説明

フレキシブル半導体装置およびその製造方法

【課題】生産性に優れたフレキシブル半導体装置を提供する。
【解決手段】可撓性を有するフレキシブル半導体装置100であり、樹脂フィルム30と、樹脂フィルム30の上に形成された金属層10とを備え、金属層10は、絶縁壁51によって分断され、且つ、絶縁壁51の一端53は樹脂フィルム30に接しており、絶縁壁51によって金属層10から、ゲート電極10g、ソース電極10sおよびドレイン電極10dが形成されている。ゲート電極10gの上には、絶縁壁51に接するゲート絶縁膜22が形成されており、ゲート絶縁膜22の上には半導体層20が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性を有する樹脂フィルムを備えたフレキシブル半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。また、さらに情報化の進展に伴い、従来、紙媒体で提供されていた情報が電子化される機会が増えている。そのため薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある(特許文献1など)。
【0003】
一般に、フラットパネルディスプレイにおいては、液晶、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)、電気泳動等を利用した素子を用いて表示媒体を形成している。また、こうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度等を確保するために、画像駆動素子としてアクティブ駆動素子(TFT素子)を用いる技術が主流になっている。例えば、通常のコンピュータディスプレイでは基板上にこれらTFT素子を形成し、液晶、有機EL素子等が封止されている。
【0004】
ここで、TFT素子には主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)等の半導体を用いることができる。これらのSi半導体(必要に応じて金属膜も)を多層化し、ソース、ドレイン、ゲート電極を基板上に順次形成していくことでTFT素子が製造される。
【0005】
また、このようなSi材料を用いたTFT素子の形成には高い温度の工程が含まれるため、基板材料には工程温度に耐える材料であるという制限が加わることになる。このため、実際上は、基板として耐熱性に優れる材質のもの、例えばガラス基板を用いることが必要となる。なお、石英基板を用いることも可能であるが、高価であり、ディスプレイの大型化に際して経済的に問題がある。したがって、TFT素子を形成する基板として、一般にガラス基板が使用される。
【0006】
しかしながら、先に述べた薄型ディスプレイを、こうした従来知られたガラス基板を利用して構成した場合、そのディスプレイは重く、柔軟性に欠け、落下の衝撃で割れる可能性のある製品となってしまう。ガラス基板上にTFT素子を形成することに起因するこれらの特徴は、情報化の進展に伴う手軽な携帯用薄型ディスプレイへのニーズを満たすにあたり望ましくないものである。
【0007】
そこで、軽量で薄型なディスプレイへのニーズに対応させるべく、基板のフレキシブル化、軽量化などの観点から、TFT素子を樹脂基板(プラスチック基板)上に形成する、フレキシブル半導体装置の開発が行われている。例えば、特許文献2には、TFTを従来と略同様なプロセスにより支持体(例えばガラス基板)上に作製した後、TFTをガラス基板から剥離して樹脂基板(プラスチック基板)上に転写する技術が開示されている。ここでは、まず、ガラス基板上にTFTを形成し、それをアクリル樹脂などの封止層を介して樹脂基板に接着し、その後、ガラス基板を剥離することにより、樹脂基板上にTFT素子を転写して形成している。
【0008】
転写法を用いたフレキシブル半導体装置の製造では、支持体(例えばガラス基板)の剥離工程が問題となる。すなわち、樹脂基板から支持体を剥離する工程においては、例えば支持体とTFTとの密着性を低下させる処理を行う。あるいは、支持体とTFTとの間に剥離層を形成し、この剥離層を物理的または化学的に除去する処理を行う必要がある。したがって、工程の煩雑さを招いており、生産性の問題が生じ得る。
【特許文献1】特開2007−67263号公報
【特許文献2】特開2004−173557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
TFTを樹脂基板(プラスチック基板)に転写するのではなく、樹脂基板の上に直接形成する方法も提案されている。この場合、転写後の支持体(例えばガラス基板)の剥離工程が不要となるため、フレキシブル半導体装置を簡易に製造することができる。
【0010】
しかしながら、フレキシブル半導体装置には、依然として種々の課題があり、本願発明者は、フレキシブル半導体装置の課題に対して、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処し、それらの課題を解決するように試みた。
【0011】
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、生産性に優れたフレキシブル半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るフレキシブル半導体装置は、可撓性を有するフレキシブル半導体装置であり、樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの上に形成された金属層とを備え、前記金属層は、絶縁材料からなる絶縁壁によって分断され、且つ、前記絶縁壁の一端は前記樹脂フィルムに接しており、前記絶縁壁によって前記金属層から、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極が形成されており、前記ゲート電極の上には、前記絶縁壁に接するゲート絶縁膜が形成されており、前記ゲート絶縁膜の上には、半導体材料からなる半導体層が形成されている。
【0013】
ある好適な実施形態では、前記ソース電極および前記ドレイン電極よりも、前記ゲート電極が、前記樹脂フィルムに埋設されている。
【0014】
ある好適な実施形態において、前記樹脂フィルムは、内部に空孔を含む空孔入りシートである。
【0015】
ある好適な実施形態において、前記金属層は、金属ペーストからなる導電層である。
【0016】
ある好適な実施形態において、前記絶縁壁は、当該絶縁壁の一端に向けて細くなっていくテーパー状に形成されている。
【0017】
ある好適な実施形態において、前記半導体層は、シリコンからなるシリコン層である。
【0018】
ある好適な実施形態において、前記ゲート絶縁膜の誘電率は、前記絶縁壁の誘電率よりも高い。
【0019】
本発明に係るフレキシブル半導体装置の製造方法は、樹脂フィルムの上に、金属層を形成する工程と、前記金属層に、絶縁材料からなる絶縁壁を前記樹脂フィルムに到達するまで突き刺すことによって前記金属層を分断し、前記金属層からゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を形成する工程とを含む。
【0020】
ある好適な実施形態において、前記絶縁壁は、前記ソース電極と前記ゲート電極とを分断する第1壁と、前記ゲート電極と前記ドレイン電極とを分断する第2壁とを含み、さらに、前記第1壁と前記第2壁とを連結する連結層が形成されており、前記連結層の少なくとも一部は、ゲート絶縁膜として機能し、前記金属層に前記絶縁壁を突き刺す際に、前記ゲート電極に前記ゲート絶縁膜が接触する工程が実行される。
【0021】
本発明に係る他のフレキシブル半導体装置の製造方法は、ベース基材の上に、ゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極の表面を、絶縁材料からなる絶縁層で被覆する工程と、前記絶縁層が被覆された前記ゲート電極を覆うように、前記ベース基材の上に金属材料を形成する工程と、前記金属材料の一部をエッチングすることによって前記絶縁層を露出させる工程と、前記金属材料をパターニングすることによって、前記絶縁層にてそれぞれが分離されたゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、前記ゲート電極の上に、前記絶縁層を介して、半導体層を形成する工程とを含む。
【0022】
ある好適な実施形態において、前記ベース基材の上に金属材料を形成する工程は、前記絶縁層が被覆された前記ゲート電極を、前記金属材料からなる金属層に埋設することによって実行される。
【0023】
ある好適な実施形態において、前記金属材料は、銅である。
【0024】
ある好適な実施形態において、前記ゲート電極は、前記金属材料よりも硬い材料から構成されている。
【0025】
本発明に係る更に他のフレキシブル半導体装置の製造方法は、キャリア基材の上に、第1金属層を形成する工程と、前記第1金属層の上に、絶縁材料からなるレジスト材を塗布する工程と、前記レジスト材をエッチングすることによって、第1壁および第2壁を含む絶縁壁を形成する工程と、前記絶縁壁を覆うように、前記第1金属層の上に第2金属層を形成する工程と、樹脂フィルムの上に前記絶縁壁の端部が接触するように、前記キャリア基材から、前記第1金属層および前記第2金属層を当該樹脂フィルムへ転写する工程と、前記第1金属層をエッチングすることによって、前記絶縁壁における前記第1壁の端部及び前記第2壁の端部を露出させる工程と、露出した前記第1壁の端部と前記第2壁の端部とを連結する連結層を形成する工程と、前記第2金属層をパターニングすることによって、前記第2金属層から、前記第1壁と前記第2壁と前記連結層によって囲まれたゲート電極と、当該ゲート電極に隣接するソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、前記連結層の少なくとも一部の上に、半導体層を形成する工程とを含む。
【0026】
ある好適な実施形態において、前記第1金属層の上に第2金属層を形成する工程は、メッキ法によって実行される。
【0027】
ある好適な実施形態において、前記第1金属層および前記第2金属層を構成する材料は銅である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、樹脂フィルムの上に形成された金属層が絶縁壁によって分断される。そうすることによって、金属層からゲート電極・ソース電極・ドレイン電極が形成されているので、ゲート電極の位置合わせを容易に実行できる構造にすることができる。
【0029】
その結果、生産性に優れたフレキシブル半導体装置を実現することが可能となり、フレキシブル半導体装置の普及を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本願発明者は、フレキシブル半導体装置の生産性を向上させるべく鋭意研究している中で、図1に示すような構造を検討した。図1に示したフレキシブル半導体装置1000は、可撓性を有する絶縁膜122と、絶縁膜122の上に形成された半導体層120とから構成されている。また、半導体層120に接触している部位の絶縁膜122は、ゲート絶縁膜122gとして機能し、ゲート絶縁膜122gにはゲート電極110gが接触している。加えて、ゲート電極110gと同じ側に、ソース電極110sとドレイン電極110dが配置されている。
【0031】
ソース電極110sは、半導体層120に接触する取出し電極111sに接続されており、一方、ドレイン電極110dは、半導体層120に接触する取出し電極111dに接続されている。この構造においては、ソース電極110s及びドレイン電極110dと、取出し電極111sと111dとは、絶縁膜122を挟んで反対側に設けられている。そのため、両者の接続は、絶縁膜122に形成された開口部(ビアホール)115に充填された層間接続部位(ビア)114を介してなされている。
【0032】
この構造1000によれば、フレキシブル性および軽量化のようなフレキシブル半導体装置の特有の効果は得られるものの、次のような課題がある。まず、ゲート電極110gの位置合わせを高精度に行うことが容易ではなく、そして、ゲート電極110gの位置ズレが生じてしまうと、フレキシブル半導体装置の半導体特性の劣化が生じる。
【0033】
さらに詳しく述べると、ソース電極110sに接続された取出し電極111sと、ドレイン電極110dに接続された取出し電極111dとの間に位置する箇所が、半導体層120におけるチャネル領域となる。しかしながら、フレキシブル半導体装置1000の製造においては、ゲート電極110gと、チャネル領域を規定する取出し電極111s及び111dとの間において位置ズレが生じることがある。それは半導体特性の劣化またはバラツキの原因となる。また、この位置ズレを最初から想定して、チャネル領域とゲート電極を同サイズに設計するのでなくチャネル領域よりゲート電極を大きい面積で設計することが多い。この場合、チャネル領域とゲート電極の位置ズレは抑制しやすいが、ゲート電極とソース、ドレイン電極のゲート絶縁膜122gを介しての重複面積が必然的に発生し、TFT特性に悪影響を及ぼす懸念がある。加えて、ソース電極110s及びドレイン電極110dと、半導体層120との電気的接続のために、開口部115および層間接続部位114の形成が必要であり、その形成工程が煩雑となる。
【0034】
本願発明者は、ゲート電極の位置合わせ等を簡潔な工程によって実行できれば種々の課題を解決ないし緩和できることに気づき、本発明を想到するに至った。以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0036】
図2を参照しながら、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置100について説明する。図2は、フレキシブル半導体装置100の断面構成を模式的に示す断面図である。なお、図3は、本実施形態のフレキシブル半導体装置100(100A、100B)が複数配置された構成の平面図である。
【0037】
本実施形態のフレキシブル半導体装置100は、半導体装置である。図2に示した構成では、フレキシブル半導体装置100は、可撓性を有する樹脂フィルム30と、樹脂フィルム30の上に形成された金属層10とから構成されている。
【0038】
本実施形態の金属層10は、絶縁材料からなる絶縁壁51(51a、51b)によって分断されている。絶縁壁51の一端53は樹脂フィルム30に接しており、これによって、絶縁壁51で分断された金属層10の各部位は、互いに電気的に分離された状態となる。本実施形態の構成では、絶縁壁51によって金属層10から、ゲート電極10g、ソース電極10sおよびドレイン電極10dが形成されている。図2に示した例では、絶縁壁51aがソース電極10sとゲート電極10gとの境界を構成し、そして、絶縁壁51bがゲート電極10gとドレイン電極10dとの境界を構成している。
【0039】
また、ゲート電極10gの上には、絶縁壁51(第1絶縁壁51a、第2絶縁壁51b)に接するゲート絶縁膜22が形成されている。この例では、絶縁壁51aと絶縁壁51bとを連結する連結層52が形成されており、この連結層52の少なくとも一部がゲート絶縁膜22として機能する。また、第1絶縁壁51aと第2絶縁壁51bと連結層52とを含む構造を、絶縁壁構造体50と称することもある。なお、連結層52は、絶縁壁51(51a、51b)と同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。
【0040】
ゲート絶縁膜22の上には、半導体材料からなる半導体層20が形成されている。本実施形態では、半導体層20は、例えば、シリコンからなる。なお、半導体層20は、シリコン以外の材料(例えば、化合物半導体、酸化物半導体、または、有機半導体)から構成されていてもよい。
【0041】
また、ゲート絶縁膜22は、無機絶縁材料または有機絶縁材料から構成することができる。ゲート絶縁膜22は、例えば、酸化シリコン(SiO)から構成することができる。酸化シリコンからなるゲート絶縁膜22の場合、例えば、SiOの前駆体をスピンコートした後、熱処理することによって作製することができる。さらに、ゲート絶縁膜22を構成する無機絶縁材料としては、チタン酸化物、タンタル酸化物、アルミニウム酸化物およびニオブ酸化物からなる群から選択される材料を用いることも可能である。あるいは、複数の材料が混入されたコンポジット材料を用いることもできる。加えて、ゲート絶縁膜22を構成する有機絶縁材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、PTFEなどのフッ素系樹脂、それらの複合物を用いることができる。それらの有機絶縁材料を用いたゲート絶縁膜22の場合、例えば所定の樹脂材料をスピンコートすることによって作製することができる。
【0042】
本実施形態の構成では、ゲート電極10gは、絶縁壁構造体50によって樹脂フィルム30の側に押し込まれている。したがって、図2に示すように、ゲート電極10gは、ソース電極10sおよびドレイン電極10dよりも、樹脂フィルム30に埋設されている。より具体的には、ゲート電極10gの上面は、ソース電極10sの上面およびドレイン電極10dの上面よりも、樹脂フィルム30側に位置するように低くなっている。
【0043】
樹脂フィルム30は、可撓性を有するシート材料からなる。本実施形態では、樹脂フィルム30は、半導体層20(又はそれを含むTFT構造体)を支持するための支持基材であり、硬化後に可撓性を有する熱硬化性樹脂材料や熱可塑性樹脂材料から構成されている。本実施形態の樹脂フィルム30の一例は、例えば、ポリイミドフィルムである。
【0044】
また、本実施形態の樹脂フィルム30を構成する樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、PTFEなどのフッ素系樹脂、それらの複合物等を挙げることができる。これらの樹脂材料は、低コストで作製できるものや、寸法安定性の性質に優れたものであり、本実施形態のフレキシブル半導体装置100におけるフレキシブル基材の材料として好ましい。加えて、本実施形態の樹脂フィルム30として、内部に空孔を含む空孔入りシートを用いることも可能である。
【0045】
本実施形態の金属層10は、金属ペースト材料(例えば、Agペースト)から構成されている。より具体的には、金属層10は、金属ペースト材料を用いて印刷法にて形成されている。そして、その金属層10を絶縁壁51(51a、51b)で分断することによって、金属層10から、ゲート電極10g、ソース電極10sおよびドレイン電極10dが形成されている。
【0046】
本実施形態の絶縁壁構造体50(51、52)は、樹脂材料から構成されている。一つの例では、絶縁壁構造体50は、同一材料から構成されており、すなわち、絶縁壁51と連結層52とが同一の材料(例えば、同一の樹脂材料)から構成されている。他の例では、絶縁壁51と連結層52とは、それぞれ異なる材料から構成されている。
【0047】
異なる材料から構成する場合には、ゲート絶縁膜22を構成する連結層52の誘電率を、絶縁壁51の誘電率よりも高くすることが好ましい。その理由は、絶縁壁51の誘電率を低くすることによって、ソース・ドレイン電極(10s・10d)とゲート電極10gとの間に生じる寄生容量を低減することが可能となるからである。また、連結層52の誘電率を高くすることによって、高い誘電率を持ったゲート絶縁膜22を構築することができるという理由もある。そのような例として、絶縁壁51をエポキシ樹脂系永久レジスト(比誘電率;例えば3〜6)から構成し、一方、連結層52を、チタン酸化物粉末をエポキシ樹脂に混合したもの(比誘電率;例えば20〜30)から構成することができる。ここで、永久レジストとは、現像後も除去されることのないレジストのことを意味する。なお、絶縁壁51および連結層52の組み合わせは、適宜好適なものを選択すればよい。
【0048】
図3は、樹脂フィルム30の上に、フレキシブル半導体装置100A、100Bが形成された平面構成例を示している。図3に示した例では、フレキシブル半導体装置100Aのドレイン電極10dは、フレキシブル半導体装置100Bのゲート電極10gに接続されている。より具体的には、フレキシブル半導体装置100Aのドレイン電極10dから延びた配線は、フレキシブル半導体装置100Bのゲート電極10gから延びた配線に接続されている。なお、図3に示した平面構成例は一つの例であり、フレキシブル半導体装置100は、2つに限らずそれ以上配置することも可能である。また、フレキシブル半導体装置100における各端子(ゲート電極10g、ソース電極10s、ドレイン電極10d)の接続は、必要に応じて適宜好適なものに決定することができる。
【0049】
次に、図4(a)から図5(b)を参照しながら、本実施形態のフレキシブル半導体装置100の製造方法について説明する。図4(a)から図5(b)は、フレキシブル半導体装置100の製造方法を説明するための工程断面図である。
【0050】
まず、図4(a)に示すように、樹脂フィルム30の上に、金属層10を形成する。本実施形態では、金属層10は印刷法によって形成される。例えば、金属層10の形成は、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット法などの印刷法を用いて金属ペースト(Agペーストなど)を塗布して実行することができる。樹脂フィルム30の厚さは、例えば、10〜100μm(好適には、30〜70μm)である。樹脂フィルム30の厚さが10μmよりも薄いと取り扱いが難しくなるので、例えば10μm以上であることが好ましい。一方、樹脂フィルム30の厚さが100μmよりも厚いとフレキシブル性が悪くなったり、基板の総厚みが大きくなるので、例えば100μm以下であることが好ましい。
【0051】
また、金属層10の厚さは、例えば、3〜30μm(好適には、5〜20μm)である。この段階では金属層10は、金属ペースト(または導電性ペースト)を硬化させていない状態で樹脂フィルム30の上に配置させている。なお、導電性ペーストをスクリーン印刷で形成する場合には、金属層10の厚さは、典型的には10μm前後である。また、インクジェット印刷または厚膜印刷を用いる場合には、それよりも厚さの上限・下限を変化させることができる。ただし、薄すぎると絶縁壁による分断が容易であるが抵抗が大きくなることや、厚すぎると絶縁壁による分断が難しくなることに注意することが望ましい。
【0052】
次に、図4(b)に示すように、絶縁壁構造体50(51、52)を配置したキャリア基材60を用意した後、絶縁壁構造体50が金属層10と対向するようにキャリア基材60を樹脂フィルム30の上方に配置する。具体的には、絶縁壁構造体50における絶縁壁51の先端53が金属層10の上方に位置するように、キャリア基材60をセットする。
【0053】
この例で示した絶縁壁構造体50は、例えば、永久レジストから構成されている。絶縁壁構造体50の絶縁壁51の厚さは、例えば、5〜30μmである。絶縁壁51の厚さは、要求される強度、および、絶縁壁51の作製プロセスなどに基づいて決定され得る。また、絶縁壁構造体50の連結層52の厚さは、例えば、0.1〜2μmである。なお、連結層52の厚さは、ゲート絶縁膜22として機能する厚さに基づいて決定され得る。
【0054】
次に、図4(c)に示すように、絶縁壁構造体50の絶縁壁51を金属層10に突き刺して、絶縁壁51の先端53を樹脂フィルム30に到達させることによって、金属層10を分断する。この分断工程は、金属層10が形成された樹脂フィルム30に、絶縁壁51を有するキャリア基材60を押し付けることによって実行することができる。ここで、金属層10を構成する金属ペーストは未硬化であるので、絶縁壁51は容易に金属層10を切断することができる。加えて、樹脂フィルム30が、空孔入りの樹脂シートからなる場合、絶縁壁51の先端53が樹脂フィルム30に突き刺さりやすくなるという利点がある。また、樹脂フィルム30が半硬化タイプのシート(例えば、Bステージ樹脂からなるシート)から構成されている場合にも、絶縁壁51の先端53が樹脂フィルム30に突き刺さりやすくなるという効果を得ることができる。
【0055】
次いで、図5(a)に示すように、金属層10を構成する金属ペーストを硬化させることによって、ゲート電極10g、ソース電極10sおよびドレイン電極10dを形成する。金属ペーストの硬化は、例えば、乾燥炉を用いた金属ペーストの乾燥によって実行することができる。樹脂フィルム30の耐熱温度を考慮して、金属ペーストの乾燥工程は、例えば230℃以下で実行されることが好ましい。
【0056】
その後、図5(b)に示すように、ゲート絶縁膜22として機能する連結層52と、ソース電極10sおよびドレイン電極10dの上に、半導体層20を形成する。このようにして、本実施形態のフレキシブル半導体装置100を作製することができる。
【0057】
半導体層20の形成は、例えば、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVDなどの薄膜形成法、または、凸版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェットなどの印刷法によって実行することができる。半導体層20が有機半導体から構成されている場合、一例としては、有機半導体ペンタセンを蒸着させることによって形成することができる。
【0058】
本実施形態における半導体層20を構成する材料としては、上述したペンタセンの他、種々のものを使用することができ、例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体を用いてもよいし、酸化物半導体を用いてもよい。酸化物半導体としては例えばZnO、SnO、In、TiOなどの単体の酸化物や、InGaZnO、InSnO、InZnO、ZnMgOなどの複合酸化物が挙げられる。あるいは、必要に応じて化合物半導体(例えば、GaN、SiC、ZnSe、CdS、GaAsなど)や、有機半導体(例えば、ポリ3ヘキシルチオフェン、ポルフィリン誘導体、銅フタロシアニン、C60など)を使用することもできる。
【0059】
本実施形態のフレキシブル半導体装置100の製造方法によれば、樹脂フィルム30の上に形成された金属層10に対して、絶縁壁51を樹脂フィルム30に到達するまで突き刺す。そうすることで金属層10を分断する。そうして、金属層10からゲート電極10g、ソース電極10sおよびドレイン電極10dを形成するので、ゲート電極10gの位置合わせを容易に実行することができる。その結果、生産性に優れたフレキシブル半導体装置100を実現することができる。また、絶縁壁51で金属層10を分断することにより、金属層10からゲート電極10g、ソース電極10sおよびドレイン電極10dを形成することができる。したがって、簡便な手法によって、ゲート電極10g、ソース電極10sおよびドレイン電極10dを形成することができる。
【0060】
さらに図1に示したフレキシブル半導体装置1000では取出電極(111s、111d)、開口部115・層間接続部位114およびソース・ドレイン電極(110s、110d)を含む構造を位置合せ精度良く形成することが要求される。一方、本実施形態のフレキシブル半導体装置100では、金属層10を絶縁壁51によって分断することにより、ソース電極10s・ドレイン電極10dを簡便に位置合わせ精度良く形成することができる。
【0061】
本実施形態のフレキシブル半導体装置100は、図6に示すように改変することも可能である。図6は、フレキシブル半導体装置100の改変例を示す断面図である。
【0062】
図6に示したフレキシブル半導体装置100では、図2に示した構成よりも、ゲート電極10gが樹脂フィルム30に深く埋設している。この例では、ゲート電極10gの上面が、ソース・ドレイン電極10s・10dの底面と実質的に同じ位置に配置されている。このようにゲート電極10gを深く埋設すると、ゲート電極10gとソース電極10sとの寄生容量、及び/又は、ゲート電極10gとドレイン電極10dとの寄生容量を低減させることができる。それにより、フレキシブル半導体装置100の半導体特性の低下を抑制することができる。
【0063】
図6に示した構成では、ゲート電極10gを樹脂フィルム30に深く埋設するので、樹脂フィルム30は、例えば、半硬化型の樹脂シート(Bステージの樹脂シート)、空孔を含む樹脂シートを好適に用いることができる。ただし、そのような樹脂シートでなくても、ゲート電極10gを樹脂フィルム30に深く埋設することは勿論可能であり、ゲート電極10gを樹脂フィルム30に押し込む力を調整することによって行うことができる。
【0064】
次に、図7は、本実施形態のフレキシブル半導体装置100が複数配置された基板構造体の断面図を示している。図7に示した例では、樹脂フィルム30に、第1のフレキシブル半導体装置100Aと、第2のフレキシブル半導体装置100Bとが形成されている。ここでのフレキシブル半導体装置100A、100Bは、図6に示した構造のものであるが、それに限らず、例えば図2に示した構造のものであってもよい。
【0065】
図7に示した構成では、樹脂フィルム30の下面に、さらに、第2の樹脂フィルム31が形成されている。樹脂フィルム31の上には、走査線および電源線などのための配線14(14A、14B)が形成されている。本実施形態の配線14は、金属層10の抵抗値よりも低い抵抗値を有する配線(低抵抗配線)である。配線14は、例えば、厚さが比較的厚い銅層(厚さ:例えば15μm以上、一例では12〜35μm)から構成されている。
【0066】
この例では、フレキシブル半導体装置100Aのソース電極10sは、ソース電極10sから延びた配線と、ビアホール17に形成された層間接続部位(ビア)とを介して、配線14Aに接続されている。一方、フレキシブル半導体装置100Bのソース電極10sは、ソース電極10sから延びた配線と、ビアホール17に形成された層間接続部位(ビア)とを介して、配線14Bに接続されている。なお、図7に示した構成において、フレキシブル半導体装置100A、100Bの電気的な接続関係は例示的にものにすぎず、必要に応じて適宜好適なものに決定することができる。
【0067】
次に、図8(a)から図9(b)及び図10を参照しながら、本実施形態のフレキシブル半導体装置100の他の製造方法について説明する。
【0068】
まず、図8(a)に示すように、ベース基材62の上にゲート電極10gを形成し、次いで、ゲート電極10gの表面を絶縁層(51a、52、51b)で被覆することによって、絶縁壁構造体50を形成する。続いて、金属材料からなる金属層15の上方に、絶縁壁構造体50が形成された面を下にしてベース基材62を配置する。
【0069】
次に、図8(b)に示すように、絶縁壁構造体50を金属層15に突き刺すように、ベース基材62と金属層15とを密着させる。換言すると、ベース基材62と金属層15とを密着させることによって、絶縁壁構造体50を金属層15に埋設させる。
【0070】
ここで、絶縁壁構造体50を金属層15に埋設させやすいように、この例におけるゲート電極10gは、比較的硬い材料(例えば、ステンレス材料)から構成されていることが好ましい。例えば、図8(a)及び(b)に示したゲート電極10gは、金属ペーストから構成された金属層(図2中の「10」)よりも硬い材料からなる。加えて、絶縁壁構造体50が埋設される金属層15は、銅箔からなる。また、この例における絶縁壁構造体50を構成する絶縁材料は、例えば、電着レジストであり、絶縁壁構造体50は、電着工程によって形成される。
【0071】
次に、図8(c)に示すように、絶縁壁構造体50が埋設された金属層15の表面をエッチングすることによって、絶縁壁構造体50の連結層52を露出させる。換言すると、絶縁壁構造体50の連結層52が露出するように、金属層(ここでは、銅箔)15の表面を全面エッチングして、絶縁壁構造体50の絶縁壁51a、51bによって分離された金属層10が得られる。ここでの全面エッチングは、例えば、硫酸と過酸化水素とを含むソフトエッチング液を用いて表面を数μm削るように実行すればよい。
【0072】
次いで、図9(a)に示すように、ベース基材62の上下面を反転させ、次いで、金属層10をパターニングすることによって、ソース電極10s及びドレイン電極10dを形成する。ここでは、絶縁壁構造体50の埋設のために使用したベース基材62を、TFT構造体の支持基材としての樹脂フィルム30として利用する。
【0073】
金属層10のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィー工程を用いて実行することが可能である。具体的には、フォトリソグラフィー工程にてソース電極10s及びドレイン電極10dの形状を規定するレジストパターンを形成する。その後、そのレジストパターンをマスクとして、金属層10の一部をエッチングすることによって、金属層10のパターニングを実行する。
【0074】
その後、図9(b)に示すように、連結層52からなるゲート絶縁膜22、ソース電極10s及びドレイン電極10dの上に、半導体層20を形成することによって、フレキシブル半導体装置100を完成させる。
【0075】
なお、ゲート電極10gとの電気的な接続を確保するには、図10に例示的に示すように、絶縁壁構造体50に囲まれていた箇所からゲート電極10gを延ばす。そうして、ゲート電極10gの延長部位と配線11とを導電材料(導電性ペーストなど)13によって接続すればよい。
【0076】
この例の実施形態における製造方法では、絶縁壁構造体50によって覆われたゲート電極10gを金属層15に埋設する。その後、その金属層15をエッチング及びパターニングすることによって、ソース電極10s及びドレイン電極10dを形成する。したがって、簡便に、絶縁壁51によって互いに分断されたソース電極10s、ゲート電極10g、ドレイン電極10dを得ることができる。その結果、生産性に優れたフレキシブル半導体装置100を実現することができる。
【0077】
また、図8(c)に示した構造は、図8(a)及び(b)に示した工程を経て作製する場合に限らず、他の工程を採用してもよい。例えば、図8(a)に示した絶縁壁構造体50をベース基材62の上に形成した構造を用意した後、ベース基材62の上に金属材料を堆積して、図8(c)に示した構造のようにすることもできる。そのような工程を採用した場合でも、金属層15をパターニングすることによって、簡便に、絶縁壁51によって互いに分断されたソース電極10s、ゲート電極10g、ドレイン電極10dを得ることができる。その結果、生産性に優れたフレキシブル半導体装置100を実現することができる。
【0078】
さらに、図9(b)に示した構造を作製した後に、TFT構造体(10s、10g、10d、22、20)を覆うように樹脂フィルム30の上に、更なる樹脂フィルム(不図示)を形成することもできる。その更なる樹脂フィルムをTFT構造体の支持基板とすることができる場合には、樹脂フィルム30を剥離させることも可能である。また、その場合には、図8(a)に示したベース基材62は、転写用のキャリア基材となるので、樹脂フィルムに限らず、他の基板(例えば、金属材料からなるシート)を用いることもできる。
【0079】
本実施形態のフレキシブル半導体装置100は、さらに次のようにして製造することもできる。図11(a)から図13(b)を参照しながら、本実施形態のフレキシブル半導体装置100の他の製造方法について説明する。
【0080】
まず、図11(a)に示すように、キャリア基材64の表面に第1金属層41を形成し、次いで、第1金属層41の上にレジスト材55を塗布することによって、積層シートを形成する。ここでは、キャリア基材64の下面に第1金属層41およびレジスト材55が順に積層された積層シートを示している。
【0081】
本実施形態のキャリア基材64は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、その厚さは例えば25〜100μmである。キャリア基板64の材質または厚さは、製造工程の際に取り扱いやすいものが選ばれる。本実施形態の第1金属層41は、比較的厚さの薄い銅層であり、その厚さは例えば0.1〜3μmである。ここでは、キャリア基材64と第1金属層41とをあわせた金属層付き樹脂シート(例えば、極薄銅層付き樹脂シート)を用いることもできる。また、レジスト材55を構成する絶縁材料は、例えば、ドライフィルム形状の永久レジスト材であり、塗布されたレジスト材の厚さは例えば5〜50μmである。
【0082】
次に、図11(b)に示すように、レジスト材55の一部をエッチングすることによって、第1壁51aおよび第2壁51bを含む絶縁壁51を形成する。具体的には、絶縁壁51のパターンを規定するマスクを用いて、フォトリソグラフィー工程によってレジスト材55から絶縁壁51を形成する。
【0083】
次に、第1金属層41の表面に金属材料を堆積することによって、図11(c)に示すように、絶縁壁51を覆う金属層16を形成する。本実施形態では、第1金属層41の表面に、メッキを施して、絶縁壁51を覆う金属層16を形成する。具体的には、第1金属層41が銅層であるときに、銅メッキを施して、銅からなる金属層16を形成する。
【0084】
次に、図12(a)に示すように、キャリア基材64から、絶縁壁51を含む金属層16を樹脂フィルム30を転写する。これによって、樹脂フィルム30の上に絶縁壁51を配置させる。
【0085】
次いで、図12(b)に示すように、絶縁壁51の端部が露出するように金属層16の表面をエッチングする。ここでのエッチングは、例えば、金属層16の表面を薄くエッチングすること(ソフトエッチング)によって行われる。
【0086】
その後、図12(c)に示すように、金属層16の表面から露出した絶縁壁51(51a、51b)の端部を連結する連結層52を形成する。これによって、絶縁壁51(51a、51b)および連結層52を含む絶縁壁構造体50が完成する。
【0087】
次に、図13(a)に示すように、金属層16をパターニングすることによって、ゲート電極10g、ソース電極10s及びドレイン電極10dを含む金属層10を形成する。金属層16のパターニングは、例えば、フォトリソグラフィー工程を用いて実行することが可能である。具体的には、フォトリソグラフィー工程にてソース電極10s及びドレイン電極10dの形状を規定するレジストパターンを形成する。その後、そのレジストパターンをマスクとして、金属層16の一部をエッチングすることによって、金属層16のパターニングを実行することができる。
【0088】
その後、図13(b)に示すように、連結層52からなるゲート絶縁膜22、ソース電極10s及びドレイン電極10dの上に、半導体層20を形成することによって、フレキシブル半導体装置100を完成させる。
【0089】
この例の実施形態における製造方法では、第1金属層(例えば、銅層)41の表面にメッキ(例えば、銅メッキ)を施すことによって、絶縁壁51を覆う金属層16を簡便に形成することができるという利点がある。また、この製造方法によっても、絶縁壁51によって互いに分断されたソース電極10s、ゲート電極10g、ドレイン電極10dを得ることができ、それゆえ、生産性に優れたフレキシブル半導体装置100を実現することができる。加えて、絶縁壁51の突き刺し工程を経ずに、絶縁壁51によって互いに分断されたソース電極10s、ゲート電極10g、ドレイン電極10dを作製することができるので、製造プロセスの選択自由度を高めることができる。
【0090】
なお、上述の実施形態では、図12(c)に示した構造を、図11(a)から図12(b)に示した工程を経て作製したが、これに限らず、他の工程を採用してもよい。例えば、樹脂フィルム30の上に絶縁壁51(51a、51b)を形成し、次いで、樹脂フィルム30の上に金属材料を堆積して、図12(b)に示す構造を得てもよい。
【0091】
また、上述した手法の他に、本実施形態における絶縁壁構造体50は、次のようにして作製することも可能である。図14(a)から図15(b)を参照しながら、本実施形態の絶縁壁構造体50の作製方法について説明する。
【0092】
まず、図14(a)に示すように、キャリア基材66の表面に、絶縁材料を塗布することによって絶縁層56を形成する。この実施形態における絶縁層56を構成する絶縁材料は、例えば、永久レジスト材である。
【0093】
次に、図14(b)に示すように、絶縁層56をエッチングすることによって、絶縁壁51(51a、51b)を形成する。ここでは、フォトリソグラフィー工程を用いて、永久レジスト材によって構成された絶縁層56から、絶縁壁51を形成する。
【0094】
次に、図14(c)に示すように、絶縁壁51aと51bとの間の領域(連結層52が形成される領域)を除いて、キャリア基材66の表面にマスク70を形成する。次いで、図15(a)に示すように、キャリア基材66の表面のうち、マスク70で覆われていない領域、すなわち、絶縁壁51aと51bとの間の領域に連結層52を形成する。連結層52の形成は、例えば、絶縁材料をスピンコートすることによって実行される。
【0095】
その後、図15(b)に示すように、マスク70を除去すると、キャリア基材66の表面に絶縁壁構造体50が位置した構成となる。引き続いて、この絶縁壁構造体50は、例えば、図4(b)に示した工程に用いることができる。
【0096】
また、本実施形態における絶縁壁構造体50は、次のようにして作製することもできる。図16(a)から図17(b)を参照しながら、本実施形態の絶縁壁構造体50の作製方法について説明する。
【0097】
まず、図16(a)に示すように、キャリア基材68の表面に、絶縁材料からなる連結層52を形成する。次に、図16(b)に示すように、連結層52を覆うようにキャリア基材68の表面に、レジスト材72を堆積する。
【0098】
次に、図16(c)に示すように、フォトリソグラフ工程を用いて、レジスト材72のうち絶縁壁51が位置する領域に開口部73を形成する。次いで、図17(a)に示すように、開口部73に絶縁材料を充填すると、絶縁壁51(51a、51b)が形成される。
【0099】
その後、図17(b)に示すように、レジスト材72を除去すると、キャリア基材68の表面に絶縁壁構造体50が位置した構成となる。引き続き、この絶縁壁構造体50も、例えば、図4(b)に示した工程に用いることができる。
【0100】
なお、絶縁壁51を形成する際には、図17(a)に示した構成を経る場合に限らない。例えば、レジスト材72の表面に対して絶縁材料を全面塗布することよって図18に示した構成にし、図18に示した構成の絶縁層54およびレジスト材72を除去することにより、絶縁壁51を形成してもよい。
【0101】
加えて、本実施形態における絶縁壁構造体50は、次のようにして作製してもよい。図19(a)から(d)を参照しながら、本実施形態の絶縁壁構造体50の作製方法について説明する。
【0102】
まず、図19(a)に示すように、キャリア基材69の表面に絶縁層55を形成する。この例では、次に、図19(b)に示すように、絶縁層55の表面に、更なる絶縁層56を形成する。この例では、絶縁層55および更なる絶縁層56は、それぞれ異なる材料の永久レジストから構成されている。
【0103】
次に、図19(c)に示すように、絶縁層55及び更なる絶縁層56をエッチングすることによって、絶縁層55から連結層52を形成する。ここでのエッチングは、ドライエッチングを用いて、キャリア基材69の表面に対して実質的に垂直になるように実行する。
【0104】
その後、図19(d)に示すように、更なる絶縁層56をエッチングすることによって、更なる絶縁層56から絶縁壁51(51a、51b)を形成する。ここでのエッチングは、絶縁壁51のパターンを規定するマスクを形成した後にウエットエッチングを用いて、絶縁壁51の先端53に向かうにしたがって細くなっていくように実行する。換言すると、ウエットエッチング独特のエッチング特性を利用して、先端53が先細のテーパー形状を有する絶縁壁51(51a、51b)を形成する。
【0105】
先細のテーパー形状を有する絶縁壁51の場合、図4(b)から(c)に示した工程を実行する際に、絶縁壁51の先端53が樹脂フィルム30に突き刺さりやすくできる利点を得ることができる。ウエットエッチングを行う場合は、連結層52(または絶縁層55)に対して耐エッチング特性を有し、かつ、絶縁層56に対して良好なエッチング特性を有するエッチャントが用いられる。
【0106】
このようにして、テーパー形状を有する絶縁壁51を含む絶縁壁構造体50が得られる。なお、図19(d)に示した絶縁壁構造体50を作製するには、他の方法を採用することも可能である。例えば、図19(b)に示した段階で、絶縁層56にウエットエッチングを実行してテーパー状の開口部を形成し、次いで、絶縁層56及び絶縁層55にドライエッチングを実行して、図19(d)に示した構造を得ることもできる。加えて、テーパー状の絶縁壁51を形成できるのであれば、さらに他の方法を採用しても構わない。
【0107】
次に、図20から図22を参照しつつ、本実施形態に係るフレキシブル半導体装置100を画像表示装置に搭載する場合について説明する。
【0108】
図20は、画像表示装置の駆動回路90を説明するための回路図である。図21は、当該駆動回路が本実施形態のフレキシブル半導体装置100によって構成された一例(基板構造体の一例)を示す断面図である。図22は、当該駆動回路が本実施形態のフレキシブル半導体装置100によって構成された一例を示す平面図である。
【0109】
図20に示した回路90は、画像表示装置(ここでは有機ELディスプレイ)に搭載される駆動回路であり、ここでは画像表示装置の一画素の構成を表している。この例の画像表示装置の各画素は、2つのトランジスタ(100A、100B)と、1つのコンデンサ85との組み合わせの回路から構成されている。この駆動回路には、スイッチ用トランジスタ(Sw−Tr)100Aと、駆動用トランジスタ(Dr−Tr)100Bとが含まれている。両方のトランジスタ(100A、100B)とも、本実施形態の構成のフレキシブル半導体装置100から構成されている。なお、後述するように、フレキシブル半導体装置100の構造体の一部に、コンデンサ85を形成することも可能である。
【0110】
さらに説明すると、Sw−Tr100Aのゲート電極は、選択ライン94に接続されている。また、Sw−Tr100Aのソース電極およびドレイン電極は、それぞれ、一方がデータライン92に接続され、他方がDr−Tr100Bのゲート電極に接続されている。さらに、Dr−Tr100Bのソース電極およびドレイン電極は、それぞれ、一方が電源ライン93に接続され、他方が表示部(ここでは有機EL素子)80に接続されている。なお、コンデンサ85は、Dr−Tr100Bのソース電極とゲート電極との間に接続されている。
【0111】
上記構成の画素回路において、選択ライン94の作動時に、Sw−Tr100Aのスイッチがオンになると、駆動電圧がデータライン92から入力される。そして、それがSw−Tr100Aによって選択されることにより、コンデンサ85に電荷が蓄積される。そして、その電荷によって生じた電圧がDr−Tr100Bのゲート電極に印加され、その電圧に応じたドレイン電流が表示部80に供給され、それによって表示部(有機EL素子)80を発光させるようになっている。
【0112】
図21は、図20に示した回路90の一例が形成された基板構造体200の断面模式図である。なお、図21は、回路90の構成要素を分かりやすく説明するための図であり、各素子(100A、100B、85など)は、図21に示した断面に存在しなくても勿論構わない。
【0113】
図21に示した構成では、フレキシブル半導体装置100Aおよび100Bを覆うコーティング層32が形成されている。この例のコーティング層32は、樹脂フィルムから構成されており、フレキシブル半導体装置100A・100Bおよび配線92等を覆うように、樹脂フィルム30の上に形成されている。また、樹脂フィルム30は、単一の層から構成されていなくてもよく、例えば、図7に示したように複数の層(30、31)から構成されていてもよい。なお、この例では、コンデンサ85は、上部導電層86と下部導電層(電源層93)とそれらに挟まれた誘電体層87とから構成されている。ここで図21に示した各素子および配線レイアウトは、例示にすぎず、勿論、他のレイアウト構成を採用しても構わない。
【0114】
また、図22は、図20に示した回路90の一例が形成されたフレキシブル半導体装置の平面模式図である。図22は、図21に示した構成の平面図ではないが、フレキシブル半導体装置100A、100B、表示部(有機EL素子)80の順番は図21に示した構成と合わせている。
【0115】
図22に示した構成では、フレキシブル半導体装置100Aおよび100Bの構造を分かりやすく示すために、コーティング層32を省略して表している。この例で、フレキシブル半導体装置100Aおよび100Bにおけるソース電極10s・ドレイン電極10dは、櫛歯電極構造となっている。さらに述べると、ソース電極10sおよびドレイン電極10dの対向する部位は、櫛歯形状となるように配置されている。このように櫛歯形状の構造にすると、トランジスタ素子の面積を維持しつつ、チャネル幅を大きくすることができ、そして、取り出し電流量を大きくすることができる。
【0116】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、ディスプレイの構成によっては、TFT素子は各画素に2個(第1および第2のTFT素子)だけでなく、それ以上設けられることもあるので、それに対応して本実施形態のフレキシブル半導体装置を改変することも可能である。また、上記実施形態では、有機ELディスプレイに搭載されるフレキシブル半導体装置について例示したが、無機ELディスプレイに搭載してもよい。さらに、ELディスプレイに限らず電子ペーパーであってもよいし、さらには、ディスプレイに限らず、RFIDなどの通信機器やメモリなどに搭載することも可能である。フレキシブル半導体装置を1デバイスに対応した形で作製するような例を示したが、それに限らず、複数のデバイスに対応した形で作製する手法を実行してもよい。そのような作製手法として、ロール・ツー・ロール製法を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明によれば、生産性に優れたフレキシブル半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】フレキシブル半導体装置1000の構成を模式的に示す断面図
【図2】本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置100の構成を模式的に示す断面図
【図3】フレキシブル半導体装置100が複数配置された構成を模式的に示す平面図
【図4】(a)から(c)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図5】(a)および(b)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図6】本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置100の改変例を模式的に示す断面図
【図7】本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置100の改変例を模式的に示す断面図
【図8】(a)から(c)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図9】(a)および(b)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図10】本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図11】(a)から(c)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図12】(a)から(c)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図13】(a)および(b)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図14】(a)から(c)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図15】(a)および(b)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図16】(a)から(c)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図17】(a)および(b)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図18】本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図19】(a)から(d)は、本発明の実施形態に係るフレキシブル半導体装置の製造工程を説明するための断面図
【図20】本発明の実施形態に係る画像表示装置の駆動回路を示す回路図
【図21】画像表示装置の駆動回路が、フレキシブル半導体装置100によって構成された一例を示す断面図
【図22】画像表示装置の駆動回路が、フレキシブル半導体装置100によって構成された一例を示す平面図
【符号の説明】
【0119】
10 金属層
10s ソース電極
10g ゲート電極
10d ドレイン電極
11 配線
13 導電材料
14 配線
15,16 金属層
17 ビアホール
20 半導体層
22 ゲート絶縁膜
30 樹脂フィルム
31 樹脂フィルム
32 コーティング層
41 金属層
50 絶縁壁構造体
51 絶縁壁
52 連結層
53 絶縁壁の一端(先端)
54 絶縁層
55 レジスト材
55 絶縁層
56 絶縁層
60 キャリア基材
62 ベース基材
64,66,68,69 キャリア基材
70 マスク
72 レジスト材
80 表示部
85 コンデンサ
90 駆動回路
92 データライン
93 電源ライン
94 選択ライン
100 フレキシブル半導体装置
200 基板構造体
1000 フレキシブル半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するフレキシブル半導体装置であって、
樹脂フィルムと、
前記樹脂フィルムの上に形成された金属層と
を備え、
前記金属層は、絶縁材料からなる絶縁壁によって分断され、且つ、前記絶縁壁の一端は前記樹脂フィルムに接しており、
前記絶縁壁によって前記金属層から、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極が形成されており、
前記ゲート電極の上には、前記絶縁壁に接するゲート絶縁膜が形成されており、
前記ゲート絶縁膜の上には、半導体材料からなる半導体層が形成されている、フレキシブル半導体装置。
【請求項2】
前記ソース電極および前記ドレイン電極よりも、前記ゲート電極が、前記樹脂フィルムに埋設されていることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル半導体装置。
【請求項3】
前記樹脂フィルムは、内部に空孔を含む空孔入りシートである、請求項1または2に記載のフレキシブル半導体装置。
【請求項4】
前記金属層は、金属ペーストからなる導電層である、請求項1に記載のフレキシブル半導体装置。
【請求項5】
前記絶縁壁は、当該絶縁壁の一端に向けて細くなっていくテーパー状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル半導体装置。
【請求項6】
前記半導体層は、シリコンからなるシリコン層である、請求項1に記載のフレキシブル半導体装置。
【請求項7】
前記ゲート絶縁膜の誘電率は、前記絶縁壁の誘電率よりも高いことを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル半導体装置。
【請求項8】
フレキシブル半導体装置の製造方法であって、
樹脂フィルムの上に、金属層を形成する工程と、
前記金属層に、絶縁材料からなる絶縁壁を前記樹脂フィルムに到達するまで突き刺すことによって前記金属層を分断し、前記金属層からゲート電極、ソース電極およびドレイン電極が形成する工程と
を含む、フレキシブル半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記絶縁壁は、
前記ソース電極と前記ゲート電極とを分断する第1壁と、
前記ゲート電極と前記ドレイン電極とを分断する第2壁と
を含み、
さらに、前記第1壁と前記第2壁とを連結する連結層が形成されており、
前記連結層の少なくとも一部は、ゲート絶縁膜として機能し、
前記金属層に前記絶縁壁を突き刺す際に、前記ゲート電極に前記ゲート絶縁膜が接触する工程が実行される、請求項7に記載のフレキシブル半導体装置の製造方法。
【請求項10】
フレキシブル半導体装置の製造方法であって、
ベース基材の上に、ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の表面を、絶縁材料からなる絶縁層で被覆する工程と、
前記絶縁層が被覆された前記ゲート電極を覆うように、前記ベース基材の上に金属材料を形成する工程と、
前記金属材料の一部をエッチングすることによって前記絶縁層を露出させる工程と、
前記金属材料をパターニングすることによって、前記絶縁層にてそれぞれが分離されたゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の上に、前記絶縁層を介して、半導体層を形成する工程と
を含む、フレキシブル半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記ベース基材の上に金属材料を形成する工程は、
前記絶縁層が被覆された前記ゲート電極を、前記金属材料からなる金属層に埋設することによって実行される、請求項10に記載のフレキシブル半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記金属材料は、銅である、請求項10または11に記載のフレキシブル半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ゲート電極は、前記金属材料よりも硬い材料から構成されている、請求項11または12に記載のフレキシブル半導体装置の製造方法。
【請求項14】
フレキシブル半導体装置の製造方法であって、
キャリア基材の上に、第1金属層を形成する工程と、
前記第1金属層の上に、絶縁材料からなるレジスト材を塗布する工程と、
前記レジスト材をエッチングすることによって、第1壁および第2壁を含む絶縁壁を形成する工程と、
前記絶縁壁を覆うように、前記第1金属層の上に第2金属層を形成する工程と、
樹脂フィルムの上に前記絶縁壁の端部が接触するように、前記キャリア基材から、前記第1金属層および前記第2金属層を当該樹脂フィルムへ転写する工程と、
前記第1金属層をエッチングすることによって、前記絶縁壁における前記第1壁の端部及び前記第2壁の端部を露出させる工程と、
露出した前記第1壁の端部と前記第2壁の端部とを連結する連結層を形成する工程と、
前記第2金属層をパターニングすることによって、前記第2金属層から、前記第1壁と前記第2壁と前記連結層によって囲まれたゲート電極と、当該ゲート電極に隣接するソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
前記連結層の少なくとも一部の上に、半導体層を形成する工程と
を含む、フレキシブル半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1金属層の上に第2金属層を形成する工程は、メッキ法によって実行される、請求項14に記載のフレキシブル半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1金属層および前記第2金属層を構成する材料は銅である、請求項14または15に記載のフレキシブル半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−238873(P2010−238873A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84543(P2009−84543)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】