説明

ナビゲーション装置及び目的地設定システム

【課題】簡単な操作で、かつ、多くの情報を踏まえた上での目的地の設定が可能なナビゲーション装置に関する技術を提供する。
【解決手段】経路探索を行うナビゲーション装置であって、
地図に関する地図情報と共に前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を表示する表示手段と、前記地図情報の中から、目的地候補の指定を受け付ける目的地候補指定手段と、前記目的地候補指定手段で指定された目的地候補に関する目的地候補情報を前記携帯端末で受信可能な所定コードに変換する変換手段と、前記変換手段によって変換された所定コードを携帯端末で受信し、該携帯端末による目的地候補の検索結果を踏まえて決定された目的地について経路探索を行う経路探索手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び目的地設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、住所、名前、電話番号等といった目的地を特定するための目的地情報に基づいて経路探索を行う。このようなナビゲーション装置では、目的地の設定を操作部から直接入力する必要があり利便性が悪いという問題があった。このような問題を解決する技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、目的地の経度緯度情報をバーコードに変換して印刷し、印刷した携帯端末で読み取り、携帯端末で読み取られた情報をナビゲーション装置に送信する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−333383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
目的地の経度緯度情報をバーコードに変換して印刷し、印刷した携帯端末で読み取り、携帯端末で読み取られた情報をナビゲーション装置に送信する技術が知られている。この技術によれば、例えば自宅のコンピュータによって目的地の経度緯度情報をバーコードに変換して印刷することができる。そして、この印刷されたバーコードを携帯端末で読み取り、ナビゲーション装置へ送信することで、目的地の設定を操作部から行わずに目的地の設定を行うことができる。
【0004】
しかしながら、上記従来の技術は、自宅のコンピュータ等によって予め目的地を決定しておかなければならない。また、複数の目的地候補をバーコードに印刷しておくことは可能であるものの、携帯端末で読み取って、ナビゲーション装置へ送信できる情報は、これらに制限される。つまり、外出後において、予め目的地として意識していなかった場所を目的地として設定する場合には、従来どおり、ナビゲーション装置から直接入力する必要がある。
【0005】
ドライブでは、目的地を決定せずに出発することも想定され、また、予め目的地が決まっている場合であっても、例えば、お腹が空いたことで目的地への途中でお店に立ち寄りたいが地域の情報が分からないといった場面も想定される。更に、走行中に看板等を通じて得た情報をより詳しく知りたいといったこともある。ナビゲーション装置の地図情報を用いてこれらの情報を取得することも考えられるが、ナビゲーション装置の地図情報は、リアルタイムな情報でない場合も少なくなく、また、そもそもナビゲーション装置内の情報量は、それほど多くない。そこでこのような場合には、ネットワーク回線を通じて各種サーバへアクセスすることで様々な検索が可能な検索機能を有する携帯端末を利用して周辺地域の検索やお店の情報を得ることが行われている。しかし、携帯端末で検索するに際しては、例えば検索対象として目的地の住所等を入力することが要求されるが、住所が分からない場合も少なくない。また、住所や名称等の文字入力は、煩わしいといった懸念もある。更に、車両の走行中は、携帯端末やナビゲーション装置の使用が制限されることから、より簡易な操作、すなわち短い時間で操作ができることが求められる。
【0006】
本発明では、上記した問題に鑑み、簡単な操作で、かつ、多くの情報を踏まえた上での目的地の設定が可能なナビゲーション装置に関する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上述した課題を解決するために、ナビゲーション装置でユーザの希望する
目的地候補を受け付け、受け付けた目的地候補に関する情報を携帯端末で受信可能な所定のコードに変換することとした。
【0008】
詳細には、本発明は、経路探索を行うナビゲーション装置であって、地図に関する地図情報と共に前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を表示する表示手段と、前記地図情報の中から、目的地候補の指定を受け付ける目的地候補指定手段と、前記目的地候補指定手段で指定された目的地候補に関する目的地候補情報を前記携帯端末で受信可能な所定コードに変換する変換手段と、前記変換手段によって変換された所定コードを携帯端末で受信し、該携帯端末による目的地候補の検索結果を踏まえて決定された目的地について経路探索を行う経路探索手段と、を備える。
【0009】
本発明によれば、変換手段によって目的地候補情報を携帯端末で受信可能な所定コードに変換することで、目的地候補について、携帯端末での検索が可能となる。携帯端末は、ネットワークを介して各種サーバに接続可能な検索機能を有する携帯端末であればよく、このような携帯端末によって所定コードを読み取ることで、目的地候補に関するリアルタイムな情報やナビゲーション装置には記憶されていないより詳細な情報を取得することができる。ナビゲーション装置の地図情報は、ナビゲーション装置が一般的にネットワーク回線との通信機能を持たないことから、情報が劣化することが懸念される。しかし、携帯端末によればリアルタイムな情報やナビゲーション装置には記憶されていないより詳細な情報の取得が可能であり、ユーザは、これらの情報を踏まえて目的地を決定することが可能となる。また、携帯端末による検索に際しても、携帯端末への入力の手間を省くことができる。
【0010】
表示手段は、地図に関する地図情報と共にナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を表示する。従って、ユーザは、現在位置及び現在位置の周辺地域の情報を視覚を通じて認識することができる。現在位置情報の取得は、例えば、従来のナビゲーション装置に備えられているGPS(Global Positioning System)機能を利用すればよい。
【0011】
目的地候補指定手段は、目的地候補の指定を受け付ける。目的地候補の指定は、表示手段をタッチパネル方式とした場合、直接指で行うことができる。また、目的地候補の指定は、ナビゲーション装置の操作部によって行うようにしてもよい。なお、目的地候補は、最終的に目的地となる場所の他、目的地を決定する際の基準となる場所であってもよい。目的地を決定する際の基準となる場所とは、換言すると周辺検索をする場合における基準地点である。また、目的地候補は、換言すると、携帯端末による検索を希望する対象地でもある。
【0012】
変換手段は、指定された目的地候補に関する目的地候補情報を携帯端末で受信可能な所定コードに変換する。目的地候補情報には、目的地候補の名称、URL(Uniform Resource Locator)、経度緯度、住所、電話番号等のうち少なくともいずれか一つが含まれる。所定コードには、携帯端末で受信可能なQRコード(登録商標)が例示される。所定コードは、特に限定されるものではないが、QRコードを用いることで容易にコードの生成ができ、また、携帯端末での受信を容易に行うことができる。また、所定コードは、目的地候補情報に対応した文字コードとしてもよい。この場合、文字コードは、ナビゲーション装置と携帯端末とを電気的に接続可能とすることで、携帯端末での受信が可能となる。携帯端末での受信には、QRコードを取得する場合のように、携帯端末側からアクセスして所定コードを受信する場合の他、ナビゲーション装置側から送信される所定コードを受信する場合も含まれる。ナビゲーション装置側から送信される所定コードの受信は、例えばBluetooth(登録商標)を用いることで実現することができる。
【0013】
経路探索手段は、携帯端末による検索結果を踏まえて決定された目的地について経路探
索を行う。ナビゲーション装置の地図情報は、ナビゲーション装置が一般的にネットワーク回線との通信機能を持たないことから、情報が劣化することが懸念される。これに対し、携帯端末は、各種サーバへの通信機能を有し、検索機能を有する携帯端末によれば様々な情報をリアルタイムに検索することができる。従って、本発明に係るナビゲーション装置では、このような検索機能を有する既存の携帯端末の検索機能を有効に利用することで、目的地候補に関するリアルタイムな情報を考慮した目的地の決定が可能となる。なお、検索機能を有する携帯端末では、例えば、検索地として住所や電話番号の入力が要求されるが、本発明に係るナビゲーション装置を用いる場合には、所定コードを受信するだけでよいので、検索する際の入力の煩わしさが大幅に低減される。
【0014】
ここで、本発明に係るナビゲーション装置は、前記携帯端末による目的地候補の検索結果を踏まえて決定された目的地に関する目的地情報を、該携帯端末から受け付ける受付手段を更に備える構成とすることができる。また、前記経路探索手段は、前記受付手段で受け付けた目的地情報と前記現在位置情報とに基づいて経路探索を行うようにしてもよい。
【0015】
携帯端末では、変換手段によって変換された所定コードを受信することで、目的地候補の検索が可能となる。例えば、目的地候補としてお店の名称がダイレクトに指定されている場合には、携帯端末で検索することでそのお店の営業時間や口コミ情報等を確認することができる。また、目的地候補として住所のみが指定されている場合には、その住所を基点として周辺地域情報を得ることが可能となる。このような検索機能は、既存の携帯端末に搭載されている検索機能を用いることができる。そして、目的地候補として指定したお店を最終的な目的地として設定したい場合には、携帯端末側の操作によりそのお店の情報を目的地情報としてナビゲーション装置へ送信する。また、周辺地域の検索結果に基づいて目的地を決定した場合には、携帯端末側の操作によりその目的地を最終的な目的地としてこの目的地の目的地情報をナビゲーション装置へ送信する。目的地情報には、目的地の住所、名称、URL、経度緯度情報が例示される。本発明に係るナビゲーション装置では、このように携帯端末から送信される目的地情報を、受付手段で受け付ける。そして、経路探索手段は、この目的地に関する目的地情報と現在位置情報に基づいて経路探索を行う。
【0016】
ここで、本発明に係るナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置は、車両に搭載され、前記変換手段による変換は、該ナビゲーション装置を搭載する車両の走行状態に応じて、その実行が制限されるようにしてもよい。車両に搭載されるナビゲーション装置では、車両の走行中、安全性を考慮して操作が制限されることが好ましい。そこで、本発明に係るナビゲーション装置では、変換手段による変換を、車両の走行状態に応じて制限することとした。
【0017】
また、上述した本発明に係るナビゲーション装置は、前記変換手段による変換の実行を受け付ける変換ボタンを更に備えるように構成してもよい。また、前記変換ボタンは、前記表示手段に表示され、該ナビゲーション装置を搭載する車両の走行状態に応じて表示態様が変化し、かつ、該車両が停止状態において変換の実行を受け付けるようにしてもよい。
【0018】
変換ボタンは、変換手段による変換の実行をユーザから受け付ける。すなわち、ユーザからの指示により、変換手段による変換が実行される。なお、本発明に係るナビゲーション装置は、走行中の安全性を考慮して、車両が停止状態において変換の実行を受け付けるように構成されている。また、本発明に係るナビゲーション装置では、表示手段に変換ボタンが表示される。例えば、走行中も停車中も同じ態様で変換ボタンが表示されると、ユーザは走行中においても変換操作を試みる虞がある。そこで、本発明に係るナビゲーション装置では、表示手段に表示される変換ボタンの表示態様を車両の走行状態に応じて変化
させることとした。表示態様の変化には、停止状態おいてのみ変換ボタンを表示する態様、走行状態において変換ボタンを半透明として表示する態様、走行状態において変換ボタンの色を変更する態様等が例示される。
【0019】
また、本発明に係るナビゲーション装置において、前記変換ボタンは、前記表示手段に表示され、前記表示手段に表示される地図情報の縮尺に応じて表示態様が変化し、かつ、該地図情報の縮尺が所定の縮尺以下の場合において変換の実行を受け付けるようにしてもよい。
【0020】
ナビゲーション装置の表示手段に表示される地図情報は、一般的に、縮尺が変更可能である。そして、ユーザは、目的に応じて自由に縮尺を変更する。しかし、例えば、縮尺が非常に大きい場合に目的地候補の指定を受け付けても、ユーザが希望する特定の場所を確実に指定することができない場合もある。また、本来希望する場所とは異なる場所を指定したまま、検索を進めてしまうと、初めからやり直さなければならないと不具合も起こりうる。そこで、本発明に係るナビゲーション装置では、地図情報の縮尺に応じて変換の実行を制限することとした。なお、所定の縮尺には、縮尺800mが例示される。縮尺が縮尺800mを上回ると目的地候補の指定が困難になるからである。所定の縮尺は、目的地候補の指定ができるか否かに応じて適宜設定することができる。また、表示態様の変化には、停止状態おいてのみ変換ボタンを表示する態様、走行状態において変換ボタンを半透明として表示する態様、走行状態において変換ボタンの色を変更する態様等が例示される。
【0021】
また、本発明に係るナビゲーション装置において、前記表示手段は、前記変換手段によって変換された所定コードを、前記目的地候補指定手段で指定された目的地候補と関連付けて表示するようにしてもよい。例えば、所定コードをQRコードとする場合には、QRコードは、携帯端末で受信させるため、表示手段に表示する必要がある。この時、表示を切り替えるようにしてもよいが、表示を切り替えてしまうと目的地候補がどこであるかが分かりづらくなる虞がある。そこで、本発明に係るナビゲーション装置では、目的地候補と関連付けて表示することとした。目的地候補と関連付けて表示する態様としては、例えば、指定された目的地候補から吹き出しを表示し、その吹き出し内に所定コード(例えば、QRコード)を表示する態様が例示される。
【0022】
また、本発明は、上述したナビゲーション装置と、携帯端末とを備える目的地設定システムとしてもよい。上述したナビゲーション装置と、携帯端末とを一つのシステムとして機能させることで、簡単かつ容易に目的地の設定を行うことができる。
【0023】
なお、本発明は、上述したナビゲーション装置を制御するナビ制御装置、ナビゲーション装置で実行される処理を実現させる方法、又はプログラムであってもよい。更に、本発明は、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、簡単な操作で、かつ、多くの情報を踏まえた上での目的地の設定が可能なナビゲーション装置に関する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、ナビゲーション装置を含む目的地設定システムを例に説明する。
【0026】
<構成>
図1は、第一実施形態の目的地設定システムの概略構成を示す。同図に示すように、本実施形態の目的地設定システム1は、車両に搭載されたナビゲーション装置2と、携帯端末3とによって構成されている。また、携帯端末3は、ネットワークを通じて情報提供サービス業者に設置されるサーバ4と接続されている。
【0027】
(ナビゲーション装置)
まず、車両に搭載されるナビゲーション装置2について説明する。ここで、図2は、ナビゲーション装置2の概略構成を示す。本実施形態のナビゲーション装置2は、ディスク再生部21と、メモリーカード再生部22と、TV受信部23と、ラジオ受信部24と、ディスプレイ25と、GPS情報受信部26と、操作部27と、通信部28と、これらと電気的に接続される制御部20と、により構成されている。
【0028】
ディスク再生部21は、CDやDVD等に記録されているコンテンツを再生する。ディスク再生部21は、CD/DVDデッキによって構成することができる。メモリーカード再生部22は、USBメモリ、SDメモリーカードといった移動型記憶媒体に格納されているコンテンツを再生する。TV受信部23は、DTV(Digital Television)放送やワンセグ放送を受信する。TV受信部23は、既存のチューナによって構成することができる。ラジオ受信部24は、FM放送、AM放送、VICS情報等を受信する。ラジオ受信部24は、既存のチューナによって構成することができる。
【0029】
GPS情報受信部26は、GPS情報を受信する。GPS情報受信部26は、既存のGPS用受信アンテナによって構成することができる。操作部27は、ユーザの操作に応じて、操作ボタンに対応する電気信号を制御部20へ送信する。操作部27は、ナビゲーション装置2に設けてもよく、また、遠隔操作を可能とするリモートコントローラであってもよい。
【0030】
ディスプレイ25は、本発明の表示手段に相当し、地図情報と共に現在位置を表示する。また、ディスプレイ25は、上記に加えて、サーチボタン251、目的地セットボタン252、QRコード253を表示する。ここで、図3は、ディスプレイ25に地図情報を表示している状態の一例を示す。また、図4は、ディスプレイ25にQRコードを表示している状態の一例を示す。図3に示すように、ディスプレイ25には、現在位置を示す現在位置マーク254が地図情報と共に表示されている。また、ディスプレイ25には、本発明の変換ボタンに相当するサーチボタン251が表示されている。このサーチボタン251がユーザによって選択されると(タッチされると)、QRコードが生成され、その後、図4に示す画面に切り替わる。すなわち、ディスプレイ25に、現在位置マーク254の位置情報(本態様では、URL及び経度緯度情報)と共に現在位置マーク254の位置情報を含むQRコードが表示される。なお、QRコードの変換処理については後述する。また、上記態様は、本発明における目的地候補として現在位置が選択された場合である。つまり、現在位置周辺の情報を携帯端末3を通じて検索する態様である。なお、目的地候補は、現在位置に限らず、ディスプレイ25上を適宜選択することができる。現在位置以外を目的地候補として選択する態様については、第二実施形態で説明する。また、本実施形態では、ディスプレイ25が、タッチパネルによって構成されているが、既存の様々なディスプレイを適用することができる。このような場合には、操作部やリモートコントローラによって目的地候補を選択すればよい。
【0031】
通信部28は、携帯端末3から出力される赤外線を受信する。本実施形態では、通信部
28が赤外線ポートによって構成されているが、携帯端末3から送信される目的地情報を取得できるよう電気的に接続できればよく、その態様は限定されるものではない。通信部28は、有線、無線を問わない。通信部28は、ケーブルを接続するコネクタであってもよく、また、Bluetooth(登録商標)であってもよい。
【0032】
次に、ナビゲーション装置2の制御部20ついて説明する。図5は、ナビゲーション装置2の機能ブロック図を示す。同図に示すように、制御部20は、再生処理201と、目的地候補受付部202と、コード変換部203と、経路探索部204と、メモリ205と、によって構成されている。なお、制御部20は、CPU、メモリ等を含むコンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。また、制御部20には、上記に加えて、ナビゲーション装置としての基本的な機能を担う、渋滞情報取得部等が設けられていてもよい。
【0033】
再生処理部201は、ラジオ受信部24若しくはTV受信部23で受信した楽曲情報を再生処理する。
【0034】
目的地候補受付部202は、目的地候補の指定を受け付ける。具体的には、ディスプレイ25を介してのユーザからの選択指示がない状態(目的地候補としての選択がなされない状態)でサーチボタン251が押されると、目的地候補受付部202は、目的地候補として現在位置が指定されたと認識する。なお、目的地候補受付部202は、現在位置マーク254をユーザが選択後にサーチボタン251が押された場合、目的地候補として現在位置が指定されたと認識してもよい。なお、現在位置マーク254とは異なる場所が目的地候補として選択される場合の処理については、第二実施形態において説明する。なお、目的地候補受付部202とタッチパネル方式のディスプレイ25が、本発明に係る目的地候補指定手段に相当する。
【0035】
コード変換部203は、本発明に係る変換手段に相当し、目的地候補の指定が行われると、指定された目的地候補の目的地候補情報を携帯端末3で受信可能なコード、すなわち、本実施形態では、QRコードに変換し、ディスプレイ25に表示する。より具体的には、サーチボタン251が押されると、現在位置の現在位置情報(本態様では、URL、経度緯度情報)を携帯端末3で受信可能なQRコードに変換する。QRコードへの変換(QRコードの生成)は、バージョン、セルサイズの決定等を行い、経度緯度情報、住所、電話番号、URL、ナビゲーション装置2のシリアルナンバー等の必要な情報に基づいて行う。このようなQRコードへの変換は、既存のQRコード生成プログラムによって実現することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、コードとして二次元コードとしてのQRコードを用いたがこれに限定されるものではない。コードは、経度緯度、住所、名称といった必要な情報が記録でき、携帯端末3によって受信可能であればよい。従って、例えば、経度緯度等の必要な情報を文字コード化してディスプレイ25に表示するようにしてもよい。文字コード化された情報は、Bluetooth(登録商標)、FeliCa(登録商標)、といった無線通信技術を用
い、携帯端末で受信することができる。このような態様については、第六実施形態において説明する。
【0037】
経路探索部204は、携帯端末3から送信される目的地情報(例えば、経度緯度)と現在位置マーク254に基づいて経路探索を行う。経路探索部204による経路探索は、既存のナビゲーション装置に用いられている経路探索プログラムによって実現することができる。
【0038】
(携帯端末)
次に携帯端末3について説明する。携帯端末3は、ディスプレイ25に表示されるQRコードを受信し、受信したQRコードに含まれる目的地候補情報に基づいて検索を行い、検索結果を踏まえて決定された目的地の目的地情報(例えば、経度緯度)をナビゲーション装置へ送信する。ここで、図6は、携帯端末3の機能ブロック図を示す。図6に示すように、携帯端末3は、CPU34、制御部31、操作部32、表示部33、カメラ35、外部機器と接続可能なインターフェース部36から構成されている。また、制御部31は、コード取得部311、コード処理部312、メモリ313、転送部314、検索部315から構成されている。
【0039】
CPU34は、各ハードウェアと接続され、例えばメモリ313としてのROMに格納された制御プログラムに従って、所定の処理を実行する。メモリ313は、揮発性のRAMと、不揮発性のROMとを含む。操作部32は、携帯端末3を操作するのに必要な一般的な操作ボタンであればよく、タッチディスプレイ方式であってもよい。インターフェース部36は、ナビゲーション装置2と通信可能な赤外線ポートによって構成されている。但し、インターフェース部36は、ナビゲーション装置2と電気的に接続可能なものであればよく、有線、無線を問わない。インターフェース部36は、ケーブルを接続するコネクタであってもよく、また、Bluetooth(登録商標)であってもよい。コード取得部31
1は、カメラ35を介してナビゲーション装置2のディスプレイ25に表示されるQRコードを取得する。
【0040】
コード処理部312は、コード取得部311で取得されたQRコードに含まれる目的地候補情報を取得し、所定の処理を実行する。具体的には、コード処理部312は、QRコードに含まれる位置情報、名称、住所、URL、ナビゲーション装置2のシリアルナンバー等を取得する。なお、コード処理部312は、CPU34で実行可能な既存のQRコード読取プログラムによって構成することができる。なお、タイトル、ID、URL、ナビゲーション装置2のシリアルナンバーといった情報を含む文字コードをBluetooth、FeliCaといった無線通信技術を用いて取得した場合には、コード処理部312は、このような
文字コードを受信するとともに表示部33に表示することができる。
【0041】
検索部315は、コード処理部312がQRコードを読み込むと、読み込まれたQRコードに基づいて情報提供サービス業者が提供する情報検索Webサイトへアクセスする。この時、表示部33には、情報提供サービス業者が提供する情報検索用のWebページが表示される。Webページには、すでに検索対象としてQRコードを読み込むことで取得された目的地候補情報(本実施形態では、URL、経度緯度)が入力されているので、他の検索条件(例えば、お店のジャンル等)を入力して検索を実行する。これにより、現在位置の周辺のお店等の情報の取得が可能となる。
【0042】
転送部314は、検索部315で検索され、最終的に目的地として設定された目的地情報をインターフェース部36を介してナビゲーション装置2へ送信する。転送部314は、CPU34上で実行されるコンピュータプログラムとして構成することができる。なお、転送部314を構成するプログラムは、上記コード処理部312を構成するプログラムに組み込んでもよい。メモリ313は、携帯端末3に必要な各種制御プログラム、すなわち、コード処理部39や転送部314を構成するプログラムを格納する。
【0043】
<処理フロー>
次に本実施形態の目的地設定システム1で行われる目的地設定処理フローについて説明する。本実施形態では、目的地候補として現在位置を用い、現在位置の情報をQRコードに変換して、携帯端末3によって現在位置の周辺地域の情報を検索し、検索結果を踏まえて決定された目的地をナビゲーション装置2へ転送して、経路探索を実行する場合を例に説明する。図7は、目的地設定システム1で行われる目的地設定処理フローを示す。
【0044】
ステップS01では、目的地候補が設定される。本実施形態では、現在位置の周辺検索が目的であるため、目的地候補として現在位置が設定される。なお、本実施形態のように、目的地候補として現在位置を設定する場合、目的地候補受付部202は、ディスプレイ25を介したユーザからの選択指示がない状態で、サーチボタン251が押されると、目的地候補として現在位置が指定されたと認識する。なお、現在位置マーク254を選択後にサーチボタン251がタッチされた場合にも、目的地候補受付部202は、目的地候補として現在位置が指定されたと認識する。なお、現在位置とは異なる場所を目的地候補として選択する場合の処理については、第二実施形態で説明する。目的地候補の設定が完了すると、ステップS02へ進む。
【0045】
ステップS02では、QRコードへの変換と変換したQRコードの表示が行われる。本実施形態では、目的地候補として設定された現在位置のURL及び経度緯度情報が、コード変換部203によって、携帯端末3で受信可能なQRコードへ変換される。このコード変換部203によるコード変換処理は、ディスプレイ25に表示されているサーチボタン251がユーザによってタッチされることで開始される。ここで、図8は、サーチボタン251がタッチされている状態を示す。なお、図8に示すように、本実施形態では、現在位置マーク254が目的地候補として設定されることから、ディスプレイ25には、現在位置を示す現在位置マーク254のみが表示されている。現在位置以外が目的地候補として指定される場合には、現在位置マークの他に、目的地候補としてGマークが表示されることになる。この態様については、第二実施形態で説明する。
【0046】
QRコードへの変換が終了すると、コード変換部203によって変換されたQRコードがディスプレイ25に表示される。すなわち、サーチボタン251がタッチされると、まもなく、ディスプレイ25の表示が切り替わり変換されたQRコードが表示される(図4参照)。QRコードへの変換及び変換したQRコードの表示が完了すると、ステップS03へ進む。
【0047】
ステップS03では、携帯端末3によりQRコードが受信される。ここで、図9は、携帯端末3でQRコードを読み取る状態を示す。本実施形態では、QRコードの受信が、QRコードを読み取るアプリケーションが立ち上げられ、携帯端末3のカメラ35によって撮影することで行われる。これにより、目的地候補情報として現在位置の経度緯度等が取得される。QRコードの受信が完了すると、ステップS04へ進む。
【0048】
ステップS04では、検索部315によって検索が実行される。具体的には、検索部315は、コード処理部312がQRコードを読み込むと、情報提供サービス業者が提供する情報検索Webサイトへアクセスする。そして、表示部33には、情報提供サービス業者が提供する情報検索用のWebページが表示される。ここで、図10は、携帯端末3の表示部33に表示される情報検索用のWebページの一例のうち、検索画面を示す。Webページの上部には、検索対象が表示されている。この検索対象は、QRコードを読み込むことで自動的に設定されたものである。検索対象の下方には、グルメ情報、観光・温泉・キャンプ情報、ドライブ情報といったカテゴリーに分類された検索条件が列挙されている。例えば、グルメ情報には、「すべて」、「寿司」、「そば・うどん」といったチェックボックスが設けられている。また、観光・温泉・キャンプ情報には、「すべて」、「温泉地」、「日帰り温泉」といったチェックボックスが設けられている。更に、ドライブ情報には、「すべて」、「ガソリンスタンド」、「SA・PA」といったチェックボックスが設けられている。ユーザによってユーザが希望する検索条件が設定され、検索ボタンが押されると、検索部315は、検索条件に合った情報を抽出し、画面上に表示する。検索が完了するとステップS05へ進む。
【0049】
ステップS05では、ユーザによって検索結果を考慮した目的地が決定されると、転送部314によって、決定された目的地が携帯端末3からナビゲーション装置2へ送信される。すなわち、転送部314は、Webページに設けられている送信ボタン331が押されると、Webページ上で最終的に目的地として決定された目的地の情報(目的地情報)を赤外線通信によってナビゲーション装置4へ送信する。ここで、図11は、携帯端末3の表示部33に表示される情報検索用のWebページの一例のうち、検索結果を示す。図11に示すWebページには、検索条件を満たしたお店の一覧と共に、「赤外線通信を開始しますか?」とのコメントと、検索条件を満たしたお店の位置情報の送信を実行する送信ボタン331が表示されている。従って、ユーザは、Web画面に表示されているお店を確認し、目的地として設定したいお店を選択して、送信ボタン331を押す。これにより、決定された目的地の目的地情報が携帯端末3へ送信される。なお、目的地は、複数選択し、同時に複数の目的地の位置情報を送信するようにしてもよい。目的地情報の送信が完了すると、ステップS06へ進む。
【0050】
ステップS06では、ナビゲーション装置2の通信部28で受信した携帯端末3からの赤外線を通じて目的地情報(例えば、経度緯度)が取得される。ナビゲーション装置2の通信部28による目的地情報の取得が完了するとステップS07へ進む。
【0051】
ステップS07では、経路探索部204により、通信部28で取得した目的地情報と現在位置情報とに基づいて経路探索が開始される。なお、経路探索部204による経路探索は、既存のナビゲーション装置に用いられている経路探索プログラムによって実現可能である。従って、その説明は割愛する。
【0052】
<効果>
以上説明した第一実施形態に係る目的地設定システム1によれば、コード変換部203によって目的地候補情報(本実施形態では、現在位置の位置情報)を携帯端末で受信可能なQRコードに変換することで、現在位置の周辺の情報を、携帯端末3によって検索することが可能となる。携帯端末3は、ネットワークを介して情報提供サービス業者のサーバ4に接続されているので、携帯端末3の表示部33に表示されるWebページにおいて検索を実行することで、検索条件を満たすお店等に関するリアルタイムな情報やナビゲーション装置には記憶されていないより詳細な情報を取得することが可能となる。また、携帯端末3は、検索機能を有する既存のものを用いることができるが、従来では、現在位置が不明、入力が面倒といった問題があった。しかしながら、本実施形態に係る目的地設定システム1によれば、QRコードを読み込むことで、検索対象として現在位置が自動的に設定されるので、現在位置が分からない場合にも検索ができ、また、入力の手間を省くことができる。このように、本実施形態に係る目的地設定システム1によれば、従来よりも簡単な操作で、かつ、多くの情報を踏まえた上での目的地の設定が可能となる。また、携帯端末3は、検索結果の情報の全てを有するのに対し、ナビゲーション装置2は、携帯端末3から送信される目的地情報のみを有する。すなわち、ナビゲーション装置2は、経路探索に必要な最低限の情報のみを有する。従って、ナビゲーション装置2の記憶領域に記憶される情報量を少なくすることができ、また、ナビゲーション装置2の処理負荷の低減も可能となる。一方、携帯端末3は、車両を離れた際にも使用できるので、車両から降りて目的地まで歩く際、検索結果としての情報を活用することができる。
【0053】
<第二実施形態>
第一実施形態では、目的地候補として、現在位置を指定した場合について説明したが、目的地候補は、自由に設定することができる。そこで、第二実施形態では、目的地候補を現在位置とは異なる場所に指定した場合について説明する。なお、第一実施形態と同様の構成や同様の処理について説明を省略するものとし、相違点を中心に説明する。他の実施形態の説明においても同様とする。
【0054】
第二実施形態に係る目的地設定システム1は、第一実施形態に係る目的地設定システム1と比較して、目的地候補受付部202による処理が異なる。具体的には、目的地候補受付部202は、ディスプレイ25を介してユーザからの目的地候補の指定を受け付け、指定後にサーチボタン251が押されると、指定されたポイントを目的地候補として認識する。ここで、図12は、現在位置とは異なる場所が目的地候補として指定されたディスプレイ25の表示状態を示す。同図では、ディスプレイ25上に、現在位置マーク254の他、目的地候補がGマーク255として表示されている。目的地候補受付部202は、ディスプレイ25でタッチされたポイントを目的地候補として認識する。
【0055】
目的地候補受付部202が目的地候補の指定を受け付けると、コード変換部203は、サーチボタン251が押されたことをトリガとして、受け付けた目的地候補の目的地候補情報(経度緯度等)を携帯端末3で受信可能なコード、すなわち、本実施形態では、QRコードに変換し、ディスプレイ25に表示する。その後は、第一実施形態に係る目的地設定システム1と同様の処理(ステップS02からステップS07)が行われ、経路探索が実行される。
【0056】
以上説明した第二実施形態に係る目的地設定システム1によれば、ナビゲーション装置2のディスプレイ25上の任意のポイントを目的地候補として設定し、設定した目的地候補をQRコードに変換することで、目的地候補の周辺の情報を、携帯端末3によって検索することが可能となる。携帯端末3は、ネットワークを介して情報提供サービス業者のサーバ4に接続されているので、携帯端末3の表示部33に表示されるWebページ上で検索を実行することで、検索条件を満たすお店等に関するリアルタイムな情報やナビゲーション装置には記憶されていないより詳細な情報を取得することが可能となる。更に、携帯端末3には、検索対象として目的地候補が自動的に設定されるので、目的地候補の住所や名称が分からない場合にも検索ができ、また、入力の手間が省くことができる。
【0057】
<第三実施形態>
第三実施形態に係る目的地設定システム1は、サーチボタン251が車両が停止中のみ機能することを特徴とするものである。具体的には、第三実施形態に係る目的地設定システム1は、ナビゲーション装置2aの制御部20aが、第一実施形態の構成に加えて、サーチボタン251の表示状態を制御するサーチボタン制御部206を備える。図13は、第三実施形態に係るナビゲーション装置2aの機能ブロック図を示す。サーチボタン制御部206は、車両の走行状態を判断し、車両が停車中の場合には、サーチボタン251を通常状態で表示する。一方、サーチボタン制御部206は、車両が走行中の場合には、サーチボタン251を半透明の状態で表示する。なお、通常状態では、サーチボタン251の機能が有効であるが、半透明の状態では、サーチボタンの機能が無効になるように設定されている。つまり、サーチボタン251が半透明の状態では、サーチボタン251の存在は視認可能であるが、サーチはできないように設定されている。図14は、サーチボタン251の表示態様の変化を示す。同図に示すように、第三実施形態に係る目的地設定システム1では、サーチボタン251の表示態様が停車中と走行中で異なっており、走行中においては、半透明で表示されると共に、サーチができないように設定されている。このようにすることで、走行中の安全性を向上することができる。なお、本実施形態では、表示態様を変えるにあたり、走行中は半透明とすることとした。但し、表示態様の変化は、これに限定されるものではない。表示態様の変化には、停車中においてのみサーチボタンを表示する態様、走行中と停車中との間でサーチボタンの色を変更する態様等が例示される。
【0058】
<第四実施形態>
第四実施形態に係る目的地設定システム1は、サーチボタン251が地図情報の縮尺が
800m以下においてのみ機能することを特徴とするものである。具体的には、第四実施形態に係る目的地設定システム1は、第三実施形態に係るナビゲーション装置2aと同じく、ナビゲーション装置2aの制御部20aが、第一実施形態の構成に加えて、サーチボタン251の表示状態を制御するサーチボタン制御部206を備える(図13参照。)。本実施形態では、サーチボタン制御部206は、ディスプレイ25に表示されている地図情報の縮尺を判断し、縮尺が800m以下の場合には、サーチボタン251を通常状態で表示する。一方、サーチボタン制御部206は、縮尺が800mを上回る場合には、サーチボタン251を半透明の状態で表示する。なお、通常状態では、サーチボタン251の機能が有効であるが、半透明の状態では、サーチボタンの機能が無効になるように設定されている(図14参照。)。例えば、縮尺が非常に大きい場合において、目的地候補の指定を受け付けても、ユーザが希望する特定の場所を確実に指定することができない場合もある。また、本来希望する場所とは異なる場所を指定したまま、検索を進めてしまうと、初めからやり直さなければならないといった不具合も起こりうる。本実施形態に係る目的地設定システムによれば、このような不具合を防止することができる。
【0059】
<第五実施形態>
第五実施形態に係る目的地設定システム1は、変換されたQRコードが地図情報と関連付けられてディスプレイ25に表示されることを特徴とするものである。第一実施形態に係る目的地設定システム1では、サーチボタン251が押され、目的地候補情報がQRコードに変換されると、ディスプレイ25が地図情報を表示する状態からQRコードを表示する状態へ切り替わった。これに対し、本実施形態では、QRコードが変換されると、地図情報は表示されたままQRコードが表示される。ここで、図15は、地図情報とQRコードが関連付けられて表示されている状態を示す。同図に示すように、本実施形態では、地図情報が表示された状態で、目的地候補を示すGマーク255から吹き出しが表示され、吹き出し内に変換されたQRコード253が表示されている。これにより、本実施形態に係る目的地設定システム1によれば、目的地候補を確認しながらQRコード253を携帯端末へ読み取らせることが可能となる。
【0060】
<第六実施形態>
第六実施形態に係る目的地設定システム1は、ナビゲーション装置2が目的地候補情報を送信する機能を有していることを特徴とするものである。第一実施形態に係る目的地設定システム1では、目的地候補情報がQRコードに変換され、変換されたQRコードは、携帯端末3のカメラ35を介して受信された。そして、通信部28は、赤外線ポートによって構成されており、携帯端末3から送信される目的地情報の受信のみが可能であった。これに対し、第六実施形態に係る目的地設定システム1では、ナビゲーション装置2と携帯端末3との間で無線によるデータ通信が行えるよう、ナビゲーション装置2の通信部28(図2参照。)と携帯端末3のインターフェース部36(図6参照。)が、夫々、Bluetoothによる無線通信が可能に構成されている。従って、第六実施形態に係る目的地設定
システム1によれば、サーチボタンが251がタッチされると、目的地候補情報が携帯端末3で受信可能な所定コードに変換され、ナビゲーション装置2の通信部28から携帯端末3へ向けて送信される。
【0061】
ここで、図16は、目的地候補情報を無線通信で送信する状態を示す。同図に示すように、本態様では、サーチボタン251がタッチされると、携帯端末3で受信可能な所定コードに変換された目的地候補情報が、ナビゲーション装置2の通信部28から携帯端末3へ向けて送信される。そして、所定コードが携帯端末3で受信され、表示部33には、情報提供サービス業者が提供する情報検索用のWebページが表示される。なお、ここでの所定コードとは、Bluetoothで送受信可能なコード(データ)を意味する。検索後におけ
る目的地情報の送信は、携帯端末3のインターフェース部36から行い、送信された目的地情報は、ナビゲーション装置2の通信部28によって受信される。
【0062】
図17は、目的地候補情報を無線通信で送信する場合における、目的地設定システム1で行われる目的地設定処理フローを示す。第一実施形態の目的地設定システムにおける処理と同じく、ステップS01において目的地候補が設定される。続いてステップS02−1では、コード変換部203によって、所定コードへの変換と、変換された所定コードが送信される。続いてステップS03−1では、携帯端末3のインターフェース部36で目的地候補情報が受信され、コード取得部311が目的地候補情報を取得する。続いて、ステップS04において、検索部315による検索が実行され、ステップS05では、転送部314によって、決定された目的地が携帯端末3からナビゲーション装置2へ送信される。その後、ステップS06では、ナビゲーション装置2の通信部28で受信した携帯端末3からの目的地情報(例えば、経度緯度)が受信され、ステップS07において、経路探索部204により、通信部28で取得した目的地情報と現在位置情報とに基づいて経路探索が開始される。なお、上記処理は、ナビゲーション装置2及び携帯端末3にBluetoothによる無線通信を可能とするための既存のプログラムを夫々の制御部へ組み込むことで
実現可能である。
【0063】
第六実施形態に係る目的地設定システム1によれば、ナビゲーション装置2及び携帯端末3の夫々にBluetooth機能を持たせることで、目的地候補情報を含む所定コードを自動
的に携帯端末3へ送信することが可能となる。従って、携帯端末3のカメラ35による撮影といったプロセスを省略することができ、第一実施形態に係る目的地設定システムの優れた効果に加えて、更に利便性を高めることができる。
【0064】
以上、実施形態に係る目的地設定システムについて説明したが、本発明に係るナビゲーション装置、及び目的地設定システムはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】目的地設定システムの概略構成を示す。
【図2】ナビゲーション装置の概略構成を示す。
【図3】ディスプレイに地図情報を表示している状態の一例を示す。
【図4】ディスプレイにQRコードを表示している状態の一例を示す。
【図5】ナビゲーション装置の機能ブロック図を示す。
【図6】携帯端末の機能ブロック図を示す。
【図7】目的地設定システムで行われる目的地設定処理フローを示す。
【図8】サーチボタンがタッチされている状態を示す。
【図9】携帯端末でQRコードを読み取る状態を示す。
【図10】携帯端末の表示部に表示される情報検索用のWebページの一例のうち、検索画面を示す。
【図11】携帯端末の表示部に表示される情報検索用のWebページの一例のうち、検索結果を示す。
【図12】現在位置とは異なる場所が目的地候補として指定されたディスプレイの表示状態を示す。
【図13】ナビゲーション装置の機能ブロック図を示す(第三実施形態)。
【図14】サーチボタンの表示態様の変化を示す。
【図15】地図情報とQRコードが関連付けられて表示されている状態を示す。
【図16】目的地候補情報を無線通信で送信する状態を示す。
【図17】目的地候補情報を無線通信で送信する場合における、目的地設定システムで行われる目的地設定処理フローを示す。
【符号の説明】
【0066】
1・・・目的地設定システム
2・・・ナビゲーション装置
3・・・携帯端末
4・・・サーバ
20・・・制御部(ナビゲーション装置)
21・・・ディスク再生部
22・・・メモリーカード再生部
23・・・TV受信部
24・・・ラジオ受信部
25・・・ディスプレイ
26・・・GPS情報受信部
27・・・操作部(ナビゲーション装置)
28・・・通信部
31・・・制御部(携帯端末)
32・・・操作部
33・・・表示部
34・・・CPU
35・・・カメラ
36・・・インターフェース部
201・・・再生処理部
202・・・目的地候補受付部
203・・・コード変換部
204・・・経路探索部
205・・・メモリ
251・・・サーチボタン
253・・・QRコード
311・・・コード取得部
312・・・コード処理部
313・・・メモリ(携帯端末)
314・・・転送部
315・・・検索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路探索を行うナビゲーション装置であって、
地図に関する地図情報と共に前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報を表示する表示手段と、
前記地図情報の中から、目的地候補の指定を受け付ける目的地候補指定手段と、
前記目的地候補指定手段で指定された目的地候補に関する目的地候補情報を前記携帯端末で受信可能な所定コードに変換する変換手段と、
前記変換手段によって変換された所定コードを携帯端末で受信し、該携帯端末による目的地候補の検索結果を踏まえて決定された目的地について経路探索を行う経路探索手段と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記携帯端末による目的地候補の検索結果を踏まえて決定された目的地に関する目的地情報を、該携帯端末から受け付ける受付手段を更に備え、
前記経路探索手段は、前記受付手段で受け付けた目的地情報と前記現在位置情報とに基づいて経路探索を行う、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記目的地候補には、前記携帯端末による検索を希望する対象地として、目的地と、現在地とのうちいずれか一方が含まれ、
前記携帯端末は、ネットワーク回線と接続され、受信した目的地候補情報を検索する検索手段を有する、請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ナビゲーション装置は、車両に搭載され、
前記変換手段による変換は、該ナビゲーション装置を搭載する車両の走行状態に応じて、その実行が制限される、請求項1から請求項3のいずれか一に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置は、車両に搭載され、
前記変換手段による変換の実行を受け付ける変換ボタンを更に備え、
前記変換ボタンは、前記表示手段に表示され、該ナビゲーション装置を搭載する車両の走行状態に応じて表示態様が変化し、かつ、該車両が停止状態において変換の実行を受け付ける、請求項1から請求項4のいずれか一に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記変換手段による変換の実行を受け付ける変換ボタンを更に備え、
前記変換ボタンは、前記表示手段に表示され、前記表示手段に表示される地図情報の縮尺に応じて表示態様が変化し、かつ、該地図情報の縮尺が所定の縮尺以下の場合において変換の実行を受け付ける、請求項1から請求項5のいずれか一に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記変換手段によって変換された所定コードを、前記目的地候補指定手段で指定された目的地候補と関連付けて表示する、請求項1から請求項6のいずれか一に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記所定コードは、QRコードである、請求項1から請求項7のいずれか一に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
経路探索を行うナビゲーション装置の目的地を設定する目的地設定システムであって、
前記ナビゲーション装置は、
地図に関する地図情報と共に前記ナビゲーション装置の現在位置に関する現在位置情報
を表示する表示手段と、
前記地図情報の中から、目的地候補の指定を受け付ける目的地候補指定手段と、
前記目的地候補指定手段で指定された目的地候補に関する目的地候補情報を前記携帯端末で受信可能な所定コードに変換する変換手段と、
前記変換手段によって変換された所定コードを携帯端末で受信し、該携帯端末による目的地候補の検索結果を踏まえて決定された目的地について経路探索を行う経路探索手段と、を備え、
前記携帯端末は、
前記変換手段で変換された所定コードを受信する受信手段と、
ネットワーク回線と接続され、前記受信手段で受信した目的地候補情報を検索する検索手段と、
を備える目的地設定システム。
【請求項10】
前記携帯端末は、
前記検索手段による検索結果を踏まえて決定された目的地に関する目的地情報を前記ナビゲーション装置へ送信する位置情報送信手段を更に備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記携帯端末の位置情報送信手段から送信される目的地に関する目的地情報を受け付ける受付手段を更に備え、
前記経路探索手段は、前記受付手段で受け付けた目的地情報と前記現在位置情報とに基づいて経路探索を行う、請求項9に記載の目的地設定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−288167(P2009−288167A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143128(P2008−143128)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】