説明

エンジン回転停止制御装置

【課題】エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動のばらつきを小さくして、エンジン回転停止制御の精度を向上させる。
【解決手段】実エンジン回転挙動を目標軌道に合わせるようにオルタネータ33の負荷を制御するエンジン回転停止制御の開始前に、エンジン11のコンプレッションに影響を与える吸気管圧力Pm を所定の許容範囲内に制御する吸気管圧力調整処理を実行し、この吸気管圧力調整処理によって吸気管圧力Pm が許容範囲内に制御された後に、エンジン回転停止制御を実行することで、吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御して吸気管圧力Pm のばらつきを小さくした状態(コンプレッションのばらつきを小さくした状態)で、エンジン回転停止制御を実行する。これにより、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動のばらつきを小さくして、停止クランク角のばらつきを小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン回転停止位置(停止クランク角)を制御する機能を備えたエンジン回転停止制御装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、特許文献1(特開2008−215230号公報)に記載されているように、エンジン自動停止・始動システム(アイドルストップシステム)を搭載した車両では、再始動性を向上させるために、エンジン停止時(アイドルストップ時)にエンジン回転停止位置(停止クランク角)を始動に適したクランク角範囲に制御することを目的として、エンジン回転が目標停止クランク角で停止するまでの回転挙動を目標軌道として算出し、エンジン回転を停止させる際に実エンジン回転挙動を目標軌道に合わせるように発電機(オルタネータ)の負荷トルクを制御するエンジン回転停止制御を行うようにしたものがある。具体的には、実エンジン回転挙動を目標軌道に合わせるように発電機の要求負荷トルクを算出し、発電機の負荷トルク特性(発電指令値とエンジン回転速度と負荷トルクとの関係)を用いて、現在のエンジン回転速度と要求負荷トルクに応じた発電指令値を算出し、この発電指令値で発電機の発電制御電流(フィールド電流)を制御して発電機の負荷トルクを制御するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−215230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エンジン回転停止制御の際に、エンジン回転速度が発電機の発電限界回転速度以下に低下すると、発電機の負荷トルクがほとんど発生しなくなる(図3参照)。このような回転速度領域では、発電機の負荷トルクの影響をほとんど受けずにエンジン回転速度が低下してエンジン回転が停止するため、所定の基準タイミング(例えばTDC)を通過する際のエンジン回転速度に応じた停止クランク角でエンジン回転が停止する。
【0005】
このような特性に着目して、本出願人は、基準タイミングのエンジン回転速度(基準タイミングを通過する際のエンジン回転速度)と停止クランク角との関係を用いて、停止クランク角が目標停止クランク角となる基準タイミングのエンジン回転速度を基準回転速度として求め、この基準回転速度を初期値としてクランク角を溯る方向に目標軌道を設定して、エンジン回転を停止させる際に実エンジン回転挙動を目標軌道に合わせるように発電機の負荷トルクを制御することで、実エンジン回転速度が基準回転速度を通過するように制御するエンジン回転停止制御を研究しているが、その研究過程で次のような新たな課題が判明した。
【0006】
図8に示すように、エンジン回転停止制御を実行する際の吸気管圧力が異なると、コンプレッション(例えば圧縮時の筒内圧力)が変化して、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動が変化するため、基準タイミングのエンジン回転速度と停止クランク角との関係が変化する。このため、エンジン回転停止制御を実行する際の吸気管圧力のばらつきが大きい(コンプレッションのばらつきが大きい)と、実エンジン回転速度が基準回転速度(例えば370rpm)を通過するように制御しても、停止クランク角のばらつきが大きくなって、エンジン回転停止制御の精度が低下するという問題がある。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動のばらつきを小さくして、エンジン回転停止制御の精度を向上させることができるエンジン回転停止制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、エンジン回転が目標停止クランク角で停止するようにエンジン回転挙動の目標軌道を算出する目標軌道算出手段と、エンジン停止要求に応じてエンジン回転を停止させる際に実エンジン回転挙動を目標軌道に合わせるように発電機の負荷を制御するエンジン回転停止制御を実行する停止制御手段とを備えたエンジン回転停止制御装置において、エンジン回転停止制御の開始前に、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動の変動要因となる制御パラメータを所定の許容範囲内に制御する制御パラメータ調整手段を備え、停止制御手段は、制御パラメータ調整手段により制御パラメータが許容範囲内に制御された後に、エンジン回転停止制御を実行するようにしたものである。
【0009】
この構成では、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動の変動要因となる制御パラメータを許容範囲内に制御して、制御パラメータのばらつきを小さくした状態(制御パラメータをほぼ一定にした状態)で、エンジン回転停止制御を実行することができる。これにより、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動のばらつきを小さくすることができるため、停止クランク角のばらつきを小さくすることができ、エンジン回転停止制御の精度を向上させることができる。
【0010】
具体的には、請求項2のように、エンジンのコンプレッションに影響を与える制御パラメータを許容範囲内に制御するようにすると良い。このようにすれば、コンプレッション(例えば圧縮時の筒内圧力)に影響を与える制御パラメータのばらつきを小さくして、コンプレッションのばらつきを小さくすることができ、これにより、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動のばらつきを小さくすることができる。
【0011】
この場合、請求項3のように、コンプレッションに影響を与える制御パラメータとして吸気管圧力又は吸入空気量を許容範囲内に制御するようにすると良い。吸気管圧力や吸入空気量が変化すると、筒内充填空気量が変化してコンプレッションが変化するため、吸気管圧力や吸入空気量を許容範囲内に制御すれば、吸気管圧力や吸入空気量のばらつきを小さくして、コンプレッションのばらつきを小さくすることができる。
【0012】
また、請求項4のように、スロットルバルブ、可変バルブタイミング装置、可変バルブリフト装置、パージ制御弁、アイドル回転速度制御弁、タンブル制御弁、スワール制御弁のうちの少なくとも1つを制御して吸気管圧力又は吸入空気量を許容範囲内に制御するようにしても良い。スロットルバルブ、可変バルブタイミング装置、可変バルブリフト装置、パージ制御弁、アイドル回転速度制御弁、タンブル制御弁、スワール制御弁等を制御すれば、吸気管圧力や吸入空気量を変化させることができるため、吸気管圧力や吸入空気量を許容範囲内に制御することができる。
【0013】
この場合、例えば、請求項5のように、吸気管圧力又は吸入空気量が許容範囲の上限値よりも大きい場合にスロットルバルブの開度を小さくして吸気管圧力又は吸入空気量を許容範囲内に制御するようにしても良い。吸気管圧力や吸入空気量が許容範囲の上限値よりも大きい場合にスロットル開度(スロットルバルブの開度)を小さくすれば、吸気管圧力や吸入空気量を低下させて許容範囲内に制御することができる。
【0014】
ところで、エンジン回転停止制御の開始前に、制御パラメータ(例えば吸気管圧力や吸入空気量)を許容範囲内に制御すると、その制御パラメータ(例えば吸気管圧力や吸入空気量)の変化によってエンジン回転速度が変動してしまう可能性がある。
【0015】
そこで、請求項6のように、制御パラメータを許容範囲内に制御する際にエンジン回転速度の変動を抑制するように他の制御パラメータを補正するようにしても良い。このようにすれば、制御パラメータ(例えば吸気管圧力や吸入空気量)の変化によるエンジン回転速度の変動を他の制御パラメータ(例えば点火時期)の補正によって抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の一実施例におけるエンジン制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は目標軌道の算出方法を説明する図である。
【図3】図3はオルタネータ負荷特性を説明する図である。
【図4】図4はエンジン回転停止制御時の見掛上のオルタネータ負荷特性を説明する図である。
【図5】図5(a)は基準負荷トルクTref(Ne(i))=0に設定してエンジン回転停止制御を行った比較例を説明するタイムチャートであり、図5(b)は基準負荷トルクTref(Ne(i))を最大負荷の半分に設定してエンジン回転停止制御を行った実施例を説明するタイムチャートである。
【図6】図6はエンジンECUのエンジン回転停止制御機能を説明するブロック図である。
【図7】図7は負荷トルク特性のマップの一例を概略的に示す図である。
【図8】図8は停止クランク角のばらつきが大きくなる不具合を説明するための図である。
【図9】図9は吸気管圧力調整処理を説明するタイムチャートである。
【図10】図10は目標軌道算出ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【図11】図11は吸気管圧力調整ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【図12】図12はエンジン回転停止制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の構成を概略的に説明する。
エンジン11の吸気ポート12に接続された吸気管13の途中には、スロットルバルブ14が設けられ、このスロットルバルブ14の開度(スロットル開度)がスロットル開度センサ15によって検出される。また、スロットルバルブ14の下流側には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられ、各気筒の吸気ポート12の近傍には、それぞれ吸気ポート12に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁19が取り付けられている。
【0018】
一方、エンジン11の排気ポート20に接続された排気管21の途中には、排気ガス浄化用の触媒22が設置されている。エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ23が設けられている。エンジン11のクランク軸24に取り付けられたシグナルロータ25の外周に対向してクランク角センサ26が設置され、このクランク角センサ26からシグナルロータ25の回転に同期して所定クランク角毎(例えば30℃A毎)にクランクパルス信号が出力される。また、エンジン11のカム軸27に取り付けられたシグナルロータ28の外周に対向してカム角センサ29が設置され、このカム角センサ29からシグナルロータ28の回転に同期して所定のカム角でカムパルス信号が出力される。
【0019】
また、オルタネータ33(発電機)には、クランク軸24に連結されたクランクプーリ34の回転がベルト35を介して伝達される。これにより、エンジン11の動力でオルタネータ33が回転駆動されて発電するようになっている。このオルタネータ33の発電制御電流(フィールド電流)をデューティ制御することで、オルタネータ33の負荷を制御することができる。
【0020】
上述した各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「エンジンECU」と表記する)30に入力される。このエンジンECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、各種センサで検出したエンジン運転状態に応じて、燃料噴射弁19の燃料噴射量や燃料噴射時期、点火プラグ31の点火時期を制御すると共に、エンジン運転中に所定の自動停止条件(例えばアクセル全閉、ブレーキ操作中、アイドル運転中等の条件)が成立してエンジン停止要求が発生したときに、燃焼(燃料噴射及び/又は点火)を停止させてエンジン回転を停止させるアイドルストップを実行し、このアイドルストップによるエンジン回転停止中(アイドルストップ中)に運転者が車両発進のための準備操作(ブレーキ解除、シフトレバーのドライブレンジへの操作等)や発進操作(アクセル踏み込み等)が行われたとき、或は車載機器の制御システムからの始動要求が発生したときに、所定の自動始動条件が成立してスタータ(図示せず)に通電してエンジン11をクランキングして再始動させる。
【0021】
更に、エンジンECU30は、後述する図10乃至図12の各ルーチンを実行することで、エンジン回転が目標停止クランク角で停止するようにエンジン回転挙動の目標軌道を算出する目標軌道算出手段として機能すると共に、エンジン停止要求に応じてエンジン回転を停止させる際に実エンジン回転挙動を目標軌道に合わせるようにオルタネータ33の負荷を制御するエンジン回転停止制御を実行する停止制御手段として機能する。
【0022】
エンジン回転停止制御の際に、エンジン回転速度がオルタネータ33の発電限界回転速度以下に低下すると、オルタネータ33の負荷トルクがほとんど発生しなくなる(図3参照)。このような回転速度領域では、オルタネータ33の負荷トルクの影響をほとんど受けずにエンジン回転速度が低下してエンジン回転が停止するため、所定の基準タイミングを通過する際のエンジン回転速度に応じた停止クランク角でエンジン回転が停止する。ここで、基準タイミングは、エンジン回転速度がオルタネータ33の発電限界回転速度以下の回転速度領域でクランク角が所定位置(例えばTDC)となるタイミングである。
【0023】
このような特性に着目して、本実施例では、基準タイミングのエンジン回転速度(基準タイミングを通過する際のエンジン回転速度)と停止クランク角との関係を用いて、停止クランク角が目標停止クランク角となる基準タイミングのエンジン回転速度を基準回転速度として求め、目標軌道は、この基準回転速度に至るまでのクランク角と目標エンジン回転速度との関係を所定クランク角間隔で算出してテーブル(図示せず)に割り付けたものである。この目標軌道は、例えば、ロストルクを考慮したエネルギ保存則の関係式を用いて、基準回転速度を初期値としてクランク角を溯る方向に所定クランク角Δθ毎(例えばTDC毎)に算出される(図2参照)。
【0024】
エネルギ保存則の関係式は次式で表される。
Ne(i+1)2 =Ne(i)2 +2/J×{Tloss( θ(i) ) −Tref(Ne(i))}×Δθ
ここで、Ne(i+1)は、現時点(i) よりも所定クランク角Δθ前の時点(i+1) のエンジン回転速度であり、Ne(i)は現時点(i) のエンジン回転速度である。また、Jはエンジン11の慣性モーメントである。Tloss( θ(i) )は、現時点(i) のクランク角θ(i) におけるポンピングロスとフリクションロスを合計したロストルクであり、予め設定されたマップ等を用いて現時点(i) のクランク角θ(i) に応じたロストルクTloss( θ(i) )が算出される。Tref(Ne(i))は現時点(i) のエンジン回転速度Ne(i)におけるオルタネータ33の基準負荷トルクである。
【0025】
上記エネルギ保存則の関係式において、「Tloss( θ(i) )−Tref(Ne(i))」は、ポンピングロスとフリクションロスとオルタネータ33の基準負荷トルクTref(Ne(i))を合計したロストルクに相当する。
【0026】
本実施例では、オルタネータ33の基準負荷トルクTref(Ne(i))は、図3に示すようにオルタネータ33の制御可能な最大負荷の半分(1/2)に設定されている。このようにすれば、オルタネータ33は、モータジェネレータとは異なり、アシストトルクを出力できないという事情があっても、仮想的にオルタネータ33の負荷トルクを正負両方向に制御することが可能となり(基準負荷Tref 以下の負荷トルクを仮想的に負の負荷トルクとし、基準負荷Tref 以上の負荷トルクを正の負荷トルクとしてオルタネータ33の負荷トルクを制御することが可能となり)、目標軌道へのエンジン回転挙動の追従性を向上することができる。
【0027】
尚、オルタネータ33の基準負荷トルクTref(Ne(i))は、最大負荷の半分(1/2)に限定されず、例えば、最大負荷の1/3、1/4、2/3、3/4等であっても良く、要は、オルタネータ33の制御可能な最大負荷よりも小さく、0よりも大きい適宜の負荷を基準負荷トルクTref(Ne(i))に設定すれば良い。
0<Tref(Ne(i))<最大負荷
【0028】
図5(a)は、基準負荷トルクTref(Ne(i))=0に設定してエンジン回転停止制御を行った比較例を示している。この比較例では、オルタネータ33の負荷トルクを正方向にしか制御できないため、実エンジン回転挙動がオーバーシュートした場合は、実エンジン回転挙動を目標軌道に一致させることができなくなる。
【0029】
これに対して、本実施例のように、オルタネータ33の基準負荷トルクTref(Ne(i))を最大負荷よりも小さい適宜の負荷に設定すれば、図4に示すように、仮想的にオルタネータ33の負荷トルクを正負両方向に制御することが可能となるため、図5(b)に示すように、実回転挙動がオーバーシュートした場合でも、実回転挙動を目標軌道に一致させることができる。
【0030】
更に、本実施例では、図6に示すように、目標軌道を算出する際に、オルタネータ33の基準負荷トルクTref(Ne(i))に応じた目標軌道を算出し、エンジン回転停止制御中は、エンジン回転速度Ne(i)に応じた基準負荷トルクTref(Ne(i))を算出すると共に、現時点(i) のクランク角θ(i) における目標エンジン回転速度と実エンジン回転速度との偏差を小さくするようにベース負荷トルクを算出して、このベース負荷トルクに基準負荷トルクTref(Ne(i))を加算して要求負荷トルクTalt を求める(実際には、この要求負荷トルクTalt にプーリ比Ratioを乗算して要求軸トルクTalt.final に変換する)。
【0031】
この後、図7に示すオルタネータ33の負荷トルク特性を用いて、オルタネータ33の要求負荷トルクTalt (要求軸トルクTalt.final )とエンジン回転速度Ne (又はエンジン回転速度Ne にプーリ比Ratioを乗算して求めたオルタネータ33の回転速度Nalt )に応じた発電指令値(デューティDuty )を算出する。この際、要求負荷トルクTalt とエンジン回転速度Ne (又はオルタネータ33の回転速度Nalt )から発電指令値(デューティDuty )を直接算出するようにしても良いが、要求負荷トルクTalt とエンジン回転速度Ne (又はオルタネータ33の回転速度Nalt )から要求フィールド電流(要求励磁電流)を算出し、この要求フィールド電流から発電指令値(デューティDuty )を算出するようにしても良い。
【0032】
尚、図7に示す負荷トルク特性は、オルタネータ33の出力電圧が所定値(例えば13.5V)で一定の場合の特性であり、出力電圧毎に同様の特性が設定されている。この発電指令値(デューティDuty )に基づいてオルタネータ33の発電制御電流(フィールド電流)を制御してオルタネータ33の負荷トルクを制御する。
【0033】
このようなオルタネータ33の負荷トルクの制御を、エンジン回転速度がオルタネータ33の発電限界回転速度Nelow(図3参照)以下に低下するまで所定クランク角間隔で周期的に実行することで、実エンジン回転挙動を目標軌道に合わせるようにオルタネータ33の負荷トルクをフィードバック制御するエンジン回転停止制御を行う。
【0034】
エンジン回転停止制御の際に、エンジンECU30は、所定クランク角周期で発電指令値を演算し、この発電指令値をCAN(Controller Area Network )通信等により所定時間周期で電源系ECU36(図1参照)に送信する。更に、電源系ECU36は、受信した発電指令値をLIN(Local Interconnect Network)通信等により所定時間周期でオルタネータ33に送信する。
【0035】
ところで、図8に示すように、エンジン回転停止制御を実行する際の吸気管圧力Pm が変化すると、コンプレッション(例えば圧縮時の筒内圧力)が変化して、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動が変化するため、基準タイミングのエンジン回転速度と停止クランク角との関係が変化する。このため、エンジン回転停止制御を実行する際の吸気管圧力Pm のばらつきが大きい(コンプレッションのばらつきが大きい)と、実エンジン回転速度が基準回転速度(例えば370rpm)を通過するように制御しても、停止クランク角のばらつきが大きくなって、エンジン回転停止制御の精度が低下する。
【0036】
この対策として、本実施例では、エンジン回転停止制御の開始前に、エンジン11のコンプレッションに影響を与える吸気管圧力Pm (エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動の変動要因となる制御パラメータ)を所定の許容範囲内に制御する吸気管圧力調整処理を実行し、この吸気管圧力調整処理によって吸気管圧力Pm が許容範囲内に制御された後に、エンジン回転停止制御を実行することで、吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御して吸気管圧力Pm のばらつきを小さくして吸気管圧力Pm をほぼ一定にした状態(コンプレッションのばらつきを小さくしてコンプレッションをほぼ一定にした状態)で、エンジン回転停止制御を実行する。
【0037】
具体的には、図9に示すように、エンジン運転中にエンジン停止要求(アイドルストップ要求)が発生してエンジン停止要求フラグが「1」にセットされた時点t1 で、吸気管圧力Pm が許容範囲(例えばアイドル運転時の吸気管圧力Pm の変動範囲)内であるか否かを判定し、吸気管圧力Pm が許容範囲外であれば、吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御する吸気管圧力調整処理を実行する。例えば、吸気管圧力Pm が許容範囲の上限値よりも高い場合には、スロットル開度を小さくして吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御し、吸気管圧力Pm が許容範囲の下限値よりも低い場合には、スロットル開度を大きくして吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御する。
【0038】
その後、この吸気管圧力調整処理によって吸気管圧力Pm が許容範囲内に制御された時点t2 で、燃料カット要求フラグを「1」にセットして、燃料噴射を停止する燃料カットを実行することで、エンジン11の燃焼を停止させると共に、エンジン回転停止制御許可フラグを「1」にセットして、実エンジン回転挙動を目標軌道に合わせるようにオルタネータ33の負荷を制御するエンジン回転停止制御を実行する。
【0039】
以上説明した本実施例のエンジン回転停止制御は、エンジンECU30によって図10乃至図12の各ルーチンに従って実行される。以下、これら各ルーチンの処理内容を説明する。
【0040】
[目標軌道算出ルーチン]
図10に示す目標軌道算出ルーチンは、エンジンECU30の電源オン中に所定周期(所定クランク角周期)で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、目標軌道算出完了フラグが目標軌道の算出前を意味する「0」にセットされているか否かを判定し、この目標軌道算出完了フラグが目標軌道算出完了を意味する「1」にセットされていれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0041】
一方、このステップ101で、目標軌道算出完了フラグ=0(目標軌道の算出前)と判定されれば、ステップ102に進み、ロストルクTloss( θ(i) )とオルタネータ33の基準負荷トルクTref(Ne(i))を用いて、次式で表されるエネルギ保存則の関係式を用いて次の時点(i+1) の目標エンジン回転速度Ne(i+1)の二乗を算出する。
【0042】
Ne(i+1)2 =Ne(i)2 +2/J×{Tloss( θ(i) )−Tref(Ne(i))}×Δθ
ここで、Jはエンジン11の慣性モーメント、Tloss( θ(i) )は、ポンピングロスとフリクションロスを合計したロストルクであり、予め設定されたマップ等を用いて、現時点(i) のクランク角θ(i) に応じたロストルクTloss( θ(i) )を算出する。
【0043】
上記エネルギ保存則の関係式において、「Tloss( θ(i) )−Tref(Ne(i))」は、ポンピングロスとフリクションロスとオルタネータ33の基準負荷トルクTref(Ne(i))を合計したロストルクに相当する。
【0044】
初期値は、i=0、θ(0) =基準タイミングのクランク角、Ne(0)=基準回転速度である。この基準回転速度Ne(0)は、停止クランク角が目標停止クランク角となる基準タイミングのエンジン回転速度である。目標軌道は、基準回転速度Ne(0)を初期値としてクランク角を溯る方向に所定クランク角Δθ毎(例えばTDC毎)に算出する。
【0045】
この後、ステップ103に進み、目標エンジン回転速度Ne(i+1)の二乗がエンジン回転停止制御を実行可能な最大エンジン回転速度Nemaxの二乗を越えたか否かを判定し、まだ最大エンジン回転速度Nemaxの二乗を越えていなければ、ステップ104に進み、目標軌道算出完了フラグを「0」に維持する(セットし直す)。
【0046】
この後、ステップ106に進み、目標エンジン回転速度Ne(i+1)の二乗の平方根を算出して目標エンジン回転速度Ne(i+1)を求め、これを目標軌道のテーブル(図示せず)に割り付けて、本ルーチンを終了する。尚、エンジンECU30の演算負荷を低減するため、エンジン回転速度の二乗をそのままテーブルに割り付けても良い。目標軌道のテーブルは、エンジンECU30のメモリに記憶される。
【0047】
以上のような処理を繰り返して、基準回転速度Ne(0)を初期値としてクランク角を溯る方向に所定クランク角毎(例えばTDC毎)に目標エンジン回転速度Ne(i+1)の二乗を算出して目標軌道のテーブルに目標エンジン回転速度Ne(i+1)を割り付ける処理を繰り返す。そして、上記ステップ103で、目標エンジン回転速度Ne(i+1)の二乗がエンジン回転停止制御を実行可能な最大エンジン回転速度Nemaxの二乗を越えたと判定された時点で、ステップ105に進み、目標軌道算出完了フラグを目標軌道算出完了を意味する「1」にセットして、ステップ106に進み、最後の目標エンジン回転速度Ne(i+1)の二乗の平方根を算出して目標エンジン回転速度Ne(i+1)を求め、これを目標軌道のテーブルに割り付けて、本ルーチンを終了する。
【0048】
[吸気管圧力調整ルーチン]
図11に示す吸気管圧力調整ルーチンは、エンジンECU30の電源オン中に所定周期(所定クランク角周期)で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう制御パラメータ調整手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、エンジン停止要求(アイドルストップ要求)が発生したか否かを判定し、エンジン停止要求が発生していなければ、ステップ206に進み、燃料カット要求フラグを「0」に維持すると共に、エンジン回転停止制御許可フラグを「0」に維持したまま、本ルーチンを終了する。
【0049】
その後、上記ステップ201で、エンジン停止要求が発生したと判定された時点で、ステップ202に進み、吸気管圧力センサ18で検出した吸気管圧力Pm が許容範囲内であるか否かを判定する。ここで、許容範囲は、例えば、アイドル運転時の吸気管圧力Pm の変動範囲に設定されている。
【0050】
このステップ202で、吸気管圧力Pm が許容範囲内であると判定された場合には、ステップ207に進み、燃料カット要求フラグを「1」にセットすると共に、エンジン回転停止制御許可フラグを「1」にセットして、本ルーチンを終了する。
【0051】
一方、上記ステップ202で、吸気管圧力Pm が許容範囲内ではない(吸気管圧力Pm が許容範囲外である)と判定された場合には、ステップ203に進み、スロットル開度を制御して吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御する吸気管圧力調整処理を実行する。例えば、吸気管圧力Pm が許容範囲の上限値よりも高い場合には、吸気管圧力Pm と許容範囲の上限値との差に応じた減少補正量だけスロットル開度を小さくして、吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御する。一方、吸気管圧力Pm が許容範囲の下限値よりも低い場合には、許容範囲の下限値と吸気管圧力Pm との差に応じた増量補正量だけスロットル開度を大きくして、吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御する。
【0052】
この後、ステップ204に進み、吸気管圧力Pm の変化によるエンジン回転速度の変動を抑制するように点火時期(又はオルタネータ33の負荷)を補正する。この場合、例えば、スロットル開度の変化量に応じた補正量だけ点火時期(又はオルタネータ33の負荷)を補正する。
【0053】
この後、ステップ205に進み、吸気管圧力Pm が許容範囲内であるか否かを判定し、まだ吸気管圧力Pm が許容範囲外であると判定されれば、ステップ206に進み、燃料カット要求フラグを「0」に維持すると共に、エンジン回転停止制御許可フラグを「0」に維持したまま、本ルーチンを終了する。
【0054】
その後、上記ステップ205で、吸気管圧力Pm が許容範囲内であると判定された時点で、ステップ207に進み、燃料カット要求フラグを「1」にセットすると共に、エンジン回転停止制御許可フラグを「1」にセットして、本ルーチンを終了する。
【0055】
[エンジン回転停止制御ルーチン]
図12に示すエンジン回転停止制御ルーチンは、エンジンECU30の電源オン中に所定周期(所定クランク角周期)で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、エンジン回転停止制御許可フラグがエンジン回転停止制御の許可を意味する「1」にセットされているか否かを判定し、エンジン回転停止制御許可フラグが「0」であれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0056】
その後、上記ステップ301で、エンジン回転停止制御許可フラグ=1と判定された時点で、ステップ302に進み、現在のクランク角θとエンジン回転速度Ne を算出する。この後、ステップ303に進み、現在のクランク角θがオルタネータ33の負荷トルクの制御タイミング(例えばTDC)であるか否かを判定し、オルタネータ33の負荷トルクの制御タイミングでなければ、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0057】
上記ステップ303で、現在のクランク角θがオルタネータ33の負荷トルクの制御タイミングであると判定されれば、ステップ304に進み、現在のエンジン回転速度Ne がエンジン回転停止制御を実行可能な最大エンジン回転速度Nemaxよりも低いか否かを判定し、現在のエンジン回転速度Ne が最大エンジン回転速度Nemax以上であれば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0058】
その後、上記ステップ304で、現在のエンジン回転速度Ne が最大エンジン回転速度Nemaxよりも低いと判定されれば、ステップ305に進み、エンジン11が燃焼中であるか否かを判定する。このステップ305で、エンジン停止要求が発生した直後でエンジン11がまだ燃焼中であると判定されれば、ステップ306に進み、エンジン回転停止制御を開始する際のオルタネータ33の要求負荷トルクTalt を初期値(例えば基準負荷トルクTref(Ne) )に設定する。
Talt =Tref(Ne)
【0059】
その後、上記ステップ305で、エンジン11の燃焼が停止したと判定された場合には、ステップ307に進み、目標軌道のテーブルを参照して、今回の制御タイミングに対応した目標エンジン回転速度Netg を求める。ここで、車両がMT車(マニュアルミッション車)の場合は、クラッチが開放状態かどうかを判断し、クラッチ開放・継合状態に応じた目標軌道を選択するようにしても良い。
【0060】
この後、ステップ308に進み、現在のエンジン回転速度Ne と目標エンジン回転速度Netg とオルタネータ33の基準負荷トルクTref(Ne) を用いて、次式により要求負荷トルクTalt を算出する。
【0061】
【数1】

【0062】
ここで、Jはエンジン11の慣性モーメント、Kはフィードバックゲイン、Δθはクランク角変化量である。
この後、ステップ309に進み、要求負荷トルクTalt にプーリ比Ratioを乗算して、オルタネータ33の要求軸トルクTalt.final に変換する。
【0063】
この後、ステップ310に進み、バッテリ電圧を検出した後、ステップ311に進み、バッテリ電圧毎に作成された複数の負荷トルク特性マップ(図7参照)の中から、現在のバッテリ電圧に対応する負荷トルク特性マップを選択して、現在の要求負荷トルクTalt (要求軸トルクTalt.final )とエンジン回転速度Ne (又はオルタネータ33の回転速度Nalt )に応じた発電指令値(デューティDuty )を算出する。
【0064】
以上説明した本実施例では、エンジン回転停止制御の開始前に、エンジン11のコンプレッションに影響を与える吸気管圧力Pm を所定の許容範囲内に制御する吸気管圧力調整処理を実行し、この吸気管圧力調整処理によって吸気管圧力Pm が許容範囲内に制御された後に、エンジン回転停止制御を実行するようにしたので、吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御して吸気管圧力Pm のばらつきを小さくして吸気管圧力Pm をほぼ一定にした状態(コンプレッションのばらつきを小さくしてコンプレッションをほぼ一定にした状態)で、エンジン回転停止制御を実行することができる。これにより、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動のばらつきを小さくして、基準タイミングのエンジン回転速度と停止クランク角との関係が大きく変化することを防止できるため、停止クランク角のばらつきを小さくすることができ、エンジン回転停止制御の精度を向上させることができる。
【0065】
ところで、エンジン回転停止制御の開始前に、吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御すると、吸気管圧力Pm の変化によってエンジン回転速度が変動してしまう可能性がある。
そこで、本実施例では、吸気管圧力Pm を許容範囲内に制御する際にエンジン回転速度の変動を抑制するように点火時期(又はオルタネータ33の負荷)を補正するようにしたので、吸気管圧力Pm の変化によるエンジン回転速度の変動を点火時期(又はオルタネータ33の負荷)の補正によって抑制することができる。
【0066】
尚、上記実施例では、吸気管圧力調整処理の際に、スロットルバルブを制御して吸気管圧力を許容範囲内に制御するようにしたが、これに限定されず、吸気バルブや排気バルブのバルブタイミング(開閉時期)を調整する可変バルブタイミング装置、吸気バルブや排気バルブのリフト量を調整する可変バルブリフト装置、エバポガスのパージ流量を調整するパージ制御弁、アイドル回転速度を調整するアイドル回転速度制御弁、タンブル流の強度を調整するタンブル制御弁、スワール流の強度を調整するスワール制御弁のうちの1つを制御して吸気管圧力を許容範囲内に制御するようにしても良い。更に、スロットルバルブ、可変バルブタイミング装置、可変バルブリフト装置、パージ制御弁、アイドル回転速度制御弁、タンブル制御弁、スワール制御弁のうちの2つ又は3つ以上を制御して吸気管圧力を許容範囲内に制御するようにしても良い。
【0067】
また、上記実施例では、コンプレッションに影響を与える制御パラメータとして吸気管圧力を許容範囲内に制御するようにしたが、吸入空気量を許容範囲内に制御するようにしても良く、このようにしても、吸入空気量のばらつきを小さくして、コンプレッションのばらつきを小さくすることができる。
【0068】
また、本発明は、吸気管圧力や吸入空気量に限定されず、吸気管圧力や吸入空気量以外で、コンプレッションに影響を与える制御パラメータや、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動の変動要因となる制御パラメータを許容範囲内に制御するようにしても良い。
【0069】
また、本発明は、図1に示すような吸気ポート噴射式エンジンに限定されず、筒内噴射式エンジンや、吸気ポート噴射用の燃料噴射弁と筒内噴射用の燃料噴射弁の両方を備えたデュアル噴射式のエンジンにも適用して実施できる。
【0070】
更に、本発明の適用範囲は、車両の動力源としてエンジンのみを備えた一般的な車両に限定されず、車両の動力源としてエンジンとモータを備えたハイブリッド車に本発明を適用しても良い。
【符号の説明】
【0071】
11…エンジン(内燃機関)、13…吸気管、14…スロットルバルブ、18…吸気管圧力センサ、19…燃料噴射弁、21…排気管、30…エンジンECU(目標軌道算出手段,停止制御手段,制御パラメータ調整手段)、33…オルタネータ(発電機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン回転が目標停止クランク角で停止するようにエンジン回転挙動の目標軌道を算出する目標軌道算出手段と、エンジン停止要求に応じてエンジン回転を停止させる際に実エンジン回転挙動を前記目標軌道に合わせるように発電機の負荷を制御するエンジン回転停止制御を実行する停止制御手段とを備えたエンジン回転停止制御装置において、
前記エンジン回転停止制御の開始前に、エンジン回転が停止する際のエンジン回転挙動の変動要因となる制御パラメータを所定の許容範囲内に制御する制御パラメータ調整手段を備え、
前記停止制御手段は、前記制御パラメータ調整手段により前記制御パラメータが前記許容範囲内に制御された後に、前記エンジン回転停止制御を実行することを特徴とするエンジン回転停止制御装置。
【請求項2】
前記制御パラメータ調整手段は、エンジンのコンプレッションに影響を与える制御パラメータを前記許容範囲内に制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジン回転停止制御装置。
【請求項3】
前記制御パラメータ調整手段は、前記コンプレッションに影響を与える制御パラメータとして吸気管圧力又は吸入空気量を前記許容範囲内に制御することを特徴とする請求項2に記載のエンジン回転停止制御装置。
【請求項4】
前記制御パラメータ調整手段は、スロットルバルブ、可変バルブタイミング装置、可変バルブリフト装置、パージ制御弁、アイドル回転速度制御弁、タンブル制御弁、スワール制御弁のうちの少なくとも1つを制御して吸気管圧力又は吸入空気量を前記許容範囲内に制御することを特徴とする請求項3に記載のエンジン回転停止制御装置。
【請求項5】
前記制御パラメータ調整手段は、吸気管圧力又は吸入空気量が前記許容範囲の上限値よりも大きい場合に前記スロットルバルブの開度を小さくして吸気管圧力又は吸入空気量を前記許容範囲内に制御することを特徴とする請求項4に記載のエンジン回転停止制御装置。
【請求項6】
前記制御パラメータ調整手段は、前記制御パラメータを前記許容範囲内に制御する際にエンジン回転速度の変動を抑制するように他の制御パラメータを補正することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエンジン回転停止制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−82695(P2012−82695A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227053(P2010−227053)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】