説明

III族窒化物半導体積層ウェハ及びIII族窒化物半導体デバイス

【課題】Alを含むIII族窒化物系半導体からなるチャネル層を備え、二次元電子ガスの移動度を高め電流特性を向上させることが可能なIII族窒化物半導体デバイス、及び該III族窒化物半導体デバイスの作製に用いられるIII族窒化物半導体積層ウェハを提供する。
【解決手段】III族窒化物半導体積層ウェハ10は、AlGa1−XN(0<X≦1)からなる基板27と、Alを含むIII族窒化物系半導体からなり基板27上に設けられた第1のAlGaN層13と、第1のAlGaN層13上に設けられ、第1のAlGaN層13よりバンドギャップが大きいIII族窒化物系半導体からなる第2のAlGaN層15とを備える。第1のAlGaN層13の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅は、1000[arcsec]未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、III族窒化物半導体積層ウェハ及びIII族窒化物半導体デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、高電子移動度トランジスタ(HEMT:HighElectron Mobility Transistor)が記載されている。非特許文献1に記載されたHEMTでは、SiC基板上にAlN層(50[nm])、Al0.06Ga0.94N層(100[nm])、チャネル層としてのAl0.06Ga0.94N層(450[nm])、及びバリア層としてのAl0.31Ga0.69N層(25[nm])が順に積層されている。また、非特許文献1には、HEMTにおいてチャネル層にAlGaNを用いると、合金散乱により電子移動度が低下すると記載されている。
【0003】
非特許文献2には、HEMTが記載されている。非特許文献2に記載されたHEMTでは、サファイア基板上にAlNバッファ層、AlGaNチャネル層、及びAlGaNバリア層が順に積層されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Ajay RAMAN et al., ”AlGaN ChannelHigh Electron Mobility Transistors: Device Performance and Power-SwitchingFigure of Merit”, Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 47, No.5, pp. 3359-3361 (2008)
【非特許文献2】Takuma Nanjo et al., ”Remarkablebreakdown voltage enhancement in AlGaN channel high electron mobilitytransistors”, Applied Physics Letters, Vol. 92, 263502 (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、窒化ガリウム系半導体を材料に用いたHEMT等の電子デバイスは、その高い破壊電界強度と二次元電子ガスチャネルの高い移動度により有望視されている。このような電子デバイスとしては、チャネル層にGaNを用い、チャネル層とヘテロ接合を構成するバリア層にAlGaNを用いることが一般的に行われている。
【0006】
一方、例えばAlGaNといったAlを含むIII族窒化物系半導体は、GaNと比較してバンドギャップが大きく、破壊電界強度がより高いため、これをチャネル層に用いることにより更に高耐圧・高出力の電子デバイスを作製することが可能となる。チャネル層にAlを含む構造については、例えば上述した非特許文献1や非特許文献2において、チャネル層にAlGaNを用いることが試みられている。
【0007】
しかしながら、従来の考え方では、Al組成が高くなるほど合金散乱の影響によって二次元電子ガスの移動度が低下するため、Alを含まないGaNをチャネル層に用いた場合と比較して、チャネル層にAlを含む場合には良好な電流特性を得ることができないとされている。非特許文献1の記載においても、チャネル層のAl組成が30%程度の場合に移動度が200[cm/V・s]未満(通常のGaNチャネルHEMTの1/5以下)と極めて低い値となっている。
【0008】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、Alを含むIII族窒化物系半導体からなるチャネル層を備え、二次元電子ガスの移動度を高め電流特性を向上させることが可能なIII族窒化物半導体デバイス、及び該III族窒化物半導体デバイスの作製に用いられるIII族窒化物半導体積層ウェハを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明による第1のIII族窒化物半導体積層ウェハは、AlGa1−XN(0<X≦1)からなる基板と、Alを含むIII族窒化物系半導体からなり基板上に設けられた第1の半導体層と、第1の半導体層上に設けられ、第1の半導体層よりバンドギャップが大きいIII族窒化物系半導体からなる第2の半導体層とを備え、第1の半導体層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明による第2のIII族窒化物半導体積層ウェハは、基板上に設けられたAlGa1−XN(0<X≦1)層と、Alを含むIII族窒化物系半導体からなりAlGa1−XN層上に設けられた第1の半導体層と、第1の半導体層上に設けられ、第1の半導体層よりバンドギャップが大きいIII族窒化物系半導体からなる第2の半導体層とを備え、第1の半導体層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明による第1のIII族窒化物半導体デバイスは、AlGa1−XN(0<X≦1)からなる基板と、Alを含むIII族窒化物系半導体からなり基板上に設けられたチャネル層と、第1の半導体層上に設けられ、第1の半導体層よりバンドギャップが大きいIII族窒化物系半導体からなるバリア層とを備え、チャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明による第2のIII族窒化物半導体デバイスは、基板上に設けられたAlGa1−XN(0<X≦1)層と、Alを含むIII族窒化物系半導体からなりAlGa1−XN層上に設けられたチャネル層と、第1の半導体層上に設けられ、第1の半導体層よりバンドギャップが大きいIII族窒化物系半導体からなるバリア層とを備え、第1の半導体層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満であることを特徴とする。
【0013】
一般的に、GaNからなるチャネル層を有するHEMT等の半導体デバイスにおいては、二次元電子ガスの移動度とGaNの結晶性との間には有意な相関がなく、例えば2つのHEMT間でGaNチャネル層のX線ロッキングカーブの半値幅が大きく異なる場合であっても、バリア層との界面におけるシート抵抗値は殆ど変化しない。したがって、GaNチャネル層の下地基板としてサファイア基板やSiC基板が多く用いられている。
【0014】
これに対し、本発明者は鋭意研究の末、Alを含むIII族窒化物系半導体からなるチャネル層(第1の半導体層)における二次元電子ガスの移動度が、該チャネル層の結晶性に大きく依存しており、結晶性が良好であれば十分な移動度を得ることが可能なことを見出した。すなわち、チャネル層(第1の半導体層)の(0002)面や(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満という極めて低い値となるようにチャネル層(第1の半導体層)を形成することによって、バリア層(第2の半導体層)との界面におけるシート抵抗値を低減し、二次元電子ガスの移動度を高めることが可能となる。
【0015】
上記した第1及び第2のIII族窒化物半導体積層ウェハ、並びに第1及び第2のIII族窒化物半導体デバイスにおいては、チャネル層(第1の半導体層)が、その(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満となるように、AlGa1−XN(0<X≦1)からなる基板上若しくはAlGa1−XN層上に形成されている。これにより、二次元電子ガスの移動度を高め電流特性を向上させることが可能となる。
【0016】
また、上記第1及び第2のIII族窒化物半導体積層ウェハは、第1の半導体層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が400[arcsec]未満であることを特徴とする。同様に、上記第1及び第2のIII族窒化物半導体デバイスは、チャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が400[arcsec]未満であることを特徴とする。このように、チャネル層(第1の半導体層)の結晶性を更に良くすることで、二次元電子ガスの移動度をより高め、電流特性を格段に向上させることが可能となる。
【0017】
また、上記第1及び第2のIII族窒化物半導体積層ウェハは、第1及び第2の半導体層が共にAlGaNからなることを特徴としてもよい。同様に、上記第1及び第2のIII族窒化物半導体デバイスは、チャネル層及びバリア層が共にAlGaNからなることを特徴としてもよい。これにより、破壊電界強度が極めて大きく且つ二次元電子ガスの移動度が高いIII族窒化物半導体デバイスを得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、Alを含むIII族窒化物系半導体からなるチャネル層を備え、二次元電子ガスの移動度を高め電流特性を向上させることが可能なIII族窒化物半導体デバイス、及び該III族窒化物半導体デバイスの作製に用いられるIII族窒化物半導体積層ウェハを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、一実施形態に係るIII族窒化物半導体積層ウェハ10の構造を示す図面である。
【図2】図2は、一実施形態に係るIII族窒化物半導体デバイス11の構造を示す図面である。
【図3】図3は、積層ウェハA1〜A6の基板種類、AlNエピタキシャル層の厚さ、AlNエピタキシャル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、及びAlGaNチャネル層のAlGaNバリア層との界面付近におけるシート抵抗値をそれぞれ示す図表である。
【図4】図4は、積層ウェハB1〜B4の基板種類、AlNエピタキシャル層の厚さ、AlNエピタキシャル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、及びAlGaNチャネル層のAlGaNバリア層との界面付近におけるシート抵抗値をそれぞれ示す図表である。
【図5】図5は、AlGaNチャネル層の(0002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を積層ウェハA1〜A6及びB1〜B4について示したグラフである。
【図6】図6は、AlGaNチャネル層の(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を積層ウェハA1〜A6及びB1〜B4について示したグラフである。
【図7】図7は、積層ウェハC1、C2の基板種類、AlNエピタキシャル層の厚さ、AlNエピタキシャル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、及びAlGaNチャネル層のAlGaNバリア層との界面付近におけるシート抵抗値をそれぞれ示す図表である。
【図8】図8は、積層ウェハD1の基板種類、AlNエピタキシャル層の厚さ、AlNエピタキシャル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、及びAlGaNチャネル層のAlGaNバリア層との界面付近におけるシート抵抗値をそれぞれ示す図表である。
【図9】図9は、AlGaNチャネル層の(0002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を、積層ウェハA1〜A6に加えて積層ウェハC1、C2及びD1について示したグラフである。
【図10】図10は、AlGaNチャネル層の(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を、積層ウェハA1〜A6に加えて積層ウェハC1、C2及びD1について示したグラフである。
【図11】図11は、積層ウェハE1〜E3の基板種類、GaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、及びAlGaNバリア層との界面付近におけるGaNチャネル層のシート抵抗値をそれぞれ示す図表である。
【図12】図12は、GaNチャネル層の(0002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を、積層ウェハA1〜A6,C1、C2及びD1に加えて積層ウェハE1〜E3について示したグラフである。
【図13】図13は、GaNチャネル層の(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を、積層ウェハA1〜A6,C1、C2及びD1に加えて積層ウェハE1〜E3について示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明によるIII族窒化物半導体積層ウェハ及びIII族窒化物半導体デバイスの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、本実施形態に係るIII族窒化物半導体積層ウェハの構造を示す図面である。III族窒化物半導体積層ウェハ10は、Alを含むIII族窒化物半導体からなる第1の半導体層としての第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N(0<X1≦1、0≦Y1<1、0<X1+Y1≦1)層13と、III族窒化物半導体からなる第2の半導体層としての第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N(0≦X2≦1、0≦Y2≦1、0<X2+Y2≦1)層15とを備える。第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15は、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13上に設けられており、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13よりバンドギャップが大きく、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13とヘテロ接合を成す。また、後述するように、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅は1000[arcsec]未満であることが好ましく、400[arcsec]未満であることが尚好ましい。なお、上記X線ロッキングカーブの半値幅の下限は、例えば10[arcsec]である。
【0022】
第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13および第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15は、共にAlGaNからなる(すなわちY1=Y2=0、0<X1<1、0<X2<1)ことができる。第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13及び第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15は、例えば有機金属気相成長法で成長される。
【0023】
好適な実施例では、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13の厚さは例えば600[nm]であり、Al原子組成比X1は0.3であり、In原子組成比Y1は0である。また、第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15の厚さは例えば30[nm]であり、Al原子組成比X2は0.4であり、In原子組成比は0である。
【0024】
第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13は、エピタキシャル層17上に設けられている。エピタキシャル層17は、III族窒化物系半導体からなり、例えばAlNからなる。エピタキシャル層17は、基板27上に設けられている。第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13の上述したX線ロッキングカーブの半値幅を達成するためのエピタキシャル層17の好適な厚さは、基板27の種類に依存する。例えば、基板27がAlGa1−XN(0<X≦1)からなる場合には、エピタキシャル層17の好適な厚さは例えば600[nm]、もしくはそれ以上である。また、基板27がサファイアやSiCといったIII族窒化物以外の組成を有する場合には、エピタキシャル層17の好適な厚さは例えば600[nm]、より好ましくは、900[nm]以上、さらに好ましくは、2000[nm]以上である。なお、基板27がAlGa1−XN(0<X≦1)からなる場合、基板27の好適な厚さは例えば430[μm]である。エピタキシャル層17は、例えば有機金属気相成長法で成長される。基板27がAlを含む場合には、エピタキシャル層17を省略し、基板27上に第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13を直接成長してもよい。
【0025】
図2は、本実施形態に係るIII族窒化物半導体デバイス11の構造を示す図面である。III族窒化物半導体デバイス11は、例えばヘテロ接合トランジスタ又はショットキバリアダイオードである。III族窒化物半導体デバイス11は、基板27上に順に積層されたエピタキシャル層17、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13、及び第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15を備える。これらの層の構成は、図1に示したIII族窒化物半導体積層ウェハ10と同様であり、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13はチャネル層として働き、第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15はバリア層として働く。また、III族窒化物半導体デバイス11は、第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15上に並んで設けられた電極19及び21を更に備える。また、III族窒化物半導体デバイス11は、第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15上において電極19と電極21との間に設けられた電極23を更に備える。
【0026】
III族窒化物半導体デバイス11がヘテロ接合トランジスタであるとき、電極19はソース電極及びドレイン電極の一方であり、電極21はソース電極及びドレイン電極の他方であり、電極23はゲート電極である。或いは、III族窒化物半導体デバイス11がショットキバリアダイオードであるとき、電極19及び21はアノード電極であり、電極23はカソード電極である。
【0027】
III族窒化物半導体デバイス11の動作中のある期間には、電極23に逆バイアスが印加される。一方、III族窒化物半導体デバイス11の動作中の他の期間では、電極23に順バイアスが印加される。この動作期間において、電極19及び21は、III族窒化物半導体デバイス11に流れるキャリアを提供する。このために、電極19及び21は第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15にオーミック接合を成すことが好ましい。また、電極23は第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15にショットキ接合を成すことが好ましい。このIII族窒化物半導体デバイス11では、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13と第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15とのヘテロ接合により、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13の内部に二次元電子ガス層25が生成される。
【0028】
本実施形態に係るIII族窒化物半導体積層ウェハ10及びIII族窒化物半導体デバイス11の効果について説明する。前述したように、窒化ガリウム系半導体を材料に用いたHEMT等の電子デバイスは、その高い破壊電界強度と二次元電子ガスチャネルの高い移動度により有望視されている。このような半導体デバイスでは、チャネル層にGaNが用いられることが多い。一般的に、GaNチャネル層を有する半導体デバイスにおいては、二次元電子ガスの移動度とGaNの結晶性との間には有意な相関が存在しない。したがって、GaNチャネル層の下地基板としてサファイア基板やSiC基板が多く用いられている。
【0029】
一方、Alを含むIII族窒化物系半導体をチャネル層に用いると、GaNと比較してバンドギャップが大きく、破壊電界強度がより高いことから、更に高耐圧・高出力の電子デバイスを作製することが可能となる。しかしながら、従来の考え方では、Al組成が高くなるほど合金散乱の影響によって二次元電子ガスの移動度が低下するため、Alを含まないGaNをチャネル層に用いた場合と比較して、チャネル層にAlを含む場合には良好な電流特性を得ることができないとされていた。
【0030】
これに対し、本発明者は、後述する各実験によって、本実施形態の第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13(チャネル層)における二次元電子ガスの移動度は、該第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13の結晶性に大きく依存しており、結晶性が良好であれば十分な移動度を得ることが可能なことを見出した。すなわち、第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13の(0002)面や(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満、より好ましくは400[arcsec]未満という極めて低い値となるように第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13を形成することによって、第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層15との界面におけるシート抵抗値を低減し、二次元電子ガスの移動度を高めることが可能となる。また、これにより、電流特性を向上させることが可能となる。
【0031】
以上説明した関係(第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層13のX線ロッキングカーブの半値幅と二次元電子ガスの移動度との関係)は、以下の実験に基づき発明者によって見出されたものである。なお、一般的に、窒化物半導体の結晶性の評価としては、X線ロッキングカーブの半値幅が用いられる。その際、対称面として(0002)面のX線ロッキングカーブ半値幅を、非対称面として(10−12)面のX線ロッキングカーブ半値幅をそれぞれ用いられる。すなわち、窒化物半導体結晶を複数の結晶塊の集合であると捉えた場合、(0002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅は、各結晶塊のc軸の前後左右方向への揺らぎを表し、(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅は、c軸を中心とした回転の揺らぎを表すことになるので、これらのX線ロッキングカーブ半値幅が小さいほど、良好な結晶性を有していると言える。なお、以下の実験において、X線ロッキングカーブ測定に使用したスリット幅は0.5×2.0[mm]であった。また、(0004)面や(20−24)面等では、半値幅の値は異なるものの、物理的には同様のものを評価しているため、傾向は(0002)面や(10−12)面と同様となる。
【0032】
(実験例)
実験1:
6枚のサファイア基板を用意し、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて、これらのサファイア基板上に以下の半導体層を成長させて、6枚の積層ウェハA1〜A6を作製した。まず、水素雰囲気にて1050℃及び炉内圧力50Torr(1Torrは、133.322パスカルで換算される)にて、5分間の炉内熱処理を行った。この後に、1250℃、炉内圧力50Torr及びV/III比13の条件でAlNエピタキシャル層を成長した。このとき、5枚のサファイア基板上の各AlNエピタキシャル層の厚さを、それぞれ80[nm],140[nm],200[nm],900[nm]及び600[nm]とした。次いで、1100℃、炉内圧力80Torr及びV/III比4300の条件で、厚さ600[nm]のAlGaNチャネル層(Al原子組成比0.3、Ga原子組成比0.7)を成長した。続いて、1100℃、80torr及びV/III比2100の条件で、厚さ30[nm]のAlGaNバリア層(Al原子組成比0.4、Ga原子組成比0.6)を成長した。
【0033】
また、上記とは別に4枚のサファイア基板を用意し、MOVPE法を用いて、これらのサファイア基板上にAlNエピタキシャル層、AlGaNチャネル層(Al組成30%)およびAlGaNバリア層(Al原子組成比0.5、Ga原子組成比0.5)を順に成長させて、4枚の積層ウェハB1〜B4を作製した。その際、AlGaNバリア層を除き実験1と同様の方法及び成長条件で成長させ、4枚のサファイア基板上の各AlNエピタキシャル層の厚さをそれぞれ80[nm],150[nm],900[nm]及び600[nm]とした。
【0034】
図3及び図4は、積層ウェハA1〜A6及びB1〜B4の基板種類、AlNエピタキシャル層の厚さ、AlNエピタキシャル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、及びAlGaNチャネル層のAlGaNバリア層との界面付近におけるシート抵抗値をそれぞれ示す図表である。また、図5は、AlGaNチャネル層の(0002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を積層ウェハA1〜A6及びB1〜B4について示したグラフであり、図6は、AlGaNチャネル層の(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を積層ウェハA1〜A6及びB1〜B4について示したグラフである。
【0035】
図3に示すように、AlNエピタキシャル層の厚さを600[nm]以上厚くすると(積層ウェハA4〜A6)、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅が双方共に1000[arcsec]を下回っており、良好な結晶性が得られていることがわかる。そして、この場合、図5及び図6に示すように、シート抵抗値も他の積層ウェハA1〜A3と比較して格段に低くなっており、このことは二次元電子ガスの移動度等による導電性が他より高いことを意味している。
【0036】
また、図4に示すように、AlGaNチャネル層のAl組成が比較的大きい場合であっても、AlNエピタキシャル層の厚さを600[nm]以上厚くすると(積層ウェハB3,B4)、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅が双方共に1000[arcsec]を下回り、良好な結晶性が得られることがわかる。そして、この場合、図5及び図6に示すように、シート抵抗値も他の積層ウェハB1,B2と比較して格段に低く、このことは二次元電子ガスの移動度等による導電性が他より高いことを意味する。
【0037】
すなわち、サファイア基板上のAlGaNチャネル層であっても、その(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅が1000[arcsec]未満であれば、シート抵抗が極めて低い積層ウェハD1と比較しても2倍程度までに収まり、十分実用的である。
【0038】
また、図5及び図6から明らかなように、AlGaNバリア層のAl原子組成比とAlGaNチャネル層のAl原子組成比との差が0.1(10%)程度と小さい場合であっても、或いは0.2(20%)程度と大きい場合であっても、AlGaNチャネル層のX線ロッキングカーブ半値幅が小さいほど、AlGaNバリア層との界面付近におけるAlGaNチャネル層のシート抵抗値が低くなっている。すなわち、AlGaNバリア層及びAlGaNチャネル層のAl組成にかかわらず、AlGaNチャネル層の結晶性が良いほど、二次元電子ガスの移動度等による導電性が高くなることが示された。
【0039】
実験2:
2枚のAlN基板を用意し、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて、該AlN基板上に以下の半導体層を成長させて、積層ウェハC1,C2を作製した。まず、1250℃、炉内圧力50Torr及びV/III比13の条件でAlNエピタキシャル層を800[nm]成長した。次いで、1100℃、炉内圧力80Torr及びV/III比4300の条件で、厚さ600[nm]のAlGaNチャネル層(Al原子組成比0.3、Ga原子組成比0.7)を成長した。続いて、1100℃、80Torr及びV/III比2100の条件で、厚さ30[nm]のAlGaNバリア層(Al原子組成比0.4、Ga原子組成比0.6)を成長した。ウェハC1とC2には同じエピ構造を成長しているものの、基板のX線ロッキングカーブ半値幅が若干異なっている。
【0040】
また、上記とは別に1枚のAlGaN基板(Al組成30%)を用意し、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて、該AlGaN基板上に以下の半導体層を成長させて、積層ウェハD1を作製した。まず、1100℃、炉内圧力80Torr及びV/III比4300の条件で、厚さ600[nm]のAlGaNチャネル層(Al原子組成比0.3、Ga原子組成比0.7)を基板上に成長した。続いて、1100℃、80Torr及びV/III比2100の条件で、厚さ30[nm]のAlGaNバリア層(Al原子組成比0.4、Ga原子組成比0.6)を成長した。
【0041】
図7及び図8は、積層ウェハC1、C2及びD1の基板種類、AlNエピタキシャル層の厚さ、AlNエピタキシャル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、及びAlGaNチャネル層のAlGaNバリア層との界面付近におけるシート抵抗値をそれぞれ示す図表である。また、図9は、AlGaNチャネル層の(0002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を、積層ウェハA1〜A6に加えて積層ウェハC1、C2及びD1について示したグラフであり、図10は、AlGaNチャネル層の(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を、積層ウェハA1〜A6に加えて積層ウェハC1、C2及びD1について示したグラフである。
【0042】
図7に示すように、AlN基板を用いた積層ウェハC1、C2では、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅が双方共に400[arcsec]を下回っており、上記実験1よりも良好な結晶性が得られていることがわかる。そして、この場合、図9及び図10に示すように、シート抵抗値も実験1と比較して更に低くなっており、このことは二次元電子ガスの移動度等による導電性がより高いことを意味する。
【0043】
また、図8に示すように、AlGaN基板を用いた積層ウェハD1では、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅が双方共に400[arcsec]を大きく下回っており、AlN基板を用いた積層ウェハC1よりも更に良好な結晶性が得られていることがわかる。そして、この場合、図9及び図10に示すように、シート抵抗値も積層ウェハC1、C2と比較して更に低くなっており、このことは二次元電子ガスの移動度等による導電性が極めて高いことを意味する。
【0044】
すなわち、AlGaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅は、400[arcsec]未満であることが好ましい。良好な結晶性を有するAlN基板上に作製した積層ウェハC1、C2が400[arcsec]を下回っており、その結果、サファイア基板を用いた積層ウェハA1〜A6と比較して、シート抵抗値が大幅に低減されるからである。
【0045】
なお、上述した各実験1,2において、AlGaNチャネル層のシート抵抗値は、AlGaNチャネル層の(10−12)面、すなわちR面におけるX線ロッキングカーブ半値幅との相関が特に高い。また、各実験1,2ではチャネル層としてAlGaNを例に実験を行ったが、Alを含むIII族窒化物系半導体からなるチャネル層であれば、例えばInAlNやInAlGaN等であっても各実験結果と同様の傾向があると考えられる。また、AlGaNチャネル層とAlGaNバリア層との間にAlN層を挟んだ構造においても、上記各実験結果と同様の傾向があると考えられる。
【0046】
実験3:
上記実験1の積層ウェハA4、および上記実験2の積層ウェハC1のそれぞれの断面を、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)により観察し、AlGaNチャネル層の転位密度を測定した。その結果、積層ウェハC1(AlN基板使用)のAlGaNチャネル層の転位密度は5×10[cm−2]であり、積層ウェハA4(サファイア基板使用)のAlGaNチャネル層の転位密度は9×10[cm−2]であった。このように、転位密度が比較的高くても、X線ロッキングカーブ半値幅が十分に小さければ、二次元電子ガスの移動度が高く良好な電流特性が得られる。
【0047】
実験4:
本実施形態の比較例として、Alを含まないGaNチャネル層を備える積層ウェハを作製した。すなわち、2枚のサファイア基板と1枚のSi基板を用意し、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて、これらの基板上に以下の半導体層を成長して、3枚の積層ウェハE1〜E3を作製した。
【0048】
具体的には、2枚のサファイア基板上に、厚さ2[μm]のGaNチャネル層を成長し、その上に、厚さ25[nm]のAlGaNバリア層(Al原子組成比0.25、Ga原子組成比0.75)を成長した。このとき、2枚のサファイア基板のそれぞれで異なる成長初期条件(温度・昇温速度等)を設定し、GaNチャネル層の結晶性を互いに異なるものとした(積層ウェハE1,E2)。また、1枚のSi基板上にAlNエピタキシャル層、GaN多層膜及びAlN層を成長し、その上に厚さ2[μm]のGaNチャネル層を成長し、更にその上に厚さ25[nm]のAlGaNバリア層(Al原子組成比0.25、Ga原子組成比0.75)を成長した(積層ウェハE3)。
【0049】
図11は、積層ウェハE1〜E3の基板種類、GaNチャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅、及びAlGaNバリア層との界面付近におけるGaNチャネル層のシート抵抗値をそれぞれ示す図表である。また、図12は、GaNチャネル層の(0002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を、積層ウェハA1〜A6,C1、C2及びD1に加えて積層ウェハE1〜E3について示したグラフであり、図13は、GaNチャネル層の(10−12)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅とシート抵抗値との相関を、積層ウェハA1〜A6,C1、C2及びD1に加えて積層ウェハE1〜E3について示したグラフである。
【0050】
図11〜図13に示すように、チャネル層がGaNからなる場合でも、そのシート抵抗値とX線ロッキングカーブ半値幅とは互いに相関しているが、チャネル層がAlGaNからなる実験1,2と比較して、その相関は極めて小さいことがわかる。このように、GaNチャネル層を有する半導体デバイスにおいては、二次元電子ガスの移動度とGaNの結晶性との間には有意な相関が存在しない。したがって、チャネル層の結晶性については関心が殆ど向けられていなかったが、Alを含むチャネル層の場合には、上記各実験によって、チャネル層の結晶性とシート抵抗値(すなわち二次元電子ガスの移動度)との間に顕著な相関が存在し、X線ロッキングカーブ半値幅を1000[arcsec]未満(より好ましくは400[arcsec]未満)とすることによって、二次元電子ガスの移動度等による導電性を格段に向上できることが見出された。
【0051】
本発明によるIII族窒化物半導体積層ウェハ及びIII族窒化物半導体デバイスは、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態ではチャネル層(又は第1の半導体層)の材料としてAlGaNを例示したが、InAlGaNやAlN、InAlN等、Alを含むIII族窒化物半導体であれば本発明におけるチャネル層を好適に構成できる。
【符号の説明】
【0052】
10…III族窒化物半導体積層ウェハ、11…III族窒化物半導体デバイス、13…第1のAlX1InY1Ga1−X1−Y1N層、15…第2のAlX2InY2Ga1−X2−Y2N層、17…エピタキシャル層、19,21,23…電極、25…二次元電子ガス層、27…基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AlGa1−XN(0<X≦1)からなる基板と、
Alを含むIII族窒化物系半導体からなり前記基板上に設けられた第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に設けられ、前記第1の半導体層よりバンドギャップが大きいIII族窒化物系半導体からなる第2の半導体層と
を備え、
前記第1の半導体層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満であることを特徴とする、III族窒化物半導体積層ウェハ。
【請求項2】
基板上に設けられたAlGa1−XN(0<X≦1)層と、
Alを含むIII族窒化物系半導体からなり前記AlGa1−XN層上に設けられた第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に設けられ、前記第1の半導体層よりバンドギャップが大きいIII族窒化物系半導体からなる第2の半導体層と
を備え、
前記第1の半導体層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満であることを特徴とする、III族窒化物半導体積層ウェハ。
【請求項3】
前記第1の半導体層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が400[arcsec]未満であることを特徴とする、請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体積層ウェハ。
【請求項4】
前記第1及び第2の半導体層が共にAlGaNからなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体積層ウェハ。
【請求項5】
AlGa1−XN(0<X≦1)からなる基板と、
Alを含むIII族窒化物系半導体からなり前記基板上に設けられたチャネル層と、
前記第1の半導体層上に設けられ、前記第1の半導体層よりバンドギャップが大きいIII族窒化物系半導体からなるバリア層と、
を備え、
前記チャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満であることを特徴とする、III族窒化物半導体デバイス。
【請求項6】
基板上に設けられたAlGa1−XN(0<X≦1)層と、
Alを含むIII族窒化物系半導体からなり前記AlGa1−XN層上に設けられたチャネル層と、
前記第1の半導体層上に設けられ、前記第1の半導体層よりバンドギャップが大きいIII族窒化物系半導体からなるバリア層と
を備え、
前記第1の半導体層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が1000[arcsec]未満であることを特徴とする、III族窒化物半導体デバイス。
【請求項7】
前記チャネル層の(0002)面及び(10−12)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅が400[arcsec]未満であることを特徴とする、請求項5または6に記載のIII族窒化物半導体デバイス。
【請求項8】
前記チャネル層及び前記バリア層が共にAlGaNからなることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−49486(P2011−49486A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198701(P2009−198701)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 社団法人 応用物理学会 刊行物名 第56回応用物理学関係連合講演会講演予稿集 発行日 2009年3月30日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合研究機構「ナノエレクトロ二クス半導体新材料・新構造技術開発―窒化物系化合物半導体基板・エピタキシャル成長技術の開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】