説明

ユーザへの位置情報の提供

本発明はユーザ(100)に位置情報を提供するためのシステムに関し、同システムはユーザが位置情報を利用できるようにするユーザデバイス(110)を有し、このユーザデバイス(110)はユーザによって実質的に物理的遠隔位置(130,140)のほうに向けられて、当該遠隔位置に対応する情報を選択するように構成される。ユーザデバイスは当該デバイスの現在位置(120)及び当該ユーザデバイスが実質的に向けられる方向を特定することによって当該デバイスの遠隔位置(130,140)を特定するように構成されうる。また本発明はユーザに位置情報を提供する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザに位置情報を提供するシステムに関する。また、本発明はユーザに位置情報を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はデバイス位置を確定するためにヒエラルキーツリー構造を活用するシステムを開示する。ここでは地理的区画及び/又は物理的又は論理的要素を識別するツリー構造が定義される。商品又はサービスはこのツリーにおける個々のノードと関連付けられ、当該商品又はサービスの位置の確認を行おうとする際これらのノードが参照されうる。位置情報プロバイダはデバイスの現在位置についてのヒントを提供し、このデバイスはこれらのヒントをツリー構造におけるノード位置に変換できる。このツリー構造を適用することによってデバイスの位置が完全に確定されうる。デバイスの現在位置が確定されるたびにこの確定された位置に対応する位置依存商品又はサービスを活用することができる。
【0003】
また別のアプローチによると、デバイス位置を確定するのに直接利用可能な情報を伝送する位置ビーコンが提案されている。位置情報プロバイダによって提供されるこれらのビーコンは定義されるヒエラルキー・インフラ内における現在のデバイス位置についての情報を伝送するために公共の場や私有地などの様々な場所に設置される。位置情報プロバイダの例としては、GPS(Global Positioning Service)プロバイダ、携帯電話サービスプロバイダ、ブルートゥースプロバイダなどが挙げられる。更に、ビーコンはデバイスがソフトウェア符号をアクセスできるようにする符号ダウンロードポインタを伝送しうる。
【0004】
従来技術においてサービス、商品、又は位置情報を利用する場合、ユーザはその対応位置に予めいる必要がある。しかしユーザがショッピングモール、空港、展示ホールなどの混んだ場所にいる場合などにおいては、一箇所からまた別の箇所へ移動することが困難な場合があり、多くの時間を要する場合がある。
【特許文献1】米国特許第6,327,535号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は上記従来技術の問題を解決し、ユーザに位置情報を提供するシステムであって、ユーザが特定の位置についての情報を利用するに当たって自身のデバイスの位置を変更しなくてすむようなシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明によるユーザデバイスを含むシステムは、ユーザが位置情報を利用できるように構成され、当該ユーザデバイスは、ユーザによって物理的遠隔位置のほうに向けられてこの遠隔位置に対応する情報を選択できるように構成される。
【0007】
ユーザが自身のデバイスの現在位置と関連しない物理的遠隔位置についての情報をアクセスしたい場合、ユーザは単純に自身のデバイスに対してこの遠隔位置に対応する情報を取得するように指示することができる。これはユーザデバイスを利用したい情報に対応する1又は複数の遠隔位置のほうに向けることによって実現されうる。具体的にはユーザは例えば別のショップの商品を表示する電子ドキュメントをブラウジングするか、あるいは映画館のスケジュールを示すウェブページを読むことなどを希望しうる。ユーザデバイスは遠隔位置を識別してこの遠隔位置に対応する情報を選択する。よってユーザは自身の(ユーザデバイスの)現在位置を変えることなく所望の選択情報を利用することができる。なお、ユーザは当該遠隔位置のおおよその位置を(例えばデバイスをこの位置のほうに向けることによって)指示することが要されうる。この場合ユーザによって向けられたデバイスの方向に対して複数の遠隔位置が識別されうる。これに応じてユーザは更に選択する遠隔位置を特定することができる。また、ユーザは自身の現在位置を含む複数の位置に関する情報を同時に利用することを希望しうる。所望の遠隔位置の情報がデバイスによって取得されると、当該ユーザデバイスはこの情報を提供手段を介してユーザに提供する。この提供手段の例としては、ユーザ専用の提供スダンとしてのディスプレイ画面やスピーカなど、あるいはユーザが現在位置する環境に設置される提供設備などが挙げられる。
【0008】
また上記目的を達成するために、本発明によるユーザに位置情報を提供する方法は、
ユーザが位置情報を利用できるようにするユーザデバイスを適用し、
ユーザデバイスを物理的遠隔位置のほうに向けて、この遠隔位置に対応する情報を選択する工程を有する。
【0009】
なお、本発明による方法は本発明によるシステムの動作に対応する。
【0010】
本発明のこれら及び他の仕様は、本発明の実施例の説明と、添付図面の参照とによって更に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1はユーザ100及びこのユーザ100が位置情報を利用できるようにするデバイス110を示す。なお、位置情報の利用は、例えば音声、ビデオ、又はテキスト情報などのコンテンツをユーザに提供することによって実現されうる。ここで例えばユーザはデバイスを利用してHTMLページやその他の電子ドキュメントなどのインターネット情報をブラウズアクセスすることができ、デバイスはコンピュータプログラム(ソフトウェア・アプリケーション)を実行することができ、ユーザは位置依存ユーザインタフェースと対話することができる。
【0012】
図1は一例として各種ショップや敷地を有するショッピングモールの構成を示す。この例ではユーザデバイス110は現在ショップなどに対応する位置A120に位置する。ここで本発明によるシステムは例えば各ショップが顧客(すなわちユーザ)に対してそのショップの価格リストを電子形式で提供するように構成されうる。ユーザデバイス110がショップの近辺に位置している場合このデバイスは当該ショップの価格リストにアクセスしてユーザに提供することを図りうる。このようなシステムは例えば大型ショップなどにおいて有用であると考えられる。なお、上述の価格リストは位置情報の単なる一例に過ぎない。また別の例においては、ショップは顧客に対して宣伝や最新の商品などについての情報を提供しうる。
【0013】
位置Aのショップにいるユーザは例えば異なるショップにおける商品の価格を比較するために、他のショップ(例えば位置B130及び/又は位置C140など)の価格リストを参照することを希望しうる。
【0014】
本発明によると、ユーザはデバイス110を遠隔位置130及び/又は140のほうに向けて当該遠隔位置に対応する情報(例えば価格リストなど)を選択しうる。なお、本発明はデバイス110を所定方向に「向ける」実施形態に限定されることはない。例えば、別の実施形態においてユーザはデバイスに入力を提供することによって所望の位置の方向を示すことが可能である。具体的にはユーザは例えば「左隣のショップ」、「現在ショップの左隣にあるショップ」、「道の反対側にあるショップ」などといったテキスト入力しうる。なお、この例では所望の位置の方向が暗示的に示される構成となる。
【0015】
次にユーザが利用を希望する情報に対応する遠隔位置が識別される。この遠隔位置を識別する方法としては様々なものがある。例えばデバイス110からの位置識別要求を受信すると当該デバイス110に対して位置識別データを送信するように構成されるビーコンなどのトランスポンダ装置が遠隔位置に設置されている場合この遠隔位置は直接識別されうる。
【0016】
また別のアプローチによると、デバイスの現在位置及びこのデバイスの現在位置から遠隔位置への方向が特定されることが要される。
【0017】
現在位置の識別は様々な方法によって実現されうる。例えばデバイス110はGPS座標を取得するように構成されうる。この場合このデバイス110の現在位置の特定は比較的正確なものとなる。
【0018】
また別の例によると、デバイスが現在位置する領域が特定されうる。ここで得られるデバイスの現在位置はさほど正確ではないが、本発明の適用においては十分である。なお、デバイスが現在位置する領域とは対応位置の近辺、例えば位置120又はショッピングモール全体領域150などに相当しうる。なお、ユーザはデバイスの現在位置の特定を容易にするために、地区名や番地名などの情報を供給しうる。デバイスは自身の位置する環境についての情報を取得してこれを分析することによってその現在位置を自動的に特定しうる。例えばデバイスはショップのロゴや標識などの画像を取得するビデオカメラを備えることが可能である。標識は例えば既存のテキスト識別技術を適用して識別されうる。デバイスは各種異なるソースからの情報を利用して様々なデータベースを分析してロゴに対応付けられるオフィスやショップの名前や住所などを特定するように構成されうる。
【0019】
なお、現在位置を特定するために(例えば特定の位置に対応する位置識別データを特定するために)遠隔アクセス可能又はデバイス内蔵のナビゲーションデータベースが適用されることが可能である。位置識別データは管理単位としての位置の名前(例えばショップ名、郵便番号、市など)、地理的地域名、及びその他にもニックネーム、インターネットドキュメントのURLなどのデータから構成されうる。
【0020】
また、デバイスの現在位置を特定するのに上記特許文献1に記載されるようなヒエラルキーツリー構造が適用されうる。
【0021】
図1においてユーザはデバイス110を用いて位置130及び140を指す。デバイス110はポイント手段を備えうる。このポイント手段は比較的正確に位置を指す(例えば線112)か、あるいは所定の角度範囲内(例えば2本線114によって定義される角度範囲)における位置を指すように構成されうる。この角度範囲はユーザが正確に所望の位置を特定するのに十分な角度範囲に設定されればよい。このポイント手段はそのポイント角度を調整できるように構成されうる。このような角度範囲114の指定は、一定の確度で方向を指定することに相当し、ここでの確度は方向線112から捉えられる範囲に依存する。なお、ポイント角度が小さいほどこの確度は高くなる。基本的に遠隔位置への方向112は東西南北の方向に対する同方向112の角度を計測することによって表される。なお、デバイスの方位を確定する方法としては例えば電子コンパスを利用するなどの手法を含む様々な技術が測地学の分野において知られている。また別の例によると、線112の角度は他の参照基準(例えば磁場など)に基づいて測定されうる。角度範囲114は例えば2等分線112の角度を指定することによって確定されうる。またポイント手段は識別される遠隔位置の距離範囲160を指定しこれを調整するように構成されうる。
【0022】
ナビゲーションデータベースは特定の物理的位置に対応付けされる位置識別データを格納するように構成されうる。この位置識別データは1つの位置のまた別の位置に対する位置づけを記述しうる。例えばこのデータはこれらの位置のバーチャルマップなどに相当しうる。また、この位置識別データは特定位置領域の大きさや形式(形状)などの特徴を記述しうる。デバイス110の現在位置及び指定される方向112又は114が確定されると、デバイス110は指し示される遠隔位置を識別しうる。この識別には上述のナビゲーションデータベースが適用されうる。このように遠隔位置のほうを指すことによって、遠隔位置の識別は完全に自動的に実行されうる。例えば図1において指し示される遠隔位置130及び140の識別は問題なく実行でき、このような識別を実行するデバイスは同業者には容易に実現されうる。なお、このような識別に要される演算を実行するために例えば幾何の基礎を適用するが可能である。
【0023】
なお、遠隔位置の識別における確度、現在位置についての情報量、及び/又は遠隔位置への方向に依存する遠隔位置の識別方法としては上記以外にも各種方法が構想されうる。
【0024】
ユーザデバイスは複数の遠隔位置(例えば指定範囲114内の位置130及び140など)を同時に識別するように構成されうる。図1に示されるように2本線114はそれぞれ他の遠隔位置のエッジ部分と交差する。この他の遠隔位置の一方は位置A120に隣接する位置であり、他方は位置B130に隣接する位置である。ユーザデバイスはこのような交差を無視して、当該デバイスが実質的に向けられている方向における遠隔位置を識別するように構成されうる。ここで複数の遠隔位置が識別された場合、ユーザデバイスはこの旨をユーザに通知するように構成されうる。なお、このような通知は遠隔位置が1つのみ識別された場合も実行されうる。これによりユーザは識別された遠隔位置が自身の希望する位置と一致していることを確認できる。
【0025】
なお、識別された遠隔位置の通知は様々な方法によって実現されうる。例えばユーザデバイスはナビゲーションデータベースから遠隔位置の電子マップを取り込むように構成されうる。これによりユーザは例えば可能な場合は遠隔位置の物理的位置を参照し、マップにおける遠隔位置に対応する物理的位置を視覚的に比較することができる。このような通知方法は例えばユーザデバイスが携帯電話などに相当する場合など、ユーザデバイスが小さなディスプレイ画面を有する場合において好適に実施されうる。
【0026】
また別の例によると、デバイス110は識別された遠隔位置のリストをユーザに提供することによって上記通知を実施しうる。このリストにおける位置(すなわちリスト項目)は、例えばナビゲーションデータベースから得られたショップの名前などの位置の名前、識別された位置のロゴ、遠隔位置に関してソフトウェア・アプリケーションが実行される際にユーザに表示される導入部など識別された位置に対応する情報の少なくとも一部などによって指定されうる。
【0027】
デバイス110はユーザに対して識別された遠隔位置のなかから取得すべき情報が所属している遠隔位置を1つ選択するための選択手段を提供しうる。これによってユーザは上述の通知に応じて識別された複数の遠隔位置のなかから1つの遠隔位置を選択しうる。なお、この選択手段はポイント手段、キーボード、又はトラックボールなどの適切な各種入力手段によって実現されうる。
【0028】
また、デバイスは識別された遠隔位置それぞれに対応する情報を取得するように構成されうる。例えばデバイスのディスプレイ画面はそれぞれ異なる識別遠隔位置に対応する2つ以上のユーザインタフェースによって共用されうる。
【0029】
また本発明の一実施形態によると、識別された遠隔位置についてのユーザへの通知は不要である。例えば2等分線112と交差する遠隔位置が2つ連続する場合、ユーザは予め2番目に交差する遠隔位置を所望又は好適な位置として選択しうる。そしてこの予め選択された遠隔位置に対応する位置情報がユーザによって利用されうる。
【0030】
またデバイスは通過する遠隔位置の数をユーザが選択できるようにし、関心遠隔位置を選択できるようにしうる。例えば隣接する10の遠隔位置があったとして、ユーザがこのうちの5番目の遠隔位置を選択することを希望する場合、当該ユーザはこれら10の隣接位置の方向を指す。これらの遠隔位置は例えば相互前後に配置されうる(図1では図示されず)。この場合ユーザは単純に選択手段における対応ボタンを押すことによって関心遠隔位置を選択しうる。
【0031】
また、デバイス110は更に任意の情報が識別された位置に対応する情報であるか否かを確認するように構成されうる。このような確認には特定位置に対応する情報についての位置情報データを格納する情報データベースが適用されうる。
【0032】
この特定遠隔位置についてデバイス110は対応する位置識別データを取得するためにナビゲーションデータベースに対して問い合わせを行う。取得される位置識別データは上記遠隔位置の名前、ニックネーム、又はその他の識別子を有しうる。またユーザデバイスは更にこの位置識別データを利用して情報データベースに対して問い合わせを行って上記遠隔位置に対応する位置情報データを取得するように構成されうる。
【0033】
一般にナビゲーションデータベースと情報データベースは物理的位置と一義的に対応付けられる何らかの識別子を格納するように構成される。このような識別子を適用することにより、ユーザデバイスは確実に情報データベースからナビゲーションデータベースを適用して識別された遠隔位置に対応する位置情報データを取得することができる。なお、ナビゲーションデータベース内の位置識別データは各位置に対応するこのような識別子を有しうる。
【0034】
またユーザデバイスは位置情報データを利用して遠隔位置に対応する情報を取得するように構成されうる。この位置情報データは、遠隔位置に対応する情報を記憶する情報記憶域を指し示すポインタなどのデータのみから構成されうる。また、別の例によると、情報データベース自体が遠隔位置に対応する情報を格納するように構成されうる。なお、遠隔位置に対応する情報はコンピュータによって実行されるアプリケーション、位置依存ユーザインタフェースについてのデータ、電子ドキュメントなどのコンテンツ情報などから構成されうる。なお、ユーザデバイスは、ナビゲーションデータベース及び/又は情報データベースを内蔵しうる。また、別の例では、ユーザデバイスはナビゲーションデータベース及び/又は情報データベースからのデータに遠隔アクセスするため(例えば当該データをダウンロードするため)の通信モジュールを具備しうる。
【0035】
なお、遠隔位置に対応する情報が情報データベースには全く格納されない場合もありうる。この場合ユーザデバイスはインターネットなどの他のデータ記憶域や他の遠隔アクセス可能な情報ソースを利用してこの情報を検索するように構成されうる。また、ユーザデバイスは特定の遠隔位置に対応する情報が見つからない旨をユーザに通知するように構成されうる。
【0036】
ユーザデバイス110はクライエント・デバイスとして遠隔サーバと通信するように構成されうる。遠隔サーバはナビゲーションデータベース及び/又は情報データベースを格納しこれを維持するように構成されうる。このサーバはユーザデバイスからのデータに関する問い合わせを受信しこれを処理し、さらに問い合わせの処理結果をユーザデバイスに送信するように構成されうる。このサーバは例えばデバイス110のユーザに対して位置情報サービスを提供するためのソフトウェア・アプリケーションなどを実行するように構成されうる。
【0037】
ユーザデバイス110はマイクロプロセッサ、及びこのマイクロプロセッサに結合されこのマイクロプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムを記憶するためのランダムアクセスメモリと読み出し専用メモリを有するデータ処理システムを具備しうる。また、ユーザデバイスはポイント手段、及び導線、光ファイバ、又は無線通信手段などを介してデータの受送信を実現するための通信モジュールを具備しうる。またユーザデバイスは得られた位置情報をユーザに提供するためのディスプレイ画面及び/又はスピーカなどの出力手段と、ユーザデバイスにユーザ入力を供給するためのキーボード、マウス、ジョイスティック、タッチパッドなどの入力手段を具備しうる。なお本発明による特にユーザデバイスに係る技術的仕様及び特徴は上述の各種実施例の説明から同業者にとっては明らかになるであろう。
【0038】
図2は本発明の一実施形態によるユーザに位置情報を提供する方法を示す。この方法はユーザが位置情報を利用できるようにするためのユーザデバイスを利用するステップ210を含む。なお、「ユーザデバイスの利用」及び「位置情報の利用」は上記本発明のシステムの説明において記載されているためこの説明は省略する。
【0039】
また、本発明による方法はユーザデバイスを実質的に物理的遠隔位置のほうに向けて、この遠隔位置に対応する情報を選択するステップ220を含む。例えば市場の広場に位置するユーザは自身のデバイスをこの広場の反対側に位置するショップの方向に向け、これによってデバイスはカフェのテラスの各領域を横切ってこのショップの位置を指し示しうる。ステップ230においてユーザデバイスは当該ユーザにこのショップからの割引価格商品のリストなどの情報を表示しうる。この場合情報の利用とはブラウジングを可能としたユーザへの情報の可視的提示に対応する。なお、本発明のシステムの各種動作により本発明の方法は様々な形態をとることが可能である。
【0040】
なお、本発明によるコンピュータプログラムは本発明によるデバイス及び方法における各種機能を実現し、ハードウェアと組み合わさって実現されることが可能であり、また各種異なるデバイスに具備されうる。また、本発明の範囲を逸脱することなく上述の実施例から様々な変形例や変更例を構想することが可能である。したがって請求項における「有する」という表現は、当該請求項に記載される以外の構成要素やステップ工程の存在を否定する意味合いは含まない。本発明はいくつかの構成要素からなるハードウェアと適正にプログラミングされたコンピュータによって実現されうる。なお、複数の手段を有するデバイスに係る請求項においてこれらの手段のいくつかが同一のハードウェア要素によって実現されることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実現に適するシステムの動作を示す図である。
【図2】本発明の一実施例による方法を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに位置情報を提供するためのシステムであって、前記ユーザが前記位置情報を利用できるようにするユーザデバイスを有するシステムにおいて、
前記ユーザデバイスは前記ユーザによって実質的に物理的遠隔位置のほうに向けられて、前記遠隔位置に対応する情報を選択するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
特定の物理的位置に対応付けられる位置識別データを格納するナビゲーションデータベースを更に有することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザデバイスは当該ユーザデバイスが実質的に向けられる方向を特定するように構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザデバイスは当該ユーザデバイスの現在位置及び/又は前記遠隔位置を特定するように構成されることを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザデバイスは任意の情報が前記特定された位置に対応するか否かを確認するように構成されることを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記ユーザデバイスは当該ユーザデバイスが向けられる複数の物理的遠隔位置を特定するように構成され、
前記ユーザデバイスは当該ユーザデバイスが向けられる物理的遠隔位置が1以上特定された旨を前記ユーザに通知するように構成され、
前記ユーザデバイスは更に前記ユーザに対して前記特定された物理的位置のうちの1つを選択するように促すように構成されることを特徴とする請求項4又は5記載のシステム。
【請求項7】
前記ユーザデバイスは少なくとも1つの特定された物理的遠隔位置に対応付けられる可視的表示を前記ユーザに提示するように構成されることを特徴とする請求項4又は6記載のシステム。
【請求項8】
前記情報は、
位置依存ソフトウェア・アプリケーション、
位置依存ユーザインタフェース、又は
コンテンツ情報、のいずれかに相当することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記アプリケーションは遠隔サーバによって実行され、前記ユーザデバイスは前記サーバのためのクライエントデバイスに相当することを特徴とする請求項8記載のシステム。
【請求項10】
特定の物理的位置に対応する情報に関する位置情報データを格納する情報データベースを更に有することを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザデバイスは、
前記特定の物理的位置に対応付けられる位置識別データを確定するために前記ナビゲーションデータベースに対して問い合わせを行い、
前記確定された位置識別情報データを利用して、前記特定の物理的位置に対応する位置情報データと取得するために前記情報データベースに対して問い合わせを行い、
前記取得された位置情報データを利用して前記特定の位置に対応する情報を得るように構成されることを特徴とする請求項2又は10記載のシステム。
【請求項12】
前記位置情報データは前記特定の位置に対応する情報を記憶する情報記憶域を示すデータのみから構成されることを特徴とする請求項10又は11記載のシステム。
【請求項13】
前記ユーザデバイスは前記ナビゲーションデータベース及び/又は情報データベースを収容するように構成されることを特徴とする請求項2又は10記載のシステム。
【請求項14】
前記ユーザデバイスは前記ナビゲーションデータベース及び/又は情報データベースを遠隔アクセスするように構成されることを特徴とする請求項2又は10記載のシステム。
【請求項15】
ユーザに位置情報を提供する方法であって、
前記ユーザが前記位置情報を利用できるようにするユーザデバイスを利用し、
前記ユーザデバイスを実質的に物理的遠隔位置に向けて前記遠隔位置に対応する情報を選択する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項16】
コンピュータプログラムであって、実行されるとプログラミング可能デバイスを請求項1記載のシステムとして機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−514450(P2006−514450A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561763(P2004−561763)
【出願日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005470
【国際公開番号】WO2004/057368
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】