セラミックコンデンサ、基板装置および放電灯点灯装置
【課題】基板22への実装時に誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できるセラミックコンデンサ11を提供する。
【解決手段】誘電体セラミック基体12の両端部に一対の外部電極13を設ける。基板22に接合する誘電体セラミック基体12の接合部分には、外部電極13を設けない。基板22への実装時には、誘電体セラミック基体12の接合部分を基板22の一対のパッド24に接合し、一対の外部電極13を一対のパッド24にはんだ付け接続する。誘電体セラミック基体12の接合部分には、誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いで応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止する。
【解決手段】誘電体セラミック基体12の両端部に一対の外部電極13を設ける。基板22に接合する誘電体セラミック基体12の接合部分には、外部電極13を設けない。基板22への実装時には、誘電体セラミック基体12の接合部分を基板22の一対のパッド24に接合し、一対の外部電極13を一対のパッド24にはんだ付け接続する。誘電体セラミック基体12の接合部分には、誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いで応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に実装するセラミックコンデンサ、セラミックコンデンサを実装する基板装置およびセラミックコンデンサを使用する放電灯点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックコンデンサには、誘電体シートと複数の内部電極とを積層してチップ状の誘電体セラミック基体が形成され、この誘電体セラミック基体の両端部に内部電極に接続された一対の外部電極が形成されたチップ型積層セラミックコンデンサがある。誘電体セラミック基体は略直方体形状であり、各外部電極は誘電体セラミック基体の端面からこの端面の周囲における4面の側面にわたって形成されている。
【0003】
そして、セラミックコンデンサを基板に実装する場合には、誘電体セラミック基体の一側面における一対の外部電極を基板に設けられた一対のパッドに載せ、一対の外部電極を一対のパッドにはんだ付け接続する。一対のパッドの大きさはこれら一対のパッドに載せる一対の外部電極の大きさより大きく設けており、誘電体セラミック基体の一側面における一対の外部電極の全体が一対のパッドにはんだ付け接続される。
【0004】
しかしながら、セラミックコンデンサの一対の外部電極を一対のパッドにはんだ付け接続する際、誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いにより、誘電体セラミック基体の一側面における一対の外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に応力が集中してクラックが発生しやすく、容量が低下するなどの不具合が生じる。
【0005】
そこで、外部電極を誘電体セラミック基体上に形成する下層外部電極とこの下層外部電極の上層に形成する上層外部電極とで構成し、上層外部電極の縁部を下層外部電極の縁部より短くし、上層外部電極をはんだ付け接続することで、上層外部電極の縁部の位置から誘電体セラミック基体にクラックが発生するように制御し、誘電体セラミック基体に対するクラックの影響を低減しようとしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−69464号公報(第3頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上層外部電極の縁部を下層外部電極の縁部より短くし、上層外部電極をはんだ付け接続することで、上層外部電極の縁部の位置から誘電体セラミック基体にクラックが発生するように制御しているが、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのは防止できず、容量が低下などの影響が生じる問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、基板への実装時に誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できるセラミックコンデンサ、基板装置および放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載のセラミックコンデンサは、基板に接合される接合面を有する誘電体セラミック基体と;誘電体セラミック基体の両端部に接合部分を除いて設けられた一対の外部電極とを具備しているものである。
【0009】
そして、誘電体セラミック基体の両端部に接合部分を除いて一対の外部電極を設けているため、基板への実装時において、誘電体セラミック基体の接合部分の両端部を基板に接合し、一対の外部電極を基板にはんだ付け接続することにより、誘電体セラミック基体の接合部分には誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。なお、基板との接合は、別部材を介して行ってもよい。また、接合部分とは、接合面のうちの一部分であるが、接合面全部が接合部分となる態様もある。
【0010】
請求項2記載の基板装置は、請求項1記載のセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられた一対のパッドを有し、一対のパッドにセラミックコンデンサの接合部分が接合されるとともに一対の外部電極がはんだ付け接続されたセラミックコンデンサ実装部とを具備しているものである。
【0011】
そして、誘電体セラミック基体の外部電極が設けられていない接合部分を基板の一対のパッドに接合し、一対の外部電極を一対のパッドにはんだ付け接続するため、誘電体セラミック基体の接合面には誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。なお、パッドとは、セラミックコンデンサの接合部分が接合される導電体であればよい。
【0012】
請求項3記載の基板装置は、誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドを結ぶ方向に対して交差する方向に対応したパッドの幅がセラミックコンデンサの外部電極の幅より狭く設けられたセラミックコンデンサ実装部とを具備しているものである。
【0013】
そして、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドの幅を外部電極の幅より狭く設けたため、外部電極の縁部とパッドとをはんだ付け接続する面積が減少し、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力が低減され、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。
【0014】
請求項4記載の基板装置は、誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドがこれら一対のパッドを結ぶ方向に対して交差する方向に櫛歯状に設けられたセラミックコンデンサ実装部とを具備しているものである。
【0015】
そして、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドを櫛歯状に設けたため、外部電極の縁部と櫛歯状のパッドとのはんだ付け接続される面積が減少し、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力が低減され、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。
【0016】
請求項5記載の基板装置は、誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドの間隔がセラミックコンデンサの一対の外部電極の内端間の間隔より広く外端間の間隔より狭く設けられたセラミックコンデンサ実装部とを具備しているものである。
【0017】
そして、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドの間隔を一対の外部電極の内端間の間隔より広く外端間の間隔より狭く設けたため、外部電極の縁部とパッドとがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力が低減され、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。
【0018】
請求項6記載の基板装置は、誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有するセラミックコンデンサ実装部と;一対のパッドとセラミックコンデンサの一対の外部電極との間に介在される接着剤とを具備しているものである。
【0019】
そして、基板の一対のパッドとセラミックコンデンサの一対の外部電極との間に接着剤を介在し、これら一対のパッドに一対の外部電極をはんだ付け接続するため、外部電極の縁部とパッドとがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力が低減され、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。
【0020】
請求項7記載の放電灯点灯装置は、交流電源の電力を変換する電力変換手段と;電力変換手段を保護する請求項1記載のセラミックコンデンサを有する保護回路と;を具備しているものである。
【0021】
そして、保護回路に請求項1記載のセラミックコンデンサを用いたため、第1のスイッチング素子を確実に保護可能になる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載のセラミックコンデンサによれば、誘電体セラミック基体の両端部に接合部分を除いて一対の外部電極を設けているため、基板への実装時において、誘電体セラミック基体の接合部分を基板に接合し、一対の外部電極を基板にはんだ付け接続することにより、誘電体セラミック基体の接合部分には誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0023】
請求項2記載の基板装置によれば、誘電体セラミック基体の外部電極が設けられていない接合部分を基板の一対のパッドに接合し、一対の外部電極を一対のパッドにはんだ付け接続するため、誘電体セラミック基体の接合部分には誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0024】
請求項3記載の基板装置によれば、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドの幅を外部電極の幅より狭く設けたため、外部電極の縁部とパッドとをはんだ付け接続する面積が減少し、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0025】
請求項4記載の基板装置によれば、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドを櫛歯状に設けたため、外部電極の縁部と櫛歯状のパッドとのはんだ付け接続される面積が減少し、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0026】
請求項5記載の基板装置によれば、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドの間隔を一対の外部電極の内端間の間隔より広く外端間の間隔より狭く設けたため、外部電極の縁部とパッドとがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0027】
請求項6記載の基板装置によれば、基板の一対のパッドとセラミックコンデンサの一対の外部電極との間に接着剤を介在し、これら一対のパッドに一対の外部電極をはんだ付け接続するため、外部電極の縁部とパッドとがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0028】
請求項7記載の放電灯点灯装置によれば、保護回路に請求項1記載のセラミックコンデンサを用いたため、第1のスイッチング素子を確実に保護できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0030】
図1ないし図3に第1の実施の形態を示し、図1はセラミックコンデンサを実装する基板装置の断面図、図2はセラミックコンデンサの斜視図、図3はセラミックコンデンサを使用する照明装置の回路図である。
【0031】
図2に、セラミックコンデンサ11を示し、このセラミックコンデンサ11は、チップ型積層セラミックコンデンサであり、誘電体シートと複数の内部電極とを積層して略直方体形状のチップ状に形成された誘電体セラミック基体12を有し、この誘電体セラミック基体12の長手方向の両端部に内部電極に接続された一対の外部電極13が形成されている。誘電体セラミック基体12の周囲の1つの側面には基板に接合される接合面14が形成されている。
【0032】
各外部電極13は、誘電体セラミック基体12の端面と、この端面の周囲における4面の側面のうちの接合面14を除く3面の端部近傍とにわたって形成されている。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には外部電極13を設けておらず、接合面14には最初から外部電極13を設けないか、接合面14に外部電極13を設けた後に接合面14の外部電極13を剥離する。
【0033】
次に、図1に、セラミックコンデンサ11を実装する基板装置21を示し、この基板装置21は、絶縁性を有する基板22を有し、この基板22の表面にはセラミックコンデンサ11を実装するセラミックコンデンサ実装部23が設けられている。このセラミックコンデンサ実装部23は、基板22の表面に形成される配線回路の一部を構成する一対のパッド24を有し、一対のパッド24上に、セラミックコンデンサ11の接合面14の両端部が接合されるとともに、一対の外部電極13がはんだ25によって電気的および機械的に接続されている。
【0034】
そして、セラミックコンデンサ11には誘電体セラミック基体12の両端部に接合面14を除いて一対の外部電極13を設けているため、つまり誘電体セラミック基体12の接合面14には外部電極13を設けていないため、基板22への実装時において、誘電体セラミック基体12の接合面14の両端部を基板22に接合し、誘電体セラミック基体12の外面や接合面14以外に設けられている一対の外部電極13を基板22の一対のパッド24にはんだ付け接続することにより、誘電体セラミック基体12の接合面14には誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、つまり外部電極13の縁部がなく、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【0035】
次に、図3に、セラミックコンデンサ11を使用する照明装置を示し、この照明装置は、2本の蛍光ランプFL1,FL2を用い、これら蛍光ランプFL1,FL2を放電灯点灯装置としての放電灯点灯回路31によって点灯制御する。
【0036】
放電灯点灯回路31では、商用交流電源eにたとえば図示しないインダクタおよびコンデンサを有するフィルタ回路32が接続され、このフィルタ回路32にはダイオードブリッジなどで構成される整流手段としての全波整流器33の入力端子が接続されている。
【0037】
また、この全波整流器33の出力端子には、第1のスイッチング素子としての第1の電界効果トランジスタQ1、この第1の電界効果トランジスタQ1を保護する保護回路34の電流検出用の抵抗R1および誘導性素子として単巻変圧器Tr1の分路巻線Tr1aが直列に接続されている。
【0038】
さらに、単巻変圧器Tr1の分路巻線Tr1aに対して並列に、平滑用の比較的容量の大きな平滑用の第1の容量性素子としての平滑用コンデンサC1、寄生ダイオードが整流素子としての機能を有する第2のスイッチング素子としての第2の電界効果トランジスタQ2およびこの第2の電界効果トランジスタQ2を保護する保護回路35の電流検出用の抵抗R2の直列回路が接続されている。
【0039】
また、全波整流器33の出力端子間には、比較的小容量の第2の容量性素子としてのリプル用コンデンサC2が接続されている。
【0040】
そして、第2の電界効果トランジスタQ2のゲートは、抵抗R3およびトランスTr2の一次巻線Tr2aを介して接地され、トランスTr2の二次巻線Tr2bは抵抗R4を介して第1の電界効果トランジスタQ1のゲートおよび抵抗R1の間に接続され、第1の電界効果トランジスタQ1および第2の電界効果トランジスタQ2は交互にオン、オフするように構成されている。なお、第1の電界効果トランジスタQ1、単巻変圧器Tr1および平滑用コンデンサC1にて極性反転型チョッパ回路36が構成され、また、全波整流器33、極性反転型チョッパ回路36などで電力変換手段が構成される。
【0041】
また、保護回路34は、誤動作防止用に抵抗R1に対して並列に抵抗R5およびセラミックコンデンサ11であるコンデンサC4の直列回路が接続され、コンデンサC4に対して並列に抵抗R6が接続され、抵抗R5および抵抗R6の接続点にトランジスタQ3のベースが接続され、このトランジスタQ3のコレクタは第1の電界効果トランジスタQ1のゲートに接続されるとともに、二次巻線Tr2bの両端間に接続されている。
【0042】
同様に、保護回路35は、誤動作防止用に抵抗R2に対して並列に抵抗R7およびコンデンサC5の直列回路が接続され、コンデンサC5に対して並列に抵抗R8が接続され、抵抗R7および抵抗R8の接続点にトランジスタQ4のベースが接続され、このトランジスタQ4のコレクタは第2の電界効果トランジスタQ2のゲートに接続されるとともに、一次巻線Tr2aおよびコンデンサC3の間に接続されている。
【0043】
また、単巻変圧器Tr1の分路巻線Tr1aおよび直列巻線Tr1bの両端子間には、直流カット用のコンデンサC6およびチョークを兼ねたフィラメントトランスTr3の一次巻線Tr3aを介して34Wの蛍光ランプFL1のフィラメントFL1a,FL1bの一端が接続され、フィラメントFL1aにはフィラメントトランスTr3の予熱巻線Tr3bが接続され、フィラメントFL1bにはフィラメントトランスTr3の予熱巻線Tr3cが接続されている。なお、分路巻線Tr1aと、分路巻線Tr1aおよび直列巻線Tr1bとの比は、1:1.5に設定されている。
【0044】
また、単巻変圧器Tr1の分路巻線Tr1aおよび直列巻線Tr1bの中間タップ間には、直流カット用のコンデンサC7およびチョークを兼ねたフィラメントトランスTr4の一次巻線Tr4aを介して27Wの蛍光ランプFL2のフィラメントFL2a,FL2bの一端が接続され、フィラメントFL2aにはフィラメントトランスTr4の予熱巻線Tr4bが接続され、フィラメントFL2bにはフィラメントトランスTr4の予熱巻線Tr4cが接続されている。なお、分路巻線Tr1aと、分路巻線Tr1aおよび直列巻線Tr1bの中間タップとの比は、1:1.4に設定されている。
【0045】
さらに、蛍光ランプFL1のフィラメントFL1a,FL1bの一端間には、たとえば寿命末期その他のためにランプ電圧を検出するランプ電圧検出手段としてのランプ電圧検出回路37が接続され、このランプ電圧検出回路37はフィラメントFL1a,FL1b間にコンデンサC11およびコンデンサC12の直列回路が接続され、このコンデンサC12に対して並列にダイオードD1が接続され、コンデンサC11およびコンデンサC12の接続点にダイオードD2が接続されている。
【0046】
また、同様に、蛍光ランプFL2のフィラメントFL2a,FL2bの一端間には、たとえば寿命末期その他のためにランプ電圧を検出するランプ電圧検出手段としてのランプ電圧検出回路38が接続され、このランプ電圧検出回路38はフィラメントFL2a,FL2b間にコンデンサC13およびコンデンサC14の直列回路が接続され、このコンデンサC14に対して並列にダイオードD3が接続され、コンデンサC13およびコンデンサC14の接続点にダイオードD4が接続されている。
【0047】
さらに、全波整流器33の交流入力端間には、制御手段としての制御回路41が接続され、この制御回路41は全波整流器33の交流入力端間に抵抗R11および抵抗R12の並列回路および抵抗R13が接続され、抵抗R13に対して並列にコンデンサC15が接続され、コンデンサC15に対して並列にコンデンサC16およびコンデンサC17の直列回路が接続され、コンデンサC17に対して並列に抵抗R14が接続され、コンデンサC16およびコンデンサC17の接続点はコンデンサC1および第2の電界効果トランジスタQ2の接続点に接続されるとともに、オペアンプ42の非反転入力端子に接続されている。また、オペアンプ42の反転入力端子には基準電圧源E1が接続され、オペアンプ42の反転入力端子と出力端子間には抵抗R15が接続され、オペアンプ42の出力端子はドライブ回路としての発振器43に接続され、この発振器43にはダイオードD2およびダイオードD3が接続されてランプ電圧検出回路37,38の出力が入力される。また、発振器43は、Hレベルを一定時間としてLレベルを可変とし、すなわちトランスTr2の一次巻線Tr2aオン幅一定でオフ幅可変の動作をし、電圧が高い状態では周波数はトランスTr2の一次巻線Tr2aのオン時間とオフ時間を加えたもので周波数制御され、バッファ44および直流カット用のコンデンサC18を介して、抵抗R3およびトランスTr2の一次巻線Tr2aの接続点に接続されている。
【0048】
そして、この放電灯点灯回路31の動作について説明する。
【0049】
商用交流電源eの電圧をフィルタ回路32でノイズ除去し、全波整流器33で全波整流する。
【0050】
発振器43のPWM信号出力をバッファ44を介してコンデンサC18で直流カットして第2の電界効果トランジスタQ2を交互にオン、オフさせ、この第2のトランジスタQ2のオン、オフに伴いトランスTr2の二次巻線Tr2aに、第2の電界効果トランジスタQ2のゲート電圧とは反対の電圧を印加し、第2の電界効果トランジスタQ2とは逆の状態で第1の電界効果トランジスタQ1をオン、オフさせ、第1の電界効果トランジスタQ1および第2の電界効果トランジスタQ2を交互に、オン、オフさせる。
【0051】
第1の電界効果トランジスタQ1をオンすると、全波整流器33、第1の電界効果トランジスタQ1、抵抗R1、単巻変圧器Tr1および全波整流器33の経路で電流が流れ、単巻変圧器Tr1が充電され、リプル用コンデンサC2の電圧が商用交流電源eの電圧以下の場合に全波整流器33に電流が流れる。また、第1の電界効果トランジスタQ1がオンすることにより、第1の電界効果トランジスタQ1に突入電流が流れると、保護回路34の抵抗R1の電圧が上昇しコンデンサC4を充電することによりトランジスタQ3のベースに電流を供給する。この際、抵抗R1の電圧が高くなるに従いトランジスタQ3のベース電流を増加させて、第1の電界効果トランジスタQ1のゲート電圧をより低下させ、第1の電界効果トランジスタQ1に流れる電流を一定値以下としてソフト処理などすることなく第1の電界効果トランジスタQ1が破壊されることを防止する。すなわち、抵抗R3に過電流が流れて抵抗R3の電圧が高くなってトランジスタQ3がオンし、第1の電界効果トランジスタQ1のゲート電圧は印加されず、ゲート電圧が低下する。そして、第1の電界効果トランジスタQ1のゲート電圧が低下することにより、ドレイン電流が低下してドレイン電流が設定値以上流れることを防止する。
【0052】
第1の電界効果トランジスタQ1をオフすると、単巻変圧器Tr1、平滑用コンデンサC1、抵抗R2、第2の電界効果トランジスタQ2の寄生ダイオードおよび単巻変圧器Tr1の経路で電流が流れ、単巻変圧器Tr1に蓄えられたエネルギにより平滑用コンデンサC1を充電する。
【0053】
第2の電界効果トランジスタQ2をオンすると、電流方向が反転して交流となり、平滑用コンデンサC1、単巻変圧器Tr1、第2の電界効果トランジスタQ2、抵抗R2および平滑用コンデンサC1の経路で電流が流れ、単巻変圧器Tr1に電流を流し、単巻変圧器Tr1を充電する。また、第2の電界効果トランジスタQ2がオンすることにより、第2の電界効果トランジスタQ2に突入電流が流れると、保護回路35の抵抗R2の電圧が上昇しコンデンサC5を充電することによりトランジスタQ4のベースに電流を供給する。この際、抵抗R2の電圧が高くなるに従いトランジスタQ4のベース電流を増加させて、第2の電界効果トランジスタQ2のゲート電圧をより低下させ、第2の電界効果トランジスタQ2に流れる電流を一定値以下としてソフト処理などすることなく第2の電界効果トランジスタQ2が破壊されることを防止する。この場合にも、保護回路35は保護回路34と同様に動作する。
【0054】
第2の電界効果トランジスタQ2をオフすると、単巻変圧器Tr1、第1の電界効果トランジスタQ1の寄生ダイオード、リプル用コンデンサC2および単巻変圧器Tr1の経路で電流が流れ、単巻変圧器Tr1およびリプル用コンデンサC2で共振して高周波電圧を発生し、このリプル電流が全波整流器33の出力に重畳され、全波整流器33からの電圧を昇圧する。
【0055】
この電流が反転して交流となり、この反転により、全波整流器33の電圧が低下して整流後の電圧が整流前の電圧と等しくなって低歪となる力率改善電流が流れる。
【0056】
単巻変圧器Tr1により、異なる電圧に昇圧して蛍光ランプFL1には蛍光ランプFL2より高い電圧を印加して、始動、点灯させる。
【0057】
また、ランプ電圧検出回路37,38で蛍光ランプFL1,FL2のランプ電圧をそれぞれ検出し、蛍光ランプFL1,FL2のランプ電圧に従い発振器43のオフの時間を制御する周波数制御し、発振器43で第2の電界効果トランジスタQ2へのゲート電圧を制御して、蛍光ランプFL1,FL2のソフトスタート、始動および点灯時の制御、蛍光ランプFL1,FL2が不点あるいは寿命末期などの際に、適切な電圧を出力したり、動作を停止させたりする。
【0058】
次に、図4および図5に第2の実施の形態を示し、図4は基板装置21の平面図、図5は基板装置21の断面図である。
【0059】
セラミックコンデンサ11は、一対の外部電極13が誘電体セラミック基体12の端面とこの端面の周囲における4面の側面とにわたって形成されている一般の構造の場合を示す。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には、外部電極13が設けられており、この外部電極13の縁部13aが位置している。
【0060】
このセラミックコンデンサ11に対応するために、基板22上の一対のパッド24を結ぶ方向に対して交差する方向に対応したパッド24の幅W1を、セラミックコンデンサ11の外部電極13の幅W2より狭く設けている。
【0061】
そして、セラミックコンデンサ11の一対の外部電極13がはんだ付け接続される基板22の一対のパッド24の幅W1を外部電極13の幅W2より狭く設けたため、外部電極13の縁部13aとパッド24とをはんだ付け接続する面積が減少し、セラミックコンデンサ11の誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって外部電極13の縁部13a付近で誘電体セラミック基体12に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【0062】
次に、図6および図7に第3の実施の形態を示し、図6は基板装置21の平面図、図7は基板装置21の断面図である。
【0063】
セラミックコンデンサ11は、一対の外部電極13が誘電体セラミック基体12の端面とこの端面の周囲における4面の側面とにわたって形成されている一般の構造の場合を示す。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には、外部電極13が設けられており、この外部電極13の縁部13aが位置している。
【0064】
このセラミックコンデンサ11に対応するために、基板22上の一対のパッド24をこれら一対のパッド24を結ぶ方向に対して交差する方向に櫛歯状に設けている。
【0065】
そして、セラミックコンデンサ11の一対の外部電極13がはんだ付け接続される基板22の一対のパッド24を櫛歯状に設けたため、外部電極13の縁部13aと櫛歯状のパッド24とのはんだ付け接続される面積が減少し、セラミックコンデンサ11の誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって外部電極13の縁部13a付近で誘電体セラミック基体12に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【0066】
次に、図8および図9に第4の実施の形態を示し、図8は基板装置21の平面図、図9は基板装置21の断面図である。
【0067】
セラミックコンデンサ11は、一対の外部電極13が誘電体セラミック基体12の端面とこの端面の周囲における4面の側面とにわたって形成されている一般の構造の場合を示す。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には、外部電極13が設けられており、この外部電極13の縁部13aが位置している。
【0068】
このセラミックコンデンサ11に対応するために、基板22上の一対のパッド24の間隔L1をセラミックコンデンサ11の一対の外部電極13の内端間つまり縁部13a間の間隔L2より広く外端間の間隔L3より狭く設けている。
【0069】
この場合、セラミックコンデンサ11の一対の外部電極13の縁部13aが基板22上の一対のパッド24のいずれにも載らないように配置し、一対の外部電極13を一対のパッド24にはんだ付け接続する。
【0070】
そして、セラミックコンデンサ11の一対の外部電極13がはんだ付け接続される基板22の一対のパッド24の間隔L1を一対の外部電極13の内端間の間隔L2より広く外端間の間隔L3より狭く設けたため、外部電極13の縁部13aとパッド24とがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサ11の誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって外部電極13の縁部13a付近で誘電体セラミック基体12に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【0071】
次に、図10ないし図12に第5の実施の形態を示し、図10は基板装置21の基板22の平面図、図11は基板22の断面図、図12は基板装置21の断面図である。
【0072】
セラミックコンデンサ11は、一対の外部電極13が誘電体セラミック基体12の端面とこの端面の周囲における4面の側面とにわたって形成されている一般の構造の場合を示す。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には、外部電極13が設けられており、この外部電極13の縁部13aが位置している。
【0073】
セラミックコンデンサ11を基板22に実装する際、一対のパッド24上で外部電極13が載る箇所に導電性あるいは非導電性の接着剤51を塗布し、これら一対のパッド24の接着剤51上にセラミックコンデンサ11の一対の外部電極13を載せて接着固定した後、一対の外部電極13を一対のパッド24にはんだ付け接続する。
【0074】
そして、基板22の一対のパッド24とセラミックコンデンサ11の一対の外部電極13との間に接着剤51を介在し、これら一対のパッド24に一対の外部電極13をはんだ付け接続するため、外部電極13の縁部13aとパッド24とがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサ11の誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって外部電極13の縁部13a付近で誘電体セラミック基体12に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すセラミックコンデンサを実装する基板装置の断面図である。
【図2】同上セラミックコンデンサの斜視図である。
【図3】同上セラミックコンデンサを使用する照明装置の回路図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す基板装置の平面図である。
【図5】同上基板装置の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す基板装置の平面図である。
【図7】同上基板装置の断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示す基板装置の平面図である。
【図9】同上基板装置の断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示す基板装置の基板の平面図である。
【図11】同上基板の断面図である。
【図12】同上基板装置の断面図である。
【符号の説明】
【0076】
11 セラミックコンデンサ
12 誘電体セラミック基体
13 外部電極
14 接合面
21 基板装置
22 基板
23 セラミックコンデンサ実装部
24 パッド
31 放電灯点灯装置としての放電灯点灯回路
34 保護回路
51 接着剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に実装するセラミックコンデンサ、セラミックコンデンサを実装する基板装置およびセラミックコンデンサを使用する放電灯点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックコンデンサには、誘電体シートと複数の内部電極とを積層してチップ状の誘電体セラミック基体が形成され、この誘電体セラミック基体の両端部に内部電極に接続された一対の外部電極が形成されたチップ型積層セラミックコンデンサがある。誘電体セラミック基体は略直方体形状であり、各外部電極は誘電体セラミック基体の端面からこの端面の周囲における4面の側面にわたって形成されている。
【0003】
そして、セラミックコンデンサを基板に実装する場合には、誘電体セラミック基体の一側面における一対の外部電極を基板に設けられた一対のパッドに載せ、一対の外部電極を一対のパッドにはんだ付け接続する。一対のパッドの大きさはこれら一対のパッドに載せる一対の外部電極の大きさより大きく設けており、誘電体セラミック基体の一側面における一対の外部電極の全体が一対のパッドにはんだ付け接続される。
【0004】
しかしながら、セラミックコンデンサの一対の外部電極を一対のパッドにはんだ付け接続する際、誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いにより、誘電体セラミック基体の一側面における一対の外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に応力が集中してクラックが発生しやすく、容量が低下するなどの不具合が生じる。
【0005】
そこで、外部電極を誘電体セラミック基体上に形成する下層外部電極とこの下層外部電極の上層に形成する上層外部電極とで構成し、上層外部電極の縁部を下層外部電極の縁部より短くし、上層外部電極をはんだ付け接続することで、上層外部電極の縁部の位置から誘電体セラミック基体にクラックが発生するように制御し、誘電体セラミック基体に対するクラックの影響を低減しようとしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−69464号公報(第3頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上層外部電極の縁部を下層外部電極の縁部より短くし、上層外部電極をはんだ付け接続することで、上層外部電極の縁部の位置から誘電体セラミック基体にクラックが発生するように制御しているが、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのは防止できず、容量が低下などの影響が生じる問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、基板への実装時に誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できるセラミックコンデンサ、基板装置および放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載のセラミックコンデンサは、基板に接合される接合面を有する誘電体セラミック基体と;誘電体セラミック基体の両端部に接合部分を除いて設けられた一対の外部電極とを具備しているものである。
【0009】
そして、誘電体セラミック基体の両端部に接合部分を除いて一対の外部電極を設けているため、基板への実装時において、誘電体セラミック基体の接合部分の両端部を基板に接合し、一対の外部電極を基板にはんだ付け接続することにより、誘電体セラミック基体の接合部分には誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。なお、基板との接合は、別部材を介して行ってもよい。また、接合部分とは、接合面のうちの一部分であるが、接合面全部が接合部分となる態様もある。
【0010】
請求項2記載の基板装置は、請求項1記載のセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられた一対のパッドを有し、一対のパッドにセラミックコンデンサの接合部分が接合されるとともに一対の外部電極がはんだ付け接続されたセラミックコンデンサ実装部とを具備しているものである。
【0011】
そして、誘電体セラミック基体の外部電極が設けられていない接合部分を基板の一対のパッドに接合し、一対の外部電極を一対のパッドにはんだ付け接続するため、誘電体セラミック基体の接合面には誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。なお、パッドとは、セラミックコンデンサの接合部分が接合される導電体であればよい。
【0012】
請求項3記載の基板装置は、誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドを結ぶ方向に対して交差する方向に対応したパッドの幅がセラミックコンデンサの外部電極の幅より狭く設けられたセラミックコンデンサ実装部とを具備しているものである。
【0013】
そして、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドの幅を外部電極の幅より狭く設けたため、外部電極の縁部とパッドとをはんだ付け接続する面積が減少し、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力が低減され、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。
【0014】
請求項4記載の基板装置は、誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドがこれら一対のパッドを結ぶ方向に対して交差する方向に櫛歯状に設けられたセラミックコンデンサ実装部とを具備しているものである。
【0015】
そして、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドを櫛歯状に設けたため、外部電極の縁部と櫛歯状のパッドとのはんだ付け接続される面積が減少し、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力が低減され、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。
【0016】
請求項5記載の基板装置は、誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドの間隔がセラミックコンデンサの一対の外部電極の内端間の間隔より広く外端間の間隔より狭く設けられたセラミックコンデンサ実装部とを具備しているものである。
【0017】
そして、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドの間隔を一対の外部電極の内端間の間隔より広く外端間の間隔より狭く設けたため、外部電極の縁部とパッドとがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力が低減され、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。
【0018】
請求項6記載の基板装置は、誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有するセラミックコンデンサ実装部と;一対のパッドとセラミックコンデンサの一対の外部電極との間に介在される接着剤とを具備しているものである。
【0019】
そして、基板の一対のパッドとセラミックコンデンサの一対の外部電極との間に接着剤を介在し、これら一対のパッドに一対の外部電極をはんだ付け接続するため、外部電極の縁部とパッドとがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力が低減され、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのが防止される。
【0020】
請求項7記載の放電灯点灯装置は、交流電源の電力を変換する電力変換手段と;電力変換手段を保護する請求項1記載のセラミックコンデンサを有する保護回路と;を具備しているものである。
【0021】
そして、保護回路に請求項1記載のセラミックコンデンサを用いたため、第1のスイッチング素子を確実に保護可能になる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載のセラミックコンデンサによれば、誘電体セラミック基体の両端部に接合部分を除いて一対の外部電極を設けているため、基板への実装時において、誘電体セラミック基体の接合部分を基板に接合し、一対の外部電極を基板にはんだ付け接続することにより、誘電体セラミック基体の接合部分には誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0023】
請求項2記載の基板装置によれば、誘電体セラミック基体の外部電極が設けられていない接合部分を基板の一対のパッドに接合し、一対の外部電極を一対のパッドにはんだ付け接続するため、誘電体セラミック基体の接合部分には誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0024】
請求項3記載の基板装置によれば、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドの幅を外部電極の幅より狭く設けたため、外部電極の縁部とパッドとをはんだ付け接続する面積が減少し、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0025】
請求項4記載の基板装置によれば、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドを櫛歯状に設けたため、外部電極の縁部と櫛歯状のパッドとのはんだ付け接続される面積が減少し、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0026】
請求項5記載の基板装置によれば、セラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される基板の一対のパッドの間隔を一対の外部電極の内端間の間隔より広く外端間の間隔より狭く設けたため、外部電極の縁部とパッドとがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0027】
請求項6記載の基板装置によれば、基板の一対のパッドとセラミックコンデンサの一対の外部電極との間に接着剤を介在し、これら一対のパッドに一対の外部電極をはんだ付け接続するため、外部電極の縁部とパッドとがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサの誘電体セラミック基体と基板との熱膨張率の違いによって外部電極の縁部付近で誘電体セラミック基体に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体にクラックが発生するのを防止できる。
【0028】
請求項7記載の放電灯点灯装置によれば、保護回路に請求項1記載のセラミックコンデンサを用いたため、第1のスイッチング素子を確実に保護できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0030】
図1ないし図3に第1の実施の形態を示し、図1はセラミックコンデンサを実装する基板装置の断面図、図2はセラミックコンデンサの斜視図、図3はセラミックコンデンサを使用する照明装置の回路図である。
【0031】
図2に、セラミックコンデンサ11を示し、このセラミックコンデンサ11は、チップ型積層セラミックコンデンサであり、誘電体シートと複数の内部電極とを積層して略直方体形状のチップ状に形成された誘電体セラミック基体12を有し、この誘電体セラミック基体12の長手方向の両端部に内部電極に接続された一対の外部電極13が形成されている。誘電体セラミック基体12の周囲の1つの側面には基板に接合される接合面14が形成されている。
【0032】
各外部電極13は、誘電体セラミック基体12の端面と、この端面の周囲における4面の側面のうちの接合面14を除く3面の端部近傍とにわたって形成されている。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には外部電極13を設けておらず、接合面14には最初から外部電極13を設けないか、接合面14に外部電極13を設けた後に接合面14の外部電極13を剥離する。
【0033】
次に、図1に、セラミックコンデンサ11を実装する基板装置21を示し、この基板装置21は、絶縁性を有する基板22を有し、この基板22の表面にはセラミックコンデンサ11を実装するセラミックコンデンサ実装部23が設けられている。このセラミックコンデンサ実装部23は、基板22の表面に形成される配線回路の一部を構成する一対のパッド24を有し、一対のパッド24上に、セラミックコンデンサ11の接合面14の両端部が接合されるとともに、一対の外部電極13がはんだ25によって電気的および機械的に接続されている。
【0034】
そして、セラミックコンデンサ11には誘電体セラミック基体12の両端部に接合面14を除いて一対の外部電極13を設けているため、つまり誘電体セラミック基体12の接合面14には外部電極13を設けていないため、基板22への実装時において、誘電体セラミック基体12の接合面14の両端部を基板22に接合し、誘電体セラミック基体12の外面や接合面14以外に設けられている一対の外部電極13を基板22の一対のパッド24にはんだ付け接続することにより、誘電体セラミック基体12の接合面14には誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって応力集中が発生する箇所がなく、つまり外部電極13の縁部がなく、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【0035】
次に、図3に、セラミックコンデンサ11を使用する照明装置を示し、この照明装置は、2本の蛍光ランプFL1,FL2を用い、これら蛍光ランプFL1,FL2を放電灯点灯装置としての放電灯点灯回路31によって点灯制御する。
【0036】
放電灯点灯回路31では、商用交流電源eにたとえば図示しないインダクタおよびコンデンサを有するフィルタ回路32が接続され、このフィルタ回路32にはダイオードブリッジなどで構成される整流手段としての全波整流器33の入力端子が接続されている。
【0037】
また、この全波整流器33の出力端子には、第1のスイッチング素子としての第1の電界効果トランジスタQ1、この第1の電界効果トランジスタQ1を保護する保護回路34の電流検出用の抵抗R1および誘導性素子として単巻変圧器Tr1の分路巻線Tr1aが直列に接続されている。
【0038】
さらに、単巻変圧器Tr1の分路巻線Tr1aに対して並列に、平滑用の比較的容量の大きな平滑用の第1の容量性素子としての平滑用コンデンサC1、寄生ダイオードが整流素子としての機能を有する第2のスイッチング素子としての第2の電界効果トランジスタQ2およびこの第2の電界効果トランジスタQ2を保護する保護回路35の電流検出用の抵抗R2の直列回路が接続されている。
【0039】
また、全波整流器33の出力端子間には、比較的小容量の第2の容量性素子としてのリプル用コンデンサC2が接続されている。
【0040】
そして、第2の電界効果トランジスタQ2のゲートは、抵抗R3およびトランスTr2の一次巻線Tr2aを介して接地され、トランスTr2の二次巻線Tr2bは抵抗R4を介して第1の電界効果トランジスタQ1のゲートおよび抵抗R1の間に接続され、第1の電界効果トランジスタQ1および第2の電界効果トランジスタQ2は交互にオン、オフするように構成されている。なお、第1の電界効果トランジスタQ1、単巻変圧器Tr1および平滑用コンデンサC1にて極性反転型チョッパ回路36が構成され、また、全波整流器33、極性反転型チョッパ回路36などで電力変換手段が構成される。
【0041】
また、保護回路34は、誤動作防止用に抵抗R1に対して並列に抵抗R5およびセラミックコンデンサ11であるコンデンサC4の直列回路が接続され、コンデンサC4に対して並列に抵抗R6が接続され、抵抗R5および抵抗R6の接続点にトランジスタQ3のベースが接続され、このトランジスタQ3のコレクタは第1の電界効果トランジスタQ1のゲートに接続されるとともに、二次巻線Tr2bの両端間に接続されている。
【0042】
同様に、保護回路35は、誤動作防止用に抵抗R2に対して並列に抵抗R7およびコンデンサC5の直列回路が接続され、コンデンサC5に対して並列に抵抗R8が接続され、抵抗R7および抵抗R8の接続点にトランジスタQ4のベースが接続され、このトランジスタQ4のコレクタは第2の電界効果トランジスタQ2のゲートに接続されるとともに、一次巻線Tr2aおよびコンデンサC3の間に接続されている。
【0043】
また、単巻変圧器Tr1の分路巻線Tr1aおよび直列巻線Tr1bの両端子間には、直流カット用のコンデンサC6およびチョークを兼ねたフィラメントトランスTr3の一次巻線Tr3aを介して34Wの蛍光ランプFL1のフィラメントFL1a,FL1bの一端が接続され、フィラメントFL1aにはフィラメントトランスTr3の予熱巻線Tr3bが接続され、フィラメントFL1bにはフィラメントトランスTr3の予熱巻線Tr3cが接続されている。なお、分路巻線Tr1aと、分路巻線Tr1aおよび直列巻線Tr1bとの比は、1:1.5に設定されている。
【0044】
また、単巻変圧器Tr1の分路巻線Tr1aおよび直列巻線Tr1bの中間タップ間には、直流カット用のコンデンサC7およびチョークを兼ねたフィラメントトランスTr4の一次巻線Tr4aを介して27Wの蛍光ランプFL2のフィラメントFL2a,FL2bの一端が接続され、フィラメントFL2aにはフィラメントトランスTr4の予熱巻線Tr4bが接続され、フィラメントFL2bにはフィラメントトランスTr4の予熱巻線Tr4cが接続されている。なお、分路巻線Tr1aと、分路巻線Tr1aおよび直列巻線Tr1bの中間タップとの比は、1:1.4に設定されている。
【0045】
さらに、蛍光ランプFL1のフィラメントFL1a,FL1bの一端間には、たとえば寿命末期その他のためにランプ電圧を検出するランプ電圧検出手段としてのランプ電圧検出回路37が接続され、このランプ電圧検出回路37はフィラメントFL1a,FL1b間にコンデンサC11およびコンデンサC12の直列回路が接続され、このコンデンサC12に対して並列にダイオードD1が接続され、コンデンサC11およびコンデンサC12の接続点にダイオードD2が接続されている。
【0046】
また、同様に、蛍光ランプFL2のフィラメントFL2a,FL2bの一端間には、たとえば寿命末期その他のためにランプ電圧を検出するランプ電圧検出手段としてのランプ電圧検出回路38が接続され、このランプ電圧検出回路38はフィラメントFL2a,FL2b間にコンデンサC13およびコンデンサC14の直列回路が接続され、このコンデンサC14に対して並列にダイオードD3が接続され、コンデンサC13およびコンデンサC14の接続点にダイオードD4が接続されている。
【0047】
さらに、全波整流器33の交流入力端間には、制御手段としての制御回路41が接続され、この制御回路41は全波整流器33の交流入力端間に抵抗R11および抵抗R12の並列回路および抵抗R13が接続され、抵抗R13に対して並列にコンデンサC15が接続され、コンデンサC15に対して並列にコンデンサC16およびコンデンサC17の直列回路が接続され、コンデンサC17に対して並列に抵抗R14が接続され、コンデンサC16およびコンデンサC17の接続点はコンデンサC1および第2の電界効果トランジスタQ2の接続点に接続されるとともに、オペアンプ42の非反転入力端子に接続されている。また、オペアンプ42の反転入力端子には基準電圧源E1が接続され、オペアンプ42の反転入力端子と出力端子間には抵抗R15が接続され、オペアンプ42の出力端子はドライブ回路としての発振器43に接続され、この発振器43にはダイオードD2およびダイオードD3が接続されてランプ電圧検出回路37,38の出力が入力される。また、発振器43は、Hレベルを一定時間としてLレベルを可変とし、すなわちトランスTr2の一次巻線Tr2aオン幅一定でオフ幅可変の動作をし、電圧が高い状態では周波数はトランスTr2の一次巻線Tr2aのオン時間とオフ時間を加えたもので周波数制御され、バッファ44および直流カット用のコンデンサC18を介して、抵抗R3およびトランスTr2の一次巻線Tr2aの接続点に接続されている。
【0048】
そして、この放電灯点灯回路31の動作について説明する。
【0049】
商用交流電源eの電圧をフィルタ回路32でノイズ除去し、全波整流器33で全波整流する。
【0050】
発振器43のPWM信号出力をバッファ44を介してコンデンサC18で直流カットして第2の電界効果トランジスタQ2を交互にオン、オフさせ、この第2のトランジスタQ2のオン、オフに伴いトランスTr2の二次巻線Tr2aに、第2の電界効果トランジスタQ2のゲート電圧とは反対の電圧を印加し、第2の電界効果トランジスタQ2とは逆の状態で第1の電界効果トランジスタQ1をオン、オフさせ、第1の電界効果トランジスタQ1および第2の電界効果トランジスタQ2を交互に、オン、オフさせる。
【0051】
第1の電界効果トランジスタQ1をオンすると、全波整流器33、第1の電界効果トランジスタQ1、抵抗R1、単巻変圧器Tr1および全波整流器33の経路で電流が流れ、単巻変圧器Tr1が充電され、リプル用コンデンサC2の電圧が商用交流電源eの電圧以下の場合に全波整流器33に電流が流れる。また、第1の電界効果トランジスタQ1がオンすることにより、第1の電界効果トランジスタQ1に突入電流が流れると、保護回路34の抵抗R1の電圧が上昇しコンデンサC4を充電することによりトランジスタQ3のベースに電流を供給する。この際、抵抗R1の電圧が高くなるに従いトランジスタQ3のベース電流を増加させて、第1の電界効果トランジスタQ1のゲート電圧をより低下させ、第1の電界効果トランジスタQ1に流れる電流を一定値以下としてソフト処理などすることなく第1の電界効果トランジスタQ1が破壊されることを防止する。すなわち、抵抗R3に過電流が流れて抵抗R3の電圧が高くなってトランジスタQ3がオンし、第1の電界効果トランジスタQ1のゲート電圧は印加されず、ゲート電圧が低下する。そして、第1の電界効果トランジスタQ1のゲート電圧が低下することにより、ドレイン電流が低下してドレイン電流が設定値以上流れることを防止する。
【0052】
第1の電界効果トランジスタQ1をオフすると、単巻変圧器Tr1、平滑用コンデンサC1、抵抗R2、第2の電界効果トランジスタQ2の寄生ダイオードおよび単巻変圧器Tr1の経路で電流が流れ、単巻変圧器Tr1に蓄えられたエネルギにより平滑用コンデンサC1を充電する。
【0053】
第2の電界効果トランジスタQ2をオンすると、電流方向が反転して交流となり、平滑用コンデンサC1、単巻変圧器Tr1、第2の電界効果トランジスタQ2、抵抗R2および平滑用コンデンサC1の経路で電流が流れ、単巻変圧器Tr1に電流を流し、単巻変圧器Tr1を充電する。また、第2の電界効果トランジスタQ2がオンすることにより、第2の電界効果トランジスタQ2に突入電流が流れると、保護回路35の抵抗R2の電圧が上昇しコンデンサC5を充電することによりトランジスタQ4のベースに電流を供給する。この際、抵抗R2の電圧が高くなるに従いトランジスタQ4のベース電流を増加させて、第2の電界効果トランジスタQ2のゲート電圧をより低下させ、第2の電界効果トランジスタQ2に流れる電流を一定値以下としてソフト処理などすることなく第2の電界効果トランジスタQ2が破壊されることを防止する。この場合にも、保護回路35は保護回路34と同様に動作する。
【0054】
第2の電界効果トランジスタQ2をオフすると、単巻変圧器Tr1、第1の電界効果トランジスタQ1の寄生ダイオード、リプル用コンデンサC2および単巻変圧器Tr1の経路で電流が流れ、単巻変圧器Tr1およびリプル用コンデンサC2で共振して高周波電圧を発生し、このリプル電流が全波整流器33の出力に重畳され、全波整流器33からの電圧を昇圧する。
【0055】
この電流が反転して交流となり、この反転により、全波整流器33の電圧が低下して整流後の電圧が整流前の電圧と等しくなって低歪となる力率改善電流が流れる。
【0056】
単巻変圧器Tr1により、異なる電圧に昇圧して蛍光ランプFL1には蛍光ランプFL2より高い電圧を印加して、始動、点灯させる。
【0057】
また、ランプ電圧検出回路37,38で蛍光ランプFL1,FL2のランプ電圧をそれぞれ検出し、蛍光ランプFL1,FL2のランプ電圧に従い発振器43のオフの時間を制御する周波数制御し、発振器43で第2の電界効果トランジスタQ2へのゲート電圧を制御して、蛍光ランプFL1,FL2のソフトスタート、始動および点灯時の制御、蛍光ランプFL1,FL2が不点あるいは寿命末期などの際に、適切な電圧を出力したり、動作を停止させたりする。
【0058】
次に、図4および図5に第2の実施の形態を示し、図4は基板装置21の平面図、図5は基板装置21の断面図である。
【0059】
セラミックコンデンサ11は、一対の外部電極13が誘電体セラミック基体12の端面とこの端面の周囲における4面の側面とにわたって形成されている一般の構造の場合を示す。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には、外部電極13が設けられており、この外部電極13の縁部13aが位置している。
【0060】
このセラミックコンデンサ11に対応するために、基板22上の一対のパッド24を結ぶ方向に対して交差する方向に対応したパッド24の幅W1を、セラミックコンデンサ11の外部電極13の幅W2より狭く設けている。
【0061】
そして、セラミックコンデンサ11の一対の外部電極13がはんだ付け接続される基板22の一対のパッド24の幅W1を外部電極13の幅W2より狭く設けたため、外部電極13の縁部13aとパッド24とをはんだ付け接続する面積が減少し、セラミックコンデンサ11の誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって外部電極13の縁部13a付近で誘電体セラミック基体12に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【0062】
次に、図6および図7に第3の実施の形態を示し、図6は基板装置21の平面図、図7は基板装置21の断面図である。
【0063】
セラミックコンデンサ11は、一対の外部電極13が誘電体セラミック基体12の端面とこの端面の周囲における4面の側面とにわたって形成されている一般の構造の場合を示す。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には、外部電極13が設けられており、この外部電極13の縁部13aが位置している。
【0064】
このセラミックコンデンサ11に対応するために、基板22上の一対のパッド24をこれら一対のパッド24を結ぶ方向に対して交差する方向に櫛歯状に設けている。
【0065】
そして、セラミックコンデンサ11の一対の外部電極13がはんだ付け接続される基板22の一対のパッド24を櫛歯状に設けたため、外部電極13の縁部13aと櫛歯状のパッド24とのはんだ付け接続される面積が減少し、セラミックコンデンサ11の誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって外部電極13の縁部13a付近で誘電体セラミック基体12に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【0066】
次に、図8および図9に第4の実施の形態を示し、図8は基板装置21の平面図、図9は基板装置21の断面図である。
【0067】
セラミックコンデンサ11は、一対の外部電極13が誘電体セラミック基体12の端面とこの端面の周囲における4面の側面とにわたって形成されている一般の構造の場合を示す。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には、外部電極13が設けられており、この外部電極13の縁部13aが位置している。
【0068】
このセラミックコンデンサ11に対応するために、基板22上の一対のパッド24の間隔L1をセラミックコンデンサ11の一対の外部電極13の内端間つまり縁部13a間の間隔L2より広く外端間の間隔L3より狭く設けている。
【0069】
この場合、セラミックコンデンサ11の一対の外部電極13の縁部13aが基板22上の一対のパッド24のいずれにも載らないように配置し、一対の外部電極13を一対のパッド24にはんだ付け接続する。
【0070】
そして、セラミックコンデンサ11の一対の外部電極13がはんだ付け接続される基板22の一対のパッド24の間隔L1を一対の外部電極13の内端間の間隔L2より広く外端間の間隔L3より狭く設けたため、外部電極13の縁部13aとパッド24とがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサ11の誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって外部電極13の縁部13a付近で誘電体セラミック基体12に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【0071】
次に、図10ないし図12に第5の実施の形態を示し、図10は基板装置21の基板22の平面図、図11は基板22の断面図、図12は基板装置21の断面図である。
【0072】
セラミックコンデンサ11は、一対の外部電極13が誘電体セラミック基体12の端面とこの端面の周囲における4面の側面とにわたって形成されている一般の構造の場合を示す。すなわち、誘電体セラミック基体12の接合面14には、外部電極13が設けられており、この外部電極13の縁部13aが位置している。
【0073】
セラミックコンデンサ11を基板22に実装する際、一対のパッド24上で外部電極13が載る箇所に導電性あるいは非導電性の接着剤51を塗布し、これら一対のパッド24の接着剤51上にセラミックコンデンサ11の一対の外部電極13を載せて接着固定した後、一対の外部電極13を一対のパッド24にはんだ付け接続する。
【0074】
そして、基板22の一対のパッド24とセラミックコンデンサ11の一対の外部電極13との間に接着剤51を介在し、これら一対のパッド24に一対の外部電極13をはんだ付け接続するため、外部電極13の縁部13aとパッド24とがはんだ付け接続されず、セラミックコンデンサ11の誘電体セラミック基体12と基板22との熱膨張率の違いによって外部電極13の縁部13a付近で誘電体セラミック基体12に集中する応力を低減でき、誘電体セラミック基体12にクラックが発生するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すセラミックコンデンサを実装する基板装置の断面図である。
【図2】同上セラミックコンデンサの斜視図である。
【図3】同上セラミックコンデンサを使用する照明装置の回路図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す基板装置の平面図である。
【図5】同上基板装置の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す基板装置の平面図である。
【図7】同上基板装置の断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示す基板装置の平面図である。
【図9】同上基板装置の断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示す基板装置の基板の平面図である。
【図11】同上基板の断面図である。
【図12】同上基板装置の断面図である。
【符号の説明】
【0076】
11 セラミックコンデンサ
12 誘電体セラミック基体
13 外部電極
14 接合面
21 基板装置
22 基板
23 セラミックコンデンサ実装部
24 パッド
31 放電灯点灯装置としての放電灯点灯回路
34 保護回路
51 接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に接合される接合面を有する誘電体セラミック基体と;
誘電体セラミック基体の両端部に接合部分を除いて設けられた一対の外部電極と;
を具備していることを特徴とするセラミックコンデンサ。
【請求項2】
請求項1記載のセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられた一対のパッドを有し、一対のパッドにセラミックコンデンサの接合部分が接合されるとともに一対の外部電極がはんだ付け接続されたセラミックコンデンサ実装部と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項3】
誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドを結ぶ方向に対して交差する方向に対応したパッドの幅がセラミックコンデンサの外部電極の幅より狭く設けられたセラミックコンデンサ実装部と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項4】
誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドがこれら一対のパッドを結ぶ方向に対して交差する方向に櫛歯状に設けられたセラミックコンデンサ実装部と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項5】
誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドの間隔がセラミックコンデンサの一対の外部電極の内端間の間隔より広く外端間の間隔より狭く設けられたセラミックコンデンサ実装部と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項6】
誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有するセラミックコンデンサ実装部と;
一対のパッドとセラミックコンデンサの一対の外部電極との間に介在される接着剤と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項7】
交流電源の電力を変換する電力変換手段と;
電力変換手段を保護する請求項1記載のセラミックコンデンサを有する保護回路と;
を具備していることを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項1】
基板に接合される接合面を有する誘電体セラミック基体と;
誘電体セラミック基体の両端部に接合部分を除いて設けられた一対の外部電極と;
を具備していることを特徴とするセラミックコンデンサ。
【請求項2】
請求項1記載のセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられた一対のパッドを有し、一対のパッドにセラミックコンデンサの接合部分が接合されるとともに一対の外部電極がはんだ付け接続されたセラミックコンデンサ実装部と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項3】
誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドを結ぶ方向に対して交差する方向に対応したパッドの幅がセラミックコンデンサの外部電極の幅より狭く設けられたセラミックコンデンサ実装部と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項4】
誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドがこれら一対のパッドを結ぶ方向に対して交差する方向に櫛歯状に設けられたセラミックコンデンサ実装部と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項5】
誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有し、一対のパッドの間隔がセラミックコンデンサの一対の外部電極の内端間の間隔より広く外端間の間隔より狭く設けられたセラミックコンデンサ実装部と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項6】
誘電体セラミック基体および誘電体セラミック基体の両端部に設けられた一対の外部電極を有するセラミックコンデンサを実装する基板と;
基板上に設けられセラミックコンデンサの一対の外部電極がはんだ付け接続される一対のパッドを有するセラミックコンデンサ実装部と;
一対のパッドとセラミックコンデンサの一対の外部電極との間に介在される接着剤と;
を具備していることを特徴とする基板装置。
【請求項7】
交流電源の電力を変換する電力変換手段と;
電力変換手段を保護する請求項1記載のセラミックコンデンサを有する保護回路と;
を具備していることを特徴とする放電灯点灯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−12976(P2006−12976A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185116(P2004−185116)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]