説明

露光方法、露光装置、露光システム及びデバイス製造方法

【課題】転写条件の調整を高精度に行うことができるとともに高スループット化を可能とすること。
【解決手段】基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する露光方法であって、基板に第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写ステップと、転写された第一パターンのパターン情報を計測する第一計測ステップと、第一パターンのパターン情報に関する第一計測結果に基づいて転写条件を調整する第一調整ステップと、調整された転写条件で基板に第二パターンを転写する第二転写ステップと、転写された第二パターンのパターン情報を計測する第一計測ステップと、第二パターンのパターン情報に関する第二計測結果と、第一計測結果とに基づいて転写条件を調整する第二調整ステップと、調整された転写条件で基板に第三パターンを転写する第三転写ステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光方法、露光装置、露光システム及びデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示デバイスや半導体デバイスなどの各種デバイスは、マスク等に設けられたパターンを感光基板に転写するフォトリソグラフィ工程を利用して製造されている。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置では、例えば、マスクが載置されたマスクステージと、感光基板が載置された基板ステージとを同期走査しつつ、マスクに形成されたパターンを感光基板に転写する。
【0003】
一般に、液晶表示デバイスに対するフォトリソグラフィ工程では、1枚の感光基板上に複数の露光領域(液晶表示デバイスの表示画面に対応する領域)を設定し、各露光領域を順次露光してパターンを転写することが行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の露光方法では、各露光領域の近傍に設けられたアライメントマークを検出し、この検出結果に基づいて露光領域ごとにアライメント(位置合わせ)を行って露光する処理が繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−347184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の露光方法では、各露光領域に対して設けられたアライメントマークを感光基板ごとにすべて検出しているため、露光領域ごとに高精度に位置合わせを行って露光することができるものの、高スループット化の要望を十分に満足することができなかった。
【0006】
本発明の態様の目的は、転写条件の調整を高精度に行うことができるとともに高スループット化が可能な露光方法、露光装置、露光システム及びデバイス製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様に従えば、基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する露光方法であって、基板に第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写ステップと、転写された第一パターンのパターン情報を計測する第一計測ステップと、第一パターンのパターン情報に関する第一計測結果に基づいて転写条件を調整する第一調整ステップと、調整された転写条件で基板に第二パターンを転写する第二転写ステップと、転写された第二パターンのパターン情報を計測する第一計測ステップと、第二パターンのパターン情報に関する第二計測結果と、第一計測結果とに基づいて転写条件を調整する第二調整ステップと、調整された転写条件で基板に第三パターンを転写する第三転写ステップとを含む露光方法が提供される。
【0008】
本発明の第二の態様に従えば、複数の基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する露光方法であって、複数の基板に第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写ステップと、転写された第一パターンのパターン情報を基板毎に計測する第一計測ステップと、第一パターンのパターン情報に関する第一計測結果に基づいて基板毎に転写条件を調整する第一調整ステップと、調整された転写条件で複数の基板に第二パターンを転写する第二転写ステップと、転写された第二パターンのパターン情報を基板毎に計測する第二計測ステップと、複数の基板のうち同一の基板についての第一計測結果及び第二パターンのパターン情報に関する第二計測結果に基づいて、基板毎に転写条件を調整する第二調整ステップと、調整された転写条件で複数の基板に第三パターンを転写する第三転写ステップとを含む露光方法が提供される。
【0009】
本発明の第三の態様に従えば、基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する転写装置と、転写装置に配置される基板に転写される少なくとも第一パターン及び第二パターンのパターン情報を計測する計測装置と、転写装置に配置される基板の転写条件を調整する調整装置と、基板に第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写動作、基板に転写された第一パターンのパターン情報を計測する第一計測動作、第一パターンのパターン情報に関する第一計測結果に基づいて転写条件を調整する第一調整動作、調整された転写条件で基板に第二パターンを転写する第二転写動作、転写された第二パターンのパターン情報を計測する第二計測動作、第二パターンのパターン情報に関する第二計測結果と、第一計測結果とに基づいて転写条件を調整する第二調整動作、及び、調整された転写条件で基板に第三パターンを転写する第三転写動作、を行わせる制御装置とを備える露光装置が提供される。
【0010】
本発明の第四の態様に従えば、複数の基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する転写装置と、転写装置に配置されるそれぞれの基板に転写される少なくとも第一パターン及び第二パターンのパターン情報を基板毎に計測する計測装置と、転写装置に配置されるそれぞれの基板の転写条件を基板毎に調整する調整装置と、複数の基板に第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写動作と、転写された第一パターンのパターン情報を基板毎に計測する第一計測動作と、第一パターンのパターン情報に関する第一計測結果に基づいて基板毎に転写条件を調整する第一調整動作と、調整された転写条件で複数の基板に第二パターンを転写する第二転写動作と、転写された第二パターンのパターン情報を基板毎に計測する第二計測動作と、複数の基板のうち同一の基板についての第一計測結果及び第二パターンのパターン情報に関する第二計測結果に基づいて、基板毎に転写条件を調整する第二調整動作と、調整された転写条件で複数の基板に第三パターンを転写する第三転写動作と、を行わせる制御装置とを備える露光装置が提供される。
【0011】
本発明の第五の態様に従えば、基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する転写装置、及び、転写装置に配置される基板の転写条件を調整する調整装置、を有する露光装置と、露光装置との間で基板を搬送するための搬送部を有し、転写装置に配置される基板に転写される少なくとも第一パターン及び第二パターンのパターン情報を計測する計測装置と、基板に第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写動作、基板に転写された第一パターンのパターン情報を計測する第一計測動作、第一パターンのパターン情報に関する第一計測結果に基づいて転写条件を調整する第一調整動作、調整された転写条件で基板に第二パターンを転写する第二転写動作、転写された第二パターンのパターン情報を計測する第二計測動作、第二パターンのパターン情報に関する第二計測結果と、第一計測結果とに基づいて転写条件を調整する第二調整動作、及び、調整された転写条件で基板に第三パターンを転写する第三転写動作、を行わせる制御装置とを備える露光システムが提供される。
【0012】
本発明の第六の態様に従えば、複数の基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する転写装置、及び、転写装置に配置されるそれぞれの基板の転写条件を基板毎に調整する調整装置、を有する露光装置と、露光装置との間で基板を搬送するための搬送部を有し、転写装置に配置されるそれぞれの基板に転写される少なくとも第一パターン及び第二パターンのパターン情報を基板毎に計測する計測装置と、複数の基板に第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写動作と、転写された第一パターンのパターン情報を基板毎に計測する第一計測動作と、第一パターンのパターン情報に関する第一計測結果に基づいて基板毎に転写条件を調整する第一調整動作と、調整された転写条件で複数の基板に第二パターンを転写する第二転写動作と、転写された第二パターンのパターン情報を基板毎に計測する第二計測動作と、複数の基板のうち同一の基板についての第一計測結果及び第二パターンのパターン情報に関する第二計測結果に基づいて、基板毎に転写条件を調整する第二調整動作と、調整された転写条件で複数の基板に第三パターンを転写する第三転写動作と、を行わせる制御装置とを備える露光システムが提供される。
【0013】
本発明の第七の態様に従えば、本発明の態様に従う露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像して、第一パターン、第二パターン及び第三パターンに対応する露光パターン層を形成することと、露光パターン層を介して基板を加工することとを含むデバイス製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の態様によれば、転写条件の調整を高精度に行うことができるとともに高スループット化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図。
【図2】本実施形態に係る露光装置の一例を示す斜視図。
【図3】本実施形態に係る照明システムの一例を示す図。
【図4】本実施形態に係る投影システム及び基板ステージの一例を示す図。
【図5】本実施形態に係る検出システムの一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る照明領域、検出領域、マスクの位置関係の一例を示す模式図。
【図7】本実施形態に係る投影領域、検出領域、基板の位置関係の一例を示す模式図。
【図8】本実施形態に係る露光方法の一例を示すフローチャート。
【図9】本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。
【図10】本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。
【図11】本実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図。
【図12】本実施形態に係る露光装置による露光結果の一例を示す図。
【図13】本発明の第二実施形態に係る露光システムの一例を示す概略構成図。
【図14】本実施形態に係る露光方法の一例を示すフローチャート。
【図15】本発明の露光システムの他の例を示す概略構成図。
【図16】本実施形態に係る露光装置による露光結果の一例を示す図。
【図17】半導体デバイスを製造する際の製造工程の一部を示すフローチャート。
【図18】液晶表示素子の製造する際の製造工程の一部を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0017】
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図、図2は、斜視図である。図1及び図2において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1を移動する駆動システム3と、基板ステージ2を移動する駆動システム4と、マスクMを露光光ELで照明する照明システムISと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影システムPSと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置CONTとを備えている。
【0018】
本実施形態の露光装置EXは、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置情報を計測する干渉計システム6と、マスクMの表面の位置情報を検出する第1検出システム7と、基板Pの表面の位置情報を検出する第2検出システム8と、基板Pのアライメントマークを検出するアライメントシステム40を備えている。
【0019】
露光装置EXは、ボディ13を備えている。ボディ13は、例えばクリーンルーム内の支持面(例えば床面)FL上に防振台BLを介して配置されたベースプレート10と、ベースプレート10上に配置された第1コラム11と、第1コラム11上に配置された第2コラム12とを有する。
【0020】
ボディ13は、投影システムPS、マスクステージ1、及び基板ステージ2のそれぞれを支持する。投影システムPSは、定盤14を介して、第1コラム11に支持される。マスクステージ1は、第2コラム12に対して移動可能に支持される。基板ステージ2は、ベースプレート10に対して移動可能に支持される。
【0021】
露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しながら、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、所謂、マルチレンズ型スキャン露光装置である。露光装置EXには、7つの投影光学系PL1〜PL7を有する投影システムPSが設けられている。また、露光装置EXには、照明システムISが設けられている。なお、投影光学系及び照明モジュールの数は7つに限定されず、例えば投影システムPSが、投影光学系を11個有し、照明システムISが、照明モジュールを11個有してもよい。
【0022】
照明システムISは、例えば7つの照明モジュールIL1〜IL7を有する。照明モジュールIL1〜IL7は、例えばマスクMのうち7つの照明領域IR1〜IR7をそれぞれほぼ均一な照度分布とされた露光光ELで照明する。照明システムISから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)などが用いられる。
【0023】
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IR1〜IR7に対して移動可能である。マスクステージ1は、マスクMを保持可能なマスク保持部15を有する。マスク保持部15は、マスクMを真空吸着可能なチャック機構を含み、マスクMをリリース可能に保持する。マスク保持部15は、マスクMの下面(パターン形成面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。
【0024】
駆動システム3は、例えばリニアモータを含み、第2コラム12のガイド面12G上においてマスクステージ1を移動可能である。マスクステージ1は、駆動システム3の作動により、マスク保持部15でマスクMを保持した状態で、ガイド面12G上を、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
【0025】
投影システムPSは、所定の投影領域PR1〜PR7に露光光ELを投影する複数の投影光学系を有する。投影領域PR1〜PR7は、各投影光学系PL1〜PL7から射出される露光光ELの照射領域に相当する。投影システムPSは、異なる7つの投影領域PR1〜PR7にそれぞれパターンの像を投影する。投影システムPSは、基板Pのうち投影領域PR1〜PR7に配置された部分に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。
【0026】
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影領域PR1〜PR7に対して移動可能である。基板ステージ2は、基板Pを保持可能な基板保持部16を有する。基板保持部16は、基板Pを真空吸着可能なチャック機構を含み、基板Pをリリース可能に保持する。基板保持部16は、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。駆動システム4は、例えばリニアモータを含み、ベースプレート10のガイド面10G上において基板ステージ2を移動可能である。基板ステージ2は、駆動システム4の作動により、基板保持部16で基板Pを保持した状態で、ガイド面10G上を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
【0027】
図3は、本実施形態に係る照明システムISの一例を示す概略構成図である。図3において、照明システムISは、超高圧水銀ランプからなる光源17と、光源17から射出された光を反射する楕円鏡18と、楕円鏡18からの光の少なくとも一部を反射するダイクロイックミラー19と、ダイクロイックミラー19からの光の進行を遮断可能なシャッタ装置20と、ダイクロイックミラー19からの光が入射するコリメートレンズ21A及び集光レンズ21Bを含むリレー光学系21と、所定波長領域の光のみを通過させる干渉フィルタ22と、リレー光学系21からの光を分岐して、複数の照明モジュールIL1〜IL7のそれぞれに供給するライトガイドユニット23とを備えている。
【0028】
なお、図3においては、第1〜第7照明モジュールIL1〜IL7のうち、第1照明モジュールIL1のみが示されている。第2〜第7照明モジュールIL2〜IL7は、第1照明モジュールIL1と同等の構成である。以下の説明においては、第1〜第7照明モジュールIL1〜IL7のうち、第1照明モジュールIL1について主に説明し、第2〜第7照明モジュールIL2〜IL7についての説明は簡略若しくは省略する。
【0029】
リレー光学系21からの光は、ライトガイドユニット23の入射端24に入射し、複数の射出端25A〜25Gから射出される。第1照明モジュールIL1は、射出端25Aからの光の進行を遮断可能なシャッタ装置26と、射出端25Aからの光が供給されるコリメートレンズ27と、コリメートレンズ27からの光が供給されるフライアイインテグレータ28と、フライアイインテグレータ28からの光が供給されるコンデンサレンズ29とを備えている。コンデンサレンズ29から射出された露光光ELは、照明領域IR1に照射される。第1照明モジュールIL1は、照明領域IR1を均一な照度分布の露光光ELで照明する。
【0030】
第2〜第7照明モジュールIL2〜IL7は、第1照明モジュールIL1と同等の構成である。第2〜第7照明モジュールIL2〜IL7のそれぞれは、各照明領域IR2〜IR7を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明システムISは、照明領域IR1〜IR7に配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。
【0031】
図4は、本実施形態に係る投影システムPS、第1検出システム7、第2検出システム8、アライメントシステム9、及び投影領域PR1〜PR7に配置された基板ステージ2の一例を示す図である。
【0032】
まず、第1投影光学系PL1について説明する。図4において、第1投影光学系PL1は、第1照明モジュールIL1により露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する。第1投影光学系PL1は、像面調整部33と、シフト調整部34と、二組の反射屈折型光学系31,32と、視野絞り35と、スケーリング調整部36とを備えている。
【0033】
照明領域IR1に照射され、マスクMを透過した露光光ELは、像面調整部33に入射する。像面調整部33は、第1投影光学系PL1の像面の位置(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置)を調整可能である。像面調整部33は、マスクM及び基板Pに対して光学的にほぼ共役な位置に配置されている。像面調整部33は、第1光学部材33A及び第2光学部材33Bと、第2光学部材33Bに対して第1光学部材33Aを移動可能な駆動装置(不図示)とを備えている。第1光学部材33Aと第2光学部材33Bとは、気体軸受により、所定のギャップを介して対向する。第1光学部材33A及び第2光学部材33Bは、露光光ELを透過可能なガラス板であり、それぞれくさび形状を有する。制御装置CONTは、駆動装置を作動して、第1光学部材33Aと第2光学部材33Bとの位置関係を調整することにより、第1投影光学系PL1の像面の位置を調整することができる。像面調整部33を通過した露光光ELは、シフト調整部34に入射する。
【0034】
シフト調整部34は、基板P上におけるマスクMのパターンの像をX軸方向及びY軸方向にシフトさせることができる。シフト調整部34を透過した露光光ELは、1組目の反射屈折型光学系31に入射する。反射屈折型光学系31は、マスクMのパターンの中間像を形成する。反射屈折型光学系31から射出された露光光ELは、視野絞り35に供給される。
【0035】
視野絞り35は、反射屈折型光学系31により形成されるパターンの中間像の位置に配置されている。視野絞り35は、投影領域PR1を規定する。本実施形態において、視野絞り35は、基板P上における投影領域PR1を台形状に規定する。視野絞り35を通過した露光光ELは、2組目の反射屈折型光学系32に入射する。
【0036】
反射屈折型光学系32は、反射屈折型光学系31と同様に構成されている。反射屈折型光学系32から射出された露光光ELは、スケーリング調整部36に入射する。スケーリング調整部36は、マスクMのパターンの像の倍率(スケーリング)を調整することができる。スケーリング調整部36を介した露光光ELは、基板Pに照射される。本実施形態において、第1投影光学系PL1は、マスクMのパターンの像を、基板P上に、正立等倍で投影する。
【0037】
上述の像面調整部33、シフト調整部34、及びスケーリング調整部36により、第1投影光学系PL1の結像特性(光学特性)を調整する結像特性調整装置30が構成される。結像特性調整装置30は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に関する第1投影光学系PL1の像面の位置を調整可能であり、パターンの像の倍率を調整可能である。
【0038】
以上、第1投影光学系PL1について説明した。第2〜第7投影光学系PL2〜PL7は、第1投影光学系PL1と同等の構成を有する。第2〜第7投影光学系PL2〜PL7についての説明は省略する。
【0039】
図2及び図4に示すように、基板保持部16に対して+X側の基板ステージ2の上面には、基準部材43が配置されている。基準部材43の上面44は、基板保持部16に保持された基板Pの表面とほぼ同一平面内に配置される。また、基準部材43の上面44に、露光光ELを透過可能な透過部45が配置されている。基準部材43の下方には、透過部45を透過した光を受光可能な受光装置46が配置されている。受光装置46は、透過部45を介した光が入射するレンズ系47と、レンズ系47を介した光を受光する光センサ48とを有する。本実施形態において、光センサ48は、撮像素子(CCD)を含む。光センサ48は、受光した光に応じた信号を制御装置CONTに出力する。
【0040】
また、基板保持部16に対して−X側の基板ステージ2の上面には、透過部49を有する光学部材50が配置されている。光学部材50の下方には、透過部49を透過した光を受光可能な受光装置51が配置されている。受光装置51は、透過部49を介した光が入射するレンズ系52と、レンズ系52を介した光を受光する光センサ53とを有する。光センサ53は、受光した光に応じた信号を制御装置CONTに出力する。
【0041】
次に、干渉計システム6、第1,第2検出システム7,8、及びアライメントシステム9について説明する。図1及び図2において、干渉計システム6は、マスクステージ1の位置情報を計測するレーザ干渉計ユニット6Aと、基板ステージ2の位置情報を計測するレーザ干渉計ユニット6Bとを有する。レーザ干渉計ユニット6Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置情報を計測可能である。
レーザ干渉計ユニット6Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラー2Rを用いて、基板ステージ2の位置情報を計測可能である。本実施形態において、干渉計システム6は、レーザ干渉計ユニット6A,6Bを用いて、X軸、Y軸、及びθX方向に関するマスクステージ1及び基板ステージ2それぞれの位置情報を計測可能である。
【0042】
第1検出システム7は、マスクMの下面(パターン形成面)のZ軸方向の位置を検出する。第1検出システム7は、所謂、斜入射方式の多点フォーカス・レベリング検出システムであり、図4に示すように、マスクステージ1に保持されたマスクMの下面と対向配置される複数の検出器7A〜7Fを有する。検出器7A〜7Fのそれぞれは、検出領域MZ1〜MZ6に検出光を照射する投射部と、検出領域MZ1〜MZ6に配置されたマスクMの下面からの検出光を受光可能な受光部とを有する。
【0043】
第2検出システム8は、基板Pの表面(露光面)のZ軸方向の位置を検出する。第2検出システム8は、所謂、斜入射方式の多点フォーカス・レベリング検出システムであり、図4に示すように、基板ステージ2に保持された基板Pの表面と対向配置される複数の検出器8A〜8Hを有する。検出器8A〜8Hのそれぞれは、検出領域PZ1〜PZ8に検出光を照射する投射部と、検出領域PZ1〜PZ8に配置された基板Pの表面からの検出光を受光可能な受光部とを有する。
【0044】
図5は、検出器7Aの一例を示す概略構成図である。図5に示すように、検出器7Aは、検出領域MZ1に検出光を照射する投光部54と、検出領域MZ1に配置されたマスクMの下面からの検出光を受光可能な受光部55とを有する。投光部54は、検出光を射出する光源56と、光源56から射出した検出光が入射される送光レンズ系57と、送光レンズ系57を通過した光を、マスクMの下面に傾斜方向から導くミラー58とを備えている。受光部55は、マスクMの下面に照射され、その下面で反射した検出光を受光レンズ系60に導くミラー59と、受光レンズ系60を通過した光を受光する撮像素子(CCD)61とを備えている。送光レンズ系57は、検出光を例えばスリット状に整形してからマスクMに照射する。図5に示すように、検出領域MZ1に配置されたマスクMの下面のZ軸方向に関する位置が変化した場合、そのマスクMの下面のZ軸方向に関する変位量に応じて、撮像素子61に対する検出光の入射位置がX軸方向に変位する。撮像素子61の撮像信号は、制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、撮像素子61からの信号に基づいて、検出領域MZ1に配置されたマスクMの下面のZ軸方向に関する位置を求めることができる。
【0045】
検出器7B〜7F、及び検出器8A〜8Hのそれぞれの構成は、図5に示した検出器7Aの構成と同等である。検出器7B〜7Fは、検出領域MZ2〜MZ6に配置されたマスクMの下面のZ軸方向に関する位置を求めることができる。検出器8A〜8Hは、検出領域PZ1〜PZ8に配置された基板Pの表面のZ軸方向に関する位置を求めることができる。
【0046】
アライメントシステム9は、基板Pに設けられているアライメントマークを検出する。
アライメントシステム9は、所謂、オフアクシス方式のアライメントシステムであり、図4に示すように、基板ステージ2に保持された基板Pの表面と対向配置される複数の顕微鏡9A〜9Fを有する。検出器9A〜9Fのそれぞれは、検出領域AL1〜AL6に検出光を照射する投射部と、検出領域AL1〜AL6に配置されたアライメントマークの光学像を取得可能な受光部とを有する。
【0047】
図6は、照明領域IR1〜IR7と、検出領域MZ1〜MZ6と、マスクMとの位置関係の一例を示す模式図であり、マスクMの下面を含む平面内の位置関係を示している。図6に示すように、マスクMの下面は、パターンが形成されたパターン領域MAを有する。
【0048】
本実施形態において、照明領域IR1〜IR7のそれぞれは、XY平面内において矩形である。本実施形態において、照明モジュールIL1、IL3、IL5、IL7による照明領域IR1、IR3、IR5、IR7が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置され、照明モジュールIL2、IL4、IL6による照明領域IR2、IR4、IR6が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。照明領域IR1、IR3、IR5、IR7は、照明領域IR2、IR4、IR6に対して−X側に配置されている。また、Y軸方向に関して、照明領域IR1、IR3、IR5、IR7の間に、照明領域IR2、IR4、IR6が配置される。
【0049】
本実施形態において、検出器7A、7C、7Eによる検出領域MZ1、MZ3、MZ5が、照明領域IR1〜IR7に対して−X側に配置され、検出器7B、7D、7Fによる検出領域MZ2、MZ4、MZ6が、照明領域IR1〜IR7に対して+X側に配置される。また、検出領域MZ1、MZ3、MZ5が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置され、検出領域MZ2、MZ4、MZ6が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置される。
【0050】
複数の検出領域MZ1〜MZ6のうち、Y軸方向に関して外側2つの検出領域MZ1と検出領域MZ5との間隔(検出領域MZ2と検出領域MZ6との間隔)は、複数の照明領域IR1〜IR7のうち、Y軸方向に関して外側2つの照明領域IR1の−Y側のエッジと照明領域IR7の+Y側のエッジとの間隔より小さい。
【0051】
また、複数の検出領域MZ1〜MZ6のうち、Y軸方向に関して外側2つの検出領域MZ1と検出領域MZ5との間隔(検出領域MZ2と検出領域MZ6との間隔)は、パターン領域MAの−Y側のエッジと+Y側のエッジとの間隔とほぼ等しいか、わずかに小さくしている。
【0052】
制御装置CONTは、マスクステージ1をX軸方向に移動して、検出器7A〜7Fの検出領域MZ1〜MZ6に対してマスクステージ1に保持されたマスクMの下面をX軸方向に移動して、検出器7A〜7Fの検出領域MZ1〜MZ6に、マスクMの下面(パターン領域MA)に設定された複数の検出点を配置して、それら複数の検出点のZ軸方向の位置を検出可能である。制御装置CONTは、第1検出システム7から出力される、複数の検出点のそれぞれで検出されたマスクMの下面のZ軸方向の位置に基づいて、マスクMの下面(パターン領域MA)のZ軸、θX、及びθY方向に関する位置情報(マップデータ)を取得可能である。
【0053】
図7は、投影領域PR1〜PR7と、検出領域PZ1〜PZ8と、検出領域AL1〜AL6と、基板Pとの位置関係の一例を示す模式図であり、基板Pの表面を含む平面内の位置関係を示している。図7に示すように、本実施形態おいて、基板Pの表面は、マスクMのパターンの像が投影される複数の露光領域(被処理領域)PA1〜PA6を有する。本実施形態において、基板Pの表面は、6つの露光領域PA1〜PA6を有する。露光領域PA1、PA2、PA3が、Y軸方向にほぼ等間隔で離れて配置され、露光領域PA4、PA5、PA6が、Y軸方向にほぼ等間隔で離れて配置されている。露光領域PA1、PA2、PA3は、露光領域PA4、PA5、PA6に対して+X側に配置されている。
【0054】
本実施形態において、投影領域PR1〜PR7のそれぞれは、XY平面内において矩形である。本実施形態において、投影光学系PL1、PL3、PL5、PL7による投影領域PR1、PR3、PR5、PR7が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置され、投影光学系PL2、PL4、PL6による投影領域PR2、PR4、PR6が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置されている。投影領域PR1、PR3、PR5、PR7は、投影領域PR2、PR4、PR6に対して−X側に配置されている。また、Y軸方向に関して、投影領域PR1、PR3、PR5、PR7の間に、投影領域PR2、PR4、PR6が配置される。
【0055】
本実施形態において、検出器8A、8C、8E、8G、8Hによる検出領域PZ1、PZ3、PZ5、PZ7、PZ8が、投影領域PR1〜PR7に対して−X側に配置され、検出器8B、8D、8Fによる検出領域PZ2、PZ4、PZ6が、投影領域PR1〜PR7に対して+X側に配置される。また、検出領域PZ1、PZ3、PZ5、PZ7、PZ8が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置され、検出領域PZ2、PZ4、PZ6が、Y軸方向にほぼ等間隔で配置される。
【0056】
複数の検出領域PZ1〜PZ8のうち、Y軸方向に関して外側2つの検出領域PZ1と検出領域PZ8との間隔は、複数の投影領域PR1〜PR7のうち、外側2つの投影領域PR1の−Y側のエッジと投影領域PR7の+Y側のエッジとの間隔より大きい。また、Y軸方向に関して中央のPZ2〜PZ7のうち、Y軸方向に関して外側2つの検出領域PZ3と検出領域PZ7との間隔(検出領域PZ2と検出領域PZ6との間隔)は、複数の投影領域PR1〜PR7のうち、外側2つの投影領域PR1の−Y側のエッジと投影領域PR7の+Y側のエッジとの間隔より小さい。
【0057】
また、複数の検出領域PZ1〜PZ8のうち、Y軸方向に関して外側2つの検出領域PZ1と検出領域PZ8との間隔は、複数の露光領域PA1〜PA6のうち、外側2つの露光領域PA1(PA4)の−Y側のエッジと露光領域PA3(PA6)の+Y側のエッジとの間隔より僅かに小さく、露光領域PA2(PA5)の−Y側のエッジと露光領域PA2(PA5)の+Y側のエッジとの間隔より大きい。
【0058】
制御装置CONTは、基板ステージ2をX軸方向に移動して、検出器8A〜8Hの検出領域PZ1〜PZ8に対して基板ステージ2に保持された基板Pの表面をX軸方向に移動して、検出器8A〜8Hの検出領域PZ1〜PZ8に、基板Pの表面(露光領域PA1〜PA6)に設定された複数の検出点を配置して、それら複数の検出点のZ軸方向の位置を検出可能である。制御装置CONTは、第2検出システム8から出力される、複数の検出点のそれぞれで検出された基板Pの表面のZ軸方向の位置に基づいて、基板Pの表面(露光領域PA1〜PA6)のZ軸、θX、及びθY方向に関する位置情報(マップデータ)を取得可能である。
【0059】
本実施形態において、顕微鏡9A〜9Fによる検出領域AL1〜AL6が、検出領域PZ1、PZ3、PZ5、PR7、PZ8に対して−X側に配置されている。検出領域AL1〜AL6は、Y軸方向に離れて配置される。複数の検出領域AL1〜AL6のうち、Y軸方向に関して外側2つの検出領域AL1と検出領域AL6との間隔は、複数の露光領域PA1〜PA6のうち、Y軸方向に関して外側2つの露光領域PA1(PA4)の−Y側のエッジと露光領域PA3(PA6)の+Y側のエッジとの間隔とほぼ等しい。
【0060】
アライメントシステム9は、基板Pに設けられている複数のアライメントマークm1〜m6を検出する。本実施形態において、基板P上にはY軸方向に離れて6つのアライメントマークm1〜m6が配置され、それらアライメントマークm1〜m6のグループが、X軸方向に離れた4箇所に配置されている。アライメントマークm1,m2は、露光領域PA1,PA4の各両端部に隣接して設けられ、アライメントマークm3,m4は、露光領域PA2,PA5の各両端部に隣接して設けられ、アライメントマークm5,m6は、露光領域PA3,PA6の各両端部に隣接して設けられている。
【0061】
本実施形態においては、基板P上においてY軸方向に離れて配置された6つのアライメントマークm1〜m6に対応して、顕微鏡9A〜9F(検出領域AL1〜AL6)が配置されている。顕微鏡9A〜9Fは、アライメントマークm1〜m6が検出領域AL1〜AL6に同時に配置されるように設けられている。アライメントシステム9は、顕微鏡9A〜9Fを用いて、6つのアライメントマークm1〜m6を同時に検出可能である。
【0062】
上記の露光装置EXにおいて、露光動作等の動作の少なくとも一部は、予め定められている露光に関する制御情報(露光制御情報)に基づいて実行される。露光制御情報は、露光装置EXの動作を規定する制御命令群を含み、露光レシピとも呼ばれる。以下の説明において、露光に関する制御情報を適宜、露光レシピ、と称する。
【0063】
露光レシピは、制御装置CONTに予め記憶されている。少なくとも基板Pの露光時(マスクM及び基板Pに対する露光光ELの照射動作時)における露光装置EXの動作条件は、露光レシピによって予め決定されている。制御装置CONTは、露光レシピに基づいて、露光装置EXの動作を制御する。
【0064】
露光レシピは、基板Pの露光時におけるマスクステージ1及び基板ステージ2の移動条件を含む。基板Pの露光時、制御装置CONTは、露光レシピに基づいて、マスクステージ1及び基板ステージ2を移動する。本実施形態の露光装置EXは、マルチレンズ型スキャン露光装置であり、基板Pの露光領域PA1〜PA6の露光時において、マスクM及び基板Pは、XY平面内の所定の走査方向に移動される。制御装置CONTは、露光レシピに基づいて、マスクMと基板Pとを走査方向に同期移動しながらマスクMの下面のパターン領域MAに露光光ELを照射して、そのパターン領域MAを介して基板Pの表面の露光領域PA1〜PA6に露光光ELを照射して、それら露光領域PA1〜PA6を露光する。
【0065】
本実施形態において、基板P上に設けられた複数の露光領域PA1〜PA6に対する露光処理は、露光領域PA1〜PA6を投影領域PR1〜PR7に対して基板Pの表面(XY平面)に沿って走査方向に移動させるとともに、マスクMのパターン領域MAを照明領域IR1〜IR7に対してマスクMの下面(XY平面)に沿って走査方向に移動させながら実行される。
【0066】
本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をX軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もX軸方向とする。例えば基板Pの露光領域PA1を露光する場合、制御装置CONTは、投影領域PR1〜PR7に対して基板Pの露光領域PA1をX軸方向に移動するとともに、その基板PのX軸方向への移動と同期して、照明領域IR1〜IR7に対してマスクMのパターン領域MAをX軸方向に移動しながら、照明領域IR1〜IR7に露光光ELを照射して、マスクMからの露光光ELを投影光学系PLを介して投影領域PR1〜PR7に照射する。これにより、基板Pの露光領域PA1は、投影領域PR1〜PR7に照射された露光光ELで露光され、マスクMのパターン領域MAのパターンの像が基板Pの露光領域PA1に投影される。
【0067】
例えば露光領域PA1の露光が終了した後、次の露光領域(例えば露光領域PA2)を露光するために、制御装置CONTは、投影領域PR1〜PR7が次の露光領域PA2の露光開始位置に配置されるように、基板ステージ2を制御して、投影領域PR1〜PR7に対して基板PをXY平面内の所定方向に移動する。また、制御装置CONTは、照明領域IR1〜IR7がパターン領域MAの露光開始位置に配置されるように、マスクステージ1を制御して、照明領域IR1〜IR7に対してマスクMを移動する。そして、投影領域PR1〜PR7が露光領域PA2の露光開始位置に配置され、照明領域IR1〜IR7がパターン領域MAの露光開始位置に配置された後、制御装置CONTは、その露光領域PA2の露光を開始する。
【0068】
制御装置CONTは、マスクステージ1が保持するマスクMと基板ステージ2が保持する基板PとをX軸方向に同期移動しながら基板Pに露光光ELを照射する動作と、次の露光領域を露光するために、基板PをXY平面内の所定方向(例えばX軸方向)にステッピング移動する動作を繰り返しながら、基板P上に設けられた複数の露光領域PA1〜PA6を、マスクMに設けられたパターン及び投影光学系PLを介して順次露光する。
【0069】
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法の一例について図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る露光方法を示すフローチャートである。
まず、制御装置CONTは、マスクMをマスクステージ1に搬入(ロード)する。マスクMがマスクステージ1に保持された後、露光レシピに基づいて、マスクMのアライメント処理、各種計測処理、及びキャリブレーション処理を含むセットアップ処理が実行される。
【0070】
本実施形態において、マスクMのアライメント処理は、マスクMに配置されたアライメントマーク(不図示)の像を投影システムPS及び透過部45を介して受光装置46で受光して、XY平面内におけるマスクMの位置を計測する処理を含む。
【0071】
計測処理は、例えば各投影光学系PL1〜PL7より射出される露光光ELの照度を受光装置51を用いて計測する処理、各投影光学系PL1〜PL7の結像特性を受光装置46を用いて計測する処理、及びアライメントシステム9の検出領域AL1〜AL6とマスクMのパターン像の投影位置との位置関係(ベースライン量)を、アライメントシステム9、透過部45、及び受光装置46等を用いて計測する処理の少なくとも一つを含む。
【0072】
キャリブレーション処理は、計測処理の結果を用いて、各照明モジュールIL1〜IL7から射出される露光光ELの照度を調整する処理、及び受光装置46を用いて計測した結像特性の計測結果に基づいて、各投影光学系PL1〜PL7の結像特性を結像特性調整装置30を用いて調整する処理の少なくとも一つを含む。
【0073】
制御装置CONTは、上記各処理を完了させた後、所定のタイミングで、基板Pを基板ステージ2に搬入する。当該基板Pは、予め別途塗布装置などによって表面にレジストなどの感光材料が塗布された状態にしておく。基板Pが基板ステージ2に保持された後、露光レシピに基づいて、露光条件を調整する処理が実行される。当該露光条件は、例えば投影光学系PL1〜PL7による投影像の投影倍率、投影位置並びに投影像の回転などの結像条件、及び、基板Pの位置や姿勢などに関する基板配置条件の少なくとも一方を含む。
【0074】
露光条件調整処理において、制御装置CONTは、まず基板Pに設けられるアライメントマークm1〜m6を検出させる。アライメントマークの検出後、制御装置CONTは、検出結果に応じて投影光学系PL1〜PL7の結像特性調整装置30や基板ステージ2を駆動させ、露光条件を調整する。
【0075】
露光条件調整処理の後、図9に示すように、基板Pに対して、調整後の露光条件で第一パターンMP1を転写する(ステップS1:第一転写ステップ)。第一パターンMP1には、例えば露光領域PA1〜PA6に形成される所定の回路パターンr11〜r16が含まれると共に、4列のアライメントマークm1〜m6に対応する位置に形成されるアライメントマークm11〜m16のパターンが含まれる。
【0076】
以下、同一ロットにおいて、上記の処理が繰り返される。同一ロットは、同一のマスクMを用いて露光される複数の基板Pのグループを含む。少なくとも同一ロットにおいては、同一の露光レシピの下で、露光が実行される。なお、露光が行われた基板Pは、露光装置EXの外部に搬出され、例えば現像工程や、第一パターンMP1に基づく最初の層(第一層)を形成する工程などの各工程が適宜行われることになる。第一層が形成された基板Pに対して別の層(第二層)を積層させる場合、基板Pの表面(第一層の表面)に感光層を形成する。
【0077】
制御装置CONTは、基板Pに形成しようとする第二層に対応するマスクMをマスクステージ1に搬入(ロード)する。マスクMがマスクステージ1に保持された後、制御装置CONTは、露光レシピに基づいて、第一層を形成する場合と同様に、マスクMのアライメント処理、各種計測処理、及びキャリブレーション処理を含むセットアップ処理を実行させる。
【0078】
制御装置CONTは、上記各処理を完了させた後、所定のタイミングで、基板Pを基板ステージ2に搬入する。制御装置CONTは、基板Pが基板ステージ2に保持された後、露光レシピに基づいて、露光条件を調整する処理を実行させる。当該露光条件調整処理において、制御装置CONTは、図9に示す第一パターンMP1のパターン情報を計測させる(ステップS2:第一計測ステップ)。
【0079】
ここで、第一パターンMP1のパターン情報は、第一パターンMP1として形成される所定の回路パターンr11〜r16及びアライメントマークm11〜m16のパターンのそれぞれの位置情報(X座標、Y座標、Z座標など)を含む。本実施形態では、具体的には、制御装置CONTは、基板Pに設けられる4列のアライメントマークm11〜m16(図9に示す列R1〜列R4)を、例えば列R1、列R2、列R3、列R4の順に検出させることで、第一パターンMP1のパターン情報を計測させる。
【0080】
第一パターンMP1のパターン情報の計測後、制御装置CONTは、計測結果(第一計測結果)に係る位置情報を用いて、露光条件の調整量を算出する。制御装置CONTは、算出した調整量に応じて、投影光学系PL1〜PL7の結像特性調整装置30や基板ステージ2の駆動システム4(調整装置)を駆動させ、上記の露光条件を調整する(ステップS3:第一調整ステップ)。また、制御装置CONTは、基板Pごとに、例えば第一パターンMP1の第一計測結果や、当該第一計測結果に対応する露光条件(又は露光条件の調整量)などを対応付けて記憶させておく。例えば制御装置CONTは、基板Pごとの識別データと、第一パターンMP1の計測結果のデータと、露光条件のデータとを対応させたデータテーブルを作成する。
【0081】
露光条件を調整した後、図10に示すように、基板Pに対して、調整後の露光条件で第一パターンMP2を転写する(ステップS4:第二転写ステップ)。第二パターンMP2には、例えば露光領域PA1〜PA6にそれぞれ形成される所定の回路パターンr21〜r26が含まれると共に、4列のアライメントマークm1〜m6及びm11〜m16に対応する位置に形成されるアライメントマークm21〜m26のパターンが含まれる。
【0082】
以下、同一ロットにおいて、ステップS2〜ステップS4に係る処理が繰り返される。露光が行われた基板Pは、露光装置EXの外部に搬出され、例えば現像工程や、第二パターンMP2に基づく第二層を形成する工程などの各工程が適宜行われることになる。第二層が形成された基板Pに対して更に別の層(第三層)を積層させる場合、基板Pの表面(第二層の表面)に感光層を形成する。
【0083】
制御装置CONTは、基板Pに形成しようとする第三層に対応するマスクMをマスクステージ1に搬入(ロード)する。マスクMがマスクステージ1に保持された後、制御装置CONTは、露光レシピに基づいて、第一層、第二層を形成する場合と同様に、マスクMのアライメント処理、各種計測処理、及びキャリブレーション処理を含むセットアップ処理を実行させる。
【0084】
制御装置CONTは、上記各処理を完了させた後、所定のタイミングで、基板Pを基板ステージ2に搬入する。制御装置CONTは、基板Pが基板ステージ2に保持された後、露光レシピに基づいて、露光条件を調整する処理を実行させる。当該露光条件調整処理において、制御装置CONTは、図10に示す第二パターンMP2のパターン情報を計測させる(ステップS5:第二計測ステップ)。
【0085】
第二パターンMP2のパターン情報は、第二パターンMP2として形成される所定の回路パターンr21〜r26及びアライメントマークm21〜m26のパターンのそれぞれの位置情報(X座標、Y座標、Z座標など)を含む。本実施形態では、制御装置CONTは、基板Pに設けられる4列のアライメントマークm21〜m26のうち最も+X側の一列及び最も−X側の一列(図10に示す列R1及び列R4)を、例えば列R1、列R4の順に検出させることで、第二パターンMP2のパターン情報を計測させる。ステップS5においては、4列のアライメントマークm21〜m26のうち2列のみを検出するため、4列全てを検出する場合に比べて、検出時間は短くなる。
【0086】
第二パターンMP2のパターン情報の計測後、制御装置CONTは、列R1及び列R4については第二計測ステップでの計測結果(第二計測結果)に係る位置情報を用いて、また、列R2及び列R3については上記の第一計測ステップでの第一計測結果に係る位置情報を用いて、露光条件の調整量を算出する。当該第二調整ステップでは、制御装置CONTは、基板Pの識別情報を用いて基板Pを識別し、アライメントマークm21〜m26の検出を行った基板Pと同一の基板Pについての第一計測結果のデータを選択して用いる。制御装置CONTは、算出した調整量に応じて、投影光学系PL1〜PL7の結像特性調整装置30や基板ステージ2の駆動システム4を駆動させ、上記の露光条件を調整する(ステップS6:第二調整ステップ)。
【0087】
なお、制御装置CONTは、基板Pごとに、第二パターンMP2の第二計測結果や、当該第二計測結果に対応する露光条件(又は露光条件の調整量)などを対応付けて記憶させておく。例えば制御装置CONTは、基板Pごとの識別データと、第一パターンMP1の計測結果のデータと、第二パターンMP2の計測結果のデータと、露光条件のデータとを対応させたデータテーブルを作成する。
【0088】
第二調整ステップにより露光条件を調整した後、図11に示すように、基板Pに対して、調整後の露光条件で第三パターンMP3を転写する(ステップS7:第三転写ステップ)。第三パターンMP3には、例えば露光領域PA1〜PA6にそれぞれ形成される所定の回路パターンr31〜r36が含まれると共に、4列のアライメントマークm1〜m6及びm11〜m16、m21〜m26に対応する位置に形成されるアライメントマークm31〜m36のパターンが含まれる。
【0089】
以下、同一ロットにおいて、ステップS5〜ステップS7に係る処理が繰り返される。露光が行われた基板Pは、露光装置EXの外部に搬出され、例えば現像工程や、第三パターンMP3に基づく第三層を形成する工程などの各工程が適宜行われることになる。第三層が形成された基板Pに対して更に別の層(第四層)を積層させる場合、制御装置CONTは、表面(第三の表面)に感光層を形成した基板Pを用いて、上記のステップS5〜ステップS7を繰り返し行わせる。
【0090】
上記のような露光処理において、本発明者らは、基板P上に層が形成されていない場合に基板Pを基板ステージ2に載置すると基板Pに歪みが生じやすくなり、基板P上に何らかの層(例えば第一層)が形成された後に基板Pを基板ステージ2に載置すると基板Pに歪みが比較的生じにくくなる点を見出した。
【0091】
このため、図12(a)に示すように、基板Pが歪んだまま基板ステージ2に配置された状態で第一パターンMP1が転写されると、基板Pの配置が解除されたときに、例えば図12(b)に示すように、第一層のパターンが変形して歪んでしまう。一方、基板Pに第一層が形成された後は、基板ステージ2に配置されても歪みが生じにくいため、図12(c)に示すように、第二層形成時以降の転写ステップにおいては、変形した状態で形成された第一パターンMP1に転写像(PA1〜PA6)を重ね合わせる必要がある。なお、第一パターンMP1が変形した状態であるため、転写像の調整が必要となる。
【0092】
これを踏まえ、本実施形態では、基板Pに第一層を形成した後の第一計測ステップにおいて、基板Pに設けられる4列のアライメントマークm11〜m16を検出させることで第一パターンMP1のパターン情報を計測させることとし、その後の第二計測ステップにおいては、当該基板Pに設けられる4列のアライメントマークm21〜m26のうち最も+X側の一列及び最も−X側の一列(図10に示す列R1及び列R4)を、例えば列R1、列R4の順に検出させることで、第二パターンMP2のパターン情報を計測させることとした。
【0093】
第一計測ステップ及び第二計測ステップは、共に基板Pに何らかの層(例えば第一層、第二層)が形成された後に行うステップである。各ステップでは、基板ステージ2上の基板Pに発生する歪みは少なく、第一計測ステップでの基板Pの状態と第二計測ステップでの基板Pの状態との間には、大きな差は生じないと推定できる。このため、本実施形態のように、第二ステップにおいて4列のアライメントマークm21〜m26を検出せずに2列のみを検出し、残りについては第一計測ステップでの第一計測結果を用いることとしても、計測精度は低下しないと推定できる。これにより、転写条件の調整を高精度に行うことができる。また、第二計測ステップにおいて4列のアライメントマークm21〜m26の全てを検出する場合に比べて、検出時間を短縮させることができるので、高スループット化が可能となる。
【0094】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
図13は、本実施形態に係る露光システムSYSの構成を示す図である。露光システムSYSは、複数、例えば2台の露光装置EX1及びEX2と、当該露光装置EX1及びEX2を統括制御する主制御装置HCとを備えている。なお、露光装置EX1及び露光装置EX2は、上記第一実施形態の露光装置EXと同一の構成を有している。露光装置EX1は制御装置CONT1を有しており、露光装置EX2は制御装置CONT2を有している。また、基板P、第一パターンMP1、第二パターンMP2及び第三パターンMP3については、第一実施形態と同一の符号を付して説明する。
【0095】
本実施形態では、第二パターンMP2と第三パターンMP3とを異なる露光装置で転写する場合など、ロット間で結像条件や基板配置条件の差分が生じうる場合を説明する。本実施形態では、例えば第一パターンMP1及び第二パターンMP2の転写を露光装置EX1で行い、第三パターンMP3の転写を露光装置EX2で行う場合を例に挙げて説明する。
【0096】
露光装置EX1と露光装置EX2との間では、結像条件や基板配置条件を含めた各種露光条件に若干の誤差が含まれている場合が多いため、較正処理が度々行われる。そこで、本実施形態では、当該較正処理に併せて各パターンのパターン情報を計測し、当該計測結果に基づいて結像条件や基板配置条件などの露光条件を調整する。
【0097】
以下、露光システムSYSにおける露光動作を説明する。図14は、本実施形態における露光動作を示すフローチャートである。本実施形態では、第二計測ステップの態様が第一実施形態とは異なっている。
制御装置CONT1は、マスクMをマスクステージ1に搬入(ロード)させ、セットアップ処理を行わせた後、予め別途塗布装置などによって表面にレジストなどの感光材料が塗布された状態の基板Pを所定のタイミングで基板ステージ2に搬入させる。基板Pが基板ステージ2に保持された後、制御装置CONT1は、第一実施形態と同様の手順により、第一転写ステップ、第一計測ステップ、第一調整ステップ及び第二転写ステップまでを行わせる。
【0098】
なお、制御装置CONT1は、第一計測ステップで得られた第一パターンMP1のパターン情報(ここではアライメントマークm11〜m16の位置情報)の第一計測結果や、当該第一計測結果に対応する露光条件(又は露光条件の調整量)などを対応付けて記憶させておく。例えば制御装置CONT1は、基板Pごとの識別データと、第一パターンMP1の計測結果のデータと、露光条件のデータとを対応させたデータテーブルを作成する。制御装置CONT1は、作成したデータテーブルを主制御装置HCに送信する。
【0099】
露光が行われた基板Pは、露光装置EXの外部に搬出され、例えば現像工程や、第二パターンMP2に基づく第二層を形成する工程などの各工程が適宜行われる。第二層が形成された基板Pは、表面(第二層の表面)に第三層を形成するための感光層が形成された状態で露光装置EX2に搬入される。露光装置EX2の制御装置CONT2は、第三層の第三パターンMP3に対応するマスクを搬入させておき、各種セットアップ処理などを行わせておく。
【0100】
制御装置CONT2は、基板Pが基板ステージ2に保持された後、第二パターンMP2のパターン情報を計測させる(第二計測ステップ)。本実施形態では、制御装置CONT2は、例えば複数の基板Pを含む同一ロット中の先頭の数枚の基板P(サンプル基板)に対しては、第一計測ステップと同様に、基板Pに設けられる4列のアライメントマークm21〜m26を、例えば列R1、列R2、列R3及び列R4の順に検出させることで、第二パターンMP2のパターン情報を計測させる(ステップST201)。
【0101】
サンプル基板に対する第二パターンMP2のパターン情報の計測後、制御装置CONT2は、第二計測ステップでの計測結果(第二計測結果)に係る位置情報と、当該サンプル基板の第一計測ステップでの計測結果(第一計測結果)に係る位置情報との間の差分情報を算出する(ステップST202)。差分情報の算出に際して、制御装置CONT2は、主制御装置HCからサンプル基板についての第一計測結果に係るデータを受信し、当該データと第二計測結果とを用いて差分情報の算出を行う。当該差分情報としては、例えば第一計測結果と第二計測結果との間の、X座標、Y座標、Z座標、θX座標、θY座標、θZ座標のズレ量などが挙げられる。
【0102】
制御装置CONT2は、1つ1つのサンプル基板について上記差分情報を算出した後、当該差分情報をサンプル基板間で比較する(ステップST203)。比較の結果、差分情報のサンプル基板間の誤差が所定の閾値以内である場合(ステップST204のYES)、制御装置CONT2は、当該差分情報が露光装置EX1と露光装置EX2との間の装置間の環境差に起因するものと判断する。
【0103】
当該判断の後、制御装置CONT2は、例えばサンプル基板についての個々の差分情報の平均値を算出し、露光装置EX1の露光条件から当該差分情報の平均値を差し引き、露光条件の調整量を算出する(ステップST205)。制御装置CONT2は、算出さされた調整量に基づいて露光条件を調整させる(ステップST206)。なお、複数のサンプル基板のうち一のサンプル基板についての差分情報の値を用いて、露光装置EX1の露光条件から当該一の差分情報の値を差し引き、得られた値に基づいて露光条件を調整させても構わない。
【0104】
加えて、制御装置CONT2は、比較の結果、差分情報のサンプル基板間の誤差が所定の閾値以内である場合において、同一ロット中のサンプル基板以降の基板P(オブジェクト基板)についても当該差分情報の誤差が同様の値になると推定する。その後、制御装置CONT2は、オブジェクト基板については、制御装置CONT2は、第一実施形態の第二計測ステップと同様に4列のアライメントマークm21〜m26のうち列R1及び列R4の2列のみを検出させることでパターン情報を計測させる(ステップST207)。制御装置CONT2は、計測結果と上記の算出された露光条件とに基づいて基板ステージ2の駆動システム4や投影光学系PL1〜PL7の結像特性調整装置30の調整量を算出し、算出結果に基づいて露光条件を調整させる(ステップST208)。
【0105】
これに対して、上記の比較の結果、差分情報のサンプル基板間の誤差が所定の閾値を超える場合(ステップST204のNO)、制御装置CONT2は、当該差分情報の誤差が露光装置EX1と露光装置EX2との間の装置間の環境差に起因するものとは限られず、当該差分情報がサンプル基板ごとに異なる可能性があると判断する。
【0106】
当該判断の後、制御装置CONT2は、サンプル基板毎に、露光装置EX1の露光条件から当該サンプル基板についての当該差分情報を差し引き、露光条件の調整量をサンプル基板ごとに個別に算出する(ステップST209)。制御装置CONT2は、個別に得られた値に基づいてサンプル基板毎に露光条件を個別に調整させる(ステップST210)。
【0107】
加えて、制御装置CONT2は、比較の結果、差分情報のサンプル基板間の誤差が所定の閾値を超える場合において、オブジェクト基板についても当該差分情報の誤差が基板P毎に異なる値になると推定する。その後、制御装置CONT2は、オブジェクト基板についても、4列のアライメントマークm21〜m26を例えば列R1、列R2、列R3及び列R4の順に検出させることでパターン情報を計測させる(ステップST211)。制御装置CONT2は、計測結果に基づいて基板ステージ2の駆動システム4や投影光学系PL1〜PL7の結像特性調整装置30の調整量をオブジェクト基板ごとに個別に算出し、算出結果に基づいて露光条件を調整させる(ステップST212)。
【0108】
上記手順によって露光条件を調整した後、制御装置CONT2は、第三パターンMP3を転写させる(ステップST213:第三転写ステップ)。
【0109】
本実施形態のように、第二パターンMP2と第三パターンMP3とを異なる露光装置で転写する場合には、例えば図15に示すように、例えば第一パターンMP1の回路パターンr11〜r16に対して、転写像(PA1〜PA6)の結像条件や基板配置条件の差分が生じる場合がある。
【0110】
これに対して、本実施形態においては、第二計測ステップにおいて、例えばサンプル基板について列R1〜R4のアライメントマークm21〜m26を検出すると共に、当該第二計測結果と第一計測結果との間の差分情報を算出することとした。そして、算出結果に基づいて、オブジェクト基板について列R1〜R4のアライメントマークm21〜m26を検出させるか、列R1〜R4のアライメントマークm21〜m26のうち一部の列を検出させるかを選択することとした。これにより、ロット間で露光条件に誤差が生じるのを防ぐことができ、露光精度の低下を防ぐことができる。
【0111】
なお、本実施形態においては、第二パターンMP2と第三パターンMP3とを異なる露光装置EX1及びEX2によって転写する態様を説明したが、これに限られることは無く、例えば第二パターンMP2と第三パターンMP3とが同一の露光装置によって転写される場合においても、本実施形態の説明が可能である。
【0112】
また、本実施形態においては、制御装置CONT2が算出した差分情報に基づいて露光条件を調整する態様を説明したが、これに限られることは無く、例えば当該差分情報の算出結果を出力する態様であっても構わない。例えば、露光システムが不図示の表示装置を備えており、差分情報の算出結果を当該表示装置に表示させるような態様が挙げられる。この場合、露光システムSYSのオペレーターなどが当該表示された算出結果に基づいて露光条件を手動で設定することができる。
【0113】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、第一パターンMP1及び第二パターンMP2のパターン情報を計測する例として、アライメントマークm11〜m16及びm21〜m26を検出させる場合を説明したが、これに限られることは無い。例えば、制御装置CONTは、露光領域PA1〜PA6に形成される回路パターンr11〜r16及びr21〜r26の一部を検出させることで、第一パターンMP1及び第二パターンMP2のパターン情報を計測させるようにしても構わない。
【0114】
また、上記実施形態の説明は、第三パターンMP3以降のパターンについてのパターン情報を計測させる場合においても、適用することができる。この場合、当該第三パターンMP3以降の回路パターンの一部を検出させることでパターン情報を計測させるようにしても構わない。
【0115】
また、上記実施形態では、第二調整ステップにおいて、4列のアライメントマークm21〜m26のうち一部を検出させる場合において、最も+X側の列R1と最も−X側の列R4とを検出させる態様を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、他の2列を検出させる態様や、3列を検出させる態様や、1列を検出させる態様であっても構わない。1列を検出させる場合には、例えばY方向について求めた倍率をX方向にも適用させたり、例えばオブジェクト基板の直交度を求める際にサンプル基板の計測値を用いたりするなど、高速にアライメントを行うことも可能である。
【0116】
また、上記第二実施形態では、差分情報を算出する際に、第一計測結果と第二計測結果との計測値の差をとるようにしたが、これに限られることは無い。例えば、第一計測結果及び第二計測結果の線形成分の差や、非線形成分の差などを算出し、当該算出値を用いるようにしても構わない。
【0117】
また、上記実施形態では、露光装置内で計測と転写とを行う態様を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば図16に示すように、露光装置EX3とは別に設けられる検査装置TAを用いてパターン(第一パターンMP1、第二パターンMP2)の計測を行う構成であっても構わない。図16に示す構成によれば、基板Pは、搬送装置CRによって検査装置TAと露光装置EX3との間で受け渡しが行われる。また、主制御装置HC3によって露光装置EX3及び検査装置TAの動作が統括的に制御されるようになっている。
【0118】
主制御装置HC3は、検査装置TAに対しては第一計測ステップ及び第二計測ステップを行わせる。また、主制御装置HC3は、露光装置EX3に対しては第一転写ステップ、第二転写ステップ及び第三転写ステップを行わせると共に、第一調整ステップ及び第二調整ステップを行わせる。勿論、露光装置EX3と検査装置TAとが個別に制御装置を有し、個別に動作が制御される構成であっても構わない。
【0119】
なお、露光装置EXの用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適用できる。
【0120】
本実施形態の露光装置EXの光源は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、Fレーザ(157nm)を用いることができる。
【0121】
投影光学系PL1〜PL7の各倍率は等倍系のみならず、縮小系及び拡大系のいずれでもよい。
【0122】
また、前述した実施形態においては、液晶表示素子を製造する場合を例に挙げて説明したが、もちろん、液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけではなく、半導体素子等を含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンを半導体基板上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置等にも本発明を適用することができる。
【0123】
また、上述の実施形態では、各投影光学系PL1〜PL7が一対の反射屈折型光学系31,32を有するマルチ走査型投影露光装置について本発明を適用しているが、各投影光学系が1つ又は3つ以上の結像光学系を有する型式のマルチ走査型投影露光装置に対しても本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、投影光学系PL1〜PL5がマルチ型に構成された場合を例に挙げて説明したが、本発明はマルチ型以外の投影光学系、つまり鏡筒が1つの投影光学系にも適用することができる。
【0124】
次に本発明の一実施形態による露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図17は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する際の製造工程の一部を示すフローチャートである。まず、図17のステップS10において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS12において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS14において、図1に示す露光装置EXを用いて、マスクM上のパターンの像がその投影光学系(投影システム)を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。
【0125】
その後、ステップS16において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像(現像工程)が行われた後、ステップS18において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0126】
また、上記各露光装置では、基板P上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図18のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図18は、マイクロデバイスとしての液晶表示素子の製造する際の製造工程の一部を示すフローチャートである。
【0127】
図18中のパターン形成工程S20では、本実施形態の露光装置EX等を用いてマスクMのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S22へ移行する。
【0128】
次に、カラーフィルタ形成工程S22では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S22の後に、セル組み立て工程S24が実行される。セル組み立て工程S24では、パターン形成工程S20にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程S22にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
【0129】
セル組み立て工程S24では、例えば、パターン形成工程S20にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S22にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組立工程S26にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【符号の説明】
【0130】
EX、EX1、EX2、EX3…露光装置 P…基板 CONT、CONT1、CONT2…制御装置 m1〜m6、m11〜m16、m21〜m26、m31〜m36…アライメントマーク PL(PL1〜PL7)…投影光学系 r11〜r16、m21〜m26、m31〜m36…回路パターン SYS、SYS2…露光システム HC、HC3…主制御装置 TA…検査装置 2…基板ステージ 4…駆動システム 30…結像特性調整装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する露光方法であって、
前記基板に前記第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写ステップと、
転写された前記第一パターンのパターン情報を計測する第一計測ステップと、
前記第一パターンの前記パターン情報に関する第一計測結果に基づいて前記転写条件を調整する第一調整ステップと、
調整された前記転写条件で前記基板に前記第二パターンを転写する第二転写ステップと、
転写された前記第二パターンの前記パターン情報を計測する第二計測ステップと、
前記第二パターンの前記パターン情報に関する第二計測結果と、前記第一計測結果とに基づいて前記転写条件を調整する第二調整ステップと、
調整された前記転写条件で前記基板に前記第三パターンを転写する第三転写ステップと
を含む露光方法。
【請求項2】
複数の基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する露光方法であって、
複数の前記基板に前記第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写ステップと、
転写された前記第一パターンのパターン情報を前記基板毎に計測する第一計測ステップと、
前記第一パターンの前記パターン情報に関する第一計測結果に基づいて前記基板毎に前記転写条件を調整する第一調整ステップと、
調整された前記転写条件で複数の前記基板に前記第二パターンを転写する第二転写ステップと、
転写された前記第二パターンの前記パターン情報を前記基板毎に計測する第二計測ステップと、
複数の前記基板のうち同一の基板についての前記第一計測結果及び前記第二パターンの前記パターン情報に関する第二計測結果に基づいて、前記基板毎に前記転写条件を調整する第二調整ステップと、
調整された前記転写条件で複数の前記基板に前記第三パターンを転写する第三転写ステップと
を含む露光方法。
【請求項3】
前記パターン情報は、複数設けられた所定のマークの位置情報を含み、
前記第二調整ステップは、
複数の前記基板のうち少なくとも第一類の基板について複数の前記マークのうち所定点数の前記マークを検出することと、
前記第一類の基板のそれぞれについて、前記第一計測結果と前記第二計測結果との差分に関する差分情報を算出することと、
算出結果に基づいた前記転写条件の調整を行うことと、を含む
請求項2に記載の露光方法。
【請求項4】
前記第二調整ステップは、前記算出結果を出力することを含む
請求項3に記載の露光方法。
【請求項5】
前記第二調整ステップは、前記第一類の基板についての前記第二計測結果に基づいて、複数の前記基板のうち第二類の基板について、前記所定点数の前記マークを検出するか、前記所定点数よりも少ない点数の前記マークを検出するかを選択することと、を含む
請求項3に記載の露光方法。
【請求項6】
前記第二調整ステップは、前記第一計測結果及び前記第二計測結果のうち前記所定点数の前記マークの検出についての検出結果の平均値に基づいて、それぞれ前記転写条件を調整することを含む
請求項3から請求項5のうちいずれか一項に記載の露光方法。
【請求項7】
前記第二調整ステップは、前記第一計測結果及び前記第二計測結果のうち前記所定点数の前記マークの検出についての一の検出結果に基づいて、それぞれ前記転写条件を調整することを含む
請求項3から請求項6のうちいずれか一項に記載の露光方法。
【請求項8】
前記パターン情報は、複数設けられた所定のマークの位置情報、及び、所定の回路パターンの位置情報のうち少なくとも一方を含む
請求項1又は請求項2に記載の露光方法。
【請求項9】
前記第一パターン、前記第二パターン並びに前記第三パターンの転写は、前記基板に前記第一パターン、前記第二パターン並びに前記第三パターンの像を投影することを含み、
前記転写条件は、前記像の投影倍率、投影位置並びに投影される前記像の回転に関する結像条件、及び、前記基板の位置及び姿勢に関する基板配置条件のうち、少なくとも1つを含む
請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の露光方法。
【請求項10】
基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する転写装置と、
前記転写装置に配置される前記基板に転写される少なくとも第一パターン及び第二パターンのパターン情報を計測する計測装置と、
前記転写装置に配置される前記基板の転写条件を調整する調整装置と、
前記基板に前記第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写動作、前記基板に転写された前記第一パターンのパターン情報を計測する第一計測動作、前記第一パターンの前記パターン情報に関する第一計測結果に基づいて前記転写条件を調整する第一調整動作、調整された前記転写条件で前記基板に前記第二パターンを転写する第二転写動作、転写された前記第二パターンの前記パターン情報を計測する第二計測動作、前記第二パターンの前記パターン情報に関する第二計測結果と、前記第一計測結果とに基づいて前記転写条件を調整する第二調整動作、及び、調整された前記転写条件で前記基板に前記第三パターンを転写する第三転写動作、を行わせる制御装置と
を備える露光装置。
【請求項11】
複数の基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する転写装置と、
前記転写装置に配置されるそれぞれの前記基板に転写される少なくとも第一パターン及び第二パターンのパターン情報を前記基板毎に計測する計測装置と、
前記転写装置に配置されるそれぞれの前記基板の転写条件を前記基板毎に調整する調整装置と、
複数の前記基板に前記第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写動作と、転写された前記第一パターンのパターン情報を前記基板毎に計測する第一計測動作と、前記第一パターンの前記パターン情報に関する第一計測結果に基づいて前記基板毎に前記転写条件を調整する第一調整動作と、調整された前記転写条件で複数の前記基板に前記第二パターンを転写する第二転写動作と、転写された前記第二パターンの前記パターン情報を前記基板毎に計測する第二計測動作と、複数の前記基板のうち同一の基板についての前記第一計測結果及び前記第二パターンの前記パターン情報に関する第二計測結果に基づいて、前記基板毎に前記転写条件を調整する第二調整動作と、調整された前記転写条件で複数の前記基板に前記第三パターンを転写する第三転写動作と、を行わせる制御装置と
を備える露光装置。
【請求項12】
前記パターン情報は、複数設けられた所定のマークの位置情報を含み、
前記第二調整動作は、
複数の前記基板のうち少なくとも第一類の基板について複数の前記マークのうち所定点数の前記マークを検出することと、
前記第一類の基板のそれぞれについて、前記第一計測結果と前記第二計測結果との差分に関する差分情報を算出することと、
算出結果に基づいた前記転写条件の調整を行うことと、を含む
請求項11に記載の露光装置。
【請求項13】
前記第二調整動作は、前記算出結果を出力することを含む
請求項12に記載の露光装置。
【請求項14】
前記第二調整動作は、前記第一類の基板についての前記第二計測結果に基づいて、複数の前記基板のうち第二類の基板について、前記所定点数の前記マークを検出するか、前記所定点数よりも少ない点数の前記マークを検出するかを選択することと、を含む
請求項12に記載の露光装置。
【請求項15】
前記第二調整動作は、前記第一計測結果及び前記第二計測結果のうち前記所定点数の前記マークの検出についての検出結果の平均値に基づいて、それぞれ前記転写条件を調整することを含む
請求項12から請求項14のうちいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項16】
前記第二調整動作は、前記第一計測結果及び前記第二計測結果のうち前記所定点数の前記マークの検出についての一の検出結果に基づいて、それぞれ前記転写条件を調整することを含む
請求項12から請求項15のうちいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項17】
前記パターン情報は、複数設けられた所定のマークの位置情報、及び、所定の回路パターンの位置情報のうち少なくとも一方を含む
請求項10又は請求項11に記載の露光装置。
【請求項18】
前記基板に前記第一パターン、前記第二パターン並びに前記第三パターンの像を投影する投影光学系を更に備え、
前記転写条件は、前記投影光学系の投影倍率、投影位置並びに投影される前記像の回転に関する結像条件、及び、前記基板の位置及び姿勢に関する基板配置条件のうち、少なくとも一方を含む
請求項10から請求項17のうちいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項19】
基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する転写装置、及び、前記転写装置に配置される前記基板の転写条件を調整する調整装置、を有する露光装置と、
前記露光装置との間で前記基板を搬送するための搬送部を有し、前記転写装置に配置される前記基板に転写される少なくとも第一パターン及び第二パターンのパターン情報を計測する計測装置と、
前記基板に前記第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写動作、前記基板に転写された前記第一パターンのパターン情報を計測する第一計測動作、前記第一パターンの前記パターン情報に関する第一計測結果に基づいて前記転写条件を調整する第一調整動作、調整された前記転写条件で前記基板に前記第二パターンを転写する第二転写動作、転写された前記第二パターンの前記パターン情報を計測する第二計測動作、前記第二パターンの前記パターン情報に関する第二計測結果と、前記第一計測結果とに基づいて前記転写条件を調整する第二調整動作、及び、調整された前記転写条件で前記基板に前記第三パターンを転写する第三転写動作、を行わせる制御装置と
を備える露光システム。
【請求項20】
複数の基板に第一パターン、第二パターン及び第三パターンを重ねて転写する転写装置、及び、前記転写装置に配置されるそれぞれの前記基板の転写条件を前記基板毎に調整する調整装置、を有する露光装置と、
前記露光装置との間で前記基板を搬送するための搬送部を有し、前記転写装置に配置されるそれぞれの前記基板に転写される少なくとも第一パターン及び第二パターンのパターン情報を前記基板毎に計測する計測装置と、
複数の前記基板に前記第一パターンを所定の転写条件で転写する第一転写動作と、転写された前記第一パターンのパターン情報を前記基板毎に計測する第一計測動作と、前記第一パターンの前記パターン情報に関する第一計測結果に基づいて前記基板毎に前記転写条件を調整する第一調整動作と、調整された前記転写条件で複数の前記基板に前記第二パターンを転写する第二転写動作と、転写された前記第二パターンの前記パターン情報を前記基板毎に計測する第二計測動作と、複数の前記基板のうち同一の基板についての前記第一計測結果及び前記第二パターンの前記パターン情報に関する第二計測結果に基づいて、前記基板毎に前記転写条件を調整する第二調整動作と、調整された前記転写条件で複数の前記基板に前記第三パターンを転写する第三転写動作と、を行わせる制御装置と
を備える露光システム。
【請求項21】
請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載の露光方法を用いて前記基板を露光することと、
露光された前記基板を現像して、前記第一パターン、前記第二パターン及び前記第三パターンに対応する露光パターン層を形成することと、
前記露光パターン層を介して前記基板を加工することと
を含むデバイス製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−4259(P2012−4259A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136703(P2010−136703)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】