説明

めっき処理中の基板表面をウェットに維持するプロセス

【解決手段】統合された無電解堆積プロセスを含むプロセスを通して基板を処理する方法およびシステムは、堆積溶液を用いて基板の導電性フィーチャの上に層を堆積させるように、無電解堆積モジュールにおいて基板の表面を処理することを含む。その後、基板表面は、無電解堆積モジュールにおいて洗浄液で洗浄される。この洗浄は、表面の脱湿を防いで、洗浄液から形成される転移膜によって基板表面が被覆されたままとなるように、調節される。基板は、その基板表面に転移膜を保持したまま、無電解堆積モジュールから取り出される。基板表面の転移膜によって基板表面の乾燥を防ぐことで、ウェットな状態で取り出しが行われる。無電解堆積モジュールから取り出された基板は、その基板表面に転移膜を保持したまま、堆積後モジュールの中に移される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは半導体基板処理に関し、より具体的には、製造工程中の統合された無電解堆積プロセスを通した基板の処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路、記憶素子などの半導体デバイスの製造では、半導体基板(「基板」)上に多層フィーチャを形成するための一連の製造工程が実行される。デバイスの大きさがサブミクロンのレベルまで減少するにつれて、多層フィーチャは広く一般的になりつつあり、より高い計算能力を提供するためにデバイスの密度を増加させたいという要求が常にある。
【0003】
一連の製造工程は、基板表面上での選択的除去(エッチング)または幾つかの異なる材料の堆積を伴う。製造工程は、拡散領域を備えるトランジスタデバイスまたはコンデンサデバイスが形成される基板レベルで開始される。形成されたトランジスタの上に、誘電(絶縁)材料の第1の層が堆積される。続くレベルでは、製造プロセスの一連の手順により、基層の上にメタライゼーション配線が多層薄膜としてパターン形成される。メタライゼーション配線は、コンタクト(接点)によって下層のトランジスタデバイスまたはコンデンサデバイスに電気的に接続されて、これにより所望の回路を形成する。導電パターン層は、誘電材料の層によって互いから絶縁されている。
【0004】
銅は、アルミニウムに比べて低抵抗で、エレクトロマイグレーションの影響を受けにくいことから、多くのデバイス配線の導体として選択されるようになりつつある。エレクトロマイグレーションは、伝導電子と拡散金属原子の間での運動量の移行によって導体内のイオンが徐々に移動することに起因する材料の移動である。エレクトロマイグレーションは、集積回路(IC)の信頼性を低下させる。最悪の場合、エレクトロマイグレーションは、最終的に1つ以上の接続の欠損につながり、その結果、回路全体の間欠的故障が生じる。
【0005】
銅のパターン形成に一般的に用いられる方法の1つは、銅ダマシン・プロセスと呼ばれるものであり、この方法では、パターン形成された溝を有する基板が、バリア層形成後に銅配線の堆積(めっき)プロセスを受ける。堆積プロセスでは、上部およびパターン形成された溝の底と側壁に沿って、銅シード層が堆積される。銅の上面は、続く化学機械研磨(CMP)によって研磨される。このような手順によって、上面に露出した銅金属により明確に形成された銅線または銅パッドが残り、しかも、それらは基板の表面全体にわたる誘電体の間でうまく絶縁されている。
【0006】
銅配線のエレクトロマイグレーション特性を格段に向上させるように銅の表面特性を改変または改善するため、また、銅の上に続けて堆積される材料と銅との界面特性を向上するため、大きな努力が払われている。中でも、銅の上面へのコバルト合金での無電解堆積(ELD)によるキャップ形成は、先進ナノデバイスで要求される集積性能を実現するのに最も有効な技術であることが証明されている。ELDによると、基本的に誘電体層への堆積なしで、銅線上への他の金属の選択的自己触媒堆積が可能である。この選択的プロセスによって、界面接着強度を向上させ、かつエレクトロマイグレーションの発生率を最小限に抑えるために必要な銅配線のキャップ形成を可能にしながら、配線間の電気絶縁を維持することが可能である。
【0007】
銅ダマシン・プロセスでは、銅線は、その側面および底面をバリア金属で、上面をバリア/エッチング停止用の誘電体で被包される。銅/誘電体界面は、銅/バリア金属界面よりも接着が弱いので、銅沈着は、主として上面で生じる。高電流密度下では、銅エレクトロマイグレーション(EM)によって原子が電子流の方向に移動することになり、最終的にデバイスの故障が生じる。上面の上にバリア層を挿入することにより銅/誘電体の接着性を向上させようとする試みは、費用のかかる追加のパターン形成およびエッチングの工程が必要となるだけでなく、配線抵抗が大きく増加することになる。バリア層を挿入することに対するより良い代替案は、CMPの後に選択的ELDプロセスを用いて、コバルト、タングステン、リン(CoWP)のキャップを銅に追加することである。一部の例では、CoWPキャップを用いることで、通常の誘電体層のみ用いる構造に比較して、EM寿命の1〜2桁の向上につながることが実証されている。しかしながら、CoWPキャップを銅に追加することには、独自の問題がある。例えば、キャップで覆われていない銅および前の処理段階の副産物が周囲の誘電体層に拡散することがある。この拡散によって、多孔質誘電体層への導電性金属種の移動が生じることがあり、これが大きな電気的リークにつながる可能性がある。
【0008】
キャップ形成工程の後、更なる処理のために、基板が、めっきモジュールから後続のブラシスクラブ・モジュール、化学モジュール、および/またはブラッシング洗浄(すすぎ・洗浄)−乾燥の複合モジュールといった処理モジュールに移される前に、基板は乾燥される。基板は、当然のことながら、洗浄−乾燥モジュールにおいて、次の誘電体堆積の製造工程の前に、しっかり乾燥させなければならない。しかしながら、ELDモジュールと最後の洗浄−乾燥モジュールとの間での基板の過早の乾燥は、深刻な問題を引き起こすことになる。ELDモジュールにおける堆積後洗浄がどんなに大がかりなものであっても、基板の上面の液体中には低濃度の金属イオンが存在する。その金属イオンは、基板表面上の水溶液に金属が持続的に溶解することにより発生するコバルトイオンである可能性がある。ELDモジュールでのその後の基板乾燥は、遠心脱水プロセスであることがある。遠心脱水プロセスによると、基板表面の一部領域に液体の非常に薄い層が常に残り、それは、金属表面に最も近いので、当然、より高濃度の金属イオンを含んでいる。金属イオンは、溶解すると、金属線または金属パッドの上のみに局在するのではなく、液体層の範囲内で水平方向に拡散する。
【0009】
液体溶媒が最後の一滴まで最終的に蒸発すると、金属イオンの濃度は容易に限界濃度を超えることがあり、こうして、金属線、金属パッド、および誘電体表面を一様に覆う導電性残留物または汚染物として沈着することになる。さらに悪いことに、ELDモジュールは遠心脱水向けに設計(最適化)されていないので、もともとは基板表面から放出された多くの液滴が、ほぼ乾燥済みの基板表面に跳ね返ることが避けられない場合がある。そのような小さく微細な液滴は振り落とされることはない。それどころか、そのような微細液滴は、すっかり乾燥されて、基板表面、金属上面、および誘電体上面に一様に、より厚い追加の残留物または汚染物を残すことになる。これらの残留物または汚染物は、除去されない場合、経時絶縁破壊(TDDB:Time Dependent Dielectric Breakdown)に深刻な影響を及ぼすことになる。一方、これらの残留物/汚染物がウェットエッチングによって除去される場合、バリア材の上にはCoWPの堆積がないので、銅の上面のCoWPキャッピングの完全性が損なわれて、銅‐バリア界面で銅が露出することになる。
【0010】
従来のプロセスにおける問題についての極めて詳細な説明を、(好んで選ばれる導電性金属であるという理由で)銅に関して行ったが、このような問題は、デバイス配線を形成するために用いられる他の導電性金属にも広く一般に認められるということに留意すべきである。
【0011】
本発明の実施形態は、このような背景において生まれたものである。
【発明の概要】
【0012】
大まかに言えば、実施形態は、最終乾燥工程よりも前の統合された無電解堆積プロセスを通して基板を処理する間、基板表面をウェットに維持するための改良された装置、システム、および方法を提供することにより、要求を満たすものである。基板の表面は、堆積溶液を用いて基板の導電性フィーチャの上に層を堆積させるように、無電解堆積(ELD)モジュールにおいて処理される。層の堆積を終えると、ELDモジュールにおいて、基板の表面をDIWなどの堆積後洗浄液で洗浄して、基板の表面から堆積溶液を概ね洗い流すことができる。一実施形態では、DIW洗浄によるかどうかを問わず、基板は、無電解堆積モジュールにおいて洗浄液で洗浄される。この洗浄は、基板表面のディウェッティング(脱湿)を防ぐように調節される。洗浄によって、基板表面を洗浄液で被覆することが可能である。洗浄液は、基板表面が乾燥すること、および周囲空気にさらされることを防ぐ転移膜として機能して、無電解堆積モジュールからの移動の際に基板表面がウェットに維持されることを保証する。基板は、その基板表面上に転移膜を備えた状態で、無電解堆積モジュールから外に移される。基板は、後続の堆積後モジュールに移され、このとき、次の処理段階が開始するまで基板表面上に転移膜が維持される。
【0013】
本実施形態は、ELDプロセスと最後の洗浄‐乾燥プロセスとの間での基板の過早の乾燥を伴う従来の堆積プロセスが直面する難点に対処するものである。具体的には、本実施形態は、堆積プロセスの終了時に、後の洗浄プロセスの前に、確実に堆積後液膜(これは、基板表面を処理するために使用される化学剤とすることができる)で基板表面を均一に覆うことで基板をウェットに維持することにより、過早の乾燥の問題に対処する。一実施形態では、基板が無電解堆積モジュールから、洗浄‐乾燥モジュールよりも前の次の処理モジュールに搬送される間、基板はウェットに維持される。基板表面上に堆積後洗浄液によって形成される転移膜があることによって、処理用化学剤の沈着および拡散による損傷、または周囲環境からの汚染物および他の不純物の沈着による損傷が確実に回避される。
【0014】
沈着と拡散に関連する問題に対して、従来の堆積プロセスでは、基板を堆積モジュールから移動させる前に、基板を遠心脱水することで、基板表面から堆積溶液を除去することを可能にしている。しかしながら、基板を堆積モジュールの外に移すときに、堆積モジュール内の湿度が高いために、1つ以上の堆積溶液の液滴が基板表面に沈着することがあり、その結果、基板上に形成されている活性フィーチャに損傷が生じる。このような損傷が、本発明の実施形態では、基板表面上に堆積後液膜の層を保持することによって、明らかに回避される。堆積後液膜の層が既に基板表面上にあるので、高湿度の無電解堆積モジュールにおいて基板表面上に沈着する洗浄液の追加の1滴、2滴が、基板表面に形成されている活性フィーチャに悪影響を及ぼすことはない。一実施形態では、堆積後液膜は、処理用化学剤の膜であり、これは、基板表面上に形成されている金属および層間絶縁膜(ILD:InterLayer Dielectric)が周囲空気にさらされることを防ぐバリアとして機能することで、基板表面上での金属酸化、化学反応、および材料の変化を抑えている。一実施形態では、ILDは、周囲空気にさらされると多孔質ILDの表面に金属またはイオンの沈着が生じることがあり、その結果、配線間の“トーク”が増加することになるので、ILDを周囲空気から隔離することが重要である。トークが増加すると、リーク電流が増加することになり、これによってエレクトロマイグレーションが進行する。
【0015】
また、従来の堆積プロセスの乾湿サイクルによると、ILD上の汚染物のレベルが高まり、これはリーク電流の増加に直接つながる。リーク電流が増加すると、全電流密度が増加することになり、これによってエレクトロマイグレーションが進行し、最終的に経時絶縁破壊(TDDB)を進行させる。存在する汚染物を除去して、さらに、他の汚染物が処理面の表面および内部に凝集することを防ぐことにより、金属線と層の間でILDの絶縁特性を維持して、これによりTDDBに影響を与えないようにしている。また、従来のプロセスでは、銅、銅誘導体、および他の金属の誘導体などの電気的に活性な種の拡散によって、銅金属線間の電気的リークまたは短絡が生じ、これが、そこに形成されるデバイスの誤動作につながる。本実施形態では、乾湿サイクルを回避することで、金属誘導体が多孔質誘電体の表面に拡散することを抑えて、これにより、そこに形成されるデバイスにおける結果としてのリーク電流を防いで、デバイスの電気歩留まりを大きく増加させている。
【0016】
当然のことながら、本発明は、方法、装置、およびシステムを含む様々な形態で実施することができる。本発明のいくつかの発明的実施形態について以下で説明する。
【0017】
一実施形態において、統合された無電解堆積プロセスを含むプロセスを通して基板を処理する方法について開示する。この方法は、堆積溶液を用いて基板の導電性フィーチャの上に層を堆積させるように、無電解堆積モジュールにおいて基板の表面を処理することを含む。その後、基板表面は、無電解堆積モジュールにおいて洗浄液で洗浄される。この洗浄は、表面の脱湿を防いで、洗浄液によりもたらされる転移膜によって基板表面が被覆されたままとなるように、調節される。基板は、その基板表面に転移膜を保持したまま、無電解堆積モジュールから取り出される。基板表面の転移膜によって基板表面の乾燥を防ぐことで、ウェットな状態で取り出しが行われる。無電解堆積モジュールから取り出された基板は、その基板表面に転移膜を保持したまま、堆積後モジュールの中に移される。
【0018】
別の実施形態において、統合された無電解堆積プロセスを含むプロセスを通して基板を処理する方法について開示する。この方法は、堆積溶液を用いて基板の導電性フィーチャの上に層を堆積させるように、無電解堆積モジュールにおいて基板の表面を処理することを含む。その後、基板表面は、無電解堆積モジュールにおいて洗浄液で洗浄される。無電解堆積液において処理液が適用される。この処理液によって転移膜を形成する。この処理液の適用は、表面の脱湿を防いで、転移膜によって基板表面が被覆されたまま表面の化学処理が行われるように、調節される。基板は、その基板表面に転移膜を保持したまま、無電解堆積モジュールから取り出される。転移膜によって基板表面の乾燥を防ぐことで、基板はウェットな状態で取り出される。無電解堆積モジュールから取り出された基板は、その基板表面に転移膜を保持したまま、堆積後モジュールの中に移される。
【0019】
さらに別の実施形態において、統合された無電解堆積プロセスを含むプロセスを通して基板を処理するシステムについて開示する。このシステムは、無電解堆積モジュールを備え、これは、基板の上に形成されている導電性フィーチャの上に堆積溶液の層を堆積させることにより、該基板の表面を処理し、さらに、脱湿を防いで、基板表面に液の被覆を適用するための液の適用を調節するように構成されている。システムは、さらに、ウェットロボットを備え、これは、基板表面に液の被覆を保持したまま、無電解堆積モジュールから基板を取り出し、基板表面に液の被覆を保持したまま、堆積後モジュールの中に基板を移動させるように構成されている。
【0020】
別の実施形態において、統合された無電解堆積プロセスを含むプロセスを通して基板を処理するシステムについて開示する。このシステムは、無電解堆積モジュールを備え、これは、基板の表面に形成されている導電性フィーチャの上に層を堆積させるために用いられる堆積溶液を供給し、層を堆積させた後に、基板表面を洗浄するための洗浄液を適用し、さらに、基板表面に処理液を適用して、該処理液により転移膜を形成するように構成されている。この無電解堆積モジュールは、表面の脱湿を防いで、基板表面に転移膜を保持したまま表面の化学処理が行われるように、処理液の適用を調節するための制御部を有する。システムは、さらに、ウェットロボットを備え、これは、基板上に転移膜を保持したまま、無電解堆積モジュールから基板を取り出すことで、転移膜により基板の乾燥を防いで、基板をウェットな状態で無電解堆積モジュールから取り出し、さらに、基板上に転移膜を保持したまま、堆積後モジュールの中に基板を移動させるように構成されている。
【0021】
統合された無電解堆積プロセスでは、堆積溶液を選択的に堆積させることで、基板表面上の導電性フィーチャにキャップを形成して、基板表面に形成されている材料の酸化、他の化学反応、および変化を防止する。汚染物、化学剤の残留によって基板表面上のILDおよび金属フィーチャが損傷されることを、堆積後液膜によって防ぎ、その結果、基板表面上に形成されるデバイスの高い電気歩留まりが得られる。
【0022】
本発明の他の態様および効果は、本発明の原理を例によって示す添付の図面を併用して行われる以下の詳細な説明から、明らかになるであろう。
【0023】
本発明は、添付の図面を併用して行われる以下の説明を参照することで、容易に理解できるであろう。これらの図面は、本発明を好ましい実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、説明および理解のためのものにすぎない。類似の構造的要素は、類似の参照符号で示している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態における無電解堆積キャップ形成プロセスの簡略図。
【図2A】本発明の一実施形態において、統合された無電解堆積プロセスで基板の処理に使用されるELDモジュールの断面ブロック図。
【図2B】本発明の一実施形態において堆積プロセスで使用されるELDモジュールの、蓋が開いた状態の概略上面図。
【図2C】本発明の一実施形態における、図2Bに示すELDモジュールの(単に説明を目的として蓋が削除された)概略上面図。
【図3A】本発明の一実施形態において、統合された無電解堆積プロセスで基板を処理するための無電解堆積システム内の様々なモジュールおよび構成要素の簡略ブロック図。
【図3B】本発明の代替の実施形態において、統合された無電解堆積プロセスで基板を処理するための無電解堆積システム内の様々なモジュールおよび構成要素の簡略ブロック図。
【図4A】本発明の一実施形態において、統合された無電解堆積プロセスにかかわる様々なステップの簡略化処理手順図。
【図4B】本発明の別の実施形態において、統合された無電解堆積プロセスにかかわるステップの簡略化処理手順図。
【図5A】本発明の一実施形態において無電解堆積システムの構成要素で実行される様々な工程を示す説明図。
【図5B】本発明の代替の実施形態において無電解堆積システムの構成要素で実行される様々な工程を示す説明図。
【図6】本発明の一実施形態において堆積プロセスで用いられる工程のフローチャート。
【図7】本発明の代替の実施形態において堆積プロセスで用いられる工程のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
統合された無電解堆積(ELD)プロセスを含むプロセスを通して基板を効率的に処理する幾つかの実施形態について、以下で説明する。これら様々な実施形態では、ELDプロセスについて記載し、このプロセスでは、無電解堆積モジュールにおいて基板に堆積を適用することで、基板表面に形成されている導電性フィーチャにキャップを形成し、そして、転移膜を適用することで基板表面を湿潤させる。本出願で使用する場合の転移膜とは、脱イオン水(DIW:De‐Ionized Water)などの化学剤であり、これは、界面活性剤の有無を問わず、下層のフィーチャ/コンポーネントを。周囲空気にさらされることから保護するためのバリアを提供するように機能するものである。表面を湿潤させる転移膜を備えた基板は、システム内において更なる処理のため、ELDモジュールまたは堆積後モジュールから次の堆積後モジュールに搬送される。
【0026】
留意すべきは、本発明の理解を与えるため、例示的な実施形態について記載しているということである。しかし、本発明は、これらの具体的詳細の一部または全てがなくても実施できることは、当業者には明らかであろう。また、本発明を不必要に不明瞭にすることがないように、周知の処理工程については詳細に記載していない。
【0027】
基板表面の転移膜は、基板表面上の材料の酸化、他の化学反応、および/または変化を抑えるためのバリアとして機能する。変化とは、本出願で使用する場合、化学反応による材料の化学的性質の変化であって、結果として得られる材料が、その材料とは実質的に異なる化学的性質を有するような変化を示している。材料の化学的変化は、変化した材料の性質が異なることによって、デバイスの誤動作の原因となることがある。転移膜は、汚染物または他の残留物が基板表面に沈着して、誘電体だけではなく導電性材料の特性を損なうことも防止する。さらに、基板表面の転移膜は、処理中およびモジュール間での搬送中の両方において、基板表面の過早の乾燥によって欠陥が形成されることも防いでいる。
【0028】
従来のELDシステムは、ELDモジュールにおいて基板表面上への選択的堆積を実施することを可能にした。堆積を終えると、基板表面は、堆積プロセスの後に基板表面上に残されたあらゆる化学剤および残留物を除去するために洗浄され、ELDモジュールから追加処理が実行される堆積後モジュールに基板を搬送する前に、乾燥されていた。従来のELDシステムの乾湿サイクルは、基板表面の過早の乾燥の原因となり、湿潤の途切れ、酸化物除去および再酸化を引き起こしていた。再酸化は、金属線の望ましくない腐食の原因となり、これによって、デバイスの金属配線が弱化する。過早の乾燥によって、基板表面上に欠陥および汚染物が残り、その結果、デバイスの誤動作が生じて、実質的な歩留まり損失につながる。さらに、湿潤の頻繁な途切れによって、基板表面から周囲空気に放出された汚染物が基板表面に沈着することが可能となり、デバイスの更なる損傷の原因となる。このように、従来のELD堆積プロセスを用いると、銅表面上で望ましいキャッピング特性を実現することができず、経時絶縁破壊(TDDB)とエレクトロマイグレーションによって、先進ナノデバイスの主要な電気的特性を著しく損なう。これは、電気歩留り損失、およびデバイス信頼性の低下につながる。
【0029】
ELDキャッピングを最大限に生かして、電気歩留まりを向上するとともに、デバイスの誤動作を最小限として、先進ナノデバイスの信頼性を向上するため、新規のシステム、装置、および方法について開示する。これは、統合された無電解堆積モジュールを用いて堆積プロセスを実行し、これにより、化学機械研磨(CMP)などの製造工程の後に導電性フィーチャ(例えば、銅)にキャップを(例えば、コバルト、CoWPで)形成し、さらに、この堆積プロセスの後で、堆積後液(流体)の膜を適用することで、脱湿を防ぐように基板表面を被覆するものである。堆積後液は、基板表面に転移膜を形成する。基板は、基板表面が転移膜で覆われたウェットな状態で、ELDモジュールから堆積後モジュールへ、更なる処理のために搬送される。基板の更なる処理のための、あるモジュールから別のモジュールへのウェットな基板の搬送を補助するため、ウェットロボットが使用される。実質的な処理が終わると、基板は、転移膜に基板表面を覆われたウェットな状態で、洗浄モジュールに搬送され、そこで、基板は洗浄され、乾燥される。洗浄および乾燥された基板は、ドライロボットを用いてELDシステムの外に搬送される。汚染物を除去して、他の汚染物を基板の処理面に凝集させないようにすることにより、金属層の間でILDの絶縁特性を維持し、また、CoWPキャップ層などのキャップ層によって提供される電気的強化を実現して、これにより、経時絶縁破壊(TDDB)を最善化している。結果として得られる基板は、ほぼ清浄であり、材料の酸化、他の化学反応または変化に起因して生じる欠陥が無く、乾湿サイクルが最小限であることから十分な電気歩留まりを有している。
【0030】
ELDシステムの様々な利点についての更なる理解のため、添付の図面を参照して、様々な実施形態について以下で説明を行う。図1は、従来のプロセスに関連する問題を理解するため、従来の製造プロセスで用いられる無電解堆積(ELD)キャップ形成プロセス例を示している。ELDキャップ形成プロセスは、通常、基板に銅堆積を適用して基板表面に配線層を形成した後に実行される。銅堆積は、当業界では周知であり、一般的には電気めっき装置を用いて実現される。従って、これについては、本出願で詳しい説明は行わない。銅堆積の後に、堆積した銅を平坦化して、誘電体表面上を含む基板表面上に堆積した余分な銅およびバリア材を除去するために、化学機械研磨(CMP)などの製造工程が実行される。銅の平坦化は、当業界で現在用いられている通常のCMP法を用いて実施することができるので、ここで詳しくは説明していない。
【0031】
平坦化を終えると、平坦化工程とその後の酸化によって後に残された残留物および汚染物(例えば、誘電体上のCu系粒子)を除去するために、基板表面は洗浄される。平坦化工程に続いて、基板は、無電解堆積(ELD)プロセスを経て、そこで、銅配線などの露出した導電性フィーチャにキャップが形成される。典型的なキャップ形成プロセスでは、コバルト系合金の化学剤を用いる。コバルト・キャッピングによって、ある領域に集中して、他の領域にボイドまたは空孔を発生させるものである(その結果、EMとしても知られるデバイス故障が生じる)銅のエレクトロマイグレーションを、デバイスの寿命期間を通じて抑えることができる。さらに、コバルト・キャッピングは、基板表面上で銅が堆積される領域の周囲にある誘電体材料へ、銅が拡散することを防ぐのに役立つ場合がある。誘電体材料の多孔性に起因して、誘電体材料の表面上または細孔内に残る銅およびコバルトの誘導体の沈着によって、低誘電率誘電体材料の特性が損なわれることがあり、その結果、デバイスの誤動作が生じる。CoWPキャッピングがもたらす利点は、存在するILDの電気的完全性を維持することができる限りにおいて、実現される。
【0032】
再び図1を参照すると、この図は、CMPプロセスの後に続くELDキャップ形成プロセスの典型例を示している。下層のデバイスへの配線を形成するために表面上に堆積された銅は、ステップAに示すように、従来の化学機械研磨(CMP)法を用いて平坦化され、そして基板表面は、平坦化工程からの残留物を除去するために洗浄される。平坦化および洗浄の工程に続いて、ステップBに示すように、基板表面上の導電性フィーチャにキャップを形成するため、無電解堆積を用いたキャップ形成プロセスが、キャップ形成用化学剤を使用して実行される。一実施形態では、キャップ形成用化学剤は、コバルトリッチな化学的合金であり、これによって、導電性フィーチャにコバルト合金キャップ(CoWP)を設けることができる。キャップ形成工程は、ステップD1に示すように、基板表面から残留物を除去するための堆積後洗浄に続き、さらに、ILDに汚染物が付着しないようにするパッシベーション液(処理用化学液または洗浄液)の層を適用することを含んでいる。また、処理用化学液層は、基板の望ましくない領域へのコバルトの更なる堆積も防いでいる。
【0033】
一般に、デバイスの大きさがサブミクロンのレベルに達すると、下層のデバイスへの配線を提供する銅金属線などの導電性フィーチャの幅は、100ナノメートル以下のレベルになり、一部、50ナノメートル未満の幅を有するものもある。そのような場合のキャッピングは、通常、約10ナノメートル未満である。ところが、図1のステップBに示すようにコバルトリッチな化学剤を適用する一般的なキャップ形成プロセスによると、結果的に層間絶縁膜材料(ILD)を汚染することになる。キャップ形成工程の後に続く効果的な堆積後洗浄なしでは、図1のステップCに示すように、多孔質誘電体の表面および内部において、金属原子、有機物質および無機物質などのコバルト腐食生成物の拡散による移動が生じることがある。従来知られている乾湿サイクルでは、そのような拡散を増進させていただけであり、表面に固着して誘電体材料に移動する汚染物を表面に残していた。ILDにおける汚染物の沈着は、導電性フィーチャ間でのリークまたは短絡を引き起こして、実質的な歩留まり損失につながる。
【0034】
そこで、ELDプロセスの後に汚染物が無く、かつ残留物の無い誘電体表面を提供する、改良されたELDプロセスを開示する。以下で記載する様々な実施形態は、統合されたウェットプロセスを用いて誘電体材料の特性を維持する効果的な方法を提供する。本明細書に記載の統合されたウェットプロセスでは、基板表面をウェットに保ち、ELDキャップ形成プロセス後にコバルト堆積を不動態化することにより、沈着および移動によるそのような汚染を防止および抑制する。基板の多孔質誘電体表面に転移膜の薄層を保持することによって、表面はウェットに保たれる。転移膜は、ELDモジュールでの堆積プロセスで用いられる堆積溶液によって、一部形成されている。例えば、堆積溶液の組成に基づいて、コバルト堆積の不動態化を達成するように、転移膜を形成する堆積後液の濃度、流量などの組成パラメータおよび適用パラメータを決定することができる。導電性フィーチャの周囲の誘電体材料上の転移膜の薄層によって、基板表面への金属含有種の固着を防ぐための効果的なバリアを提供することにより、金属含有種、有機物質および無機物質など、キャップ形成プロセスからの汚染物が誘電体材料の細孔内に取り込まれることが概ね防止される。この場合、ELDキャップ形成プロセスの後に、図1のステップD1に示すように転移膜を形成する化学抑制剤を用いるか、あるいは図1のステップD2に示すように、酸性剤(酸剤)と、異なるタイプの転移膜を形成する化学抑制剤とを用いるかのいずれかによって、基板を洗浄サイクルに供することにより、基板表面はウェットに維持される。基板表面の処理に酸性剤を用いる実施形態は、例示であって、限定するものとみなされるべきではない。また、用途のための機能性を保持していれば、強い塩基性または中性の化学剤を、抑制剤と共に基板表面の処理に用いることもできる。ステップD1またはD2で説明した統合されたウェットプロセスによって様々な効果が得られ、それには、限定するものではないが、処理時間の短縮によるスループットの向上、簡単化された化学的導入による生産コストの削減、これまで基板表面上の汚染物の凝集をもたらしていた乾湿サイクルの回避による歩留まりの向上、腐食を抑えることによるELDプロセスの改良、一般に導電性フィーチャが酸素および周囲空気にさらされることによって生じる他の化学反応および/また材料の変化の抑制、が含まれる。
【0035】
図2A、2B、および2Cは、本発明の一実施形態において、統合された無電解堆積プロセスを通した基板の処理に用いられる無電解堆積(ELD)モジュールの典型例を示している。図2A、2B、および2Cに示すELDモジュールは、従来の無電解堆積プロセスで用いられるELDモジュールと類似のものであって、例えば、2005年7月5日に発行された発明の名称を「APPARATUS AND METHOD FOR ELECTROLESS DEPOSITION OF MATERIALS ON SEMICONDUCTOR SUBSTRATES(半導体基板における材料の無電解堆積のための装置および方法)」とする米国特許第6913651号に記載されているようなモジュールであり、この文献は参照により本明細書に組み込まれる。例えば、図2Aは、本発明の一実施形態における典型例のELDモジュールの簡略化したブロック図を示している。図2Bは、蓋が途中まで開いた状態の概略上面図を示している。図2Cは、ELDモジュールの様々な構成要素を明確にする説明を目的として、蓋が削除された概略上面図を示している。
【0036】
ELDモジュール200は、堆積のための基板の上面の準備に使用されるものであって、前洗浄を行い、基板表面に形成された導電性フィーチャにキャップを形成するためにELDプロセスを実行し、基板表面を洗浄し、基板表面の脱湿を防止するように堆積後液膜で被覆するように構成されている。この目的のため、ELDモジュール200は、基板を受け取って、保持し、回転軸の周りに回転させるための機構を有している。無電解堆積モジュールは、基板を周囲空気から隔離し、内部の酸素濃度を所望の濃度に調節するように構成されている。一実施形態において、基板を受け取るための機構はチャック130であり、これは、ELDモジュール内で、基板を受け取って、保持し、回転軸の周りに回転させるために用いられる。チャック機構は、2005年8月30日に発行された、発明の名称を「UNIVERSAL SUBSTRATE HOLDER FOR TREATING OBJECTS IN FLUIDS(流体の中で対象物を処理するための自在基板ホルダ)」とする米国特許第6935638号に記載されており、この文献は参照により本明細書に組み込まれる。実施形態は、基板を受け取って、保持し、回転軸の周りに回転させるためのチャック機構には限定されず、ELDモジュール内で基板を受け取って、保持し、回転軸の周りに回転させることが可能な機構であれば、他の形態の基板受容機構を含むことができる。チャック130は、複数のチャックピン132を備えており、これらは基板の受容および解放それぞれのために伸縮するものである。チャックピン132は、基板を受け取って、保持し、解放する典型的な形態である。実施形態は、チャックピン132には限定されず、基板を受け取って、保持し、解放するための他のタイプの機構に係るものとすることができる。図2Aに示すように、チャック130はモータ機構140により駆動され、これにより、チャック130は、無電解堆積プロセス中に基板に適用される堆積溶液に基板表面が均一に曝露されるように、回転軸の周りに回転することが可能である。
【0037】
ELDモジュールは、堆積プロセス前の基板の前洗浄のための洗浄化学剤を供給する第1のアーム110のようなアームを備えている。一実施形態では、第1のアーム110は、使用する際に洗浄用化学剤を基板表面に適用するため、図2Aおよび2Cに矢印112で示すように、ELDモジュールの周辺部から中心に向けて径方向パスに沿って動く可動アームとして構成されている。基板は、第1のアーム110によって供給される洗浄用および他の化学剤に基板表面の様々な領域が十分に曝露されるように、図2Cに矢印114で示すように、回転軸の周りに回転される。
【0038】
ELDモジュールは、図2Aおよび2Bに示すように、堆積プロセス中にELDモジュールをしっかり密閉するための蓋120を備えている。蓋が係合するとELDモジュールがしっかりと密閉されるように、蓋120は、図2Aに矢印116で示すように、ELDモジュールに設けられたヒンジの周りに径方向にスイングするように構成されている。あるいは、蓋は径方向ではなく、図2Aに矢印118で示すように軸に沿って垂直に動いて、蓋が下に動かされるとELDモジュールが密閉されるように構成することができる。さらに別の代替構成では、蓋120は、軸に沿った垂直方向と、ヒンジ周りでの円弧状のスイング式の動きの両方で動くように構成することができ、これにより、蓋120が係合しているときにはELDモジュールが密封され、蓋120が外れるとELDモジュールの中が見えるようになる。このように、蓋120は、係合するとELDモジュールが密閉されるように、様々な形態で構成することができる。
【0039】
ELDモジュール内に配置される第2のアーム(図示せず)を用いて、基板表面に堆積溶液が供給される。一実施形態では、第2のアームはELDモジュールの蓋120の下面に配置されており、蓋120が係合しているときには、第2のアームは、ELDモジュール内で基板表面に堆積溶液を供給し、蓋が外れると堆積溶液の供給を停止するように構成されている。一実施形態では、第2のアームは固定されていて動かない。
【0040】
一実施形態において、堆積溶液は、ELDモジュールの外で、別個のマイクロ波/RFユニットによって加熱され、所定の温度でELDモジュールに放出される。別の実施形態では、ELDモジュールは、ELDモジュールに送達される1つ以上の化学剤を加熱するための発熱体を備えている。この実施形態では、ELDモジュールにおいて、堆積溶液および/または基板を堆積温度に加熱するための発熱体と熱電対、または他の加熱手段を、チャックなどの基板支持機構に装備することができる。発熱体を備えるこの実施形態では、発熱体によってチャックを加熱し、これにより、その上に受け取られる基板および堆積溶液を加熱することになる。加熱された堆積溶液が堆積温度であるとき、または堆積温度に達したときに、堆積反応が引き起こされて、基板上の導電性フィーチャの上に堆積溶液の層の堆積が生じる。
【0041】
堆積プロセスが完了したら、基板は、ELDモジュール内で洗浄液を適用することにより洗浄される。洗浄液の適用は、堆積溶液を受けるはずではなかった基板表面の領域から余った堆積溶液を除去するように基板を概ね洗浄し、適切なパッシベーションによって金属表面を保護し、かつ表面の脱湿を防ぐように、調節される。洗浄液は、基板表面上で、基板表面をウェットに維持するための転移膜として機能する。留意すべきは、基板が無電解堆積から外に移されるときに、転移膜の薄層は基板表面上に残ったままであるということである。無電解堆積プロセスの後の堆積後洗浄液の適用を調節することによって、基板表面上の堆積溶液の層を堆積後洗浄液の薄層で置き換えることが可能である。一実施形態では、第1のアームを使用して、基板表面上に転移膜被覆を形成するための堆積後洗浄液を適用することができる。転移膜の薄層は、基板表面が周囲空気にさらされることを防止する。前述のように、周囲空気にさらされると、基板表面上で残留物の沈着が生じる恐れがある。転移膜によって、多孔質ILDの上および内部での金属合金の沈着と凝集を防ぐことにより、金属線間および層内でILDの絶縁特性を維持し、その結果、TDDBが最善化される。再び図2Aを参照して、ELDモジュールは、アームと基板受容機構の他に、ELDモジュールから余分な洗浄液および堆積溶液を排出するための1つ以上の出口弁150を備えることができる。
【0042】
基板は、その基板表面上に転移膜の層を保持したまま、ELDモジュールから取り出される。基板は、更なる処理のために、堆積後モジュールに移される間、転移膜によって基板表面がウェットに維持される。ウェットな基板の堆積後モジュールへの搬送は、ELDシステムの制御された環境において実施される。
【0043】
図3Aおよび3Bを参照すると、無電解堆積システムについて以下で説明を行う。図3Aおよび3Bは、ELDシステムの異なる実施形態の簡略ブロック図を示しており、その構成要素の一部を明示している。
【0044】
図3Aを参照して、ELDシステムは、基板受取機構と、基板搬送機構と、ELDプロセスにおいて基板表面を処理する1つまたは複数のモジュールと、を備えている。基板は、乾燥した状態で、ロードポートを通してELDシステム内に受け取られる。ロードポートは、複数の基板受取ユニットを備えている。基板受取ユニットは、正面開口一体型ポッド(FOUP(フープ):Front‐Opening Unified Pod)310といった従来の基板受取機構である。堆積プロセス中には、基板を、基板上に形成されているフィーチャを破壊または損傷し得る追加の汚染物/残留物に曝露することを防ぐように、ELDシステム内の環境が制御される。フープ310は、基板を受け取って、ELDシステム内で移載棚330に搬送し、そしてその基板は、ELDシステム内で移載棚330からELDモジュールに移される。フープ310は、制御された環境の中に基板を搬送するためのものとして当技術分野では周知であり、ここで詳しく述べることはしない。また、フープ310は、基板をELDシステム内に受け取るための1つの形態であって、ELDモジュール内に基板を取り込むために他の形態または機構を用いることもできる。ELDシステム内では、大気搬送機(ATM)モジュール320といった受取モジュールが、ELDシステム内の制御された環境下に維持されている。ELDシステム内では、ドライロボット315などの基板搬送機構が、基板を搬送するために使用される。ドライロボット315は、ATMモジュール320に設けられており、一実施形態では、図3Aに経路「A」で示すように、フープ310から基板を取り出して、移載棚330に基板を載置するために用いられる。移載棚330は、ELDシステム内のオプションの構成要素であって、ATMモジュール320から受け取った基板を、ELDシステム内でELDモジュールに搬送される前に保持するためのものである。あるいは、基板を、ATMモジュール320から取り出して、ELDシステム内でELDモジュールに直接搬送してもよい。
【0045】
ELDモジュール350は、堆積プロセスで使用される。ELDモジュール350の他に、ELDシステムは、基板の堆積後処理を実施するための複数のモジュールを有している。ELDシステムは、ドライロボットに加えて、ELDシステム内で1つのモジュールから別のモジュールに基板をウェットな状態で搬送するためのウェットロボット340を備えている。初めに、図3Aに経路「B」で示すように、ウェットロボット340は、移載棚330から基板を取り出して、あるいはATMモジュール320から直接、基板をELDモジュール350に搬送する。ELDモジュール350は、a)平坦化工程などの製造工程の後に、その製造工程で後に残された残留物を除去するために基板表面を前洗浄し、b)基板表面の導電性フィーチャの上に金属キャップ層を堆積させるための堆積プロセスを基板上で実施し、c)堆積プロセスによって後に残された残留物を除去し、かつ基板表面を転移膜で被覆するため、洗浄液の組成に基づいて脱湿を防ぐように堆積後洗浄液を調節して適用することにより基板表面を洗浄し、d)基板を、転移膜によってウェットな状態で、ELDモジュール350から取り出すことを可能にする、ように構成されている。基板上面をウェットに維持したまま、ELDモジュール350からELDシステム内の後続の堆積後モジュールにウェットな基板を搬送する際に、ウェットロボット340が役立つ。
【0046】
基板は、一般に、化学機械研磨(CMP)工程の後にELDモジュール350に受け取られるので、基板表面は、堆積を開始する前に、CMP工程からの残留物を除去するために洗浄される。従って、ELDモジュール350では、基板を洗浄するための堆積前洗浄液が提供される。堆積プロセス前の洗浄工程で使用される一般的な堆積前洗浄液は、同時係属中の以下の米国特許出願に記載されている。2007年6月8日に出願された、発明の名称を「SEMICONDUCTOR SYSTEM WITH SURFACE MODIFICATION(表面改質を行う半導体システム)」とする米国特許出願第11/760722号、2008年9月7日に出願された、発明の名称を「CLEANING SOLUTION FORMULATIONS FOR SUBSTRATES(基板用洗浄液組成)」とする米国特許出願第12/205894号、2008年12月13日に出願された、発明の名称を「POST‐DEPOSITION CLEANING METHODS AND FORMULATIONS FOR SUBSTRATES WITH CAP LAYERS(キャップ層を有する基板用の堆積後洗浄方法および組成)」とする第12/334462号、2008年12月13日に出願された、発明の名称を「ACTIVATION SOLUTION FOR ELECTROLESS PLATING ON DIELECTRIC LAYERS(誘電体層の無電解めっき用活性化溶液)」とする第12/334460号。これらの文献は、参照により本明細書に組み込まれる。CMP工程による残留物を除去するための基板表面の洗浄が終わると、堆積前洗浄液は、図2Aに示すように、出口弁150を通してELDモジュール350から排出される。
【0047】
CMP工程による残留物を除去するための洗浄工程に続いて、基板表面は、ELDモジュール350内で堆積プロセスを経る。堆積プロセスでは、基板表面上に形成されている導電性フィーチャの上に、堆積溶液の層が堆積される。堆積溶液の組成は、選択的堆積により導電性フィーチャの上にキャップを生成し、かつ、導電性フィーチャの形成に用いられている銅および他の金属が周囲の誘電体層に移動することを防ぐバリアとして最大限に機能するようなものである。一実施形態では、堆積溶液は、基板表面の導電性フィーチャ上へのコバルト・キャップの形成を可能にするコバルトリッチなものである。堆積溶液は、酸化反応を抑制するように注意深く選択される。この目的のため、堆積溶液は、抑制剤と、豊富な活性制御コバルトイオン源を含む化学剤とを含んでいる。堆積溶液の例および使用される適用パラメータは、2005年6月28日に発行された、発明の名称を「Solution composition and method for electroless deposition of coatings free of alkali metals(アルカリ金属を含まない被覆の無電解堆積のための溶液組成および方法)」とする米国特許第6911067号、および2005年6月7日に発行された、発明の名称を「Activation‐free electroless solution for deposition of cobalt and method for deposition of cobalt capping/passivation layer on copper(活性剤を含まないコバルト堆積用無電解溶液、および銅の上にコバルトのキャップ/パッシベーション層を堆積する方法)」とする米国特許第6902605号、に記載されており、また、その使用方法は、2004年9月21日に発行された、発明の名称を「Method for electroless deposition of phosphorus‐containing metal films onto copper with palladium‐free activation(パラジウムを含まない活性剤で銅の上にリン含有金属膜を無電解堆積する方法)」とする米国特許第6794288号、および2005年8月9日に出願された、発明の名称を「Methods for forming a barrier layer with periodic concentrations of elements and structures resulting therefrom(周期的に濃度の異なる要素を有するバリア層を形成する方法、およびそれにより得られる構造)」とする同時係属中の米国特許出願第11/199620号、および2007年6月8日に出願された、発明の名称を「Semiconductor System with Surface Modification(表面改質を行う半導体システム)」とする第11/760722号、に記載されている。これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。前述のように、本発明の一実施形態では、堆積溶液は、分配装置として機能する第2のアームによって基板表面に適用される。前述のように、第2のアームは、基板表面に形成されている導電性フィーチャ上に堆積溶液を調節して適用することが可能なものであれば、スプレー、ノズル、または他の適当な機構とすることができる。代替の実施形態では、基板表面上に調節して液体が供給されるのであれば、すべての液体を1つの同じアームまたは分配デバイスから基板に分配することができる。
【0048】
一実施形態では、堆積溶液は、基板上で堆積反応を起こすELDモジュール350に導入される前に、反応温度まで加熱される。堆積溶液の反応温度は、使用される堆積溶液の種類と処理条件によって異なる。一実施形態では、堆積温度は、約70℃〜90℃であるか、または、米国特許第6913651号に記載されているように、一般に、堆積溶液の沸点より約0%から約25%下の範囲にある。
【0049】
一実施形態では、堆積溶液は、主に非反応温度でELDモジュールに供給される。そして、ELDモジュールにおいて、堆積溶液は、発熱体を用いて反応温度に加熱される。堆積溶液が熱くなって反応温度に近づくと、ELDモジュール内の湿度が上昇する。一実施形態では、ELDモジュール内の湿度は、約80%に達する。別の実施形態では、ELDモジュール内の湿度は約95%である。
【0050】
ELDモジュール内の温度が反応温度に達するか、または、予め反応温度に加熱された堆積溶液がELDモジュールに導入されると、堆積反応が引き起こされる。堆積反応によって、基板表面の導電性フィーチャの上に堆積溶液の層が堆積される。堆積プロセスが終わると、基板表面は、堆積後洗浄液などの洗浄液を用いて洗浄される。堆積後洗浄液は、堆積溶液から形成されて、基板表面上に調節して適用される。堆積後洗浄液によって、表面を洗浄し、さらに、基板表面に転移膜を形成して保持することにより、基板表面の脱湿を防止する。堆積後洗浄液の適用を調節することにより、基板表面の堆積溶液層を転移膜で置き換えることが可能である。堆積後洗浄液を適用した後に、基板は、その基板表面に転移膜を維持したまま、ウェットロボット340によってELDモジュール350から取り出される。ウェットロボット340は、転移膜によってウェットな状態の基板を、ELDシステム内で堆積後モジュールに移動させる。このようにして、統合されたELDプロセスの間、基板は常にウェットな状態に維持されるので、堆積溶液の液滴または基板に沈着する他の化学剤/残留物など、ELDモジュール内に存在する残留物が、統合された堆積プロセス中に、基板またはその上の材料を損傷することはない。
【0051】
基板表面を効率的に湿潤させて、基板表面の脱湿を防ぐため、1つ以上の界面活性剤を堆積後洗浄液に添加してもよい。界面活性剤は、洗浄液の表面張力を低減させることによって、基板表面を均一に湿潤させるのに役立つ。上記1つ以上の、界面活性剤の有効な結果を示した濃度は、約50ppm(100万分の50)から約2000ppmの範囲である。ここで使用する界面活性剤の一部は、米国特許出願第12/334462号および第12/334460号に記載されており、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。界面活性剤のいくつかの実例として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、TRITON(登録商標)QS‐44、デュポン社のZonyl(登録商標)ならびにメイソン社のMasurf(登録商標)のようなペルフルオロ系・陰イオン性および非イオン性・界面活性剤を挙げることができる。1つ以上の界面活性剤の他に、金属含有残留物と結合して錯体を形成する1つ以上のキレート剤を、堆積後洗浄液に添加することができる。キレート剤は、金属含有残留物と結合して形成される錯体が、堆積後洗浄液の水分/水性成分に溶けやすいように選択される。いくつかのキレート剤として、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、またはヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)および/もしくは乳酸などの金属キレート剤を含有するメチルアミン(MA)が挙げられる。一実施形態において、堆積後洗浄液中のキレート剤の濃度は、約100ppmから約5000ppmの範囲とすることができる。
【0052】
キレート剤(複数可)および界面活性剤(複数可)の機能性を最大限にするため、堆積後洗浄液のpH値を調整することができる。有望な結果を示したpH値の範囲は、約2.0pH(酸性)から約12(塩基性)の間である。一実施形態において、堆積後洗浄液のpH値は、pH調整剤を用いて調整することができる。pH調整剤は、堆積後洗浄液に添加される界面活性剤もしくはキレート剤のいずれか、または、堆積後洗浄液に添加される別個のpH調整剤とすることができる。
【0053】
界面活性剤、キレート剤、およびpH調整剤に加えて、基板の堆積後洗浄を達成するための1つ以上の酸素消費剤/酸素還元剤を、堆積後洗浄液に添加することもできる。酸素還元剤は、転移膜の溶存酸素分子と直接反応して、そこに含まれている酸素濃度を低減させる。基板上の転移膜中の酸素濃度の低減に有望な結果を示した典型的な酸素還元剤は、ジメチルアミノベンズアルデヒド(DMAB)である。一実施形態では、DMABに加えて、第2の、すなわち追加の酸素還元剤が堆積後洗浄液に含まれていてもよく、これにより、酸素濃度の低減を助けて、第1の酸素還元剤を再生させる。第1の酸素還元剤を再生させながら、酸素濃度を低減することにおいて、有望な結果を示した典型的な第2の還元剤は、L‐アスコルビン酸である。酸素還元剤の、有望な結果を示した濃度は、約100ppmから約5000ppmの範囲である。
【0054】
界面活性剤、キレート剤、酸素還元剤、およびpH調整剤の他に、基板表面上の導電性フィーチャの上に堆積された層を保護するため、1つ以上のエッチング抑制剤が堆積後洗浄液に添加されてもよい。一実施形態では、CoWPキャッピング用の典型的なエッチング抑制剤は、ベンゾトリアゾールである。そのようなエッチング抑止剤の、有望な結果を示した濃度は、約20ppmから約2000ppmの範囲である。さらに、基板表面に適用された堆積後洗浄液の膜をより長い時間にわたって維持できるように、堆積後洗浄液に粘性を加えるための増粘剤を、堆積後洗浄液に添加することもできる。増粘剤は、適用されてから長い時間にわたって維持された場合に基板表面と有害反応を起こしたり、または基板表面に悪影響を及ぼしたりしないように、選択される。増粘剤は、さらに、堆積後洗浄液における溶媒の蒸発速度を低減する。有望な結果を示した典型的な増粘剤は、ポリエタノールである。増粘剤の、有望な結果を示した濃度は、約50ppmから約5000ppmの範囲である。
【0055】
図3Aに示すELDシステムは、ELDモジュール350に加えて、化学モジュール370、ブラシスクラブ・モジュール360、洗浄モジュール380など、複数の堆積後モジュールを備えている。基板は、その基板表面を湿潤させる転移膜の層を備えたまま、図3Aに経路「C」で示すように、ELDモジュール350から取り出されて、化学モジュール370に導入される。基板は、その表面を覆う転移膜によってウェットな状態で、堆積後モジュールのうちの化学モジュール370に受け取られて、基板表面上に酸含有液が適用される。化学モジュール370は、堆積溶液および堆積後液を受けるはずではなかった基板表面の領域から堆積溶液および堆積後洗浄液の痕跡を除去するための酸含有液を適用するように構成されている。化学モジュール370は、酸含有液を適用するように構成されていることに加えて、さらに、基板表面に塩基性液または中性液を適用するように構成されていてもよい。液の種類(酸性、塩基性、または中性)は、基板表面に適用される堆積溶液および堆積後洗浄液の種類によって決めることができる。酸含有液が使用される実施形態では、適用された酸含有液は、その酸含有液から形成される洗浄液を用いて洗浄される。化学モジュール370において適用された洗浄液は、基板表面の脱湿を防ぐための転移膜を形成する。一実施形態では、洗浄液によって、基板表面に転移膜の層を維持しながら、基板表面を化学処理する。化学モジュール370は、処理の合間に基板表面に転移膜の層を維持しながら、必要に応じて追加処理を行うことができる。一実施形態では、酸含有液は、無電解堆積モジュールで使用される堆積溶液および堆積後洗浄液から形成される。一実施形態において、基板は、その基板表面に転移膜を備えたまま、図3Aに経路「D」で示すように、化学モジュール370からブラシスクラブ・モジュール360など他の堆積後モジュールに、更なる処理のために移される。
【0056】
他の実施形態では、基板は、洗浄液によりウェットな状態で、化学モジュールから、パッシベーション液で基板表面を処理するための第2の化学モジュール(化学洗浄モジュール)に移動させてもよい。第2の化学モジュールの処理は、基板表面に酸含有液を適用した化学モジュール370の処理に類似している。パッシベーション液は、基板表面に形成されている金属線および金属パッドを不動態化するために導入される。パッシベーション液は、基板層とその表面に形成されている金属パッド/金属線とに基づいて、金属腐食を最小限に抑えるように選択される。この実施形態では、基板は、転移膜によってウェットな状態で、化学モジュールから化学洗浄モジュール(第2の化学モジュール)に受け取られて、その基板表面にパッシベーション液が適用される。パッシベーション液は、転移膜に置き換わり、そして基板層と金属パッドを不動態化する。パッシベーション液により基板を処理した後には、パッシベーション液を洗い流すとともに、基板表面を湿潤させるため、そのパッシベーション液により形成される転移膜が基板に適用される。ウェットな基板は、その基板表面に転移膜を維持したまま、化学洗浄モジュールの外に移される。
【0057】
ELDシステム内において、転移膜によってウェットな状態の基板を、図3Aに経路Dで示すように、ブラシスクラブ・モジュール360など後続の堆積後モジュールへ搬送するために、ウェットロボット340が役立つ。ブラシスクラブ・モジュール360では、スクラブ用化学剤とモジュール内に配置された1つ以上のブラシユニットとを用いて、基板を機械的洗浄に供する。一実施形態では、ブラシスクラブ・モジュール360は、基板を機械的に洗浄にするための1つ以上のブラシユニットがブラシスクラブ・モジュール360内にあることを除いて、化学モジュール370と構造が類似している。ブラシスクラブ・モジュール360は、スクラブ用化学剤を供給し、1つ以上のブラシユニットおよび供給されたスクラブ用化学剤を用いて、基板表面をスクラブ洗浄するように構成されている。ブラシスクラブ・モジュール360は、さらに、スクラブ用化学剤から形成される転移膜を基板表面に適用するように構成されている。図3Aに経路「E」で示すように、ウェットロボット340が基板をブラシスクラブ・モジュール360から取り出して、洗浄モジュール380など別の堆積後モジュールに挿入する間、転移膜によって基板表面はウェットに維持される。洗浄モジュール380は、基板を洗浄して、乾燥するように構成されている。一実施形態では、洗浄モジュール380は、1つ以上の近接ヘッドを備えており、これらは、洗浄液を供給し、洗浄液を用いて基板表面を洗浄し、基板を乾燥するように構成されている。一実施形態において、乾燥した基板は、図3Aに経路「F」で示すように、ウェットロボット340によって、洗浄モジュール380から取り出されて、オプションの移載棚330に搬送される。乾燥した基板は、ドライロボット315によって、ATMモジュール320を通してELDシステムの外に移されて、フープ310の上に載置される。あるいは、乾燥した基板は、洗浄モジュール380から取り出されて、直接ATMモジュール320に搬送され、そして、ドライロボット315によってELDシステムからフープ310の上に移される。
【0058】
図3Bは、統合された無電解堆積プロセスを基板に適用するELDシステムの代替の実施形態を示している。この実施形態では、基板は、ATMモジュール320を介してドライロボット315を用いて、さらにオプションの移載棚330を介してウェットロボット340を用いて、フープ310からELDモジュール350に移される。ELDモジュール350は、CMPプロセスなど前の製造工程の後に基板表面に残された残留物を除去するための堆積前洗浄液を適用し、基板の導電性フィーチャの上に堆積溶液の層を適用し、堆積溶液によって後に残された残留物を除去するために基板表面を洗浄する堆積後洗浄液を適用するように構成されている。基板表面を洗浄する際に、ELDモジュールは、基板表面に堆積後処理液を調節して適用するように構成されている。堆積後処理液は、基板表面に転移膜を形成することで表面の脱湿を防止し、その転移膜被覆を基板表面に保持したまま表面を化学処理する。一実施形態では、基板表面を適切に洗浄するため、界面活性剤、抑制剤、および酸性化合物を含む化学剤PICOを使用する。
【0059】
ウェットロボット340は、転移膜によってウェットな状態の基板を、ELDモジュール350から取り出し、引き続き基板表面に転移膜を保持したまま、基板をブラシスクラブ・モジュール360に挿入する。図3Aと3Bに示す実施形態の間の唯一の相違点は、別個の化学モジュール370が無いことである。代わりに、図3Bに示す実施形態では、ELDモジュール350自体が、堆積後洗浄液と、基板表面を化学処理する堆積後処理液とで基板表面を処理し、堆積後処理液膜を備えてウェットな状態の基板をELDモジュール350からブラシスクラブ・モジュール360に搬送するように構成されている。残りのモジュール、構成要素、および経路順序は、図3Aに示す実施形態と変わらない。一実施形態において、処理液は、図3Aに示す化学モジュールで使用される酸含有液と同じ化学剤である。他の実施形態では、処理液は、図3Aの化学モジュールで使用される酸含有液と異なるものである。
【0060】
図4Aおよび4Bは、図3Aおよび3Bに示す実施形態で規定される堆積モジュールおよび堆積後モジュールにおいて実行される処理順序の概要を示している。図4Aは、図3Aに示すELDシステムの各モジュールで実行される一連の処理を簡単に示している。これによると、無電解堆積モジュールは、CMPプロセスなど前の製造工程の後に残された残留物を除去するための前洗浄プロセスを実行し、これに続いて、基板表面に形成されている導電性フィーチャにキャップを形成するキャップ形成プロセスを実行する。キャップ形成プロセスの後に、無電解堆積(ELD)モジュールは、堆積後洗浄液を用いて基板を洗浄し、これにより、堆積溶液によって後に残された残留物を除去し、堆積後洗浄液で形成される転移膜で基板表面を被覆し、この後に、基板はウェットな状態でELDモジュールから取り出されて、堆積後モジュールのうちの2つ以上に挿入される。図4Aに示す堆積後モジュールには、酸含有液で基板を処理する化学モジュール、スクラブ用化学剤を用いて基板表面を物理的にスクラブ洗浄するブラシスクラブ・モジュール、基板を洗浄および乾燥する洗浄モジュールが含まれる。堆積後モジュールで実行される処理工程は、図3Aを参照して説明したものと同様である。
【0061】
図4Bは、図3Bに示すELDシステムの各モジュールで実行される一連のプロセスを簡単に示している。これによると、堆積モジュールは、CMP処理の後に残された残留物を除去するための前洗浄プロセスを実行し、これに続いて、基板表面に形成されている導電性フィーチャにキャップを形成するキャップ形成処理を実行する。キャップ形成処理の後に、堆積モジュールは、堆積後洗浄用化学剤を用いて基板を洗浄し、これにより、堆積溶液によって後に残された残留物を除去し、処理液を適用することで基板表面を被覆する転移膜を形成する。処理液は、基板表面を化学処理するとともに、望ましくない金属表面の酸化および脱湿を防止する。処理液を適用した後に、基板は、転移膜によってウェットな状態で、ELDモジュールから取り出されて、堆積後モジュールに挿入される。図4Bに示す堆積後モジュールには、基板表面を物理的にスクラブ洗浄するブラシスクラブ・モジュール、基板を洗浄および乾燥する洗浄モジュールが含まれる。
【0062】
上記実施形態は、ELDシステムの様々な構成要素およびモジュールの異なる構成を2つのみ示しているということに留意すべきである。様々なモジュールのそれぞれの機能性が維持されているのであれば、2つ以上のELDモジュール、化学モジュール、ブラシスクラブ・モジュール、および/または洗浄モジュールを用いることを含む様々な構成の変更が可能であることは、当業者に明らかであろう。さらに、ELDシステム内で基板表面を処理する様々なモジュールの変更が可能である。例えば、図3Aおよび3Bに示すELDシステムに代わる実施形態では、ELDシステムは、ELDモジュール、化学モジュール、洗浄モジュールを含んでもよい。さらに別の実施形態では、ELDシステムは、ELDモジュール、化学モジュール、ブラシスクラブ・モジュール、第2の化学モジュール、そして最後に洗浄モジュールを含んでもよい。さらに別の実施形態では、ELDシステムは、ELDモジュール、ブラシスクラブ・モジュール、化学モジュール、第2のブラシスクラブ・モジュール、洗浄モジュールを含んでもよい。想定されるように、統合された無電解堆積プロセスのために提供されるELDシステムの中のモジュールの変更およびモジュール数の変更が任意に可能であり、図示の実施形態は、例示的なものであって、決して限定するものとみなされるべきではない。
【0063】
ELDシステムのスループットを向上させるため、モジュールのスタックを1つまたは複数用いることができる。図5Aおよび5Bは、それぞれ図3Aおよび3Bを参照して説明した統合された無電解堆積プロセスを実行するための堆積モジュールおよび堆積後モジュールの統合スタックを備えるELDシステムの概略配置図を示している。
【0064】
図5Aおよび5Bを参照すると、ELDモジュール350は、垂直および/または水平に配列されたELDモジュール350の統合スタックである。一実施形態において、統合されたELDモジュール・スタックは、上下に積み重ねられた2つのELDモジュール350を含んでおり、各モジュールが独立に基板を受け取って処理することができる。別の実施形態では、複数の独立なELDモジュール・スタックが、各ELDモジュール・スタックに少なくとも2つの上下に積み重ねられたELDモジュールを含んで、横に並んで配置されている。図5Aおよび5Bに示す実施形態において、統合されたELDモジュール・スタックを用いるシステムのスループットは、毎時約50〜60枚の基板(ウェハ)(約50〜60WPH)である。各ELDモジュール350の構成要素および機能は、図2A〜2Cおよび3A〜3Bをそれぞれ参照して説明したものと同様である。
【0065】
引き続き図5Aおよび5Bを参照すると、これらの実施形態は、ELDモジュール350において実行される様々な工程を示している。図5Aに示すように、ELDモジュール・スタックの各ELDモジュール350に受け取られた基板は、堆積工程の前に1回の前洗浄(ステップ1)を受ける。代替の実施形態では、基板は、堆積工程の前に、銅堆積およびCMPプロセスなど前の製造工程からの残留物および汚染物を除去するための2回の前洗浄(ステップ1および2)を受ける。一実施形態では、2回の洗浄において1つの同じ堆積後洗浄液が使用される。別の実施形態では、洗浄の各回で異なる堆積後洗浄液を使用する。一実施形態において、基板表面は、堆積プロセスの後に、堆積後洗浄液が適用される前に脱イオン水(DIW)で処理される。ELDモジュールで1回または2回の洗浄を行う場合に関して実施形態の説明を行ったが、これらの実施形態は、例示的なものとみなされるべきであって、限定するものとみなされるべきではない。従って、基板表面に転移膜を適用する前に、ELDモジュールで(2回より多い)複数回の洗浄を実施することができる。一実施形態では、洗浄メカニズムは、運動量の移行と希釈とを含んでいる。コバルトイオンは、一般に負の電位を持つので、堆積後洗浄液の水溶液に自ずと溶解する。従って、堆積後洗浄液の適用および維持に注意が払われなければならない。結果として、堆積後洗浄液の選択および適用の調節によって、基板表面に有害な作用を生じさせることなく、洗浄液の転移膜によって基板がウェットに維持されることが保証される。
【0066】
基板の堆積前洗浄において用いられる典型的な洗浄液のいくつかとして、1つ以上の界面活性剤を添加したクエン酸、1つ以上の界面活性剤を添加したシュウ酸、CP‐72(登録商標)、ATMI社のESC‐784(登録商標)、ESC‐90(登録商標)などが挙げられる。界面活性剤の濃度範囲は、約0.1%から約5%であり、好ましい濃度は、約1%である。また、流量は、約100ppm(parts per million:100万分の1部)から約2000ppmであり、好ましい流量は、約500ppmである。堆積前洗浄の後に、基板は、基板表面に形成されている導電性フィーチャに堆積溶液を適用することによりキャップを形成する堆積工程(ステップ3)をたどる。堆積工程中には、予め加熱された堆積溶液をELDモジュールに供給することにより、またはELDモジュール内で堆積溶液を堆積温度に加熱して堆積反応を引き起こすことにより、各ELDモジュール内には湿度の高い環境が提供される。堆積プロセスの後に、基板は、ELDスタック内の該当するELDモジュール350において洗浄され(ステップ4)、これにより、堆積溶液は、基板上面に転移膜を形成する堆積後洗浄液で置き換えられる。
【0067】
図5Aおよび5Bに示すELDシステムは、ELDモジュール・スタックの他に、堆積後モジュール・スタックを1つまたは複数含んでいる。これによると、図5Aに示す一実施形態では、ELDシステムは、1つ以上の化学モジュール・スタック、1つ以上のブラシスクラブ・モジュール・スタック、1つ以上の洗浄モジュール・スタックを含んでいる。さらに、これらの堆積後モジュールを統合することが可能である。一実施形態では、化学モジュールをブラシスクラブ・モジュールと統合することが可能であり、これにより、統合された化学洗浄/ブラシスクラブ・モジュールが提供される。他の実施形態では、化学モジュールを洗浄モジュールと統合することで、基板を酸性剤で洗浄してから、洗浄および乾燥することができるようになる。さらに別の実施形態では、ブラシスクラブ・モジュールが洗浄モジュールと統合される。さらに別の実施形態では、化学モジュールをELDモジュールと統合することで、堆積後に基板を酸性剤で洗浄することができるようになる。以上のように、様々に異なる構成を用いて、基板を実質的に処理し、洗浄し、そして最後に堆積プロセス後の乾燥を可能とするように、様々なモジュールを構成することができる。
【0068】
図5Aに示す実施形態では、ELDモジュール・スタックにおける堆積プロセスに続いて、基板は、化学モジュール370を用いた洗浄に供される(ステップ5)。化学モジュール370によって提供される機能は、当業界で使用される通常の化学モジュールのそれと類似しているので、詳しくは説明しない。上記のように、化学モジュール370は、化学モジュールを上下に積み重ねた、統合された化学モジュール・スタックとすることができる。スタックは、ELDシステムにおける基板のスループットを向上させるために提供される。酸処理の後に、基板は洗浄サイクルに供される。酸処理で使用される洗浄液は、基板表面を十分に湿潤させるように転移膜を形成する。本出願で用いる場合の「十分に湿潤させる」とは、基板表面を覆う液膜(例えば、転移膜)を適用することを指している。被覆は基板の表面全体に形成することが想定されるが、完成した被覆として、基板表面の部分が完全には被覆されないことがある状況を含むことができる。例えば、エッジ除外領域、特定のフィーチャ幾何形状に起因する基板表面のわずかな部分、気泡で覆われる部分など、重要でない領域は被覆されない可能性がある。
【0069】
図5Aのステップ6に示すように、ウェットな基板は、ウェットロボット340によって化学モジュール・スタックからブラシスクラブ・モジュール360に搬送され、ウェハは、スクラブ用化学剤とブラシスクラブ・モジュール360内に配置されたブラシユニットとを用いた機械的洗浄を受ける。一実施形態では、ブラシスクラブ・モジュール360は、スクラブ用化学剤を用いて基板を機械的に洗浄するための1つ以上のブラシユニットがブラシスクラブ・モジュール360内にあることを除いて、化学モジュール370と構造が類似している。ブラシスクラブ・モジュールで使用され得るスクラブ用化学剤の典型例のいくつかとして、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)および/または乳酸などの金属キレート剤を含有する、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)またはメチルアミン(MA)のアルカリ溶液が挙げられる。キレート剤の濃度は、約0.02グラム/リットル(g/L)から2g/Lの間であり、好ましい濃度は約0.2g/Lとすることができ、TMAHまたはMAの好ましい濃度は、好ましいpH範囲を約10.7として、約10から約12.5のpH範囲が得られるように選択される。スクラブ洗浄処理の後に、スクラブ用化学剤から形成される転移膜が基板に適用され、これにより、機械的洗浄の後の基板表面の脱湿を防止する。基板をブラシスクラブ・ユニットから次の処理のためのモジュールに移す間、転移膜は基板表面上に保持される。図5Aに示すブラシスクラブ・モジュールは、各ブラシスクラブ・モジュール・スタックに2つ以上の上下に積み重ねられたブラシスクラブ・モジュール360を含む、1つ以上のブラシスクラブ・モジュール・スタックとすることができる。
【0070】
ブラシ洗浄の後に、基板は、ウェットな状態で洗浄モジュールに搬送され、そこで、図5Aのステップ7および8に示すように、基板は最後の洗浄サイクルに供され、乾燥される。一実施形態では、洗浄モジュールは、1つ以上の近接ヘッドを用いる制御された化学洗浄(C3)モジュールである。一実施形態において、C3モジュールは、洗浄用化学剤を用いて基板の前面と背面を洗浄し(ステップ7)、基板をほぼ乾燥させる(ステップ8)ための複数の近接ヘッドを備える。洗浄モジュールは、上下および/または横に重ねられた複数の近接ヘッドを備える洗浄モジュール・スタックとすることができる。乾燥された基板は、ドライロボットを用いて、洗浄モジュールから元のフープ310に搬送される。
【0071】
ウェットロボットが1つの場合に関して、実施形態についての説明を行ったが、ここで留意すべきは、ELDシステムは、基板を1つのモジュールから別のモジュールに搬送するために複数のウェットロボットを備えることができるということである。複数のウェットロボットによって、あるモジュールから別のモジュールに2つ以上の基板を同時に搬送することにより、スループットを向上させることができる。一実施形態では、図5Aに関して規定されるELDシステムを使用する場合のスループットは、毎時約50〜60枚の基板(ウェハ)(約50〜60WPH)である。
【0072】
図5Bは、図5Aを参照して説明したものに代わる本発明の実施形態を示している。図5Aのモジュールと同様に、図5Bの様々なモジュールは、スループットを向上させるため、それぞれ統合されたモジュール・スタックとすることができ、各モジュール・スタックは、上下および/または横に重ねられた2つ以上のそれぞれのモジュールを含んでいる。図5Bと図5Aの実施形態の間の主な相違点は、別個の化学モジュールまたは化学モジュール・スタックが無いことである。化学モジュールは、洗浄モジュール(C3モジュール)、ブラシスクラブ・モジュール、またはELDモジュールと統合することができる。一実施形態において、化学モジュールは、ELDモジュールと統合される。図5Bに示すように、基板は、1回以上の前洗浄(ステップ1および2)、堆積プロセス(ステップ3)、およびELDモジュール350において堆積後洗浄液を適用することによる堆積後洗浄(ステップ4)に供され、それによって基板表面に転移膜が形成される。一実施形態では、堆積後洗浄液は、基板に適用されることで基板表面を化学処理する酸含有液である。基板は、ELDモジュール内で1回以上の洗浄処理を受けることができ、これにより、酸含有液は除去され、洗浄処理で使用される堆積後洗浄液によって形成される転移膜で基板表面が被覆される。その後、基板は、ウェットな状態で、ウェットロボットによってELDモジュールの外に搬送される。一実施形態では、基板表面の転移膜によって、ELDモジュールから取り出されたときに脱湿が防止され、また、基板表面に被覆を保持したまま、表面の化学処理が行われる。転移膜を備えた基板は、ブラシスクラブ・モジュール360(ステップ5)に挿入され、そこで、機械的洗浄に供される。ブラシスクラブ・モジュールは、スクラブ用化学剤を供給して、スクラブ洗浄を実施し、さらに、スクラブ用化学剤から形成される転移膜を被覆として適用することで基板表面をウェットに維持する。ウェットな基板は、引き続き基板表面に転移膜を保持したまま、ウェットロボット340を用いて、ブラシスクラブ・モジュールから洗浄モジュール380に搬送され、そこで、基板は、最後にもう一度洗浄されて、乾燥される(ステップ6)。ほぼ乾燥された基板は、ドライロボットを用いて、洗浄モジュール380から元のフープ310に搬送される。図5Bに示すモジュールのそれぞれは、スループットを向上させるため、モジュールのスタックとすることができることに留意すべきである。さらに、留意すべきことは、このとき洗浄モジュールから取り出される基板は、底面が乾燥し、上面が乾燥しているか、あるいは底面がウェットで、上面が乾燥している可能性があるということである。結果として得られる基板は、実質的に腐食および欠陥が無いものである。
【0073】
このように、基板上に形成されるサブミクロンデバイスの電気性能を向上し、さらに、スループットを向上する方法を、様々な実施形態により開示している。これらの実施形態は、基板表面に転移膜の層を提供することにより、基板を実質的に欠陥が無く、腐食が無いものにする方法を教示している。転移膜は、堆積/洗浄工程中に基板上に沈着する汚染物および残留物を捕捉することにより、基板表面を、副産物、金属、および他の残留物/汚染物による腐食から保護し、また、金属埋込材の酸化の原因となる周囲空気に基板がさらされることがないようにしている。さらに、転移膜によって、乾湿サイクルが減少し、これによって、汚染物の沈着による基板の実質的損傷につながる湿潤の途切れが減少する。導電性フィーチャ上にコバルト・キャップを堆積させ、転移膜を保持することによって、銅が周囲の誘電体膜層に沈着および移動すること、および銅合金のエレクトロマイグレーションを防いでおり、こうして集積回路デバイスを保護している。
【0074】
図6は、本発明の一実施形態において、統合された堆積プロセスで基板を処理する処理工程のフローチャートを示している。プロセスは、ロードポートに基板受取ユニットを介して基板を受け取ると、工程610で開始し、基板はELDモジュール内で基板表面の導電性フィーチャの上に堆積溶液の層を堆積させることにより処理される。基板には、堆積のために受け取られる前に、銅堆積およびCMP処理が適用されていてもよい。基板は、フープを介して、ELDシステムの制御された環境の中の大気搬送モジュール(ATM)にて受け取られ得る。この時点では、基板はほぼ乾燥している。ATMにおいて利用できるドライロボットによって、フープから基板を取り出して、それをELDモジュール内に載置する。ELDモジュールの構造および機能については、図2A〜2C、3Aおよび3Bを参照して詳しい説明を行った。基板には、ELDモジュール内で1回以上の前洗浄工程が適用される。前洗浄処理の後に、ELDモジュールに堆積溶液を供給し、堆積溶液を堆積温度に加熱して堆積反応を引き起こすことにより、堆積プロセスが実行される。あるいは、堆積溶液は、ELDモジュールの外で予め堆積温度に加熱されてから、堆積工程での堆積のため、ELDモジュールに取り込まれてもよい。堆積の後に、基板は、工程620に示すように、ELDモジュール内で堆積後洗浄液を用いて洗浄される。堆積後洗浄液は、堆積溶液に置き換わって、脱湿を防ぐために基板表面上に堆積後洗浄液の転移膜を形成する。堆積後洗浄液は、基板表面の均一な湿潤を可能にする界面活性剤を含んでいてもよい。そして、基板は、工程630に示すように、引き続き基板表面に転移膜を保持したまま、ELDモジュールから取り出される。転移膜は、ELDモジュール外への搬送の間に基板表面が乾燥しないようにしている。基板は、工程640に示すように、引き続き基板表面に転移膜を保持したまま、堆積後モジュールの中に移される。このプロセスは、基板がほぼ清浄になるように様々な堆積後モジュールで基板が処理されて、終了する。一定の清浄度が得られたら、基板は、洗浄され、乾燥されて、基板搬送ユニットによってアンロードポートに搬送される。
【0075】
このプロセスは、このように、脱湿を防止して、統合された無電解堆積プロセスにおける過早の乾燥および頻繁な湿潤の途切れに関連する問題を解消する効率的な方法を規定している。結果として得られる基板は、実質的に欠陥が無く、これにより、得られるデバイスの電気歩留まりは十分なものとなる。
【0076】
図7は、本発明の別の実施形態において、基板表面への統合された堆積プロセスで基板を処理する処理工程のフローチャートを示している。プロセスは、ロードポートの基板受取ユニットを介して基板がELDモジュール内に受け取られると、工程710で開始し、基板は、基板表面の導電性フィーチャの上に堆積溶液の層を堆積させることにより処理される。基板は、フィーチャを形成する銅堆積プロセスおよびCMPが適用された後に、ELDモジュール内に受け入れられる。ELDモジュールの構造および処理順序については、図2A〜2C、3A〜3B、4A〜4Bを参照して詳しい説明を行った。基板には、ELDモジュール内で1回以上の前洗浄工程が適用され、この後に堆積プロセスが続く。堆積プロセスは、ELDモジュールに堆積溶液を供給して、基板表面の導電性フィーチャの上に堆積させることにより実行される。堆積の後に、工程720に示すように、基板はELDモジュール内で洗浄液を用いて洗浄される。洗浄工程の後に、工程730に示すように、基板表面に処理液が適用され、これにより、基板表面に転移膜が形成される。処理液は、表面の脱湿を防いで、基板表面上に被覆を保持しながら、基板表面を化学処理するように、調節して適用される。脱湿を防ぐため、洗浄液と堆積溶液から形成される処理液は、基板表面の均一な湿潤を可能にする界面活性剤を含んでいる。基板の化学処理のために、処理液は抑制剤を含んでいてもよい。工程740に示すように、基板は、基板表面に処理液の転移膜を保持したまま、ELDモジュールから取り出される。転移膜は、ELDモジュール外への搬送の間、基板表面がウェットであることを保証している。基板は、工程750に示すように堆積後モジュールの中に移送され、搬送中および各モジュールでの処理の前後には、転移膜は基板表面に継続して保持される。このプロセスは、様々な堆積後モジュールで基板が処理されて、終了する。
【0077】
一実施形態において、処理液は、導電性フィーチャの腐食を防止するための抑制剤と、基板表面との化学反応を可能にする活性剤として作用する酸含有液とを含んでもよい。留意すべきことは、統合されたELDプロセス中に、基板の底面は乾燥しているものの上面はウェットであり得る、または基板の底面と上面の両方がウェットであり得るということである。いずれにしても、ELDシステムでの各プロセスの後に、基板がELDシステム内で1つのモジュールから他のモジュールに搬送される際に、基板は少なくともその上面において、十分にウェットな状態に保持されることが重要である。様々に異なる堆積後モジュールでの一連の処理工程の後に、基板は洗浄されて、乾燥される。結果として得られる基板は、ほぼ清浄で、欠陥/腐食が無いものである。
【0078】
様々な堆積後洗浄液および処理液は、必要な洗浄量、堆積前の製造工程の特性およびタイプ、使用される製造用化学剤、ならびに基板のタイプに基づいて選択される。同様に、洗浄用化学剤の供給に用いられる適用パラメータは、フィーチャを形成する加工層のタイプの分析に基づいて変更される。
【0079】
近接ヘッドに関する更なる情報については、2003年9月9日に発行された、発明の名称を「METHODS FOR WAFER PROXIMITY CLEANING AND DRYING(ウェハの近接洗浄および乾燥のための方法)」とする米国特許第6616772号に記載されているような、近接ヘッドの典型例を参照することができる。この米国特許は、本願の譲受人であるラムリサーチ社(Lam Research Corporation)に譲渡されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0080】
メニスカスに関する更なる情報については、2005年1月24日に発行された、発明の名称を「METHODS AND SYSTEMS FOR PROCESSING A SUBSTRATE USING A DYNAMIC LIQUID MENISCUS(動的液体メニスカスを使用して基板を処理する方法およびシステム)」とする米国特許第6998327号、および2005年1月24日に発行された、発明の名称を「PHOBIC BARRIER MENISCUS SEPARATION AND CONTAINMENT(非親和性バリアによるメニスカスの隔離および閉じ込め)」とする米国特許第6998326号、を参照することができる。これらの米国特許は、本願の譲受人に譲渡されており、その全体がすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0081】
上面および底面のメニスカスに関する更なる情報については、2002年12月24日に出願された、発明の名称を「MENISCUS,VACUUM,IPA VAPOR,DRYING MANIFOLD(メニスカス、バキューム、IPA蒸気、乾燥用マニホールド)」とする米国特許出願第10/330843号に開示されているような、メニスカスの典型例を参照することができる。この米国特許は、本願の譲受人であるラムリサーチ社に譲渡されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
本発明について、いくつかの実施形態によって説明を行ったが、当然のことながら、当業者であれば、上記明細書を読み、図面を詳査することで、種々の変更、追加、置換、およびその均等物を思いつくであろう。従って、本発明は、発明の真の精神および範囲に含まれるすべての変更、追加、置換、および均等物を含むことが意図されている。請求項における要素および/またはステップは、請求項に明記されない限り、特定の処理の順序を意味するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合された無電解堆積プロセスを含むプロセスを通じて基板を処理する方法であって、
(a)堆積溶液を用いて基板の導電性フィーチャの上に層を堆積させるように、無電解堆積モジュールにおいて前記基板の表面を処理し、
(b)前記無電解堆積モジュールにおいて前記基板表面を洗浄液で洗浄し、前記洗浄は、前記表面の脱湿を防いで、前記洗浄液によりもたらされる転移膜によって前記基板表面が被覆されたままとなるように調節され、
(c)前記基板表面に前記転移膜を保持したまま、前記基板を前記無電解堆積モジュールから取り出し、前記基板表面の前記転移膜は前記基板がウェットな状態で取り出されるように前記基板表面の乾燥を防ぎ、
(d)前記無電解堆積モジュールから取り出された前記基板を、堆積後モジュール中に移動させ、前記基板の移動は前記基板表面に前記転移膜を保持したまま実行されること、を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記洗浄の調節は、
前記洗浄液による前記転移膜で前記基板表面が均一に被覆されるように前記基板表面を湿潤させることを可能にする界面活性剤を、前記洗浄液に加えることをさらに備える、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法はさらに、
前記堆積後モジュールの内の化学モジュールの中に、前記転移膜によってウェットな状態の前記基板を受け取り、
前記堆積溶液を受けるはずではなかった前記基板表面の領域から前記堆積溶液の痕跡を除去するため、前記基板表面に酸含有液を適用し、
前記基板表面から前記酸含有液を除去するために洗浄液を適用し、前記洗浄液は脱湿を防ぐために転移膜が前記基板表面に形成されるように調節されていることを、備える方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法はさらに、
前記基板表面が前記転移膜によってウェットな状態で、前記基板を前記化学モジュール外に移動させ、
前記堆積後モジュールの内のブラシスクラブ・モジュールの中に、前記基板を挿入し、
スクラブ用化学剤を用いて前記基板をスクラブ洗浄し、
前記スクラブ用化学剤によりもたらされる転移膜によって前記基板をウェットな状態に保ち、前記転移膜は前記基板表面をウェットに維持すること、を備える方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法はさらに、
前記基板表面が前記転移膜によってウェットな状態で、前記基板を前記ブラシスクラブ・モジュール外に移動させ、
洗浄モジュールの中に前記基板を挿入すること、を備える方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記洗浄モジュールは、前記基板を洗浄および乾燥するように構成されている近接ヘッドである、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記基板の前記導電性フィーチャ上の前記層によってコバルト・キャップ材が形成されるように、前記堆積溶液はコバルトを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記基板の前記導電性フィーチャ上に形成される前記堆積層の酸化、化学反応、または変化を防ぐために、前記転移膜は酸素への曝露を防ぐバリアとして機能する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法はさらに、
(a)を実行する前に、前記無電解堆積モジュールにおいて前記基板表面の前洗浄処理を実行し、
(a)を実行する際に、前記堆積溶液を用いて前記基板の前記導電性フィーチャ上に前記層を堆積させる堆積反応の発生が可能となるように、前記無電解堆積モジュール内の温度および周囲条件を維持しながら、前記堆積溶液を適用すること、を備える方法。
【請求項10】
統合された無電解堆積プロセスを含むプロセスを通じて基板を処理する方法であって、
(a)堆積溶液を用いて基板の導電性フィーチャ上に層を堆積させるために、無電解堆積モジュールにおいて前記基板の表面を処理し、
(b)前記無電解堆積モジュールにおいて前記基板表面を洗浄液で洗浄し、
(c)前記無電解堆積モジュールにおいて処理液を適用し、前記処理液は転移膜をもたらし、前記処理液の適用は前記表面の脱湿を防いで、前記転移膜によって前記基板表面が被覆されたまま前記表面の化学処理が行われるように調節され、
(d)前記基板表面に前記転移膜を保持したまま、前記基板を前記無電解堆積モジュールから取り出し、前記基板表面の前記転移膜は前記基板がウェットな状態で取り出されるように前記基板表面の乾燥を防ぎ、ことと、
(e)前記無電解堆積モジュールから取り出した前記基板を、堆積後モジュールの中に移動させ、前記基板の移動は前記基板表面に前記転移膜を保持したまま実行されること、を備える方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記処理液の適用は、
前記処理液による前記転移膜で前記基板表面が均一に被覆されるように前記基板表面を湿潤させることを可能にする界面活性剤を、前記処理液に加え、
前記基板表面上の前記導電性フィーチャにおける化学反応を抑制するように、前記処理液に抑制剤を加えることをさらに含み、
前記基板の前記導電性フィーチャの上に堆積される前記金属キャップ層の酸化、化学反応、または変化を防ぐために、前記転移膜は酸素への曝露を防ぐバリアとして機能する、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法において、
前記処理液は、前記堆積溶液を受けるはずではなかった前記基板表面の領域から前記堆積溶液の痕跡を除去するために、前記基板表面に適用される酸含有液である、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法はさらに、
前記堆積後モジュールの内のブラシスクラブ・モジュールの中に、前記転移膜によってウェットな状態の前記基板を受け取り、
汚染物および前記酸含有液の痕跡を前記基板表面から除去するため、スクラブ用化学剤を用いて前記基板をスクラブ洗浄し、
前記スクラブ用化学剤によりもたらされる転移膜によって前記基板をウェットな状態に保ち、前記転移膜は前記基板表面をウェットに維持すること、を備える方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法はさらに、
前記転移膜によって前記基板表面がウェットな状態で、前記ブラシスクラブ・モジュール外に前記基板を移動させ、
洗浄モジュールの中に前記基板を挿入すること、をさらに備える方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記洗浄モジュールは、前記基板を洗浄および乾燥するように構成されている近接ヘッドである、方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法において、
前記基板の前記導電性フィーチャ上の前記層によってコバルト・キャップ材が形成されるように、前記堆積溶液はコバルトを含む、方法。
【請求項17】
請求項10に記載の方法はさらに、
前記基板の前記導電性フィーチャ上に前記層を堆積させるための無電解堆積を実施する前に、前記無電解堆積モジュールにおいて前記基板表面の前洗浄処理を実行し、
前記層を堆積させる際に、前記堆積溶液を用いて前記基板の前記導電性フィーチャ上に前記層を選択的に堆積させる堆積反応の発生が可能となるように、前記無電解堆積モジュール内の温度および周囲条件を維持しながら、前記堆積溶液を適用すること、を備える方法。
【請求項18】
統合された無電解堆積プロセスを含むプロセスを通じて基板を処理するためのシステムであって、
(a)基板の上に形成されている導電性フィーチャ上に堆積溶液の層を堆積させることにより前記基板の表面を処理し(a1)、脱湿を防ぎ、前記基板表面に液の被覆を適用する前記液の適用を調節する(a2)ように構成されている無電解堆積モジュールと、
(b)前記基板表面に前記液の被覆を保持したまま、前記無電解堆積モジュールから前記基板を取り出し(b1)、前記基板表面に前記液の被覆を保持したまま、堆積後モジュールの中に前記基板を移動させる(b2)ように構成されているウェットロボットと、を備えるシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記無電解堆積モジュールは、さらに、前記層を堆積させる前に、その中に受け取った前記基板を前洗浄するための堆積前洗浄液を適用するように構成されており、前記堆積前洗浄液の適用は、前の製造工程から残る前記基板表面上の残留物を除去するように調節される、システム。
【請求項20】
請求項18に記載のシステムはさらに、
処理用に前記基板を受け取る複数の基板受取ユニットを有するロードポートと、
処理後の前記基板を搬送する複数の基板搬送ユニットを有するアンロードポートと、を備えるシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムはさらにドライロボットをさらに備え、前記ドライロボットは、
(i)処理のために、前記基板を前記ロードポートから前記無電解堆積モジュールに移動させ、
(ii)処理後に、前記基板を堆積後モジュールから前記アンロードポートに移動させる、ように構成されており、
前記基板は乾燥した状態で扱われる、システム。
【請求項22】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記堆積後モジュールは化学モジュールを含み、前記化学モジュールは、
前記ウェットロボットを介して、前記基板表面に前記液の被覆を備える前記基板を受け取り、
前記堆積溶液を受けるはずではなかった前記基板表面の領域から前記堆積溶液の痕跡を除去するために前記基板表面に酸含有液を適用し、
前記基板表面から前記酸含有液を除去するための洗浄液を適用するように構成され、前記洗浄液は、脱湿を防ぐための転移膜が前記基板に形成されるように調節されている、システム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムにおいて、
前記堆積後モジュールはブラシスクラブ・モジュールを含み、前記ブラシスクラブ・モジュールは、
前記ウェットロボットを介して、前記基板を被覆する前記転移膜を備えた前記基板を受け取り、
前記基板表面にスクラブ用化学剤を適用し、
前記スクラブ用化学剤を用いて前記基板をスクラブ洗浄し、
前記基板表面をウェットに維持するため、前記スクラブ用化学剤または他の液によりもたらされる転移膜を前記基板表面に適用するように構成されている、システム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムにおいて、
前記堆積後モジュールは洗浄モジュールを含み、前記洗浄モジュールは、
前記ウェットロボットを介して、前記基板を被覆する前記転移膜を備えた前記基板を受け取り、
前記基板を洗浄および乾燥するように構成されている、システム。
【請求項25】
前記洗浄モジュールは近接ヘッドである、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
統合された無電解堆積プロセスを含むプロセスを通じて基板を処理するためのシステムであって、
(a)基板の表面に形成されている導電性フィーチャ上に層を堆積させるために用いられる堆積溶液を供給し(a1)、前記層を堆積させた後に、前記基板表面を洗浄するための洗浄液を適用し(a2)、転移膜をもたらす処理液を前記基板表面に適用する(a3)ように構成されている無電解堆積モジュールであって、前記表面の脱湿を防ぎ、前記基板表面に前記転移膜を保持したまま前記表面の化学処理が実行されるように、前記処理液の適用を調節する制御部を有する、無電解堆積モジュールと、
(b)前記基板上に前記転移膜を保持したまま、前記無電解堆積モジュール外に前記基板を取り出し、前記転移膜は前記基板がウェットな状態で前記無電解堆積モジュールから取り出されるように前記基板の乾燥を防ぎ、(b1)、前記基板上に前記転移膜を保持したまま、堆積後モジュールの中に前記基板を移動させる(b2)ように構成された、ウェットロボットと、を備えるシステム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムにおいて、
前記無電解堆積モジュールは、さらに、前記層を堆積させる前に、その中に受け取った前記基板を前洗浄するための堆積前洗浄液を適用するように構成されており、前記堆積前洗浄液の適用は、前の製造工程から残る前記基板上の残留物をほぼ除去するように調節される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
請求項26に記載のシステムはさらに、
処理用に前記基板を受け取る複数の基板受取ユニットを有するロードポートと、
処理後の前記基板を搬送する複数の基板搬送ユニットを有するアンロードポートと、
ドライロボットと、を備え、前記ドライロボットは、
(i)処理のために、前記基板を、前記ロードポートから前記無電解堆積モジュールに移動させ、
(ii)処理後に、処理済の前記基板を堆積後モジュールから前記アンロードポートに移動させる、ように構成されており、
前記基板は乾燥した状態で扱われる、システム。
【請求項29】
請求項26に記載のシステムにおいて、前記堆積後モジュールは、ブラシスクラブ・モジュールまたは洗浄モジュールのいずれかを含む、システム。
【請求項30】
前記洗浄モジュールは近接ヘッドである、請求項29に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−513952(P2013−513952A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543322(P2012−543322)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/059966
【国際公開番号】WO2011/072268
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】