説明

BCR−ABLの低分子のミリスチン酸エステル阻害剤及びその使用方法

本発明は、アミンリンカーを経由してアリール基に結合された、新規なヘテロアリール化合物を提供する。前記の化合物は、癌の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本出願は、2007年11月28日に出願された米国仮出願第61/004,462号の優先権を主張する。前記の米国仮出願に開示されたすべての事項は、引用により本願に援用されている。
【0002】
背景
プロテインキナーゼは、広範囲にわたる細胞のプロセスの調節及び細胞の機能に関する調節の維持に主要な役割を果たす、大きなタンパク質のファミリーに相当する。これらのキナーゼとしては、血小板由来成長因子受容体キナーゼ(PDGF-R)のような受容体型チロシンキナーゼ、幹細胞ファクターのための受容体キナーゼ、c-Kit、及び融合型チロシンキナーゼBcr-ablのような非受容体チロシンキナーゼが挙げられる。
【0003】
慢性骨髄性白血病(CML)は、Bcrと称される染色体22上の遺伝子と、染色体9上のAbl癌原遺伝子産物とを融合する相互転移により引き起こされる、広く研究されているヒトの癌である。結果として生ずる融合蛋白質Bcr-ablは、分裂促進的な活性を増進することにより、アポトーシスに対する感受性を低下させることのより、及びCML前駆細胞の癒着及びホーミングを変化させることによりB細胞を形質転換させることができる。STI-571(Gleevec)は、発癌性Bcr-ablチロシンキナーゼの阻害剤であり、慢性骨髄性白血病(CML)の治療に使用される。しかしながら、CMLの急性転化ステージにあるいくらかの患者は、Bcr-ablキナーゼにおける突然変異のためにSTI-571に耐性である。
【0004】
本発明の新規な化合物は、一つ以上のキナーゼ、特にBcr-ablの野生型及び一つ以上のBcr-ablの突然変異体を阻害し、そして、それゆえ、キナーゼが関与する疾患、特にBcr-ablキナーゼが関与する疾患の治療に有用である。
【0005】
本発明の簡単な概要
一つの態様において、本発明は、式I:
【化1】


[式中、X1、X2又はX3の各々が独立して、NR1、CR1、C(O)、O又はSであり;
各R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、ハロ、 (CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、-SRx、-S(O)Rx、-S(O)2Rx、-ORx、-NRxRx、ニトロ、シアノ又は存在しない、から選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、C1-6ハロアルキル、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
R2がH又はC1-6アルキルであり;
YがH、OH、NH2又はCH3であり;
mが1又は2であり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物又はその薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0006】
一つの態様では、本発明は、式II:
【化2】


[式中、R1がH、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Rx又は-S(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物又はその薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0007】
もう一つの態様では、本発明は、式III:
【化3】


[式中、R1がH、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Rx又は-S(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物又はその薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0008】
いくらかの態様では、本発明は、式IV:
【化4】

[式中、各R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Rx又は-S(O)2Rx又は存在しない、から選ばれ
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物又はその薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0009】
も一つの態様では、本発明は、式V:
【化5】

[式中、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、-C(O)Rx、-ORx、-SRx、-NRxRx、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx又は -(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
R1’が、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、(CH2)nC(O)Ry、(CH2)nC(O)ORy、(CH2)nC(O)NRyRy、-C(O)Ry、-C(S)Ry、-C(NR)Ry、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Ry又は-S(O)2Ryから選ばれ、
各Ryが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり、
各nが独立して、0、1又は2であり;及び
R2がH又はC1-4アルキルである。]で表される化合物又はその薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0010】
更なる態様では、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、-C(O)Rx、-ORx、-SRx、-NRxRx、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx又は-(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、NHNHR2又は C(NH)NH2であり;及び
R2がH又はC1-4アルキルである。
【0011】
更なるもう一つの態様では、R1’が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、(CH2)nC(O)Ry、(CH2)nC(O)ORy、(CH2)nC(O)NRyRy、-C(O)Ry、-C(S)Ry、-C(NR)Ry、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Ry又は-S(O)2Ryから選ばれ;
各Ryが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、又はC1-6ハロアルキルである。
【0012】
他の態様では、本発明は、式VI:
【化6】


[式中、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、-C(O)Rx、-ORx、-SRx、-NRxRx、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx又は-(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、NHNHR2又はC(NH)NH2から選ばれ;
R2がH又はC1-4アルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物又はその薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0013】
更なるもう一つの態様では、本発明は、式VII:
【化7】

[式中、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、-C(O)Rx、-ORx、-SRx、-NRxRx、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx又は-(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
R2がH又はC1-4アルキルであり;
mが1又は2であり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物又はその薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0014】
もう一つの態様では、本発明は、式VIII:
【化8】

[式中、
R1が、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Rx又は-S(O)2Rxから選ばれ、
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物又はその薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0015】
もう一つの態様では、本発明は、式IX:
【化9】

[式中、R3がH又はC1-4アルキルであり;
LがNR3、O、S、 S(O)、S(O)2、C(O)、C(S)、C(NR)、C(NRx)NRx、C(O)NRx、C(O)NRxNRx、C(O)ONRx、C(O)NRxO、C(O)O、OC(O)、OC(O)O又は結合であり;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、C1-6ハロアルキル、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
Aが任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC3-12シクロアルキル又は任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキルである。]で表される化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0016】
一つの態様では、Aが任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又は任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキルである。
【0017】
更なる態様では、Aが任意に置換されたフェニル環、任意に置換されたナフチル環、任意に置換されたピペリジン環、任意に置換されたイミダゾール環、任意に置換されたピラゾール環、任意に置換された1H−ピラゾール環、任意に置換されたピロロ[2,3−d]ピリミジン環、任意に置換されたピリミジン環、任意に置換されたピラジン環、任意に置換されたピリジン環、任意に置換されたインドール環、任意に置換された1H−インドール環、任意に置換されたフラン環、任意に置換されたベンゾ[b]チオフェン環、任意に置換されたジベンゾフラン環、任意に置換された1H−ピリジン−2−オン環、任意に置換されたチアゾール環又はエチル基である。
【0018】
もう一つの更なる態様では、Aが、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12ヘテロシクロアルキル、C3-14アラルキル、C3-14ヘテロアラルキル、C3-12アリール、(CH2)pC3-12アリール、C3-12ヘテロアリール、(CH2)p
C3-12ヘテロアリール、ハロゲン、ハロアルキル、シアノ、(CH2)pCN、ニトロ、C1-6アルコキシ、C3-12アリールオキシ、C1-C4ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキル、ヒドロキシル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6カルボキシル、CHO、アミノ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、OR15、SR15、NR17R17C(O)OR15、C(O)NR15R16、OC(O)NR15R16、NR15C(O)NR15R16、NR17S(O)2R15、NR17(CH2)nR17、C(O)R17、C(O)NR17R17、NR15C(O)R17、S(O)R17、S(O)2R17又はS(O)2NR17R17により任意に置換され;
各R15が独立して、水素、C3-14アラルキル、C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12アリール、C3-12ヘテロシクロアルキル又はC3-12ヘテロアリールであり、
各R16が独立して、水素、C3-14アラルキル又はC1-6アルキルであり、
各R17が独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシ、C3-12シクロアルキル、C3-12アリール、C3-12ヘテロアリール、C3-12ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシルであるか、又はもう一つのR17とともにヘテロシクロアルキル環を形成してもよく、
ここにおいて、A、R15、R16及びR17のそれぞれが、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-12ヘテロシクロアルキル、アミノ、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、SO2アルキル又はNHC(O)アリールにより任意にさらに置換されていてもよく;及び
各pが独立して0-6である。
【0019】
もう一つの態様では、本発明は、式X:
【化10】

[式中、X2又はX3の各々が独立して、NR1、CR1、C(O)、O、又はSであり;
各R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC2-6アラルキル、任意に置換されたC2-12ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、ハロ、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、-SRx、-S(O)Rx、-S(O)2Rx、-ORx、-NRxRx、ニトロ又は存在しない、から選ばれ;
Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
R2がH又はC1-6アルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0020】
一つの態様では、本発明は、式XI:
【化11】

[式中、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12アリール又は任意に置換されたC3-12ヘテロアリールから選ばれる。]で表される化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を提供する。
【0021】
いくらかの態様では、本発明は、キナーゼ活性、特にBcr-abl活性を阻害することによりいくらかの障害及び/又は疾患の症状及び/又は徴候が予防されるか、阻害されるか又は改善される被験体において疾患を治療する方法に関するものであって、前記の方法が、前記の被験体に本発明の化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物の治療学的に有効な量を投与するステップを含む。
【0022】
一つの態様において、本発明は、被験体におけるキナーゼ活性に関連する障害を治療する方法を提供するものであって、本明細書に開示された化合物のいずれか一つの化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物の治療学的に有効な量を、その必要性がある前記の被験体に投与するステップを含む。
【0023】
いくらかの態様では、前記の化合物がキナーゼ阻害剤である。更なるいくらかの態様では、前記の化合物がBcr-ablと相互作用する。もう一つの更なる態様では、前記の化合物が、Bcr-ablの結合サイトを標的とする。
【0024】
もう一つの態様では、前記の被験体が、キナーゼを阻害する必要性があると確認され、そして前記の本発明の化合物が、前記の確認された被験体に投与される。
【0025】
更なるもう一つの態様では、本発明は、被験体をキナーゼ活性に関連する障害ための前記の治療の必要があると確認するステップ及び前記の確認された被験体に前記の化合物を投与するステップをさらに含む方法を提供する。他の態様では、本発明は方法を提供するものであって、前記の被験体が細胞の増殖障害又はその疾患を患う。更なる態様では、前記障害が癌、腫瘍、新生物、血管新生(neovascularization)、血管新生(vascularization)、循環器疾患、転移、感染症、血液凝固、アテローム性動脈硬化症、メラノーマ、皮膚障害、関節リウマチ、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫又は黄斑変性症、炎症及び関節炎、又は骨肉腫である。更なる態様では、前記の被験体が、固形癌又は播種性癌を患っている。もう一つの更なる態様では、前記の癌が白血病、多発性骨髄腫又はリンパ腫である。いくらかの態様では、前記の白血病が慢性骨髄性白血病である。
【0026】
もう一つの態様では、本発明は被験体における癌を治療する方法を提供するものであって、前記の方法が、本明細書に開示された化合物のいずれか一つの化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物の治療学的に有効な量を、その必要性がある前記の被験体に投与するステップを含む。
【0027】
一つの態様では、本発明は、さらに補足的な治療剤を投与するステップを含む前記の方法を提供する。更なる態様では、前記の補足的な治療剤がATP-サイト阻害剤である。もう一つの更なる態様では、前記ATP-サイト阻害剤がイマチニブ(STI571)、ニロチニブ(AMN107)、ダサチニブ(BMS-354825)、AP234464(Ariad Pharmaceuticals)、AZD0530(Astrazeneca)及びSKI-606(Wyeth)から選ばれる。
【0028】
もう一つの態様では、前記の被験体が哺乳動物である。更なる態様では、前記の被験体が霊長類及びヒトである。
【0029】
一つの態様では、本発明は、前記の化合物を投与するステップが、前記化合物を経口、局所、非経口、静脈内、又は筋肉内に投与するステップを含む方法を提供する。さらなる態様では、前記の方法が、前記の化合物及び薬学的に適切な賦形剤を含む組成物の有効量を投与するステップを含む。
【0030】
いくらかの態様では、前記の化合物を投与するステップが、約0.01μg/kg/dayから100 mg/kg/dayまでの間の用量で前記の化合物を投与するステップを含む。
【0031】
もう一つの態様では、本発明は、被験体におけるキナーゼ活性を阻害する方法を提供するものであって、前記の方法が、前記の被験体に、本明細書に開示された化合物のいずれか一つ、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物の有効量を投与するステップを含む。
【0032】
他の態様では、本発明は、キナーゼ活性、特にBcr-abl活性が前記の疾患の症状及び/又は徴候に寄与する被験体における疾患を治療するための医薬の製造への、本明細書に開示された化合物の使用を提供する。
【0033】
他の態様では、本発明は、本明細書に開示された化合物のいずれか一つ、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を含む薬学的組成物を提供する。一つの態様では、本発明は、補足的な治療剤を含む薬学的組成物を提供する。もう一つの態様では、前記の補足的な治療剤がATP-サイト阻害剤である。もう一つの更なる態様では、前記ATP-サイト阻害剤が、イマチニブ(STI571)、ニロチニブ(AMN107)、ダサチニブ(BMS-354825)、AP234464(Ariad Pharmaceuticals)、AZD0530(Astrazeneca)及びSKI-606(Wyeth)から選ばれる。
【0034】
いくらかの態様では、用量単位形態で本明細書に開示された化合物のいずれか一つ、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物の有効量を、細胞の増殖障害を患うか又は細胞の増殖障害に敏感な被験体に前記化合物を投与するのための指示書と共に含むキットを提供する。
【0035】
いくらかの態様では、本発明は、Bcr-abl活性を阻害するための方法を提供するものであり、前記の方法が、Bcr-ablのミリスチン酸結合ポケットに結合する本発明の化合物にBcr-ablを接触させるステップを含む。
【0036】
一つの態様では、本発明は、Bcr-ablのキナーゼ活性を調節する化合物を同定する方法を提供するものであって、前記の方法が
a)Bcr-ablと、前記Bcr-ablのキナーゼ活性の調節に適切な条件下で化合物と接触させるステップ、及び
b)前記化合物による前記Bcr-ablのキナーゼ活性の調節を検出するステップであって、前記化合物がBcr-ablのミリスチン酸結合サイトと相互作用することができる、ステップを含む。
【0037】
一つの態様では、前記の化合物とBcr-ablのミリスチン酸結合サイトとの相互作用が結合による相互作用である。もう一つの態様では、前記結合による相互作用が、イオン性、共有結合又は非直接的相互作用である。更なるもう一つの態様では、前記の化合物は、Ala452、 Tyr454、 Glu481、 Pro484、 Val487、 Phe516、 Ile521又はVal525との結合による相互作用を有する(protein databank codeによる結晶構造に基づいている番号である。: 1OPL, reference: Nagar, B., Hantschel, O., Young, M.A., Scheffzek, K., Veach, D., Bornmann, W., Clarkson, B., Superti-Furga, G., Kuriyan, J. Structural basis for the autoinhibition
of c-Abl tyrosine kinase Cell
(Cambridge,Mass.) v112 pp. 859-871, 2003)。
【0038】
他の態様では、前記のキナーゼ活性の調節が、Bcr-ablのミリスチン酸結合サイトへの前記化合物の直接的な結合により検出される。
【0039】
もう一つの態様では、前記の化合物が新たにデザインされる。
【0040】
他の態様では、前記の化合物が、Bcr-ablのミリスチン酸結合サイトの知られたリガンドからデザインされる。
【0041】
詳細な説明
本発明の化合物
本発明の化合物の例としては、その化学構造が表1−9に示された以下の化合物が挙げられる。
2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−lH−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル)エタノール(1);
(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(2);
(1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(3);
(1−エタンスルホニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(4);
(1−シクロヘキシル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(5);
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル]−エタノール(6);
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル]−アセトアミド(7);
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル]−プロピオンアミド(8);
[1−(テトラヒドロ−フラン−3−イルメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(9);
3−ジメチルアミノ−2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル]−プロピオニトリル(10);
(1−ブチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(11);
(1−tert−ブチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(12);
[1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(13);
(1−ベンジル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(14);
(1−フェネチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(15);
[1−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(16);
[1−(3−ブロモ−ベンジル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(17);
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イルメチル]−フェノール(18);
(1−ピリジン−3−イルメチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(19);
(1−ピリジン−2−イルメチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(20);
(1−ピリジン−4−イルメチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(21);
2−{2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−エチル}−イソインドール−1,3−ジオン(22);
[1−(2−アミノ−エチル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(23);
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[1−(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミン(24);
[1−(2,3−ジメチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(25);
[1−(2−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(26);
[1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(27);
[1−(2−エチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(28);
(1−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(29);
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−ベンゼンスルホンアミド(30);
【0042】


2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル)エタノール(31);
(2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(32);
(2−シクロヘキシル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(33);
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル]−エタノール(34);
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル]−アセトアミド(35);
[2−(テトラヒドロ−フラン−3−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(36);
(2−ブチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(37);
[2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(38);
(2−ベンジル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(39);
(2−フェネチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(40);
[2−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(41);
[2−(3−ブロモ−ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(42);
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イルメチル]−フェノール(43);
(2−ピリジン−3−イルメチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(44);
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[2−(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミン(45);
[2−(2,3−ジメチル−フェニル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(46);
[2−(2−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(47);
[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(48);
[2−(2−エチル−フェニル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(49);
(2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(50);
【0043】

(9−メチル−9H−プリン−6−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(51);
(7−メチル−7H−プリン−6−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(52);
2−ヒドロキシメチル−5−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−プリン−9−イル]−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオール(53);
[9−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−9H−プリン−6−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(54);
【0044】

N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド(55);
2−ヒドロキシメチル−5−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオール(56);
(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(57);
(7−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(58);
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−エタノール(59);
[7−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−アミン(60);
[7−(4−メトキシ−ベンジル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(61);
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド(62);
N−エチル−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド(63);
N−(3−メトキシ−プロピル)−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド(64);
N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド(65);
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル(66);
(4−ブロモ−ピペリジン−1−イル)−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(67);
1−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド(68);
1−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]−ピペリジン−3−カルボン酸アミド(69);
1−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]−ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル;
(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(71);
8−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4,5]デカン−4−オン(72);
[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノール(73);
(2−メトキシメチル−ピロリジン−1−イル)−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(74);
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸アミド(75);
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルアミド(76);
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(1−エチル−ピロリジン−2−イル)−アミド(77);
N−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]グアニジン(78);
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−アミド(79);
4−(2−ブロモ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1H−ピロロ[2,3−d]ピリジン−5−カルバルデヒド(80);
【0045】


N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(4−トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキアミド(81);
チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(82);
(6−メチル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(83);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸メチルエステル(84);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(85);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミド(86);
[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノール(87);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルアミド(88);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド(89);
[6−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イルメチル)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(90);
(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(91);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(1−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−アミド(92);
(2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(93);
ピペラジン−1−イル−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(94);
(4−ピロリジン−1−イル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(95);
[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−[4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン(96);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミド(97);
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(98);
(4−ヒドロキシ−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(99);
(4−メトキシ−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン(100);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸[2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド(101);
【0046】

4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエチル)キナゾリン−7−カルボキサミド(102);
4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸メチルエステル(103);
[4−(4−(トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノール(104);
(7−ジエチルアミノメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(105);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸ジエチルアミド(106);
[4−(フラン−3−カルボニル)―ピペラジン−1−イル]―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(107);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(108);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド(109);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸N’−エチル−ヒドラジド(110);
(2−{[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−アミノ}−チアゾール−5−イル)−酢酸エチルエステル(111);
(4−メトキシ−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(112);
(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(113);
(2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(114);
(3−シメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(115);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミド(116);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸メチル−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミド(117);
4−メチル−N−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−ベンゼンスルホンアミド(118);
2−メチル−プロパン−2−スルホン酸[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−アミド(119);
(4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(120);
(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(121);
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(122);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミド(123);
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド(124);
1−フェニル−8−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−4−オン(125);
(4−ブロモ−ピペリジン−1−イル)―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(126);
1−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド(127);
1−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−ピペリジン−3−カルボン酸アミド(128);
1−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル(129);
(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン(130);
【0047】

4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(131);
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(132);

【0048】

4−(6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−5−メチルピリミジン−4−イル)−N−(2−モルホリノエチル)ベンズアミド(133);
6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン−4−アミン(134);
N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−6−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−4−アミン(135);
4−[6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド(136);
4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド(137);
N−メチル−4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド(138);
N−エチル−4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド(139);
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド(140);
[6−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(141);
[6−(4−メタンスルホニル−フェニル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(142);
{6−[4−(プロパン−2−スルホニル)−フェニル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(143);
{5−メチル−6−[4−(プロパン−2−スルホニル)−フェニル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(144);
N,N−ジエチル−4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド(145);
N,N−ジエチル−4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド(146);
{6−[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(147);
4−メチル−N−{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−ベンゼンスルホンアミド(148);
4−メチル−N−{4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−ベンゼンスルホンアミド(149);
{6−[4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(150);
N−{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド(151);
エタンスルホン酸{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド(152);
ブタン−1−スルホン酸{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド(153);
プロパン−2−スルホン酸{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド(154);
ペンタン−2−スルホン酸{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド(155);
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンズアミド(156);
4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)ベンズアミド(157);
N−(3−メトキシ−プロピル)−4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンズアミド(158);
N−{3−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アセトアミド(159);
3−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンズアミド(160);
3−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−安息香酸(161);
(6−ビフェニル−4−イル−ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(162);
(6−ビフェニル−4−イル−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(163);
[6−(5−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(164);
[6−(5−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(165);
{3−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アセトニトリル(166);
[6−(3−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(167);
4−メトキシ−N−{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−ベンズアミド(168);
[6−(4−アミノメチル−フェニル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(169);
5−ブロモ−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−N’−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン(170);
1−[5−ブロモ−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−3−カルボン酸アミド(171);
{6−[2−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−イミダゾール−1−イル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(172);
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−{6−[2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−イミダゾール−1−イル]−ピリミジン−4−イル}−アミン(173);
N−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−N’−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン(174);
[6−(3−アミノ−5−シクロプロピル−ピラゾール−1−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(175);
N−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−N’−[1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)]−1H−イミダゾール−2−イル]−ピリミジン−4,6−ジアミン(176);
(6−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(177);
[6−(1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(178);
[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(179);
[6−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(180);
[6−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(181);
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[6−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−アミン(182);
{6−[1−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;(183)
[6−(1−エタンスルホニル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(184);
[6−(1−ピリジン−4−イルメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(185);
N6−(2−モリホリン−4−イル−エチル)−N6’−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[4,4’]ビピリミジニル−6,6’−ジアミン(186);
[5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(187);
[6−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(188);
[5−メチル−6−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(189);
[6−(1H−インドール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(190);
[6−(1H−インドール−3−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(191);
[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(192);
4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フラン−2−カルバルデヒド;(193)
(6−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(194);
[6−(1H−インドール−4−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(195);
(6−ジベンゾフラン−4−イル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(196);
[6−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(197);
[6−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(198);
N6,N6’−ビス−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[4,4’]ビピリミジニル−6,6’−ジアミン(199);
N6−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−N6’−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[4,4’]ビピリミジニル−6,6’−ジアミン(200);
N−(4−メチル−3−{1−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イルアミノ}−フェニル)−ベンズアミド(201);
N−(4−メチル−3−{1−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イルアミノ}−フェニル)−4−モルホリン−4−イルメチル−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド(202);
[6−(1−ピリジン−3−イルメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(203);
[6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(204);
4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1H−ピリジン−2−オン(205);
[6−(2−メチル−チアゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(206);
2−フルオロ−5−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンズアルデヒド(207);
{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−4−イル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン(208);
【0049】






2−(3−ニトロフェニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−7−アミン(209);
2−ヒドロキシ−3−[7−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−2−イル]−ベンズアミド(210);
【0050】

【0051】
本発明の化合物の合成
式II及び式IIIの化合物は、二段階の反応に亘り形成された。最初に、塩素化されたヘテロアリール化合物を塩基性条件下でハロアルコキシ基が置換したアニリン誘導体に結合させた。ついで、得られた化合物をヒドラジン誘導体で処理すると、式II及び式IIIの化合物の混合物が得られ、ついでクロマトグラフィーにより分離した(スキームI)。
【0052】
あるいは、塩基性条件下ヒドラジンを加え、ついで親電子剤を添加すると式II及び式IIIの化合物が得られる。
スキーム1
【化12】

【0053】
式IV及び式Vの化合物を、塩基性条件下でハロゲン化された縮合ニ環性のヘテロアリール化合物と、任意に置換された塩素化アルキルと反応させることにより調製した。得られた置換されたアミンを、ヘテロアリールの塩素が置換している位置において、アニリン誘導体に結合させると、式IV又は式Vの化合物が調製された(スキーム2)。スキーム2により、本発明の様々な置換された化合物を提供するために前記の置換されたアミンの側鎖の官能基の変換が提供される。
スキーム2
【化13】

【0054】
スキーム3により、式V及びVIの化合物を調製するための合成ルートが提供される。塩素基とアルデヒド基が隣接して置換したヘテロアリール化合物を、置換されたチオール誘導体又は置換された二級アミン誘導体と反応させると、式V及びVIの化合物の縮合ニ環性骨格構造が調製された。更なる官能基の変換により、本発明の化合物が調製された。
スキーム3
【化14】

【0055】
ハロゲン化された縮合ニ環性ヘテロアリール化合物と置換されたアニリン誘導体とを結合させると、式VIIの化合物が調製された。前記の側鎖の更なる官能基の変換により、式VIIの化合物が調製された(スキーム4)。
スキーム4
【化15】

【0056】
式IXの化合物は、最初に二つのハロゲン化されたヘテロアリールをアニリン誘導体と結合させ、ついで光延反応によりもう一つのカップリングを行なうことにより合成された。あるいは、前記の第二段階で、前記のヘテロアリール環に置換した第ニのハロゲン基を塩基性条件下求核剤により置換すると、式IXの化合物が調製される(スキーム5)。
スキーム5
【化16】

【0057】
スキーム5に加えて、式IXの化合物は、また、スキーム6に開示された反応によっても調製された。すなわち、最初のカップリング反応の生成物を、さらに光延反応によりさらにヘテロアリール基とカップリングさせ、ついで官能基の変換に付すと、式IXの化合物が調製された。
スキーム6
【化17】

【0058】
式Xの前記のアリール基により置換された縮合ニ環性化合物は、スキーム7に従い調製された。ハロゲン基及びアミノ基により置換されたヘテロアリール化合物を、ハロゲン基がα位に置換したカルボニル化合物と反応させて、ニ環性ヘテロアリール化合物が調製された。ついでアニリン誘導体とカップリングさせると式Xの化合物が調製された。
スキーム7
【化18】

【0059】
本明細書に開示された方法において有用である酸及び塩基は、本技術分野では知られている。酸触媒は、具体的には無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、三塩化アルミニウム)又は有機酸(例えば、ショウノウスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、イッテルビウムトリフラート)でありうる、あらゆる酸性の化学物質である。酸は、触媒量か又は化学量論的な量のいずれかで化学反応を促進するのに有用である。塩基は、具体的には無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム)又は有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)でありうる、あらゆる塩基性の化学物質である。塩基は、触媒量か又は化学量論的な量のいずれかで化学反応を促進するのに有用である。
【0060】
本発明化合物は、本明細書では化学構造及び/又は化学名により特定される。化合物を化学構造及び化学名の両方により言及する場合、前記の化学構造と化学名が矛盾する場合には、前記の化学構造により前記の化合物を同定する。
【0061】
本発明により案出される置換基及び誘導体の組み合わせは、安定な化合物を形成するもののみである。「安定な」という用語は、本明細書で使用されているように、製造するのに十分な安定性を有する化合物、本明細書に開示された目的(治療用調製物への製剤化、治療用化合物の調製に使用される中間体、単離又は貯蔵可能な中間体、本明細書に開示された障害の治療剤又は予防)に有用であるために十分な時間について化合物の完全な状態が保たれる化合物を意味する。本明細書に開示された方法により調製される化合物は、被験体(例えば、ヒト、動物)への投与のための水剤、カプセル剤、クリーム剤、又は軟膏剤のような組成物に使用されうる。前記の組成物(例えば、調合薬)は、前記の化合物に関連する望ましい健康又は他の生理学的な利点を前記の被験体に提供するのに有用である。
【0062】
求核剤は本技術分野で知られ、並びに化学の教科書及び本明細書で引用される文献に開示されている。前記の方法で使用される化学物質は、例えば溶媒、試薬、触媒、保護基剤及び脱保護基剤等を含んでもよい。さらに、前記に開示された方法は、また、本明細書に具体的に開示された、本明細書に開示された化合物を究極的に合成できるために、適切な保護基を導入又は除去するステップの前後のステップのいずれかを含んでもよい。本明細書に概説された方法は、一つの式の化合物をもう一つの式の化合物に変換することを意図している。前記の変換プロセスは、in situか又は中間体を単離して実施することができる一つ以上の化学的な変換を意味する。前記の化学的変換は、本明細書に引用された開示された化学変換法を含む、本技術分野で知られた技術及びプロトコールを使用して、前記の出発物質又は中間体を更なる試薬と反応させるステップを含む。中間体は、精製する(例えば、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー)か又は精製することなく使用することができる。他の態様は、本明細書に開示された中間体、及び本明細書に開示された前記の方法(例えば、処理又は合成)におけるその使用に関するものである。
【0063】
治療の方法
遊離形態又は薬学的に受容される塩の形態の本発明の化合物は、例えば、以下に示す「アッセイ」に開示されているin vitro試験法により示されるように、価値ある薬理作用を示すことから、本発明の化合物は、Bcr-abl活性に関連する疾患及び障害の治療への使用を示唆する。Bcr-ablに関して、好ましくは、本発明の化合物は、1×10-10から1×10-5Mの範囲、好ましくは1μM未満のIC50を、野生型Bcr-abl及び少なくとも二つのBcr-ablの突然変異株(突然変異株はG250E、E255V、T315I、F317L及びM351Tから選ばれる。)に関して示す。
【0064】
本発明は、また、PDGF-R、c-Kit及び/又はBcr-ablを阻害するのに有効な量の本発明の化合物を前記の被験体に投与するステップを含む、ヒトを含む被験体における異常な細胞成長を含む疾患又は障害を予防又は治療する方法を提供する。
【0065】
PDGF(血小板由来増殖因子)は、正常な成長、並びに例えば発癌及び例えばアテローム性動脈硬化症及び血栓症における血管の平滑筋細胞の疾患に見られる、病気に起因する細胞の増殖の両者において重要な役割を果たす、非常に一般的に見出される成長因子である。
【0066】
本発明の化合物はPDGF-Rを阻害することができることから、以下に記載した腫瘍疾患の治療にも適している。
【0067】
本発明の化合物は、SCF受容体(kit)自己リン酸化及びMAPKキナーゼ(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)のSCFによる刺激される活性化のような、幹細胞因子(c-kitリガンド又は造血幹細胞因子としても知られているSCF)を含む細胞プロセスも阻害する。それゆえ、本発明の化合物は、SCF受容体(及び癌原遺伝子であるc-kit)の自己リン酸化も阻害する。M07e細胞は、増殖に関してSCFに依存するヒトのプロ巨核球性白血病(promegakaryocytic leukemia)セルラインである。本発明の化合物は、マイクロモーラーレベルでSCF-Rの自己リン酸化を阻害する。
【0068】
本発明の化合物は、ablキナーゼ、具体的にはv-ablキナーゼも阻害する。類推で、本発明の化合物は、Bcr- ablキナーゼも阻害することから、Bcr-abl活性を示す癌、並びに白血病(具体的には、アポトーシス性の作用メカニズムが確認されている慢性骨髄性白血病、及び急性リンパ性白血病)のような腫瘍疾患の治療に好適であり、そして、本発明の化合物は、また、前記の細胞の除去(例えば骨髄の除去)及び癌細胞を除去された前記の細胞の再移植(例えば、精製された骨髄細胞の再移植)後におけるこれらの細胞の分離のための潜在能力のみならず、白血病幹細胞のサブグループに有効である。
【0069】
さらに、本発明は、Bcr-ablのミリスチル酸結合ポケットに結合する本発明の化合物とBcr-ablと接触させるステップを含む、Bcr-abl活性を阻害する方法を提供する。
【0070】
さらに、本発明の化合物は、他の抗腫瘍剤と併用することができる。
【0071】
疾患の治療
「腫瘍」という用語は、細胞の増殖が正常な組織よりも速く、かつ新たな成長の終止を開始する刺激の後も成長を続ける場合に起こる、組織における異常な成長を意味する。一般に、腫瘍は、構造的な組織及び正常な組織との協同の一部又はすべての欠落を呈し、そして良性(良性腫瘍)又は悪性(カルシノーマ)であるかもしれない組織の識別できる塊を通常形成する。腫瘍は高度に血管新生化される傾向がある。
【0072】
「癌」という用語は、悪性腫瘍又はカルシノーマを記述するために本明細書において一般的な用語として使用される。これらの悪性腫瘍は周辺組織を浸潤するかもしれないし、幾つかの部位に転移するかもしれないし、及び試みられた除去後再発する可能性があり、及び十分に治療されないと患者の死を招く可能性がある。本明細書で使用されているように、前記の用語のカルシノーマ及び癌は、前記の用語である腫瘍に包含される。
【0073】
本発明のにより治療、改善又は予防される疾患又は障害としては、肉腫、異常増殖、例えば眼又は眼球の癌、直腸癌、結腸癌、子宮頸癌、前立腺癌、乳癌及び膀胱癌のような体内の悪性病変たとえば肛門及び口腔の癌、胃、直腸、肝臓、膵臓、肺、子宮頸部、子宮体、卵巣、前立腺、精巣、腎臓(renal)、口/咽頭、食道、喉頭、腎臓(kidney)、脳/中枢神経系(例えば、グリオーマ)、頭部及び頸部、咽頭のような良性及び悪性の腫瘍、皮膚メラノーマ、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、基底細胞癌及び扁平上皮癌、小細胞肺癌、絨毛癌、横紋筋肉腫、血管肉腫、血管内皮腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、リンパ腫、神経線維腫症、結節性硬化症(それぞれの症状は皮膚の良性腫瘍を形成する。)、血管腫、リンパ脈管新生、横紋筋肉腫、網膜芽細胞腫、骨肉腫、聴神経腫瘍、神経線維腫、トラコーマ、化膿性肉芽腫、例えば白血病のような血液に発生する腫瘍、白血球の無制限な増殖が起こり、貧血、障害性凝血及びリンパ節、肝臓及び脾臓の肥大を伴う、あらゆる様々な急性又は慢性の骨髄の腫瘍疾患、乾癬、挫瘡、酒さ、湿疹、神経線維腫症、スタージ・ウェーバー症候群、皮膚の静脈性潰瘍、結節性硬化症、慢性炎症疾患、関節炎、狼瘡、強皮症、糖尿病性網膜症、未熟児の網膜症、角膜移植後拒絶反応、血管新生緑内障及び水晶体後線維増殖、流行性角結膜炎、ビタミンA欠乏症、コンタクトレンズオーバーウエア、アトピー性角膜炎、上輪部角結膜炎、翼状片、乾性角膜炎、シェーグレン症候群、フィレクテヌローシス、梅毒、マイコバクテリア感染症、脂質変性症、化学熱傷、細菌性潰瘍(bacterial ulcers)、真菌性潰瘍(fungal ulcers)、単純ヘルペス感染症、帯状疱疹ウイルス感染症、原生動物感染症、モーレン潰瘍、テリエン周辺角膜変性、辺縁潰瘍性角膜炎、外傷、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発動脈炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、強膜炎、スティーブンス・ジョンソン病、類天疱瘡、放射状角膜切開、角膜移植片拒絶反応、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫、黄斑変性症、鎌状赤血球貧血、皮疹、弾力線維性仮性黄色腫、ページェット病、静脈閉塞症、動脈閉塞症、頚動脈閉塞症、慢性ぶどう膜炎/硝子体炎、ライム病(Lyme disease)、全身性エリテマトーデス、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎又は脈絡膜炎を引き起こす感染症、推定眼ヒストプラスマ症候群、ベスト病(Best's disease)、近視、オプティックピット(optic pits)、スターガーツ病(Stargardt's disease)、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラズマ症、外傷、レーザー照射後の合併症(post-laser complications)、虹彩炎(足首の血管新生)、糖尿病と関連するか又は関連していない増殖性硝子体網膜症を含む、血管結合組織又は線維性組織の異常増殖により発症する疾患、血管新生疾患、パンヌス、糖尿病黄斑浮腫、血管性網膜症、網膜変性、網膜の炎症疾患、増殖性硝子体網膜症、虹彩炎に関連する疾患(足首の血管新生)、増殖性硝子体網膜症のすべての形態を含む、血管結合組織又は線維性組織の異常増殖により発症する疾患、クローン病及び潰瘍性大腸炎、サルコイドーシス、変形性関節症、炎症性腸疾患、皮膚病変、オスラー・ランデュ・ウェーバー病、又は遺伝性出血性末梢血管拡張症、変形性関節症、サルコイドーシス、皮膚病変、後天性免疫不全症候群、及び小腸閉塞症が挙げられる。
注目すべき態様では、Bcr-ablのキナーゼ活性の阻害は、本発明の重要な態様である。より詳細には、本発明は、慢性骨髄性白血病を含む癌を治療する方法に関するものであって、本明細書に開示された化合物の少なくとも一つの阻害又は治療上有効な量又は濃度で前記の癌に接触させるステップを含む、方法である。前記の方法は、本発明の化合物の一つ以上に対する患者の癌の感受性を決定するためのみならず、関連するアナログの活性を決定するためのアッセイのような比較試験において治療学的に使用されてもよい。
【0074】
本発明のキナーゼを阻害する化合物は、とりわけ、例えば、慢性骨髄性白血病、頸部、肛門及び口腔の癌、胃、結腸、膀胱、直腸、肝臓、膵臓、肺、乳房、子宮頸部、子宮体、卵巣、前立腺、精巣、腎臓、脳/中枢神経系(例えば、グリオーマ)、頭部及び頸部、眼又は眼球、咽頭、皮膚メラノーマ、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、基底細胞癌及び扁平上皮癌、小細胞肺癌、絨毛癌、横紋筋肉腫、血管肉腫、血管内皮腫、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、口/咽頭、食道、喉頭、腎臓及びリンパ腫のような様々な癌を含む良性又は悪性の腫瘍を治療、改善又は予防するために使用される。さらに、とりわけ神経線維腫症、結節性硬化症(それぞれの症状は皮膚の良性腫瘍を呈する。)、血管腫及びリンパ脈管新生のような症状は、本発明に係る化合物により効果的に治療されうる。
【0075】
本発明の化合物は、例えば5-フルオロウラシルのような化学療法剤の血液毒性と戦うために、及び喘息における幹細胞の保護のためのみならず、例えばアテローム性動脈硬化症、血栓症、乾癬、強皮症、及び線維症のような非悪性増殖性障害を治療するのに有用である。それは、PDGF-Rキナーゼの阻害に反応する疾患の治療に特に有用である。関節炎、狼瘡及び強皮症を含む、例えば慢性炎症疾患のような炎症のみならず、例えば、乾癬、挫瘡、酒さ、いぼ、湿疹、血管腫、リンパ脈管新生、神経線維腫症、スタージ・ウェーバー症候群、皮膚の静脈性潰瘍、結節性硬化症、慢性炎症性疾患及び関節炎を治療、改善又は予防する方法についても本発明では配慮されており、前記の方法は、前記の治療の必要な被験体に本明細書に開示された一つ以上の化合物の治療学的に有効な量を投与するステップを含む。
【0076】
血管新生に関連する疾患としては、視神経円板の血管新生、虹彩の血管新生、網膜の血管新生、脈絡叢の血管新生、角膜の血管新生及び硝子体内の血管新生が挙げられる。
【0077】
本発明に従い、治療、改善又は予防される、角膜の血管新生及び網膜/脈絡叢の血管新生と関連する疾患としては、糖尿病性網膜症、未熟児の網膜症、角膜移植後拒絶反応、血管新生緑内障及び水晶体後線維増殖、流行性角結膜炎、ビタミンA欠乏症、コンタクトレンズオーバーウエア、アトピー性角膜炎、上輪部角結膜炎、翼状片、乾性角膜炎、シェーグレン症候群、フィレクテヌローシス、梅毒マイコバクテリア感染症、脂質変性症、化学熱傷、細菌性潰瘍(bacterial ulcers)、真菌性潰瘍(fungal ulcers)、単純ヘルペス感染症、帯状疱疹ウイルス感染症、原生動物感染症、カポジ肉腫、モーレン潰瘍、テリエン周辺角膜変性、辺縁潰瘍性角膜炎、外傷、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発動脈炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、強膜炎、スティーブンス・ジョンソン病、類天疱瘡、放射状角膜切開、黄斑浮腫、黄斑変性症、鎌状赤血球貧血、皮疹、梅毒、弾力線維性仮性黄色腫、ページェット病、静脈閉塞症、動脈閉塞症、頚動脈閉塞症、慢性ぶどう膜炎/硝子体炎、マイコバクテリア感染症、ライム病(Lyme disease)、全身性エリテマトーデス、未熟児の網膜症、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎又は脈絡膜炎を引き起こす感染症、推定眼ヒストプラスマ症候群、ベスト病(Best's disease)、近視、オプティックピット(optic pits)、スターガーツ病(Stargardt's disease)、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラズマ症、外傷、並びにレーザー照射後の合併症(post-laser complications)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の疾患としては、虹彩炎(足首の血管新生)に関連する疾患、糖尿病と関連するか又は関連していない、増殖性硝子体網膜症のすべての形態を含む、血管結合組織又は線維性組織の異常増殖により発症する疾患、及び角膜移植片拒絶反応が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
慢性炎症及び関節炎に関連する疾患は、本発明の組成物及び方法により治療、改善又は予防される。慢性炎症の症状に関連する疾患としては、クローン病及び潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、乾癬、サルコイドーシス、関節リウマチ、変形性関節症、狼瘡並びに強皮症が挙げられる。
【0079】
さらに、本発明の化合物は、移植の結果として発生する疾患、例えば同種間の移植、特に閉塞性細気管支炎(OB)、すなわち同種間の肺移植の慢性的な拒絶反応のような組織拒絶反応の治療において有用な効果を示す。OBを示さない患者と対照的に、OBを示す患者は、しばしば気管支肺胞洗浄液においてPDGF濃度の上昇を示す。
【0080】
例えば、シクロスポリン、ラパマイシン、アスコマイシン又はそれらの免疫抑制剤アナログと併用した場合に、他の免疫調節剤又は抗炎症剤との相乗効果が得られる。そのような免疫抑制剤としては、例えば、シクロスポリンA(CsA)、シクロスポリンG、FK-506、ラパマイシン又はそれに匹敵する化合物、副腎皮質ホルモン剤、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、ブレキナル、レフルノミド、ミゾリビン、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、15‐デオキシスパーガリン、免疫抑制抗体、特に白血球の受容体に対するモノクローナル抗体、例えばMHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD25、CD28、B7、CD45、CD58若しくはそのリガンド又は例えばCTLA41gのような他の免疫調節剤が挙げられる。
【0081】
本発明の化合物は、また、例えば動脈再狭窄及びアテローム性動脈硬化症のような血管平滑筋細胞遊走及び増殖(この場合、PDGF及びPDGF-Rがしばしば役割を果たす。)と関連した疾患に有効である。
【0082】
薬学的組成物
本発明の化合物の薬学的組成物及び剤形は、本明細書に開示された一つ以上の活性成分を含む。本発明の化合物の薬学的組成物及び剤形は、また、典型的には一つ以上の薬学的に受容される賦形剤又は希釈剤を含む。
【0083】
「薬学的に受容される」という用語は、本明細書で使用されているように、確かな医学的見解の範囲内において、過度な毒性、刺激及びアレルギー応答等を伴うことがなく、ヒト及び他の哺乳動物の組織との接触においての使用が適切であり、そして適当な利益/危険性の比率を有する成分を意味する。「薬学的に受容される塩」は、受容者への投与の際に直接的か又は間接的のいずれにおいても本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを提供することができる、あらゆる非毒性の塩を意味する。「薬学的に受容されるカウンターイオン」は、受容者への投与の際に前記の塩から放出される毒性ではない塩のイオン部分である。
【0084】
本発明は、また、本発明の化合物及び受容されるキャリヤーを含む組成物の有効量を含む組成物を提供する。好ましくは、本発明の組成物は、前記のキャリヤーが薬学的に受容されるキャリヤーである場合には、薬学的な用途(「薬学的組成物」)のために製剤化される。前記のキャリヤーは、前記の製剤中の他の成分に適合するという意味において「受容されうる」でなければならないし、そして薬学的に受容されるキャリヤーの場合には医薬で典型的に使用される量において前記の受容者に対して有害であってはならない。
【0085】
本発明の薬学的組成物に添加されてもよい薬学的に受容されるキャリヤー、添加剤及びビークルとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミナ、レシチン、ヒト血清アルブミンのような血清蛋白質、リン酸のような緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的グリセライド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素ニナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウムのような塩又は電解質、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
典型的な薬学的組成物及び剤形は、一つ以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は、薬剤学の分野の当業者にはよく知られており、そして適切な賦形剤の非制限的な例は、本明細書に開示されている。
【0087】
特定の賦形剤が、薬学的組成物又は剤形への添加に適切であるかどうかは、前記の剤形が患者に投与されるであろう経路を含むがこれに限定されるものではない、本技術分野でよく知られた様々なファクターに依存する。賦形剤は、投与に望まれる調製物の形態に依存する広く様々な形態を形成することができる。たとえば、経口の液剤又はエアロゾルの剤形への使用に適した賦形剤としては、水、グリコール、オイル、アルコール、賦香剤、保存剤及び着色剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。経口用固形剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル及びカプレット)における使用に適切な賦形剤の例としては、デンプン、糖、結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
前記の調製方法としては、例えば一つ以上の副成分を構成するキャリヤーのような投与される成分に前記の分子を結合させるステップを含む。一般に、前記の組成物は、均一かつ密接に液体キャリヤー、リポゾーム又は微細キャリヤー又はその両者に結合させ、ついで必要であれば得られた調製物を成形することにより調製される。
【0089】
本発明に従う薬学的組成物は、Bcr-abl活性を阻害するために、及びBcr-ablに依存する障害を治療するために、ヒトを含む哺乳動物の、例えば経口投与又は直腸投与のような経腸投与、経皮投与、局所投与及び非経口投与に適した組成物であり、そして、本発明に従う薬学的組成物は、単独又は一つ以上の薬学的に受容されるキャリヤーを配合した本発明の化合物の薬理学的に活性な化合物の有効量を含む。より詳細には、前記の薬学的な組成物は、Bcr-abl活性を阻害することができる量の本発明の化合物を含む。本発明の単一の単位の剤形は、吸入スプレー、局所投与、直腸投与、経鼻投与、口腔粘膜投与、膣投与、移植されたリザーバーによる投与又は経皮投与による患者への投与による、口、粘膜(例えば、鼻、舌下、膣、口腔粘膜又は直腸)、非経口(例えば、皮下注射、静脈注射、ボーラス注射、筋肉内注射、動脈内注射、皮内注射、関節内注射、滑液包内注射、胸骨内注射、クモ膜下腔内注射、病巣内注射、及び頭蓋内注射又は頭蓋内注入)への投与に適している。剤形の例としては、錠剤、カプレット、例えば弾性ゼラチンカプセルのようなカプセル、カシェ剤、トローチ、飴、懸濁剤、坐剤、軟膏剤、パップ剤(cataplasm 、poultice)、パスタ剤、包帯剤、クリーム剤、硬膏剤、水剤、パッチ、エアゾール剤、(例えば、経鼻剤、スプレー又は吸入器)、ゲル、懸濁剤(例えば、水性又は非水性液体懸濁剤、o/w型乳剤又はw/o型乳剤)、水剤、及びエリキシル剤を含む、患者の口又は粘膜への投与に適した液状剤形、患者への非経腸投与に適した液状剤形、及び患者への非経腸投与に適した液状剤形を提供するために再構成される無菌固体(例えば、結晶固体又は無晶質固体)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
本発明の剤形の組成物、形状及びタイプは、典型的にはそれらの用途により異なるであろう。例えば、急性な障害の治療に用いられる剤形は、前記と同一の疾患の慢性症状に使用される剤形よりも多量の、それが含む前記の活性成分の一つ以上を含んでいてもよい。
同様に、非経腸投与用の剤形は、前記と同一の疾患又は障害に使用される経口の剤形よりも少量の、それが含む前記の活性成分の一つ以上を含んでいてもよい。本発明により包含される具体的な剤形がお互いに異なるであろう、これらの点及び他の点は当業者にとって容易に明らかであろう。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,
18th ed., Mack Publishing, Easton
Pa. (1990)を参照されたい。
【0091】
経口投与用の組成物は、カプセル、錠剤、エマルジョン及び水性懸濁剤を含むがこれらに限定されるものではない、あらゆる経口投与に受容される剤形でありうる。経口投与に使用される錠剤の場合、通常使用されるキャリヤーとしては、ラクトース及びコーンスターチが挙げられる。例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も典型的には添加される。経口投与に使用されるカプセル剤の場合、有用な希釈剤としては、ラクトース及び乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁剤又はエマルジョンが経口投与される場合、前記の活性成分は、乳化剤又は懸濁化剤により結合された油層に懸濁又は溶解されうる。所望ならば、いくらかの甘味剤、香料又は着色剤が添加されうる。点鼻用エアゾール組成物又は吸入剤組成物は、薬剤学の分野でよく知られた技術に従って調製されることができ、そして本技術分野で知られたベンジルアルコール又は他の適切な保存剤、生体利用率を向上させる吸収促進剤、フルオロカーボン及び/又は他の可溶化剤若しくは分散剤を添加した生理食塩水の溶液として調製されうる。本発明のヘテロシクロ化合物も、直腸投与のために坐剤の剤形で投与することができる。所望ならば、錠剤は、標準的な湿式法又は非湿式法によりコーティングされうる。前記の剤形は、あらゆる薬剤学の方法により調製されうる。一般的に、薬学的組成物及び剤形は、液状キャリヤー、微細に粉砕された固形キャリヤー又はその両者と均一かつ密接に結合させて前記の活性成分を混合し、ついで得られた生成物を必要ならば望ましい形状に成形することにより調製される。
【0092】
錠剤及びゼラチンカプセルは、前記の活性成分と共に、a)例えば、乳糖、デキストロース、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシンのような希釈剤、b)例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウム塩若しくはカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコールのような滑沢剤、錠剤についても同様であり、c)例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、スターチペースト、ゼラチン、トラガント、メチルセルロール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドンのような結合剤、d)望ましい場合に限り、例えばスターチ、カンテン、アルギン酸又はそのニナトリウム塩又は発泡混合物のような崩壊剤、及び/又はe)吸着剤、着色剤、香料及び甘味剤を含むことが望ましい。錠剤は、本技術分野で知られた技術に従いフィルム又は腸溶性被膜のいずれかでコーティングされてもよい。
【0093】
例えば、錠剤は圧縮又はすり込みにより調製されることができる。圧縮錠剤は、任意に賦形剤が混合されていてもよい、例えば散剤又は顆粒剤のような流動性のよい形態(free flowing form)にされた前記の活性成分を適切な機械で圧縮することにより調製されうる。すりこみ錠剤は、不活性な液状の希釈剤で湿潤化された前記の化合物の粉末を適切な機械ですり込むことにより調製されうる。
【0094】
注射組成物は、好ましくは水性等張溶液又は懸濁液であり、そして坐剤は、好ましくは脂肪質のエマルジョン又は懸濁液から調製される。前記の組成物は、無菌化されてもよく、及び/又は例えば保存剤、安定化剤、湿潤化剤若しくは乳化剤、溶解促進剤(solution promoter)、浸透圧を調節するための塩及び/若しくは緩衝剤のような補助薬を含んでいてもよい。さらに、それらはまた、他の治療的に有益な物質を含んでもよい。前記の組成物は、従来の混合方法、顆粒化方法又はコーティング方法によってそれぞれ調製され、そして約0.1%〜75%(好ましくは約1%〜50%)の活性成分を含む。無菌注射組成物、例えば無菌水性又は油性注射懸濁剤は、適切な分散化剤又は湿潤化剤(例えばTween 80)及び懸濁化剤を使用して、薬剤学の分野で知られた技術により製剤化されうる。前記の無菌注射調製物は、また、非毒性非経腸剤として受容される希釈剤又は溶媒を使用した無菌注射溶液又は懸濁液でありうる。使用することができる、前記の受容されるビークル及び溶媒としては、マンニトール、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、無菌の不揮発性オイルが、従来では溶媒又は懸濁媒体(例えば合成モノ−又はジグリセライド)として使用されている。例えばオレイン酸及びそのグリセライド誘導体のような脂肪酸は、天然の薬学的に受容されるオイル、例えばオリーブオイル又はヒマシ油、特にポリオキシエチル化されたヒマシ油である注射剤の調製に有用である。これらのオイル溶液又は懸濁液は、また、長鎖のアルコール希釈剤、分散剤、カルボキシメチルセルロース又は同様な分散剤を含み得る。薬学的に受容される固体、液剤又は他の剤形の製造に通常使用される、例えばTween又はSpanのような他の一般的に使用される界面活性剤、他の同様な乳化剤又は生体利用能促進剤もまた、目的の製剤に使用され得る。
【0095】
経皮投与に適した製剤は、キャリヤーとともに本発明の化合物の有効量を含む。好ましいキャリヤーとしては、前記の宿主の皮膚の通過を促進する薬学的に受容される吸収される溶媒が挙げられる。例えば、経皮投与用のデバイスは、支持体、任意にキャリヤーを含んでも良い前記の化合物の貯蔵部、前記の長時間に亘り、任意に含んでもよい、制御されかつ所定の速度で前記の宿主の皮膚に前記の化合物を放出する速度制御するバリヤーを含む包帯の形態であり、しかも前記の皮膚に対して前記のデバイスを固定することを意味する。経皮投与剤用のマトリックスもまた使用してもよい。
【0096】
例えば皮膚及び眼に投与する局所投与のための適切な製剤は、好ましくは薬剤学の分野でよく知られた水性液剤、軟膏、クリーム又はゲルである。前記の局所投与剤は、溶解剤、安定化剤、等張化増進剤(tonicity enhancing agent)、緩衝剤及び保存剤を含んでもよい。
【0097】
前記の薬学的組成物は、単独か又はもう一つの治療剤を配合された、Bcr-ablを阻害するのに有効な量の、前記に定義された本発明の化合物を含む。もう一つの活性成分を併用する場合、本発明の化合物は、同時、他の活性成分の前又は後に投与されてもよく、同一又は異なる投与経路で別々か、又は同一の薬学的組成物で一緒に投与されてもよい。
【0098】
前記の薬学的組成物で使用される前記のキャリヤーは、前記の製剤の活性成分に適合し(及び好ましくはそれを安定化することができる)、処置される前記の被験体に対して有害でないという意味において「受容される」でなければならない。例えば、本発明に化合物と特異的により可溶性複合体を形成するシクロデキストリンのような可溶化剤、又は一つ以上の可溶化剤が、本発明の化合物に放出のために薬学的賦形剤として利用され得る。他のキャリヤーの例としては、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びD&C Yellow # 10が挙げられる。
【0099】
本明細書において使用されているように、「動物」、「被験体」及び「患者」は、雌牛、猿、馬、羊、豚、鶏、シチメンチョウ、ウズラ、猫、犬、マウス、ウサギ、テンジクネズミ、及びヒト(好ましくは一人のヒト)を包含するが、それらに限定されるものではない。
【0100】
本発明の薬理学的に活性な化合物は、経腸投与、非経腸投与、経口投与、経粘膜投与又は局所投与のいずれかに適した賦形剤又はキャリヤーと結合又は混合した、その有効量を含む薬学的組成物の製造に有用である。
【0101】
動物及びヒトための用量の相関関係(ミリグラム/体表面積(m2)に基づく)はFreireich et al., (1966) Cancer
Chemother Rep 50: 219に開示されている。体表面積は、およそ前記の患者の身長及び体重から算定されてもよい。たとえば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals,
Ardley, N.Y., 1970, 537を参照されたい。本発明の有効量は、約0.001
mg/kgから約1000 mg/kgまで、好ましくは0.01 mg/kgから約100 mg/kg、より好ましくは0.1 mg/kgから約10 mg/kg、又は前記の範囲の下限は、0.001 mg/kgから900 mg/kgまでの範囲のいずれかの量であり、かつ上限が、0.1 mg/kgから1000 mg/kgまでのいずれかの量(例えば0.005 mg/kg及び200 mg/kg、0.5 mg/kg及び20 mg/kg)のいずれかの範囲である。本技術分野で当業者が認めているように、有効な用量も、治療される疾患、投与ルート、賦形剤の使用及び他の薬剤の使用のような他の治療法の併用の可能性に依存して異なる。
【0102】
投与された活性化合物の用量は、温血動物(哺乳動物)の種類、その体重、年齢及び各個体の状態、並びに投与形態に依存して異なる。約50kgから70kgの体重の哺乳動物についての経口投与の単位用量は、約5から500mgまでの前記の活性成分を含んでもよい。
【0103】
例えば、本発明の化合物は、約0.5から約100mg/体重kgまでの範囲の用量、あるいは約1から約1000mg/体重kgまでの範囲の用量で、4乃至120時間毎、前記の具体的な薬剤の条件に従って投与され得る。本明細書に開示された方法は、所望又は規定された効果を達成するために、化合物又は化合物の組成物の有効量の投与を意図している。典型的には、本発明の薬学的組成物は、1日あたり約1回から約6回までかあるいは連続的な注入で投与されるであろう。前記の投与は、慢性疾患又は急性疾患の治療に使用され得る。単回投与形態を調製するために前記のキャリヤー材料と結合させてもよい活性成分の量は、治療される宿主及び具体的な投与方法に依存して異なるであろう。典型的な調製物は、約5%から約95%(w/w)までの範囲の活性成分を含むであろう。あるいは、前記の調製物は、約20%から約80%(w/w)までの範囲の活性成分を含む。
【0104】
前記の投与量よりも少ないか又は多い投与量が必要とされるかもしれない。あらゆる特定の患者の具体的な用量及び治療計画は、前記の使用される特定の化合物の活性、その年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬剤の併用、前記の疾患の重篤さ又は経過、状態又は症状、前記の疾患に対する患者の性向、及び治療を担当する医師の判断を含む、様々な要因に依存するであろう。
【0105】
定義
本明細書で使用されているように、「アルキル」という用語は、1乃至12個の炭素原子含む、直鎖又は分岐した鎖状の炭化水素基を意味する。「低級アルキル」という用語は、C1-C6アルキル鎖を意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル及びn-ペンチルが挙げられる。アルキル基は、任意に一つ以上の置換基で置換されてもよい。
【0106】
「アルケニル」という用語は、2個乃至12個の炭素原子及び少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐した鎖であってもよい不飽和炭化水素鎖を意味する。アルケニル基は、任意に一つ以上の置換基で置換されてもよい。
【0107】
「アルキニル」という用語は、2個乃至12個の炭素原子及び少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を含む、直鎖又は分岐した鎖であってもよい不飽和炭化水素鎖を意味する。アルキニル基は、任意に一つ以上の置換基で置換されてもよい。
【0108】
アルケニル基及びアルキニル基のsp2炭素又はsp炭素のそれぞれは、任意に前記のアルケニル基又はアルキニル基の結合部位であってもよい。
【0109】
「アルコキシ」という用語は、-O-アルキルラジカルを意味する。
【0110】
「アミド」は-C(O)NH2であり、そして「N-アルキル置換アミド」は式C(O)NHRであり、その場合二価の「アミド」基が示され、前記の基は、−C(O)N-又は−NC(O)-である。
【0111】
本明細書で使用されているように、「ハロゲン」、「ハロ(halo)」又は「ハル(hal)」という用語は、-F、-Cl、 -Br又は-Iを意味する。
【0112】
本明細書で使用されているように、「ハロアルキル」という用語は、一つ以上(「すべて」を含む)の前記の水素ラジカルがハロ基で置換され、各ハロ基が独立して−F、-Cl、-Br及-Iから選ばれる、アルキル基を意味する。「ハロメチル」という用語は、1個乃至3個の水素ラジカルがハロ基により置換されたメチル基を意味する。代表的なハロアルキル基としては、トリフルオロメチル、ブロモメチル、1,2−ジクロロエチル、4−ヨードブチル、及び2−フルオロペンチル等が挙げられる。
【0113】
「シクロアルキル」という用語は、少なくとも一つの飽和環を有する3員乃至8員の単環式基又は7員乃至14員の二環式基を有する炭化水素であり、又は少なくとも一つの非芳香族環を有する炭化水素であって、前記の非芳香族環がいくらかの不飽和である3員乃至8員の単環式基又は7員乃至14員の二環式基を意味する。シクロアルキル基は、任意に一つ以上の置換基で置換されてもよい。一つの態様では、シクロアルキル基の各環の0、1、2、3又は4個の原子が一つの置換基で置換されていてもよい。シクロアルキル基の代表的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロブチル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロヘキセニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エニル、ジヒドロナフタレニル、ベンゾシクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニル、シクロオクタテトラエニル、シクロノネニル、シクロノナジエニル、シクロデセニル及びシクロデカジエニル等が挙げられる。
【0114】
「アリール」という用語は、単環式芳香族基、ニ環式芳香族基、又は三環式芳香族基の炭化水素を意味する。アリール基は、任意に一つ以上の置換基で置換されてもよい。一つの態様では、アリール基の各環の0、1、2、3、4、5又は6個の原子が一つの置換基で置換されていてもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、及びアズレニル等が挙げられる。
【0115】
本明細書で使用されているように、「アラルキル」という用語は、(C1-C6)アルキレン基を介してもう一つの基に結合しているアリール基を意味する。アラルキル基は、任意に前記のアラルキル基のアリール部分又は前記のアラルキル基のアルキレン部分のいずれかにおいて一つ以上の置換基により置換されていてもよい。代表的なアラルキル基としては、ベンジル、2−フェニル−エチル、及びナフチル−3−イルメチル等が挙げられる。
【0116】
本明細書で使用されているように、「アルキレン」という用語は、二つの結合部位を有するアルキル基を意味する。「(C1-C6)アルキレン」という用語は、1個乃至6個の炭素原子を有するアルキレン基を意味する。アルキレン基の非制限的な例としては、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、n−プロピレン(-CH2CH2CH2-)及びイソプロピレン(-CH2CH(CH3)-)等が挙げられる。
【0117】
「アリールアルコキシ」という用語は、アリールにより置換されたアルコキシを意味する。
【0118】
「ヘテロアリール」という用語は、5−8員の単環式基、8−12員の二環式基又は11−14員の三環式基であって、単環の場合1−4個の環へテロ原子を、ニ環の場合1−6個の環へテロ原子を、又は三環の場合1−9個の環へテロ原子を有し、前記のヘテロ原子がO、N又はSから選ばれ、かつその他の環原子が炭素原子(別に示されていなければ適切な水素原子が結合している)であって、前記の環式基の内の少なくとも一つの環が芳香族環であることを意味する。ヘテロアリール基は、任意に一つ以上の置換基で置換されてもよい。一つの態様では、ヘテロアリール基の各環の0、1、2、3又は4個の原子が一つの置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、1−オキソ−ピリジル、フラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾ[1,4]ジオキシニル、チエニル、ピロロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、キノリニル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、チアジアゾリル、イソキノリニル、インダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾフリル、インドリジニル、イミダゾピリジル、テトラゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、インドリル、テトラヒドロインドリル、アザインドリル、イミダゾピリジル、キナゾリニル、プリニル、ピロロ[2,3]ピリミジニル、ピラゾロ[3,4]ピリミジニル及びベンゾ(b)チエニル、3H−チアゾロ[2,3−c][1,2,4]チアジアゾリル、イミダゾ[1,2−d]−1,2,4−チアジアゾリル、イミダゾ[2,1−b]−1,3,4−チアジアゾリル、1H,2H−フロ[3,4−d]−1,2,3−チアジアゾリル、1H−ピラゾロ[5,1−c]−1,2,4−トリアゾリル、ピロロ[3,4−d]−1,2,3−トリアゾリル、シクロペンタトリアゾリル、3H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾリル、1H,3H−ピロロ[1,2−c]オキサゾリル、並びにピロロ[2,1b]オキサゾリル等が挙げられる。
【0119】
本明細書で使用されているように、「ヘテロアラルキル」又は「ヘテロアリールアルキル」という用語は、(C1-C6)アルキレンを介してもう一つの基に結合しているヘテロアリール基を意味する。ヘテロアラルキル基は、前記のヘテロアラルキル基のヘテロアリール部分か又は前記のヘテロアラルキル基のアルキレン部分のいずれかで1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい。ヘテロアラルキル基の代表例としては、2−(ピリジン−4−イル)−プロピル、2−(チオフェン−3−イル)−エチル、及びイミダゾール−4−イル−メチル等が挙げられる。
【0120】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、非芳香族性の、3−8員の単環式基、7−12員の二環式基、又は10−14員の三環式基であって、単環式基の場合には1−3個のヘテロ原子を、二環式基の場合には1−6個のヘテロ原子を、三環式基の場合には1−9個のヘテロ原子を含み、前記のヘテロ原子が、O、N、S、B、P及びSiからなる群、好ましくはO、N及びSからなる群から選ばれ、前記の非芳香族環が完全に飽和であることを意味する。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、また、非芳香族性の、3−8員の単環式基、7−12員の二環式基、又は10−14員の三環式基であって、単環式基の場合には1−3個のヘテロ原子を、二環式基の場合には1−6個のヘテロ原子を、三環式基の場合には1−9個のヘテロ原子を含み、前記のヘテロ原子が、O、N、S、B、P及びSiからなる群から選ばれ、前記の非芳香族環がいくらかの不飽和を具備することを意味する。二環式基及び三環式基は、縮合環基又はスピロ環基を含んでもよい。ヘテロシクロアルキル基は、任意に一つ以上の置換基により置換されていてもよい。一つの態様では、ヘテロシクロアルキル基の各環の0、1、2、3又は4個の原子は、一つの置換基で置換されていてもよい。代表的なヘテロシクロアルキル基としては、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、4−ピペリドニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニルスルホン、モルホニル、チオモルホニル、チオモルホニルスルホキシド、チオモルホニルスルホン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、チイレン、チイレニル、チアジアジリニル、ジオキサゾリル、1,3−オキサチオリル、1,3−ジオキソリル、1,3−ジチオリル、オキサチアジニル、ジオキサジニル、ジチアジニル、オキサジアジニル、チアジアジニル、オキサジニル、チアジニル、1,4−オキサチイン、1,4−ジオキシン、1,4−ジチイン、1H−ピラニル、オキサチエピニル、5H−1,4−ジオキセピニル、5H−1,4−ジチエピニル、6H−イソキサゾロ[2,3−d]1,2,4−オキサジアゾリル及び7aH−オキサゾロ[3,2−d]1,2,4−オキサジアゾリル等が挙げられる。
【0121】
「アルキルアミノ」という用語は、一つ又は二つのアルキル基によりさらに置換されているアミノ基の置換基を意味する。「アミノアルキル」という用語は、一つ又は二つのアミノ基でさらに置換されたアルキル基の置換基を意味する。
【0122】
「有効な量」という用語は、治療された前記の疾患又は障害における好ましい変化を発揮させるために使用されてもよい、本発明に係る化合物の濃度又は量を記載するために本明細書では使用されている。前記の好ましい変化とは、治療された疾患又は障害にに依存して、鎮静、癌、腫瘍又は他の病的なふくらみの伸張又はサイズの減少、皮膚又は組織の清浄化を含む好ましい生理学な効果である。
【0123】
本明細書で使用されているように、「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」、及び「予防」等という用語は、疾患又は障害に罹っていないが疾患又は障害の発症を受けやすいリスクのある被験体において疾患又は障害が発症する可能性を減らすことを意味する。
【0124】
「被験体」という用語は、本明細書では本発明に係る化合物により、予防処置を含む治療が提供される動物、好ましくはヒトを記載するために使用される。例えばヒトの患者のような特定の動物に特異的である、これらの感染症、障害又は疾患の症状の治療のために、前記の患者という用語はその具体的な動物を意味する。ほとんどの例において患者という用語はヒトの患者を意味する。
【0125】
本明細書で使用されているように、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」及び「治療」等は、疾患及び/又はその疾患に関連する症状を軽減又は改善することを意味する。障害又は症状を治療することが、その上に関連する障害、症状又は徴候が完全に除去されるべきであることを必要としないことは、除外されていないが、十分に認識されるであろう。
【0126】
「IC50」という用語は、ペプチド、タンパク質、酵素又は生物学的プロセスの活性の50%阻害を生ずる化合物の濃度である。
【0127】
「ミリストイル結合ポケット」は、BCR-Ablタンパク質がミリストイル結合に適切なコンホメーションを形成したときに、ミリストイル部分が結合することができるBcr-ablの領域である。ミリストイル結合ポケットは、例えば、Hantschel et al.,"A
Myristoyl/Phosphotyrosine Switch Regulates c-Abl" Cell (2003), Vol. 112,
845-857及びBhushan et al.,"Structural
Basis for the Autoinlaibition of c-Abl Tyrosine Kinase" Cell (2003), Vol.
112, 859-871に開示されている。
【0128】
前記の融合タンパク質Bcr-Ablは、前記のAbl癌原遺伝子をBcr遺伝子に融合する相互転座の結果である。したがって、Bcr-ablは、マイトジェン活性の増加を通してB-細胞を変異することができる。この増加により、CML前駆細胞の付着及びホーミングを変えるのみならず、アポトーシスへの感受性が減少する。本発明は、キナーゼ関連疾患、詳細にはPDGF-R、c-Kit及びBcr-ablキナーゼ関連疾患の治療ための、化合物、組成物及び方法を提供する。
【0129】
本明細書で使用されているように、「置換基」又は「置換された」という用語は、化合物又は基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基、シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基)の水素ラジカルが、前記の化合物を実質的に不安定化しない、あらゆる望ましい基で置換されるか又は任意に置換されることを意味する。一つの態様では、望ましい置換基は、化合物の活性を低下させない置換基である。「置換された」という用語は、各々が水素原子を置換する、同一又は異なっていてもよい一つ以上の置換基を意味する。置換基の例としては、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、チオ、イミノ、ホルミル、カルバミド、カルバミル、カルボキシル、チオウレイド、チオシアナート、スルホアミド、スルホニルアルキル、スルホニルアリール、アルキル、アルケニル、アルコキシ、メルカプトアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここにおいて、アルキル、アルケニルアルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルが、任意にアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、イミノ(=NR)、C(=N-NRk)Rk)又はC(=N-ORk)Rkで置換されていてもよい。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0130】
他の態様では、あらゆる基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキル)における置換基は、前記の基のあらゆる原子に存在でき、置換されうるあらゆる基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキル)が、水素原子を置換する、同一又は異なってもよい一つ以上の置換基で任意に置換されう得る。適切な置換基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、オキソ(すなわち、カルボニル)、カルボキシル、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールオキシカルボニル、チオ、メルカプト、メルカプトアルキル、アリールスルホニル、アミノ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、又はアルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルカルボニル、又はアリールアミノにより置換されたアリール、アリールアルキルアミノ、アラルキルアミノカルボニル、アミド、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルフォニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、イミノ、カルバミド、カルバミル、チオウレイド、チオシアナート、スルホアミド、スルホニルアルキル、スルホニルアリール又はメルカプトアルコキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0131】
アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルへの更なる適切な置換基としては、制限なく、CN、NO2、OR15、SR15、S(O)2OR15、NR15R16、C1-C2パーフルオロアルキル、C1-C2パーフルオロアル コキシ、1,2-メチレンジオキシ、(=O)、(=S)、(=NR15)、C(O)OR15、C(O)NR15R16、OC(O)NR15R16、NR15C(O)NR15R16、C(NR16)NR15R16、NR15C(NR16)NR15R16、S(O)2NR15R16、R17、C(O)H、C(O)R17、NR15C(O)R17、Si(R15)3、OSi(R15)3、Si(OH)2R15、B(OH)2、P(O)(OR15)2、S(O)R17、又はS(O)2R17が挙げられる。各R15が独立して、水素、任意にシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールにより置換されたC1-C6アルキルである。各R16が独立して、水素、C3-C6シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C1-C4アルキル、又はC3-C6シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロアリールにより置換されたC1-C4アルキルである。各R17が独立して、C3-C6シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C1-C4アルキル、又はC3-C6シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロアリールにより置換されたC1-C4アルキルである。各R15、R16及びR17におけるC3-C6シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール及びC1-C4アルキルは、ハロゲン、CN、C1-C4 アルキル、OH、C1-C4アルコキシ、COOH、C(O)OC1-C4アルキル、NH2、C1-C4アルキルアミノ又はC1-C4ジアルキルアミノにより任意に置換され得る。
【0132】
いくらかの態様では、本発明の化合物は、任意に
(i)アルキル、ハロアルキル、アリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、モノ−アルキルアミン、ジ−アルキルアミン、シアノ、CONH2、CO2アルキル、SO2NH2、又は
(ii)モルホリン、
【化19】

から選ばれるへテロサイクリック又はヘテロアリールにより置換されてもよい。
【0133】
いくらかの態様では、任意に置換されたアリール又はヘテロアリールは、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたナフチル、任意に置換されたアントラセニル、任意に置換されたフルオレニル、任意に置換されたインデニル、任意に置換されたアズレニル、任意に置換されたピリジル、任意に置換された1-オキソ-ピリジル、任意に置換されたフラニル、任意に置換されたベンゾ[1,3]ジオキオリル、任意に置換されたベンゾ[1,4]ジオキシニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたイソキサゾリル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンズオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアジリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキナゾリジニル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジニル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジニル、又は任意に置換されたベンゾ(b)チエニルから選ばれてもよい。
【0134】
いくらかの態様では、任意に置換されたヘテロシクロアルキルは、任意に置換されたピペリジニル、任意に置換されたピペラジニル、任意に置換された2-オキソピペラジニル、任意に置換された2-オキソピペリジニル、任意に置換された2-オキソピロリジニル、任意に置換された4-ピペリドニル、任意に置換されたテトラヒドロピラニル、任意に置換されたオキサゾリジニル、任意に置換された2-オキソ-オキサゾリジニル、任意に置換されたテトラヒドロチオピラニル、任意に置換されたテトラヒドロチオピラニルスルホン、任意に置換されたモルホリニル、任意に置換されたチオモルホリニル、任意に置換されたチオモルホニルスルホキシド、任意に置換されたチオモルホニルスルホン、任意に置換された1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラニル、又は任意に置換されたテトラヒドロチエニルから選ばれてもよい。
【0135】
本明細書における可変基のあらゆる定義における化学基の表を列挙した場合、列挙された基の、あらゆる単一の基又は組み合わせのような前記の可変基の定義を含む。
【0136】
本発明の化合物は、前記の化合物自体を含み、適用できるならば、その塩、その溶媒和物、その包接体、その水和物、その多形体、又はそのプロドラッグも同様に含む。
【0137】
本明細書で使用されているように、「薬学的に受容されうる塩」という用語は、例えば本明細書に開示された前記の式のいずれかの化合物の酸性基及び塩基性基により形成される塩である。塩の例としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素塩、硝酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ベシル酸塩、ゲンチアニン酸塩、フマール酸塩、グルコン酸塩、グルコ糖酸、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
「薬学的に受容される塩」という用語は、例えばカルボン酸官能基のような酸性官能基を備えた本明細書に開示されたいずれか一つの式の化合物、及び薬学的に受容される無機塩基又は有機塩基から調製される塩をも意味する。適切な塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム及びリチウムのようなアルカリ金属の水酸化物、例えば、カルシウム及びマグネシウムのようなアルカリ土類金属の水酸化物、例えば、アルミニウム及び亜鉛のような他の金属の水酸化物、アンモニア、及び例えば、未置換又はヒドロキシ置換モノ−、ジ−又はトリアルキルアミン等の有機アミン、ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N-メチルアミン、N-エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、例えば、モノ−、ジ−又はトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン又はトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミンのようなモノ−、ジ−又はトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)、例えばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン又はトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミンのようなN,N,−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン、N−メチル−D−グルカミン、並びに例えばアルギニン、及びリジン等のアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。「薬学的に受容される塩」という用語は、例えば官能基アミノ基のような塩基性官能基を備えた本明細書に開示されたいずれか一つの式の化合物、及び薬学的に受容される無機酸又は有機酸から調製される塩をも意味する。適切な酸としては、硫酸水素酸(hydrogen sulfate)、クエン酸、酢酸、シュウ酸、塩化水素(HCl)、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)、硝酸、硫化水素、リン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、酒石酸水素酸(bitartratic acid)、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ベシル酸、フマール酸、グルコン酸、グルカロン酸(glucaronic acid)、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びp−トルエンスルホン酸が挙げられる。
【0139】
本明細書で使用されているように、「多形体」という用語は、本発明の化合物又はその複合体の固形の結晶形を意味する。同一化合物の異なる多形体は、異なる物理的性質、化学的性質及び/又は分光学的性質を示すことができる。異なる物理的性質としては、安定性(例えば熱又は光に対する)、圧縮性、及び密度(製剤化及び製品製造において重要である。)及び溶解速度(生体利用率に影響する。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。安定性の相異により、化学的反応性における変化(例えば、酸化を受ける状態が異なると、剤形において、もう一つの多形体が混入している場合よりも単一の多形体のがより速く脱色される。)、機械的特性(例えば、速度論的に形成された多形体が熱力学的により安定な多形体に変換されるので錠剤が貯蔵中に粉々になる。)又はその両者(一つの多形体からなる錠剤は、高湿度条件下でより分解されやすい。)における変化が生じうる。多形体の物理的性質が異なると、それらの処理工程に影響が生じ得る。例えば、一つの多形体は、例えばその粒子の形状又はサイズの分布に起因して、もう一つの多形体よりも溶媒和物を形成しやすかったり、又は不純物を除去又は洗浄することが困難であったりする。
【0140】
本明細書で使用されているように、「水和物」という用語は、非共有結合的な分子間力により結合した、化学量論的又は非化学量論的な量の水分子をさらに含む本発明の化合物を意味する。
【0141】
本明細書で使用されているように、「包接体」という用語は、捕捉されたゲスト分子(例えば、溶媒又は水)を有するスペース(例えば、チャンネル)を含む結晶格子の形態を形成している本発明の化合物又はその塩を意味する。
【0142】
本明細書で使用されているように、及び別に示されないならば、「プロドラッグ」という用語は、生物学的条件下(in vitro又はin vivo)で加水分解されるか、酸化されるか又はその他の反応を受けて本発明の化合物を生じる、本発明の化合物の誘導体を意味する。プロドラッグは、単に生物学的条件下で前記の反応を受けて活性化されてもよく、又はプロドラッグは、それらの反応を受けない形態でも活性であってもよい。本発明に含まれるプロドラッグの例としては、例えば、生加水分解性アミド(biohydrolyzable amides)、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カルボネート、生加水分解性ウレイド、及び生加水分解性リン酸アナログのような生加水分解性部分をを含む、本明細書に開示された式のいずれかの化合物のアナログ又は誘導体が挙げられるが、これらに限定するものではない。他のプロドラッグの例としては、−NO、−NO、−ONO又は−ONOを含む、本明細書に開示されたいずれか一つの式の化合物の誘導体が挙げられる。プロドラッグは、典型的には良く知られた方法、例えば1 Burger's Medicinal Chemistry and
Drug Discovery (1995) 172-178, 949-982 (Manfred E. Wolff ed., 5th
ed)に開示された方法で調製されることができる。
【0143】
さらに、本発明の化合物のいくらかは、一つ以上の二重結合又は一つ以上の不斉中心を有している。前記の化合物は、ラセミ体混合物、単一のエナンチオマー、各ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、及びシス−若しくはトランス−、又はE−若しくはZ−二重結合異性体を生じる。これらの化合物のすべての異性体は、明白に本発明に含まれている。本発明の化合物は、また、多数の幾何異性形態で表されてもよい。前記の例では、本発明は、明白に本明細書に開示された化合物のすべての幾何異性体(例えば、環式基のアルキル化は、多数の部位でアルキル化が起こるので、本発明はすべての前記の反応成生物を含む。)を明白に含む。前記の化合物のすべての前記の異性体は、明白に本発明に含まれる。本明細書に記載された化合物のすべての結晶形は、本発明に明白に含まれる。
【実施例】
【0144】
本発明は、さらに次の実施例により例証される。この実施例は、更なる限定であると決して解釈されべきではない。本発明の化合物は、本明細書に開示された実施例及び前記の反応スキームに従って、合成された。
実施例1
2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)エタノール及び
2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル)エタノールの調製
【化20】

ステップ1:
4−クロロ−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−5−カルバルデヒド
【化21】


4,6−ジクロロ−ピリミジン−5−カルバルデヒド(3.06g,17.5mmol)のTHF(15mL)溶液に、4−トリフルオロメトキシアニリン(3.09g,17.45mmol)を0℃で添加した。得られた混合物を2時間攪拌後、酢酸エチル(100mL)を添加した。得られた有機層をブラインから分離し、NaSOで乾燥し、ついで濃縮すると表題の化合物が黄色の固体として得られた。ついで得られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題に化合物((2.9g,収率:55%);MSm/z318.2(M+1))が黄色の結晶として得られた。
ステップ2:
2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)エタノール及び
2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル)エタノール
4−クロロ−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−5−カルバルデヒド(50g,0.15mmol)を含むsec−BuOH溶液にNaCO(30mg,0.26mmol)及びヒドラジン(20mg,0.18mmol)を添加した。得られた反応液を60℃で8時間攪拌した。得られた反応液を水100mL及び酢酸エチル100mLに分配し、酢酸エチルで3回抽出した。得られた有機層を合わせ、ついでブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。得られた粗生成物を、展開剤としてヘキサン−酢酸エチルを使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)エタノール及び2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル)エタノールを、4:1の割合で含む黄色固体が得られた。
2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)エタノール(20mg):
1H NMR 400 MHz (DMSO-d6)
δ 10.30 (s, 1H), 8.45 {s, 1H
(6-Ar-H)}, 8.32 {s, 1H (3-Ar-H), 7.98 (d,
2H, J = 9.6 Hz), 7.41 (d, 2H, J = 9.6 Hz), 4.40 (t, 2H,
J = 3.0 Hz), 3.83 (t, 2H, J = 3.0 Hz); MS m/z 340.2 (M + 1)
2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル)エタノール(5mg):
1H NMR
400 MHz (DMSO-d6) δ 10.75
(s, 1H), 8.68 {s, 1H (3-Ar-H)}, 8.57 {s, 1H (6-Ar-H), 7.97 (d, 2H, J = 9.6 Hz), 7.45 (d, 2H,
J = 9.6 Hz), 4.41 (t, 2H, J = 3.0 Hz), 3.85 (t, 2H,
J = 3.0 Hz); MS m/z
340.2 (M + 1)

【0145】
実施例2
N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド
【化22】

ステップ1:
3−(4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−プロピオン酸エチルエステル
【化23】

4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1g,6.53mmol)を含むDMF(30mL)溶液を0℃に冷却し、徐々にNaH(1.8g,9.14mmol)を添加した。室温で30分間攪拌後、4−(2−クロロ−エチル)−モルホリン(1.28g,7.18mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間40℃で攪拌した。得られた混合物を室温とし、ついで飽和NHCl溶液でクエンチし、そして酢酸エチル150mlで抽出した。得られた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサンで溶出)で精製すると、表題の化合物(1.2g,収率:72%)が得られた。
1H NMR 600 MHz (DMSO-d6) δ 9.01 (s, 1H), 6.26 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 5.91 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 4.24
(t, 2H, J = 5.4 Hz), 4.12 (t, 2H,
J = 5.0 Hz), 2.73 (d, 2H, J = 5 Hz), 1.21 (d, 3H, J = 4 Hz); MS m/z 254.2 (M + 1).

ステップ2
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオン酸エチルエステル
【化24】

3−(4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−プロピオン酸エチルエステル(100mg,0.37mmol)のsec−BuOH(3mL)溶液に4−トリフルオロメトキシアニリン(73mg,0.41mmol)を添加した。得られた混合物を120℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物を濃縮し、分取HPLC(prep−HPLC)で精製すると、表題の化合物がTFA塩(114mg,収率:60%;MS m/z 408.1 (M + 1))が得られた。
ステップ3:
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオン酸
【化25】

3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオン酸エチルエステル(100mg,0.24mmol)のTHF:HO(3:1)(5mL)溶液に、CsCO(78mg,0.40mmol)を添加した。得られた混合物を80℃に加熱し、そして2時間攪拌した。得られた反応混合物を濃縮し、ついで酢酸で中和した。得られた固体を濾取し、ついで乾燥すると、表題の化合物(67mg,収率:77%;MS m/z 367.1 (M + 1))が褐色の固体として得られた。
ステップ4:
N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオン酸(25mg,0.068mmol)を、DIEA(0.030ml,0.172mmol)及びHATU(28.5mg,0.071mmol)のDMF(2ml)溶液に室温で混合した。0.5時間後に得られた反応混合物に2−モルホリン−4−イル−エチルアミン(9.7μL,0.074mmol)を、添加した。室温で2時間攪拌後、得られた反応混合物を濃縮し、ついで分取HPLC(Prep−HPLC)で精製すると表題の化合物がTFA塩(MS m/z
479.2 (M + 1))として得られた。
【0146】
実施例3
N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミドの調製
【化26】


ステップ1:
メチル 4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボシラート
【化27】


4−クロロ−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−5−カルバルデヒド(500g,1.5mmol)のDMF(2mL)溶液を、KCO(620mg,4.5mmol)のDMF(1mL)懸濁液に室温で添加した。30分間攪拌後、チオグリコール酸メチル(210mg,1.9mmol)を徐々に、得られた反応混合物に添加した。ついで、得られた反応混合物を90℃で1時間加熱した。ついで、得られた反応混合物を室温にまで冷却し、そして氷冷した水中に注入した。生じた残渣を濾取し、洗浄及び乾燥すると、表題の化合物(400g,収率:72%;MS m/z 370.2 (M + 1))が白色固体として得られた。
ステップ2:
4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸
【化28】

メチル 4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキラート(152mg,0.43mmol)及びLiOH(25.5mg,1.07mmol)からなる混合物を、THF(4ml)及びHO(1mL)からなる溶媒に添加した。得られた混合物を60℃で3時間攪拌した。ついで、酢酸により酸性化すると褐色の固体が析出し、そして濾取した。ついで、その固体を真空下で乾燥させ、ついで得られた固体(115mg、収率:75%;MS m/z 356.1 (M + 1))をさらに精製することなく次のステップに供した。
ステップ3:
N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキサミド:
4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(30mg,0.08mmol)を、室温でDIEA(30μL,0.172mmol)及びHATU(39mg,0.1mmol)を含むDMF(2mL)溶液と混合した。0.5時間後、得られた反応混合物に2−アミノエタノール(6.1mg,0.1mmol)を加えた。室温で2時間攪拌後、得られた反応混合物を濃縮し、ついで分取HPLCで精製すると、表題の化合物がTFA塩(25mg,収率:61%)として得られた。
1H NMR 400 MHz (DMSO-d6) δ 10.10 (s, 1H), 9.26 (s, 1H),
8.82 (s, 1H), 8.21 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 7.85 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 7.34
(s, 1H), 3.02 (t, 2H, J = 6.4 Hz), 2.65 (t, 2H, J = 6.4 Hz). MS m/z 399.12 (M + 1).

【0147】
実施例4
4−(4−(トリフロオロメトキシ)フェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエチル)キナゾリン−7−カルボキサミド:
【化29】

ステップ1:
メチル 4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)キナゾリン−7−カルボキシラート:
【化30】

メチル 4−クロロキナゾリン−7−カルボキシラート(610mg,2.75mmol)のsec−BuOH(5mL)溶液に、4−トリフルオロメトキシアニリン(535.5mg,3.02mmol)を室温で添加した。得られた混合物を100℃に加熱し、そして2時間攪拌した。
ついで、溶媒を溜去し、得られた化合物をCHCl−EtO(3:1)混合溶媒中で結晶化させた。析出した白色結晶を濾取し、ついでEtOで洗浄した(890mg、収率:91%;MS m/z 364.10 (M + 1)。
ステップ2:
4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)キナゾリン−7−カルボン酸:
【化31】

メチル 4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)キナゾリン−7−カルボキシラート(156mg,0.43mmol)及びLiOH(25.5mg,1.07mmol)からなる混合物を、THF(4ml)及びHO(1mL)からなる混合溶媒に溶解した。得られた混合物を60℃で3時間攪拌した。ついで酢酸により酸性化し、褐色の固体が析出し、濾取した。ついで、得られた固体を真空下で乾燥させ、得られた固体をさらに精製することなく次のステップに供した(120mg,収率:80%)。
1H NMR 400 MHz (DMSO-d6) δ 12.25 (s, 1H), 10.12 (s, 1H),
8.68 (s, 1H), 8.65 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 8.20-8.11 (m, 2H), 8.02 (d, 2 H, J = 8.8 Hz), 7.42 (d, 2H,
J = 8.8 Hz. MS m/z 350.1 (M + 1).
ステップ3:
4−(4−(トリフロオロメトキシ)フェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエチル)キナゾリン−7−カルボキサミド:
4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)キナゾリン−7−カルボン酸(30mg,0.09mmol)を、DIEA(30μL,0.172mmol)及びHATU(39mg,0.1mmol)のDMF(2mL)溶液と室温で混合した。0.5時間後に得られた反応混合物に、2−アミノエタノール(6.1mg,0.1mmol)を添加した。室温で2時間攪拌後、得られた反応混合物を濃縮し、ついで分取HPLCで精製すると、表題の化合物がTFA塩(29mg,収率:82%;MS m/z 393.04 (M + 1) )として得られた。
【0148】
実施例5:
4−(6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−5−メチルピリミジン−4−イル)−N−(2−モルホリノエチル)ベンズアミドの調製
【化32】


ステップ1:
6−クロロ−5−メチル−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン−4−アミン:
【化33】

4,6−ジクロロ−5−メチルピリミジン(534.6mg,3.3mmol)及び4−トリフルオルオロメトキシアニリン(661mg,3.6mmol)を、EtOH及びDIEA(625μL,3.6mmol)に添加し、得られた混合物を4時間還流した。ついで得られた反応混合物を冷却し、濃縮し、そして酢酸エチル中で捏ねた。得られた有機層を分離し、そしてNaSOで乾燥した。得られた有機層を濃縮し、ついでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると表題の化合物(800mg,収率:84%;MS m/z 304.14 (M + 1))
ステップ2:
4−(6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−5−メチルピリミジン−4−イル)安息香酸:
【化34】

クロロピリミジン中間体(521mg,1.72mmol)、4−カルボキシフェニルボロン酸(287mg,1.72mmol)、Pd(PPh(100mg,0.85mmol)及び炭酸ナトリウム(730mg,6.9mmol)を、アセトニトリル:水(v/v 1:1,10ml)からなる混合溶媒に溶解させた。得られた反応混合物を95℃で5時間攪拌した。ついで析出した不溶物を前記の加熱された反応液から濾去した。ついで、6N−HCl水溶液を〜pH<5まで添加した。析出した固形物を濾取し、ついで水洗して得られた固体(500mg,収率:74%;MS m/z 390.20 (M + 1))をさらに精製することなく使用した。
ステップ3:
4−(6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−5−メチルピリミジン−4−イル)−N−(2−モルホリノエチル)ベンズアミド:
2(21mg,0.55mmol)、2−アミノエタノール(4.3mg,0.066mmol)及びDIEA(37μL,0.21mmol)を、DMF(1.5ml)に溶解し、5分間攪拌した。26.5mg(0.07mmol)を添加し、得られた反応混合物をさらに室温で6時間攪拌した。質量分析(mass triggered)HPLCで精製すると目的の生成物がTFA塩(22mg、収率:75%;MS m/z 502.23 (M + 1))として得られた。
【0149】
実施例6
6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン−4−アミンの調製
【化35】


ステップ1:
6−クロロ−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン−4−アミン:
【化36】

4,6−ジクロロピリミジン(250mg,3.3mmol)及び4−トリフルオロメトキシアニリン(330.5mg,1.8mmol)をEtOHに溶解し、ついでDIEA(312.5μL,1.8mmol)を添加し、得られた混合物を4時間還流させた。ついで得られた反応液を冷却し、濃縮し、ついで酢酸エチル中で捏ねた。有機層を分離後、NaSOにより乾燥させた。得られた溶液を濃縮し、ついでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、表題の化合物(400mg,収率:84%;MS m/z 290.04 (M + 1))が得られた。
ステップ2:
6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン−4−アミン:
7−アザインドール(18mg,0.15mmol)のsec−BuOH(5mL)溶液に、DIEA(0.20mL)を添加し、そして得られた反応混合物を室温で15分間攪拌した。ついで、6−クロロ−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン−4−アミン(29mg,0.1mmol)を添加し、90℃に加熱し、さらに16時間攪拌を継続した。得られた反応液を濃縮し、ついで分取HPLCで精製すると表題の化合物(15mg,収率:40%;MS m/z 372.10 (M + 1))が得られた。
【0150】
実施例7
N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−6−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−4−アミンの調製
【化37】


6−クロロ−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン−4−アミン中間体(5.2mg,0.17mmol)、1,3,5−トリメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(40mg,0.17mmol)、Pd(PPh(10mg, 0.085mmol)及び炭酸ナトリウム(73mg,0.69mmol)を、アセトニトリル:水(v/v 1:1;,10ml)に溶解した。得られた混合物を95℃で5時間攪拌した。得られた反応液を濃縮し、ついで直接分取HPLCで精製すると、表題の化合物がTFA塩(65mg、収率:80%)として得られた。
1H NMR 400 MHz (DMSO-d6) δ 10.32 (s, 1H), 8.75 (s, 1H),
8.39 (s, 2H), 7.84 (d, 2H, J = 9.2 Hz), 7.45 (d, 2H, J = 9.2 Hz), 3.84
(s, 3H), 2.89 (s, 3H), 2.24 (s, 3H).
MS m/z 364.11 (M + 1)
【0151】
実施例8
2−(3−ニトロフェニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−7−アミンの調製
【化38】


ステップ1:
7−クロロ−2−(3−ニトロフェニル)イミダゾ[1,2−c]ピリミジン
【化39】

6−クロロピリミジン−4−アミン(50mg,0.39mmol)及び2−ブロモ−1−(3−ニトロフェニル)エタノン(94mg,0.39mmol)を、DMSO(2mL)に溶解し、ついで得られた混合物を室温で3日間攪拌した。得られた反応混合物を水(5mL)に注入し、ついで酢酸エチルで抽出した。得られた濾液をNaSOで乾燥させた後、蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出剤:ヘキサン/酢酸エチル(3:1))で精製すると、表題の化合物(60mg、収率:56%;MS m/z 275.00 (M + 1))が得られた。
ステップ2:
2−(3−ニトロフェニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−7−アミン
7−クロロ−2−(3−ニトロフェニル)イミダゾ[1,2−c]ピリミジン(30mg,0.11mmol)及び(58mg,0.32mmol)を120℃で1時間加熱した。
得られた残渣をDMSOに溶解し、ついで直接分取HPLCで精製すると、表題の化合物がTFA塩(8mg、収率:13%)として得られた。
1H NMR 400 MHz (DMSO-d6) δ 10.42 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.01-7.99 (m, 3H), 7.92 (d, 2H, J = 9.2 Hz), 7.53 (d, 2H,
J = 9.2 Hz), 7.45 (s, 1H), 7.22 (s,
1H). MS m/z 416.12 (M + 1)

【0152】
実施例9:生物学的データ
細胞培養
インターロイキン−3(IL−3)依存性マウスプロB細胞株であるBa/F3及びマウス骨髄前駆細胞株である32DをL−グルタミン、10%FBS及び10U/ml組換えマウスIL−3(Roche)を補充したRPMI−1640培地で維持した。Mo7eヒト巨核球系細胞株を、L−グルタミン、20%FBS及び5ng/ml組換えヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)(R&D Systems)又は200ng/ml幹細胞因子(SCF)を補充したRPMI−1640培地で発育させた。Flt−3−ITDキナーゼにより変異されたBa/F3細胞のみならず、野生型Bcr−abl発現32D(32D.p210)及びBa/F3(Ba/F3.p210)細胞及びBcr−abl発現突然変異細胞株Ba/F3.p210G250E、Ba/F3.p210E255V、Ba/F3.p210T315I、Ba/F3.p210F317L及びBa/F3.p210M351T更なるアッセイには、融合タンパク質キナーゼを発現するBa/F3細胞TEL−PDGFRβ TEL−JAK1、NPM−ALK、TEL−cKit、Tel−Bmx、Tel−FGR3、Tel−Lck及びBa/F3.TPR−met cellsを使用した。全ての前記の細胞株は、L−グルタミン、10%FBS及び1mg/ml ジェネテシン(Gibco)を含むRPMI−1640倍地で維持した。ヒト白血病性細胞株K562(p210 Bcr−abl発現慢性骨髄性白血病)、HL−60(急性前骨髄球性白血病)、SUP/B15(p190Bcr−abl発現急性リンパ芽球性白血病)及びJurkat(急性T細胞白血病)は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)から購入し、ATCCの推奨に従い培養した。
【0153】
増殖アッセイ
薬物濃度(0.005−10μM)を増加させた96−ウエルプレートに、二重又は三重に細胞(0.3−0.6×10/ml)を播種した。5%CO雰囲気下37℃で48時間インキュベート後、前記の化合物の前記の細胞の成育への効果をMTT(Promega)比色染料脱色法により測定した。細胞の増殖の阻害は、DMSOで処理された細胞の成育のパーセントとして算定し、そしてIC50値をMicrosoft Excel XLfit3により算定した。
【0154】
前記の薬物の併用が細胞増殖について相乗作用であるか又は付加的な作用であるかを評価するために、Ba/F3.p210細胞のイマチニブ及びGNF−2による処理を同時に実施した。各化合物を単独又は組み合わせにより、その濃度を増加させて処理した細胞を5%CO雰囲気下37℃で48時間インキュベートし、そして前記のMTTアッセイにより細胞の成育状況を決定した。in vitroにおける付加的作用、相乗作用又は拮抗作用を、CalcuSyn Softwareを使用する二つの別々の実験からコンビネーション インデックスを算定した。
【0155】
細胞周期分析
異なる濃度の化合物を含む培地で24時間か又は48時間生育させた細胞を遠心分離(10分間,4°C)で集め、PBSで2回洗浄し、そして−20℃で70%エタノールにより固定した。固定化後、遠心分離(10分間,4°C)でエタノールを除き、得られた細胞を1mM EDTA及び100μg/ml RNAse A(Sigma)を含むPBSに懸濁し、ついで37°Cで30分間インキュベートした。細胞をヨウ化プロピジウム(10μg/ml)により染色し、ついでフローサイトメトリー(FACScan, Becton Dickinson)によりDNA含量を決定した。
【0156】
ホスホチロシン分析
Bcr−ablの全の細胞チロシンのリン酸化レベルを、最初にcapture ELISAを使用して決定した。異なる濃度の試験化合物により90分間処理されたBcr−abl発現細胞を、溶解バッファー(50 mM Tris.HCl pH7.4、150 mM NaCl、5 mM EDTA、1 mM EGTA、1% NP−40, 2 mM Na3VO4及びprotease inhibitor cocktail(Roche))中でホモゲナイズし、ついで得られた溶解産物を、吸着された抗Abl SH3ドメインポリクローナル抗体(Upstate Biotechnology)を含む96ウェルプレートに播種した。そのプレートを4℃で4時間インキュベートし、ついでPBS/0.05% Tween 20バッファーで洗浄した。ホスホチロシン残基を検出するために、アルカリホスファターゼを結合したモノクローナル抗ホスホチロシン抗体を各ウェルに添加し、そのプレートを4℃で一夜インキュベートした。ついでそのウェルをPBS/0.05% Tween 20バッファーで洗浄し、Emerald−II(登録商標) enhancer substrate (Applied Biosystems)を有するCDP−Star(登録商標) Substrateの100μl/ウェルを添加した。45分間後、GeminiXS microplate reader (Molecular Devices)により発光量を定量した。Bcr−ablホスホチロシン含量を、非処理の細胞のホスホチロシンのパーセントとして算定し、そしてIC50値はMicrosoft Excel XLfit3により決定した。薬剤による処理後における細胞のBcr−ablのチロシンのリン酸化及びその基質であるStat5の状態は、リンに特異的な抗体を使用するウエスタンブロッティング法により決定された。Ba/F3.p210及びBa/F3.p210E255V細胞を様々な濃度のGNF−2の存在下で1.5時間インキュベート後、溶解バッファー(20mM Tris−HCl (pH7.5)、150 mM NaCl、1 mM NaEDTA、1 mM EGTA、1% Triton、2.5 mMニリン酸ナトリウム、1 mMベータ−グリセロリン酸、1 mM NaVO、1 μg/mlロイペプチンl、1 mM PMSF)中で溶解させた。等量の溶解産物(50μg)をSDS−PAGEにかけ、ついでBcr−ablのリン酸化サイトを認知できるリンに特異的な抗体、すなわち、anti−phospho−c−Abl (Tyr 245)及びanti−phospho−Stat5 (Tyr 694) (Cell signaling) 抗体又はBcr−ablに対する抗体 (Ab−3, Oncogene Science)及びStat5 (C−17, Santa Cruz Biotechnology)による免疫ブロッテイング法を行なった。タンパク質を、改良された化学発光分析法(ECL−plus, Amersham)により製造者の使用手順書に従い、検出した。
【0157】
タンパク質の発現及び精製
前記のようにBac−to−Bac baculovirus expression system (Invitrogen)を使用して、Sf9昆虫細胞においてHis tag融合タンパク質として組換えc−abl(残基46−531)を発現させた。簡潔に言えば、感染させた細胞を48時間発育させ、遠心分離により採取し、溶解バッファー(50mM Tris pH 8.0、300mM NaCl、5%グリセロール、10mM 2−メルカプトエタノール及びprotease inhibitor cocktail (Roche))に懸濁させ、ついで超音波処理により溶解させた。遠心分離後、得られた細胞抽出物をNi−NTA affinity columnにかけ、ついでAblを250mMイミダゾールにより溶出させた。Ablを含むフラクションを集め、ついで透析によりイミダゾールの濃度を20 mMまで低下させた。得られたタンパク質をCiPアルカリホスファターゼ(Invitrogen)により処理し、ついでsecond Ni affinity chromatographyにより精製した。前記のHis tagをTEV protease (Invitrogen)による処理により除き、ついでSDS−PAGE及びcoomassie blue stainingによりNi−NTA columnから回収された前記のタンパク質は〜90%の純度であった。
【0158】
キナーゼアッセイ
In vitroにおけるキナーゼアッセイを、SH3、SH2及びキナーゼドメイン(残基46−531)及び全長免疫沈降Bcr−ablを含む組換えネズミc−ablを使用して実施した。組換えablをSf9昆虫細胞に発現させ、前記の方法で精製した。前記のBa/F3.p210溶解産物からBcr−abl免疫複合体を、Ab−3抗−abl モノクローナル抗体(Oncogene Science)により得た。1μgの組換えabl又は免疫沈降されたBcr−abl(3×10細胞を使用)を、様々な濃度の試験化合物(0.1、1及び10μM)と共にキナーゼバッファー(50mM Tris−HCl pH7.5、10mM MgCl、100mM EDTA、1mM DTT、0.015% Brij 35)、100μM ATP及び1μCi [γ−32P]−ATP中30℃で30分間インキュベートした(Calbiochem buffer and protocol)。
前記の反応をLaemmli bufferを加えて止め、ついで前記のタンパク質を、4−20%ゲルのSDS−PAGEにより分析した。
前記のリン酸化されたタンパク質を放射能写真撮影法により可視化し、ついでphosphoimager (STORM, Molecular Devices)により前記の自己リン酸化を定量した。その結果は、以下の表に示した。
【0159】










【0160】

【0161】





【0162】




【0163】





【0164】

【0165】















【0166】

【0167】
参照文献の援用
本明細書において引用されたすべての参照文献は、印刷体、電子フォーム、コンピュータ可読媒体又はその他の形態であろうとそれらのすべての内容が引用により明確に援用されている。前記の参照文献としては、要約、記事、ジャーナル、出版物、教科書、専門書、技術データシート、インターネットウエブサイト、データベース、特許、特許出願及び特許出版物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0168】
均等物
当業者ならば、確立された実験程度で本明細書に開示された本発明の具体的な態様を認知するであろうし、又は確認できるであろう。前記の均等物は、以下のクレームに包含されていることを意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化40】

[式中、X1、X2又はX3の各々が独立して、NR1、CR1、C(O)、O又はSであり;
各R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、ハロ、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)R"、-SRx、-S(O)Rx、-S(O)2Rx、-ORx、-NRxRx、ニトロ、シアノ又は存在しないから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、C1-6ハロアルキル、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
R2がH又はC1-6アルキルであり;
YがH、OH、NH2又はCH3であり;
mが1又は2であり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物又はその薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物。
【請求項2】
式II:
【化41】

[式中、R1がH、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、 (CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Rx又は-S(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
以下の化合物から選ばれる、請求項2に記載の化合物。
2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−lH−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル)エタノール;
(1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−エチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−エタンスルホニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−シクロヘキシル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル]−エタノール;
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル]−アセトアミド;
3−[4−[(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル]−プロピオンアミド;
[1−(テトラヒドロ−フラン−3−イルメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
3−ジメチルアミノ−2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−l−イル]−プロピオニトリル;
(1−ブチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−tert−ブチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−tert−ブチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[1−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−ベンジル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−フェネチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[1−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[1−(3−ブロモ−ベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イルメチル]−フェノール;
(1−ピリジン−3−イルメチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−ピリジン−2−イルメチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−ピリジン−4−イルメチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
2−{2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−エチル}−イソインドール−1,3−ジオン;
[1−(2−アミノ−エチル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[1−(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミン;
[1−(2,3−ジメチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[1−(2−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[1−(2−エチル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(1−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−ベンゼンスルホンアミド;
【請求項4】
式III:
【化42】

[式中、R1がH、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、 (CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Rx又は-S(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
以下の化合物から選ばれる、請求項4に記載の化合物。
2−(4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル)エタノール;
(2−エチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(2−シクロヘキシル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル]−エタノール;
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル]−アセトアミド;
[2−(テトラヒドロ−フラン−3−イルメチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(2−ブチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[2−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(2−ベンジル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(2−フェネチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[2−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[2−(3−ブロモ−ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イルメチル]−フェノール;
(2−ピリジン−3−イルメチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[2−(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミン;
[2−(2,3−ジメチル−フェニル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[2−(2−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[2−(2−エチル−フェニル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(2−ピリジン−2−イルメチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
【請求項6】
式IV:
【化43】

[式中、各R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、
任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Rx、-S(O)2Rx又は存在しないから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
以下の化合物から選ばれる、請求項6に記載の化合物。
(9−メチル−9H−プリン−6−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(7−メチル−7H−プリン−6−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
2−ヒドロキシメチル−5−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−9−プリン−9−イル]−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオール;
[9−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−9H−プリン−6−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
【請求項8】
式V:
【化44】

[式中、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、-C(O)Rx、-ORx、-SRx、-NRxRx、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、 (CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx又は -(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rxから選ばれ;
Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
R1’が、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、(CH2)nC(O)Ry、(CH2)nC(O)ORy、(CH2)nC(O)NRyRy、-C(O)Ry、-C(S)Ry、-C(NR)Ry、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Ry又は-S(O)2Ryから選ばれ、
Ryが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり、
各nが独立して、0、1又は2であり、及び
R2がH又はC1-4アルキルである。]で表される、請求項1に記載の化合物
【請求項9】
R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、-C(O)Rx、-ORx、-SRx、-NRxRx、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx又は-(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rxから選ばれ;
Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、NHNHR2又は C(NH)NH2であり;及び
R2がH又はC1-4アルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
R1’が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、(CH2)nC(O)Ry、(CH2)nC(O)ORy、(CH2)nC(O)NRyRy、-C(O)Ry、-C(S)Ry、-C(NR)Ry、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Ry又は-S(O)2Ryから選ばれ;
Ryが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、又はC1-6ハロアルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
以下の化合物から選ばれる、請求項8に記載の化合物。
N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド;
2−ヒドロキシメチル−5−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオール;
(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(7−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
2−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−エタノール;
[7−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−アミン;
[7−(4−メトキシ−ベンジル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド;
N−エチル−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド;
N−(3−メトキシ−プロピル)−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド;
N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−3−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−プロピオンアミド;
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル;
(4−ブロモ−ピペリジン−1−イル)−[7−メチル−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
1−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;
1−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]−ピペリジン−3−カルボン酸アミド;
1−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]−ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル;
(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
8−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]−1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4,5]デカン−4−オン;
[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノール;
(2−メトキシメチル−ピロリジン−1−イル)−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸アミド;
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルアミド;
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(1−エチル−ピロリジン−2−イル)−アミド;
N−[7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボニル]グアニジン;
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(4−ジエチルアミノ−1−メチル−ブチル)−アミド;
4−(2−ブロモ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1H−ピロロ[2,3−d]ピリジン−5−カルバルデヒド;
【請求項12】
式VI:
【化45】

[式中、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、-C(O)Rx、-ORx、-SRx、-NRxRx、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx又は-(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、NHNHR2又はC(NH)NH2から選ばれ;R2がH又はC1-4アルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
以下の化合物から選ばれる、請求項12に記載の化合物。
N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(4−トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボキアミド;
チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(6−メチル−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸メチルエステル;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミド;
[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノール;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸エチルアミド;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
[6−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イルメチル)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(1−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−アミド;
(2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
ピペラジン−1−イル−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
(4−ピロリジン−1−イル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−[4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミド;
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
(4−ヒドロキシ−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
(4−メトキシ−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−メタノン;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−チエノ[2,3−d]ピリミジン−6−カルボン酸[2−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシ−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド;
【請求項14】
式VII:
【化46】

[式中、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、-C(O)Rx、-ORx、-SRx、-NRxRx、ニトロ、シアノ、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx又は-(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rxから選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
R2がH又はC1-4アルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
以下の化合物から選ばれる、請求項14に記載の化合物。
4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエチル)キナゾリン−7−カルボキサミド;
4−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸メチルエステル;
[4−(4−(トリフルオロメトキシ)−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノール;
(7−ジエチルアミノメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸ジエチルアミド;
[4−(フラン−3−カルボニル)―ピペラジン−1−イル]―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸(3−トリフルオロメチルフェニル)−アミド;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸(3−メトキシ−プロピル)−アミド;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸N’−エチル−ヒドラジド;
(2−{[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−アミノ}−チアゾール−5−イル)−酢酸エチルエステル;
(4−メトキシ−ピペラジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
(2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
(3−シメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミド;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸メチル−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミド;
4−メチル−N−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−ベンゼンスルホンアミド;
2−メチル−プロパン−2−スルホン酸[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−アミド;
(4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
(3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミド;
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド;
1−フェニル−8−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−4−オン;
(4−ブロモ−ピペリジン−1−イル)−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
1−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;
1−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;
1−[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−カルボニル]−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル;
(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)―[4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−キナゾリン−7−イル]−メタノン;
【請求項16】
式VIII:
【化47】

[式中、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC1-6アラルキル、任意に置換されたC1-6ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、 (CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、ハロ、C1-6ハロアルキル、-S(O)Rx又は-S(O)2Rxから選ばれ、
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又はC1-6ハロアルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
以下の化合物から選ばれる、請求項16に記載の化合物。
4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン;
7−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン;

【請求項18】
式IX:
【化48】

[式中、R3がH又はC1-4アルキルであり;
LがNR3、O、S、 S(O)、S(O)2、C(O)、C(S)、C(NR)、C(NRx)NRx、C(O)NRx、C(O)NRxNRx、C(O)ONRx、C(O)NRxO、C(O)O、OC(O)、OC(O)O又は結合であり;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、C1-6ハロアルキル、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
Aが任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC3-12シクロアルキル又は任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキルである。]で表される化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物。
【請求項19】
Aが任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール又は任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
Aが任意に置換されたフェニル環、任意に置換されたナフチル環、任意に置換されたピペリジン環、任意に置換されたイミダゾール環、任意に置換されたピラゾール環、任意に置換された1H−ピラゾール環、任意に置換されたピロロ[2,3−d]ピリミジン環、任意に置換されたピリミジン環、任意に置換されたピラジン環、任意に置換されたピリジン環、任意に置換されたインドール環、任意に置換された1H−インドール環、任意に置換されたフラン環、任意に置換されたベンゾ[b]チオフェン環、任意に置換されたジベンゾフラン環、任意に置換された1H−ピリジン−2−オン環、任意に置換されたチアゾール環又はエチル基である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
Aが、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12ヘテロシクロアルキル、C3-14アラルキル、C3-14ヘテロアラルキル、C3-12アリール、(CH2)pC3-12アリール、C3-12ヘテロアリール、 (CH2)pC3-12ヘテロアリール、ハロゲン、ハロアルキル、シアノ、(CH2)pCN、ニトロ、C1-6アルコキシ、C3-12アリールオキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキル、ヒドロキシル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6カルボキシル、CHO、アミノ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、OR15、SR15、NR17R17C(O)OR15、C(O)NR15R16、OC(O)NR15R16、NR15C(O)NR15R16、NR17S(O)2R15、NR17(CH2)nR17、C(O)R17、C(O)NR17R17、NR15C(O)R17、S(O)R17、S(O)2R17又はS(O)2NR17R17により任意に置換され;
各R15が独立して、水素、C3-14アラルキル、C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12アリール、C3-12ヘテロシクロアルキル又はC3-12ヘテロアリールであり、
各R16が独立して、水素、C3-14アラルキル又はC1-6アルキルであり、各R17が独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシ、C3-12シクロアルキル、C3-12アリール、C3-12ヘテロアリール、C3-12ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシルであるか、又は各R17が、もう一つのR17とともにヘテロシクロアルキル環を形成してもよく、
ここにおいて、A、R15、R16及びR17のそれぞれが、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C3-12ヘテロシクロアルキル、アミノ、ハロゲン、C1-6ハロアルキル、SO2アルキル又はNHC(O)アリールにより任意にさらに置換されていてもよく;及び
各pが独立して0-6である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
以下の化合物から選ばれる、請求項18に記載の化合物。
4−(6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミノ)−5−メチルピリミジン−4−イル)−N−(2−モルホリノエチル)ベンズアミド;
6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジン−4−アミン;
N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−6−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−4−アミン;
4−[6−(4−(トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド;
N−メチル−4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド;
N−エチル−4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド;
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド;
[6−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(4−メタンスルホニル−フェニル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
{6−[4−(プロパン−2−スルホニル)−フェニル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
{5−メチル−6−[4−(プロパン−2−スルホニル)−フェニル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
N,N−ジエチル−4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド;
N,N−ジエチル−4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド;
{6−[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
4−メチル−N−{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−ベンゼンスルホンアミド;
4−メチル−N−{4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−ベンゼンスルホンアミド;
{6−[4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
N−{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド;
エタンスルホン酸{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド
ブタン−1−スルホン酸{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド;
プロパン−2−スルホン酸{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド;
ペンタン−2−スルホン酸{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アミド;
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンズアミド;
4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)ベンズアミド;
N−(3−メトキシ−プロピル)−4−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンズアミド;
N−{3−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アセトアミド;
3−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンズアミド;
3−[5−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−安息香酸;
(6−ビフェニル−4−イル−ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(6−ビフェニル−4−イル−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(5−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(5−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
{3−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−アセトニトリル;
[6−(3−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
4−メトキシ−N−{4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フェニル}−ベンズアミド;
[6−(4−アミノメチル−フェニル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
5−ブロモ−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−N’−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン;
1−[5−ブロモ−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ピペリジン−3−カルボン酸アミド;
{6−[2−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−イミダゾール−1−イル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−{6−[2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−イミダゾール−1−イル]−ピリミジン−4−イル}−アミン;
N−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−N’−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリミジン−4,6−ジアミン;
[6−(3−アミノ−5−シクロプロピル−ピラゾール−1−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
N−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−N’−[1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)]−1H−イミダゾール−2−イル]−ピリミジン−4,6−ジアミン;
(6−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル−ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[6−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−アミン;
{6−[1−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1−エタンスルホニル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1−ピリジン−4−イルメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
N6−(2−モリホリン−4−イル−エチル)−N6’−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[4,4’]ビピリミジニル−6,6’−ジアミン;
[5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[5−メチル−6−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1H−インドール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1H−インドール−3−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−フラン−2−カルバルデヒド;
(6−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1H−インドール−4−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
(6−ジベンゾフラン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
N6,N6’−ビス−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[4,4’]ビピリミジニル−6,6’−ジアミン;
N6−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−N6’−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−[4,4’]ビピリミジニル−6,6’−ジアミン;
N−(4−メチル−3−{1−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イルアミノ}−フェニル)−ベンズアミド;
N−(4−メチル−3−{1−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イルアミノ}−フェニル)−4−モルホリン−4−イルメチル−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
[6−(1−ピリジン−3−イルメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
[6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−1H−ピリジン−2−オン;
[6−(2−メチル−チアゾール−4−イル)−ピリミジン−4−イル]−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
2−フルオロ−5−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イル]−ベンズアルデヒド;
{6−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−4−イル]−ピリミジン−4−イル}−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミン;
【請求項23】
式X:
【化49】

[式中、X2又はX3の各々が独立して、NR1、CR1、C(O)、O、又はSであり;
各R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、任意に置換されたC2-6アラルキル、任意に置換されたC2-12ヘテロアラルキル、任意に置換されたC1-6ハロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12アリール、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロアリール、任意に置換された(CH2)nC3-12シクロアルキル、任意に置換された(CH2)nC3-12ヘテロシクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミノアルキル、ハロ、(CH2)nC(O)Rx、(CH2)nC(O)ORx、(CH2)nC(O)NRxRx、-(CH2)nC(O)NRxRxS(O)2Rx、-C(O)Rx、-C(S)Rx、-C(NR)Rx、-SRx、-S(O)Rx、-S(O)2Rx、-ORx、-NRxRx、ニトロ、シアノ、又は存在しない、から選ばれ;
各Rxが存在する場合に独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12シクロアルキル、任意に置換されたC3-12ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC3-12アリール、任意に置換されたC3-12ヘテロアリール、C1-6ハロアルキル、NHNHR2又はC(NH)NH2であり;
R2がH又はC1-6アルキルであり;及び
各nが独立して、0、1又は2である。]で表される化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物。
【請求項24】
式XI:
【化50】

[式中、R1が独立して、H、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-12アリール又は任意に置換されたC3-12ヘテロアリールから選ばれる。]で表される、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
以下の化合物から選ばれる、請求項24に記載のの化合物。
2−(3−ニトロフェニル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−7−アミン;
2−ヒドロキシ−3−[7−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−2−イル]−ベンズアミド;
【請求項26】
被験体におけるキナーゼ活性に関連する障害を治療する方法であって、
その必要性がある前記被験体に、請求項1−25のいずれか一つに記載の化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物の有効量を投与するステップを含む、方法。
【請求項27】
前記化合物がキナーゼ阻害剤である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物がBcr-ablと作用し合う、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記化合物がBcr-ablの結合サイトをターゲットとする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記被験体が、キナーゼ阻害の必要性があると同定され、そして前記化合物が、前記同定された被験体に投与される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
キナーゼ活性に関連する障害のために前記治療の必要性について被験体を同定するステップ及び前記同定された被験体に前記化合物を投与するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記被験体が細胞増殖性障害又は疾患を患う、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記障害が癌、腫瘍、新生物、血管新生(neovascularization)、血管新生(vascularization)、循環器疾患、転移、感染症、血液凝固、アテローム性動脈硬化症、メラノーマ、皮膚障害、関節リウマチ、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫若しくは黄斑変性症、炎症及び関節炎、又は骨肉腫である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記被験体が固形癌又は播種性癌を患う、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記癌が白血病、多発性骨髄腫又はリンパ腫である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記白血病が慢性骨髄性白血病である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
被験体における癌を治療する方法であって、
前記被験体に、請求項1−25のいずれか一つに記載の化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物の有効量を投与するステップを含む、方法。
【請求項38】
補足的な治療剤を投与するステップをさらに含む、請求項26又は請求項37に記載の方法。
【請求項39】
補足的な治療剤がATP-サイト阻害剤である、請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記ATP-サイト阻害剤がイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、AP234464、AZD0530及びSKI-606から選ばれる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記被験体が哺乳動物である、請求項26又は請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記被験体が霊長類又はヒトである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記化合物を投与する前記ステップが、前記化合物を経口、局所、非経口、静脈内、又は筋肉内に投与するステップを含む、請求項26又は請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記化合物及び薬学的に適切な賦形剤を含む組成物の有効量を投与するステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記化合物を投与する前記ステップが、約0.01μg/kg/dayから100 mg/kg/dayまでの間の用量で前記化合物を投与するステップを含む、請求項26又は請求項37に記載の方法。
【請求項46】
被験体におけるキナーゼ活性を阻害する方法であって、
前記被験体に、請求項1−25のいずれか一つに記載の化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を投与するステップを含む、方法。
【請求項47】
請求項1−25のいずれか一つに記載の化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物を含む薬学的組成物。
【請求項48】
さらに補足的な治療剤を含む、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記補足的な治療剤がATPサイト阻害剤である、請求項48の組成物。
【請求項50】
用量単位形態で請求項1−25のいずれか一つに記載の化合物、その薬学的に受容される塩、その溶媒和物又はその水和物の有効量を、細胞の増殖障害を患うか又は細胞の増殖障害に敏感な被験体に前記化合物を投与するのための指示書と共に含むキット。
【請求項51】
Bcr-ablのキナーゼ活性を調節する化合物を同定する方法であって、
a)Bcr-ablと、前記Bcr-ablのキナーゼ活性の調節に適切な条件下で化合物と接触させるステップ、及び
b)前記化合物による前記Bcr-ablのキナーゼ活性の調節を検出するステップであって、前記化合物がBcr-ablのミリスチン酸結合サイトと相互作用することができる、ステップを含む、方法
【請求項52】
前記化合物とBcr-ablのミリスチン酸結合サイトとの相互作用が、結合よる相互作用である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記結合による相互作用が、イオン性、共有結合又は非直接的相互作用である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記化合物が、Ala452、Tyr454、Glu481、Pro484、Val487、 Phe516、Ile521又はVal525との結合による相互作用を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記キナーゼ活性の調節が、Bcr-ablのミリスチン酸結合サイトへの前記化合物の直接的な結合により検出される、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記化合物が新たにデザインされる、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
前記化合物が、Bcr-ablのミリスチン酸結合サイトの知られたリガンドからデザインされる、請求項51に記載の方法。



【公表番号】特表2011−504927(P2011−504927A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536015(P2010−536015)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/013219
【国際公開番号】WO2009/073153
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(501218245)ダナ−ファーバー キャンサー インスティテュート インク. (4)
【氏名又は名称原語表記】Dana−Farber Cancer Institute, Inc.
【住所又は居所原語表記】44 Binney Street, Boston, MA 02115(US)
【Fターム(参考)】