説明

ビス(3‐アルコキシアルカン‐2‐オール)スルフィド、スルホン及びスルホキシド、並びに新規な界面活性剤

【課題】 種々の性能要求に適合したそれ相応に数多くの界面活性剤についてのニーズ、並びにそれらを製造する好適な方法についてのニーズに応える。
【解決手段】 式(I)による界面活性化合物を含む組成物であって、
ROCHCH(OH)CRZCRCH(OH)CHOR (I)
そこでは、ZがS、SO又はSOであり、Z、R、R及びRの特定の意義に応じて、ある範囲の平衡表面張力及び/又は動的表面張力、並びにある範囲の発泡性能特性を有し得る組成物が提供される。式(I)の化合物は、金属硫化物又は二硫化物のようなスルフィド供給源のアルキルグリシジルエーテルとの反応を含むプロセスによって製造され得る。それらの化合物は、界面活性剤の使用を必要とする広範囲ないかなる用途においても有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年7月26日に米国で出願された一部継続出願第10/899,419号に対応するものである。
【0002】
本発明は、界面活性剤組成物に関するものである。更に詳細には、本発明は、スルフィドのグリシジルエーテルとの付加物(adducts)、並びに水性系(water-based system)における表面張力を低減させるためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
低減された表面張力が使用時の向上された基材の濡れにつながるので、水の表面張力を低減させる能力は、水性配合物(water-based formulations)の適用において非常に重要である。良好な濡れ性を必要とする水性組成物(water-based compositions)の例には、コーティング、インク、接着剤、平版印刷(lithographic printing)用のファウンティン溶液(fountain solutions)、クリーニング組成物(cleaning compositions)、金属加工用流体(metalworking fluids)、農業用配合物(agricultural formulations)、エレクトロニクスクリーニング及び半導体加工用組成物、パーソナルケアー製品、並びに繊維加工(textile processing)及び油田(oilfield)用途の配合物が含まれる。水性系における表面張力の低減は、一般に界面活性剤の添加によって達成され、それは増強された表面被覆、より少ない欠陥、及びより均一な分布をもたらす。その系が静止状態にある場合、平衡表面張力(equilibrium surface tension)(EST)が重要であり、一方、高速適用の条件下では、動的表面張力(dynamic surface tension)(DST)が、表面張力を低下させ、そして湿潤を提供するための界面活性剤の能力の尺度(measure)を提供する。
【0004】
低い使用レベル(low use levels)で低い表面張力を達成するための界面活性剤の能力の重要性、発泡性能(foaming performance)に影響を及ぼす能力、並びに効率的な乳化(emulsification)及び可溶化(solubilization)を提供する界面活性剤の能力は全て、当技術分野において良く理解されているように、多くの産業上重要なものである。平衡表面張力低下の効率がある用途について重要であっても、他の用途では平衡表面張力と動的表面張力の両方の低下が必要であるかもしれない。
【0005】
界面活性剤の発泡特性もまた、その界面活性剤が適するかもしれない用途を特定するのを助け得ることから、重要である。例えば、鉱石浮選(ore flotation)及びクリーニングのような用途についてフォーム(foam)が所望され得る。他方、コーティング、グラフィックアート(graphic arts)及び接着剤用途では、適用を複雑にし、欠陥形成につながり得るために、フォームは望ましくない。従って、発泡特性は、往々にして重要な性能のパラメータである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
界面活性剤が使用される広範な種々の用途、並びに性能に対する要求において結果として生じる変動が、これらの種々の性能要求に適合したそれ相応に数多くの界面活性剤についてのニーズ、並びにそれらを製造する好適な方法についてのニーズをもたらしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面において、本発明は、
i) 式(I)による1種以上の化合物から成る第1成分であって、
ROCHCH(OH)CRZCRCH(OH)CHOR (I)
そこでは、各Rが、C〜C20の、分岐した、線状の及び環式の、アルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキル部分;カルボニル基、或いはO、S及びNから選択される1種以上のヘテロ原子を含む、C〜C20の、分岐した、線状の及び環式の、アルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキル部分;式R(OCHCH)n‐のグリコールエーテル部分;式R(NHCHCH)n‐のアミノエチレン部分;式RS(CH)n‐のチオエーテル部分から成り、そこでは、RがH又は線状のC〜C12アルキルであり、nが1〜15の整数である、群から独立して選択されるものであり、RとRがそれぞれ独立してH又はC〜Cアルキル基であり、ZがS、SO又はSOである、第1成分と
ii) 鉱酸、蟻酸、酢酸、水酸化テトラメチルアンモニウム、非揮発性有機物、非揮発性無機物、及びそれらの混合物から成る群から選択される1種以上の物質から成る第2成分であって、該第2成分が、該式(I)による1種以上の化合物を製造するための、前調製の又は後調製の合成反応混合物のいかなる成分も含まない、第2成分と
を含む配合物であって、25℃で流体である、配合物を提供する。
【0008】
もう一つの側面において、本発明は、地下の井戸(subterranean well)を掘削し(drilling)、仕上げ(completing)、セメント接合し(cementing)、刺激し(stimulating)、破砕し(fracturing)、酸性化し(acidizing)、施工し(working over)又は処理(treating)する方法において、上記に特定されるような式(I)による1種以上の化合物を含む流体をその井戸の中に注入することを含む改良された方法を提供する。
【0009】
更にもう一つの側面において、本発明は、油及びガスの含有地質(bearing formation)からの油又はガスの生成された流れ(produced stream)を処理する方法において、上記に特定されるような式(I)による1種以上の化合物を含む流体を該生成された流れ中に注入することを含む改良された方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、水性系の動的表面張力及び/又は平衡表面張力を有効に低減させ、及び/又はそのような系の発泡性能に影響を及ぼすことが可能な、新規な界面活性剤組成物に関する。その組成物は、次のような式(I)によるビス(3‐アルコキシアルカン‐2‐オール)スルフィド(sulfides)、スルホン(sulfones)及びスルホキシド(sulfoxides)を含み、そこではZがそれぞれS、SO又はSOを表している。
【0011】
各Rは、独立して、C〜C20のアルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキル部分であって、それらは分岐状、線状又は環式であっても良い。それらはまた、カルボニル基、特にカルボン酸、エステル又はアミド、及び/又はO、S及びNから選択される1種以上のヘテロ原子を含むような部分であっても良い。そのような部分は、R上のいかなる場所であっても良い。典型的にはRがC〜C18の線状アルキル基であり、そして更に典型的には、C12〜C16の線状アルキル基である。いくつかの態様では、Rが、C〜C10の、或いはC12〜C16のヒドロカルビル部分、特に線状アルキル部分である。Rはまた、式R(OCHCH)n‐のグリコールエーテル部分、式R(NHCHCH)n‐のアミノエチレン部分、或いは式RS(CH)n‐のチオエーテル部分であっても良く、そこでは、RがH又は線状のC〜C12アルキルであり、nが1〜15の整数である。好適なR基の非限定的な例には、ブチル、へキシル、オクチル、2‐エチルへキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、フェニル、クレジル(cresyl)(環のいかなる位置で、或いはフェノール性酸素で結合した、いかなる異性体をも含む)、及びそれらの混合物が含まれる。典型的には、そのR基が1種以上のブチル、2‐エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシルである。RとRは、それぞれ独立して、H又はC〜Cアルキル基である。本発明による例示的な組成物には、1,1’‐チオビス(3‐ブトキシプロパン‐2‐オール)、1,1’‐チオビス(3‐オクチルオキシプロパン‐2‐オール)、1,1’‐チオビス(3‐デシルオキシプロパン‐2‐オール)、1,1’‐チオビス(3‐(2‐エチルヘキシルオキシ)プロパン‐2‐オール)、1,1’‐チオビス(3‐ドデシルオキシプロパン‐2‐オール)、及び1,1’‐チオビス(3‐テトラデシルオキシプロパン‐2‐オール)がある。
【0012】
式(I)の化合物の製造
式(I)による化合物は、合成有機化学の技術分野において公知のいかなる方法によって製造されても良い。本発明の一つの態様例において、それらは、スルフィド供給源(sulfide source)を式(II)によるグリシジルエーテルと反応させることよって製造され得る。そこでは、R、R及びRが上記のように定義されるものであって、そしてZがSである。ZがSO或いはSOである場合の化合物は、当技術分野において周知の酸化技術を用いて、ZがSである場合に対応する化合物の酸化によって製造され得る。本発明の一つの態様例において、酸化が過酸化水素を用いて実施されるが、他の方法が用いられても良い。
【0013】
【化1】

【0014】
ここで用いられるように、「スルフィド供給源」(sulfide source)の語は、硫化水素、ビスルフィドアニオン(bisulfide anion)、又はスルフィドアニオン(sulfide anion)のいずれかを含み、或いはそうでなければ提供するような組成物(composition)を意味する。スルフィド供給源の非限定的な好適例にはMSが含まれ、そこでは各Mが、H、NH4、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から成る群から独立して選択されるものである。好適なスルフィド(sulfides)及びビスルフィド(bisulfides)に関する特定の例には、無水の形で又は水和物として、硫化ナトリウム、二硫化ナトリウム、硫化カリウム、二硫化カリウム、硫化リチウム及び二硫化リチウムが含まれる。他のスルフィド供給源には、アルカリ金属ポリスルフィド(polysulfides)及びジスルフィド(disulfides)が含まれる。その反応に使用されるグリシジルエーテルの量は、スルフィドのモル当りで典型的には約2.0〜約5モル、より典型的には約2〜約3モル、更により典型的には約2〜約2.5モル、最も典型的にはスルフィドのモル当り約2モルである。その反応混合物が2つ以上の異なるR基、2つ以上の異なるR基、及び/又は2つ以上の異なるR基を有するグリシジルエーテルを含有するように、グリシジルエーテル類の混合物が用いられても良い。そのような状態においては、ある化合物がその分子の両側に同じR、R及びRを有し、一方では他の化合物が一方側と他方側でこれらの基のいずれか又は全てが異なる態様を有する、式(I)による化合物の混合物が、その生成物に含まれ得る。
【0015】
式(I)による化合物を製造するために、スルフィド及びビスルフィドが、グリシジルエーテルと反応(付加(adducted))されても良く、それらは、任意に、好都合な反応速度を提供するように充分に高く、そして重大な副生成物(by-product)の形成を防ぐように充分に低い温度で、希釈剤を含む反応媒体中に分散されても良い。「分散された」(dispersed)の語によって、グリシジルエーテルが媒体中に懸濁され、溶解され、或いはこれらの組み合わせの状態にあることが意味される。反応温度は、約50℃〜約150℃、好ましくは約50℃〜約130℃、更に好ましくは約60℃〜約90℃の範囲にあり得る。その最適条件は、特定の反応体(reactants)、反応器の構成、用いられる溶剤、及びその他の変動要因に依存する。1種以上の反応体が本質的に不溶性である液体を含む反応に、種々の希釈剤が用いられ得る。より典型的には、希釈剤が(もし使用されれば)1種以上の反応体についての溶剤であるような物質である。好適な溶剤の例には、イソプロパノール、エタノール、メタノール、アセトニトリル、エチレングリコール、プロピレングリコール、水とアセトニトリルの組合せ、水とメタノールの組合せ、水とイソプロパノールの組合せ、水とエタノールの組合せ、及びそれらの混合物が、非限定的に含まれる。通常は、イソプロパノールが用いられる。
【0016】
式(I)の化合物の使用
本発明による組成物は、数多くの用途において式(I)の化合物の使用を補完するために適用される種々の他の成分をも含み得る。そのような製品の性能特性は、スルフィドの構造及び置換基R、R及びRの選択の的確な変更によって、特定の用途について最適化され得る。そのような最適化は、定型的なもの(routine)であり、特定の分野における当業者の能力の範囲内のものである。かくして、これらの変動要因の操作(manipulation)によって、乳化剤(emulsifiers)又は洗剤(detergents)、湿潤剤(wetting agents)、発泡剤(foaming agents)、脱泡剤(defoamers)、流動性改質剤(rheology modifiers)又は会合性増粘剤(associative thickeners)、分散剤(dispersants)などとして有用であり得る化合物が得られる。そのようなものとして、これらの化合物は、コーティング(coatings)、インク、接着剤、農業用配合物(agricultural formulations)、ファウンテン溶液(fountain solutions)、ホトレジスト(photoresist)剥離剤(strippers)及び現像剤(developers)、シャンプー、並びに洗剤及び他のクリーニング組成物のような用途において有用であり得る。それらの化合物は、油田(oil-field)の探査(exploration)、開発(development)及び生産施工(production applications)、例えば向上された油回収(enhanced oil recovery)、破砕(fracturing)及び刺激(stimulation)プロセス、並びに掘削及びセメント接合操作においても有用性を見出すことが可能であって、更に種々の湿式繊維操作(wet-processing textile operations)、例えば繊維(fibers)の染色、並びに繊維の精練(scouring)及び漂白沸騰(kier boiling)においても有用であり得る。これらの用途の各々を律する一般的な配合の原則は、各々の技術分野において周知であって、多くの用途の分野、並びに本発明の化合物をそのような配合物中に組み込むための方法についての詳細な記載は、それらの有効な組み込みに必ずしも必要としていない。但し、本発明による化合物の広範囲での可能な使用に関する表示として、多くの応用分野についての非限定的な例示の配合物を以下に示す。
【0017】
「水性の」(water-based)、「水で運ばれる」(waterborne)、「水性の」(aqueous)、又は「水性媒体」(aqueous medium)、或いは「水性キャリアー」(aqueous carrier)の語は、ここで用いられるように、溶剤又は液体分散性媒体(dispersing medium)が少なくとも50重量%の水、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%の水を含んでいる系を言う。その分散性媒体は、実質上水からなり、即ち溶剤の添加が無くても良い。
【0018】
広い観点から言えば、式(I)による化合物は、第2成分の適用が式(I)の物質によって提供される表面活性特性を生かすような、第2成分を含む広範囲の配合物において使用され得るものである。式(I)による化合物の製造のための前調製の又は後調製の合成反応混合物の成分が存在しても良いが、これらは本発明の目的のための第2成分の一部としてはカウントしないことが、理解されるべきである。そのような物質には、例えば、単純な塩、溶剤、触媒、有機前躯物質、試薬(reagents)、副産物(side products)、及び式(I)の化合物の製造に関する副生成物(byproducts)が含まれる。典型的には、但しかならずしそうではないが、配合物中の第2成分の重量が、式(I)の化合物の重量よりも多い。
【0019】
本発明による式(I)の化合物を含有する配合物は、通常25℃で流体であるように構成される。それらは、通常水性であるが、そうである必要は無い。第2成分は、鉱酸、蟻酸、酢酸、水酸化テトラメチルアンモニウム、非揮発性有機物、非揮発性無機物、及びそれらの混合物から成る群から選択される1種以上の物質から成り得る。ここで用いられるように、「非揮発性」(nonvolatile)の語は、当該物質が、少なくとも150℃の温度で、760トル(760mmHg)の圧力で沸騰し得ないか、又は沸騰することを意味する。従って、典型的な揮発性溶剤が配合物中に含まれ得るが、それらは第2成分の一部を構成するものではない。そのような揮発性溶剤、又は水、或いはそれらの組合せは、ある態様において、配合物の第3成分の一部となり得る。典型的には、第2成分と第3成分を組合せて、配合物の0.1〜99.9重量%を構成する。
【0020】
非揮発性物質の典型的で非限定的な例は、後に提供される配合物の例示において示される。本発明による配合物には、すぐに使用できる(ready-to-use)配合物、又は濃縮物(concentrates)が含まれる。これらのいずれもが、使用において更に希釈されても良い。このように、本発明による組成物における1種以上の式(I)の化合物の濃度は、広い範囲に渡って変化し得る。ある場合にはその量が0.00001重量%という低さではあるが、通常、それは配合物の0.001〜45重量%である。多くの場合、この%の範囲の上限での組成物は、全ての用途において必要とされるわけではないが、特定の用途では使用中に又は使用前に希釈される。
【0021】
式(I)の化合物を使用することによって、水で運ばれる(waterborne)組成物、又は工業プロセスにおける表面張力を減少させることが可能である。従って、本発明は、そのような化合物を含んで、界面活性剤が界面活性剤有効量で使用されて良好な湿潤特性を呈する水性組成物を提供する。例えば、水性の有機化合物含有組成物の増強された湿潤特性を提供するのに有効な界面活性剤の量は、その配合物の全重量を基準として、0.00001〜5重量%、好ましくは0.0001〜3重量%、最も好ましくは0.001〜3重量%の範囲にあり得る。その最も好ましい量は、発泡特性及び湿潤性能に影響を及ぼし得る、配合物中に存在する他のもの(species)、例えばラテックスポリマーの量及びタイプに依存して、一つの用途から他の用途へと変化する。
【0022】
本発明の界面活性剤を含む、代表的な水性コーティング配合物(water-based coating formulation)は、水性媒体中に、通常30〜80%固形分(solids)で、次のような成分を含み得る。
【0023】
【表1】

【0024】
本発明の界面活性剤を含む代表的な水性インク組成物(water-based ink composition)は、水性媒体中に、20〜60%固形分含有量で、次のような成分を含み得る(即ち凝集溶剤(coalescing solvent)を含まない)。
【0025】
【表2】

【0026】
本発明の界面活性剤を含む、代表的な水性の農業用組成物(water-based agricultural composition)は、0.01〜80%の次のような配合剤で、水性媒体中に次のような成分を含み得る。
【0027】
【表3】

【0028】
本発明の界面活性剤を含む、代表的な平版印刷(planographic printing)用ファウンテン溶液組成物(fountain solution composition)は、次のような成分を含み得る。
【0029】
【表4】

【0030】
本発明の界面活性剤を含む、代表的な硬質表面クリーナー(hard surface cleaner)は、次のような成分を含み得る。
【0031】
【表5】

【0032】
本発明の界面活性剤を含む、代表的な水性のホトレジスト現像剤又は電子クリーニング組成物(water-based photoresist developer or electronic cleaning composition)は、次のような成分を含み得る。
【0033】
【表6】

【0034】
本発明の界面活性剤を含む、代表的な金属加工用流体(metalworking fluid)は、次のような成分を含み得る。
【0035】
【表7】

【0036】
界面活性剤は、パーソナルケアー、並びに住宅用(household)及び工業用のクリーニングの分野における広範囲の種々の製品にも使用される。本発明の界面活性剤は、これらの配合物のいずれにも使用されることが出来て、特別な用途のために要求される特定の性能特性に応じた界面活性剤化合物の的確な構造で一つ以上の利点を奏する。これらの市場において使用される典型的な配合物は、Luis Ho Tan Taiの本「Formulation Detergents and Personal Care Products: A Complete Guide to Product Development」Champaing、イリノイ州:AOCS Press 2000年、加えて当業者に良く知られている他の本、文献、製品処方集(product formularies)などに記載されている。2〜3の代表的な配合例が、説明としてここに記載される。例えば、家庭用の自動皿洗い(automatic dishwashing)、或いは工業用及び業務用(institutional)の物品洗浄(warewashing)において用いられるリンス助剤(rinse aid)は、以下に記載される成分を有し得る。
【0037】
【表8】

【0038】
【表9】

【0039】
【表10】

【0040】
【表11】

【0041】
【表12】

【0042】
【表13】

【0043】
【表14】

【0044】
【表15】

【0045】
セメント添加剤配合物
セメント添加剤(admixture)は、流動化性(superplasticizing)、可塑化性(plasticizing)、促進性(accelerating)、セット遅延性(set retarding)、空気連行性(air entraining)、防水性(water-resisting)、腐蝕抑制性(corrosion inhibiting)及びその他のタイプを含むいくつかのタイプのいずれでもあり得る。このような添加剤は、コンクリート、モルタル等のようなセメント系製品(cementitious products)の施行性(workability)、沈降性(settling)及び末端特性(end properties)(強度、不透過性(impermeability)、耐久性(durability)及び霜/防氷耐塩性(frost/deicing salt resistance)等)を制御するために使用される。その添加剤は通常水性溶液として提供されて、その配合の間のある時点でセメント系(cementitious system)に添加され得る。本発明の界面活性剤は、そのような系において用いられる場合に、湿潤性(wetting)、フォーム制御(foam control)、フロー(flow)及びレべリング(leveling)、減水(water reduction)、腐蝕抑制(corrosion inhibition)、高イオン強度許容性(high ionic strength tolerance)及び適合性(compatibility)、並びに他の利点を提供し得る。
【0046】
【表16】

【0047】
油及びガス分野の配合物
配合物中に単独で又は一つの成分として用いられる、本発明の界面活性剤は、油及びガス工業(Oil and Gas industry)における種々の用途において、表面張力の低減、フォーム制御及び改良された湿潤性を提供し得る。これらには、例えば次のような使用のための配合物が含まれ得る。
【0048】
掘削の用途において、粘土(clays)及びドリル切粉(drill cuttings)の分散液、ROP(浸透の速度(rate of penetration))の向上、乳化(emulsification)及び脱乳化(de-emulsification)、表面の湿潤化及び表面張力の低下、シェール安定化(shale stabilization)、並びに固形添加物の水和又は溶解の増強のための配合物中に、本発明の界面活性剤が使用され得る。
【0049】
セメント接合、刺激及び施工(workover)の用途において、その使用には、スペーサー(spacers)、セメント分散液(cement dispersion)、脱‐空気連行性(de-air entraining)及び脱泡(defoaming)、セメント接合遅延(cement retardation)、破砕流体(fracturing fluids)、炭床メタン(coal bed methane)の刺激、表面又は界面張力の低減、油/水湿潤(oil/water wetting)およびクリーニング流体が含まれ得る。
【0050】
油及びガスの製造において、その使用には、リグ洗浄配合物(rig wash formulations)、原油の脱泡(defoaming of crude)、水の大量供給/注入(water flooding/injection)、酸ガス軽減(acid gas sweetening)のための脱泡、油/水の分離(oil/water separation)、向上した油回収、並びにアスファルテン(asphaltenes)、水和物(hydrates)、スケール(scale)およびワックスの抑制又は分散(inhibition or dispersion)が含まれ得る。
【0051】
地下の井戸の掘削、仕上げ、セメント接合、刺激、破砕、酸性化、又は施工、或いは油及びガスの含有地質からの生産の強化、又は生成された油又はガスを処理するための例示的な流体は、水及び/又は通常その流体の5〜99.85重量%を成す有機液体を含有する流体中に、本発明の界面活性剤を0.05〜10重量%含む。その有機液体は、そうである必要は無いが、通常石油製品であり、例えば原油(crude oil)又は以下に記載される掘削泥系油(drilling mud base oils)を含み得る。水が含まれる場合には、それは清水(freshwater)、海水、又はブラインソース(brine source)からのものでも良く、或いは水性鉱酸、例えば塩化水素酸、弗化水素酸、硫酸等を含んで供給されても良い。そのような用途のための流体は、通常、増量剤(weighting agents)、粘稠化剤(viscosifiers)、分散剤、掘削泥系油、乳化剤、可溶性塩(soluble salts)、セメント、プロッパント(proppants)、鉱酸、有機酸、殺生剤(biocides)、脱泡剤、解乳化剤(demulsifiers)、腐蝕抑制剤、摩擦低減剤(friction reducers)、ガス水和物抑制剤(gas hydrate inhibitors)、硫化水素除去又は制御添加剤(hydrogen sulfide removal or control additives)、アスファルテン制御添加剤(asphaltene control additives)、パラフィン制御添加剤(paraffin control additives)、及びスケール制御添加剤(scale control additives)から選択される1種以上の成分を全体で0.1〜80重量%含有し得る。種々の特定の物質が、これらの機能を達成するためのものとして、当分野において知られている。これらの物質のいくつかの好適で非限定的な例は次のようなものであり、他のものも当業者にとって明らかであろう。
【0052】
増量剤(weighting agents):硫酸バリウム、ヘマタイト(hematite)、およびイルメナイト(ilmenite)
粘稠化剤(viscosifiers):粘土(例えばベントナイト(bentonite)、アタパルジャイト(attapulgite))、水溶性ポリマー(例えばキサンタンガム(xanthan gum))、グアー(guar)、多糖類、改質多糖類)、親有機性粘土、および油溶性ポリマー
分散剤(dispersants):リグノスルホネート、スルホン化メラミン、ホルムアルデヒド樹脂
掘削泥系油(drilling mud base oils):ディーゼル(diesel)、鉱油、オレフィン性油(olefinic oil)、パラフィン性油(paraffinic oil)、及びエステル
乳化剤(emulsifiers):脂肪酸、脂肪アミド、陰イオン性界面活性剤、及び非イオン性アルコキシル化界面活性剤
【0053】
可溶性塩(soluble salts)(例えば比重調整、シェール安定化又は浸透圧制御のため):NaCl、NaBr、KCl、KBr、CaCl、CaBr、ZnCl、ZnBr、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム及び蟻酸セシウム
セメント
他の界面活性剤:陽イオン性界面活性剤、両性(amphoteric)界面活性剤、アルキルグルコシド、燐酸エステル及びフルオロ界面活性剤(fluorosurfactant)
プロッパント(proppants):セラミック、焼結ボーキサイト(sintered bauxite)、砂及び樹脂コートされた砂(resin-coated sand)
有機酸(organic acids):蟻酸、酢酸及びクエン酸
鉱酸(mineral acids):塩化水素酸及び弗化水素酸
【0054】
前述の分類の物質は、本発明の界面活性剤と組み合わせて用いられる場合、種々の油田の用途における適用に供し得る。正確な適用と望まれる効果にもよるが、当分野において周知の方法に全て従って、組成物は井戸中に注入されても良く、或いはその井戸によって生産された油又はガスの流れに添加されても良い。
【0055】
代表的な適用、及びこれらの目的のために配合物を形成するのに通常(必ずというわけでもないが)使用される成分が、以下に示される。その他の成分も存在しても良い。これらの配合物の各々が本発明による界面活性剤をも含有することが、理解されるであろう。
水性掘削泥(water-based drilling muds):増量剤、粘稠化剤及び分散剤
油性掘削泥(oil-based drilling muds):基油(base oil)、乳化剤及び粘稠化剤
仕上げ流体(completion fluids): 比重調製のための可溶性塩
セメント配合物(cement formulations):分散剤との組合せにおけるセメントそのもの
スペーサー(spacers):増量剤及び界面活性剤
酸性化流体(acidizing fluids):界面活性剤、並びに鉱酸及び有機酸の一方又は両方
破砕流体(fracturing fluids):粘稠化剤、プロッパント及び界面活性剤
【0056】
油及びガスの含有地質からの生産を刺激し又は向上させるための流体は、プロッパントを除いて、破砕流体に見られるようなものに類似の成分を含有し得る。最後に、上記のような方法で生産される油又はガスを処理するための流体は、殺生剤、脱泡剤、解乳化剤、腐蝕抑制剤、摩擦低減剤、ガス水和物抑制剤、硫化水素除去又は制御添加剤、アスファルテン制御添加剤、パラフィン制御添加剤、及びスケール制御添加剤の1種以上を含み得る。
【0057】
前述の議論の観点から理解されるように、本発明の界面活性剤は広範囲の種々の用途における有用性を見出し得る。本発明は、本発明の方法及び組成物を非限定的に説明する目的のために提示される、以下の実施例によって更に例証される。
【実施例】
【0058】
実施例1‐二硫化ナトリウムのブチルグリシジルエーテルとの反応
イソプロパノール(5ml)とHO(1ml)中のブチルグリシジルエーテル(2.91g、22.39mmol)の溶液を、N流入口、ゴム隔壁(rubber septum)、ガラス栓及び電磁攪拌バー(magnetic stir bar)を備えた100mlの3首(3-neck)丸底フラスコ中の二硫化ナトリウム(0.628g、11.20mmol)に窒素下で添加した。その混合物を90℃で加熱し、出発物質の消失及び生成物の形成についてガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリーによって完了のためにモニターした。3時間後に、その反応が完結したものと判断した。その混合物を周囲温度に冷却し、飽和NHCl(5.0ml)で処理し、そして酢酸エチル(50ml)中に抽出した。その溶剤を乾燥(MgSO)し、ろ過し、そして真空中で蒸発させて生成物1,1’‐チオビス(3‐ブトキシプロパン‐2‐オール)を得た。それは、マススペクトロメトリー並びにH及び13CのNMRによって同定された。
【0059】
実施例1a‐硫化ナトリウムのブチルグリシジルエーテルとの反応
ブチルグリシジルエーテル(2.91g、22.39mmol)と硫化ナトリウム七水和物(2.69g、11.2mmol)を出発原料として、実施例1に記載した方法に類似する方法で反応を実施した。得られた生成物は、実施例1におけるように同定された1,1’‐チオビス(3‐ブトキシプロパン‐2‐オール)であった。
【0060】
実施例2‐硫化ナトリウムの、C12、C14及びC16のグリシジルエーテル類の混合物との反応
100mlのイソプロパノール及び47mlのHO中の、硫化ナトリウム(22.48g、288mmol)と、C12、C14及びC16のグリシジルエーテル類の混合物(139.62g、〜576mmol)を出発原料として、実施例1に記載した方法に類似する方法で反応を実施した。実施例1におけるように同定された生成物は、1,1’‐チオビス(3‐ドデシルオキシプロパン‐2‐オール)、1,1’‐チオビス(3‐テトラデシルオキシプロパン‐2‐オール)、1,1’‐チオビス(3‐ヘキサデシルオキシプロパン‐2‐オール)、並びにそれぞれ一つのドデシルオキシと一つのテトラデシルオキシの基、一つのヘキサデシルオキシと一つのテトラデシルオキシの基、及び一つのヘキサデシルオキシと一つのドデシルオキシの基を有する3つの類似の混合種の混合物であった。
【0061】
実施例3‐硫化ナトリウムの、C及びC10のグリシジルエーテル類の混合物との反応
100mlのイソプロパノール及び47mlのHO中の、硫化ナトリウム(22.48g、288mmol)と、C及びC10のグリシジルエーテル類の混合物(107.14g、〜576mmol)を出発原料として、実施例1に記載した方法に類似する方法で反応を実施した。実施例1におけるように同定された生成物は、1,1’‐チオビス(3‐オクチルオキシプロパン‐2‐オール)、1,1’‐チオビス(3‐デシルオキシプロパン‐2‐オール)、並びに一つのオクチルオキシと一つのデシルオキシの基を有する類似の混合種の混合物であった。
【0062】
実施例4‐硫化ナトリウムの、2‐エチルヘキシルグリシジルエーテルとの反応
100mlのイソプロパノール及び47mlのHO中の、硫化ナトリウム(22.48g、288mmol)と、2‐エチルヘキシルグリシジルエーテル(576mmol、107.31g)を出発原料として、実施例1に記載した方法に類似する方法で反応を実施した。得られた生成物は、実施例1におけるように同定された1,1’‐チオビス(3‐(2‐エチルヘキシル)オキシプロパン‐2‐オール)であった。
【0063】
実施例1〜4の反応体と生成物を以下の表17に示す。
【化2】

【0064】
実施例5〜8‐平衡表面張力
白金のウィルへルミ(Wilhelmy)プレートを備えたKruss K‐12張力計(tensiometer)を用いて、恒温循環浴の手段で25±1℃で温度を維持しながら、実施例1〜4で調製した化合物について平衡表面張力を求めた。表18に記載する結果は、10分間に渡る10回の測定の平均であり、0.01dyne/cm(10−7N/cm)未満の標準偏差を有する。
【0065】
【表17】

【0066】
実施例9〜12‐スルフィド/グリシジルエーテル付加物のフォーム特性
界面活性剤の0.1重量%溶液を用いて、Ross‐Milesフォーム試験によって、フォームの高さ及び安定性(ゼロフォーム(zero foam)に達するための時間)を測定した。それらの測定結果を表19に示す。
【0067】
【表18】

【0068】
表19中のデータは、グリシジルエーテルのキャッピング基(capping group)に応じて、フォーム性能の範囲が得られ得ることを示している。コーティング、インク及び接着剤のような用途が不十分なフォーム(low foam)又は迅速に消散する(dissipate)フォームを必要としているのに対して、クリーニング又は鉱石浮選のような他の用途は、存在しそして持続する制御された量のフォームを必要とする。それ故、式(I)による化合物を含む組成物は、広範囲の用途において有用性を見出し得る。
【0069】
実施例13〜16‐動的表面張力データ
Kruss BP‐2泡圧張力計(Bubble Pressure Tensiometer)を使用して、0.1重量%と1.0重量%のレベルで、実施例1〜4において調製した化合物に関して、動的表面張力を求めた。それらの測定結果を表20に示す。
【0070】
【表19】

【0071】
表20におけるデータは、水性溶液又は配合物の強い(実施例13)或いは穏やかな(実施例16)表面張力低下のために色々異なった界面活性剤を提供するこの群の分子で、広範囲の動的表面張力低下が可能であることを示している。配合物の適用のモード(mode)及び湿潤状態にされるべき基材(工業用コーティングのブラシ適用(brush application)、工業用クリーナーのスプレー適用、接着剤のローラー適用)に応じて、そのような広範囲の動的表面張力低下を提供する界面活性剤は、重要な商業的有用性を見出し得る。
【0072】
実施例17‐1,1’‐ビス(3‐オクチルオキシプロパン‐2‐オール)スルホキシド及び1,1’‐ビス(3‐オクチルオキシプロパン‐2‐オール)スルホンの調製
イソプロパノール(20ml)中の1,1’‐チオビス(3‐オクチルオキシプロパン‐2‐オール)(5.0g、12.32mmol)溶液を、N流入口、ゴム隔壁、ガラス栓及び電磁攪拌バーを備えた100mlの3首丸底フラスコ中において、窒素下で、水(11.2ml、98.52mmol)中のH30%溶液で処理した。その混合物を60℃で24時間加熱した。その混合物を周囲温度に冷却し、水性飽和NaHSO溶液(5.0ml)で処理し、そして酢酸エチル(50ml)中に抽出した。その溶剤を乾燥(MgSO)し、ろ過し、そして真空中で蒸発させて生成物として1,1’‐ビス(3‐オクチルオキシプロパン‐2‐オール)スルホキシドと1,1’‐ビス(3‐オクチルオキシプロパン‐2‐オール)スルホンの1:1の混合物を得た。それらは、マススペクトロメトリー、並びにH及び13CのNMRによって同定された。
【0073】
本発明は、工業上及び商業上の広範囲の用途における使用に好適な特性を有する新規な界面活性剤を提供する。そのような用途には、水性コーティング、インク、接着剤、農業用配合物、水性及び非水性のクリーニング組成物、パーソナルケアー用途、並びに繊維加工及び油田用途の配合物が含まれる。
【0074】
本発明は、特定の態様に関してここに例証され、記載されるが、付加される請求の範囲がその示された詳細に限定されることは意図されていない。更に、種々の変形がこれらの詳細において当業者によってなされ得ることが予想されるが、それらの変形は依然として請求の範囲の対象事項(claimed subject matter)の精神及び範囲内にあり、これらの請求の範囲が相応に解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i) 式(I)による1種以上の化合物から成る第1成分であって、
ROCHCH(OH)CRZCRCH(OH)CHOR (I)
そこでは、各Rが、C〜C20の、分岐した、線状の及び環式の、アルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキル部分;カルボニル基、或いはO、S及びNから選択される1種以上のヘテロ原子を含む、C〜C20の、分岐した、線状の及び環式の、アルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキル部分;式R(OCHCH)n‐のグリコールエーテル部分;式R(NHCHCH)n‐のアミノエチレン部分;式RS(CH)n‐のチオエーテル部分から成り、そこでは、RがH又は線状のC〜C12アルキルであり、nが1〜15の整数である、群から独立して選択されるものであり、RとRがそれぞれ独立してH又はC〜Cアルキル基であり、ZがS、SO又はSOである、第1成分と
ii) 鉱酸、蟻酸、酢酸、水酸化テトラメチルアンモニウム、非揮発性有機物、非揮発性無機物、及びそれらの混合物から成る群から選択される1種以上の物質から成る第2成分であって、該第2成分が、該式(I)による1種以上の化合物を製造するための、前調製の又は後調製の合成反応混合物のいかなる成分も含まない、第2成分と
を含む配合物であって、25℃で流体である、配合物。
【請求項2】
前記第2成分が、前記第1成分よりも多い重量で存在する、請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
水性キャリアーを更に含む、請求項2に記載の配合物。
【請求項4】
前記ZがSである、請求項1に記載の配合物。
【請求項5】
前記RがC〜C10の部分及びC12〜C16の部分からなる群から選択される、請求項1に記載の配合物。
【請求項6】
前記式(I)の1種以上の化合物が、該配合物の0.001〜45重量%を成し、前記第2成分が該配合物の0.1〜99.9重量%を成し、該第2成分が、前記式(I)による以外の界面活性剤及び湿潤剤;溶剤;アルカリ金属水酸化物;水で運ばれる、水分散性の、又は水溶性の樹脂;フロー剤;レべリング剤;顔料;加工助剤;脱泡剤;可溶化剤;農薬;植物成長改質剤;水溶性フィルム成形性高分子;水溶性のアルコール、グリコール又はポリオール;水溶性の酸又はそれらの塩;水酸化テトラメチルアンモニウム;乳化剤;アルカノールアミン;有機モノ酸;殺生剤;キレート剤;洗剤ビルダー;洗剤コビルダー;染料;芳香剤;再付着防止助剤;サンスクリーン剤;ポリマー;オリゴマー;機能性セメント添加剤;塩化ナトリウム;臭化ナトリウム;塩化カルシウム;臭化カルシウム;塩化亜鉛;臭化亜鉛;蟻酸セシウム;塩化水素酸;弗化水素酸;酢酸;蟻酸;及び水から成る群から選択される1種以上の物質を含む、請求項1に記載の配合物。
【請求項7】
該配合物が0.1〜50重量%の1種以上の洗剤界面活性剤と25〜60重量%のビルダー又はコビルダーを含む粉末状ランドリー洗剤配合物であって、該配合物が0.001〜15重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項6に記載の配合物。
【請求項8】
該配合物が、0.1〜42重量%の1種以上の洗剤界面活性剤、25〜60重量%のビルダー又はコビルダー、及び0.5〜5重量%の再付着防止助剤を含む非水性ランドリー洗剤配合物であって、該配合物が0.001〜30重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項6に記載の配合物。
【請求項9】
iii)揮発性有機溶剤及び水から成る群から選択される1種以上の物質から成る第3成分を更に含み、
そこでは、前記第2成分と該第3成分が組み合わせて、該配合物の0.1〜99.9重量%を成す、請求項6に記載の配合物。
【請求項10】
該配合物が、水、並びに前記式(I)による以外の陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤、溶剤、並びにアルカリ金属水酸化物から成る群から選択される全体で0.1〜99重量%の1種以上の成分を含む硬質表面クリーニング配合物であって、該配合物が0.001〜25重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項11】
該配合物が、5〜99.9重量%の水で運ばれる、水分散性の、又は水溶性の樹脂、並びに前記式(I)による以外の界面活性剤、湿潤剤、フロー剤及びレべリング剤から成る群から選択される全体で0.01〜10重量%の1種以上の他の添加剤を含むコーティング配合物であって、該配合物が0.001〜5重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項12】
該配合物が、1〜50重量%の顔料、5〜99.9重量%の水で運ばれる、水分散性の、又は水溶性の樹脂、0.01〜10重量%の前記式(I)による以外の界面活性剤又は湿潤剤、並びに加工助剤、脱泡剤及び可溶化剤から成る群から選択される全体で0.01〜10重量%の1種以上の他の添加剤を含むインク配合物であって、該配合物が0.001〜5重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項13】
該配合物が、0.1〜50重量%の農薬又は植物成長改質剤、並びに0.01〜10重量%の前記式(I)による以外の界面活性剤又は湿潤剤を含む農業用配合物であって、該配合物が0.001〜5重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項14】
該配合物が、0.05〜10重量%の水溶性のフィルム成形性高分子、1〜25重量%の水溶性のアルコール、グリコール又はポリオール、0.01〜20重量%の水溶性の酸又はその塩、並びに30〜98.9重量%の水を含む平版印刷用ファウンテン溶液配合物であって、該配合物が0.001〜5重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項15】
該配合物が、0.1〜3重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム、並びに92.5〜99.9重量%の水を含むホトレジスト現像配合物であって、該配合物が0.001〜5重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項16】
該配合物が、2.5〜10重量%の乳化剤、10〜25重量%のアルカノールアミン、2〜10重量%の有機モノ酸、1〜5重量%の殺生剤、並びに40〜84.4重量%の水を含む金属加工用合成流体配合物であって、該配合物が0.001〜5重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項17】
該配合物が、水、並びに5〜20重量%のキレート剤を含むリンス助剤配合物であって、該配合物が0.001〜45重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項18】
該配合物が、0.1〜65重量%の1種以上の洗剤界面活性剤、3〜36重量%のビルダー又はコビルダー、芳香剤及び染料から成る群から選択される全体で0.1〜5重量%の1種以上の他の添加剤、並びに水及び他の溶剤から成る群から選択される全体で1〜75重量%の1種以上の他の添加剤を含む水性液体ランドリー洗剤配合物であって、該配合物が0.001〜30重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項19】
該配合物が、水、並びに0.01〜2重量%の再付着防止助剤を含む工業用及び業務用のランドリー洗剤配合物であって、該配合物が0.001〜20重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項20】
該配合物が、水、並びに0.1〜30重量%の陰イオン性界面活性剤を含むシャンプー又は液体ボディ洗浄配合物であって、該配合物が0.001〜5重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項21】
該配合物が、水、並びに0.1〜10重量%の前記式(I)による以外の非イオン性界面活性剤を含むヘアーコンディショナー配合物であって、該配合物が0.001〜10重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項22】
該配合物が、水、並びに1〜30重量%のサンスクリーン剤を含む水性のサンスクリーン配合物であって、該配合物が0.001〜30重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項23】
該配合物が、40〜75重量%の水、並びに全体で0.1〜20重量%の1種以上の可溶化剤、ポリマー、オリゴマー又は機能性添加剤を含むセメント添加剤配合物であって、該配合物が0.001〜5重量%の前記式(I)の1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の配合物。
【請求項24】
前記式(I)の1種以上の化合物が該配合物の0.05〜10重量%を成し、前記第2成分が該配合物の0.1〜80重量%を成し、該第2成分が増量剤、粘稠化剤、分散剤、掘削泥系油、乳化剤、可溶性塩、セメント、プロッパント、鉱酸、有機酸、殺生剤、脱泡剤、解乳化剤、腐蝕抑制剤、摩擦低減剤、ガス水和物抑制剤、硫化水素除去又は制御剤、アスファルテン制御剤、パラフィン制御剤、及びスケール制御剤から成る群から選択される1種以上の物質を含む、請求項1に記載の配合物。
【請求項25】
全体で5〜99.85重量%の少なくとも1種の有機液体及び水を更に含む、請求項24に記載の配合物。
【請求項26】
地下の井戸を掘削し、仕上げ、セメント接合し、刺激し、破砕し、酸性化し、施工し又は処理する方法において、式(I)による1種以上の化合物を含む流体を該井戸中に注入することを含む改良された方法であって、
ROCHCH(OH)CRZCRCH(OH)CHOR (I)
そこでは、各Rが、C〜C20の、分岐した、線状の及び環式の、アルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキル部分;カルボニル基、或いはO、S及びNから選択される1種以上のヘテロ原子を含む、C〜C20の、分岐した、線状の及び環式の、アルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキル部分;式R(OCHCH)n‐のグリコールエーテル部分;式R(NHCHCH)n‐のアミノエチレン部分;式RS(CH)n‐のチオエーテル部分から成り、そこでは、RがH又は線状のC〜C12アルキルであり、nが1〜15の整数である、群から独立して選択されるものであり、RとRがそれぞれ独立してH又はC〜Cアルキル基であり、ZがS、SO又はSOである、方法。
【請求項27】
油及びガスの含有地質から生成された油又はガスの流れを処理する方法において、式(I)による1種以上の化合物を含む流体を該生成された流れ中に注入することを含む改良された方法であって、
ROCHCH(OH)CRZCRCH(OH)CHOR (I)
そこでは、各Rが、C〜C20の、分岐した、線状の及び環式の、アルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキル部分;カルボニル基、或いはO、S及びNから選択される1種以上のヘテロ原子を含む、C〜C20の、分岐した、線状の及び環式の、アルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキル部分;式R(OCHCH)n‐のグリコールエーテル部分;式R(NHCHCH)n‐のアミノエチレン部分;式RS(CH)n‐のチオエーテル部分から成る群から独立して選択され、そこでは、RがH又は線状のC〜C12アルキルであり、nが1〜15の整数であり、RとRがそれぞれ独立してH又はC〜Cアルキル基であり、ZがS、SO又はSOである、方法。

【公開番号】特開2006−52396(P2006−52396A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215508(P2005−215508)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【Fターム(参考)】