説明

ワーク移し替え方法、ワーク移し替えシステム及びワーク移し替え装置

【課題】視覚センサーなどを使用することなくガラスを機械的手段によって精度良く位置決めしてパレットから別のパレットへ移し替えることのできる低設備で且つメンテナンスも容易に行えるガラス移し替え装置を提供する。
【解決手段】車体の組み立て生産順番に従って、第1のパレットから所定のガラス3を取り出した後、組み立て生産順番となるように第2のパレットに移し替えて順次配列させる作業を繰り返し行うガラス移し替え装置。この装置では、ガラス3を吸着保持する吸着保持機構部27とガラスの奥行き方向のガラス保持位置をハンドリングロボット2の基準位置に合致させる位置調整機構部28とを備えた吸着保持位置調整手段21と、手首部分とハンドフレームとの間に設けられ、吸着保持位置調整手段で保持したガラスの幅方向及び縦方向のガラス保持位置を、ハンドリングロボット2の基準位置に合致させるガラス保持位置調整手段23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク移し替え方法、ワーク移し替えシステム及びワーク移し替え装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、パレットに山積みされたワークピースを、ロボットによって自動的に一つずつ取り出す(ピッキングする)ことを可能にした装置が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の装置では、ロボットの手首先端に視覚センサなどの撮像デバイスを取り付け、その撮像デバイスで撮像した画像に基づいて個々のワークピースの3次元的な位置姿勢を求め、その位置姿勢検出情報をロボット側へフィードバックすることによって、ワークピースをハンドリング可能としている。
【特許文献1】特開2000−293695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、視覚センサーを用いてワークピースの位置姿勢を認識するため、センサー自体が高価であるばかりか、検出エリア内の照明などの環境変化(照度の強弱による変化)に弱く、正確なワークピースの位置姿勢を検出することができない場合がある。
【0005】
また、この装置では、ワークピースの位置姿勢を撮像デバイスで撮像した画像データから位置姿勢データに変換する処理を行っているため、異常発生時に、ロボットと撮像デバイス間のインターフェースの調整作業などにおいて高度な専門技能が必要となり、メンテナンスの面で不利である。
【0006】
そこで、本発明は、視覚センサーなどを使用することなくガラスを機械的手段によって精度良く位置決めしてパレットから別のパレットへ移し替えることのできる低設備費で、且つメンテナンスも容易に行えるワーク移し替え方法、ワーク移し替えシステム及びワーク移し替え装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のパレットに配置されたワークを取り出し第2のパレットへ移し替えるワーク移し替え装置である。ロボットの手首部分にワークを保持する保持機構部が設けられる。ロボットの手首部分と保持機構部との間にスライド機構が設けられ、保持機構部がワークを保持した状態でロボットを動作させ、ワークの端部を位置調整機構に接触させてワークの位置調整を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、視覚センサーなどのような撮像デバイスを用いてワーク保持位置を画像処理する複雑で面倒な処理をすることなく機械的手段にて位置調整できるから装置コストを低減することができる上、第1のパレットから第2のパレットへワークを移し替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
「ガラス移し替えシステム及びガラス移し替え装置の説明」
図1は第1のパレットに配置されたガラスをロボットに取り付けられたガラス移し替え装置によって第2のパレットへ移し替えるガラス移し替えシステムの配置図(レイアウト図)、図2は第1のパレットの平面図、図3は第1のパレットの正面図、図4は第2のパレットを示し、(A)は斜視図、(B)は倒す前の状態を示すガラス仕切り板の正面図、(C)は倒れた状態を示すガラス仕切り板の正面図、図5は第2のパレットの正面図、図6はガラス移し替え装置の平面図、図7はガラス移し替え装置の正面図、図8はガラス移し替え装置の側面図、図9は吸着保持位置調整手段の拡大図、図10はガラス有無検知手段の拡大図、図11は仕切り板倒し手段の拡大図である。
【0011】
本実施の形態のガラス移し替えシステムは、図1に示すように、作業フロア上に敷設された一対のレール1上を移動自在なロボットであるハンドリングロボット2と、このハンドリングロボット2の走行経路に沿って所定間隔を置いて複数配置されたガラス3(3A〜3H)を配置してなる第1のパレット4(4A〜4H)と、第1のパレット4からガラス3が移し替えられて順次配列される第2のパレット5(5A〜5C)と、ハンドリングロボット2の手首部分6に取り付けられ、第1のパレット4から所定のガラス3を取り出した後、そのガラス3を保持したガラス保持位置を当該ハンドリングロボット2の基準位置に合致させた後に、第2のパレット5にガラス3を移し替えるガラス移し替え装置7とを備える。
【0012】
「第1のパレット」
第1のパレット4は、ガラス3を製造しているガラス製造メーカとそのガラス3を使用して自動車を組み立てる車両生産工場間を巡回する専用パレットであって、図2及び図3に示すように、台車8の上に配置された状態で作業フロアの所定位置に配置される。本実施の形態では、レール1に沿って移動するハンドリングロボット2の走行経路(ロボット走行経路)に沿って所定間隔を置いて複数配置されると共に、そのロボット走行経路の両側にそれぞれ配置されている。本例では、ロボット走行経路の片側に第1のパレット4を4つずつ設け、両側で合計8個の第1のパレット4を配置している。
【0013】
第1のパレット4には、同一種類のガラス3が所定間隔を置いて複数配置されると共に、各第1のパレット4のそれぞれには車種又は仕様によって異なる種類のガラス3が配置される。例えば、第2のパレット5Aから一番遠い第1のパレット4Aには、A車用のガラス3Aが配置され、その隣の第1のパレット4Bには、B車用のガラス3Bが配置される。なお、本実施の形態では、前記ガラス3が車体組み立て用のワークに相当する。
【0014】
この第1のパレット4には、ガラス3を所定間隔を置いて配置し支えるためのパレット底部に設けた一対のガラス配置支持部材9が設けられている。このガラス配置支持部材9には、各ガラス3を所定間隔で配置するためのガラス配置溝10が形成されている。また、第1のパレット4には、前記ガラス配置溝10に配置されて立った状態を保持させるためのガラス支持部材11、12がガラス幅方向両側にそれぞれ設けられている。
【0015】
これらガラス支持部材11、12は、枠組構造とされたパレットの支柱に対して一方が固定で、他方が可動自在とされている。本実施の形態では、図2、3中左側のガラス支持部12を、ガラス3を支持する位置(実線で示す位置)とガラス3の支持を解除する支柱外側の位置(破線で示す位置)との間で可動自在なようにした。また、このガラス支持部材11、12のそれぞれには、各ガラス3を所定間隔で支持するためのガラス支持溝13、14が形成されている。なお、第1のパレット4は、組み立て精度や部品精度のバラツキによって、各パレット4A〜4H毎でその大きさや各部位寸法などにバラツキを有している。
【0016】
「第2のパレット」
第2のパレット5は、後述するハンドリングロボット2の手首部分6に取り付けられたガラス移し替え装置7によって第1のパレット4から取り出されたガラス3を順次配列させるためのいわば生産順列パレットである。この第2のパレット5には、各第1のパレット4A〜4H毎で異なる種類とされたガラス3A〜3Hの中から車体組み立て生産順番に従って取り出されたガラス3A〜3Hをパレット奥から手前側に所定間隔を置いて配列させる。例えば、車体生産順番がD車、E車、G車、A車の順番であるとした場合には、第2のパレット5には、パレット奥よりA車、G車、E車、D車用のガラス3A、3G、3E、3Dを順に配置して行き、パレット手前から奥に向かって車体生産順番となるように配列される。
【0017】
なお、第2のパレット5は、前記したロボット走行経路の延長上右側のガラス移し替え位置と、その上のパレット搬入位置と、その下のパレット搬出位置にそれぞれ設けられており、上から順に下へと流れるようになっている。
【0018】
この第2のパレット5は、第1のパレット4と同様、枠組構造とされており、ガラス3を所定間隔を置いて配置し支えるためのパレット底部に設けた一対のガラス配置支持部材15が設けられている。このガラス配置支持部材15には、各ガラス3を所定間隔で配置するためのガラス配置溝16が形成されている。また、第2のパレット5には、前記ガラス配置溝16に配置されて立った状態(起立した状態)を保持させると共に各ガラス3を仕切るためのガラス仕切り板17がガラス幅方向両側にそれぞれ設けられている。
【0019】
これらガラス仕切り板17は、枠組構造とされたパレットの支柱18、18間に固定された支持軸19に対して回動自在に設けられており、後述のガラス移し替え装置7の仕切り板倒し手段にて前記ガラス3が配置された後に倒されて各ガラス3間を仕切るようになっている。ガラス仕切り板17は、ガラス3の枚数に応じて前記支持軸19の軸方向に沿って複数配置されており、その基端部17aを当該支持軸19の回りに回動自在に取り付けられている。このガラス仕切り板17には、前記仕切り板倒し手段にて跳ね上げられる被跳ね上げ棒20が前記基端部17aにこのガラス仕切り板17と略90度をなす角度で固定されている。図4(B)はガラス仕切り板17が跳ね上げられる前の状態を示し、図4(C)はガラス仕切り板17が跳ね上げられてガラスを仕切る状態を示している。
【0020】
このガラス仕切り板17の跳ね上げ前の状態と跳ね上げ後の状態は、基端部17aと支持軸19との間に設けられた回動保持機構(図示は省略する)によってその各状態が保持(ロック)され、また一方の状態から他方の状態へはその回動保持機構の付勢力によって容易に移行可能となっている。かかる回動保持機構としては、従来公知の各種手段が適用できる。これら各ガラス仕切り板17は、第1のパレット4からガラス3が配置される前の状態にあっては、その全てが図4(B)に示す跳ね上げ前の状態にあり、ガラス3がこの第2のパレット5に搭載された後では図4(C)に跳ね上げ後の状態となってガラス3を仕切ることになる。
【0021】
「ガラス移し替え装置」
ガラス移し替え装置7は、図6から図8に示すように、ガラス3を吸着保持する吸着保持機構部と、該ガラス3の奥行き方向のガラス保持位置を前記ハンドリングロボット2の基準位置に合致させる位置調整機構部とを備えた吸着保持位置調整手段21と、この吸着保持位置調整手段21で吸着したガラス3の有無を検知するガラス有無検知手段22と、吸着保持位置調整手段21で保持したガラス3の幅方向及び縦方向のガラス保持位置を、ハンドリングロボット2の基準位置に合致させるガラス保持位置調整手段23と、ガラス仕切り板17を倒す仕切り板倒し手段24とを備える。
【0022】
このガラス移し替え装置7は、各第1のパレット4A〜4H毎で異なる種類とされたガラス3A〜3Hの中から車体の組み立て生産順番に従って、所望の第1のパレット4から所定のガラス3を取り出した後、組み立て生産順番となるように第2のパレット5に移し替えて順次配列させる作業を繰り返し行う装置であり、前記したハンドリングロボット2の手首部分6に取り付けられている。このガラス移し替え装置7は、レール1上を往復動するハンドリングロボット2のアーム先端における手首部分6に取り付けられており、生産順番通りにハンドリングロボット2が移動して各第1のパレット4A〜4Hから所定のガラス3A〜3Hを取り出し、そのガラス移し替え装置7に備わるガラス保持位置調整機能によってガラス保持位置を補正した後、第2のパレット5に配置させるようになっている。
【0023】
吸着保持位置調整手段21は、ハンドリングロボット2の手首部分6に取り付けられたハンドフレーム25に設けられる一対の取付アーム部26のそれぞれに3つずつ取り付けられている。さらに詳しく説明すると、各取付アーム部26に固定されたブラケット29に、前記吸着保持位置調整手段21がそれぞれ取り付けられている。この吸着保持位置調整手段21は、ガラス3を吸着保持する吸着保持機構部27と、該ガラス3の奥行き方向のガラス保持位置を前記ハンドリングロボット2の基準位置に合致させる位置調整機構部28とを備える。
【0024】
吸着保持機構部27は、図9に示すように、ガラス3を吸着保持する吸着パッド30と、この吸着パッド30をガラス3の曲面に合わせて追従揺動可能とする揺動機構(図示は省略する)とを備えている。これら吸着パッド30と揺動機構は、図示は省略する空圧回路から送り込まれる圧縮空気の導出入によって動作するようになっており、圧縮空気が導入されると吸着パッド30によるガラス3への吸着は行われず且つガラス面に対して揺動自在となる。この一方、圧縮空気が空圧回路によって負圧にされると、吸着パッド30によりガラス3が吸引されると共にその吸着パッド30の揺動動作が停止しロックされる。
【0025】
位置調整機構部28は、先端に吸着保持機構部27を保持したスライド軸31と、このスライド軸31のスライド位置をロックするロック機構を内蔵するスライドガイド32と、スライド軸31の周囲に配置されたコイルスプリング33とからなる。
【0026】
このスライド軸31には、先端に吸着保持機構部27が取り付けられ、後端にスライド軸31の最突出位置を規制するストッパ34が取り付けられている。吸着パッド30が最もガラス3から離れた状態では、図9(A)の如くスライドガイド32の上面から上方に突き出た位置にストッパ34が位置し、吸着パッド30が最もガラス3に接近(接触)する状態では、図9(B)の如くスライドガイド32の上面にストッパ34が接触する。
【0027】
スライドガイド32は、前記したフランジ29に固定されており、スライド軸31を図9の上下方向においてスライド自在にガイドする。このスライドガイド32の内部には、スライド軸31のスライド位置をロックするロック機構が設けられている。ロック機構は、図示を省略する空圧回路から送り込まれる圧縮空気の導出入によって動作するようになっており、圧縮空気が導入されるとロック機構が解除されてスライド軸31が前記コイルスプリング33によって図9(B)で示す吸着パッド30をガラス3に接近させる最突出位置となす。この一方、圧縮空気が空圧回路によって負圧にされると、ロック機構が作動しスライド軸31のスライド位置がロックされる。
【0028】
ガラス有無検知手段22は、図10に示すように、ガラス3の有無を検知する検出スイッチ35と、この検出スイッチ35をオンオフさせる検出ロッド36と、この検出ロッド36の上方に配置される間接検出体37及び圧縮スプリング38とからなる。
【0029】
検出ロッド36の先端にガラス3が接触すると、この検出ロッド36が検出本体39内に押し込まれ、間接検出体37を圧縮スプリング38の付勢力に抗して上昇して検出スイッチ35をオンする。この間接検出体37が圧縮スプリング38によって下方へ付勢されると検出スイッチ35から離れてオフになる。検出スイッチ35がオンになった場合は、ガラス3が有りと判断され、オフとなった場合は、ガラス3が無いと判断される。
【0030】
なお、本実施の形態では、ガラス3が傾いて配置されている場合でもガラス3の有無を検知することができるように、ガラス有無検知手段22を対角の位置に配置している。
【0031】
ガラス保持位置調整手段23は、前記した吸着保持位置調整手段21で保持したガラス3の幅方向及び縦方向のガラス保持位置を、ハンドリングロボット2の基準位置に合致させる機能をするX−Yテーブルからなる。X−Yテーブルは、ハンドフレーム25上に固定される第1テーブル40と、ハンドリングロボット2の手首部分6に固定される第2テーブル41と、第1テーブル40の上にガラス幅方向(X方向)に沿って固定された一対のX軸ガイドレール42と、第2テーブル41の下面にガラス縦方向(Y方向)に沿って固定された一対のY軸ガイドレール43と、X軸ガイドレール42とY軸ガイドレール43の両方にスライド自在に設けられるリニアガイド44と、X−YテーブルのX方向とY方向へのスライドをロックするロック機構とから構成される。
【0032】
ロック機構は、図示を省略した空圧回路から供給される圧縮空気の導出入により、第1テーブル40の第2テーブル41に対するX方向またはY方向へのスライド移動を可能とする一方で、そのスライド移動を不可能にロックする。これら第1テーブル40の第2テーブル41に対するスライドは、リニアガイド44を共有しているため、一方向へのスライドをロックさせてからでないと、他方向にスライドできないようになっている。このため、例えば第1テーブル40を第2テーブル41に対してX方向に移動させるには、Y方向のスライドをロックした後に行い、第1テーブル40を第2テーブル41に対してY方向に移動させるには、逆にX方向のスライドをロックさせた後に行う必要がある。
【0033】
仕切り板倒し手段24は、ハンドフレーム25に設けられた取付アーム部26のそれぞれにガラス幅方向(図6中X方向)に延びるように固定された略L字状の支持アーム45の先端に取り付けられている。かかる仕切り板倒し手段24は、図11に示すように、第2のパレット5に設けられたガラス仕切り板17の被跳ね上げ棒20を跳ね上げるための第1アーム46と、この第1アーム46を回転させる第2アーム47及び駆動源となる駆動シリンダ48とから構成される。
【0034】
第1アーム46は、駆動シリンダ48のロッド49先端部に軸部50を中心として回動自在に取り付けられている。第2アーム47は、一端部を駆動シリンダ本端部に軸部51を介して取り付け、他端部を第1アーム46に固定した連結部材52に軸部53を中心として回動自在に連結されている。駆動シリンダ48を作動させてロッド49を進退させると、このロッド49の先端部に回動自在に取り付けられた第1アーム46が、第2アーム47と連結される軸部53を回動中心として回動する。そして、その第1アーム46の回動途中でガラス仕切り板17の被跳ね上げ棒20を第1アーム46によって跳ね上げ、図4(B)、(C)で示すように、当該ガラス仕切り板17をガラス3間を仕切る位置とガラス3間を仕切らない待機位置とに回動操作させる。
【0035】
また、前記ハンドリングロボット2の手首部分6の先端には、ガラス移し替え装置7を回転させる回転手段60が設けられている。かかる回転手段60は、吸着保持位置調整手段21で吸着したガラス3のガラス保持位置補正動作を行うときに、当該ガラス3の向きを90度に変える機能をする。
【0036】
このように構成されたガラス移し替え装置7を備えた前記ハンドリングロボット2は、図示を省略する制御部からの指令を受けて作動し、レール1上を往復動すると共に、手首部分6に取り付けたガラス移し替え装置7をその指令に応じて動かすようになっている。
【0037】
「ガラス移し替え方法」
次に、前記したガラス移し替えシステム及びガラス移し替え装置によって第1のパレット4に配置されたガラス3を第2のパレット5に移し替えるガラス移し替え方法について説明する。
【0038】
図12はガラス保持位置とロボットの基準位置を示す状態図であり、(A)はガラス保持位置とロボットの基準位置が一致した状態、(B)はそれらの位置がガラス幅方向左にずれている状態、(C)はそれらの位置がガラス幅方向右にずれいている状態、図13はガラス幅方向及びガラス縦方向におけるガラス保持位置とロボットの基準位置とを位置調整する調整方法を示し、(A)はガラス幅方向の位置調整、(B)はガラス縦方向の位置調整を示し、図14は車種又は仕様によって異なるガラスを吸着保持位置調整手段で吸着するときの状態を示す図、図15はガラスの奥行き方向のガラス保持位置をハンドリングロボットの基準位置に合致させる動作の一動作状態を示す平面図、図16はガラスの奥行き方向のガラス保持位置をハンドリングロボットの基準位置に合致させる動作の一動作状態を示す正面図、図17はガラスの幅方向及び縦方向のガラス保持位置をハンドリングロボットの基準位置に合致させる動作の一動作状態を示した斜視図、図18はガラスの幅方向及び縦方向のガラス保持位置をハンドリングロボットの基準位置に合致させる動作の一動作状態を示した側面図である。
【0039】
ここで、ガラス保持位置とは、ハンドリングロボット2から見たガラス移し替え装置7に保持された状態のガラス3の位置を示し、ガラス移し替え装置7によって第1のパレット4からガラス3を取り出す作業を繰り返し行う際、前述したパレットの組み立て精度や部品精度のバラツキによりガラス保持位置がばらつくこととなる。また、ロボットの基準位置とは、ハンドリングロボット2から見たガラス移し替え装置7に保持された状態のガラス3の位置であり、且つ、ハンドリングロボット2の第2のパレット5へのガラス3の投入動作を行う際に、ガラス3を第2のパレット5へ正しく投入することが可能なガラス3の正規位置のことである。上記のようなパレットのバラツキに起因するガラス保持位置のバラツキがある場合は、第2のパレット5へのガラス3の投入の際、正しい位置にガラス3を置くことができない場合があるが、ガラス保持位置がロボットの基準位置に合致している場合は、ロボット2に予め設定された教示動作を行うことで、第2のパレット5内の正しい位置にガラス3を投入することが可能になる。
【0040】
ハンドリングロボット2は、先ず、制御部からの指令を受けて生産順番に従い所望の第1のパレット4が配置される位置まで移動する。例えば、ハンドリングロボット2は、図1に示すように、第2のパレット5の搬入位置に一番近い第1のパレット4Dの位置まで前記したレール1に沿ってロボット走行経路を移動し、その第1のパレット4Dと対向する位置で停止する。そして、ハンドリングロボット2の手首部分6に取り付けられたガラス移し替え装置7は、第1のパレット4Dに配置されたガラス3Dに対して接近する方向に移動する。
【0041】
このガラス移し替え装置7がガラス3Dに接近すると、図6及び図7に示すように、吸着保持位置調整手段21の吸着パッド30がガラス3に接触する。このとき、吸着保持位置調整手段21では、吸着保持機構部27及び位置調整機構部28におけるロックがそれぞれ解除状態にあるため、ガラス3の曲面に合わせて吸着パッド30が首振り方向及びガラス3に対する進退方向に追従し揺動することになる。そして、吸着パッド30がガラス3の曲面に倣うと、吸着保持機構部27がロックされ、ガラス3が吸着パッド30によって吸着保持される。これらハンドリングロボット2の一連の動きは第1のパレット4毎に予め教示されており、同一の車種仕様のガラスの搬出の際は同じ動きを行う。つまり、ガラス3を保持及び搬出する際のハンドリングロボット2及びガラス移し替え装置7の位置は毎回同一の位置となる。なお、ガラス移し替え装置7がガラス3を保持する際のアプローチ位置、つまり第1のパレット4の奥行き方向へのハンドリングロボット2の位置については毎回変化するが、第1のパレット4内のガラス残存枚数を本システムの制御装置がカウントし、その残存枚数によって上記アプローチ位置が自動的に決定するようになっている。
【0042】
その後、吸着パッド30で保持したガラス3を、第1のパレット4の上方へと持ち上げた後、図7、図15及び図16に示すように、第2のパレット5の前方に配置した基準ピン固定支持体70の上部に設けられた基準ピンであるガラス奥行き方向位置調整用基準ピン56に向かって予め決められた所定距離だけ移動しガラス3を押し付ける。ガラス奥行き方向位置調整用基準ピン56は、ガラス3の正面に対して所定間隔をおいて複数、例えば4つ設けられている。ガラス3がこのガラス奥行き方向位置調整用基準ピン56に押し付けられると、ガラス奥行き方向でのガラス保持位置がハンドリングロボット2の基準位置(手首部分6のセンタ位置C)と合致する。このガラス保持位置とハンドリングロボット2の基準位置が合致したら前記位置調整機構部28をロックし、ガラス保持位置を固定する。
【0043】
このようにして前記吸着保持位置調整手段21によってガラス3が吸着保持される形態としては、ガラス3を実際に吸着保持したガラス保持位置と、ハンドリングロボット2の基準位置(手首部分6のセンタ位置C)とが一致した形態(図12(A))、ガラス保持位置とハンドリングロボット2の基準位置とがガラス幅方向である左側または右側にずれた形態(図12(B)、(C))の何れかになる。この位置ずれは、第1のパレット4の組み立て精度の誤差や各第1のパレット4の大きさのバラツキやこの第1のパレット4に配置されるガラス3の配置バラツキなどによって生じる。
【0044】
次に、ガラス有無検知手段22の検出ロッド36がガラス3に接触し、前記吸着保持位置調整手段21でガラス3を保持できたか否かを検知する。ガラス3の検知が確認されない場合は、ガラス3を吸着保持できていないため、もう一度ガラス3を吸着保持する作業を繰り返す。
【0045】
ガラス3が吸着保持機構部27にて吸着保持されたことが確認されると、ガラス保持位置調整手段23のガラス幅方向(図6X方向)へのロックを解除(ガラス縦方向はロック状態のまま)し、前記ガラス移し替え装置7をガラス幅方向に移動自在なようにフリー状態にする。その結果、第1テーブル40が手首部分6に固定された第2テーブル41に対してガラス幅方向にのみ移動自在なフリー状態となる。
【0046】
そして、前記吸着保持位置調整手段21で吸着保持したガラス3の幅方向におけるほぼ直線形状をなす対向する両端縁3a、3bを、図13(A)、図17及び図18に示すように、前記した基準ピン固定支持体70の上部に設けた基準ピンであるガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55に向かってハンドリングロボット2が予め決められた同じ距離だけ移動する。このガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55は、この幅方向の位置調整を行う際のハンドリングロボット2の基準位置から、それぞれガラス幅方向に等しい距離に配置されている。そして、前述のハンドリングロボット2が移動する距離は、ハンドリングロボット2の基準位置とガラス保持位置が一致している場合の、ガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54(55)から端縁3a(3b)の距離に略等しく設定されている。
【0047】
なお、端縁3a(3b)の縦方向に角度が付いており、複数のガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54(55)それぞれから端縁3a(3b)までの距離が異なる場合は、端縁3a(3b)から最も近いガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54(55)までの距離を、ハンドリングロボット2が移動する距離と設定することが好ましい。
【0048】
このようにガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55の位置及びハンドリングロボット2が移動する距離を設定すると、図12(B)、(C)に示すようにガラス保持位置とハンドリングロボット2の基準位置とがずれていた場合は、このガラス3の幅方向両側にそれぞれ2つずつ配置されたガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55の何れか片方にガラス3の端縁が接触することになるので、第1テーブル40が第2テーブル41に対してガラス幅方向に相対的にスライドして、前記ガラス保持位置が前記ハンドリングロボット2の基準位置に対して合致する。
【0049】
次に、回転手段ガラス3の向きを回転手段60にて90度回転させた後、今度は、ガラス保持位置調整手段23のガラス縦方向(図6Y方向)へのロックを解除(ガラス幅方向はロック状態)し、前記ガラス移し替え装置7をガラス縦方向に移動自在なようにフリー状態にする。その結果、第1テーブル40が手首部分6に固定された第2テーブル41に対してガラス縦方向にのみ移動自在なフリー状態となる。
【0050】
そして、前記吸着保持位置調整手段21で吸着保持したガラス3の縦方向における曲線形状をなす対向する両端縁3c、3dを、図13(B)に示すように、基準ピン固定支持体70の上部に設けたガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55に向かってロボットが予め決められた同じ距離だけ移動する。ハンドリングロボット2が移動する距離は、ハンドリングロボット2の基準位置とガラス保持位置が一致している場合の、ガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54(55)から端縁3c(3d)の距離に略等しく設定されている。
【0051】
なお、端縁3c(3d)が曲線形状をなしていることにより、複数のガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54(55)それぞれから端縁3c(3d)までの距離が異なる場合は、端縁3c(3d)から最も近いガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54(55)までの距離を、ハンドリングロボット2が移動する距離と設定することが好ましい。
【0052】
このようにガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55の位置及びハンドリングロボット2が移動する距離を設定すると、ガラス保持位置とハンドリングロボット2の基準位置がガラス縦方向にずれていた場合は、このガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55の何れか片方にガラス3の端縁が接触することになるので、第1テーブル40が第2テーブル41に対してガラス縦方向に相対的にスライドして、前記ガラス保持位置が前記ハンドリングロボット2の基準位置に対して合致する。
【0053】
そして、ガラス幅方向及びガラス縦方向のガラス保持位置とハンドリングロボット2との基準位置とが一致したら、ガラス保持位置調整手段23をロックして第2テーブル41に対する第1テーブル40のガラス幅方向及びガラス縦方向のスライド移動を停止させる。その結果、ガラス奥行き方向、ガラス幅方向及びガラス縦方向におけるそれぞれのガラス保持位置とハンドリングロボット2の基準位置とが、前記第2のパレット5に移し替える前に位置補正される。これで、ガラス保持位置補正動作が終了することになる。
【0054】
次に、ガラス3を正規の位置に位置決めしたらハンドリングロボット2によって第2のパレット5にガラス3を移し替える。第2のパレット5の所定位置にガラス3を配置したら吸着パッド30による吸着を解除し、当該ガラス3を第2のパレット5上に置く。そして、仕切り板倒し手段24を作動させてガラス仕切り板17を倒し、各ガラス3間をこのガラス仕切り板17にて仕切る。これらガラス位置補正動作及び第2のパレット5へのガラスの投入動作は、上述の第1のパレット4からのガラス取り出し動作と同様に、ハンドリングロボット2に予め教示されている。
【0055】
このように、車体の組み立て生産順番に従って第1のパレット4から所定のガラス3を取り出し、そのガラス3のガラス保持位置とハンドリングロボット2の基準位置とを一致させるガラス保持位置補正動作を行った後、組み立て生産順番となるように第2のパレット5に移し替えて順次配列させる作業を繰り返す。第2のパレット5にガラス3が一杯になったら搬出位置へ移動させると共に次の第2のパレット5をガラス移し替え位置に移動させる。この作業を繰り返し行うことで全てのガラス3を移し替える。
【0056】
なお、図14は、車種が異なる場合にそのガラス3A、3B、3Cの大きさに違いがあった場合は、6つある吸着パッド30のうちその幾つかの吸着パッド30を使用してガラス3A、3B、3Cを吸着保持することになる。例えば、中型車用の大きなガラス3Aに対して小型車用の小さなガラス3B、3Cに対しては、6つある吸着パッド30のうちその4つの吸着パッド30を使用してガラス3Bを保持する。
【0057】
ここで、前記したガラス3の幅方向及び縦方向のガラス保持位置をハンドリングロボット2の基準位置に合致させる補正動作としては、最初に図13(A)のガラス幅方向のほぼ直線形状をなす対向する両端縁3a、3bをガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55に接触させ、次に図13(B)のガラス縦方向の曲線形状をなす対向する両端縁3c、3dをガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55に接触させている。この補正動作の順序には、以下に記載するように大きな意味がある。
【0058】
すなわち、前記した順番とは逆に、最初に曲線形状をなす両端縁3c、3dをガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55に当て、次いで直線形状をなす両端縁3a、3bをガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55に接触させた場合には、その曲線部に対して毎回ピンの当たる位置が異なる。ハンドリングロボット2がガラス幅縦方向位置調整用基準ピン54、55に対して移動する位置及び距離は毎回同じであるが、両端縁3c、3dが曲線形状であるが故に、ピンの当たる位置が異なることで位置調整の変化が大きくなる。そのため、ピンに当てた後のガラス3の位置が所定の許容範囲を超え位置が定まらなくなる。
【0059】
これに対して、最初に直線部を当てるようにした場合は、直線部の寸法変化が少ないため、ピンに当たる位置が多少異なってもある程度ガラスの位置は許容範囲内において定まる。また、図14で示したように、曲線形状は車種の違いにより大小様々なガラス3A、3B、3Cが存在することから、最初に曲線形状をなす端縁をピンに当てて補正動作を行ってしまうと前記した不具合がより顕著に現れる。したがって、前記した本実施の形態で説明した順序で補正動作を行うことが好ましい。
【0060】
本発明のガラス移し替え方法によれば、ガラス移し替え装置7でガラス3を保持したガラス保持位置を、ハンドリングロボット2の基準位置に合致させるガラス保持位置補正動作を行うため、第1のパレット4の大きさや、この第1のパレット4上に配置されるガラス3の配置位置や、置き台8の上に配置される第1のパレット4の配置位置などにバラツキがあっても、そのバラツキをガラス保持位置補正動作によって無くすことができる。したがって、第1のパレット4から取り出したガラス3を、視覚センサなどの高価装置を使用することなく第2のパレット5に正確に配列させることができる。
【0061】
また、本発明のガラス移し替え方法によれば、ガラス位置補正動作は、ガラス奥行き方向、ガラス幅方向及びガラス縦方向のそれぞれの位置出しを行うため、正確な位置補正を行うことができ、第2のパレット5にバラツキ無くガラス3を整列させることができる。
【0062】
また、本発明のガラス移し替え方法によれば、最初にガラス3のガラス幅方向における両端縁3a,3bを基準ピン54,55に接触させてガラス保持位置をロボットの基準位置に合致させ、次にガラス3のガラス縦方向における両端縁3c,3dを基準ピン54,55に接触させてガラス保持位置をロボットの基準位置に合致させるため、大小曲率形状が異なる複数種類のガラス3に対して正確に補正動作を行うことができる。
【0063】
また、本発明のガラス移し替え方法によれば、ガラス移し替え装置7で保持したガラス3を第2のパレット5に配置した後、第2のパレット5に設けられたガラス仕切り板17を倒して各ガラス3を所定間隔に配列させているため、作業者による手作業を無くすことができる。
【0064】
本発明のガラス移し替えシステムによれば、視覚センサーなどのような撮像デバイスを用いてガラス保持位置を画像処理する複雑で面倒な処理をすることなく機械的手段である位置調整手段を備えたガラス移し替え装置7で、ガラス3を保持したガラス保持位置をハンドリングロボット2の基準位置に合致させることができるので、設備費を低減できると共にメンテナンスも容易に行うことができ、さらに第1のパレット4から第2のパレット52へガラス3を移し替えて各ガラス3を整列させることができる。
【0065】
本発明のガラス移し替え装置によれば、ガラス3を吸着保持する吸着保持機構部27とガラス3の奥行き方向のガラス保持位置をロボットの基準位置に合致させる位置調整機構部28とを備えた吸着保持位置調整手段21と、ガラス3の幅方向及び縦方向のガラス保持位置をハンドリングロボット2の基準位置に合致させるガラス保持位置調整手段23とを備えているため、視覚センサーなどのような撮像デバイスを用いてガラス保持位置を画像処理する複雑で面倒な処理をすることなく機械的手段にて位置調整できるから装置コストを低減することができる上、第1のパレット4から第2のパレット5へガラス3を移し替えて整列させることができる。
【0066】
また、本発明のガラス移し替え装置によれば、吸着保持位置調整手段21で吸着したガラス3の向きを回転させる回転手段60を備えているので、ガラス幅方向とガラス縦方向のいずれの方向での位置ずれも補正することができる。
【0067】
また、本発明のガラス移し替え装置によれば、吸着保持位置調整手段21で保持したガラス3を、基準ピン54、55、56に接触させてガラス奥行き方向、ガラス幅方向及びガラス縦方向のそれぞれの位置出しを行うため、簡単な装置構成で位置ずれを補正することができ、装置コストの低減にもなる。
【0068】
また、本発明のガラス移し替え装置によれば、吸着保持位置調整手段21で吸着したガラス3を第2のパレット5に配置した後、第2のパレット5に設けられたガラス仕切り板17を倒して各ガラス3を所定間隔に配列させる仕切り板倒し手段24を備えるので、これまで手作業で行っていた作業を自動化でき生産性能率を高めることができる。
【0069】
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、上述の実施の形態は本発明の一例であり、これら実施の形態に制限されることはない。
【0070】
前記したように、基準ピン固定支持体70を第2のパレット5の上方位置に設ける例に限らず、第1のパレット4の搬出口前段にそれぞれ設けて搬出直後に位置決めを行うようにしてもよい。また対象となるワークもガラスに限らず、鋼板や樹脂製のパネル部品等、位置調整機構部へのワークの接触の際にワーク自体が変形しない程度の剛性を有するものであれば適用可能である。
【0071】
図19から図21は、第1のパレット4に配置されたガラス3を吸着パッド30で吸着する際に、当該ガラス3がパレット奥方向(ガラス配列方向)へと倒れて吸着できなくなるのを防止するためのガラス押さえ手段を、前記したハンドリングロボット2に取り付けた例を示す。
【0072】
なお、図19、20、21では、ハンドリングロボット2に取り付けたガラス移し替え装置7に関しては、前記した実施の形態のものとほぼ同一であるが、ここでは本発明を明確なものとするために前記したガラス保持位置調整手段23は有していない。もちろん、ガラス保持位置調整手段23を設けることは可能である。
【0073】
ガラス押さえ手段80は、ハンドリングロボット2の手首部分6に固定された装置取り付けプレート本体81に固定される一対のアーム82、82の先端に取り付けられた連結アーム83の両端にそれぞれ固定されている。かかるガラス押さえ手段80は、上下動機構を構成するエアー又は油圧で動作する駆動シリンダ84と、この駆動シリンダ84のシリンダロッド85の先端に取り付けられたウレタンなどからなるパッド86とを備え、前記シリンダロッド85の進退操作によってパッド86が第1のパレット4上に起立して配置されたガラス3の上端部3eに対して接近離反するようになっている。
【0074】
このガラス押さえ手段80においては、第1のパレット4に起立して配置されるガラス3の上方に位置し、前記した吸着パッド30でガラス3を吸着する前に駆動シリンダ84を動作させて前記パッド86を下降させ、当該ガラス3の上端部3eにパッド86を押し付ける。こうすることで、ガラス3は、上端部3eがパッド86で押し付けられると共に下端部3dが前記した第1のパレット4のガラス配置溝10に押し付けられ、がたつくことなく安定する。ガラス3が安定して保持された状態となった時点で、前記装置取り付けプレート本体81に取り付けられたスライド装置87にて、前記吸着保持位置調整手段21を前記ガラス3に接近させ吸着パッド30にて当該ガラス3を吸着保持する。このとき、ガラス押さえ手段80にて前記ガラス3が第1のパレット4に押し付けられているので、該ガラス3がパレット奥行き方向に動くことなく安定して吸着パッド30にて吸着保持される。
【0075】
このように、本実施の形態によれば、ガラス押さえ手段80をハンドリングロボット2に取り付けることで、第1のパレット4から吸着保持位置調整手段21でガラス3を吸着保持する際に、当該ガラス3を安定して保持することができるので、ガラス3の吸着作業を確実に行うことができる。また、本実施の形態によれば、複数ある第1のパレット4毎にガラス3を保持するための装置を設ける必要が無いため、設備費用の低減も図れる。
【0076】
図22及び図23は、第1のパレット4から取り出したガラスを第2のパレットに投入する際に、投入したガラスの重さに連動して仕切り板を自動的に倒すようにした仕切り板倒し手段を第2のパレットに設けた例を示す。前述した実施の形態では、第2のパレット5にガラス3を投入した後に、ハンドリングロボット2に取り付けた仕切り板倒し手段24にてガラス仕切り板17を倒したが、ここではガラス3の荷重を利用してガラス仕切り板17を倒すようにする。
【0077】
仕切り板倒し手段は、ガラス3を第2のパレット5に投入したときに、該ガラス3の荷重を受けて回転するリンクプレート88と、このリンクプレート88に一端が固定され且つガラス仕切り板17を固定した回転部材89に他端が固定されるワイヤ90とを備える。
【0078】
リンクプレート88は、図24及び図25に示すように、一方向に延びる第1アーム88Aと、全体の形態が平面視略V字形状をなすように他方向に延びる第2アーム88Bとから形成されている。かかるリンクプレート88は、パレット底部に設けた一対のガラス配置支持部材15、15にそれぞれ固定されたフランジ91に対して、そのV字形状をなすV字部を中心として回転自在に取り付けられている。具体的には、フランジ91に取り付けられた回転支持軸92に、前記リンクプレート88のV字部を取り付けることにより、前記リンクプレート88を前記フランジ91に対して回転自在としている。
【0079】
そして、このリンクプレート88の第1アーム88Aの先端には、第2のパレット5に投入されるガラス3の下端部3dが断面略台形状をなすガラス配置溝16に挿入される直前に当接するローラ93が設けられている。かかるローラ93は、ガラス3との当接によってリンクプレート88を回転させるためのもので、第1アーム88Aに対して回転自在または回転不可能に取り付けられている。一方、第2アーム88Bの先端には、ワイヤ90の一端を固定するためのワイヤ取付孔94が形成されている。
【0080】
なお、リンクプレート88は、前記ガラス配置支持部材15の長手方向に沿ってこの第2のパレット5に投入配置される複数枚のガラス3を仕切るに足る数だけ設けられている。
【0081】
ガラス仕切り板17は、図26及び図27に示すように、パレットの支柱18、18間に固定された支持軸19に回転自在に取り付けられた回転部材89に溶接するなどして接合されている。かかるガラス仕切り板17は、前記した実施の形態と同様、第2のパレット5に投入されたガラス3を仕切る役目をするものであり、同様に第2のパレット5に投入される複数枚のガラス3を仕切るに足る数だけ設けられている。この回転部材89には、ガラス仕切り板17の他に、ワイヤ90を介して前記したローラ93側の重量とバランスさせるためのウェイト95が取り付けられている。
【0082】
ワイヤ90は、一端がリンクプレート88のワイヤ取付孔94に縛られることで固定され、他端が回転部材89に設けられたワイヤ固定部96に縛られて固定されている。また、かかるワイヤ90は、リンクプレート88と回転部材89との間で、支柱18、18間基端側に固定されたシャフト97に回転自在に取り付けられた中継ローラ98に掛けられており、全体として見ると略L字状に配索されている。なお、中継ローラ98とワイヤ90も同様、第2のパレット5に投入される複数枚のガラス3を仕切るに足る数だけ設けられている。
【0083】
このように構成された仕切り板倒し手段を備えた第2のパレット5にガラス3を投入した場合には、ガラス3の下端部3dが、前記ガラス配置溝16に案内されながらリンクプレート88に設けられたローラ93を下方へと押し下げて行く。ガラス3が第2のパレット5に投入されるときの荷重を前記ローラ93が受けると、リンクプレート88は、回転支持軸92を中心として回転し、前記ワイヤ90を図22中矢印A方向に引っ張る。すると、ワイヤ90は、シャフト97に対して回転する中継ローラ98を介して前記支持軸19に回転可能に取り付けられた回転部材89を回転させる。その結果、回転部材89に接合されたガラス仕切り板17は、起立したガラス投入前状態からほぼ水平方向に倒れ、ガラス配置溝16に配置完了されたガラス3を支えることになる。
【0084】
本実施の形態によれば、ガラス移し替え装置7で保持したガラス3を第2のパレット5に配置するに際して、投入したガラス3の重さに連動して前記第2のパレット5に設けられたガラス仕切り板17を倒して各ガラス3を所定間隔に配列しているので、前記実施の形態で使用した専用の仕切り板倒し手段24が不要になり、装置構成の簡略化並びに設備費用を大幅に低減することができる。また、本実施の形態によれば、前述の仕切り板倒し手段24が不要であるため、誤って第1のパレット4と仕切り板倒し手段24とが干渉することも回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1のパレットに配置されたガラスをロボットに取り付けられたガラス移し替え装置によって第2のパレットへ移し替えるガラス移し替えシステムの配置図である。
【図2】第1のパレットの平面図である。
【図3】第1のパレットの正面図である。
【図4】第2のパレットを示し、(A)は斜視図、(B)は倒す前の状態を示すガラス仕切り板の正面図、(C)は倒れた状態を示すガラス仕切り板の正面図である。
【図5】第2のパレットの正面図である。
【図6】ガラス移し替え装置の平面図である。
【図7】ガラス移し替え装置の正面図である。
【図8】ガラス移し替え装置の側面図である。
【図9】吸着保持位置調整手段の拡大図である。
【図10】ガラス有無検知手段の拡大図である。
【図11】仕切り板倒し手段の拡大図である。
【図12】ガラス保持位置とロボットの基準位置を示す状態図であり、(A)はガラス保持位置とロボットの基準位置が一致した状態、(B)はそれらの位置がガラス幅方向左にずれている状態、(C)はそれらの位置がガラス幅方向右にずれいている状態を示す。
【図13】ガラス幅方向及びガラス縦方向におけるガラス保持位置とロボットの基準位置とを位置調整する調整方法を示し、(A)はガラス幅方向の位置調整、(B)はガラス縦方向の位置調整を示す図である。
【図14】車種又は仕様によって異なるガラスを吸着保持位置調整手段で吸着するときの状態を示す図である。
【図15】ガラスの奥行き方向のガラス保持位置をハンドリングロボットの基準位置に合致させる動作の一動作状態を示す平面図である。
【図16】ガラスの奥行き方向のガラス保持位置をハンドリングロボットの基準位置に合致させる動作の一動作状態を示す正面図である。
【図17】ガラスの幅方向及び縦方向のガラス保持位置をハンドリングロボットの基準位置に合致させる動作の一動作状態を示した斜視図である。
【図18】ガラスの幅方向及び縦方向のガラス保持位置をハンドリングロボットの基準位置に合致させる動作の一動作状態を示した側面図である。
【図19】ガラス押さえ手段を備えたガラス移し替え装置の平面図である。
【図20】ガラス押さえ手段を備えたガラス移し替え装置の正面図である。
【図21】ガラス押さえ手段を備えたガラス移し替え装置の側面図である。
【図22】ガラスの荷重に連動してガラス仕切り板を倒す仕切り板倒し手段を備えた第2のパレットの正面図である。
【図23】ガラスの荷重に連動してガラス仕切り板を倒す仕切り板倒し手段を備えた第2のパレットの側面図である。
【図24】図22に示す仕切り板倒し手段を構成するリンクプレート取り付け部分を拡大して示す正面図である。
【図25】図22に示す仕切り板倒し手段を構成するリンクプレート取り付け部分を拡大して示す側面図である。
【図26】図22に示す仕切り板倒し手段を構成するガラス仕切り板取り付け部分を拡大して示す側面図である。
【図27】図22に示す仕切り板倒し手段を構成するガラス仕切り板取り付け部分を拡大して示す正面図である。
【符号の説明】
【0086】
2…ハンドリングロボット(ロボット)
3…ガラス(3A〜3H)
4(4A〜4H)…第1のパレット
5(5A〜5H)…第2のパレット
6…手首部分(ハンドリングロボットの手首部分)
7…ガラス移し替え装置
8…台車
17…ガラス仕切り板
20…被跳ね上げ棒
21…吸着保持位置調整手段
22…ガラス有無検知手段
23…ガラス保持位置調整手段
24…仕切り板倒し手段
25…ハンドフレーム
27…吸着保持機構部(保持機構部)
28…位置調整機構部
30…吸着パッド
35…検出スイッチ
40…第1テーブル(ガラス保持位置調整手段)
41…第2テーブル(ガラス保持位置調整手段)
46…第1アーム(仕切り板倒し手段)
47…第2アーム(仕切り板倒し手段)
48…駆動シリンダ(仕切り板倒し手段)
54、55…ガラス幅縦方向位置調整用基準ピン(基準ピン)
56…ガラス奥行き方向位置調整用基準ピン(基準ピン)
70…基準ピン固定支持体
80…ガラス押さえ手段
84…駆動シリンダ(ガラス押さえ手段)
86…パッド(ガラス押さえ手段)
88…リンクプレート(仕切り板倒し手段)
89…回転部材(仕切り板倒し手段)
90…ワイヤ(仕切り板倒し手段)
95…ウェイト(仕切り板倒し手段)
98…中継ローラ(仕切り板倒し手段)
56…ガラス奥行き方向位置調整用基準ピン(基準ピン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパレットに配置されたワークをロボットに対して移動可能に取り付けられた移し替え装置により取り出し、第2のパレットに移し替えるワーク移し替え方法であって、
予め教示された前記ロボットの教示動作を行って前記移し替え装置により前記第1のパレットから所定のワークを取り出して位置調整部近傍に搬送し、前記ロボットの動作により前記ワークを保持した前記移し替え装置を予め定められた所定距離だけ前記位置調整部に向かって移動させて前記ワークを前記位置調整部に接触させ、前記ワークを保持した状態の前記移し替え装置を前記ロボットに対して移動させて、前記移し替え装置で前記ワークを保持したワーク保持位置を前記ロボットの基準位置に合致させるワーク保持位置補正動作を行う
ことを特徴とするワーク移し替え方法。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク移し替え方法であって、
前記ワークは略四辺形形状を成す平板状ワークであり、
前記ワーク保持位置補正動作は、前記位置調整部に前記移し替え装置で保持した前記ワークを接触させてワーク奥行き方向、ワーク幅方向及びワーク縦方向のそれぞれの位置出しを行う
ことを特徴とするワーク移し替え方法。
【請求項3】
請求項2に記載のワーク移し替え方法であって、
前記ワークは対向する1組の直線端縁と対向する1組の曲線端縁とを有し、
前記直線端縁を前記位置調整部に接触させて前記ワーク保持位置を前記ロボットの基準位置に合致させ、次に前記曲線端縁を前記位置調整部に接触させて前記ワーク保持位置を前記ロボットの基準位置に合致させる
ことを特徴とするワーク移し替え方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一つに記載のワーク移し替え方法であって、
前記移し替え装置で保持した前記ワークを前記第2のパレットに配置した後、前記第2のパレットに設けられた仕切り板を倒して各ワークを所定間隔に配列させる
ことを特徴とするワーク移し替え方法。
【請求項5】
請求項1に記載のワーク移し替え方法であって、
前記ロボットに取り付けられたワーク押さえ装置で、前記第1のパレットに配置されたワークを押さえ付け位置決め固定した状態で、前記移し替え装置にて前記ワークを取り出す
ことを特徴とするワーク移し替え方法。
【請求項6】
請求項1に記載のワーク移し替え方法であって、
前記移し替え装置で保持したワークを前記第2のパレットに配置するに際して、投入したワークの重さに連動して前記第2のパレットに設けられた仕切り板を倒して各ワークを所定間隔に配列させる
ことを特徴とするワーク移し替え方法。
【請求項7】
ロボットと、
前記ロボットの近傍に複数配置され、各パレット上には同一種類の車体組み立て用ワークが複数配置されると共に、各パレット毎に車種又は仕様によって異なる種類のワークを配置させた第1のパレットと、
前記第1のパレットから前記ワークが移し替えられて順次配列される第2のパレットと、
前記ロボットに対して移動可能に取り付けられ、各パレット毎で異なる種類とされたワークの中から車体の組み立て生産順番に従って所望の第1のパレットから所定のワークを取り出した後、前記第2のパレットにワークを移し替える移し替え装置と、
前記移し替え装置が保持したワークの位置調整を行う位置調整部と、を備え、
予め教示された前記ロボットの教示動作を行って前記第1のパレットから所定のワークを取り出して前記位置調整部近傍に搬送し、前記ロボットの動作により前記ワークを保持した前記移し替え装置を予め定められた所定距離だけ前記位置調整部に向かって移動させて前記ワークを前記位置調整部に接触させ、前記ワークを保持した状態の前記移し替え装置を前記ロボットに対して移動させ、前記移し替え装置で前記ワークを保持したワーク保持位置を前記ロボットの基準位置に合致させるワーク保持位置補正動作を行う
ことを特徴とするワーク移し替えシステム。
【請求項8】
第1のパレットに配置されたワークを取り出し第2のパレットへ移し替えるワーク移し替え装置であって、
ロボットの手首部分に取り付けられた前記ワークを保持する保持機構部と、
前記ロボットの手首部分と前記保持機構部との間に設けられ、前記ワークを保持した前記保持機構部を前記ロボットに対して移動させる位置調整機構とを備えた
ことを特徴とするワーク移し替え装置。
【請求項9】
請求項8に記載のワーク移し替え装置であって、
前記ワークの奥行き方向のワーク保持位置を前記ロボットの基準位置に合致させる位置調整機構を備えた
ことを特徴とするワーク移し替え装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のワーク移し替え装置であって、
前記保持機構部で保持した前記ワークの有無を検知するワーク有無検知手段を備えた
ことを特徴とするワーク移し替え装置。
【請求項11】
請求項8から請求項10の何れか一つに記載のワーク移し替え装置であって、
前記保持機構部で保持した前記ワークの向きを回転させる回転手段を備えた
ことを特徴とするワーク移し替え装置。
【請求項12】
請求項8から請求項11の何れか一つに記載のワーク移し替え装置であって、
前記ワークは略四辺形形状を成す平板状ワークであり、
前記保持機構部で保持した前記ワークを、位置調整部に接触させてワーク奥行き方向、ワーク幅方向及びワーク縦方向のそれぞれの位置調整を行う位置調整機構を備えた
ことを特徴とするワーク移し替え装置。
【請求項13】
請求項8から請求項12の何れか一つに記載のワーク移し替え装置であって、
前記保持機構部で保持した前記ワークを前記第2のパレットに配置する際に、前記第2パレットに設けられた仕切り板を倒して各ワークを所定間隔に配列させる仕切り板倒し手段を有した
ことを特徴とするワーク移し替え装置。
【請求項14】
請求項8から請求項13の何れか一つに記載のワーク移し替え装置であって、
前記ワークを押し付けその下端部を前記第1のパレットに押し当てて位置決め固定するワーク押さえ手段を備えた
ことを特徴とするワーク移し替え装置。
【請求項15】
請求項14に記載のワーク移し替え装置であって、
前記ワーク押さえ手段は、前記第1のパレットに設けられたワーク配置溝に下端部を配置して起立した前記ワークの上端部を押し付けるパッドと、このパッドを上下動させて前記ワークに対する押し付け力を調整する上下動機構とを備え、前記保持機構部でワークを保持する前に前記ワークを前記パッドで押し付ける
ことを特徴とするワーク移し替え装置。
【請求項16】
請求項13に記載のワーク移し替え装置であって、
前記仕切り板倒し手段は、前記ワークを前記第2のパレットに投入したときに、該ワークの荷重を受けて回転するリンクプレートと、このリンクプレートに一端が固定され且つ前記仕切り板を固定した回転部材に他端が固定されるワイヤとを備え、前記リンクプレートが回転し前記ワイヤを引っ張っることで前記回転部材を回転させて前記仕切り板を倒す
ことを特徴とするワーク移し替え装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−136659(P2007−136659A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2006−215567(P2006−215567)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】