説明

ゲートバルブ及びそれを用いた基板処理装置

【課題】アクチュエータの作動力なしで,弁体を基板搬出入口に押しつけた状態で保持することを可能とする。
【解決手段】ゲートバルブ200は,カム機構260により弁体210を進退させて基板搬出入口112を開閉するように構成する。カム機構は例えば弁体の進退方向に直交する方向に摺動自在な長尺部材261と,長尺部材を筐体の背板から支持する支持ローラ290とこれに対向するように弁体210に設けられた弁体駆動用ローラ280と,長尺部材の弁体駆動用ローラ側に設けられた板状カム270とを有し,長尺部材を一方向に摺動させて弁体駆動用ローラを介して弁体を閉じる方向に前進させて基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置で,基板搬出入口側から押し返される力を長尺部材で受けることによって弁体を閉塞位置で保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,基板の搬入出口を開閉するためのゲートバルブ及びそれを用いた基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの基板や液晶基板などのFPD(Flat Panel Display)基板に対して例えばエッチング,成膜などの所定の処理を行う基板処理装置においては,基板を移送するための基板搬出入口を備え,基板搬出入口を閉じた状態で内部を真空雰囲気にするチャンバを複数備える。このようなチャンバとしては,例えば真空圧雰囲気中で基板の処理を行うプロセス処理室(反応容器を含む),真空圧雰囲気で基板を搬送する搬送室,真空雰囲気と大気圧雰囲気との間で基板をやり取りするロードロック室などが挙げられる。
【0003】
ゲートバルブは一般に,上記のように閉じたときに真空雰囲気になるチャンバを気密状態で遮断し,開いたときに基板の移送を可能とする真空バルブであり,チャンバの基板搬出入口を開閉したり,隣接するチャンバ間を仕切ったりするのに用いられる。
【0004】
具体的にはゲートバルブは,水平姿勢で基板を搬出入させるための基板搬出入口を閉塞できるように横長に形成された長尺な板状の弁体を備え,エアシリンダや油圧シリンダなどのアクチュエータで弁体を駆動させて基板搬出入口を開閉するようになっている。この場合,弁体を基板搬送の際に邪魔にならない位置(例えば基板搬出入口よりも下方の位置)から基板搬出入口まで移動させ,基板搬出入口をシールするために所定の押圧力で弁体を基板搬出入口に押しつけながら閉塞させることにより,基板搬出入口を閉じる。
【0005】
このようなゲートバルブとしては,例えば特許文献1に,チャンバの側壁に設けられた筐体内に,油圧シリンダによって昇降する板状のゲートベースを設け,ゲートベースと弁体との両端をリンクで回動自在に連結して平行クランク機構を構成するものが記載されている。これによれば,油圧シリンダを駆動させてゲートベースと共に弁体を上昇させると,弁体が筐体の天井に当接し天井に規制されて前方に押し出される。これにより,昇降用の油圧シリンダを駆動させるだけで,基板搬出入口を押圧しながら閉塞できる。
【0006】
ところが,特許文献1のような構成では,弁体の他にこれと同様の大きさのゲートベースも昇降させなければならないため,その分だけ油圧シリンダの作動力も大きくする必要がある。しかも,昇降用の油圧シリンダだけで弁体の昇降動作の他に,弁体を押圧しながら基板搬出入口を閉塞する動作も行うので,基板搬出入口をシールするのに必要な弁体の押圧力を確保するためには,より作動力の大きな油圧シリンダが必要となる。
【0007】
この点,例えば特許文献2,3に示すように,弁体自体を昇降自在に設け,弁体昇降用のエアシリンダとは別に,弁体の背面から開閉用のエアシリンダの作動力で弁体を押圧しながら閉塞するものもある。これによれば,昇降用のエアシリンダを駆動させて弁体を上昇させた後に,開閉用のエアシリンダだけを駆動させて弁体を基板搬出入口に押しつけて閉塞できるので,弁体昇降用のエアシリンダの負担を軽減できる。
【0008】
【特許文献1】特開平5−196150号公報
【特許文献2】特開2004−316916号公報
【特許文献3】特開2005−76845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら,上述したような昇降用のエアシリンダとは別に設けた開閉用のエアシリンダを駆動することにより弁体を基板搬出入口に押しつけるものでは,その状態で弁体を保持するためにも開閉用のエアシリンダの作動力が必要になる。このため,弁体を基板搬出入口に押しつけて閉塞したまま保持するためには,開閉用のエアシリンダを作動し続ける必要がある。この点は,特許文献1に記載のものも同様であり,弁体を基板搬出入口に押しつけたまま保持するためには,油圧シリンダを作動し続ける必要がある。
【0010】
これでは,例えば油圧シリンダやエアシリンダなどのアクチュエータが故障したり,停電等が発生したりしてアクチュエータの作動力がなくなったり,また作動媒体(作動気体,作動油など)の漏れなどによってアクチュエータの作動力が低下したりすると,チャンバの内側と外側の圧力差により弁体が開いてしまう虞がある。
【0011】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,弁体を駆動させるアクチュエータなどの駆動手段の作動力がなくても,弁体を基板搬出入口に押しつけた状態で保持することができるゲートバルブ及びそれを用いた基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,チャンバの側壁に設けられた基板搬出入口を開閉するためのゲートバルブであって,前記チャンバの側壁に前記基板搬出入口を囲むように設けられた筐体と,前記筐体内で昇降自在に設けられ,前記基板搬出入口を開閉する弁体と,前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口から待避した位置との間で前記弁体を昇降させる昇降駆動手段と,前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置との間で前記弁体を進退させるカム機構により構成した開閉駆動手段とを備え,前記カム機構は,前記弁体の背面側に前記弁体の長手方向に渡って配置され前記筐体に可動自在に支持された長尺部材と,前記長尺部材の動作に伴って前記弁体を押圧駆動するとともに,前記弁体が前記基板搬出入口側から押し返される力を前記長尺部材で受けることによって前記弁体を前記閉塞位置で押圧保持するカムとを有することを特徴とするゲートバルブが提供される。この場合,カムは例えば板状カムであってもよく,また回転カムであってもよい。
【0013】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,複数のチャンバに基板を搬送しながら基板に対して所定の処理を行う基板処理装置であって,前記各チャンバは,その側壁に設けられた基板搬出入口を開閉するためのゲートバルブを備え,前記ゲートバルブは,前記チャンバの側壁に前記基板搬出入口を囲むように設けられた筐体と,前記筐体内で昇降自在に設けられ,前記基板搬出入口を開閉する弁体と,前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口から待避した位置との間で前記弁体を昇降させる昇降駆動手段と,前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置との間で前記弁体を進退させるカム機構により構成した開閉駆動手段とを備え,前記カム機構は,前記弁体の背面側に前記弁体の長手方向に渡って配置され前記筐体に支持された長尺部材により駆動し,この長尺部材から前記弁体を押圧して駆動するとともに,前記弁体が前記基板搬出入口側から押し返される力を前記長尺部材で受けることによって前記弁体を前記閉塞位置で保持するカムを有することを特徴とする基板処理装置が提供される。なお,上記チャンバは,例えば基板の処理を行う処理室,この処理室に接続される搬送室,この搬送室に接続されるロードロック室である。
【0014】
このような本発明によれば,弁体で基板搬出入口を閉塞する際には,昇降駆動手段により弁体を基板搬出入口に対向する位置まで上昇させた後,開閉駆動手段により長尺部材を可動することにより,長尺部材の動作に伴ってカム機構のカムにより弁体が押圧駆動される。これにより,弁体が前進して基板搬出入口を押圧しながら閉塞し,弁体が基板搬出入口側から押し返される力を長尺部材で受けることによって弁体をこの閉塞位置で保持することができる。これにより,例えば長尺部材を駆動するアクチュエータの作動力がなくても,弁体を基板搬出入口に押しつけた状態で保持することができるので,従来のように弁体が開いてしまうことはない。
【0015】
また,上記カムは例えば板状カムで構成し,前記カム機構は,例えば前記筐体に摺動自在に支持された前記長尺部材を前記弁体の進退方向に直交する方向へ摺動させる駆動手段と,前記長尺部材と前記弁体との間に設けられた前記板状カムのカム面に当接して前記弁体を駆動する弁体駆動用ローラとを備え,前記長尺部材の摺動動作を前記弁体の進退動作に変換するようにしてもよい。この場合,上記板状カムは,前記長尺部材を一方向に摺動させることにより,前記弁体駆動用ローラに当接しその弁体駆動用ローラを前記弁体を閉じる方向に前進させて,前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置まで移動させる第1のカム面と,前記弁体が前記基板搬出入口側から押し返される力を前記長尺部材で受けることによって前記弁体を前記閉塞位置で保持する第2のカム面を有するように構成することが好ましい。
【0016】
このような本発明によれば,弁体で基板搬出入口を閉塞する際には,昇降駆動手段により弁体を基板搬出入口に対向する位置まで上昇させた後,長尺部材を一方向に摺動させることにより,弁体駆動用ローラが第1のカム面に当接しながら弁体を前進させて,基板搬出入口を押圧しながら閉塞する。そして,長尺部材をさらに摺動させることによって第2のカム面で弁体駆動用ローラによって弁体は基板搬出入口を押圧しながら閉塞したまま保持される。このときは,例えば長尺部材を駆動するアクチュエータの作動力がなくても,弁体は基板搬出入口側から押し返される力を長尺部材で受けることによって保持することができる。
【0017】
上記板状カムは,前記長尺部材の弁体側に設け,前記弁体駆動用ローラは,前記弁体が前記基板搬出入口に対向する位置にあるときに,前記長尺部材に対向するように前記弁体に設けるようにしてもよい。また,上記板状カムは,前記弁体の長尺部材側に設け,前記弁体駆動用ローラは,前記弁体が前記基板搬出入口に対向する位置にあるときに,前記弁体に対向するように前記長尺部材に設けるようにしてもよい。このように板状カムと弁体駆動用ローラを配置することによって,長尺部材を摺動させることによって弁体を押圧駆動できる。
【0018】
また,上記弁体駆動用ローラは,前記弁体の長手方向に沿って複数配置するとともに,前記板状カムは,前記弁体駆動用ローラに対応する数だけ設け,前記長尺部材を摺動させることによって,前記弁体駆動用ローラのすべてを一斉に駆動させて前記弁体を進退させるとともに,前記弁体駆動用ローラのすべてで前記弁体を押圧しながら前記閉塞位置で保持できるように構成することが好ましい。これによれば,弁体の長手方向のサイズに応じて弁体駆動用ローラの数を変えることができるので,たとえ弁体のサイズが大きくてもそれをシールするのに十分な押圧力で押圧したまま弁体を保持することができる。
【0019】
また,上記長尺部材が前記弁体から受ける力(前記弁体が前記基板搬出入口側から押し返される力)を受け止めるように前記長尺部材をその背面側から支持する支持部材を設けるようにしてもよい。このように,長尺部材をその背面側から支持することにより,弁体から受ける力の方向とは反対側から支持されるので,長尺部材は弁体から受ける力をより強力に受け止めることができる。これにより,弁体をより強力に押圧したまま弁体を保持することができる。
【0020】
この場合,上記支持部材は,前記筐体の背板又は他のチャンバの側壁に設けた支持ローラで構成してもよく,前記長尺部材に設けた支持ローラで構成してもよい。さらに,支持部材を支持ローラで構成した場合,支持ローラは前記弁体が前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときに,前記板状カム及び前記弁体駆動用ローラと前記長尺部材を挟んで直線上に並ぶように配置することが好ましい。これによれば,弁体から受ける力は弁体駆動用ローラと板状カムを介して長尺部材に伝わり,この力をその直線上の反対側に位置する支持ローラで長尺部材を介して直接受けることができるので,長尺部材は弁体から受ける力をより一層強力に受け止めることができる。これにより,弁体をより一層強力に押圧したまま弁体を保持することができる。
【0021】
また,上記昇降駆動手段は,ピストンロッドを伸縮させることによって弁体を鉛直に昇降させるアクチュエータより構成し,前記ピストンロッドの先端は,このピストンロッドに対して前記弁体を前記進退方向にスライド自在な弁体スライド機構を介して,前記弁体をその下方から支持することが好ましい。このような弁体スライド機構の作用によって,アクチュエータによる昇降駆動とは独立して弁体を進退方向に開閉駆動させることができる。このため,昇降用のアクチュエータについては所定の位置に固定すれば足りるので,機構を極めて簡単な構成にすることができる。
【0022】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,チャンバの側壁に設けられた基板搬出入口を開閉するためのゲートバルブであって,前記チャンバの側壁に前記基板搬出入口を囲むように設けられた筐体と,前記筐体内で昇降自在に設けられ,前記基板搬出入口を開閉する弁体と,前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口から待避した位置との間で前記弁体を昇降させる昇降駆動手段と,前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置との間で前記弁体を進退させるカム機構により構成した開閉駆動手段とを備え,前記カム機構は,前記弁体の背面側に前記弁体の長手方向に渡って配置され前記筐体に可動自在に支持された長尺部材と,前記長尺部材の動作に伴って前記弁体を押圧駆動するとともに,前記弁体が前記基板搬出入口側から押し返される力を前記長尺部材で受けることによって前記弁体を前記閉塞位置で押圧保持するカムと,前記筐体に摺動自在に支持された前記長尺部材を前記弁体の進退方向に直交する方向へ摺動させる駆動手段と,前記長尺部材と前記弁体との間に設けられた前記板状カムのカム面に当接して前記弁体を駆動する弁体駆動用ローラと,前記弁体駆動用ローラと前記板状カムとを囲むように設けたフレームとを備え,前記長尺部材の摺動動作を前記弁体の進退動作に変換することを特徴とするゲートバルブが提供される。
【0023】
この場合,上記フレームは,前記弁体の背面側から隙間を空けて前記筐体の背板又は他のチャンバの側壁に取り付けられ,前記弁体駆動用ローラは,前記フレーム内に設けられた支持体に回転自在に取り付けられ,前記支持体は,前記弁体の背面側に突出した突起部を有し,前記弁体駆動用ローラの動きに応じて前記突起部が前記フレームに形成された孔から突没するようにスライド自在に構成し,前記突起部によって前記弁体の背面側から前記弁体を開閉駆動するように構成することが好ましい。
【0024】
このような本発明によれば,弁体で基板搬出入口を閉塞する際には,昇降駆動手段により弁体を基板搬出入口に対向する位置まで上昇させた後,開閉駆動手段により長尺部材を可動することにより,長尺部材の動作に伴って板状カムのカム面に弁体駆動用ローラが接触して弁体を押圧駆動させる。これにより,弁体が前進して基板搬出入口を押圧しながら閉塞し,弁体が基板搬出入口側から押し返される力を長尺部材で受けることによって弁体をこの閉塞位置で保持することができる。これにより,例えば長尺部材を駆動するアクチュエータの作動力がなくても,弁体を基板搬出入口に押しつけた状態で保持することができるので,従来のように弁体が開いてしまうことはない。さらに,弁体駆動用ローラと板状カムを囲むフレームを設けたことにより,弁体駆動用ローラと板状カムとの接触はフレーム内で行われるため,たとえ弁体駆動用ローラと板状カムとの接触によりパーティクルが発生しても,そのパーティクルがフレーム外に飛散することを防止できる。
【0025】
また,上記長尺部材が前記弁体から受ける力を受け止めるように前記長尺部材をその背面側から支持する支持部材を前記フレーム内に設けるようにしてもよい。この支持部材は,例えば前記フレーム内に設けた支持ローラから構成される。これによれば,長尺部材とそれを背面から支持する支持部材の接触もフレーム内で行われるので,それによってパーティクルが発生しても,そのパーティクルがフレーム外に飛散することを防止できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば,弁体を駆動させるアクチュエータなどの駆動手段の作動力がなくても,弁体を基板搬出入口に押しつけた状態で保持することができるゲートバルブ及びそれを用いた基板処理装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
(ゲートバルブ)
先ず,本発明の実施形態にかかるゲートバルブについて図面を参照しながら説明する。図1A,図1B,図2A〜図2C,図3A〜図3C,図4A〜図4Cは,本実施形態のゲートバルブの構成を説明するための図である。本実施形態では,図1A,図1Bに示すように,チャンバ100の基板搬出入口112を開閉可能なサイズの弁体210を備え,この弁体210を昇降駆動及び進退駆動させて基板搬出入口112を開閉するゲートバルブ200を例に挙げる。
【0029】
図1A,図1Bは,基板搬出入口の中央付近を通る水平面で切断したときにゲートバルブを上方から見た断面図である。図2A,図2B,図2Cは,ゲートバルブをチャンバの側壁に平行な鉛直面で切断したときにゲートバルブを背面から見た断面図であり,図1Aに示すA−A断面図である。図3A,図3B,図3Cは,ゲートバルブをチャンバの側壁に垂直な鉛直面で切断したときにゲートバルブを側面から見た断面図であり,図2Bに示すB−B断面図である。図4A,図4B,図4Cは,ゲートバルブの主要部の動作を説明するための斜視図である。
【0030】
図1A,図2A,図3A,図4Aは弁体が基板搬出入口に対向する位置にある状態を示すものであり,図1B,図2B,図3B,図4Bは弁体が基板搬出入口112を押圧しながら閉塞する位置にある状態を示すものである。図2C,図3C,図4Cは弁体が基板搬出入口から待避する位置にある状態を示すものである。
【0031】
本実施形態にかかるゲートバルブ200を設けるチャンバ100は,真空圧雰囲気になる密閉可能な任意の室(容器を含む)であり,例えばFPD基板などにエッチング,成膜などの所定の処理を行う基板処理装置における処理室,搬送室,ロードロック室等が挙げられる。
【0032】
チャンバ100は例えば図2C,図3C,図4Cに示すように側壁110の上側寄りに水平方向に横長に延びる基板搬出入口112が形成されており,この基板搬出入口112を介して例えばFPD基板などの基板を図示しない搬送アームなどによって搬出入できるようになっている。
【0033】
ここでは,チャンバ100の側壁110に基板搬出入口112の周縁を囲む縁枠114を取り付けるようにしている。これにより,例えば基板搬出入口112にガラス基板などの基板を搬出入する際に基板割れやずれが生じても,側壁110に傷がつかないように保護することができる。もし縁枠114を設けない場合には,基板搬出入口112近傍の側壁110に傷がつくと,弁体210で基板搬出入口112を閉塞しても,その傷が隙間となって密閉状態を保持できなくなる場合がある。この場合にはチャンバ100の側壁110を構成する容器自体を交換しなければならなくなる。
【0034】
これに対して,側壁110に縁枠114を設ける場合には,基板割れなどが生じたときに縁枠114の方に傷がついても,側壁110に直接傷がつくことを防止できる。この場合,縁枠114の方に傷がついたとしても,縁枠114だけを交換すればよいので,チャンバ100の容器自体を交換しなくても済むので,メンテナンスも簡単にでき,チャンバ100の寿命も延ばすことができる。
【0035】
ゲートバルブ200は,このようなチャンバ100の基板搬出入口112が形成された側壁110に設けられ,弁体210を昇降,進退させることによって基板搬出入口112を開閉するようになっている。弁体210は,基板搬出入口112を閉塞できるサイズに形成される。そして,基板搬出入口112を閉じるときには基板搬出入口112を押圧しながら閉塞する。具体的には弁体210を基板搬出入口112の周りの壁面に押し当てながら,基板搬出入口112を閉塞してシールする。
【0036】
例えば側壁110に縁枠114を設ける場合には,弁体210を縁枠114の表面(弁体当接面)に押しつけて基板搬出入口112を閉塞する。この場合,シール効果を高めるために,弁体210と接触する縁枠114の表面には,基板搬出入口112を囲むようにOリングなどのシール部材(図示しない)を設けることが好ましい。
【0037】
なお,縁枠114は必ずしも設ける必要はない。縁枠114を設けない場合には,弁体210を直接側壁110の表面(弁体当接面)に押しつけて基板搬出入口112を閉塞する。この場合には,弁体210と接触する側壁110の表面に基板搬出入口112を囲むようにOリングなどのシール部材を設けることが好ましい。なお,シール部材は,基板搬出入口112の周りの壁面(側壁110の表面又は縁枠114の表面)に設ける代わりに,この壁面に接触する弁体210の表面に基板搬出入口112を囲むように設けてもよい。
【0038】
(ゲートバルブの具体的構成例)
次に,ゲートバルブ200の具体的な構成例について説明する。図1A,図2A,図3Aに示すように,ゲートバルブ200は,少なくとも基板搬出入口112を包囲するようにチャンバ100の側壁110に設けられた略箱状の筐体(ケーシング)202を備える。筐体202は,側壁110に平行に対面する背板202aを有するとともに,側板202b,202c,天井板202d,底板202eを有し,これらで側壁110を覆っている。筐体202の背板202aには,基板搬出入口112を介して出し入れする基板を通すために,基板搬出入口112に対向した位置に基板搬出入口112と同様の形状の開口部203が形成されている。
【0039】
弁体210は,筐体202内において基板搬出入口112に対して後述する昇降ガイドに沿って昇降自在に支持されるとともに,後述する開閉ガイドに沿って基板搬出入口112を開閉する方向に進退自在に支持されている。ゲートバルブ200は,弁体210を昇降ガイドに沿って基板搬出入口112に対向する位置(所定の上昇位置)と基板搬出入口112から待避する位置(所定の下降位置)の間で昇降する昇降駆動手段230と,弁体210を基板搬出入口112に対向する位置と基板搬出入口112を押圧しながら閉塞する位置との間でカム機構260により進退させる開閉駆動手段250とを備える。
【0040】
弁体210の昇降ガイドと開閉ガイドは,例えば次のように構成される。ここでの昇降ガイドは弁体210を鉛直に昇降するように案内し,開閉ガイドは弁体210が水平に進退して開閉するように案内する。具体的には例えば図1A,図2Aに示すように,チャンバ100の側壁110において基板搬出入口112の左右に配置され,鉛直に延びた一対のガイドレール220が設けられている。ガイドレール220にはそれぞれこれらに沿って摺動可能なスライダ222が設けられている。各スライダ222にはそれぞれ,その背面から弁体210の水平な進退方向に突出したガイド棒(支持棒)224が設けられている。各ガイド棒224は,弁体210の左右に端部から外側に突出して設けられた弁体支持板212の挿入孔212aに摺動自在に遊嵌されている。
【0041】
このような構成によれば,弁体210はガイドレール220に沿ってスライダ222が移動することによって鉛直に昇降自在となる。また,弁体210はガイド棒224に沿って基板搬出入口112を開閉する方向に水平に進退自在となる。このような昇降ガイドと開閉ガイドの構成は上記に限られるものではない。
【0042】
ところで,上述したガイド棒224には,弁体支持板212とスライダ222との間に付勢部材(例えばコイルバネ)226が介挿されている。この付勢部材226は弁体210を基板搬出入口112に押しつける方向とは反対方向(開く方向)に付勢する。さらに,ガイド棒224には,その先端に止め部材224aを設け,ガイド棒224から弁体支持板212が抜け落ちないようにしている。なお,止め部材224aは,例えばガイド棒224の先端を挿入孔212aよりも拡径して構成してもよく,また止め輪などの別部材で構成してもよい。
【0043】
また,この止め部材224aにより,弁体210が基板搬出入口112から所定の間隔以上離間しないように規制される。すなわち,弁体210は付勢部材226の付勢力により止め部材224aで止まる位置(基板搬出入口112から最も離れた位置)で支持されるので,基板搬出入口112から常に所定の間隔だけ離間したまま昇降させることができる。これによれば,基板搬出入口112とカム機構260との間の常に同じ位置に弁体210を上昇させることができる。
【0044】
なお,上述した付勢部材226は,後述のカム機構260の作用により弁体駆動用ローラ280がカム面(斜面272,平面274)に当接しながら駆動するときに,弁体駆動用ローラ280がカム面(斜面272,平面274)から離れないように付勢する作用もある。これにより,カム面(斜面272,平面274)に沿って弁体駆動用ローラ280を駆動させることができるので,弁体210の動作を安定させることができるとともに,弁体210を確実に開閉駆動させることができる。
【0045】
(昇降駆動手段)
次に,昇降駆動手段230の具体的構成例について図面を参照しながら説明する。昇降駆動手段230は,基板搬出入口112に対向する位置(例えば図2A,図3Aに示す位置)と,基板搬出入口112から待避する位置(例えば図2C,図3Cに示す位置)との間でガイドレール220に沿って弁体210を昇降させる。
【0046】
具体的には図2A,図2C(又は図3A,図3C)に示すように,昇降駆動手段230は,直線運動が可能なアクチュエータ232により構成する。このようなアクチュエータ232としては,ピストンロッド234を伸縮させることで直線運動が可能なエアシリンダや油圧シリンダなどが挙げられるが,これらに限定されるものではない。ここでは,アクチュエータ232をエアシリンダで構成する場合を例に挙げる。
【0047】
具体的にはアクチュエータ232は,底板202eに形成され,気密に設けられた貫通孔204aからピストンロッド234が筐体202内に挿入されるように,筐体202の底板202eに取り付けられる。そして,ピストンロッド234の先端で弁体210を下方から支持することにより,アクチュエータ232をピストンロッド234を所定のストロークだけ伸縮駆動(上下駆動)させることによって,弁体210をガイドレール220に沿って鉛直方向に昇降移動させることができる。なお,筐体202内の気密を保持しながらピストンロッド234を伸縮させる場合には,貫通孔204aに図示しないブッシュを介してピストンロッド234を挿入する。
【0048】
ピストンロッド234の先端は,弁体210の下面の中央部位に設けられた弁体スライド機構240を介して弁体210を支持するようになっている。この弁体スライド機構240は,ピストンロッド234に対して弁体210を進退方向(開閉方向)に移動自在に支持できるようにするためのものである。
【0049】
このような弁体スライド機構240の構成例を図5A,図5Bに示す。弁体スライド機構240は,図5Aに示すように,弁体210の下面には,枠部242がボルトなどの締結部材243により取り付けられている。枠部242の底部にはピストンロッド234の先端を挿入する挿入孔242aが形成されている。
【0050】
枠部242内には,ピストンロッド234の先端に対して相対的に弁体210の進退方向の移動を可能とするガイド体244が設けられている。具体的にはガイド体244の上面に設けられた複数の転動部材245が弁体210の下面に接触して弁体210を転動自在に支持するようになっている。なお,転動部材245としては,球部材であってもよく,また円柱部材であってもよい。
【0051】
ガイド体244の下面には,例えばザグリなどの凹部246が形成され,この凹部246にピストンロッド234の先端が当接するようになっている。具体的には,ピストンロッド234の先端は,上面が曲面の頭部236が縮径部235を介して連設されており,この頭部236がガイド体244の凹部246に入り込むようになっている。これにより,ガイド体244はピストンロッド234の先端で支持される。
【0052】
このように構成することにより,弁体210はガイド体244を介してピストンロッド234の先端で支持され,弁体210はピストンロッド234の先端でガイド体244を介して進退方向(開閉方向)に移動可能となる。例えば弁体210が基板搬出入口112に対向する位置にあるときに,図5Aに示す位置から図5Bに示す位置まで前進しても,弁体210はピストンロッド234に支持されながらガイド体244上を移動できるので,ピストンロッド234とガイド体244を進退させることなく,弁体210だけを水平方向に移動させることができる。
【0053】
このような弁体スライド機構240の作用によって,アクチュエータ232による昇降駆動とは独立して弁体210を進退方向に開閉駆動させることができる。このため,昇降用のアクチュエータ232については所定の位置に固定すれば足りるので,機構を極めて簡単な構成にすることができる。すなわち,弁体210を進退駆動させる際にアクチュエータ232自体も進退駆動できるような機構など複雑な構成を不要にすることができる。
【0054】
なお,弁体スライド機構240を構成する各部のサイズ(例えば枠部242や挿入孔242aの大きさ,ガイド体244や転動部材245の大きさなど)は,弁体210の水平方向の移動量に応じて決定することが好ましい。また,図5A,図5Bではピストンロッド234に縮径部235を形成した場合について説明したが,縮径部235を形成しなくてもよい。図5A,図5Bに示すように縮径部235を形成して,縮径部235の位置が挿入孔242aの位置に合うようにピストンロッド234を配置することにより,挿入孔242aの内側縁部が縮径部235に入り込むまで弁体210を移動できるので,その分挿入孔242aを小さくできるとともに,弁体210のストロークを長くすることができる。
【0055】
(開閉駆動手段)
次に,開閉駆動手段250について図面を参照しながら説明する。開閉駆動手段250は,基板搬出入口112に対向する位置(図1A,図2A,図3Aに示す位置)と,基板搬出入口112を押圧しながら閉塞する位置(図1B,図2B,図3Bに示す位置)との間でガイド棒224に沿って弁体210を開閉方向に進退させるカム機構260により構成される。本実施形態にかかるカム機構260は,いわゆる直道カム機構により構成した場合を例に挙げる。ここでは板状のカム270を取り付けた長尺部材261を弁体210に沿って進退方向に直交する方向に摺動させて,板状カム270の斜面272で弁体210を進退方向に移動させるとともに,板状カム270の平面274で弁体210を基板搬出入口112に押しつけた状態で保持できるように構成する。
【0056】
長尺部材261を駆動する駆動手段は,長尺部材261を摺動させる直線運動が可能な例えばエアシリンダや油圧シリンダなどのアクチュエータ252で構成する。ここでは,アクチュエータ252として,ピストンロッド254を伸縮する直線運動が可能なエアシリンダで構成する場合を例に挙げる。なお,アクチュエータ252はこれらに限定されるものではない。
【0057】
このようなカム機構260の構成についてより詳細に説明する。例えば図1A,図1Bに示すように,長尺部材261は,少なくとも弁体の長手方向の長さよりも長くなるように構成し,筐体202の背板202a寄りに弁体210の長手方向に沿って配置する。長尺部材261と基板搬出入口112との間は,弁体210が昇降する際に干渉することなく挿入できる程度に離間している。
【0058】
本実施形態における長尺部材261は,筐体202の開口部203の上側と下側にそれぞれ1つずつ配置した棒状部材262を一体で摺動可能に構成される。これにより,基板を搬送する際に基板や搬送アームがカム機構260に干渉することを防止できるとともに,弁体210を開閉動作させる際に弁体210が傾くことなく基板搬出入口112に対して水平に進退させることができる。
【0059】
具体的には,各棒状部材262の端部はそれぞれ側板202b,202cから突き出しており,側板202b,202cの各棒状部材262との接触部分にはそれぞれ,例えば樹脂からなるブッシュ263を取り付けて気密に摺動できるようになっている。また,各棒状部材262の端部,例えば側板202cから突き出した方の端部はそれぞれ板状のつなぎ部材264によって固定され一体化されている。このつなぎ部材264にアクチュエータ252のピストンロッド254の先端が取り付けられている。これにより,1つのアクチュエータ252でそのピストンロッド254を伸縮させるだけで各棒状部材262を一体で同時に摺動させることができる。この場合,アクチュエータ252は例えば側板202cの外側に支持部材256を介して取り付ける。
【0060】
長尺部材261の各棒状部材262は,筐体202の背板202aの内面から突出して設けられた複数の支持ローラ290により,筐体202の背板202aから転動自在に支持されている。図1A,図1Bでは,支持ローラ290は各棒状部材262にそれぞれ一定の間隔で4つずつ設けた場合についての例を挙げたが,支持ローラ290の数や配置位置は必ずしもこれに限定されるものではなく,1つずつであっても5つ以上ずつ(例えば8つずつ)であってもよい。また,長尺部材261が1つの棒状部材で構成されている場合には,支持ローラ290は1つ設けても複数設けてもよい。弁体210の長手方向の長さや重さなどに応じて支持ローラ290の数や位置を調整するようにしてもよい。例えば弁体210の長手方向の長さが長いほど支持ローラ290の数を増やし,短いほど支持ローラ290の数を減らすようにしてもよい。また,ここでの各棒状部材262は,板状に形成した場合を例に挙げているが,必ずしもこれに限定されるものではなく,例えば角筒状であってもよい。また円柱状又は円筒状であってもよい。
【0061】
支持ローラ290は,各棒状部材262の背面に当接して転動可能なローラ294と,このローラ294を背板202aの内面に取り付けて転動自在に支持する支持体292により構成される。さらに,各棒状部材262の背面には,ローラ294との当接部位に当て板276を設け,各棒状部材262の表面を保護するとともに,ローラ294が当て板276の面を転動するように構成することで,長尺部材261の動きがよりスムーズになるようにしている。このような各棒状部材262を含む長尺部材261,当て板276,ローラ294はそれぞれ同じ材料で構成してもよく,異なる材料で構成してもよい。例えば長尺部材261はステンレス(登録商標)により構成し,当て板276とローラ294は樹脂で構成する。
【0062】
一方,図1A,図1B,図2C,図4Cに示すように,弁体210にはその上面と下面にそれぞれ複数の弁体駆動用ローラ280が設けられている。各弁体駆動用ローラ280は長尺部材261を摺動したときに各板状カム270に当接するように弁体210の背面から長尺部材261側に突出している。各弁体駆動用ローラ280は,支持ローラ290と同数設けられている。そして,弁体210が基板搬出入口112に対向する位置にあるときに,各弁体駆動用ローラ280は,長尺部材261の各棒状部材262を挟んで各支持ローラ290に対向するように弁体210に配置されている。弁体駆動用ローラ280は,板状カム270に当接して転動可能なローラ284と,このローラ284を弁体210に取り付けて転動自在に支持する支持体282により構成される。
【0063】
長尺部材261の各棒状部材262にはその弁体210側に,複数の弁体駆動用ローラ280にそれぞれ当接して駆動させるための複数の板状カム270が設けられている。板状カム270は,長尺部材261を一方向に摺動させることにより,弁体駆動用ローラ280に当接しその弁体駆動用ローラ280を弁体210を閉じる方向に前進させて,基板搬出入口112を押圧しながら閉塞する位置まで移動させる第1のカム面としての斜面272と,弁体210が基板搬出入口112側から押し返される力を弁体駆動用ローラ280及び支持ローラ290を介して筐体202の背板202aで受けることによって弁体210を閉塞位置で保持する第2のカム面としての平面274を有する。
【0064】
板状カム270の斜面272は,長尺部材261の摺動方向に沿って長尺部材261からの厚みが増すように(弁体駆動用ローラ280が徐々に前進又は後退するように)傾斜する斜面からなり,板状カム270の平面274は,第1のカム面の最も厚みが大きくなる部位で(弁体210が基板搬出入口112を押圧しながら閉塞する位置で)その厚みのまま連続する平面からなる。
【0065】
板状カム270の斜面272は,長尺部材261を引っ張る方向に摺動したときに弁体210が徐々に前進し基板搬出入口112を押圧するように弁体駆動用ローラ280を駆動可能な斜面にする。この場合は例えば図1Aに示すように,板状カム270の斜面272は,板状カム270の平面274からアクチュエータ252側に向けて徐々に高さが低くなる斜面となる。
【0066】
なお,板状カム270の斜面272は,上述したものに限られるものではなく,長尺部材261を押し出す方向に摺動したときに弁体210が徐々に前進し基板搬出入口112を押圧するように弁体駆動用ローラ280を駆動可能な斜面にしてもよい。この場合は図示はしないが,板状カム270の斜面272は,板状カム270の平面274からアクチュエータ252とは反対側に向けて徐々に高さが低くなる斜面となる。この場合には,長尺部材261を押し出す方向に摺動したときに斜面272に弁体駆動用ローラ280が当接して移動するので,そのときに弁体駆動用ローラ280から斜面272を介して長尺部材261が受ける力は圧縮力として働くことになる。このため,長尺部材261が受ける力の大きさによっては長尺部材261が座屈する虞もあるので,長尺部材261が座屈しないように,長尺部材261の形状や材質を設計する必要がある。
【0067】
これに対して,図1Aに示すような斜面272であれば,長尺部材261を引っ張る方向に摺動したときに斜面272に弁体駆動用ローラ280が当接して移動するので,そのときに斜面272から弁体駆動用ローラ280が受ける力は,長尺部材261の引張力として働き,圧縮力としては働かないため,長尺部材261が座屈する虞をなくすことができる。
【0068】
このようなカム機構260によれば,図1A,図3Aに示すように弁体210が基板搬出入口112に対向する位置にあるときに,アクチュエータ252を駆動させてピストンロッド254を縮ませることにより,長尺部材261を引っ張る方向(図1Aに示す矢印方向)に摺動させる。すると,各弁体駆動用ローラ280が一斉に各板状カム270の斜面272に当接し,斜面272に沿って長尺部材261の摺動方向に垂直な方向(弁体210が基板搬出入口112に向けて前進する方向)に移動する。これにより,これら各弁体駆動用ローラ280を介して弁体210は,基板搬出入口112を閉じる方向に前進移動し,基板搬出入口112の周囲に当接して徐々に押しつけられる。
【0069】
その後,さらに長尺部材261が引っ張られると,各弁体駆動用ローラ280が一斉に各板状カム270の平面274に乗り上げる。これにより,図1B,図3Bに示すように,弁体210は基板搬出入口112に押しつけられたまま保持される。
【0070】
こうして弁体210が基板搬出入口112を押しつけるときに弁体210が基板搬出入口側から押し返される力(反作用による力)は,弁体駆動用ローラ280及び支持ローラ290を介して筐体202の背板202aで受けることができる。これにより,弁体210を閉塞位置で保持することができる。従って,各弁体駆動用ローラ280が平面274に乗り上げた状態では,アクチュエータ252の作動力を保持させておかなくても,弁体210を基板搬出入口112に押しつけたままの閉塞位置でしっかり保持することができる。
【0071】
このように弁体210を閉塞位置で保持するときのカム機構260と弁体210の動きについて図面を参照しながらより詳細に説明する。図6A〜図6Cは,1つの板状カム270に着目してカム機構260と弁体210の動きを説明するための拡大図である。先ず,弁体210がガイドレール220に沿って下方の待避位置から基板搬出入口112に対向する位置まで上昇すると図6Aに示すようになる。このときには,長尺部材261は初期位置にあり,弁体駆動用ローラ280は未だ板状カム270の斜面272に当接していない。
【0072】
続いて,アクチュエータ252の作動力により長尺部材261が図示矢印方向に引っ張られると,図6Bに示すように弁体駆動用ローラ280が板状カム270の斜面272に当接し,その後さらに斜面272に沿って移動する。このとき,弁体駆動用ローラ280は付勢部材226によって斜面272に当接する方向に付勢されるため,斜面272から離れることなく確実に斜面272に沿って移動する。これにより,弁体210は基板搬出入口112を閉じる方向に移動し,基板搬出入口112の周りの壁面(ここでは縁枠114の壁面)に当接すると,さらにその壁面を押圧しながら基板搬出入口112を閉塞する。
【0073】
この状態からさらに長尺部材261が引っ張られると,図6Cに示すように弁体駆動用ローラ280が板状カム270の平面274に乗り上げる。これにより,弁体210は基板搬出入口112の周りの壁面を押圧しながら基板搬出入口112を閉塞した状態で保持される。
【0074】
このように,本実施形態によれば,弁体210は板状カム270によるくさび作用によって,基板搬出入口112の周りの壁面に弁体210を押しつけたときに,その壁面から押し返される力を弁体駆動用ローラ280及び支持ローラ290を介して筐体202の背板202aで受けることによって,弁体210は基板搬出入口112を押圧した状態で,基板搬出入口112と筐体202の背板202aとの間に機構的に保持される。この場合,各支持ローラ290は,図6Cに示すように,弁体210が閉塞位置にあるときに,各板状カム270の平面274及び各弁体駆動用ローラ280と,長尺部材261を挟んで直線上に並ぶように配置される。このように,弁体210から受ける力は各弁体駆動用ローラ280と各板状カム270を介して長尺部材261に伝わり,この力をその直線上の反対側に位置する各支持ローラ290で長尺部材261を介して直接受けることができるので,長尺部材261は弁体210から受ける力をより一層強力に受け止めることができる。これにより,弁体210をより一層強力に押圧したまま弁体210を閉塞位置で保持することができる。このため,アクチュエータ252の作動力を保持させておかなくても,弁体210を基板搬出入口112に押しつけたままの閉塞位置でしっかり保持することができる。
【0075】
このように,本実施形態にかかるゲートバルブによれば,従来のようにアクチュエータ252の作動力により弁体210を押さえつけておく必要がない。また,弁体210は,筐体202の背板202aから受ける力と基板搬出入口112から受ける力の大きさに応じて,弁体210の重力に打ち勝つような摩擦力を作用させることができるので,昇降用のアクチュエータ232を作動しなくても,弁体210が落ちないように支えることができる。
【0076】
従って,例えばアクチュエータ232,252の故障や供給電力の断絶によってアクチュエータ232,252が作動しなくなっても,弁体210が開いてしまうことはない。また,アクチュエータ232,252についても,従来のように弁体210を十分に押さえつけておける程度の大型のものは必要ない。例えばアクチュエータ252については,少なくとも板状カム270の斜面272から平面274まで弁体駆動用ローラ280を移動させることができる程度の小型のもので十分足りる。また,アクチュエータ232については,少なくとも弁体210をその重力に抗して昇降できる程度の小型のもので十分足りる。このため,ゲートバルブ全体を小型化できる。これにより,製造コストを大幅に削減することができる。
【0077】
また,弁体210自体も小型軽量化することができるので,アクチュエータ232,252についても,より一層小型のものを使用できる。なお,図6Aに示すように弁体210を昇降させる際には,弁体210と弁体駆動用ローラ280はそれぞれ基板搬出入口112と板状カム270から所定距離だけ離れた状態で移動させることができるので,弁体210の昇降時に基板搬出入口112と板状カム270に衝突して破損等することを防止できる。また,弁体210を閉塞状態で保持させるためにアクチュエータ232,252の作動力が必要ないので,アクチュエータ232,252を例えばエアシリンダで構成する場合にはその作動媒体であるエアの消費量を大幅に削減できる。
【0078】
(ゲートバルブの動作)
次に,本実施形態にかかるゲートバルブの一連の動作について図面を参照しながら説明する。ここでは,弁体210が図3C,図4Cに示す基板搬出入口112より下方の待避位置にあるときを弁体210の原位置とする。
【0079】
先ず,弁体210が待避位置にあるときから基板搬出入口112を押圧しながら閉塞する位置まで駆動する際の一連の動作について説明する。図3C,図4Cに示す下方の待避位置から図3A,図4Aに示す上方の基板搬出入口112に対向する位置まで,アクチュエータ232を作動させてピストンロッド234を伸長させることにより,弁体210をガイドレール220に沿って上昇させる。
【0080】
続いて,アクチュエータ252を作動させてピストンロッド254を短縮させることにより長尺部材261を引っ張る方向に摺動させて,弁体210を基板搬出入口112を閉じる方向に前進させる。これにより,図3B,図4Bに示すように弁体210は基板搬出入口112を閉じるとともに,一定の押圧力で基板搬出入口112を押しつけながら閉塞し,さらにその状態で保持される。こうして,基板搬出入口112は弁体210により閉塞されシールされるので,その後は例えばチャンバ100を所定の真空圧まで減圧しつつ,基板の処理を実行可能となる。このとき,上述したように弁体210は,カム機構260のくさび作用により筐体202の背板202aと基板搬出入口112との間で機構的に保持される。
【0081】
次に,基板搬出入口112を開く際の一連の動作について説明する。図3B,図4Bに示す位置からアクチュエータ252を作動させてピストンロッド254を伸長させることによって長尺部材261を押し出す方向に摺動させて,弁体210を基板搬出入口112を開く方向に後退させる。これにより,図3A,図4Aに示す位置に戻る。
【0082】
続いて,図3A,図4Aに示す上方の基板搬出入口112に対向する位置から図3C,図4Cに示す下方の待避位置まで,アクチュエータ232を作動させてピストンロッド234を短縮させることにより,弁体210をガイドレール220に沿って下降させる。これにより,基板搬出入口112は開放され,弁体210は初期位置に戻るので,チャンバ100に対する基板の搬出入が可能となる。
【0083】
ところで,上記実施形態では,長尺部材261を筐体202の側板202b,202cで摺動自在に支持するとともに,さらに長尺部材261が弁体210から受ける力を受け止めるように支持ローラ290で長尺部材261をその背面側からも支持するように構成した。このように,長尺部材261を筐体202の側板202b,202cのみならず,背面側からも支持ローラ290で支持することにより,弁体210から受ける力の方向とは反対側からも支持されるので,長尺部材261は弁体210から受ける力(弁体210が基板搬出入口112側から押し返される力)をより強力に受け止めることができる。これにより,弁体210をより強力に押圧したまま弁体210を閉塞位置で保持することができる。なお,支持ローラ290は必ずしも設ける必要はなく,長尺部材261を筐体202の側板202b,202cだけで摺動自在に支持するようにしてもよい。
【0084】
なお,支持ローラ290の配置は,図1A,図1Bに示すものに限られることはない。すなわち,図1A,図1Bに示すカム機構260では,支持ローラ290は筐体202の背板202aに設けた場合について説明したが,これに限られるものではなく,支持ローラ290は長尺部材261に設けるようにしてもよい。
【0085】
具体的には例えば図7A,図7Bに示す第1変形例のように,支持ローラ290を長尺部材261からに筐体202の背板202aに突き出して,その背板202aで転動自在となるように設けるようにしてもよい。また,当て板276は背板202aの支持ローラ290との当接部位に設けるようにしてもよい。このように配置しても,支持ローラ290は長尺部材261が弁体210から受ける力を受け止めるように長尺部材261をその背面側から支持することができる。この場合,各支持ローラ290は弁体210が閉塞位置にあるときに,各板状カム270の平面274及び各弁体駆動用ローラ280と,長尺部材261を挟んで直線上に並ぶように配置することが好ましい。
【0086】
このような構成によれば,図7Aに示すように弁体210が基板搬出入口112に対向する位置にある状態で,長尺部材261を図示矢印方向に引っ張ることにより弁体210が前進する。さらに長尺部材261を図示矢印方向に引っ張ることにより図7Bに示すように弁体駆動用ローラ280が板状カム270の平面274に乗り上げる。これにより,弁体210は基板搬出入口112の周りの壁面を押圧しながら基板搬出入口112を閉塞した状態で保持される。
【0087】
このとき,図7Bに示すように,各支持ローラ290は各板状カム270の平面274及び各弁体駆動用ローラ280と,長尺部材261を挟んで直線上に並ぶようになる。このように各支持ローラ290を配置することにより,図1Bに示す場合と同様に弁体210をより一層強力に押圧したまま弁体210を閉塞位置で保持することができる。
【0088】
なお,上記実施形態では,長尺部材261をその背面側から支持する支持部材として支持ローラ290を適用した場合について説明したが,長尺部材261を摺動自在に支持できれば,支持ローラ290に限られるものではない。
【0089】
また,上記実施形態では,図1A,図1Bに示すように各板状カム270は,長尺部材261の弁体210側に設け,各弁体駆動用ローラ280は,弁体210が基板搬出入口112に対向する位置にあるときに,長尺部材261に対向するように弁体120に設ける場合を例に挙げて説明したが,これに限られるものではない。
【0090】
例えば図8A,図8Bに示す第2変形例のように板状カム270を弁体210の長尺部材261側に設け,弁体駆動用ローラ280は,弁体210が基板搬出入口112に対向する位置にあるときに,弁体120に対向するように長尺部材261に設けるようにしてもよい。この場合,各支持ローラ290は弁体210が閉塞位置にあるときに,各板状カム270の平面274及び各弁体駆動用ローラ280と,長尺部材261を挟んで直線上に並ぶように配置することが好ましい。
【0091】
このような構成によれば,図8Aに示すように弁体210が基板搬出入口112に対向する位置にある状態で,長尺部材261を図示矢印方向に引っ張ることにより弁体210が前進する。さらに長尺部材261を図示矢印方向に引っ張ることにより図8Bに示すように弁体駆動用ローラ280が板状カム270の平面274に乗り上げる。これにより,弁体210は基板搬出入口112の周りの壁面を押圧しながら基板搬出入口112を閉塞した状態で保持される。
【0092】
このとき,図8Bに示すように,各支持ローラ290は各板状カム270の平面274及び各弁体駆動用ローラ280と,長尺部材261を挟んで直線上に並ぶようになる。このように各支持ローラ290を配置することにより,図1Bに示す場合と同様に弁体210をより一層強力に押圧したまま弁体210を閉塞位置で保持することができる。さらに,この場合には,例えば図9A,図9Bに示す第3変形例のように,長尺部材261に各弁体駆動用ローラ280のみならず,各支持ローラ290も設けるようにしてもよい。この場合には,各支持ローラ290は,長尺部材261を挟んで各弁体駆動用ローラ280と直線上に並ぶように配置することが好ましい。
【0093】
このような構成によれば,図9Aに示すように弁体210が基板搬出入口112に対向する位置にある状態で,長尺部材261を図示矢印方向に引っ張ることにより弁体210が前進する。さらに長尺部材261を図示矢印方向に引っ張ることにより図9Bに示すように弁体駆動用ローラ280が板状カム270の平面274に乗り上げる。これにより,弁体210は基板搬出入口112の周りの壁面を押圧しながら基板搬出入口112を閉塞した状態で保持される。
【0094】
このとき,図9Bに示すように,各支持ローラ290は各板状カム270の平面274及び各弁体駆動用ローラ280と,長尺部材261を挟んで直線上に並ぶようになる。このように各支持ローラ290を配置することにより,図1Bに示す場合と同様に弁体210をより一層強力に押圧したまま弁体210を閉塞位置で保持することができる。
【0095】
ところで,上記実施形態では長尺部材261を駆動して弁体210を開閉する際に,弁体駆動用ローラ280と板状カム270は弁体210からの力を受けながら接触するので,受ける力の大きさや弁体駆動用ローラ280と板状カム270の材質によっては,これらが接触してパーティクルが発生し,周辺に飛散する虞がある。支持ローラ290とこれに接触する当て板276との間でも同様にパーティクルが発生する虞がある。そこで,例えば図10A,図11A,図12Aに示す第4変形例のように,各弁体駆動用ローラ280と各支持ローラ290をそれぞれ,長尺部材261を板状カム270及び当て板276とともに挿入可能に構成したフレーム300で囲むようにしてもよい。
【0096】
このような第4変形例にかかるゲートバルブを図10A〜図10C,図11A,図11B,図12A,図12Bを参照しながら,より具体的に説明する。図10A〜図10Cは,1つの板状カム270に着目してカム機構260と弁体210の動きを説明するための拡大図である。図11A,図11Bは,第4変形例にかかるゲートバルブ全体の概略構成を示す横断面図であり,図12A,図12Bは,その縦断面図である。図11A,図12Aは,弁体210が基板搬出入口112に対向する位置にあるときの図であり,図11B,図12Bは,弁体210が基板搬出入口112を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【0097】
図10Aに示すように,第4変形例の弁体駆動用ローラ280と支持ローラ290は,略箱状のフレーム300内に設けられている。フレーム300は,弁体210との間で隙間が空くように背板202aに取り付けられている。長尺部材261は板状カム270及び当て板276とともに,フレーム300の両端部に形成された孔303,304に挿入され,弁体駆動用ローラ280と支持ローラ290との間でスライドするようになっている。
【0098】
支持ローラ290は,フレーム300内の背板202a側に固定された支持体292にローラ294を回動自在に取り付けて構成される。これに対して,弁体駆動用ローラ280は,フレーム300内の弁体210側にスライド自在に取り付けられた支持体282にローラ284を回動自在に取り付けて構成される。
【0099】
すなわち,第4変形例における支持体282は,フレーム300内の弁体210側に取り付けられた一対のガイド棒302にスライド自在に支持されている。ここでの支持体282は,弁体210側(ローラ284の反対側)に突出した突起部282aを有し,支持体282が前後にスライドすることで,この突起部282aがフレーム300に形成された孔306から突没するようになっている。
【0100】
これによれば,ローラ284が板状カム270上に接触して転がることによって,支持体282が弁体210側に前進する。これにより,突起部282aがフレーム300から突出していない図10A,図11A,図12Aに示す状態から,突起部282aがフレーム300から突出した図10C,図11B,図12Bに示す状態になり,弁体210を押圧して閉塞することができる。このように,第4変形例では突起部282aが弁体210に接触して進退方向に開閉駆動させるようになっている。なお,支持体282は,フレーム300内に設けた図示しないコイルバネや板バネなどの付勢部材によって背板202a側に付勢するようにしてもよい。これによれば,付勢部材の付勢力によって支持体282を後退させることができる。
【0101】
このような構成の第4変形例についての動作を図10A〜図10Cを参照しながらより詳細に説明する。先ず,弁体210がガイドレール220に沿って下方の待避位置から基板搬出入口112に対向する位置まで上昇すると図10Aに示すようになる。このときには,長尺部材261は初期位置にあり,弁体駆動用ローラ280は未だ板状カム270の斜面272に当接しておらず,突起部282aもフレーム300から突出していない。
【0102】
続いて,アクチュエータ252の作動力により長尺部材261が図示矢印方向に引っ張られると,図10Bに示すように弁体駆動用ローラ280が板状カム270の斜面272に当接し,その後さらに斜面272に沿って移動する。これにより,突起部282aもフレーム300から突出して弁体210に当接し,さらに弁体210を押圧して基板搬出入口112を閉じる方向に移動する。そして,弁体210が基板搬出入口112の周りの壁面(ここでは縁枠114の壁面)に当接すると,さらにその壁面を押圧しながら基板搬出入口112を閉塞する。
【0103】
この状態からさらに長尺部材261が引っ張られると,図10Cに示すように弁体駆動用ローラ280が板状カム270の平面274に乗り上げる。これにより,弁体210は基板搬出入口112の周りの壁面を押圧しながら基板搬出入口112を閉塞した状態で保持される。
【0104】
このように,第4変形例によっても,上述した実施形態や他の変形例と同様に,弁体210が基板搬出入口112を押しつけるときに弁体210が基板搬出入口側から押し返される力(反作用による力)は,突起部282a,弁体駆動用ローラ280,支持ローラ290を介して筐体202の背板202aで受けることができる。これにより,弁体210を閉塞位置で保持することができる。従って,各弁体駆動用ローラ280が平面274に乗り上げた状態では,アクチュエータ252の作動力を保持させておかなくても,弁体210を基板搬出入口112に押しつけたままの閉塞位置でしっかり保持することができる。
【0105】
さらに,第4変形例によれば,弁体駆動用ローラ280と板状カム270との接触,支持ローラ290と当て板276との接触はそれぞれのフレーム300内で行われるため,たとえこれらの接触によってパーティクルが発生したとしても,フレーム300の外に飛散することを防止できる。
【0106】
(ゲートバルブの適用例)
次に,上述した本発明の各実施形態にかかるゲートバルブの具体的な適用例について図面を参照しながら説明する。ここでは,マルチチャンバ型のFPD基板処理装置に適用した場合の具体例を挙げる。図13は,FPD基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。図13に示すFPD基板処理装置400は,基板を搬送する搬送アームを備えた搬送ロボット(図示せず)を収容する共通搬送室410を備え,その周りに複数の処理室420A,420B,420C及びロードロック室430が設置されている。これら共通搬送室410,各処理室420A,420B,420C,ロードロック室430はそれぞれ上述したような真空圧雰囲気になる密閉可能なチャンバを構成する。
【0107】
図13に示すFPD基板処理装置400では,共通搬送室410とその周りの各処理室420A,420B,420C,ロードロック室430はそれぞれ本実施形態にかかるゲートバルブ200を介して接続されている。なお,ロードロック室430の大気圧側の搬送アームから基板を搬出入するための基板搬出入口にもゲートバルブ200を設けるようにしてもよい。
【0108】
なお,各処理室420A,420B,420Cと共通搬送室410との間,ロードロック室430と共通搬送室410との間などのように,真空雰囲気にされる2つのチャンバ間にゲートバルブ200を設ける場合には,例えば図14に示すようにゲートバルブ200の開口部203が他のチャンバ100の基板搬出入口112の位置に配置されるように,他のチャンバ100の側壁110をゲートバルブ200の筐体202の背板202aに取り付けるようにしてもよい。
【0109】
また,2つのチャンバ100間にゲートバルブ200を設ける場合には例えば図15に示すように,筐体202はその背板202aを省略して図2Aに示す側板202b,202c,天井板202d,底板202eで各チャンバ100間を囲うようにしてもよい。この場合には,各支持ローラ290は,図15に示すように他のチャンバ100の側壁110に設けるようにしてもよく,また図示はしないが,各支持ローラ290を長尺部材261に設けて,あて板を他のチャンバ100の側壁110に設けるようにしてもよい。
【0110】
さらに,その他,例えば図16に示すようにゲートバルブ200を各チャンバ100の側壁110にそれぞれ設け,一方のゲートバルブ200の開口部203の位置に他方のゲートバルブ200の開口部203が配置されるように,各筐体202の背板202aを取り付けるように配置してもよい。
【0111】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0112】
例えば上記実施形態では,弁体を押圧駆動又は押圧保持させるカムを,板状カムで構成した場合について説明したが,これに限定されるものではなく,回転カムで構成してもよい。この場合,例えば長尺部材は筐体に回転自在に支持されるようにし,長尺部材に回転カムを固定する。そして,長尺部材を回転させることにより回転カムを駆動させて,その回転カムのカム面で弁体を押圧駆動又は押圧保持させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は,チャンバの基板搬出入口を開閉するゲートバルブ及びそれを用いた基板処理装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1A】本発明の実施形態にかかるゲートバルブの概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図1B】同実施形態にかかるゲートバルブの概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図2A】同実施形態にかかるゲートバルブの概略構成を示す縦断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図2B】同実施形態にかかるゲートバルブの概略構成を示す縦断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図2C】同実施形態にかかるゲートバルブの概略構成を示す縦断面図であって,弁体が待避位置にあるときの図である。
【図3A】同実施形態にかかるゲートバルブの概略構成を示す縦断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図3B】同実施形態にかかるゲートバルブの概略構成を示す縦断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図3C】同実施形態にかかるゲートバルブの概略構成を示す縦断面図であって,弁体が待避位置にあるときの図である。
【図4A】同実施形態にかかるゲートバルブの主要部の動作を示す斜視図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図4B】同実施形態にかかるゲートバルブの主要部の動作を示す斜視図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図4C】同実施形態にかかるゲートバルブの主要部の動作を示す斜視図であって,弁体が待避位置にあるときの図である。
【図5A】同実施形態における弁体スライド機構の構成例を示す縦断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図5B】同実施形態における弁体スライド機構の構成例を示す縦断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図6A】同実施形態にかかるカム機構の動作を説明するための横断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図6B】同実施形態にかかるカム機構の動作を説明するための横断面図であって,弁体が基板搬出入口に向けて移動し始める位置にあるときの図である。
【図6C】同実施形態にかかるカム機構の動作を説明するための横断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図7A】本発明の実施形態にかかるゲートバルブの第1変形例の概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図7B】第1変形例にかかるゲートバルブの概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図8A】本発明の実施形態にかかるゲートバルブの第2変形例の概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図8B】第2変形例にかかるゲートバルブの概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図9A】本発明の実施形態にかかるゲートバルブの第3変形例の概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図9B】第3変形例にかかるゲートバルブの概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図10A】本発明の実施形態にかかるゲートバルブの第4変形例の概略構成を示す部分拡大図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図10B】第4変形例にかかるゲートバルブの概略構成を示す部分拡大図であって,弁体が基板搬出入口に向けて移動し始める位置にあるときの図である。
【図10C】第4変形例にかかるゲートバルブの概略構成を示す部分拡大図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図11A】第4変形例にかかるゲートバルブの概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図11B】第4変形例にかかるゲートバルブの概略構成を示す横断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図12A】第4変形例にかかるゲートバルブの概略構成を示す縦断面図であって,弁体が基板搬出入口に対向する位置にあるときの図である。
【図12B】第4変形例にかかるゲートバルブの概略構成を示す縦断面図であって,弁体が基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときの図である。
【図13】同実施形態におけるゲートバルブを適用した基板処理装置の概略構成を説明するための図である。
【図14】同実施形態におけるゲートバルブの第1適用例を説明するための断面図である。
【図15】同実施形態におけるゲートバルブの第2適用例を説明するための断面図である。
【図16】同実施形態におけるゲートバルブの第3適用例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0115】
100 チャンバ
110 側壁
112 基板搬出入口
114 縁枠
200 ゲートバルブ
202 筐体
202a 背板
202b,202c 側板
202d 天井板
202e 底板
203 開口部
204a 貫通孔
210 弁体
212 弁体支持板
212a 挿入孔
220 ガイドレール
222 スライダ
224 ガイド棒
224a 止め部材
226 付勢部材
230 昇降駆動手段
232 昇降用のアクチュエータ
252 開閉用のアクチュエータ
234 ピストンロッド
235 縮径部
236 頭部
240 弁体スライド機構
242 枠部
242a 挿入孔
243 締結部材
244 ガイド体
245 転動部材
246 凹部
250 開閉駆動手段
252 アクチュエータ
254 ピストンロッド
256 支持部材
260 カム機構
261 長尺部材
262 棒状部材
263 ブッシュ
264 つなぎ部材
270 板状カム
272 斜面
274 平面
276 当て板
280 弁体駆動用ローラ
282 支持体
282a 突起部
284 ローラ
290 支持ローラ
292 支持体
294 ローラ
300 フレーム
302 ガイド棒
303,304,306 孔
400 FPD基板処理装置
410 共通搬送室
420A,420B,420C, 処理室
430 ロードロック室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバの側壁に設けられた基板搬出入口を開閉するためのゲートバルブであって,
前記チャンバの側壁に前記基板搬出入口を囲むように設けられた筐体と,
前記筐体内で昇降自在に設けられ,前記基板搬出入口を開閉する弁体と,
前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口から待避した位置との間で前記弁体を昇降させる昇降駆動手段と,
前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置との間で前記弁体を進退させるカム機構により構成した開閉駆動手段と,を備え,
前記カム機構は,前記弁体の背面側に前記弁体の長手方向に渡って配置され前記筐体に可動自在に支持された長尺部材と,前記長尺部材の動作に伴って前記弁体を押圧駆動するとともに,前記弁体が前記基板搬出入口側から押し返される力を前記長尺部材で受けることによって前記弁体を前記閉塞位置で押圧保持するカムとを有することを特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
前記カムは板状カムであり,
前記カム機構は,前記筐体に摺動自在に支持された前記長尺部材を前記弁体の進退方向に直交する方向へ摺動させる駆動手段と,前記長尺部材と前記弁体との間に設けられた前記板状カムのカム面に当接して前記弁体を駆動する弁体駆動用ローラとを備え,前記長尺部材の摺動動作を前記弁体の進退動作に変換することを特徴とする請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項3】
前記板状カムは,前記長尺部材を一方向に摺動させることにより,前記弁体駆動用ローラに当接しその弁体駆動用ローラを前記弁体を閉じる方向に前進させて,前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置まで移動させる第1のカム面と,前記弁体が前記基板搬出入口側から押し返される力を前記長尺部材で受けることによって前記弁体を前記閉塞位置で保持する第2のカム面を有することを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】
前記板状カムは,前記長尺部材の弁体側に設け,
前記弁体駆動用ローラは,前記弁体が前記基板搬出入口に対向する位置にあるときに,前記長尺部材に対向するように前記弁体に設けたことを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項5】
前記板状カムは,前記弁体の長尺部材側に設け,
前記弁体駆動用ローラは,前記弁体が前記基板搬出入口に対向する位置にあるときに,前記弁体に対向するように前記長尺部材に設けたことを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項6】
前記弁体駆動用ローラは,前記弁体の長手方向に沿って複数配置するとともに,前記板状カムは,前記弁体駆動用ローラに対応する数だけ設け,
前記長尺部材を摺動させることによって,前記弁体駆動用ローラのすべてを一斉に駆動させて前記弁体を進退させるとともに,前記弁体駆動用ローラのすべてで前記弁体を押圧しながら前記閉塞位置で保持できるように構成したことを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項7】
前記長尺部材が前記弁体から受ける力を受け止めるように前記長尺部材をその背面側から支持する支持部材を設けたことを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項8】
前記支持部材は,前記筐体の背板又は他のチャンバの側壁に設けた支持ローラからなることを特徴とする請求項7に記載のゲートバルブ。
【請求項9】
前記支持部材は,前記長尺部材に設けた支持ローラからなることを特徴とする請求項7に記載のゲートバルブ。
【請求項10】
前記支持部材は,支持ローラからなり,
前記支持ローラは,前記弁体が前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置にあるときに,前記板状カム及び前記弁体駆動用ローラと前記長尺部材を挟んで直線上に並ぶように配置したことを特徴とする特徴とする請求項7に記載のゲートバルブ。
【請求項11】
前記昇降駆動手段は,ピストンロッドを伸縮させることによって弁体を鉛直に昇降させるアクチュエータより構成し,
前記ピストンロッドの先端は,このピストンロッドに対して前記弁体を前記進退方向にスライド自在な弁体スライド機構を介して,前記弁体をその下方から支持することを特徴とする請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項12】
複数のチャンバに基板を搬送しながら基板に対して所定の処理を行う基板処理装置であって,
前記各チャンバは,その側壁に設けられた基板搬出入口を開閉するためのゲートバルブを備え,
前記ゲートバルブは,前記チャンバの側壁に前記基板搬出入口を囲むように設けられた筐体と,前記筐体内で昇降自在に設けられ,前記基板搬出入口を開閉する弁体と,前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口から待避した位置との間で前記弁体を昇降させる昇降駆動手段と,前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置との間で前記弁体を進退させるカム機構により構成した開閉駆動手段と,を備え,
前記カム機構は,前記弁体の背面側に前記弁体の長手方向に渡って配置され前記筐体に支持された長尺部材により駆動し,この長尺部材から前記弁体を押圧して駆動するとともに,前記弁体が前記基板搬出入口側から押し返される力を前記長尺部材で受けることによって前記弁体を前記閉塞位置で保持するカムを有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項13】
前記チャンバは,基板の処理を行う処理室,この処理室に接続される搬送室,この搬送室に接続されるロードロック室であることを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
チャンバの側壁に設けられた基板搬出入口を開閉するためのゲートバルブであって,
前記チャンバの側壁に前記基板搬出入口を囲むように設けられた筐体と,
前記筐体内で昇降自在に設けられ,前記基板搬出入口を開閉する弁体と,
前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口から待避した位置との間で前記弁体を昇降させる昇降駆動手段と,
前記基板搬出入口に対向する位置と前記基板搬出入口を押圧しながら閉塞する位置との間で前記弁体を進退させるカム機構により構成した開閉駆動手段と,を備え,
前記カム機構は,前記弁体の背面側に前記弁体の長手方向に渡って配置され前記筐体に可動自在に支持された長尺部材と,前記長尺部材の動作に伴って前記弁体を押圧駆動するとともに,前記弁体が前記基板搬出入口側から押し返される力を前記長尺部材で受けることによって前記弁体を前記閉塞位置で押圧保持するカムと,前記筐体に摺動自在に支持された前記長尺部材を前記弁体の進退方向に直交する方向へ摺動させる駆動手段と,前記長尺部材と前記弁体との間に設けられた前記板状カムのカム面に当接して前記弁体を駆動する弁体駆動用ローラと,前記弁体駆動用ローラと前記板状カムとを囲むように設けたフレームと,を備え,前記長尺部材の摺動動作を前記弁体の進退動作に変換することを特徴とするゲートバルブ。
【請求項15】
前記フレームは,前記弁体の背面側から隙間を空けて前記筐体の背板又は他のチャンバの側壁に取り付けられ,
前記弁体駆動用ローラは,前記フレーム内に設けられた支持体に回転自在に取り付けられ,
前記支持体は,前記弁体の背面側に突出した突起部を有し,前記弁体駆動用ローラの動きに応じて前記突起部が前記フレームに形成された孔から突没するようにスライド自在に構成し,
前記突起部によって前記弁体の背面側から前記弁体を開閉駆動するように構成したことを特徴とする請求項14に記載のゲートバルブ。
【請求項16】
前記長尺部材が前記弁体から受ける力を受け止めるように前記長尺部材をその背面側から支持する支持部材を前記フレーム内に設けたことを特徴とする請求項15に記載のゲートバルブ。
【請求項17】
前記支持部材は,前記フレーム内に設けた支持ローラからなることを特徴とする請求項16に記載のゲートバルブ。


【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2009−109006(P2009−109006A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229367(P2008−229367)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】