エコドライブ支援装置、カーナビゲーションシステム及びエコドライブ支援プログラム
【課題】運転者に自身の走行状況をリアルタイムに認識させて経済的且つ安全な車両の運転を支援可能なエコドライブ支援装置、カーナビゲーションシステム及びエコドライブ支援プログラムを提供する。
【解決手段】GPS受信機30からの測位データに基づいて、速度、加速度、アイドリング時間が所定の警告条件に該当するか否かを判定し、判定結果に基づいてタッチパネル式液晶ディスプレイ15に警告メッセージを表示させるので、運転者に、警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。特に、アラーム発生部17が、タッチパネル式液晶ディスプレイ15に警告メッセージが表示される時に警告音を発生するので、警告音によって運転者に注意を喚起して警告メッセージ表示を確実に視認させることができる。
【解決手段】GPS受信機30からの測位データに基づいて、速度、加速度、アイドリング時間が所定の警告条件に該当するか否かを判定し、判定結果に基づいてタッチパネル式液晶ディスプレイ15に警告メッセージを表示させるので、運転者に、警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。特に、アラーム発生部17が、タッチパネル式液晶ディスプレイ15に警告メッセージが表示される時に警告音を発生するので、警告音によって運転者に注意を喚起して警告メッセージ表示を確実に視認させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経済的且つ安全な車両の運転を支援するためのエコドライブ支援装置、カーナビゲーションシステム及びエコドライブ支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運行管理システムとして、路線トラックなどの業務用車両において、各種のセンサからエンジン回転数、エンジン負荷、アイドリング時間、急加減速、ハンドル角度などを取得してこれを車載装置に記憶させておき、運行を終えた後に車載装置に記憶された情報を取り出し、この車両がどのような状態で運転されたかを知ることができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、この従来システムでは、リアルタイム性がないため、事後対策となり、危険な運転をしていた場合に、その時点で運転者に注意を喚起することができなかった。また、車載装置は高価であるため、その普及が妨げられ、更には、他人から運送委託を受けた車両の場合には、車載装置による運行管理ができなくなるなどの問題があった。このような事情に鑑みて、従来、車両への搭乗者に携帯され、現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段および通信網を介して情報処理手段と通信する通信手段を有する携帯端末とを備え、携帯端末が、現在位置情報を間欠的に情報処理手段に送信し、情報処理手段が、携帯端末から間欠的に送信されてくる現在位置情報に基づいて車両の走行状況として速度又は加速度を演算し、この演算結果に基づく情報を携帯端末に送信するように構成された車両管理システムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この従来技術によれば、携帯端末、例えば、携帯電話機は、従来の運行管理用車載装置に比べれば安価であり、しかも、携帯端末を所持する限り、どのような車両でも運行管理可能であるという利点や、急発進、スピードの出し過ぎなどの危険な運転をしているような場合、運転者にリアルタイムに注意を喚起することができるという利点がある。
【特許文献1】特公平5−14315号公報
【特許文献2】特開2004−171191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献2に記載された従来構成では、省エネ運転が行われていない旨が、単に、携帯電話機のアラーム発生部からのアラームやスピーカからの音声によって報知されるだけであるため、運転者に自身の走行状況の問題点を具体的に認識させて、効果的に運転方法の改善が図られることを期待できないという問題がある。
【0005】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、解決しようとする課題は、運転者に自身の走行状況をリアルタイムに認識させて経済的且つ安全な車両の運転を支援可能なエコドライブ支援装置、カーナビゲーションシステム及びエコドライブ支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
【0007】
1.車両に搭載されて経済的且つ安全な車両の運転を支援するエコドライブ支援装置であって、
GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信手段と、
画面表示可能なディスプレイと、
前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定する警告条件判定手段と、
その警告条件判定手段による判定結果に基づいて前記ディスプレイに警告メッセージを表示させる警告メッセージ表示制御手段と
を備えたことを特徴とするエコドライブ支援装置。
【0008】
手段1によれば、GPS受信手段が、GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力し、警告条件判定手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、警告メッセージ表示制御手段が、警告条件判定手段による判定結果に基づいて画面表示可能なディスプレイに警告メッセージを表示させる。よって、運転者に、ディスプレイに表示された警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、GPS受信手段からの測位データを利用するので、車両から速度情報等を取得する構成よりも、装置の車両への取り付け及び取り外しが容易であると共に、どのような車両にも搭載が可能である。
【0009】
2.前記警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の少なくとも一つの項目に関して、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、
前記警告メッセージ表示制御手段は、前記警告条件判定手段による当該項目の判定結果に基づいて前記ディスプレイに当該項目に関する警告メッセージを表示させることを特徴とする手段1に記載のエコドライブ支援装置。
【0010】
手段2によれば、警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の少なくとも一つの項目に関して、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、警告メッセージ表示制御手段は、警告条件判定手段による当該項目の判定結果に基づいてディスプレイに当該項目に関する警告メッセージを表示させるので、運転者に、ディスプレイに表示された当該項目の警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0011】
3.前記警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の全ての項目に関してそれぞれ所定の警告条件に該当するか否かを判定し、
前記警告メッセージ表示制御手段は、前記警告条件判定手段による判定結果に基づいて、前記ディスプレイに前記各項目に対応した警告メッセージを表示させることを特徴とする手段2に記載のエコドライブ支援装置。
【0012】
手段3によれば、告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の全ての項目に関してそれぞれ所定の警告条件に該当するか否かを判定し、警告メッセージ表示制御手段は、警告条件判定手段による判定結果に基づいて、ディスプレイに各項目に対応した警告メッセージを表示させるので、運転者に、ディスプレイに表示された各項目の警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、より確実に経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0013】
4.前記ディスプレイにおける警告メッセージの表示に関連して警告音を発生する警告音発生手段を更に備えたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0014】
手段4によれば、警告音発生手段が、ディスプレイにおける警告メッセージの表示に関連して警告音を発生するので、警告音によって運転者に注意を喚起することにより、ディスプレイ上の警告メッセージ表示を確実に視認させることができる。
【0015】
5.前記所定の警告条件に該当しない場合であり且つ所定の警告予告条件に該当する場合に、警告条件に近づいたことを予告する予告報知手段を更に備えたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0016】
手段5によれば、予告報知手段が、所定の警告条件に該当しない場合であり且つ所定の警告予告条件に該当する場合に、警告条件に近づいたことを予告するので、運転者が警告条件に達する前に速度を落とす等の対応をすることができ、警告条件に該当するような運転を未然に防止して、経済的且つ安全な車両の運転をし易くさせることができる。
【0017】
6.前記GPS受信手段からの前記測位データには標高データが含まれ、
前記警告メッセージ表示制御手段は、一定の移動距離に対する標高の低下が所定値以上である場合に、前記ディスプレイにエンジンブレーキの使用を促す警告メッセージを表示させることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0018】
手段6によれば、GPS受信手段からの測位データには標高データが含まれ、警告メッセージ表示制御手段は、一定の移動距離に対する標高の低下が所定値以上である場合に、ディスプレイにエンジンブレーキの使用を促す警告メッセージを表示させるので、長い急な下り坂等で、運転者にエンジンブレーキの使用を促すことにより、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0019】
7.装置起動直後に運転開始前の注意点に関する注意メッセージを前記ディスプレイに表示させる注意メッセージ表示制御手段を更に備えたことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0020】
手段7によれば、注意メッセージ表示制御手段が、装置起動直後に運転開始前の注意点に関する注意メッセージをディスプレイに表示させるので、運転者は、ディスプレイに表示された注意メッセージに従って所定の行動を取ることにより、より一層、経済的且つ安全な車両の運転を行うことができる。注意メッセージとは、例えば、タイヤの空気圧チェック、不要な荷物の確認、又はエアコンディショナの設定に関するメッセージなどである。
【0021】
8.前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段と、
その走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う評価手段と
を更に備えたことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0022】
手段8によれば、走行履歴記憶手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶し、評価手段が、走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う。よって、運転者に、走行状況の履歴に基づくエコドライブの評価を与えることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0023】
9.前記走行履歴記憶手段は、速度が速度閾値を超える速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、加速度が急加速閾値を超える急加速の回数及び加速度が急減速閾値を下回る急減速の回数をそれぞれ記憶し、
前記評価手段は、前記走行履歴記憶手段に記憶された速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、急加速の回数及び急減速の回数に基づいてエコドライブの評価を行うことを特徴とする手段8に記載のエコドライブ支援装置。
【0024】
手段9によれば、走行履歴記憶手段は、速度が速度閾値を超える速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、加速度が急加速閾値を超える急加速の回数及び加速度が急減速閾値を下回る急減速の回数をそれぞれ記憶し、評価手段は、走行履歴記憶手段に記憶された速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、急加速の回数及び急減速の回数に基づいてエコドライブの評価を行うので、経済性及び安全性に関して信頼性の高い評価を得ることができる。
【0025】
10.速度が所定値未満の状態が一定時間以上継続した場合にアイドリング時間として認識され、各アイドリング時間の累計を前記走行履歴記憶手段に記憶させることを特徴とする手段9に記載のエコドライブ支援装置。
【0026】
手段10によれば、速度が所定値未満の状態が一定時間以上継続した場合にアイドリング時間として認識され、各アイドリング時間の累計を走行履歴記憶手段に記憶させるので、信号待ち等の短時間の停車をアイドリング時間から除外して、運転の経済性に大きな影響を及ぼす長時間のアイドリング時間のみの累計をエコドライブの評価に用いることができる。
【0027】
11.前記評価手段は、速度が所定値以上となってから一定時間内は、加速度に1未満の所定の係数を乗じて得た値を用いて急加速の判定を行うことを特徴とする手段9に記載のエコドライブ支援装置。
【0028】
手段11によれば、評価手段は、速度が所定値以上となってから一定時間内は、加速度に1未満の所定の係数を乗じて得た値を用いて急加速の判定を行うので、停止状態から走行開始した直後に速度が低めに出やすいGPS受信手段の特性を加味して、より精度の高い急加速の判定を行うことができる。
【0029】
12.前記評価手段は、前記急加速閾値及び前記急減速閾値に、速度が大きくなるに伴って値が小さくなる係数を乗じて得た値を用いて、急加速及び急減速の判定を行うことを特徴とする手段9に記載のエコドライブ支援装置。
【0030】
手段12によれば、評価手段は、急加速閾値及び急減速閾値に、速度が大きくなるに伴って値が小さくなる係数を乗じて得た値を用いて、急加速及び急減速の判定を行うので、速度の上昇に伴って、ギア比や空気抵抗により加速度が出にくくなる点を加味して、より精度の高い急加速及び急減速の判定を行うことができる。
【0031】
13.前記評価手段は、エコドライブの習熟度に応じた2段階以上の評価基準を有することを特徴とする手段8乃至12のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0032】
手段13によれば、評価手段は、エコドライブの習熟度に応じた2段階以上の評価基準を有するので、例えば、最初はエコドライブ初心者用の評価基準を使用し、習熟度の向上に合わせて熟練者用の評価基準に替えることにより、段階的にエコドライブを習熟させることができる。
【0033】
14.前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフを前記ディスプレイに表示させるグラフ表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0034】
手段14によれば、グラフ表示制御手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフを画面表示可能なディスプレイに表示させる。よって、運転者に、ディスプレイに表示された現在の走行状況を表すグラフを視認させて走行状況を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0035】
15.前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段を備え、
前記グラフ表示制御手段は、前記走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいて、直前の所定時間分の走行履歴グラフを前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段14に記載のエコドライブ支援装置。
【0036】
手段15によれば、走行履歴記憶手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶し、グラフ表示制御手段は、走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいて、直前の所定時間分の走行履歴グラフをディスプレイに表示させるので、運転者に直前の所定時間分の走行状況の履歴を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0037】
16.前記グラフ表示制御手段は、前記走行履歴グラフとして、直前の所定時間分の速度履歴を表す速度履歴グラフ及び加速度履歴を表す加速度履歴グラフの少なくとも一方を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段15に記載のエコドライブ支援装置。
【0038】
手段16によれば、グラフ表示制御手段は、走行履歴グラフとして、直前の所定時間分の速度履歴を表す速度履歴グラフ及び加速度履歴を表す加速度履歴グラフの少なくとも一方をディスプレイに表示させるので、運転者に直前の所定時間分の速度履歴及び加速度履歴の少なくとも一方を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0039】
17.前記グラフ表示制御手段は、前記速度履歴グラフと前記加速度履歴グラフとを同時に且つ同一の時刻座標で表示させることを特徴とする手段16に記載のエコドライブ支援装置。
【0040】
手段17によれば、グラフ表示制御手段は、速度履歴グラフと加速度履歴グラフとを同時に且つ同一の時間座標で表示させるので、速度変化と加速度及び減速度との関係を容易に認識することができる。
【0041】
18.前記グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値未満である場合、前記走行履歴グラフを前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段15乃至17のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0042】
手段18によれば、グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値未満である場合、走行履歴グラフをディスプレイに表示させるので、運転者は、信号待ちの停車中などの運転の合間にディスプレイ上の走行履歴グラフを確実に視認することができる。
【0043】
19.前記グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値以上である場合、前記ディスプレイにおけるグラフ表示を、現在の速度及び/又は加速度を表すインジケータに切り替えることを特徴とする手段18に記載のエコドライブ支援装置。
【0044】
手段19によれば、グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値以上である場合、ディスプレイにおけるグラフ表示を、現在の速度及び/又は加速度を表すインジケータに切り替えるので、運転者は走行中に、現在の速度及び/又は加速度をディスプレイ上のインジケータにより容易に把握することができる。
【0045】
20.前記グラフ表示制御手段は、現在の速度及び/又は加速度を表すインジケータを前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段14に記載のエコドライブ支援装置。
【0046】
手段20によれば、グラフ表示制御手段は、現在の速度及び/又は加速度を表すインジケータをディスプレイに表示させるので、運転者は現在の速度及び/又は加速度をディスプレイ上のインジケータにより容易に把握することができる。
【0047】
21.前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段を更に備え、
前記グラフ表示制御手段は、前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、現在の速度が所定値以上である場合、現在の速度を表すインジケータ及び現在の加速度を表すインジケータを前記ディスプレイに表示させ、一方、現在の速度が所定値未満である場合、前記走行履歴記憶手段に記憶された前記走行状況の履歴に基づいて、直前の所定時間分の速度履歴を表す速度履歴グラフ及び加速度履歴を表す加速度履歴グラフを前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段14に記載のエコドライブ支援装置。
【0048】
手段21によれば、GPS受信手段が、GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力し、走行履歴記憶手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する。そして、グラフ表示制御手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて、現在の速度が所定値以上である場合、現在の速度を表すインジケータ及び現在の加速度を表すインジケータをディスプレイに表示させるので、運転者に走行中に、現在の速度及び加速度をディスプレイ上のインジケータにより容易に把握させることができる。一方、グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値未満である場合、走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいて、直前の所定時間分の速度履歴を表す速度履歴グラフ及び加速度履歴を表す加速度履歴グラフをディスプレイに表示させるので、運転者に信号待ちの停車中などの運転の合間に、直前の所定時間分の速度履歴及び加速度履歴を具体的に且つリアルタイムに認識させることができる。よって、運転者に現在の速度及び加速度と直前の所定時間分の速度履歴及び加速度履歴とを具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、GPS受信手段からの測位データを利用するので、車両から速度情報等を取得する構成よりも、装置の車両への取り付け及び取り外しが容易であると共に、どのような車両にも搭載が可能である。
【0049】
22.前記グラフ表示制御手段は、現在の速度・加速度の数値の大きさによって前記各インジケータのブロックの高さを変化させて表示させると共に、現在の速度・加速度の帯域によって前記各インジケータの色を変化させて表示させることを特徴とする手段21に記載のエコドライブ支援装置。
【0050】
手段22によれば、グラフ表示制御手段は、現在の速度・加速度の数値の大きさによって各インジケータのブロックの高さを変化させて表示させると共に、現在の速度・加速度の帯域によって各インジケータの色を変化させて表示させるので、運転者は、速度メーターの目盛りを見なくても、経済速度・加速度で走行しているかを瞬時に判別することができる。
【0051】
23.手段1乃至22のいずれかに記載のエコドライブ支援装置を備えたことを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【0052】
手段23によれば、カーナビゲーションシステムが、エコドライブ支援装置を備えているので、地図情報を利用した道路案内だけでなく、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、カーナビゲーションシステムは、GPS受信手段及び画面表示可能なディスプレイを備えているので、大きな変更を加えることなくエコドライブ支援装置として利用可能な構成とすることができる。
【0053】
24.経済的且つ安全な車両の運転を支援するためにコンピュータを、
GPS衛星からの電波を受信して速度を含む測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信機からの前記測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定する警告条件判定手段、及び
その警告条件判定手段による判定結果に基づいて前記ディスプレイに警告メッセージを表示させる警告メッセージ表示制御手段、
として機能させるためのエコドライブ支援プログラム。
【0054】
手段24によれば、エコドライブ支援プログラムを実行するコンピュータが、警告条件判定手段として機能することにより、GPS衛星からの電波を受信して速度を含む測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信機からの測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、さらに、警告メッセージ表示制御手段として機能することにより、警告条件判定手段による判定結果に基づいてディスプレイに警告メッセージを表示させる。よって、運転者に、ディスプレイに表示された警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0055】
25.前記コンピュータを、更に、
前記GPS受信機からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段、及び
その走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う評価手段、
として機能させることを特徴とする手段24に記載のエコドライブ支援プログラム。
【0056】
手段25によれば、コンピュータが、走行履歴記憶手段として機能することによりGPS受信機からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶し、評価手段として機能することにより、走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う。よって、運転者に、走行状況の履歴に基づくエコドライブの評価を与えることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0057】
26.前記コンピュータを、更に、
前記GPS受信機からの測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフをディスプレイに表示させるグラフ表示制御手段、
として機能させることを特徴とする手段24又は25に記載のエコドライブ支援プログラム。
【0058】
手段26によれば、エコドライブ支援プログラムを実行するコンピュータが、グラフ表示制御手段として機能することにより、GPS受信機からの測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフをディスプレイに表示させる。よって、運転者に、ディスプレイに表示された現在の走行状況を表すグラフを視認させて走行状況を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、運転者に、ディスプレイに表示された警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、GPS受信手段からの測位データを利用するので、車両から速度情報等を取得する構成よりも、装置の車両への取り付け及び取り外しが容易であると共に、どのような車両にも搭載が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明のエコドライブ支援装置を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態のエコドライブ支援装置1の全体構成を示すブロック図である。図2は、エコドライブ支援装置1の外観を示す平面図である。尚、本明細書では、「エコドライブ」という用語を、経済的且つ安全であり、環境に配慮した車両の運転を意味するものとして用いる。
【0061】
エコドライブ支援装置1は、図1,2に示すように、携帯情報端末10と、携帯情報端末10に装着されたGPS(全地球測位システム)受信機30とから構成されている。エコドライブ支援装置1は、後述するタッチパネル式液晶ディスプレイ15の画面表示が運転者から見易いように、車両の運転席近傍に取付けられ、携帯情報端末10に内蔵された電池又は電源コードを介して車両のシガーライタプラグに接続されて車載バッテリからの電源供給によって動作する。
【0062】
携帯情報端末10は、携帯型のコンピュータであって、一般的にPDA(Personal digital assistants)と称せられる個人用の情報端末装置である。携帯情報端末10は、図1に示すように、CPU11と、ROM12と、フラッシュROM13と、RAM14と、タッチパネル式液晶ディスプレイ15と、複数の入力ボタン16と、アラーム発生部17と、通信ポート18とを備えて構成されている。
【0063】
CPU11は、ROM12又はフラッシュROM14より制御プログラム(後述するエコドライブ支援プログラム14aを含む)を読み出して各種演算処理を行うと共に各構成要素の制御を行う中央演算処理装置である。ROM12は、携帯情報端末10を動作させるための制御プログラムや各種データを記憶する読み出し専用メモリである。RAM13は、CPU11により制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される読み出し及び書き込みが可能なメモリである。フラッシュROM14は、アプリケーションプログラムや各種データを記憶する書き換え可能な不揮発性メモリである。尚、後述するエコドライブ支援プログラム14a及び運行データファイル14bは、フラッシュROM14に記憶される。
【0064】
タッチパネル式液晶ディスプレイ15は、カラー液晶ディスプレイに透明タッチパネルを積層してなり、カラーで画面表示が可能であると共に、指又はペン型の棒の先端で表面に触れることによって画面表示に対応した入力操作を行うことが可能な公知の装置である。入力ボタン16は、各種の入力操作を行うためのボタンである。通信ポート17は、GPS受信機30から出力された測位データをCPU11が取得するためのポートであり、通信バッファが設けられる。
【0065】
GPS受信機30は、受信アンテナ31と、受信回路32とから構成され、GPS衛星50からの電波を受信アンテナ31により受信することに基づいて、受信回路32が測位データを出力する。測位データには、衛星情報受信状態、位置情報(緯度及び経度)、移動速度(単位:ノット)、移動方位(単位:ラジアン)、標高(単位:m)、GPS時刻が含まれる。GPS受信機30は、携帯情報端末10裏面に設けられた図示しないメモリカードスロットに装着されることによって電気的接続が図られ、GPS受信機30から出力された測位データが携帯情報端末10に入力される。
【0066】
次に、エコドライブ支援装置1において実行される処理の流れについて、図3乃至図9に示す画面表示例及び図10乃至図17に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、携帯情報端末10に設けられたタッチパネル式液晶ディスプレイ15の画面上でエコドライブ支援プログラム14aのアイコン(図示せず)をクリックすると、エコドライブ支援プログラム14aが起動されて図10に示すメインルーチンの実行が開始される。
【0067】
最初に、初期化処理が行われ(ステップ1。以下、ステップ1をS1と略記する。他のステップも同様。)、続いて、新規運行か継続運行かを選択させる新規/継続選択モードに移り(S2)、図3に示すように、”新しい運行の計測を行います。よろしいですか?”という確認メッセージと”はい”、”いいえ”の各ボタンとが画面表示される(S3)。S3で、”はい”がクリックされた場合は、S5へ進む。一方、S3で、”いいえ”が選択された場合、フラッシュROM13から前回運行データの読込み(S4)を行った後、S5へ進む。
【0068】
S5では、入力画面処理が実行される。入力画面処理では、図4に示す入力画面150がタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示され、各入力項目の選択を行うことができる。入力画面150には、日付表示部1501、給油表示部1502、車輌名表示部1503、運転者表示部1504、評価モード表示部1505、警告予告チェックボックス1506、登録ボタン1507、戻るボタン1508、評価ボタン1509、ログ削除ボタン1510が表示され、車輌名、運転者、評価モード、及び警告予告アラームを行うか否かの選択をそれぞれ行うことができる。
【0069】
車輌名の選択は、車輌名表示部1503右端の逆三角マークをクリックして車輌名一覧をプルダウン表示させ、この状態でいずれかの車輌名をクリックすることにより行われる。このようにして選択された車輌名は、車輌名表示部1503に表示される。運転者の選択は、運転者表示部1504右端の逆三角マークをクリックして運転者一覧をプルダウン表示させ、この状態でいずれかの運転者名をクリックすることにより行われる。このようにして選択された運転者は、運転者表示部1504に表示される。評価モードの選択は、評価モード表示部1505右端の逆三角マークをクリックして、”エコビギナー”及び”ベテラン”をプルダウン表示させ、この状態でいずれか一方のモードをクリックすることにより行われる。このようにして選択された評価モードは、評価モード表示部1505に表示される。
【0070】
ここで、”エコビギナー”とは、エコドライブ初心者向けのエコドライブ判定モードであり、一方、”ベテラン”は、エコドライブ熟練者向けのエコドライブ判定モードである。そして、”ベテラン”では、”エコビギナー”よりも、厳しいエコドライブ判定となるように、各項目の判定基準値が設定されている。図18は、エコビギナー及びベテランについての各項目の判定基準値を示す表である。
【0071】
次に、入力画面150上のどのボタンがクリックされたか判定され(S6)、クリック有りの場合は、クリックされたボタンに対応する各ステップへ移行し、クリック無しの場合はS5へ戻る。
【0072】
S6で評価ボタン1507がクリックされた場合、後述するS17の運行診断画面処理へ移行する。ログ削除ボタン1508がクリックされた場合、GPS受信機30から受信したデータからなるGPSログファイルを削除した後(S7)、S5へ戻る。戻るボタン1506がクリックされた場合、後述するS9のメイン画面処理へ移行する。登録ボタン1506がクリックされた場合、入力データの登録処理を実行する(S8)。S8の登録処理では、車輌名、運転者、評価モードが登録されると共に、警告予告アラームの有無が設定される。その後、S9のメイン画面処理へ移行する。
【0073】
S9のメイン画面処理(図11)では、メイン画面151がタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示される。ここで、図5(a)は、停止時(現在速度<4km/h)のメイン画面151の構成を、(b)は走行時(現在速度≧4km/h)のメイン画面151の構成を示す図である。また、図6(a)は、メイン画面151の初期画面の表示例を、(b)は走行中の画面の表示例を、(c)は停止中の画面の表示例をそれぞれ示している。図5(a)に示すように、メイン画面151には、速度グラフパネル1511、加速度グラフパネル1512、速度表示部1513、標高表示部1514、一般道路/高速道路表示切り替えボタン1515、経過時間表示部1516、移動距離表示部1517、速度超過時間表示部1518、アイドル時間表示部1519、急加速回数表示部1520、急減速回数表示部1521、方角グラフパネル1522、加速度表示部1523、開始ボタン1524、入力ボタン1525、及び終了ボタン1526がそれぞれ表示されている。
【0074】
尚、速度グラフパネル1511における速度スケールは、一般道路/高速道路表示切り替えボタン1515の選択状態に応じて表示される。すなわち、一般道路/高速道路表示切り替えボタン1515において一般道路が選択されている場合は、最大値80Km/h、中心線40Km/hで表示され、高速道路が選択されている場合は、最大値120Km/h、中心線60Km/hで表示される。一般道路と高速道路とのモードの切り替えは、道路の変化に伴い、運転者が、一般道路/高速道路表示切り替えボタン1515をクリックして切り替えを行う。
【0075】
次に、メイン画面151上でどのボタンがクリックされたか判定され(S10)、クリック有りの場合は(S:Yes)、クリックされたボタンに対応する各ステップへ移行し、クリック無しの場合はS9へ戻る。
【0076】
S10で開始ボタン1524がクリックされた場合、通信ポート18をオープンし、GPSデータの受信を開始する(S11)。以後、GPS受信機30から1秒毎に通信ポート18の通信バッファにGPSデータが書き込まれる度に、図12に示す運行状態表示・判定ルーチンが実行される。
【0077】
運行状態表示・判定ルーチンでは、図12に示すように、まず、通信バッファの読み込みを行う(S101)。続いて、通信バッファから読み込まれたGPS測位データの解析を行う(S102)。すなわち、GPS測位データに基づいて、速度/加速度、受信状態/方位/標高、移動距離/経過時間、速度超過時間/アイドル時間、急加速回数/急減速回数を解析し、運行状態データの更新を行う。
【0078】
具体的には、図13のGPSデータ解析ルーチンにおいて、まず、GPS測位データの移動速度(単位:ノット)から現在速度(km/h)を算出する(S201)。また、現在速度の変化に基づいて現在加速度(km/h/s)を算出する(S202)。さらに、GPS測位データに基づいて、衛星受信状態/方位/標高の更新(S203)、移動距離/経過時間の更新(S204)を行う。次に、現在速度が速度閾値を超過しているか否かを判定し(S205)、超過していない場合(S205:No)、速度超過タイマのカウントを停止し、カウント値を速度超過時間に加算して、カウント値をリセットした後(S206)、S209へ進む。現在速度が速度閾値を超過している場合(S205:Yes)、速度超過タイマがオンしているか否かを判定し(S207)、オンしていない場合は(S207:No)、速度超過タイマをオンした後(S208)、S209へ進む。一方、速度超過タイマがオンしている場合は(S207:Yes)、S209へ進む。
【0079】
次に、現在速度が4km/h未満であるかを判定し(S209)、4km/h以上(すなわち、走行中)である場合(S209:No)、アイドリングタイマのカウントを停止し、カウント値が3分以上の場合にのみアイドリング時間に加算して、カウント値をリセットした後(S210)、S213へ進む。現在速度が4km/h未満(すなわち、停車状態)である場合(S209:Yes)、アイドリングタイマがオンしているか否かを判定し(S211)、オンしていない場合は(S211:No)、アイドリングタイマをオンした後(S212)、S213へ進む。一方、アイドリングタイマがオンしている場合は(S211:Yes)、S213へ進む。
【0080】
続いて、現在加速度が急加速閾値以上であるかを判定し(S213)、急加速閾値以上である場合は(S213:Yes)、急加速回数を1増加させて更新した後(S214)、S215へ進む。現在加速度が急加速閾値未満である場合(S213:No)、S215へ進む。同様に、現在加速度が急減速閾値以下であるかを判定し(S215)、急減速閾値以下である場合は(S215:Yes)、急減速回数を1増加させて更新した後(S216)、リターンする。現在加速度が急減速閾値より大きい場合(S215:No)、リターンする。
【0081】
次に、S102におけるGPSデータの解析結果を用いて、メイン画面151に運行状態データの表示を行う(S103)。具体的には、速度、経過時間、移動距離、標高、速度超過時間、アイドル時間、急加速回数、急減速回数をそれぞれ表示する。
【0082】
続いて、運行状態グラフの表示処理を行う(S104〜S108)。まず、現在速度が4km/h以上であるか否かを判定する(S104)。現在速度が4km/h以上である場合(S104:Yes)、図5(b)に示すように、速度グラフパネル1511の略左半分を速度インジケータパネル1531とし、現在速度をインジケータ表示する(S105)。インジケータは、数値の大きさによってブロックの高さが変化する。さらに、速度グラフパネル1511の残りの略右半分を加速度インジケータパネル1532とし、現在加速度をインジケータ表示する(S106)。
【0083】
尚、速度インジケータパネル1531及び加速度インジケータパネル1532では、速度・加速度の帯域によってインジケータ色をそれぞれ変化させて表示する。速度インジケータパネル1531では、例えば、30km/h未満:水色、30km/h〜速度判定基準値−5km/h未満:青、速度判定基準値−5km/h〜速度判定基準値未満:黄色、速度判定基準値〜速度判定基準値+10km/h以下:オレンジ、速度判定基準値+10km/hを超えた場合:赤、の各色でそれぞれインジケータ表示される。一方、加速度インジケータパネル1532では、例えば、3km/h/s未満又は急加速判定基準値−3km/h/s未満:緑、急加速判定基準値−3km/h/s〜急加速判定基準値−1km/h/s未満:黄色、急加速判定基準値−1km/h/s〜急加速判定基準値以下:オレンジ、急加速判定基準値を超えた場合:赤、の各色でそれぞれインジケータ表示される。このような表示を行うことにより、運転者が、速度メーターの目盛りを見なくても、経済速度・加速度で走行しているか瞬時に判別可能となる。
【0084】
S104で、現在速度が4km/h未満である場合(S104:No)、フラッシュROMに記憶された運行データを参照して3分間の速度履歴グラフを速度グラフパネル1511に表示する(S107)。ここで、速度履歴グラフは、直前3分間の速度履歴を1秒毎の縦棒グラフで表したものである。また、速度履歴グラフは、速度が4km/h以上の時には、速度に比例した長さの縦棒グラフを青色で表示し、速度が4km/h未満の時には、4km/hに相当する長さの縦棒グラフを黒色で表示する。青色と黒色との異なる表示により、走行中と停止中との判断が容易となる。
【0085】
次に、運行データを参照して3分間の加速度履歴グラフを加速度グラフパネル1512に表示する(S108)。ここで、加速度履歴グラフは、直前3分間の加速度履歴を1秒毎の縦棒グラフで表したものである。速度及び加速度について3分間の履歴グラフを表示するのは、一般道路を走行している場合、赤信号による停止が発生する頻度が高いので、発進から定速状態、減速、停止までの動きが一連の流れとして確認が出来るようにするためである。また、上下に配置された速度グラフパネル1511と加速度グラフパネル1512とは、横方向の時間座標が共通であるので、速度変動と加速度・減速度との関係を容易に把握することができる。また、グラフの時間軸は、1秒毎の縦棒グラフで表しているので、発進加速、減速ブレーキでどれくらいの傾きで、上昇、下降しているかを、視覚的に理解することが出来る。
【0086】
続いて、方角グラフパネル1522に現在の移動方位をグラフ表示する(S109)。尚、円形状の方角グラフパネル1522は、最上部が北を表している。従って、最右部が西、最下部が南、最左部が東をそれぞれ表す。
【0087】
次に、エコドライブ判定処理を実行する(S110)。エコドライブ判定処理では、図14乃至図15のフローチャートに示すように、まず、現在速度>速度閾値の関係に該当するか否かを判定する(S301)。尚、速度閾値は、図18の判定基準値一覧表に従って決定され、例えば、入力画面150でモードとしてエコビギナーを選択し且つメイン画面151で一般道を選択した場合、速度判定基準値である60km/hが速度閾値として使用される。現在速度>速度閾値(すなわち、速度超過)である場合(S301:Yes)、速度超過フラグをオンする(S302)。
【0088】
次に、アイドリングタイマのカウント値が3分以上であるか否かを判定する(S303)。アイドリングタイマのカウント値が3分以上である場合(S303:Yes)、アイドリングフラグをオンする(S304)。
【0089】
次に、現在加速度≧急加速閾値の関係に該当するか否かを判定する(S305)。ここで、急加速閾値=急加速判定基準値×{1−(現在速度/100)×0.5}とする(急加速判定基準値は、図18の判定基準値一覧表に従う。)。急加速閾値を現在速度に応じて変化させるのは、速度の上昇に伴って、ギア比や空気抵抗により加速度が出にくくなる点を加味して、より精度の高い急加速の判定を行うためである(急減速の判定も同様)。但し、現在速度が4km/h以上になってから3秒以内では、現在加速度×係数を急加速閾値と比較する。ここで、係数は、GPS受信機30の特性に応じて設定される値であり、例えば、0.5〜0.8に設定される。これは、GPS受信機の特性により、速度の出始めにおいて、実際の速度よりも低めの数値が出力される場合があり、その後、低速状態から実際の速度に近づくために、急に速度の上昇が発生するケースがあるからである。
【0090】
S305で、現在加速度≧急加速閾値である場合(S305:Yes)、急加速フラグをオンする(S306)。現在加速度<急加速閾値である場合(S305:No)、3km/h/s≦現在加速度<4km/h/sの関係に該当するか否かを判定し(S307)、該当する場合は(S307:Yes)、警告予告音1フラグをオンする(S308)。S308で該当しない場合は(S308:No)、4km/h/s≦現在加速度<急加速閾値の関係に該当するか否かを判定し(S309)、該当する場合は(S309:Yes)、警告予告音2フラグをオンする(S310)。
【0091】
次に、現在加速度≦急減速閾値の関係に該当するか否かを判定する(S311)。ここで、急減速閾値=急減速判定基準値×{1−(現在速度/100)×0.5}である(急減速判定基準値は、図18の判定基準値一覧表に従う。)。現在加速度≦急減速閾値である場合(S311:Yes)、急減速フラグをオンする(S312)。現在加速度>急減速閾値である場合(S311:No)、−4km/h/s<現在加速度≦−3km/h/sの関係に該当するか否かを判定し(S313)、該当する場合は(S313:Yes)、警告予告音1フラグをオンし(S314)、S317へ進む。S313で該当しない場合は(S313:No)、急減速閾値<現在加速度≦−4km/h/sの関係に該当するか否かを判定し(S315)、該当する場合は(S315:Yes)、警告予告音2フラグをオンし(S316)、S317へ進む。次に、速度閾値−5km/h≦現在速度<速度閾値の関係に該当するか否かを判定し(S317)、該当する場合は(S317:Yes)、警告予告音3フラグをオンし(S318)、リターンする。該当しない場合は(S317:No)、そのままリターンする。
【0092】
次に、警告メッセージ表示・アラーム発生処理を行う(S111)。具体的には、図16のフローチャートに示すように、速度超過フラグがオンの場合(S401:Yes)、速度超過警告メッセージ:「速度に注意 スピードを落としましょう。」を表示し(S402)、アラーム発生部17において警告音Bを発生させ(S403)、リターンする。尚、警告メッセージが表示されたことを運転者に分かり易くするために、警告メッセージ表示を開始してから3秒間は、表示文字を点滅させ、その後、3秒間は文字の点滅無く表示を行い、合計6秒間表示を行う(他の警告メッセージも同様)。また、メッセージ用のタイマーカウントを使用して、速度超過状態が継続している間、30秒毎に速度超過警告メッセージを表示する。但し、現在速度が速度超過判定速度より5km/h低い値にならない場合は、メッセージ用タイマのカウントを継続する。これにより、短時間だけ速度閾値を下回り、再び速度超過することが繰り返された場合に、何度も「速度に注意・・・」の警告メッセージが表示されることを防止する。メッセージ表示後、タイマカウントをリセットする。
【0093】
アイドリングフラグがオンの場合(S404:Yes)、アイドリング警告メッセージ:「アイドリングです 燃料の無駄遣いです。エンジンを切りましょう。」を表示し(S405)、アラーム発生部17において警告音Aを発生させ(S403)、リターンする。また、メッセージ用のタイマーカウントを使用して、アイドリング状態が継続している間、30秒毎にアイドリング警告メッセージを表示する。メッセージ表示後、タイマカウントをリセットする。
【0094】
急加速フラグがオンの場合(S406:Yes)、急加速警告メッセージ:「急加速です 燃料を多量に使います。ゆっくりと加速しましょう。」を表示し(S407)、アラーム発生部17において警告音Aを発生させ(S403)、リターンする。
【0095】
急減速フラグがオンの場合(S408:Yes)、急減速警告メッセージ:「急ブレーキです 車間距離を取り、ゆっくりと減速しましょう。」を表示し(S409)、アラーム発生部17において警告音Aを発生させ(S403)、リターンする。
【0096】
警告予告音1フラグがオンの場合(S410:Yes)、アラーム発生部17において警告予告音1を発生させる(S411)。一方、警告予告音2フラグがオンの場合(S412:Yes)、アラーム発生部17において、警告予告音1とはアラーム音が異なる警告予告音2を発生させる(S413)。また、警告予告音3フラグがオンの場合(S414:Yes)、アラーム発生部17において、警告予告音1,2とはアラーム音が異なる警告予告音3を発生させる(S415)。但し、入力画面150で警告予告チェックボックス1506にチェックされていない場合は、S411,S413,S415でアラームを発生させない。その後、警告メッセージ及び警告予告音の各フラグをリセットする(S416)。尚、急加速、急減速の警告予告音は、1秒毎に発生させ、速度の警告予告音は3秒毎に発生させる。警告条件に該当しない場合であり且つ警告予告条件に該当する場合に、警告条件に近づいたことを警告予告音により予告するので、運転者が警告条件に達する前に速度を落とす等の対応をすることができ、警告条件に該当するような運転を未然に防止して、エコドライブをし易くさせることができる。
【0097】
ここで、図7は、メイン画面151における警告メッセージの表示例を示す図であり、(a)は速度超過警告メッセージの表示例を、(b)はアイドリング警告メッセージの表示例を、(c)は急加速警告メッセージの表示例を、(d)は急減速警告メッセージの表示例をそれぞれ示している。
【0098】
そして、図12の運行状態表示・判定ルーチンに戻り、運行データのフラッシュROM14への書き出しを行い(S112)、本ルーチンを終了する。以後、GPS受信機30から1秒毎にGPS通信ポート18の通信バッファへGPS測位データが書き込まれる度に、運行状態表示・判定ルーチンが実行が繰り返される。
【0099】
図11のフローチャートへ戻り、S10で入力ボタン1525がクリックされた場合、S5の入力画面表示へ移行する。S10で終了ボタン1526がクリックされた場合、通信ポート18をクローズし、運行データをフラッシュROM14へ保存した後(S14)、フラッシュROM14から運行データ集計ファイルの読込みを行い(S15)、エコドライブ運行診断を実行する(S16)。
【0100】
S16のエコドライブ運行診断では、図17のフローチャートに示すように、まず、急加速、急減速、アイドリング、速度超過の各項目について、A〜Eのランクを求める(S501)。図19は、各項目のランクを判定するためのランク判定表の一例を示している。次に、各項目のランク判定結果に基づいて、エコドライブ度のスコアを算出する(S502)。エコドライブ度のスコアは、例えば、満点を100点とし、A:減点無し、B:−10点、C:−15点、D:−20点、E:−25点として、減点法により算出する。そして、エコドライブ度のスコア算出結果に基づいて、A〜Eの総合ランクを判定する(S503)。エコドライブ度の総合ランクは、例えば、A:80点以上、B:60点以上80点未満、C:40点以上60点未満、D:20点以上40点未満、E:0点以上20点未満として判定する。続いて、運行診断画面154で表示すべきエコドライブ度メッセージを決定する(S504)。図20は、各項目・各ランクのエコドライブ度メッセージを示す一覧表である。エコドライブ度メッセージは、最もランクの低い項目のメッセージを優先して表示する。また、複数の項目についてランクが同一である場合は、例えば、優先順位を、速度超過、急減速、急加速、アイドリングの順とする。
【0101】
次に、図11のフローチャートへ戻り、S16のエコドライブ運行診断で作成された運行診断一覧表示用ワークデータを参照して運行診断画面154の表示を行う(S17)。運行診断画面154には、図8に示すように、診断結果一覧表示部1541、エコドライブ度表示部1542、運行時間表示部1543、速度超過時間表示部1544、アイドリング時間表示部1545、急加速回数表示部1546、急減速回数表示部1547、診断コメント表示部1548がそれぞれ画面表示される。診断結果一覧表示部1541には、運行データ集計ファイルから読み込まれた全ての運行データが一覧表示され、最新の運行データが最下段にて反転表示される。各運行データには、開始日時、終了時刻、運転者、距離、判定結果(ランク)が含まれる。エコドライブ度表示部1542には、診断結果一覧表示部1541にて反転表示された今回の運行データのエコドライブ度のランク、スコア及び説明が表示される。図9(a)は運行診断画面154の表示例であり、(b)は他の表示例である。
【0102】
尚、診断結果一覧表示部1541において他の運行データがクリックされた場合、エコドライブ度表示部1542、運行結果データ表示部1543、診断コメント表示部1544には、クリックにより選択された運行データに対応するエコドライブ度、速度超過時間等の運行結果データ、診断コメントがそれぞれ表示される。
【0103】
次に、終了ボタン1549がクリックされたか否かが判定され(S18)、終了ボタン1549がクリックされた場合は(S18:Yes)、エコドライブ支援プログラム14aの実行を終了し、その他の場合は(S18:No)、S17へ戻る。
【0104】
尚、GPS受信機30の精度により、異常値と判断したデータについては判定に使用しない。具体的には、(1)衛星の電波が3個以上取得できない場合には、未測位状態となり、正しい速度が計測できないため、未測位状態では、画面の更新および警告の判定は行わない。(2)電波の状態が悪いとき、GPS誤差により車両が完全に停止している時でも、2−3km/h程度の速度が検出される場合があるため、停止・アイドリング状態の判定を行うためには、GPS誤差により発生するわずかな速度については、除去を行った上で、停止状態の判定を行う。(3)衛星電波のビル反射などで、異常な速度変化が発生し、急加速、急減速の閾値に急激に変化する場合があるため、一般的な走行では発生することがまれな、±15.0km/h/s以上の加速・減速データは、急加速、急減速の判定に使用しない。(4)GPS受信機30から取得する速度変化は、衛星電波の状態やGPSの速度計算ロジックの特性により、速度の変化が遅れたり、実際より急な加速度として現れる場合があるため、加速度は、3秒間の移動平均値で判定する。(5)トンネルを抜けた後など、未測位状態から測位状態に変化した時のGPS速度は、0km/hから突然、実際の走行速度になり、急加速・急減速と判断される場合が発生するため、未測位状態から測位状態に変化した時のGPS速度は、測位状態になったときの速度を初期値として、その時の速度変化による加速度は、0Km/h/sとして扱う。
【0105】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態のエコドライブ支援装置1によれば、GPS受信機30が、GPS衛星50からの電波を受信して測位データを1秒間隔で出力し、CPU11が、エコドライブ支援プログラム14aを実行することにより、GPS受信機30からの測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフをタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示させる。よって、運転者に、タッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示された現在の走行状況を表すグラフを視認させて走行状況を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、GPS受信機30からの測位データを利用するので、車両から速度情報等を取得する構成よりも、装置の車両への取り付け及び取り外しが容易であると共に、どのような車両にも搭載が可能である。
【0106】
また、CPU11がフラッシュROM14にGPS受信機30からの測位データに基づいて走行状況の履歴である運行データファイル14bを記憶させ、現在の速度が4km/h未満である場合に、走行状況の履歴に基づいて直前の3分間の走行履歴グラフ(速度履歴グラフ及び加速度履歴グラフ)をタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示させるので、信号待ち等の停車中に、運転者に直前の所定時間分の走行状況の履歴(速度及び加速度の連続的な変化)を具体的に且つリアルタイムに認識させることができる。さらに、現在の速度が所定値(4km/h)以上である場合、タッチパネル式液晶ディスプレイ15におけるグラフ表示を、現在の速度及び加速度を表すインジケータに切り替えるので、運転者は走行中に、現在の速度及び加速度をインジケータにより容易に把握することができる。
【0107】
また、GPS受信機30からの測位データに基づいて、速度、加速度、アイドリング時間が所定の警告条件に該当するか否かを判定し、判定結果に基づいてタッチパネル式液晶ディスプレイ15に警告メッセージを表示させるので、運転者に、警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。特に、アラーム発生部17が、タッチパネル式液晶ディスプレイ15に警告メッセージが表示される時に警告音を発生するので、警告音によって運転者に注意を喚起して警告メッセージ表示を確実に視認させることができる。
【0108】
また、フラッシュROM14に記憶された走行状況の履歴(運行データファイル14b)に基づいてエコドライブの評価を行うので、運転者に、走行状況の履歴に基づくエコドライブの評価を与えることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、エコドライブの習熟度に応じた2段階の評価基準(エコビギナー/ベテラン)を有するので、例えば、最初はエコドライブ初心者用の評価基準を使用し、習熟度の向上に合わせて熟練者用の評価基準に替えることにより、段階的にエコドライブを習熟させることができる。
【0109】
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、前記実施の形態において、車両停止状態で(現在速度<4km/hの時)に、停止から15秒後に10秒間、アイドリングストップを促すメッセージを表示するようにしてもよい。信号機や踏切などによる停止中に、十分な停車時間がある場合、エンジンを停止する(アイドリングストップ)か、ATシフトレバーをNレンジにシフトすることにより、燃費が大幅に向上するからである。例えば、「アイドリングストップ(Nレンジ)」のようにメッセージ表示してもよい。
【0110】
また、携帯情報端末10を、バッテリ電源を使用していない時、所定時間後に自動的に電源を切るように構成してもよい。この構成によれば、エンジン停止(イグニッション・オフ)してから所定時間(例えば、1分)後に自動的に電源が切れ、再度、エンジンを始動するとエコドライブ支援プログラムの画面が表示され運行の計測を再開することができる。
【0111】
また、前記実施形態では、エコビギナー及びベテランの2段階の評価基準を設ける構成としたが、初級、中級、上級の3段階のランクを設けるようにしてもよい。例えば、初級では、平均的な運転操作を行う運転者に対して、比較的高いスコアが出るようにし、急激な運転操作をする運転者に対して、低いスコアが出るように考慮する。中級では、ある程度、エコドライブに近い運転が出来るようになった運転者に対して、比較的高いスコアが出るようにし、平均的な運転操作を行う運転者でも低いスコアになるようにする。上級では、最適なエコドライブが出来る運転者には、高いスコアが出るようにし、それ以外は、高いスコアが出ないように考慮する。
【0112】
また、前記実施形態では、停車中(4km/h未満)の場合にのみ、速度履歴グラフを表示するようにしたが、ユーザの設定によって速度履歴グラフを走行中も表示可能としてもよい。
【0113】
また、前記実施形態では、1秒ごとにGPS受信機30から取得した現在速度をメイン画面151に数値で表示するようにしたが、移動距離を走行時間・停止時間の両方をあわせた時間で割って求められる全平均速度や、移動距離を走行時間で割って求められる走行平均速度の表示へ切り替え可能としてもよい。
【0114】
また、前回エンジン(電源)が切られた時から、1時間以上経過していた場合は、「暖機運転は不要です。安全が確認できたら早めに出発しましょう」のメッセージを表示するようにしてもよい。エンジンを切ってしばらく時間が経つと水温が下がるが、最近の自動車では、暖機運転を行う必要はほとんど無いため、暖機運転を行わず発進することにより、燃料の浪費を防ぐことができる。例えば、春夏秋は15秒後(3月〜10月)、冬の期間(11月〜2月)は30秒後に、10秒間メッセージを表示し、このメッセージを出す時は、アイドリングストップのメッセージを表示しないようにしてもよい。
【0115】
また、前記実施形態において、10秒間での走行距離について、一定の移動距離(例えば、100m)に対する標高の低下が所定値(例えば、13m)以上である場合に、タッチパネル式液晶ディスプレイ15にエンジンブレーキの使用を促す警告メッセージを表示させるように構成してもよい。この構成によれば、長い急な下り坂等で、運転者にエンジンブレーキの使用を促すことにより、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0116】
また、エコドライブ支援装置1の起動時に、運転を開始する前に注意する点を注意メッセージとしてタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示するようにしてもよい。この構成によれば、運転者は、注意メッセージに従って所定の行動を取ることにより、より一層、経済的且つ安全な車両の運転を行うことができる。この注意メッセージは、運転者が見たことを確認するため、[確認]もしくは[OK]ボタンが押されるまで、表示を続けるようにしてもよい。例えば、(1)タイヤの空気圧が適正かチェックを促すメッセージを表示するようにしてもよい。タイヤの空気圧が低くなると、燃費が悪くなるからである。1度メッセージを表示したら、次回は、30日以上経過した場合に表示を行う。(2)不要な荷物を積んでいないか確認するメッセージを表示するようにしてもよい。不要な荷物を積んでいると、燃費が悪くなるからである。1度メッセージを表示したら、次回は、5日以上経過した場合に表示を行うようにしてもよい。(3)5月〜9月で、エアコンの設定がエコドライブに適切か注意を促すメッセージを表示するようにしてもよい。エアコンの使用は燃費に大きく影響するので、適切な温度、風量設定を行うようにさせることが好ましいからである。1度メッセージを表示したら、次回は、12時間以上経過した場合に表示を行う。
【0117】
また、運行データやエコドライブ評価の結果を、QRコード等の二次元バーコードに変換してタッチパネル式液晶ディスプレイ15の画面上に表示する構成としてもよい。かかる構成によれば、携帯電話等を用いて、別途通信インターフェースを使用することなく、画面インターフェースだけで運行データ等を取得することが可能になる。
【0118】
また、前記実施形態では、本発明のエコドライブ支援装置を、PDAである携帯情報端末10にGPS受信機30を接続した構成とした例を示したが、これには限られない。例えば、既存のカーナビゲーションシステムにおいてエコドライブ支援プログラム14aを実行させる構成とすることによりエコドライブ支援装置を実現してもよい。すなわち、カーナビゲーションシステムは、本来、GPS受信機及び画面表示可能なディスプレイを備えているので、ハードウェアに変更を加えることなくエコドライブ支援装置として機能させることが可能である。エコドライブ支援装置1の構成を備えたカーナビゲーションシステムによれば、GPS受信機及びディスプレイを利用して、地図情報に基づく道路案内だけでなく、経済的且つ安全な車両の運転を支援することが可能である。
【0119】
また、前記実施形態では、携帯情報端末10のフラッシュROM14に予めエコドライブ支援プログラム14aを記憶させる構成としたが、CD−ROM等のコンピュータ読取り可能な記録媒体にエコドライブ支援プログラム14aを記録し、GPS受信機及びディスプレイを備えた車載可能な所望のコンピュータにインストールして実行させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、GPS受信機を備えた携帯情報端末やカーナビゲーションシステム等の電子機器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の一実施形態であるエコドライブ支援装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】エコドライブ支援装置の外観を示す平面図である。
【図3】確認メッセージの表示例を示す図である。
【図4】入力画面の構成を示す説明図である。
【図5】メイン画面の構成を示す説明図であり、(a)は停止中の画面構成を、(b)は走行中の画面構成を示している。
【図6】メイン画面の表示例を示す図であり、(a)は初期画面を、(b)は走行中の画面を、(c)は停止中の画面をそれぞれ示している。
【図7】メイン画面における警告メッセージの表示例を示す図であり、(a)は速度超過警告メッセージの表示例を、(b)はアイドリング警告メッセージの表示例を、(c)は急加速警告メッセージの表示例を、(d)は急減速警告メッセージの表示例をそれぞれ示している。
【図8】運行診断画面の構成を示す説明図である。
【図9】(a)は運行診断画面の一の表示例を示す図であり、(b)は他の表示例を示す図である。
【図10】エコドライブ支援プログラムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図10のメインルーチンの続きを示すフローチャートである。
【図12】運行状態表示・判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】GPSデータ解析ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】エコドライブ判定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】図14のエコドライブ判定処理ルーチンの続きを示すフローチャートである。
【図16】警告メッセージ表示・アラーム発生ルーチンを示すフローチャートである。
【図17】エコドライブ運行診断ルーチンを示すフローチャートである。
【図18】各項目の判定基準値を示す判定基準値一覧表である。
【図19】各項目のエコドライブ度ランクを示すランク判定表である。
【図20】エコドライブ度のメッセージ一覧表である。
【符号の説明】
【0122】
1 エコドライブ支援装置
10 携帯情報端末
11 CPU(グラフ表示制御手段、警告メッセージ表示制御手段、評価手段、注意メッセージ表示制御手段)
14 フラッシュROM(走行履歴記憶手段)
14a エコドライブ支援プログラム
14b 運行データファイル(走行履歴)
15 タッチパネル式液晶ディスプレイ(ディスプレイ)
17 アラーム発生部(予告報知手段)
30 GPS受信機(GPS受信手段)
50 GPS衛星
【技術分野】
【0001】
本発明は、経済的且つ安全な車両の運転を支援するためのエコドライブ支援装置、カーナビゲーションシステム及びエコドライブ支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運行管理システムとして、路線トラックなどの業務用車両において、各種のセンサからエンジン回転数、エンジン負荷、アイドリング時間、急加減速、ハンドル角度などを取得してこれを車載装置に記憶させておき、運行を終えた後に車載装置に記憶された情報を取り出し、この車両がどのような状態で運転されたかを知ることができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、この従来システムでは、リアルタイム性がないため、事後対策となり、危険な運転をしていた場合に、その時点で運転者に注意を喚起することができなかった。また、車載装置は高価であるため、その普及が妨げられ、更には、他人から運送委託を受けた車両の場合には、車載装置による運行管理ができなくなるなどの問題があった。このような事情に鑑みて、従来、車両への搭乗者に携帯され、現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段および通信網を介して情報処理手段と通信する通信手段を有する携帯端末とを備え、携帯端末が、現在位置情報を間欠的に情報処理手段に送信し、情報処理手段が、携帯端末から間欠的に送信されてくる現在位置情報に基づいて車両の走行状況として速度又は加速度を演算し、この演算結果に基づく情報を携帯端末に送信するように構成された車両管理システムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この従来技術によれば、携帯端末、例えば、携帯電話機は、従来の運行管理用車載装置に比べれば安価であり、しかも、携帯端末を所持する限り、どのような車両でも運行管理可能であるという利点や、急発進、スピードの出し過ぎなどの危険な運転をしているような場合、運転者にリアルタイムに注意を喚起することができるという利点がある。
【特許文献1】特公平5−14315号公報
【特許文献2】特開2004−171191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献2に記載された従来構成では、省エネ運転が行われていない旨が、単に、携帯電話機のアラーム発生部からのアラームやスピーカからの音声によって報知されるだけであるため、運転者に自身の走行状況の問題点を具体的に認識させて、効果的に運転方法の改善が図られることを期待できないという問題がある。
【0005】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、解決しようとする課題は、運転者に自身の走行状況をリアルタイムに認識させて経済的且つ安全な車両の運転を支援可能なエコドライブ支援装置、カーナビゲーションシステム及びエコドライブ支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
【0007】
1.車両に搭載されて経済的且つ安全な車両の運転を支援するエコドライブ支援装置であって、
GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信手段と、
画面表示可能なディスプレイと、
前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定する警告条件判定手段と、
その警告条件判定手段による判定結果に基づいて前記ディスプレイに警告メッセージを表示させる警告メッセージ表示制御手段と
を備えたことを特徴とするエコドライブ支援装置。
【0008】
手段1によれば、GPS受信手段が、GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力し、警告条件判定手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、警告メッセージ表示制御手段が、警告条件判定手段による判定結果に基づいて画面表示可能なディスプレイに警告メッセージを表示させる。よって、運転者に、ディスプレイに表示された警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、GPS受信手段からの測位データを利用するので、車両から速度情報等を取得する構成よりも、装置の車両への取り付け及び取り外しが容易であると共に、どのような車両にも搭載が可能である。
【0009】
2.前記警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の少なくとも一つの項目に関して、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、
前記警告メッセージ表示制御手段は、前記警告条件判定手段による当該項目の判定結果に基づいて前記ディスプレイに当該項目に関する警告メッセージを表示させることを特徴とする手段1に記載のエコドライブ支援装置。
【0010】
手段2によれば、警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の少なくとも一つの項目に関して、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、警告メッセージ表示制御手段は、警告条件判定手段による当該項目の判定結果に基づいてディスプレイに当該項目に関する警告メッセージを表示させるので、運転者に、ディスプレイに表示された当該項目の警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0011】
3.前記警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の全ての項目に関してそれぞれ所定の警告条件に該当するか否かを判定し、
前記警告メッセージ表示制御手段は、前記警告条件判定手段による判定結果に基づいて、前記ディスプレイに前記各項目に対応した警告メッセージを表示させることを特徴とする手段2に記載のエコドライブ支援装置。
【0012】
手段3によれば、告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の全ての項目に関してそれぞれ所定の警告条件に該当するか否かを判定し、警告メッセージ表示制御手段は、警告条件判定手段による判定結果に基づいて、ディスプレイに各項目に対応した警告メッセージを表示させるので、運転者に、ディスプレイに表示された各項目の警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、より確実に経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0013】
4.前記ディスプレイにおける警告メッセージの表示に関連して警告音を発生する警告音発生手段を更に備えたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0014】
手段4によれば、警告音発生手段が、ディスプレイにおける警告メッセージの表示に関連して警告音を発生するので、警告音によって運転者に注意を喚起することにより、ディスプレイ上の警告メッセージ表示を確実に視認させることができる。
【0015】
5.前記所定の警告条件に該当しない場合であり且つ所定の警告予告条件に該当する場合に、警告条件に近づいたことを予告する予告報知手段を更に備えたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0016】
手段5によれば、予告報知手段が、所定の警告条件に該当しない場合であり且つ所定の警告予告条件に該当する場合に、警告条件に近づいたことを予告するので、運転者が警告条件に達する前に速度を落とす等の対応をすることができ、警告条件に該当するような運転を未然に防止して、経済的且つ安全な車両の運転をし易くさせることができる。
【0017】
6.前記GPS受信手段からの前記測位データには標高データが含まれ、
前記警告メッセージ表示制御手段は、一定の移動距離に対する標高の低下が所定値以上である場合に、前記ディスプレイにエンジンブレーキの使用を促す警告メッセージを表示させることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0018】
手段6によれば、GPS受信手段からの測位データには標高データが含まれ、警告メッセージ表示制御手段は、一定の移動距離に対する標高の低下が所定値以上である場合に、ディスプレイにエンジンブレーキの使用を促す警告メッセージを表示させるので、長い急な下り坂等で、運転者にエンジンブレーキの使用を促すことにより、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0019】
7.装置起動直後に運転開始前の注意点に関する注意メッセージを前記ディスプレイに表示させる注意メッセージ表示制御手段を更に備えたことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0020】
手段7によれば、注意メッセージ表示制御手段が、装置起動直後に運転開始前の注意点に関する注意メッセージをディスプレイに表示させるので、運転者は、ディスプレイに表示された注意メッセージに従って所定の行動を取ることにより、より一層、経済的且つ安全な車両の運転を行うことができる。注意メッセージとは、例えば、タイヤの空気圧チェック、不要な荷物の確認、又はエアコンディショナの設定に関するメッセージなどである。
【0021】
8.前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段と、
その走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う評価手段と
を更に備えたことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0022】
手段8によれば、走行履歴記憶手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶し、評価手段が、走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う。よって、運転者に、走行状況の履歴に基づくエコドライブの評価を与えることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0023】
9.前記走行履歴記憶手段は、速度が速度閾値を超える速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、加速度が急加速閾値を超える急加速の回数及び加速度が急減速閾値を下回る急減速の回数をそれぞれ記憶し、
前記評価手段は、前記走行履歴記憶手段に記憶された速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、急加速の回数及び急減速の回数に基づいてエコドライブの評価を行うことを特徴とする手段8に記載のエコドライブ支援装置。
【0024】
手段9によれば、走行履歴記憶手段は、速度が速度閾値を超える速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、加速度が急加速閾値を超える急加速の回数及び加速度が急減速閾値を下回る急減速の回数をそれぞれ記憶し、評価手段は、走行履歴記憶手段に記憶された速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、急加速の回数及び急減速の回数に基づいてエコドライブの評価を行うので、経済性及び安全性に関して信頼性の高い評価を得ることができる。
【0025】
10.速度が所定値未満の状態が一定時間以上継続した場合にアイドリング時間として認識され、各アイドリング時間の累計を前記走行履歴記憶手段に記憶させることを特徴とする手段9に記載のエコドライブ支援装置。
【0026】
手段10によれば、速度が所定値未満の状態が一定時間以上継続した場合にアイドリング時間として認識され、各アイドリング時間の累計を走行履歴記憶手段に記憶させるので、信号待ち等の短時間の停車をアイドリング時間から除外して、運転の経済性に大きな影響を及ぼす長時間のアイドリング時間のみの累計をエコドライブの評価に用いることができる。
【0027】
11.前記評価手段は、速度が所定値以上となってから一定時間内は、加速度に1未満の所定の係数を乗じて得た値を用いて急加速の判定を行うことを特徴とする手段9に記載のエコドライブ支援装置。
【0028】
手段11によれば、評価手段は、速度が所定値以上となってから一定時間内は、加速度に1未満の所定の係数を乗じて得た値を用いて急加速の判定を行うので、停止状態から走行開始した直後に速度が低めに出やすいGPS受信手段の特性を加味して、より精度の高い急加速の判定を行うことができる。
【0029】
12.前記評価手段は、前記急加速閾値及び前記急減速閾値に、速度が大きくなるに伴って値が小さくなる係数を乗じて得た値を用いて、急加速及び急減速の判定を行うことを特徴とする手段9に記載のエコドライブ支援装置。
【0030】
手段12によれば、評価手段は、急加速閾値及び急減速閾値に、速度が大きくなるに伴って値が小さくなる係数を乗じて得た値を用いて、急加速及び急減速の判定を行うので、速度の上昇に伴って、ギア比や空気抵抗により加速度が出にくくなる点を加味して、より精度の高い急加速及び急減速の判定を行うことができる。
【0031】
13.前記評価手段は、エコドライブの習熟度に応じた2段階以上の評価基準を有することを特徴とする手段8乃至12のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0032】
手段13によれば、評価手段は、エコドライブの習熟度に応じた2段階以上の評価基準を有するので、例えば、最初はエコドライブ初心者用の評価基準を使用し、習熟度の向上に合わせて熟練者用の評価基準に替えることにより、段階的にエコドライブを習熟させることができる。
【0033】
14.前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフを前記ディスプレイに表示させるグラフ表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0034】
手段14によれば、グラフ表示制御手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフを画面表示可能なディスプレイに表示させる。よって、運転者に、ディスプレイに表示された現在の走行状況を表すグラフを視認させて走行状況を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0035】
15.前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段を備え、
前記グラフ表示制御手段は、前記走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいて、直前の所定時間分の走行履歴グラフを前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段14に記載のエコドライブ支援装置。
【0036】
手段15によれば、走行履歴記憶手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶し、グラフ表示制御手段は、走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいて、直前の所定時間分の走行履歴グラフをディスプレイに表示させるので、運転者に直前の所定時間分の走行状況の履歴を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0037】
16.前記グラフ表示制御手段は、前記走行履歴グラフとして、直前の所定時間分の速度履歴を表す速度履歴グラフ及び加速度履歴を表す加速度履歴グラフの少なくとも一方を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段15に記載のエコドライブ支援装置。
【0038】
手段16によれば、グラフ表示制御手段は、走行履歴グラフとして、直前の所定時間分の速度履歴を表す速度履歴グラフ及び加速度履歴を表す加速度履歴グラフの少なくとも一方をディスプレイに表示させるので、運転者に直前の所定時間分の速度履歴及び加速度履歴の少なくとも一方を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0039】
17.前記グラフ表示制御手段は、前記速度履歴グラフと前記加速度履歴グラフとを同時に且つ同一の時刻座標で表示させることを特徴とする手段16に記載のエコドライブ支援装置。
【0040】
手段17によれば、グラフ表示制御手段は、速度履歴グラフと加速度履歴グラフとを同時に且つ同一の時間座標で表示させるので、速度変化と加速度及び減速度との関係を容易に認識することができる。
【0041】
18.前記グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値未満である場合、前記走行履歴グラフを前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段15乃至17のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【0042】
手段18によれば、グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値未満である場合、走行履歴グラフをディスプレイに表示させるので、運転者は、信号待ちの停車中などの運転の合間にディスプレイ上の走行履歴グラフを確実に視認することができる。
【0043】
19.前記グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値以上である場合、前記ディスプレイにおけるグラフ表示を、現在の速度及び/又は加速度を表すインジケータに切り替えることを特徴とする手段18に記載のエコドライブ支援装置。
【0044】
手段19によれば、グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値以上である場合、ディスプレイにおけるグラフ表示を、現在の速度及び/又は加速度を表すインジケータに切り替えるので、運転者は走行中に、現在の速度及び/又は加速度をディスプレイ上のインジケータにより容易に把握することができる。
【0045】
20.前記グラフ表示制御手段は、現在の速度及び/又は加速度を表すインジケータを前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段14に記載のエコドライブ支援装置。
【0046】
手段20によれば、グラフ表示制御手段は、現在の速度及び/又は加速度を表すインジケータをディスプレイに表示させるので、運転者は現在の速度及び/又は加速度をディスプレイ上のインジケータにより容易に把握することができる。
【0047】
21.前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段を更に備え、
前記グラフ表示制御手段は、前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、現在の速度が所定値以上である場合、現在の速度を表すインジケータ及び現在の加速度を表すインジケータを前記ディスプレイに表示させ、一方、現在の速度が所定値未満である場合、前記走行履歴記憶手段に記憶された前記走行状況の履歴に基づいて、直前の所定時間分の速度履歴を表す速度履歴グラフ及び加速度履歴を表す加速度履歴グラフを前記ディスプレイに表示させることを特徴とする手段14に記載のエコドライブ支援装置。
【0048】
手段21によれば、GPS受信手段が、GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力し、走行履歴記憶手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する。そして、グラフ表示制御手段が、GPS受信手段からの測位データに基づいて、現在の速度が所定値以上である場合、現在の速度を表すインジケータ及び現在の加速度を表すインジケータをディスプレイに表示させるので、運転者に走行中に、現在の速度及び加速度をディスプレイ上のインジケータにより容易に把握させることができる。一方、グラフ表示制御手段は、現在の速度が所定値未満である場合、走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいて、直前の所定時間分の速度履歴を表す速度履歴グラフ及び加速度履歴を表す加速度履歴グラフをディスプレイに表示させるので、運転者に信号待ちの停車中などの運転の合間に、直前の所定時間分の速度履歴及び加速度履歴を具体的に且つリアルタイムに認識させることができる。よって、運転者に現在の速度及び加速度と直前の所定時間分の速度履歴及び加速度履歴とを具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、GPS受信手段からの測位データを利用するので、車両から速度情報等を取得する構成よりも、装置の車両への取り付け及び取り外しが容易であると共に、どのような車両にも搭載が可能である。
【0049】
22.前記グラフ表示制御手段は、現在の速度・加速度の数値の大きさによって前記各インジケータのブロックの高さを変化させて表示させると共に、現在の速度・加速度の帯域によって前記各インジケータの色を変化させて表示させることを特徴とする手段21に記載のエコドライブ支援装置。
【0050】
手段22によれば、グラフ表示制御手段は、現在の速度・加速度の数値の大きさによって各インジケータのブロックの高さを変化させて表示させると共に、現在の速度・加速度の帯域によって各インジケータの色を変化させて表示させるので、運転者は、速度メーターの目盛りを見なくても、経済速度・加速度で走行しているかを瞬時に判別することができる。
【0051】
23.手段1乃至22のいずれかに記載のエコドライブ支援装置を備えたことを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【0052】
手段23によれば、カーナビゲーションシステムが、エコドライブ支援装置を備えているので、地図情報を利用した道路案内だけでなく、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、カーナビゲーションシステムは、GPS受信手段及び画面表示可能なディスプレイを備えているので、大きな変更を加えることなくエコドライブ支援装置として利用可能な構成とすることができる。
【0053】
24.経済的且つ安全な車両の運転を支援するためにコンピュータを、
GPS衛星からの電波を受信して速度を含む測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信機からの前記測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定する警告条件判定手段、及び
その警告条件判定手段による判定結果に基づいて前記ディスプレイに警告メッセージを表示させる警告メッセージ表示制御手段、
として機能させるためのエコドライブ支援プログラム。
【0054】
手段24によれば、エコドライブ支援プログラムを実行するコンピュータが、警告条件判定手段として機能することにより、GPS衛星からの電波を受信して速度を含む測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信機からの測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、さらに、警告メッセージ表示制御手段として機能することにより、警告条件判定手段による判定結果に基づいてディスプレイに警告メッセージを表示させる。よって、運転者に、ディスプレイに表示された警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0055】
25.前記コンピュータを、更に、
前記GPS受信機からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段、及び
その走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う評価手段、
として機能させることを特徴とする手段24に記載のエコドライブ支援プログラム。
【0056】
手段25によれば、コンピュータが、走行履歴記憶手段として機能することによりGPS受信機からの測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶し、評価手段として機能することにより、走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う。よって、運転者に、走行状況の履歴に基づくエコドライブの評価を与えることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0057】
26.前記コンピュータを、更に、
前記GPS受信機からの測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフをディスプレイに表示させるグラフ表示制御手段、
として機能させることを特徴とする手段24又は25に記載のエコドライブ支援プログラム。
【0058】
手段26によれば、エコドライブ支援プログラムを実行するコンピュータが、グラフ表示制御手段として機能することにより、GPS受信機からの測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフをディスプレイに表示させる。よって、運転者に、ディスプレイに表示された現在の走行状況を表すグラフを視認させて走行状況を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、運転者に、ディスプレイに表示された警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、GPS受信手段からの測位データを利用するので、車両から速度情報等を取得する構成よりも、装置の車両への取り付け及び取り外しが容易であると共に、どのような車両にも搭載が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明のエコドライブ支援装置を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態のエコドライブ支援装置1の全体構成を示すブロック図である。図2は、エコドライブ支援装置1の外観を示す平面図である。尚、本明細書では、「エコドライブ」という用語を、経済的且つ安全であり、環境に配慮した車両の運転を意味するものとして用いる。
【0061】
エコドライブ支援装置1は、図1,2に示すように、携帯情報端末10と、携帯情報端末10に装着されたGPS(全地球測位システム)受信機30とから構成されている。エコドライブ支援装置1は、後述するタッチパネル式液晶ディスプレイ15の画面表示が運転者から見易いように、車両の運転席近傍に取付けられ、携帯情報端末10に内蔵された電池又は電源コードを介して車両のシガーライタプラグに接続されて車載バッテリからの電源供給によって動作する。
【0062】
携帯情報端末10は、携帯型のコンピュータであって、一般的にPDA(Personal digital assistants)と称せられる個人用の情報端末装置である。携帯情報端末10は、図1に示すように、CPU11と、ROM12と、フラッシュROM13と、RAM14と、タッチパネル式液晶ディスプレイ15と、複数の入力ボタン16と、アラーム発生部17と、通信ポート18とを備えて構成されている。
【0063】
CPU11は、ROM12又はフラッシュROM14より制御プログラム(後述するエコドライブ支援プログラム14aを含む)を読み出して各種演算処理を行うと共に各構成要素の制御を行う中央演算処理装置である。ROM12は、携帯情報端末10を動作させるための制御プログラムや各種データを記憶する読み出し専用メモリである。RAM13は、CPU11により制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される読み出し及び書き込みが可能なメモリである。フラッシュROM14は、アプリケーションプログラムや各種データを記憶する書き換え可能な不揮発性メモリである。尚、後述するエコドライブ支援プログラム14a及び運行データファイル14bは、フラッシュROM14に記憶される。
【0064】
タッチパネル式液晶ディスプレイ15は、カラー液晶ディスプレイに透明タッチパネルを積層してなり、カラーで画面表示が可能であると共に、指又はペン型の棒の先端で表面に触れることによって画面表示に対応した入力操作を行うことが可能な公知の装置である。入力ボタン16は、各種の入力操作を行うためのボタンである。通信ポート17は、GPS受信機30から出力された測位データをCPU11が取得するためのポートであり、通信バッファが設けられる。
【0065】
GPS受信機30は、受信アンテナ31と、受信回路32とから構成され、GPS衛星50からの電波を受信アンテナ31により受信することに基づいて、受信回路32が測位データを出力する。測位データには、衛星情報受信状態、位置情報(緯度及び経度)、移動速度(単位:ノット)、移動方位(単位:ラジアン)、標高(単位:m)、GPS時刻が含まれる。GPS受信機30は、携帯情報端末10裏面に設けられた図示しないメモリカードスロットに装着されることによって電気的接続が図られ、GPS受信機30から出力された測位データが携帯情報端末10に入力される。
【0066】
次に、エコドライブ支援装置1において実行される処理の流れについて、図3乃至図9に示す画面表示例及び図10乃至図17に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、携帯情報端末10に設けられたタッチパネル式液晶ディスプレイ15の画面上でエコドライブ支援プログラム14aのアイコン(図示せず)をクリックすると、エコドライブ支援プログラム14aが起動されて図10に示すメインルーチンの実行が開始される。
【0067】
最初に、初期化処理が行われ(ステップ1。以下、ステップ1をS1と略記する。他のステップも同様。)、続いて、新規運行か継続運行かを選択させる新規/継続選択モードに移り(S2)、図3に示すように、”新しい運行の計測を行います。よろしいですか?”という確認メッセージと”はい”、”いいえ”の各ボタンとが画面表示される(S3)。S3で、”はい”がクリックされた場合は、S5へ進む。一方、S3で、”いいえ”が選択された場合、フラッシュROM13から前回運行データの読込み(S4)を行った後、S5へ進む。
【0068】
S5では、入力画面処理が実行される。入力画面処理では、図4に示す入力画面150がタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示され、各入力項目の選択を行うことができる。入力画面150には、日付表示部1501、給油表示部1502、車輌名表示部1503、運転者表示部1504、評価モード表示部1505、警告予告チェックボックス1506、登録ボタン1507、戻るボタン1508、評価ボタン1509、ログ削除ボタン1510が表示され、車輌名、運転者、評価モード、及び警告予告アラームを行うか否かの選択をそれぞれ行うことができる。
【0069】
車輌名の選択は、車輌名表示部1503右端の逆三角マークをクリックして車輌名一覧をプルダウン表示させ、この状態でいずれかの車輌名をクリックすることにより行われる。このようにして選択された車輌名は、車輌名表示部1503に表示される。運転者の選択は、運転者表示部1504右端の逆三角マークをクリックして運転者一覧をプルダウン表示させ、この状態でいずれかの運転者名をクリックすることにより行われる。このようにして選択された運転者は、運転者表示部1504に表示される。評価モードの選択は、評価モード表示部1505右端の逆三角マークをクリックして、”エコビギナー”及び”ベテラン”をプルダウン表示させ、この状態でいずれか一方のモードをクリックすることにより行われる。このようにして選択された評価モードは、評価モード表示部1505に表示される。
【0070】
ここで、”エコビギナー”とは、エコドライブ初心者向けのエコドライブ判定モードであり、一方、”ベテラン”は、エコドライブ熟練者向けのエコドライブ判定モードである。そして、”ベテラン”では、”エコビギナー”よりも、厳しいエコドライブ判定となるように、各項目の判定基準値が設定されている。図18は、エコビギナー及びベテランについての各項目の判定基準値を示す表である。
【0071】
次に、入力画面150上のどのボタンがクリックされたか判定され(S6)、クリック有りの場合は、クリックされたボタンに対応する各ステップへ移行し、クリック無しの場合はS5へ戻る。
【0072】
S6で評価ボタン1507がクリックされた場合、後述するS17の運行診断画面処理へ移行する。ログ削除ボタン1508がクリックされた場合、GPS受信機30から受信したデータからなるGPSログファイルを削除した後(S7)、S5へ戻る。戻るボタン1506がクリックされた場合、後述するS9のメイン画面処理へ移行する。登録ボタン1506がクリックされた場合、入力データの登録処理を実行する(S8)。S8の登録処理では、車輌名、運転者、評価モードが登録されると共に、警告予告アラームの有無が設定される。その後、S9のメイン画面処理へ移行する。
【0073】
S9のメイン画面処理(図11)では、メイン画面151がタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示される。ここで、図5(a)は、停止時(現在速度<4km/h)のメイン画面151の構成を、(b)は走行時(現在速度≧4km/h)のメイン画面151の構成を示す図である。また、図6(a)は、メイン画面151の初期画面の表示例を、(b)は走行中の画面の表示例を、(c)は停止中の画面の表示例をそれぞれ示している。図5(a)に示すように、メイン画面151には、速度グラフパネル1511、加速度グラフパネル1512、速度表示部1513、標高表示部1514、一般道路/高速道路表示切り替えボタン1515、経過時間表示部1516、移動距離表示部1517、速度超過時間表示部1518、アイドル時間表示部1519、急加速回数表示部1520、急減速回数表示部1521、方角グラフパネル1522、加速度表示部1523、開始ボタン1524、入力ボタン1525、及び終了ボタン1526がそれぞれ表示されている。
【0074】
尚、速度グラフパネル1511における速度スケールは、一般道路/高速道路表示切り替えボタン1515の選択状態に応じて表示される。すなわち、一般道路/高速道路表示切り替えボタン1515において一般道路が選択されている場合は、最大値80Km/h、中心線40Km/hで表示され、高速道路が選択されている場合は、最大値120Km/h、中心線60Km/hで表示される。一般道路と高速道路とのモードの切り替えは、道路の変化に伴い、運転者が、一般道路/高速道路表示切り替えボタン1515をクリックして切り替えを行う。
【0075】
次に、メイン画面151上でどのボタンがクリックされたか判定され(S10)、クリック有りの場合は(S:Yes)、クリックされたボタンに対応する各ステップへ移行し、クリック無しの場合はS9へ戻る。
【0076】
S10で開始ボタン1524がクリックされた場合、通信ポート18をオープンし、GPSデータの受信を開始する(S11)。以後、GPS受信機30から1秒毎に通信ポート18の通信バッファにGPSデータが書き込まれる度に、図12に示す運行状態表示・判定ルーチンが実行される。
【0077】
運行状態表示・判定ルーチンでは、図12に示すように、まず、通信バッファの読み込みを行う(S101)。続いて、通信バッファから読み込まれたGPS測位データの解析を行う(S102)。すなわち、GPS測位データに基づいて、速度/加速度、受信状態/方位/標高、移動距離/経過時間、速度超過時間/アイドル時間、急加速回数/急減速回数を解析し、運行状態データの更新を行う。
【0078】
具体的には、図13のGPSデータ解析ルーチンにおいて、まず、GPS測位データの移動速度(単位:ノット)から現在速度(km/h)を算出する(S201)。また、現在速度の変化に基づいて現在加速度(km/h/s)を算出する(S202)。さらに、GPS測位データに基づいて、衛星受信状態/方位/標高の更新(S203)、移動距離/経過時間の更新(S204)を行う。次に、現在速度が速度閾値を超過しているか否かを判定し(S205)、超過していない場合(S205:No)、速度超過タイマのカウントを停止し、カウント値を速度超過時間に加算して、カウント値をリセットした後(S206)、S209へ進む。現在速度が速度閾値を超過している場合(S205:Yes)、速度超過タイマがオンしているか否かを判定し(S207)、オンしていない場合は(S207:No)、速度超過タイマをオンした後(S208)、S209へ進む。一方、速度超過タイマがオンしている場合は(S207:Yes)、S209へ進む。
【0079】
次に、現在速度が4km/h未満であるかを判定し(S209)、4km/h以上(すなわち、走行中)である場合(S209:No)、アイドリングタイマのカウントを停止し、カウント値が3分以上の場合にのみアイドリング時間に加算して、カウント値をリセットした後(S210)、S213へ進む。現在速度が4km/h未満(すなわち、停車状態)である場合(S209:Yes)、アイドリングタイマがオンしているか否かを判定し(S211)、オンしていない場合は(S211:No)、アイドリングタイマをオンした後(S212)、S213へ進む。一方、アイドリングタイマがオンしている場合は(S211:Yes)、S213へ進む。
【0080】
続いて、現在加速度が急加速閾値以上であるかを判定し(S213)、急加速閾値以上である場合は(S213:Yes)、急加速回数を1増加させて更新した後(S214)、S215へ進む。現在加速度が急加速閾値未満である場合(S213:No)、S215へ進む。同様に、現在加速度が急減速閾値以下であるかを判定し(S215)、急減速閾値以下である場合は(S215:Yes)、急減速回数を1増加させて更新した後(S216)、リターンする。現在加速度が急減速閾値より大きい場合(S215:No)、リターンする。
【0081】
次に、S102におけるGPSデータの解析結果を用いて、メイン画面151に運行状態データの表示を行う(S103)。具体的には、速度、経過時間、移動距離、標高、速度超過時間、アイドル時間、急加速回数、急減速回数をそれぞれ表示する。
【0082】
続いて、運行状態グラフの表示処理を行う(S104〜S108)。まず、現在速度が4km/h以上であるか否かを判定する(S104)。現在速度が4km/h以上である場合(S104:Yes)、図5(b)に示すように、速度グラフパネル1511の略左半分を速度インジケータパネル1531とし、現在速度をインジケータ表示する(S105)。インジケータは、数値の大きさによってブロックの高さが変化する。さらに、速度グラフパネル1511の残りの略右半分を加速度インジケータパネル1532とし、現在加速度をインジケータ表示する(S106)。
【0083】
尚、速度インジケータパネル1531及び加速度インジケータパネル1532では、速度・加速度の帯域によってインジケータ色をそれぞれ変化させて表示する。速度インジケータパネル1531では、例えば、30km/h未満:水色、30km/h〜速度判定基準値−5km/h未満:青、速度判定基準値−5km/h〜速度判定基準値未満:黄色、速度判定基準値〜速度判定基準値+10km/h以下:オレンジ、速度判定基準値+10km/hを超えた場合:赤、の各色でそれぞれインジケータ表示される。一方、加速度インジケータパネル1532では、例えば、3km/h/s未満又は急加速判定基準値−3km/h/s未満:緑、急加速判定基準値−3km/h/s〜急加速判定基準値−1km/h/s未満:黄色、急加速判定基準値−1km/h/s〜急加速判定基準値以下:オレンジ、急加速判定基準値を超えた場合:赤、の各色でそれぞれインジケータ表示される。このような表示を行うことにより、運転者が、速度メーターの目盛りを見なくても、経済速度・加速度で走行しているか瞬時に判別可能となる。
【0084】
S104で、現在速度が4km/h未満である場合(S104:No)、フラッシュROMに記憶された運行データを参照して3分間の速度履歴グラフを速度グラフパネル1511に表示する(S107)。ここで、速度履歴グラフは、直前3分間の速度履歴を1秒毎の縦棒グラフで表したものである。また、速度履歴グラフは、速度が4km/h以上の時には、速度に比例した長さの縦棒グラフを青色で表示し、速度が4km/h未満の時には、4km/hに相当する長さの縦棒グラフを黒色で表示する。青色と黒色との異なる表示により、走行中と停止中との判断が容易となる。
【0085】
次に、運行データを参照して3分間の加速度履歴グラフを加速度グラフパネル1512に表示する(S108)。ここで、加速度履歴グラフは、直前3分間の加速度履歴を1秒毎の縦棒グラフで表したものである。速度及び加速度について3分間の履歴グラフを表示するのは、一般道路を走行している場合、赤信号による停止が発生する頻度が高いので、発進から定速状態、減速、停止までの動きが一連の流れとして確認が出来るようにするためである。また、上下に配置された速度グラフパネル1511と加速度グラフパネル1512とは、横方向の時間座標が共通であるので、速度変動と加速度・減速度との関係を容易に把握することができる。また、グラフの時間軸は、1秒毎の縦棒グラフで表しているので、発進加速、減速ブレーキでどれくらいの傾きで、上昇、下降しているかを、視覚的に理解することが出来る。
【0086】
続いて、方角グラフパネル1522に現在の移動方位をグラフ表示する(S109)。尚、円形状の方角グラフパネル1522は、最上部が北を表している。従って、最右部が西、最下部が南、最左部が東をそれぞれ表す。
【0087】
次に、エコドライブ判定処理を実行する(S110)。エコドライブ判定処理では、図14乃至図15のフローチャートに示すように、まず、現在速度>速度閾値の関係に該当するか否かを判定する(S301)。尚、速度閾値は、図18の判定基準値一覧表に従って決定され、例えば、入力画面150でモードとしてエコビギナーを選択し且つメイン画面151で一般道を選択した場合、速度判定基準値である60km/hが速度閾値として使用される。現在速度>速度閾値(すなわち、速度超過)である場合(S301:Yes)、速度超過フラグをオンする(S302)。
【0088】
次に、アイドリングタイマのカウント値が3分以上であるか否かを判定する(S303)。アイドリングタイマのカウント値が3分以上である場合(S303:Yes)、アイドリングフラグをオンする(S304)。
【0089】
次に、現在加速度≧急加速閾値の関係に該当するか否かを判定する(S305)。ここで、急加速閾値=急加速判定基準値×{1−(現在速度/100)×0.5}とする(急加速判定基準値は、図18の判定基準値一覧表に従う。)。急加速閾値を現在速度に応じて変化させるのは、速度の上昇に伴って、ギア比や空気抵抗により加速度が出にくくなる点を加味して、より精度の高い急加速の判定を行うためである(急減速の判定も同様)。但し、現在速度が4km/h以上になってから3秒以内では、現在加速度×係数を急加速閾値と比較する。ここで、係数は、GPS受信機30の特性に応じて設定される値であり、例えば、0.5〜0.8に設定される。これは、GPS受信機の特性により、速度の出始めにおいて、実際の速度よりも低めの数値が出力される場合があり、その後、低速状態から実際の速度に近づくために、急に速度の上昇が発生するケースがあるからである。
【0090】
S305で、現在加速度≧急加速閾値である場合(S305:Yes)、急加速フラグをオンする(S306)。現在加速度<急加速閾値である場合(S305:No)、3km/h/s≦現在加速度<4km/h/sの関係に該当するか否かを判定し(S307)、該当する場合は(S307:Yes)、警告予告音1フラグをオンする(S308)。S308で該当しない場合は(S308:No)、4km/h/s≦現在加速度<急加速閾値の関係に該当するか否かを判定し(S309)、該当する場合は(S309:Yes)、警告予告音2フラグをオンする(S310)。
【0091】
次に、現在加速度≦急減速閾値の関係に該当するか否かを判定する(S311)。ここで、急減速閾値=急減速判定基準値×{1−(現在速度/100)×0.5}である(急減速判定基準値は、図18の判定基準値一覧表に従う。)。現在加速度≦急減速閾値である場合(S311:Yes)、急減速フラグをオンする(S312)。現在加速度>急減速閾値である場合(S311:No)、−4km/h/s<現在加速度≦−3km/h/sの関係に該当するか否かを判定し(S313)、該当する場合は(S313:Yes)、警告予告音1フラグをオンし(S314)、S317へ進む。S313で該当しない場合は(S313:No)、急減速閾値<現在加速度≦−4km/h/sの関係に該当するか否かを判定し(S315)、該当する場合は(S315:Yes)、警告予告音2フラグをオンし(S316)、S317へ進む。次に、速度閾値−5km/h≦現在速度<速度閾値の関係に該当するか否かを判定し(S317)、該当する場合は(S317:Yes)、警告予告音3フラグをオンし(S318)、リターンする。該当しない場合は(S317:No)、そのままリターンする。
【0092】
次に、警告メッセージ表示・アラーム発生処理を行う(S111)。具体的には、図16のフローチャートに示すように、速度超過フラグがオンの場合(S401:Yes)、速度超過警告メッセージ:「速度に注意 スピードを落としましょう。」を表示し(S402)、アラーム発生部17において警告音Bを発生させ(S403)、リターンする。尚、警告メッセージが表示されたことを運転者に分かり易くするために、警告メッセージ表示を開始してから3秒間は、表示文字を点滅させ、その後、3秒間は文字の点滅無く表示を行い、合計6秒間表示を行う(他の警告メッセージも同様)。また、メッセージ用のタイマーカウントを使用して、速度超過状態が継続している間、30秒毎に速度超過警告メッセージを表示する。但し、現在速度が速度超過判定速度より5km/h低い値にならない場合は、メッセージ用タイマのカウントを継続する。これにより、短時間だけ速度閾値を下回り、再び速度超過することが繰り返された場合に、何度も「速度に注意・・・」の警告メッセージが表示されることを防止する。メッセージ表示後、タイマカウントをリセットする。
【0093】
アイドリングフラグがオンの場合(S404:Yes)、アイドリング警告メッセージ:「アイドリングです 燃料の無駄遣いです。エンジンを切りましょう。」を表示し(S405)、アラーム発生部17において警告音Aを発生させ(S403)、リターンする。また、メッセージ用のタイマーカウントを使用して、アイドリング状態が継続している間、30秒毎にアイドリング警告メッセージを表示する。メッセージ表示後、タイマカウントをリセットする。
【0094】
急加速フラグがオンの場合(S406:Yes)、急加速警告メッセージ:「急加速です 燃料を多量に使います。ゆっくりと加速しましょう。」を表示し(S407)、アラーム発生部17において警告音Aを発生させ(S403)、リターンする。
【0095】
急減速フラグがオンの場合(S408:Yes)、急減速警告メッセージ:「急ブレーキです 車間距離を取り、ゆっくりと減速しましょう。」を表示し(S409)、アラーム発生部17において警告音Aを発生させ(S403)、リターンする。
【0096】
警告予告音1フラグがオンの場合(S410:Yes)、アラーム発生部17において警告予告音1を発生させる(S411)。一方、警告予告音2フラグがオンの場合(S412:Yes)、アラーム発生部17において、警告予告音1とはアラーム音が異なる警告予告音2を発生させる(S413)。また、警告予告音3フラグがオンの場合(S414:Yes)、アラーム発生部17において、警告予告音1,2とはアラーム音が異なる警告予告音3を発生させる(S415)。但し、入力画面150で警告予告チェックボックス1506にチェックされていない場合は、S411,S413,S415でアラームを発生させない。その後、警告メッセージ及び警告予告音の各フラグをリセットする(S416)。尚、急加速、急減速の警告予告音は、1秒毎に発生させ、速度の警告予告音は3秒毎に発生させる。警告条件に該当しない場合であり且つ警告予告条件に該当する場合に、警告条件に近づいたことを警告予告音により予告するので、運転者が警告条件に達する前に速度を落とす等の対応をすることができ、警告条件に該当するような運転を未然に防止して、エコドライブをし易くさせることができる。
【0097】
ここで、図7は、メイン画面151における警告メッセージの表示例を示す図であり、(a)は速度超過警告メッセージの表示例を、(b)はアイドリング警告メッセージの表示例を、(c)は急加速警告メッセージの表示例を、(d)は急減速警告メッセージの表示例をそれぞれ示している。
【0098】
そして、図12の運行状態表示・判定ルーチンに戻り、運行データのフラッシュROM14への書き出しを行い(S112)、本ルーチンを終了する。以後、GPS受信機30から1秒毎にGPS通信ポート18の通信バッファへGPS測位データが書き込まれる度に、運行状態表示・判定ルーチンが実行が繰り返される。
【0099】
図11のフローチャートへ戻り、S10で入力ボタン1525がクリックされた場合、S5の入力画面表示へ移行する。S10で終了ボタン1526がクリックされた場合、通信ポート18をクローズし、運行データをフラッシュROM14へ保存した後(S14)、フラッシュROM14から運行データ集計ファイルの読込みを行い(S15)、エコドライブ運行診断を実行する(S16)。
【0100】
S16のエコドライブ運行診断では、図17のフローチャートに示すように、まず、急加速、急減速、アイドリング、速度超過の各項目について、A〜Eのランクを求める(S501)。図19は、各項目のランクを判定するためのランク判定表の一例を示している。次に、各項目のランク判定結果に基づいて、エコドライブ度のスコアを算出する(S502)。エコドライブ度のスコアは、例えば、満点を100点とし、A:減点無し、B:−10点、C:−15点、D:−20点、E:−25点として、減点法により算出する。そして、エコドライブ度のスコア算出結果に基づいて、A〜Eの総合ランクを判定する(S503)。エコドライブ度の総合ランクは、例えば、A:80点以上、B:60点以上80点未満、C:40点以上60点未満、D:20点以上40点未満、E:0点以上20点未満として判定する。続いて、運行診断画面154で表示すべきエコドライブ度メッセージを決定する(S504)。図20は、各項目・各ランクのエコドライブ度メッセージを示す一覧表である。エコドライブ度メッセージは、最もランクの低い項目のメッセージを優先して表示する。また、複数の項目についてランクが同一である場合は、例えば、優先順位を、速度超過、急減速、急加速、アイドリングの順とする。
【0101】
次に、図11のフローチャートへ戻り、S16のエコドライブ運行診断で作成された運行診断一覧表示用ワークデータを参照して運行診断画面154の表示を行う(S17)。運行診断画面154には、図8に示すように、診断結果一覧表示部1541、エコドライブ度表示部1542、運行時間表示部1543、速度超過時間表示部1544、アイドリング時間表示部1545、急加速回数表示部1546、急減速回数表示部1547、診断コメント表示部1548がそれぞれ画面表示される。診断結果一覧表示部1541には、運行データ集計ファイルから読み込まれた全ての運行データが一覧表示され、最新の運行データが最下段にて反転表示される。各運行データには、開始日時、終了時刻、運転者、距離、判定結果(ランク)が含まれる。エコドライブ度表示部1542には、診断結果一覧表示部1541にて反転表示された今回の運行データのエコドライブ度のランク、スコア及び説明が表示される。図9(a)は運行診断画面154の表示例であり、(b)は他の表示例である。
【0102】
尚、診断結果一覧表示部1541において他の運行データがクリックされた場合、エコドライブ度表示部1542、運行結果データ表示部1543、診断コメント表示部1544には、クリックにより選択された運行データに対応するエコドライブ度、速度超過時間等の運行結果データ、診断コメントがそれぞれ表示される。
【0103】
次に、終了ボタン1549がクリックされたか否かが判定され(S18)、終了ボタン1549がクリックされた場合は(S18:Yes)、エコドライブ支援プログラム14aの実行を終了し、その他の場合は(S18:No)、S17へ戻る。
【0104】
尚、GPS受信機30の精度により、異常値と判断したデータについては判定に使用しない。具体的には、(1)衛星の電波が3個以上取得できない場合には、未測位状態となり、正しい速度が計測できないため、未測位状態では、画面の更新および警告の判定は行わない。(2)電波の状態が悪いとき、GPS誤差により車両が完全に停止している時でも、2−3km/h程度の速度が検出される場合があるため、停止・アイドリング状態の判定を行うためには、GPS誤差により発生するわずかな速度については、除去を行った上で、停止状態の判定を行う。(3)衛星電波のビル反射などで、異常な速度変化が発生し、急加速、急減速の閾値に急激に変化する場合があるため、一般的な走行では発生することがまれな、±15.0km/h/s以上の加速・減速データは、急加速、急減速の判定に使用しない。(4)GPS受信機30から取得する速度変化は、衛星電波の状態やGPSの速度計算ロジックの特性により、速度の変化が遅れたり、実際より急な加速度として現れる場合があるため、加速度は、3秒間の移動平均値で判定する。(5)トンネルを抜けた後など、未測位状態から測位状態に変化した時のGPS速度は、0km/hから突然、実際の走行速度になり、急加速・急減速と判断される場合が発生するため、未測位状態から測位状態に変化した時のGPS速度は、測位状態になったときの速度を初期値として、その時の速度変化による加速度は、0Km/h/sとして扱う。
【0105】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態のエコドライブ支援装置1によれば、GPS受信機30が、GPS衛星50からの電波を受信して測位データを1秒間隔で出力し、CPU11が、エコドライブ支援プログラム14aを実行することにより、GPS受信機30からの測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフをタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示させる。よって、運転者に、タッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示された現在の走行状況を表すグラフを視認させて走行状況を具体的に且つリアルタイムに認識させることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、GPS受信機30からの測位データを利用するので、車両から速度情報等を取得する構成よりも、装置の車両への取り付け及び取り外しが容易であると共に、どのような車両にも搭載が可能である。
【0106】
また、CPU11がフラッシュROM14にGPS受信機30からの測位データに基づいて走行状況の履歴である運行データファイル14bを記憶させ、現在の速度が4km/h未満である場合に、走行状況の履歴に基づいて直前の3分間の走行履歴グラフ(速度履歴グラフ及び加速度履歴グラフ)をタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示させるので、信号待ち等の停車中に、運転者に直前の所定時間分の走行状況の履歴(速度及び加速度の連続的な変化)を具体的に且つリアルタイムに認識させることができる。さらに、現在の速度が所定値(4km/h)以上である場合、タッチパネル式液晶ディスプレイ15におけるグラフ表示を、現在の速度及び加速度を表すインジケータに切り替えるので、運転者は走行中に、現在の速度及び加速度をインジケータにより容易に把握することができる。
【0107】
また、GPS受信機30からの測位データに基づいて、速度、加速度、アイドリング時間が所定の警告条件に該当するか否かを判定し、判定結果に基づいてタッチパネル式液晶ディスプレイ15に警告メッセージを表示させるので、運転者に、警告メッセージを視認させて注意を喚起することによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。特に、アラーム発生部17が、タッチパネル式液晶ディスプレイ15に警告メッセージが表示される時に警告音を発生するので、警告音によって運転者に注意を喚起して警告メッセージ表示を確実に視認させることができる。
【0108】
また、フラッシュROM14に記憶された走行状況の履歴(運行データファイル14b)に基づいてエコドライブの評価を行うので、運転者に、走行状況の履歴に基づくエコドライブの評価を与えることによって、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。また、エコドライブの習熟度に応じた2段階の評価基準(エコビギナー/ベテラン)を有するので、例えば、最初はエコドライブ初心者用の評価基準を使用し、習熟度の向上に合わせて熟練者用の評価基準に替えることにより、段階的にエコドライブを習熟させることができる。
【0109】
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、前記実施の形態において、車両停止状態で(現在速度<4km/hの時)に、停止から15秒後に10秒間、アイドリングストップを促すメッセージを表示するようにしてもよい。信号機や踏切などによる停止中に、十分な停車時間がある場合、エンジンを停止する(アイドリングストップ)か、ATシフトレバーをNレンジにシフトすることにより、燃費が大幅に向上するからである。例えば、「アイドリングストップ(Nレンジ)」のようにメッセージ表示してもよい。
【0110】
また、携帯情報端末10を、バッテリ電源を使用していない時、所定時間後に自動的に電源を切るように構成してもよい。この構成によれば、エンジン停止(イグニッション・オフ)してから所定時間(例えば、1分)後に自動的に電源が切れ、再度、エンジンを始動するとエコドライブ支援プログラムの画面が表示され運行の計測を再開することができる。
【0111】
また、前記実施形態では、エコビギナー及びベテランの2段階の評価基準を設ける構成としたが、初級、中級、上級の3段階のランクを設けるようにしてもよい。例えば、初級では、平均的な運転操作を行う運転者に対して、比較的高いスコアが出るようにし、急激な運転操作をする運転者に対して、低いスコアが出るように考慮する。中級では、ある程度、エコドライブに近い運転が出来るようになった運転者に対して、比較的高いスコアが出るようにし、平均的な運転操作を行う運転者でも低いスコアになるようにする。上級では、最適なエコドライブが出来る運転者には、高いスコアが出るようにし、それ以外は、高いスコアが出ないように考慮する。
【0112】
また、前記実施形態では、停車中(4km/h未満)の場合にのみ、速度履歴グラフを表示するようにしたが、ユーザの設定によって速度履歴グラフを走行中も表示可能としてもよい。
【0113】
また、前記実施形態では、1秒ごとにGPS受信機30から取得した現在速度をメイン画面151に数値で表示するようにしたが、移動距離を走行時間・停止時間の両方をあわせた時間で割って求められる全平均速度や、移動距離を走行時間で割って求められる走行平均速度の表示へ切り替え可能としてもよい。
【0114】
また、前回エンジン(電源)が切られた時から、1時間以上経過していた場合は、「暖機運転は不要です。安全が確認できたら早めに出発しましょう」のメッセージを表示するようにしてもよい。エンジンを切ってしばらく時間が経つと水温が下がるが、最近の自動車では、暖機運転を行う必要はほとんど無いため、暖機運転を行わず発進することにより、燃料の浪費を防ぐことができる。例えば、春夏秋は15秒後(3月〜10月)、冬の期間(11月〜2月)は30秒後に、10秒間メッセージを表示し、このメッセージを出す時は、アイドリングストップのメッセージを表示しないようにしてもよい。
【0115】
また、前記実施形態において、10秒間での走行距離について、一定の移動距離(例えば、100m)に対する標高の低下が所定値(例えば、13m)以上である場合に、タッチパネル式液晶ディスプレイ15にエンジンブレーキの使用を促す警告メッセージを表示させるように構成してもよい。この構成によれば、長い急な下り坂等で、運転者にエンジンブレーキの使用を促すことにより、経済的且つ安全な車両の運転を支援することができる。
【0116】
また、エコドライブ支援装置1の起動時に、運転を開始する前に注意する点を注意メッセージとしてタッチパネル式液晶ディスプレイ15に表示するようにしてもよい。この構成によれば、運転者は、注意メッセージに従って所定の行動を取ることにより、より一層、経済的且つ安全な車両の運転を行うことができる。この注意メッセージは、運転者が見たことを確認するため、[確認]もしくは[OK]ボタンが押されるまで、表示を続けるようにしてもよい。例えば、(1)タイヤの空気圧が適正かチェックを促すメッセージを表示するようにしてもよい。タイヤの空気圧が低くなると、燃費が悪くなるからである。1度メッセージを表示したら、次回は、30日以上経過した場合に表示を行う。(2)不要な荷物を積んでいないか確認するメッセージを表示するようにしてもよい。不要な荷物を積んでいると、燃費が悪くなるからである。1度メッセージを表示したら、次回は、5日以上経過した場合に表示を行うようにしてもよい。(3)5月〜9月で、エアコンの設定がエコドライブに適切か注意を促すメッセージを表示するようにしてもよい。エアコンの使用は燃費に大きく影響するので、適切な温度、風量設定を行うようにさせることが好ましいからである。1度メッセージを表示したら、次回は、12時間以上経過した場合に表示を行う。
【0117】
また、運行データやエコドライブ評価の結果を、QRコード等の二次元バーコードに変換してタッチパネル式液晶ディスプレイ15の画面上に表示する構成としてもよい。かかる構成によれば、携帯電話等を用いて、別途通信インターフェースを使用することなく、画面インターフェースだけで運行データ等を取得することが可能になる。
【0118】
また、前記実施形態では、本発明のエコドライブ支援装置を、PDAである携帯情報端末10にGPS受信機30を接続した構成とした例を示したが、これには限られない。例えば、既存のカーナビゲーションシステムにおいてエコドライブ支援プログラム14aを実行させる構成とすることによりエコドライブ支援装置を実現してもよい。すなわち、カーナビゲーションシステムは、本来、GPS受信機及び画面表示可能なディスプレイを備えているので、ハードウェアに変更を加えることなくエコドライブ支援装置として機能させることが可能である。エコドライブ支援装置1の構成を備えたカーナビゲーションシステムによれば、GPS受信機及びディスプレイを利用して、地図情報に基づく道路案内だけでなく、経済的且つ安全な車両の運転を支援することが可能である。
【0119】
また、前記実施形態では、携帯情報端末10のフラッシュROM14に予めエコドライブ支援プログラム14aを記憶させる構成としたが、CD−ROM等のコンピュータ読取り可能な記録媒体にエコドライブ支援プログラム14aを記録し、GPS受信機及びディスプレイを備えた車載可能な所望のコンピュータにインストールして実行させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、GPS受信機を備えた携帯情報端末やカーナビゲーションシステム等の電子機器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の一実施形態であるエコドライブ支援装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】エコドライブ支援装置の外観を示す平面図である。
【図3】確認メッセージの表示例を示す図である。
【図4】入力画面の構成を示す説明図である。
【図5】メイン画面の構成を示す説明図であり、(a)は停止中の画面構成を、(b)は走行中の画面構成を示している。
【図6】メイン画面の表示例を示す図であり、(a)は初期画面を、(b)は走行中の画面を、(c)は停止中の画面をそれぞれ示している。
【図7】メイン画面における警告メッセージの表示例を示す図であり、(a)は速度超過警告メッセージの表示例を、(b)はアイドリング警告メッセージの表示例を、(c)は急加速警告メッセージの表示例を、(d)は急減速警告メッセージの表示例をそれぞれ示している。
【図8】運行診断画面の構成を示す説明図である。
【図9】(a)は運行診断画面の一の表示例を示す図であり、(b)は他の表示例を示す図である。
【図10】エコドライブ支援プログラムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図10のメインルーチンの続きを示すフローチャートである。
【図12】運行状態表示・判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】GPSデータ解析ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】エコドライブ判定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】図14のエコドライブ判定処理ルーチンの続きを示すフローチャートである。
【図16】警告メッセージ表示・アラーム発生ルーチンを示すフローチャートである。
【図17】エコドライブ運行診断ルーチンを示すフローチャートである。
【図18】各項目の判定基準値を示す判定基準値一覧表である。
【図19】各項目のエコドライブ度ランクを示すランク判定表である。
【図20】エコドライブ度のメッセージ一覧表である。
【符号の説明】
【0122】
1 エコドライブ支援装置
10 携帯情報端末
11 CPU(グラフ表示制御手段、警告メッセージ表示制御手段、評価手段、注意メッセージ表示制御手段)
14 フラッシュROM(走行履歴記憶手段)
14a エコドライブ支援プログラム
14b 運行データファイル(走行履歴)
15 タッチパネル式液晶ディスプレイ(ディスプレイ)
17 アラーム発生部(予告報知手段)
30 GPS受信機(GPS受信手段)
50 GPS衛星
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて経済的且つ安全な車両の運転を支援するエコドライブ支援装置であって、
GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信手段と、
画面表示可能なディスプレイと、
前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定する警告条件判定手段と、
その警告条件判定手段による判定結果に基づいて前記ディスプレイに警告メッセージを表示させる警告メッセージ表示制御手段と
を備えたことを特徴とするエコドライブ支援装置。
【請求項2】
前記警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の少なくとも一つの項目に関して、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、
前記警告メッセージ表示制御手段は、前記警告条件判定手段による当該項目の判定結果に基づいて前記ディスプレイに当該項目に関する警告メッセージを表示させることを特徴とする請求項1に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項3】
前記警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の全ての項目に関してそれぞれ所定の警告条件に該当するか否かを判定し、
前記警告メッセージ表示制御手段は、前記警告条件判定手段による判定結果に基づいて、前記ディスプレイに前記各項目に対応した警告メッセージを表示させることを特徴とする請求項2に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項4】
前記ディスプレイにおける警告メッセージの表示に関連して警告音を発生する警告音発生手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項5】
前記所定の警告条件に該当しない場合であり且つ所定の警告予告条件に該当する場合に、警告条件に近づいたことを予告する予告報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項6】
前記GPS受信手段からの前記測位データには標高データが含まれ、
前記警告メッセージ表示制御手段は、一定の移動距離に対する標高の低下が所定値以上である場合に、前記ディスプレイにエンジンブレーキの使用を促す警告メッセージを表示させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項7】
装置起動直後に運転開始前の注意点に関する注意メッセージを前記ディスプレイに表示させる注意メッセージ表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項8】
前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段と、
その走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う評価手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項9】
前記走行履歴記憶手段は、速度が速度閾値を超える速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、加速度が急加速閾値を超える急加速の回数及び加速度が急減速閾値を下回る急減速の回数をそれぞれ記憶し、
前記評価手段は、前記走行履歴記憶手段に記憶された速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、急加速の回数及び急減速の回数に基づいてエコドライブの評価を行うことを特徴とする請求項9に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項10】
速度が所定値未満の状態が一定時間以上継続した場合にアイドリング時間として認識され、各アイドリング時間の累計を前記走行履歴記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項9に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項11】
前記評価手段は、速度が所定値以上となってから一定時間内は、加速度に1未満の所定の係数を乗じて得た値を用いて急加速の判定を行うことを特徴とする請求項9に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項12】
前記評価手段は、前記急加速閾値及び前記急減速閾値に、速度が大きくなるに伴って値が小さくなる係数を乗じて得た値を用いて、急加速及び急減速の判定を行うことを特徴とする請求項9に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項13】
前記評価手段は、エコドライブの習熟度に応じた2段階以上の評価基準を有することを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項14】
前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフを前記ディスプレイに表示させるグラフ表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかに記載のエコドライブ支援装置を備えたことを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項16】
経済的且つ安全な車両の運転を支援するためにコンピュータを、
GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信機からの測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定する警告条件判定手段、及び
その警告条件判定手段による判定結果に基づいてディスプレイに警告メッセージを表示させる警告メッセージ表示制御手段、
として機能させるためのエコドライブ支援プログラム。
【請求項1】
車両に搭載されて経済的且つ安全な車両の運転を支援するエコドライブ支援装置であって、
GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信手段と、
画面表示可能なディスプレイと、
前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定する警告条件判定手段と、
その警告条件判定手段による判定結果に基づいて前記ディスプレイに警告メッセージを表示させる警告メッセージ表示制御手段と
を備えたことを特徴とするエコドライブ支援装置。
【請求項2】
前記警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の少なくとも一つの項目に関して、所定の警告条件に該当するか否かを判定し、
前記警告メッセージ表示制御手段は、前記警告条件判定手段による当該項目の判定結果に基づいて前記ディスプレイに当該項目に関する警告メッセージを表示させることを特徴とする請求項1に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項3】
前記警告条件判定手段は、速度超過、アイドリング、急加速及び急減速の全ての項目に関してそれぞれ所定の警告条件に該当するか否かを判定し、
前記警告メッセージ表示制御手段は、前記警告条件判定手段による判定結果に基づいて、前記ディスプレイに前記各項目に対応した警告メッセージを表示させることを特徴とする請求項2に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項4】
前記ディスプレイにおける警告メッセージの表示に関連して警告音を発生する警告音発生手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項5】
前記所定の警告条件に該当しない場合であり且つ所定の警告予告条件に該当する場合に、警告条件に近づいたことを予告する予告報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項6】
前記GPS受信手段からの前記測位データには標高データが含まれ、
前記警告メッセージ表示制御手段は、一定の移動距離に対する標高の低下が所定値以上である場合に、前記ディスプレイにエンジンブレーキの使用を促す警告メッセージを表示させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項7】
装置起動直後に運転開始前の注意点に関する注意メッセージを前記ディスプレイに表示させる注意メッセージ表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項8】
前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて走行状況の履歴を記憶する走行履歴記憶手段と、
その走行履歴記憶手段に記憶された走行状況の履歴に基づいてエコドライブの評価を行う評価手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項9】
前記走行履歴記憶手段は、速度が速度閾値を超える速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、加速度が急加速閾値を超える急加速の回数及び加速度が急減速閾値を下回る急減速の回数をそれぞれ記憶し、
前記評価手段は、前記走行履歴記憶手段に記憶された速度超過の累計時間、アイドリングの累計時間、急加速の回数及び急減速の回数に基づいてエコドライブの評価を行うことを特徴とする請求項9に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項10】
速度が所定値未満の状態が一定時間以上継続した場合にアイドリング時間として認識され、各アイドリング時間の累計を前記走行履歴記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項9に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項11】
前記評価手段は、速度が所定値以上となってから一定時間内は、加速度に1未満の所定の係数を乗じて得た値を用いて急加速の判定を行うことを特徴とする請求項9に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項12】
前記評価手段は、前記急加速閾値及び前記急減速閾値に、速度が大きくなるに伴って値が小さくなる係数を乗じて得た値を用いて、急加速及び急減速の判定を行うことを特徴とする請求項9に記載のエコドライブ支援装置。
【請求項13】
前記評価手段は、エコドライブの習熟度に応じた2段階以上の評価基準を有することを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項14】
前記GPS受信手段からの前記測位データに基づいて、現在の走行状況を表すグラフを前記ディスプレイに表示させるグラフ表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のエコドライブ支援装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかに記載のエコドライブ支援装置を備えたことを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項16】
経済的且つ安全な車両の運転を支援するためにコンピュータを、
GPS衛星からの電波を受信して測位データを所定時間間隔で出力するGPS受信機からの測位データに基づいて、所定の警告条件に該当するか否かを判定する警告条件判定手段、及び
その警告条件判定手段による判定結果に基づいてディスプレイに警告メッセージを表示させる警告メッセージ表示制御手段、
として機能させるためのエコドライブ支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−284049(P2007−284049A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95805(P2007−95805)
【出願日】平成19年3月31日(2007.3.31)
【分割の表示】特願2006−107132(P2006−107132)の分割
【原出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(506122590)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月31日(2007.3.31)
【分割の表示】特願2006−107132(P2006−107132)の分割
【原出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(506122590)
【Fターム(参考)】
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