集積回路構造を形成する方法
【課題】 裏面相互接続構造と製造方法を提供する。
【解決手段】 集積回路構造を形成する方法であって、前記方法は、半導体ウエハの端から前記半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含む半導体ウエハを提供するステップ、及び前記半導体ウエハの上に、第2ノッチを含むキャリアウエハを設置するステップを含み、前記キャリアウエハを設置するステップは、前記第1ノッチの少なくとも一部を前記第2ノッチの少なくとも一部と重ねる方法である。
【解決手段】 集積回路構造を形成する方法であって、前記方法は、半導体ウエハの端から前記半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含む半導体ウエハを提供するステップ、及び前記半導体ウエハの上に、第2ノッチを含むキャリアウエハを設置するステップを含み、前記キャリアウエハを設置するステップは、前記第1ノッチの少なくとも一部を前記第2ノッチの少なくとも一部と重ねる方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路構造に関し、特に、シリコン貫通ビアに関し、更に特に、ウエハの裏面(backside)上で、シリコン貫通ビアに接続された相互接続構造を形成することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路の発明以来、半導体産業は、さまざまな電子構成要素(例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサなど)の集積密度の継続的な改善により、急成長を遂げてきた。ほとんどの場合、集積密度のこの改善は、より多くの構成要素が所定の領域に集積されるように、最小加工寸法(minimum feature size)の度重なる縮小により、もたらされたものである。
【0003】
これらの集積密度の改善は、実際には、基本的に二次元(2D)に関するものであり、集積された構成要素によって占められる体積は、基本的に半導体ウエハの表面にある。リソグラフィーの劇的な向上は、2D集積回路の形成に大幅な改善をもたらしたが、2次元で達成することができる密度には、物理的な制限がある。これらの制限の1つは、これらの構成要素を作製するのに必要な最小サイズである。また、1つのチップに入れるデバイスが多ければ多いほど、複雑な設計が必要となる。
【0004】
もう1つの制限は、デバイスの数の増加に伴ってデバイス間の相互接続の数と長さが大きく増加することである。相互接続の数と長さが増加した時、回路のRC遅延と電力消費の両方が増加する。
【0005】
上述の制限を解決する取り組みには、3次元集積回路(3DICs)の使用が含まれ、スタックダイが一般的に用いられる。よってシリコン貫通ビア(TSVs)は、3DICsとスタックダイに用いられる。この場合、シリコン貫通ビアは、ダイ上の集積回路をダイの裏面側へ接続するのにしばしば用いられる。また、シリコン貫通ビアは、ダイの裏面を通して集積回路を接地する短い接地経路(short grounding paths)を提供するのに用いられ、接地した金属膜(grounded metallic film)によって覆われることができる。
【0006】
裏面シリコン貫通ビア接続(backside TSV connections)の従来の形成方法は、欠点を有する。裏面相互接続構造の製造の中間段階の断面図を示す図1を参照すると、シリコンウエハ100は、シリコン貫通ビア102を含む。シリコンウエハ100は、接着剤106によってキャリアウエハ(carrier wafer)104の上に設置される。バンプ下地金属(Under-bump metallurgy;UBM)108は、シリコンウエハ100の上に堆積される。キャリアウエハ104は、一般的にシリコンウエハ100より大きいため、バンプ下地金属108はキャリアウエハ104の上にも堆積される。キャリアウエハ104が、ベベル領域(beveled areas)110を有するため、バンプ下地金属108はベベル領域110上に堆積した部分を含み、バンプ下地金属108のこれらの部分は、傷(scratching)がつきやすく、剥離(peeling)し易い。製造プロセスでは、図1に示された構造は、ロボットによって固定されるか、または移送されることがある。ベベル領域110上のバンプ下地金属108の部分がクランプまたはロボットによって固定または接触された場合、粒子が落ち、ウエハを汚染してしまうおそれがある。
【0007】
もう1つの問題は、ノッチ(notch)を探す難しさである。図2Aは、図1に示された構造の上面図を示している。ノッチ112は、位置合わせの目的のために形成される。図2Bは、図2Aに示された構造の断面図を示しており、その断面図は、図2Aの切断線2B‐2Bに沿った断面を示している。バンプ下地金属108がノッチ112によって露出されたキャリアウエハ104の部分の上にも堆積していることに気づかされる。バンプ下地金属108は、透明でないため、ステッパー(photo stepper)などの機器は、しばしばノッチ112を見つけることができず、よって次のプロセスのための位置合わせを行うことができない。
【0008】
裏面シリコン貫通ビア接続を形成するには、図1に示された構造がチャンバ内に配置されて、静電チャック(electrostatic chuck;ESC または E-Chuck)によって固定される必要がある。しかし、キャリアウエハ104は、一般的にガラスで形成されており、静電チャック上にしっかりと固定されることができない。これは、ガラスの不十分な可動イオンに一部起因している。よって、上述の問題を克服する裏面相互接続構造と製造方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
裏面相互接続構造と製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施例の一態様に基づけば、集積回路構造は、半導体ウエハの端から半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含む半導体ウエハを含む。キャリアウエハは、半導体ウエハの上に設置される。キャリアウエハは、第1ノッチの少なくとも一部と重なる第2ノッチを有する。半導体ウエハに面したキャリアウエハの一面は、キャリアウエハの端面と鋭角を形成する。キャリアウエハ16は、1x108 Ohm-cmより低い抵抗率を有する。
【0011】
他の実施例も述べられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の特徴は、より確実な位置合わせ、低減された粒子の発生と、キャリアウエハを静電チャックに固定する改善能力を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】キャリアウエハのベベル領域にバンプ下地金属層が堆積されている、裏面相互接続構造を製造する中間段階の断面図である。
【図2A】ノッチがシリコンウエハに形成されている、キャリアウエハの上に設置されたシリコンウエハの上面図である。
【図2B】図2Aに示された構造の断面図である。
【図3A】実施例に基づいた相互接続構造を製造する中間段階の断面図である。
【図3B】実施例に用いられるウエハの上面図である。
【図4A】実施例に用いられるキャリアウエハの上面図である。
【図4B】図4Aに示すキャリアウエハの断面図である。
【図5A】図3Aの後に続く工程を説明するための断面図である。
【図5B】図5Aに示す構造の上面図である。
【図5C】図5Aに示す構造の他の例を示す上面図である。
【図5D】図5Aに示す構造のさらに他の例を示す上面図である。
【図5E】図5Aに示す構造に生じ得る反りの一例を示す図である。
【図5F】図5Aに示す構造に生じ得る反りの他の例を示す図である。
【図6】図5Aの後に続く工程を説明するための断面図である。
【図7A】図6の後に続く工程を説明するための断面図である。
【図7B】図7Aに示された構造の端部を示す側面図である。
【図8】図7Aの後に続く工程を説明するための断面図である。
【図9】図8の後に続く工程を説明するための断面図である。
【図10】図9の後に続く工程を説明するための断面図である。
【図11】図10の後に続く工程を説明するための断面図である。
【図12】図11の後に続く工程を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照にしながら、詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
シリコン貫通ビア(TSVs、半導体貫通ビア(through-semiconductor vias)としても知られている)に接続される新規的な裏面相互接続構造を形成する方法が提供される。実施例の製造における中間段階が例示される。各図と実施例中、同一の参照番号が同一の素子を示すのに用いられる。
【0016】
図3Aを参照すると、基板10を含むウエハ2が提供(用意)される。基板10は、例えばバルクシリコン基板などの半導体基板であってよいが、例えばIII族、IV族、及び/またはV族元素などの他の半導体材料を含むこともできる。例えばトランジスタ(ブロック4によって表示される)などの集積回路デバイスは、基板10の表面(図3Aの上に向いた表面)に形成されることができる。内部に形成された金属線とビア(図示せず)を含む相互接続構造12は、基板10上に形成され、集積回路デバイスに接続されることができる。金属線とビアは、銅、または銅合金で形成することができ、周知のダマシンプロセスを用いて形成することができる。相互接続構造12は、一般的に知られた層間誘電体(ILDs)と金属間誘電体(IMDs)を含むことができる。
【0017】
シリコン貫通ビア20は、基板10に形成され、基板10の表面(図3Aの上に向いた表面)から基板10の中に延伸する。図3Aに示されるように、実施例1では、シリコン貫通ビア20は、ビアファースト法を用いて形成され、底部金属化層(M1として一般的に知られている)の形成の前に形成される。よって、シリコン貫通ビア20は、相互接続構造12の金属間誘電体の中に延伸せず、アクティブ素子を覆うように用いられる層間誘電体内にのみ延伸する。もう1つの実施例では(図示せず)、シリコン貫通ビア20は、ビアラスト法を用いて形成され、相互接続構造12の形成後に形成される。よって、シリコン貫通ビア20は、基板10と相互接続構造12の両方を貫く。絶縁層22は、シリコン貫通ビア20の側壁上に形成され、シリコン貫通ビア20を基板10から電気的に絶縁する。絶縁層22は、例えば窒化ケイ素、酸化ケイ素(例えば、テトラメチル水酸化アンモニウム(TEOS)酸化物)と、その同類の一般的に用いられる誘電体材料で形成することができる。
【0018】
図3Bは、ウエハ2の上面図を示しており、ノッチ15がウエハに形成されているのを示している。ノッチ15は、ウエハ2の1つの表面から反対の表面(両表面が平面である)に達することができる。また、ノッチ15は、ウエハ2の端からウエハ2の中に(中心側へ)延びる。実施例では、ノッチ15は、上面図において三角形を有する。他の実施例では、ノッチ15は、上面図において例えば長方形などの他の形状を有することができる。
【0019】
図4Aは、キャリアウエハ(時にキャリア基板と呼ばれる)16の上面図を示している。キャリアウエハ16は、ガラス、シリコン、ガラスセラミック、及びその同類のものなどで形成することができる。実施例では、キャリアウエハ16は、約1x108 Ohm-cmより低い抵抗率を有する。抵抗率は、約1x106 Ohm-cmより低い、または更には約1x103 Ohm-cmより低いことができる。これは例えばキャリアウエハ16の製造で、例えばNa、K、Al、またはその同類の可動イオンを適当な濃度にドーピングすることで達成されることができる。続くプロセスでキャリアウエハ16の抵抗率を減少させることで、キャリアウエハ16はより確実に静電チャックに固定されることができる。
【0020】
キャリアウエハ16はまた、ノッチ17を含み、ノッチ17は、キャリアウエハ16の1つの表面から反対側(両表面が平面である)に達することができる。ある実施例では、キャリアウエハ16の直径D2は、ウエハ2の直径D1より大きい。またキャリアウエハ16の中心C2からノッチ17の距離S2は、ウエハ2(図3Bを参照)の半径R1より小さい。距離S2は、ウエハ2の中心C1からノッチ15の最接近点までの距離S1より大きい、距離S1と等しい、または距離S1より小さいこともできる。
【0021】
図4Bは、キャリアウエハ16の断面図を示している。好ましくは、上部角19(点線を用いて表された、後に続いて接着されるウエハ2に面した側)は、ベベル領域のないシャープな輪郭(sharp profile)を有する。言い換えれば、キャリアウエハ16の一面(図の上面)は、キャリアウエハ16の端面(周面)と鋭角(ここでは90度を含み、例えば90度)を形成する。
【0022】
図5Aを参照すると、ボンドパッド14は、ウエハ2の表面の前側(図5Aの上に向いた側)に形成され、ウエハ2の表面から突き出ている。続いてウエハ2は、接着剤18によってキャリアウエハ16の上(図では下側)に設置される。好ましくは接着の後、ウエハ2とキャリアウエハ16を含む結合構造の反りW(図5Eと図5Fを参照)は、約20μmより小さいか、または更には約1μmより小さい。図5Eは、反りWの実例1を示している。図5Fに表されるように、反りWは、反対方向に生じることもあることがわかる。反りWの低減は、ガラスの平坦度または接着剤の制御によって達成されることができる。
【0023】
図5Bは、図5Aに表された構造の上面図を示している。1つの実施例では、図5Bに示されるように、ノッチ17の一部は、ノッチ15の全体と重なり、ウエハ2の下に延びることができる。もう1つの実施例では、図5Cに示すように、ノッチ17の端はノッチ15の端に位置合わせされる。もう1つの実施例では、図5Dに示されるように、ノッチ17の全体は、ノッチ15の一部に重なる。
【0024】
図6では、裏面研磨(backside grinding)が基板10の余分な部分を除去するのに行われる。化学機械研磨(CMP)がウエハ2の裏面(図の上側)に対して行われ、シリコン貫通ビア20が露出する。裏面絶縁層24は、基板10の裏面を覆うように形成される。模範的な実施例では、裏面絶縁層24の形成は、基板10の裏面のエッチバック、裏面絶縁層24のブランケット形成と、シリコン貫通ビア20の直上の裏面絶縁層24の部分を除去する軽い化学機械研磨の実行を含む。よって、シリコン貫通ビア20は、裏面絶縁層24の開口によって露出する。もう1つの実施例では、シリコン貫通ビア20を露出させた裏面絶縁層24の開口は、エッチングによって形成される。ウエハ2は、複数のシリコン貫通ビア20を含むことができるため、反りの低減は、シリコン貫通ビアの一部が露出せず、あるいは一部が露出過剰とならずに、ウエハ2のシリコン貫通ビア20を全体的に均一に露出させることになる。
【0025】
図7Aを参照すると、シード層26は、バンプ下地金属(UBM)26としても知られ、裏面絶縁層24とシリコン貫通ビア20上にブランケット形成される。バンプ下地金属26は、スパッタリングまたは他の適当な方法によって形成することができる。バンプ下地金属26に用いることができる材料は、銅、または銅合金を含む。しかし、例えば銀、金、アルミニウム、あるいはその組み合わせなどの他の金属も含めることができる。
【0026】
図7Bは、図7Aに表された構造の端部を示している。簡単にするために、バンプ下地金属26、ウエハ2、接着層18、キャリアウエハ16のみが示され、他の要素は示されない。キャリアウエハ16のノッチ17がウエハ2のノッチ15の下方に形成されているため、バンプ下地金属26がキャリアウエハ16上に堆積して、ノッチ15によって露出することはないことがわかる。よって、例えばステッパーなどの後に続くプロセスを行う機器は、より容易にノッチ15を見つけることができ、より信頼できるプロセスとなることがわかる。
【0027】
図7Aはまたマスク46の形成を示している。ある実施例では、マスク46は、フォトレジストである。またはマスク46は、ドライフィルムで形成され、例えばAjinomoto Build-up Film(ABF)などのように有機材料を含むことができる。続いて、マスク46がパターン化され、マスク46に開口50を形成し、シリコン貫通ビア20(とバンプ下地金属26の被覆部分)が開口50によって露出する。キャリアウエハ16に切り欠き(ノッチ17)が設けられていることから、マスク46のパターンニングでより正確な位置合わせを行うことができる。
【0028】
図8では、図7Aに表された開口50は、金属材料で選択的に充填され、開口50に再配線(redistribution line;RDL)52が形成される。好ましい実施例では、充填材料は、銅または銅合金を含むが、例えばアルミニウム、銀、金、またはその組み合わせなどの他の金属も用いることができる。形成方法は、電気化学めっき(ECP)や、無電解めっき、または例えばスパッタリング、印刷、化学蒸着(CVD)法などその他の一般的に用いられる堆積法を含むことができる。続いてマスク46が除去される。よって、マスク46の下方のバンプ下地金属26の一部分が露出する。
【0029】
図9を参照すると、バンプ下地金属26の露出した部分は、フラッシュエッチングによって除去される。残りの再配線52は、シリコン貫通ビア20の真上の部分でシリコン貫通ビア20に接続された部分を含む再配線ストリップ(strip)(redistribution traceともいわれる)521と、再配線ストリップ521に選択的に接続するパッド522を含むことができる。図9と後に続く図では、バンプ下地金属26は、再配線52と類似の材料で一般的に形成されることから表示されず、再配線52と一体に表示される。フラッシュエッチングの結果として、再配線52も薄く除去される。しかし、再配線52の除去された部分は、その全体的な厚さに比べ、わずかである。
【0030】
次に、図10に示されるように、保護層56は、ブランケット形成され、パターン化されて開口58を形成する。保護層56は、窒化物、酸化物、ポリイミドなどで形成されることができる。フォトレジスト60が塗布され、現像されて開口58のパターンを画定する。パッド522の一部分は、保護層56の開口58によって露出する。開口58は、パッド522の中心部分に位置することができる。再配線ストリップ521は、保護層56によって覆われ続けることができる。
【0031】
次に、図11に示されるように、フォトレジスト60が除去され、銅ピラー64とバリア層66を含むボンディングパッドが形成される。ある実施例では、フォトレジスト63が形成される。フォトレジスト63は、フォトレジスト60より厚いことが望ましい。ある実施例では、フォトレジスト63の厚さは、約20μmより大きいか、または更には約60μmより大きい。フォトレジスト63は、パターン化され、開口65を形成し、開口65によってパッド522が露出する。次に、銅ピラー64は、電気めっきによって開口65から開始して形成される。銅ピラー64は、銅、及び/または他の金属、例えば銀、金、タングステン、アルミニウム、あるいはそれらの組み合わせ、を含むことができる。ニッケルで形成することができるバリア層66は、銅ピラー64の上に形成することができ、はんだ68は、障壁層66の上に形成することができる。
【0032】
図12を参照すると、フォトレジスト63が除去される。続いてキャリアウエハ16をウエハ2から取り外すことができる。図11に表されるような構造は、例えばチップ/ウエハ80のような他のチップまたはウエハに接合することができる。模範的な実施例では、チップ/ウエハ80は、その表面(図の下側)上に銅ポスト(copper post)86とバリア層84を有し、はんだ68は、ウエハ2とチップ/ウエハ80にリフロー接合されることができる。アンダーフィル90は、ウエハ2とチップ/ウエハ80の間に充填されることができる。もう1つの実施例では、ウエハ2は、他のチップ/ウエハに接合される前にチップに分割されることができる。もう1つの実施例では、キャリアウエハ16の取り外しは、ウエハ2がチップ/ウエハ80上に接合された後に行われることができる。
【0033】
上述した実施例では、シリコン貫通ビアの裏面相互接続構造は、実施例の概念を説明する例として用いられる。実施例の概念は、例えばウエハ対ウエハボンディングプロセスなどのキャリアウエハを含む全ての他の製造プロセスに用いることができる。
【0034】
実施例は、いくつかの特徴を有する。キャリアウエハにノッチを形成することで、半導体ウエハのノッチによって露出するキャリアウエハの部分に堆積するバンプ下地金属がない。よってより信頼できる位置合わせが行える。ベベル領域を有さないキャリアウエハの角により、バンプ下地金属の剥離が減少する。また、キャリアウエハの減少した抵抗率により、キャリアウエハは、静電チャックにより確実に固定できる。
【0035】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る変更や修飾を付加することが可能である。従って、本発明が請求する保護範囲は、特許請求の範囲を基準とする。また、本発明の範囲は、説明書に説明された特定の実施例のプロセス、機器、製造、物質組成、装置、方法とステップに限定されるものではない。当業者は、本発明の掲示内容にしたがい、現存する、または後に開発されるプロセス、機器、製造、物質組成、装置、方法とステップが、ここに記述される実施例に基づいて実質的に同様の機能または実質的に同様の結果を達成するならば、本発明中に用いることができる。よって、本発明の範囲は、上述のプロセス、機器、製造、物質組成、装置、方法とステップを含む。また、各特許請求の範囲は個別の実施例を構成し、本発明の範囲も各特許請求の範囲と実施例の組み合わせを含む。
【符号の説明】
【0036】
2 ウエハ
4 トランジスタ
10 基板
12 相互接続構造
14 パッド
15、17 ノッチ
16 キャリアウエハ
18 接着剤
19 角
20 シリコン貫通ビア
22、24 絶縁層
26 シード層(バンプ下地金属)
46 マスク
50、58、65 開口
52 再配線
521 再分布線ストリップ
522 パッド
56 保護層
60、63 フォトレジスト
64、86 銅ピラー
66、84 障壁層
68 はんだ
80 チップ/ウエハ
90 アンダーフィル
100 シリコンウエハ
102 シリコン貫通ビア
104 キャリアウエハ
106 接着剤
108 バンプ下地金属
110 ベベル領域
112 ノッチ
C1、C2 中心
D1、D2 直径
R1 半径
S1、S2 距離
W 反り
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路構造に関し、特に、シリコン貫通ビアに関し、更に特に、ウエハの裏面(backside)上で、シリコン貫通ビアに接続された相互接続構造を形成することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路の発明以来、半導体産業は、さまざまな電子構成要素(例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサなど)の集積密度の継続的な改善により、急成長を遂げてきた。ほとんどの場合、集積密度のこの改善は、より多くの構成要素が所定の領域に集積されるように、最小加工寸法(minimum feature size)の度重なる縮小により、もたらされたものである。
【0003】
これらの集積密度の改善は、実際には、基本的に二次元(2D)に関するものであり、集積された構成要素によって占められる体積は、基本的に半導体ウエハの表面にある。リソグラフィーの劇的な向上は、2D集積回路の形成に大幅な改善をもたらしたが、2次元で達成することができる密度には、物理的な制限がある。これらの制限の1つは、これらの構成要素を作製するのに必要な最小サイズである。また、1つのチップに入れるデバイスが多ければ多いほど、複雑な設計が必要となる。
【0004】
もう1つの制限は、デバイスの数の増加に伴ってデバイス間の相互接続の数と長さが大きく増加することである。相互接続の数と長さが増加した時、回路のRC遅延と電力消費の両方が増加する。
【0005】
上述の制限を解決する取り組みには、3次元集積回路(3DICs)の使用が含まれ、スタックダイが一般的に用いられる。よってシリコン貫通ビア(TSVs)は、3DICsとスタックダイに用いられる。この場合、シリコン貫通ビアは、ダイ上の集積回路をダイの裏面側へ接続するのにしばしば用いられる。また、シリコン貫通ビアは、ダイの裏面を通して集積回路を接地する短い接地経路(short grounding paths)を提供するのに用いられ、接地した金属膜(grounded metallic film)によって覆われることができる。
【0006】
裏面シリコン貫通ビア接続(backside TSV connections)の従来の形成方法は、欠点を有する。裏面相互接続構造の製造の中間段階の断面図を示す図1を参照すると、シリコンウエハ100は、シリコン貫通ビア102を含む。シリコンウエハ100は、接着剤106によってキャリアウエハ(carrier wafer)104の上に設置される。バンプ下地金属(Under-bump metallurgy;UBM)108は、シリコンウエハ100の上に堆積される。キャリアウエハ104は、一般的にシリコンウエハ100より大きいため、バンプ下地金属108はキャリアウエハ104の上にも堆積される。キャリアウエハ104が、ベベル領域(beveled areas)110を有するため、バンプ下地金属108はベベル領域110上に堆積した部分を含み、バンプ下地金属108のこれらの部分は、傷(scratching)がつきやすく、剥離(peeling)し易い。製造プロセスでは、図1に示された構造は、ロボットによって固定されるか、または移送されることがある。ベベル領域110上のバンプ下地金属108の部分がクランプまたはロボットによって固定または接触された場合、粒子が落ち、ウエハを汚染してしまうおそれがある。
【0007】
もう1つの問題は、ノッチ(notch)を探す難しさである。図2Aは、図1に示された構造の上面図を示している。ノッチ112は、位置合わせの目的のために形成される。図2Bは、図2Aに示された構造の断面図を示しており、その断面図は、図2Aの切断線2B‐2Bに沿った断面を示している。バンプ下地金属108がノッチ112によって露出されたキャリアウエハ104の部分の上にも堆積していることに気づかされる。バンプ下地金属108は、透明でないため、ステッパー(photo stepper)などの機器は、しばしばノッチ112を見つけることができず、よって次のプロセスのための位置合わせを行うことができない。
【0008】
裏面シリコン貫通ビア接続を形成するには、図1に示された構造がチャンバ内に配置されて、静電チャック(electrostatic chuck;ESC または E-Chuck)によって固定される必要がある。しかし、キャリアウエハ104は、一般的にガラスで形成されており、静電チャック上にしっかりと固定されることができない。これは、ガラスの不十分な可動イオンに一部起因している。よって、上述の問題を克服する裏面相互接続構造と製造方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
裏面相互接続構造と製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施例の一態様に基づけば、集積回路構造は、半導体ウエハの端から半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含む半導体ウエハを含む。キャリアウエハは、半導体ウエハの上に設置される。キャリアウエハは、第1ノッチの少なくとも一部と重なる第2ノッチを有する。半導体ウエハに面したキャリアウエハの一面は、キャリアウエハの端面と鋭角を形成する。キャリアウエハ16は、1x108 Ohm-cmより低い抵抗率を有する。
【0011】
他の実施例も述べられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の特徴は、より確実な位置合わせ、低減された粒子の発生と、キャリアウエハを静電チャックに固定する改善能力を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】キャリアウエハのベベル領域にバンプ下地金属層が堆積されている、裏面相互接続構造を製造する中間段階の断面図である。
【図2A】ノッチがシリコンウエハに形成されている、キャリアウエハの上に設置されたシリコンウエハの上面図である。
【図2B】図2Aに示された構造の断面図である。
【図3A】実施例に基づいた相互接続構造を製造する中間段階の断面図である。
【図3B】実施例に用いられるウエハの上面図である。
【図4A】実施例に用いられるキャリアウエハの上面図である。
【図4B】図4Aに示すキャリアウエハの断面図である。
【図5A】図3Aの後に続く工程を説明するための断面図である。
【図5B】図5Aに示す構造の上面図である。
【図5C】図5Aに示す構造の他の例を示す上面図である。
【図5D】図5Aに示す構造のさらに他の例を示す上面図である。
【図5E】図5Aに示す構造に生じ得る反りの一例を示す図である。
【図5F】図5Aに示す構造に生じ得る反りの他の例を示す図である。
【図6】図5Aの後に続く工程を説明するための断面図である。
【図7A】図6の後に続く工程を説明するための断面図である。
【図7B】図7Aに示された構造の端部を示す側面図である。
【図8】図7Aの後に続く工程を説明するための断面図である。
【図9】図8の後に続く工程を説明するための断面図である。
【図10】図9の後に続く工程を説明するための断面図である。
【図11】図10の後に続く工程を説明するための断面図である。
【図12】図11の後に続く工程を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照にしながら、詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
シリコン貫通ビア(TSVs、半導体貫通ビア(through-semiconductor vias)としても知られている)に接続される新規的な裏面相互接続構造を形成する方法が提供される。実施例の製造における中間段階が例示される。各図と実施例中、同一の参照番号が同一の素子を示すのに用いられる。
【0016】
図3Aを参照すると、基板10を含むウエハ2が提供(用意)される。基板10は、例えばバルクシリコン基板などの半導体基板であってよいが、例えばIII族、IV族、及び/またはV族元素などの他の半導体材料を含むこともできる。例えばトランジスタ(ブロック4によって表示される)などの集積回路デバイスは、基板10の表面(図3Aの上に向いた表面)に形成されることができる。内部に形成された金属線とビア(図示せず)を含む相互接続構造12は、基板10上に形成され、集積回路デバイスに接続されることができる。金属線とビアは、銅、または銅合金で形成することができ、周知のダマシンプロセスを用いて形成することができる。相互接続構造12は、一般的に知られた層間誘電体(ILDs)と金属間誘電体(IMDs)を含むことができる。
【0017】
シリコン貫通ビア20は、基板10に形成され、基板10の表面(図3Aの上に向いた表面)から基板10の中に延伸する。図3Aに示されるように、実施例1では、シリコン貫通ビア20は、ビアファースト法を用いて形成され、底部金属化層(M1として一般的に知られている)の形成の前に形成される。よって、シリコン貫通ビア20は、相互接続構造12の金属間誘電体の中に延伸せず、アクティブ素子を覆うように用いられる層間誘電体内にのみ延伸する。もう1つの実施例では(図示せず)、シリコン貫通ビア20は、ビアラスト法を用いて形成され、相互接続構造12の形成後に形成される。よって、シリコン貫通ビア20は、基板10と相互接続構造12の両方を貫く。絶縁層22は、シリコン貫通ビア20の側壁上に形成され、シリコン貫通ビア20を基板10から電気的に絶縁する。絶縁層22は、例えば窒化ケイ素、酸化ケイ素(例えば、テトラメチル水酸化アンモニウム(TEOS)酸化物)と、その同類の一般的に用いられる誘電体材料で形成することができる。
【0018】
図3Bは、ウエハ2の上面図を示しており、ノッチ15がウエハに形成されているのを示している。ノッチ15は、ウエハ2の1つの表面から反対の表面(両表面が平面である)に達することができる。また、ノッチ15は、ウエハ2の端からウエハ2の中に(中心側へ)延びる。実施例では、ノッチ15は、上面図において三角形を有する。他の実施例では、ノッチ15は、上面図において例えば長方形などの他の形状を有することができる。
【0019】
図4Aは、キャリアウエハ(時にキャリア基板と呼ばれる)16の上面図を示している。キャリアウエハ16は、ガラス、シリコン、ガラスセラミック、及びその同類のものなどで形成することができる。実施例では、キャリアウエハ16は、約1x108 Ohm-cmより低い抵抗率を有する。抵抗率は、約1x106 Ohm-cmより低い、または更には約1x103 Ohm-cmより低いことができる。これは例えばキャリアウエハ16の製造で、例えばNa、K、Al、またはその同類の可動イオンを適当な濃度にドーピングすることで達成されることができる。続くプロセスでキャリアウエハ16の抵抗率を減少させることで、キャリアウエハ16はより確実に静電チャックに固定されることができる。
【0020】
キャリアウエハ16はまた、ノッチ17を含み、ノッチ17は、キャリアウエハ16の1つの表面から反対側(両表面が平面である)に達することができる。ある実施例では、キャリアウエハ16の直径D2は、ウエハ2の直径D1より大きい。またキャリアウエハ16の中心C2からノッチ17の距離S2は、ウエハ2(図3Bを参照)の半径R1より小さい。距離S2は、ウエハ2の中心C1からノッチ15の最接近点までの距離S1より大きい、距離S1と等しい、または距離S1より小さいこともできる。
【0021】
図4Bは、キャリアウエハ16の断面図を示している。好ましくは、上部角19(点線を用いて表された、後に続いて接着されるウエハ2に面した側)は、ベベル領域のないシャープな輪郭(sharp profile)を有する。言い換えれば、キャリアウエハ16の一面(図の上面)は、キャリアウエハ16の端面(周面)と鋭角(ここでは90度を含み、例えば90度)を形成する。
【0022】
図5Aを参照すると、ボンドパッド14は、ウエハ2の表面の前側(図5Aの上に向いた側)に形成され、ウエハ2の表面から突き出ている。続いてウエハ2は、接着剤18によってキャリアウエハ16の上(図では下側)に設置される。好ましくは接着の後、ウエハ2とキャリアウエハ16を含む結合構造の反りW(図5Eと図5Fを参照)は、約20μmより小さいか、または更には約1μmより小さい。図5Eは、反りWの実例1を示している。図5Fに表されるように、反りWは、反対方向に生じることもあることがわかる。反りWの低減は、ガラスの平坦度または接着剤の制御によって達成されることができる。
【0023】
図5Bは、図5Aに表された構造の上面図を示している。1つの実施例では、図5Bに示されるように、ノッチ17の一部は、ノッチ15の全体と重なり、ウエハ2の下に延びることができる。もう1つの実施例では、図5Cに示すように、ノッチ17の端はノッチ15の端に位置合わせされる。もう1つの実施例では、図5Dに示されるように、ノッチ17の全体は、ノッチ15の一部に重なる。
【0024】
図6では、裏面研磨(backside grinding)が基板10の余分な部分を除去するのに行われる。化学機械研磨(CMP)がウエハ2の裏面(図の上側)に対して行われ、シリコン貫通ビア20が露出する。裏面絶縁層24は、基板10の裏面を覆うように形成される。模範的な実施例では、裏面絶縁層24の形成は、基板10の裏面のエッチバック、裏面絶縁層24のブランケット形成と、シリコン貫通ビア20の直上の裏面絶縁層24の部分を除去する軽い化学機械研磨の実行を含む。よって、シリコン貫通ビア20は、裏面絶縁層24の開口によって露出する。もう1つの実施例では、シリコン貫通ビア20を露出させた裏面絶縁層24の開口は、エッチングによって形成される。ウエハ2は、複数のシリコン貫通ビア20を含むことができるため、反りの低減は、シリコン貫通ビアの一部が露出せず、あるいは一部が露出過剰とならずに、ウエハ2のシリコン貫通ビア20を全体的に均一に露出させることになる。
【0025】
図7Aを参照すると、シード層26は、バンプ下地金属(UBM)26としても知られ、裏面絶縁層24とシリコン貫通ビア20上にブランケット形成される。バンプ下地金属26は、スパッタリングまたは他の適当な方法によって形成することができる。バンプ下地金属26に用いることができる材料は、銅、または銅合金を含む。しかし、例えば銀、金、アルミニウム、あるいはその組み合わせなどの他の金属も含めることができる。
【0026】
図7Bは、図7Aに表された構造の端部を示している。簡単にするために、バンプ下地金属26、ウエハ2、接着層18、キャリアウエハ16のみが示され、他の要素は示されない。キャリアウエハ16のノッチ17がウエハ2のノッチ15の下方に形成されているため、バンプ下地金属26がキャリアウエハ16上に堆積して、ノッチ15によって露出することはないことがわかる。よって、例えばステッパーなどの後に続くプロセスを行う機器は、より容易にノッチ15を見つけることができ、より信頼できるプロセスとなることがわかる。
【0027】
図7Aはまたマスク46の形成を示している。ある実施例では、マスク46は、フォトレジストである。またはマスク46は、ドライフィルムで形成され、例えばAjinomoto Build-up Film(ABF)などのように有機材料を含むことができる。続いて、マスク46がパターン化され、マスク46に開口50を形成し、シリコン貫通ビア20(とバンプ下地金属26の被覆部分)が開口50によって露出する。キャリアウエハ16に切り欠き(ノッチ17)が設けられていることから、マスク46のパターンニングでより正確な位置合わせを行うことができる。
【0028】
図8では、図7Aに表された開口50は、金属材料で選択的に充填され、開口50に再配線(redistribution line;RDL)52が形成される。好ましい実施例では、充填材料は、銅または銅合金を含むが、例えばアルミニウム、銀、金、またはその組み合わせなどの他の金属も用いることができる。形成方法は、電気化学めっき(ECP)や、無電解めっき、または例えばスパッタリング、印刷、化学蒸着(CVD)法などその他の一般的に用いられる堆積法を含むことができる。続いてマスク46が除去される。よって、マスク46の下方のバンプ下地金属26の一部分が露出する。
【0029】
図9を参照すると、バンプ下地金属26の露出した部分は、フラッシュエッチングによって除去される。残りの再配線52は、シリコン貫通ビア20の真上の部分でシリコン貫通ビア20に接続された部分を含む再配線ストリップ(strip)(redistribution traceともいわれる)521と、再配線ストリップ521に選択的に接続するパッド522を含むことができる。図9と後に続く図では、バンプ下地金属26は、再配線52と類似の材料で一般的に形成されることから表示されず、再配線52と一体に表示される。フラッシュエッチングの結果として、再配線52も薄く除去される。しかし、再配線52の除去された部分は、その全体的な厚さに比べ、わずかである。
【0030】
次に、図10に示されるように、保護層56は、ブランケット形成され、パターン化されて開口58を形成する。保護層56は、窒化物、酸化物、ポリイミドなどで形成されることができる。フォトレジスト60が塗布され、現像されて開口58のパターンを画定する。パッド522の一部分は、保護層56の開口58によって露出する。開口58は、パッド522の中心部分に位置することができる。再配線ストリップ521は、保護層56によって覆われ続けることができる。
【0031】
次に、図11に示されるように、フォトレジスト60が除去され、銅ピラー64とバリア層66を含むボンディングパッドが形成される。ある実施例では、フォトレジスト63が形成される。フォトレジスト63は、フォトレジスト60より厚いことが望ましい。ある実施例では、フォトレジスト63の厚さは、約20μmより大きいか、または更には約60μmより大きい。フォトレジスト63は、パターン化され、開口65を形成し、開口65によってパッド522が露出する。次に、銅ピラー64は、電気めっきによって開口65から開始して形成される。銅ピラー64は、銅、及び/または他の金属、例えば銀、金、タングステン、アルミニウム、あるいはそれらの組み合わせ、を含むことができる。ニッケルで形成することができるバリア層66は、銅ピラー64の上に形成することができ、はんだ68は、障壁層66の上に形成することができる。
【0032】
図12を参照すると、フォトレジスト63が除去される。続いてキャリアウエハ16をウエハ2から取り外すことができる。図11に表されるような構造は、例えばチップ/ウエハ80のような他のチップまたはウエハに接合することができる。模範的な実施例では、チップ/ウエハ80は、その表面(図の下側)上に銅ポスト(copper post)86とバリア層84を有し、はんだ68は、ウエハ2とチップ/ウエハ80にリフロー接合されることができる。アンダーフィル90は、ウエハ2とチップ/ウエハ80の間に充填されることができる。もう1つの実施例では、ウエハ2は、他のチップ/ウエハに接合される前にチップに分割されることができる。もう1つの実施例では、キャリアウエハ16の取り外しは、ウエハ2がチップ/ウエハ80上に接合された後に行われることができる。
【0033】
上述した実施例では、シリコン貫通ビアの裏面相互接続構造は、実施例の概念を説明する例として用いられる。実施例の概念は、例えばウエハ対ウエハボンディングプロセスなどのキャリアウエハを含む全ての他の製造プロセスに用いることができる。
【0034】
実施例は、いくつかの特徴を有する。キャリアウエハにノッチを形成することで、半導体ウエハのノッチによって露出するキャリアウエハの部分に堆積するバンプ下地金属がない。よってより信頼できる位置合わせが行える。ベベル領域を有さないキャリアウエハの角により、バンプ下地金属の剥離が減少する。また、キャリアウエハの減少した抵抗率により、キャリアウエハは、静電チャックにより確実に固定できる。
【0035】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る変更や修飾を付加することが可能である。従って、本発明が請求する保護範囲は、特許請求の範囲を基準とする。また、本発明の範囲は、説明書に説明された特定の実施例のプロセス、機器、製造、物質組成、装置、方法とステップに限定されるものではない。当業者は、本発明の掲示内容にしたがい、現存する、または後に開発されるプロセス、機器、製造、物質組成、装置、方法とステップが、ここに記述される実施例に基づいて実質的に同様の機能または実質的に同様の結果を達成するならば、本発明中に用いることができる。よって、本発明の範囲は、上述のプロセス、機器、製造、物質組成、装置、方法とステップを含む。また、各特許請求の範囲は個別の実施例を構成し、本発明の範囲も各特許請求の範囲と実施例の組み合わせを含む。
【符号の説明】
【0036】
2 ウエハ
4 トランジスタ
10 基板
12 相互接続構造
14 パッド
15、17 ノッチ
16 キャリアウエハ
18 接着剤
19 角
20 シリコン貫通ビア
22、24 絶縁層
26 シード層(バンプ下地金属)
46 マスク
50、58、65 開口
52 再配線
521 再分布線ストリップ
522 パッド
56 保護層
60、63 フォトレジスト
64、86 銅ピラー
66、84 障壁層
68 はんだ
80 チップ/ウエハ
90 アンダーフィル
100 シリコンウエハ
102 シリコン貫通ビア
104 キャリアウエハ
106 接着剤
108 バンプ下地金属
110 ベベル領域
112 ノッチ
C1、C2 中心
D1、D2 直径
R1 半径
S1、S2 距離
W 反り
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路構造を形成する方法であって、前記方法は、
半導体ウエハの端から前記半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含む半導体ウエハを提供するステップ、及び
前記半導体ウエハの上に、第2ノッチを含むキャリアウエハを設置するステップを含み、前記キャリアウエハを設置するステップは、前記第1ノッチの少なくとも一部を前記第2ノッチの少なくとも一部と重ねる方法。
【請求項2】
前記半導体ウエハは、前記半導体ウエハの中に延伸するシリコン貫通ビアを含み、前記方法は、
前記キャリアウエハの設置ステップ後、前記半導体ウエハの裏面を研磨して前記シリコン貫通ビアを露出させるステップ、及び
前記半導体ウエハの裏面上に導電層を堆積し、前記シリコン貫通ビアに電気的に接続するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2ノッチは、前記キャリアウエハの端から前記キャリアウエハの中に延びる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記キャリアウエハの設置ステップは、前記第2ノッチの端を前記第1ノッチの端に位置合わせするステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2ノッチの全体より小さい前記第2ノッチの一部は、前記第1ノッチの全体と重なる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1ノッチの全体より小さい前記第1ノッチの一部は、前記第2ノッチの全体と重なる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
集積回路構造を形成する方法であって、前記方法は、
半導体ウエハを提供するステップ、及び
前記半導体ウエハの上に、キャリアウエハを設置するステップを含み、前記半導体ウエハに面した前記キャリアウエハの一面は、前記キャリアウエハの端面と鋭角を形成する方法。
【請求項8】
前記半導体ウエハは、半導体基板と前記半導体基板の中に延伸するシリコン貫通ビアを含み、前記方法は、
前記半導体基板の一面側にバンプ下地金属を形成し、前記シリコン貫通ビアに電気的に接続するステップ、及び
前記バンプ下地金属の形成ステップ後、前記キャリアウエハを前記半導体ウエハから取り外すステップを更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記半導体ウエハは、前記半導体ウエハの端から前記半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含み、前記キャリアウエハは、第2ノッチを含み、前記キャリアウエハを設置するステップは、前記第1ノッチの少なくとも一部と重なるように前記第2ノッチを位置合わせするステップを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
集積回路構造を形成する方法であって、前記方法は、
半導体ウエハを提供するステップ、及び
前記半導体ウエハの上に、キャリアウエハを設置するステップを含み、前記キャリアウエハは、1x108 Ohm-cmより低い抵抗率を有する方法。
【請求項11】
前記半導体ウエハに面した側の前記キャリアウエハの全ての角は90度角のシャープな輪郭を有する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体ウエハは、前記半導体ウエハの端から前記半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含み、前記キャリアウエハは、第2ノッチを含み、前記キャリアウエハを設置するステップは、前記第1ノッチの少なくとも一部と重なるように前記第2ノッチを位置合わせするステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項1】
集積回路構造を形成する方法であって、前記方法は、
半導体ウエハの端から前記半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含む半導体ウエハを提供するステップ、及び
前記半導体ウエハの上に、第2ノッチを含むキャリアウエハを設置するステップを含み、前記キャリアウエハを設置するステップは、前記第1ノッチの少なくとも一部を前記第2ノッチの少なくとも一部と重ねる方法。
【請求項2】
前記半導体ウエハは、前記半導体ウエハの中に延伸するシリコン貫通ビアを含み、前記方法は、
前記キャリアウエハの設置ステップ後、前記半導体ウエハの裏面を研磨して前記シリコン貫通ビアを露出させるステップ、及び
前記半導体ウエハの裏面上に導電層を堆積し、前記シリコン貫通ビアに電気的に接続するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2ノッチは、前記キャリアウエハの端から前記キャリアウエハの中に延びる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記キャリアウエハの設置ステップは、前記第2ノッチの端を前記第1ノッチの端に位置合わせするステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2ノッチの全体より小さい前記第2ノッチの一部は、前記第1ノッチの全体と重なる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1ノッチの全体より小さい前記第1ノッチの一部は、前記第2ノッチの全体と重なる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
集積回路構造を形成する方法であって、前記方法は、
半導体ウエハを提供するステップ、及び
前記半導体ウエハの上に、キャリアウエハを設置するステップを含み、前記半導体ウエハに面した前記キャリアウエハの一面は、前記キャリアウエハの端面と鋭角を形成する方法。
【請求項8】
前記半導体ウエハは、半導体基板と前記半導体基板の中に延伸するシリコン貫通ビアを含み、前記方法は、
前記半導体基板の一面側にバンプ下地金属を形成し、前記シリコン貫通ビアに電気的に接続するステップ、及び
前記バンプ下地金属の形成ステップ後、前記キャリアウエハを前記半導体ウエハから取り外すステップを更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記半導体ウエハは、前記半導体ウエハの端から前記半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含み、前記キャリアウエハは、第2ノッチを含み、前記キャリアウエハを設置するステップは、前記第1ノッチの少なくとも一部と重なるように前記第2ノッチを位置合わせするステップを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
集積回路構造を形成する方法であって、前記方法は、
半導体ウエハを提供するステップ、及び
前記半導体ウエハの上に、キャリアウエハを設置するステップを含み、前記キャリアウエハは、1x108 Ohm-cmより低い抵抗率を有する方法。
【請求項11】
前記半導体ウエハに面した側の前記キャリアウエハの全ての角は90度角のシャープな輪郭を有する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体ウエハは、前記半導体ウエハの端から前記半導体ウエハの中に延びる第1ノッチを含み、前記キャリアウエハは、第2ノッチを含み、前記キャリアウエハを設置するステップは、前記第1ノッチの少なくとも一部と重なるように前記第2ノッチを位置合わせするステップを含む請求項10に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−9750(P2011−9750A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145180(P2010−145180)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(500262038)台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司 (198)
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】8,Li−Hsin Rd.6,Hsinchu Science Park,Hsinchu,Taiwan 300−77,R.O.C.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(500262038)台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司 (198)
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】8,Li−Hsin Rd.6,Hsinchu Science Park,Hsinchu,Taiwan 300−77,R.O.C.
【Fターム(参考)】
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