説明

ナビゲーション装置

【課題】運転者が、所要時間表示装置に表示されている各行き先地名と自車位置との位置関係を容易に確認することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】自車両2が所要時間表示装置61に接近した場合には、CPU41は、この所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名を表示情報28から取得すると共に、前方撮像用カメラ52を介して当該所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの所要時間を取得する(S11〜S14)。また、CPU41は、交通情報DB24に格納される渋滞情報に基づいて、この各行き先地名までの経路上に渋滞があると判定した場合には、当該所要時間表示装置61に対応する高規格道路を模式的に示す模式地図と、各行き先地名と、各行き先地名まで距離と、各行き先地名までの所要時間とを液晶ディスプレイ15に表示する(S17〜S18)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上に設けられて進行方向に関する所定地点の地名と該所定地点までの現在の所要時間とを表示する所要時間表示装置の表示内容を運転者に報知することが可能なナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、高速自動車国道や都市高速道路には、所定地点までの所要時間等を表示して渋滞情報を報知する表示板が設けられている。
例えば、渋滞地点よりも上流側に設けられ、現在の渋滞地点名、渋滞距離等の渋滞情報とともに渋滞増減推移または渋滞予測の結果を表示する表示板が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−93078号公報(段落(0021)〜(0031)、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された表示板では、現在の渋滞地点名等が表示されているが、運転者は、旅行先等で周辺の土地に不案内な場合には、この表示板に表示されている地名と現在位置との位置関係が分からない場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、運転者が、旅行先等で周辺の土地に不案内な場合においても、道路上に設けられて進行方向に関する所定地点の地名と該所定地点までの現在の所要時間とを表示する所要時間表示装置に表示されている該地名と自車位置との位置関係を容易に確認することが可能なナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーション装置は、自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段(11)と、道路上に設けられて進行方向に関する所定地点の地名と該所定地点までの現在の所要時間とを表示する所要時間表示装置(61)の設置位置情報と前記所要時間表示装置に表示されている前記地名を表す地名情報を含む表示情報とを含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段(25)と、前記地図情報と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて前記所要時間表示装置への接近を検出する表示装置接近検出手段(13)と、前記表示装置接近検出手段の検出結果に基づいて自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている地名を表す地名情報を取得する地名情報取得手段(13)と、前記地図情報と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて自車両から前記地名情報に対応する前記所定地点までの距離を算出する距離算出手段(13)と、自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点の地名までの所要時間を取得する所要時間取得手段(13、51、52)と、自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点までの渋滞の有無を判定する渋滞判定手段(13)と、前記渋滞判定手段によって渋滞が有ると判定された場合には、前記所要時間取得手段によって取得した前記所定地点の地名までの所要時間と前記距離算出手段によって算出した該所定地点までの距離とを報知する報知手段(13、15)と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置(1)において、前記所要時間取得手段(13、51、52)は、自車両の前方を撮像する撮像手段(52)と、前記表示装置接近検出手段の検出結果に基づいて前記撮像手段による撮像画像内の前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点の地名に対応する所要時間を認識する認識手段(13、51)と、を有し、前記渋滞判定手段(13)は、前記認識手段による認識結果に基づいて前記渋滞の有無を判定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置(1)において、渋滞情報を含む道路交通情報を受信する受信手段(17)を備え、前記渋滞判定手段(13)は、前記受信手段を介して受信した前記道路交通情報に基づいて前記渋滞の有無を判定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係るナビゲーション装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置(1)において、前記報知手段(13、15)は、前記所要時間及び前記距離と共に、該所要時間に対応する前記所定地点の地名を含む地図情報を表示装置(15)に表示するように制御する表示制御手段(13)を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係るナビゲーション装置は、請求項4に記載のナビゲーション装置(1)において、前記所要時間表示装置毎に該所要時間表示装置に表示される所定地点の地名を含む高規格道路を模式的に示す模式地図情報を記憶する模式地図情報記憶手段(27)を備え、前記表示制御手段(13)は、前記所要時間に対応する所定地点の地名を含む模式地図情報を表示装置(15)に表示するように制御することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項6に係るナビゲーション装置は、自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段(11)と、道路上に設けられて進行方向に関する所定地点の地名と該所定地点までの現在の所要時間とを表示する所要時間表示装置(61)の設置位置情報と前記所要時間表示装置に表示されている前記地名を表す地名情報を含む表示情報とを含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段(25)と、前記地図情報と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて前記所要時間表示装置への接近を検出する表示装置接近検出手段(13)と、前記表示装置接近検出手段の検出結果に基づいて自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名を表す地名情報を取得する地名情報取得手段(13)と、自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点の地名までの所要時間を取得する所要時間取得手段(13、51、52)と、自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点までの渋滞の有無を判定する渋滞判定手段(13)と、前記渋滞判定手段によって渋滞が有ると判定された場合には、前記所要時間取得手段によって取得した前記所定地点の地名までの所要時間と前記地名情報取得手段によって取得した地名情報を含む地図情報とを表示装置(15)に表示するように制御する表示制御手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、地図情報と自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)から道路上に設けられて進行方向に関する所定地点の地名と該所定地点までの現在の所要時間とを表示する所要時間表示装置への接近を検出する。そして、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている地名を表す地名情報を取得して、自車位置からこの地名情報に対応する所定地点までの距離を算出する。また、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点までの所要時間を取得する。続いて、自車両から所要時間表示装置に表示されている地名情報に対応する所定地点までの渋滞の有無を判定する。そして、この所定地点までに渋滞が有ると判定した場合には、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点までの所要時間と、自車両からこの所定地点までの距離とを報知する。
これにより、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている進行方向に関する所定地点までに渋滞が有る場合には、この所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名までの現在の所要時間と共に、該所定地点までの距離が報知されるため、運転者は、旅行先等で周辺の土地に不案内で、この所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名が分からない場合においても、該所定地点までの距離に基づいて所要時間表示装置に表示されている該地名と現在位置との位置関係を容易に確認することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、自車両の前方を撮像する撮像手段によって、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名に対応する所要時間を画像認識する。そして、この所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名に対応する所要時間の画像認識結果に基づいて自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名までの渋滞の有無を判定する。
これにより、所要時間表示装置に表示されている所要時間の表示色(例えば、通常時は緑色の表示色で、渋滞時は赤色の表示色である。)等で、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名までの渋滞の有無を判定することが可能となり、渋滞の有無の判定を迅速に行うことが可能となる。
【0013】
また、請求項3に係るナビゲーション装置では、受信手段を介して受信した道路交通情報に含まれる渋滞情報に基づいて自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名までの渋滞の有無を判定するため、最新の渋滞情報に基づいて渋滞の有無を判定することが可能となる。
【0014】
また、請求項4に係るナビゲーション装置では、所要時間表示装置に表示されている所定地点までに渋滞が有ると判定された場合には、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点までの所要時間と、この所定地点までの距離とに加えて、該所定地点の地名を含む地図情報が表示装置に表示される。
これにより、運転者は、旅行先等で周辺の土地に不案内で、この所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名が分からない場合においても、この地名までの所要時間と距離だけでなく、表示装置に表示された地図上で該地名の地点を確認することができる。このため、所要時間表示装置に表示されている該地名と現在位置との位置関係を更に容易に確認することが可能となる。
【0015】
また、請求項5に係るナビゲーション装置では、所要時間表示装置に表示されている所定地点までに渋滞が有ると判定された場合には、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点までの所要時間と、この所定地点までの距離とに加えて、該所定地点の地名を含む高規格道路を模式的に示す模式地図情報が表示装置に表示される。
これにより、運転者は、旅行先等で周辺の土地に不案内で、この所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名が分からない場合においても、この地名までの所要時間と距離だけでなく、表示装置に表示された高規格道路を模式的に示す地図上で該地名の地点を確認することができる。このため、所要時間表示装置に表示されている該地名と現在位置との位置関係を更に容易に確認することが可能となる。
尚、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、一般有料道路、1桁又は2桁の国道を高規格道路という。また、3桁以上の国道、主要地方道、県道、市町村道を一般道路という。また、一般道路よりも狭い街中等の街路を細街路という。
【0016】
更に、請求項6に係るナビゲーション装置では、地図情報と自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)から道路上に設けられて進行方向に関する所定地点の地名と該所定地点までの現在の所要時間とを表示する所要時間表示装置への接近を検出する。そして、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている地名を表す地名情報を取得する。また、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点までの所要時間を取得する。続いて、自車両から所要時間表示装置に表示されている所定地点までの渋滞の有無を判定する。そして、この所定地点までに渋滞が有ると判定した場合には、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている所定地点までの所要時間と、この所要時間表示装置に表示されている地名を含む地図情報が表示装置に表示される。
これにより、自車両が接近する所要時間表示装置に表示されている進行方向に関する所定地点までに渋滞が有る場合には、この所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名までの現在の所要時間と共に、該所定地点の地名を含む地図情報が表示装置に表示される。このため、運転者は、旅行先等で周辺の土地に不案内で、この所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名が分からない場合においても、表示装置に表示されている該所定地点の地名を含む地図情報に基づいて所要時間表示装置に表示されている該地名と現在位置との位置関係を容易に確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置が搭載される車両の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1が搭載される車両2の概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、車両2に対して設置されたナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13には、CCDカメラ等を駆動制御するカメラECU(Electronic Control Unit)51が電気的に接続されている。また、車両2のルームミラー付近には、CCDカメラ等により構成されて車両前方を撮像する前方撮像用カメラ52が設置されている。
【0020】
また、ナビゲーション装置1は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、液晶ディスプレイ15に地図や目的地までの探索経路を表示すると共に、スピーカ16によって経路案内に関する音声ガイダンスを出力する。また、ナビゲーション装置1は、所定の条件を満たした場合には、後述のようにカメラECU51に制御信号を送信し、前方撮像用カメラ52による高速自動車国道や都市高速道路等に設けられて進行方向に関する所定地点の地名と該所定地点までの現在の所要時間とを表示する所要時間表示装置61(図5参照)の画像認識データを受信する。また、カメラECU51は、ナビゲーション装置1から受信した制御信号に基づいて、前方撮像用カメラ52の映像信号を画像処理して前方に設けられた所要時間表示装置61を検出し、この所要時間表示装置61に表示されている地名や所要時間等を画像認識により検出して、この検出信号を出力する電子制御ユニットで、前方撮像用カメラ52が接続されている。
【0021】
次に、本実施例に係る車両2の制御系に係る構成について特にナビゲーション装置1を中心にして図2及び図3に基づき説明する。図2は車両2に搭載されるナビゲーション装置1を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。図3は、ナビゲーション装置1と道路交通情報センタ(VICS:登録商標)3との通信を説明する説明図である。
【0022】
図2に示すように、車両2の制御系は、ナビゲーション装置1と、このナビゲーション装置1に対して電気的に接続されたカメラECU51を基本にして構成され、各制御装置に対して所定の周辺機器が接続されている。
【0023】
このナビゲーション装置1は、自車両2の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、道路交通情報センタ(VICS:登録商標)等の情報センタとの間で相互に通信を行う通信装置17と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部13には、自車両2の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0024】
また、図3に示すように、ナビゲーション装置1は、ネットワーク4を介して道路交通情報センタ(VICS:登録商標)3が接続されている。そして、ナビゲーション装置1は、ネットワーク4を介して道路交通情報センタ(VICS:登録商標)3から警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報は、道路渋滞情報の場合、VICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、VICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0025】
また、ネットワーク4としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0026】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明する。
図2に示すように、現在地検出処理部11は、GPS31、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車両2の位置、方位、目標物(例えば、交差点、所要時間表示装置、販売店等である。)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0027】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車両2の現在位置及び現在時刻を検出し、地磁気センサ32は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ33は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ33としては、例えば、自車両2の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
【0028】
また、ステアリングセンサ34は自車両2の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ34としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0029】
そして、ジャイロセンサ35は自車両2の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ35としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ35によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0030】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された交通情報DB24、地図情報DB25及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施例においては、データ記録部12の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0031】
また、交通情報DB24には、道路交通情報センタ(VICS:登録商標)3から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報から作成した渋滞情報が格納されている。また、この交通情報DB24には、道路交通情報センタ(VICS:登録商標)3から受信した交通規制のある道路工事、建築工事等による交通規制情報等に関する道路交通情報から作成した交通規制情報が格納されている。
【0032】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。ここで、ナビ地図情報26には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
そして、地図情報DB25の内容は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0033】
ここで、特に地図表示データとしては、10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
【0034】
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
【0035】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
尚、以下、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、一般有料道路、1桁又は2桁の国道を高規格道路という。また、3桁以上の国道、主要地方道、県道、市町村道を一般道路という。また、一般道路よりも狭い街中等の街路を細街路という。
【0036】
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際のコスト(以下、ノードコストという)や道路を構成するリンクのコスト(以下、リンクコストという)からなる探索コストを算出する為に使用するコストデータ、経路探索により選択された誘導経路を液晶ディスプレイ15の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。
【0037】
また、店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記録される。なお、前記地図情報DB25には、所定の情報をナビゲーション装置1のスピーカ16によって出力するための音声出力データも記録される。
【0038】
また、地図情報DB25には、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路等の高規格道路に設けられた各所要時間表示装置61毎に、この所要時間表示装置61に表示された各所定地点の地名を含む高規格道路を模式的に示す模式地図(例えば、いわゆるハイウェイマップ等で、図7参照。)を記憶する高規格道路模式地図情報27が格納されている。
また、地図情報DB25には、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路等の高規格道路に設けられた各所要時間表示装置61毎に、この所要時間表示装置61の配置されている座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と、この所要時間表示装置61に表示された各所定地点の地名(以下、「行き先地名」という。)を表す地名情報と、この所要時間表示装置61が設置されている地点から各行き先地名までの通常走行時における各所要時間(以下、「通常時所要時間」という。)とを記憶する表示情報28が格納されている。
【0039】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の所要時間表示装置61に接近した際に、進行方向前方に渋滞が有る場合には、この所要時間表示装置61に表示されている各所定地点までの現在の所要時間を高規格道路の模式図と共に表示する所要時間情報表示処理プログラム等(図4参照)が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
ここで、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0040】
また、本実施例においては、前記ROM43に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部12に各種のデータが記憶されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0041】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0042】
操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種のキー等の複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0043】
また、液晶ディスプレイ15には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示され、また、後述のように所要時間表示装置61に接近した際に、進行方向前方に渋滞が有る場合には、所要時間表示装置61に表示されている各所定地点の地名を含む高規格道路の模式図と共に、該所要時間表示装置61に表示されている各所定地点までの現在の所要時間等が表示される。尚、液晶ディスプレイ15の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
【0044】
また、スピーカ26は、ナビゲーション制御部23からの指示に基づいて、選択された目的地である施設名称や、誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスを出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「この先の○○まで渋滞しています。」等がある。なお、スピーカ16より出力される音声としては、合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0045】
そして、通信装置17は、不図示の情報配信センタと通信を行う通信手段であり、情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ(VICS:登録商標)3等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る道路交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信する。また、通信装置17はLAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器である。更に、通信装置17は道路交通情報センタ(VICS:登録商標)3からの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。尚、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0046】
また、カメラECU51は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部51Aを備えると共に、この受信した制御情報に基づき前方撮像用カメラ52を制御すると共に画像認識を行う画像認識部51Bを備えている。
【0047】
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する所要時間表示装置61に接近した際に、進行方向前方に渋滞が有る場合には、この所要時間表示装置61に表示されている各所定地点までの現在の所要時間を高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路等の高規格道路の模式図と共に表示する所要時間情報表示処理について図4乃至図7に基づいて説明する。
図4は本実施例に係るナビゲーション装置1のCPU41が実行する所要時間表示装置61に表示されている各所定地点までの現在の所要時間を高規格道路の模式図と共に表示する所要時間情報表示処理を示すフローチャートである。図5は自車両2が道路上に設けられる所要時間表示装置61の手前に来た状態を説明するための説明図である。図6は所要時間表示装置61に表示された所要時間情報の一例を示す図である。図7は図6に対応して高速道路を模式的に示す模式地図と共に所要時間等を液晶ディスプレイ15に表示した一例を示す図である。
尚、図4にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により一定時間毎(例えば、10msec〜100msec毎)に実行される。
【0048】
図4に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出処理部11により自車両2の現在位置(以下、「自車位置」という。)及び自車両2の向きを表す自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と自車方位をRAM42に記憶する。また、CPU41は、データ記録部12に予め登録されている自宅地点の座標データ(例えば、自宅地点の緯度と経度等である。以下、「登録自宅位置」という。)を読み出し、この登録自宅位置の座標データをRAM42に記憶する。そして、CPU41は、登録自宅位置の座標データと自車位置の座標データとをRAM42から読み出し、自車位置が登録自宅位置から所定距離以上(例えば、100km以上である。)離れた遠距離の地点であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0049】
そして、自車位置が登録自宅位置から所定距離以上(例えば、100km以上である。)離れた遠距離の地点でない場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、自車位置が登録自宅位置から所定距離以上(例えば、100km以上である。)離れた遠距離の地点である場合には(S11:YES)、CPU41は、S12の処理に移行する。S12において、CPU41は、地図情報DB25に格納される表示情報28から案内経路上における、自車両2の進行方向前方にある所要時間表示装置61の配置されている座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。以下、「表示装置設置位置」という。)を読み出し、RAM42に記憶する。そして、CPU41は、自車位置の座標データと表示装置設置位置の座標データとをRAM42から読み出し、自車両2が所要時間表示装置61から所定距離以内(例えば、約100m〜500m以内である。)に接近したか否かを判定する判定処理を実行する。
【0050】
そして、自車両2が所要時間表示装置61から所定距離以内(例えば、約100m〜500m以内である。)に接近していない場合には(S12:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、自車両2が所要時間表示装置61から所定距離以内(例えば、約100m〜500m以内である。)に接近した場合には(S12:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。S13において、CPU41は、地図情報DB25に格納される表示情報28から自車両2が接近した当該所要時間表示装置61に表示されている各所定地点の地名、即ち、各行き先地名を表す地名情報を読み出し、RAM42に記憶する。
【0051】
例えば、図5及び図6に示すように、所要時間表示装置61には、各行き先地名61A、61B、61C、即ち、「豊田ICまで」、「名古屋ICまで」、「小牧ICまで」が上から順番に表示されている。そして、自車両2が該所要時間表示装置61から所定距離以内(例えば、約100m〜500m以内である。)に接近した場合には(S12:YES)、CPU41は、この所要時間表示装置61に表示される各行き先地名61A、61B、61Cに対応する各地名情報として、上から1番目に配置される行き先地名61Aに対応する「豊田IC」、上から2番目に配置される行き先地名61Bに対応する「名古屋IC」、上から3番目に配置される行き先地名61Cに対応する「小牧IC」を地図情報DB25に格納される表示情報28から読み出し、順番にRAM42に記憶する。
【0052】
そして、CPU41は、ルームミラー55(図5参照)に固定された前方撮像用カメラ52を介して接近した所要時間表示装置61の各所要時間表示部62〜64(図6参照)に表示される各所要時間を画像認識によって認識して、RAM42に記憶する。
例えば、図6に示すように、CPU41は、ルームミラー55(図5参照)に固定された前方撮像用カメラ52を介して接近した所要時間表示装置61の各所要時間表示部62〜64(図6参照)に表示される各所要時間25分、35分、60分を上から順番に画像認識によって認識して、RAM42に記憶する。
尚、所要時間表示装置61の各所要時間表示部62〜64に表示される時間表示は、この所要時間表示装置61から各行き先地名までの所要時間が、通常時の場合には「緑色」で表示され、渋滞時の場合には「赤色」又は「橙色」で表示される。
【0053】
続いて、S15において、CPU41は、接近している所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名を表す地名情報をRAM42から再度読み出し、各地名情報に対応する各地点の座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)を地図情報DB25に格納されるナビ地図情報26から読み出して、自車位置からこの各行き先地名に対応する各地点までの経路探索を行って、各経路をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、自車位置からこの各行き先地名までの各経路をRAM42から読み出し、交通情報DB24に格納される渋滞情報に基づいて、自車位置から各行き先地名までの各経路上に(例えば、走行している高速自動車国道上や都市高速道路上である。)渋滞が有るか否かを判定する判定処理を実行する。
【0054】
尚、CPU41は、前方撮像用カメラ52による所要時間表示装置61の映像を画像認識して、該所要時間表示装置61の各所要時間表示部62〜64に表示される時間表示が「緑色」の場合には、通常走行状態である、即ち、自車位置から各行き先地名までの各経路上に(例えば、走行している高速自動車国道上や都市高速道路上である。)渋滞が無いと判定し、一方、この各所要時間表示部62〜64に表示される時間表示が「赤色」又は「橙色」の場合には、自車位置から各行き先地名までの各経路上に(例えば、走行している高速自動車国道上や都市高速道路上である。)渋滞が有ると判定する判定処理を実行するようにしてもよい。これにより、自車位置から各行き先地名までの現在の所要時間と渋滞の有無の情報とを前方撮像用カメラ52を介して同時に取得することが可能となる。
【0055】
そして、自車位置から各行き先地名に対応する各地点までの探索した各経路上に(例えば、走行している高速自動車国道上や都市高速道路上である。)渋滞が無い場合には(S15:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、自車位置から各行き先地名に対応する各地点までの探索した各経路上に(例えば、走行している高速自動車国道上や都市高速道路上である。)渋滞が有る場合には(S15:YES)、CPU41は、S16の処理に移行する。S16において、CPU41は、自車位置からこの各行き先地名に対応する各地点までの各経路をRAM42から読み出し、自車位置から各行き先地名に対応する各地点までの距離を算出して、RAM42に記憶する。また、CPU41は、自車位置からこの各行き先地名に対応する各地点までの各経路上の渋滞情報(例えば、渋滞開始地点座標、渋滞の実際の長さ、渋滞終了地点座標等である。)を交通情報DB24から読み出し、RAM42に記憶する。
【0056】
続いて、S17において、CPU41は、この所要時間表示装置61に表示された各所定地点の地名を含む高規格道路を模式的に示す模式地図(例えば、いわゆるハイウェイマップ等である。)を地図情報DB25の高規格道路模式地図情報27から読み出し、液晶ディスプレイ15に表示する。また、CPU41は、この模式地図上に自車位置を表す車両位置マークを表示すると共に、上記S16でRAM42に記憶した各行き先地名までの経路上の渋滞情報を読み出し、この模式地図上に渋滞区間を矢印マーク等により表示する。また、CPU41は、上記S13でRAM42に記憶した当該所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名を表す地名情報と、上記S16でRAM42に記憶した自車位置から各行き先地名に対応する各地点までの距離とを読み出し、各行き先地名毎に液晶ディスプレイ15に表示する。また、CPU41は、上記S14でRAM42に記憶した当該所要時間表示装置61の各所要時間表示部62〜64に表示される現在の各所要時間を読み出し、各行き先地名毎に液晶ディスプレイ15に表示する。更に、CPU41は、当該所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの「通常時所要時間」を地図情報DB25の表示情報28から読み出し、各行き先地名毎に液晶ディスプレイ15に表示する。
尚、CPU41は、スピーカ16を介して各行き先地名までの現在の所要時間や渋滞の有無を音声案内するようにしてもよい。
【0057】
例えば、図7に示すように、CPU41は、図6に示される所要時間表示装置61に表示された各行き先地名「豊田IC」、「名古屋IC」、「小牧IC」を含む都市高速道路の模式地図71を液晶ディスプレイ15の約左半分に表示する。また、CPU41は、自車位置を表す車両位置マーク72をこの模式地図71上に表示する。また、CPU41は、渋滞区間を太い赤線の各矢印73、74でこの模式地図71上に表示する。また、液晶ディスプレイ15の約右半分に各表示枠77、78、79を上下方向にそれぞれ表示する。そして、CPU41は、各表示枠77〜79内に、当該所要時間表示装置61に表示された各行き先地名、自車位置から各行き先地名までの距離、各行き先地名までの通常時所要時間、及び、所要時間表示装置61の各所要時間表示部62、63、64に表示される現在の各所要時間を表示する。例えば、CPU41は、一番上の表示枠77の上段部に、行き先地名「小牧IC」と、自車位置から行き先地名「小牧IC」までの距離「65km」とを表示する。また、CPU41は、この表示枠77の下段部に、自車位置から「小牧IC」までの通常所要時間として「通常35分」と、所要時間表示装置61の所要時間表示部64に「赤色」で表示された時間として「現在60分」とを表示する。
尚、各表示枠77〜79内に表示される「現在60分」、「現在35分」、「現在25分」の表示色を、所要時間表示装置61の各所要時間表示部62、63、64に表示される現在の各所要時間の表示色と同じ色で表示するようにしてもよい。
【0058】
そして、S18において、CPU41は、液晶ディスプレイ15に表示されている模式地図上の各行き先地名や渋滞区間を表す各矢印73、74を点滅表示等して、強調表示後、当該処理を終了する。
【0059】
従って、本実施例に係るナビゲーション装置1では、自車両2が自宅から100km以上など、遠く離れた遠距離地点に設置される所要時間表示装置61に接近した場合には、CPU41は、この所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名を表示情報28から取得すると共に、前方撮像用カメラ52を介して当該所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの所要時間を取得する(S11〜S14)。また、CPU41は、各行き先地名までの経路探索を行う。そして、CPU41は、交通情報DB24に格納される渋滞情報に基づいて、自車位置からこの各行き先地名までの経路上に渋滞があると判定した場合には、自車位置から各行き先地名までの経路の距離を算出してRAM42に記憶後、当該所要時間表示装置61に対応する高規格道路を模式的に示す模式地図を高規格道路模式地図情報27から読み出して、液晶ディスプレイ15に表示すると共に、この模式地図上に自車位置を表す車両位置マークと渋滞区間を表示する。また、CPU41は、各行き先地名と、自車位置から各行き先地名までの距離と、各行き先地名まで通常時所要時間と、及び、当該所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの所要時間を液晶ディスプレイ15に表示する(S17〜S18)。
【0060】
これにより、自車両2が接近する所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名の地名が分からない場合においても、この所要時間表示装置61に表示されている所定地点の地名までの現在の所要時間と共に、該所定地点の地名を含む高規格道路を模式的に示す模式地図が液晶ディスプレイ15に表示されて、この模式地図上に渋滞区間や自車位置を表す車両位置マークが表示され、また、自車位置から各行き先地名までの距離が液晶ディスプレイ15に表示される。このため、運転者は、旅行先等で周辺の土地に不案内で、この所要時間表示装置に表示されている各行き先地名が分からない場合においても、この各行き先地名までの所要時間と距離だけでなく、液晶ディスプレイ15に表示された高規格道路を模式的に示す模式地図上で該地名の地点を確認して、所要時間表示装置に表示されている該各行き先地名と自車位置との位置関係を容易に確認することが可能となる。
【0061】
また、CPU41は、交通情報DB24に格納される渋滞情報に基づいて、自車両2が接近する所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの渋滞の有無を判定するため、最新の渋滞情報に基づいて渋滞の有無を判定することが可能となる。
尚、所要時間表示装置61に表示されている所要時間の表示色(例えば、通常時は緑色の表示色で、渋滞時は赤色の表示色である。)等で、自車両2が接近する所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの渋滞の有無を判定することによって、道路交通情報センタ(VICS:登録商標)3から渋滞情報を受信していない場合にも、渋滞の有無の判定を迅速に行うことが可能となる。
【0062】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0063】
(A)上記ステップ17において、所要時間表示装置61に表示された各行き先地名を含む高規格道路を模式的に示す模式地図を表示せず、CPU41は、上記S13でRAM42に記憶した当該所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名を表す地名情報と、上記S16でRAM42に記憶した自車位置から各行き先地名に対応する各地点までの距離とを読み出し、各行き先地名毎に液晶ディスプレイ15に表示する。また、CPU41は、上記S14でRAM42に記憶した当該所要時間表示装置61の各所要時間表示部62〜64に表示される現在の各所要時間を読み出し、各行き先地名毎に液晶ディスプレイ15に表示する。更に、CPU41は、当該所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの「通常時所要時間」を地図情報DB25の表示情報28から読み出し、各行き先地名毎に液晶ディスプレイ15に表示するようにしてもよい。
【0064】
これにより、自車両2が接近する所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までに渋滞が有る場合には、この所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの現在の所要時間と共に、該各行き先地名までの距離が報知されるため、運転者は、旅行先等で周辺の土地に不案内で、この所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名が分からない場合においても、自車位置から該各行き先地名までの距離に基づいて所要時間表示装置61に表示されている該各行き先地名と自車位置との位置関係を容易に確認することが可能となる。また、高規格道路模式地図情報27を記憶する必要が無いため、データ記録部12の記憶容量の小型化を図ることが可能となる。
【0065】
例えば、図8に示すように、CPU41は、液晶ディスプレイ15の左側部分に「所要時間情報」の欄を設け、所要時間表示装置61に表示された各行き先地名と、自車位置から各行き先地名までの距離を表示すると共に、この所要時間表示装置61の各所要時間表示部62〜64に表示される現在の各所要時間を各行き先地名毎に表示する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ15の右側部分に「順調時」の欄を設け、所要時間表示装置61に表示された各行き先地名までの通常時所要時間を表示する。例えば、図6における所要時間表示装置61の場合には、CPU41は、「所要時間情報」の欄の一番上側に行き先地名「豊田ICまで」と、この「豊田IC」までの距離「20km」を表示すると共に、この所要時間表示装置61の所要時間表示部62に表示される現在の各所要時間「25分」を表示する。また、CPU41は、「順調時」の欄の一番上側に、「豊田IC」までの通常時所要時間、即ち、渋滞が無いときの所要時間「15分」を表示する。
ここで、図8は図6に対応して所要時間情報等を液晶ディスプレイ15に表示した他の一例を示す図である。
【0066】
(B)上記ステップ17において、例えば、図9に示すように、CPU41は、図7に替えて自車位置から各行き先地名に対応する各地点までの距離を表示しないようにしてもよい。これにより、ステップ16の処理を実行する必要が無いため、当該所要時間情報表示処理の迅速化を図ることが可能となる。また、液晶ディスプレイ15の左側部分に所要時間表示装置61に表示された各行き先地名「小牧」、「名古屋」、「豊田」を含む高規格道路を模式的に示す模式地図71が表示されると共に、自車位置を表す車両位置マーク72が表示される。このため、運転者は、旅行先等で周辺の土地に不案内で、この所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名が分からない場合においても、液晶ディスプレイ15に表示されている該各行き先地名を含む地図情報に基づいて所要時間表示装置61に表示されている該地名と自車位置との位置関係を容易に確認することが可能となる。
ここで、図9は図6に対応して高速道路を模式的に示す模式地図と共に所要時間情報等を液晶ディスプレイ15に表示した他の一例を示す図である。
【0067】
(C)上記ステップ17において、CPU41は、上記S14でRAM42に記憶した当該所要時間表示装置61の各所要時間表示部62〜64に表示される現在の各所要時間に替えて、自車位置から各行き先地名までの経路探索を行い、交通情報DB24に格納される渋滞情報に基づいて、自車位置から各行き先地名までの各経路上の所要時間を算出して、各行き先地名までの現在の所要時間として液晶ディスプレイ15に表示するようにしてもよい。これにより、各行き先地名までのより正確で最新の所要時間を運転者に報知することが可能となる。
【0068】
(D)上記ステップ14において、高速自動車国道等の運営会社が、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網や、ノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)等の通信系を介して提供する各所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの所要時間を、ネットワーク4及び通信装置17を介して取得して、RAM42に記憶するようにしてもよい。これにより、前方撮像用カメラ52を介して接近した所要時間表示装置61の各所要時間表示部62〜64に表示される各所要時間を画像認識によって認識する必要がなくなる。
【0069】
(E)上記ステップ15において、高速自動車国道等の運営会社が、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網や、ノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)等の通信系を介して提供する各所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名までの渋滞情報を、ネットワーク4及び通信装置17を介して取得して、当該渋滞情報に基づいて自車位置から各行き先地名までの各経路上における(例えば、走行している高速自動車国道上や都市高速道路上である。)渋滞の有無を判定する判定処理を実行するようにしてもよい。
【0070】
(F)上記ステップ17において、所要時間表示装置61に表示された各所定地点の地名を含む高規格道路を模式的に示す模式地図に替えて、CPU41は、所要時間表示装置61に表示された各所定地点の地名を含む高規格道路だけをナビ地図情報26から抽出して、液晶ディスプレイ15に表示するようにしてもよい。これにより、高規格道路模式地図情報27を設ける必要が無く、地図情報DB25の記憶容量の小型化を図ることが可能となる。
【0071】
(G)上記ステップ13において、CPU41は、前方撮像用カメラ52を介して接近した所要時間表示装置61に表示される各行き先地名を画像認識によって認識して、RAM42に記憶するようにしてもよい。これにより、表示情報28に各所要時間表示装置61に表示されている各行き先地名を記憶する必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置が搭載される車両の概略構成図である。
【図2】車両に搭載されるナビゲーション装置を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置と道路交通情報センタとの通信を説明する説明図である。
【図4】ナビゲーション装置のCPUが実行する所要時間表示装置に表示されている各所定地点までの現在の所要時間を高規格道路の模式図と共に表示する所要時間情報表示処理を示すフローチャートである。
【図5】自車両が道路上に設けられる所要時間表示装置の手前に来た状態を説明するための説明図である。
【図6】所要時間表示装置に表示された所要時間情報の一例を示す図である。
【図7】図6に対応して高速道路を模式的に示す模式地図と共に所要時間情報等を液晶ディスプレイに表示した一例を示す図である。
【図8】図6に対応して所要時間情報等を液晶ディスプレイに表示した他の一例を示す図である。
【図9】図6に対応して高速道路を模式的に示す模式地図と共に所要時間情報等を液晶ディスプレイに表示した他の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ナビゲーション装置
2 車両(自車両)
3 道路交通情報センタ(VICS:登録商標)
4 ネットワーク
11 現在地検出処理部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
15 液晶ディスプレイ
24 交通情報DB
25 地図情報DB
26 ナビ地図情報
27 高規格道路模式地図情報
28 表示情報
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 カメラECU
52 前方撮像用カメラ
61 所要時間表示装置
61A〜61C 行き先地名
62〜64 所要時間表示部
71 模式地図
72 車両位置マーク
73、74 矢印
77〜79 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路上に設けられて進行方向に関する所定地点の地名と該所定地点までの現在の所要時間とを表示する所要時間表示装置の設置位置情報と前記所要時間表示装置に表示されている前記地名を表す地名情報を含む表示情報とを含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて前記所要時間表示装置への接近を検出する表示装置接近検出手段と、
前記表示装置接近検出手段の検出結果に基づいて自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている地名を表す地名情報を取得する地名情報取得手段と、
前記地図情報と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて自車両から前記地名情報に対応する前記所定地点までの距離を算出する距離算出手段と、
自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点の地名までの所要時間を取得する所要時間取得手段と、
自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点までの渋滞の有無を判定する渋滞判定手段と、
前記渋滞判定手段によって渋滞が有ると判定された場合には、前記所要時間取得手段によって取得した前記所定地点の地名までの所要時間と前記距離算出手段によって算出した該所定地点までの距離とを報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記所要時間取得手段は、
自車両の前方を撮像する撮像手段と、
前記表示装置接近検出手段の検出結果に基づいて前記撮像手段による撮像画像内 の前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点の地名に対応する所要時間 を認識する認識手段と、
を有し、
前記渋滞判定手段は、前記認識手段による認識結果に基づいて前記渋滞の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
渋滞情報を含む道路交通情報を受信する受信手段を備え、
前記渋滞判定手段は、前記受信手段を介して受信した前記道路交通情報に基づいて前記渋滞の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記所要時間及び前記距離と共に、該所要時間に対応する前記所定地点の地名を含む地図情報を表示装置に表示するように制御する表示制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記所要時間表示装置毎に該所要時間表示装置に表示される所定地点の地名を含む高規格道路を模式的に示す模式地図情報を記憶する模式地図情報記憶手段を備え、
前記表示制御手段は、前記所要時間に対応する所定地点の地名を含む模式地図情報を表示装置に表示するように制御することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路上に設けられて進行方向に関する所定地点の地名と該所定地点までの現在の所要時間とを表示する所要時間表示装置の設置位置情報と前記所要時間表示装置に表示されている前記地名を表す地名情報を含む表示情報とを含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報と前記現在位置検出手段によって検出した現在位置情報とに基づいて前記所要時間表示装置への接近を検出する表示装置接近検出手段と、
前記表示装置接近検出手段の検出結果に基づいて自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている所定地点の地名を表す地名情報を取得する地名情報取得手段と、
自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点の地名までの所要時間を取得する所要時間取得手段と、
自車両が接近する前記所要時間表示装置に表示されている前記所定地点までの渋滞の有無を判定する渋滞判定手段と、
前記渋滞判定手段によって渋滞が有ると判定された場合には、前記所要時間取得手段によって取得した前記所定地点の地名までの所要時間と前記地名情報取得手段によって取得した地名情報を含む地図情報とを表示装置に表示するように制御する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−45882(P2008−45882A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218876(P2006−218876)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】