ナビゲーション装置、ルート案内方法
【課題】案内ルートから外れている場合に音声案内を中断するボタンを、常時表示することなく適切な状況でのみ提供するナビゲーション装置及びルート案内方法を提供することができる。
【解決手段】位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース14内の最適道路上に修正するマップマッチング手段27と、タッチパネルを備えた表示手段16と、音声を出力するスピーカ17と、を有し、所定地まで案内する案内ルートと最適道路上の現在地に基づき進行方向を音声案内するナビゲーション装置100において、最適道路に並走する並走道路を検出する並走道路検出手段21と、並走道路が検出された場合、音声案内を中断する案内中断ボタンを表示装置16に表示するボタン表示手段25と、を有することを特徴とする。
【解決手段】位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース14内の最適道路上に修正するマップマッチング手段27と、タッチパネルを備えた表示手段16と、音声を出力するスピーカ17と、を有し、所定地まで案内する案内ルートと最適道路上の現在地に基づき進行方向を音声案内するナビゲーション装置100において、最適道路に並走する並走道路を検出する並走道路検出手段21と、並走道路が検出された場合、音声案内を中断する案内中断ボタンを表示装置16に表示するボタン表示手段25と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在地と所定値までの案内ルートに基づき進行方向を案内するナビゲーション装置に関し、特に、音声により所定値を案内するナビゲーション装置及びルート案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両にてナビゲーション装置を使用すると、現在地から目的地までの案内ルートを決定し、右左折する交差点の手前などで音声により進行すべき方向や案内ルートのその後の状況等を案内してくれる。しかし、案内中に目的地までの案内ルートから外れると、音声案内も実際の道路形状やタイミングとずれたものとなり乗員に煩わしさを感じさせる場合がある。
【0003】
この点について、案内ルートから外れたことを検出した場合、音声による案内を中断するナビゲーション装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1記載のナビゲーション装置は、ガソリンスタンドや街道沿いの店舗に立ち寄るため案内ルートから外れると音声案内を中断する。
【0004】
また、道路以外のエリアに進入したことを検出して音声案内を中断するナビゲーション装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2記載のナビゲーション装置は、道路形状と車両の位置・進行方向をマップマッチングすることで道路以外のエリアに進入したことを検出して音声案内を中断し、更に該エリアから脱出した場合には音声案内を再開する。
【0005】
しかしながら、並走した2つの道路のうちいずれかを走行中は、道路形状が似ていて両者の距離も近いため、マップマッチングでは案内ルートから外れているのか否かを判別が困難な場合が多い。
【0006】
この点について、音声案内により案内ルートから外れたことを乗員が把握して、乗員の操作により現在位置から新たに案内ルートを検索し音声案内を再開するナビゲーション装置が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。特許文献3記載のナビゲーション装置は、再検索スイッチの操作を検出すると隣接した道路の有無を判定し、隣接した道路があると現在位置を隣接した道路に変更して、そこから案内ルートを再検索する。したがって、例えば、並走した自動車専用道と一般道の一方を走行している状況で、案内ルートから外れた場合にも自車両の位置を速やかに元の案内ルートに修正することができる。
【特許文献1】特開平6−66586号公報
【特許文献2】特開平9−178502号公報
【特許文献3】特開平6−66585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3記載のナビゲーション装置においても、2つの道路が並行に形成されている道路のいずれかを走行中に、案内ルートから外れているのか否かを自動的に検出することができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献3記載のナビゲーション装置は、再検索ボタンが案内ルートから外れていることをナビゲーション装置に通知する手段を兼ねるが、再検索ボタンは、自車両が案内ルートから外れているか否かに関わらず常に表示される。これを音声案内の中断ボタンに適用すると、案内ルートから外れた際に、音声案内を中断する物理的なボタンを予め設けておいたり、案内ルートから外れていない状況でもタッチパネルの画面に操作ボタンとして表示しておくことが考えられる。しかし、このようなボタンを設けたり常時表示することは、コスト増や表示スペースの無駄をもたらす。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、案内ルートから外れている場合に音声案内を中断するボタンを、常時表示することなく適切な状況でのみ提供するナビゲーション装置及びルート案内方法を提供することを目的とする。また、2つの道路が並行に形成されている道路のいずれかを走行中に、案内ルートから外れているか否かを精度よく検出できるナビゲーション装置及びルート案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正するマップマッチング手段と、タッチパネルを備えた表示手段と、音声を出力するスピーカと、を有し、所定地まで案内する案内ルートと最適道路上の現在地に基づき進行方向を音声案内するナビゲーション装置において、最適道路に並走する並走道路を検出する並走道路検出手段と、並走道路が検出された場合、音声案内を中断する案内中断ボタンを表示装置に表示するボタン表示手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
並走道路が検出された場合にのみ中断ボタンを表示するので、音声案内の中断ボタンを表示しておく必要がなく、また、ユーザが操作しなくても音声案内の中断ボタンを自動的に表示することができる。
【発明の効果】
【0012】
案内ルートから外れている場合に音声案内を中断するボタンを、常時表示することなく適切な状況でのみ提供するナビゲーション装置及びルート案内方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら、実施例を挙げて説明する。
【0014】
本実施形態のナビゲーション装置100は、並走道路が存在する場合、音声案内の中断ボタンを表示装置16に表示する。これにより、道路地図上の現在地を誤検出している可能性が高い場合にのみ、音声案内の中断ボタンを表示できる。したがって、常に、音声案内の中断ボタンを表示しておく必要がなく、また、ユーザが操作しなくても音声案内の中断ボタンを自動的に表示することができる。
【0015】
また、並走道路があり、かつ、ナビの音声案内に運転者が従わない場合、現在地を誤検出していると判定する。並走道路の一方を走行している場合に、現在地を誤検出していることを精度よく検出することができる。
【実施例1】
【0016】
本実施例では、並走道路が存在する場合、音声案内の中断ボタンを表示装置16に表示するナビゲーション装置100について説明する。図1は、並走道路を模式的に説明する図の一例である。図1(a)では自動車専用道の高架下に一般道が形成され、図1(b)では一般道と自動車専用道が平面上を並走している(以下、両者を単に「並走している」という)。一般道同士が並走していても同様に扱える。このように道路が並走していると、誤ったリンクに現在地をマッピングする場合がある。特に、高架下の一般道ではGPS(Global Positioning System)衛星を補足しにくい。これらの場合、音声案内の内容が実際の車両位置と異なったものとなるため運転者は煩わしく感じることがある。
【0017】
しかしながら、一方で道路が並走している場合に必ず現在地を誤検出するとは限らないので、すぐに音声案内を中断することも適当でない。そこで、本実施例では、現在地をマッピングした道路に並走した道路が存在する場合、現在地を誤検出している可能性が高いとして音声案内を中断するための操作ボタン(以下、案内中断ボタンという)を表示する。したがって、常に、案内中断ボタンを表示しておく必要がなく、また、ユーザが操作しなくても音声案内の中断ボタンを自動的に表示することができる。
【0018】
〔ナビゲーション装置100の概略〕
ナビゲーション装置100について説明する。図2は、ナビゲーション装置100のブロック図の一例を示す。ナビゲーション装置100はナビECU(electronic control unit)20により制御され、ナビECU20には、CAN(Controller Area Network)やFlexray等の車内LANや専用線を介してGPS受信機11、車輪速センサ12、ジャイロセンサ13、地図DB14、入力装置15及び表示装置16及びスピーカ17と接続されている。
【0019】
GPS受信機11は、複数のGPS衛星を補足して各GPS衛星から到達する電波の到達時間に基づき車両の位置(緯度・経度・標高)を決定する。車輪速センサ12は、例えばロータの円周上に等定間隔で設置された凸部の接近を、ホール素子や磁気抵抗素子等の感磁素子が検出する。凸部の接近をパルス信号で出力すると、パルス数から走行距離を累積でき、車輪速にタイヤの外径を乗じれば車速が得られる。ジャイロセンサ13は、例えばマイクロマシニングで形成された震動片型ジャイロセンサであり、コリオリ力の作用により変化する震動片(電極間)の距離を静電力等により検出することで、ヨーイング方向、ピッチング方向及びローリング方向に回転する時の角速度を検知する。検知結果を積分することで角度、すなわち3軸方向それぞれの方位(進行方向)に変換する。この角度は、例えば、北向きなど所定の方位をゼロ度に定めて数値化される。
【0020】
地図DB14は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)等の不揮発メモリで構成され、ノードと、ノード間を連結するリンクとを互いに対応づけるテーブル型の道路地図情報、及び、各種のポイント情報とが記憶されたデータベースである。道路地図情報は、例えば、国土を緯度・経度線でメッシュ状に分割し、分割の程度に応じて定められた1次メッシュ〜3次メッシュに区分して取り扱う。ノードは、交差点又は道路を所定距離毎に区切るように定められ、ノードにはそこから流出又は流入するリンクが対応づけられる。ノードにはその位置情報(座標)が登録されているので、メッシュの区分に位置の知られたノードとリンクを当てはめることで実際の道路網を再現することができる。なお、各リンクには、ノードとの接続方向、道路の種別、幅員、交通規則等が対応づけられている。
【0021】
また、ポイント情報は、それぞれ1点で位置が特定される地図上に表示可能な各種の地物を表示するための情報である。例えば、住所ポイント、地番ポイント、公共施設ポイント、宿泊施設ポイント、燃料とサービスポイント、河川等、カテゴリー分けされた各種のポイント情報が位置情報と共に記憶されている。なお、各ポイント情報にはそれらの属性として住所、郵便番号、電話番号といったさまざまな情報が登録されている。ポイント情報を道路地図上に表示する際は、カテゴリーや各ポイント情報に応じたアイコン、ポリゴンやシンボルマークにより表現される。
【0022】
なお、地図DB14は予め記憶された状態で車両又はナビゲーション装置100と共に出荷されてもよいし、車両又はナビゲーション装置100が出荷された後に、その一部又は全部を所定のサーバからダウンロードしてハードディスク等の記憶手段に記憶することで実装されてもよい。
【0023】
入力装置15は、ユーザがナビゲーション装置100を操作する操作情報を入力するユーザインターフェイスとなる。例えば、押しボタン式のキーボード、リモコン、表示装置16と一体のタッチパネル、及び、ユーザの発した音声を入力する音声認識装置等である。表示装置16は液晶ディスプレイやヘッドアップディスプレイなどであり、上述した道路地図が表示され、そこに自車両や目的地までの案内ルートが表示される。目的地までの案内ルートが設定された場合、ナビゲーション装置100は案内ルートと自車両の現在地と同期して、スピーカ17から例えば交差点の手前で右左折等を指示する音声案内を出力する。
【0024】
なお、ナビゲーション装置100は車載専用でなくてもよく、吸盤などでダッシュボード等に脱着可能な可搬型のものでもよい。この場合、車輪速センサ12の代わりに加速度センサを内蔵して走行距離を積算する。
【0025】
〔ナビECU20の機能〕
図3はナビECU20の機能ブロック図の一例を示す。ナビECU20は、CPU、ROM、RAM、不揮発メモリ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CAN通信部及び入出力インターフェイス等を有するコンピュータであって、CPUがプログラムを実行するかASIC等の演算回路により実現される、並走道路検出部21、案内ルート検索部22、位置・方位検出部23、音声案内部24、地図描画部26、ボタン表示部25及びマップマッチング部27を有する。
【0026】
位置・方位検出部23は、GPS受信機11が検出した車両の位置情報を起点にして、ジャイロセンサ13が検出する方位に車輪速センサ12が検出する走行距離を累積して、車両の位置を高精度に推定する(以下、推定位置という)。位置・方位検出部23が検出する推定位置を時系列に抽出すると走行軌跡が得られるが、走行軌跡は道路網の形状に類似したものとなるはずである。マップマッチング部27は、走行軌跡の形状と、地図DB14から抽出した候補道路の道路形状との相関性を計算し、推定位置を道路地図にマッピングする。マッピングされた車両の位置が、ナビゲーション装置100が把握する上記の現在地となる。
【0027】
図4(a)は、走行軌跡と候補道路の道路形状の一例を示す。マップマッチング部27は、例えばリンクに進入する毎に、推定位置から所定距離内のリンクを地図DB14から読み出し、走行軌跡と候補道路との相関を算出する。図4(a)の左図は現在地から所定距離内のリンクA〜Dを、右図は走行軌跡をそれぞれ示す。十字路の場合、車両が走行しうるリンクは、リンクAC、AD、ABの3通りでありこれらが候補経路となる。
【0028】
図4(b)は全ての候補経路AC、AD、ABを示す。マップマッチング部27は、走行軌跡の形状と、候補経路AC、候補経路AD、候補経路ABとの相関係数を所定のサイクル時間毎に計算する。例えば、走行軌跡を所定長毎の区間Riに区分し、区間Riと同程度の長さに、各候補経路を所定長毎の区間Liに区分する。そして、区間Ri,Liの始点と終点を抽出して、始点と終点を結ぶベクトルRiとLiを生成する。走行軌跡も候補経路も三次元座標で扱われているので、それまでのマップマッチングが良好であれば両者の各ベクトルは方向や長さが同程度である。
【0029】
そして、マップマッチング部27は、例えばベクトルRiとベクトルLiのコサイン距離を演算し、積算した値を求め、それを正規化して相関係数を算出する。
【0030】
相関係数=(1/N)・ Σ{(Ri・Li)/|Ri|・|Li|}
ベクトルRiとLiが一致した場合、コサイン距離は1になり、全く異なると−1となる。したがって、相関係数が大きいほど類似度が高いとしてよい。図示する交差点では、ベクトルR1〜R3程度までは、リンクAとの高い相関係数が算出され、走行軌跡がベクトルR4以降に達すると、リンクC、Bとの相関係数が、リンクDとの相関係数に比べて徐々に小さくなっていく。マップマッチング部27は、他の候補経路が閾値以下になると、残ったリンクに推定位置をマッピングして現在地を得る。マップマッチングにより、最適な道路地図上に車両の現在地をマッピングすることができる。なお、相関係数の算出には、パターンマッチングなど、ベクトル同士の類似度を算出する種々の手法を用いることができる。また、相関係数を走行軌跡と候補経路の各点における誤差の絶対値の合計から求めることもできる。
【0031】
一方、図4(c)のように、2つの道路が並走している場合がある。推定位置が正確であれば、リンクD又はFに進入してから所定時間又は距離走行した時点で、より相関係数の高い方の候補経路AD又はEFにマッピングすることで正確なマッピングが可能だが、それでもマッピングを誤る場合がある(現在地の誤検出)。また、リンクE、Fが新設された道路の場合、そもそも道路地図情報にリンクE、Fが記憶されていないので、リンクE、Fに現在地をマッピングすることができない。
【0032】
また、状況によっては無理にリンクにマッピングせずに、推定位置をそのまま現在地とすることもあり、この場合、道路外に現在地がマッピングされることになる。特に新設された道路を走行する場合に道路外にマッピングされることが多い。この場合、既存のリンクはマップマッチングの対象とならなかったことを意味するので、そのまま案内ルートから外れたことを検出できる。
【0033】
本実施例では図4(c)のような並走した道路を検出して、案内中断ボタンを表示する。並走道路検出部21は、リンクA、Dにマッピングされた場合は、平行なリンクE、Fを地図DB14から検出し、リンクE、Fにマッピングされた場合は、平行なリンクA、Dを地図DB14から検出する。なお、並走していても大きく離れたリンクにマッピングすることは少ないので、並走道路検出部21は、マッピングされたリンクから所定距離Ds内のリンクのみを抽出する。例えば、現在地から他方のリンクに降ろした垂線の距離からリンクとの距離を算出する。そして、マップマッチングと同様に、並走していると推定できる所定値以上の相関係数のリンクを並走道路として検出する。完全な並走である必要はなく、例えば、2つの道路が互いに所定のなす角(例えば、10〜20度)を有する場合を含み、一方又は両方が直線でない場合を含む。後者の場合、部分的になす角が大きくなっても(例えば、45度程度)並走していると判定される場合がある。
【0034】
並走道路が検出された場合、ボタン表示部25は道路地図に案内中断ボタンを表示する。図5(a)は、ボタン表示部25が表示装置16に表示する案内中断ボタンの一例を示す。並走道路が検出された場合のみ、案内中断ボタンを表示するので、常に表示する必要がなく視認性のよい画面レイアウトの設計が容易になる。なお、案内中断ボタンが乗員により操作された場合、図5(b)に示すように、音声案内を再開するための案内再開ボタンが表示される。
【0035】
図3に戻り、案内ルート検索部22は入力装置15から入力された目的地と現在地に基づき、目的地までの案内ルートを検索する。案内ルート検索には、目的地までの案内ルートとなりうるリンクを抽出し、各リンクをリンク長や右左折、幅員、通行規制等に応じたコストに置き換え、これらのコストの積算値が最も小さくなる案内ルートを目的地までの案内ルートに決定するダイクストラ法が知られている。コストは、ユーザが希望するモードに応じて可変となっており、例えば、旅行時間の短いリンクが優先的に選択されるように該リンクのコストを小さくすれば到達時間の短い案内ルートを検索でき、加減速の少ないリンクが優先的に選択されるように該リンクのコストを小さくすることで燃料消費(CO2排出)の少ない案内ルートを検索できる。また、自動車専用道路の夜間割引が実施されている場合、夜間割引が実施される時刻に自動車専用道に到達するように出発時刻を案内することで、料金の安い案内ルートを検索できる。
【0036】
地図描画部26は、現在地を含む描画範囲(例えば数km四方)のナビ画像を生成する。例えば、2D表示と3D表示を切り替えることができる。2D表示の場合、道路地図の向きは北向きを上方に固定したり、進行方向を北向きに一致させるなど、予め定められている。
【0037】
道路地図情報及びポイント情報は、いくつかのレイヤに分けて描画され、道路を線で表現しまた建築物をアイコンやポリゴンで各レイヤに形成し、レイヤを重畳することで1枚の道路地図を表示する。地図描画部26は、描画範囲の道路地図情報を地図DB14から抽出し、位置情報に応じてノードとノードに連結するリンクを、リンク長、リンク間の接続方向、幅員等に従い、レイヤに配置する。道路種別等に応じて各リンクの色は定められており、目的地までの案内ルート(各リンク)には所定の色が配色される。
【0038】
また、別のレイヤにポイント情報から形成した市街地のアイコン、公共施設のアイコン、宿泊施設のアイコン、ガソリンスタンドのアイコン、駅や線路のアイコン、を配置する。また、所定のレイヤに住所や地番を配置する。これに、車両の現在地に自車両を示す自車両アイコンを配置する。
【0039】
ボタン表示部25は、予め定められた位置に各種の操作ボタンを形成したレイヤを生成する。タッチパネル場合、乗員が操作した位置情報がナビECU20に入力され、対応する位置の操作ボタンが操作されたことが検出される。
【0040】
地図描画部26は各レイヤを陰影処理して重畳することで得られた画像データを所定の解像度(例えば、480×640画素)のVRAMに記憶させる。表示装置16はVRAMの画像データを読み出し表示する。地図描画部26は、現在地が更新される毎にナビ画像を生成する。
【0041】
音声案内部24は、車両の現在地と案内ルートに応じて、音声案内をスピーカ17から出力する。音声案内は例えば、「この先、左折です」「この先、右折です」「しばらく直進です」等である。このような音声データはWAVEやMP3などの音声用のデータフォーマットで予め記憶されている。また、このようなメッセージを単語に分解し単語に発音記号を割り当て、発音記号に従い音声の波形を電気信号で出力する音声合成により出力してもよい。
【0042】
音声案内部24は、案内ルートを走行している車両の現在地が、例えば右折又は左折するノードの手前に到達すると、右折用や左折用等、案内ルートの形状に対応づけられている音声データを再生しスピーカ17から出力する。
【0043】
なお、音声案内部24は、現在地が案内ルートから外れた場合(マップマッチングした現在地が案内ルートのあるリンクでない場合)、「案内ルートからはずれています」等の音声案内を繰り返し出力する場合がある。現在地と案内ルートのリンクは明らかなので、案内ルートから外れたことは容易に検出できる。なお、案内中断ボタンが操作されると音声案内部24は音声案内は中断し、案内再開ボタンが操作されると音声案内部24は音声案内を再開する。
【0044】
〔ナビゲーション装置100の動作手順〕
・道路が並走
実際に道路が並走している場合のナビゲーション装置100の動作手順について図6のフローチャート図に基づき説明する。このフローチャート図は、所定のサイクル時間毎に繰り返し実行される。すでに、案内ルートは設定されており、適宜、音声案内がスピーカ17から出力される。
【0045】
まず、並走道路検出部21は、現在地がマッピングされた道路に、並走した道路があるか否かを判定する(S10)。
【0046】
並走した道路がある場合(S10のYes)、ボタン表示部25は案内中断ボタンを表示する(S20)。また、現在地を誤検出しているか否かを乗員に把握させるため、マッピング先の道路の道路種別を音声案内する。並走した道路は、一般道と自動車専用道であることが多いので、どちらかを通知すれば乗員は現在地が誤検出されていることを把握できる。
【0047】
ついで、音声案内部24は、案内中断ボタンが操作されたか否かを判定する(S30)。現在地を誤検出していない場合、乗員は案内中断ボタンを操作しないので(S30のNo)、音声案内部24はそのまま音声案内を継続する(S80)。この場合、案内中断ボタンは、並走道路が検出されなくなると又は所定時間が経過すると消去される。
【0048】
乗員が案内中断ボタンを操作した場合(S30のYes)、音声案内部24は、音声案内を一時的に中断する(S40)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。また、ボタン表示部25は、乗員が案内中断ボタンを操作すると、案内中断ボタンの代わりに案内再開ボタンを表示する(S50)。
【0049】
案内再開ボタンを表示した後、ナビゲーション装置100はナビ画面のみで運転者を案内し、その間、音声案内部24は、案内再開ボタンが操作されたか否かを判定する(S60)。案内再開ボタンが操作されると(S60のYes)、ボタン表示部25は案内再開ボタンを消去し(S70)、音声案内部24は音声案内を実行する(S80)。
【0050】
以上のように、現在地を誤検出している可能性が高い場合にのみ、案内中断ボタンを表示できる。
【0051】
・道路が新設
道路が新設された場合、その道路が既存の道路と並走していても、地図DB14に登録されるまでは並走した道路があるか否かは判定できない。そこで、マッピング先が道路外になることを利用して、現在地の誤検出を検出する。
【0052】
道路外を走行した場合のナビゲーション装置100の動作手順について図7のフローチャート図に基づき説明する。このフローチャート図は、所定のサイクル時間毎に繰り返し実行される。
【0053】
まず、並走道路検出部21は、現在地が道路以外にマッピングされ、車両が道路以外を走行しているか否かを判定する(S11)。
【0054】
道路以外を走行している場合(S11のYes)、ボタン表示部25は案内中断ボタンが表示する(S21)。また、道路以外を走行していることを運転者に通知する。以降の処理は、図6と同様である。
【0055】
すなわち、音声案内部24は、案内中断ボタンが操作されたか否かを判定し(S30)、乗員が案内中断ボタンを操作した場合(S30のYes)、音声案内部24は、音声案内を一時的に中断する(S40)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。また、ボタン表示部25は、乗員が案内中断ボタンを操作すると、案内中断ボタンの代わりに案内再開ボタンを表示する(S50)。
【0056】
以上のように、現在地を誤検出している可能性が高い場合にのみ、案内中断ボタンを表示できる。
【0057】
・現在地の切り替え
並走した道路が地図DB14に登録されている場合、一方の道路へのマッピングが誤検出であれば、他方の道路へマッピングするだけで実際に走行している道路に対応する道路に、現在地を修正することができる。
【0058】
図8は、道路の並走が検出された場合に、現在地のマッピング先の道路を切り替える動作手順を示すフローチャート図の一例である。並走道路検出部21が、現在地がマッピングされた道路に、並走した道路があることを検出すると(S10のYes)、ボタン表示部25は、現在地変更ボタンを表示する(S22)。また、現在地を誤検出しているか否かを乗員に把握させるため、マッピング先の道路の道路種別を音声案内する。並走した道路は、一般道と自動車専用道であるとする。
【0059】
そして、マップマッチング部27は、現在地変更ボタンが操作されたか否かを判定し(S31)、乗員が現在地変更ボタンを操作した場合(S31のYes)、現在地を、並走した道路上に変更する(S41)。これにより、例えば一般道から並走する自動車専用道に現在地を切り替えること、又は、自動車専用道から並走する一般道に現在地を切り替えることができる。現在地変更ボタンは、並走道路が検出されなくなると又は所定時間が経過すると消去される。
【0060】
ステップS41により、現在地の誤検出が解消されたので、音声案内を実行しても(S80)、道路形状と一致したものとなる。なお、図8では音声案内を中断しないが、これは並走した道路を検出してから短時間に現在地を並走した道路に切り変えることができるため、音声案内を中断しなくても煩わしさを感じさせるほどではないためである。
【0061】
以上のように、道路が並走している場合には、現在地を誤検出している可能性が高いとして、現在地変更ボタンを表示できる。
【0062】
本実施例のナビゲーション装置100は、現在地を誤検出している可能性が高い場合、又は、現在地を誤検出している場合にのみ、案内中断ボタンを表示するので、常に、案内中断ボタンを表示しておく必要がない。また、ユーザが操作しなくても案内中断ボタンを自動的に表示するので利便性を向上できる。
【実施例2】
【0063】
実施例1では、現在地を誤検出している可能性が高いこと又は現在地を誤検出していることを検出したが、現在地を誤検出している可能性が高いことを精度よく検出できれば、案内再開ボタンを表示しその操作を待つことなく音声案内を中断することでさらに利便性を向上させることができる。本実施例では、現在地の誤検出を精度よく検出することで、音声案内を乗員の操作なしに中断するナビゲーション装置100について説明する。
【0064】
図9は、現在地の誤検出の検出を模式的に説明する図の一例である。図示するように一般道と自動車専用道が並走している。自動車専用道は最近新設されたものでも、既存の道路でもよい。このような並走した道路では実施例1で説明したように、検出された車両の現在地が正確であっても、現在地のマッピング先を誤る場合がある。
【0065】
図9では、ナビゲーション装置100を搭載している車両は自動車専用道を走行しているが、ナビゲーション装置100は一般道を走行する案内ルートに基づき音声案内している。実際の位置が案内ルートよりも右側にあるため、ナビゲーション装置100が現在地を右折レーンであると誤検出すると、案内ルートに従い直進するため、左に車線変更するよう音声案内する。これに対し、運転者は車線変更せず(できず)直進走行する。ナビゲーション装置100は、運転者が音声案内に従わないことを検出して、現在地の誤検出を検出する。現在地の誤検出を検出すれば音声案内を中断できるので、それ以上音声案内を提供することを防止でき、運転者に煩わしさを感じさせることを低減できる。
【0066】
〔ナビECU20の機能〕
図10はナビECU20の機能ブロック図の一例を示す。図10において図3と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。本実施例のナビゲーション装置100は、音声案内中断部28及び操作検出部31を有する。
【0067】
音声案内中断部28は、運転者が音声案内に従わなかった場合は音声案内部24による音声案内を中断させる。音声案内に従わない場合、現在地を誤検出している可能性があるためである。案内ルートから外れておらず意識的に案内ルート外の抜け道を走行したり、店舗に立ち寄る等のため案内ルートから外れることがあるが、この場合も案内ルートから外れたことになるので、音声案内を中断してよい。
【0068】
しかし、並走道路が検出された場合は、すでに現在地が誤検出されているおそれが高いので、実施例1と同様に、現在地のリンクに並走した道路がある場合に限り、音声案内に従わない場合は現在地を誤検出していることを検出し、音声案内中断部28は音声案内を中断させる。すなわち、以下の条件を満たす場合、音声案内を中断する。
A)並走する道路がある
B)音声案内に従わない
したがって、図4(c)に示したような形状の道路において、リンクA、Dが現在地の場合に音声案内に従わない場合、又は、リンクE、Fが現在地の場合に音声案内に従わない場合、以後は、誤った音声案内を中断できる。音声案内に従わないことは、音声案内の内容と車両操作から判定できる。音声案内中断部28には、操作検出部31が接続されている。操作検出部31は具体的には、操舵角センサ、ウィンカレバー、ヨーレートセンサ、車輪速センサ12、ブレーキペダルストロークセンサ、マスタシリンダ圧センサ、ストップランプスイッチ、アクセル開度センサ、等である。
【0069】
音声案内中断部28は、音声案内が右折であるのに対し操舵角センサでは左折又は直進が検出された場合、音声案内が左折であるのに対し操舵角センサでは右折又は直進が検出された場合、音声案内が直進であるのに対し停止、右折又は左折が検出された場合、等に、音声案内と車両操作が異なっていると判定する。この他、信号機の現表示等を用いて車両操作と音声案内を比較してもよい。
【0070】
ところで、リンクE、Fが既に地図DB14に登録されていれば、現在地のリンクに並走する道路があるか否かを容易に判定できるが、リンクE,Fが新設された道路のため、地図DB14に登録されていない場合、実際には並走する道路があっても地図DB14からは判定できない。そこで、このような場合、走行軌跡から並走する道路が存在するか否かを判定してもよい。マップマッチングにおいて説明したように、走行軌跡とリンクの道路形状の相関係数が高ければ実在するリンクと並行に走行していることがわかる。また、それが既存の道路か新設された道路かは、例えば、ノードの位置情報と左折時や右折時などの特徴的な操作が検出された際の推定位置(現在地でなく)が所定以上離れているか否かにより判別できる。
【0071】
また、マップマッチング部27によっては無理にリンクにマッピングせずに、道路外に自車両アイコンを配置することもある。この場合は、実施例1と同様に、運転者が音声案内に従うが否かを検出することなく、現在地が案内ルートからはずれたことを検出できる。しかしながら、この場合でも走行軌跡は検出されるので、走行軌跡と並走する道路が存在するか否かを判定でき、道路が新設された場合と同様に扱ってもよい。
以上から、並走する道路がない場合、上記Aの条件を下記で代替できる。
A‘)走行軌跡が既存の道路と並行 かつ ノードの位置情報と特徴的車両操作時の推定位置が所定以上離れている。
【0072】
したがって、本実施例ではA’)により道路が並走しているか否かを判定することで、新設された並走する道路を走行することによる、現在地の誤検出を検出することができる。なお、ノードの位置情報だけでなく、推定位置と既存のリンクの平均的な距離からも、新設された並走する道路の存在を推定できる。
【0073】
〔ナビゲーション装置100の動作手順〕
・道路が並走
音声案内を中断するナビゲーション装置100の動作手順について図11のフローチャート図と図12(a)の概略道路地図に基づき説明する。
【0074】
図12(a)では、地図DB14に並走する道路のリンクが登録されているものとする。案内ルートは、リンク1、リンク2、リンク3,リンク4を連結したものであるが、車両はリンク2に進入する前に左折しリンク1、リンク5を走行した。マップマッチング部27は案内ルートに現在地をマッピングしている(現在地を誤検出している)。
【0075】
まず、並走道路検出部21は、現在地がマッピングされたリンク3に、並走したリンクがあるか否かを判定する(S110)。地図DB14にはリンク3と並走したリンク5が登録されている。
【0076】
ついで、音声案内部24は、直進するノード2の手前で「この先、直進です」等の音声案内をスピーカ17から出力するので、音声案内中断部28は、車両操作情報に基づき運転者が音声案内に従うか否かを判定する(S120)。運転者は目的地の方向に進行するため右折するので、音声案内中断部28は、運転者が音声案内に従わないと判定し(S120のNo)、音声案内を一時的に中断する(S130)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。また、実施例1と同様に、現在地を並走した道路に切り替える現在地変更ボタンを表示してもよい。
【0077】
なお、直進の場合、音声案内しないこともあるが、この場合でも案内ルートに対し車両操作が異なることから、現在地の誤検出を検出できる。
【0078】
音声案内を中断した後、音声案内中断部28は車両が元の案内ルートに復帰したか否かを判定し(S140)、マップマッチング部27が案内ルートに現在地をマッピングすると、音声案内を実行させる(S150)。図12(a)では、リンク4まで走行すると音声案内が再開される。
【0079】
以上のように、道路が並走しているためマップマッチングによる現在地の誤検出が生じやすい場合でも、誤検出を精度よく検出して、誤った音声案内を最小限に抑制できる。
【0080】
・道路が新設
道路が新設され並走している場合のナビゲーション装置100の動作手順について図13フローチャート図と図12(b)の概略道路地図に基づき説明する。
【0081】
図12(b)では、地図DB14に並走する道路のリンクが登録されていないものとする。例えば、渋滞緩和のためにリンク5が新設され、車両は新設されたリンク5を走行しているが、地図DB14にはリンク5が登録されていないため、現在地はリンク3にマッピングされている。マップマッチング部27は、例えば左折操作により車両が次のリンクに進入したことを検出し、走行軌跡を蓄積している。
【0082】
音声案内中断部28は、現在地がマッピングされたリンク3に、並走したリンクがあるか否かを判定する(S110)。地図DB14にはリンク5が登録されていないので、ステップS10の判定はNoとなる。
【0083】
並走したリンク5が存在しない場合(S110のNo)、音声案内中断部28は、走行軌跡が既存の道路(リンク3)と並行、かつ、左折時の推定位置と対応するノード1の位置情報が所定以上離れているか否かを判定する(S160)。図示するように、登録されたリンク3にマッピングした場合、ノード1と左折時の推定位置は離れていることが多い。したがって、ステップS160の判定はYesになる。
【0084】
なお、図12(b)では平面上を並走する道路を示したが、上下に並走する2つの道路も、ノードの位置情報に標高が含まれていれば推定位置を比較することで判別できる。特に、高架型の自動車専用道の場合は高さ情報が地図DB14に記憶されていることが多く、GPS衛星の電波が補足できない高架下の一般道を走行して自動車専用道に誤ってマッピングされた場合にも現在地の誤検出を検出できる(自車位置の推定位置の標高はジャイロセンサから既知である)。
【0085】
以降の処理は図11と同様である。すなわち、音声案内中断部28は、車両操作情報に基づき運転者が音声案内に従わないと判定した場合(S120のNo)、音声案内を一時的に中断する(S130)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。車両が元の案内ルートに復帰すると(S140のYes)、音声案内を実行させる(S150)。
【0086】
以上のように、並走する道路が新設された場合でも、誤検出を精度よく検出して、誤った音声案内を最小限に抑制できる。
【0087】
・道路外を走行
道路外を走行している場合のナビゲーション装置100の動作手順について図14のフローチャート図と図12(c)の概略道路地図に基づき説明する。図12(c)では、地図DB14に並走する道路のリンクが登録されていないため現在地を道路外にマッピングしたか、又は、道路は新設されていないが道路外に現在地をマッピングした状態を示す。マップマッチング部27は適切なリンクが見つからないと、推定位置を現在地として道路地図にマッピングする。
【0088】
このような場合、道路外を走行しているか否かを判定することで(S111)、道路地図に対し現在地を誤検出していることが直ちに検出される。したがって、音声案内中断部28は、道路外を走行していることが検出された場合(S111のYes)、運転者が音声案内に従うか否かを判定することなく、音声案内を一時的に中断する(S130)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。なお、音声案内を中断した後、乗員の意志で音声案内を実行できるよう、案内再開ボタンを表示してもよい。
【0089】
そして、車両が元の案内ルートに復帰したこと又は現在地が道路内にマッピングされたことを検出すると(S141)、音声案内中断部28は音声案内を実行させる(S150)。
【0090】
以上のように、道路外を走行していることを検出することで、現在地の誤検出を検出して、誤った音声案内を最小限に抑制できる。
【0091】
本実施例のナビゲーション装置100は、現在地を誤検出していること、特に並走道路の一方を走行していることを精度よく検出することができる。また、乗員が操作しなくても音声案内を中断できる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】並走道路を模式的に説明する図の一例である。
【図2】ナビゲーション装置のブロック図の一例である。
【図3】ナビECUの機能ブロック図の一例である。
【図4】走行軌跡と候補道路の道路形状を模式的に説明する図の一例である。
【図5】が表示装置に表示された案内中断ボタン、案内再開ボタンの一例を示す図である。
【図6】実際に道路が並走している場合のナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図7】道路外を走行した場合のナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図8】道路の並走が検出された場合に、現在地のマッピング先の道路を切り替える動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図9】現在地の誤検出の検出を模式的に説明する図の一例である(実施例2)。
【図10】ナビECUの機能ブロック図の一例である。
【図11】音声案内を中断するナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である(道路が並走)。
【図12】概略道路地図の一例を示す図である。
【図13】音声案内を中断するナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である(道路が新設)。
【図14】音声案内を中断するナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である(道路外を走行設)。
【符号の説明】
【0093】
11 GPS受信機
12 車輪速センサ
13 ジャイロセンサ
14 地図DB
15 入力装置
16 表示装置
17 スピーカ
20 ナビECU
100 ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在地と所定値までの案内ルートに基づき進行方向を案内するナビゲーション装置に関し、特に、音声により所定値を案内するナビゲーション装置及びルート案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両にてナビゲーション装置を使用すると、現在地から目的地までの案内ルートを決定し、右左折する交差点の手前などで音声により進行すべき方向や案内ルートのその後の状況等を案内してくれる。しかし、案内中に目的地までの案内ルートから外れると、音声案内も実際の道路形状やタイミングとずれたものとなり乗員に煩わしさを感じさせる場合がある。
【0003】
この点について、案内ルートから外れたことを検出した場合、音声による案内を中断するナビゲーション装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1記載のナビゲーション装置は、ガソリンスタンドや街道沿いの店舗に立ち寄るため案内ルートから外れると音声案内を中断する。
【0004】
また、道路以外のエリアに進入したことを検出して音声案内を中断するナビゲーション装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2記載のナビゲーション装置は、道路形状と車両の位置・進行方向をマップマッチングすることで道路以外のエリアに進入したことを検出して音声案内を中断し、更に該エリアから脱出した場合には音声案内を再開する。
【0005】
しかしながら、並走した2つの道路のうちいずれかを走行中は、道路形状が似ていて両者の距離も近いため、マップマッチングでは案内ルートから外れているのか否かを判別が困難な場合が多い。
【0006】
この点について、音声案内により案内ルートから外れたことを乗員が把握して、乗員の操作により現在位置から新たに案内ルートを検索し音声案内を再開するナビゲーション装置が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。特許文献3記載のナビゲーション装置は、再検索スイッチの操作を検出すると隣接した道路の有無を判定し、隣接した道路があると現在位置を隣接した道路に変更して、そこから案内ルートを再検索する。したがって、例えば、並走した自動車専用道と一般道の一方を走行している状況で、案内ルートから外れた場合にも自車両の位置を速やかに元の案内ルートに修正することができる。
【特許文献1】特開平6−66586号公報
【特許文献2】特開平9−178502号公報
【特許文献3】特開平6−66585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3記載のナビゲーション装置においても、2つの道路が並行に形成されている道路のいずれかを走行中に、案内ルートから外れているのか否かを自動的に検出することができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献3記載のナビゲーション装置は、再検索ボタンが案内ルートから外れていることをナビゲーション装置に通知する手段を兼ねるが、再検索ボタンは、自車両が案内ルートから外れているか否かに関わらず常に表示される。これを音声案内の中断ボタンに適用すると、案内ルートから外れた際に、音声案内を中断する物理的なボタンを予め設けておいたり、案内ルートから外れていない状況でもタッチパネルの画面に操作ボタンとして表示しておくことが考えられる。しかし、このようなボタンを設けたり常時表示することは、コスト増や表示スペースの無駄をもたらす。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、案内ルートから外れている場合に音声案内を中断するボタンを、常時表示することなく適切な状況でのみ提供するナビゲーション装置及びルート案内方法を提供することを目的とする。また、2つの道路が並行に形成されている道路のいずれかを走行中に、案内ルートから外れているか否かを精度よく検出できるナビゲーション装置及びルート案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正するマップマッチング手段と、タッチパネルを備えた表示手段と、音声を出力するスピーカと、を有し、所定地まで案内する案内ルートと最適道路上の現在地に基づき進行方向を音声案内するナビゲーション装置において、最適道路に並走する並走道路を検出する並走道路検出手段と、並走道路が検出された場合、音声案内を中断する案内中断ボタンを表示装置に表示するボタン表示手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
並走道路が検出された場合にのみ中断ボタンを表示するので、音声案内の中断ボタンを表示しておく必要がなく、また、ユーザが操作しなくても音声案内の中断ボタンを自動的に表示することができる。
【発明の効果】
【0012】
案内ルートから外れている場合に音声案内を中断するボタンを、常時表示することなく適切な状況でのみ提供するナビゲーション装置及びルート案内方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら、実施例を挙げて説明する。
【0014】
本実施形態のナビゲーション装置100は、並走道路が存在する場合、音声案内の中断ボタンを表示装置16に表示する。これにより、道路地図上の現在地を誤検出している可能性が高い場合にのみ、音声案内の中断ボタンを表示できる。したがって、常に、音声案内の中断ボタンを表示しておく必要がなく、また、ユーザが操作しなくても音声案内の中断ボタンを自動的に表示することができる。
【0015】
また、並走道路があり、かつ、ナビの音声案内に運転者が従わない場合、現在地を誤検出していると判定する。並走道路の一方を走行している場合に、現在地を誤検出していることを精度よく検出することができる。
【実施例1】
【0016】
本実施例では、並走道路が存在する場合、音声案内の中断ボタンを表示装置16に表示するナビゲーション装置100について説明する。図1は、並走道路を模式的に説明する図の一例である。図1(a)では自動車専用道の高架下に一般道が形成され、図1(b)では一般道と自動車専用道が平面上を並走している(以下、両者を単に「並走している」という)。一般道同士が並走していても同様に扱える。このように道路が並走していると、誤ったリンクに現在地をマッピングする場合がある。特に、高架下の一般道ではGPS(Global Positioning System)衛星を補足しにくい。これらの場合、音声案内の内容が実際の車両位置と異なったものとなるため運転者は煩わしく感じることがある。
【0017】
しかしながら、一方で道路が並走している場合に必ず現在地を誤検出するとは限らないので、すぐに音声案内を中断することも適当でない。そこで、本実施例では、現在地をマッピングした道路に並走した道路が存在する場合、現在地を誤検出している可能性が高いとして音声案内を中断するための操作ボタン(以下、案内中断ボタンという)を表示する。したがって、常に、案内中断ボタンを表示しておく必要がなく、また、ユーザが操作しなくても音声案内の中断ボタンを自動的に表示することができる。
【0018】
〔ナビゲーション装置100の概略〕
ナビゲーション装置100について説明する。図2は、ナビゲーション装置100のブロック図の一例を示す。ナビゲーション装置100はナビECU(electronic control unit)20により制御され、ナビECU20には、CAN(Controller Area Network)やFlexray等の車内LANや専用線を介してGPS受信機11、車輪速センサ12、ジャイロセンサ13、地図DB14、入力装置15及び表示装置16及びスピーカ17と接続されている。
【0019】
GPS受信機11は、複数のGPS衛星を補足して各GPS衛星から到達する電波の到達時間に基づき車両の位置(緯度・経度・標高)を決定する。車輪速センサ12は、例えばロータの円周上に等定間隔で設置された凸部の接近を、ホール素子や磁気抵抗素子等の感磁素子が検出する。凸部の接近をパルス信号で出力すると、パルス数から走行距離を累積でき、車輪速にタイヤの外径を乗じれば車速が得られる。ジャイロセンサ13は、例えばマイクロマシニングで形成された震動片型ジャイロセンサであり、コリオリ力の作用により変化する震動片(電極間)の距離を静電力等により検出することで、ヨーイング方向、ピッチング方向及びローリング方向に回転する時の角速度を検知する。検知結果を積分することで角度、すなわち3軸方向それぞれの方位(進行方向)に変換する。この角度は、例えば、北向きなど所定の方位をゼロ度に定めて数値化される。
【0020】
地図DB14は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)等の不揮発メモリで構成され、ノードと、ノード間を連結するリンクとを互いに対応づけるテーブル型の道路地図情報、及び、各種のポイント情報とが記憶されたデータベースである。道路地図情報は、例えば、国土を緯度・経度線でメッシュ状に分割し、分割の程度に応じて定められた1次メッシュ〜3次メッシュに区分して取り扱う。ノードは、交差点又は道路を所定距離毎に区切るように定められ、ノードにはそこから流出又は流入するリンクが対応づけられる。ノードにはその位置情報(座標)が登録されているので、メッシュの区分に位置の知られたノードとリンクを当てはめることで実際の道路網を再現することができる。なお、各リンクには、ノードとの接続方向、道路の種別、幅員、交通規則等が対応づけられている。
【0021】
また、ポイント情報は、それぞれ1点で位置が特定される地図上に表示可能な各種の地物を表示するための情報である。例えば、住所ポイント、地番ポイント、公共施設ポイント、宿泊施設ポイント、燃料とサービスポイント、河川等、カテゴリー分けされた各種のポイント情報が位置情報と共に記憶されている。なお、各ポイント情報にはそれらの属性として住所、郵便番号、電話番号といったさまざまな情報が登録されている。ポイント情報を道路地図上に表示する際は、カテゴリーや各ポイント情報に応じたアイコン、ポリゴンやシンボルマークにより表現される。
【0022】
なお、地図DB14は予め記憶された状態で車両又はナビゲーション装置100と共に出荷されてもよいし、車両又はナビゲーション装置100が出荷された後に、その一部又は全部を所定のサーバからダウンロードしてハードディスク等の記憶手段に記憶することで実装されてもよい。
【0023】
入力装置15は、ユーザがナビゲーション装置100を操作する操作情報を入力するユーザインターフェイスとなる。例えば、押しボタン式のキーボード、リモコン、表示装置16と一体のタッチパネル、及び、ユーザの発した音声を入力する音声認識装置等である。表示装置16は液晶ディスプレイやヘッドアップディスプレイなどであり、上述した道路地図が表示され、そこに自車両や目的地までの案内ルートが表示される。目的地までの案内ルートが設定された場合、ナビゲーション装置100は案内ルートと自車両の現在地と同期して、スピーカ17から例えば交差点の手前で右左折等を指示する音声案内を出力する。
【0024】
なお、ナビゲーション装置100は車載専用でなくてもよく、吸盤などでダッシュボード等に脱着可能な可搬型のものでもよい。この場合、車輪速センサ12の代わりに加速度センサを内蔵して走行距離を積算する。
【0025】
〔ナビECU20の機能〕
図3はナビECU20の機能ブロック図の一例を示す。ナビECU20は、CPU、ROM、RAM、不揮発メモリ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CAN通信部及び入出力インターフェイス等を有するコンピュータであって、CPUがプログラムを実行するかASIC等の演算回路により実現される、並走道路検出部21、案内ルート検索部22、位置・方位検出部23、音声案内部24、地図描画部26、ボタン表示部25及びマップマッチング部27を有する。
【0026】
位置・方位検出部23は、GPS受信機11が検出した車両の位置情報を起点にして、ジャイロセンサ13が検出する方位に車輪速センサ12が検出する走行距離を累積して、車両の位置を高精度に推定する(以下、推定位置という)。位置・方位検出部23が検出する推定位置を時系列に抽出すると走行軌跡が得られるが、走行軌跡は道路網の形状に類似したものとなるはずである。マップマッチング部27は、走行軌跡の形状と、地図DB14から抽出した候補道路の道路形状との相関性を計算し、推定位置を道路地図にマッピングする。マッピングされた車両の位置が、ナビゲーション装置100が把握する上記の現在地となる。
【0027】
図4(a)は、走行軌跡と候補道路の道路形状の一例を示す。マップマッチング部27は、例えばリンクに進入する毎に、推定位置から所定距離内のリンクを地図DB14から読み出し、走行軌跡と候補道路との相関を算出する。図4(a)の左図は現在地から所定距離内のリンクA〜Dを、右図は走行軌跡をそれぞれ示す。十字路の場合、車両が走行しうるリンクは、リンクAC、AD、ABの3通りでありこれらが候補経路となる。
【0028】
図4(b)は全ての候補経路AC、AD、ABを示す。マップマッチング部27は、走行軌跡の形状と、候補経路AC、候補経路AD、候補経路ABとの相関係数を所定のサイクル時間毎に計算する。例えば、走行軌跡を所定長毎の区間Riに区分し、区間Riと同程度の長さに、各候補経路を所定長毎の区間Liに区分する。そして、区間Ri,Liの始点と終点を抽出して、始点と終点を結ぶベクトルRiとLiを生成する。走行軌跡も候補経路も三次元座標で扱われているので、それまでのマップマッチングが良好であれば両者の各ベクトルは方向や長さが同程度である。
【0029】
そして、マップマッチング部27は、例えばベクトルRiとベクトルLiのコサイン距離を演算し、積算した値を求め、それを正規化して相関係数を算出する。
【0030】
相関係数=(1/N)・ Σ{(Ri・Li)/|Ri|・|Li|}
ベクトルRiとLiが一致した場合、コサイン距離は1になり、全く異なると−1となる。したがって、相関係数が大きいほど類似度が高いとしてよい。図示する交差点では、ベクトルR1〜R3程度までは、リンクAとの高い相関係数が算出され、走行軌跡がベクトルR4以降に達すると、リンクC、Bとの相関係数が、リンクDとの相関係数に比べて徐々に小さくなっていく。マップマッチング部27は、他の候補経路が閾値以下になると、残ったリンクに推定位置をマッピングして現在地を得る。マップマッチングにより、最適な道路地図上に車両の現在地をマッピングすることができる。なお、相関係数の算出には、パターンマッチングなど、ベクトル同士の類似度を算出する種々の手法を用いることができる。また、相関係数を走行軌跡と候補経路の各点における誤差の絶対値の合計から求めることもできる。
【0031】
一方、図4(c)のように、2つの道路が並走している場合がある。推定位置が正確であれば、リンクD又はFに進入してから所定時間又は距離走行した時点で、より相関係数の高い方の候補経路AD又はEFにマッピングすることで正確なマッピングが可能だが、それでもマッピングを誤る場合がある(現在地の誤検出)。また、リンクE、Fが新設された道路の場合、そもそも道路地図情報にリンクE、Fが記憶されていないので、リンクE、Fに現在地をマッピングすることができない。
【0032】
また、状況によっては無理にリンクにマッピングせずに、推定位置をそのまま現在地とすることもあり、この場合、道路外に現在地がマッピングされることになる。特に新設された道路を走行する場合に道路外にマッピングされることが多い。この場合、既存のリンクはマップマッチングの対象とならなかったことを意味するので、そのまま案内ルートから外れたことを検出できる。
【0033】
本実施例では図4(c)のような並走した道路を検出して、案内中断ボタンを表示する。並走道路検出部21は、リンクA、Dにマッピングされた場合は、平行なリンクE、Fを地図DB14から検出し、リンクE、Fにマッピングされた場合は、平行なリンクA、Dを地図DB14から検出する。なお、並走していても大きく離れたリンクにマッピングすることは少ないので、並走道路検出部21は、マッピングされたリンクから所定距離Ds内のリンクのみを抽出する。例えば、現在地から他方のリンクに降ろした垂線の距離からリンクとの距離を算出する。そして、マップマッチングと同様に、並走していると推定できる所定値以上の相関係数のリンクを並走道路として検出する。完全な並走である必要はなく、例えば、2つの道路が互いに所定のなす角(例えば、10〜20度)を有する場合を含み、一方又は両方が直線でない場合を含む。後者の場合、部分的になす角が大きくなっても(例えば、45度程度)並走していると判定される場合がある。
【0034】
並走道路が検出された場合、ボタン表示部25は道路地図に案内中断ボタンを表示する。図5(a)は、ボタン表示部25が表示装置16に表示する案内中断ボタンの一例を示す。並走道路が検出された場合のみ、案内中断ボタンを表示するので、常に表示する必要がなく視認性のよい画面レイアウトの設計が容易になる。なお、案内中断ボタンが乗員により操作された場合、図5(b)に示すように、音声案内を再開するための案内再開ボタンが表示される。
【0035】
図3に戻り、案内ルート検索部22は入力装置15から入力された目的地と現在地に基づき、目的地までの案内ルートを検索する。案内ルート検索には、目的地までの案内ルートとなりうるリンクを抽出し、各リンクをリンク長や右左折、幅員、通行規制等に応じたコストに置き換え、これらのコストの積算値が最も小さくなる案内ルートを目的地までの案内ルートに決定するダイクストラ法が知られている。コストは、ユーザが希望するモードに応じて可変となっており、例えば、旅行時間の短いリンクが優先的に選択されるように該リンクのコストを小さくすれば到達時間の短い案内ルートを検索でき、加減速の少ないリンクが優先的に選択されるように該リンクのコストを小さくすることで燃料消費(CO2排出)の少ない案内ルートを検索できる。また、自動車専用道路の夜間割引が実施されている場合、夜間割引が実施される時刻に自動車専用道に到達するように出発時刻を案内することで、料金の安い案内ルートを検索できる。
【0036】
地図描画部26は、現在地を含む描画範囲(例えば数km四方)のナビ画像を生成する。例えば、2D表示と3D表示を切り替えることができる。2D表示の場合、道路地図の向きは北向きを上方に固定したり、進行方向を北向きに一致させるなど、予め定められている。
【0037】
道路地図情報及びポイント情報は、いくつかのレイヤに分けて描画され、道路を線で表現しまた建築物をアイコンやポリゴンで各レイヤに形成し、レイヤを重畳することで1枚の道路地図を表示する。地図描画部26は、描画範囲の道路地図情報を地図DB14から抽出し、位置情報に応じてノードとノードに連結するリンクを、リンク長、リンク間の接続方向、幅員等に従い、レイヤに配置する。道路種別等に応じて各リンクの色は定められており、目的地までの案内ルート(各リンク)には所定の色が配色される。
【0038】
また、別のレイヤにポイント情報から形成した市街地のアイコン、公共施設のアイコン、宿泊施設のアイコン、ガソリンスタンドのアイコン、駅や線路のアイコン、を配置する。また、所定のレイヤに住所や地番を配置する。これに、車両の現在地に自車両を示す自車両アイコンを配置する。
【0039】
ボタン表示部25は、予め定められた位置に各種の操作ボタンを形成したレイヤを生成する。タッチパネル場合、乗員が操作した位置情報がナビECU20に入力され、対応する位置の操作ボタンが操作されたことが検出される。
【0040】
地図描画部26は各レイヤを陰影処理して重畳することで得られた画像データを所定の解像度(例えば、480×640画素)のVRAMに記憶させる。表示装置16はVRAMの画像データを読み出し表示する。地図描画部26は、現在地が更新される毎にナビ画像を生成する。
【0041】
音声案内部24は、車両の現在地と案内ルートに応じて、音声案内をスピーカ17から出力する。音声案内は例えば、「この先、左折です」「この先、右折です」「しばらく直進です」等である。このような音声データはWAVEやMP3などの音声用のデータフォーマットで予め記憶されている。また、このようなメッセージを単語に分解し単語に発音記号を割り当て、発音記号に従い音声の波形を電気信号で出力する音声合成により出力してもよい。
【0042】
音声案内部24は、案内ルートを走行している車両の現在地が、例えば右折又は左折するノードの手前に到達すると、右折用や左折用等、案内ルートの形状に対応づけられている音声データを再生しスピーカ17から出力する。
【0043】
なお、音声案内部24は、現在地が案内ルートから外れた場合(マップマッチングした現在地が案内ルートのあるリンクでない場合)、「案内ルートからはずれています」等の音声案内を繰り返し出力する場合がある。現在地と案内ルートのリンクは明らかなので、案内ルートから外れたことは容易に検出できる。なお、案内中断ボタンが操作されると音声案内部24は音声案内は中断し、案内再開ボタンが操作されると音声案内部24は音声案内を再開する。
【0044】
〔ナビゲーション装置100の動作手順〕
・道路が並走
実際に道路が並走している場合のナビゲーション装置100の動作手順について図6のフローチャート図に基づき説明する。このフローチャート図は、所定のサイクル時間毎に繰り返し実行される。すでに、案内ルートは設定されており、適宜、音声案内がスピーカ17から出力される。
【0045】
まず、並走道路検出部21は、現在地がマッピングされた道路に、並走した道路があるか否かを判定する(S10)。
【0046】
並走した道路がある場合(S10のYes)、ボタン表示部25は案内中断ボタンを表示する(S20)。また、現在地を誤検出しているか否かを乗員に把握させるため、マッピング先の道路の道路種別を音声案内する。並走した道路は、一般道と自動車専用道であることが多いので、どちらかを通知すれば乗員は現在地が誤検出されていることを把握できる。
【0047】
ついで、音声案内部24は、案内中断ボタンが操作されたか否かを判定する(S30)。現在地を誤検出していない場合、乗員は案内中断ボタンを操作しないので(S30のNo)、音声案内部24はそのまま音声案内を継続する(S80)。この場合、案内中断ボタンは、並走道路が検出されなくなると又は所定時間が経過すると消去される。
【0048】
乗員が案内中断ボタンを操作した場合(S30のYes)、音声案内部24は、音声案内を一時的に中断する(S40)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。また、ボタン表示部25は、乗員が案内中断ボタンを操作すると、案内中断ボタンの代わりに案内再開ボタンを表示する(S50)。
【0049】
案内再開ボタンを表示した後、ナビゲーション装置100はナビ画面のみで運転者を案内し、その間、音声案内部24は、案内再開ボタンが操作されたか否かを判定する(S60)。案内再開ボタンが操作されると(S60のYes)、ボタン表示部25は案内再開ボタンを消去し(S70)、音声案内部24は音声案内を実行する(S80)。
【0050】
以上のように、現在地を誤検出している可能性が高い場合にのみ、案内中断ボタンを表示できる。
【0051】
・道路が新設
道路が新設された場合、その道路が既存の道路と並走していても、地図DB14に登録されるまでは並走した道路があるか否かは判定できない。そこで、マッピング先が道路外になることを利用して、現在地の誤検出を検出する。
【0052】
道路外を走行した場合のナビゲーション装置100の動作手順について図7のフローチャート図に基づき説明する。このフローチャート図は、所定のサイクル時間毎に繰り返し実行される。
【0053】
まず、並走道路検出部21は、現在地が道路以外にマッピングされ、車両が道路以外を走行しているか否かを判定する(S11)。
【0054】
道路以外を走行している場合(S11のYes)、ボタン表示部25は案内中断ボタンが表示する(S21)。また、道路以外を走行していることを運転者に通知する。以降の処理は、図6と同様である。
【0055】
すなわち、音声案内部24は、案内中断ボタンが操作されたか否かを判定し(S30)、乗員が案内中断ボタンを操作した場合(S30のYes)、音声案内部24は、音声案内を一時的に中断する(S40)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。また、ボタン表示部25は、乗員が案内中断ボタンを操作すると、案内中断ボタンの代わりに案内再開ボタンを表示する(S50)。
【0056】
以上のように、現在地を誤検出している可能性が高い場合にのみ、案内中断ボタンを表示できる。
【0057】
・現在地の切り替え
並走した道路が地図DB14に登録されている場合、一方の道路へのマッピングが誤検出であれば、他方の道路へマッピングするだけで実際に走行している道路に対応する道路に、現在地を修正することができる。
【0058】
図8は、道路の並走が検出された場合に、現在地のマッピング先の道路を切り替える動作手順を示すフローチャート図の一例である。並走道路検出部21が、現在地がマッピングされた道路に、並走した道路があることを検出すると(S10のYes)、ボタン表示部25は、現在地変更ボタンを表示する(S22)。また、現在地を誤検出しているか否かを乗員に把握させるため、マッピング先の道路の道路種別を音声案内する。並走した道路は、一般道と自動車専用道であるとする。
【0059】
そして、マップマッチング部27は、現在地変更ボタンが操作されたか否かを判定し(S31)、乗員が現在地変更ボタンを操作した場合(S31のYes)、現在地を、並走した道路上に変更する(S41)。これにより、例えば一般道から並走する自動車専用道に現在地を切り替えること、又は、自動車専用道から並走する一般道に現在地を切り替えることができる。現在地変更ボタンは、並走道路が検出されなくなると又は所定時間が経過すると消去される。
【0060】
ステップS41により、現在地の誤検出が解消されたので、音声案内を実行しても(S80)、道路形状と一致したものとなる。なお、図8では音声案内を中断しないが、これは並走した道路を検出してから短時間に現在地を並走した道路に切り変えることができるため、音声案内を中断しなくても煩わしさを感じさせるほどではないためである。
【0061】
以上のように、道路が並走している場合には、現在地を誤検出している可能性が高いとして、現在地変更ボタンを表示できる。
【0062】
本実施例のナビゲーション装置100は、現在地を誤検出している可能性が高い場合、又は、現在地を誤検出している場合にのみ、案内中断ボタンを表示するので、常に、案内中断ボタンを表示しておく必要がない。また、ユーザが操作しなくても案内中断ボタンを自動的に表示するので利便性を向上できる。
【実施例2】
【0063】
実施例1では、現在地を誤検出している可能性が高いこと又は現在地を誤検出していることを検出したが、現在地を誤検出している可能性が高いことを精度よく検出できれば、案内再開ボタンを表示しその操作を待つことなく音声案内を中断することでさらに利便性を向上させることができる。本実施例では、現在地の誤検出を精度よく検出することで、音声案内を乗員の操作なしに中断するナビゲーション装置100について説明する。
【0064】
図9は、現在地の誤検出の検出を模式的に説明する図の一例である。図示するように一般道と自動車専用道が並走している。自動車専用道は最近新設されたものでも、既存の道路でもよい。このような並走した道路では実施例1で説明したように、検出された車両の現在地が正確であっても、現在地のマッピング先を誤る場合がある。
【0065】
図9では、ナビゲーション装置100を搭載している車両は自動車専用道を走行しているが、ナビゲーション装置100は一般道を走行する案内ルートに基づき音声案内している。実際の位置が案内ルートよりも右側にあるため、ナビゲーション装置100が現在地を右折レーンであると誤検出すると、案内ルートに従い直進するため、左に車線変更するよう音声案内する。これに対し、運転者は車線変更せず(できず)直進走行する。ナビゲーション装置100は、運転者が音声案内に従わないことを検出して、現在地の誤検出を検出する。現在地の誤検出を検出すれば音声案内を中断できるので、それ以上音声案内を提供することを防止でき、運転者に煩わしさを感じさせることを低減できる。
【0066】
〔ナビECU20の機能〕
図10はナビECU20の機能ブロック図の一例を示す。図10において図3と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。本実施例のナビゲーション装置100は、音声案内中断部28及び操作検出部31を有する。
【0067】
音声案内中断部28は、運転者が音声案内に従わなかった場合は音声案内部24による音声案内を中断させる。音声案内に従わない場合、現在地を誤検出している可能性があるためである。案内ルートから外れておらず意識的に案内ルート外の抜け道を走行したり、店舗に立ち寄る等のため案内ルートから外れることがあるが、この場合も案内ルートから外れたことになるので、音声案内を中断してよい。
【0068】
しかし、並走道路が検出された場合は、すでに現在地が誤検出されているおそれが高いので、実施例1と同様に、現在地のリンクに並走した道路がある場合に限り、音声案内に従わない場合は現在地を誤検出していることを検出し、音声案内中断部28は音声案内を中断させる。すなわち、以下の条件を満たす場合、音声案内を中断する。
A)並走する道路がある
B)音声案内に従わない
したがって、図4(c)に示したような形状の道路において、リンクA、Dが現在地の場合に音声案内に従わない場合、又は、リンクE、Fが現在地の場合に音声案内に従わない場合、以後は、誤った音声案内を中断できる。音声案内に従わないことは、音声案内の内容と車両操作から判定できる。音声案内中断部28には、操作検出部31が接続されている。操作検出部31は具体的には、操舵角センサ、ウィンカレバー、ヨーレートセンサ、車輪速センサ12、ブレーキペダルストロークセンサ、マスタシリンダ圧センサ、ストップランプスイッチ、アクセル開度センサ、等である。
【0069】
音声案内中断部28は、音声案内が右折であるのに対し操舵角センサでは左折又は直進が検出された場合、音声案内が左折であるのに対し操舵角センサでは右折又は直進が検出された場合、音声案内が直進であるのに対し停止、右折又は左折が検出された場合、等に、音声案内と車両操作が異なっていると判定する。この他、信号機の現表示等を用いて車両操作と音声案内を比較してもよい。
【0070】
ところで、リンクE、Fが既に地図DB14に登録されていれば、現在地のリンクに並走する道路があるか否かを容易に判定できるが、リンクE,Fが新設された道路のため、地図DB14に登録されていない場合、実際には並走する道路があっても地図DB14からは判定できない。そこで、このような場合、走行軌跡から並走する道路が存在するか否かを判定してもよい。マップマッチングにおいて説明したように、走行軌跡とリンクの道路形状の相関係数が高ければ実在するリンクと並行に走行していることがわかる。また、それが既存の道路か新設された道路かは、例えば、ノードの位置情報と左折時や右折時などの特徴的な操作が検出された際の推定位置(現在地でなく)が所定以上離れているか否かにより判別できる。
【0071】
また、マップマッチング部27によっては無理にリンクにマッピングせずに、道路外に自車両アイコンを配置することもある。この場合は、実施例1と同様に、運転者が音声案内に従うが否かを検出することなく、現在地が案内ルートからはずれたことを検出できる。しかしながら、この場合でも走行軌跡は検出されるので、走行軌跡と並走する道路が存在するか否かを判定でき、道路が新設された場合と同様に扱ってもよい。
以上から、並走する道路がない場合、上記Aの条件を下記で代替できる。
A‘)走行軌跡が既存の道路と並行 かつ ノードの位置情報と特徴的車両操作時の推定位置が所定以上離れている。
【0072】
したがって、本実施例ではA’)により道路が並走しているか否かを判定することで、新設された並走する道路を走行することによる、現在地の誤検出を検出することができる。なお、ノードの位置情報だけでなく、推定位置と既存のリンクの平均的な距離からも、新設された並走する道路の存在を推定できる。
【0073】
〔ナビゲーション装置100の動作手順〕
・道路が並走
音声案内を中断するナビゲーション装置100の動作手順について図11のフローチャート図と図12(a)の概略道路地図に基づき説明する。
【0074】
図12(a)では、地図DB14に並走する道路のリンクが登録されているものとする。案内ルートは、リンク1、リンク2、リンク3,リンク4を連結したものであるが、車両はリンク2に進入する前に左折しリンク1、リンク5を走行した。マップマッチング部27は案内ルートに現在地をマッピングしている(現在地を誤検出している)。
【0075】
まず、並走道路検出部21は、現在地がマッピングされたリンク3に、並走したリンクがあるか否かを判定する(S110)。地図DB14にはリンク3と並走したリンク5が登録されている。
【0076】
ついで、音声案内部24は、直進するノード2の手前で「この先、直進です」等の音声案内をスピーカ17から出力するので、音声案内中断部28は、車両操作情報に基づき運転者が音声案内に従うか否かを判定する(S120)。運転者は目的地の方向に進行するため右折するので、音声案内中断部28は、運転者が音声案内に従わないと判定し(S120のNo)、音声案内を一時的に中断する(S130)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。また、実施例1と同様に、現在地を並走した道路に切り替える現在地変更ボタンを表示してもよい。
【0077】
なお、直進の場合、音声案内しないこともあるが、この場合でも案内ルートに対し車両操作が異なることから、現在地の誤検出を検出できる。
【0078】
音声案内を中断した後、音声案内中断部28は車両が元の案内ルートに復帰したか否かを判定し(S140)、マップマッチング部27が案内ルートに現在地をマッピングすると、音声案内を実行させる(S150)。図12(a)では、リンク4まで走行すると音声案内が再開される。
【0079】
以上のように、道路が並走しているためマップマッチングによる現在地の誤検出が生じやすい場合でも、誤検出を精度よく検出して、誤った音声案内を最小限に抑制できる。
【0080】
・道路が新設
道路が新設され並走している場合のナビゲーション装置100の動作手順について図13フローチャート図と図12(b)の概略道路地図に基づき説明する。
【0081】
図12(b)では、地図DB14に並走する道路のリンクが登録されていないものとする。例えば、渋滞緩和のためにリンク5が新設され、車両は新設されたリンク5を走行しているが、地図DB14にはリンク5が登録されていないため、現在地はリンク3にマッピングされている。マップマッチング部27は、例えば左折操作により車両が次のリンクに進入したことを検出し、走行軌跡を蓄積している。
【0082】
音声案内中断部28は、現在地がマッピングされたリンク3に、並走したリンクがあるか否かを判定する(S110)。地図DB14にはリンク5が登録されていないので、ステップS10の判定はNoとなる。
【0083】
並走したリンク5が存在しない場合(S110のNo)、音声案内中断部28は、走行軌跡が既存の道路(リンク3)と並行、かつ、左折時の推定位置と対応するノード1の位置情報が所定以上離れているか否かを判定する(S160)。図示するように、登録されたリンク3にマッピングした場合、ノード1と左折時の推定位置は離れていることが多い。したがって、ステップS160の判定はYesになる。
【0084】
なお、図12(b)では平面上を並走する道路を示したが、上下に並走する2つの道路も、ノードの位置情報に標高が含まれていれば推定位置を比較することで判別できる。特に、高架型の自動車専用道の場合は高さ情報が地図DB14に記憶されていることが多く、GPS衛星の電波が補足できない高架下の一般道を走行して自動車専用道に誤ってマッピングされた場合にも現在地の誤検出を検出できる(自車位置の推定位置の標高はジャイロセンサから既知である)。
【0085】
以降の処理は図11と同様である。すなわち、音声案内中断部28は、車両操作情報に基づき運転者が音声案内に従わないと判定した場合(S120のNo)、音声案内を一時的に中断する(S130)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。車両が元の案内ルートに復帰すると(S140のYes)、音声案内を実行させる(S150)。
【0086】
以上のように、並走する道路が新設された場合でも、誤検出を精度よく検出して、誤った音声案内を最小限に抑制できる。
【0087】
・道路外を走行
道路外を走行している場合のナビゲーション装置100の動作手順について図14のフローチャート図と図12(c)の概略道路地図に基づき説明する。図12(c)では、地図DB14に並走する道路のリンクが登録されていないため現在地を道路外にマッピングしたか、又は、道路は新設されていないが道路外に現在地をマッピングした状態を示す。マップマッチング部27は適切なリンクが見つからないと、推定位置を現在地として道路地図にマッピングする。
【0088】
このような場合、道路外を走行しているか否かを判定することで(S111)、道路地図に対し現在地を誤検出していることが直ちに検出される。したがって、音声案内中断部28は、道路外を走行していることが検出された場合(S111のYes)、運転者が音声案内に従うか否かを判定することなく、音声案内を一時的に中断する(S130)。これにより、誤った音声案内を中断でき、運転者が煩わしく感じることを防止できる。なお、音声案内を中断した後、乗員の意志で音声案内を実行できるよう、案内再開ボタンを表示してもよい。
【0089】
そして、車両が元の案内ルートに復帰したこと又は現在地が道路内にマッピングされたことを検出すると(S141)、音声案内中断部28は音声案内を実行させる(S150)。
【0090】
以上のように、道路外を走行していることを検出することで、現在地の誤検出を検出して、誤った音声案内を最小限に抑制できる。
【0091】
本実施例のナビゲーション装置100は、現在地を誤検出していること、特に並走道路の一方を走行していることを精度よく検出することができる。また、乗員が操作しなくても音声案内を中断できる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】並走道路を模式的に説明する図の一例である。
【図2】ナビゲーション装置のブロック図の一例である。
【図3】ナビECUの機能ブロック図の一例である。
【図4】走行軌跡と候補道路の道路形状を模式的に説明する図の一例である。
【図5】が表示装置に表示された案内中断ボタン、案内再開ボタンの一例を示す図である。
【図6】実際に道路が並走している場合のナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図7】道路外を走行した場合のナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図8】道路の並走が検出された場合に、現在地のマッピング先の道路を切り替える動作手順を示すフローチャート図の一例である。
【図9】現在地の誤検出の検出を模式的に説明する図の一例である(実施例2)。
【図10】ナビECUの機能ブロック図の一例である。
【図11】音声案内を中断するナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である(道路が並走)。
【図12】概略道路地図の一例を示す図である。
【図13】音声案内を中断するナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である(道路が新設)。
【図14】音声案内を中断するナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート図の一例である(道路外を走行設)。
【符号の説明】
【0093】
11 GPS受信機
12 車輪速センサ
13 ジャイロセンサ
14 地図DB
15 入力装置
16 表示装置
17 スピーカ
20 ナビECU
100 ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正するマップマッチング手段と、
タッチパネルを備えた表示手段と、音声を出力するスピーカと、を有し、
所定地まで案内する案内ルートと前記最適道路上の現在地に基づき進行方向を音声案内するナビゲーション装置において、
前記最適道路に並走する並走道路を検出する並走道路検出手段と、
並走道路が検出された場合、音声案内を中断する案内中断ボタンを表示装置に表示するボタン表示手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
並走道路が検出された場合、前記ボタン表示手段は、案内中断ボタンの代わりに、現在地を前記最適道路から並走道路に変更する変更ボタンを表示する、
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正するマップマッチング手段と、
タッチパネルを備えた表示手段と、音声を出力するスピーカと、を有し、
所定地まで案内する案内ルートと前記最適道路上の現在地に基づき進行方向を音声案内するナビゲーション装置において、
前記最適道路に並走する並走道路を検出する並走道路検出手段と、
車両操作を検出する車両操作検出手段と、
並走道路が検出され、かつ、音声案内に従う車両操作が前記車両操作検出手段により検出されない場合、前記最適道路を誤って決定していることを検出する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
前記最適道路を誤って決定していることを検出した場合、音声案内を中断する音声案内中断手段、
を有することを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記並走道路検出手段は、右折又は左折などの特徴的車両挙動が検出された推定位置と、前記最適道路とが所定値以上離れている場合、地図データベースに登録されていない並走道路が推定位置であり、前記最適道路を誤って決定していることを検出する、
ことを検出する請求項3又は4記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正し、
所定地まで案内する案内ルートをタッチパネルを備えた表示手段に表示して、前記最適道路上の現在地に基づき案内ルートに対応する進行方向をスピーカから音声案内するルート案内方法において、
並走道路検出手段が、前記最適道路に並走する並走道路を検出するステップと、
ボタン表示手段が、並走道路が検出された場合、音声案内を中断する案内中断ボタンを表示装置に表示するステップと、
を有することを特徴とするルート案内方法。
【請求項7】
位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正し、
所定地まで案内する案内ルートをタッチパネルを備えた表示手段に表示して、前記最適道路上の現在地に基づき案内ルートに対応する進行方向をスピーカから音声案内するルート案内方法において、
並走道路検出手段が、前記最適道路に並走する並走道路を検出するステップと、
車両操作検出手段が、車両操作を検出するステップと、
並走道路が検出され、かつ、音声案内に従う車両操作が前記車両操作検出手段により検出されない場合、前記最適道路を誤って決定していることを検出するステップと、
を有することを特徴とするルート案内方法。
【請求項1】
位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正するマップマッチング手段と、
タッチパネルを備えた表示手段と、音声を出力するスピーカと、を有し、
所定地まで案内する案内ルートと前記最適道路上の現在地に基づき進行方向を音声案内するナビゲーション装置において、
前記最適道路に並走する並走道路を検出する並走道路検出手段と、
並走道路が検出された場合、音声案内を中断する案内中断ボタンを表示装置に表示するボタン表示手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
並走道路が検出された場合、前記ボタン表示手段は、案内中断ボタンの代わりに、現在地を前記最適道路から並走道路に変更する変更ボタンを表示する、
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正するマップマッチング手段と、
タッチパネルを備えた表示手段と、音声を出力するスピーカと、を有し、
所定地まで案内する案内ルートと前記最適道路上の現在地に基づき進行方向を音声案内するナビゲーション装置において、
前記最適道路に並走する並走道路を検出する並走道路検出手段と、
車両操作を検出する車両操作検出手段と、
並走道路が検出され、かつ、音声案内に従う車両操作が前記車両操作検出手段により検出されない場合、前記最適道路を誤って決定していることを検出する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
前記最適道路を誤って決定していることを検出した場合、音声案内を中断する音声案内中断手段、
を有することを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記並走道路検出手段は、右折又は左折などの特徴的車両挙動が検出された推定位置と、前記最適道路とが所定値以上離れている場合、地図データベースに登録されていない並走道路が推定位置であり、前記最適道路を誤って決定していることを検出する、
ことを検出する請求項3又は4記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正し、
所定地まで案内する案内ルートをタッチパネルを備えた表示手段に表示して、前記最適道路上の現在地に基づき案内ルートに対応する進行方向をスピーカから音声案内するルート案内方法において、
並走道路検出手段が、前記最適道路に並走する並走道路を検出するステップと、
ボタン表示手段が、並走道路が検出された場合、音声案内を中断する案内中断ボタンを表示装置に表示するステップと、
を有することを特徴とするルート案内方法。
【請求項7】
位置検出手段により得られた推定位置を、所定の条件を満たす、地図データベース内の最適道路上に修正し、
所定地まで案内する案内ルートをタッチパネルを備えた表示手段に表示して、前記最適道路上の現在地に基づき案内ルートに対応する進行方向をスピーカから音声案内するルート案内方法において、
並走道路検出手段が、前記最適道路に並走する並走道路を検出するステップと、
車両操作検出手段が、車両操作を検出するステップと、
並走道路が検出され、かつ、音声案内に従う車両操作が前記車両操作検出手段により検出されない場合、前記最適道路を誤って決定していることを検出するステップと、
を有することを特徴とするルート案内方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図9】
【公開番号】特開2010−91363(P2010−91363A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260463(P2008−260463)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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