説明

ナノ構造電界効果型センサならびに同センサを形成する方法および使用する方法

化学的および生物学的な化学種を検出し、かつ放射線の変化を検出するソリッドステート電界効果トランジスタセンサが開示される。デバイスは、多孔性または構造化されたチャネルの区画を含むことにより、デバイス感度を向上させる。感知された生物学的、化学的または放射線の変化がチャネルのコンダクタンスの指数関数的な変化を引き起こすように、デバイスはフルデプレート型モードにおいて動作する。一実施形態において、チャネルの上に重なる誘電体層と、該誘電体層の上に重なる材料の層とをさらに備え、該材料の層は、放射性、化学的および生物学的な化学種から成るグループから検出される標的化学種と相互作用し、該材料の層は、連続的な層または離散的なアイランドのいずれかである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概してソリッドステートセンサに関する。特に、本発明は、構造化された活性領域または多孔性の活性領域を有する電界効果型センサと、該センサを作製する方法および使用する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ソリッドステートセンサは、多種多様な用途に用いられ得る。例えば、化学的なソリッドステートセンサは、連続的サンプリングモードと離散的サンプリングモードとの両方において、化学的混合物のリアルタイム解析に対して用いられ得る。同様に、生物学的センサは、生物学的作用物質および危険要素を検出するために用いられ得、放射線センサは、放射線の種類および量を検出するために用いられ得る。
【0003】
センサは、アレイベースのセンサを用いるパターン認識法によって、雰囲気内の有毒分子などの、複雑な混合物内の単一の成分を検出したり、組成物内の複数の成分を分析したり、例えば、匂い、味、香りなどを特徴付けるために用いられるように、複雑な混合物を特徴付け、品質評価を実行したりするために用いられ得る。
【0004】
典型的なソリッドステートセンサは、概して、検出要素または受容器要素と、信号変換手段とを含む。受容器層は、例えば、物理的吸収または物理的吸着、化学的吸着、マイクロカプセル化などによって、標的化学種(1つ以上)と相互作用する。変換器は、受容器表面における変化を測定可能な電気信号に変換する。受容器と変換器との間の信号の信号変換または結合は、関係において線形、非線形、対数関数的または指数関数的であり得る。2つの要素の間の結合関係は、概してデバイスの感度を決定する。
【0005】
電位差測定センサ、電流測定センサ、伝導度測定センサ、電界効果トランジスタ(FET)ベースのセンサ、光学センサ、温度センサ、重力測定センサまたは圧電センサなどの多様な信号変換器要素が開発されている。FETデバイスは、特に望ましくあり得る。なぜならば、FETデバイスは、比較的高速で、かつ敏感な信号変換を示し、使用が比較的簡単であり、他のセンサ構成要素と統合することが比較的簡単だからである。
【0006】
FETデバイスの場合において、電界効果トランジスタデバイスの金属ゲートは、信号検出要素として作用する感応性薄膜、絶縁体または膜と置き換えられるかまたは被覆される。FETデバイスは、デバイス表面の相互作用に起因する局所的な電位のシフトを検出する一般的な原理で作動する。FETデバイスは、ドレーン電流の変化をもたらすチャネル領域のコンダクタンスの変化を介して、検出イベントを電気信号に変換する。FETデバイスは、一定のゲート電圧によってデバイスをバイアスし、そして電流の変化を測定することか、または一定電流を維持するために必要とされるゲート電圧の変化を検出することによってセンサとして動作し得る。
【0007】
金属酸化物半導体FET(MOSFET)タイプのセンサは、しばしば反転モードにおいて動作し、反転電流が、MOSFETの金属ゲートをバイアスすることによって半導体チャネル内に確立される。これらのデバイスにおいて、感応性薄膜で結合する標的分子または放射レベルの変化は、反転チャネル内の少数電荷キャリア密度を変調する。つまり、バルクのp型MOSFETにおける反転電流は、デバイス表面への負電荷の付加の際に減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのようなデバイスおよび変換器要素は、一部のセンシング用途に対して作動することが示されてきたが、非FETデバイスは、比較的かさばり、かつ高価であり、そしてFETベースのデバイスは、比較的不安定で、かつ比較的低い感度を示し得る。従って、改善されたセンサおよびセンサを作製し、使用する方法が所望される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の概要)
本発明は、化学的、生物学的および/または放射性の化学種を検出することに適する高感度のセンサを提供する。本発明が従来技術の様々な欠点に取り組む方法が、以下で非常に詳細に論じられる一方で、一般に、本発明は、デバイス感度を改善するための構造化されたチャネルまたは多孔性のチャネルを有する電界効果トランジスタ(FET)を提供する。
【0010】
本発明の様々な実施形態に従った、センサは、基板と、該基板の上に重なるように形成された絶縁体と、該絶縁体の上に重なるように形成された多孔性または構造化されたチャネルとを含む。これらの実施形態の様々な局面に従って、該チャネル層の上部表面は、化学的、生物学的または放射性の化学種と相互作用する受容器または感応層として作用する。代替の局面に従って、該センサは、該チャネル層の上に重なる感応層をさらに含む。
【0011】
本発明の追加の実施形態に従った、上記センサは、上記チャネル領域の上に重なる誘電体層をさらに含む。例示的な実施形態の一部の局面に従って、該誘電体層は、化学的、生物学的または放射性の化学種と相互作用する受容器または感応層として作用する。
【0012】
なおさらなる実施形態に従った、センサは、上記誘電体層の上に重なるように形成された感応層を含む。
【0013】
様々な追加の局面に従って、チャネルの厚さは、約3オングストローム〜約1000nmに及ぶ。
【0014】
さらなる様々な局面に従って、上記センサは、負電荷が上記チャネル、感応層、または上記誘電体層への付加が、nチャネルFETデバイスに対する電子反転チャネルのコンダクタンスの増大を引き起こし、そして該nチャネルFETへの正電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスを減少させる一方で、pチャネルデバイスの該チャネル、感応層、または該誘電体層への負電荷の付加が、電子反転チャネルのコンダクタンスの減少を引き起こし、そして表面への正電荷の付加が、該反転チャネルのコンダクタンスを増大させるように、フルデプレート型モードで動作するように構成される。
【0015】
なおさらなる実施形態に従った、上記センサは、上記チャネルと上記誘電体層との間に追加の層を含む。
【0016】
さらなる実施形態に従った、センサは、上記チャネル層とヘテロ構造を形成する追加の材料を含む。追加の材料は、1つ以上の材料の層の1つ以上の層または離散的なアイランドという形態であり得る。
【0017】
本発明の様々な追加の実施形態に従った、上記センサは、生物学的センサである。
【0018】
なお追加の実施形態に従った、上記センサは、化学的センサである。
【0019】
なおさらなる実施形態に従った、上記センサは、放射線センサである。
【0020】
本発明の追加の実施形態に従った、センサを形成する方法は、基板(例えば、p型SOIシリコンウェーハ)を提供することと、チャネル領域層を薄くする(例えば、乾燥した酸化膜の種層が後に続く湿式酸化を用いる)ことと、SOIウェーハの一部分にわたってドーピングマスクを(例えば、乾燥した酸化膜の種層が後に続く該湿式酸化のステップを用いて形成された該酸化膜層の一部分をエッチングすることによって)形成することと、ドーピングされた領域を該チャネル領域内に形成することと、ソース領域およびドレーン領域用のマスクを形成することと、該ソース領域および該ドレーン領域を形成することと、任意の過剰なマスキング材料を必要に応じて除去することと、デバイス分離領域を形成する(例えば、フォトレジストのパターニングおよびプラズマエッチングを用いる)ことと、多孔性または構造化されたチャネル領域を形成することと、該基板内に接触を形成することとを含む。
【0021】
これらの実施形態の様々な局面に従って、チャネルの細孔または構造は、上記チャネル領域を(例えば、電子ビームリソグラフィを用いて)パターニングし、該細孔または該構造を形成するために、該領域をエッチングする(例えば、REI装置内のSF6を用いる)ことによって形成される。これらの実施形態のさらなる局面に従って、化学的、生物学的および/または放射線に感応性のある材料が、該チャネル領域の上に重なるように形成される。なおさらなる局面に従って、誘電体層が、チャネル領域の上に重なるように形成される。なおさらなる局面に従って、感応層が、該誘電体層の上に重なるように形成される。そして、本発明のなお追加の局面に従って、1つ以上の追加の材料の層が、該センサ構造に含まれ得る。
【0022】
本発明の代替の実施形態に従った、シリコンの局所的な酸化(LOCOS)プロセスは、デバイス分離を達成するために用いられる。これらの実施形態の様々な局面に従って、上記方法は、SOIウェーハを提供することと、上記デバイスの上記チャネル領域内のシリコンを所定の深さまで選択的にエッチングする(例えば、反応性イオンエッチングを用いる)ことと、該チャネル領域内に細孔または構造を形成することと、拡散マスク層を形成することと、該チャネル領域内のシリコンを消費するために、フィールド酸化膜を形成する(例えば、湿式酸化プロセスを用いる)ことと、該デバイスの一部分をドーピングすることと、基板の接触を形成することとを含む。これらの実施形態のさらなる局面に従って、化学的、生物学的および/または放射線に感応性のある材料が、該チャネル領域の上に重なるように形成される。なおさらなる局面に従って、誘電体層が、該チャネル領域の上に重なるように形成される。なおさらなる局面に従って、感応層が、該誘電体層の上に重なるように形成される。そして、本発明のなお追加の局面に従って、1つ以上の追加の材料の層が、該センサ構造に含まれ得る。
【0023】
なおさらなる実施形態に従った、上記センサは、可撓性のセンサ技術を用いて形成される。
【0024】
本発明のなおさらなる実施形態に従った、化学的、生物学的または放射性の化学種は、構造化されているかまたは多孔性のチャネル領域を有する、フルデプレート型の指数関数的結合FETを用いて感知される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを例示する。
【図2】図2は、本発明の追加の実施形態に従った、センサを例示する。
【図3】図3は、本発明のなおさらなる実施形態に従った、センサを例示する。
【図4a】図4aおよび図4bは、本発明の様々な実施形態に従った、細孔および構造を有するチャネル領域を例示する。
【図4b】図4aおよび図4bは、本発明の様々な実施形態に従った、細孔および構造を有するチャネル領域を例示する。
【図5】図5〜図6は、図3で例示されたセンサの動作を例示する。
【図6】図5〜図6は、図3で例示されたセンサの動作を例示する。
【図7】図7〜図15は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを形成する方法を例示する。
【図8】図7〜図15は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを形成する方法を例示する。
【図9】図7〜図15は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを形成する方法を例示する。
【図10】図7〜図15は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを形成する方法を例示する。
【図11】図7〜図15は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを形成する方法を例示する。
【図12】図7〜図15は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを形成する方法を例示する。
【図13】図7〜図15は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを形成する方法を例示する。
【図14】図7〜図15は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを形成する方法を例示する。
【図15】図7〜図15は、本発明の様々な実施形態に従った、センサを形成する方法を例示する。
【0026】
図内の要素は、単純さおよび明瞭さのために例示され、必ずしも正確な縮尺で図示されていない。図内の要素の一部の寸法は、本発明の実施形態についての理解を促進することに役立つように、他の要素に関して誇張され得る。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(詳細な説明)
本発明は、生物学的および化学的な化学種の検出用、および放射線検出用に改善されたソリッドステートセンサを提供する。特に、本発明は、多孔性または構造化されたチャネル領域を含む電界効果トランジスタ(FET)を提供し、該電界効果トランジスタは、フルデプレート型、指数関数的結合(FDEC)センサとして動作する。以下で非常に詳細に論じられるように、センサのしきい電圧またはチャネルのコンダクタンスは、感知された生物学的、化学的または放射性の化学種が検出されるときに操作され、チャネル電流の指数関数的な変化を引き起こす。
【0028】
本発明のセンサのチャネル電流の指数関数的な変化は、典型的なFETセンサの変化に比べて逆方向であり、過剰の電子電荷または負電荷を有する化学種の検出の際に、nチャネル型デバイスにおいて増大する。そのような指数関数的な応答は、本発明のセンサを定性分析および定量分析に対してより敏感にする。
【0029】
図1は、本発明の様々な実施形態に従った、センサ100を例示する。センサ100は、ベースまたは基板102と、絶縁体層104と、チャネル領域106と、ソース108と、ドレーン110と、接触112、114とを含む。以下でより詳細に論じられるように、本発明の例示的な実施形態の様々な局面に従った、チャネル領域106は、多孔性かつ/または構造化される。
【0030】
動作において、センサ100は、反転モードで動作し、ゲートまたはベース102をバイアスすることによって、反転電流がチャネル領域106で確立される。標的分子がセンサ100の表面に結合するときに、反転しきい電圧は、界面欠陥準位に関係する二次容量性の電荷結合メカニズムによって変調されると考えられ、デバイス応答における指数関数的増大を結果としてもたらす。センサ表面上の標的化学種によって与えられた表面電荷に対する、デバイス応答のこの特有の指数関数的な結合が、フルデプレート型の指数関数的結合(FDEC)センサをもたらす。
【0031】
本発明とは対照的に、従来技術は、nチャネルFET表面への負電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスの減少(すなわち、ドレーン電流の減少)を引き起こし、該表面への正電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスの増大を引き起こし、そして、pチャネルFETにおいては、デバイス表面への負電荷の付加が、チャネルのコンダクタンスの増大(すなわち、ドレーン電流の増大)を引き起こし、該デバイス表面への正電荷の付加が、チャネルのコンダクタンスの減少を引き起こす態様におけるデバイス構造の変化によって、化学物質の感知に適用される反転ベースのFETデバイスを教示する。デバイス構造のそのような応答は、本発明のデバイスに対して逆方向である。上記のように、本発明の様々な実施形態に従って、本発明に従ったnチャネル反転ベースのFETデバイス表面への負電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスを増大させ、該表面への正電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスを減少させる一方で、pチャネル反転ベースのデバイス表面への負電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスを減少させ、該表面への正電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスを増大させる。
【0032】
ここでまた図1を参照すると、ベース102は、センサ100の動作の間、ゲートとして作動する。ベース102は、任意の適切な材料から形成され得る。例としては、Ge、Mg、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe,Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、TaTi、Ru、HfN、TiN、などのような金属および金属窒化物か、合金か、IV族(例えば、シリコン)、III族−IV族(例えば、ヒ化ガリウム)およびII族−VI族(例えば、セレン化カドミウム)などの半導体か、金属半導体合金か、半金属か、またはMOSFETゲートとして作動する任意の有機もしくは無機材料を含むが、これらに限定されない。
【0033】
ベース102の厚さは、材料および用途に従って変化し得る。一例に従ったベース102は、シリコンオンインシュレータ(SOI)ウェーハ内の基板シリコンである。別の例において、ベース102は、可撓性の基板、例えば、Pentaceneなどの有機物である。
【0034】
絶縁体層104は、センサ100の動作の間、ゲート絶縁体またはゲート誘電体として作用する。層104は、任意の適切な有機または無機の絶縁材料などの任意の適切な材料から形成され得る。例としては、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ハフニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化チタン、酸化イットリウム、窒化チタン、などを含むが、これらに限定されない。層104に適する1つの例示的な材料は、SOIウェーハ内に埋め込まれた酸化膜層である。層104の厚さは、材料および用途に従って変化し得る。1つの特定の例として、層104は、約1nm〜100ミクロンの厚さを有する酸化ケイ素であり、他の局面に従った層104は、1mm以上であり得る。
【0035】
チャネル領域106は、典型的なMOS技術で用いられるような、結晶または非結晶の無機半導体材料などの様々な材料から形成され得る。例としては、シリコン、ゲルマニウム、ダイヤモンド、スズなどの元素半導体と、炭化ケイ素、シリコンゲルマニウム、ダイヤモンド、黒鉛などの化合物半導体と、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、ヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、アンチモン化インジウム(InSb)、ヒ化インジウム(InAs)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)、テルル化亜鉛(ZnTe)、塩化第一銅(CuCl)、セレン化鉛(PbSe)、硫化鉛(PbS)、テルル化鉛(PbTe)、硫化スズ(SnS)、テルル化スズ(SnTe)、テルル化ビスマス(BiTe)、リン化カドミウム(Cd)、ヒ化カドミウム(CdAs)、アンチモン化カドミウム(CdSb)、リン化亜鉛(ZnP2)、ヒ化亜鉛(ZnAs)、アンチモン化亜鉛(ZnSb)などの二元の材料と、ヨウ化鉛(II)(PbI)、二硫化モリブデン(MoS)、セレン化ガリウム(GaSe)、硫化スズ(SnS)、硫化ビスマス(Bi)、ケイ化白金(PtSi)、ヨウ化ビスマス(III)(BiI)、ヨウ化水銀(II)(HgI)、臭化タリウム(I)(TlBr)、酸化亜鉛のような半導体酸化物、二酸化チタン(TiO)、酸化銅(I)(CuO)、酸化銅(II)(CuO)、二酸化ウラン(UO)、三酸化ウラン(UO)などの他の二元の材料と、ヒ化ガリウムアルミニウム(AlGaAs、AlxGa1−xAs)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs、InxGa1−xAs)、ヒ化インジウムアルミニウム(AlInAs)、アンチモン化インジウムアルミニウム(AlInSb)、窒化ガリウムヒ化物(GaAsN)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、窒化ガリウムアルミニウム(AlGaN)、リン化ガリウムアルミニウム(AlGaP)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、ヒ化インジウムアンチモン化物(InAsSb)、アンチモン化インジウムガリウム(InGaSb)、カドミウムテルル化亜鉛(CdZnTe、CZT)、水銀テルル化カドミウム(HgCdTe)、水銀テルル化亜鉛(HgZnTe)、水銀セレン化亜鉛(HgZnSe)、鉛スズテルル化物(PbSnTe)、タリウムスズテルル化物(TlSnTe)、タリウムゲルマニウムテルル化物(TlGeTe)などの6.1Åの材料または三元の材料と、アルミニウムガリウムインジウムリン(AlGaInP、InAlGaP、InGaAlP、AlInGaP)、アルミニウムガリウムヒ素リン(AlGaAsP)、インジウムガリウムヒ素リン(InGaAsP)、アルミニウムインジウムヒ素リン(AlInAsP)、窒化ガリウムアルミニウムヒ化物(AlGaAsN)、窒化インジウムガリウムヒ化物(InGaAsN)、窒化インジウムアルミニウムヒ化物(InAlAsN)、銅のインジウムガリウムセレン化物(CIGS)などの四元の材料と、あるいは窒化ガリウムインジウムヒ化物アンチモン化物(GaInNAsSb)のような五元の材料などを含むが、それらに限定されない。
【0036】
チャネル領域106はまた、有機半導体材料から作られ得る。そのような材料の例としては、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、Rubrene、フタロシアニン、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、α−ω−ヘキサチオフェン、Pentacene、α−ω−ジ−ヘキシルヘキサチオフェン、α−ω−ジヘキシルヘキサチオフェン、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ビス(ジチエノチオフェン)、α−ω−ジヘキシル−四チオフェン、ジヘキシル−アントラジチオフェン、n−デカペンタフルオロヘプチルメチルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシルジイミド、α−ω−ジヘキシル−五チオフェン、N,N’−ジオクチル3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシル、CuPc、メタノフラーレン、[6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル(PCBM)、C60,3’,4’−ジブチル−5−5ビス(ジシアノメチレン)−5,5’−ジヒドロ−2,2’:5’,2’’テルチオフェン(DCMT)、PTCDI−C5、P3HT、ポリ(3,3’’−ジアルキル−テルチオフェン)、C60−縮合 N−メチルピロリジン−メタ−C12フェニル(C60MC12)、チエノ[2,3−b]チオフェン、PVT、QM3T、DFH−nT、DFHCO−4TCO、BBB、FTTTTF、PPy、DPI−CN、NTCDI、F8T2−ポリ[9,9’ジオクチルフルオレン−コ−バイチオフェン]、MDMO−PPV−ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)]−1,4−フェニレンビニレン、P3HT−regioregular ポリ[3−ヘキシルチオフェン]、PTAA、ポリトリアリールアミン、PVT−ポリ−[2,5−チエニレンビニレン]、DH−5T−α,ω−ジヘキシル五チオフェン、DH−6T−α,ω−ジヘキシル六チオフェン、フタロシアニン、α−6T−α−六チオフェン、NDI、ナフタレンジイミド、F16CuPc−ペルフルオロ銅フタロシアニン、ペリレン、PTCDA−3,4,9,10−ペリレン−テトラカルボキシルジ無水物およびその誘導体、PDI−N,N’−ジメチル3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシルジイミドなどを含むが、それらに限定されない。
【0037】
領域106の厚さは、材料および用途に従って変化し得る。1つの特定の例として、領域は、約10オングストローム〜約10ミリメートルの厚さを有する。
【0038】
上記のように、本発明の様々な実施形態に従った、チャネル領域106は、デバイス感度を増大させるために、細孔および/または構造を含む。
【0039】
図4aおよび図4bは、そのような構造および細孔の様々な例を示している。チャネル領域106は、領域の厚さ全体にわたって構造または細孔を含み得るか、あるいは構造および/または細孔は、領域106の上部表面402上に形成され得る。本発明の様々な例に従った、領域106の上部表面402が、ミクロ細孔、メソ細孔、ナノ細孔またはマクロ細孔404を含み、すなわち、細孔の直径のサイズは、約3Å〜100ミクロン、または約10Å〜約10mmに及び得る。本発明の追加の実施形態に従った、チャネル領域106は、ナノ構造またはミクロ構造などの構造406〜408を含み、約3Å〜約100ミクロンに及ぶ寸法を有する。構造は、例えば、四角形、円形、三角形、六角形、任意の適切な断面のナノスケールまたはミクロスケールの支柱を含み得る。構造はまた、レリーフ(relief)またはリセス(recess)410内のナノパターンまたはミクロパターンに重ね合わされたミクロ細孔またはメソ細孔またはナノ細孔の構造を含み得る。
【0040】
以下でより詳細に論じられるように、細孔および/または構造は、電子ビームリソグラフィ、パターニング、テンプレートベースの選択的エッチング、電気化学エッチング、ステイン(stain)エッチング、シリコンのCVD堆積、溶融状態インプリンティング(imprinting)、レーザエッチング、イオンエッチング、粒子エッチング、eビームエッチング、化学増強型レーザアブレーション、または任意の他の構造化技術などの様々な技術を用いて形成され得ることにより、十字形パターン、線パターン、支柱、任意の他のパターン、あるいは多孔性構造またはこれらのパターンのいずれかに重なり合った多孔性構造を形成し、該多孔性構造は、デバイス表面の正味の表面積を増大させる様態で作用し、領域106の材料は、本質的に連続で、かつ結晶性のままであり、従って、界面準位との相互作用を増大させる。
【0041】
センサ100の動作の間に、反転チャネル116が、ベース102で電圧バイアスを制御することによって、チャネル領域106/絶縁体層104の界面で形成される。あるいは、反転チャネル116が、ベース102上のバイアスなしにチャネル領域106において形成され得、そのことは、チャネル領域106のドーピングと、領域106の厚さと、他のそのような変数と、チャネル106境界における固定の酸化膜電荷密度および界面トラップ準位密度とに依存する。チャネル領域106の厚さは、材料とそのドーピング密度とに依存して、約1nm〜約10ミクロンであり得る。
【0042】
チャネル領域106において反転チャネルを取得するためにベース102をバイアスするときには、チャネル領域106の厚さ(t)は、チャネル領域106と絶縁体104との界面で反転チャネルが形成される前に、チャネル領域106の厚さ全体がフルデプレート型であるように、反転におけるデプレション幅に対しては、次の式で例示されるようにあるべきである。
【0043】
【数1】

ここで、
kは、半導体の比誘電率であり、
εは、自由空間の誘電率であり、
qは、電子電荷であり、
A/Bは、ドナー/アクセプタの密度であり、
Φは、半導体内のフェルミ準位と真性準位との間の電位差である。
【0044】
1つの場合において、上記の式は、本発明の一例のデバイスにおいて適切であるように、チャネル領域106の厚さ(t)を規定し、チャネル領域106の厚さ(t)は、所与の半導体材料のフルデプレション幅(w)未満である。
【0045】
例えば、シリコン薄膜であるチャネル領域106の場合において、ドーピング密度が1E17である場合には、チャネル領域106の厚さは、約200nm未満であるべきである。ドーピング密度が1E14である場合には、層の厚さは、約4ミクロン未満である。別の様態で述べると、反転層116の厚さは、チャネル領域106内の所与のドーピング密度に対するデプレション層の幅未満である。
【0046】
チャネル領域106は、nチャネルデバイスとpチャネルデバイスとに対応して、それぞれp型またはn型にドーピングされ得る。上記の式は、特別なデルタドーピングプロファイルを有しないか、またはチャネル領域のコンダクタンス、反転しきい値などを変調するために用いられる同様な他の特別なステップを有しないチャネル領域106の場合に対応している。チャネル領域106内でデルタドーピングなどを使用する場合においては、チャネル領域106の分析および厚さは、状況に応じて変化する。
【0047】
1つの例示的なチャネル領域106は、1E15にドーピングされた、厚さが約100nmのp型シリコン層を含む。反転層は、ベース102をバイアスすることによって、このシリコン薄膜内のシリコンと埋め込まれた酸化膜との界面で形成される。
【0048】
ソースドーピング領域108およびドレーンドーピング領域110は、公知のドーピング技術を用いてチャネル領域106のいずれかの側に形成される。一例に従った、ソースおよびドレーンの領域は、1E19でリンをドーピングされたp型シリコン内に形成されたN++領域である。
【0049】
図2は、本発明の追加の例示的な実施形態に従った、別のセンサ200を示している。センサ200は、センサ200が追加の誘電体層202を含むことを除けば、センサ100に類似している。誘電体層202に適する例示的な材料は、ゲート誘電体材料として作用する無機誘電体材料を含む。例としては、SiO、Si、SiNx、Al2O、AlOx、La2O、Y2O、ZrO、Ta2O、HfO、HfSiO、HfOx、TiO、TiOx、a−LaAlO、SrTiO、Ta、ZrSiO、BaO、CaO、MgO、SrO、BaTiO、Sc、Pr、Gd、Lu、TiN、CeO、BZT、BST、またはこれらの積層または混合された組成物および/またはそのような他のゲート誘電体材料(1つ以上)を含むが、それらに限定されない。
【0050】
誘電体層202は、追加的または代替的に有機ゲート誘電体材料を含み得る。有機材料の例としては、PVP−ポリ(4−ビニルフェノール)、PS−ポリスチレン、PMMA−ポリメチル−メタクリレート、PVA−ポリビニルアルコール、PVC−ポリ塩化ビニル、PVDF−フッ化ポリビニリデン、PαMS−ポリ[α−メチルスチレン]、CYEPL−シアノ−エチルプルラン、BCB−ジビニルテトラメチルジシロキサン−ビス(ベンゾシクロブテン)、CPVP−Cn、CPS−Cn、PVP−CL、PVP−CP、ポリnorb、GR、ナノTiO、OTS、Pho−OTS、これらの様々な自己組織集合型の単層または多層、あるいはこれらの積層または混合された組成物、およびそのような他の有機ゲート誘電体材料を含むが、それらに限定されない。
【0051】
誘電体層202はまた、真性半導体材料または低度にドーピングされた半導体材料からの材料であり得、低密度の電荷キャリアと低いキャリア移動度とによって、実際は半絶縁である。
【0052】
本発明の様々な実施形態の例示的な局面に従った、誘電体層202の処理および製作は、層202とチャネル領域106との界面の界面準位密度レベルおよび他のそのような欠陥準位が「最適化される」ように、制御された様態で行われる。例えば、Si[111]−SiO2界面の使用は、Si[100]−SiO2界面に比べてより大きな界面準位密度を作り出す。トラップの最適化は、必ずしも界面準位密度レベルの最大化を意味していないが、結果としてもたらされるセンサ信号を操作したり、最大化したりするために、その界面における界面準位密度の用途に特有の制御を意味している。1つの場合において、誘電体層202の材料は、同時に誘電体層と化学物質感応層との両方として作用する材料であるように選択される。この例は、酸化イットリウム(Y2O)をゲート誘電体として使用することであり、酸化イットリウムは、硫黄マスタードガスを感知するために用いられ得る。なぜならば、Yがマスタードガスと反応するからである。
【0053】
層202の厚さは、用途によって変化し得、一般的に、約2オングストロームと100nmとの間にある。
【0054】
図3は、本発明の追加の実施形態に従った、別のセンサ300を例示する。センサ300は、センサ300が追加の層302を含むことを除けば、センサ200に類似しており、追加の層302は、生物学的物質、化学的物質および/または放射性物質に敏感である。
【0055】
層302は、環境内の、例えば、気相または液相の化学種に対して感応するように設計される。層302はまた、放射線に感応するように選択され得、放射線感応性デバイスとして適用される。
【0056】
層302は、実際は、有機材料、無機材料、伝導材料、絶縁材料、半導体材料または金属材料であり得、そして任意の適切な材料を含み得る。層302の厚さは、概して、約1オングストローム〜約1000ナノメートルであり得る。層302に対する1つの例示的な材料は、アミン分子、ピペリジンを検出するために用いられ得る亜鉛ポルフィリン分子の単層である。
【0057】
層302は、連続的な層、様々なサイズの粒子、材料の離散的なアイランド、略連続的な層、異なる材料の層の積層、これらの構造の組み合わせ、などの形態であり得、様々な生物学的、化学的および/または放射性の化学種と選択的に相互作用するように作用する。本発明の追加の実施形態に従った、さらなる層は、連続的、略連続的、離散的なアイランド、または粒子であり得、チャネル領域106と誘電体層202との界面における界面トラップ密度の電荷の容量性結合を増大させ、そして反転層116をチャネル領域106内に形成するために、層302上に追加され得る。
【0058】
層302に適する特定の例示的な材料は以下を含む。
【0059】
抗体:特定の有機分子または無機分子または生体分子を結合している抗原は、抗体(1つ以上)または抗原(1つ以上)の生体分子で被覆されたデバイスを用いて、高感度かつ選択的に検出され得る。例えば、ビオチン層を含むセンサは、アビジン分子およびストレプトアビジン分子を検出するために用いられ得る。
【0060】
爆発物センサ:TATPなどの過酸化物の爆発物は、酸性の過酸化物が酸性基の存在で解離する傾向があるので、表面に酸性基仕上げを有するセンサデバイスか、またはZn2+、In3+、Sb3+、Sc3+、Ti4+などの金属イオン物質によって被覆されたデバイスを用いて検出され得る。ニトロ化合物ベースの爆発物は、活性化されたニトロ基と選択的に反応する様々な誘電体材料によって被覆されたデバイスを用いて検出され得る。
【0061】
DNAセンサ:塩基対の任意の長さの、単一のらせん構造化されたDNAオリゴマーのアレイが、デバイスの表面に付着され、層302として用いられ得る。この場合において、デバイス300は、デバイス表面上のDNA交配を介して、対応する相補のDNAらせん構造を検出するために用いられ得る。そのようなDNAらせん構造(用途に依存して、単一または二重のらせん構造)のアレイによって被覆されたデバイス300は、標的DNAの識別か、あるいは特定のイオンまたは有機分子、生体分子、ウイルスまたはバクテリアなどの検出のために用いられ得る。DNAオリゴマーの所定のアレイによって仕上げられたデバイスの大型のアレイが、DNAの配列を決定する用途に用いられ得る。
【0062】
神経作用物質センサ:ジアゾ基(例えば、3,5−ジクロロフェニルジアゾメタンまたはそのフェニル基誘導体)は、メチルホスホン酸(MPA)の存在を検出するために層302として用いられ得、メチルホスホン酸は、すべての神経作用物質の大気による加水分解の生成物であり、従って、環境内の神経作用物質の存在を選択的な様態で検出し得る。あるいは、層302は、有機分子上のCu++陽イオン仕上げを含み得、センサ300は、神経作用物質の高感度測定に対して用いられ得る。
【0063】
メタロポルフィリンアレイセンサ:所定の、特定の有機分子(例えば、メタロポルフィリン)の単層および多層の選択されたアレイはまた、感度および選択性を変えることによって、様々なガス内の有機蒸気または溶液内のイオンを検出するために、層302として用いられ得る。
【0064】
マスタードガスセンサ:層302は、グアニンで仕上げられたDNAオリゴマーを含むことにより、硫黄マスタードガスを感知し得る。あるいは、層302は、Yのナノ結晶を含むことにより、マスタードガスを検出し得る。
【0065】
分子をインプリントされた(imprinted)表面:層302は、「分子をインプリントされた」分子または単層または多層または薄膜またはポリマーマトリックスを含み得、特定の所定の標的分子と結合することにより、高度に選択的なセンサを実現する。縮図(Epitome)(たんぱく質のような大型の分子の特定の部分)ベースのアプローチを用いることによって、モノマー内のより小さい縮図の分子インプリント−クロスリンカーマトリックスが用いられ、たんぱく質のようなより大きい分子、DNAおよび他の生体分子が、選択された結合によって縮図の部位で検出される。
【0066】
イオンセンサ:層302は、高選択性および高感度を有する、溶液内のイオンを感知するために用いられ得る特定の有機分子または無機の薄膜を含み得る。例えば、尿素(N,N’’−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,2−アントラセンジイル)ビス[N’−フェニル]の薄膜(例えば、最高で約3つまでの単層から成る多層)は、フッ化物イオンを高い選択性をもって検出するために用いられ得る。
【0067】
領域106内の細孔および/または構造を形成することは、センサの活性領域の表面積を増大させるだけでなく、表面402上の表面グループ密度または電荷密度に対するチャネル領域106−誘電体層202界面における界面準位密度の比率を増大させる。この概念は、図5に例示される。層302の表面で検体分子Mが結合すると、標的化学種Mの影響する電位場/電場内に入る界面準位502の数は、表面がナノ構造化される場合の方が、表面が平面である場合よりも大きい。これは、感応層302表面または誘電体層202表面における電荷の変化に対するチャネル領域106−誘電体層202界面における界面準位の占有および密度の変調を最適化するかまたは最大化するために行われる。
【0068】
チャネル領域106−誘電体層202界面の界面準位占有の変調は、次いで、チャネル領域106−絶縁体104界面でチャネル領域106の化学的電位を変化させ、フルデプレートされた半導体チャネルにおいて、チャネル106−絶縁体104界面でチャネル106内に形成された反転チャネルのしきい電圧の変化を引き起こす。チャネル106−誘電体202界面における界面トラップの占有の変調を引き起こし、次いで、チャネル106内に形成された反転チャネルのしきい電圧を変化させる、この化学種Mの電場による間接的結合は、フルデプレート型の指数関数的結合(FDEC)効果と呼ばれ、動作原理としてこの効果を用いる任意のセンサは、FDECセンサと呼ばれる。
【0069】
デバイス構造の別の場合においては、同じ反転チャネルのコンダクタンスの変調が、界面準位占有の変調によってではなく、デバイス表面での化学成分の結合に起因する絶縁体202内またはチャネル106内のトラップ電荷または不純物ドーピングの変調と、同様な他の電荷中心の変調とによって達成され得る。
【0070】
図6は、デバイスの応答を例示しており、化学種(ピペリジン分子)が層302(例えば、亜鉛ポルフィリン分子の単層)に提供する電子の付加は、誘電体層202(例えば、自然の酸化ケイ素)の表面で電子電荷の増大を引き起こし、次いで、電子反転チャネル116のしきい電圧の減少に起因して、チャネル106(例えば、シリコン)内の電子反転チャネルのコンダクタンスを増大させる(すなわち、ドレーン電流が増大する)。例示された例においては、nチャネルデバイスが、0.6PPBのピペリジン分子に曝露される場合の500nmデバイスのデバイスドレーン電流の増大(線602)は、単に不活性ガスが導入された対照実験(線604)と比較して、デバイスを高感度のセンサとして確立する。
【0071】
ここでまた図2〜図3を参照すると、本発明の様々な追加の実施形態に従って、1つ以上の層が、チャネル領域106と誘電体層202との間に導入され得る。これらの層の性質は、絶縁性、半絶縁性、半伝導性または半金属性であり得る。これの一例としては、チャネル領域106と誘電体層202との間、または代替として、チャネル領域106−誘電体層202界面と絶縁体104−チャネル領域106界面との間にはさまれた、約1nm〜約100nmの厚さを有するゲルマニウムの薄い層を用いることである。この例における積層は、Si(チャネル領域106)、Ge(特別な層)および酸化膜(誘電体層202)、またはSi(チャネル領域106)、Ge(特別な層)、Si(別の特別な層)および酸化膜(誘電体層202)であり得る。同一の様態において、異なる材料の層の積層が、チャネル領域106と誘電体層202との間に用いられ得る。これらの特別な層は、センサ信号の効率を増大させることか、または特定のセンサ用途に対して所望され得る。積層構造のこれらの例のすべてにおいて、上記の5層構造(図3に例示される)と同様に、nチャネル反転ベースのFETデバイス(電子が反転チャネル内のキャリアである)表面への負電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスを増大させ、該表面への正電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスを減少させる一方で、pチャネル反転ベースのデバイス(ホールが反転チャネル内のキャリアである)表面への負電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスを減少させ、該表面への正電荷の付加が、反転チャネルのコンダクタンスを増大させる。
【0072】
特定の例の製作:
本発明の一実施形態に従った、デバイスの製作が、図7〜図14に例示される。例示されたプロセスは、シリコンオンインシュレータ(SOI)の反転モードFETデバイスを用いる、図3に例示されたデバイス300を形成するために用いられ得、ここで、ベース102は、SOIウェーハの基板シリコンであり、絶縁体104は、SOIウェーハの埋め込み酸化膜層であり、チャネル領域106は、絶縁体層の上の多孔性または構造化されたシリコンであり、誘電体層202は、自然の酸化膜層であり、そして感応層302は、環境内の特定の標的分子を結合させる化学物質感応層(ここでは、亜鉛ポルフィリン分子の単層)である。例示的なプロセスの流れは、標準のnMOSプロセス技術を用いる、nチャネル、p型バルク、シリコンオンインシュレータのウェーハ用である。製作は、様々なデバイス層に対して選択された材料、センサデバイスを実現するために選択されたプロセス技術のステップなどに依存して、様々な様態で行われ得ることが認識されるであろう。
【0073】
図7は、デバイス300の製作に適するスタート材料の構造700を例示する。構造700は、ホウ素をドーピング(1015cm)した抵抗率が約20オームセンチメートルのp型SOIウェーハであり、注入酸素による分離(SIMOX)プロセスを用いて作り出される。例示的なウェーハは、IBIS technology Corporationから取得され得る。上部のシリコン薄膜層702の最初の厚さは、約100nm超であり、イオンを注入した、厚さが約400nmの埋め込み酸化膜(BOX)層704が下にある。上部のシリコン薄膜702は、拡散炉で約45分間、約1050℃の湿式酸化を用いて約100nmまで薄くされ、その結果として、少数キャリア電子のデバイ長未満である(図8に例示された層802)。プラズマ増強型の化学気相成長(PECVD)が、酸化膜(層804)厚さを増大させるためにさらに実行される。以下で論じられるように、酸化膜層804はまた、その後の処理におけるN+リンのドーピングに対する効果的なマスクとして用いられる。次いで、ポジ型フォトレジストOCG825が、約4000rpmで約30秒間スピンコートされて、約1000Åの厚さを有するフォトレジスト層を作り出す。レジストは、約80℃で約15分間ソフトベークされる。UVマスクアライナが、リンのドーピング用のソース、ドレーンウィンドウを開けるように設計されたn井戸マスクを通して約20秒間レジストを露光するために用いられる。露光されたウェーハは、約30秒間OCG945現像剤で現像され、その後、DI水リンスが続く。レジストは次いで、約115℃で約15分間ハードベークされる。ハードベークされたレジストは、約30分間の長さであり得る、バッファード酸化膜エッチング(BOE)溶解の間に基板を保護する。バッファード酸化膜エッチング(BOE)は、約10分間、上部の酸化膜をエッチングするために用いられて、図9で例示されるように、酸化膜906が残る状態で、ソースのドーピングウィンドウ902、ドレーンのドーピングウィンドウ904を開ける。フォトレジストは次いで、Microstrip2000ストリッパー溶液を約100℃で約20分間、用いて取り除かれる。シリコン上の曝露された井戸領域のリンドーピングが、固体ソース(solid source)拡散炉において約950℃で約30分間、実行される。約950℃で約30分間の拡散は、約1019cm−3のリンのドーピング密度と、約0.01オームセンチメートルの抵抗率とを有する1ミクロンオーダーのN+接合深さをもたらす。次いで、マスキング酸化膜が、ウェーハを約15分間BOEに浸すことによって除去され、図10に例示されるドーピング領域1002、1004と、シリコン領域1006とを有する構造1000が結果としてもたらされる。
【0074】
このプロセスの流れにおいて、デバイス分離は、プラズマエッチングによってデバイスの物理的分離によって達成される。一方では、LOCOSまたは他の適切なプロセスが、デバイス分離に対して代わりに用いられ得る。
【0075】
ここで図11を参照すると、シリコンの選択的エッチングは、SFのエッチング化学作用を用いて反応性イオンエッチング(RIE)システムで実行される。ウェーハまたは基板は、OCG825フォトレジストによってスピンコートされ、ソフトベークされる。ウェーハは、整列マークをガイドとして用いて、反応性マスクによってパターン化され、その後、OCG945現像剤内のフォトレジスト現像が続く。パターン化されたフォトレジストは、シリコンのプラズマエッチングに対してはハードベークされない。シリコンは、50ワットのRFパワーを約1分間印加する状態で、SFベースのガスの化学作用(20ミリバールの圧力の4sccmのSFガスフロー)を用いて選択的にエッチングされる。これらの条件下のシリコンのエッチング速度は、1分あたり約2000Åである。フォトレジストは次いで、Microstrip2000ストリッパー溶液を用いて取り除かれる。これは、構造1100を結果としてもたらし、構造1100は、ソース領域1002およびドレーン領域1004をいずれかの側に有する、埋め込み酸化膜704上の分離されたシリコンのメサ1102を含んでいる。
【0076】
シリコンメサ1102の表面は、次いで、PMMA eビームレジストで被覆され、図12に例示するように、デバイス表面のアクティブな領域上の構造1202〜1206を含む構造1200を取得するために、eビームリソグラフィによってパターン化される。ソース−ドレーン領域は、状況に応じてパターニングからは除外され得る。なぜならば、それは、オーム性接触がソースおよびドレーンとともに形成されさえすれば必要ないからである。あるいは、ソース−ドレーン領域は、選択されたプロセスのステップに依存して、金属接触によってマスキングされ得る。露光されるパターンは、10nmと同じほどに小さい寸法を有する(100nm以上と同じほどに大きくあり得る)連続的なフィーチャ(feature)が、例えば、十字形、直線、支柱パターン、または任意の他の所望のパターンで取得されるようにデザインされる。パターン化されたシリコン構造のRIEエッチングが次いで、数十ナノメートルの深さ(数百ナノメートルまでに及び得る)を取得するために実行されて、任意の所望のデザインの三次元で、構造化された(例えば、ナノ構造化)パターンを実現する。この表面は、用途の要件に依存して、さらに処理され得ることにより、数十ナノメートル〜数ナノメートル未満の範囲の直径で、かつ数十ナノメートルまたは数百ナノメートルまでの深さの重ね合わされた細孔(例えば、ナノ細孔)を取得する。同じことはまた、マクロ多孔性構造にミクロおよびメソの細孔構造を重ね合わせることによって達成される。
【0077】
本発明の様々な実施形態に従った、デバイス300の活性領域106(ソース−ドレーン領域を除外する)の表面が、多孔性にされるかまたは構造化される一方で、処理の後でさえもシリコンチャネルのすべてにわたってシリコンの結晶性を維持する。これは、標的分子結合あたりの界面トラップ密度を増大させるように作用し、従って、上部の界面における電荷の変調、そして反転しきい電圧のより大きな変調を結果としてもたらす。多種多様なオキシダントベースの湿式エッチング条件(例えば、水性および有機溶媒のHF溶液を用いる技術)は、その一部が照明技術とともに用いられ得る。有孔率、細孔寸法、製作方法、陽極処理用の電気的接触形成の方法などは、センサの特定の用途によって決定される。上部のシリコン活性領域(電気的接触形成の後)の陽極処理(エタノール内の50%HF溶液による、1平方センチメートルあたり数十ミリアンペアで、数分〜数十分間の期間)は、ホウ素ドーピングしたシリコン上のメソ多孔性の構造を作り出す。同様に、エッチングの条件を変えることなどによって、センサの用途に応じて、ミクロ多孔性、ナノ多孔性およびマクロ多孔性のシリコンデバイス表面が達成され得る。細孔および/または構造を実現する他の公知の技術(例えば、テンプレートベースの選択的エッチング、電気化学エッチング、シリコンのCVD堆積、溶融状態インプリンティング、レーザエッチング、イオンエッチング、粒子エッチング、eビームエッチングまたは化学増強型レーザアブレーション)が、代わりに用いられ得る。
【0078】
本発明の一実施形態に従った、シリコンチャネル1102は、埋め込み酸化膜に至るまで完全にエッチングされない。これは、多孔性/構造化チャネル−埋め込み酸化膜界面でよりよい電気的特性および機械的特性を提供し、かつ電界効果型センサのよりよいターンオン特性を取得するために行われる。この例においては、埋め込み酸化膜がイオン注入によって形成されるので、シリコン−埋め込み酸化膜接合は、機械的に強くないことがあり得る。シリコンチャネルのオーバーエッチングは、ナノワイヤのアンダーカットをもたらし得る。従って、シリコンの非常に薄い層(例えば、約25nm〜約30nm)が、望ましくは絶縁体の上に重なったままの状態であり得る。
【0079】
基板706への接触が、埋め込み酸化膜層704を貫く十分なエッチングを用いて形成されることにより、基板706との電気的接触を可能にする。この基板接触は、ボンディングおよびプロービングを容易にすることを可能にする。接触を形成するために、ウェーハは、OCG825レジストによってスピンコートされ、接触ホールを開けるために、光学アライナによってパターン化される。レジストは現像され、約115℃で約15分間ハードベークされる。BOE内の埋め込み酸化膜のエッチング速度は、1分あたり約600Åである。4000Åの埋め込み酸化膜は、わずかなオーバーエッチングを考慮して、15分間BOEでエッチングされる。Si/SiO界面が、鋭利ではなくなだらかなので、オーバーエッチングが実行され、基板との良好な電気的接触を作るために、構造は、1分間CF4プラズマを用いてRIEにおいてさらにエッチングされる。CFは、SiとSiOとの両方をエッチングし、従って、シリコン基板との金属の良好な接触を可能にする。用いられたRIEプロセス処方は、50ワットの印加されたRFパワーとともに50ミリバールの圧力で50sccmのCF4である。フォトレジストは次いで、Microstrip2000溶液で取り除かれ、トレンチ1302を含む構造1300が結果としてもたらされる。
【0080】
金属接触を形成するために、ウェーハは、OCG825レジストによってスピンコートされ、80℃でソフトベークされる。ウェーハは、光学アライナを用いて金属マスクによってパターン化され、現像される。2500Åの金が、曝露されたウィンドウ上で堆積されて、ソース領域1402、ドレーン領域1404とのオーム性接触と、基板706への接触1406とを作る。より厚い金の金属層を取得するために、AZ4330レジストが用いられる。金の堆積の後に、eビームまたは熱的蒸発ツールを用いて、除去が、30分間50℃のアセトンで実行される。デバイス表面は次いで、15秒間バッファード酸化膜エッチング(BOE)で処理され、厚さ2nmの新しい酸化膜が、過酸化水素溶液に30分間浸すことによって、シリコン表面上に成長させられる。これはまた、PECVD酸化膜の堆積または特定の条件における湿式酸化膜の成長によって達成され得る。
【0081】
最後に、デバイスの表面は、特定の標的分子を感知するようにあらかじめ決定されている化学物質感応層(例えば、図15に例示された層1502)で被覆される。化学物質感応層の表面被覆は、任意のプロセス技術によって達成され得る。これの例としては、正に帯電した中心金属原子でアミン分子の結合に感応性がある金属ポルフィリン単層(Langmuir Blodgettあるいは共有結合または接触インプリントまたは同様な技術による)を有するデバイス表面の被覆である。
【0082】
本発明は、添付された図面の関連において本明細書中に記載されたが、本発明が、示された特定の形態に限定されないことは認識されるべきである。例えば、センサデバイスの構造は、シリコン基板に関連して便宜的に上記されたが、一方で本発明はそれに限定されない。本発明の構造は、代わりの基板上で追加的または代替的に形成され得る。さらに、デバイスの一部だけが特定の層とともに例示されたが、本発明のデバイスおよび構造は、例示されない追加の層を含み得る。本明細書中に記載された方法および装置の設計および配置における様々な他の修正、変更および改良が、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサであって、該センサは、
基板と、
該基板の一部分の上に重なるように形成された絶縁体と、
該絶縁体の上に重なるように形成されたチャネルであって、該チャネル表面は、ナノ構造化されているかまたは細孔を含んでいる、チャネルと
を備え、
該センサは、感知された生物学的、化学的または放射性の化学種が、該電界効果型センサのチャネルのコンダクタンスにおける指数関数的な変化を引き起こすように、フルデプレート型モードで動作するように構成されている、
センサ。
【請求項2】
前記基板、前記絶縁体および前記チャネルは、シリコンオンインシュレータ基板から形成される、生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項3】
前記チャネルの幅は、約10オングストローム〜約10ミリメートルに及んでいる、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項4】
前記チャネルは、複数の構造を備えている、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項5】
前記複数の構造のそれぞれの幅は、約10オングストローム〜10ミリメートルに変化する、請求項4に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項6】
前記複数の構造は、異なる幅を有している、請求項4に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項7】
前記チャネルの上に重なる誘電体材料の層をさらに備え、該誘電体の層は、連続的な層または離散的なアイランドのいずれかである、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項8】
前記誘電体材料は、SiO、Si、SiNx、Al2O、AlOx、La2O、Y2O、ZrO、Ta2O、HfO、HfSiO、HfOx、TiO、TiOx、a−LaAlO、SrTiO、Ta、ZrSiO、BaO、CaO、MgO、SrO、BaTiO、Sc、Pr、Gd、Lu、TiN、CeO、BZT、BST、PVP−ポリ(4−ビニルフェノール)、PS−ポリスチレン、PMMA−ポリメチル−メタクリレート、PVA−ポリビニルアルコール、PVC−ポリ塩化ビニル、PVDF−フッ化ポリビニリデン、PαMS−ポリ[α−メチルスチレン]、CYEPL−シアノ−エチルプルラン、BCB−ジビニルテトラメチルジシロキサン−ビス(ベンゾシクロブテン)、CPVP−Cn、CPS−Cn、PVP−CL、PVP−CP、ポリnorb、GR、ナノTiO、OTS、Pho−OTS、およびそれらの組み合わせから成るグループから選択された材料を備えている、請求項7に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項9】
前記誘電体材料は、SiOを備えている、請求項8に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項10】
抗体センサ、爆発物材料センサ、たんぱく質センサ、生体分子センサ、DNAセンサ、DNA交配センサ、毒ガスセンサ、神経作用物質センサ、マスタードガスセンサ、分子をインプリントされた表面から成るセンサおよびイオンセンサから成るグループから選択された材料を備える層をさらに備えている、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項11】
前記チャネルの上に重なる誘電体層と、該誘電体層の上に重なる材料の層とをさらに備え、該材料の層は、放射性、化学的および生物学的な化学種から成るグループから検出される標的化学種と相互作用し、該材料の層は、連続的な層または離散的なアイランドのいずれかである、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項12】
前記チャネルは、nチャネル構造であり、該チャネル表面への負電荷の付加は、反転チャネルのコンダクタンスの指数関数的な増大を引き起こす、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項13】
前記チャネルは、nチャネル構造であり、該チャネル表面への正電荷の付加は、反転チャネルのコンダクタンスの指数関数的な減少を引き起こす、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項14】
前記チャネルは、pチャネル構造であり、該チャネル表面への負電荷の付加は、反転チャネルのコンダクタンスの指数関数的な減少を引き起こす、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項15】
前記チャネルは、pチャネル構造であり、該チャネル表面への正電荷の付加は、反転チャネルのコンダクタンスの指数関数的な増大を引き起こす、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項16】
センサを動作させる方法であって、該方法は、
基板と、
該基板の一部分の上に重なるように形成された絶縁体と、
該絶縁体の上に重なるように形成された、ナノ構造化されているかまたは多孔性のチャネルと
を備えているセンサを提供するステップを包含し、
化学的、生物学的または放射性の化学種を含むことを疑われる雰囲気に該センサを曝露するステップと、
該化学的、生物学的または放射性の化学種の検出の際に、ドレーン電流の指数関数的な変化を測定するステップと
を包含する、方法。
【請求項17】
ソリッドステートセンサを形成する方法であって、該方法は、
基板を提供するステップと、
該基板の上に重なる絶縁体を形成するステップと、
該絶縁体の上に重なる多孔性のチャネル領域を形成するステップと
を包含する、方法。
【請求項18】
前記多孔性のチャネル領域の上に重なる、化学的、生物学的または放射性に感応性のある材料を形成するステップをさらに包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記多孔性のチャネル領域の上に重なる誘電体層を形成するステップをさらに包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記誘電体層の上に重なる、化学的、生物学的または放射性に感応性のある材料を形成するステップをさらに包含する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサであって、該センサは、
絶縁体と、
該絶縁体の上に重なるように形成されたチャネルであって、該チャネル表面は、ナノ構造化されているかまたは細孔を含んでいる、センサと
を備え、
該センサは、感知された生物学的、化学的または放射性の化学種が、該電界効果型センサのチャネルのコンダクタンスにおける指数関数的な変化を引き起こすように、フルデプレート型モードで動作するように構成され、
該チャネルは、ゲートバイアスを何ら必要とせずにフルデプレートされている、
センサ。
【請求項22】
前記チャネルは、基板材料なしで、ゲートバイアスを何ら必要とせずにフルデプレートされている、請求項7に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項23】
前記センサは、前記チャネルの上に重なる誘電体層をさらに備えている、請求項21に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項24】
前記センサは、前記チャネルの上に重なる誘電体層と、該誘電体層の上に重なる材料の層とをさらに備え、該材料の層は、放射性、化学的および生物学的な化学種から成るグループから検出される標的化学種と相互作用する、請求項21に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。
【請求項25】
前記基板は、可撓性の材料で作られる、請求項1に記載の生物学的、化学的または放射性の化学種を検出するセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−530063(P2010−530063A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511384(P2010−511384)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/066190
【国際公開番号】WO2009/017882
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(509338570)
【Fターム(参考)】