説明

ナビゲーション装置、および、日差し回避ルート探索方法

【課題】日差しが運転手の目に入りにくい経路を探索する技術を提供する。
【解決手段】本発明の車載用ナビゲーション装置は、経路を探索する機能を備えた車載用ナビゲーション装置である。車載用ナビゲーション装置の日差し影響判定部108は、現在日時を取得して、該現在日時と、算出した現在位置と、に基づいて、運転手が日差しの影響を受ける時間帯に、車両が走行していると予測される領域を特定する。経路誘導部109は、現在地と設定された目的地を結ぶ経路を構成する各リンクのうち、特定した領域に含まれているリンクにおいて、車両の進行方向の該リンクの方位と特定の方位との関係に応じて該リンクのコストを決定し、決定したコストに応じて現在位置と目的地を結ぶ最適経路を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、経路誘導のためのルート(経路)を設定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車載用ナビゲーション装置には、目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるようにした経路誘導機能が搭載されている。経路誘導機能が搭載されている車載用ナビゲーション装置は、車両の走行に伴ってGPS等により現在位置を検出し、その現在位置をディスプレイ上に道路地図と共に表示したり、現在地から目的地までの適切な経路を設定したりする。経路の設定に関しては、車載用ナビゲーション装置は、地図データ(距離、道路幅員、道路種別、等)を用いて現在地から目的地までを結ぶ最小コストの経路を探索して行う。
【0003】
最近の車載用ナビゲーション装置の中には、単純に、現在地から目的地までを結ぶ最小コストの経路を探索して経路の設定を行うだけではなく、景観のよい地点を通過する迂回経路をなるべく走行するような経路を探索して経路の設定を行えるものもある。このような車載用ナビゲーション装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−185453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両の運転中に、朝日や夕日(いわゆる西日)といった高度の低い太陽からの日差しが運転手の目に入り、車両前方の見通しが悪くなることがある。従来の車載用ナビゲーション装置では、日差しの影響を受ける経路を迂回するような経路は探索できない。
【0006】
本発明は、車載用ナビゲーション装置において、太陽からの日差しが運転手の目に入りにくい経路を探索する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本願発明の車載用ナビゲーション装置は、経路を探索する機能を備えた車載用ナビゲーション装置であって、目的地を設定する目的地設定手段と、地図上の現在位置を算出する現在位置算出手段と、現在日時を取得して、該現在日時と前記現在位置算出手段が算出した現在位置とに基づいて、運転手が日差しの影響を受ける時間帯に車両が走行していると予測される日差し影響領域を特定する日差し影響領域特定手段と、前記現在地と前記目的地を結ぶ経路を構成する各リンクのうち、前記日差し影響領域に含まれているリンクにおいて、車両の進行方向の該リンクの方位と特定の方位との関係に応じて該リンクのコストを決定し、決定したコストに応じて前記現在位置と前記目的地を結ぶ最適経路を探索して経路誘導を行う経路誘導手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車載用ナビゲーション装置によれば、太陽からの日差しが運転手の目に入りにくい経路を探索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車速センサ6と、ジャイロセンサ7と、GPS受信装置8と、FM多重情報受信装置9と、ビーコン受信装置10と、を備えている。
【0011】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、各種センサ6、7やGPS受信装置8から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2に表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データを用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0012】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成される。
【0013】
記憶装置3は、CD−ROMやDVD−ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、地図データ310や、太陽の方位を特定するための太陽方位特定データ400や、地図上の位置に応じて朝日や夕日の日差しの影響を受ける時間帯を特定するための日差し影響時間データ600や、日差しの影響度に応じてリンクコストを算出するための特別重みテーブル500、等が記憶されている。
【0014】
地図データ310の概略データ構造を図2に示す。地図データ310は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)311ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ320を含んでいる。
【0015】
リンクデータ320は、リンクID321ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報322、リンクを含む道路の種別情報323、リンクの長さを示すリンク長情報324、リンク旅行時間325、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)326、各リンク周辺に位置する施設情報を示す周辺施設情報327、などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理することができる。また、リンク旅行時間325は、日時、天気などの条件ごとに対応付けられたリンク旅行時間であってもよい。さらに、地図データ310には、交差点の位置情報が含まれており、交差点に対応するノードのノードIDも含まれている。また、周辺施設情報327には、その施設のジャンル(例えば、コンビニエンスストア、ハンバーガーショップ、等)を特定する情報が含まれている。なお、開始ノードと終了ノードを含む座標情報322から、リンクの方位を求めることができる。
【0016】
また、太陽方位データ400の概略データ構造を図3に示す。太陽方位特定データ400は、地図上の位置と日時から、太陽の方位を特定するためのデータを格納している。太陽方位特定データ400は、図示するように、地図上の位置を特定する座標位置410ごとに、その座標位置410での各日時における太陽の方位を示す太陽方位データ420を含んでいる。なお、座標位置410は、例えば、(経度、緯度)といった座標値である。また、座標位置410は、地図データ310に含まれる範囲の領域分のデータである。
【0017】
太陽方位データ420は、図示するように、日時421ごとのレコード423からなる。各レコード423には、日時421と太陽の方位422とが対応付けて格納されている。日時421は、日時を特定するためのデータであり、例えば、「年/日 時刻」といった形式の文字列である。なお、日時421は、車載用ナビゲーション装置100の製造日から、例えば、5年分のデータとする。太陽の方位422は、太陽の方位角を特定するデータであり、例えば、「270°」、「271°」といった文字列である。なお、方位角は、車両位置を基準として、真北を「0°」、真東を「90°」、真南を「180°」、真西を「270°」とする。
【0018】
さらに、日差し影響時間データ600の概略データ構造を図4に示す。日差し影響時間データ600は、地図上の位置に応じて日差しの影響を受ける時間帯を特定するためのデータを格納している。日差し影響時間データ600は、図示するように、地図上の位置を特定する座標位置610ごとに、その座標位置610での各日にちにおける日差しの影響を受ける時間帯を示す時間帯特定データ620を含んでいる。
【0019】
時間帯特定データ620は、図示するように、日にち621ごとのレコード626からなる。各レコード626には、日にち621と、午前(朝日)の影響開始時刻622と、午前(朝日)の影響終了時刻623と、午後(夕日)の影響開始時刻624と、午後(夕日)の影響終了時刻625と、が対応付けて格納されている。日にち621は、日にちを特定するためのデータであり、例えば、「年/月」といった形式の文字列である。なお、日にち621は、車載用ナビゲーション装置100の製造日から、例えば、5年分のデータとする。午前の影響開始時刻622は、日にち621の「年/日」で特定される日において、午前(朝日)の日差しが運転手に影響を与える時間帯の開始時刻(日出時刻)を特定するデータである。例えば、午前の影響開始時刻622は、「5:15」といった時刻データである。午前の影響終了時刻623は、日にち621の「年/日」で特定される日において、午前(朝日)の日差しが運転手に影響を与える時間帯の終了時刻を特定するデータである。例えば、午前の影響終了時刻623は、「7:15」といった時刻データである。なお、午前の影響終了時刻623は、午前の影響開始時刻622(日出時刻)の所定時間後(例えば、2時間後)に設定されている。午後の影響開始時刻624は、日にち621の「年/日」で特定される日において、午後(夕日)の日差しが運転手に影響を与える時間帯の開始時刻を特定するデータである。例えば、午後の影響開始時刻624は、「16:10」といった時刻データである。なお、午後の影響開始時刻624は、午後の影響終了時刻625(日没時刻)の所定時間前(例えば、2時間前)に設定されている。午後の影響終了時刻625は、日にち621の「年/日」で特定される日において、午後(夕日)の日差しが運転手に影響を与える時間帯の終了時刻(日没時刻)を特定するデータである。例えば、午後の影響終了時刻625は、「18:10」といった時刻データである。
【0020】
さらに、特別重みテーブル500の概略データ構造を図5に示す。特別重みテーブル500には、朝日や夕日の日差しの影響を考慮してリンクの重み付けを行うためのデータが格納される。特別重みテーブル500は、リンクごとのレコード550からなる。各レコード550には、メッシュID510と、リンクID520と、リンク方位530と、重み付け値520と、が対応付けて格納される。メッシュID510は、メッシュID311に相当する。リンクID520は、リンクID321に相当する。リンク方位530は、リンクの方位角を特定するデータであり、例えば、「150°」、「270°」といった文字列である。なお、リンク方位530は、対応するメッシュID510及びリンクID520で特定されるリンクの座標情報(開始ノード、終了ノード)322から求められる、車両のリンク上の進行方向の方位が格納される。重み付け値540は、メッシュID510及びリンクID510で特定されるリンクの重み付け値であり、例えば、「100」、「58」といった数字列である。なお、重み付け値540は、対応するリンク方位530を所定の演算式(後述する)に代入して求められた値が格納される。
【0021】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力する。また、ユーザが発した声を認識し演算処理部1にその内容を転送する処理を行う。
【0022】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、電源ボタン、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0023】
車速センサ6、ジャイロセンサ7、及び、GPS受信装置8は、車載用ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用される。車速センサ6は、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移動体が曲がった角度を計測する。ジャイロセンサ7は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。GPS受信装置8は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、移動体の現在位置、進行速度を測定する。また、GPS受信装置8は、GPS衛星から受信した信号から、現在時刻を特定するデータを抽出することで、現在時刻を取得する。
【0024】
FM多重放送受信装置9は、FM多重放送信号としてFM多重放送局から送られてくる渋滞情報、規制情報、SA/PA(サービスステーション/パーキング)情報、駐車場情報、天気情報などを受信する。
【0025】
ビーコン受信装置10は、ビーコンから送られてくる渋滞情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0026】
図6は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、表示処理部103と、目的地設定部104と、経路探索条件設定部105と、現在位置算出部106と、受信情報処理部107と、日差し影響判定部108と、経路誘導部109と、を有する。
【0027】
主制御部101は、演算処理部1の各部を統括して制御する処理を行う。
【0028】
入力受付部102は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け付け、その要求内容を解析する。入力受付部102は、解析結果に応じたデータを主制御部101に通知する。例えば、入力受付部102は、入力装置5から電源を供給する要求、或いは、電源を切断する要求を受け付け、主制御部101に通知する。また、入力受付部102は、車載用ナビゲーション装置100が有する各種機能の設定における入力データを受け付け、主制御部101に通知する。
【0029】
表示処理部103は、ディスプレイ2に、地図等を表示させる。具体的には、表示処理部103は、ディスプレイ2に表示させるための描画コマンドを生成して通知する。なお、表示処理部103は、地図をディスプレイ2に表示させる際には、表示が要求された領域(例えば、車載用ナビゲーション装置100の現在位置付近の領域)にある地図データ310を記憶装置3から抽出し、指定された縮尺、描画方式で、道路、その他の地図構成物、現在位置、目的地、推奨経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。また、表示処理部103は、ディスプレイ2に表示させた地図上に、自車両の現在位置を示すマークや、各種設定画面や、後述する経路誘導部111から通知された推奨経路、等を表示させる。
【0030】
目的地設定部104は、目的地の設定を行う。具体的には、目的地設定部104は、各種検索方法(例えば、名称から検索、住所から検索、地図から検索、等)により目的地を検索する。そして、検索した目的地から1つの目的地を選択する指示を入力受付部102を介して受け付け、その指示に対応する目的地を示す目的地情報を、記憶装置3に記憶する。なお、目的地情報には、目的地の位置、目的地の施設名、目的地の住所、等の情報が含まれている。
【0031】
経路探索条件設定部105は、現在地から目的地設定部104が求めた目的地までの推奨経路を探索する条件を設定する。ここで、経路探索の条件には、朝日や夕日の日差しを回避する経路を優先する、といった条件が含まれる。この条件以外にも、例えば、優先道路を優先する、一般道路を優先する、国道を優先する、フェリーを優先する、VICS情報を利用して探索する、時間規制を回避する経路を優先する、といった条件等を、含めてもよい。経路探索条件設定部105は、具体的には、図7に示すような経路探索の条件を設定するための画面を生成して、生成した画面を表示処理部103に表示させる。生成する画面には、図示するように、日差しを回避する経路を優先する条件を設定するための日差し回避設定欄210と、設定された条件で経路探索を開始するためのルート探索ボタン220と、が設けられる。経路探索条件設定部105は、ユーザから入力受付部102を介して入力された経路探索の条件を受け付け、記憶装置3に記憶する。
【0032】
現在位置算出部106は、車載用ナビゲーション装置100(車両)の現在位置を算出する。具体的には、現在位置算出部107は、車速センサ6で計測される距離パルスデータ(S5)およびジャイロセンサ7で計測される角加速度データ(S6)を各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から自車走行後の位置である現在地(X’,Y’)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に現在位置を合わせ込む。また、定期的にGPS受信装置8の出力(S7)を用いて現在位置を修正する。なお、車両が停止しているときには、GPS受信装置8の出力(S7)だけを用いて現在位置を求めてもよい。
【0033】
受信情報処理部107は、FM多重放送受信装置9やビーコン受信装置10が受信した渋滞情報や規制情報(S8、S9)を、記憶装置3に記憶する。
【0034】
日差し影響判定部108は、現在日時及び目的地到着予想時刻から、朝日や夕日の日差しが運転手の目に入りやすい領域(以下では、「日差し影響領域」とよぶ)260を特定する処理を行う。具体的には、日差し影響判定部108は、経路探索条件設定部105が受け付けた経路探索の条件のうち、朝日や夕日の日差しを回避する経路を優先する条件が有効(オン)にされているか否かを判別する。有効(オン)にされている場合、日差し影響判定部108は、現在日時をGPS受信装置8から取得する。また、日差し影響判定部108は、朝日や夕日の日差しが運転手の目に入りやすい時間帯を特定する。例えば、日差し影響判定部108は、太陽情報テーブル400を参照して、現在位置(位置410)と現在日時(日時420)とから、日差しの影響を受ける時間帯(影響開始時刻440から影響終了時刻450までの時間帯)を特定する。このとき、日差し影響判定部108は、現在位置から車両がその影響開始時刻440までに走行する距離(直線距離)、及び、現在位置から車両がその影響終了時刻450までに走行する距離(直線距離)を求める。そして、日差し影響判定部108は、図8に示すように、現在位置を中心として、車両が影響終了時刻450までに走行する距離を半径(R2)とした円の閉領域から、車両が影響開始時刻440までに走行する距離を半径(R1)とした円の閉領域を除いた領域を、日差し影響領域260と特定する。
【0035】
ただし、現在日時が、日差しの影響を受ける時間帯(影響開始時刻440から影響終了時刻450までの時間帯)に含まれている場合には、上記の半径(R1)の円は求まらない。この場合、半径(R2)の円の閉領域の全ての領域を、日差し影響領域260とする。また、現在日時が、影響終了時刻450以降である場合には、半径(R1)及び半径(R2)がともに求まらない。この場合、日差し影響領域260は存在しないものとする。
【0036】
次に、経路誘導部109は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路のコスト(例えば、距離、渋滞情報、日差しの影響度、等)が最小となる経路を探索し、探索した経路を用いて経路誘導を行う。例えば、経路誘導部109は、現在地と目的地を結ぶ経路を構成する各リンクに対して、日差しの影響度に基づいた特別な重み付けと、日差しの影響度以外の要素に基づいた一般的な重み付けとを行い、各リンクの特別な重み付け値と一般的な重み付け値との加算値の総和を、その経路の総コストとする。
【0037】
日差しの影響度に基づいた特別な重み付けを行う場合、例えば、経路誘導部109は、現在地と目的地を結ぶ経路を構成する各リンクに対して、太陽の方位と車両の進行方向(方位)とが近い方位となるほど、高い重み付け値を割り当てる。また、日差しの影響度以外の要素に基づいた一般的な重み付けを行う場合、例えば、経路誘導部109は、現在地と目的地を結ぶ経路を構成する各リンクに対して、リンクデータ320に格納されているリンク長324や道路種別323、受信情報処理部107がFM多重放送受信装置9やビーコン受信装置10から受信した渋滞情報や規制情報に応じた重み付けを行う。そして、経路誘導部109は、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路のコスト(特別な重み付け値と一般的な重み付け値との和)の総和が最小となる経路を探索する。さらに、経路誘導部109は、探索した結果、該当する経路を特定するデータを記憶装置3に記憶(登録)する。
【0038】
以上より、経路誘導部109は、日差しの影響度に基づいて、2地点間の経路のコストが最小となる経路を探索するための重み付けを行うことができる。例えば、図9に示すように、現在地250と目的地(G)の2地点間を結ぶ経路全体が、日差し影響領域260に含まれている場合には、経路誘導部109は、経路を構成する全リンクに対して日差しの影響度に基づいた重み付けを行うことになる。図示の例では、経路Aの総コストは「312」、経路Bの総コストは「297」であるため、日差しの影響度が最小となる経路は、経路Bとなる。また、図10に示すように、現在地250周辺では日差し影響領域260に含まれ、目的地(G)周辺では日差し影響領域260に含まれていない場合(目的地までの走行中に日没時刻になる場合)には、経路誘導部109は、日差し影響領域260に含まれているリンクに対しては、日差しの影響度に基づいた重み付け値(W)を行い、日差し影響領域260外のリンクに対しては、日差しの影響度に基づいた重み付け値(W)を行わない。このため、各リンクの重み付け値は、図示するようになる。図示の例では、経路Aの総コストは「210」、経路Bの総コストは「290」であるため、日差しの影響度が最小となる経路は、経路Aとなる。さらに、図11に示すように、現在地250周辺では日差し影響領域260に含まれておらず、目的地(G)周辺では日差し影響領域260に含まれている場合(目的地までの走行中に夕日の影響が出てくる場合)においても、経路誘導部109は、日差し影響領域260に含まれているリンクに対しては、日差しの影響度に基づいた重み付け値(W)を行い、日差し影響領域260外のリンクに対しては、日差しの影響度に基づいた重み付け値(W)を行わない。このため、各リンクの重み付け値は、図示するようになる。図示の例では、経路Aの総コストは「230」、経路Bの総コストは「223」であるため、日差しの影響度が最小となる経路は、経路Bとなる。
【0039】
また、経路誘導109は、経路の情報と、現在地の情報とを比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折するべきかを、ディスプレイ2に表示させる(ターンバイターン表示)とともに、音声入出力装置4を用いて音声でユーザに知らせる。また、経路誘導部109は、ディスプレイ2に表示された地図上に推奨経路を表示する。
【0040】
以上のような機能を有する演算処理部1は、例えば、図12に示すようなハードウェア構成で実現される。
【0041】
図示するように、演算処理部1は、各デバイス間をバス712で接続した構成としてある。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)701と、記憶装置3から読み出した地図データ310、演算データなどを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)702と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)703と、メモリ間及びメモリと各デバイスとの間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)704と、グラフィックス描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ705と、グラフィックイメージデータを蓄積するVRAM(Video Random Access Memory)706と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット707と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器708と、シリアル信号をバス712に同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)709と、パラレル信号をバスに同期させてバス712にのせるPIO(Parallel Input/Output)710と、パルス信号を積分するカウンタ711と、を有する。
【0042】
次に、上記構成からなる車載用ナビゲーション装置100の動作について説明する。図13は、車載用ナビゲーション装置100の演算処理部1が行う日差し回避ルート探索処理を示すフローチャートである。
【0043】
演算処理部1の主制御部101は、車載用ナビゲーション装置100の電源が投入されたときに、日差し回避ルート探索処理を開始する。電源の投入は、入力装置5に備わる電源ボタン(図示せず)がユーザにより操作されることで行われる。
【0044】
演算処理部1の目的地設定部104は、目的地を設定する処理を行う(ステップS101)。具体的には、目的地設定部104は、目的地の検索方法をユーザに選択させるための画面を生成して、表示処理部103に表示させる。例えば、表示させる画面は、「名称から目的地を検索」、「住所から目的地を検索」、「地図から目的地を検索」といった項目の一覧画面でよい。このとき、ユーザからいずれかの項目を選択する指示を入力受付部102を介して受け付け、受け付けた指示に応じた検索画面を表示処理部103に表示させる。目的地設定部104は、目的地を特定する入力を受け付けたとき、地図データ310からその入力に対応する目的地を検索して、該当する目的地の位置を示す位置情報(座標)を、記憶装置3に記憶(設定)する。
【0045】
続いて、経路探索条件設定部105は、ステップS101で設定された目的地までの経路を探索する条件を設定するための画面を表示させる(ステップS102)。具体的には、経路探索条件設定部105は、図7に示すような経路探索の条件を設定するための画面を生成して、生成した画面を表示処理部103に表示させる。
【0046】
経路探索条件設定部105は、ステップS101で設定された目的地までの経路を探索する条件を設定する(ステップS103)。具体的には、経路探索条件設定部105は、ステップS102で条件を設定するための画面を表示させた後、ルート探索ボタン220が押されたときに、経路探索を開始する指示を主制御部101に通知する。このとき、経路探索条件設定部105は、ステップS102で表示させた画面上で設定された条件を入力受付部102から受け付け、受け付けた条件を記憶装置3に記憶(設定)する。ここで、受け付けるデータは、例えば、条件ごとに、有効(オン)か無効(オフ)かを特定するデータ(例えば、有効は「1」、無効は「0」といったデータ)である。
【0047】
ステップS103で経路探索を開始する指示を通知された主制御部101は、現在位置算出部106に、現在位置を算出する指示を通知する。
【0048】
このとき、現在位置算出部106は、車載用ナビゲーション装置100の現在位置を算出する(ステップS104)。そして、現在位置算出部106は、算出した現在位置(座標)を、記憶装置3に記憶する。
【0049】
続いて、日差し影響判定部108は、ステップS103で経路探索条件設定部105が受け付けた経路探索の条件のうち、朝日や夕日の日差しを回避する経路を優先する条件が有効(オン)にされているか否かを判別する(ステップS105)。具体的には、日差し影響判定部108は、朝日や夕日の日差しを回避する経路を優先する条件が「1」であれば、有効(オン)であると判定し、「0」であれば無効(オフ)と判定する。
【0050】
ステップS105において、朝日や夕日の日差しを回避する経路を優先する条件が有効(オン)にされていると判定した場合(ステップS105;Yes)、日差し影響判定部108は、現在日時を取得する(ステップS106)。具体的には、日差し影響判定部108は、現在日時をGPS受信装置8から取得し、取得した現在日時を記憶装置3に記憶する。なお、ここで取得する現在日時には、年(西暦)、日、時刻を特定する情報が含まれている。
【0051】
続いて、日差し影響判定部108は、日差しの影響領域260を特定する処理を行う(ステップS107)。
【0052】
具体的には、日差し影響判定部108は、最初に、ステップS104で現在位置算出部106が算出した現在位置に対応する座標位置610で特定される時間帯特定データ620から、ステップS106で取得した現在日時に対応する日にち621を有しているレコード626を検索する。そして、その検索後、該当するレコード626に格納されている午前の影響開始時刻622及び午前の影響終了時刻623を参照して、午前(朝日)の日差しの影響を受ける時間帯を特定する。なお、午後(夕日)の日差しの影響を受ける時間帯を特定する際には、日差し影響判定部108は、該当するレコード626に格納されている午後の影響開始時刻624及び午後の影響終了時刻625を参照して、午後(夕日)の日差しの影響を受ける時間帯を特定する。ここで、午前(朝日)の日差しの影響を受ける時間帯を特定するか、午後(夕日)の日差しの影響を受ける時間帯を特定するかは、例えば、日差し影響判定部108は、ステップS106で取得した現在日時が、正午前か正午後かによって判断する。
【0053】
次に、日差し影響判定部108は、現在位置から車両がその午前の影響開始時刻622までに走行する距離(直線距離)、及び、現在位置から車両がその午前の影響終了時刻623までに走行する距離(直線距離)を求める。具体的には、日差し影響判定部108は、GPS受信装置8から取得した信号に基づいて測定した車両の所定時間内の平均速度に、(午前の影響終了時刻623−現在日時)を乗じることで、車両がその午前の影響終了時刻623までに走行する距離(直線距離)を求める。同様に、車両の所定時間内の平均速度に、(午前の影響開始時刻622−現在日時)を乗じることで、車両がその午前の影響開始時刻622までに走行する距離(直線距離)を求める。なお、車両が午後の影響終了時刻625までに走行する距離(直線距離)を求める場合には、日差し影響判定部108は、上記の午前の影響終了時刻623に代えて午後の影響終了時刻625を用いて処理する。同様に、車両が午後の影響開始時刻624までに走行する距離(直線距離)を求める場合には、日差し影響判定部108は、上記の午前の影響開始時刻622に代えて午後の影響開始時刻624を用いて処理する。
【0054】
そして、日差し影響判定部108は、図8に示すように、ステップS104で現在位置算出部106が算出した現在位置を中心として、車両が午前の(午後の)影響終了時刻623(625)までに走行する距離を半径(R2)とした円の閉領域(第1の閉領域)を特定する。同様に、日差し影響判定部108は、ステップS104で現在位置算出部106が算出した現在位置を中心として、車両が午前の(午後の)影響開始時刻622(624)までに走行する距離を半径(R1)とした円の閉領域(第2の閉領域)を特定する。そして、日差し影響処理部108は、ここで特定した第1の閉領域から第2の閉領域を除いた領域を、日差し影響領域260と特定し、特定した日差し影響領域260を示すデータを記憶装置3に格納する。なお、日差し影響領域260を示すデータは、日差し影響領域260に含まれる座標の集合であってもよいし、日差し影響領域260の境界を特定するデータであってもよい。
【0055】
ステップS107に続いて、経路誘導部109は、ステップS104で現在位置算出部106が算出した現在位置と、ステップS101で目的地設定部104が設定した目的地を結ぶ経路を構成する各リンクに対して、日差しの影響度に基づいた特別な重み付けを行う(ステップS108)。具体的には、経路誘導部109は、最初に、ステップS104で現在位置算出部106が算出した現在位置に対応する座標位置410で特定される太陽方位データ420から、ステップS106で取得した現在日時に対応する日時421を有しているレコード423を検索する。そして、その検索後、該当するレコード423に格納されている太陽の方位422を特定しておく。さらに、ステップS107で特定した日差し影響領域260に含まれるリンクを特定するデータ(メッシュID510及びリンクID520)を、特別重みテーブル500に格納する。また、経路誘導部109は、特別重みテーブル500に格納したそれぞれのリンクのリンク方位530を求め、特別重みテーブル500に格納する。リンク方位530を求める方法は、例えば、地図データ310の座標情報(開始ノード、終了ノード)322から求めればよい。そして、経路誘導部109は、先に特定した太陽の方位422と、先に求めたリンク方位530との方位角の角度差(θ)を求める。経路誘導部109は、求めた角度差(θ)に基づいて重み付け値(W)540を求め、特別重みテーブル500に格納する。より具体的には、経路誘導部109は、求めた角度差(θ)を、数式「W=k1・sin(θ)+k2」に代入することにより、重み付け値(W)540を求める。なお、k1、k2は定数とし、k1+k2が重み付け値(W)540の最大値となり、k2−k1が重み付け値(W)540の最小値となる。従って、重み付け値(W)540は、(k2−k1)≦(重み付け値(W)540)≦(k1+k2)の範囲の値となる。例えば、k1、k2は、それぞれ「50」とする。これにより、経路誘導部109は、太陽の方位422と車両の進行方向(リンク方位530)とが近い方位であるほど、高い重み付け値をリンクに割り当てることができる。
【0056】
ステップS108に続いて、経路誘導部109は、日差し回避ルート(経路)の探索を行う(ステップS109)。具体的には、経路誘導部109は、現在地と目的地を結ぶ経路を構成する各リンクに対して、ステップS108で重み付けした日差しの影響度に基づいた特別重み付け値540に、日差しの影響度以外の要素に基づいた一般的な重み付け値を加算する。そして、経路誘導部109は、加算した重み付け値を各リンクのコストとして、現在位置と目的地とを結ぶ経路のコストの総和が最小となる経路を探索する。
【0057】
経路誘導部109は、探索の結果、該当する経路を推奨経路として決定する(ステップS111)。具体的には、現在位置と目的地とを結ぶ経路のコストの総和が最小となる経路を構成する各リンク(リンクID321)を、車両が走行する順に記憶装置3に格納する。
【0058】
続いて、経路誘導部109は、ステップS111で決定した推奨経路を、表示処理部103に表示させている地図上に重ねて表示させる経路(ルート)誘導を開始する(ステップS112)。具体的には、経路誘導部109は、ステップS111で記憶装置3に格納した推奨経路の情報と、現在位置算出部106が車両の走行に従って定期的に求める現在位置と、を比較して、交差点等を通過する前に進行すべき方向をユーザに通知する。
【0059】
ステップS112において、経路(ルート)誘導を開始した後、経路誘導部109は、日差し回避ルート探索処理を終了する。
【0060】
なお、ステップS105において、朝日や夕日の日差しを回避する経路を優先する条件が無効(オフ)にされていると判定した場合(ステップS105;No)、経路誘導部109は、通常の経路探索を行う(ステップS110)。ここで、通常の経路探索とは、日差しの影響度以外の要素に基づいた一般的な重み付け値を各リンクのコストとして、現在位置と目的地とを結ぶ経路のコストの総和が最小となる経路を探索することである。経路誘導部109は、ステップS110において通常の経路探索を終了した後、処理をステップS111に移行する。
【0061】
なお、本発明は、上記第1の実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0062】
例えば、上記第1の実施形態では、朝日や夕日の日差しが運転手の目に入りやすい時間帯に車両が走行していると予測される領域を、日差し影響領域260として特定している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、日差し影響領域260を特定する前に、日差しの影響度以外の要素に基づいた一般的な重み付け値を用いた通常の経路探索により、複数の候補となる推奨経路を探索しておき、それぞれの推奨経路において、日差しの影響を受けるリンクを日差し影響領域260としてもよい。この場合の日差し回避ルート探索処理を、図14に示す。
【0063】
図示するように、日差し回避ルート探索処理を開始してステップS101〜ステップS104までの処理は、上記第1の実施形態における日差し回避ルート探索処理と同様の処理である。
【0064】
ステップS104において、現在位置算出部106が車載用ナビゲーション装置100の現在位置を算出した後、経路誘導部109は、日差しの影響度以外の要素に基づいた一般的な重み付け値を用いた通常の経路探索を行う(ステップS1045)。このとき、経路誘導部109は、現在位置と目的地とを結ぶ経路のコストの総和が小さい上位の複数の経路(例えば、5つの経路)を候補として探索する。
【0065】
ステップS105においては、上記第1の実施形態と同様に、日差し影響判定部108は、朝日や夕日の日差しを回避する経路を優先する条件が有効(オン)にされているか否かを判別する(ステップS105)。このとき、無効(オフ)にされていると判定した場合には(ステップS105;No)、日差し影響判定部108は、処理をステップS111に移行する。これにより、ステップS111では、経路誘導部109は、ステップS1045で探索した候補の中から、そのまま、コストの総和が最小のものを推奨経路として決定することができる。
【0066】
一方、ステップS105において、日差し影響判定部108は、有効(オン)にされていると判定した場合には(ステップS105;Yes)、ステップS106を経て、ステップS1045で探索した候補の各経路において、それぞれ、日差しの影響を受ける日差し影響領域260を特定する(ステップS107)。具体的には、日差し影響判定部108は、ステップS1045で探索した候補の各経路を構成するリンクのうち、車両が日差し影響時間データ600の午前の(午後の)影響開始時刻622(624)に到達していると予測されるリンク(位置)を特定する。また、同様に、ステップS1045で探索した候補の各経路を構成するリンクのうち、車両が日差し影響時間データ600の午前の(午後の)影響終了時刻623(625)に到達していると予測されるリンク(位置)を特定する。なお、両リンク(位置)は、ステップS106で取得した現在日時、各経路を構成するリンクのリンク長324及びリンク旅行時間325を用いて特定することができる。そして、日差し影響判定部108は、ステップS1045で探索した候補の各経路において、先に特定した午前の(午後の)影響開始時刻622(624)に到達していると予測される位置(リンク)と、先に特定した午前の(午後の)影響終了時刻623(625)に到達していると予測される位置(リンク)との間の経路を、それぞれ、日差し影響領域260と特定する。
【0067】
ステップS108では、ステップS107において特定した日差し影響領域260に含まれているリンクに対して、日差しの影響度に基づいた特別な重み付けを行う(ステップS108)。さらに、ステップS1045で探索した候補の各経路の中から、再度、日差しの影響度に基づいて重み付けされた特別な重み付け値を各リンクのコストとして、日差し影響領域260内のコストの総和が最小となる経路を探索する。
【0068】
ステップS111、ステップS112の処理は、上記第1の実施形態における日差し回避ルート探索処理と同様である。
【0069】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。上記実施形態によれば、本発明の車載用ナビゲーション装置100は、以上の日差し回避ルート探索処理を演算処理部1が実行することにより、日差しの影響度をより忠実に反映させた日差し影響領域260を特定することができ、結果として、日差しの影響度をより忠実に反映させた推奨経路をユーザに提供することができる。
【0070】
なお、上記の日差し回避ルート探索処理において、ステップS1045で探索した候補の各経路において、それぞれ、日差しの影響を受ける日差し影響領域260を特定した後、ステップS108、ステップS109の処理を行わずに、ステップS111に処理を移行してもよい。この場合、ステップS111において、経路誘導部109は、ステップS1045で探索した候補の各経路の中から、ステップS107で特定した日差し影響領域260に含まれているリンクのリンク長324の和が最小となる経路を、推奨経路として決定するようにしてもよい。
【0071】
また、上記第1の実施形態では、1つのリンクに1つの重み付け値を対応付けている。しかしながら、本発明は、これに限定されず、リンクの途中に境界位置を設け、境界位置で区切られたそれぞれの部分リンクに異なる重み付け値を対応付けるようにしてもよい。これにより、リンクの途中でリンク方位が変動している場合においても、リンクに対する日差しの影響度をより忠実に反映させることができる。
【0072】
具体的には、例えば、図5に示す特別重みテーブル500の代わりに、図15に示す特別重みテーブル501を用意すればよい。特別重みテーブル501は、図示するように、図5の特別重みテーブル500の各レコード550に、構成比560と、リンク方位比570と、重み比580と、が対応付けて格納される。ただし、リンクの途中で重み付け値が異なるリンクについては、重み付け値540に、「−」が格納される。構成比560は、リンクの途中で重み付け値が異なるリンクにおいて、リンク内で重み付け値が異なる境界位置を示すデータであり、例えば、境界位置で区切られたそれぞれの部分リンクの長さの比を示すデータ(「3:4」、「3:5:1」といった比を表す文字列)である。リンク方位比570は、構成比560で特定されるリンク内の重み付け値が異なるそれぞれの部分リンクのリンク方位を示すデータであり、例えば、「120°:145°」、「120°:88°:100°」といった比で表される。重み比580は、構成比560で特定されるリンク内の重み付け値が異なるそれぞれの部分リンクへの重み付け値であり、例えば、「56:44」、「74:76:1」といった比で表される。なお、リンクの途中で重み付け値が均一のリンクについては、構成比560、リンク比570、重み比580のそれぞれに、「−」が格納される。
【0073】
図15に示す特別重みテーブル501を用いて、日差し影響判定部108は、境界位置で区切られたそれぞれの部分リンクに対して、上述のステップS108における重み付け値を算出する処理と同様の処理を行うことで、それぞれの部分リンクに異なる重み付け値を対応付けることができる。具体的には、リンク方位比570が「A:B」、構成比560が「C:D」であれば、重み比580の「W1:W2」における「W1」は、太陽の方位とリンク方位の方位角の角度差(A−太陽の方位)を、上述した数式「W=k1・sin(θ)+k2」に代入して求まる値に、(C/(C+D))を乗じて求まる。また、同様に、「W2」も、太陽の方位とリンク方位の方位角の角度差(B−太陽の方位)を、上述した数式に代入して求まる値に、(D/(C+D))を乗じて求まる。
【0074】
さらに、上記第1の実施形態では、車両の現在地と現在時刻に基づいて、日差し影響領域260を特定している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、現在地と目的地の中間地点の位置と、その中間地点に到達する予測時刻に基づいて、日差し特定領域260を特定するようにしてもよい。また、現在地と目的地との直線距離を数分割し、分割された各地点の位置と、その各地点に到達する予測時間に基づいて、複数の日差し特定領域260を特定するようにしてもよい。
【0075】
また、上記第1の実施形態では、太陽の方位430を太陽方位特定データ400として予め格納し、午前の影響開始時刻622(日出時刻)と、午前の影響終了時刻623と、午後の影響開始時刻624と、午後の影響終了時刻625(日没時刻)と、を日差し影響時間データ600として予め格納している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、日差し影響判定部108が、太陽の方位430を、車両の現在位置と現在日時から算出するようにしてもよい。また、日差し影響判定部108が、午前の影響開始時刻622(日出時刻)と、午前の影響終了時刻623と、午後の影響開始時刻624と、午後の影響終了時刻625(日没時刻)とを、車両の現在位置と現在日時から算出するようにしてもよい。この場合、太陽の方位430と、午前の影響開始時刻622(日出時刻)と、午前の影響終了時刻623と、午後の影響開始時刻624と、午後の影響終了時刻625(日没時刻)とを、それぞれ求めることができるプログラムを、予め記憶装置3に格納しておく。
【0076】
また、本発明は、日差し影響時間データ600のデータ構造を、図4に示すようなデータ構造に限定しない。日差し影響時間データ600には、運転手が日差しの影響を受ける時間帯を特定することができるデータが格納されていればよい。従って、本発明において、運転手が日差しの影響を受ける時間帯は、朝日や夕日の時間帯に限定されず、季節や地域に応じて適宜変更してもよい。
【0077】
さらに、上記第1の実施形態では、日差しの影響度に基づく特別な重み付け値540を、日差し影響判定部108が数式を用いて算出している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、リンク方位530と太陽の方位430とに、重み付け値540を対応付けた特別重みテーブル500を、予め記憶装置3に格納しておいてもよい。この場合、日差し影響判定部108は、特別重みテーブル500を参照して、リンク方位530と太陽の方位430から、重み付け値540を特定する。
【0078】
また、上記第1の実施形態では、経路誘導部109は、リンク方位530と太陽の方位430との角度差(θ)に基づいて重み付け値(W)540を求めている。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、リンク方位530と、予め定めた特定の方位(例えば、真西(270°)の方向)に基づいて重み付け値(W)540を求めてもよい。また、特定の方位は、ユーザに指定された方位でもよく、例えば、星座や月が見やすいような方位でもよい。この場合、角度差(θ)が大きいほど、重み付け値(W)540を小さくするようにする。
【0079】
(第2の実施形態)
以下、本発明の実施形態の別の一例を図面を参照して説明する。
【0080】
本発明の第2の実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100は、朝日や夕日といった高度の低い太陽からの日差しが運転手の目に入りにくい経路で目的地まで走行できるように、目的地を設定する。
【0081】
本発明の第2の実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100は、上述した第1の実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100と同様に、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車速センサ6と、ジャイロセンサ7と、GPS受信装置8と、FM多重情報受信装置9と、ビーコン受信装置10と、を備えている。
【0082】
さらに、本発明の第2の実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100は、上述した第1の実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100と同様の機能を有する。具体的には、車載用ナビゲーション装置100の演算処理部1は、図6に示すように、主制御部101と、入力受付部102と、表示処理部103と、目的地設定部104と、現在位置算出部106と、を有する。なお、演算処理部1は、経路探索条件設定部105と、受信情報処理部107と、日差し影響判定部108と、経路誘導部109と、を有するようにしてもよい。
【0083】
ただし、目的地設定部104は、図16に示すように、目的地探索条件設定部1041と、探索領域特定部1042と、目的地の候補探索部1043と、目的地決定処理部1044と、を有する。
【0084】
目的地探索条件設定部1041は、目的地の探索条件を設定する。探索条件には、「日差しを回避する経路で到達することができる目的地の中から検索する」といった条件が含まれる。例えば、目的地探索条件設定部1041は、目的地の探索条件を受け付けるための画面をディスプレイ2に表示させて、ユーザからの各種選択を受け付ける。具体的には、目的地探索条件設定部1041は、図17(A)に示すような、探索条件設定画面を生成して、生成した画面を表示処理部103に表示させる。図17(A)に示す探索条件設定画面には、目的地のジャンルを選択させるためのジャンルアイコン230と、日差しを回避する経路で到達することができる目的地の中から目的地を検索する設定を行うための日差し回避設定欄240と、が設けられる。なお、目的地のジャンルには、例えば、「ファミリーレストラン」、「喫茶店」、「コンビニエンスストア」といった施設を区別するジャンルを用いる。また、目的地探索条件設定部1041は、ユーザから入力受付部102を介して入力された目的地探索の条件を受け付け、記憶装置3に記憶する。
【0085】
探索領域特定部1042は、日差しを回避する経路で到達することができる目的地を探索する場合に、目的地を探索する領域を特定する処理を行う。ここで、日差しを回避する経路で到達することができる目的地を探索する領域(以下では、「目的地探索領域」という)は、図18に示すように、現在地250の周辺領域295と、現在地250上を通り、かつ、太陽の方位と垂直である直線を境界線290とした太陽の反対側の領域(以下では、「日差し回避領域296」という)と、からなる。このような目的地探索領域に含まれる目的地を設定すれば、車両は、日差しを回避する経路で目的地まで到達することができる。具体的には、探索領域特定部1042は、周辺領域295を特定する際には、現在地250から所定の距離(例えば、300m)を半径とした円の閉領域を周辺領域295として特定する。また、日差し回避領域296を特定する際には、境界線290で区切られる太陽と反対側(車両からみて)の領域を日差し回避領域296と特定する。
【0086】
目的地の候補探索部1043は、探索領域特定部1042が特定した目的地探索領域に含まれ、かつ、目的地探索条件設定部1041が受け付けた目的地のジャンルに含まれる目的地を探索する処理を行う。具体的には、地図データ310の周辺施設情報327を参照して、上記のジャンルに属する目的地(施設)の中から、上記の目的地探索領域に含まれている目的地を検索する。目的地の候補探索部1043は、該当する目的地を、現在地250から近い位置から検索していき、上限個数(例えば、30個)の目的地が見つかるまで検索を続ける。ただし、現在地250から所定の距離(例えば、50km)を超える範囲は検索しないようにする。なお、目的地の候補探索部1043は、上記のジャンルには属しているが、目的地探索領域に含まれていない目的地も同時に検索しておく。
【0087】
目的地決定処理部1044は、目的地の候補探索部1043が探索して得た候補の目的地から、1つの目的地を決定する処理を行う。例えば、目的地決定処理部1044は、目的地を選択する指示を受け付けるための画面をディスプレイ2に表示させて、ユーザからの指示を受け付ける。具体的には、目的地決定処理部1044は、図17(B)に示すような、目的地選択画面を生成して、生成した画面を表示処理部103に表示させる。図17(B)に示す目的地選択画面には、図示するように、目的地の候補探索部1043が探索して得た候補となる目的地を示す目的地アイコン260が設けられる。さらに、目的地選択画面には、現在地を示すマーク250と、現在時刻を示す時計アイコン280と、地図上の方位を示す方位アイコン270と、が設けられる。また、日差しを回避する経路で到達することができる目的地の中から目的地が検索された場合には、目的地選択画面には、現在地から近い目的地ではあるが、到達するまでに日差しを避けることができない目的地であるために候補からはずした目的地アイコン265や、どの領域から目的地を検索したかをユーザに知らせるための境界線190等が、設けられてもよい。また、目的地決定処理部1044は、ユーザから入力受付部102を介して入力された目的地を選択する指示を受け付け、主制御部101に選択された目的地を特定するデータを通知する。
【0088】
以上のような機能を有する演算処理部1は、第1の実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置100と同様に、図12に示すようなハードウェア構成で実現される。
【0089】
次に、上記構成からなる車載用ナビゲーション装置100の動作について説明する。図19は、車載用ナビゲーション装置100の演算処理部1が行う日差しを回避する目的地設定処理を示すフローチャートである。
【0090】
演算処理部1の主制御部101は、車載用ナビゲーション装置100の電源が投入されたときに、日差しを回避する目的地設定処理を開始する。電源の投入は、入力装置5に備わる電源ボタン(図示せず)がユーザにより操作されることで行われる。
【0091】
演算処理部1の目的地探索条件設定部1041は、目的地を探索する条件を設定する画面を表示処理部103に表示させる(ステップS201)。具体的には、目的地探索条件設定部1041は、図17(A)に示すような、探索条件設定画面を生成して、生成した画面を表示処理部103に表示させる。
【0092】
ステップS201で探索条件設定画面を表示させた後、目的地探索条件設定部1041は、目的地のジャンルを指定する指示を受け付ける(ステップS202)。具体的には、目的地探索条件設定部1041は、ジャンルアイコン230が押されたときに、目的地の探索を開始する指示を主制御部101に通知する。このとき、目的地探索条件設定部1041は、ステップS201で表示させた画面上で設定された条件を入力受付部102から受け付け、受け付けた条件を記憶装置3に記憶(設定)する。ここで、受け付けるデータは、例えば、「日差しを回避する経路で到達することができる目的地の中から検索する」条件が、有効(オン)か無効(オフ)かを特定するデータ(例えば、有効は「1」、無効は「0」といったデータ)である。
【0093】
ステップS202で目的地の探索を開始する指示を通知された主制御部101は、現在位置算出部106に、現在位置を算出する指示を通知する。
【0094】
このとき、現在位置算出部106は、車載用ナビゲーション装置100の現在位置を算出する(ステップS203)。そして、現在位置算出部106は、算出した現在位置(座標)を、記憶装置3に記憶する。
【0095】
続いて、探索領域特定部1042は、ステップS202で目的地探索条件設定部1041が受け付けた目的地探索の条件(「日差しを回避する経路で到達することができる目的地の中から検索する」)が有効(オン)にされているか否かを判別する(ステップS204)。具体的には、探索領域特定部1042は、その条件が「1」であれば、有効(オン)であると判定し、「0」であれば無効(オフ)と判定する。
【0096】
ステップS204において、「日差しを回避する経路で到達することができる目的地の中から検索する」条件が有効(オン)にされていると判定した場合(ステップS204;Yes)、探索領域特定部1042は、現在日時を取得する(ステップS205)。具体的には、探索領域特定部1042は、現在日時をGPS受信装置8から取得し、取得した現在日時を記憶装置3に記憶する。なお、ここで取得する現在日時には、年(西暦)、日、時刻を特定する情報が含まれている。
【0097】
続いて、探索領域特定部1042は、上述した目的地探索領域を特定する処理を行う(ステップS206)。具体的には、探索領域特定部1042は、周辺領域295及び日差し回避領域296を特定する。例えば、探索領域特定部1042は、周辺領域295を特定する際には、ステップS203で現在位置算出部106が算出した現在位置を記憶装置3から取得して、取得した現在位置から所定の距離(例えば、300m)を半径とした円の閉領域を周辺領域295として特定する。また、日差し回避領域296を特定する際には、ステップS203で現在位置算出部106が算出した現在位置に対応する座標位置410で特定される太陽方位データ420から、ステップS205で取得した現在日時に対応する日時421を有しているレコード423を検索する。そして、その検索後、該当するレコード423に格納されている太陽の方位430を特定する。そして、探索領域特定部1042は、特定した太陽の方位430と垂直な方位を求める。さらに、探索領域特定部1042は、現在位置を通過して、かつ、太陽の方位430と垂直な方位に伸びる直線(境界線290)を求める。ここで、探索領域特定部1042は、求めた境界線290で区切られる太陽と反対側(車両からみて)の領域を日差し回避領域296と特定する。探索領域特定部1042は、特定した周辺領域205と、日差し回避領域296を合わせて、目的地探索領域と特定する。
【0098】
また、探索領域特定部1042は、特定した目的地探索領域を示すデータを記憶装置3に格納する。なお、周辺領域295及び日差し回避領域296を示すデータは、それぞれの領域に含まれる座標の集合であってもよいし、それぞれの領域の境界を特定するデータであってもよい。
【0099】
続いて、目的地の候補探索部1043は、目的地の候補を探索する(ステップS207)。具体的には、目的地の候補探索部1043は、ステップS206で特定された目的地探索領域に含まれ、かつ、ステップS202で目的地探索条件設定部1041が受け付けた目的地のジャンルに含まれる目的地を探索する。例えば、目的地の候補探索部1043は、現在位置が含まれているメッシュを、メッシュID311で特定しておき、現在位置に近いメッシュに含まれているリンクから順に、そのリンクの周辺施設情報327にステップS202で受け付けた目的地のジャンルを有するリンクを検索していく。目的地の候補探索部1043は、該当する目的地の中から、ステップS206で特定された目的地探索領域に含まれているものを特定する。所定の個数の候補となる目的地を特定したときに、目的地の候補探索部1044は、特定した目的地(施設)を周辺施設情報327に有するリンクを特定するメッシュID311及びリンクID321を、目的地情報とともに、目的地決定処理部1044に通知する。
【0100】
目的地決定処理部1044は、目的地の候補をディスプレイ2に表示させる(ステップS208)。具体的には、目的地決定処理部1044は、目的地の候補探索部1043から、メッシュID311及びリンクID321とともに目的地情報が通知されたときに、図17(B)に示すような、目的地選択画面を生成して、生成した画面を表示処理部103に表示させる。目的地選択画面には、メッシュID311及びリンクID321で特定できるリンク(道路)の周辺に、目的地情報で特定される目的地の候補を示す目的地アイコン260が含められる。
【0101】
続いて、目的地決定処理部1044は、ステップS208でディスプレイ2に表示させた目的地の候補から、1つの目的地を決定する処理を行う(ステップS209)。具体的には、目的地決定処理部1044は、目的地選択画面上のいずれかの目的地アイコン260を押下する指示を、入力受付部102を介して受け付けたときに、目的地アイコン260に対応する目的地(目的地情報)を、主制御部101に通知する。その後、主制御部101は、日差しを回避する目的地設定処理を終了する。
【0102】
なお、ステップS204において、探索領域特定部1042が「日差しを回避する経路で到達することができる目的地の中から検索する」条件が無効(オフ)にされていると判定した場合(ステップS204;No)、目的地設定部104は、通常の目的地を設定する処理を行う。例えば、目的地設定部104は、目的地のジャンルを特定する入力を受け付けたとき、そのジャンルに属している目的地の候補を探索し(ステップS210)、探索した結果、該当する目的地の候補を地図上に表示させる(ステップS211)。さらに、目的地設定部104は、入力受付部102を介して、目的地の候補から1つの目的地を選択する指示を受け付けたときに、その指示に対応する目的地(目的地情報)を、主制御部101に通知する。その後、主制御部101は、日差しを回避する目的地設定処理を終了する。
【0103】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。上記実施形態によれば、本発明の車載用ナビゲーション装置100は、以上の処理を演算処理部1が実行することにより、朝日や夕日といった高度の低い太陽からの日差しの影響を受けにくい経路を走行して到達可能な目的地を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一実施形態が適用された車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】記憶装置に記憶されている地図データの構成例を示す図である。
【図3】記憶装置に記憶されている太陽方位特定データの構成例を示す図である。
【図4】記憶装置に記憶されている日差し影響時間データの構成例を示す図である。
【図5】記憶装置に記憶されている特別重みテーブルの構成例を示す図である。
【図6】演算処理部の機能構成を示す図である。
【図7】経路探索の条件を設定するための画面の画面表示例である。
【図8】日差し影響領域の概念図である。
【図9】現在地と目的地の2地点間を結ぶ経路全体が、日差し影響領域に含まれている場合の、日差し影響領域の概念図である。
【図10】現在地周辺では日差し影響領域260に含まれ、目的地周辺では日差し影響領域に含まれていない場合の、日差し影響領域の概念図である。
【図11】現在地周辺では日差し影響領域に含まれておらず、目的地周辺では日差し影響領域に含まれている場合の、日差し影響領域の概念図である。
【図12】演算処理部のハードウェア構成を示す図である。
【図13】日差し回避ルート探索処理のフロー図である。
【図14】複数の候補となる推奨経路を探索する場合の日差し回避ルート探索処理のフロー図である。
【図15】記憶装置に記憶されている特別重みテーブルの別の構成例を示す図である。
【図16】第2の実施形態における目的地設定部の機能構成を示す図である。
【図17】(A)目的地の探索条件を受け付けるための画面の画面表示例である。(B)目的地を選択する指示を受け付けるための画面の画面表示例である。
【図18】日差し回避領域の概念図である。
【図19】日差しを回避する目的地設定処理のフロー図である。
【符号の説明】
【0105】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声入出力装置、5・・・入力装置、6・・・車速センサ、7・・・ジャイロセンサ、8・・・GPS受信装置、9・・・FM多重放送受信装置、10・・・ビーコン受信装置、100・・・車載用ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・表示処理部、104・・・目的地設定部、105・・・経路探索条件設定部、106・・・現在位置算出部、107・・・受信情報処理部、108・・・日差し影響判定部、109・・・経路誘導部、260・・・日差し影響領域、310・・・地図データ、311・・・メッシュID、321・・・リンクID、400・・・太陽方位特定データ、500・・・特別重みテーブル、600・・・日差し影響時間データ、701・・・CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路を探索する機能を備えた車載用ナビゲーション装置であって、
目的地を設定する目的地設定手段と、
地図上の現在位置を算出する現在位置算出手段と、
現在日時を取得して、該現在日時と前記現在位置算出手段が算出した現在位置とに基づいて、運転手が日差しの影響を受ける時間帯に車両が走行していると予測される日差し影響領域を特定する日差し影響領域特定手段と、
前記現在地と前記目的地を結ぶ経路を構成する各リンクのうち、前記日差し影響領域に含まれているリンクにおいて、車両の進行方向の該リンクの方位と特定の方位との関係に応じて該リンクのコストを決定し、決定したコストに応じて前記現在位置と前記目的地を結ぶ最適経路を探索して経路誘導を行う経路誘導手段と、
を備えることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置であって、
前記経路誘導手段は、
前記現在地と前記目的地を結ぶ経路を構成する各リンクのうち、前記日差し影響領域に含まれているリンクにおいて、車両の進行方向の該リンクの方位と、車両位置を基準とした太陽の方位と、の角度差に応じて該リンクのコストを決定し、前記現在位置と前記目的地を結ぶ最小コストの経路を探索して経路誘導を行う、
ことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車載用ナビゲーション装置であって、
運転手が朝日或いは夕日の日差しの影響を受ける前記時間帯を特定するための時間帯特定データを記憶している記憶手段、を備え、
前記日差し影響領域特定手段は、
前記時間帯特定データから、前記現在日時及び前記現在地に対応する時間帯を特定して、前記日差し影響領域を特定する、
ことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の車載用ナビゲーション装置であって、
現在日時と現在位置とに対応付けて太陽の方位を記憶している記憶手段、を備え、
前記経路誘導手段は、
前記日差し影響領域特定手段が取得した現在日時と、前記現在位置算出手段が算出した現在位置と、に基づいて、前記記憶手段が記憶している太陽の方位を特定して、前記リンクのコストを決定する、
ことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
目的地を設定する機能を備えた車載用ナビゲーション装置であって、
運転手が朝日或いは夕日の日差しの影響を受けにくい経路を走行して到達可能な目的地を、探索する指示を受け付ける探索条件設定手段と、
前記指示を受け付けたときに、車両位置を基準とした特定の方位に基づいて、目的地を探索する領域を特定する探索領域特定手段と、
特定された前記領域から目的地を探索して、探索した目的地の中から目的地を決定する目的地決定手段と、
を備えることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車載用ナビゲーション装置であって、
前記特定の方位は、車両位置を基準とした太陽の方位である、
ことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車載用ナビゲーション装置であって、
前記探索領域特定手段は、
車両位置を基準として、前記太陽の方位とは反対方向の領域を、目的地を探索する領域として特定する、
ことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の車載用ナビゲーション装置であって、
現在日時と現在位置とに対応付けて太陽の方位を記憶している記憶手段、
地図上の現在位置を算出する現在位置算出手段と、を備え、
前記探索領域特定手段は、
前記指示を受け付けたときに、現在日時を取得し、該現在日時と、前記現在位置算出手段が算出した現在位置と、に基づいて、前記記憶手段が記憶している太陽の方位を特定した太陽の方位に基づいて、目的地を探索する領域を特定する、
ことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項9】
経路を探索する機能を備えた車載用ナビゲーション装置における日差し回避ルート探索方法であって、
前記車載用ナビゲーション装置は、制御部を備え、
前記制御部が、
目的地を設定する目的地設定ステップと、
地図上の現在位置を算出する現在位置算出ステップと、
現在日時を取得して、該現在日時と前記現在位置算出ステップで算出した現在位置とに基づいて、運転手が日差しの影響を受ける時間帯に車両が走行していると予測される日差し影響領域を特定する日差し影響領域特定ステップと、
前記現在地と前記目的地を結ぶ経路を構成する各リンクのうち、前記日差し影響領域に含まれているリンクにおいて、車両の進行方向の該リンクの方位と特定の方位との関係に応じて該リンクのコストを決定し、決定したコストに応じて前記現在位置と前記目的地を結ぶ最適経路を探索して経路誘導を行う経路誘導ステップと、
を行うことを特徴とする日差し回避ルート探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−63424(P2009−63424A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231454(P2007−231454)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】