説明

ナビゲーション装置及び最寄検索方法

【課題】本発明は、ユーザにとって有益な最寄地点を煩雑な操作なしに簡単に検索できるようにする。
【解決手段】本発明は、GPS衛星からの情報に基づいて現在位置を求め、地図画像の上で当該現在位置から目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置の最寄地点を検索する場合、ナビゲーション地図画像NG1をLCD24に表示し、ユーザからのタッチ操作に従ってナビゲーション地図画像NG1上の自車位置マークP1の周辺に存在している最寄地点を検索する際、その検索対象範囲をタッチ操作だけでユーザに指定させ、その検索対象範囲を検索することにより得られた最寄地点をLCD24に表示することにより、ユーザの意図した検索対象範囲に関する有益な最寄地点だけを検索処理結果として提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び最寄検索方法に関し、例えばカーナビゲーション装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション地図画像上における任意の地点に対し、その任意の地点の周囲を基準とした所定の範囲内において、最寄の登録地点情報を検索し、その検索結果を表示するナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2917899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで上述したかかる構成のナビゲーション装置においては、登録地点情報を検索する際の検索対象となるエリアの方向が規定されていないため、ユーザの意図していないエリアの登録地点情報が検索され、当該ユーザにとっては意味のない無駄な登録地点情報が提供されてしまう結果となり、再度、ユーザに検索し直させるという煩雑な操作を強いるという問題があった。
【0004】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ユーザにとって有益な最寄地点を煩雑な操作なしに簡単に検索し得るナビゲーション装置及び最寄検索方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため本発明においては、衛星からの情報に基づいて現在位置を求め、地図画像の上で当該現在位置から目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置の最寄地点を検索する場合、地図画像を所定の表示手段に表示し、地図画像上の自車位置の周辺に存在する最寄地点を所定の検索手段によって検索する際、最寄地点を検索するときの検索対象エリア設定枠をユーザに指定させ、その検索対象エリア設定枠を検索手段による検索対象範囲として最寄地点を検索し、当該検索することにより得られた最寄地点の検索処理結果をことにより、ユーザの意図した検索範囲に対する有益な最寄地点だけを検索処理結果として提供することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、衛星からの情報に基づいて現在位置を求め、地図画像の上で当該現在位置から目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置の最寄地点を検索する場合、地図画像を所定の表示手段に表示し、地図画像上の自車位置の周辺に存在する最寄地点を所定の検索手段によって検索する際、最寄地点を検索するときの検索対象エリア設定枠をユーザに指定させ、その検索対象エリア設定枠を検索手段による検索対象範囲として最寄地点を検索し、当該検索することにより得られた最寄地点の検索処理結果をことにより、ユーザの意図した検索範囲に対する有益な最寄地点だけを検索処理結果として提供することができ、かくしてユーザにとって有益な最寄地点を煩雑な操作なしに簡単に検索し得るナビゲーション装置及び最寄検索方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0008】
(1)PNDの外観構成
図1において、1は全体として携帯型で持ち運び可能であり、主に車内で用いられるPNDを示し、矩形状の本体部2における前面にモニター3が設けられており、本体部2に内蔵された不揮発性メモリやハードディスク等に格納されている地図データに応じた地図画像等を生成し、モニター3に表示し得るようになされている。
【0009】
(2)PNDのハードウェア構成
図2に示すように、PND1はバッテリ29から供給される電力によって動作し、CPU(Central Processing Unit)20が全体を統括制御すると共に、不揮発性メモリ21に格納された基本プログラムや各種アプリケーションプログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)22上で実行することにより、通常のナビゲーション機能及び後述する最寄検索処理機能を実現するようになされている。
【0010】
このPND1は、バッテリ29によりバックアップされたSRAM(Static Random Access Memory)やフラッシュメモリ等でなる不揮発性メモリ21に全国の地図を示す地図データが記憶されていると共に、各種施設などの関心地点を表すPOI(Point Of Interest)データが地図上の位置に対応付けられた状態で予め記憶されている。
【0011】
なおPND1は、例えばCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc- Read Only Memory)等の光ディスクやハードディスクドライブ等の外部メモリ28を有し、地図データ、POIデータ、検索情報若しくは音楽/映像のコンテンツデータ等の大容量データを保持し得るようになされている。
【0012】
またPND1は、GPS(Global Positioning System)衛生からの電波をGPSユニット23によって受信することにより、緯度、経度及び高度等からなるGPS情報を常時算出するようになされており、そのGPS情報をCPU20へ送出する。
【0013】
PND1のCPU20は、GPSユニット23から供給されるGPS情報と不揮発性メモリ21に記憶されている地図データとを比較することにより、現時点でPND1が存在する位置(すなわち、PND1が搭載された車両が存在する自車位置)を含む所定範囲の地図データを読み出し、その地図データに応じて自車位置とその周辺とを表す所定倍率の地図画像をモニター3のLCD(Liquid Crystal Display)24に表示するようになされている。
【0014】
さらにPND1のCPU20は、モニター3のLCD24の表面に設けられたタッチパネル25に対するユーザ操作に応じて、目的地としてPOIデータが任意に選択された場合、車両の自車位置からPOIデータに対応した目的地までの到達経路等を探索し、その到達経路を表したナビゲーション地図画像を生成し、LCD24に表示し得るようになされている。
【0015】
このときPND1のCPU20は、到達経路を表したナビゲーション地図画像をLCD24に表示すると共に、音声処理部26を介して車両が到達経路に従って目的地まで走行する間、ユーザの運転を誘導及び補助(以下、これらをナビゲートと呼ぶ)するための音声情報を生成し、そのナビゲート音声をスピーカ27から出力する。
【0016】
このようにしてPND1では、ユーザ所望の目的地まで車両をナビゲートするナビゲーション機能を提供し得るようになされている。
【0017】
またPND1は、車両の車輪回転数を検知する車速センサ、車体の回転角速度を検知する振動ジャイロセンサ、車両の加速度を検知する加速度センサ、車両の振動を検知する振動センサ、車両の走行装置の状態を検出する例えばパーキングブレーキスイッチ検知センサ、ブレーキランプスイッチ検知センサ、ステアリング舵角センサ、スロットル開度センサ等からなるセンサ部30を有しており、このセンサ部30の検出結果と、GPSユニット23のGPS情報とに基づいて自車位置を一段と高精度に検出し得るようになされている。
【0018】
さらにPND1は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等の有線通信手段、Bluetooth(登録商標)等の無線通信手段、メモリースティック(ソニー株式会社の登録商標)のリムーバブルメモリを用いたオフライン通信手段等からなる通信部31を有しており、他の電子機器やLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークと通信し得るようになされている。
【0019】
(3)PNDによる最寄検索処理機能を実現するソフトウェア機能ブロック構成
続いて、PND1のCPU20が基本プログラムや各種アプリケーションプログラムである最寄検索処理プログラムに従い、ユーザからの操作を受け付けてモニター3のLCD24に表示したナビゲーション地図画像上で最寄地検索を行う際の検索対象範囲を指定し、その検索対象範囲で最寄検索処理を行った結果を提示するためのソフトウェア機能ブロックについて説明する。
【0020】
図3に示すようにPND1のCPU20は、モニター3のタッチパネル25に対するユーザの指先によるタッチ操作を入力情報処理部20Aによって受け付け、そのタッチ操作に応じた地図上の地点を計算する。
【0021】
このときPND1のCPU20は、当該地点を含む地図画像の元となる地図データを不揮発性メモリ21(図2)若しくは外部メモリ28から読み出し、地図情報処理部20DによりLCD24に描画可能な構造に当該地図データを変換すると共に、GPSユニット23からのGPS情報に基づいて算出した自車位置から目的地までの到達経路を経路探索処理部20Bによって求める。
【0022】
PND1のCPU20は、地図画像のLCD24に対する表示範囲、当該表示範囲の地図画像に対応した所定範囲の地図データ、及び到達経路等の各種情報を基に、画面描画処理部20Cによってルート案内を行うためのナビゲーション地図画像を生成し、これをモニター3のLCD24に対して表示するようになされている。
【0023】
そしてPND1のCPU20は、モニター3のLCD24にナビゲーション地図画像を表示した状態で、車両の現在位置周辺における最寄検索処理を行う場合、検索対象エリア決定部20Eにより、ユーザの指先によって指定された検索対象範囲を決定し、その検索対象範囲を最寄検索処理部20Fへ通知する。
【0024】
PND1のCPU20は、検索対象エリア決定部20Eから通知された検索対象範囲に基づいて、最寄検索処理部20Fにより検索対象範囲内の最寄検索処理を行い、その検索処理結果をLCD24のナビゲーション地図画像上に提示し得るようになされている。
【0025】
(4)最寄検索処理
続いて、PND1が有する最寄検索処理機能について、図4のフローチャートを用いてその具体的処理手順を説明する。
【0026】
実際上、PND1のCPU20は、不揮発性メモリ21からRAM22上に立ち上げたアプリケーションプログラムである最寄検索処理プログラムに従い、ルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、ナビゲーション地図画像上でユーザによりメニュー中の最寄検索アイコン(図示せず)が押下操作されたことを認識すると、最寄検索モードへ遷移し、次のステップSP2へ移る。
【0027】
ステップSP2においてPND1のCPU20は、最寄検索モードへ遷移したので、図5に示すような検索条件決定画面SJを不揮発性メモリ21から読み出し、これをナビゲーション地図画像上に重ねて表示し、次のステップSP3へ移る。
【0028】
この検索条件決定画面SJ(図5)では、不揮発性メモリ21に予め登録されている複数のPOIデータを複数種類のジャンル毎に区分けした各種の項目I1〜I7(コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、ファミリーレストラン、ラーメン屋、公園、デパート、学校等)を表示し、それぞれの項目I1〜I7に対してユーザが最寄地点として検索したい対象を選択するためのチェックボックスCB1〜CB7が設けられている。
【0029】
ステップSP3においてPND1のCPU20は、検索条件決定画面SJにおいてユーザが最寄検索処理を希望する検索条件が設定されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは検索条件決定画面SJにおける項目I1〜I7のチェックボックスCB1〜CB7に対してチェックマークが一切付けられていない状態、すなわち最寄地点の検索条件が設定されていないことを表しており、このときPND1のCPU20はステップSP2へ戻って引き続き検索条件決定画面SJを表示したまま、チェックボックスCB1〜CB7に対してチェックマークが付けられるのを待ち受ける。
【0030】
これに対してステップSP3で肯定結果が得られると、このことは検索条件決定画面SJにおける項目I1〜I7のチェックボックスCB1〜CB7に対してチェックマークが付けられている状態、すなわち最寄地点の検索条件が既に設定されていることを表しており、このときPND1のCPU20は次のステップSP4へ移る。
【0031】
ステップSP4においてPND1のCPU20は、検索条件が設定されたので検索条件決定画面SJに代わって、最寄地点の検索対象範囲をユーザ自身が指定するか否かをナビゲーション地図画像上で問い合わせ、検索対象範囲を指定する旨の指示がユーザによって与えられたか否かを判定する。
【0032】
例えばPND1のCPU20は、例えばナビゲーション地図画像上に重ねて表示された「指定する」アイコン及び「指定しない」アイコンのうち、「指定しない」アイコンがタッチ操作された場合、否定結果を得て次のステップSP5へ移る。
【0033】
ステップSP5においてPND1のCPU20は、検索対象範囲が指定されないため、デフォルトの初期検索対象範囲を不揮発性メモリ21から読み出し、最寄地点の検索処理に用いるべく用意し、次のステップSP8へ移る。
【0034】
ここでデフォルトの初期検索対象範囲とは、従来と同様にナビゲーション地図画像の自車位置を中心とした所定距離の半径を有する円の内側領域であり、検索対象エリアとして自車位置を基準として、その方向性が規定されていないものである。
【0035】
これに対してステップSP4で肯定結果が得られると、このことは「指定する」アイコンがタッチ操作され、ユーザ自身が検索対象範囲を指定する意思を有していることを表しており、このときPND1のCPU20は次のステップSP6へ移る。
【0036】
ステップSP6においてPND1のCPU20は、LCD24に表示したナビゲーション地図画像上でユーザが最寄地点の検索処理を希望する検索対象範囲を指定させ、次のステップSP7へ移る。
【0037】
この場合、PND1のCPU20は、例えば図6に示すようにナビゲーション地図画像NG1上にユーザの指先よりも僅かに大きなサイズでなる矩形状の検索対象エリア設定枠SA1をナビゲーション地図画像NG1に重ねて表示する。
【0038】
そしてPND1のCPU20は、ユーザの指先により検索対象エリア設定枠SA1がタッチ操作された状態で当該ユーザが所望する任意の方向へなぞられたことを認識すると、その方向へ検索対象エリア設定枠SA1の対角線を引き伸ばすように矩形サイズを拡大し、又はその方向へ検索対象エリア設定枠SA1の対角線を縮ませるように矩形サイズを縮小し、ユーザの指先が画面から離された時点でその矩形サイズを確定し、そのとき確定した検索対象エリア設定枠SA2をユーザ所望の検索対象範囲として認定し決定するようになされている。
【0039】
これによりPND1のCPU20は、当該PND1が搭載されている車両の自車位置を示す自車位置マークP1を含む検索対象エリア設定枠SA2の範囲内でユーザ所望の最寄地点(コンビニエンスストアとガソリンスタンド)を検索し得るようになされている。
【0040】
なおPND1のCPU20は、例えば図7に示すように、ナビゲーション地図画像NG1上にユーザの指先よりも僅かに大きなサイズでなる逆三角形状の検索対象エリア設定枠SA3をナビゲーション地図画像NG1に重ねて表示するようにしても良い。
【0041】
この場合、PND1のCPU20は、ユーザの指先により検索対象エリア設定枠SA3がタッチ操作された状態で当該ユーザが所望する任意の方向(例えば自車位置マークP1の進行方向)へなぞられたことを認識すると、その方向へ検索対象エリア設定枠SA3の三角形を拡大し、又はその方向へ検索対象エリア設定枠SA3の三角形を縮小し、ユーザの指先が画面から離された時点でその三角形サイズを確定し、そのとき確定した検索対象エリア設定枠SA4をユーザ所望の検索対象範囲として認定し決定するようになされている。
【0042】
従ってPND1のCPU20は、自車位置マークP1の前方となる検索対象エリア設定枠SA4を最終的な検索対象範囲として、ユーザ所望の最寄地点(コンビニエンスストアとガソリンスタンド)を検索することができるので、ユーザにとって車両で立ち寄り易い領域の中から有益な検索結果だけを提供し得るようになされている。
【0043】
ステップSP7においてPND1のCPU20は、ナビゲーション地図画像NG1(図6、図7)の検索対象エリア設定枠SA1又はSA3を介してユーザ所望の検索対象範囲を決定することが出来たか否かを判定する。
【0044】
ここで否定結果が得られると、このことは検索対象エリア設定枠SA1又はSA3を介した指定が行われている最中であって未だ完了していないことを表しており、このときPND1のCPU20はステップSP6以降の処理を繰り返し、最終的な検索対象範囲を決定することが出来るまで待ち受ける。
【0045】
これに対してステップSP7で肯定結果が得られると、PND1のCPU20は次のステップSP8へ移り、ステップSP7で決定した検索対象範囲においてユーザ所望の最寄地点(コンビニエンスストアとガソリンスタンド)に対する検索処理を実行し、次のステップSP9へ移る。
【0046】
ステップSP9においてPND1のCPU20は、ステップSP8で実行した検索処理結果をナビゲーション地図画面NG1(図6、図7)に反映させることにより提示し、次のステップSP10へ移って処理を終了する。
【0047】
この場合、例えば図8に示すように、PND1のCPU20は、例えばナビゲーション地図画像NG1に重ねて検索処理結果である最寄地点リスト表示枠WA1を表示し、それぞれのリスト候補WA1a〜WA1eをユーザに目視確認させ得るようになされている。
【0048】
従ってPND1のCPU20は、最寄地点リスト表示枠WA1におけるリスト候補WA1a〜WA1eの何れかがユーザの指先でタッチ操作されたことを認識すると、そのタッチ操作されたリスト候補WA1a〜WA1eに対応した地図画像に切り換えて表示し得るようになされている。
【0049】
なおPND1のCPU20は、ナビゲーション地図画像NG1に最寄地点リスト表示枠WA1を重ねて表示するという形態に限るものではなく、例えば図9に示すように、検索対象範囲として設定された検索対象エリア設定枠SA2の中に、リスト候補WA1a〜WA1eにそれぞれ対応したリスト候補アイコンRACa、RACb、RACc、RACd及びRACeを地図上の該当する位置に表示し得るようにもなされている。
【0050】
この場合、PND1のCPU20は、自車位置マークP1の周辺にどのような位置関係で最寄地点のコンビニエンスストアやガソリンスタンドが点在しているのかをユーザに対して視覚的に認識させることができるので、いずれの最寄地点にこれから向かうべきかを直感的かつ瞬時に決定させ得るようになされている。
【0051】
(5)動作及び効果
以上の構成において、PND1のCPU20は、モニター3のLCD24に表示したナビゲーション地図画像NG1において、ユーザ所望の検索対象範囲を指定させる場合、ユーザの指先よりも僅かに大きなサイズの矩形状でなる検索対象エリア設定枠SA1や三角形状でなる検索対象エリア設定枠SA3を表示し、それがタッチ操作された状態でユーザ所望の方向へなぞらせることにより、最終的な検索対象範囲の大きさ及びその範囲をユーザに指定させることができる。
【0052】
このときPND1のCPU20は、検索対象エリア設定枠SA1、SA3の大きさ及び範囲が検索対象エリア設定枠SA2、SA4へ動的に変化する様子をユーザに目視確認させながら、ユーザの指先によるタッチ操作だけで最終的な検索対象範囲を指定させるようにしたことにより、ユーザが直感的に希望する大きさ及び範囲を忠実に反映した検索対象範囲を、ユーザのタッチ操作が解除された時点で瞬時に決定することができる。
【0053】
従ってPND1では、そのユーザによって指定された検索対象範囲でユーザ所望の最寄地点を検索すれば、ユーザの検索したい地図上の所望範囲だけに的を絞った最寄地点の検索処理結果を当該ユーザへ提供することができる。
【0054】
これによりPND1は、ユーザにとって気に入らない検索処理結果を提示することがなくなるため、ストレスフリーな状態で当該PND1をユーザに操作させ、ユーザに対する操作負担を大幅に軽減し得ると共に操作性及び利便性を一段と向上させることができる。
【0055】
またPND1は、最寄地点の検索処理結果を検索対象エリア設定枠SA2、SA4で示される検索対象範囲内に、リスト候補アイコンRACa、RACb、RACc、RACd及びRACeとして地図上の該当する位置にそれぞれ表示することにより、自車位置マークP1に示す現在位置から最も距離的に近い最寄地点をユーザに対して直感的かつ瞬時に認識させ、当該最寄地点を立寄地として短時間のうちに決定させることができるので、ユーザの利便性を一段と向上することもできる。
【0056】
以上の構成によれば、PND1のCPU20は、ナビゲーション地図画像NG1において、検索対象エリア設定枠SA1、SA3をタッチ操作させた状態で任意の方向へなぞらせるだけで、ユーザ所望の大きさ及び範囲でなる検索対象エリア設定枠SA2、SA4を最終的な検索対象範囲として決定し得、かくしてユーザの意図を反映した領域に対する最寄地点の検索処理結果を提示することができる。
【0057】
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、検索対象エリア設定枠SA1、SA3をタッチ操作させた状態でユーザ所望の方向へなぞらせることにより決定した検索対象エリア設定枠SA2、SA4を最終的な検索対象範囲として決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図10に示すようにナビゲーション地図画像NG1を表示しているLCD24の画面上を最初の接触ポイントSP1にタッチ操作させた状態で所定方向へなぞらせることにより描かせた例えば円の検索対象エリア設定枠L1を最終的な検索対象範囲として決定するようにしても良い。
【0058】
また上述の実施の形態においては、検索対象エリア設定枠SA1、SA3をタッチ操作させた状態でユーザ所望の方向へなぞらせることにより決定した矩形状の検索対象エリア設定枠SA2や三角形状でなる検索対象エリア設定枠SA4を最終的な検索対象範囲として決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、五角形や六角形、或いは円形状の検索対象エリア設定枠をタッチ操作させた状態でユーザ所望の方向へなぞらせることにより最終的な検索対象範囲として決定するようにしても良い。
【0059】
さらに上述の実施の形態においては、携帯型で持ち運び可能であり、主に車内で用いられるポータブル形式のPND1に本発明を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、車両の取り付け固定式のカーナビゲーション装置に本発明を適用するようにしても良い。
【0060】
さらに上述の実施の形態においては、検索対象エリア設定枠SA1、SA3をタッチ操作させた状態でユーザ所望の方向へなぞらせることにより決定した検索対象エリア設定枠SA2、SA4を最終的な検索対象範囲として決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図11に示すように、ナビゲーション地図画像NG2に「自車前方のみ」アイコンAC1、「自車後方のみ」アイコンAC2及び「進行方向100m先から」アイコンAC3を表示し、その中からユーザの指先でタッチ操作された「自車前方のみ」アイコンAC1、「自車後方のみ」アイコンAC2又は「進行方向100m先から」アイコンAC3の何れかに対応した領域を最終的な検索対象範囲として自動的に決定するようにしても良い。
【0061】
この場合、PND1のCPU20は、「自車前方のみ」アイコンAC1がタッチ操作されたとき、自車位置マークP1の前方であって、その数100m四方の矩形状範囲を検索対象範囲として決定し、「自車後方のみ」アイコンAC2がタッチ操作されたとき、自車位置マークP1の後方であって、その数100m四方の矩形状範囲を検索対象範囲として決定し、「進行方向100m先から」アイコンAC3がタッチ操作されたとき、自車位置マークP1の進行方向100m先に設定した所定サイズの矩形状範囲SA5を検索対象範囲として決定するようになされている。
【0062】
さらに上述の実施の形態においては、検索対象エリア設定枠SA1、SA3をタッチ操作させた状態でユーザ所望の方向へなぞらせることにより決定した検索対象エリア設定枠SA2、SA4を最終的な検索対象エリアとして決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図12に示すように、ナビゲーション地図画像NG3に「自車左側のみ」アイコンAC4、「自車右側のみ」アイコンAC5及び「進行方向沿いの停止可能な側のみ」アイコンAC6を表示し、その中からユーザの指先でタッチ操作された「自車左側のみ」アイコンAC3、「自車右側のみ」アイコンAC4又は「進行方向沿いの停止可能な側のみ」アイコンAC6の何れかに対応した領域を最終的な検索対象範囲として自動的に決定するようにしても良い。
【0063】
この場合、PND1のCPU20は、「自車左側のみ」アイコンAC4がタッチ操作されたとき、自車位置マークP1の左側であって、その数100m四方の矩形状範囲を検索対象範囲として決定し、「自車右側のみ」アイコンAC5がタッチ操作されたとき、自車位置マークP1の右側であって、その数100m四方の矩形状範囲を検索対象範囲として決定し、「進行方向沿いの停止可能な側のみ」アイコンAC6がタッチ操作されたとき、自車位置マークP1の進行方向沿いの左側車線(例えば日本の場合)から停止することが可能な領域を示した矩形状範囲SA6を検索対象範囲として決定するようになされている。
【0064】
さらに上述の実施の形態においては、PND1のCPU20が不揮発性メモリ21に格納されている最寄検索処理プログラムに従い、上述した最寄検索処理手順を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、記録媒体からインストールした最寄検索処理プログラムや、インターネットからダウンロードした最寄検索処理プログラム、その他種々のルートによってインストールした最寄検索処理プログラムに従って上述した最寄検索処理手順を実行するようにしても良い。
【0065】
さらに上述の実施の形態においては、表示手段としてのLCD24、検索手段及び検索対象範囲決定手段としてのCPU20によって本発明のナビゲーション装置としてのPND1を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる表示手段、検索手段及び検索対象範囲決定手段によってナビゲーション装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のナビゲーション装置及び最寄検索方法は、例えばPND等のカーナビゲーション装置以外にも、ナビゲーション機能を搭載したノートブック型パーソナルコンピュータ、ナビゲーション機能を搭載したゲーム機、ナビゲーション機能を搭載した携帯電話機等のその他種々の電子機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】PNDの外観構成を示す略線的斜視図である。
【図2】PNDの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図3】最寄検索処理の機能ブロックを示す略線的ブロック図である。
【図4】最寄検索処理手順を示すフローチャートである。
【図5】検索条件決定画面を示す略線図である。
【図6】検索対象エリア設定枠の動的設定(1)の説明に供する略線図である。
【図7】検索対象エリア設定枠の動的設定(2)の説明に供する略線図である。
【図8】検索処理結果提示画面(1)を示す略線図である。
【図9】検索処理結果提示画面(2)を示す略線図である。
【図10】他の実施の形態における検索対象範囲の設定手法の説明に供する略線図である。
【図11】他の実施の形態における検索対象エリア設定枠の決定手法(1)の設定に供する略線図である。
【図12】他の実施の形態における検索対象エリア設定枠の設定手法(2)の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
【0068】
1……PND、2……本体部、3……モニター、20……CPU、21……不揮発性メモリ、22……RAM、23……GPSユニット、24……LCD、25……タッチパネル、26……音声処理部、27……スピーカ、28……外部メモリ、29……バッテリ、30……センサ部、31……通信部、NG1〜NG3……ナビゲーション地図画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星からの情報に基づいて現在位置を求め、地図画像の上で当該現在位置から目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置であって、
上記地図画像を表示する表示手段と、
上記地図画像上の自車位置の周辺に存在する最寄地点を検索する検索手段と、
上記最寄地点を検索するときの検索対象エリア設定枠がユーザによって指定されたとき、当該検索対象エリア設定枠を上記検索手段により検索する際の検索対象範囲として決定する検索対象範囲決定手段と
を具えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
上記検索対象範囲決定手段は、矩形状でなる所定サイズの上記検索対象エリア設定枠を上記地図画像に重ねて表示し、上記検索対象エリア設定枠を上記ユーザの指定に従って拡大又は縮小することにより上記検索対象範囲を動的に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
上記検索対象範囲決定手段は、上記ユーザ所望の大きさ及び形状に指定された上記検索対象エリア設定枠を上記検索対象範囲として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
上記検索対象範囲決定手段は、上記ユーザの指定により、自車位置を基準として予め設定された前方向、後方向、右方向又は左方向の何れかに上記検索対象範囲を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
上記検索対象範囲決定手段は、上記ユーザの指定により、自車位置に対して予め設定された距離よりも進行方向前方に上記検索対象範囲を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
上記検索対象範囲決定手段は、道路の進行方向における車両停止側に上記検索対象範囲を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
衛星からの情報に基づいて現在位置を求め、地図画像の上で当該現在位置から目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置の最寄地点検索方法であって、
上記地図画像を所定の表示手段に表示する地図表示ステップと、
上記地図画像上の自車位置の周辺に存在する最寄地点を所定の検索手段によって検索する際、上記最寄地点を検索するときの検索対象エリア設定枠をユーザに指定させる検索対象エリア設定枠指定ステップと、
上記検索範囲指定ステップで指定された上記検索対象エリア設定枠を上記検索手段による検索対象範囲として上記最寄地点を検索する検索ステップと、
上記検索ステップで上記検索対象範囲を検索することにより得られた上記最寄地点の検索処理結果を上記表示手段に表示する検索結果提示ステップと
を具えることを特徴とする最寄検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−304324(P2008−304324A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151769(P2007−151769)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】