説明

ヒューズ回路

【課題】種々の半導体用途において使用されるヒューズ回路を提供する。
【解決手段】ヒューズ回路は、インタクト状態とブロー状態を有するヒューズを備える。上記ヒューズは、上記ヒューズにブロー電流を流すことにより、ブロー状態に切り換えられる。上記ヒューズは、第1のトランジスタと第2のトランジスタとの間に直列に接続される。上記第1のトランジスタおよび第2のトランジスタは、相補的なトランジスタであり、上記ヒューズを流れる静電放電電流を低減するように作動する。第1のトランジスタおよび第2のトランジスタは、ターンオンされて、上記ヒューズにブロー電流を流す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の半導体用途において使用されるヒューズ回路(FUSE CIRCUITS)に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒューズ回路は、種々の半導体用途、例えばメモリデバイスやプログラマブルロジックデバイスにおいて使用される。例えばメモリデバイスは、ヒューズデータを提供するためのヒューズ回路を備える。図1は、従来のヒューズ回路100のブロック図である。
【0003】
図1において、トランジスタ104(例えばPMOSトランジスタ)は、トリミング信号に応答してヒューズ102にブロー電流(blowing current)Iを供給するためのものであり、ヒューズ102のノードに接続されている。このトリミング信号は、インバータ110および112を介してトランジスタ104のゲートに入力される。電源は、トランジスタ104のソースに接続され、トランジスタ104に入力電圧VDDを供給する。ヒューズ102の他のノードはグランドに接続される。トランジスタ106(例えばPMOSトランジスタ)は、ヒューズ102に接続され、ヒューズ102にリード電流I(I<I)を供給するためのものである。バイアス電圧VBは、トランジスタ106のゲートに供給される。トランジスタ106に入力電圧VDDを供給するために、トランジスタ106のソースに電源が接続されている。さらに、インバータ108は、ヒューズ102に接続され、ヒューズ102での電圧降下を検出して、この電圧降下に応じて信号を出力するためのものである。
【0004】
ヒューズ102は、無損傷のインタクト状態(intact state)と吹き飛ばされたブロー状態(blown state)とを有する。もし、このヒューズ102がブローされれば、ヒューズ102の抵抗は相対的に高くなり、例えば100KΩになる。そうでなければ、ヒューズ102の抵抗は比較的低く、例えば100Ωである。すなわち、ヒューズ102は、高抵抗状態または短絡回路状態を示す。トリミング信号がアサートされれば、トランジスタ104はターンオンされ、ブロー電流Iをヒューズ102に流してヒューズ102をブローさせる。ヒューズ102がブロー状態にあるかインタクト状態にあるかを検出するために、トランジスタ106は、ヒューズ102を通じて流れる電流Iを供給する。インバータ108は、ヒューズ102での電圧降下に応じてヒューズ102の状態を示す信号を発生させる。ヒューズ102での電圧降下が、所定のレベルVTHR(例えば1V)よりも低ければ、ヒューズ102はインタクト状態にあると判定されることができる。この場合、インバータ108は、OUTに論理ハイ(High)の信号を供給する。ヒューズ102での電圧降下が所定のレベルVTHRよりも高ければ、ヒューズ102はブロー状態にあると判定されることができる。この場合、インバータ108は、OUTに論理ロー(Low)の信号を供給する。
【0005】
しかしながら、ヒューズ102は、このヒューズ102を通じて流れる静電放電電流(electrostatic discharge current)により加熱または溶断されることがある。この静電放電電流は、静電放電現象(electrostatic discharge event)が発生したときに、異なる電位の2つのノード間に流れる突然の瞬間的な電流である。静電放電現象は静電気(static electricity)によって発生される。静電気は、摩擦帯電(tribocharging)により発生され、この摩擦帯電では、或る材料が他の異なる材料と接触されて離された後に電気的に帯電される。例えば、2つのヒューズ回路間の摩擦(friction)は摩擦帯電をもたらし、従って、ヒューズの両端に異なる電位を形成する。その結果、静電放電電流がこのヒューズを通じて流れる。このように、ヒューズは恒久的な損傷を受け、それは、ヒューズの状態の検出エラーを引き起こすことがある。
【0006】
さらに、ヒューズ102の抵抗は、プロセス劣化、周囲温度変化、種々の電源電圧劣化またはヒューズの経年劣化により変化し得る。ヒューズでの電圧降下が所定のレベルVTHRよりも低いレベルになる程にブロー状態のヒューズの抵抗が減少することがあり、それはOUTでの論理ハイの信号をもたらす。このように、ヒューズ回路の一貫しない検出結果はエラーを引き起こし、システムのロバスト性(robustness)を減少させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ヒューズ回路は、インタクト状態とブロー状態とを有するヒューズを備える。前記ヒューズは、前記ヒューズにブロー電流を流すことにより前記ブロー状態に切り換えられる。前記ヒューズは、接続された第1のトランジスタと第2のトランジスタとの間に直列に接続される。前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、相補的トランジスタであり、前記ヒューズを通じて流れる静電放電電流を低減させるように作動する。前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタはターンオンされて、前記ヒューズにブロー電流を流す。
【0008】
特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態の特徴および利点は、以下の図面を参照する詳細な説明により明らかになり、各図において、同様の番号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来のヒューズ回路のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるヒューズ回路のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による他のヒューズ回路のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるヒューズ回路の回路図である。
【図5】本発明の一実施形態による複数のヒューズ回路を備えた回路のブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態によるデータを格納するための複数のヒューズ回路を備えたファームウェアのブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態によるヒューズ回路により実施される動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、これらの実施形態と関連して説明されるが、これらの実施形態に本発明を制限することを意図したものではないことが理解されるであろう。逆に、本発明は、代替、変形、均等物に及び、それらは、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲内に含まれる。
【0011】
また、本発明の以下の詳細な説明において、多くの特定の詳細は、本発明の完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、当業者であれば、本発明が、これらの特定の詳細によらずに実施され得ることを理解するであろう。他の例では、公知の方法、手順、構成要素、および回路は、本発明の態様を余計に不明瞭にしないために、詳細には説明されていない。
【0012】
本発明による実施形態は、ヒューズをブロー(blowing)し、このヒューズの状態を検出するためのヒューズ回路を提供する。有利には、2つの相補的なトランジスタの間にヒューズを直列に接続することにより、このヒューズを通じて流れる望ましくない静電放電電流を低減させ、または排除し得る。
【0013】
また、ヒューズに接続された検出回路は、調整可能なリード電流をヒューズに供給し、上記ヒューズでの電圧降下により上記ヒューズの状態を検出する。有利には、リード電流(reading current)は、比較的正確に上記ヒューズの状態を検出するために、異なる状況(circumstances)の下で調整され得る。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態によるヒューズ回路200のブロック図である。ヒューズ回路200は、多くの用途で使用され得る。例えば、ヒューズ回路200は、このヒューズ回路におけるヒューズの抵抗に基づいて異なる状態の信号(例えばデジタル信号)を供給するためのトリミング回路のようなものであり得る。ヒューズの抵抗は、このヒューズを通じて流れる電流に基づいて変化する。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、このヒューズは他の用途に適したものであってもよい。
【0015】
ヒューズ回路200は、インタクト状態(intact state)とブロー状態(blown state)を有するヒューズ202を備える。インタクト状態では、ヒューズ202の抵抗は、第1の所定値、例えば100Ωよりも小さい値であり得る。一実施形態において、ヒューズをブローすることは、このヒューズが溶解するまで、このヒューズに電流を流すことを意味する。このヒューズ202は、このヒューズに、ブロー電流I、例えば100mAの電流を流すことによりブローされ得る。ブロー状態では、ヒューズ202の抵抗は、第2の所定値、例えば1MΩよりも大きな値であり得る。
【0016】
一実施形態において、トランジスタ204(例えばPMOSトランジスタ)は、ヒューズ202にブロー電流Iを流すためのものであり、ヒューズ202のノードに接続される。トランジスタ204に入力電圧VDDを供給するために、トランジスタ204のソースに電源が接続される。コントローラ212は、トランジスタ204を制御するために、トランジスタ204のゲートに接続される。
【0017】
また、トランジスタ210(例えばNMOSトランジスタ)は、ヒューズ202の他方のノードに接続される。一実施形態において、トランジスタ210およびトランジスタ204は相補的(complementary)である。この相補的トランジスタ204および210は、逆の導電型の2つのトランジスタ、例えばPMOSトランジスタとNMOSトランジスタ、または、PNPトランジスタとNPNトランジスタであり得る。しかしながら、トランジスタ204および210のサイズは同一ではない。トランジスタ210のソースはグランドに接続される。コントローラ212は、トランジスタ210を制御するためのものであり、トランジスタ210のゲートに接続される。加えて、ダイオード220は、静電放電現象が発生したときに、このダイオード220を通じて負端子(グランド)から正端子(入力電圧VDD)に電流を流すためのものであり、入力電圧VDDとグランドとの間に接続される。
【0018】
一実施形態において、コントローラ212は、複数の制御信号に基づいて、トランジスタ204およびトランジスタ210のオン/オフを切り換える。一実施形態において、制御信号はトリミング信号を含む。ヒューズ202をブローさせるために、トリミング信号は、コントローラ212にアサートされる。このトリミング信号に応答して、コントローラ212は、トランジスタ204およびトランジスタ210をターンオンさせて、ヒューズ202にブロー電流Iを流す。コントローラ212は、トリミング信号がデアサート(de-assert)されたときに、トランジスタ204およびトランジスタ210をターンオフさせる。
【0019】
さらに、ヒューズ回路200は、ヒューズ202の状態を検出して、このヒューズ202の状態を示す検出信号FUSE_STAを発生させるためのものであり、ヒューズ202に接続される。一実施形態において、検出回路214は、電流源206と検出ユニット208を備えることができる。電流源206は、ヒューズ202に、リード電流I、例えば1μAの電流を供給するためのものであり、ヒューズ202に接続される。一実施形態において、リード電流Iは、ブロー電流Iよりも非常に小さい電流であり得る。検出ユニット208は、ヒューズ202での電圧降下を検出し、この電圧降下に応じて検出信号FUSE_STAを出力する。
【0020】
一実施形態において、更に、制御信号はリード信号を含む。ヒューズ202の状態を検出して、検出信号FUSE_STAを出力するために、リード信号は、コントローラ212にアサートされる。上記リード信号に応答して、コントローラ212は、トランジスタ210をターンオンさせて、ヒューズ202にリード電流Iを流す。トランジスタ204はオフである。コントローラ212は、リード信号がデアサートされたときに、トランジスタ210をターンオフさせる。
【0021】
入力電圧VDDがヒューズ回路200に供給されると、ヒューズ回路200は動作を開始する。コントローラ212は、コントローラ212に何も信号がアサートされなければ、トランジスタ204およびトランジスタ210をターンオフさせる。一実施形態おいて、トリミング信号およびリード信号のような制御信号は、別の時間フレームでコントローラ212に供給される。トリミング信号がコントローラ212にアサートされると、コントローラ212は、トランジスタ204およびトランジスタ210をターンオンさせて、ヒューズ202にブロー電流Iを流す。このように、ヒューズ202は、ブロー電流Iによってブローされる。また、トランジスタ204およびトランジスタ210がターンオンされると、リード電流Iがヒューズ202を通じて流れる。しかしながら、リード電流Iはブロー電流Iよりも非常に小さいので、リード電流Iは無視できる。トリミング信号がデアサートされると、コントローラ212は、トランジスタ204およびトランジスタ210をターンオフさせる。
【0022】
リード電流がコントローラ212にアサートされると、コントローラ212は、トランジスタ210をターンオンさせて、ヒューズ202にリード電流Iを流す。トランジスタ204はオフである。トランジスタ210がターンオンされたとき、トランジスタ210での電圧降下は比較的小さいので、検出ユニット208により検出されるノードVAでの電圧レベルは、ヒューズ202での電圧降下に概ね等しくなる。リード信号がデアサートされると、コントローラ212は、トランジスタ210をターンオフさせる。
【0023】
一実施形態において、検出ユニット208は、ヒューズ202での電圧降下を、所定レベルVTHR、例えば1Vのレベルと比較し、この比較の結果に従って検出信号FUSE_STAを発生させる。電圧降下が上記所定レベルVTHRよりも高ければ、検出ユニット208は、第1の状態(例えば論理ロー)の検出信号FUSE_STAを発生させる。電圧降下が上記所定レベルVTHRよりも低ければ、検出ユニット208は、第2の状態(例えば論理ハイ)の検出信号FUSE_STAを生成する。
【0024】
このように、ヒューズ202がブロー状態であれば、ヒューズ202の抵抗が1MΩよりも大きくなるので、ヒューズ202での電圧降下は所定値VTHRよりも高くなる。従って、検出ユニット208は、第1の状態の検出信号FUSE_STAを発生させる。ヒューズ202がインタクト状態であれば、ヒューズ202の抵抗が100Ωよりも小さくなるので、ヒューズ202での電圧降下は所定値VTHRよりも低くなる。従って、検出ユニット208は、第2の状態の検出信号FUSE_STAを発生させる。
【0025】
本発明の文脈における「ハイ」および「ロー」のような相対用語は、本発明の範囲内の代替の実施形態における反対極性または信号レベルの慣習の使用を排除するものではない。
【0026】
一実施形態において、入力電圧VDDが有効(available)でなければ、トランジスタ204のゲートおよびソースと、トランジスタ210のゲートおよびソースでの電位は実質的に同一である。静電気によって引き起こされる静電放電現象が発生すれば、トランジスタ204のソースでの電位は、トランジスタ210のソースでの電位と異なったものになる。この静電放電現象は、或るノード(例えば、トランジスタ204のソース)での電位を変化させる一方、他のノード(例えば、トランジスタ210のソース)での電位を変化しない状態に保つ。
【0027】
トランジスタ204のソースでの電位がトランジスタ210のソースでの電位よりも高い場合、例えば、トランジスタ204のソースでの電位が増加した場合、トランジスタ204のソースとゲートとの間の電位差は、トランジスタ204のソース・ゲート閾値電圧よりも高くなる。しかしながら、トランジスタ210がトランジスタ204に対して相補的であるので、トランジスタ210のソースおよびゲートでの電位は実質的に同じである。このように、トランジスタ210はオフを保持して、静電放電電流をブロックする。
【0028】
トランジスタ210のソースでの電位が減少すると、トランジスタ210のゲートとソースとの間の電位差が、トランジスタ210のゲート・ソース閾値電圧よりも高くなる。しかしながら、トランジスタ204がトランジスタ210に対して相補的であるので、トランジスタ204のソースおよびゲートでの電位は実質的に同じである。このように、トランジスタ204はオフを保持して、静電放電電流をブロックする。
【0029】
トランジスタ204のソースでの電位が、トランジスタ210のソースでの電位よりも低ければ、トランジスタ204と210の両方がオフであり、静電放電電流はダイオード220を通じて流れる。
【0030】
有利には、相補的トランジスタ対であるところのトランジスタ204およびトランジスタ210は、静電放電現象が発生したときにヒューズ202を通じて流れる静電放電電流をブロックするためのものであり、これらトランジスタ204およびトランジスタ210は、それぞれ、入力電圧VDDとヒューズ202との間、およびヒューズ202とグランドとの間に接続される。このように、静電放電現象が発生したときにヒューズ202がブローされることが防止され、これはヒューズ回路の安定性を改善する。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態による他のヒューズ回路300のブロック図である。図2と同じラベルが付された要素は同様の機能を有する。
【0032】
ヒューズ回路300において、検出回路314は、ヒューズ202に、第1のリード電流IR1、例えば1μAの電流を供給するためにヒューズ202に接続された電流源306と、ヒューズ202に、第2のリード電流IR2、例えば0.5μAの電流を供給するためにヒューズ202に接続された電流源302とを備える。一実施形態において、第1のリード電流IR1および第2のリード電流IR2は、ブロー電流Iよりも十分に小さい。スイッチ304は、第2の電流源302に直列に接続される。スイッチ304は、コントローラ212によって制御される。
【0033】
コントローラ212は、トランジスタ204、トランジスタ210、およびスイッチ304を複数の制御信号に基づいて制御する。一実施形態では、上記制御信号は、トリミング信号、第1のリード信号、および第2のリード信号を含むことができる。検出回路314は、更に検出ユニット208を備え、この検出ユニット208は、ヒューズ202での電圧降下を検出して、この電圧降下に応じてヒューズ202の状態を示す検出信号FUSE_STAを出力するためのものである。
【0034】
入力電圧VDDがヒューズ回路300に供給されると、ヒューズ回路300は動作を開始する。この動作中、コントローラ212にトリミング信号をアサートすることにより、コントローラ212は、トランジスタ204およびトランジスタ210をターンオンさせて、ヒューズ202にブロー電流Iを流す。これにより、ヒューズ202はブローされる。コントローラ212は、トリミング信号がデアサートされれば、トランジスタ204およびトランジスタ210をターンオフさせる。
【0035】
また、コントローラ212に第1のリード信号をアサートすることにより、コントローラ212は、トランジスタ210をターンオンさせて、ヒューズ202に第1のリード電流IR1を流す。トランジスタ204はオフである。従って、検出ユニット208は、ヒューズ202での電圧降下に応じてヒューズ202の状態を検出することができる。コントローラ212は、第1のリード信号がデアサートされれば、トランジスタ210をターンオフさせる。同様に、コントローラ212に第2のリード信号をアサートすることにより、オントローラ212は、トランジスタ210およびスイッチ304をターンオンさせて、第1のリード電流IR1と第2のリード電流IR2の両方をヒューズ202に流す。トランジスタ204はオフである。従って、検出ユニット208は、ヒューズ202での電圧降下に従ってヒューズ202の状態を検出することができる。コントローラ212は、第2のリード信号がデアサートされれば、トランジスタ210およびスイッチ304をターンオフさせる。
【0036】
有利には、ヒューズ202の状態を検出するためにヒューズ202を流れるリード電流は、別の状況に従って調整されることができる。トリミングの後、ヒューズ回路300は、ATE(Automatic test equipment)テストフェーズに入る。このATEテストフェーズでは、ヒューズ202の状態は、ATE(例えばプリントされた回路基板、集積回路、または他の電子コンポーネントまたはモジュールをテストするために使用される自動装置)によってテストされる。ATEテストは、トリミングの後にヒューズ202がブローされたかどうかをチェックするための機能を有する。一実施形態では、ATEは、ヒューズ202がブローされたかどうかを検出するために、コントローラ212に第1のリード信号をアサートすることができる。検出ユニット208から出力される検出信号FUSE_STAが、ヒューズ202が依然としてインタクト状態であることを示していれば、トリミング信号は、ヒューズ202をブローするためにコントローラ212に対して再びアサートされることができる。ATEテストをパスした後、ヒューズ回路300は、アプリケーションフェーズに入る。例えば、ヒューズ回路300は、チップの中に集積化され、種々のアプリケーションで使用されることができる。
【0037】
アプリケーションフェーズ中に、ブローされたヒューズ202の抵抗は、プロセス劣化、周囲温度変化、種々の電源電圧劣化またはヒューズ劣化により、遅れて減少され得る。有利には、アプリケーションフェーズにおいて、第2のリード信号は、ヒューズ202の状態を検出するためにアサートされる。第2のリード信号に応答して、コントローラ212は、トランジスタ210およびスイッチ304をターンオンさせて、ヒューズ202に、第1のリード電流IR1と第2のリード電流IR2の両方を流す。ヒューズ202での電圧降下が、(IR1+IR2)*R(ここで、Rはヒューズ202の抵抗を表す)に等しく、第2のリード電流IR2は、ヒューズ202の抵抗減少を補償するために追加のリードマージンを提供する。従って、ヒューズ202の抵抗減少による虚偽の検出結果を回避することができる。
【0038】
図4は、本発明の一実施形態によるヒューズ回路400の回路図を示す。図2と同じラベルが付された要素は同様の機能を有する。
【0039】
図4において、ゲートおよびソースが共に接続されたトランジスタ402,406,442は、2つの電流源を形成する。入力電圧VDDは、トランジスタ402,406,442のソースに供給される。トランジスタ402,406,442は、一実施形態では、一致したものであり、または同一である。従って、トランジスタ402,406,442のソース・ゲート電圧は実質的に同じである。加えて、トランジスタ442のゲートとドレインは共に接続される。
【0040】
トランジスタ406は、第1のリード電流IR1、例えば1μAの電流をヒューズ202に供給する。トランジスタ402は、第2のリード電流IR2、例えば0.5μAの電流をヒューズ202に供給する。一実施形態において、第1のリード電流IR1および第2のリード電流IR2は、ブロー電流Iよりも非常に小さい。また、スイッチ404はトランジスタ402に接続される。スイッチ404は、コントローラ212によって制御される。
【0041】
図3のヒューズ回路300と同様に、コントローラ212が第1のリード信号に応答してトランジスタ210をターンオンさせると、ヒューズ202がブロー状態であるかインタクト状態であるかを検出するために、第1のリード電流IR1がヒューズ202に流される。第2のリード信号に応答して、コントローラ212がトランジスタ210およびスイッチ404をターンオンさせると、第1のリード電流IR1および第2のリード電流IR2が両方ともヒューズ202に流される。第2のリード電流IR2は、ヒューズ抵抗の減少を補償するための追加のリードマージンを提供する。
【0042】
加えて、トランジスタ440は、静止電流(quiescent current)を低減または除去するためのものであり、トランジスタ442のドレインとグランドとの間に接続される。この静止電流は、コントローラ212に何ら信号がアサートされない場合にヒューズ回路に流れ込む定常電流(standing current)である。第1のリード信号または第2のリード信号がヒューズ回路400に入力されると、トランジスタ440のゲートにバイアス電圧VB1が供給される。ヒューズ回路400に何らリード信号が入力されなければ、トランジスタ440のゲートはグランドに接続され、従って、トランジスタ440をターンオフさせる。このようにして、静止電流を低減または除去することができる。
【0043】
ヒューズ回路400は検出ユニット408を更に備え、この検出ユニット408は、ヒューズ202の状態を検出して、このヒューズ202の状態を示す検出信号FUSE_STAを発生させるためのものである。検出ユニット408において、トランジスタ412のゲートおよびソースは、それぞれ、ヒューズ202の2つの端子に接続される。能動負荷(active load)として使用されるトランジスタ410は、トランジスタ412と入力電圧VDDとの間に接続される。トランジスタ410のゲートには、バイアス電圧VB2が供給される。第1のリード電流IR1、または、第1のリード電流IR1および第2のリード電流IR2の両方がヒューズ202を流れると、ヒューズ202での電圧降下は、ヒューズ202がブローされていれば、トランジスタ412のソース・ゲート閾値よりも高くなる。このようにして、トランジスタ412がターンオンされる。トランジスタ210もターンオンされるので、トランジスタ210および412での電圧降下は比較的小さい。従って、トランジスタ412のドレイン電圧は相対的に低くなる。ヒューズ202がインタクト状態であれば、ヒューズ202での電圧降下は、トランジスタ412のソース・ゲート閾値よりも低くなる。このようにして、トランジスタ412がターンオフされ、このトランジスタ412のドレイン電圧が相対的に高くなる。
【0044】
検出ロジック420は、トランジスタ412のドレイン電圧に応じて論理信号を生成するためのものであり、トランジスタ412のドレインに接続される。検出ロジック420は、コントローラ212によって制御される。一実施形態において、トランジスタ412のドレイン電圧が基準レベルよりも低ければ、検出ロジック420は論理ハイの信号を発生させる。トランジスタ412のドレイン電圧が上記基準レベルよりも高ければ、検出ロジック420は論理ローの信号を発生させる。
【0045】
レジスタ422(例えばRSレジスタ)は、検出ロジック420に接続され、Sピンで論理信号を受け取る。RSレジスタ422は、論理信号によってトグルされ、Qピンを介して検出信号FUSE_STAを出力する。検出信号FUSE_STAは、RSレジスタ422が他の論理信号によってトグルされるまで、RSレジスタ422によってラッチされる。必要であれば、RSレジスタ422をリセットするために、リセット信号がRSレジスタ422のRピンに入力される。
【0046】
コントローラ212が、トランジスタ210をターンオンさせて、第1のリード信号に応答して第1のリード電流IR1を流す場合、或いは、トランジスタ210およびスイッチ404をターンオンさせて、第2のリード信号に応答して第1のリード信号IR1と第2のリード信号IR2の両方を流す場合、コントローラ212は、また、イネーブル信号SONを発生させて、検出ロジック420をイネーブル状態にする。イネーブル信号SONに応答して、検出ロジック420は、イネーブル状態とされて、トランジスタ412のドレイン電圧を検出し、この検出したドレイン電圧に応じてRSレジスタ422への論理信号を発生させる。
【0047】
ヒューズ202がブロー状態であれば、トランジスタ412のドレイン電圧は上記基準レベルよりも低くなる。検出ロジック420は、RSレジスタ422のSピンへ論理ハイの信号を発生させる。この論理ハイの信号に応答して、RSレジスタ422はトグルされて、第1の状態の検出信号FUSE_STAを出力する。ヒューズ202がインタクト状態であれば、トランジスタ412のドレイン電圧は上記基準レベルよりも高くなる。検出ロジック420は、RSレジスタ422のSピンへ論理ローの信号を発生させる。この論理ローの信号に応答して、RSレジスタ422は、トグルされて、第2の状態の検出信号FUSE_STAを出力する。一実施形態において、検出信号FUSE_STAは、ヒューズ202がブロー状態であれば、論理ハイであり、ヒューズ202がインタクト状態であれば、論理ローである。
【0048】
第1のリード信号または第2のリード信号がデアサートされれば、コントローラ212は、上記信号SONをデアサートすることにより検出ロジック420をディスエイブル状態(disable)にする。検出信号FUSE_STAは、RSレジスタ422にラッチされる。
【0049】
図5は、本発明の一実施形態による複数のヒューズ回路を備えた回路500のブロック図である。図2、図3、図4と同じ要素は同様の機能を有する。
【0050】
一実施形態において、複数のヒューズ回路を備えた回路500(例えば集積回路)は、ヒューズ回路のヒューズを選択的にブローし、対応するヒューズの状態に応じて信号を生成することにより、異なる状態(例えば、論理ハイ及び/又は論地ロー)の複数の信号を供給するために使用される。
【0051】
回路500は、並列に接続された複数のヒューズ回路(例えばヒューズ回路502_1−502_N)を備える。一実施形態において、ヒューズ回路502_1−502_Nは、図3に示されるヒューズ回路300と類似した構造を有する。ヒューズ回路502_1において、トランジスタ210(例えばNMOSトランジスタ)は、ヒューズ202と直列に接続され、ヒューズ202を流れる好ましくない電流、例えば静電放電電流をブロックするためのものである。電流源306および電流源302は、ヒューズ202に、第1のリード電流IR1および第2のリード電流IR2をそれぞれ供給するためのものであり、ヒューズ202に接続される。スイッチ304は、電流源302とヒューズ202との間に接続される。検出ユニット408は、ヒューズ202がブロー状態にあるかインタクト状態にあるかを検出して、ヒューズの状態を示す検出信号FUSE_STAを発生させるためのものであり、ヒューズ202に接続される。コントローラ212は、複数の制御信号に応答してトランジスタ210およびスイッチ304を制御するためのものであり、トランジスタ210、スイッチ304、検出ユニット408に接続される。一実施形態において、上記制御信号は、トリミング信号、第1のリード信号、第2のリード信号を含む。
【0052】
回路500は、更に、ヒューズ回路502_1−502_Nにおけるヒューズにブロー電流Iを供給するためのトランジスタ506を更に備え、このトランジスタ506は、例えばPMOSトランジスタであり、ヒューズ回路502_1−502_Nと直列に接続されている。トランジスタ506のソースには入力電圧VDDが供給されている。電子回路500は、更にマスターコントローラ504を更に備え、このマスターコントローラ504は、複数の入力信号に応じて、ヒューズ回路502_1−502_Nにおけるコントローラへの制御信号を生成させると共に、トランジスタ506を制御するためのものである。
【0053】
一実施形態において、第1の入力信号(トリミングイネーブル信号)がマスターコントローラ504にアサートされると、ビットシーケンス信号がマスターコントローラ504に入力される。この第1の入力信号に応答して、マスターコントローラ504は、ビットシーケンス信号に基づいて、どのヒューズがブローされたかを判定する。例えば、回路500が10個のヒューズを備えるものとする。上記第1の入力信号がマスターコントローラ504にアサートされると、ビットシーケンス信号0111000110がマスターコントローラ504に入力される。マスターコントローラ504は、上記ビットシーケンス信号0111000110に応じて、2番目、3番目、4番目、8番目、9番目のヒューズ回路をターゲットヒューズ回路として選択する。
【0054】
マスターコントローラ504は、トランジスタ506をターンオンさせ、ターゲットヒューズ回路におけるコントローラへのトリミング信号を順次発生させる。一実施形態において、マスターコントローラ504は、所定の期間に、1番目のターゲットヒューズ回路(例えばヒューズ回路502_1)へのトリミング信号を発生させる。ターゲットヒューズ回路のコントローラは、上記トリミング信号に応答してトランジスタ210をターンオンさせる。このように、ヒューズ202をブローするために、所定の期間にブロー電流Iがヒューズ202に流される。上記所定の期間の後、マスターコントローラ504は、ターゲットヒューズ回路へのトリミング信号をデアサートする。続いて、マスターコントローラ504は、上記所定の期間に、次のターゲットヒューズ回路へのトリミング信号を発生させる。このように、ターゲットヒューズ回路のコントローラは、所定の期間にトリミング信号を順次的に受け取る。従って、ターゲットヒューズ回路のヒューズは順次的にブローされる。
【0055】
一実施形態において、第2の入力信号がマスターコントローラ504にアサートされると、マスターコントローラ504は、ヒューズ回路502_1−502_Nのコントローラへのリード信号を順次的に発生させる。
【0056】
一実施形態において、マスターコントローラ504は、所定の期間に、第1のヒューズ回路(例えばヒューズ回路502_1)への第1のリード信号を発生させる。この第1のリード信号に応答して、第1のヒューズ回路502_1のコントローラは、トランジスタ210をターンオンさせる。第1のリード電流IR1がヒューズ202に流れる。ヒューズ回路502_1のコントローラは、検出ユニット408をイネーブル状態にして、ヒューズ202の状態を検出させる。検出ユニット408は、ヒューズ202での電圧降下に応じてヒューズ202の状態を示す検出信号FUSE_STAを発生させる。上記所定の期間の後、マスターコントローラ504は、第1のヒューズ回路への第1のリード信号をデアサートする。続いて、マスターコントローラ504は、上記所定の期間に、次のヒューズ回路への第1のリード信号を発生させる。このように、ヒューズ回路502_1−502_Nのコントローラは、所定の期間に、第1のリード信号を順次的に受け取る。従って、ヒューズ回路502_1−502_Nは、対応するヒューズの状態を示す検出信号を順次的に出力することができる。
【0057】
一実施形態において、第3の入力信号がマスターコントローラ504にアサートされると、マスターコントローラ504は、ヒューズ502_1−502_Nのコントローラへの第2のリード信号を順次的に発生させる。
【0058】
一実施形態において、マスターコントローラ504は、所定の期間に、第1のヒューズ回路(例えばヒューズ回路502_1)への第2のリード信号を発生させる。この第2のリード信号に応答して、第1のヒューズ回路502_1のコントローラは、トランジスタ210およびスイッチ304をターンオンさせ、ヒューズ202に第1のリード電流IR1および第2のリード電流IR2の両方を流す。第1のヒューズ回路502_1のコントローラは、検出ユニット408にヒューズ202の状態を検出させる。検出ユニット408は、ヒューズ202での電圧降下に応じて、ヒューズ202の状態を示す検出信号FUSE_STAを発生させる。上記所定の期間の後、マスターコントローラ504は、第1のヒューズ回路への第2のリード信号をデアサートする。続いて、マスターコントローラ504は、上記所定の期間に、次のヒューズ回路への第2のリード信号を発生させる。このように、ヒューズ回路502_1−502_Nのコントローラは、上記所定の期間に第2のリード信号を順次的に受け取る。従って、ヒューズ回路502_1−502_Nは、対応するヒューズの状態を示す検出信号を順次的に出力することができる。
【0059】
有利には、ブロー電流Iは、或る期間に各ターゲットヒューズを流れる。このように、各ターゲットヒューズを流れる電流は、ヒューズをブローするのに十分大きい。加えて、各ヒューズ回路のトランジスタ202およびスイッチ304は、ターンオンされて、或る期間に各ヒューズにリード電流IR1およびIR2を流す。ヒューズの状態は個々に順次的に検出されるので、検出結果は比較的正確である。
【0060】
図6は、本発明の実施形態によるデータを格納するための複数のヒューズ回路を備えたファームウェアのブロック図600である。図5と同じラベルが付された要素は同様の機能を有する。このファームウェアは、種々の電子装置またはシステム、例えば携帯電話、コンピュータ、デジタルカメラなどで使用することができる。
【0061】
図6の例において、ファームウェア602は、複数の集積回路500_1−500_Nを備える。一実施形態において、集積回路500_1−500_Nは、図5に示される回路500と類似した構造を有する。コントロールバス604は、入力信号を集積回路500_1−500_Nにそれぞれアサートするためのものであり、集積回路500_1−500_Nに接続される。データバス606は、集積回路500_1−500_Nのそれぞれにおけるヒューズ回路502_1−502_Nから検出信号を受け取るためのものであり、集積回路500_1−500_Nに接続される。
【0062】
データまたは命令はファームウェア602にライトされることができる。一実施形態において、例えば00110000111010110010000111010001110のビットフローで表される命令をファームウェア602にライトするために、コントロールバスは、上記命令のビットフローに基づいて、集積回路500_1−500_Nに第1の入力信号(トリミングイネーブル信号)とビットシーケンス信号をそれぞれアサートする。これに応答して、各集積回路は、対応するビットシーケンス信号に基づいて、ヒューズ回路502_1−502_Nからターゲットヒューズ回路を選択し、これに対応するヒューズをブローするためにターゲットヒューズ回路にトリミング信号をそれぞれアサートする。
【0063】
トリミングの後、ファームウェア602は、ATEテストフェーズに入ることができる。コントロールバス604は、そのヒューズの状態をテストするために、集積回路500_1−500_Nに第2の入力信号をそれぞれ順次的にアサートする。これに応答して、各集積回路は、ヒューズ回路502_1−502_Nに第1のリード信号をそれぞれ順次的にアサートする。第1のリード信号に応答して、ヒューズ回路502_1−502_Nは、対応するヒューズの状態を検出し、データバス606に検出信号を順次的に発生させる。
【0064】
ファームウェア602がアプリケーションフェーズに入ると、コントロールバス604は、ファームウェア602に格納されたデータまたは命令をリードするために、集積回路500_1−500_Nに第3の入力信号をそれぞれ順次的にアサートする。これに応答して、各集積回路は、ヒューズ回路502_1−502_Nに第2のリード信号をそれぞれ順次的にアサートする。この第2のリード信号に応答して、ヒューズ回路502_1−502_Nは、対応するヒューズの状態を検出し、データバス606への検出信号を順次的に発生させる。一実施形態において、検出信号は、ファームウェア602に格納されたデータまたは命令を表すデジタル信号であり得る。
【0065】
図7は、本発明の実施形態によるヒューズ回路、例えば図3におけるヒューズ回路300によって実施される動作のフローチャート700を示す。図7は、図2および図3と組み合わせて説明される。図7には特定のステップが開示されているが、このようなステップは例に過ぎない。即ち、本発明は、図7のステップの変形または種々の他のステップの実施にも適している。
【0066】
ヒューズ回路300は、ブロック702において電源が投入される。ブロック704では、制御信号がヒューズ回路300にアサートされる。ブロック706では、制御信号がトリミング信号であれば、フローチャート700はブロック708に移行する。そうでなければ、フローチャート700はブロック710に移行する。ブロック708では、第1のトランジスタ204と、この第1のトランジスタ204に対して相補的である第2のトランジスタ210をターンオンさせることにより、ブロー電流Iがヒューズ202に流される。このようにして、ヒューズ202はブロー電流Iによってブローされる。
【0067】
ブロック710では、制御信号が第1のリード信号であれば、フローチャート700はブロック712に移行する。そうでなければ、フローチャート700はブロック714に移行する。ブロック712では、第2のトランジスタ210をターンオンさせることにより、第1のリード電流IR1がヒューズ202に流される。検出ユニット408は、ブロック718において、イネーブル状態とされて、ヒューズ202での電圧降下に応じてヒューズ202の状態を検出し、このヒューズ202の状態を示す検出信号を発生させる。
【0068】
ブロック714では、制御信号が第2のリード信号であれば、フローチャート700はブロック716に移行する。そうでなければ、フローチャート700はブロック720に移行する。ブロック716では、第2のトランジスタ210およびスイッチ304をターンオンさせることにより、第1のリード電流IR1および第2のリード電流IR2がヒューズ202に流される。検出ユニット408は、ブロック718において、イネーブル状態とされて、ヒューズ202での電圧降下に応じてヒューズ202の状態を検出し、このヒューズ202の状態を示す検出信号を発生させる。ブロック720では、ヒューズ回路300は他の機能を実施してもよい。
【0069】
従って、本発明による実施形態は、ヒューズをブローし、ヒューズの状態を検出するためのヒューズ回路を提供する。このヒューズ回路は、インタクト状態およびブロー状態を有するヒューズを備える。このヒューズは、ブロー電流をヒューズに流すことにより、ブロー状態に切り換えられる。このヒューズ回路は、更に、電源と上記ヒューズとの間に接続された第1のトランジスタと、上記ヒューズとグランドとの間に接続された第2のトランジスタとを備える。第1のトランジスタおよび第2のトランジスタは、相補的トランジスタであり、ヒューズに流れる静電放電電流を低減またはブロックするためのものである。第1のトランジスタおよび第2のトランジスタは、ターンオンされて、上記ヒューズにブロー電流を流す。
【0070】
また、検出回路は、ヒューズの状態を検出して、このヒューズの状態を示す検出信号を発生させるためのものであり、このヒューズに接続される。検出回路は、第1のリード電流をヒューズに供給するために上記ヒューズに接続された第1の電流源と、第2のリード電流を上記ヒューズに供給するために上記ヒューズに接続された第2の電流源とを備える。第2の電流源と上記ヒューズとの間にはスイッチが接続されることができる。検出回路は、更に、ヒューズでの電圧降下を検出し、この電圧降下に応じて検出信号を発生させるために、上記ヒューズに接続された検出ユニットを備えることができる。
【0071】
上述の説明および図面は本発明の実施形態を表すが、添付の特許請求の範囲に規定されたような本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の付加、変更、削除がなされ得ることが理解される。当業者であれば、本発明が、とりわけ本発明の原理を逸脱することなく特定の状況および動作要件に適合された、本発明の実施において用いられる形式、構造、配置、プロポーション、材料、素子、構成要素などの多くの変形で使用されてもよいことを理解するであろう。従って、ここに開示した実施形態は、すべて例示であり、制限的なものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法定の均等物によって示され、上述の説明の内容に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0072】
202;ヒューズ
204,210;トランジスタ
206;電流源
208;検出ユニット
212;コントローラ
214;検出回路
220;ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インタクト状態とブロー状態とを有するヒューズと、
前記ヒューズと電源との間に接続された第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタに対して相補的なトランジスタであって前記ヒューズとグランドとの間に接続された第2のトランジスタと
を備え、
前記ヒューズは、該ヒューズにブロー電流が流れた場合に前記ブロー状態になり、
前記第1のトランジスタおよび第2のトランジスタは、ターンオンされて前記ヒューズに前記ブロー電流を流すためのものであり、ここで、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、前記ヒューズを流れる静電放電電流を低減するように作動するものであるヒューズ回路。
【請求項2】
前記ヒューズに接続され、前記ヒューズの前記状態を検出して、前記ヒューズの前記状態を示す検出信号を発生させるように作動する検出回路を更に備えた請求項1記載のヒューズ回路。
【請求項3】
前記検出回路は、前記ヒューズが前記インタクト状態であれば、第1の状態の前記検出信号を発生させ、前記ヒューズが前記ブロー状態であれば、第2の状態の前記検出信号を発生させる請求項2記載のヒューズ回路。
【請求項4】
前記ヒューズに接続され、前記ブロー電流よりも小さい電流であって前記ヒューズを流れる第1のリード電流を供給するための第1の電流源と、
前記ヒューズに接続され、前記第1のリード電流に基づき前記ヒューズでの電圧降下を検出し、前記電圧降下に応じて前記ヒューズの前記状態を示す検出信号を発生させるように作動する検出ユニットと
を更に備えた請求項1記載のヒューズ回路。
【請求項5】
前記検出ユニットは、前記電圧降下が所定のレベルより高い場合に第1の状態の前記検出信号を発生させ、前記電圧降下が前記所定のレベルより低い場合に第2の状態の前記検出信号を発生させる請求項4記載のヒューズ回路。
【請求項6】
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタに接続され、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタを制御するコントローラを更に備え、
前記コントローラは、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをターンオンさせて前記ヒューズに前記ブロー電流を流し、前記コントローラは、前記第1のトランジスタをターンオフさせ、前記第2のトランジスタをターンオンさせて、前記ヒューズに前記第1のリード電流を流す請求項4記載のヒューズ回路。
【請求項7】
前記ヒューズに接続され、前記ヒューズに前記ブロー電流よりも小さい第2のリード電流を供給するための第2の電流源と、
前記第2の電流源に直列に接続されたスイッチと
を更に備えた請求項4記載のヒューズ回路。
【請求項8】
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタと前記スイッチに接続され、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタをターンオンさせて前記ヒューズに前記ブロー電流を流すための機能と、前記第1のトランジスタをターンオフさせると共に前記第2のトランジスタをターンオンさせて前記ヒューズに前記第1のリード電流を流すための機能と、前記第1のトランジスタをターンオフさせると共に前記第2のトランジスタおよび前記スイッチをターンオンさせて前記ヒューズに前記第1のリード電流と前記第2のリード電流の両方を流すための機能とを有するコントローラを更に備えた請求項7記載のヒューズ回路。
【請求項9】
並列に接続された複数のヒューズ回路と、
第2のトランジスタと、
マスターコントローラと
を備え、
前記複数のヒューズ回路のそれぞれは、
インタクト状態とブロー状態を有するヒューズと、
前記ヒューズとグランドとの間に接続された第1のトランジスタと
を備え、
前記ヒューズは、該ヒューズにブロー電流が流れた場合に前記ブロー状態になり、
前記第2のトランジスタは、電源と前記ヒューズ回路との間に接続され、前記ヒューズ回路のそれぞれにおける前記ヒューズに前記ブロー電流を流すためのものであり、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタは、相補的なトランジスタであり、且つ、前記ヒューズに流れる静電放電電流を低減させるように作動するものであり、
前記マスターコントローラは、
前記ヒューズ回路と前記第2のトランジスタに接続され、前記ヒューズ回路と前記第2のトランジスタを制御するためのものである電子回路。
【請求項10】
前記マスターコントローラは、シーケンス信号に基づいて前記ヒューズ回路から複数のターゲットヒューズ回路選択し、前記ターゲットヒューズ回路のそれぞれへの制御信号を発生させて、前記第2のトランジスタをターンオンさせ、前記ターゲットヒューズ回路のそれぞれにおける前記第1のトランジスタは、前記制御信号に応答して、ターンオンされ、対応するヒューズに前記ブロー電流を流す請求項9記載の電子回路。
【請求項11】
前記複数のヒューズ回路のそれぞれは、
前記ヒューズに接続され、前記ヒューズの前記状態を検出して、前記ヒューズの前記状態を示す検出信号を発生させる検出回路を更に備えた請求項9記載の電子回路。
【請求項12】
前記検出回路は、前記ヒューズが前記インタクト状態であれば、第1の状態の前記検出信号を発生させ、前記ヒューズが前記ブロー状態であれば、第2の状態の前記検出信号を発生させる請求項11記載の電子回路。
【請求項13】
前記複数のヒューズ回路のそれぞれは、
前記ヒューズに接続され、前記ヒューズに前記ブロー電流より小さい第1のリード電流を供給するための第1の電流源と、
前記ヒューズに接続され、前記ヒューズの電圧降下を検出し、前記電圧降下に応じて前記ヒューズの前記状態を示す検出信号を発生させる検出ユニットと
を更に備えた請求項9記載の電子回路。
【請求項14】
前記検出ユニットは、前記電圧降下が所定のレベルより高い場合に第1の状態の前記検出信号を発生させ、前記電圧降下が前記所定のレベルより低い場合に第2の状態の前記検出信号を発生させる請求項13記載の電子回路。
【請求項15】
前記複数のヒューズ回路のそれぞれは、
前記ヒューズに接続され、前記ヒューズに前記ブロー電流より小さい第2のリード電流を流すための第2の電流源と、
前記第2の電流源と直列に接続されたスイッチと
を更に備えた請求項13記載の電子回路。
【請求項16】
前記マスターコントローラは、前記ヒューズ回路のそれぞれへの制御信号を順次的に発生させ、前記ヒューズ回路のそれぞれにおける前記第1のトランジスタは、前記制御信号に応答してターンオンされて、対応するヒューズに前記第1のリード電流を流す請求項13記載の電子回路。
【請求項17】
前記マスターコントローラは、前記ヒューズのそれぞれへの制御信号を順次的に発生させ、前記ヒューズ回路のそれぞれにおける前記第1のトランジスタおよび前記スイッチは、前記制御信号に応答してターンオンされて、対応するヒューズに前記第1のリード電流および前記第2のリード電流を流す請求項15記載の電子回路。
【請求項18】
第1のトランジスタと該第1のトランジスタに対して相補的な第2のトランジスタとをターンオンさせるステップと、
前記第1のトランジスタと第2のトランジスタとの間に直列に接続されたヒューズにブロー電流を流すステップと、
前記ブロー電流により前記ヒューズをブローさせるステップと、
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタにより、前記ヒューズから流れる静電放電電流を低減させるステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記ヒューズに第1のリード電流を流すステップと、
前記第1のリード電流に基づいて、前記ヒューズがブローされたかどうかを示す検出信号を発生させるステップと
を更に含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記検出信号を発生させるステップは、
前記第1のリード電流に基づいて前記ヒューズでの電圧降下を検出するステップと、
前記電圧降下が所定のレベルより高ければ、第1の状態の前記検出信号を発生させるステップと、
前記電圧降下が前記所定のレベルより低ければ、第2の状態の前記検出信号を発生させるステップと
を更に含む請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記ヒューズに第1のリード電流および第2のリード電流を流すステップと、
前記第1のリード電流および前記第2のリード電流に基づいて前記ヒューズがブローされたかどうかを示す検出信号を発生させるステップと
を更に含む請求項18記載の方法。
【請求項22】
前記検出信号を発生させるステップは、
前記第1のリード電流および前記第2のリード電流に基づいて前記ヒューズでの電圧降下を検出するステップと、
前記電圧降下が所定のレベルより高ければ、第1の状態の前記検出信号を発生させるステップと、
前記電圧降下が前記所定のレベルより低ければ、第2の状態の前記検出信号を発生させるステップと
を含む請求項21記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−263181(P2010−263181A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267959(P2009−267959)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】