説明

エレクトロマイグレーション耐性を有するビア・ライン相互接続体

【課題】 エレクトロマイグレーション耐性を有するビア・ライン間相互接続構造体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性ビアの上層金属ライナと、下方の金属ラインの下層金属ライナとの間に、ライナ・ライナ間接触を形成する。ライナ・ライナ間接触は、急激なエレクトロマイグレーションによる故障を抑制し、金属相互接続構造体のエレクトロマイグレーション耐性を強化する。少なくとも1つの誘電体材料部分は、上層金属ライナと下層金属ライナの間の直接接触を保証するように配置された複数の誘電体材料部分を含むことができる。代替的に、少なくとも1つの誘電体材料部分は、リソグラフィ・オーバーレイ変動の許容範囲内でライナ・ライナ間直接接触が形成されるのを保証するのに十分な、導電性ビア領域との横方向の重なりを有する領域の単一の誘電体部分を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属相互接続構造体に関し、具体的には、金属ラインと導電性ビアを含むエレクトロマイグレーション耐性を有する金属相互接続構造体、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ラインは、金属イオンの格子と非局在自由電子とを含む。金属イオンは、その電子の幾つかを格子の共通の伝導帯に供給する金属原子から形成され、非局在自由電子は電界下で格子内を比較的小さい抵抗を受けながら移動する。超伝導温度又はそれ以下の温度における超伝導材料を除く通常の金属ラインは、電子と、結晶欠陥及び熱誘起格子振動であるフォノンとの相互作用に起因する有限の導電率を有する。
【0003】
電流が金属ライン内を流れるとき、金属イオンは、金属イオンの電荷と金属イオンが晒される電界とによる静電気力を受ける。さらに、電流の伝導中に電子が格子により散乱する際に、電子は運動量を導電体材料の格子内の金属イオンに移動させる。静電気力の方向は電界の方向、即ち、電流の方向であり、電子の運動量移動による力の方向は電子の流れの方向、即ち、電流の逆方向である。しかしながら、電子の運動量移動による力は、通常、静電気力よりも大きい。それゆえに、金属イオンは、電流の逆方向、即ち電子の流れの方向に正味の力を受ける。
【0004】
高欠陥密度、即ち金属のより小さな結晶粒径、又は高温は、一般に電子散乱を増大させ、その結果、電子から導電体材料への運動量移動の量を増加させる。このような運動量移動は、十分に累積的に起こる場合、金属イオンを格子から追い出して物理的に移動させる。電流に起因する質量の輸送、又は、電流による導電性材料の移動は、当技術分野においてエレクトロマイグレーションと呼ばれる。
【0005】
半導体デバイスの金属相互接続体のように高い直流電流密度が用いられる用途においては、エレクトロマイグレーションは金属ライン内又は金属ビア内にボイドを生じる。このようなボイドは金属相互接続体内に局所的な抵抗増加をもたらし、又は完全な回路「開放」をも生ずる。この場合、金属ライン又は金属ビアは、もはや金属相互接続体の導電経路を与えない。従って、金属ライン又は金属ビア内のボイドの形成は、半導体デバイスに製品故障をもたらす可能性がある。
【0006】
図1(A)及び(B)は、下層レベルの金属相互接続構造体3′と上層レベルの金属相互接続構造体6′とを含む例示的な従来技術の金属相互接続構造体を示す。図1(A)は例示的な従来技術の金属相互接続構造体の垂直断面図であり、図1(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40及び随意的な誘電体キャップ層42を除去した、修正上面図である。
【0007】
下層レベルの金属相互接続構造体3′は、下層金属ライナ20及びライン・レベル金属部分30を含む下層導電性構造体を埋め込んだ下層誘電体材料層10を備える。下層金属ライナ20及びライン・レベル金属部分30の集合体は少なくとも1つの金属ラインを形成する。下層レベルの金属相互接続構造体3′を形成するのにデュアル・ダマシン集積法を用いるか、又は、シングル・ダマシン集積法を用いるかに応じて、下層金属ライナ20及びライン・レベル金属部分30は、金属ラインと少なくとも1つの下向きに延びる統合ビアとを構成することができ、又は、下向きに延びるビアを伴わずに金属ラインのみを構成することができる。下層金属ライナ20は、下層誘電体材料層10の凹ませた表面の上、即ち、下層誘電体材料層10と上層レベルの金属相互接続構造体6′との間の界面レベルの下方の表面上に形成される。ライン・レベル金属部分30は銅のような金属を含み、下層金属ライナ20の上、及び内側に直接形成される。下層金属ライナ20及びライン・レベル金属部分30の上面は、下層誘電体材料層10の上面と実質的に同一平面上にあり、即ち、下層レベルの金属相互接続構造体3′と上層レベルの金属相互接続構造体6′との間の界面は、突出部が何もなく実質的に平面且つ水平である。このような幾何学的構造は、半導体製造に普通に用いられる層間平坦化プロセスによりもたらされる。
【0008】
上層レベルの金属相互接続構造体6′は、上層金属ライナ50とビア・レベル金属部分60とを含む上層導電性構造体を埋め込んだ、上層誘電体材料層40及び随意的な誘電体キャップ層42を備える。上層金属ライナ50及びビア・レベル金属部分60の集合体は少なくとも1つの導電性ビアを形成する。上層レベルの金属相互接続構造体6′を形成するのにデュアル・ダマシン集積法を用いるか、又は、シングル・ダマシン集積法を用いるかに応じて、上層金属ライナ50及びビア・レベル金属部分60は、導電性ビアと、導電性ビア60と一体的に形成された金属ラインとを構成することができ、又は、一体的に形成された金属ラインを伴わずに導電性ビアのみを構成することができる。上層金属ライナ50は、上層誘電体材料層50の凹ませた表面の上、即ち、上層レベルの金属相互接続構造体6′の最上面の下方の表面上に形成される。ビア・レベル金属部分60は銅のような金属を含み、上層金属ライナ50の上、及び内側に直接形成される。
【0009】
例示的な従来技術の金属相互接続構造体の顕著な特徴は、導電性ビア(50、60)と金属ライン(20、30)の間の界面の全体が、上層金属ライナ50とライン・レベル金属部分30の間の接触部から構成されることである。上層金属ライナ50は下層誘電体材料層10に当接しない。さらに、導電性ビア(50、60)及び金属ライン(20、30)のレイアウトは、上層金属ライナ50と下層金属ライナ20の間の直接的な接触を避けるように設計される。このことは、上層金属ライナ50の周縁部の突出位置と下層金属ライナ20の周縁部の突出位置との間に十分な距離、即ち、リソグラフィ・オーバーレイの変動を上回る距離を設けることによって実現される場合が多い。例示的な従来技術の金属相互接続構造体に対して用いられるこのような設計の主要な目的は、上層金属ライナ50とライン・レベル金属部分30の間の接触面積を最大にして、導電性ビア(50、60)と金属ライン(20、30)の間の界面の抵抗を最小にし、それにより、使用中の温度上昇を抑制し、高温で加速するエレクトロマイグレーションを防止することである。
【0010】
図2は、本発明に至る研究の過程で、図1(A)及び(B)の例示的な従来技術の金属相互接続構造体を用いて製造し、検査した一群の物理的相互接続構造体に関する抵抗の時間変化のデータを示すグラフである。この検査のために、約0.4ミクロンの幅を有する銅線を、300°Cの高温において、導電性ビア(50、60、図1参照)と金属ライン(20、30、図1参照)の間の界面において約25mA/μmの電流密度に曝した。各々の物理的相互接続構造体の抵抗をモニタし、時間の関数として図2にプロットしたが、これは25時間付近に故障が集中することを示す。導電性ビア(50、60)と金属ライン(20、30)の間の界面におけるボイドの形成によるエレクトロマイグレーション故障により、物理的相互接続構造体の抵抗は25時間付近で急激に増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記を考慮すると、金属ラインと導電性ビアの間の強化されたエレクトロマイグレーション耐性を与える金属相互接続構造体、及び、それを設ける方法を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、金属ライン及び金属ビアを含み、従来技術の構造体に比べてより高いエレクトロマイグレーション耐性を有する金属相互接続構造体、及び、そのようなエレクトロマイグレーション耐性の金属相互接続構造体を製造する方法を提供する。
【0013】
本発明において、下層レベルの金属相互接続構造体は、下層誘電体材料層と、下層金属ライナ及びライン・レベル金属部分を含む金属ラインとを備える。上層誘電体材料層と、上層金属ライナ及びビア・レベル金属部分を含む導電性ビアとを備えた上層レベルの金属相互接続構造体は、下層の金属相互接続レベル上に直接形成される。下層レベルの金属相互接続構造体は、上層金属ライナに直接接触してその下にある、少なくとも1つの誘電体材料部分を含む。少なくとも1つの誘電体材料部分の側壁上に形成される下層金属ライナの一部分は、上層金属ライナの一部分に垂直方向に当接する。
【0014】
上層金属ライナと下層金属ライナの間に、ライナ・ライナ間直接接触部が形成され、これが急激なエレクトロマイグレーション故障を防止し、金属相互接続構造体のエレクトロマイグレーション耐性を強化する。少なくとも1つの誘電体材料部分は、上層金属ライナと下層金属ライナの間の直接接触を確実にするように配置された複数の誘電体材料部分を含むことができる。代替的に、少なくとも1つの誘電体材料部分は、リソグラフィ・オーバーレイの変動の許容範囲内でライナ・ライナ間直接接触が形成されることを保証するのに十分な、導電性ビア領域との横方向の重なり領域を有する単一の誘電体部分を含むことができる。上層金属ライナ及び下層金属ライナの材料は遥かに大きいエレクトロマイグレーション耐性を有するので、ライナ・ライナ間直接接触部は高いエレクトロマイグレーション耐性を有し、ライナ・ライナ間直接接触部による電気的接触は、上層金属ライナとライン・レベル金属部分の間の界面にボイドが生じたときでも維持されるので、金属相互接続構造体の寿命が高められる。
【0015】
本発明の一実施形態により、
下層誘電体材料層と、その中に埋め込まれ、下層金属性ライナ及びライン・レベル金属部分を含む金属ラインとを備える下層レベルの金属相互接続構造体と、
下層レベルの金属相互接続構造体に垂直方向に当接し、上層誘電体材料層と、上層金属ライナ及びビア・レベル金属部分を含む導電性ビアとを備える上層レベルの金属相互接続構造体と、
を備え、下層金属ライナは上層金属ライナに直接接触する、金属相互接続構造体が提供される。
【0016】
一実施形態において、金属相互接続構造体は、下層誘電体材料層と一体構造の、下層金属ライナに横方向に当接し且つそれに囲まれた、少なくとも1つの誘電体材料部分をさらに含み、ここで下層金属ライナの部分はライン・レベル金属部分に横方向に当接し且つそれに囲まれ、そして上層金属ライナに垂直方向に当接する。
【0017】
別の実施形態において、金属相互接続構造体は、下層誘電体材料層と一体構造の、且つそれに横方向に当接する少なくとも1つの誘電体材料部分をさらに備え、ここで下層金属ライナの側壁は下層誘電体材料層から導電性ビアに向かって横方向に凹まされ、下層金属ライナの一部分は少なくとも1つの誘電体材料部分に横方向に当接し、上層金属ライナに垂直方向に当接する。
【0018】
さらに別の実施形態において、金属相互接続構造体は、下層誘電体材料層と一体構造の、且つそれに垂直方向に当接する複数の誘電体材料部分をさらに備え、ここで下層金属ライナの少なくとも一部分は複数の誘電体材料部分のうちの1つに横方向に当接し、上層金属ライナに垂直方向に当接する。
【0019】
本発明の別の実施形態により、金属相互接続構造体を製造する方法であって、
下層誘電体材料層のパターン化された領域を垂直方向に凹ませることにより、ライン・トレンチ及び少なくとも1つの誘電体材料部分を、少なくとも1つの誘電体材料部分の側壁が少なくとも1つの誘電体材料部分を横方向に囲むか又は少なくとも1つの誘電体材料部分の側壁が横方向にライン・トレンチ内に突き出るように、形成することと、
ライン・トレンチ内に、下層金属ライナ及びライン・レベル金属部分を含む金属ラインを形成することと、
金属ライン上に上層誘電体材料層を形成することと、
上層誘電体材料層内に導電性ビアを形成することと、
を含み、下層金属ライナは上層金属ライナに直接接触する、方法が提供される。
【0020】
一実施形態において、少なくとも1つの誘電体材料部分は下層誘電体材料層と一体構造のものであり且つそれに垂直方向に当接し、ここで下層金属ライナの一部分は少なくとも1つの誘電体材料部分に横方向に当接し且つそれを囲み、ここで下層金属ライナの一部分はライン・レベル金属部分に横方向に当接し且つそれにより囲まれ、そして上層金属ライナに垂直方向に当接する。
【0021】
別の実施形態において、少なくとも1つの誘電体材料部分は下層誘電体材料層と一体構造のものであり且つそれに横方向に当接し、ここで下層金属ライナの側壁は下層誘電体材料層から導電性ビアに向かって横方向に凹まされ、そして、下層金属ライナの一部分は少なくとも1つの誘電体材料部分に横方向に当接し且つ上層金属ライナに垂直方向に当接する。
【0022】
さらに別の実施形態において、少なくとも1つの誘電体材料部分は、下層誘電体材料層と一体構造の、且つそれに垂直方向に当接する複数の誘電体材料部分を含み、ここで、下層金属ライナの少なくとも一部分は複数の誘電体材料部分のうちの1つに横方向に当接し且つ上層金属ライナに垂直方向に当接する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】1つの例示的な従来技術の金属相互接続構造体の図である。(A)は(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【図2】図1(A)及び(B)の例示的な従来技術の金属相互接続構造体を用いた一群の物理的相互接続構造体の抵抗の時間変化のデータを示すグラフである。
【図3】本発明の第1の実施形態による第1の例示的な金属相互接続構造体の逐次的な断面図である。(A)と(B)は同じ製造段階に対応する。(A)は(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は上面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による第1の例示的な金属相互接続構造体の逐次的な断面図である。(A)と(B)は同じ製造段階に対応する。(A)は(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は上面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による第1の例示的な金属相互接続構造体の逐次的な断面図である。(A)と(B)は同じ製造段階に対応する。(A)は(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は上面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による第1の例示的な金属相互接続構造体の逐次的な断面図である。(A)と(B)は同じ製造段階に対応する。(A)は(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【図7】(A)は、本発明の第2の実施形態による第2の例示的な金属相互接続構造体の、(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【図8】図7(A)及び(B)における本発明の第2の例示的な金属相互接続構造体を用いた一群の物理的相互接続構造体の抵抗の時間変化のデータを示すグラフである。
【図9】(A)は、本発明の第3の実施形態による第3の例示的な金属相互接続構造体の、(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、(A)の第3の例示的な金属相互接続構造体の修正上面図である。
【図10】従来技術による第1の群G1、並びに、本発明の第2及び第3の実施形態による、それぞれ第2の群G2及び第3の群G3を含む物理的相互接続構造体の3つの群に関する、故障寿命の分布を示すグラフである。
【図11】(A)は、本発明の第4の実施形態による第4の例示的な金属相互接続構造体の、(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【図12】(A)は、本発明の第5の実施形態による第5の例示的な金属相互接続構造体の、(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【図13】(A)は、本発明の第6の実施形態による第6の例示的な金属相互接続構造体の、(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【図14】(A)は、本発明の第7の実施形態による第7の例示的な金属相互接続構造体の、(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【図15】(A)は、本発明の第8の実施形態による第8の例示的な金属相互接続構造体の、(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【図16】(A)は、本発明の第9の実施形態による第9の例示的な金属相互接続構造体の、(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上述のように、本発明は、金属ライン及び導電性ビアを含むエレクトロマイグレーション耐性の金属相互接続構造体に関するものであり、本明細書で添付の図面を参照して説明する。図面全てにわたり、同じ又は同等の要素を示すのに、同じ参照符号又は文字を用いる。本発明の対象物を不必要に不明瞭にする公知の機能及び構造の詳細な説明は、明確にするために省略した。図面は必ずしも一定の尺度で描かれてはいない。
【0025】
本明細書で用いる際、構造的要素が別の構造的要素の直接上に位置するとき、又は、構造的要素と他の構造的要素とに物理的に直接接触する少なくとも1つの介在する要素の組が存在するとき、その構造的要素は他の構造的要素の「上に」あると言う。介在する構造的要素が存在せずに構造的要素と別の構造的要素との間に物理的な接触が形成されるとき、構造的要素は他の構造的要素の「直接上に」あると言う。同様に、要素が別の要素に直接接続又は結合しているとき、又は、少なくとも1つの介在する要素の組が要素と他の要素とを接続又は結合するとき、要素は他の要素に「接続している」又は「結合している」と言う。介在する要素が存在せずに要素と別の要素との間に接続又は結合が与えられるとき、要素は他の要素に「直接接続している」又は「直接結合している」と言う。要素と別の要素との間に直接接触をもたらす物理的な界面領域が存在するときに、要素は他の要素に「当接する」。
【0026】
図3(A)及び(B)を参照すると、本発明の第1の実施形態による第1の例示的な金属相互接続構造体は、ライン・トレンチ19を含んだ下層誘電体材料層10を備え、このライン・トレンチは、水平方向の導電経路を設けるように後で形成される金属ラインの形状に形成されたトレンチである。ライン・トレンチ19は、下層誘電体材料層10の最上面17の下方に形成されるライン・トレンチ19の凹んだ表面15に直接接続した少なくとも1つのビア・キャビティ19′と一体的に形成することができる。ライン・トレンチ19と少なくとも1つのビア・キャビティ19′との間の境界は、図3(A)の点線によって表される。下層誘電体材料層10の下に、少なくとも1つの半導体デバイスを含む半導体基板(図示せず)を配置することができる。半導体基板は下層誘電体材料層10の底面に当接することができ、又は、下層誘電体材料層10の底面と半導体基板の間に、少なくとも1つの金属配線構造体を埋め込んだ少なくとも1つの介在誘電体材料層を含む少なくとも1つの介在金属相互接続構造体(図示せず)を配置することができる。
【0027】
少なくとも1つの誘電体材料部分12をライン・トレンチ19の外周内に形成する。少なくとも1つの誘電体材料部分12は、複数の誘電体材料部分とすることができる。ライン・トレンチ19の外周は、図3(B)のような上面図に見られるように外周が閉じた形状を有するように、実質的に長方形形状、任意の多角形形状、任意の楕円形形状、任意の閉曲線形状、又はそれらの組合せを有することができる。少なくとも1つのビア・キャビティ19′は随意的であり、金属ラインが下層の導電性ビアと一体的に形成されるデュアル・ダマシン法を用いる場合に形成することができる。シングル・ダマシン法を用いる場合には、代わりに、導電性材料で充填された少なくとも1つの導電性ビアの上面をライン・トレンチ19の凹ませた表面15に露出させることができる。本発明はデュアル・ダマシン法を用いて形成される例示的な金属相互接続構造体を用いて説明するが、本発明はまた、シングル・ダマシン法を用いて形成される下層誘電体材料層10を用いて実施することもでき、そのような変形物は本明細書において明確に企図される。
【0028】
下層誘電体材料層10は、約3.6乃至約3.9の誘電定数kを有する酸化物ベースの通常の誘電体材料、又は、約3.0又はそれ以下、好ましくは約2.8未満、より好ましくは約2.5未満の誘電定数kを有する低k誘電体材料を含むことができる。酸化物ベースの通常の誘電体材料の非限定的な例には、非ドープ・シリケートガラス(USG)、フルオロシリケートガラス(FSG)、ボロホスホシリケートガラス(BPSG)、及び、ホスホシリケートガラス(PSG)が含まれる。低k誘電体材料は、スピンオン低k誘電体材料、又は、CVD低k誘電体材料、即ち、化学気相堆積法(CVD)によって堆積させた低k誘電体材料とすることができる。スピンオン低k誘電体材料の一例は、一般に「シリコン低k」又は「SiLK(登録商標)」とも呼ばれる熱硬化性ポリアリーレンエーテルである。ここで用いる用語「ポリアリーレン」は、結合、縮合環、又は、酸素、硫黄、スルホン、スルホキシド、カルボニルなどの不活性結合基によって互いに結合された、アリール部分又は不活性置換されたアリール部分を指す。CVD低k誘電体材料の組成及び堆積方法は、当技術分野において周知である。例えば、CVD低k誘電体材料は、共有結合三次元ネットワーク内のSi、C、O、及びH原子を含む水素化酸化シリコンカーボン材料(SiCOH)のマトリクスを含むSiCOH誘電体とすることができる。スピンオン低k誘電体材料及びCVD低k誘電体材料の両方は、多孔質にして下層誘電体材料層10の誘電定数を減少させることができる。下層誘電体材料層10は、酸化物ベースの通常の誘電体材料、スピンオン低k誘電体材料、及びCVD低k誘電体材料のうちの少なくとも2つの積層体を含むことができる。
【0029】
下層誘電体材料層10の厚さは、50nm乃至約2μm、典型的には100nm乃至約500nmとすることができるが、より少さな厚さ及びより大きな厚さも本明細書において明確に企図される。ライン・トレンチ19の深さdは、デュアル・ダマシン法を用いる場合、下層誘電体材料層10の厚さの約20%乃至80%、典型的には約35%乃至約65%とすることができるが、より小さなパーセンテージ及びより大きなパーセンテージも本明細書において明確に企図される。シングル・ダマシン法を用いる場合には、下層誘電体材料層10は、少なくとも1つのビア・キャビティ19′の代りとなる少なくとも1つの導電性ビア(図示せず)の高さにほぼ等しい厚さを有する第1の誘電体材料層と、ライン・トレンチ19の深さdにほぼ等しい厚さを有する第2の誘電体材料層との積層体を含む。
【0030】
ライン・トレンチ19は、リソグラフィ法及び異方性エッチング法によって形成される。例えば、下層誘電体材料層10の最上面17のレベルに上面を有する下層誘電体材料層10の、パターンをなにも有さないブランケット膜の上にフォトレジストを塗布することができる。フォトレジストはリソグラフィでパターン化し、フォトレジストのパターンは、下層誘電体材料層10の上面のパターン化領域である露出部分を垂直方向に凹ませることによって下層誘電体材料層10のブランケット膜に転写され、図3(A)及び(B)に示すような下層誘電体材料層10が形成される。反応性イオン・エッチングのような異方性エッチングを用いて、露出表面を、ライン・トレンチ19の凹んだ表面15のレベルまで凹ませる。その後、フォトレジストを下層誘電体材料層10まで選択的に除去する。デュアル・ダマシン法においては、当技術分野において公知のように、ライン・トレンチ19の形成前又は形成後に別のリソグラフィ・ステップ及び別の異方性エッチングを用いることにより、少なくとも1つのビア・キャビティ19′を形成することができる。
【0031】
ライン・トレンチ19の側壁は実質的に垂直とすることができ、又は、内向きのテーパを有して、ライン・トレンチ19の凹ませた表面15がライン・トレンチ19の最上面17における開口部よりも狭くなるようすることができる。下層誘電体材料層10の材料、ライン・トレンチ19の最上面17における開口部の幅、ライン・トレンチ19のエッチングに用いるエッチング化学物質、及び、ライン・トレンチ19の深さdに応じて、テーパ角度は、0度乃至約30度、典型的には約1度乃至約15度とすることができる。
【0032】
少なくとも1つの誘電体材料部分12の各々の水平方向の断面領域は、正方形、長方形、円形、楕円形、閉曲線形状、多角形セグメント部分及び曲線部分を含む閉じた形状、又はそれらの任意の組合せを含む任意の閉じた形状を有することができる。典型的には、少なくとも1つの誘電体材料部分12の各々は、円形、楕円形、長方形、又は丸みのある隅を有する実質的に長方形の断面形状を有する。少なくとも1つの誘電体材料部分12が複数の誘電体材料部分である場合には、複数の誘電体材料部分の各々は、後に導電性ビアが形成される領域を取り囲むように、各々の間に間隔を空けて配置することができる。
【0033】
少なくとも1つの誘電体材料部分12の側壁は、少なくとも1つの誘電体材料部分12の各々を横方向に囲む。少なくとも1つの誘電体材料部分12の各々の上面は、ライン・トレンチ19の最上面17と実質的に同一平面に、即ち、実質的に同じレベルに位置する。少なくとも1つの誘電体材料部分12の各々は、下層誘電体材料層10と一体構造のものである。下層誘電体材料層と少なくとも1つの誘電体材料部分12とは、同じ組成を有する。少なくとも1つの誘電体材料部分12の各々は、下層誘電体材料層10に垂直方向に当接する。少なくとも1つの誘電体材料部分12の側壁は、ライン・トレンチ19の側壁の一部分を構成する。少なくとも1つの誘電体材料層12と下層誘電体材料層10の間の水平方向の境界は、図3(A)の点線で示される。
【0034】
図4(A)及び(B)を参照すると、物理気相堆積法(PVD)即ちスパッタリング、化学気相堆積法(CVD)、電気めっき、無電解めっき、又はそれらの組合せにより、ライン・トレンチ19の側壁及び底面に下層金属ライナ20を堆積させる。従って、下層金属ライナ20はライン・トレンチ19の側壁及び底面に当接する。下層金属ライナ20は、下層誘電体材料層10に良好に接着し、且つ、移動イオン及び汚染物質に対するバリアとして機能して金属ライン30を保護し、金属ライン30の材料が下層誘電体材料層10内に拡散するのを防止する元素金属又は金属化合物を含む。例えば、下層金属ライナ20は、Ti、Ta、及びCoWPの導電性金属窒化物を含むことができる。導電性窒化物の非限定的な例は、TiN、TaN、及びWNを含む。CoWPは、電気めっき又は無電解めっきによって形成されるCo、W、及びPの化合物であり、約5原子百分率乃至約30原子百分率のPを含み、残りはCoとWの混合物である。下層金属ライナ20の材料は、
後にライン・レベル金属部分を形成するための金属層に用いられる材料よりも高いエレクトロマイグレーション耐性を与える。
【0035】
下層金属ライナ20は、下層誘電体材料層10に垂直方向に当接する底部分と、下層誘電体材料層10に実質的に横方向に当接する側壁部分との間で同じ厚さ、又は異なる厚さを有することができる。下層金属ライナ20の底部分の厚さを、ここでは下層金属ライナ20の厚さと呼ぶ。下層金属ライナ20の厚さは、約3nm乃至約60nm、典型的には約10nm乃至約30nmとすることができるが、より小さな又はより大きな厚さも本明細書において明確に企図される。下層金属ライナ20の側壁部分の厚さの、下層金属ライナ20の底部分の厚さ、即ち、「金属ライナ20の厚さ」に対する比は、段差被覆性と呼ばれる。段差被覆性は、下層金属ライナ20の堆積方法、ライン・トレンチの側壁のテーパ角度、及び、ライン・トレンチ19のアスペクト比、即ち、ライン・トレンチ19の高さの幅に対する比に依存する。段差被覆性の典型的な値は、約0.5乃至1の範囲であるが、より小さな段差被覆性もまた知られている。一般に、化学気相堆積プロセスは、物理気相堆積法よりも大きな段差被覆性を与える傾向がある。
【0036】
下層金属ライナ20の上に金属層を堆積させ、平坦化してライン・レベル金属部分30を形成し、その全体は一体構造となる、即ち物理的に接続される。金属層は、電気めっき、無電解めっき、物理気相堆積法(PVD、即ち、スパッタリング)、化学気相堆積法、又はそれらの組合せにより形成することができる。例えば、金属層は、金属を含んだ薄いシード層の物理気相堆積と、同じ金属の電気めっきとによって形成することができる。金属層は、銅、タングステン、アルミニウム、金、又は、銀を含むことができる。典型的には、金属層は銅を含む。金属層は、下層金属ライナ20の直接上に形成される。
【0037】
金属層の厚さは、少なくともライン・トレンチ19の深さd(図3(A)参照)に等しい。例えば、金属層を、約100°C乃至約200°Cの比較的低い温度で、約30分乃至約2時間の間アニール処理して結晶粒成長を促進し、それにより金属層の抵抗率を低下させることができる。アニールのプロセス条件は、金属層中の結晶粒の成長を促進するように最適化することができる。典型的には、結晶粒径は、ライン・トレンチ19の幅及び金属層の厚さのうちの小さい方の特性寸法を有する。代替的に、金属層中の結晶粒径を増大させるのに他のアニール法を用いることができる。
【0038】
下層誘電体材料層10の最上面17の上方の金属層の過剰な材料は、例えば、化学機械研磨法(CMP)により平坦化される。下層誘電体材料層10の最上面17の上方の下層金属ライナ20部分もまた、CMPにより除去される。随意に、下層誘電体材料層10の最上面17の上方の下層金属ライナ20の部分は、金属層の除去中に停止層として利用することができる。この場合、CMPプロセスは2段階プロセスとすることができ、その第1の段階は下層誘電体材料層10の最上面17の上方に位置する下層金属ライナ20の部分の上方の金属層の部分を除去する自己停止プロセスであり、第2の段階は下層誘電体材料層10の最上面17の上方の下層金属ライナ20の部分を研磨するプロセスである。
【0039】
CMPプロセスの後、金属層及び下層金属ライナ20の残りの部分は、ライン・トレンチ19の外周内に横方向に限定される(図3(A)及び(B)参照)。さらに、金属層及び下層金属ライナ20の残りの部分は、少なくとも1つの誘電体材料部分12の体積から除外される。金属層の残りの部分は、ライン・レベル金属部分30を構成する。下層金属ライナ20及びライン・レベル金属部分30は集合的に、ライン・トレンチ19の全体を満たす金属ラインを構成する。デュアル・ダマシン法を用いる場合には、ライン・レベル金属部分30は、少なくとも1つのビア・キャビティ19′を満たす少なくとも1つの一体的に形成された導電性ビアを含むことができる(図3(A)及び(B)参照)。
【0040】
残りの構造体の上面は実質的に同一平面上にある、即ち、垂直方向の突出部又は垂直方向の凹みを有さずに概ね同じ高さにある。従って、下層誘電体材料層10の最上面17、少なくとも1つの誘電体材料部分12の上面、下層金属ライナ20の上面、及び、ライン・レベル金属部分30の上面は同一平面上にある。下層誘電体材料層10、少なくとも1つの誘電体材料部分12、下層金属ライナ20、及びライン・レベル金属部分30は集合的に、下層レベルの金属相互接続構造体3を集合的に構成し、この構造体3が下層誘電体材料層の最上面17と下層誘電体材料層の最下面との間の体積を占める。金属ライン(20、30)と、下層誘電体材料層10及び少なくとも1つの誘電体材料部分12の組とが、相補的に下層レベルの金属相互接続構造体3を充填する。
【0041】
下層金属ライナ20の一部分は、少なくとも1つの誘電体材料部分12に横方向に当接してそれを囲む。下層金属ライナ20のその部分は、ライン・レベル金属部分30に横方向に当接し且つそれにより囲まれる。少なくとも1つの誘電体材料部分12の側壁は、少なくとも1つの誘電体材料部分12の各々を横方向に囲む。少なくとも1つの誘電体材料部分12の各々は、下層誘電体材料層10の最上面17と実質的に同一平面上にある上面を有し、下層誘電体材料層10と一体構造のものである。下層誘電体材料層10の最上面は、下層金属ライナ20及びライン・レベル金属部分30の上面と実質的に同一平面上にある。
【0042】
図5(A)及び(B)を参照すると、随意的な誘電体キャップ層42を下層レベルの金属相互接続構造体3の直接上に形成することができる。次いで、随意的な誘電体キャップ層42の直接上に上層誘電体材料層40を形成することができる。随意的な誘電体キャップ層42は随意のものである、即ち、形成してもしなくてもよい。随意的な誘電体キャップ層42を形成しない場合には、上層誘電体材料層40は、下層レベルの金属相互接続構造体3の直接上に形成する。
【0043】
随意的な誘電体キャップ層42は、典型的には、窒化シリコン、酸窒化シリコン、又は、例えばApplied Materials Inc.(登録商標)により提供される、Si、C、O、及びHを含み、プラズマ強化化学気相堆積法により形成される低k材料であるBLoK(登録商標)、又は、例えばApplied Materials Inc.(登録商標)により提供される、Si、Co、O、H、及びNを含み、プラズマ強化化学気相堆積法により形成される低k材料であるNBLoK(登録商標)のような非多孔質誘電体材料を含む。随意的な誘電体キャップ層42は、存在する場合には、ライン・レベル金属部分30に対して不純物の侵入拡散からの保護を与えると共に、ライン・レベル金属部分30のエレクトロマイグレーション耐性の強化をもたらす。随意的な誘電体キャップ層42の厚さは、約3nm乃至約90nm、典型的には約6nm乃至約40nmとすることができるが、より小さな厚さ及びより大きな厚さもまた本明細書において企図される。
【0044】
上層誘電体材料層40は、上述の下層誘電体材料層10に用いることができる任意の材料を含むことができる。上層誘電体材料層40は、下層誘電体材料層10と同じ材料、又は異なる材料を含むことができる。上層誘電体材料層40の厚さは、約50nm乃至約2μm、典型的には100乃至約500nmとすることができるが、より小さな厚さ及びより大きな厚さもまた本明細書において明確に企図される。
【0045】
ビア・キャビティ59が、上層誘電体材料層40の中、及び随意的な誘電体キャップ層42の中に、リソグラフィ法及び異方性エッチングによって形成される。例えば、フォトレジストを上層誘電体材料層40の上に塗布し、リソグラフィによりパターン化してフォトレジスト内の孔を含むようにすることができる。フォトレジスト内のパターンは、上層誘電体材料層40の上面の露出部分、即ちパターン化領域を、下層レベルの金属相互接続構造体3の上面のレベルまで垂直方向に凹ませることにより、上層誘電体材料層40及び随意的な誘電体キャップ層42に転写される。その後フォトレジストは上層誘電体材料層40まで選択的に除去される。ビア・キャビティ59の水平方向の断面領域は、実施的に円形形状、任意の多角形形状、任意の楕円形状、任意の閉曲線形状、又はそれらの組合せの形状を有することができる。デュアル・ダマシン法を用いてビア・キャビティ59を形成する場合、当技術分野において周知のように、ビア・キャビティ59の形成の前に又は後で、別のリソグラフィ段階及び別の異方性エッチングを用いることにより、上層誘電体材料層40の上部分にライン・トレンチを形成することができる。
【0046】
ライン・レベル金属部分30の一部分がビア・キャビティ59の底面に露出する。さらに、少なくとも1つの誘電体材料部分12に横方向に当接する下層金属ライナ20の一部分がビア・キャビティ59の底面に露出する。さらに、少なくとも1つの誘電体材料部分12の上面(単数又は複数)のうちの少なくとも一部分がビア・キャビティ59の底面に露出し得る。従って、少なくとも1つの誘電体材料部分12の少なくとも1つの側壁の上端がビア・キャビティ59の底面に露出し、少なくとも1つの誘電体材料部分12の少なくとも1つの側壁の上端がビア・キャビティ59の底部に露出し得る。
【0047】
図6(A)及び(B)を参照すると、上層金属ライナ50及びビア・レベル金属部分60を含む導電性ビアがビア・キャビティ59内に形成される。図6(A)は、第1の例示的な金属相互接続構造体の、図6(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。図6(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、修正上面図である。
【0048】
上層金属ライナ50は、物理気相堆積法(PVD)、即ち、スパッタリング、化学気相堆積法(CVD)、電気めっき、無電解めっき、又はそれらの組合せにより、ビア・キャビティ59の側壁及び底面に堆積させる。上層金属ライナ50は、上述の下層金属ライナ20に用いることができる任意の材料を含むことができる。上層金属ライナ50は、下層金属ライナ20と同じ材料又は異なる材料を含むことができる。上層金属ライナ50の材料は、ライン・レベル金属部分30の材料、及びその後に上層金属ライナ50の直接上に形成されるビア・レベル金属部分の材料よりも高いエレクトロマイグレーション耐性を与える。
【0049】
上層金属ライナ50は、ライン・レベル金属部分30に当接する底部分と、上層誘電体材料層40及び随意的な誘電体キャップ層42に実質的に横方向に当接する側壁部分との間で同じ厚さ又は異なる厚さを有することができる。上層金属ライナ50の底部分は、ライン・レベル金属部分30と、下層金属ライナ20の少なくとも一部分の上面とに垂直方向に当接する。上層金属ライナ50の底部分は、少なくとも1つの誘電体材料部分12の上面の一部分に垂直方向に当接し得る。
【0050】
上層金属ライナ50の底部分の厚さは、ここでは上層金属ライナ50の厚さと呼ぶ。上層金属ライナ50の厚さは、約3nm乃至約60nm、典型的には約10nm乃至約30nmとすることができるが、より小さな厚さ及びより大きな厚さも本明細書において明確に企図される。
【0051】
上層金属ライナの上に別の金属層を堆積させ、平坦化してビア・レベル金属部分60を形成し、その全体が上層誘電体材料層40及び随意的な誘電体キャップ層42の内部に埋め込まれる。金属層は、電気めっき、無電解めっき、物理気相堆積法(PVD、即ち、スパッタリング)、化学気相堆積法、又はそれらの組合せにより形成することができる。例えば、金属層は、金属を含んだ薄いシード層の物理気相堆積と、同じ金属の電気めっきとにより形成することができる。金属層は、銅、タングステン、アルミニウム、金、又は銀を含むことができる。典型的には、金属層は銅を含む。金属層は、上層金属ライナ50の直接上に形成される。
【0052】
金属層は、ビア・キャビティ59の全体を占める。例えば、金属層は約100°C乃至約200°Cの比較的低い温度で、約30分乃至約2時間の間、アニール処理して結晶粒の成長を促進し、それにより金属層の抵抗率を低下させることができる。アニールのプロセス条件は、金属層中の結晶粒の成長を促進するように最適化することができる。典型的には、結晶粒径は、ビア・キャビティ59の横方向寸法である特性寸法を有する。代替的に、金属層中の結晶粒径を増大させるのに他のアニール法を用いることができる。
【0053】
上層誘電体材料層40の上面の上方の金属層の過剰な材料は、例えば、化学機械研磨法(CMP)により平坦化する。上層誘電体材料層40の上面の上方の上層金属ライナ50部分もまた、CMPにより除去する。CMPプロセスの後、金属層及び上層金属ライナ50の残りの部分は、ビア・キャビティ59の外周内に横方向に限定される(図5(A)及び(B)参照)。金属層の残りの部分は、ビア・レベル金属部分60を構成する。上層金属ライナ50及びビア・レベル金属部分60は集合的に、ビア・キャビティ59全体を占める導電性ビアを構成する。デュアル・ダマシン法を用いる場合、上層誘電体材料層40の上部分に、別のライン・レベル金属部分(図示せず)を、導電性ビア(50、60)と一体的に形成することができる。上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42との積層体並びに導電性ビア(50、60)は、集合的に上層レベルの金属相互接続構造体6を構成し、それを相補的に充填する。
【0054】
ライン・レベル金属部分60に横方向に当接し且つそれにより囲まれる上層金属ライナ50の部分は、下層金属ライナ20に垂直方向に当接する。上層金属ライナ50は、ライン・レベル金属部分30と下層金属ライナ20の一部分との上に重なり且つそれらに垂直方向に当接する。上層金属ライナ50は、少なくとも1つの誘電体材料部分12の上面に重なり且つそれに垂直方向に当接し得る。
【0055】
下層金属ライナ20及び上層金属ライナ50は、ライナ・ライナ間の直接接触をもたらす。ライン・レベル金属部分30及び上層金属ライナ50は、ライナ・金属間の直接接触をもたらす。ライナ・金属間の直接接触は接触面積当たりの低抵抗の接触をもたらす、一方、ライナ・金属間の直接接触はエレクトロマイグレーションを起こしやすい。これとは対照的に、ライナ・ライナ間の直接接触は、ライナ・金属間の直接接触より大きな接触面積当たりの抵抗を与えるが、ライナ・ライナ間の直接接触は、典型的な動作電流密度範囲においてエレクトロマイグレーションをより生じにくくし、典型的には事実上その影響を受けない。本発明は、ライナ・金属間の接触、及びライナ・ライナ間の接触を含んだ一対の平行な電気的接触を設けて、低抵抗接触と強化されたエレクトロマイグレーション耐性との両方を与える。
【0056】
本発明により、ライナ・金属間の接触、及びライナ・ライナ間の接触を含んだ一対の平行な電気的接触によって与えられる機能性に影響を与えることなく、第1の例示的な金属相互接続構造体の多数の変形物を構築することができる。そのような変形物は、垂直軸、即ち、下層レベルの金属相互接続構造体3と上層レベルの金属相互接続構造体6との間の界面に垂直な軸の周りの横方向移動及び/又は回転のような、少なくとも1つの誘電体材料部分12の移動、或いは、少なくとも1つの誘電体材料部分12の数の増加又は減少、或いは、下層誘電体材料層10に対する、1つ又は複数の少なくとも1つの誘電体材料部分12の横方向の取付け又は横方向の取外しのようなトポロジ的な変形物を含むが、これらに限定されない。
【0057】
第1の例示的な金属相互接続構造体は、少なくとも1つの誘電体材料部分12が、金属ライン(20、30)内の電流の流れ方向に沿って配置された2つの誘電体材料部分12を含む一実施例を示す。電流は、平面A−A′内で水平方向に流れることに留意されたい。2つの誘電体材料部分は、導電性ビア(50、60)の寸法、即ち、2つの誘電体材料部分12の離間方向に沿った導電性ビア(50、60)の直径よりも小さな距離だけ離間される。この配置は、リソグラフィ・ステップ中に生成され得るオーバーレイ変動に関わりなく、ライナ・ライナ間接触が存在することを保証する。換言すれば、ライナ・金属間接触及びライナ・ライナ間接触を含んだ一対の平行な電気的接触の特徴は、任意の横方向の任意のオーバーレイ変動に関わりなく存在するので、第1の例示的な金属相互接続構造体のエレクトロマイグレーション耐性を安定化する。
【0058】
図7(A)及び(B)を参照すると、本発明の第2の実施形態による第2の例示的な金属相互接続構造体は、第1の実施形態におけると同じプロセス方法を用い、少なくとも1つの誘電体材料部分12の配置を修正して、形成することができる。図7(A)は、図7(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。図7(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、図7(A)の第2の例示的な金属相互接続構造体の修正上面図である。
【0059】
具体的には、第2の例示的な半導体構造体は、金属ライン(20、30)内の電流の流れ方向に垂直な方向に2つの誘電体材料部分12を配置することにより形成される。ライナ・金属間接触及びライナ・ライナ間接触を含んだ一対の平行な電気的接触の特徴は、金属ライン(20、30)と導電性ビア(50、60)の間に任意の方向のリソグラフィ・オーバーレイ変動があっても保持される。
【0060】
図8は、図7(A)及び(B)の本発明の第2の例示的な金属相互接続構造体を用いた一群の物理的相互接続構造体の抵抗の時間変化に関するデータを示すグラフである。本発明の第2の実施形態による各々の物理的相互接続構造体、又は各々の「サンプル」の抵抗をモニタし、図8に時間の関数としてプロットした。本発明によるサンプルは、図2のグラフを生成するのに用いた従来技術のサンプルと同一の物理的特徴を有するが、本発明の第2の実施形態による物理構造体に本発明の特徴を導入する点で異なる。図8のサンプルにストレスを加えるのに、図2のサンプルと同一のストレス条件を用いた。図2と図8の2つのサンプル群の間の唯一の違いは、図2で特徴付けられるサンプルに用いた図1(A)及び(B)の例示的な従来技術の金属相互接続構造体の代わりに、図8で特徴付けられるサンプルには図7(A)及び(B)の第2の例示的な金属相互接続構造体を用いた点である。
【0061】
本発明によるサンプルは、一般により長い故障寿命を示す。ここでは、600オームを超える抵抗変化を故障と見なす。図8のデータは、故障の集中発生が50時間を超えていることを示す。サンプルの抵抗の増加は、典型的には約30時間後に始まる。さらに、サンプルの抵抗は徐々に増加する。エレクトロマイグレーション故障の開始の徴候後の抵抗の比較的遅い増加速度は、上層金属ライナとライン・レベル金属部分の間の界面にボイドが形成された場合にも代替的な導電性経路を提供するライナ・ライナ間接触のためと考えられる。従って、本発明は、図1(A)及び(B)の例示的な従来技術の構造体、及び、他の同様の従来技術の構造体に比べて、強化されたエレクトロマイグレーション耐性をもたらす。
【0062】
図9(A)及び(B)を参照すると、本発明の第3の実施形態による第3の例示的な金属相互接続構造体は、第1の実施形態におけると同じプロセス方法を用い、少なくとも1つの誘電体材料部分12の配置及び/又は導電性ビア(50、60)の配置を修正して、形成することができる。図9(A)は、図9(B)の平面A−A′に沿った垂直断面図である。図9(B)は、明確にするために、上面図から上層誘電体材料層40と随意的な誘電体キャップ層42とを除去した、図9(A)の第3の例示的な金属相互接続構造体の修正上面図である。
【0063】
具体的には、第3の例示的な半導体構造体は、2つの誘電体材料部分12を金属ライン(20、30)の縁部により近づけて配置することにより、第1の例示的な半導体構造体にトポロジ的な変形を引き起こすことにより形成される。それゆえに、2つの誘電体材料部分12のうちの1つはもはや下層誘電体材料層10から横方向に分離されず、下層誘電体材料層10に横方向に当接する。ライナ・金属間接触及びライナ・ライナ間接触を含んだ一対の平行な電気的接触の特徴は、金属ライン(20、30)と導電性ビア(50、60)の間に任意の方向におけるリソグラフィ・オーバーレイの変動があっても保持される。
【0064】
第3の例示的な半導体構造体においては、少なくとも1つの誘電体材料部分12のうちの1つは下層誘電体材料層10と一体構造のものであり、且つそれに横方向に当接する。この誘電体材料部分12はまた、下層誘電体材料層10に垂直方向に当接する。この誘電体材料部分12と下層誘電体材料層10の間の境界は、物理的界面ではなく人為的に描かれた境界であり、図9(A)において垂直の点線及び水平の点線で示され、図9(B)においては別の点線で示される。下層金属ライナ20の側壁は、下層誘電体材料層10から導電性ビア(50、60)に向かって横方向に凹まされる。下層金属ライナ20の一部分は、この誘電体材料部分12に横方向に当接し、上層金属ライナ50に垂直方向に当接する。
【0065】
図10は、3つの群の物理的相互接続構造体の故障寿命の分布を示す故障パーセンタイル・プロットである。データ点の第1の群G1は、図1(A)及び(B)の例示的な従来技術の金属相互接続構造体を用いた、検査した物理的相互接続構造体の故障寿命の分布を表す。データ点の第2の群G2は、本発明の図7(A)及び(B)の第2の例示的な金属相互接続構造体を用いた、検査した物理的相互接続構造体の故障寿命の分布を表す。データ点の第3の群G3は、本発明の図9(A)及び(B)の第3の例示的な金属相互接続構造体を用いた、検査した物理的相互接続構造体の故障寿命の分布を表す。
【0066】
例示的な従来技術の金属相互接続構造体に対する図2のデータ・セットは、xでマーク付けしたデータ点の第1の群G1として集約される。本発明の第2の実施形態による第2の例示的な金属相互接続構造体に対する図8のデータ・セットは、四角形でマーク付けしたデータ点の第2の群G2として集約される。本発明の第3の実施形態による第3の例示的な金属相互接続構造体に対する対応するデータ・セットは、白丸でマーク付けしたデータ点の第3の群G3として集約される。データ点の第2及び第3の群(G2、G3)の両方は、エレクトロマイグレーション故障までの平均時間に関して、従来技術の構造体によるデータ点の第1の群G1を超えた、強化されたエレクトロマイグレーション性能を示す。
【0067】
第1から第3までの例示的な金属相互接続構造体のさらに別の変形物は明確に企図される。図11(A)及び(B)を参照すると、本発明の第4の実施形態による第4の例示的な金属相互接続構造体は、第1の実施形態におけると同じプロセス方法を用い、少なくとも1つの誘電体材料部分12の配置を修正して、形成することができる。具体的には、少なくとも1つの誘電体材料部分12は、導電性ビア(50、60)と交差する垂直軸の回りに任意の方位角回転角度だけ回転させた2つの誘電体材料部分を含む。図11の修正上面図に見られるように、少なくとも1つの誘電体材料部分12の各々の断面領域は、上記のいずれかの閉じた形状とすることができる。
【0068】
図12(A)及び(B)を参照すると、本発明の第5の実施形態による第5の例示的な金属相互接続構造体は、第1の実施形態におけると同じプロセス方法を用い、少なくとも1つの誘電体材料部分12の数及び配置を修正して、形成することができる。具体的には、少なくとも1つの誘電体材料部分12は、導電性ビア(50、60)の周囲に配置された3つの誘電体材料部分を含む。
【0069】
一般に、少なくとも1つの誘電体材料部分12が複数の誘電体材料部分を含むとき、複数の誘電体材料部分は、下層レベルの金属相互接続構造体3と上層レベルの金属相互接続構造体6との間の平面の界面に対して実質的に直角の垂直軸の回りにn回回転対称を有することができる。数nは、1より大きい整数、即ち、2、3、4、5、6などである。この場合、垂直軸は導電性ビア(50、60)と交差することが好ましい。幾つかの場合、垂直軸は、回転対称又は鏡面対称の垂直中心軸を有する導電性ビア(50、60)の幾何学的配置に関し、導電性ビア(50、60)の垂直中心軸と同一にすることができる。垂直軸から複数の誘電体材料部分の各々までの距離は、導電性ビア(50、60)の直径のような横方向寸法よりも小さいことが好ましい。この型の配置は、少なくとも1つの誘電体材料部分12と導電性ビア(50、60)の間のいかなるオーバーレイ変動にも関わりなく、ライナ・ライナ間接触が保持されることを保証する。
【0070】
図13(A)及び(B)を参照すると、本発明の第6の実施形態による第6の例示的な金属相互接続構造体は、第1の実施形態におけると同じプロセス方法を用い、少なくとも1つの誘電体材料部分12の数及び配置を修正して、形成することができる。具体的には、少なくとも1つの誘電体材料部分12は、導電性ビア(50、60)の周囲に配置された4つの誘電体材料部分を含む。
【0071】
図14(A)及び(B)を参照すると、本発明の第7の実施形態による第7の例示的な金属相互接続構造体は、第1の実施形態におけると同じプロセス方法を用い、少なくとも1つの誘電体材料部分12の数及び配置を修正して、形成することができる。具体的には、少なくとも1つの誘電体材料部分12は、導電性ビア(50、60)からの電流経路の前側に配置された単一の誘電体材料部分12を含む。第7の例示的な金属相互接続構造体は、第1の例示的な金属相互接続構造体から、電流経路の後ろ側に配置された誘電体材料部分12を除去することにより、得ることができる。
【0072】
導電性ビア(50、60)の水平方向断面形状の質量中心と、誘電体材料部分12の断面形状の質量中心とを接続する方向における、2つの断面領域の重なり領域内の最大距離は、本明細書では横方向重なり距離LODと呼び、これは、第7の例示的な金属相互接続構造体が上層金属ライナ50と下層金属ライナ20の間のライナ・ライナ間接触を保持するためのオーバーレイ許容値の大きさである。第7の実施形態により、横方向重なり距離LODは、誘電体材料部分12と導電性ビア(50、60)の間の横方向オーバーレイ変動の最大値を上回るように設計して、製造プロセス中のオーバーレイ変動に関わらず、ライナ・ライナ間接触が保持されることを保証する。
【0073】
導電性ビア(50、60)からの電流経路は、平面A−A′において水平方向にある。誘電体材料部分は、図15(A)及び(B)に示す本発明の第8の実施形態による第8の例示的な金属相互接続構造体に図示するように、電流経路の後側に配置することができ、又は、図16(A)及び(B)に示す本発明の第9の実施形態による第9の例示的な金属相互接続構造体に図示するように、電流経路の方向の側部に配置することができる。一般に、誘電体材料部分12は、導電性ビア(50、60)からの又はそれへの電流経路に対して、任意の方位角方向に配置することができる。さらに、誘電体材料部分12は、上述の少なくとも1つの誘電体材料部分12のように任意の断面形状を有することができる。第7から第9までの実施形態及びそれらの変形物におけるように、1つの誘電体材料部分のみを用いるとき、横方向重なり距離LODは、誘電体材料部分12と導電性ビア(50、60)の間の横方向オーバーレイ変動の最大値を上回るように設計して、製造プロセス中のオーバーレイ変動に関わらず、ライナ・ライナ間接触が保持されることを保証する。
【0074】
本発明は、特定の実施形態に関して説明したが、上記の説明を考慮すれば、多くの代替物、修正物、及び変形物が当業者には明らかとなることは明白である。従って、本発明は、本発明の範囲及び精神、並びに添付の特許請求の範囲内に入るそのような全ての代替物、修正物、及び変形物を包含することを意図するものである。
【符号の説明】
【0075】
3、3′:下層レベルの金属相互接続構造体
6、6′:上層レベルの金属相互接続構造体
10:下層誘電体材料層
12:誘電体材料部分
15:凹ませた面
17:最上面
19:ライン・トレンチ
19′:ビア・キャビティ
20:下層金属ライナ
30:ライン・レベル金属部分
40:上層誘電体材料層
42:随意的な誘電体キャップ層
50:上層金属ライナ
59:ビア・キャビティ
60:ビア・レベル金属部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下層誘電体材料層、並びに前記下層誘電体材料層中に埋め込まれ、下層金属ライナ及びライン・レベル金属部分を含む金属ラインを備えた、下層レベルの金属相互接続構造体と、
前記下層レベルの金属相互接続構造体に垂直方向に当接し、上層誘電体材料層、並びに上層金属ライナ及びビア・レベル金属部分を含む導電性ビアを備えた、上層レベルの金属相互接続構造体と、
を備え、前記下層金属ライナは前記上層金属ライナに直接接触する、金属相互接続構造体。
【請求項2】
前記下層金属ライナの側壁は前記上層金属ライナの底面に直接隣接する、請求項1に記載の金属相互接続構造体。
【請求項3】
前記下層誘電体材料層と一体構造の、前記下層金属ライナに横方向に当接し且つそれにより囲まれる、少なくとも1つの誘電体材料部分をさらに備え、
前記下層金属ライナの一部分は、前記ライン・レベル金属部分に横方向に当接し且つそれにより囲まれ、前記上層金属ライナに垂直方向に当接する、
請求項1に記載の金属相互接続構造体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの誘電体材料部分は、前記下層金属ライナと、前記下層誘電体材料層と、前記上層金属相互接続構造体とによって閉じ込められ、
前記少なくとも1つの誘電体材料部分の底面は、前記下層誘電体材料層に垂直方向に当接する、
請求項3に記載の金属相互接続構造体。
【請求項5】
前記下層誘電体材料層と一体構造の、且つそれに横方向に当接する、少なくとも1つの誘電体材料部分をさらに備え、
前記下層金属ライナの側壁は、前記下層誘電体材料層から前記導電性ビアに向かって横方向に凹まされ、
前記下層金属ライナの一部分は、前記少なくとも1つの誘電体材料部分に横方向に当接し、前記上層金属ライナに垂直方向に当接する、
請求項1に記載の金属相互接続構造体。
【請求項6】
前記下層誘電体材料層と一体構造の、且つそれに垂直方向に当接する、複数の誘電体材料部分をさらに備え、
前記下層金属ライナの少なくとも一部分は、前記複数の誘電体材料部分のうちの1つに横方向に当接し、前記上層金属ライナに垂直方向に当接する、
請求項1に記載の金属相互接続構造体。
【請求項7】
前記下層金属ライナの一部分は、前記複数の誘電体材料部分の各々に横方向に当接する、請求項6に記載の金属相互接続構造体。
【請求項8】
前記複数の誘電体材料部分は、前記下層レベルの金属相互接続構造体と前記上層レベルの金属相互接続構造体との間の平面の界面に対して実質的に直角の垂直軸の回りのn回回転対称を有し、
nは1より大きい整数であり、
前記垂直軸は前記導電性ビアと交差し、
前記垂直軸から前記複数の誘電体材料部分の各々までの距離は、前記導電性ビアの横方向の寸法よりも小さい、
請求項6に記載の金属相互接続構造体。
【請求項9】
前記下層金属ライナの表面部分は、前記上層金属ライナの表面部分に垂直方向に当接する、請求項1に記載の金属相互接続構造体。
【請求項10】
前記下層誘電体材料層と一体構造の、前記下層金属ライナに横方向に当接し且つそれにより囲まれ、前記上層金属ライナに垂直方向に当接する、少なくとも1つの誘電体材料部分をさらに備える、請求項1に記載の金属相互接続構造体。
【請求項11】
前記下層誘電体材料層と一体構造の、且つそれに横方向に当接し、前記上層金属ライナに垂直方向に当接する、少なくとも1つの誘電体材料部分をさらに備える、請求項1に記載の金属相互接続構造体。
【請求項12】
前記ライン・レベル金属部分の各々は、銅、アルミニウム、タングステン、金、及び、銀のうちの1つを含み、前記下層金属ライナ及び前記上層金属ライナの各々は、導電性金属Ti、Ta、及びCoWPの窒化物を含む、請求項1に記載の金属相互接続構造体。
【請求項13】
前記下層誘電体材料層及び前記上層誘電体材料層の各々は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、有機シリケートガラス(OSG)、3.0未満の誘電定数を有する低k化学気相堆積(CVD)酸化物、スピンオン・ガラス(SOG)、及び、3.0未満の誘電定数を有するスピンオン低k誘電体材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の金属相互接続構造体。
【請求項14】
金属相互接続構造体を製造する方法であって、
下層誘電体材料層のパターン化領域を垂直方向に凹ませることにより、ライン・トレンチ及び少なくとも1つの誘電体材料部分を形成することであって、前記少なくとも1つの誘電体材料部分の側壁が前記少なくとも1つの誘電体材料部分を横方向に囲み、又は前記少なくとも1つの誘電体材料部分の側壁は横方向に前記ライン・トレンチの中に突き出るように、前記形成することと、
前記ライン・トレンチ内に、下層金属ライナ及びライン・レベル金属部分を含む金属ラインを形成することと、
前記金属ライン上に上層誘電体材料層を形成することと、
前記上層誘電体材料層内に導電性ビアを形成することと、
を含み、前記下層金属ライナは前記上層金属ライナに直接接触する、前記方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの誘電体材料部分は、前記下層誘電体材料層の最上面と実質的に同一平面上にある上面を有し、前記下層誘電体材料層と一体構造のものであり、
前記少なくとも1つの誘電体材料部分の側壁は、前記ライン・トレンチの側壁の一部分を構成し、
前記下層誘電体材料層の前記最上面は、前記下層金属ライナ及び前記ライン・レベル金属部分の上面と実質的に同一平面上にある、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記上層誘電体材料層内にビア・キャビティを形成することをさらに含み、
前記下層金属ライナの一部分は前記ビア・キャビティの底面に露出する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの誘電体材料部分は、前記ビア・キャビティの前記底面に露出する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの誘電体材料部分は、前記下層誘電体材料層と一体構造のものであり且つそれに垂直方向に当接し、
前記下層金属ライナの一部分は、前記少なくとも1つの誘電体材料部分に横方向に当接し且つそれを囲み、
前記下層金属ライナの前記部分は、前記ライン・レベル金属部分に横方向に当接し且つそれにより囲まれ、前記上層金属ライナに垂直方向に当接する、
請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの誘電体材料部分は、前記下層誘電体材料層と一体構造のものであり且つそれに横方向に当接し、
前記下層金属ライナの側壁は、前記下層誘電体材料層から前記導電性ビアに向かって横方向に凹まされ、
前記下層金属ライナの一部分は、前記少なくとも1つの誘電体材料部分に横方向に当接し、前記上層金属ライナに垂直方向に当接する、
請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの誘電体材料部分は、前記下層誘電体材料層と一体構造の、且つそれに垂直方向に当接する、複数の誘電体材料部分を含み、
前記下層金属ライナの少なくとも一部分は、前記複数の誘電体材料部分のうちの1つに横方向に当接し、前記上層金属ライナに垂直方向に当接する、
請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−157697(P2010−157697A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267389(P2009−267389)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】