説明

プラズマ処理装置

【課題】電極間距離の微調整を容易かつ効率的に行うことができるプラズマ処理装置を提供すること。
【解決手段】チャンバーM1と、チャンバーM1内に配置されてプラズマ放電を発生させる平板形の第1電極11eおよび第2電極12eと、第1電極11eと第2電極12eを平行に対向してそれぞれ支持する第1支持部13および第2支持部14と、第1および第2支持部13、14にて支持された第1電極11eと第2電極12eを相対的にねじで移動させて電極間距離L1を微調整する微調整機構Aとを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理装置に関し、詳しくは、電極間距離を微調整可能な装置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
平行平板型のプラズマ処理装置は、カソード電極とアノード電極のうちの一方に被処理物である基板が設置され、反応ガス雰囲気下で電極間にプラズマ放電を起こして基板表面をプラズマ処理する装置である。
プラズマを安定的に発生させるには、基板とそれに対向する電極との間の放電ギャップ長の管理が重要であるため、従来のプラズマ処理装置ではカソード電極とアノード電極が固定されることによって電極間距離(例えば5〜30mm程度)が一定に維持されている。
【0003】
プラズマ処理装置としては、チャンバー内に水平対向状にカソード電極とアノード電極が固定されたものが公知であり、カソード電極およびアノード電極は、それぞれの外周縁の四つ角近傍がチャンバー内に固設された複数の支持片上に載置されることによって所定の電極間距離に維持されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−120926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の公知のプラズマ処理装置の場合、特にカソード電極は、自重による中央部の下方への反り、あるいは長期使用による中央部の下方または上方への反りが生じる場合があり、その反りによって電極間距離が所望範囲から外れる場合があるため、プラズマ処理を行う前には特に中央部の電極間距離が所望範囲内となるように微調整していた。
具体的には、カソード電極が下方へ反った場合は、支持片とカソード電極との間にシムと呼ばれる薄い金属片を入れることによりカソード電極を僅かに持ち上げて電極間距離を微調整し、カソード電極が上方へ反った場合は、支持片とアノード電極との間にシムを入れることによりアノード電極を僅かに持ち上げて電極間距離を微調整していた。
【0006】
しかしながら、これらの電極は大重量(例えば10〜100Kg)であるため、電極を持ち上げて各支持片との間にシムを入れる作業は重労働で危険を伴うと共に、電極中央部の電極間距離を測定しながら行うため作業効率が悪く煩雑であった。なお、アノード電極は、基板を安定的に支持するために一般的にカソード電極よりも剛性を大きくして作製されており、反りは生じにくい。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、電極間距離の微調整を容易かつ効率的に行うことができるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かくして、本発明によれば、チャンバーと、チャンバー内に配置されてプラズマ放電を発生させる平板形の第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極を平行に対向してそれぞれ支持する第1支持部および第2支持部と、第1および第2支持部にて支持された第1電極と第2電極を相対的にねじで移動させて電極間距離を微調整する微調整機構とを備えたプラズマ処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明のプラズマ処理装置によれば、例えば、第1電極が第2電極側または第2電極と反対側に反った場合でも、微調整機構によって第1電極と第2電極を相対的にねじで移動させてプラズマ処理に最適な電極間距離に微調整することができるため、被処理基板に対して高精度な成膜またはエッチング処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明に係るプラズマ処理装置の実施形態1を示す正面から見た構成図である。
【図2】図2は実施形態1のプラズマ処理装置における第1電極の平面図である。
【図3】図3は実施形態1のプラズマ処理装置における微調整機構によって電極間距離を微調整する状態を示す説明図である。
【図4】図4は実施形態1のプラズマ処理装置における微調整機構によって電極間距離を微調整する別の状態を示す説明図である。
【図5】図5は本発明に係るプラズマ処理装置の実施形態2における微調整機構によって電極間距離を微調整する状態を示す説明図である。
【図6】図6は本発明に係るプラズマ処理装置の実施形態3を示す正面から見た構成図である。
【図7】図7は実施形態3のプラズマ処理装置における微調整機構を正面から見た部分断面図である。
【図8】図8は実施形態3のプラズマ処理装置における微調整機構を右側から見た部分断面図である。
【図9】図9は本発明のプラズマ処理装置の実施形態4を示す正面から見た構成図である。
【図10】図10は実施形態4のプラズマ処理装置の一側面から見た内部構成図である。
【図11】図11は図10における電極が無い状態の内部構成図である。
【図12】図12は実施形態4のプラズマ処理装置の上方から見た内部構成図である。
【図13】図13は実施形態4における固定片と支持片との位置関係を説明する図である。
【図14】図14は実施形態4における第1電極が昇降する状態を示す説明図である。
【図15】図15は本発明のプラズマ処理装置の実施形態5における第2電極が昇降する状態を示す説明図である。
【図16】図16は本発明のプラズマ処理装置の実施形態6を示す正面から見た構成図である。
【図17】図17は本発明の実施形態6の一側面から見た内部構成図である。
【図18】図18は本発明の実施形態6の上方から見た内部構成図である。
【図19】図19は本発明の実施形態6における第1電極が水平方向に移動する状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のプラズマ処理装置は、チャンバーと、チャンバー内に配置されてプラズマ放電を発生させる平板形の第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極を平行に対向してそれぞれ支持する第1支持部および第2支持部と、第1および第2支持部にて支持された第1電極と第2電極を相対的にねじで移動させて電極間距離を微調整する微調整機構とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明のプラズマ処理装置は、第1電極と第2電極がチャンバー内に水平対向状に配置された横型プラズマ処理装置および第1電極と第2電極がチャンバー内に垂直対向状に配置された縦型プラズマ処理装置の両方に適用可能であり、かつ、基板を支持する電極が接地される成膜用プラズマ処理装置および基板を支持する電極に高周波電力が投入されるエッチング用プラズマ処理装置の両方に適用可能である。
【0013】
このプラズマ処理装置において、プラズマを発生させる第1電極と第2電極からなる電極対の数は特に限定されず、1対でも2対以上でもよい。
さらに、このプラズマ処理装置は、第1電極と第2電極を相対的に対向方向に移動させる移動手段を備えていてもよい。この場合、移動手段によって第1電極と第2電極を相対的に移動させることができる距離は、微調整機構によって第1電極と第2電極の間の電極間距離を微調整できる距離よりも大きい。
【0014】
プラズマ処理装置が前記移動手段を備えない場合、第1および第2支持部は、チャンバーの内壁面またはチャンバー内に設けられた固定部材に固定される。また、プラズマ処理装置が前記移動手段を備える場合は、第1および第2支持部の一方がチャンバー側に固定され、他方が移動手段側に固定される。
これらの場合、第1および第2支持部は、第1および第2電極を平行に対向して支持できる構成であれば特に限定されず、各電極の外周縁を部分的に支持しても全体的に支持してもよく、部分的に支持する場合は複数設けられてもよい。
【0015】
これら各種のプラズマ処理装置において、微調整機構は、第1電極と第2電極の少なくとも一方を移動させるように、第1電極と第2電極の少なくとも一方に設けられ、第1電極と第2電極の両方を移動させるよう両方に設けられてもよい。電極の反りによって電極間距離が所望の範囲よりも小さくなる場合と大きくなる場合の両方で微調整できることから、微調整機構は、第1電極と第2電極の両方を移動させるように設けられることが好ましい。
あるいは、微調整機構は、第1支持部と第2支持部の少なくとも一方を移動させるように、第1支持部と第2支持部の少なくとも一方に設けられ、第1支持部と第2支持部の両方を移動させるよう両方に設けられてもよい。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るプラズマ処理の各種の実施形態について具体的に説明する。
【0016】
(実施形態1)
図1は本発明に係るプラズマ処理装置の実施形態1を示す正面から見た構成図であり、図2は実施形態1のプラズマ処理装置における第1電極の平面図であり、図3は実施形態1のプラズマ処理装置における微調整機構によって電極間距離を微調整する状態を示す説明図であり、図4は実施形態1のプラズマ処理装置における微調整機構によって電極間距離を微調整する別の状態を示す説明図である。
【0017】
このプラズマ処理装置は横型成膜用プラズマ処理装置であり、図1に示すように、反応室Rを構成するチャンバーM1と、チャンバーM1内に配置されてプラズマ放電を発生させる平板形の第1電極11eおよび第2電極12eと、第1電極11eと第2電極12eを平行かつ水平に対向してそれぞれ支持する第1支持部13および第2支持部14と、第1および第2支持部13、14にて支持された第1電極11eと第2電極12eを相対的にねじで移動させて電極間距離L1を微調整する微調整機構Aと、第1電極11eを介して電極間に矢印で示す反応ガスG1を導入するガス導入管15と、反応室Rから反応ガスG1を排気する排気部6と、第1電極11eに電力を供給する電源部Eと、第2電極12eを接地する接地部材17とを備える。
【0018】
実施形態1では、第1電極11eがカソード電極であり、第2電極12eがアノード電極であり、第2電極12e上に被処理物である基板Sが設置され、基板Sの表面に所定の膜が成膜される。また、実施形態1では、第1および第2電極11e、12eの電極対が上下2段で反応室内Rに配置されると共に、各第1電極11eおよび各第2電極12eに微調整機構Aが設けられた場合を例示している。
なお、電極対は1対または3対以上でもよい。
【0019】
排気部6としては、真空ポンプ6a、真空ポンプ6aと反応室Rとを接続する排気管6bおよび排気管6bにおける反応室Rと真空ポンプ6aとの間に配置された圧力制御器6cとを備える。
電源部Eは、例えば、AM1.00MHz〜60MHzの周波数で10W〜100kWの電力、具体的には、13.56MHz〜60MHzで10W〜10kWの電力を発生して各第1電極11eに供給するプラズマ励起電源であり、高周波発生器E1と、各第1電極11eに均等な電力を供給するためのインピーダンス整合器E2と、これらを各第1電極11eの給電箇所に接続する給電ケーブルE3とを備え、図示しない増幅器をさらに備えていてもよい。
【0020】
図1および図2に示すように、第1電極(カソード電極)11eは、長方形であり、ステンレス鋼やアルミニウム合金などから作製される。第1電極11eの寸法は、成膜を行う基板Sの寸法に合わせて適当な値に設定され、第2電極12eよりも僅かに大きい平面サイズおよび第2電極12eと同じ厚みで設計されることができる。なお、微調整機構Aは、第1電極11eの4つの角部の近傍にそれぞれ設けられており、詳しくは後述する。
第1電極11eは、内部が空洞であると共に、対となる第2電極12eに面するプラズマ放電面には多数の貫通穴が穴明け加工により明けられている。この穴明け加工は、直径0.1mm〜2mmの円形穴を数mm〜数cmピッチで行うのが望ましい。
また、第1電極11eの一端面には、図示しないガス供給源と接続された前記ガス導入管15が接続されており、反応ガスG1がガス供給源から第1電極11eの内部に供給され、多数の貫通穴から基板Sの表面に向かって噴出するように構成されている。なお、原料ガスとしては、例えば、H2で希釈したSiH4(モノシラン)ガスが使用される。
【0021】
第1電極11eの下方に配置される第2電極(アノード電極)12eは、長方形であり、内部に図示しないヒータを有すると共に、上面に基板Sが設置され、プラズマ放電下の成膜時に基板S(例えばシリコン基板、ガラス基板等)を加熱する。なお、第2電極12eの4つの角部の近傍にも、微調整機構Aがそれぞれ設けられており、詳しくは後述する。
また、第2電極12eは、ステンレス鋼、アルミニウム合金、カーボンなどの、導電性および耐熱性を備えた材料で製作されている。
第2電極12eの寸法は、薄膜を形成するための基板Sの寸法に合わせて適当な値に決定されている。例えば、基板Sの寸法900〜1200mm×400〜900mmに対して、第2電極12eの寸法を1000〜1500mm×600〜1000mmにして設計される。
第2電極12eに内蔵されたヒータは、第2電極12eを室温〜300℃に加熱制御するものであり、例えば、アルミニウム合金中にシースヒータなどの密閉型加熱装置と熱電対などの密閉型温度センサとを内蔵したものを用いることができる。
【0022】
図1および図3に示すように、第1および第2支持部13、14は、第1および第2電極11e、12eの外周縁を部分的に支持するようそれぞれ複数設けられると共に、第1および第2電極11e、12eを水平に支持する水平片部13a、14aを有している。
具体的に、第1支持部13は、板状であり、第1電極11eの外周縁の四つ角近傍に設けられた微調整機構Aに対応する位置に配置されるよう、チャンバーM1の内壁面に固定されており、その先端側には上面側を厚み略半分切り欠いて形成した第1電極11eを水平状に支持するための水平片部13aを有している。
第2支持部14も、板状であり、第2電極12eの外周縁の四つ角近傍に設けられた微調整機構Aに対応する位置に配置されるよう、チャンバーM1の内壁面に固定されており、その先端側には上面側を厚み略半分切り欠いて形成した第2電極12eを水平状に支持するための水平片部14aを有している。
【0023】
これら上下の水平片部13a、14aは、第1および第2電極11e、12eを支持した状態のときに電極間距離L1が成膜に最適な距離範囲となる位置に配置されている。以下、成膜に最適な電極間の距離範囲を最適距離と称する。
ところで、チャンバーM1内に複数組の電極対が存在する場合、各電極対でのプラズマ放電が相互に干渉する原因は、特に、電源部Eと同一の電気系統を介してそれぞれ接続される電極対同士の距離L2に関係しており、これらの電極対の距離L2が短くなると電力を均等に分岐できなくなり、その結果各プラズマ放電が干渉する。そのため、各電極対における第1電極(カソード電極)11eと第2電極(アノード電極)12eとの間の電極間距離L1に対して距離L2が2倍以上(L2/L1≧2)となるように設定されている。例えば、電極間距離L1は2〜30mmに設定され、距離L2は4〜60mm以上に設定される。なお、面内における電極間距離L1の精度は、数%以内であることが好ましく、1%以下であること特に好ましい。
したがって、上段側の第2電極12eと下段側の第1電極11eとの間隔L2が4〜60mmとなる位置に、上段側の水平片部14aと下段側の水平片部13aが配置される。
なお、板状の第1および第2支持部13、14は、チャンバーM1の内壁面に固定する以外に、チャンバーM1内に設けられた固定部材に固定されてもよい。
【0024】
図1〜図3に示すように、第1電極11eに設けられた微調整機構Aは、第1電極11eにおける各第1支持部13の水平片部13aとの対向位置を垂直方向に貫通するネジ孔a11を有するネジ孔部a1と、水平片部13aと当接可能なようにネジ孔a11に螺着されたボルト部材a2とを備えたボルト機構である。
第2電極12eに設けられた微調整機構Aも同様に、第2電極12eにおける各第2支持部14の水平片部14aとの対向位置を垂直方向に貫通するネジ孔a11を有するネジ孔部a1と、水平片部14aと当接可能なようにネジ孔a11に螺着されたボルト部材a2とを備えたボルト機構である。
【0025】
微調整機構Aのネジ孔部a1は、第1および第2電極11e、12eの四つ角近傍の長辺部分に連設された突出片に前記ネジ孔a11が形成されてなる。また、微調整機構Aのボルト部材a2は、上端のヘッド部の上面に、例えば六角形凹部のような多角形凹部が形成されている。初期状態では、第1および第2電極11e、12eの各ネジ孔部a1の下面が水平片部13a、14aの上面に当接している。
この微調整機構Aは、次のようにボルト部材a2を垂直方向に螺進退させることにより、第1電極11eと第2電極12eを相対的に垂直方向に移動させて電極間距離L1を微調整することができる。
【0026】
例えば、第1電極11eの中央部が下方へ反っている場合、第1電極11eの中央部から第2電極12eの中央部までの電極間距離L1が最適距離よりも狭くなってしまうことがある。
このような場合、図3に示すように、成膜プロセスを開始する前に、例えば、第1電極11e側の六角形凹部に六角レンチを差し込んでボルト部材a2を回し、ボルト部材a2の先端(下端)が水平片部13aに当接した状態のまま第1電極11eに対してボルト部材a2をねじ込むことにより、第1電極11eにおける微調整機構Aの近傍部分(角部近傍部分)が上方へ移動する。
この際、第1電極11eの中央部から第2電極12eの中央部までの電極間距離L1が最適距離内となるように、1箇所以上の微調整機構Aによって電極間距離L1を広げる微調整を行う。
【0027】
また、第1電極11eの中央部が上方へ反っている場合、第1電極11eの中央部から第2電極12eの中央部までの電極間距離L1が最適距離よりも広くなってしまうことがある。
このような場合、図4に示すように、成膜プロセスを開始する前に、例えば、第2電極12e側の六角形凹部に六角レンチを差し込んでボルト部材a2を回し、ボルト部材a2の先端(下端)が水平片部14aに当接した状態で第2電極12eに対してボルト部材a2をねじ込むことにより、第2電極12eにおける微調整機構Aの近傍部分(角部近傍部分)が上方へ移動する。
この際、第1電極11eの中央部から第2電極12eの中央部までの電極間距離L1が最適距離内となるように、1箇所以上の微調整機構Aによって電極間距離L1を狭める微調整を行う。
【0028】
図3と図4で示した微調整の場合、第1電極11eと第2電極12eとの平行度を高くするためには、4箇所の微調整機構Aにおけるボルト部材a2の突出量を揃えることが好ましい。ボルト部材a2の突出量は、ボルト部材a2のねじピッチおよび回転量によって決まるため、ボルト部材a2の回転量によって突出量が予測できる。
なお、第1電極11eは上方へ反ることがないのであれば、第2電極12e側の微調整機構Aを省略してもよく、第1電極11eは下方へ反ることがないのであれば、第1電極11e側の微調整機構Aを省略してもよい。
このように構成された微調整機構によれば、成膜時に特に重要な電極中央部の電極間距離L1を高精度に最適距離内に微調整することができるため、基板S上に均一な膜厚で成膜することが可能となる。また、微調整機構Aをボルト機構で構成することにより、構造が簡素化され、低コストにて容易に作製することができる。
なお、電極間距離L1の測定方法は、mm単位以下での測定が可能な方法であれば特に限定されるものではない。
【0029】
(実施形態2)
図5は本発明に係るプラズマ処理装置の実施形態2における微調整機構によって電極間距離を微調整する状態を示す説明図である。
実施形態2が実施形態1と異なる点は、第1電極21e、第2電極22e、第1支持部23、第2支持部24および微調整機構B1、B2の構成であり、実施形態2におけるその他の構成は実施形態1と同様である。
以下、実施形態2における実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0030】
実施形態2の場合、第1および第2支持部23、24は、第1および第2電極21e、22eの外周縁を部分的に支持するようそれぞれ複数設けられると共に、第1および第2電極21e、22eを水平に支持する水平片部を有し、さらに、第1支持部23および第2支持部24の両方が微調整機構B1、B2を有している。
【0031】
第1および第2電極21e、22eは、実施形態1の第1および第2電極11e、12eのねじ孔部a1と同じ位置に突出片21e1、22e1を有しており、各突出片21e1、21e1の下面には、先端から電極側に向かって降下する傾斜面21e2、22e2が形成されている。
【0032】
第1支持部23は、図示しないチャンバーの内壁面に固定された板状基端部23aと、板状基端部23aの先端に連設された垂下片部23bと、垂下片部23bの下端に連設された水平片部23cと、微調整機構B1とから構成されている。
第2支持部24は、図示しないチャンバーの内壁面に固定された水平片部24aと、微調整機構B2とから構成されている。
これら上下の水平片部23c、24aは、第1および第2電極21e、22eを支持した状態のときに電極間距離L1(図1参照)が成膜に最適な距離範囲となる位置に配置されている。
【0033】
第1支持部23の微調整機構B1は、水平片部23cに固設された水平方向の貫通孔23b1を有する固定部としての前記垂下片部23bと、貫通孔23b1に定位置で回転可能に挿入されたボルト部材b1と、ボルト部材b1に螺着するネジ孔b21を有し第1電極21eと水平片部23cとの間に挿入され水平片部23c上で水平方向に移動可能に支持されたくさび部材b2とを備えたくさび機構であり、くさび部材b2は第1電極21eの突出片21e1の傾斜面21e2と摺接する傾斜面b22を有している。なお、ボルト部材b1における貫通孔23b1の両側部分には凹周溝が形成され、各凹周溝にC形リングが嵌めこまれていることにより、ボルト部材b1が定位置で回転可能とされている。
【0034】
第2支持部24の微調整機構B2は、水平片部24a上に固設された水平方向の貫通孔24a1を有する固定部24bと、貫通孔24a1に定位置で回転可能に挿入されたボルト部材b1と、ボルト部材b1に螺着するネジ孔b21を有し第2電極22eと水平片部24aとの間に挿入され水平片部24a上で水平方向に移動可能に支持されたくさび部材b2とを備えたくさび機構であり、くさび部材b2は第2電極22eの突出片22e1の傾斜面22e2と摺接する傾斜面b22を有している。なお、微調整機構B2のボルト部材b1およびくさび部材b2は微調整機構B1と同じものであり、貫通孔24a1に挿入されたボルト部材b1も一対のC形リングにより定位置で回転可能とされている。
【0035】
初期状態では、第1および第2電極21e、22eの突出片21e1、22e1の下面が水平片部23c、24aの上面に当接している(図5における第2電極22eを参照)。
例えば、第1電極21eの中央部が下方へ反っている場合、微調整機構B1のボルト部材b1を回してくさび部材b2を水平片部23c上で水平方向にスライド移動させることにより、第1電極21eと第2電極22eを相対的に垂直方向に移動させて電極間距離を微調整することができる。
つまり、くさび部材b2を第1電極21e側に移動させることにより、くさび部材b2の傾斜面b22上を突出片21e1が滑り上がるため、第1電極21eにおける微調整機構B1の近傍部分(角部近傍部分)が上方へ移動する(図5参照)。
この際、第1電極21eの中央部から第2電極22eの中央部までの電極間距離L1(図1参照)が最適距離内となるように、1箇所以上の微調整機構B1によって電極間距離L1を広げる微調整を行う。
【0036】
第1電極21eの中央部が上方へ反っている場合は、微調整機構B2のくさび部材b2を水平片部24a上で第2電極22e側にスライド移動させることにより、第2電極22eにおける微調整機構B2の近傍部分(角部近傍部分)を上方へ移動させ、第1電極21eの中央部から第2電極22eの中央部までの電極間距離L1(図1参照)が最適距離内となるように、1箇所以上の微調整機構B2によって電極間距離L1を狭める微調整を行う。
【0037】
これらの微調整の場合、第1電極11eと第2電極12eとの平行度を高くするためには、4箇所の微調整機構B1またはB2におけるくさび部材b2の移動量を揃えることが好ましい。くさび部材b2の移動量は、ボルト部材b1のねじピッチおよび回転量によって決まるため、ボルト部材b1の回転量によって移動量が予測できる。
なお、第1電極21eは上方へ反ることがないのであれば、第2電極22e側の微調整機構B2を省略してもよく、第1電極21eは下方へ反ることがないのであれば、第1電極21e側の微調整機構B1を省略してもよい。
このように構成された微調整機構B1、B2によっても、成膜時に特に重要な電極中央部の電極間距離L1を高精度に最適距離内に微調整することができるため、基板S上に均一な膜厚で成膜することが可能となる。また、微調整機構B1、B2をくさび機構で構成することにより、電極側へ微調整機構を設けなくて済むため、電極の作製コストを低減することができる。さらに、第1および第2電極21e、22eの突出片21e1、22e1を省略し、各電極21e、22eの外周縁の四つ角近傍に直接傾斜面片21e2、22e2を形成してもよく、これによりさらに電極の作製コストを低減することができる。
【0038】
(実施形態3)
図6は本発明に係るプラズマ処理装置の実施形態3を示す正面から見た構成図であり、図7は実施形態3のプラズマ処理装置における微調整機構を正面から見た部分断面図であり、図8は実施形態3のプラズマ処理装置における微調整機構を右側から見た部分断面図である。なお、図6において、図1中の要素と同様の要素には、同一の符号を付している。
【0039】
このプラズマ処理装置は縦型成膜用プラズマ処理装置であり、図6に示すように、反応室Rを構成するチャンバーM2と、チャンバーM2内に配置されてプラズマ放電を発生させる平板形の第1電極(カソード電極)31eおよび第2電極(アノード電極)32eと、第1電極31eと第2電極32eを平行かつ垂直に対向してそれぞれ支持する第1支持部33および第2支持部34と、第1および第2支持部33、34にて支持された第1電極31eと第2電極32eを相対的にねじで移動させて電極間距離L1を微調整する微調整機構Cと、第1電極31eを介して電極間に矢印で示す反応ガスG1を導入するガス導入管15と、反応室Rから反応ガスG1を排気する排気部6と、第1電極31eに電力を供給する電源部Eと、第2電極32eを接地する接地部材17とを備える。
以下、実施形態3における実施形態1とは異なる点を主に説明する。
【0040】
第1電極31eおよび第2電極32eは、実施形態1で説明した第1電極11eおよび第2電極12eにおける四つ角近傍に設けられた微調整機構A(図1〜図3参照)を有さないこと以外はそれらと同様の構成を有している。
【0041】
第1および第2支持部33、34は、第1および第2電極31e、32eを垂直に支持する支持ブロックからなり、かつ、第1および第2電極31e、32eの外周縁の四つ角近傍を部分的に支持するようそれぞれ4つ設けられている。各支持ブロックは、電極外周縁を嵌め入れる凹溝を有している。以下、第1支持部33を第1支持ブロック33と称し、第2支持部34を第2支持ブロック34と称する。なお、第1支持ブロック33は、微調整機構Cの一構成部品とされている。
【0042】
微調整機構Cは、第1支持部ブロック33と、第1支持ブロック33をスライド可能に支持する基部c1と、基部c1に水平方向に形成された貫通孔c21に定位置で回転可能に挿入されかつ第1支持ブロック33に水平方向に形成されたネジ孔33aに羅着するボルト部材c2とを備えたスライド機構であり、ボルト部材c2を回して第1支持ブロック33を基部c1上で水平方向に移動させることにより、第1電極31eと第2電極32eを相対的に水平方向に移動させて電極間距離L1を微調整するよう構成されている。
さらに詳しく説明すると、基部c1は、第1および第2電極31e、32eが対向する方向に延びる凹溝c11を有する平板部c10と、平板部c10の第2電極32eとは反対側の端部に連設された垂直壁部c20とを有し、垂直壁部c20に前記貫通孔c21が形成されると共に、凹溝c11内に第1支持ブロック33がスライド可能に設置されている。また、ボルト部材c2における貫通孔c21の両側には凹周溝が形成され、各凹周溝にC形リングが嵌め込まれることにより、ボルト部材c2が定位置で回転可能とされている。
【0043】
2つの微調整機構Cおよび2つの第2支持ブロック34は、チャンバーM2の底壁内面に直接または固定部材を介して固定されており、それぞれ残り2つの微調整機構Cおよび2つの第2支持ブロック34は、チャンバーM2の上壁内面に直接または固定部材を介して固定されている。
また、例えば、微調整機構Cの基部c1と第2支持ブロック34は相互に当接して配置されており、初期状態において第1電極31eは電極間距離Lが成膜時の最適距離となる図7に示す初期位置に第1支持ブロック33が配置されている。なお、第1電極31eが初期位置に配置されているかを確認するために、例えば、第1支持ブロック33と基部c1のそれぞれに位置決め線を刻印しておき、双方の位置決め線が一致したことにより初期位置を確認することができる。
【0044】
このプラズマ処理装置の場合、例えば、第1電極31eの中央部が内側(第2電極22e側)へ反っている場合、微調整機構Cのボルト部材c2を一方向へ回して第1支持ブロック33を基部c1上で外側(第2電極22eと反対側)へスライド移動させることにより、第1電極31eにおける微調整機構Cの近傍部分(角部近傍部分)が外側へ移動する。
この際、第1電極31eの中央部から第2電極32eの中央部までの電極間距離L1(図6参照)が最適距離内となるように、1箇所以上の微調整機構Cによって電極間距離L1を広げる微調整を行う。
【0045】
第1電極31eの中央部が外側へ反っている場合は、微調整機構Cのボルト部材c2を他方向へ回して第1支持ブロック33を基部c1上で内側へスライド移動させることにより、第1電極31eにおける微調整機構Cの近傍部分(角部近傍部分)を内側へ移動させ、第1電極31eの中央部から第2電極32eの中央部までの電極間距離L1(図6参照)が最適距離内となるように、1箇所以上の微調整機構Cによって電極間距離L1を狭める微調整を行う。
これらの微調整の場合、第1電極31eと第2電極32eとの平行度を高くするためには、4箇所の微調整機構Cにおける第1支持部材33の移動量を揃えることが好ましい。第1支持部材33の移動量は、ボルト部材c2のねじピッチおよび回転量によって決まるため、ボルト部材c2の回転量によって移動量が予測できる。
【0046】
なお、第1電極31eは外側へ反ることがないのであれば、第1支持ブロック33の内側への移動の死点位置を初期位置とすればよく、第1電極31eは内側へ反ることがないのであれば、第1支持ブロック33の外側への移動の死点位置を初期位置とすればよい。
このように構成された微調整機構Cによっても、成膜時に特に重要な電極中央部の電極間距離L1を高精度に最適距離内に微調整することができるため、基板S上に均一な膜厚で成膜することが可能となる。
また、微調整機構Cは、第1電極31eを内側と外側の両方向に移動させることができるため、第2電極32e側に微調整機構を設けなくても済むが、設けてもよい。
【0047】
(実施形態4)
図9は本発明のプラズマ処理装置の実施形態4を示す正面から見た構成図であり、図10は実施形態4のプラズマ処理装置の一側面から見た内部構成図であり、図11は図10における電極が無い状態の内部構成図であり、図12は実施形態4のプラズマ処理装置の上方から見た内部構成図であり、図13は実施形態4における固定片と支持片との位置関係を説明する図であり、図14は実施形態4における第1電極が昇降する状態を示す説明図である。
実施形態4は横型成膜用プラズマ処理装置であって、上下2段で配置された電極対における各第1電極が昇降するよう構成されている点が実施形態1とは異なり、その他の構成が実施形態1と概ね同様である。以下、実施形態4における実施形態1とは異なる点を主に説明する。なお、図9〜図14において、図1〜図4で説明した要素と同様の要素には、同一の符号を付している。
【0048】
このプラズマ処理装置は、平板状の第1電極41eおよび第2電極42eからなる電極対が、チャンバーM4内に水平対向状に上下2段で配置されており、さらに、チャンバーM4内には、第1電極41eを水平状に支持する第1支持部13と、第2電極42eを水平状に支持する第2支持部14と、第1および第2支持部13、14が取り付けられる支持手段45と、第1電極41eを対向方向に移動可能な移動手段46とが設けられている。
第1電極41eおよび第2電極42eは実施形態1と実質的に同様であるが、第1電極41eの外周縁の4箇所には実施形態1の微調整機構Aと若干異なる類似する後述の微調整機構Dが設けられている。一方、第2電極42eの外周縁の4箇所には実施形態1と同様の微調整機構Aが設けられている。なお、微調整機構Dについて詳しくは後述する。
【0049】
チャンバーM4は、金属製の箱型本体部M4aと、本体部M4aを設置場所の床面上に支持する金属製の脚部M4bとを備えており、第2電極42eは、2本の導電性接地部材17および金属製のチャンバーM4を介して接地されている。
また、実施形態4の場合、移動手段46によって第1電極41eが昇降するため、第1電極41eと接続される給電ケーブルE3の少なくとも一部は、第1電極41eの昇降動作を許容しかつ追随できるよう可撓性を有している。例えば、チャンバーM4の箱型本体部M4aと第1電極41eとの間部分の給電ケーブルは、可撓性を有する金属製網部材とすることができる。
【0050】
支持手段45は、チャンバーM4内における第1および第2電極41e、42eの周囲に配置された複数本の支持用支柱45aと、複数本の支持用支柱45aを連結する枠体45bと、各支持用支柱45aに取り付けられた第1支持部13および第2支持部14とが一体化された支持構造体である。
具体的には、各電極41e、42eの4つの角部付近に配置されるように4本の支持用支柱45aがチャンバーM4の底壁内面に固定されている。そして、4本の支持用支柱45aの上端が四角形の枠体45bにて連結されている。また、各支持用支柱45aの所定高さ位置の2箇所に、第1支持部13および第2支持部14がそれぞれ内向きに取り付けられている。なお、枠体45bは、4本のストレートな部材を組み合わせてなる。
【0051】
つまり、上下の電極対の各第1電極41eを水平状に支持する8つの第1支持部13と、上下の電極対の各第2電極42eを水平状に支持する8つの第2支持部14とが、4本の支持用支柱45aの所定高さ位置に取り付けられている。このとき、各段の第1・第2支持部13、14は、各電極対における第1電極41eと第2電極42eとの間の電極間距離L1が最適距離となる高さ位置に配置されると共に、上段の第2支持部14と下段の第1支持部13は、上下の電極対の間隔L2が所定距離となる高さ位置に配置されている。
【0052】
移動手段46は、チャンバーM4内における第1電極41eおよび第2電極42eの周囲に配置された4本の昇降用支柱46aと、4本の昇降用支柱46aの上下2箇所を連結する枠体46bと、第1・第2支持部13、14と干渉しないように昇降用支柱46aまたは枠体46bに取り付けられた複数の昇降支持片46cと、昇降駆動部46dと、昇降駆動部46dと昇降用支柱46aまたは枠体46bとを連結し昇降駆動部46dの昇降動作を伝達する連結部46eとを備える。
この移動手段46は、所定ストロークの上昇動作によって、第1支持部13上の第1電極41eを第2電極42eから離間させ(図14(A)参照)、所定ストロークの下降動作によって、第1電極41eを第1支持部13上に載置する(図14(B)参照)ように構成されている。
図14(B)は、第1支持部13に第1電極41eが当接しかつ第2支持部14に第2電極42eが当接することにより、各電極41e、42eが初期位置に配置された状態を示している。
【0053】
4本の昇降用支柱46aは、4本の支持用支柱45aの近傍で、かつ各昇降用支柱46aが2本の支持用支柱45aの間であり、さらに、各昇降用支柱46aから各電極までの距離が支持用支柱45aから各電極までの距離とほぼ等しくなるように配置されている。そして、4本の昇降用支柱46aの上部および下部が枠体46bにて相互に連結されている。なお、枠体46bは、4本のストレートな部材を組み合わせてなる。
また、昇降支持片46cは、上下の電極対の第1電極41eを昇降可能なように、4本の昇降用支柱46aに2つずつ内向きに取り付けられている。また、昇降支持片46cの内側への突出寸法は、昇降支持片46cが下降した際に第2電極42eと衝突しない長さに設定されている。このとき、図14(B)に示すように、昇降用支柱46aを下降させて電極間距離L1に設定された状態において、各昇降用支柱46aに対応する上下2つの昇降支持片46cは、上下の電極対の第2電極42eの下面よりも僅かに(例えば5mm程度)下方に位置する。
なお、昇降支持片46cを第2電極42eの下面よりも下に下降させるのは、電極間のプラズマ放電領域に第1電極を支持していない支持片が存在すると、支持片がプラズマに干渉して放電空間に均一なプラズマを発生できなくなるからである。
【0054】
昇降駆動部46dは、2つの油圧シリンダを備える油圧シリンダ機構であり、各油圧シリンダが上下方向に伸縮するよう設置場所の床面に固定されている。
連結部46eは、2つの油圧シリンダの伸縮ロッドの先端に固定された連結板46e1と、連結板46e1と4本の昇降用支柱46aの下端とを連結する連結支柱46e2とを備え、昇降駆動部46dの昇降動作を連結板46e1および4本の連結支柱46e2を介して4本の昇降用支柱46aおよびこれらに取り付けられた各昇降支持片46cに同期的に伝達するように構成されている。この際、昇降駆動部46dの上昇動作の限界は、上方の枠体46bが支持手段45の上方の枠体45bに当たらない程度とされる。
連結部46eの4本の連結支柱46e2は、チャンバーM4の底壁の4箇所に形成された挿通孔を上下移動可能に挿通しており、さらに、チャンバーM4の底壁には4つの挿通孔と連通して各連結支柱46e2をガイドする筒状のガイド部材46fが取り付けられており、挿通孔と連結支柱46e2の間およびガイド部材46fと連結支柱46e2の間の隙間は耐熱シール材にてシールされている。
【0055】
図13と図14に示すように、微調整機構Dは、近接する支持用支柱45aと昇降用支柱46aの対に近接して第1電極41eの外周縁の四つ角近傍の4箇所に連設されている。さらに詳しく説明すると、実施形態4の場合、微調整機構Dは、第1支持部13と当接可能なネジ孔を有する突出片と、第1支持部13と並んだ位置の昇降支持片46cと当接可能なネジ孔を有する突出片とが一体化されてなるネジ孔部と、各ネジ孔に螺着されたボルト部材d1とを有するボルト機構である。なお、各突出片は2つに分割されていてもよい。
【0056】
このように構成された実施形態4のプラズマ処理装置によれば、昇降駆動部46dの伸長動作による移動手段46の上昇動作によって、図14(B)に示す最下位置の昇降支持片46cが上昇して第1電極41eを受け、さらに移動支持片46cが最上位置まで上昇することにより第1電極41eが第2電極42eから離間する(図14(A)参照)。この際、第2電極42e、第1支持部13および移動支持片46cの寸法が上述のように設定されているため、移動支持片46cが第2電極42eに衝突することはない。このように電極間距離を広くすることにより、第2電極42e上に基板Sを容易に設置する、あるいは第2電極42e上から基板Sを容易に取り出すことができる。
また、図14(A)の状態から、昇降駆動部46dの短縮動作による移動手段46の下降動作によって、最上位置の支持片46cが下降して第1電極41eが第1支持部13上に載置され、これによって所定の電極間距離L1が決定され、さらに移動支持片46cが第2電極42eの下面よりも下の最下位置まで下降することによって、狭電極間プラズマ処理が可能となる。
また、図14(A)の状態から、最上位置の移動支持片46cが下降し、第1電極41cが第1支持部13上に載置される前に移動支持片46cの下降が停止することにより、あるいは図14(B)の状態から移動支持片46cが上昇して第1電極41eを受け、移動支持片46cの上昇が最上位置に達する前に停止することにより、所定の電極間距離L1よりも広い広電極間距離(例えば15〜30mm程度)が決定され、広電極間プラズマ処理が可能となる。
【0057】
すなわち、このプラズマ処理装置では、プラズマ処理の目的に応じて、電極間距離L1に調整した後、第1電極41eと第2電極42eの間に第1の反応ガスを介してプラズマ放電させる狭電極間プラズマ処理工程と(図14(A)参照)、電極間距離L1よりも広い広電極間距離に調整した後、第1電極41eと第2電極42eの間に第2の反応ガスを介してプラズマ放電させる広電極間プラズマ処理工程のいずれか一方を行うか、或いは狭電極間プラズマ処理工程と広電極間プラズマ処理工程を任意の順で連続的に行うプラズマ処理方法を実施することができる。
ここで、「プラズマ処理の目的に応じて」とは、成膜すべき膜の材料、膜の緻密度、基板Sの厚み等に対応するという意味である。
【0058】
狭電極間プラズマ処理工程として、例えば、基板Sの表面に結晶を含むシリコン系半導体膜を形成するプラズマCVD工程が挙げられ、広電極間プラズマ処理工程としては、基板Sの表面に非晶質シリコン系半導体膜を形成するプラズマCVD工程が挙げられる。
このような結晶を含むシリコン系半導体膜を形成するプラズマCVD工程と、非晶質シリコン系半導体膜を形成するプラズマCVD工程は、いずれか一方の工程のみを行う、あるいは任意の順で両方の工程を連続的に行うことができる。
例えば、膜原料である反応ガスG1を所定の流量および圧力で第1電極41eと第2電極42eとの間隙に充填し、第1電極41eと第2電極42eとに高周波電力を印加することで、第1電極41eと第2電極42eとの間にグロー放電領域(プラズマ放電領域)を発生させ、基板S上に非晶質の膜、結晶性の膜またはこれらの積層膜を高精度に効率よく形成することができる。例えば、原料ガスとしてH2で希釈したSiH4ガスを使用して、膜厚300nmのシリコン薄膜を膜厚分布±10%以内で堆積させることができる。
【0059】
さらに、このプラズマ処理装置によれば、上述の狭電極間プラズマ処理工程に先立って、実施形態1と同様に、微調整機構Dにおける第1支持部13に当接するボルト部材d1の突出量または微調整機構Aにおける第2支持部14に当接するボルト部材a2の突出量を調整することにより、第1電極41eと第2電極42eの中央部における電極間距離L1を微調整することにより、狭電極間プラズマ処理工程で高精度に成膜することができる。
また、このプラズマ処理装置によれば、上述の広電極間プラズマ処理工程に先立って、実施形態1と同様に、微調整機構Dにおける移動支持片46cに当接するボルト部材d1の突出量または微調整機構Aにおける第2支持部14に当接するボルト部材a2の突出量を調整することにより、第1電極41eと第2電極42eの中央部における電極間距離を微調整することにより、広電極間プラズマ処理工程で高精度に成膜することができる。
【0060】
(実施形態5)
図15は本発明のプラズマ処理装置の実施形態5における第2電極が昇降する状態を示す説明図である。なお、図15において、図9〜図14で説明した要素と同様の要素には、同一の符号を付している。
実施形態5のプラズマ処理装置は、実施形態4で説明した第2支持部が昇降し、第1支持部が固定され、移動支持片が省略され、第1電極側の微調整機構の構成および第2電極側の微調整機構の位置が変更された点が実施形態4とは異なり、他の構成は実施形態4と概ね同様である。以下、実施形態5の実施形態4とは異なる点を主に説明する。
【0061】
実施形態5において、第2支持部54は、第2電極42eを昇降可能に支持できるよう昇降用支柱46aに固定されると共に、支持用支柱45側へ延びている。それに伴い、第2電極42e側の微調整機構Aは、第2支持部54に当接するよう昇降用支柱46aに近接した位置に配置される。
また、第1支持部53は、図15(A)に示す下降状態の第2支持部54が図15(B)に示すように上昇したときにその上端面と当接することにより所定の電極間距離L1が決定するよう、厚くかつ昇降用支柱46a側へ延びて形成されている。それに伴い、第1電極41eの外周縁の4箇所には、第1支持部53に当接する微調整機構Aが設けられている。
【0062】
このように構成された実施形態5のプラズマ処理装置によれば、移動手段46の上昇動作によって、図15(A)に示す最下位置の第2支持部54が上昇して、図15(B)に示すように第2電極42eを第1支持部53に圧接したところで停止することにより、電極間距離L1が決定され、狭電極間プラズマ処理が可能となる。
また、図15(B)の状態から、移動手段46の下降動作によって、第2電極42eが第1電極41eから離間して電極間距離を広くすることができ、第2電極42e上に基板Sを容易に設置する、あるいは第2電極42e上から基板Sを容易に取り出すことができる。
また、図15(B)の状態から、第2支持部54が所定距離だけ下降して最下位置に達する前に停止する、あるいは図15(A)の状態から第2支持部54が所定距離だけ上昇して第2電極42eが第1支持部53に当接する前に停止することにより、電極間距離L1よりも広い広電極間距離が決定され、広電極間プラズマ処理が可能となる。
【0063】
すなわち、この実施形態5の成膜用プラズマ処理装置も、実施形態4と同様に、プラズマ処理の目的に応じて狭電極間プラズマ処理工程と広電極間プラズマ処理工程のいずれか一方を行うか、或いは狭電極間プラズマ処理工程と広電極間プラズマ処理工程を任意の順で連続的に行うプラズマ処理方法を実施することができる。
さらに、このプラズマ処理装置によれば、上述の狭電極間プラズマ処理工程および広電極間プラズマ処理工程に先立って、実施形態1と同様に、微調整機構Aにおける第1支持部53に当接するボルト部材a2の突出量または微調整機構Aにおける第2支持部54に当接するボルト部材a2の突出量を調整することにより、第1電極41eと第2電極42eの中央部における電極間距離を微調整することにより、各プラズマ処理工程で高精度に成膜することができる。
【0064】
(実施形態6)
図16は本発明のプラズマ処理装置の実施形態6を示す正面から見た構成図であり、図17は本発明の実施形態6の一側面から見た内部構成図であり、図18は本発明の実施形態6の上方から見た内部構成図であり、図19は本発明の実施形態6における第1電極が水平方向に移動する状態を示す説明図である。なお、図16〜図19において、図6で示した構成要素と同様の構成要素には、同一の符号を付している。
実施形態6は縦型成膜用プラズマ処理装置であり、第1電極61eと第2電極62eが相対的に移動するよう構成された点が実施形態3と異なり、その他の構成は実施形態3と概ね同様である。以下、実施形態6における実施形態3とは異なる点を主に説明する。
【0065】
このプラズマ処理装置は、平板状の第1電極61eおよび第2電極62eからなる電極対が、チャンバーM6内に垂直対向状に左右に配置されており、さらに、チャンバーM6内には、第1電極61eを垂直状に支持する第1支持部33を有する微調整機構Cと、第2電極62eを垂直状に支持する第2支持部34と、微調整機構Cおよび第2支持部34が取り付けられる支持手段64と、第1電極41eを対向方向に移動可能な移動手段65とが設けられている。
第1および第2電極41e、42e、これらを支持する微調整機構Dおよび第2支持部34は実施形態3と実質的に同様である。
【0066】
支持手段64は、側面から見て四角形の頂点位置に配置され左右方向に平行に延びる4本の梁部材64aと、4本の梁部材64aの左右端部付近を相互に連結する枠体64bと、下方の前後に配置された2本の梁部材64aをチャンバーM6の底壁内面上に支持する支持台64cと、4本の梁部材64aに内向きに取り付けられた複数の第2支持部34とを備えてなる。そして、1つの第2電極62eを垂直状に保持するために、4つの第2支持部34がそれぞれ4本の梁部材64aに固定されている。なお、枠体64bは、4本のストレートな部材を組み合わせてなる。
【0067】
移動手段65は、側面から見て四角形の頂点位置に配置され左右方向に平行に延びる4本の梁部材65aと、4本の梁部材65aの左右端部付近を相互に連結する枠体65bと、4本の梁部材65aに内向きに取り付けられた複数の微調整機構Cと、下方の前後に配置された2本の梁部材65aをチャンバーM6の底壁内面上に左右水平方向にスライド可能に支持する支持ガイドレール65dと、下方の前後に配置された2本の梁部材65aに設けられて各支持ガイドレール65d上を走行するローラ部材65eと、往復駆動部65fと、往復駆動部65fと4本の梁部材65aの左端部と連結してこれらを同期的に左右水平方向に往復移動させる連結部65gとを備えてなる。なお、枠体65bは、4本のストレートな部材を組み合わせてなる。
【0068】
4本の梁部材65aと枠体65bとが相互に連結してなる移動構造体は、支持手段64の4本の梁部材64aと枠体64bとが相互に連結してなる支持構造体の内部空間で左右水平方向に往復移動可能な大きさに形成されている。また、2本の支持ガイドレール65dは、2本の支持台64cの間でチャンバーM6の底壁内面に固定されている。
そして、1つの第1電極61eを垂直状に保持するために、4つの微調整機構Cがそれぞれ4本の梁部材65aに固定されている。
【0069】
往復駆動部65fは、2つの油圧シリンダを備える油圧シリンダ機構であり、各油圧シリンダが左右水平方向に伸縮するよう、設置場所の床面に各油圧シリンダを支持する支柱が立設されている。
連結部65gは、2つの油圧シリンダの伸縮ロッドの先端に固定された連結板65g1と、連結板65g1と4本の梁部材65aの左端とを連結する連結部材65g2とを備え、往復駆動部65fの左右水平方向の動作を連結板65g1および4本の連結部材65g2を介して4本の梁部材65aおよびこれらに取り付けられた各微調整機構Cに同期的に伝達するように構成されている。
連結部65gの4本の連結部材65g2は、チャンバーM6の左側壁の4箇所に形成された挿通孔を左右方向に移動可能に挿通しており、さらに、チャンバーM6の左側壁には4つの挿通孔と連通して各連結部材65g2をガイドする筒状のガイド部材65hが取り付けられており、挿通孔と連結部材65g2の間およびガイド部材65hと連結部材65g2の間の隙間は耐熱シール材にてシールされている。
【0070】
チャンバーM6は、金属製の箱型本体部M6aと、本体部M6aを設置場所の床面上に支持する金属製の脚部M6bとを備えており、第2電極62eが、2本の導電性接地部材17および金属製のチャンバーM6を介して接地されている。
ガス導入部(ガス導入管)15は、各第1電極61eの上端に接続されている。
また、電源部Eは、実施形態1と同様の構成である。
実施形態6では、移動手段65によって第1電極61eが左右方向に移動するため、第1電極61eと接続されるガス導入部15および給電ケーブルE3の少なくとも一部は、第1電極61eの移動を許容しかつ追随できるよう可撓性を有している。
【0071】
このように構成された実施形態6のプラズマ処理装置によれば、移動手段65の左方向への水平動作によって、図19(A)に示す往復駆動部の伸長限界位置の微調整機構Cが、図19(B)に示すように左方向へ移動して第1電極61eを第2支持部34に圧接したところで停止することにより、電極間距離L1が決定され、狭電極間プラズマ処理が可能となる。
また、図19(A)の状態から、移動手段65の右方向への水平動作によって、第1電極61eが第2電極62eから離間して電極間距離を広くすることができ、第2電極62eに沿って基板Sを容易に設置する、あるいは第2電極62eから基板Sを容易に取り出すことができる。
また、図19(B)の状態から、微調整機構Cが所定距離だけ右方向へ移動する、あるいは図19(A)の状態から微調整機構Cが所定距離だけ左方向へ移動して第1電極61eが第2支持部34に当接する前に停止することにより、電極間距離L1よりも広い広電極間距離が決定され、広電極間プラズマ処理が可能となる。
【0072】
すなわち、この実施形態6の成膜用プラズマ処理装置も、実施形態4および5と同様に、プラズマ処理の目的に応じて狭電極間プラズマ処理工程と広電極間プラズマ処理工程のいずれか一方を行うか、或いは狭電極間プラズマ処理工程と広電極間プラズマ処理工程を任意の順で連続的に行うプラズマ処理方法を実施することができる。
さらに、このプラズマ処理装置によれば、上述の狭電極間プラズマ処理工程および広電極間プラズマ処理工程に先立って、実施形態3と同様に、1つ以上の(好ましくは4つの)微調整機構Cにおけるボルト部材c2を回して第1支持部33を左右方向に微動させて、第1電極61eと第2電極62eの中央部における電極間距離を微調整することにより、各プラズマ処理工程で高精度に成膜することができる。
なお、実施形態6では、移動構造体の下部の梁部材65aにローラ65eを設けて支持ガイドレール65d上を走行させる構成を例示したが、支持ガイドレール65dに複数のローラを設けて梁部材65aを走行させるようにしてもよい。
【0073】
(他の実施形態)
1.実施形態1(図1〜4)では、第1および第2電極11e、12e側に微調整機構A(ボルト機構)を設けた場合を例示したが、第1および第2支持部13、14の水平片部13a、14a側に微調整機構Aを設けてもよい(図示省略)。この場合、各水平片部13a、14aに形成した垂直方向のネジ孔にボルト部材a2を螺着して、各ボルト部材a2の先端(上端)を各電極11e、12eの下面に当接可能とし、水平片部13aまたは14aの上面からのボルト部材a2の先端の突出量を調整することによって電極間距離を微調整することができる。
2.実施形態2(図5)で説明した微調整機構B1、B2(くさび機構)はボルト部材b1を定位置で回転させる構成であったが、ボルト部材b1を水平移動可能なようにしてもよい。この場合、貫通孔23b1、24a1をネジ孔に変更してボルト部材b1を螺着させ、くさび部材b2のネジ孔b21を貫通孔に変更しかつボルト部材b1の先端側のネジ山を無くして貫通孔に挿通させ、ボルト部材b1における貫通孔の両側部分にC形リングを取り付ける。このように構成すれば、ボルト部材b1を回すことにより、ボルト部材b1と共にくさび部材b2を水平移動させることができる。
3.実施形態4(図9〜14)および実施形態5(図15)では、電極側に微調整機構AおよびD(ボルト機構)を設けた場合を例示したが、支持部側および支持片側に微調整機構B1、B2(図5参照)を設けてもよい。
4.実施形態3(図6〜8)および実施形態6(図16〜19)では、第1支持部33側にのみ微調整機構Cを設けた場合を例示したが、第2支持部34にも微調整機構Cを設けてもよい。この場合、第1および第2支持部33、34において、第1および第2電極が最も接近した位置を基準とし、電極の反りの方向に応じて第1または第2支持部33、34の支持ブロックを一方向に移動させて電極間距離を微調整することができる。
5.実施形態1〜6では、第1電極をカソード電極とし、第2電極をアノード電極とした成膜用プラズマ処理装置の場合を例示したが、実施形態1〜6で説明した各種の微調整機構は、例えばシリコン基板の表面をエッチング処理するエッチング用プラズマ処理装置にも適用可能である。なお、この場合、第1電極をアノード電極とし、基板が設置される第2電極をカソード電極として装置構成を変更する。
【符号の説明】
【0074】
11e、21e、31e、41e、61e 第1電極
12e、22e、32e、42e、62e 第2電極
13、23、33、53 第1支持部
13a、14a、23c、24a 水平片部
14、24、34、54 第2支持部
15 ガス導入部(ガス導入管)
17 接地部材
23b1、24a1、c21 貫通孔
23b、24b 固定部
45、64 支持手段
46、65 移動手段
A、B1、B2、C、D 微調整機構
1 ネジ孔部
2、b1、c2 ボルト部材
11、b21、33a ネジ孔
22 くさび部材
1 基部
E 電源部
G1 反応ガス
L1 電極間距離
M1、M2、M4、M6 チャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーと、チャンバー内に配置されてプラズマ放電を発生させる平板形の第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極を平行に対向してそれぞれ支持する第1支持部および第2支持部と、第1および第2支持部にて支持された第1電極と第2電極を相対的にねじで移動させて電極間距離を微調整する微調整機構とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記微調整機構が、第1電極と第2電極の少なくとも一方を移動させるように、第1電極と第2電極の少なくとも一方に設けられた請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記微調整機構が、第1電極と第2電極の少なくとも一方を移動させるように、第1支持部と第2支持部の少なくとも一方に設けられた請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記第1および第2支持部は、第1および第2電極の外周縁を部分的に支持するようそれぞれ複数設けられると共に、第1および第2電極を水平に支持する水平片部を有し、
前記微調整機構が、第1電極と第2電極の少なくとも一方における前記水平片部との対向位置を垂直方向に貫通するネジ孔を有するネジ孔部と、水平片部と当接可能なように前記ネジ孔に螺着されたボルト部材とを備えたボルト機構であり、ボルト部材を垂直方向に螺進退させることにより、第1電極と第2電極を相対的に垂直方向に移動させて電極間距離を微調整するよう構成された請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記第1および第2支持部は、第1および第2電極の外周縁を部分的に支持するようそれぞれ複数設けられると共に、第1および第2電極を水平に支持する水平片部を有し、さらに、第1支持部および第2支持部の少なくとも一方が前記微調整機構を有しており、
前記微調整機構が、前記水平片部に固設された水平方向の貫通孔を有する固定部と、前記貫通孔に定位置で回転可能に挿入されたボルト部材と、該ボルト部材に螺着するネジ孔を有し第1電極と第2電極の少なくとも一方と水平片部との間に挿入され水平片部上で水平方向に移動可能に支持されたくさび部材とを備えたくさび機構であり、ボルト部材を回してくさび部材を水平片部上で水平方向に移動させることにより、第1電極と第2電極を相対的に垂直方向に移動させて電極間距離を微調整するよう構成された請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記第1および第2支持部は、第1および第2電極を垂直に支持する支持ブロックからなり、かつ、第1および第2電極の外周縁を部分的に支持するようそれぞれ複数設けられ、
前記微調整機構が、第1支持部および第2支持部の少なくとも一方の支持ブロックと、支持ブロックをスライド可能に支持する基部と、該基部に水平方向に形成された貫通孔に定位置で回転可能に挿入されかつ支持ブロックに水平方向に形成されたネジ孔に羅着するボルト部材とを備えたスライド機構であり、ボルト部材を回して支持ブロックを基部上で水平方向に移動させることにより、第1電極と第2電極を相対的に水平方向に移動させて電極間距離を微調整するよう構成された請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
第1支持部と第2支持部を相対的に移動させることにより第1電極と第2電極を相対的に対向方向に移動させる移動手段をさらに備えた請求項1〜6のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
第1および第2電極が複数対設けられると共に、対応する第1および第2支持部がそれぞれ設けられた請求項1〜7のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−212427(P2010−212427A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56558(P2009−56558)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】