂、無水物またはこれらの混合物である請求項5または6に記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項9】
前記熱酸発生剤は、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸のアミン塩、トルエンスルホン酸のピリジン塩化合物、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸のアミン塩、またはアルキルスルホン酸のピリジン塩である請求項5または6に記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項10】
前記溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン、乳酸エチル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、γ−ブチロラクトン、エトキシエタノール、メトキシエタノール、メチル3−メトキシプロピオネート(MMP)、およびエチル3−エトキシプロピオネート(EEP)からなる群から選択された1種以上である請求項5または6に記載の有機反射防止膜組成物。
【請求項11】
請求項5または6に記載の有機反射防止膜組成物を被エッチング層上に塗布するステップ;
塗布された組成物をベーキング工程によって硬化させ、架橋結合を形成して有機反射防止膜を形成する防止膜形成ステップ;
有機反射防止膜上にフォトレジストを塗布し、露光後、現像してフォトレジストパターンを形成するステップ;および
フォトレジストパターンをエッチングマスクとして有機反射防止膜をエッチングした後、被エッチング層をエッチングして被エッチング層のパターンを形成するステップを含む半導体素子のパターン形成方法。
【請求項12】
前記防止膜形成ステップ中のベーキング工程は、150℃〜250℃で0.5分〜5分間に亘り行う請求項11に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項13】
フォトレジストパターン形成ステップ中、露光する前後に第2ベーキング工程を更に含む請求項11または12に記載の半導体素子のパターン形成方法。
【請求項14】
請求項11に記載のパターン形成方法によって製造される半導体素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−55049(P2010−55049A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9355(P2009−9355)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(509001445)コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド (14)
【Fターム(参考)】