説明

不快味を効果的に隠蔽した経口用速溶フィルム

【課題】口腔内で迅速に溶ける経口用速溶フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の経口用速溶フィルムは、ステビオシド系甘味料と高甘味度甘味料が1:3〜3:1の比率(w/w)で含有されており、薬物の不快味を効果的に遮蔽し、水なしでも口腔内で速く溶かして飲める後味改善効果、すなわち患者の服用コンプライアンスを高めた経口用速溶フィルムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不快味を効果的に隠蔽した経口用速溶フィルムに係り、さらに詳しくは、ステビオシド系甘味料と高甘味度甘味料が1:3〜3:1の比率(w/w)で含有されており、薬物の不快味を効果的に遮蔽し、水なしでも口腔内で速く溶かして飲める後味改善効果、すなわち患者の服用コンプライアンスを高めた、経口用速溶フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、寿命延長により高齢人口の社会的構成比率が増加しているが、これらの高齢者は、薬物動態学的変化だけでなく、視力、聴力、記憶力および肉体的能力が退歩した状態であるため、適切な薬物治療が必要である。特に、高齢者は一般錠剤またはカプセル剤の服用が困難である。よって、高齢者のための経口投与剤の代替製剤が求められている。
【0003】
口腔内で容易に崩壊または溶解される速溶フィルムは、水なしでも服用することができるので、錠剤またはカプセル剤を服用することが難しい老人だけでなく、子供、障害者、ベッドに寝たきりの患者、および忙しい現代人にも非常に有用な製剤である。老人と子供に錠剤またはカプセル剤の代用として液剤処方が可能であるが、液状製剤は、安定性に劣るうえ、用量が正確でないという欠点がある。
特に、薬物が口腔粘膜に吸収される場合、肝初回通過も回避することができるので、速溶フィルムは、消化管から吸収される薬物のうち、肝代謝を多く受ける薬物に対しても適用することができる。
【0004】
ところが、口腔内で容易に溶けるフィルム製剤は、口腔粘膜を介して薬物が吸収されるので、薬物吸収の際に苦味および不快味を遮蔽する対策が必要である。
特許文献1は、味遮断剤としてのイオン交換樹脂に活性成分を吸着させて速溶性の経口消耗フィルムを製造した。ところが、イオン交換樹脂が水溶性高分子に含まれるため、成形の際にスクラッチが発生するおそれがあり、作業も複雑である。
特許文献2は、炭酸水素ナトリウムなどの二酸化炭素生成物質を含有させて味をマスキングしている。炭酸水素ナトリウムの場合、苦味の強い薬物には隠蔽に限界がある。
特許文献3は、口腔粘膜に付着せずに崩壊して胃に入るフィルム剤形を開示している。ところが、この場合、口腔粘膜の吸収を最大限防止する製法を使用するため、製造方法が複雑であり、口腔吸収による胃腸管保護などの効果を得ることができない。
特許文献4は、多様なコーティング技術を用いて活性物質をコートし、これをフィルム形成剤に投入して均一なフィルムを製造している。これもコーティング工程が製造を複雑にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2001/070194号
【特許文献2】国際公開第2003/070227号
【特許文献3】国際公開第2008/040534号
【特許文献4】米国特許第2008/0044454号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、かかる欠点を解決するために努力した結果、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースおよびネオテームのいずれか一つ、ステビオシドおよびその誘導体を併用して使用することにより、製造方法の大きな変化なしで苦味および不快味を遮蔽することができた。
すなわち、本発明者は、上述した従来の技術の問題点を解決し、最も好ましい形態の活性成分含有口腔速溶フィルムを開発するために研究を重ねた結果、高甘味度甘味料のうち、後甘味が特に高いステビオシドおよびその誘導体を既知の高甘味度甘味料と併用して投与することにより、別途のコーティング工程なしで不快味を効果的に遮蔽することができることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
したがって、本発明の目的は、治療学的有効量の医薬的活性成分、ステビオシドおよびステビオシド誘導体、1種以上の高甘味度甘味料、フィルム形成剤、並びに1種以上の薬学的に許容される添加剤を含有する経口用速溶フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、治療学的有効量の医薬的活性成分の不快味を効果的に遮蔽させるうえ、口腔内で迅速に溶ける口腔速溶フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、1種以上の水溶性高分子、1種以上の医薬的活性成分、後味改善剤としてのステビオシド系甘味料、および味遮断剤としての1種以上の高甘味度甘味料(第1甘味剤)を含む、経口用速溶フィルムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の経口用速溶フィルムは、不快味遮断効果に優れるうえ、低コストおよび単純化された製法で容易に製造することができるので、口腔内の清潔のための洗口剤、口臭除去剤、栄養補充物伝達剤、並びに口腔および胃腸管内における薬物の吸収のための舌上溶解性製剤として有用に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】pH1.2で実施例9によって製造された経口用速溶フィルムと対照薬(グラクソ・スミスクライン社のゾフランザイディス錠、8mg)の比較溶出実験結果を示す。
【図2】オンダンセトロンフィルム製剤(8mg)とゾフランザイディス錠(8mg)を用いた薬物動態試験により得られた血中濃度プロファイルを示す。
【図3】クエン酸シルデナフィルフィルム製剤(25mg)とバイアグラ錠(25mg)を用いた血中濃度比較プロファイルを示す。
【図4】モンテルカストナトリウムフィルム製剤(5mg)とシングレアチュアブル錠(5mg)を用いたビーグル犬における血中濃度プロファイルを示す。
【図5】本発明の一実施例に係る高甘味度甘味料(第1甘味料)の種類別甘味プロファイルを示す。図5によれば、アセスルファムカリウム(ACK)、アスパルテーム(AST)、ステビオシド(STS)の順に甘味発現速度が遅くなる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、医薬的活性成分を含有しながら不快味を効果的に遮蔽させるうえ、口腔内で迅速に溶ける口腔速溶フィルム組成物に関する。
【0012】
本発明に係る好適な速溶フィルムは、医薬的活性成分、ステビオシドおよび/またはステビオシド誘導体、1種以上の高甘味度甘味料(第1甘味剤)、フィルム形成剤、並びに1種以上の下記追加成分を含む。
前記追加成分としては、唾液刺激剤、増粘剤、充填剤、可塑剤、第2甘味剤、酸味剤、香料、乳化剤、界面活性剤、結合剤、保全剤、着色剤、冷却剤などの薬学的に許容される添加剤が含まれる。次に、これらの成分を詳しく説明する。
【0013】
本発明では、不快味を示す薬物と高甘味度甘味料(第1甘味剤)と後味を改善するステビオシドおよびその誘導体を水または油に溶解させて乳化させ、水溶性高分子およびその他の添加剤と混合して速溶フィルムを成形する。
【0014】
本発明の速溶フィルムは、高甘味度甘味料としての第1甘味剤を含む。
一実施例において、前記高甘味度甘味料(第1甘味剤)は、アスパルテーム、アセスルファム塩、スクラロース、サッカリン塩、ネオテーム、サイクラミン酸塩、タウマチン、羅漢果抽出物、および甘草抽出物からなる群から選ばれる1種以上の高甘味度甘味料でありうる。好ましくは、アスパルテーム、スクラロース、ネオテームおよびアセスルファム塩から選ばれる1種以上の高甘味度甘味料である。
【0015】
不快味が強い薬品の場合には、後味から特に苦味および不快味が強く感じられるので、全体重量に対し0.1〜10重量%(w/w)のステビオシド系甘味料、すなわちステビオシドおよび/またはその誘導体を併用すると、苦味および不快味を遮蔽することができる。
ステビオシドの具体的な例としては、(株)デピョンから生産されるステンビテンライト(ステビオシド98%以上)、ステンビテンリッチ(酵素処理ステビア100%)、ステビア抽出物REB−A73%(レバウジオシドA73%以上)およびレバテン97%(レバウジオシドA97%)などを挙げることができる。
前記において、酵素処理ステビアは、糖転移酵素を用いてステビア抽出物にグルコースを付加した製品であって、ステビオシドの固有な苦味を減らし且つ溶解性を高めた味質改善品である。また、レバテン97%は、ステビアの甘味成分の7種のうち最も甘味度が高く、甘味質に優れた成分であって、ステビアから別途の分離操作によって生産される。
高甘味度甘味料の経時最大甘味は、図5から分かるように、アセスルファムカリウムが最も先に発現され、アスパルテーム、スクラロース、ステビオシドの順に最大甘味が発現される。よって、薬物が口腔で吸収されてから残ったときに感じられる不快味の制御には甘味が遅く発現されるステビオシドが好ましい。
【0016】
本発明の経口用速溶フィルムは水溶性高分子を含む。
前記水溶性高分子は、プルラン、ゼラチン、ペクチン、低粘度ペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、メタクリル酸メチル共重合体、カルボキシビニル重合体、ポリエチレングリコール、アルギン酸、低粘度アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラギナン、変性澱粉、カゼイン、乳漿タンパク分離物、大豆タンパク分離物、ゼイン、レバン、エルシナン、グルテン、アカシアガム、カラギナン、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ゲランガムおよび寒天からなる群から選ばれる1種以上の水溶性高分子でありうる。好ましくは、前記水溶性高分子は、プルラン、ゼラチン、ペクチン、低粘度ペクチン、低粘度アルギン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび変性澱粉からなる群から選ばれる1種以上の水溶性高分子である。
前記水溶性高分子は、速溶フィルムの全体重量に対し50〜90重量%(w/w)、好ましくは60〜80重量%(w/w)、より好ましくは60〜70重量%(w/w)を含有することができる。
【0017】
本発明の速溶フィルムに使用される医薬的活性成分は、経口投与される医薬的活性成分であればいずれも構わないが、特に速やかに溶解することにより薬効を迅速に現わすことが可能な薬物が好ましい。例えば、グリメピリド、ピオグリタゾンなどの糖尿病治療剤;ゾルピデム、エスゾピクロンなどの不眠症治療剤;トロテロジン、トロスピウムなどの泌尿生殖器治療剤;シブトラミンなどの肥満治療剤;ストレプトキナーゼなどの酵素剤;オメプラゾールなどの消化性潰瘍用剤;テオフィリン、グレンブテロールなどの鎮咳去痰剤;フィナステリドなどの皮膚疾患治療剤;オンダンセトロンなどの抗嘔吐剤;フルオキセチンなどの抗うつ剤;塩酸フェキソフェナジンなどの抗ヒスタミン剤;アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、メロキシカムなどの解熱鎮痛消炎剤;テストステロンなどのホルモン製剤;フェロジピン、アトルバスタチン、カンシル酸アムロジピン、ドキサゾシン、シンバスタチン、レルカニジピンなどの循環器用治療剤;ファモチジン、ラニチジン、ランソプラゾールなどの消化器官用治療剤;アムロジピン、ニトログリセリンなどの心臓血管剤;パロキセチンなどの精神神経用剤;シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルなどの勃起不全治療剤;ドネペジルなどのアルツハイマー治療剤;骨粗しょう症治療剤;関節炎治療剤;てんかん治療剤;筋肉弛緩剤;脳機能改善剤;精神分裂症治療剤;免疫抑制剤;アンピシリン、アモキシシリンなどの抗生剤;抗癌剤;抗癌治療補助剤;ワクチン剤;洗口剤;貧血治療剤;便秘治療剤;アレルギー治療剤;血液凝固防止剤;経口用ワクチン;メラトニン;ビタミン;栄養剤;乳酸菌製剤;総合風邪薬;または健康機能食品などを含むことができる。
【0018】
前記医薬的活性成分は、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、第4級アンモニウム塩、亜鉛化合物、サンギナリン、フルオライド、アレキシジン、オクテニジン、EDTA、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジフルニサル、フェノプロフェンカルシウム、ナプロキセン、トルメチンナトリウム、インドメタシン、ベンゾナテート、カラミフェン、エジシレート、メントール、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸クロフェジアノール、ジフェンヒドラミン、シュードエフェドリン、フェニルエフェリン、フェニルプロパノールアミン、硫酸シュードエフェドリン、マレイン酸ブロムフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸デキスクロルフェラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、コハク酸ドキシラミン、塩酸プロメタジン、マレイン酸ピリラミン、クエン酸トリペレンアミン、塩酸トリプロリジン、アクリバスチン、ロラタジン、ブロムフェニラミン、デキスブロムフェラミン、グアイフェネシン、イペカック、ヨウ化カルシウム、テルピンヒドラート、ロペラミド、ファモチジン、ラニチジン、オメプラゾール、ランソプラゾール、脂肪族アルコール、ニコチン、カフェイン、ストリキニン、ピクロトキシン、ペンチレンテトラゾール、フェニルヒダントイン、フェノバルビタール、プリミドン、カルバマゼピン、エトスクシミド、メトスクシミド、フェンシクシミド、トリメタジオン、ジアゼパム、ベンゾジアゼピン、フェナセミド、フェネトリド、アセタゾラミド、スルチアム、ブロマイド、レボドパ、アマンタジン、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルヒネ、メトポン、オキシモルフォン、レボルファノール、コデイン、ヒドロコドン、キシコドン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、サリチレート、フェニルブタゾン、インドメタシン、フェナセチン、クロルプロマジン、メトトリメプラジン、ハロペリドール、クロザピン、レセルピン、イミプラミン、トラニルシプロミン、フェネルジン、リチウム、アポモルヒネ、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、オンダンセトロン、ドネペジル、酒石酸ゾルピデム、グラニセトロン、モンテルカスト、ホルコジン、ブチルスコポラミン、クエン酸フェンタニル、塩酸オキシコドン、塩酸ブプレノルフィン、シュウ酸エスシタロプラム、酒石酸リバスチグミン、エソメプラゾールマグネシウム、アリピプラゾール、ゾルミトリプタン、安息香酸リザトリプタン、テルミサルタン、リスペリドン、ベンゾカイン、塩酸セチリジン、塩酸バンブテロール、臭化水素酸ガランタミン、塩酸レルカルジピン、塩酸パロキセチン、メロキシカム、酒石酸トルテロジンおよびドキサゾシンメシラート、および薬学的に許容されるこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上の成分でありうる。
【0019】
前記オンダンセトロン塩が塩酸オンダンセトロンの場合、前記塩酸オンダンセトロンを医薬的活性成分として含む経口用速溶フィルムは生物学的同等性を持つことができる。
前記モンテルカスト塩がモンテルカストナトリウムの場合、前記モンテルカストナトリウムを医薬的活性成分として含む経口用速溶フィルムは生物学的同等性を持つことができる。
前記シルデナフィル塩がクエン酸シルデナフィルの場合、前記クエン酸シルデナフィルを医薬的活性成分として含む経口用速溶フィルムは生物学的同等性を持つことができる。
【0020】
前記活性成分は速溶フィルムの全体重量に対し0.1〜30重量%(w/w)、好ましくは10〜20重量%(w/w)で含有することができる。
【0021】
前記充填剤は、口腔でフィルムがぬらぬらする特性を減少させ、フィルムに骨格を与える役目をする。また、フィルム同士が貼着される性質も減少させ、粘つき、口腔におけるフィルムの分解速度と薬物の溶出速度を調節することができる。前記充填剤は速溶フィルムの全体重量に対し1〜15重量%(w/w)で添加できる。
一具体例として、前記充填剤は、微細結晶セルロース、セルロース重合体、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、石灰石粉、ケイ酸塩、粘土、滑石、二酸化チタニウムおよびリン酸カルシウムからなる群から選ばれる一つ以上の成分でありうる。
【0022】
前記可塑剤はフィルムの柔軟性を調節するときに使用できる。可塑剤は速溶フィルムの全体重量に対し0.1〜15重量%(w/w)で添加できる。
一具体例として、前記可塑剤は、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、水添水飴、水飴、グリセリン、トリアセチン、オレイン酸グリセロール、蔗糖脂肪酸エステルおよび中鎖脂肪酸からなる群から選ばれる1種以上の成分でありうる。
【0023】
本発明の速溶フィルムは第2甘味剤を含んでもよい。前記第2甘味剤は食用フィルムの全体重量に対し0.1〜10重量%(w/w)で添加できる。
一具体例して、前記甘味剤は、砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、デキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、クラスターデキストリン、難消化性デキストリン、水添難消化性デキストリン、転化糖、果糖、ラクトース、ガラクトース、水飴、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリトリトール、水添水飴、マンニトール、およびトレハロースからなる群から選ばれる一つ以上の成分でありうる。
【0024】
また、本発明の経口用速溶フィルムは酸味剤をさらに含んでもよい。酸味剤は甘味剤と共に味を調節し、食用フィルムがよく溶けるように唾の発生を刺激する役目をすることができる。前記酸味剤は速溶フィルム組成物の全体重量に対し0.1〜10重量%(w/w)で添加できる。
一具体例として、前記酸味剤は、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、アジピン酸および乳酸からなる群から選ばれる1種以上の成分でありうる。
【0025】
また、本発明の経口用速溶フィルムは香料をさらに含んでもよい。本発明の速溶フィルムは、口腔内で溶解させて吸収される製品であるから、適切な香りを加える必要がある。前記香料は天然香料、人工香料またはこれらの混合物であってもよい。
天然香料は植物の葉、花、実などからの抽出物、植物のオイルなどでありうる。植物のオイルはスペアミント油、桂皮油、ペパーミント 油 、レモン油、丁子(clove)油、ベイ(bay)油、タイム(thyme)油、ニオイヒバ(cedar leaf)油、ナツメグ(nutmeg)油、セージ(sage)油、アーモンド(almond)油などを含む。また、人工香料としてはレモン、オレンジ、ブドウ、ライム、イチゴなどの果物の人工合成果物香およびバニラ、チョコレート、コーヒー、ココア、松葉、朝鮮人参、紅参、シトラスなどの人工合成香が使用できる。
香料は、通常使用される香料の形態、種類および所望の強度といった多数の因子によってその使用量が異なり、一般的に速溶フィルムの全体重量に対し1〜15重量%(w/w)で含むことができる。
【0026】
オイルタイプの香料は、水溶性物質と混合されるようにするために、乳化剤を共に使用することができる。乳化剤は、香料の種類および量によってその含量が調節でき、一般的に速溶フィルムの全体重量に対し0.1〜10重量%(w/w)で添加できる。
一具体例として、前記乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチン、ポリソルベート、ソルビタン脂肪酸エステルおよびプロピレングリコールからなる群から選ばれる1種以上の成分でありうる。
【0027】
また、本発明の経口用速溶フィルムは製品に応じる色素を含んでもよい。色素は、必要に応じてその含量を適切に調節することができ、一般的に食用フィルムの全体重量に対し0.01〜10重量%(w/w)で添加できる。前記色素は天然または合成色素でありうる。
【0028】
また、本発明の経口用速溶フィルムは清涼剤をさらに含んでもよい。清涼剤は、これに限定されるものではないが、例えば、WS3、WS23またはクエストアイス−Lでありうる。清涼剤は、必要に応じてその含量を適切に調節することができ、一般的に速溶フィルムの全体重量に対し0.01〜5重量%(w/w)で添加できる。
【0029】
また、本発明は前記経口用速溶フィルム組成物を含む速溶フィルムを提供する。
本発明の経口用速溶フィルムは、非常に薄い膜状態で、適切な範囲の引張強度と強靭性を維持する薄膜フィルムを形成することが好ましい。一具体例として、本発明の速溶フィルムの厚さは20μm〜200μmであり、好ましくは40μm〜100μmである。
また、本発明は経口用速溶フィルムの製造方法を提供する。
【0030】
一具体例として、本発明の速溶フィルムの製造方法は、
(1)医薬活性成分、2種の高甘味度甘味料および水溶性高分子を含む速溶フィルム組成物を製造し;
(2)前記食用フィルム組成物を成形器に投入して50〜80℃でフィルムを成形し;
(3)前記成形されたフィルムを相対湿度50〜70%で1日〜10日間熟成させることを含むことができる。
【0031】
本発明に係る食用フィルムの製造方法は、例えば次の工程によって行われ得る。
(1)造液工程
a)第1溶液製造工程:水溶性高分子をそれぞれ沸騰水に入れて完全に溶解させる。
b)第2溶液製造工程:色素、甘味剤、酸味剤、充填剤などの添加剤を混合した第2溶液を製造する。
c)第3溶液製造工程:活性成分、メントール、香料および清涼剤を乳化剤と混合して第3溶液を製造する。
d)第4溶液製造工程:前記第2溶液と前記第3溶液を混ぜて第4溶液を製造する。
e)第5溶液製造工程:温度を60℃以上に上げ、前記第1溶液と前記第4溶液を混ぜて第5溶液を製造する。
(2)成形工程
前記第5溶液を濾過した後、成形器に投入してフィルムを成形する。この際、前記成形器を50〜80℃の温度にし、ベルトドラムドライヤーを介してロールの形で製造される。
(3)熟成工程
成形されたフィルムは、相対湿度50〜70%で1日〜10日程度の熟成工程を経てスリッティングまたは切断に適切な水分を含有する。この際の水分含量は8〜12%が好ましい。
前記製造方法の後続工程として下記の工程がさらに行われてもよい。
(4)カット工程
熟成したロールは小さいロールにスリッティングし、適切なサイズに切断して小さい容器またはアルミニウム包装紙に充填する。
【0032】
(5)包装工程
充填された小さい容器またはアルミニウム包装紙の製品は小さいボックスに再包装し或いはブリスターを経て製品化される。
このような方法によって、本発明では、活性成分の特殊なコーティング技術の適用有無を問わず、ステビオシドおよびステビオシド誘導体の添加のみで不快味が遮蔽された速溶フィルムを製造することができる。
【0033】
また、本発明の方法によって製造された速溶フィルムは、別途の水を飲まなくても口腔内の唾液によって速く崩壊および溶解するので、錠剤を嚥下し難い患者、老人または子供に容易に投与できる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を下記実施例によってさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。
【0035】
<実施例1〜3ないし比較例1〜3>
医薬活性成分としてメロキシカムを添加して下記表1の組成でフィルルムを製造した。
これを成人男女6名の口内に入れた後、フィルムが口腔の唾液によって完全に崩壊する時間を測定し、官能試験を行った。官能試験はランダムに行い、その結果を下記表2に示す。
【0036】


【表1】

【0037】
上述したように官能試験を行った結果、ステビオシドおよびその誘導体を入れていない組成物(比較例1、2、3)と入れた組成物(実施例1、2、3)の口腔崩壊時間は有意な差異がなかったが、苦味を遮蔽する程度はステビオシドを入れた組成物がより優れることを確認することができた。これを下記表2に示す。
アスパルテームと酸化澱粉はデサン(株)の製品を使用した。アセスルファムカリウムはニュートリノヴァ社の製品を、スクラロースはテイトアンドライル社の製品を、カラギナンはMSC社の製品を、ポリソルベートはイルシンウェルス社の製品を、プルランは林原社の製品を、ペパーミント油およびレモン香料はBolak社の製品を使用した。
【0038】
【表2】

【0039】
<実施例4〜8ないし比較例4〜8>
水溶性高分子の種類を変更し、活性成分といてメロキシカムを添加して表3および表4の組成でフィルムを製造した。
これを成人男女6名の口内に入れた後、フィルムが口腔の唾液によって完全に崩壊する時間を測定し、官能試験を行った。官能試験はランダムに行い、その結果を下記表5に示す。
【0040】
【表3】

【0041】
【表4】

【0042】
上述したように官能試験を行った結果、水溶性高分子の種類による口腔崩壊時間は有意な差異がなく、苦味を遮蔽する程度も優れることを確認することができた。これを下記表5に示す。
低粘度ペクチンはシーピーケルコ社のGENU pectin DSSを、ゼラチンはジェルテック社の100 Bloomの製品を、ヒドロキシプロピルメチルセルロースはDemasa社のdemacol HE 5/6 BVを、低粘度アルギン酸はMSC社のloginを、ヒドロキシプロピル澱粉はGrain Processing Corp.の製品を使用した。
【0043】
【表5】

【0044】
<実施例9〜13ないし比較例9〜13>
医薬活性成分としてオンダンセトロン、酒石酸ゾルピデム、タダラフィル、レルカニジピンおよびドネペジルを添加して表6の組成でフィルムを製造した。ステビオシドが除去された組成を表7に示す。
表6および表7に記述された組成によってフィルムを製造し、これを成人男女6名の口内に入れた後、フィルムが口腔の唾液によって完全に崩壊する時間を測定し、官能試験を行った。官能試験はランダムに行い、その結果を下記表8に示す。
【0045】
【表6】

【0046】
【表7】

【0047】
上述したように官能試験を行った結果、活性成分の種類による口腔崩壊時間は有意な差異がなく、ステビオシド添加の際に1分後の後味を遮蔽する程度も優れることを確認することができた。これを下記表8に示す。
【0048】
【表8】

【0049】
<実施例14>
本発明の実施例9によって製造されたオンダンセトロン速溶フィルムと、オンダンセトロンを含有した一般市販製剤としてのグラクソ・スミスクライン(GSK)社のゾフランザイディス錠を用いて、pH1.2で食品医薬品安全庁の告示に従って比較溶出実験を行った。その結果を図1に示した。図1に示すように、両製剤間の溶出差は無かった。服用コンプライアンスの面では不快味を効果的に遮蔽した本発明の経口用速溶フィルムがより優れた。
【0050】
<実施例15>
本発明の実施例9によって製造されたオンダンセトロン速溶フィルムと、オンダンセトロンを含有した一般市販製剤としてのグラクソ・スミスクライン社のゾフランザイディス錠を用いて薬動学試験を行った。試験は食品医薬品安全庁が告示した生物学的同等性試験基準に基づいて健康な成人男女14名を対象としてラテン方格法に従って行った。
試験結果は表9および図2に示す。表9と図2から分かるように、生物学的同等性があることが確認された。
【0051】
【表9】

【0052】
<実施例16〜実施例20>
医薬活性成分としてシルデナフィルプリベース、乳酸シルデナフィル、クエン酸シルデナフィル、グラニセトロンおよびモンテルカストナトリウムを添加して表10の組成でフィルムを製造した。官能試験はランダムに行った。不快な後味を遮蔽する程度も優れた。
【0053】
【表10】

【0054】
<実施例21>
本発明の実施例18によって製造されたクエン酸シルデナフィル速溶フィルムと、クエン酸シルデナフィルを含有した一般市販製剤としてのファイザー(株)社のバイアグラ(Viagra)錠を用いて薬動学試験を行った。試験は食品医薬品安全庁が告示した生物学的同等性試験基準に基づいて健康な成人男女8名を対象としてラテン方格法に従って行った。
試験結果は表11および図3に示す。表11と図3から分かるように、生物学的同等性があることが確認された。
【0055】
【表11】

【0056】
<実施例22>
本発明の実施例20の配合比によって製造されたモンテルカスト速溶フィルムと、対照製剤としての市販固形製剤「シングレア」(Merck社)を用いて、ビーグル犬を用いた経口投与時の生体利用率の比較試験を次のように行った。
実験動物としては体重10.20〜12.20kg(10.99±0.87kg)の健康な雄ビーグル犬を検体当たりそれぞれ6匹ずつ使用した。実験前約2週間それぞれのケージ内で基礎飼育した。ビーグル犬に対して、対照製剤はシングレアチュアブル錠(5mg、Merck社)を使用した。試験製剤は、前記実施例20の製剤として100mg当たりモンテルカストが5mg含有されている速溶フィルムを使用した。実験動物を6匹ずつ2つのグループに分けて対照製剤と試験製剤を経口投与した。一般な薬剤の経口投与方法でビーグル犬1匹当たり5mgに該当する量を水と共に押し込んで投与した。
実験結果は表12と図4に示す。表12と図4から分かるように、生物学的同等性があることが確認された。
【0057】
【表12】

【0058】
<実施例23〜実施例27>
医薬活性成分として臭化水素酸ガランタミン、ドキサゾシンメシラート、酒石酸トルテロジン、塩酸パロキセチン、および塩酸バンブテロールを添加して表13の組成でフィルムを製造した。
官能試験はランダムに行った。不快な後味を遮蔽する程度も優れた。
【0059】
【表13】

【0060】
<実施例28〜実施例32>
医薬活性成分としてホルコジン、ブチルスコポラミン、クエン酸フェンタニル、塩酸オキシコドンおよび塩酸ブプレノルフィンを添加して表14の組成でフィルムを製造した。
官能試験はランダムに行った。不快な後味を遮蔽する程度も優れた。
【0061】


【表14】

【0062】
<実施例33〜実施例37>
医薬活性成分として塩酸ヒドロモルフォン、シュウ酸エスシタロプラム、酒石酸リバスチグミン、エソメプラゾールマグネシウムおよびアリピプラゾールを添加して表15の組成でフィルムを製造した。官能試験はランダムに行った。不快な後味を遮蔽する程度も優れた。
【0063】
【表15】

【0064】
<実施例38〜実施例42>
医薬活性成分としてゾルミトリプタン、安息香酸リザトリプタン、テルミサルタン、リスペリドンおよび塩酸バルナフィルを添加して表16の組成でフィルムを製造した。官能試験はランダムに行った。不快な後味を遮蔽する程度も優れた。
【0065】
【表16】

【0066】
<実施例43〜実施例48>
医薬活性成分としてベンゾカイン、ロラタジン、塩酸フェニレフリン、塩酸ジフェンヒドラミン、臭化水素酸デキストロメトルファンおよび塩酸セトリジンを添加して表17の組成でフィルムを製造した。官能試験はランダムに行った。不快な後味を遮蔽する程度も優れた。
【0067】
【表17】

【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の経口用速溶フィルムは、不快味の遮断効果に優れるうえ、低コストおよび単純化された製法で容易に製造することができるので、口腔内の清潔のための洗口剤、口臭除去剤、栄養補充物伝達剤、並びに口腔および胃腸管内における薬物の吸収のための舌上溶解性製剤として有用に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上の水溶性高分子、1種以上の医薬的活性成分、後味改善剤としてのステビオシド系甘味料、および味遮断剤としての1種以上の第1甘味剤を含む、経口用速溶フィルム。
【請求項2】
前記ステビオシド系甘味料がステビオシド、酵素分解ステビオシド、レバウジオシドA、およびその高含量製品からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項3】
前記第1甘味剤が、アスパルテーム、アセスルファム塩、ネオテーム、スクラロース、タウマチン、サッカリン、甘草抽出物、ネオヘスペリジンおよびモネリンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項4】
前記速溶フィルムの全体重量に対し、ステビオシド系甘味料および第1甘味料をそれぞれ0.1〜10重量%含有し、前記ステビオシド系甘味料および第1甘味料の含有比率(w/w)が1:3〜3:1である、請求項1に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項5】
前記水溶性高分子はプルランが、ゼラチン、ペクチン、低粘度ペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、メタクリル酸メチル共重合体、カルボキシビニル重合体、ポリエチレングリコール、アルギン酸、低粘度アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、変性澱粉、カゼイン、乳漿タンパク分離物、大豆タンパク分離物、ゼイン、レバン、エルシナン、グルテン、アカシアガム、カラギナン、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ゲランガムおよび寒天からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項6】
前記水溶性高分子が、プルラン、ゼラチン、低粘度ペクチン、低粘度アルギン酸および低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上である、請求項5に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項7】
前記医薬的活性成分が、糖尿病治療剤、不眠症治療剤、泌尿生殖器治療剤、肥満治療剤、酵素剤、消化性潰瘍用剤、鎮咳去痰剤、皮膚疾患治療剤、抗嘔吐剤、抗うつ剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛消炎剤、ホルモン製剤、循環器用治療剤、消化器官用治療剤、精神神経用剤、勃起不全治療剤、骨粗しょう症治療剤、関節炎治療剤、てんかん治療剤、筋肉弛緩剤、脳機能改善剤、精神分裂症治療剤、免疫抑制剤、抗生剤、抗癌剤、抗癌治療補助剤、ワクチン剤、洗口剤、貧血治療剤、便秘治療剤、ビタミン、栄養剤、乳酸菌製剤、総合風邪薬、および健康機能食品からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項8】
前記医薬的活性成分が、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、第4級アンモニウム塩、亜鉛化合物、サンギナリン、フルオライド、アレキシジン、オクテニジン、EDTA、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジフルニサル、フェノプロフェンカルシウム、ナプロキセン、トルメチンナトリウム、インドメタシン、ベンゾナテート、カラミフェン、エジシレート、メントール、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸クロフェジアノール、ジフェンヒドラミン、シュードエフェドリン、フェニルエフェリン、フェニルプロパノールアミン、硫酸シュードエフェドリン、マレイン酸ブロムフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸デキスクロルフェラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、コハク酸ドキシラミン、塩酸プロメタジン、マレイン酸ピリラミン、クエン酸トリペレンアミン、塩酸トリプロリジン、アクリバスチン、ロラタジン、ブロムフェニラミン、デキスブロムフェラミン、グアイフェネシン、イペカック、ヨウ化カルシウム、テルピンヒドラート、ロペラミド、ファモチジン、ラニチジン、オメプラゾール、ランソプラゾール、脂肪族アルコール、ニコチン、カフェイン、ストリキニン、ピクロトキシン、ペンチレンテトラゾール、フェニルヒダントイン、フェノバルビタール、プリミドン、カルバマゼピン、エトスクシミド、メトスクシミド、フェンシクシミド、トリメタジオン、ジアゼパム、ベンゾジアゼピン、フェナセミド、フェネトリド、アセタゾラミド、スルチアム、ブロマイド、レボドパ、アマンタジン、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルヒネ、メトポン、オキシモルフォン、レボルファノール、コデイン、ヒドロコドン、キシコドン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、サリチレート、フェニルブタゾン、インドメタシン、フェナセチン、クロルプロマジン、メトトリメプラジン、ハロペリドール、クロザピン、レセルピン、イミプラミン、トラニルシプロミン、フェネルジン、リチウム、アポモルヒネ、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、オンダンセトロン、ドネペジル、酒石酸ゾルピデム、グラニセトロン、モンテルカスト、ホルコジン、ブチルスコポラミン、クエン酸フェンタニル、塩酸オキシコドン、塩酸ブプレノルフィン、シュウ酸エスシタロプラム、酒石酸リバスチグミン、エソメプラゾールマグネシウム、アリピプラゾール、ゾルミトリプタン、安息香酸リザトリプタン、テルミサルタン、リスペリドン、ベンゾカイン、塩酸セチリジン、塩酸バンブテロール、臭化水素酸ガランタミン、塩酸レルカルジピン、塩酸パロキセチン、メロキシカム、酒石酸トルテロジンおよびドキサゾシンメシラート、および薬学的に許容されるこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項7に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項9】
前記オンダンセトロン塩が塩酸オンダンセトロンであり、前記塩酸オンダンセトロンを医薬的活性成分として含む速溶フィルムが生物学的同等性を持つ、請求項8に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項10】
前記モンテルカスト塩がモンテルカストナトリウムであり、前記モンテルカストナトリウムを医薬的活性成分として含む速溶フィルムが生物学的同等性を持つ、請求項8に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項11】
前記シルデナフィル塩がクエン酸シルデナフィルであり、前記クエン酸シルデナフィルを医薬的活性成分として含む速溶フィルムが生物学的同等性を持つ、請求項8に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項12】
さらに、1種以上の添加剤を含む、請求項1に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項13】
前記添加剤が、充填剤、可塑剤、第2甘味剤、酸味剤、香料、乳化剤、色素および清涼剤からなる群から選ばれる1種以上の成分である、請求項12に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項14】
前記充填剤が、微細結晶セルロース、セルロース重合体、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、石灰石粉、珪酸塩、粘土、滑石、二酸化チタニウムおよびリン酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上の成分である、請求項13に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項15】
前記可塑剤が、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、水添水飴、水飴、グリセリン、トリアセチン、オレイン酸グリセロール、蔗糖脂肪酸エステルおよび中鎖脂肪酸からなる群から選ばれる1種以上の成分である、請求項13に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項16】
前記第2甘味剤が、砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、デキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、メチルβ−シクロデキストリン、クラスターデキストリン、難消化性デキストリン、水添難消化性デキストリン、転化糖、果糖、ラクトース、ガラクトース、水飴、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、水添水飴、マンニトールおよびトレハロースからなる群から選ばれる1種以上の成分である、請求項13に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項17】
前記酸味剤が、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、アジピン酸および乳酸からなる群から選ばれる1種以上の成分である、請求項13に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項18】
前記香料が、天然香料、人工香料またはこれらの混合物である、請求項13に記載の経口用速溶フィルム。
【請求項19】
前記乳化剤が、グリセリン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、ポリソルベート、ソルビタン脂肪酸エステルおよびプロピレングリコールからなる群から選ばれる1種以上である、請求項13に記載の経口用速溶速溶フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−528854(P2012−528854A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513882(P2012−513882)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【国際出願番号】PCT/KR2010/004020
【国際公開番号】WO2010/151020
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(511289404)チャバイオ アンド ディオステク株式会社 (1)
【氏名又は名称原語表記】CHABIO & DIOSTECH CO.,LTD.
【Fターム(参考)】