説明

露光装置及びデバイスの製造方法

【課題】計測期間における計測部の温度安定化に有利な露光装置を提供する。
【解決手段】光源63から射出される光で前記基板の上のマークWMを照明し、前記マークで反射した光により前記マークの像を形成する光学系と、前記マークの像を検出する検出部11とを含み、前記マークの位置を計測する計測部と、前記光学系の所定面における光量を制御する制御部90と、を有し、前記マークの位置を計測しない非計測期間に前記光源から射出される光の光量は、前記マークの位置を計測する計測期間に前記光源から射出される光の光量よりも低く、前記光源と前記所定面との間の光路における透過率を前記非計測期間で、前記計測期間における透過率よりも高くすることにより、前記非計測期間と前記計測期間の前記所定面における光量の差を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及びデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの製造技術である微細加工技術が著しく進展してきている。光加工技術(光リソグラフィ)では、サブミクロンオーダーの解像力を有する露光装置が主流となり、解像力の更なる向上を実現するために、投影光学系の開口数(NA)の拡大や露光光の短波長化が図られている。例えば、露光装置に用いられる光源は、露光光の短波長化に伴い、g線やi線の高圧水銀ランプからKrFエキシマレーザやArFエキシマレーザに移行している。但し、露光光が短波長化すると、使用可能な硝材が限定されるため、アライメント光の波長に対する投影光学系の色収差の補正が困難になる。従って、近年の露光装置では、投影光学系の色収差の影響を受けないオフアクシスアライメント光学系(OA光学系)が多く採用されている。
【0003】
投影光学系やOA光学系においては、温度変化が結像性能やアライメント性能に影響を与える(即ち、結像性能やアライメント性能を低下させる)ことが知られている。そこで、OA光学系のセンサ周辺の温度変化によるアライメント性能の低下を低減するために、センサを所定の気密性を有する包囲部材で包囲し、その内部の温度を制御する技術が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の技術は、露光中において、投影光学系、基板、レチクル(マスク)などから伝播される熱を包囲部材で遮断するとともに、包囲部材の内部の温度を制御することで、センサ周辺の温度を一定に維持することができる。
【0004】
また、OA光学系は、一般的に、ハロゲンランプなど(広波長帯域光源)をアライメント光源として用いており、計測条件などに応じて、複数の波長帯域から計測に使用する波長帯域を選択している。ハロゲンランプには、点灯電圧と寿命との関係に正の相関関係があり、点灯電圧が高い場合には、点灯電圧が低い場合と比較して、寿命が短くなることが知られている。従って、OA光学系では、寿命対策と省エネ対策とを兼ねて、計測期間は必要な照度を確保することができる点灯電圧でハロゲンランプを点灯させ、非計測期間は低い点灯電圧でハロゲンランプを点灯させている(即ち、非計測期間の光量を低くしている)。また、OA光学系において、アライメント光源からのアライメント光は、ファイバを介して、OA光学系の光学系(センサ)に導光される。これは、上述したように、熱源であるアライメント光源とOA光学系の光学系とを分離し、温度変化によるOA光学系の光学系の伸縮を防いでアライメント性能の低下を低減させるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−135117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ファイバで導光されたアライメント光にもエネルギーが含まれているため、アライメント光が照射されることでOA光学系の光学系が伸縮し、OA光学系に近年要求されているような高いアライメント性能を実現する上で問題となっている。特に、OA光学系では、ハロゲンランプの点灯電圧を計測期間(計測時)と非計測期間(非計測時)とで変更しているため、OA光学系に入射するアライメント光の光量(熱量)が計測期間と非計測期間とで異なることになる。その結果、計測期間におけるOA光学系の温度変化が大きくなり、OA光学系のアライメント性能に影響を与えてしまう。
【0007】
なお、特許文献1の技術を適用し、OA光学系の光学系を包囲して内部の温度を制御することも考えられるが、温度制御機構などが必要となるため、OA光学系の構成の大型化やコストアップを招いてしまう。
【0008】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、計測期間における計測部(の光学系)の温度変化の低減に有利な技術を提供することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、基板を露光する露光装置であって、光源から射出される光で前記基板の上のマークを照明し、前記マークで反射した光により前記マークの像を形成する光学系と、前記マークの像を検出する検出系とを含み、前記マークの位置を計測する計測部と、前記光学系の所定面における光量を制御する制御部と、を有し、前記マークの位置を計測しない非計測期間に前記光源から射出される光の光量は、前記マークの位置を計測する計測期間に前記光源から射出される光の光量よりも低く、前記制御部は、前記非計測期間の前記光源と前記所定面との間の光路における透過率を前記計測期間の前記光路における透過率よりも高くすることで、前記非計測期間に前記光源から射出される光の光量が前記計測期間に前記光源から射出される光の光量が低いことによる前記計測期間の前記所定面における光量と前記非計測期間の前記所定面における光量の差を低減することを特徴とする。
【0010】
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、例えば、計測期間における計測部(の光学系)の温度変化の低減に有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略図である。
【図2】OA光学系のベースラインを計測する計測処理を説明するための図である。
【図3】OA光学系の構成を示す概略図である。
【図4】アライメント光源の近傍の構成を示す概略図である。
【図5】波長フィルタターレット及び波長フィルタの構成を示す図である。
【図6】減光フィルタターレット及び減光フィルタの構成を示す図である。
【図7】アライメント光源の近傍の構成を示す概略図である。
【図8】露光装置における露光処理とOA光学系を用いた計測処理とのタイミングを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は、本発明の一側面としての露光装置100の構成を示す概略図である。露光装置100は、レチクル17のパターンを、投影光学系22を介して、基板としてのウエハWの上に転写する(即ち、ウエハWを露光する)。
【0015】
光源34は、所定の波長域の光(露光光)を射出する。光源34は、例えば、ArFエキシマレーザやKrエキシマレーザなどのエキシマレーザ光源、金属蒸気レーザ光源、YAGレーザの高周波発生装置などのパルス光源、水銀ランプと楕円反射ミラーとを組み合わせた構成を有する連続光源などを使用する。
【0016】
照明光学系は、本実施形態では、整形光学系35と、フライアイレンズ36と、コンデンサレンズ37と、固定視野絞り38と、可変視野絞り39と、リレーレンズ40とを含み、レチクル17を照明する。
【0017】
光源34からの光は、整形光学系35によって所定の大きさの径(光束径)を有する光に整形され、フライアイレンズ36に到達する。フライアイレンズ36の射出面には、多数の2次光源が形成され、かかる2次光源からの光は、コンデンサレンズ37によって集光され、固定視野絞り38を介して、可変絞り39に到達する。本実施形態では、固定視野絞り38は、可変視野絞り39よりもコンデンサレンズ37側に配置されているが、リレーレンズ40側に配置されていてもよい。
【0018】
固定視野絞り38は、本実施形態では、長方形のスリット状の開口部を有する。従って、固定視野絞り38を通過した光は、長方形のスリット状の断面を有する光となり、リレーレンズ40に入射する。リレーレンズ40は、可変視野絞り39とレチクル17(のパターン面)とを共役にするための光学系である。
【0019】
投影光学系22は、屈折系、反射屈折系、或いは、反射系を含み、照明光学系によって形成されるスリット状の照明領域内におけるレチクル17のパターン(の像)をウエハWの上に投影する。レチクル17は、レチクルステージ1に保持及び駆動される。
【0020】
ウエハWは、レチクル17のパターンが投影される基板である。ウエハWは、ウエハ搬送系(不図示)によって搬送され、ウエハステージ20に保持及び駆動される。ウエハステージ20は、投影光学系22の光軸に垂直な面内でウエハWの位置決めを行うと共にウエハWを±Y方向に走査するためのXYステージ及びZ方向にウエハWの位置決めを行うためのZステージで構成される。
【0021】
オフアクシスアライメント光学系(OA光学系)24は、ウエハWの上のマークの位置やウエハステージ20の上のマークの位置を計測する計測部である。OA光学系24は、後述するように、アライメント光源から射出される光でウエハWの上のマークを照明し、かかるマークで反射した光によりマークの像を形成する光学系と、かかるマークの像を検出する検出系とを含む。
【0022】
制御部90は、CPUやメモリなどで構成された記憶部91を含み、露光装置100の全体(動作)を制御する。例えば、制御部90は、露光のオン・オフを制御する(切り換える)。具体的には、光源34がパルス光源である場合には、制御部90は、パルス光源用の電源からの供給電力を制御することで露光のオン・オフを制御する。また、光源34が連続光源である場合には、制御部90は、照明光学系の光路に配置されたシャッタ(不図示)を開閉することで露光のオン・オフを制御する。但し、本実施形態では、照明光学系が可動ブラインドである可変視野絞り39を有しているため、可変視野絞り39を開閉することで露光のオン・オフを制御することも可能である。また、制御部90は、OA光学系24のベースラインを計測する計測処理やOA光学系24を用いた計測処理なども制御する。
【0023】
図2を参照して、OA光学系24のベースラインを計測する計測処理について説明する。レチクル17には、レチクル17とレチクルステージ1との位置決めのための基準マークとなるレチクル基準マーク33が形成されており、レチクルステージ1には、ベースライン計測用マークが形成された基準プレート19が配置されている。また、レチクルステージ1に対するレチクル17の位置決めは、レチクルアライメント光学系(不図示)でレチクル基準マーク33を検出することで予め行われているものとする。
【0024】
まず、図2に示すように、基準プレート19に形成されたベースライン計測用マークとウエハステージ20に配置されたステージ基準マーク21との相対位置を、投影光学系22を介して、アライメント光学系23で検出する。
【0025】
次いで、ウエハステージ20を駆動して、ステージ基準マーク21をOA光学系24の計測領域に位置させる。そして、ステージ基準マーク21とOA光学系24の基準マークSMとの相対位置を、OA光学系24で検出する。
【0026】
次に、ベースライン計測用マークとステージ基準マーク21との相対位置の検出結果、及び、ステージ基準マーク21と基準マークSMとの相対位置の検出結果からベースライン(ベースライン量)を算出する。これにより、投影光学系22の光軸(露光中心)に対するOA光学系24の計測位置が求まる。
【0027】
以下、OA光学系24について詳細に説明する。図3は、OA光学系24の構成を示す概略図である。アライメント光源63は、本実施形態では、ハロゲンランプを使用する。アライメント光源63は、熱源(ハロゲンランプの発熱体)を含んでいるため、温度安定性が求められるOA光学系24を構成する光学系から分離して配置されている。
【0028】
ファイバ43の射出端からの光(ウエハマーク照明光)WMILは、照明リレーレンズ2を介して、ターレット4の上に配置された複数の照明開口絞りのうち、OA光学系24の光路に配置された照明開口絞りを通過する。OA光学系24の光路に配置する照明開口絞りは、モータ44によってターレット4を駆動(回転)することで選択することができる。具体的には、アライメント光源63からの光の波長及び光量と照明開口絞り45との組み合わせによる条件(計測条件)が設定されると、制御部90は、モータ44の回転の原点からの駆動量(ターレット4の回転量)を求める。そして、制御部90は、かかる駆動量に応じてモータ44を駆動して、ターレット4の上に配置された複数の照明開口絞りのうち所定の照明開口絞りをOA光学系24の光路に配置する。なお、モータ44の回転の原点は、例えば、ターレット4に形成されたスリットがフォトスイッチの検出部を通過した位置であり、モータ44によってターレット4を1回転させることで予め求めておく必要がある。
【0029】
照明開口絞りを通過した光WMILは、照明リレーレンズ3を介して、照明視野絞り45を照明する。照明視野絞り45を通過した光WMILは、照明光学系5を通過して偏光ビームスプリッタ6に入射する。偏光ビームスプリッタ6では、光WMILのうち、偏光ビームスプリッタ6に対してP偏光成分(紙面に平行な成分)が反射される。なお、偏光ビームスプリッタ6は、検出部11において光を高効率で検出するために用いられているため、光量に問題がなければ、ハーフミラーに置換してもよい。
【0030】
偏光ビームスプリッタ6で反射された光WMILは、反射プリズム46で反射され、反射プリズム46とウエハWとの間の光路に配置されたλ/4板8に入射する。λ/4板8を通過した光WMILは、円偏光に変換され、結像開口絞りAS及び対物レンズ9を介して、ウエハWの上のウエハマークWMを照明する。
【0031】
ウエハマークWMで反射された光(結像光)MLは、対物レンズ9、結像開口絞りAS及びλ/4板8を通過する。λ/4板8を通過した光MLは、円偏光から紙面垂直方向の直線偏光(S偏光)に変換され、反射プリズム46を介して、偏光ビームスプリッタ6を透過する。偏光ビームスプリッタ6を透過した光は、リレーレンズ7に導光される。リレーレンズ7は、ウエハマークWMの像を一度結像する。リレーレンズ7によって形成されたウエハマークWMの像は、検出光学系10を介して、CCDセンサやCMOSセンサなどで構成される検出部11の検出面において再度結像する(即ち、光MLによりウエハマークWMの像を形成する)。そして、検出部11で検出されたウエハマークWMの像に対応するウエハマーク信号は、制御部90に入力される。
【0032】
一方、OA光学系24の基準マークSMを照明するための光(基準マーク照明光)SMILは、基準マーク光源64から、ファイバ42を介して、導光される。ファイバ42の射出端からの光SMILは、基準板照明光学系13を介して、基準板14をケーラー照明する(即ち、基準板14を一様な光量分布で照明する)。基準板14には、基準マークSMが形成されている。基準マークSMを通過した光は、ハーフミラー15で反射され、検出部11に導光される。そして、検出部11で検出された基準マークSMの像に対応する基準マーク信号は、制御部90に入力される。
【0033】
制御部90は、ウエハマーク信号及び基準マーク信号からウエハWの位置(即ち、ウエハステージ20の位置)を算出し、かかる算出結果に基づいて、ウエハステージ20を駆動してウエハWの位置決めを行う。このように、制御部90は、ウエハステージ20と協同して、ウエハWの位置決めを行う位置決め機構として機能する。
【0034】
図4を参照して、アライメント光源63の近傍の構成について説明する。図4は、アライメント光源63の近傍の構成を示す概略図である。OA光学系24は、上述したように、アライメント光源63としてハロゲンランプ50を使用する。ハロゲンランプ50には、点灯電圧と寿命との関係に正の相関関係があり、点灯電圧が高い場合には、点灯電圧が低い場合と比較して、寿命が短くなる。また、アライメント光源63の近傍には、ミラー51やハロゲンランプ50からの光をファイバ42の入射端に集光する光学系52が配置されている。更に、アライメント光源63の近傍には、モータ53によって駆動(回転)される波長フィルタターレット54やモータ55によって駆動(回転)される減光フィルタターレット56が配置されている。
【0035】
波長フィルタターレット54には、ハロゲンランプ50から射出される光の波長を選択するためのフィルタとして、互いに異なる波長の光を透過する複数の波長フィルタが配置されている。OA光学系24の光路に配置する波長フィルタは、モータ53によって波長フィルタターレット54を駆動(回転)することで選択することができる。また、減光フィルタターレット56には、光の光量を低減するためのフィルタとして、互いに異なる透過率を有する減光フィルタ(NDフィルタ)が配置されている。OA光学系24の光路に配置するNDフィルタは、モータ55によって減光フィルタターレット56を駆動(回転)することで選択することができる。
【0036】
図5(a)及び図5(b)は、波長フィルタターレット54及び波長フィルタ541a〜541fの構成を示す図であって、図5(a)は正面図を示し、図5(b)は断面図を示している。図5(a)に示すように、波長フィルタターレット54には、本実施形態では、互いに異なる波長の光を透過する6つの波長フィルタ541a〜541fが配置されている。波長フィルタ541aは、本実施形態では、図5(b)に示すように、高波長カットフィルタ541a1と低波長カットフィルタ541a2とを組み合わせて構成されている。高波長カットフィルタ541a1は、ある波長よりも高波長側の波長の光をカットする機能を有し、低波長カットフィルタ541a2は、ある波長よりも低波長側の波長の光をカットする機能を有する。従って、高波長カットフィルタ541a1と低波長カットフィルタ541a2との組み合わせによって、波長フィルタ541aが透過(選択)する光の波長を設定することができる。また、モータ53の回転の原点は、例えば、波長フィルタターレット54に形成されたスリット54aがフォトスイッチPSの検出部を通過した位置であり、モータ53によって波長フィルタターレット54を1回転させることで求めることができる。なお、波長フィルタ541b〜541fについては、波長フィルタ541aと同様な構成であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0037】
図6は、減光フィルタターレット56及びNDフィルタ561a〜561fの構成を示す図である。図6に示すように、減光フィルタターレット56には、本実施形態では、互いに異なる透過率を有する6つのNDフィルタ561a〜561fが配置されている。また、モータ55の回転の原点は、例えば、NDフィルタターレット56に形成されたスリット56aがフォトスイッチPSの検出部を通過した位置であり、モータ55によってNDフィルタターレット56を1回転させることで求めることができる。
【0038】
本実施形態では、制御部90は、ハロゲンランプ50の寿命対策と省エネ対策とを兼ねて、ハロゲンランプ50から射出される光の光量を制御する。換言すれば、制御部90は、OA光学系24が計測処理を行う(例えば、ウエハマークWMの位置を計測する)計測期間は必要な照度を確保できる点灯電圧でハロゲンランプ50を点灯させる。一方、制御部90は、OA光学系24が計測処理を行わない(例えば、ウエハマークWMの位置を計測しない)非計測期間は低い点灯電圧でハロゲンランプ50を点灯させる。換言すれば、制御部90は、非計測期間にハロゲンランプ50から射出される光の光量が計測期間にハロゲンランプ50から射出される光の光量よりも低くなるように、ハロゲンランプ50の点灯電圧を制御する。但し、ハロゲンランプ50の点灯電圧を計測期間(計測時)と非計測期間(非計測時)とで変更すると、OA光学系24を構成する後段の光学系の所定面PP(図3参照)に入射する光の光量が計測期間と非計測期間とで異なることになる。そこで、制御部90は、計測期間の所定面PPにおける温度変化が許容範囲に収まるように、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量との差を低減する。制御部90は、本実施形態では、非計測期間のハロゲンランプ50と所定面PPとの間の光路における透過率を計測期間のハロゲンランプ50と所定面PPとの間の光路における透過率よりも高くする。これは、波長フィルタターレット54及び波長フィルタ541a〜541f、或いは、減光フィルタターレット56及びNDフィルタ561a〜561fを用いることで実現することができる。
【0039】
具体的な数値を用いて、制御部90による所定面PPにおける光量の制御を説明する。例えば、波長フィルタ541a、541b、541c、541d及び541eのそれぞれの透過率を40%、50%、60%、70%及び80%とする。計測期間のハロゲンランプ50の点灯電圧をVm[V]、計測期間にOA光学系24の光路に配置される波長フィルタを波長フィルタ541b、非計測期間のハロゲンランプ50の点灯電圧を0.625Vm[V]とする。なお、計測期間と非計測期間とで、OA光学系24の光路に配置するNDフィルタは変更しない(即ち、NDフィルタの透過率は一定である)ものとする。
【0040】
ここで、非計測期間にOA光学系24の光路に配置すべき波長フィルタの透過率をN[%]とする。ハロゲンランプ50から射出される光の光量は点灯電圧にほぼ比例するため、計測期間にハロゲンランプ50から射出される光の光量Wmは、以下の式1で表される。また、非計測期間にハロゲンランプ50から射出される光の光量Wnmは、以下の式2で表される。
【0041】
Wm=50[%]/100[%]×Vm[V] ・・・(式1)
Wnm=N[%]/100[%]×0.625Vm[V] ・・・(式2)
式1及び式2から、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にするためには、非計測期間にOA光学系24の光路に配置すべき波長フィルタの透過率N[%]は80[%]となる。従って、波長フィルタターレット54に配置された波長フィルタ541a〜541fから、非計測期間にOA光学系24の光路に配置すべき波長フィルタとして、80[%]の透過率を有する波長フィルタ541eを選択すればよい。換言すれば、計測期間にOA光学系24の光路に配置する波長フィルタ541bの透過率よりも高い透過率を有する波長フィルタ541eをOA光学系24の光路に配置する。これにより、非計測期間におけるハロゲンランプ50の点灯電圧を低くしても、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にすることができる。その結果、計測期間におけるOA光学系24の温度変化が低減され(即ち、OA光学系24の温度変化が許容範囲に収まり)、OA光学系24の高いアライメント性能を維持することが可能となる。
【0042】
なお、80[%]の透過率を有する波長フィルタが波長フィルタターレット54に配置されていない場合には、80[%]の透過率に最も近い透過率を有する波長フィルタ、本実施形態では、70[%]の透過率を有する波長フィルタ541dを選択する。換言すれば、複数の波長フィルタから、非計測期間の所定面PPにおける光量を計測期間の所定面PPにおける光量に近づける波長フィルタを選択し、かかる波長フィルタをOA光学系24の光路に配置すればよい。
【0043】
上述した例では、NDフィルタは変更せずに(NDフィルタの透過率を一定として)、波長フィルタを変更することで、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にしている。但し、波長フィルタは変更せずに、NDフィルタを変更することで、即ち、NDフィルタ561a〜561fを用いても同様に、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にすることができる。
【0044】
例えば、OA光学系24の光路に配置する波長フィルタを波長フィルタ541aで固定し、計測期間と非計測期間とでは波長フィルタは変更しないものとする。計測期間のハロゲンランプ50の点灯電圧をVm[V]、計測期間にOA光学系24の光路に配置されるNDフィルタの透過率を50[%]、非計測期間のハロゲンランプ50の点灯電圧を0.625Vm[V]とする。
【0045】
ここで、非計測期間にOA光学系24の光路に配置すべきNDフィルタの透過率をM[%]とする。ハロゲンランプ50から射出される光の光量は点灯電圧にほぼ比例するため、計測期間にハロゲンランプ50から射出される光の光量Wmは、以下の式3で表される。また、非計測期間にハロゲンランプ50から射出される光の光量Wnmは、以下の式4で表される。
【0046】
Wm=40[%]/100[%]×50[%]/100[%]×Vm[V] ・・・(式3)
Wnm=40[%]/100[%]×M[%]/100[%]×0.625Vm[V] ・・・(式4)
式3及び式4から、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にするためには、非計測期間にOA光学系24の光路に配置すべきNDフィルタの透過率M[%]は80[%]となる。従って、減光フィルタターレット56に配置されたNDフィルタ561a〜561fから、非計測期間にOA光学系24の光路に配置すべき波長フィルタとして、80[%]の透過率を有するNDフィルタを選択すればよい。換言すれば、計測期間にOA光学系24の光路に配置するNDフィルタの透過率よりも高い透過率を有するNDフィルタをOA光学系24の光路に配置する。これにより、非計測期間におけるハロゲンランプ50の点灯電圧を低くしても、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にすることができる。その結果、計測期間におけるOA光学系24の温度変化が低減され(即ち、OA光学系24の温度変化が許容範囲に収まり)、OA光学系24の高いアライメント性能を維持することが可能となる。
【0047】
なお、80[%]の透過率を有するNDフィルタが減光フィルタターレット56に配置されていない場合には、80[%]の透過率に最も近い透過率を有するNDフィルタを選択する。換言すれば、複数の波長フィルタから、非計測期間の所定面PPにおける光量を計測期間の所定面PPにおける光量に近づけるNDフィルタを選択し、かかるNDフィルタをOA光学系24の光路に配置すればよい。
【0048】
本実施形態では、計測期間と非計測期間とで、波長フィルタ及びNDフィルタのいずれかを変更する場合を説明した。但し、波長フィルタ及びNDフィルタの両方を変更して、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にしてもよい。
【0049】
また、ハロゲンランプ50の寿命対策及び省エネ対策を考える上では、非計測期間の所定面PPにおける光量(ハロゲンランプ50と所定面PPとの間の光路における透過率)を最大にしたい場合もある。このような場合には、波長フィルタターレット54及び減光フィルタターレット56に開口部(透過率:100[%])を形成し、非計測期間にOA光学系24の光路に開口部を配置すればよい。これにより、ハロゲンランプ50の点灯電圧を低くした状態で、所定面PPにおいてより高い光量を得ることがきるため、ハロゲンランプ50の寿命対策及び省エネ対策を効果的に行うことができる。
【0050】
また、所定面PPの位置は、図3に示す位置に限定されるものではなく、OA光学系24の高いアライメント性能を維持することができる範囲内で任意の位置に設定することが可能である。例えば、所定面PPの位置がOA光学系24を構成するターレット4の後段である場合には、ターレット4に配置された複数の照明開口絞りを用いて、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にすることも可能である。照明開口絞りは、照明開口絞りよりも後段の光学系に入射する光の光量を制限することができる。従って、照明開口絞りよりも後段に設定された所定面PPにおける光量が計測期間と非計測期間とで同等となるように、照明開口絞りを選択すればよい。なお、所定面PPよりも前段に配置された光学系であって、光量を調整できる光学系であれば、照明開口絞りに限定されず、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にするために用いることができる。
【0051】
なお、ハロゲンランプ50の点灯電圧(ハロゲンランプ50から射出される光の光量)は、寿命が許容できるのであれば、計測期間と非計測期間とで一定にしてもよい。
【0052】
また、非計測期間にハロゲンランプ50から射出される光によって、ウエハWに塗布されたレジストが変質又は感光してしまう場合もある。このような場合には、非計測期間の所定面PPにおける累積光量に閾値を設定し、所定面PPにおける累積光量が閾値以上となった場合には、ハロゲンランプ50から射出される光量を低減する、或いは、ハロゲンランプ50を消灯するようにするとよい。なお、閾値は、任意の値を設定することができるが、レジストが変質又は感光する光量に対応する値を設定するとよい。
【0053】
また、図7に示すように、OA光学系24における温度、詳細には、所定面PPにおける温度を検出するセンサ77を配置してもよい。センサ77は、常時、或いは、定期的に、所定面PPにおける温度を検出し、計測期間の所定面PPにおける温度と非計測期間の所定面PPにおける温度を検出する。
【0054】
センサ77で検出された所定面PPにおける温度は、制御部90に入力される。そして、制御部90は、センサ77の検出結果に基づいて、非計測期間の所定面PPにおける光量を制御する。所定面PPにおける温度に応じて、非計測期間にOA光学系24の光路に配置する波長フィルタ又はNDフィルタを選択することで、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にすることができる。このように、実際に検出された所定面PPにおける温度に基づいて非計測期間の所定面PPにおける光量を制御することで、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とをより高精度に同等にすることができる。
【0055】
なお、所定面PPにおける温度ではなく、所定面PPにおける光量を検出するセンサを配置し、かかるセンサの検出結果に基づいて、非計測期間の所定面PPにおける光量を制御してもよい。この場合も同様に、所定面PPにおける光量に応じて、非計測期間にOA光学系24の光路に配置する波長フィルタ又はNDフィルタを選択することで、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にすることができる。
【0056】
また、所定面PPにおける温度や光量を実際に検出するのではなく、所定面PPにおける温度や光量の時間変化を予め記憶していてもよい。例えば、所定面PPにおける光量及び温度の少なくとも一方の時間変化を表す情報を制御部90の記憶部91に記憶させておき、かかる情報に基づいて、非計測期間の所定面PPにおける光量を調整してもよい。記憶部91に記憶された情報に応じて、非計測期間にOA光学系24の光路に配置する波長フィルタ又はNDフィルタを選択することで、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にすることができる。
【0057】
また、上述したように、計測期間と非計測期間とで、OA光学系24の光路に配置する波長フィルタ又はNDフィルタを変更したとしても、OA光学系24の計測結果に変動やオフセットが生じる場合もある。このような場合には、過去の実績に応じて、計測期間の所定面PPにおける光量と非計測期間の所定面PPにおける光量とを同等にするための波長フィルタ又はNDフィルタを選択すればよい。
【0058】
図8は、露光装置100の動作について説明する。図8は、露光装置100の動作、特に、露光処理とOA光学系24を用いた計測処理とのタイミングを示すフローチャートである。図8に示す計測条件A及びBは、OA光学系24に設定される計測条件を示している。OA光学系24に設定される計測条件は、OA光学系24の光学的条件(例えば、光量など)を含み、ウエハWのプロセス条件、特に、ウエハマークWMの段差やウエハWに塗布されるレジストによって決定される。ここでは、第1のプロセス条件のウエハW及び第2のプロセス条件のウエハを処理する場合について説明する。
【0059】
図8を参照するに、S21では、アライメント光学系23及びOA光学系24を用いて、上述したように、OA光学系24のベースラインを計測する計測処理(ベースライン計測処理)を行う。この際、OA光学系24には、計測条件A(第1の計測条件)が設定されている。S22では、ウエハステージ20に第1のプロセス条件のウエハWを供給(載置)する。S23では、OA光学系24を用いて、上述したように、ウエハステージ20に載置されたウエハWの上のウエハマークWMの位置を計測する計測処理(ウエハマーク計測処理)を行う。この際、OA光学系24には、計測条件Aが設定されている。S24では、レチクル17のパターンをウエハWに転写する、即ち、ウエハWを露光する露光処理を行う。なお、露光処理には、S23で計測されたウエハマークWMの位置に基づいて、ウエハW(ウエハステージ20)の位置決めを行うアライメント処理も含む。S25では、ウエハステージ20からウエハW(即ち、露光処理が行われたウエハW)を回収する。S26では、全て(例えば、25枚)の第1のプロセス条件のウエハWに露光処理を行ったかどうかを判定する。全ての第1のプロセス条件のウエハWに露光処理を行っていない場合には、S22に移行して、ウエハステージ20に次の第1のプロセス条件のウエハWを供給する。一方、全ての第1のプロセス条件のウエハWに露光処理を行っている場合には、S32に移行する。
【0060】
S32では、ウエハステージ20に第2のプロセス条件のウエハWを供給する。S33では、OA光学系24を用いて、上述したように、ウエハステージ20に載置されたウエハWの上のウエハマークWMの位置を計測する計測処理(ウエハマーク計測処理)を行う。この際、OA光学系24には、計測条件B(第1の計測条件とは異なる第2の計測条件)が設定されている。S34では、ウエハWを露光する露光処理を行う。なお、露光処理には、S33で計測されたウエハマークWMの位置に基づいて、ウエハW(ウエハステージ20)の位置決めを行うアライメント処理も含む。S35では、ウエハステージ20からウエハWを回収する。S36では、全て(例えば、25枚)の第2のプロセス条件のウエハWに露光処理を行ったかどうかを判定する。全ての第2のプロセス条件のウエハWに露光処理を行っていない場合には、S32に移行して、ウエハステージ20に次の第2のプロセス条件のウエハWを供給する。一方、全ての第2のプロセス条件のウエハWに露光処理を行っている場合には、動作を終了する。
【0061】
図8において、計測期間とは、OA光学系24を用いて計測処理を行うベースライン計測処理(S21)及びウエハマーク計測処理(S23、S33)のそれぞれを行っている期間である。また、非計測期間とは、計測処理以外の処理(S22、S24〜S26、S32、S34〜S36)を行っている期間である。また、非計測期間は、以下の3つの期間を含む。
期間1:ウエハマークの位置を計測条件A(第1の計測条件)で計測するウエハマーク計測処理を繰り返して行う場合(S22〜S26)におけるウエハマーク計測処理間(前回のS23と今回のS23の間)の期間
(ウエハマークの位置を計測条件B(第1の計測条件)で計測するウエハマーク計測処理を繰り返して行う場合(S32〜S36)におけるウエハマーク計測処理間(前回のS33と今回のS33の間)の期間も同様)
期間2:OA光学系24のベースラインを計測するベースライン計測処理(第1の処理)とウエハマークを計測するウエハマーク計測処理(第2の処理)とを行う場合におけるベースライン計測処理(S21)とウエハマーク計測処理(S23)との間の期間
期間3:ウエハマークを計測条件Aで計測するウエハマーク計測処理(第1の処理)とウエハマークを計測条件Bで計測するウエハマーク計測処理(第2の処理)を行う場合におけるウエハマーク計測処理(S23)とウエハマーク計測処理(S33)との間の期間
本実施形態の露光装置100によれば、上述したように、計測期間におけるOA光学系24の温度変化が低減され(即ち、OA光学系24の温度変化が許容範囲に収まり)、OA光学系24の高いアライメント性能を維持することができる。従って、露光装置100は、OA光学系24の計測結果に基づいて、ウエハW(ウエハステージ20)の位置決めを高精度に行い、高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。かかるデバイスは、露光装置100を用いてフォトレジスト(感光剤)が塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、その他の周知の工程と、を経ることによって製造される。
【0062】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本実施形態では、アライメント光源について説明したが、基準マーク光源にも本発明を適用することができる。また、アライメント光源は、本実施形態では、ハロゲンランプを使用しているが、レーザダイオードやHe−Neレーザを使用してもよい。また、本発明は、OA光学系に限定されるものではなく、露光装置に備えられる位置計測装置に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を露光する露光装置であって、
光源から射出される光で前記基板の上のマークを照明し、前記マークで反射した光により前記マークの像を形成する光学系と、前記マークの像を検出する検出系とを含み、前記マークの位置を計測する計測部と、
前記光学系の所定面における光量を制御する制御部と、
を有し、
前記マークの位置を計測しない非計測期間に前記光源から射出される光の光量は、前記マークの位置を計測する計測期間に前記光源から射出される光の光量よりも低く、
前記制御部は、前記非計測期間の前記光源と前記所定面との間の光路における透過率を前記計測期間の前記光路における透過率よりも高くすることで、前記非計測期間に前記光源から射出される光の光量が前記計測期間に前記光源から射出される光の光量が低いことによる前記計測期間の前記所定面における光量と前記非計測期間の前記所定面における光量の差を低減することを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記光学系は、前記光源と前記所定面との間の光路に配置され、前記光源からの光を透過する透過率が互いに異なる複数のフィルタを含み、
前記制御部は、前記複数のフィルタから、前記非計測期間の前記所定面における光量を前記計測期間の前記所定面における光量に近づけるフィルタを選択し、前記選択したフィルタを前記マークの位置の非計測期間に前記光源と前記所定面との間の光路に配置することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記フィルタは、前記光源から射出される光の波長を選択するための波長フィルタ及び光の光量を低減するための減光フィルタの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記所定面における光量及び温度の少なくとも一方を検出するセンサを更に有し、
前記制御部は、前記センサの検出結果に基づいて、前記計測期間の前記所定面における光量と前記非計測期間の前記所定面における光量の差を低減することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項5】
前記所定面における光量及び温度の少なくとも一方の時間変化を表す情報を記憶する記憶部を更に有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記情報に基づいて、前記計測期間の前記所定面における光量と前記非計測期間の前記所定面における光量の差を低減することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項6】
前記非計測期間は、前記マークの位置を第1の計測条件で計測する処理を繰り返して行う場合における前記処理と前記処理との間の期間、前記計測部のベースラインを計測する第1の処理と前記マークの位置を第1の計測条件で計測する第2の処理とを行う場合における前記第1の処理と前記第2の処理との間の期間、又は、前記マークの位置を第1の計測条件で計測する第1の処理と前記マークの位置を前記第1の計測条件とは異なる第2の計測条件で計測する第2の処理とを行う場合における前記第1の処理と前記第2の処理との間の期間を含むことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項7】
前記計測部で計測された前記マークの位置に基づいて、前記基板の位置決めを行う位置決め機構を更に有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項8】
前記光源は、ハロゲンランプを含むことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
前記ステップで露光された前記基板を現像するステップと、
を有することを特徴とするデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−238673(P2012−238673A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105652(P2011−105652)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】