説明

TNF−アルファの生産を阻害する2−シクロペンテン−1−オンオキシム誘導体

式(I)により表される2−シクロペンテン−1−オン誘導体またはその医薬的に許容し得る塩はTNF−αまたはPDE4を阻害し、それ故TNF−αまたはPDE4を介して媒介される炎症性または免疫学的障害において治療効果を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内及び試験管内におけるTNF−αの生産を効果的に阻害する化合物に関する。また、本発明は、TNF−αにより媒介される炎症性及び兔疫性疾患に対する前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩の治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍壊死因子−アルファ(Tumor necrosis factor-alpha; TNF-α)は、数世紀前に発見された前炎症性サイトカイン(pro-inflammatory cytokine)である。TNF−αは炎症性及び兔疫性刺激に応じて多様な形態の細胞で生産される(Trends Cell. Biol., 5, 392-399, 1995)。例えば、リポ多糖体(LPS)で処理された単球ではTNF−αの生産が大幅に増加する。TNF−αはまた、アポトーシス(apoptosis)を介して腫瘍を縮小させると知られているが、炎症及び免疫反応において中心的な役割を果す。
【0003】
関節リウマチ、乾癬、湿疹、クローン病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性エリテマトーデス(SLE)、敗血症、内毒素性ショック 、多発性硬化症及び晩成肝炎などを含む多様な兔疫性疾患において、過量のTNF−αが存在することが確認されている。(J. Med. Chem., 42, 2295-2314, 1999; Am. J. Respir.Crit. Care Med., 153, 633-637, 1996; Lupus, 11, 102-108, 2002; 及び Hepatogastroenterology., 47, 1675-1679. 2000)
【0004】
また、TNF−α単クローン抗体によるTNF−α活性の阻害または中和は、インフリキシマブ(レミケードTM)(infliximab (RemicadeTM))及びアダリムマブ (ヒュミラTM)(adalimumab (HumiraTM))が、関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病及び乾癬性関節炎の治療に効果的であることから分かるように、これらに限らず免疫学的疾患への治療に効果的であることが確認されている(レミケードTM(インフリキシマブ)処方情報、セントコア社、2005年9月;ヒュミラTM(アダリムマブ )処方情報、アボット研究所、2005年10月)。エタネルセプト(エンブレルTM)はTNF−αに対するおとり受容体部位(decoy receptor part)を有する融合タンパク質であって、TNF−αの生物学的活性を中和する。エタネルセプト(エンブレルTM)(etanercept (EnbrelTM))は米国で関節リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬及び乾癬性関節炎の治療に用いられている(エンブレルTM(エタネルセプト)処方情報、イミュネクス社、2005年7月)。このようなタンパク質薬剤は注射製剤のみで使用可能である。
【0005】
今まで多くの生物学的標的はTNF−αの細胞生産を阻害すると知られている。pro−TNF−αはTNF−α変換酵素(TACE)によって活性のある可溶型のTNF−αに切断される(Nature、385,729-733,1997)。TNF−αの生産はcAMPの細胞質内濃度の増加に伴って減少する。ホスホジエステラーゼ4(phosphodiesterase 4; PDE4)の阻害はcAMPの細胞質内濃度を増加させるため、ロリプラム(rolipram)、シロミラスト(cilomilast)及びロフルミラスト(roflumilast)のようなPDE4阻害剤はTNF−αの生産を減少させる(Curr. Pharm. Design, 8, 1255-1296, 2002)。アデノシン受容体A2aはアデニル酸シクラーゼ、そのアゴニスト(agonist)であるCGS21680及びNECAなどと提携してTNF−αの合成を阻害する(Drug Devel. Res., 45, 103-112,1998)。NFκBの信号伝逹に連関したNIK、IKK及びPKBなどのキナーゼの活性が阻害されると、TNF−αの生産を抑制すると知られている。BMS−345541のようなIKK阻害剤は、IκBのリン酸化及びNFκB依存性転写を阻害する(J. Biol. Chem., 278, 1450-1456, 2003)。5−アミノサリチル酸は炎症性腸疾患(IBD)の治療のために服用する際、IKKを阻害すると知られている。通常的な非ステロイド性抗炎症薬であるアスピリンも過量服用時IKKを阻害すると知られている(Nature,396, 77-80,1998)。p38及びc−Jun N−末端キナーゼ(JNK)のようなMAPキナーゼ の阻害はTNF−αの生産を抑制する。VX−745及びSB203580のようなp38阻害剤は、LPSとともに使用した場合、細胞内におけるTNF−αの生産を阻害し、関節リウマチの動物モデルで治療効果を示した(Curr. Opin. Investig. Drugs, 566-571, 2003)。サリドマイド(thalidomide)は、細胞段階でのTNF−αの合成を微弱な阻害作用を示すが、これはTNF−α mRNAを不安定にすることによりTNF−αの生産を阻害することによる(Clin. Exp. Immunol., 110, 151-154, 1997)。ステロイドもTNF−αの生産を強力に阻害する(J. Exp. Med., 172, 391-394, 1990)。
【0006】
TNF−αが炎症及び免疫作用において中心的役割を果すことから、TNF−αの生物学的活性及び生産を阻害する薬剤は、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎及びクローン病などの炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症、内毒素性ショック、肝炎並びに1型糖尿病などの様々な疾患に対する治療効果を示す。これらの薬剤のうち一部は作用機構及び物理化学的特性によって他の薬剤より一層効果的であることが確認されている。例えば、ロフルミラスト及びシロミラストのようなPDE4阻害剤はCOPDのために開発されている。一方、抗TNF−α生物製剤は、当初は関節リウマチに対して処方されたが、強直性脊椎炎、乾癬及びクローン病などに対する処方などにその治療範囲が拡大されている。5−アミノサリチル酸及びスルファサラジンは、軽度の炎症性腸疾患の治療に用いられる一方、ステロイド及び抗TNF−α生物製剤は重症の場合に処方されている。PDE4阻害剤を用いて炎症性腸疾患を治療する試みが行われている(Ann. Rev. Med. Chem., 38, 141-152, 2003)。VX−702のようなp38阻害剤はヒト関節リウマチに対して評価されたが、MAPキナーゼ阻害剤の治療的有用性に対してはまだ確認されていない(Curr. Opin. Drug Discov. Devel., 8, 421-430, 2005)。ステロイド類は、多様な種類の免疫疾患に対し初期には効果的であるが、副作用のため長期間にわたる使用は厳しく制限されている。
【0007】
インフリキシマブ、アダリムマブ 及びエタネルセプトのような抗TNF−α生物製剤は、関節リウマチ及び乾癬などの免疫疾患の治療に広く用いられており、このようなタンパク質薬剤は一般的に高価で、且つ、注射のみによって投与されている。これに関連し、費用面及び注射なしで投与できる便宜を図るために、TNF−αの作用または生産を阻害する低分子薬剤の開発の必要性が強調されている。
【0008】
【非特許文献1】Trends Cell. Biol., 5, 392-399, 1995
【非特許文献2】J. Med. Chem., 42, 2295-2314, 1999
【非特許文献3】Am. J. Respir.Crit. Care Med., 153, 633-637, 1996
【非特許文献4】Lupus, 11, 102-108, 2002
【非特許文献5】Hepatogastroenterology., 47,1675-1679. 2000
【非特許文献6】レミケードTM(インフリキシマブ)処方情報、セントコア社、2005年9月
【非特許文献7】ヒュミラTM(アダリムマブ )処方情報、Abbott研究所、2005年10月
【非特許文献8】エンブレルTM(エタネルセプト)処方情報、イミュネクス社、2005年7月
【非特許文献9】Nature、385,729-733,1997
【非特許文献10】Curr. Pharm. Design, 8, 1255-1296, 2002
【非特許文献11】Drug Devel. Res., 45, 103-112,1998
【非特許文献12】J. Biol. Chem., 278, 1450-1456, 2003
【非特許文献13】Nature, 396,, 77-80,1998
【非特許文献14】Curr. Opin. Investig. Drugs, 5, 566-571, 2003
【非特許文献15】Clin. Exp. Immunol., 110, 151-154,1997
【非特許文献16】J. Exp. Med., 172, 391-394, 1990
【非特許文献17】Ann. Rev. Med. Chem., 38, 141-152, 2003
【非特許文献18】Curr. Opin. Drug Discov. Devel., 8, 421-430, 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、TNF−αまたはPDE4の生産を効果的に阻害する新規化合物、その製造方法、及びそれを含む薬学組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、下記式Iの2−シクロペンテン−1−オンオキシム誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩または組成物、及びTNF−αまたはPDE4により媒介される炎症性及び兔疫性疾患におけるこれらの治療効果に関する実施態様を提供する。本発明はまた下記式Iの化合物の合成のための製造方法を提供する。
【化1】

【発明の効果】
【0011】
本発明による式Iの2−シクロペンテン−1−オンオキシム誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩は、TNF−αまたはPDE4の生産を阻害することによって、TNF−αまたはPDE4により媒介される炎症性または免疫性の疾患に対する治療効果を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施態様では、Rが線形または分枝型のC−C10アルキル基、またはC−Cシクロアルキル基であり、Rが置換基を有するか又は有しない芳香族基である式Iの化合物が提供される。
本発明の他の実施態様では、式Iの化合物が、TNF−αを生産するように刺激された細胞でTNF−αの生産を阻害することを立証する。また、式Iの化合物がホスホジエステラーゼ(phosphodiesterase)4のアイソザイム(isozyme)を強く阻害することを立証する。
【0013】
本発明のまた他の実施態様では、式Iの化合物がTNF−αの生体内生産を阻害し、動物モデルにおいて炎症性または兔疫性反応を抑制することを立証する。従って、式Iの化合物はTNF−αまたはPDE4によって媒介された炎症性または兔疫性疾患の予防及び治療に有効である。前記疾患の例としては、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎及びクローン病などの炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症、内毒素性ショック、肝炎、及び1型糖尿病などが挙げられる。
【0014】
式Iの化合物は、その化合物内の酸性または塩基性基の存在有無に応じて、当量の水酸化カリウム、水酸化ナトリウム 、塩酸、メタンスルホン酸及びクエン酸など薬学的に許容可能な酸または塩基で中和して、薬学的に許容可能な塩に転換させることができる。式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩は薬学的に許容可能な補助成分とともに投与され得、この時、前記補助成分としてはクエン酸、塩化ナトリウム、酒石酸、ステアリン酸、でんぷん、ゼラチン、滑石、ゴマ油 、アスコルビン酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、甘味料、防腐剤、水、エタノール、酸化チタン、重炭酸ナトリウム、ケイ化微結晶性セルロース及び大豆レシチンなどが含まれるが、これらに限定されない。式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、錠剤、散剤、顆粒、硬カプセル剤、軟カプセル剤 、経口懸濁液、吸入用散布液、注射剤、局所用クリーム、経皮貼布など様々な投与形態に剤形化することができる。式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、患者の兆候、症状または調子に応じて、一日当り100mg/kg体重以下、好ましくは10mg/kg体重以下でヒトまたは動物に投与することができる。
【0015】
本発明の好適な実施態様では、次のように好ましい式Iの化合物を提供する:
式Iにおいて、Rが線形または分枝型のC−Cアルキル、シクロペンチルまたはシク
ロヘキシルであり、Rが置換基を有するか又は有しない芳香族基であり、前記芳香族基はフェニル、ピリジル、ナフチル、インドリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾフラニルまたはチアントレニルから選ばれる。
【0016】
本発明の他の好適な実施態様では、次のようなより好ましい式Iの化合物を提供する:
式Iにおいて、Rが線形または分枝型のC−Cアルキル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、Rがピリジル、ナフチル、インドリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾフラニル及びチアントレニルから選ばれる芳香族基、または下記化学式に表すように、置換基を有するフェニル基を示す化合物:
【化2】

前記式中、R〜Rは、それぞれ独立的にヒドリド、線形または分枝型のC−Cアルキル、アルケニル 、ハロアルキル 、アリール、ハロ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、メチレンジオキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ベンジルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルカルバモイル、N−ヒドロキシ−イミノアルキルまたはN−(N−ヒドロキシ−イミノアルキル)アミノから選ばれる。
【0017】
本発明のまた他の好適な実施態様では、次のような更に好ましい具体的な式Iの化合物を提供する:
3−シクロペンチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジフルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル )−3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(4−メチル−3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{4−メトキシ−3−(メトキシメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−{4−(ベンジルオキシ)フェニル}−3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(トリフルオロメトキシ)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−シアノフェニル)−3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル )−3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{5−(1H)−インドリル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(6−メトキシナフチル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(4−ビニルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(4−ジベンゾフラニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(2−チアントレニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3−カルバモイルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(メチルチオ)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(メチルスルホニル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(ヒドロキシメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{4−(ヒドロキシメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル )−3−シクロヘキシル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(3−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(3,4−ジフルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(3−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(4−フルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(2−フルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(2、4−ジフルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−ブロモフェニル)−3−ブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−エトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{4−(トリフルオロメトキシ)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(ヒドロキシメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−アミノフェニル)−3−ブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(エトキシカルボニル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−カルボキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(4−カルボキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−メチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(4−ブチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−フルオロ−4−フェニルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(トリフルオロメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{4−(メタンスルフィニル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{4−(メタンスルホニル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(N−ヒドロキシアセトイミドイル)アミノフェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(1−N−ヒドロキシイミノエチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(N−ヒドロキシイミノメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(2−ベンゾ[b]チエニル)−3−ブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−フェニル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,5−ジフルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−ニトロフェニル)−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−ビフェニル)−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−{4−(トリフルオロメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(1−ナフチル)−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−(3−ピリジル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−(3−チエニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−フルオロフェニル )−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−ニトロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−エチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−エチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−フルオロフェニル )−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−フルオロフェニル )−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−イソブチル−2−(3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−シアノフェニル)−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−フルオロ−4−n−ノニルフェニル)−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;及び
2−(3−ブトキシフェニル)−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム。
【0018】
本発明で用いられる用語及び略語を下記表1に示した。
表1 本発明に用いられた用語及び略語の定義
【表1】

【0019】
式Iの化合物の合成
式Iの化合物は下記反応式1に要約された方法を用いてように製造することができる。但し、R及びRは前記式Iで定義された通りである。場合によって、下記反応式1の実施の際に若干の修正を加えることがあり得、このような修正は通常の当業者にとって自明なものである。
【化3】

【0020】
2−シクロペンテン−1−オン誘導体(A)を、四塩化炭素中のトリエチルアミンまたはピリジンとのハロゲンとの複合体で処理することによりハルロゲン化させ、2−ハロシクロペンテン−1−オン(B)を得る(Tetrahedron Lett., 33, 917-920, 1992)。前記ハロゲン化物を芳香族ボロン酸と鈴木カップルリング(Suzuki coupling)させてカップルリング化合物(C)を得、これをピリジン中でヒドロキシルアミン塩酸塩との反応により縮合させて式Iの化合物を得る (Chem. Rev., 95, 2457-2483, 1995)。
【化4】

【0021】
前記反応式1の2−シクロペンテン−1−オン誘導体(A)は、上記反応式2に示されたそれぞれ異なる三つの方法によって製造することができる。一つの方法は、アルキルまたはシクロアルキル金属(M=Li、MgBrまたはMgCl)試薬を2−シクロペンテン−1−オンに加えた後、得られたアリルアルコールにクロロクロム酸ピリジニウム (PCC)を用いる酸化的転位反応(oxidative rearrangement)を行い、2−シクロペンテン−1−オン誘導体(A)を得る(Tetrahedron Lett., 30, 1033-1036, 1989)。もう一つの方法は、3−エトキシ−2−シクロペンテン−1−オンまたは3−メトキシ−2−シクロペンテン−1−オンをアルキルーまたはシクロアルキル金属(M=Li、MgBrまたはMgCl)と反応させた後、得られた添加生成物を塩酸で処理してシクロペンテン−1−オン誘導体に転換させる方法である(J. Am. Chem.Soc.,110, 4625-4633, 1988)。三番目の方法は、アルキルーまたはシクロアルキル銅酸化物の、3−アルコキシ−2−シクロペンテン−1−オンへの1,4−添加反応をヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)の存在下で塩化トリメチルシリル(TMSCl)を用いて促進させた後、得られた添加生成物を塩酸で処理して2−シクロペンテン−1−オン誘導体(A)に転換させる方法である(Tetrahedron,45, 349-362, 1989)。
【0022】
別の方法としては、式Iの化合物はまた下記反応式3に示すように製造することができ、この時、主要中間体であるシクロペンテン−1−オン誘導体(C)はアルキン(D)とエチレンとの分子間ポーソン・カンド型反応(intermolecular Pauson-Khand reaction)によって得ることができる(Angew. Chem. Int. Ed., 39, 636-638, 2000;及びここに記載された引用文献)。アルキン(D)はアルキンとハロゲン化アリールとのパラジウム触媒カップルリングによって合成され得る(Chem. Rev.,103, 1979-2017, 2003)。アルキン(D)のポーソン・カンド反応はプロモーター(promoter)として非化学量論的量のジコバルトオクタカルボニル及びジメチルスルホキシドの存在下で高圧の一酸化炭素及びエチレンを用いて行うことができる。シクロペンテノン(C)はその後前記反応式1によって式Iの化合物に転換される。
【化5】

式Iの化合物を下記のように製造したが、本発明の化合物の範囲が下記のような化合物に限定されるわけではない。これらの化合物は単に例示に過ぎない。
【実施例】
【0023】
実施例1:
標題化合物3−シクロペンチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを下記のような4段階からなる方法によって製造した。
【化6】

【0024】
段階1(3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
臭化銅ジメチルスルフィド800mgを−78℃に保持されたテトラヒドロフラン(THF)100ml中で攪拌して得られた懸濁液に、2.0Mシクロペンチルマグネシウムクロリド含有のジエチルエーテル24ml及びヘキサメチルリン酸アミド(HMPA)8mlを不活性雰囲気下で順次に加えた。前記混合物に塩化トリメチルシリル(TMSCl)5.4ml及び3−メトキシ−2−シクロペンテン−1−オン4.3g含有THF20mlとの混合溶液を加えた。この反応混合物を徐々に室温に昇温し、3時間攪拌した後、ここに10%HCl水溶液50mlを加えた。結果生成物をさらに10分間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=3:1)で精製してオイル状の3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オン4.5gを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ5.94 (m, 1H), 2.82 (m, 1H), 2.61 (m, 2H), 2.41 (m, 2H), 1.96 (m, 2H), 1.77-1.5 (m, 6H).
【0025】
段階2(3−シクロペンチル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オン4.35gを四塩化炭素50ml中で攪拌して得られた溶液に、ヨウ素15g及びピリジン2.4mlを加えた後、一晩中攪拌した。得られた反応生成物をまずジエチルエーテルで希釈した後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=6:1)で精製してオイル状の3−シクロペンチル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オン4gを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ3.23 (m, 1H), 2.74 (m, 2H), 2.57 (m, 2H), 1.98 (m, 2H), 1.78 (m, 4H), 1.55 (m, 2H).
【0026】
段階3(3−シクロペンチル−2−(4−フルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
3−シクロペンチル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オン65mg、4−フルオロフェニルボロン酸40mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム10mg、トルエン4ml、エタノール2mlと2N炭酸ナトリウム水溶液1.5mlとの混合物を80℃で一晩中攪拌して、鈴木カップリング反応を行った。この反応生成物を酢酸エチルで希釈させた後、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させてから濾過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製して固相の3−シクロペンチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オン52mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.22 (m, 2H), 7.09 (m, 2H), 3.15 (m, 1H), 2.68 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 1.81 (m, 4H), 1.64 (m, 4H).
【0027】
段階4(3−シクロペンチル−2−(4−フルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシムの合成):
3−シクロペンチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オン50mgとヒドロキシルアミン塩酸塩20mgとの混合物をピリジン5ml中に加え60℃で一晩中攪拌した。減圧下でピリジンを除去した後、残渣を酢酸エチル及び10%HCl水溶液で抽出した。分離した有機層を重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ (シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製して固相の3−シクロペンチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム40mgを得た。
mp = 204-205 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.24 7.19 (m, 2H), 7.11 7.04 (m, 2H), 6.73 (bs, 1H), 2.89 (m, 1H), 2.80 (m, 2H), 2.61 (m, 2H), 1.70 (m, 4H), 1.55 (m, 4H); APCI MS: m/z 260.1 (M+1).
【0028】
実施例2〜22:
下記表2に提示された化合物を前記実施例1と類似する方法により製造した。次のアリールまたはヘテロアリールボロン酸は実施例2〜22の製造の段階3において鈴木カップリング反応のために採択された:3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(実施例2)、3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸(実施例3)、3−ニトロフェニルボロン酸(実施例4)、4−メチル−3−ニトロフェニルボロン酸(実施例5)、3,4-ジメトキシフェニルボロン酸(実施例6)、3−メトキシフェニルボロン酸(実施例7)、4−メトキシ-3−メトキシメチルフェニルボロン酸 (実施例8)、4−ベンジルオキシフェニルボロン酸(実施例9)、3,4−メチレンジオキシフェニルボロン酸(実施例10)、3−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(実施例11)、3−シアノフェニルボロン酸(実施例12)、3−シアノ−4−フルオロフェニルボロン酸(実施例13)、N,N−ジメチルアミノメチルフェニル−3−ボロン酸ピナコールエステル(実施例14)、3−ジメチルアミノフェニルボロン酸(実施例15)、5−インドールボロン酸(実施例16)、6−メトキシ−2−ナフタレンボロン酸(実施例17)、4−ビニルベンゼンボロン酸(実施例18)、ジベンゾフラン−4−ボロン酸(実施例19)、チアントレン−1−ボロン酸(実施例20)、ベンズアミド−3−ボロン酸(実施例21)、及び3−メチルチオフェニルボロン酸(実施例22)。実施例2〜22の化合物のスペクトルデータを融点とともに下記表2に示した。
【0029】
表2 実施例2〜22に関する物理的特性データ
【化7】

【表2】

【表3】

【0030】
実施例23:
3−シクロペンチル−2−(3−メチルスルホニルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム:
【化8】

3−シクロペンチル−2−(3−メチルチオフェニル)−2−シクロペンテン−1−オン120mg含有THF/メタノール/水の1:1:1混合溶液12mlにオキソン(登録商標)800mgを加えた後、反応混合物を3時間攪拌した。その後、反応生成物を減圧濃縮して水/酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ (シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=3:1)で精製し、3−シクロペンチル−2−(3−メチルスルホニルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オン120mgを得た。これを、前記実施例1の段階4に提示された方法と類似の工程により、ヒドロキシルアミン塩酸塩で縮合反応させて固相の3−シクロペンチル−2−(3−メチルスルホニルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム80mgを得た。
mp = 164-165 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ 7.90 7.85 (m, 2H), 7.62 7.52 (m, 2H), 7.19 (bs, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.85 (m, 1H), 2.80 (m, 2H), 2.64 (m, 2H), 1.73 (m, 4H), 1.58 (m, 4H); APCI MS: m/z 320.1 (M+1)
【0031】
実施例24:
3−シクロペンチル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム:
【化9】

3−シクロペンチル−2−(3−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム(実施例7)27mgをジクロロメタン5ml中で−78℃で攪拌して得られた溶液に、1.0M三臭化ホウ素含有のヘキサン溶液0.5mlを不活性雰囲気下で滴下した。この反応混合物を2時間攪拌した後、徐々に室温に昇温させた。その後、反応生成物を飽和炭酸ナトリウム水溶液に加えて酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ (シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=1:1)で精製し、固相の3−シクロペンチル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム12mgを得た。
mp = 207-209 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.26 7.21 (m, 2H), 6.79 6.70 (m, 3H), 2.93 (m, 1H), 2.80 (m, 2H), 2.61 (m, 2H), 1.70 (m, 4H), 1.54 (m, 4H); APCI MS: m/z 258.1 (M+1).
【0032】
実施例25:
3−シクロペンチル−2−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム:
【化10】

3−シクロペンチル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オン120mg、3−ホルミルフェニルボロン酸80mgとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム20mgとの混合物をトルエン8ml、エタノール4ml及び2N炭酸ナトリウム水溶液4ml中で80℃で一晩中攪拌した。その後、反応生成物を酢酸エチルで希釈して食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ (シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=2:1)で精製し、3−シクロペンチル−2−(3−ホルミルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オン70mgを得た。3−シクロペンチル−2−(3−ホルミルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンをベンゼンの中で一滴の酢酸及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム100mgと共に70−80℃で2時間攪拌した。その後、反応生成物を飽和塩化アンモニウム水溶液に加えて酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ (シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=2:1)で精製し、3−シクロペンチル−2−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オン40mgを得た。これを、前記実施例1の段階4に提示された方法と類似する方法により、ヒドロキシルアミン塩酸塩で縮合反応させて固相の3−シクロペンチル−2−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム20mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ8.75 (bs, 1H), 7.40 7.29 (m, 3H), 7.12 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.66 (s, 2H), 2.98 (m, 1H), 2.75 (m, 2H), 2.61 (m, 2H), 1.71 (m, 4H), 1.55 (m, 4H).
【0033】
実施例26:
3−シクロペンチル−2−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム:
【化11】

標題化合物を前記実施例25と類似する方法により製造した。但し、実施例25で用いられた3−ホルミルフェニルボロン酸の代わりに実施例26では4−ホルミルフェニルボロン酸を用いた。
mp = 187-190 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.39 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 6.79 (bs, 1H), 4.70 (s, 2H), 2.91 (m, 1H), 2.80 (m, 2H), 2.61 (m, 2H), 1.70 (m, 4H), 1.55 (m, 4H); APCI MS: m/z 272.2 (M+1)
【0034】
実施例27:
標題化合物3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを下記のような4段階からなる方法により製造した。
【化12】

【0035】
段階1(3−シクロヘキシル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
2.0Mシクロヘキシルマグネシウムクロリド含有ジエチルエーテル45ml及びジエチルエーテル15mlを0℃で攪拌して得られた溶液に2−シクロペンテン−1−オン4.8gが溶解されたジエチルエーテル10mlを不活性雰囲気下で滴下した。反応混合物を1時間攪拌した後、室温に昇温させた。これを飽和塩化アンモニウム水溶液に加えて酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、残渣を適量のセラットの存在下で塩化メチレン100ml中でクロロクロム酸ピリジニウム(PCC)15gと4時間反応させた。反応生成物をジエチルエーテル100mlで希釈し、シリカゲルパッドを通して濾過した。ろ液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ (シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=5:1)で精製してオイル状の3−シクロヘキシル−2−シクロペンテン−1−オン1.5gを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ5.93 (m, 1H), 2.61 (m, 2H), 2.39 (m, 2H), 2.30 (m, 1H), 1.91-1.19 (m, 10H).
【0036】
段階2(3−シクロヘキシル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
3−シクロヘキシル−2−シクロペンテン−1−オン1.05gを四塩化炭素20ml中で攪拌して得られた溶液に、アイオダイン5g及びピリジン0.6mlを順次に加えた後、混合物を一晩中攪拌した。反応生成物をジエチルエーテルで希釈した後、チオ硫酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、残渣を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=6:1)で精製してオイル状の3−シクロヘキシル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オン850mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ2.81 (m, 1H), 2.72 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 1.90-1.20 (m, 10H).
【0037】
段階3(3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
3−シクロヘキシル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オン160mg、4−フルオロフェニルボロン酸100mg及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム25mgをトルエン5ml、エタノール2.5ml及び2N炭酸ナトリウム水溶液2ml中で80℃で一晩中攪拌した。反応生成物を酢酸エチルで希釈して食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製してオイル状の3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オン120mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ7.18 (m, 2H), 7.10 (m, 2H), 2.76 (m, 1H), 2.66 (m, 2H), 2.52 (m, 2H), 1.821.20 (m, 10H).
【0038】
段階4(3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシムの合成):
3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オン120mgとヒドロキシルアミン塩酸塩60mgとの混合物をピリジン10mlに加え60℃で一晩中攪拌した。減圧下でピリジンを除去後、残渣を酢酸エチルに溶かして10%HCl水溶液で洗浄した。分離した有機層を重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、再結晶化方法(酢酸エチル−ヘキサン)で精製して固相の3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム40mgを得た。
mp = 173-176 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.20 (m, 2H), 7.08 (m, 2H), 6.78 (bs, 1H), 2.77 (m, 2H), 2.59 (m, 2H), 2.47 (m, 1H), 1.75 1.16 (m, 10H); APCI MS: m/z 274.2 (M+1).
【0039】
実施例28〜32:
下記表3に提示された化合物を前記実施例27と類似する方法により製造した。次のようなフェニルボロン酸は実施例28〜32の製造において段階3における鈴木カップリング反応のために採択された:3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸(実施例28)、3−フルオロフェニルボロン酸(実施例29)、3、4−ジフルオロフェニルボロン酸(実施例30)、3−ニトロフェニルボロン酸(実施例31)及び3−メトキシフェニルボロン酸(実施例32)。実施例28〜32の化合物のスペクトルデータを融点と共に下記表3に提示した。
【0040】
表3 実施例28〜32に関する物理的特性データ
【化13】

【表4】

【0041】
実施例33:
標題化合物3−ブチル−2−(4−フルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを下記のような4段階からなる方法により製造した。
【化14】

【0042】
段階1(3−ブチル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
3−エトキシ−2−シクロペンテン−1−オン690mgをTHF10ml中で攪拌して得られた溶液に、2.5Mn−ブチルリチウム含有ヘキサン3mlを0℃で不活性雰囲気下で滴下した。反応混合物を室温に昇温させた後、2時間攪拌した。3N HCl水溶液を加えて前記反応完了した後、反応生成物を更に10分間攪拌し、酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=5:1)で精製してオイル状の3−ブチル−2−シクロペンテン−1−オン440mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ5.95 (m, 1H), 2.58 (m, 2H), 2.41 (m, 4H),
1.57(m, 2H), 1.38 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7.5 Hz, 3H)
【0043】
段階2(3−ブチル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
3−ブチル−2−シクロペンテン−1−オン400mgを四塩化炭素10ml中で攪拌して得られた溶液にアイオダイン1g及びピリジン0.3mlを加えた。一晩中攪拌した後、反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=5:1)で精製してオイル状の3−ブチル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オン500mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ2.77 (m, 2H), 2.59 (m, 4H), 1.58 (m, 2H), 1.43 (m, 2H), 0.97 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0044】
段階3(3−ブチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
3−ブチル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オン500mg、4−フルオロフェニルボロン酸320mg及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム90mgを結合し、トルエン20ml、エタノール10ml及び2N炭酸ナトリウム水溶液10ml中で80℃で一晩中攪拌した。反応生成物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で洗浄した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、カラムクロマトグラフィ (シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=5:1)で精製してオイル状の3−ブチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オン420mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.21 (m, 2H), 7.10 (m, 2H), 2.68 (m, 2H), 2.56 (m, 2H), 2.51 (m, 2H), 1.55 (m, 2H), 1.34 (m, 2H), 0.89 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0045】
段階4(3−ブチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシムの合成):
3−ブチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オン100mgとヒドロキシルアミン塩酸塩50mgとの混合物をピリジン10ml中に加え60℃で一晩中攪拌した。減圧下でピリジンを除去後、残渣を酢酸エチル及び10%塩酸水溶液で抽出した。分離した有機層を重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、再結晶化方法(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して固相の3−ブチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム80mgを得た。
mp = 115-116 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.20 (m, 2H), 7.07 (m, 2H),
2.79 (m, 2H), 2.59 (m, 2H), 2.26 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 1.45 (m, 2H), 1.26 (m, 2H), 0.85 (t, J = 7.4 Hz, 3H); APCI MS: m/z 248.2 (M+1).
【0046】
実施例34〜64(実施例41、及び47〜49は除く):
当該化合物を前記実施例33と類似する方法により製造した。次のようなアリールまたはヘテロアリールボロン酸は実施例34〜64の工程において段階3における鈴木カップリング反応のために採択された:3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(実施例34)、2−フルオロフェニルボロン酸(実施例35)、2、4−ジフルオロフェニルボロン酸(実施例36)、3−ブロモフェニルボロン酸(実施例37)、3,4−ジクロロフェニルボロン酸(実施例38)、3−ニトロフェニルボロン酸(実施例39)、3−フルオロ−4−メトキシフェニルボロン酸(実施例40)、3−エトキシフェニルボロン酸(実施例42)、3,4-ジメトキシフェニルボロン酸(実施例43)、3−メトキシフェニルボロン酸(実施例44)、3,4−メチレンジオキシフェニルボロン酸(実施例45)、4−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(実施例46)、3−アミノフェニルボロン酸(実施例50)、3−エトキシカルボニルフェニルボロン酸(実施例51)、3−カルボキシフェニルボロン酸(実施例52)、4−カルボキシフェニルボロン酸(実施例53)、3,4−ジメチルフェニルボロン酸(実施例54)、3−メチルベンゼンボロン酸(実施例55)、4−ブチルフェニルボロン酸(実施例56)、3−フルオロ−4−ビフェニルボロン酸(実施例57)、3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(実施例58)、4−メタンスルフィニルベンゼンボロン酸(実施例59)、4−メタンスルホニルベンゼンボロン酸(実施例60)、3−アセトアミドベンゼンボロン酸(実施例61)、3−アセチルベンゼンボロン酸(実施例62)、3−ホルミルベンゼンボロン酸(実施例63)及びベンゾチオフェン−2−ボロン酸(実施例64)。実施例34〜64の化合物のスペクトルデータを融点と共に下記表4に示した。
【0047】
実施例41:
3−ブチル−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム:
3−ブチル−2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム(実施例40)20mgをジクロロメタン5ml中で攪拌して得られた溶液に、1.0M三臭化ホウ素含有ヘキサン0.5mlを0℃で不活性雰囲気下で加えた。反応混合物を2時間攪拌した後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=2:1)で精製して3−ブチル−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム11mgを得た。実施例41の化合物のスペクトルデータを融点と共に下記表4に示した。
【0048】
実施例47:
3−ブチル−2−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム:
3−ブチル−2−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを前記実施例25で行った工程と類似の工程で製造した。但し、実施例47では、実施例25の3−シクロペンチル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オンの代わりに3−ブチル−2−ヨード−2−シクロペンテン−1−オンを用いた。実施例47の化合物のスペクトルデータを融点と共に下記表4に示した。
【0049】
実施例48:
3−ブチル−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム:
3−ブチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム(実施例43)を前記実施例41と類似する方法により脱メチル反応させて3−ブチル−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを得た。実施例48の化合物のスペクトルデータを融点と共に下記表4に示した。
【0050】
実施例49:
3−ブチル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム: 3−ブチル−2−(3−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム(実施例44)を前記実施例41と類似する方法により脱メチル反応させて3−ブチル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを得た。実施例49の化合物のスペクトルデータを融点と共に下記表4に示した。
【0051】
表4 実施例34〜64に関する物理的特性データ
【化15】

【表5】

【表6】

【表7】

【0052】
実施例65:
標題化合物2−(4−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを下記のような4段階からなる方法により製造した。
【化16】

【0053】
段階1(3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
マグネシウム2.5gをジエチルエーテル100ml中で攪拌して得られた懸濁液に、1−ブロモペンタン10mlを室温で不活性雰囲気下で加えた。1時間後、前記混合物に2−シクロペンテン−1−オン5mlを徐々に加え、反応混合物を更に2時間攪拌した後、これを飽和塩化アンモニウム水溶液に加えて酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮した後、残渣を適量のセリット存在下でジクロロメタン100ml中でPCC 10gと3時間反応させた。反応生成物をジエチルエーテル100mlで希釈した後、シリカゲルパッドを通して濾過した。その後、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=10:1)で精製してオイル状の3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オン1.5gを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ5.92 (m, 1H), 2.57 (m, 2H), 2.39 (m, 4H), 1.57 (m, 2H), 1.32 (m, 4H), 0.88 (m, 3H).
【0054】
段階2(2−ヨード−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オン1.0gを四塩化炭素20ml中で攪拌して得られた溶液に、アイオダイン1.5g及びピリジン1mlを順次に加えた。反応混合物を一晩中攪拌した後、ジエチルエーテルで希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム及び食塩水で順次洗浄した上、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過した。その後、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=7:1)で精製してオイル状の2−ヨード−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オン770mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ2.76 (m, 2H), 2.58 (m, 4H), 1.59 (m, 2H), 1.37 (m, 4H), 0.92 (m, 3H).
段階3(2−(4−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
2−ヨード−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オン2.45g、4−フルオロフェニルボロン酸1.5gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム250mgとの混合物をトルエン50ml、エタノール25ml及び2N炭酸ナトリウム水溶液25ml中で80℃で一晩中攪拌した。反応混合物を酢酸エチル及び食塩水で抽出した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=5:1)で精製して2−(4−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オン2.18gを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.22 (m, 2H), 7.10 (m, 2H), 2.67 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 2.50 (m, 2H), 1.57 (m, 2H), 1.28 (m, 4H), 0.87 (m, 3H).
【0055】
段階4(2−(4−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシムの合成):
2−(4−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オン2.18gとヒドロキシルアミン塩酸塩800mgとの混合物をピリジン100ml中に加え60℃で一晩中攪拌した。減圧下でピリジンを除去後、残渣を酢酸エチル及び10%塩酸水溶液で抽出した。分離した有機層を重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、再結晶化方法(酢酸エチル−ヘキサン)で精製して2−(4−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム2gを得た。
mp = 101-102 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ9.08 (bs, 1H), 7.19 (m, 2H),
7.04 (m, 2H), 2.72 (m, 2H), 2.54 (m, 2H), 2.24 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 1.45 (m, 2H), 1.22 (m, 4H), 0.84 (t, J = 6.9 Hz, 3H); APCI MS: m/z 262.2 (M+1).
【0056】
実施例66〜77:
下記表に示した化合物を前記実施例65と類似する方法により製造した。次のようなアリールまたはヘテロアリールボロン酸が実施例66〜77の工程において段階3における鈴木カップリング反応のために採択された:フェニルボロン酸(実施例66)、3−フルオロフェニルボロン酸(実施例67)、3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(実施例68)、3、5−ジフルオロフェニルボロン酸(実施例69)、3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸(実施例70)、3−ニトロフェニルボロン酸(実施例71)、3,4,5−トリメトキシフェニルボロン酸(実施例72)、4−ビフェニルボロン酸(実施例73)、4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(実施例74)、2−ナフタレンボロン酸(実施例75)、ピリジン−3−ボロン酸1,3−プロパンジオール環状エステル(実施例76)及びチオフェン−3−ボロン酸(実施例77)。実施例66〜77の化合物のスペクトルデータを融点と共に下記表5に示した。
【0057】
表5 実施例66〜77に関する物理的特性データ
【化17】

【表8】

【表9】

【0058】
実施例78:
標題化合物2−(4−フルオロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを下記のような4段階からなる方法により製造した。
【化18】

【0059】
段階1(3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
2−シクロペンテン−1−オン1mlをジエチルエーテル20ml中で0℃で攪拌して得られた溶液に2.0Mプロピルマグネシウムクロリド含有ジエチルエーテル10mlを不活性雰囲気下で滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、これを飽和塩化アンモニウム水溶液に加えて酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタン20mlに溶かしてPCC2.7g及び適量のセライトの混合物と共に3時間攪拌した。反応生成物をジエチルエーテル20mlで希釈した後、シリカゲルパッドを通して濾過した。その後、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ (シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製してオイル状の3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オン420mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ5.95 (m, 1H), 2.58 (m, 2H), 2.41 (m, 4H), 1.63(m, 2H), 0.98 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0060】
段階2(2−ヨード−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オン420mg含有四塩化炭素10ml溶液にアイオダイン2.5g及びピリジン0.4mlを順次に加えた。3時間攪拌した後、反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製してオイル状の2−ヨード−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オン690mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ2.77 (m, 2H), 2.60 (m, 4H), 1.65 (m, 2H), 0.99 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0061】
段階3(2−(4−フルオロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
2−ヨード−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オン230mg、4−フルオロフェニルボロン酸160mgとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム40mgとの混合物をトルエン5ml、エタノール2.5ml及び2N炭酸ナトリウム水溶液2.5ml中で80℃で一晩中攪拌させた。反応混合物を酢酸エチル及び食塩水で抽出し、分離した有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=5:1)で精製してオイル状の2−(4−フルオロフェニル )−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オン170mgを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.21 (m, 2H), 7.10 (m, 2H), 2.67 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 2.50 (m, 2H), 1.61 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0062】
段階4(2−(4−フルオロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシムの合成):
2−(4−フルオロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オン170mgとヒドロキシルアミン塩酸塩100mgとの混合物をピリジン20ml中に加え60℃で一晩中攪拌した。減圧下でピリジンを除去後、残渣を酢酸エチル及び10%塩酸水溶液で抽出した。分離した有機層を重炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、再結晶化方法(酢酸エチル−ヘキサン)で精製して2−(4−フルオロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム100mgを得た。
mp = 165-166 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.24 7.17 (m, 3H), 7.10 7.03 (m, 2H), 2.79 (m, 2H), 2.59 (m, 2H), 2.25 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 1.50 (m, 2H), 0.87 (t, J = 7.4 Hz, 3H); APCI MS: m/z 234.1 (M+1).
【0063】
実施例79:
標題化合物2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを前記実施例78と類似する方法により製造した。但し、実施例79の工程では段階3における鈴木カップリング反応のために3,4−ジフルオロフェニルボロン酸を用いた。
【化19】

mp = 136-137 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.83 (bs, 1H), 7.17 (dt, J = 10.5 and 8.4 Hz, 1H), 7.07 (ddd, J = 2.1, 7.8 及び 11.1 Hz, 1H), 6.96 (m, 1H), 2.78 (m, 2H), 2.58 (m, 2H), 2.25 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 1.50 (m, 2H), 0.87 (t, J = 7.5 Hz, 3H); APCI MS: m/z 252.1 (M+1).
【0064】
前記標題化合物はもう一つの方法である下記のような3段階からなる方法により製造された。
【0065】
段階1(1、2−ジフルオロ−4−ペント−1−イニルベンゼン):
ジクロロビス (トリフェニルホスフィン)パラジウム300mg及びヨウ化銅160mgをTHF200ml中で攪拌して得られた混合物に、トリエチルアミン7ml、1,2−ジフルオロ−4−ヨードベンゼン10g及びペンチン4.5mlを順次に加えた。反応混合物を8時間攪拌した後、シリカゲルパッドを通して濾過した。ろ液を酢酸エチルで希釈した後、10%塩酸水溶液、水及び食塩水で順次洗浄した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、減圧蒸留で精製してオイル状の1、2−ジフルオロ−4−ペント−1−イニルベンゼン7.15gを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.19 (ddd, J = 1.8, 7.8 and 10.8 Hz, 1H), 7.14-7.01 (m, 2H), 2.36 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.62 (qt, J = 7.2 and 7.5 Hz, 2H), 1.04 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
【0066】
段階2(2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンの合成):
1,2−ジフルオロ−4−ペント−1−イニルベンゼン1g、Co(CO)385mg、DMSO 0.7ml及びトルエン35ml入りの鉄製圧力反応器を一酸化炭素で3回パージ(purge)させた後、一酸化炭素5bar及びエチレン45barの下で密閉し、160℃で12時間攪拌した。反応生成物を冷却し、圧力を解除させた後、セラットパッドを通して濾過した。その後、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル 、ヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製してオイル状の2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オン1.05gを得た。
1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.19 (dt, J = 10.5 and 8.4 Hz, 1H), 7.09(ddd,
J = 2.1, 7.8 及び 11.1 Hz, 1H), 6.97 (m, 1H), 2.68 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 2.50(m, 2H), 1.62 (m, 2H), 0.95 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
【0067】
段階3(2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシムの合成):
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オン1.36gをピリジン20ml中でヒドロキシルアミン塩酸塩2.6gと縮合反応させて2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム980mgを得た。
【0068】
実施例80:
標題化合物2−(3−ニトロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを前記実施例78と類似する方法により製造した。但し、実施例80の工程では段階3における鈴木カップリング反応のために3−ニトロフェニルボロン酸が用いられた。
【化20】

mp = 128-129 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ8.19 8.14 (m, 2H), 7.63 7.52 (m, 2H), 7.00 (s, 1H), 2.84 (m, 2H), 2.65 (m, 2H), 2.28 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 1.55 (m, 2H), 0.89 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0069】
実施例81:
3−エチル−2−(4−フルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム:
プロピルマグネシウムクロリドの代わりにエチルマグネシウムクロリドを用い、前記実施例78の段階1と類似する方法により3−エチル−2−シクロペンテン−1−オンを製造した。その後、3−エチル−2−シクロペンテン−1−オンを出発物質として前記実施例78と類似する方法によって標題化合物を得た。
【化21】

mp 168-169 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.24 (m, 2H), 7.08 (m, 2H), 6.89 (s, 1H), 2.81 (m, 2H), 2.61 (m, 2H), 2.30 (q, J = 7.8 Hz, 2H), 1.08 (t, J = 7.7 Hz, 3H); APCI MS: m/z 220.1 (M+1).
【0070】
実施例82:
標題化合物2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−エチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを前記実施例81と類似する方法により製造した。但し、実施例81では鈴木カップリング反応のために4−フルオロフェニルボロン酸の代わりに3,4−ジフルオロフェニルボロン酸を用いた。
【化22】

mp = 136-137 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.16 (m, 1H), 7.11 (m, 1H), 6.99 (m, 1H), 6.88 (s, 1H), 2.81 (m, 2H), 2.62 (m, 2H), 2.31 (q, J = 7.8 Hz, 2H), 1.08 (t, J = 7.8 Hz, 3H).
【0071】
実施例83:
2−(4−フルオロフェニル )−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム: プロピルマグネシウムクロリドの代わりに臭化メチルマグネシウムを用い、前記実施例78の段階1と類似する方法により3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンを製造した。その後、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンを出発物質として前記実施例78と類似する方法によって標題化合物を得た。
【化23】

mp 170-171 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.26 (m, 2H), 7.08 (m, 2H), 6.77 (s, 1H), 2.81 (m, 2H), 2.60 (m, 2H), 1.92 (m, 3H); APCI MS: m/z 206.1 (M+1).
【0072】
実施例84:
標題化合物2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシムを前記実施例83と類似する方法により製造した。但し、鈴木カップリング反応のため、前記実施例83で用いられた4−フルオロフェニルボロン酸の代わりに3,4−ジフルオロフェニルボロン酸を用いた。
【化24】

mp = 155-156 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.19 7.10 (m, 2H), 7.04 (m, 1H), 6.75 (s, 1H), 2.81 (m, 2H), 2.60 (m, 2H), 1.94 (m, 3H).
【0073】
実施例85:
2−(4−フルオロフェニル)−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム:n−ブチルリチウムの代わりにsec−ブチルリチウムを用い、前記実施例33と類似する方法により3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンを製造した。その後、3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンを出発物質として前記実施例33と類似する方法によって標題化合物を合成した。
【化25】

mp = 154-157 oC; 1H NMR (CDCl3, 300MHz): δ7.22 7.17 (m, 3H), 7.11 7.04 (m, 1H), 2.79 (m, 2H), 2.56 (m, 2H), 2.16 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 1.93 1.81 (m, 1H), 0.83 (d, J = 6.6 Hz, 6H); APCI MS: m/z 248.1 (M+1).
【0074】
実施例86〜91:
下記表6に示された化合物を前記実施例85と類似する方法により製造した。実施例86〜90の工程において、段階3における鈴木カップリング反応のために次のようなアリールボロン酸が採択された:3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(実施例86)、3,4−メチレンジオキシフェニルボロン酸(実施例87)、3−ニトロフェニルボロン酸(実施例88)、3−シアノフェニルボロン酸(実施例89)、3−フルオロ−4−n−ノニルフェニルボロン酸(実施例90)、及び3−n−ブトキシフェニルボロン酸(実施例91)。実施例86〜91の化合物のスペクトルデータを融点と共に下記表6に示した。
【0075】
表6 実施例86〜91に関する物理的特性データ
【化26】

【表10】

【0076】
生物学的評価
本発明の化合物による刺激された免疫細胞におけるTNF−α生産阻害能を評価した。IC50値(TNF−α生産の50%を阻害する濃度)は用量反応曲線から算出した。試験管内(in vitro)阻害分析は、陽性対照群としてPDE4阻害剤であるロリプラム(rolipram)を用いて行う。また、炎症性または兔疫性疾患の動物モデルにおける本発明の化合物の治療効果を評価した。また、本発明の化合物のPDE4アイソザイム阻害能も分析した。
【0077】
ラットPBMCにおけるTNF−α生産阻害:
文献(Exp. Geront., 37, 235-247,2002)に提示された方法により、本発明の化合物を対象とし、ラット末梢血単核細胞(PBMC)におけるTNF−α生産阻害能を評価した。つまり、ACD(酸/クエン酸塩/デキストロース)で処理し腹部静脈から採取した、ラット血液6mlをフィコール1077(Ficoll 1077)6ml入りのチューブに注意深く加え、チューブを室温で1500rpm(415G)で30分間遠心分離した。得られた細胞分画(中間分画)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)入りの50mlチューブに懸濁した。このチューブを2000rpm(737G)で5分間遠心分離した。得られたペレットをPBS6ml及びフィコール1077 6ml中で懸濁させ、室温で1500rpm(415G)で30分間遠心分離し、残りの血漿を除去した。得られた細胞分画をPBSに懸濁させて2000rpmで5分間遠心分離した。このような洗浄工程を2回繰り返した。その後、回収された細胞を10%FBS含有RPMI−1640 10mlに懸濁した後、ml当たり4×10細胞を含むように希釈した。細胞懸濁液を96−ウェルプレートのウェル当たり100μlずつ分株し、ここにDMSO(placebo)または指定された濃度の本発明の化合物を含むDMSO標準溶液1μlずつを前処理した。前記プレートを5% CO及び95% Oの条件下で37℃で1時間培養した後、各ウェルに0.1ug/ml LPS、5U/ml IFN−γ及び10%FBSを含むRPMI−1640 100μlを加えた。その後、前記プレートを5%CO及び95% Oの条件下で37℃で18時間培養させた後、各ウェルから回収された上澄液をELISAで分析してTNF−αの水準を測定した。下記表7にはラットPBMCにおいてTNF−αの生産を阻害する本発明の化合物における測定された試験管内の活性が要約されている。しかし、このような試験管内阻害データの提供は、化合物の範囲を表7に示されたものに制限するわけではない。

表7 ラットPBMCにおけるTNF−αの生産に関する化合物の試験管内の阻害活性
【表11】

【0078】
ヒトPBMCにおけるTNF−αの生産阻害:
文献(J. Med. Chem.,39, 3238-3240, 1996)に提示された方法により、本発明の化合物を対象とし、ヒトPBMCにおけるTNF−αの生産阻害能を評価した。血液をACDで処理し健康なヒトから新鮮な血液を採取して、前記ラットPBMCに対して用いられた方法によりヒトPBMCを分離した。ヒトTNF−αに対するELISA分析は前記ラットTNF−αELISA分析と同様に行った。本発明の化合物はヒト及びラットPBMCに対して同等な阻害活性を示した。下記表8には本発明の一部の化合物のヒトPBMCに対する試験管内の阻害活性が要約されている。
表8 ヒトPBMCにおけるTNF−α生産に対する化合物の試験管内の阻害活性
【表12】

【0079】
TNF−α生産に対する生体内阻害:
文献(J. Pharmacol. Exp. Therapeut., 279, 1453-1461, 1996)に提示された方法と類似する方法によって、本発明の化合物を対象とし、LPSにより刺激されたマウスにおける生体内TNF−α生産に対する阻害能を評価した。つまり、一晩中絶食させたマウス(Balb/CまたはICR、25−30g)に賦形剤(5%トゥイーン80)と本発明の化合物とを、または賦形剤単独で経口投与(10ml/kg体重)した(0時間)。それから、0.5時間で前記マウスにそれぞれLPS100mgを腹腔内投与した後、2時間でCOで安楽死させた上で腹部静脈から血液を採取した。その後、採取した血液から遠心分離によって分離した血漿をELISAで分析し、TNF−αの水準を測定した。本発明の化合物による生体内TNF−α生産の%阻害率は、その化合物を処理したマウスで測定された平均TNF−α水準と、賦形剤単独で処理したマウスで測定された平均TNF−α水準とを比較して決めた。下記表9に示すように、本発明の化合物はLPSにより刺激されたマウスにおける生体内TNF−α生産を強力且つ効果的に阻害し、これはTNF−α生産に対する試験管内の阻害活性のそれと類似している。
表9 LPSにより刺激させたマウスにおけるTNF−α生産に対する化合物の生体内の阻害活性(グループ当たりn=5〜6)
【表13】

【0080】
遅延型過敏反応に対する治療効果:
文献(J. Immunol., 171, 3010, 2003)に提示された方法により、本発明の化合物を対象とし、遅延型過敏反応(delayed type hypersensitivity; DTH)のマウスモデルにおける炎症治療の効能を評価した。つまり、Balb/cマウスの腹部を剃った後、9:1アセトン/DMSO(賦形剤)の混合溶液に溶解されている2%オキサゾロンを腹部皮膚に局所投与した(0日)。それから5日後に、2%オキサゾロンを左耳に局所投与してDTHを誘発した。前記賦形剤に溶かした本発明の化合物を、オキサゾロン誘発2時間前及び4時間後に、左耳に2回局所投与した。治療効果はオキサゾロン誘発24時間後に、穿孔させた左耳(炎症誘発)と右耳(炎症非誘発)との重さを比べて評価した。例えば、実施例4化合物の3%溶液に対しては耳の浮腫の37%阻害率が確認されたのに対し(p<0.05)、5日後にシクロスポリンを90mg/kg用量で2回経口投与したマウスでは76%阻害率が確認された(p<0.01)。各群当たり動物5匹が評価された。
【0081】
DSS−誘導された大腸炎に対する治療効果:
文献(J. Pharmacol. Exp. Therapeut., 292, 22-30, 2000)に基づいて、本発明の化合物を対象とし、マウスでデキストラン硫酸ナトリウム (DSS)によって誘導された大腸炎に対する治療効能を評価した。つまり、16−20g重さの雌Balb/cマウスを無作為に群別に分けて(各群当たり5〜6匹)一日の間5%DSS含有の水を自由に飲ませた。5%トゥイーン80に溶かした本発明の化合物またはスルファサラジン(sulfasalazine)を10ml/kg用量で一日に二回経口投与した。各動物の臨床活性点数は毎日の便の硬さ、体重及び直腸出血を評価して測定した。本発明の化合物による治療効果が確認された。例えば、実施例4の化合物を1mg/kgBIDで投与した動物は11日目に臨床活性点数が対照群(賦形剤&DSS単独)に比べて43%向上したのに対し(p<0.05)、スルファサラジンを50mg/kgBIDで投与した動物においては19%向上したことが確認された(p>0.05)。
【0082】
U937細胞内cAMP分解に関する試験管内阻害:
発明の化合物を対象とし、細胞でアデニル酸シクラーゼ促進剤であるホルスコリン(forskolin)により誘導されたcAMPの加水分解に対する阻害能を評価した。つまり、96ウェルプレートにウェル当たり3×10のU937細胞を10%FBS含有RPMI−1640 200μlの中で37℃で10分間培養した後、DMSOまたは本発明の化合物のDMSO標準溶液を指定された量で処理した。その後、細胞を10μMホルスコリンで37℃で10分間刺激した。プレートを1500rpmで5分間遠心分離した。各ウェルから上澄液120μlを注意深く除去し、各ウェルに細胞溶解剤1B200μlを加えた。その後、細胞溶液をcAMP EIA キット(Amersham Pharmacia Biotech、Kit #RPN225)を用いる酵素免疫測定法(EIA)によって分析してcAMP水準を測定した。cAMP水準に対する用量反応曲線から本発明の化合物のIC50を決めた。本発明の化合物はU937細胞でcAMPの細胞性分解を強く阻害した。例えば、実施例2化合物のIC50値は0.1μg/mlであり、実施例4化合物のIC50値は0.13μg/mlであり、実施例45化合物のIC50値は0.87μg/mlであるのに対し、公知のPDE4阻害剤であるロリプラムのIC50値は0.27μg/mlであった。
【0083】
PDE4アイソザイムに対する阻害:
文献の方法(Biochemistry,39,6449-6458,2000)に基づいて、本発明の化合物を対象とし、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)のアイソザイム(Fab Gennix International Inc.,Frisco,Texas/USA)に対する阻害能を評価した。つまり、指定された用量の化合物を対象とし、pH7.4トリス緩衝液におけるPDE4アイソザイムによるcAMPの加水分解に対する阻害能を分析した。最終cAMP水準はSPAキット(Amersham Biosciences)を供給者の取扱説明書(TRKQ7090 Phosphodiesterase [3H]cAMP SPA enzyme assay)に従って用いるシンチレーション近接アッセイ(scintillation proximity assay; SPA)によって決められた。本発明の化合物は、下記表10に一部の化合物に対し示すように、PDE4アイソザイムを強く阻害した。
表10 ヒトPDE4アイソザイムに対する化合物の阻害活性
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
【化1】

式中、Rは、線形または分枝型のC−C10アルキル基、またはC−Cシクロアルキル基であり、Rは、置換基を有するか又は有しない芳香族基である。
【請求項2】
が、線形または分枝型のC−Cアルキル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、
が、置換基を有するか又は有しない芳香族基であり、前記芳香族基が、フェニル、ピリジル、ナフチル、インドリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾフラニルまたはチアントレニルから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
が、線形または分枝型のC−Cアルキル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、
が、ピリジル、ナフチル、インドリル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾフラニルまたはチアントレニルから選ばれる芳香族基であるが、下記化学式の置換基を有するフェニル基であることを特徴とする請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
【化2】

式中、R〜Rは、それぞれ独立的に、ヒドリド 、線形または分枝型のC−Cアルキル、アルケニル、ハロアルキル、アリール、ハロ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、メチレンジオキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ベンジルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルカルバモイル、N−ヒドロキシ−イミノアルキルまたはN−(N−ヒドロキシ−イミノアルキル)アミノから選ばれる。
【請求項4】
下記化合物群から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
3−シクロペンチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジフルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル )−3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(4−メチル−3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{4−メトキシ−3−(メトキシメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−{4−(ベンジルオキシ)フェニル}−3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(トリフルオロメトキシ)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−シアノフェニル)−3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル )−3−シクロペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{5−(1H)−インドリル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(6−メトキシナフチル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(4−ビニルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(4−ジベンゾフラニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(2−チアントレニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3−カルバモイルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(メチルチオ)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(メチルスルホニル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{3−(ヒドロキシメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロペンチル−2−{4−(ヒドロキシメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル )−3−シクロヘキシル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(3−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(3,4−ジフルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−シクロヘキシル−2−(3−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(4−フルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(2−フルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(2、4−ジフルオロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−ブロモフェニル)−3−ブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−エトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−メトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{4−(トリフルオロメトキシ)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(ヒドロキシメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−アミノフェニル)−3−ブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(エトキシカルボニル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−カルボキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(4−カルボキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−メチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(4−ブチルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−(3−フルオロ−4−フェニルフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(トリフルオロメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{4−(メタンスルフィニル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{4−(メタンスルホニル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(N−ヒドロキシアセトイミドイル)アミノフェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(1−N−ヒドロキシイミノエチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ブチル−2−{3−(N−ヒドロキシイミノメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(2−ベンゾ[b]チエニル)−3−ブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−フェニル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−フルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,5−ジフルオロフェニル )−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−ニトロフェニル)−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−ビフェニル)−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−{4−(トリフルオロメチル)フェニル}−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(1−ナフチル)−3−ペンチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−(3−ピリジル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−ペンチル−2−(3−チエニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−フルオロフェニル )−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−ニトロフェニル)−3−プロピル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−エチル−2−(4−フルオロフェニル )−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−エチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−フルオロフェニル )−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(4−フルオロフェニル )−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−ジフルオロフェニル )−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
3−イソブチル−2−(3−ニトロフェニル)−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−シアノフェニル)−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;
2−(3−フルオロ−4−n−ノニルフェニル)−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム;及び
2−(3−ブトキシフェニル)−3−イソブチル−2−シクロペンテン−1−オンオキシム。
【請求項5】
治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を活性成分として含む、TNF−α媒介疾患の予防または治療用薬学組成物。
【請求項6】
前記TNF−α媒介疾患が炎症性または兔疫性疾患であることを特徴とする請求項5に記載の薬学組成物。
【請求項7】
前記TNF−α媒介疾患が関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症、内毒素性ショック 、肝炎及び1型糖尿病からなる群から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の薬学組成物。
【請求項8】
前記TNF−α媒介疾患が潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む炎症性腸疾患、乾癬、またはアトピー性皮膚炎であることを特徴とする請求項5に記載の薬学組成物。
【請求項9】
治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を活性成分として含む、PDE4媒介疾患の予防及び治療用薬学組成物。
【請求項10】
前記PDE4媒介疾患が喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)であることを特徴とする請求項9に記載の薬学組成物。
【請求項11】
治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を用いてTNF−α媒介疾患を予防または治療する方法。
【請求項12】
前記TNF−α媒介疾患が炎症性または兔疫性疾患であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記TNF−α媒介疾患が、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症、内毒素性ショック 、肝炎及び1型糖尿病からなる群から選ばれることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記TNF−α媒介疾患が、潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む炎症性腸疾患、乾癬、またはアトピー性皮膚炎であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与してPDE4媒介疾患を予防または治療する方法。
【請求項16】
前記PDE4媒介疾患が喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)であることを特徴とする請求項15に薬学組成物。
【請求項17】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩のTNF−α媒介疾患の予防または治療のための用途。
【請求項18】
前記TNF−α媒介疾患が炎症性または兔疫性疾患であることを特徴とする請求項17に記載の用途。
【請求項19】
前記TNF−α媒介疾患が、関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、多発性硬化症、全身性テマトーデス(SLE)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、敗血症、内毒素性ショック 、肝炎及び1型糖尿病からなる群から選ばれることを特徴とする請求項17に記載の用途。
【請求項20】
前記TNF−α媒介疾患が潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む炎症性腸疾患、乾癬、またはアトピー性皮膚炎であることを特徴とする請求項17に記載の用途。
【請求項21】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩のPDE4媒介疾患の予防または治療のための用途。
【請求項22】
前記PDE4媒介疾患が喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)であることを特徴とする請求項21に記載の用途。

【公表番号】特表2008−521885(P2008−521885A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544262(P2007−544262)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004061
【国際公開番号】WO2006/059867
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(505118718)アモーレパシフィック コーポレイション (21)
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【Fターム(参考)】