説明

パーティクル汚染物質除去の方法

【課題】
【解決手段】基板の表面からパーティクル汚染物質を洗浄するための装置及び方法は、粘弾性材料の層を表面上に塗布することを含む。粘弾性材料は、薄い膜として塗布され、実質的な液体様特性を示す。粘弾性材料を塗布された表面の第1のエリアには、粘弾性材料を塗布された表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように、外力が加えられる。外力は、粘弾性材料の固体様特性にアクセスするために、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって加えられる。固体様特性を示す粘弾性材料は、表面上に存在するパーティクル汚染物質の少なくとも一部と少なくとも部分的に相互作用する。粘弾性材料は、固体様特性を示している間、パーティクル汚染物質の少なくとも一部と併せて表面の第1のエリアの領域から除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2008年6月2日に出願され「MATERIALS FOR PARTICLE REMOVAL BY SINGLE-PHASE AND TWO-PHASE MEDIA(単相媒体及び二相媒体によるパーティクル除去のための材料)」と題された米国特許出願第12/131,654号(代理人整理番号LAM2P628A)及び2008年6月30日に出願され「SINGLE SUBSTRATE PROCESSING HEAD FOR PARTICLE REMOVAL USING LOW VISCOSITY FLUID(低粘度流体を使用するパーティクル除去のための枚葉式基板処理ヘッド)」と題された米国特許出願第12/165,577号(代理人整理番号LAM2P638)に関連する。本出願は、また、2008年10月30日に出願され「ACOUSTIC ASSISTED SINGLE WAFER WET CLEAN FOR SEMICONDUCTOR WAFER PROCESS(半導体ウエハプロセスのための音響アシスト枚葉式ウエハウェット洗浄)」と題された米国特許出願第12/262,094号(代理人整理番号LAM2P646)にも関連する。上記の特許出願は、引用によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、総じて、半導体基板などの固体表面の洗浄に関し、特に、製造プロセスに続いて半導体基板を洗浄するために外力を用いて液体洗浄媒体の固体様特性に働きかける(以下、「アクセスする」ともいう)ための方法及び装置に関する。
【0003】
当該分野では、望ましくない欠陥又は汚染物質パーティクルを固体表面上に残す製造工程を経た固体表面を洗浄及び乾燥させる必要があることが知られている。このような製造工程の例には、プラズマエッチング(例えば、銅配線デュアルダマシン応用におけるビアエッチング又はトレンチエッチング)や、化学機械研磨(CMP)がある。各製造工程後、基板の表面から望ましくない欠陥を除去するにあたり、各種の洗浄プロセスが使用されてきた。一部の洗浄プロセスは、パーティクル汚染物質との少なくとも部分的な結合又は相互作用を可能にする化学的構造を持つ液状媒体を選択すること、及びその液状媒体をパーティクル汚染物質と併せて速やかに除去することを伴う。
【0004】
更に他のプロセスは、液状媒体を選択すること、基板の少なくとも一部分を覆うために液状媒体を十分に施すこと、液状媒体中に音響エネルギを伝搬させること、及びその音響エネルギを使用して基板の表面からパーティクルを除去することを伴う。液状媒体中における音響エネルギの伝搬は、主に、キャビテーション、マイクロストリーミング、及び液状媒体として化学品が使用されるときは化学反応の向上を通じて洗浄を可能にする。キャビテーションは、音波かく拌の作用下で、液状媒体中に溶解されたガスから微細気泡を急速に形成及び崩壊させることである。崩壊の際、気泡は、エネルギを放出する。崩壊された気泡からのエネルギは、パーティクルを基板に接着させる各種の接着力の破壊を通じてパーティクル除去を助ける。音響マイクロストリーミングは、高周波振動下で、液状媒体中における音響波の伝搬による速度勾配によって誘発される流体運動である。音響エネルギは、液状媒体中における化学反応を促すための活性化エネルギを提供する。
【0005】
基板の表面上に形成される特徴の微小寸法の縮小に伴って、特徴の微小寸法に匹敵する寸法を持つサブミクロンパーティクルの数も増加している。サブミクロンパーティクルの微小寸法ゆえに、基板上に形成される特徴を損傷させることなく基板の表面を十分に洗浄して製造によるデバイスの歩留まりを損なわせないようにする改善された洗浄技術が常に必要とされている。
【0006】
本発明の実施形態が想起されるのは、このような状況においてである。
【発明の概要】
【0007】
概して、本発明は、半導体基板などの基板の表面に施される液状媒体の固体様特性にアクセスするために制御方式の効果的なやり方で外力を提供することができる洗浄メカニズムを提供することによって、これらの必要性を満たす。本発明は、プロセス、装置、又はシステムを含む数々の形で具現化可能であることがわかる。本発明の幾つかの実施形態が、以下で説明される。
【0008】
一実施形態では、半導体基板などの基板の表面からパーティクルを洗浄するための方法が提供される。方法は、液体としての粘弾性材料を薄い膜として基板に塗布することを含む。粘弾性材料を塗布された表面の第1のエリアには、粘弾性材料を塗布された表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように、外力が加えられる。外力は、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって加えられる。短時間に及ぶ外力の加力は、粘弾性材料が固体様特性を示すことを可能にするのに十分である。粘弾性材料は、次いで、加力を受けて固体様特性を示し続ける間、パーティクルの少なくとも一部と併せて表面の第1のエリアの領域から除去され、その結果、相当に清浄な表面を得る。粘弾性材料は、第1のエリアの領域から粘弾性材料が除去されている間、第2のエリアでは液体様特性を示し続ける。
【0009】
別の実施形態では、基板の表面を洗浄するためのパーティクル除去メカニズムが提供される。パーティクル除去メカニズムは、洗浄されるべき基板を保持するためのキャリアメカニズムと、吐出ヘッドと、加力ヘッドと、すすぎヘッドとを含む。キャリアメカニズムは、基板を受け取り、保持し、軸に沿って運ぶように構成される。吐出ヘッドは、粘弾性材料を薄い液膜として基板の表面に塗布するように構成される。加力ヘッドは、粘弾性材料のメニスカスを塗布された表面の第1のエリアに力を供給するように構成される。力は、粘弾性材料の固体様特性へのアクセスを可能にして除去を容易にするために、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって粘弾性材料に加えられる。すすぎヘッドは、力が加えられている間、液状化学品をすすぎメニスカスとして提供するように並びにパーティクルの少なくとも一部と併せて液状化学品及び粘弾性材料を表面の第1のエリアから除去するように構成される。粘弾性材料は、第1のエリアの領域において粘弾性材料が除去される間、第2のエリアでは液体様特性を示し続ける。
【0010】
別の実施形態では、基板の表面からパーティクルを除去するためのパーティクル除去メカニズムが提供される。パーティクル除去メカニズムは、液状媒体としての粘弾性材料を保持するための容器と、表面上に粘弾性材料の薄い層を提供するために容器内において基板を受け取り、支え、保持するためのキャリアメカニズムとを含む。粘弾性材料を塗布された表面の第1のエリアに、粘弾性材料を塗布された表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように力を加えるために、加力メカニズムが含まれる。力は、粘弾性材料の固体様特性へのアクセスを可能にするために、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって加えられる。加力メカニズムは、また、力が加えられ、粘弾性材料が固体様特性を示し続けている間、粘弾性材料を塗布された表面上の第1のエリアの領域からパーティクル汚染物質の少なくとも一部と併せて粘弾性材料を除去するようにも構成されてよい。粘弾性材料は、第1のエリアの領域から粘弾性材料が除去される間、第2のエリアでは液体様特性を示し続ける。結果得られる表面は、基板上に形成された特徴を維持しつつ、実質的に清浄である。
【0011】
粘弾性材料の固体様特性にアクセスすることによって、粘弾性材料は、粘弾性の膜と基板との界面で一体的に除去され、実質的に清浄な表面をあとに残す。このプロセスは、粘弾性材料に埋め込まれたパーティクルと併せて粘弾性材料を徹底的に除去することを可能にし、そうして、あとに残される残留汚染の量を最小限に抑える。本発明の実施形態は、基板の表面に施されるとき及び最終のすすぎ段階のときは粘弾性材料の液体様特性に依存し、表面からパーティクル及び粘弾性材料を除去するときは粘弾性材料の固体様特性に依存する。液体様特性が、表面トポグラフィを濡らすことを可能にする一方で、固体様特性は、除去されるべきパーティクルとの少なくとも部分的な結合又は相互作用と、表面からのそれらの容易で且つ徹底的な除去とを可能にする。この方法は、基板の表面を洗浄するのに効果的で且つ効率的である。
【0012】
本発明の原理を例として示した添付の図面と併せた以下の詳細な説明から、本発明の他の態様及び利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、添付の図面と併せた以下の詳細な説明によって、容易に理解される。説明を容易にするために、類似の参照符号は、類似の構成要素を示すものとする。
【0014】
【図1A】本発明の一実施形態にしたがった、押す力を使用するパーティクル除去メカニズムの側面の簡易ブロック図である。
【0015】
【図1B】本発明の別の一実施形態にしたがった、引く力を使用するパーティクル除去メカニズムの側面の簡易ブロック図である。
【0016】
【図1C】本発明の一実施形態にしたがった、すすぎヘッドの前縁に拡張スペーサを伴うパーティクル除去メカニズムの簡易ブロック図である。
【0017】
【図2A】本発明の一実施形態にしたがった、吐出ヘッドと一体化された加力ヘッド、及びそれに続くすすぎヘッドの簡易ブロック図である。
【0018】
【図2B】本発明の別の一実施形態にしたがった、吐出ヘッド、及びそれに続くすすぎヘッドと一体化された加力ヘッドの簡易ブロック図である。
【0019】
【図3A】本発明の一実施形態にしたがった、音響エネルギを提供して粘弾性材料の固体様特性にアクセスするための基板表面洗浄メカニズムの簡易ブロック図である。
【0020】
【図3B】図3Aに示された基板表面洗浄メカニズムの一部分の部分拡大図である。
【0021】
【図4A】本発明の一実施形態にしたがった、パーティクル汚染物質を除去するために振動運動を使用する別の一実施形態の側面図である。
【0022】
【図4B】図4Aに示された実施形態の上面図である。
【0023】
【図5】本発明の一実施形態にしたがった、粘弾性材料の固体様特性にアクセスするために外力を提供するための工程の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
基板の表面からパーティクル汚染物質を効果的に除去するための幾つかの実施形態が説明される。当業者ならば、本発明が、これらの具体的詳細の一部又は全部を伴わなくても実施可能であることが明らかである。また、本発明を不必要に不明瞭にしないように、周知のプロセス工程の詳細な説明は省略される。
【0025】
本発明の実施形態は、粘弾性材料を使用して基板の表面を洗浄するための及び外力を提供して粘弾性材料の固体様特性にアクセスするためのパーティクル除去メカニズムを提供する。粘弾性材料は、その化学的構造が、表面から除去されるべきパーティクル汚染物質との少なくとも部分的な結合又は相互作用を可能にするように選択される。粘弾性材料は、液体の薄膜として表面上に塗布され、外力は、粘弾性材料を塗布された表面の第1のエリアに、粘弾性材料を塗布された表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように加えられる。外力は、第1のエリアの領域の粘弾性材料の固体様特性にアクセスするために、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって加えられる。外力が加えられ、材料が尚も固体様特性を示している間、粘弾性材料は、パーティクルの少なくとも一部と併せて表面の第1のエリアの領域から除去される。粘弾性材料は、第1のエリアの領域から粘弾性材料が除去される間、第2のエリアでは液体様特性を示し続ける。結果得られる表面は、実質的に清浄である。粘弾性材料の固体様特性は、材料の容易で且つ徹底的な除去を可能にする。
【0026】
本発明の実施形態は、表面からパーティクルを除去するための効果的で且つ効率的なメカニズムを提供する。粘弾性材料の固体特性にアクセスすることによってこれらの実施形態から恩恵を受けえる基板には、半導体、フラットパネルディスプレイ、ソラー、又は画像センサの適用表面用のシリコン基板がある。粘弾性材料の弾性特質又は固体特質へのアクセスは、特徴を損傷させることなく材料を容易に除去することを可能にし、そうして、半導体基板などの表面上に形成される電子デバイス(半導体デバイス)の歩留まりを向上させる。本発明の実施形態は、基板の表面に施されるとき及び最終のすすぎ段階のときは粘弾性材料の液体様特性に依存し、表面からパーティクル及び粘弾性材料を除去するときは粘弾性材料の固体様特性に依存する。当該分野では、製造プロセス及び洗浄プロセスで使用された化学品によって、基板上の汚染物質の大半があとに残されることが周知である。したがって、実施形態は、固体様特性にアクセスすることによって、粘弾性材料の徹底的な除去を確実にし、そうして、洗浄プロセスによってあとに残される粘弾性材料などの汚染物質の量を大幅に低減させる。ゆえに、実施形態は、効果的で且つ効率的な洗浄プロセスを提供する。
【0027】
外力は、粘弾性材料吐出プロセスの最中に、又は粘弾性材料吐出プロセスとすすぎプロセスとの間で、又はすすぎプロセスの最中に、又はこれらの組み合わせによって加えられてよいことが留意される。本実施形態のパーティクル除去の概念は、力を加える時間が粘弾性材料の固有時間未満であるときに生じる材料の弾性特質又は固体様特質にアクセスすることにある。弾性が支配的なこのゾーンでは、粘弾性材料から表面上のパーティクル汚染物質に伝わる力は、パーティクルと表面との間の接着に打ち勝つのに及び表面からパーティクルを成功裏に引き離すのに十分で且つ効率的である。その結果、パーティクルと表面との間の接着に効率的に打ち勝つのに及び表面からパーティクルを成功裏に引き離すのに用いられる力が少なくてすむ。パーティクルと表面との間の接着が打ち負かされたら、すすぎプロセスは、材料を、パーティクルの少なくとも一部と併せて表面から取り除く。パーティクル除去は、粘弾性材料の吐出後、すすぎプロセスの完了前であれば、いつ生じてもよいことがわかる。したがって、力は、実施形態によって、すすぎプロセスの前に加えられたり、すすぎプロセスの最中に加えられたりする。
【0028】
粘弾性材料は、粘弾性材料に関連付けられた化学的構造が、パーティクルとの少なくとも部分的な結合又は相互作用を可能にするように選択される。一部の実施形態では、粘弾性材料は、長鎖高分子であってよい。粘弾性材料に力が加えられると、粘弾性材料は、その力を加えられた場所で固体様特性を示し始める。固体様特性は、材料が、基板表面から容易に剥離することを可能にする。粘弾性材料は、長鎖高分子に限定されず、懸濁液、ひも状ミセル、表面活性剤、磁性流体溶液/電気粘性溶液、及びゴム、ゲル、接着剤などのその他の粘弾性固体、及びこれらの組み合わせを含みえる。
【0029】
粘弾性材料などの液状媒体の固体様特性にアクセスするために外力を加えることの上記の一般的理解を考慮して、次に、各種の図面を参照にして本発明の様々な実施形態が詳細に説明される。
【0030】
図1Aは、パーティクル除去メカニズムの側面を示した簡易ブロック図である。パーティクル除去メカニズムは、キャリアメカニズム(不図示)と、吐出ヘッド105と、加力ヘッド115と、すすぎヘッド125とを含む。キャリアメカニズムは、半導体基板などの基板100を受け取り、保持し、軸に沿って運ぶように構成される。キャリアメカニズムは、当該分野で周知の任意の従来のキャリアメカニズムであってよい、又は従来のキャリアメカニズムの機能性を提供するその他の任意の新規のメカニズムを含むことができる。吐出ヘッド105は、粘弾性材料などの洗浄化学品を、薄膜メニスカスとして基板100の表面に塗布するように構成される。粘弾性材料は、基板100の表面上の複数のパーティクル汚染物質と少なくとも部分的に結合又は相互作用する化学的構造を有するように選択される。粘弾性材料は、基板100の表面に施されるときに、実質的な液体様特性を示す。
【0031】
加力ヘッド115は、粘弾性材料を塗布された表面の第1のエリアに外力を加えるように構成される。外力の加力は、粘弾性材料を塗布された表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないようなものである。一実施形態では、粘弾性材料を塗布された表面の第1のエリアは、吐出ヘッドの吐出口から離れており、第2のエリアは、吐出ヘッドの吐出口の近くにある。力を加えられる第1のエリアには、弾性支配ゾーン110が形成される。粘弾性材料は、弾性支配ゾーン110に到るまでは、液体様特性116−aを示す。液体様特性を示している間、材料は、表面上に容易に施され、引き続き表面からすすぎ流される。弾性支配ゾーン110では、力からのエネルギが、粘弾性材料内に脈動を誘発させる。この時点で、粘弾性材料は、固体様特性116−bを示し始め、したがって、材料を引き付けて表面から剥離することが容易である。固体様特性を示す粘弾性材料は、表面上のパーティクル汚染物質の少なくとも一部と少なくとも部分的に相互作用し、それらのパーティクル汚染物質と少なくとも部分的に結合する。結合されたパーティクル汚染物質は、力が加えられ、粘弾性材料が固体様特性を示し続けている間、粘弾性材料と併せて第1のエリアの領域から除去される。粘弾性材料は、第1のエリアの領域から粘弾性材料が除去される間、第2のエリアでは液体様特性を示し続ける。したがって、実施形態は、異なる動作モード(固体及び液体)に働きかけてそれらの各モードを上手に活用し、その結果、実質的に清浄な基板100を得る。
【0032】
図1Aに示された実施形態では、外力は、押す力、すなわちウエハ表面に垂直に又は一定の角度で作用する力であり、加力ヘッド115によって弾性支配ゾーン110において提供される。押す力は、固体様特性にアクセスするのに十分なエネルギを粘弾性材料に提供する。粘弾性材料は、固体様特性を示している間、同じ押す力を使用して粘弾性材料を表面から吹き飛ばすことによって第1のエリアの領域から除去される。粘弾性材料は、洗浄プロセス中に、粘弾性材料と成功裏に相互作用したパーティクル汚染物質の少なくとも一部を運び去る。
【0033】
結果得られる固体表面100十分に清浄であるように、すすぎヘッド125によって更なるすすぎが実施される。この目的のために、すすぎヘッド125は、洗浄プロセス後に液体又は液状化学品をすすぎメニスカスとして供給して基板表面をすすぐように、及び成功裏のすすぎ後にすすぎメニスカスを取り除くように構成される。
【0034】
上記の実施形態は、加力ヘッドを使用するものとして説明されているが、このような加力ヘッドは、随意である。一実施形態では、パーティクル除去メカニズムは、粘弾性材料の膜を基板の表面に施すための吐出ヘッドと、それに続く、基板の表面をすすぐためのすすぎヘッドとを含んでよい。この実施形態では、すすぎヘッドは、粘弾性材料が固体様特性を示すことを可能にして粘弾性材料をあらゆるパーティクル汚染物質と併せて基板の表面から容易に除去することを可能にするために必要とされる外力を提供する。
【0035】
別の実施形態では、外力は、引く力、すなわち、ウエハ表面に垂直に又は一定の角度でウエハから離れる方に向かう力である。図1Bは、パーティクル除去メカニズムの図であり、基板100の表面に加えられる引く力の作用を描いている。この実施形態では、加力ヘッド115によって弾性支配ゾーン110において吸引力などの引く力が提供される。引く力は、粘弾性材料の液体様特性を固体様特性に変化させるのに十分なエネルギを提供する。粘弾性材料の特性を変化させるための力を提供するのに加えて、引く力は、粘弾性材料が固体様特性を示し続ける間、基板の表面上の弾性支配ゾーン110から粘弾性材料を除去するように構成され、その結果、実質的に清浄な基板表面を得る。
【0036】
本発明の一実施形態では、パーティクル除去メカニズムは、粘弾性材料に対する力の効果を拡大するための拡張スペーサを含んでよい。図1Cは、すすぎヘッド125の前縁と一体化された拡張スペーサ128を伴うパーティクル除去メカニズムを示している。キャリア(不図示)は、基板を受け取り、支え、吐出ヘッド105、加力ヘッド115、及びすすぎヘッド125のそれぞれの下で軸に沿って運ぶ。基板100が吐出ヘッド及び加力ヘッドの下で移動するのに伴って、基板表面は、吐出ヘッド105によって吐出される粘弾性材料及び加力ヘッド115によって加えられる外力に曝される。基板100がすすぎヘッド125の下で軸に沿って移動し続けるのに伴って、すすぎヘッド125の前縁と一体化された拡張スペーサ128は、トンネルとして機能してすすぎヘッド内に「トンネル効果」を発生させ、粘弾性材料に対する力の効果を拡大させる。パーティクル除去メカニズム内で、すすぎヘッドの前縁に拡張スペーサ128を追加することによって、拡張スペーサを伴わないときの力と同じ効果を提供しつつ、粘弾性材料に加えられる力を小さくすることが可能である。拡張スペーサが用意されない場合は、匹敵する量のパーティクル汚染物質を効果的に除去するために、より大きい力を粘弾性材料に加える必要がある。一実施形態では、拡張スペーサ128は、粘弾性材料に対する力の効果をすすぎメニスカスへの進入前に拡大するように位置付けられる。
【0037】
加力ヘッド115は、別個のままであってよい、又は吐出ヘッド105若しくはすすぎヘッド125の任意の1つと一体化されてよい。図2Aは、加力ヘッド115が吐出ヘッド105と一体化された一実施形態を示している。この実施形態では、加力ヘッド115は、吐出ヘッド105の後縁と一体化され、統合ヘッド120になっている。吐出ヘッド105は、粘弾性材料を液体の薄膜として基板の表面に塗布し、加力ヘッド115は、液膜を塗布された基板の表面の第1のエリアに外力を加えて弾性支配ゾーン110を形成する。力は、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって加えられる。もし力が、弾性支配ゾーン110においてゆっくり加えられると、粘弾性材料は、実質的に液体にとどまって、液体様特性を維持する。しかしながら、もし力が、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって急速に加えられると、粘弾性材料は、固体様特性を示し始める。本明細書で説明される各種の実施形態では、粘弾性材料は、長めの固有時間を有するように選択される。一実施形態では、粘弾性材料は、1秒の固有時間を有してよい。この実施形態では、もし外力が、1秒未満の持続時間にわたって加えられると、粘弾性材料は、固体様特性を示し始める。
【0038】
一実施形態では、図2Aに示されるように、吐出ヘッドと加力ヘッドとからなる統合ヘッド120の後縁に、拡張スペーサが提供されてよい。この実施形態では、加力ヘッド115は、吐出ヘッド105の後縁と一体化され、拡張スペーサ128は、統合ヘッド120の後縁に提供される。先に説明されたように、拡張スペーサ128は、加力ヘッドによって提供される力の効果を拡大する。拡張スペーサ128を使用することによって、固体表面とパーティクル汚染物質との間の接着力に打ち勝つために使用される力が小さくてすみ、その結果、表面からパーティクル汚染物質が効率良く除去される。
【0039】
本発明の更に別の実施形態では、加力ヘッド115は、図2Bに示されるように、すすぎヘッド125と一体化されてよい。この実施形態では、加力ヘッド115は、すすぎヘッド125の前縁と一体化され、統合ヘッド120になっている。吐出ヘッド105は、粘弾性材料を液体メニスカスの薄膜として基板100の表面に塗布するように構成される。基板は、液体メニスカスの薄膜116−aとして粘弾性材料を塗布されるように、吐出ヘッド105の下で移動される。基板は、次いで、統合ヘッド120内において、加力ヘッド115の下で移動される。加力ヘッド115は、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって液体メニスカス116−aの第1のエリアに外力を加えて弾性支配ゾーン110を形成する。この力は、力が印加されている間、粘弾性材料が第1のエリアの領域において固体様特性116−bを示すことを可能にするのに十分なエネルギを提供することによって、材料を引き付けて容易に剥離することを可能にし、その結果、実質的に清浄な基板表面を得る。基板の表面上に塗布された粘弾性材料は、第1のエリアの領域から除去される間、第2のエリアでは液体様特性を示し続ける。
【0040】
一実施形態では、加力ヘッドは、粘弾性材料メニスカスの境界の外側ですすぎヘッドの前縁と一体化される。別の実施形態では、加力ヘッドは、粘弾性材料メニスカスの境界の内側ですすぎヘッドの前縁と一体化される。上記の実施形態は、例示的なものだと見なされ、決して限定的ではない。
【0041】
本発明の更に別の実施形態では、図2Bの統合ヘッド120は、図2Bに示されるように、加力ヘッド115とすすぎヘッド125との間に拡張スペーサ128を更に含んでよい。拡張スペーサ128は、表面上の粘弾性材料に加えられる力の効果を拡大し、その結果、パーティクル汚染物質と表面との間の接着力に打ち勝つために使用される力を大幅に小さくする。
【0042】
先に言及されたように、外力は、押す力又は引く力であってよい。押す力は、ウエハ表面に垂直に又は一定の角度で作用する力であってよく、不活性ガス又は液状化学物質のいずれかによって供給される。不活性ガスは、窒素、空気、又はその他の任意の不活性ガスであってよく、液状化学物質は、脱イオン水(DIW)又はその他の任意の液状化学物質であってよい。引く力は、ウエハ表面に垂直に又は一定の角度でウエハから離れる方に向かう力であってよく、真空、不活性ガス、又は液状化学物質のいずれかによって提供される。吐出ヘッド105、加力ヘッド115、及びすすぎヘッド125は、やはり、個別のリニアプロキシミティヘッドであってよい。これらの実施形態は、リニアプロキシミティヘッドに限定されず、スピンヘッドを含むように又はその他のバッチ式洗浄メカニズムを使用するように拡大解釈されてもよいことを理解されるべきである。
【0043】
プロキシミティヘッド、プロキシミティヘッドの向き及び構成、アームアセンブリの構成及び機能、並びに音響エネルギを使用して洗浄するためのプロキシミティヘッド内のトランスデューサに関する更なる情報については、2003年6月30日に出願され「METHOD AND APPARATUS FOR CLEANING A SUBSTRATE USING MEGASONIC POWER(メガソニックパワーを使用して基板を洗浄するための方法及び装置)」と題された米国出願第10/611,140号を参照することができる。該出願は、現出願の出願人に譲渡され、引用によって本明細書に組み込まれる。
【0044】
典型的なプロキシミティヘッド、並びにそれらの導入管及び排出管のそれぞれの構成とパターンとは、引用によって本明細書に組み込まれている米国特許出願第10/261,839号、第10/404,270号、及び第10/330,897号で見出すことができる。したがって、本明細書で説明されるプロキシミティヘッドは、その1つ、幾つか、又は全部を、適切な基板洗浄及び基板乾燥のために任意の適切な構成で用いることが可能である。また、プロキシミティヘッドは、任意の適切な数又は形状の排出管及び導入管を有してよい。
【0045】
基板を洗浄するために使用される粘弾性材料に関する更なる情報については、2007年12月14日に出願され「MATERIALS AND METHODS FOR PARTICLE REMOVAL BY SINGLE-PHASE AND TWO-PHASE MEDIA(単相媒体及び二相媒体によるパーティクル除去のための材料と方法)」と題された米国仮出願第61/013950号を参照することができる。該出願は、本出願の出願人に譲渡され、引用によって本明細書に組み込まれる。
【0046】
別の実施形態では、力は、粘弾性材料の液体メニスカス内に振動運動を誘発させることができる。図3Aは、音響エネルギを使用して振動運動を誘発させるためのパーティクル除去メカニズムの簡易ブロック図であり、図3Bは、トランスデューサ406の働きを示した部分拡大図である。この実施形態では、加力ヘッド115は、基板の表面に施される粘弾性材料内に振動運動を誘発させる音響エネルギを生成するために、トランスデューサ406を具備している。トランスデューサ406は、トランスデューサボディ406bと、電源408に接続された圧電素子406aとを含む。電源408は、高周波電源などの任意のタイプの電源であってよい。トランスデューサ406は、トランスデューサ406において生成された音響エネルギが強さを大きく失うことなく伝達されるように、加力ヘッド115の底面の近くで基板の表面の上面に面して位置付けられる。トランスデューサボディ406bは、圧電素子406aを通じて電源408からのパワーを受け取り、そのパワーを音響エネルギに変換する。音響エネルギは、すると、吐出ヘッド105によって液体メニスカスとして供給された第1のエリアの粘弾性材料に伝達される。一実施形態では、加力ヘッド115を通じて液状媒体が施され、加力ヘッド115内のトランスデューサ406からは、伝達媒質として機能する液状媒体を通じて音響エネルギが第1のエリアの粘弾性材料に伝達される。
【0047】
トランスデューサ406は、加力ヘッド115の構造形状にちょうど収まることができる限り、任意の適切なサイズ、形状、及び数であってよく、基板に音響エネルギを注いでメニスカス116a内に脈動を誘発させることができる。トランスデューサ406は、メニスカス116aに脈動を加えることができる限り、別個に存在する又は吐出ヘッド若しくはすすぎヘッドと一体化された加力ヘッドの任意の適切な領域内に位置付けられてよいことがわかる。
【0048】
音響エネルギは、脈動を通じて粘弾性材料内に振動運動を誘発させるのに十分な強さの力を提供する。力は、粘弾性材料を塗布された基板表面の第1のエリアに、粘弾性材料を塗布された基板表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように加えられる。力は、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって加えられ、粘弾性材料の固体様特性へのアクセスを可能にする。固体様特性を示している間、粘弾性材料は、パーティクル汚染物質の少なくとも一部と少なくとも部分的に相互作用又は結合する。粘弾性材料が、第1のエリアの領域において力を受けて固体様特性を示し続けている間、粘弾性材料及びパーティクル汚染物質は、表面から除去され、その結果、実質的に清浄な基板表面を得る。粘弾性材料は、第1のエリアの領域から粘弾性材料が除去される間、第2のエリアでは液体様特性を示し続ける。
【0049】
別の実施形態では、振動運動は、機械的な力によって提供される。この実施形態では、加力ヘッドに、機械的な力を提供するためのメカニズムが含まれる。該メカニズムは、電源に接続されたモータであってよく、基板の表面に施された粘弾性材料内に機械的かく拌を誘発させるために、機械的な力を提供する。機械的かく拌は、粘弾性材料が、固体様特性を示すことを可能にする。固体様特性は、パーティクル汚染物質の少なくとも一部と少なくとも部分的に相互作用又は結合し、捕捉されたパーティクル汚染物質と併せて粘弾性材料を表面から容易に除去することを可能にし、その結果、実質的に清浄な基板表面を得る。上述の実施形態は、粘弾性材料が単相化学品である場合について説明されてきた。ゆえに、粘弾性材料は、固体様特性及び液体様特性の両方を示すものの、基板の表面に施されたときは、単相化学品であった。実施形態は、しかしながら、単相化学品に限定されない。
【0050】
粘弾性材料は、二相(固液、固気、若しくは液気)化学品、又は三相(固液気)化学品であってよい。二相化学品及び三相化学品に関する更なる詳細については、引用によって本明細書に組み込まれる、2008年6月2日に出願され「Materials and Methods for Particle Removal by Single Phase and Two-Phase Media(単相媒体及び二相媒体によるパーティクル除去のための材料と方法)」と題された米国特許出願第12/131,654号(代理人整理番号LAM2P628A)、2008年6月2日に出願され「Methods for Particle Removal by Single Phase and Two-Phase Media(単相媒体及び二相媒体によるパーティクル除去のための方法)」と題された米国出願第12/131,660(代理人整理番号LAM2P628C)、2006年9月15日に出願され「Method and Material for Cleaning a Substrate(基板を洗浄するための方法及び材料)」と題された米国特許出願第11/532,491号(代理人整理番号LAM2P548B)、並びに2008年6月30日に出願され「Single Substrate Processing Head for Particle Removal using Low Viscosity Fluid(低粘性流体を使用するパーティクル除去のための枚葉式基板処理ヘッド)」と題された米国出願第12/165,577号(代理人整理番号LAM2P638)を参照することができる。
【0051】
一実施形態では、粘弾性材料は、複数の固有時間を含みえる化学的構造を有してよい。この実施形態では、粘弾性材料の固体様特性に最適にアクセスするために、引く力、押す力、又は振動力が微調整されてよい。粘弾性材料は、懸濁液、ひも状ミセル、表面活性剤、磁性流体溶液/電気粘性溶液、及びゴム、ゲル、接着剤などの粘弾性固体、及びこれらの任意の組み合わせのうちの、任意の1つを含んでよい。
【0052】
更に別の実施形態では、パーティクル除去メカニズムは、基板の表面に施される粘弾性材料に押す力又は引く力を導入するために、ノズル又はスプレーを含んでよい。図4Aは、単純なパーティクル除去メカニズムの側面図であり、図4Bは、図4Aに示されたパーティクル除去メカニズムの上面図である。この実施形態では、液状媒体としての粘弾性材料を入れて保持するために、容器410が使用される。パーティクル除去メカニズムは、また、基板100の表面上に粘弾性材料の薄い層が塗布されるように、容器410内において基板100を受け取り、支え、軸に沿って移動させるためのキャリアメカニズム420も含む。キャリアメカニズム420は、また、キャリア及び受け取られた基板が軸に沿って移動することを可能にするために、モータ機構などのメカニズムに接続されてよい。基板の表面を覆う粘弾性材料に、その粘弾性材料の固有時間よりも短い時間にわたって外力を提供するために、加力メカニズム430が使用される。加力メカニズム430は、不活性ガス又は液状化学品(DIW)による押す力を粘弾性材料に提供するノズル又は高速すすぎ銃であってよい。加力メカニズム430は、また、真空を使用して押す力を提供してもよい。加力メカニズム430は、真空フロー、不活性ガスフロー、又は液状化学品フローを提供するリザーバに接続される。加力メカニズムは、ノズル又は高速すすぎ銃に限定されず、粘弾性材料に外力を提供することができるその他のタイプのメカニズムにも拡大解釈することができる。一実施形態では、加力は、押す力を使用した二相のすすぎを含む。この実施形態では、加力メカニズム430は、不活性ガス又は液状化学品をジェットスプレーの形で提供し、その後、スプレーによって空気を提供して化学品を乾燥させる。以上では、具体的な実施形態が挙げられているが、これらの実施形態のヴァリエーションもまた、可能である。
【0053】
一実施形態では、加力メカニズムは、図4A及び図4Bに示されるように、可動アームに搭載される。可動アームは、粘弾性材料を塗布された固体表面の少なくとも一部分の第1のエリアに力が加えられるように、加力メカニズム430を基板の表面の上方で適切な位置に移動させるために使用される。力は、粘弾性材料を塗布された基板の表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように加えられる。一実施形態では、固体表面を支えるキャリアメカニズムは、粘弾性材料を塗布された基板の表面の第1のエリアに実質的に一様に外力が加えられるように、加力メカニズムによって加えられる外力に相対的に回転軸を中心にして回転されてよい。加力を受けて、第1のエリアの粘弾性材料は、固体様特性を示し始める。この時点で、粘弾性材料は、基板の表面上に見出されたパーティクル汚染物質の少なくとも一部と少なくとも部分的に相互作用又は結合する。力が加えられ、第1のエリアの粘弾性材料が固体様特性を示し続けている間、粘弾性材料は、材料と相互作用したパーティクル汚染物質の少なくとも一部と併せて除去される。基板の表面に施された粘弾性材料は、第1のエリアの領域から粘弾性材料が除去される間、第2のエリアでは液体様特性を示し続ける。この実施形態では、加力メカニズム430は、外力を加えるのみならず、粘弾性材料が固体様特性を示している間、表面の第1のエリアから粘弾性材料を除去するのにも役立つ。第1のエリアの領域からの粘弾性材料の除去は、不活性ガス、液状化学品、又は真空を使用した、引く力又は押す力のいずれかによって可能にされる。
【0054】
図4A及び図4Bに示された実施形態は、可動アームに設けられた加力メカニズムを開示しているが、この実施形態のヴァリエーションもまた、考えられる。例えば、一実施形態では、加力メカニズムは、静止アームに搭載されてよく、力は、粘弾性材料を伴う基板の表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けない間、基板の表面の第1のエリアに加えられる。この実施形態では、基板の表面がその加えられる力に均等に曝されるように、基板を受け取って支えるメカニズム(「チャック」メカニズムなど)が回転軸を中心にして基板を回転させる。加えられた力に曝された粘弾性材料は、固体様特性を示し始め、粘弾性材料と相互作用したパーティクル汚染物質と併せて表面から除去される。
【0055】
これらの実施形態は、粘弾性材料を基板の表面の一部分に施すことに限定されず、粘弾性材料が基板の表面全体を覆うように施される実施形態のようなその他のヴァリエーションも含むことができることに留意せよ。一実施形態では、粘弾性材料は、中心から始まり縁に向かって進んで基板の表面全体を覆うように吐出され、次いで、粘弾性材料が固体様特性を示しえるように押す力又は引く力のいずれかを加えることによって中心から縁に向かってすすがれる。別の実施形態では、表面全体を覆う粘弾性材料に、先の実施形態で言及された引く力又は押す力の代わりにフルバックのメガソニック又は音響振動が加えられ、同時に、基板の表面全体が中心から始まり縁に向かってすすがれる。更に別の実施形態では、基板の表面全体を覆う粘弾性材料に、先の実施形態で言及された音響振動の代わりに機械的な振動運動が加えられ、同時に、基板全体が中心からすすがれる。
【0056】
表面からの汚染物質パーティクルの最適な除去は、加えられる力に関連したパラメータ、粘弾性材料に関連したパラメータ、並びに吐出ヘッド、加力ヘッド、すすぎヘッド、及び随意として吐出ヘッド又はすすぎヘッドと一体化されたときの拡張スペーサに関連したパラメータを含む、各種のパラメータに依存する。除去の際に考慮されるパラメータには、引く力/押す力の大きさ、対応するヘッドと固体表面との間のギャップ、引く力又は押す力の角度、拡張スペーサのサイズ、表面上に吐出される粘弾性材料の量などがある。不活性ガス(窒素又は空気)フローを使用して引く力(吸引力又は真空力)が加えられる一実施形態において、パーティクル汚染物質と併せた粘弾性材料の最適な除去において有望な結果を示した各種のパラメータは、約10slm〜約1000slm、好ましくは約200slm〜約500slm(標準リットル毎分)の吸引ガスフロー、約0.3mm〜約3mm、好ましくは約0.5〜1mmの固体表面−ヘッド間ギャップ、約0度(固体表面に垂直)〜約60度、好ましくは約0度〜約30度の吸引フロー角度、約5mm〜約100mm、好ましくは約10mm〜約50mmの拡張スペーサ長(拡張スペーサが存在する場合)、及び約10ml/分〜約500ml/分、好ましくは約100ml/分〜約200ml/分の吐出量を含む。上記のパラメータは、粘弾性材料メニスカスの境界の外側ですすぎヘッドの前縁と一体化された加力ヘッド(force applicator head, FAH)、粘弾性材料メニスカスの境界の内側ですすぎヘッドの前縁と一体化されたFAH、吐出ヘッドの後縁と一体化されたFAH、又はFAHがすすぎヘッド及び吐出ヘッドと別個のまま吐出ヘッドとすすぎヘッドとの間に配置された場合に適用可能であってよい。
【0057】
液体(DIW)フローを使用して引く力(吸引力)が加えられる別の実施形態では、パーティクル汚染物質と併せた粘弾性材料の最適な除去において有望な結果を示した各種のパラメータは、約100ml/分〜約5000ml/分、好ましくは約1000ml/分〜約4000ml/分の吸引液体フロー、約0.1mm〜約3mm、好ましくは約0.3mm〜約1mmの固体表面−ヘッド間ギャップ、約0度(基板表面に垂直)〜約60度、好ましくは約0度〜約30度の吸引フロー角度、約5mm〜約100mm、好ましくは約10mm〜約50mmの拡張スペーサ長、及び約10ml/分〜約500ml/分、好ましくは約100ml/分〜約200ml/分の吐出量を含む。上記のパラメータは、粘弾性材料メニスカスの境界内ですすぎヘッドの前縁又は後縁の近くにある加力ヘッド(force applicator head, FAH)に適用可能であってよい。
【0058】
不活性ガス(窒素又は空気)フローを使用して押す力(吹き付け力など)が加えられる別の実施形態では、パーティクル汚染物質と併せた粘弾性材料の最適な除去において有望な結果を示した各種のパラメータは、約10slm〜約100slm、好ましくは約30slm〜約80slmのガスフロー、約0.5mm〜約15mm、好ましくは約1mm〜約5mmの基板表面−ヘッド間ギャップ、約0度(基板表面に垂直)〜約60度、好ましくは約30度〜約45度の吸引フロー角度、約5mm〜約100mm、好ましくは約10mm〜約50mmの拡張スペーサ長、及び約5ml/分(基板表面)〜約100ml/分、より好ましくは約10ml/分〜約30ml/分の吐出量を含む。上記のパラメータは、加力ヘッド(force applicator head, FAH)がすすぎヘッドの前縁と一体化された場合、FAHが吐出ヘッドの後縁と一体化された場合、又はFAHがすすぎヘッド及び吐出ヘッドと別個のまま吐出ヘッドとすすぎヘッドとの間に配置された場合に適用可能であってよい。FAHは、固体表面上に施された粘弾性材料メニスカスに不活性ガスフローが作用するように位置付けられる。
【0059】
液体(DIW)フローを使用して引く力(吹き付け力など)が加えられる別の実施形態では、パーティクル汚染物質と併せた粘弾性材料の最適な除去において有望な結果を示した各種のパラメータは、約100ml/分〜約5000ml/分、好ましくは約2000ml/分〜約4000ml/分の液状化学品フロー、約0.1mm〜約3mm、好ましくは約0.3mm〜約1mmの基板表面−ヘッド間ギャップ、好ましくは約0度〜約30度である約0度(基板表面に垂直)〜約60度の吸引フロー角度、及び約5mm〜約100mm、好ましくは約10mm〜約50mmの拡張スペーサ長を含む。上記のパラメータは、加力ヘッド(force applicator head, FAH)がすすぎヘッドの前縁又は後縁の近くにあるが粘弾性材料メニスカスの境界内である場合に適用可能であってよい。
【0060】
不活性ガス又は液状化学品のフローを使用した引く力/押す力に関連したパラメータに加えて、実施形態は、音響エネルギ、機械的エネルギ、又はその他の形態のエネルギを通じて加えられる力を使用して振動運動を提供するために使用されてよい。振動運動は、吐出ヘッドのすぐ近傍で振動力を加え、基板の表面に供給される粘弾性材料の吐出又は吸引フローを脈動させることによって加えられてよい。或いは、吐出ヘッドのすぐ近傍で振動力を使用し、脱イオン水(DIW)すすぎフローの吐出又は吸引を脈動させることによって機械的振動が提供されてよい。0.5秒の固有時間を有する粘弾性材料の場合は、約2Hz〜約1000Hzの、好ましくは約10Hz〜約100Hzのパルス周波数が、粘弾性材料の固体様特性にアクセスすることによるパーティクル汚染物質の最適な除去において有望な結果を示した。
【0061】
同様に、DIWを通じて粘弾性材料及び固体表面に結合された超音波板又はメガソニック板による音響振動の場合は、表面からのパーティクル汚染物質の最適な除去において有望な結果を示した音響エネルギに関連したパラメータは、約10ワット〜約1000ワットの電源を通じて提供される、約10kHz〜約500kHz、より好ましくは約44kHz、88kHz、若しくは132kHzの超音波エネルギを使用したパルス周波数、又は約800kHz〜約2MHz、より好ましくは約1.4MHzのメガソニックエネルギを使用したパルス周波数を含む。この実施形態では、DIWは、音響エネルギを粘弾性材料に伝えるための伝達媒質として機能する。
【0062】
汚染物質パーティクル除去のメカニズムは、粘弾性材料の持つ異なる動作モードへのアクセスに関して説明されている。粘弾性材料は、外力を加えられて実質的な固体様特性を示すようになる時点まで、実質的な液体様特性を示す。固体様特性は、パーティクル汚染物質を容易に捕えるのに役立つ。これは、パーティクル汚染物質などの固体が液体の下にあり、その液体の上から力が作用されると、液体が散逸される前に、下にある固体に伝わることができるのは、液体からの力の一部分のみであるからである。一方で、第1の固体が第2の固体(パーティクル汚染物質)の上にあり、その第1の固体の上から第2の固定に力が作用されるときは、第1の固体に加えられる力は、第1の固体の散逸を恐れる必要なく、第1の固体の下にある第2の固体に完全に伝わることができる。液体様特性を示す粘弾性材料の粘性特質は、表面上に容易に施すこと、及び引き続き表面から除去することを可能にし、固体様特性は、加えられた力を使用してパーティクル汚染物質を捕えることを可能にする。有望な結果を示した粘弾性材料の例については、引用によって本明細書に組み込まれる、2008年6月2日に出願され「MATERIALS FOR PARTICLE REMOVAL BY SINGLE-PHASE AND TWO-PHASE MEDIA(単相媒体及び二相媒体によるパーティクル除去のための材料)」と題された米国特許出願第12/131,654号(代理人整理番号LAM2P628A)及び2008年6月30日に出願され「SINGLE SUBSTRATE PROCESSING HEAD FOR PARTICLE REMOVAL USING LOW VISCOSITY FLUID(低粘度流体を使用するパーティクル除去のための枚葉式基板処理ヘッド)」と題された米国特許出願第12/165,577号(代理人整理番号LAM2P638)を参照せよ。
【0063】
これらの各種の実施形態に関する上記の詳細な説明とともに、次に、図5を参照にして、基板表面からパーティクル汚染物質を除去するための方法が説明される。図5は、固体表面上に施される洗浄化学品の固体様特性にアクセスする外力を使用して基板表面からパーティクル汚染物質を成功裏に除去することに伴われる各種のプロセス工程を示している。方法は、工程510で説明されるように、適切な粘弾性材料を選択することから始まる。粘弾性材料は、基板の表面上のパーティクル汚染物質の少なくとも一部との少なくとも部分的な結合又は相互作用を可能にする化学的構造を含むように選択され、粘弾性材料に加えられる力に基づいて液体様特性及び固体様特性を示すことができる。
【0064】
選択された粘弾性材料は、工程520で説明されるように、薄膜として表面上に塗布される。粘弾性材料は、薄膜の形で表面を実質的に覆う。粘弾性材料は、この時点では、液体様特性を示す。工程530で説明されるように、基板表面に施された粘弾性材料の第1のエリアに、外力が加えられる。外力は、粘弾性材料を塗布された基板の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように加えられる。外力は、粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって加えられる。本出願で使用される固有時間という用語は、粘弾性材料が緩和するのに必要とされる時間として定義される。力が固有時間よりも短い時間にわたって加えられたとき、粘弾性材料は、固体様特性を示し始める。
【0065】
力が加えられ、粘弾性材料が固体様特性を示している間、粘弾性材料は、工程540で説明されるように、パーティクル汚染物質の少なくとも一部と成功裏に相互作用してそれらのパーティクル汚染物質と成功裏に結合し、これらのパーティクル汚染物質は、次いで、材料の剥離によって、粘弾性材料と併せて基板表面の第1のエリアの領域から除去される。なお、施される粘弾性材料は、第1のエリアの第1の領域から粘弾性材料が除去される間、第2のエリアでは液体様特性を示し続ける。固体様特性にアクセスしている間に粘弾性材料を除去することによって、徹底的な洗浄が可能にされ、その結果、実質的に清浄な基板表面が得られる。その結果、洗浄工程によってあとに残される汚染物質が大幅に減少され、ゆえに、より効果的で且つ効率的な洗浄方法になる。該方法は、固体様特性にアクセスすることによって、パーティクル汚染物質の少なくとも一部と併せた第1のエリアからの粘弾性材料の徹底的な除去を終える。
【0066】
本発明は、幾つかの好ましい実施形態の観点から説明されてきたが、当業者ならば、先の明細書を読むこと及び図面を検討することによって、様々な代替、追加、置き換え、及び均等物を認識できることがわかる。したがって、本発明は、本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとして、このようなあらゆる代替、追加、置き換え、及び均等物を含むことを意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面からパーティクル汚染物質を除去するための方法であって、
液体様特性を示し、前記表面上に存在する前記パーティクル汚染物質との少なくとも部分的な相互作用又は結合を可能にする化学的構造を有する粘弾性材料の層を薄膜として前記表面に塗布する工程と、
前記粘弾性材料を塗布された前記表面の第1のエリアに、前記粘弾性材料を塗布された前記表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように、前記粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって力を加える加力の工程と、
前記力を加えつつ、前記表面から前記パーティクルの少なくとも一部を除去するように、前記第1のエリアから前記粘弾性材料を除去する工程と、
を備え、
前記除去は、前記力が加えられ、前記粘弾性材料が固体様特性を示している間に、前記表面の前記第1のエリアの領域において発生し、前記粘弾性材料は、前記第1のエリアの前記領域から除去されている間、前記第2のエリアでは液体様特性を示し続ける
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記加力は、更に、前記基板の前記表面から前記粘弾性材料を引き離すための引く力を提供することを含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記引く力は、真空フローとして提供される方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記加力は、更に、前記基板の前記表面から前記粘弾性材料を押しやる押す力を提供することを含む方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記押す力は、不活性ガス又は液状化学物質の1つによって提供される方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記不活性ガスは、空気又は窒素の1つであり、前記液状化学物質は、脱イオン水又はエアロゾルの1つである方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記加力は、更に、前記粘弾性材料内に脈動を発生させるための振動力を提供することを含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記振動力は、音響エネルギ又は機械的エネルギの1つを通じて提供される方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記粘弾性材料の除去は、更に、前記粘弾性材料が液体様特性を示し始める前に前記第1のエリアから前記粘弾性材料を除去することを含む方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
加力は、更に、前記粘弾性材料が複数の固有時間を示す場合に、前記粘弾性材料の固体様特性へのアクセスを可能にするために前記力の周波数を微調整することを含む方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記粘弾性材料は、懸濁液、ひも状ミセル、表面活性剤、磁性流体溶液/電気粘性溶液、及びゴム、ゲル、接着剤などの粘弾性固体、及びこれらの任意の組み合わせのうちの、任意の1つを含む方法。
【請求項12】
基板の表面からパーティクルを除去するためのパーティクル除去メカニズムであって、
前記基板を受け取り、保持し、軸に沿って運ぶためのキャリアメカニズムと、
粘弾性材料のメニスカスを薄膜として前記基板の前記表面の少なくとも一部分に塗布するように構成された吐出ヘッドであって、前記粘弾性材料は、液体様特性を実質的に示す吐出ヘッドと、
前記粘弾性材料を塗布された前記表面の第1のエリアに、前記粘弾性材料を塗布された前記表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように外力を加えるように構成された加力ヘッドであって、前記外力は、前記粘弾性材料の固体様特性へのアクセスを可能にするために、前記粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって加えられる加力ヘッドと、
前記固体様特性へのアクセスによって前記力が加えられている間、液状化学品をすすぎメニスカスとして供給して前記表面をすすぐように及び前記粘弾性材料を前記第1のエリアの領域から除去するように構成されたすすぎヘッドと、
を備えるパーティクル除去メカニズム。
【請求項13】
請求項12に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力ヘッドは、前記吐出ヘッドの後縁と一体化されるパーティクル除去メカニズム。
【請求項14】
請求項13に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記吐出ヘッドは、前記加力ヘッドからの前記力の効果を拡大するために、前記後縁上に拡張スペーサを含むパーティクル除去メカニズム。
【請求項15】
請求項12に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力ヘッドは、前記すすぎヘッドの前縁と一体化されるパーティクル除去メカニズム。
【請求項16】
請求項15に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記すすぎヘッドは、前記表面が前記すすぎヘッドからの前記液状化学品のすすぎメニスカスに曝される前に前記加力ヘッドからの前記力の効果を拡大するために、前記すすぎヘッドの前記前縁上に拡張スペーサを含むパーティクル除去メカニズム。
【請求項17】
請求項15に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力ヘッドは、すすぎメニスカスの境界の外側で一体化されるパーティクル除去メカニズム。
【請求項18】
請求項15に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力ヘッドは、すすぎメニスカスの境界の内側で一体化されるパーティクル除去メカニズム。
【請求項19】
請求項12に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力ヘッドは、別個であり、前記吐出ヘッドと前記すすぎヘッドとの間に位置付けられるパーティクル除去メカニズム。
【請求項20】
請求項12に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力ヘッドは、前記すすぎヘッドの後縁と一体化されるパーティクル除去メカニズム。
【請求項21】
請求項12に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力ヘッドは、空気又は窒素などの不活性ガス状化学品の真空フローを使用して吸引力を提供するように構成されるパーティクル除去メカニズム。
【請求項22】
請求項12に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力ヘッドは、脱イオン水などの液状化学品の真空フローを使用して吸引力を提供するように構成されるパーティクル除去メカニズム。
【請求項23】
請求項12に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記吐出ヘッド、前記すすぎヘッド、及び前記加力ヘッドは、リニアヘッド又はスピンヘッドのいずれかであるパーティクル除去メカニズム。
【請求項24】
基板の表面からパーティクル汚染物質を除去するためのパーティクル除去メカニズムであって、
粘弾性材料を保持するように構成された容器であって、前記粘弾性材料は、液体様特性を実質的に示し、前記表面上に存在するパーティクル汚染物質と少なくとも部分的に結合又は相互作用する化学的構造を有する、容器と、
前記基板の前記表面上に前記粘弾性材料の薄い膜層が塗布されることを可能にするために、前記容器内において前記基板を受け取り、支え、軸に沿って移動させるように構成されたキャリアメカニズムと、
前記粘弾性材料を塗布された前記表面の第1のエリアに、前記粘弾性材料を塗布された前記表面の第2のエリアがその加えられる力を実質的に受けないように外力を加えるように構成された加力メカニズムであって、前記外力は、前記第1のエリアの領域の前記粘弾性材料の固体様特性へのアクセスを可能にし、前記粘弾性材料に結合する前記パーティクルの少なくとも一部と併せた前記粘弾性材料の除去を容易にするために、前記粘弾性材料の固有時間よりも短い持続時間にわたって加えられる、加力メカニズムと、
を備えるパーティクル除去メカニズム。
【請求項25】
請求項24に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力メカニズムは、前記粘弾性材料の脈動を可能にするために、前記表面上の前記粘弾性材料の薄い膜に機械的エネルギを供給するように構成されたモータを含み、前記機械的エネルギは、前記粘弾性材料の前記固体様特性へのアクセスを可能にするのに十分である
パーティクル除去メカニズム。
【請求項26】
請求項24に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力メカニズムは、前記粘弾性材料の脈動を可能にするために、前記表面における前記粘弾性材料の薄膜内に振動運動を発生させるための音響エネルギを供給するように構成されたトランスデューサを含み、前記粘弾性材料の脈動は、前記粘弾性材料の前記固体様特性へのアクセスを可能にする
パーティクル除去メカニズム。
【請求項27】
請求項24に記載のパーティクル除去メカニズムであって、
前記加力ヘッドは、更に、引く力又は押す力のいずれかを供給するために、ノズルを含み、前記ノズルは、前記表面上に施される前記粘弾性材料に前記引く力又は前記押す力を供給するために、可動アームに搭載されリザーバにつながれる
パーティクル除去メカニズム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−520561(P2012−520561A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553559(P2011−553559)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050842
【国際公開番号】WO2010/103416
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】