説明

位置推定方法、サーバ、測位端末及び測位システム

【課題】測位端末の位置をより正確に求めるための新たな手法を提案すること。
【解決手段】測位システム1において、サーバシステム3は、GPS測位位置と当該GPS測位位置において通信可能な各基地局BSそれぞれの基地局信号の信号強度とを対応付けた端末データを蓄積記憶した端末データベースを有している。そして、携帯型電話機2の実在位置において通信可能な各基地局BSそれぞれの基地局信号の信号強度を当該携帯型電話機2から受信し、端末データベースの中から、携帯型電話機2から受信した基地局信号の信号強度に適合する信号強度を選出することで端末データを抽出する。そして、抽出した端末データに記憶されているGPS測位位置を用いて携帯型電話機2の位置座標を推定して、携帯型電話機2に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置推定方法、サーバ、測位端末及び測位システムに関する。
【背景技術】
【0002】
測位用信号を利用した測位システムとしては、GPS(Global Positioning System)が広く知られており、携帯型電話機やカーナビゲーション装置等の測位端末に利用されている。GPSでは、測位端末の位置を示す3次元の座標値と、時計誤差との4つのパラメータの値を、複数のGPS衛星の位置や各GPS衛星から測位端末までの擬似距離等の情報に基づいて求める測位演算を行うことで測位する。
【0003】
しかし、屋内や高層ビルに囲まれた環境等、測位用信号を受信することが困難な環境では、測位用信号を利用した測位を行うことができないか、測位を行うことができたとしても測位結果の正確性が低下するという問題があり、この問題点を考慮した様々な技術が考案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−139515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、測位用信号を利用した測位や、携帯型電話機の基地局から受信した基地局信号を利用した測位、道路に設置された位置ビーコンの発信器から受信したビーコン信号を利用した測位等、複数の測位方法による測位を実行し、それらの測位結果を平均処理して測位端末の位置を算出する技術が開示されている。
【0005】
しかし、測位用信号を受信することが困難な環境では、そもそも測位用信号を利用した測位を行うことができないか、行うことができたとしても測位位置の正確性は低いものと考えられる。また、一般に、基地局信号を利用した測位やビーコン信号を利用した測位は、測位用信号を利用した測位と比べて測位の正確性に乏しい。従って、上述した複数の測位方法により得られた測位位置を平均処理したとしても、依然として測位端末の位置を正確に求めることはできないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みて為されたものであり、測位端末の位置をより正確に求めるための新たな手法を提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための第1の発明は、サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを対応付けて記憶したデータベースの中から、任意の地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報に適合する測定情報を抽出することと、前記抽出された測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記任意の地点の位置座標を推定することと、を含む位置推定方法である。
【0008】
この第1の発明によれば、サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを対応付けて記憶したデータベースの中から、任意の地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報に適合する測定情報を抽出する。そして、抽出された測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、任意の地点の位置座標を推定する。
【0009】
任意の地点とサンプリング地点とが一致するか近接していれば、当該地点において通信可能な基地局の組合せは同じはずであり、各基地局それぞれの基地局信号の測定結果も近似するはずである。従って、基地局信号を測定した測定情報が適合するサンプリング位置の位置座標を用いて任意の地点の位置座標を推定することで、実際のサンプリング位置をより正確に求めることのできる測位を実現できる。
【0010】
また、第2の発明として、第1の発明の位置推定方法であって、前記データベースは、更に、当該サンプリング地点の位置座標の信頼度を対応付けて記憶しており、前記推定することは、前記抽出された測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を、対応づけて前記データベースに記憶された信頼度を用いて加重平均することで、前記任意の地点の位置座標を推定することである位置推定方法を構成してもよい。
【0011】
この第2の発明によれば、抽出された測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を、対応づけてデータベースに記憶された信頼度を用いて加重平均することで、任意の地点の位置座標を推定する。信頼性の高いサンプリング位置の重みづけを高くした加重平均計算を行うことで、真の位置に可及的に近い、より正確な位置を算出し得る。
【0012】
また、第3の発明として、第1又は第2の発明の位置推定方法であって、前記測定情報は、基地局信号の信号強度であり、前記データベースは、サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号の信号強度の組合せとを対応付けて記憶してなり、前記抽出することは、前記データベースの中から、前記任意の地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号の信号強度の組合せに適合する信号強度の組合せを抽出することであり、前記推定することは、前記抽出された信号強度の組合せそれぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記任意の地点の位置座標を推定することである位置推定方法を構成してもよい。
【0013】
この第3の発明によれば、基地局信号の信号強度を測定情報として用いて、任意の地点の位置座標を推定することができる。
【0014】
また、第4の発明として、第3の発明の位置推定方法であって、前記抽出することは、通信可能な基地局の数、通信可能な基地局の識別情報、及び、所定の信号強度条件を満たす基地局信号の数の何れかを抽出条件として用いて抽出することである位置推定方法を構成してもよい。
【0015】
この第4の発明によれば、通信可能な基地局の数、通信可能な基地局の識別情報、及び、所定の信号強度条件を満たす基地局信号の数の何れかを抽出条件として用いて測定情報を抽出することができる。
【0016】
また、第5の発明として、第1又は第2の発明の位置推定方法であって、前記測定情報は、サンプリング地点と基地局間の信号伝搬時間であり、前記データベースは、サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれとの間の信号伝搬時間の組合せとを対応付けて記憶してなり、前記抽出することは、前記データベースの中から、前記任意の地点において通信可能な各基地局それぞれとの間の信号伝搬時間の組合せに適合する信号伝搬時間の組合せを抽出することであり、前記推定することは、前記抽出された信号伝搬時間の組合せそれぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記任意の地点の位置座標を推定することである位置推定方法を構成してもよい。
【0017】
この第5の発明によれば、サンプリング地点と基地局間の信号伝搬時間を基地局信号の測定情報として用いて、任意の地点の位置座標を推定することができる。
【0018】
また、第6の発明として、サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを対応付けて記憶する記憶部と、測位端末から、当該測位端末の地点で通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報を受信する受信部と、前記記憶部の中から、前記受信部により受信された測定情報に適合する測定情報を抽出する抽出部と、前記抽出部により抽出された測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記測位端末の位置座標を推定する推定部と、前記推定部により推定された位置座標を前記測位端末に送信する送信部と、を備えたサーバを構成してもよい。
【0019】
この第6の発明によれば、測位端末から、当該測位端末の地点で通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報を受信し、記憶部の中から、受信した測定情報に適合する測定情報を抽出する。そして、抽出した測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、測位端末の位置座標を推定し、推定した位置座標を測位端末に送信する。この場合も、第1の発明と同様の効果が発揮され、サーバが測位端末の位置座標をより正確に推定することが可能となる。
【0020】
また、第7の発明として、測位部と、通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定する測定部と、サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを対応付けたサンプリング情報を記憶する記憶部を備えたサーバに、前記測位部により測位された測位位置の位置座標と、前記測位部による測位の際に前記測定部が測定した情報である測定情報とを新たなサンプリング情報として提供する新サンプリング情報提供部と、前記サーバに、前記測定部が測定した情報である測定情報を送信して、当該測定情報に適合するサンプリング情報を前記記憶部から抽出させ、抽出したサンプリング情報のサンプリング位置に基づき推定される自測位端末の推定位置を前記サーバから取得する推定位置取得部と、を備えた測位端末を構成してもよい。
【0021】
この第7の発明によれば、サーバに、測位した測位位置の位置座標と、測位の際に測定した基地局信号の測定情報とを新たなサンプリング情報として提供する。また、サーバに、基地局信号を測定した測定情報を送信して、当該測定情報に適合するサンプリング情報をサーバの記憶部から抽出させ、抽出したサンプリング情報のサンプリング位置に基づき推定される自測位端末の推定位置をサーバから取得する。
【0022】
サーバから推定位置を取得することで、測位端末は、自ら測位を行うことができない環境においても、自測位端末の正確な位置を取得することができる。また、測位端末が新たなサンプリング情報をサーバに提供する構成としたことで、サーバは、より多くのサンプリング情報を記憶部に蓄積して、測位端末の位置の推定に活用することができる。
【0023】
さらには、第8の発明として、測位端末とサーバとを具備した測位システムであって、前記サーバは、サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを対応付けたサンプリング情報を記憶する記憶部と、前記測位端末から、当該測位端末が測位した測位位置と当該測位位置において通信可能であった各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを新たなサンプリング情報として受信して、前記記憶部に記憶させる新サンプリング情報取得部と、前記測位端末から、当該測位端末の地点で通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報を受信して、当該測定情報に適合する測定情報を前記記憶部から抽出し、抽出した測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記測位端末の位置座標を推定して前記測位端末に通知する端末位置推定部と、を備え、前記測位端末は、測位部と、通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定する測定部と、前記サーバに、前記測位部により測位された測位位置の位置座標と、前記測位部による測位の際に前記測定部が測定した情報である測定情報とを前記新たなサンプリング情報として提供する新サンプリング情報提供部と、前記サーバに、前記測定部が測定した情報である測定情報を送信して、前記サーバの前記端末位置推定部により通知される推定位置を、自測位端末の推定位置として取得する推定位置取得部と、を備えた測位システムを構成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明に好適な実施形態の一例を説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるわけではない。
【0025】
1.システム構成
図1は、本実施形態における測位システム1の概略構成を示す図である。測位システム1は、測位装置を備えた電子機器である携帯型電話機2と、サーバシステム3と、基地局BS(BS1,BS2,BS3,・・・)と、複数のGPS衛星SV(SV1,SV2,SV3,SV4,・・・)とを備えて構成される。
【0026】
携帯型電話機2は、ユーザが通話やメールの送受信等を行うための電子機器であり、基地局BSと基地局通信を行うことで、通話やメールの送受信といった携帯電話としての本来の機能を発揮する他、GPS衛星SVから受信したGPS衛星信号に基づいて測位する測位機能を有している。
【0027】
携帯型電話機2は、GPSによる測位が可能である場合は、GPS測位により求めた測位位置(以下、「GPS測位位置」と称す。)を出力位置として画面に表示する。また、携帯型電話機2は、GPS測位時に通信可能であった基地局BSの基地局信号を測定して信号強度を求める。そして、測定した信号強度とGPS測位位置とを対応付けたデータを生成して、サーバシステム3に送信(アップロード)する。
【0028】
一方、GPSによる測位が不可能である場合は、携帯型電話機2は、現在通信可能な基地局BSから受信した基地局信号の信号強度を測定する。そして、測定した信号強度を送信して、携帯型電話機2の位置を推定した推定端末位置を要求する。そして、サーバシステム3から推定端末位置を受信し、出力位置として画面に表示する。
【0029】
サーバシステム3は、携帯型電話機2からの要求を受けて、当該携帯型電話機2の端末位置を推定して、当該携帯型電話機2に提供する機能を有するコンピュータシステムである。サーバシステム3は、サンプリング位置としてのGPS測位位置と、当該GPS測位位置において通信可能な各基地局BSそれぞれの基地局信号の信号強度とをサンプリング情報としてデータベースに蓄積記憶している。尚、基地局信号の信号強度は、基地局信号を測定して得られた測定情報の一例である。
【0030】
サーバシステム3は、携帯型電話機2が通信可能な各基地局BSそれぞれの基地局信号の信号強度のデータを当該携帯型電話機2から受信し、記憶しているデータベースの中から、当該携帯型電話機2から受信した信号強度に適合する信号強度のデータを抽出する。そして、抽出したデータに記憶されているGPS測位位置を用いて当該携帯型電話機2の実在位置の位置座標を推定して、当該携帯型電話機2に送信する。尚、サーバシステム3は、1つのコンピュータシステムで構成されることとしてもよいし、複数のコンピュータシステムでなる構成としてもよい。
【0031】
基地局BSは、携帯型電話機のサービス事業者が設置する無線基地局であり、携帯型電話機2に対して基地局信号を送信し、携帯型電話機2との間で基地局通信を行うことで、携帯型電話機2が通話やメールの送受信等の機能を発揮することを可能にする。
【0032】
2.携帯型電話機
2−1.機能構成
図2は、本実施形態における携帯型電話機2の機能構成を示すブロック図である。携帯型電話機2は、GPSアンテナ205と、GPS受信部210と、ホストCPU(Central Processing Unit)220と、操作部230と、表示部240と、携帯電話用アンテナ250と、携帯電話用無線通信回路部260と、ROM(Read Only Memory)270と、フラッシュROM280と、RAM(Random Access Memory)290とを備えて構成される。
【0033】
GPSアンテナ205は、GPS衛星SVから発信されているGPS衛星信号を含むRF(Radio Frequency)信号を受信するアンテナであり、受信した信号をGPS受信部210に出力する。尚、GPS衛星信号は、衛星毎に異なる拡散符号の一種であるPRN(Pseudo Random Noise)コードで直接スペクトラム拡散方式により変調された1.57542[GHz]の通信信号である。PRNコードは、コード長1023チップを1PNフレームとする繰返し周期1msの擬似ランダム雑音符号である。
【0034】
GPS受信部210は、GPSアンテナ205から出力された信号に基づいて測位する測位回路であり、いわゆるGPS受信機に相当する機能ブロックである。GPS受信部210は、RF(Radio Frequency)受信回路部211と、ベースバンド処理回路部213とを備えて構成される。尚、RF受信回路部211と、ベースバンド処理回路部213とは、それぞれ別のLSI(Large Scale Integration)として製造することも、1チップとして製造することも可能である。
【0035】
RF受信回路部211は、RF信号の処理回路ブロックであり、所定の局部発振信号を分周或いは逓倍することで、RF信号乗算用の発振信号を生成する。そして、生成した発振信号を、GPSアンテナ205から出力されたRF信号に乗算することで、RF信号を中間周波数の信号(以下、「IF(Intermediate Frequency)信号」と称す。)にダウンコンバートする。そして、IF信号を増幅等した後、A/D(Analog Digital)変換器でデジタル信号に変換して、ベースバンド処理回路部213に出力する。
【0036】
ベースバンド処理回路部213は、RF受信回路部211から出力されたIF信号に対して相関処理等を行ってGPS衛星信号を捕捉・抽出する回路部である。ベースバンド処理回路部213は、プロセッサとしてのCPU215と、メモリとしてのROM217及びRAM219とを備えて構成される。
【0037】
ホストCPU220は、ROM270に記憶されている測位プログラムやシステムプログラム等の各種プログラムに従って携帯型電話機2の各部を統括的に制御するプロセッサである。ホストCPU220は、測位プログラムに従って、ベースバンド処理回路部213によって捕捉・抽出されたGPS衛星信号からデータを復号して航法メッセージや時刻情報等を取り出して測位演算を行う。そして、測位演算により求めた出力位置をプロットしたナビゲーション画面を、表示部240に表示させる。
【0038】
操作部230は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、押下されたアイコンやボタンの信号をホストCPU220に出力する。この操作部230の操作により、通話要求やメールの送受信要求、GPSの起動要求等の各種指示入力がなされる。
【0039】
表示部240は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、ホストCPU220から入力される表示信号に基づいた各種表示を行う表示装置である。表示部240には、ナビゲーション画面や時刻情報等が表示される。
【0040】
携帯電話用アンテナ250は、各基地局BSとの間で携帯電話用無線信号の送受信を行うアンテナである。
【0041】
携帯電話用無線通信回路部260は、RF変換回路、ベースバンド処理回路等によって構成される携帯電話の通信回路部であり、携帯電話用無線信号の変調・復調等を行うことで、通話やメールの送受信等を実現する。
【0042】
ROM270は、読み取り専用の不揮発性の記憶装置であり、ホストCPU220が携帯型電話機2を制御するためのシステムプログラムや、測位演算を実現するための測位プログラム、ナビゲーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。
【0043】
フラッシュROM280は、読み書き可能な不揮発性の記憶装置であり、ROM270と同様に、ホストCPU220が携帯型電話機2を制御するための各種プログラムやデータ等を記憶している。フラッシュROM280に記憶されているデータは、携帯型電話機2の電源を切断しても失われない。
【0044】
RAM290は、読み書き可能な揮発性の記憶装置であり、ホストCPU220により実行されるシステムプログラム、測位プログラム、各種処理プログラム、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを形成している。
【0045】
2−2.データ構成
図3は、ROM270に格納されたデータの一例を示す図である。ROM270には、ホストCPU220により読み出され、メイン処理(図7参照)として実行されるメインプログラム271が記憶されている。また、メインプログラム271には、測位処理(図8参照)として実行される測位プログラム2711がサブルーチンとして含まれている。
【0046】
メイン処理とは、ホストCPU220が、携帯型電話機2の本来の機能である通話やメールの送受信のための処理を行う他、測位処理を行って携帯型電話機の位置を計測する処理である。
【0047】
測位処理では、先ずホストCPU220は、各基地局BSとの基地局通信を試行して、通信が可能となった基地局BS(以下、「通信基地局」と称す。)から受信した基地局信号の信号強度を測定して通信基地局データを生成する。
【0048】
そして、GPSによる測位が可能な状況においては、ホストCPU220は、GPS測位を行ってGPS測位位置を取得し、当該GPS測位位置を出力位置として表示部240に表示させる。また、この場合において、ホストCPU220は、生成した通信基地局データを含む端末データを生成し、新たなサンプリングデータとしてサーバシステム3に送信(アップロード)する。
【0049】
一方、GPSによる測位が不可能な状況においては、ホストCPU220は、生成した通信基地局データを含めた推定端末位置の要求信号をサーバシステム3に送信する。そして、サーバシステム3から推定端末位置を受信し、当該推定端末位置を出力位置として表示部240に表示させる。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0050】
図4は、フラッシュROM280に格納されたデータの一例を示す図である。フラッシュROM280には、端末データ281が記憶される。
【0051】
図6は、端末データ281のデータ構成の一例を示す図である。端末データ281には、端末ID2811と、GPS測位位置2812と、測位信頼度2813と、通信基地局データ2814とが記憶される。
【0052】
端末ID2811は、各携帯型電話機2それぞれに割り当てられた端末を識別するための識別情報(ID)である。尚、IDではなく、携帯型電話機2の電話番号やメールアドレスを識別情報としてもよい。
【0053】
GPS測位位置2812は、ホストCPU220がGPS測位処理を行うことで求めた測位位置であり、例えば地球基準座標系における3次元の位置座標が記憶される。尚、3次元の位置座標ではなく、緯度、経度及び高度のデータを記憶することとしてもよい。
【0054】
測位信頼度2813は、GPS測位位置2812の信頼性の程度を示す指標値である。本実施形態では、測位信頼度2813を、ポジジョンシグマ「σP」と呼ばれる指標値を用いて算出する。
【0055】
ポジションシグマ「σP」は、GPS測位位置の誤差の標準偏差を示しており、捕捉した各GPS衛星SVについて算出した擬似距離の誤差の標準偏差「σ」と、捕捉したGPS衛星SVの天空配置の指標値の一種であるPDOP(Position Dilution of Precision)とを用いて、次式(1)に従って算出することができる。
σP=σ・PDOP ・・・(1)
尚、擬似距離の誤差の標準偏差「σ」及びPDOPの算出方法は公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0056】
この場合、測位信頼度2813を「α」と表記することにすると、測位信頼度「α」は、ポジションシグマ「σP」を用いて次式(2)に従って算出することができる。
α=1/(1+(σP/A)) ・・・(2)
但し、「A」は、ポジションシグマ「σP」の数値範囲に応じて定められる定数である。
【0057】
測位信頼度「α」は、式(2)から明らかなように[0,1]の範囲の値であり、「0」は測位結果の信頼性が最も低く、「1」は測位結果の信頼性が最も高いことをそれぞれ示している。
【0058】
通信基地局データ2814は、携帯型電話機2が通信可能な基地局についてのデータであり、当該通信基地局の識別情報(ID(Identification))である基地局ID2815と、当該通信基地局から受信した基地局信号の信号強度2816とが対応付けて記憶される。
【0059】
例えば、図6に示す端末データ281は、端末ID2811が「T2」である携帯型電話機2についてのデータであり、GPS測位位置2812は「P2(X2,Y2,Z2)」、測位信頼度2813は「α2」である。また、当該携帯型電話機2が通信可能な基地局には「BS5」、「BS8」及び「BS10」が含まれ、そのうちの基地局「BS8」から受信した基地局信号の信号強度は「35dB」である。
【0060】
図5は、RAM290に格納されるデータの一例を示す図である。RAM290には、ホストCPU220がGPS測位処理により求めたGPS測位位置、又は、サーバシステム3から受信した推定端末位置が出力位置291として記憶される。出力位置291は、測位処理においてホストCPU220により更新される。
【0061】
2−3.処理の流れ
図7は、ROM270に記憶されているメインプログラム271がホストCPU220により読み出されて実行されることで、携帯型電話機2において実行されるメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
メイン処理は、ホストCPU220が、操作部230を介してユーザにより電源投入操作がなされたことを検出した場合に実行を開始する処理である。また、特に説明しないが、以下のメイン処理の実行中は、GPSアンテナ205によるRF信号の受信や、RF受信回路部211によるRF信号のIF信号へのダウンコンバージョンが行われ、ベースバンド処理回路部213によるIF信号からのGPS衛星信号の捕捉・抽出が随時行われる状態にあるものとする。
【0063】
先ず、ホストCPU220は、操作部230を介してなされた指示操作を判定し(ステップA1)、指示操作が通話指示操作であると判定した場合は(ステップA1;通話指示操作)、通話処理を行う(ステップA3)。具体的には、携帯電話用無線通信回路部260に基地局BSとの間の基地局通信を行わせ、携帯型電話機2と他機との間の通話を実現する。
【0064】
また、ステップA1において指示操作がメール送受信指示操作であると判定した場合は(ステップA1;メール送受信指示操作)、ホストCPU220は、メール送受信処理を行う(ステップA5)。具体的には、携帯電話用無線通信回路部260に基地局通信を行わせ、携帯型電話機2と他機との間のメールの送受信を実現する。
【0065】
また、ステップA1において指示操作が測位指示操作であると判定した場合は(ステップA1;測位指示操作)、ホストCPU220は、ROM270に記憶されている測位プログラム2711を読み出して実行することで、測位処理を行う(ステップA7)。
【0066】
図8は、測位処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、ホストCPU220は、携帯電話用無線通信回路部260を介して、各基地局BSとの間の基地局通信を試行する(ステップB1)。そして、通信可能となった基地局の基地局ID2815を判定する(ステップB3)。
【0067】
また、ホストCPU220は、各通信基地局から受信した基地局信号の信号強度2816を測定・算出する(ステップB5)。そして、ステップB3で判定した基地局ID2815と、ステップB5で算出した信号強度2816とを対応付けた通信基地局データ2814を生成する(ステップB7)。
【0068】
その後、ホストCPU220は、GPSによる測位が可能であるか否かを判定する(ステップB9)。具体的には、3次元測位(高度を含む測位)の場合は、ベースバンド処理回路部213により捕捉されている捕捉衛星の数が「4個以上」である場合に、GPSによる測位が可能であると判定する。また、2次元測位(高度を含まない測位)の場合は、捕捉衛星の数が「3個以上」である場合に、GPSによる測位が可能であると判定する。
【0069】
ステップB9においてGPSによる測位が可能であると判定した場合は(ステップB9;Yes)、ホストCPU220は、GPS測位処理を行う(ステップB11)。具体的には、ベースバンド処理回路部213により捕捉・抽出されたGPS衛星信号を利用して、例えば最小二乗法やカルマンフィルタを用いた公知の測位演算を実行することで、GPS測位位置2812を求める。また、式(1)に従ってポジションシグマ「σP」を算出するとともに、式(2)に従って測位信頼度「α」を算出する。
【0070】
次いで、ホストCPU220は、GPS測位処理により求めたGPS測位位置2812を出力位置291としてRAM290に記憶させるとともに、出力位置291を表示部240に表示させる(ステップB13)。
【0071】
そして、ホストCPU220は、当該携帯型電話機2の端末ID2811と、ステップB11で求めたGPS測位位置2812及び測位信頼度2813と、ステップB7で生成した通信基地局データ2814とを対応付けた端末データ281を生成して、フラッシュROM280に記憶させる(ステップB15)。
【0072】
その後、ホストCPU220は、サーバシステム3に通信接続し(ステップB17)、ステップB15で生成した端末データ281をサーバシステム3に送信(アップロード)する(ステップB19)。そして、ホストCPU220は、測位処理を終了する。
【0073】
一方、ステップB9においてGPSによる測位が不可能であると判定した場合は(ステップB9;No)、ホストCPU220は、サーバシステム3に通信接続する(ステップB21)。そして、ステップB7で生成した通信基地局データ2814を含む推定端末位置要求信号をサーバシステム3に送信する(ステップB23)。
【0074】
次いで、ホストCPU220は、サーバシステム3から推定端末位置を受信したか否かを判定する(ステップB25)。そして、受信したと判定した場合は(ステップB25;Yes)、受信した推定端末位置を出力位置291としてRAM290に記憶させるとともに、出力位置291を表示部240に表示させる(ステップB27)。そして、ホストCPU220は、測位処理を終了する。
【0075】
また、ステップB25において、サーバシステム3から推定端末位置を受信せずにエラー信号を受信したと判定した場合は(ステップB25;No)、ホストCPU220は、エラーメッセージを表示部240に表示させる(ステップB29)。そして、ホストCPU220は、測位処理を終了する。
【0076】
図7のメイン処理に戻って、ステップA3〜A7の何れかの処理を行った後、ホストCPU220は、操作部230を介してユーザにより電源切断指示操作がなされたか否かを判定し(ステップA9)、なされなかったと判定した場合は(ステップA9;No)、ステップA1に戻る。また、電源切断指示操作がなされたと判定した場合は(ステップA9;Yes)、メイン処理を終了する。
【0077】
3.サーバシステム
3−1.機能構成
図9は、サーバシステム3の機能構成を示すブロック図である。サーバシステム3は、CPU310と、操作部320と、通信部330と、ROM340と、ハードディスク350と、RAM360とを備え、各部がバス370で接続されたコンピュータシステムである。
【0078】
CPU310は、ROM340に記憶されているシステムプログラム等に従ってサーバシステム3の各部を統括的に制御するプロセッサである。本実施形態では、CPU310は、ROM340に記憶されている推定端末位置提供プログラム341に従って、携帯型電話機2に推定端末位置を提供する処理を行う。
【0079】
操作部320は、サーバシステム3の管理者による操作指示を受け付け、操作に応じた信号をCPU310に出力する入力装置である。この機能は、例えばキーボードやボタン、マウス等により実現される。
【0080】
通信部330は、システム内部で利用される各種データを、インターネット網などの無線の通信路で構成される通信ネットワークを介して携帯型電話機2とやり取りするための通信装置である。
【0081】
ROM340は、CPU310がサーバシステム3を制御するためのシステムプログラムや、携帯型電話機2への推定端末位置の提供を行うためのプログラム等の各種プログラムやデータ等を記憶している。
【0082】
ハードディスク350は、磁気ヘッド等を用いてデータの読み書きを行う記憶装置であり、ROM340と同様、サーバシステム3が備える各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶している。
【0083】
RAM360は、CPU310の作業領域として用いられ、主として推定端末位置提供処理における処理中のデータが記憶される。
【0084】
3−2.データ構成
図10は、ROM340に格納されたデータの一例を示す図である。ROM340には、CPU310により読み出され、推定端末位置提供処理(図14参照)として実行される推定端末位置提供プログラム341が記憶されている。また、推定端末位置提供プログラム341には、端末位置推定処理(図15参照)として実行される端末位置推定プログラム3411がサブルーチンとして含まれている。
【0085】
推定端末位置提供処理とは、CPU310が、携帯型電話機2から推定端末位置の要求信号を受信した場合に、当該携帯型電話機2の端末位置を推定する処理を行い、その推定結果である推定端末位置を当該携帯型電話機2に送信する処理である。推定端末位置提供処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0086】
端末位置推定処理とは、CPU310が、端末データベース351に記憶されているサンプリングデータである端末データ281の中から、記憶されている通信基地局の信号強度2816が、携帯型電話機2から受信した通信基地局の信号強度2816に適合する端末データ281を抽出し、抽出した端末データ281に含まれるGPS測位位置2812を、当該端末データ281に含まれる測位信頼度2813で重み付けして加重平均することで、推定端末位置を算出する処理である。端末位置推定処理についても、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0087】
図11は、ハードディスク350に格納されたデータの一例を示す図である。ハードディスク350には、端末データベース351が記憶されている。
【0088】
図13は、端末データベース351のデータ構成の一例を示す図である。端末データベース351には、各携帯型電話機2それぞれから送信(アップロード)されたサンプリングデータとしての端末データ281(281−1,281−2,281−3,・・・)が蓄積記憶されている。端末データベース351に蓄積記憶されている端末データ281は、端末位置推定処理において、CPU310が携帯型電話機2の端末位置を推定するために使用される。
【0089】
3−3.処理の流れ
図14は、ROM340に記憶されている推定端末位置提供プログラム341がCPU310により読み出されて実行されることで、サーバシステム3において実行される推定端末位置提供処理の流れを示すフローチャートである。
【0090】
先ず、CPU310は、携帯型電話機2から端末データ281を受信したか否かを判定し(ステップC1)、受信しなかったと判定した場合は(ステップC1;No)、ステップC5へと処理を移行する。また、受信したと判定した場合は(ステップC1;Yes)、受信した端末データ281を、ハードディスク350の端末データベース351に蓄積記憶させる(ステップC3)。
【0091】
次いで、CPU310は、携帯型電話機2から推定端末位置の要求信号を受信したか否かを判定し(ステップC5)、受信しなかったと判定した場合は(ステップC5;No)、ステップC1に戻る。また、受信したと判定した場合は(ステップC5;Yes)、ROM340に記憶されている端末位置推定プログラム3411を読み出して実行することで、端末位置推定処理を行う(ステップC7)。
【0092】
図15は、端末位置推定処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU310は、携帯型電話機2から受信した要求信号に含まれる通信基地局データ2814を参照して、通信基地局の数を判定する(ステップD1)。そして、通信基地局の数が3局以上であると判定した場合は(ステップD3;3局以上)、受信した要求信号に含まれる通信基地局データ2814を参照して、信号強度2816の上位3局を判定する(ステップD5)。
【0093】
次いで、CPU310は、ステップD5で判定した上位3局の信号強度2816の2乗和の平方根を算出して「S1」とする(ステップD7)。そして、CPU310は、ハードディスク350に記憶されている端末データベース351を参照して、信号強度2816の上位3局がステップD5で判定した上位3局と同一である端末データ281を抽出して対象端末データとする(ステップD9)。そして、CPU310は、各対象端末データについて、ループAの処理を実行する(ステップD11〜D17)。
【0094】
ループAでは、CPU310は、当該対象端末データの通信基地局データ2814を参照して、上位3局の信号強度の2乗和の平方根を算出して「S2」とする(ステップD13)。そして、CPU310は、ステップD7で算出した「S1」と、ステップD13で算出した「S2」との差の絶対値を算出した後(ステップD15)、次の対象端末データへと処理を移行する。
【0095】
全ての対象端末データについてステップD13及びD15の処理を行った後、CPU310は、ループAの処理を終了する(ステップD17)。ループAの処理を終了した後、CPU310は、各対象端末データについてステップD15で算出した差の絶対値が小さい順に、対象端末データを100個抽出する(ステップD19)。
【0096】
そして、CPU310は、ステップD19で抽出した対象端末データに含まれるGPS測位位置2812を測位信頼度2813で重み付けした加重平均計算を行って推定端末位置361を算出し、RAM360に記憶させる(ステップD21)。
【0097】
具体的には、抽出した100個の対象端末データに含まれるGPS測位位置2812及び測位信頼度2813を、それぞれ「P1,P2,・・・,P100」及び「α1,α2,・・・,α100」とすると、次式(3),(4)に従って推定端末位置「P」を算出する。
N=α1+α2+・・・+α100 ・・・(3)
P=(α1/N)・P1+(α2/N)・P2+・・・+(α100/N)・P100 ・・・(4)
【0098】
そして、ステップD21において推定端末位置を算出した後、CPU310は、端末位置推定処理を終了する。
【0099】
一方、ステップD3において通信基地局の数が2局であると判定した場合は(ステップD3;2局)、CPU310は、受信した要求信号に含まれる通信基地局データ2814を参照して、当該2局の信号強度2816の2乗和の平方根を算出して「S3」とする(ステップD23)。
【0100】
次いで、CPU310は、ハードディスク350に記憶されている端末データベース351を参照して、当該2局のみを通信基地局とする端末データ281を抽出して対象端末データとする(ステップD25)。そして、CPU310は、各対象端末データについて、ループBの処理を実行する(ステップD27〜D33)。
【0101】
ループBでは、CPU310は、当該対象端末データの通信基地局データ2814を参照して、当該2局の信号強度の2乗和の平方根を算出して「S4」とする(ステップD29)。そして、CPU310は、ステップD23で算出した「S3」と、ステップD29で算出した「S4」との差の絶対値を算出して(ステップD31)、次の対象端末データへと処理を移行する。
【0102】
全ての対象端末データについてステップD29及びD31の処理を行った後、CPU310は、ループBの処理を終了する(ステップD33)。ループBの処理を終了した後、CPU310は、各対象端末データについてステップD31で算出した差の絶対値が小さい順に、対象端末データを100個抽出する(ステップD35)。
【0103】
そして、CPU310は、ステップD35で抽出した対象端末データに含まれるGPS測位位置2812を測位信頼度2813で重み付けした加重平均計算を行って推定端末位置361を算出し、RAM360に記憶させる(ステップD37)。推定端末位置「P」は、ステップD21と同様に式(3),(4)に従って算出することができる。そして、CPU310は、端末位置推定処理を終了する。
【0104】
また、ステップD3において通信基地局の数が1局以下であると判定した場合は(ステップD3;1局以下)、CPU310は、端末位置の推定が不可能であると判定する(ステップD39)。そして、CPU310は、端末位置推定処理を終了する。
【0105】
図14の推定端末位置提供処理に戻って、端末位置推定処理を行った後、CPU310は、端末位置を推定できたか否かを判定する(ステップC9)。そして、推定できたと判定した場合は(ステップC9;Yes)、推定端末位置を要求元の携帯型電話機2に送信した後(ステップC11)、ステップC1に戻る。
【0106】
また、ステップC9において端末位置を推定できなかったと判定した場合、すなわちステップD39において端末位置の推定が不可能であると判定していた場合は(ステップC9;No)、CPU310は、エラー信号を要求元の携帯型電話機2に送信した後(ステップC13)、ステップC1に戻る。
【0107】
4.作用効果
測位システム1において、サーバシステム3は、GPS測位位置と当該GPS測位位置において通信可能な各基地局BSそれぞれの基地局信号の信号強度とを対応付けた端末データを蓄積記憶した端末データベースを有している。そして、携帯型電話機2の実在位置において通信可能な各基地局BSそれぞれの基地局信号の信号強度を当該携帯型電話機2から受信し、端末データベースの中から、携帯型電話機2から受信した基地局信号の信号強度に適合する信号強度を選出することで端末データを抽出する。そして、抽出した端末データに記憶されているGPS測位位置を用いて携帯型電話機2の位置座標を推定して、携帯型電話機2に送信する。
【0108】
携帯型電話機2の実在位置と、端末データベースに記憶されているGPS測位位置とが一致するか近接していれば、当該位置において携帯型電話機2が通信可能な基地局BSの組合せは同じはずであり、当該組合せに含まれる各基地局BSそれぞれの基地局信号の信号強度も近似した値となるはずである。そのため、基地局信号の信号強度が適合するGPS測位位置の位置座標を用いて携帯型電話機2の位置を推定することで、携帯型電話機2の実在位置をより正確に推定することが可能となる。
【0109】
また、本実施形態において、端末データベースに蓄積記憶された端末データには、GPS測位位置の信頼性の指標値である測位信頼度が対応付けて記憶されている。サーバシステム3は、抽出した端末データに記憶されているGPS測位位置を測位信頼度で重みづけして加重平均することで、携帯型電話機2の位置を推定する。信頼性の高いGPS測位位置の重みづけを高くした加重平均計算により、真の位置に可及的に近い、より正確な位置を算出し得る。
【0110】
さらに、本実施形態では、携帯型電話機2は、GPSによる測位が可能である場合は、測位により求めたGPS測位位置と、当該測位時に通信可能であった基地局に関する通信基地局データとを含む端末データを、サンプリングデータとしてサーバシステム3にアップロードすることにしている。これにより、サーバシステム3は、より多くの端末データをサンプリングデータとしてデータベースに蓄積記憶して、携帯型電話機2の位置の推定に役立てることができる。
【0111】
5.変形例
5−1.測位端末
上述した実施形態では、測位端末として携帯型電話機を例に挙げて説明したが、基地局と通信可能な電子機器であればよく、PDA(Personal Digital Assistant)等としてもよい。
【0112】
5−2.衛星測位システム
また、上述した実施形態では、衛星測位システムとしてGPSを例に挙げて説明したが、WAAS(Wide Area Augmentation System)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO等の他の衛星測位システムであってもよい。
【0113】
5−3.処理の分化
ホストCPU220が行う処理の一部又は全部を、ベースバンド処理回路部213のCPU215が行うことにしてもよい。例えば、上述した実施形態では、ホストCPU220が測位演算を実行するものとして説明したが、CPU215が測位演算を実行する構成としてもよいことは勿論である。
【0114】
5−4.サンプリング情報
上述した実施形態では、携帯型電話機2が、GPS測位処理により求めたGPS測位位置と、当該GPS測位位置において通信可能であった各基地局BSそれぞれの信号強度とを新たなサンプリング情報としてサーバシステム3に提供するものとして説明したが、提供するサンプリング位置は必ずしもGPS測位位置である必要はない。例えば、公知の推測航法演算処理により求めた推測航法演算位置をサンプリング位置として、サーバシステム3に提供することとしてもよい。
【0115】
また、サーバシステム3の管理業者側で、各地域をメッシュ状に区切るなどして多数のサンプリング地点を定めておき、各サンプリング地点において通信可能な基地局BSの組合せと、当該組合せに含まれる各基地局BSから受信した基地局信号の信号強度とを予め計測して通信基地局データを生成して、サーバシステム3のデータベースに記憶させておくこととしてもよい。
【0116】
5−5.基地局信号の測定情報
上述した実施形態では、基地局信号を測定した測定情報の一例として、基地局信号の信号強度を用いた。しかし、例えば、携帯型電話機2が基地局BSに信号を送信してから、基地局BSから携帯型電話機2に確認応答が戻ってくるまでに要する時間である往復遅延時間(以下、RTT(Round Trip Time)と称す。)や基地局BSが信号を発信してから携帯型電話機2が受信するまでの時間であるいわゆる信号伝搬時間を基地局信号の信号強度の代わりに用いて、端末位置を推定することとしてもよい。
【0117】
図16は、この場合における端末データ283のデータ構成の一例を示す図である。尚、図6の端末データ281と同一の構成要素については同一の符号を付して、説明を省略する。
【0118】
端末データ283には、通信基地局データ2834として、通信基地局の基地局ID2835と、当該通信基地局との間のRTT2836とが対応付けて記憶されている。また、図示は省略するが、サーバシステム3の端末データベース351には、この通信基地局データ2834が記憶された端末データ283(283−1,283−2,283−3,・・・)がサンプリングデータとして蓄積記憶される。
【0119】
図17は、この場合に携帯型電話機2が行う処理である第2の測位処理の流れを示すフローチャートである。尚、図8の測位処理と同一のステップについては同一の符号を付して説明を省略し、測位処理とは異なる部分を中心に説明する。
【0120】
第2の測位処理では、ホストCPU220は、ステップB3において通信基地局の基地局ID2835を判定した後、通信基地局に対して確認用信号を送信し、通信基地局から確認応答が戻ってくるまでの時間(RTT)を計測する(ステップE5)。そして、ホストCPU220は、通信基地局の基地局ID2835とRTT2836とを対応付けた通信基地局データ2834を生成する(ステップE7)。
【0121】
図18は、この場合にサーバシステム3が行う処理である第2の端末位置推定処理の流れを示すフローチャートである。尚、図15の端末位置推定処理と同一のステップについては同一の符号を付して説明を省略し、端末位置推定処理とは異なる部分を中心に説明する。
【0122】
第2の端末位置推定処理では、CPU310は、通信基地局の数が3局以上である場合は(ステップD3;3局以上)、携帯型電話機2から受信した要求信号に含まれる通信基地局データ2814を参照して、RTT2836の上位3局を判定する(ステップF5)。そして、判定した上位3局のRTT2836の2乗和の平方根を算出して「R1」とする(ステップF7)。
【0123】
また、ループCの処理において、当該対象端末データの通信基地局データ2834を参照して、上位3局のRTT2836の2乗和の平方根を算出して「R2」とし(ステップF13)、ステップF7で算出した「R1」と、ステップF13で算出した「R2」との差の絶対値を算出する(ステップF15)。
【0124】
また、通信基地局の数が2局である場合は(ステップD3;2局)、携帯型電話機2から受信した要求信号に含まれる通信基地局データ2834を参照して、当該2局のRTT2836の2乗和の平方根を算出して「R3」とする(ステップF23)。
【0125】
そして、ループDの処理において、当該対象端末データの通信基地局データ2834を参照して、当該2局のRTT2836の2乗和の平方根を算出して「R4」とし(ステップF29)、ステップF23で算出した「R3」と、ステップF29で算出した「R4」との差の絶対値を算出する(ステップF31)。
【0126】
5−6.端末データの抽出条件
上述した実施形態では、基地局信号の信号強度の2乗和の平方根の差の絶対値が小さい順に対象端末データを100個抽出するものとして説明したが、抽出するデータの数は100個に限られるわけではなく、適宜変更可能である。
【0127】
また、対象端末データを次のようにして抽出することにしてもよい。すなわち、各通信基地局(各基地局信号)それぞれについて、携帯型電話機2から受信した信号強度と、端末データベースに記憶されている信号強度との差を算出する。そして、全ての通信基地局について算出した信号強度の差の絶対値を合算し、その合算値が小さい順に所定数(例えば100個)のデータを抽出する。また、この場合において、所定数のデータを抽出するのではなく、合算値が所定の閾値以下(例えば5dB以下)となった対象端末データを抽出することとしてもよい。
【0128】
また、各通信基地局それぞれについて、算出した信号強度の差の絶対値が所定の閾値以下(例えば2dB以下)であるか否かを判定し、閾値以下となった通信基地局の数(基地局信号の数)が所定数(例えば3局)に達している場合は、当該対象端末データを抽出することとしてもよい。勿論、信号強度の差の絶対値が閾値を超えた通信基地局が1つでも存在する場合は、当該対象端末データを抽出しないようにすることとしてもよい。
【0129】
5−7.測位信頼度
上述した実施形態では、式(1)に従って算出されるポジションシグマ「σP」を用いて測位信頼度「α」を算出するものとして説明したが、ポジションシグマ「σP」を用いるのではなく、例えばPDOPや捕捉衛星から受信したGPS衛星信号の信号強度の平均値を用いて算出することとしてもよい。
【0130】
PDOPを用いる場合は、PDOPは値が小さいほど衛星の天空配置が良好であり、測位結果の信頼性が高まると考えられるため、PDOPが増加するほど値が減少する関数を用いて測位信頼度「α」を近似すればよい。例えば、次式(5)に従って測位信頼度「α」を算出する。
α=1/(1+(PDOP/B)) ・・・(5)
但し、「B」は、PDOPの数値範囲に応じて定められる定数である。
【0131】
また、GPS衛星信号の信号強度を用いる場合は、捕捉衛星のGPS衛星信号の信号強度の平均値が大きいほど測位結果の信頼性が高まると考えられるため、信号強度の平均値「PA」が増加するほど値が増加する関数を用いて測位信頼度「α」を近似すればよい。例えば、次式(6)に従って測位信頼度「α」を算出する。
α=1−1/(1+(PA/C)) ・・・(6)
但し、「C」は、信号強度の平均値の数値範囲に応じて定められる定数である。
【0132】
5−8.エラーの判定
上述した実施形態では、通信基地局の数が1局以下である場合に、サーバシステム3がエラー信号を携帯型電話機2に送信するものとして説明したが、通信基地局の数が1局以下である場合は、端末位置の推定が不可能であると携帯型電話機2が判定し、サーバシステム3に端末位置を要求しないようにしてもよい。
【0133】
図19は、この場合に携帯型電話機2が行う処理である第3の測位処理の流れを示すフローチャートである。尚、図8の測位処理と同一のステップについては同一の符号を付して説明を省略し、測位処理とは異なる部分について説明する。
【0134】
第3の測位処理では、ホストCPU220は、ステップA9においてGPSによる測位が不可能であると判定した場合は、通信可能となった基地局の数が1局以下であるか否かを判定する(ステップG20)。そして、1局以下ではないと判定した場合は(ステップG20;No)、サーバシステム3に通信接続して(ステップA21)、端末位置要求信号を送信する(ステップA23)。
【0135】
また、ステップG20において基地局が1局以下であると判定した場合は(ステップG20;Yes)、ホストCPU220は、エラーメッセージを表示部240に表示させて(ステップG27)、第3の測位処理を終了する。
【0136】
5−9.端末データ
上述した実施形態では、端末データ281に端末ID2811を含めて記憶するものとして説明したが、当該端末ID2811が個人情報の一種と認められる場合には、端末データ281に端末ID2811を含めないようにしてもよい。この場合には、サーバシステム3にとって携帯型電話機2を識別可能な別の情報で管理すればよい(例えば、問い合わせのあった携帯型電話機2の順に識別番号を振る等)。また、端末ID2811を暗号化してサーバシステム3に送信する構成としてもよい。このような構成にすることによって、個人情報の一種である端末IDの情報を保護しつつ、端末データを収集することができるため、個人情報保護の観点からも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】測位システムの概略構成を示す図。
【図2】携帯型電話機の機能構成を示すブロック図。
【図3】携帯型電話機のROMに格納されたデータの一例を示す図。
【図4】携帯型電話機のフラッシュROMに格納されたデータの一例を示す図。
【図5】携帯型電話機のRAMに格納されるデータの一例を示す図。
【図6】端末データのデータ構成の一例を示す図。
【図7】メイン処理の流れを示すフローチャート。
【図8】測位処理の流れを示すフローチャート。
【図9】サーバシステムの機能構成を示すブロック図。
【図10】サーバシステムのROMに格納されたデータの一例を示す図。
【図11】サーバシステムのハードディスクに格納されたデータの一例を示す図。
【図12】サーバシステムのRAMに格納されるデータの一例を示す図。
【図13】端末データベースのデータ構成の一例を示す図。
【図14】推定端末位置提供処理の流れを示すフローチャート。
【図15】端末位置推定処理の流れを示すフローチャート。
【図16】変形例における端末データのデータ構成の一例を示す図。
【図17】第2の測位処理の流れを示すフローチャート。
【図18】第2の端末位置推定処理の流れを示すフローチャート。
【図19】第3の測位処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0138】
1 測位システム 、 2 携帯型電話機、 3 サーバシステム、
205 GPSアンテナ、 210 GPS受信部、 211 RF受信回路部、
213 ベースバンド処理回路部、 215 CPU、 217 ROM、
219 RAM、 220 ホストCPU、 230 操作部、 240 表示部、
250 携帯電話用アンテナ、 260 携帯電話用無線通信回路部、
270 ROM、 280 フラッシュROM、 290 RAM、 310 CPU、
320 操作部、 330 通信部、 340 ROM、 350 ハードディスク、
360 RAM、 370 バス、 BS 基地局、 SV GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを対応付けて記憶したデータベースの中から、任意の地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報に適合する測定情報を抽出することと、
前記抽出された測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記任意の地点の位置座標を推定することと、
を含む位置推定方法。
【請求項2】
前記データベースは、更に、当該サンプリング地点の位置座標の信頼度を対応付けて記憶しており、
前記推定することは、前記抽出された測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を、対応づけて前記データベースに記憶された信頼度を用いて加重平均することで、前記任意の地点の位置座標を推定することである、
請求項1に記載の位置推定方法。
【請求項3】
前記測定情報は、基地局信号の信号強度であり、
前記データベースは、サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号の信号強度の組合せとを対応付けて記憶してなり、
前記抽出することは、前記データベースの中から、前記任意の地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号の信号強度の組合せに適合する信号強度の組合せを抽出することであり、
前記推定することは、前記抽出された信号強度の組合せそれぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記任意の地点の位置座標を推定することである、
請求項1又は2に記載の位置推定方法。
【請求項4】
前記抽出することは、通信可能な基地局の数、通信可能な基地局の識別情報、及び、所定の信号強度条件を満たす基地局信号の数の何れかを抽出条件として用いて抽出することである請求項3に記載の位置推定方法。
【請求項5】
前記測定情報は、サンプリング地点と基地局間の信号伝搬時間であり、
前記データベースは、サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれとの間の信号伝搬時間の組合せとを対応付けて記憶してなり、
前記抽出することは、前記データベースの中から、前記任意の地点において通信可能な各基地局それぞれとの間の信号伝搬時間の組合せに適合する信号伝搬時間の組合せを抽出することであり、
前記推定することは、前記抽出された信号伝搬時間の組合せそれぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記任意の地点の位置座標を推定することである、
請求項1又は2に記載の位置推定方法。
【請求項6】
サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
測位端末から、当該測位端末の地点で通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報を受信する受信部と、
前記記憶部の中から、前記受信部により受信された測定情報に適合する測定情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記測位端末の位置座標を推定する推定部と、
前記推定部により推定された位置座標を前記測位端末に送信する送信部と、
を備えたサーバ。
【請求項7】
測位部と、
通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定する測定部と、
サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを対応付けたサンプリング情報を記憶する記憶部を備えたサーバに、前記測位部により測位された測位位置の位置座標と、前記測位部による測位の際に前記測定部が測定した情報である測定情報とを新たなサンプリング情報として提供する新サンプリング情報提供部と、
前記サーバに、前記測定部が測定した情報である測定情報を送信して、当該測定情報に適合するサンプリング情報を前記記憶部から抽出させ、抽出したサンプリング情報のサンプリング位置に基づき推定される自測位端末の推定位置を前記サーバから取得する推定位置取得部と、
を備えた測位端末。
【請求項8】
測位端末とサーバとを具備した測位システムであって、
前記サーバは、
サンプリング地点の位置座標と当該サンプリング地点において通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを対応付けたサンプリング情報を記憶する記憶部と、
前記測位端末から、当該測位端末が測位した測位位置と当該測位位置において通信可能であった各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報とを新たなサンプリング情報として受信して、前記記憶部に記憶させる新サンプリング情報取得部と、
前記測位端末から、当該測位端末の地点で通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定した測定情報を受信して、当該測定情報に適合する測定情報を前記記憶部から抽出し、抽出した測定情報それぞれに対応するサンプリング地点の位置座標を用いて、前記測位端末の位置座標を推定して前記測位端末に通知する端末位置推定部と、
を備え、
前記測位端末は、
測位部と、
通信可能な各基地局それぞれの基地局信号を測定する測定部と、
前記サーバに、前記測位部により測位された測位位置の位置座標と、前記測位部による測位の際に前記測定部が測定した情報である測定情報とを前記新たなサンプリング情報として提供する新サンプリング情報提供部と、
前記サーバに、前記測定部が測定した情報である測定情報を送信して、前記サーバの前記端末位置推定部により通知される推定位置を、自測位端末の推定位置として取得する推定位置取得部と、
を備えた、
測位システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−19774(P2010−19774A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182380(P2008−182380)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】