説明

作業車両のエンジン負荷制御装置

【課題】エンジン負荷をよりきめ細かく把握して、バランスのとれた適切なエンジン負荷制御を行う。
【解決手段】この制御装置は、エンジン回転数検出センサ1aと、アクセルペダルのストロークセンサ17aと、ステアリング用油圧ポンプの吐出圧を検出する吐出圧センサ7bと、コントローラ18とを備えている。コントローラ18は、エンジン回転数センサ1a、ストロークセンサ17a及び吐出圧センサ7bの検出結果に基づいて、ローダ用油圧ポンプの吸収トルクを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両のエンジン負荷制御装置、特に、エンジンの出力が、駆動輪に伝達されるとともに複数の可変容量型油圧ポンプを介して作業機用油圧アクチュエータを含む複数の油圧アクチュエータに伝達される作業車両のエンジン負荷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下では、作業車両として、ホイールローダを例にとって説明する。ホイールローダは、エンジンが走行用駆動源及び作業機用駆動源となっている。すなわち、エンジンの出力はトルクコンバータを介して駆動輪に伝達され、車両が走行する。また、エンジンによって作業機の油圧ポンプを含む各種の油圧ポンプが駆動され、この油圧ポンプにより油圧アクチュエータを介して作業機等の各種の装置が駆動される。具体的には、例えば、エンジンによってステアリング用油圧ポンプが駆動され、ステアリング油圧ポンプから吐出された圧油がステアリング用油圧シリンダに供給されてステアリング機構が駆動される。また、エンジンによってローダ用油圧ポンプが駆動され、ローダ用油圧ポンプから吐出された圧油がローダ用油圧シリンダに供給されてローダが駆動される。
【0003】
このようにホイールローダでは、1つのエンジンの出力が走行駆動用及び作業機等の各種装置の駆動用の双方に用いられる。このため、作業機等の負荷の大きさによって、走行に使用することができるエンジン出力が左右されることになる。
【0004】
例えば、エンジン回転数がローアイドル回転数(アイドリング状態)にある場合は、エンジン回転数が高回転域にあるときと比較して、急激な油圧負荷の上昇に対するエンジントルクの上昇が鈍くなる。したがって、アイドリング状態で、ステアリングを切りながら積み荷が積み込まれたローダを持ち上げるという、高油圧負荷が急激にかかる作業を行うと、急激な油圧負荷上昇にエンジンのトルク上昇が追いつかず、エンジンが停止する場合がある。
【0005】
また、走行しながらローダやステアリング機構を作動させる状況下では、エンジン出力が作業機用及びステアリング用油圧負荷として消費されるために、それを差し引いたエンジン出力分しか走行負荷に対して使用することができない。このため、十分な牽引力が得られなかったり、あるいは車速を上昇させるために長時間を要したりする等、オペレータのアクセル操作に対するレスポンスが低下する。
【0006】
そこで、実用新案登録第2514319号公報や特開平10−219733号公報に示された装置では、走行側が所定の条件にある場合は、作業機側のポンプ容量を抑え、走行性能が低下しないようにしている。
【特許文献1】実用新案登録第2514319号公報
【特許文献2】特開平10−219733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のような従来の装置では、走行側の負荷を検出して作業機側の負荷としての油圧ポンプを制御するようにしている。すなわち、エンジンによって駆動される負荷を、単純に走行側の負荷と作業機側の負荷(ポンプ)の2種類に分けて、走行側の状況を検出して作業機側を制御するようにしている。しかし、エンジンの負荷としては、走行負荷及び作業機の負荷だけではなく、各種の装置を駆動するための負荷が存在する。したがって、走行負荷及び作業機の負荷のみを考慮して作業機用ポンプを制御する従来装置では、作業機用ポンプの容量を必要以上に低下させる場合がある。また、同様に従来装置では、作業機用ポンプ以外のポンプに余力があるにもかかわらず、そのポンプ駆動のための動力を有効に活用できていないと言った問題がある。
【0008】
したがって、車両全体のエンジン負荷を総合的に考慮して、バランスのとれた制御を行うことにより、走行性能及び作業性能の両方を向上させることが望まれている。
【0009】
本発明の課題は、エンジン負荷をよりきめ細かく把握して、バランスのとれた適切なエンジン負荷制御を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明に係る作業車両のエンジン負荷制御装置は、回転数指示装置によって回転数が制御されるエンジンの出力が、駆動輪に伝達されるとともに複数の可変容量型油圧ポンプを介して作業機用油圧アクチュエータを含む複数の油圧アクチュエータに伝達される作業車両のエンジン負荷制御装置である。そして、この制御装置は、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、回転数指示装置の指示内容を検出する指示内容検出手段と、複数の可変容量型油圧ポンプのうちの少なくともいずれか1つの負荷検出油圧ポンプの負荷を検出する油圧ポンプ負荷検出手段と、吸収トルク制御手段とを備えている。吸収トルク制御手段は、エンジン回転数検出手段、指示内容検出手段及び油圧ポンプ負荷検出手段の検出結果に基づいて、負荷検出油圧ポンプ以外の少なくとも1つの制御油圧ポンプの吸収トルクを制御する。
【0011】
この制御装置は、エンジン回転数と、アクセル開度等の回転数指示内容とが検出されるとともに、複数の可変容量型油圧ポンプのうちの少なくともいずれか1つの負荷検出油圧ポンプの負荷が検出される。そして、これらの検出結果に基づいて、負荷検出油圧ポンプ以外の少なくとも1つの制御油圧ポンプの吸収トルクが制御される。
【0012】
ここでは、走行条件としてのエンジン回転数だけではなく、オペレータの意思としてのアクセル開度等の回転数指示内容に加えて、少なくとも1つの油圧ポンプ(負荷検出油圧ポンプ)の負荷を検出して、他の油圧ポンプ(制御油圧ポンプ)の吸収トルクを制御しているので、従来装置に比較してより適切な制御を行うことができる。したがって、エンジンのパワーを有効に使用することができる。例えば、走行性能の劣化を防止する際に、作業機のパワーを従来に比較してあまり低下させることなく実現することができる。
【0013】
第2発明に係る作業車両のエンジン負荷制御装置は、第1発明の制御装置において、吸収トルク制御手段は、エンジン回転数が第1エンジン回転数以下の場合に制御処理を実行する。
【0014】
エンジンの回転数が比較的高い領域では、作業機側の負荷による走行性能の低下を考慮する必要がない場合が多い。そこでこの制御装置では、エンジン回転数が第1エンジン回転数以下(例えば1400rpm以下)の場合にのみ制御油圧ポンプの吸収トルクを制御するようにしている。このため、制御負荷が軽くなる。
【0015】
第3発明に係る作業車両のエンジン負荷制御装置は、第1又は第2発明の制御装置において、吸収トルク制御手段は、第1低下率決定手段と、第2低下率決定手段と、第3低下率決定手段と、第4低下率決定手段と、最小低下率選択手段と、最大低下率選択手段と、吸収トルク低下手段とを備えている。第1低下率選択手段は、エンジン回転数がエンジン停止防止用として設定されたローアイドル回転数以下の第2エンジン回転数以下にならないように、制御油圧ポンプの吸収トルクを小さくするための第1低下率を決定する。第2低下率選択手段はエンジン回転数に応じて制御油圧ポンプの吸収トルクの第2低下率を決定する。第3低下率選択手段はエンジン回転数の指示内容に応じて制御油圧ポンプの吸収トルクの第3低下率を決定する。第4低下率選択手段は負荷検出油圧ポンプの負荷に応じて制御油圧ポンプの吸収トルクの第4低下率を決定する。最小低下率選択手段は第2、第3及び第4低下率のうちから最小の低下率を選択する。最大低下率選択手段は第1低下率及び最小低下率のうちの大きい低下率を選択する。吸収トルク低下手段は最大低下率選択手段で選択された低下率に応じて制御用油圧ポンプの吸収トルクを低下させる。
【0016】
この制御装置では、第1低下率選択手段によって、エンジン停止しないように、すなわち、エンジン回転数がローアイドル回転数以下の第2エンジン回転数以下にならないように第1低下率が決定される。また、第2、第3及び第4低下率選択手段によって、それぞれ、エンジン回転数、エンジン回転数指示内容、負荷検出油圧ポンプの負荷に応じて、第2、第3及び第4低下率が決定される。ここで、低下率とは、制御油圧ポンプの吸収トルクをどの程度小さくするかを決定するためのものであり、具体的には制御油圧ポンプへの制御信号である。次に、最小低下率選択手段によって、第2〜第4低下率のうちの最小の低下率が選択され、さらに、最大低下率選択手段によって、第1低下率及び最小低下率のうちの大きい方の低下率が選択される。そして、最終的に選択された低下率に応じて、制御用油圧ポンプの吸収トルクが低下させられる。
【0017】
ここでは、第2〜第4低下率のうちの最小の低下率が選択されるので、制御油圧ポンプのパワーの低下を最小限に抑えることができる。したがって、作業機用油圧ポンプの吸収トルクを制御する場合は、作業機での作業効率の低下を最小限に抑えることができる。また、第1低下率及び最小低下率のうちの大きい方の低下率が選択されるので、エンジン回転数がローアイドル回転数以下の第2エンジン回転数以下になるのを防止でき、エンジン停止を避けることができる。すなわち、エンジンが停止しないことを最優先とし、エンジンが停止しない最小限の範囲で制御油圧ポンプの吸収トルクを低下させて、作業効率の低下を極力避けるようにしている。
【0018】
第4発明に係る作業車両のエンジン負荷制御装置は、第1から第3発明のいずれかの制御装置において、吸収トルク制御手段は、作業機用油圧アクチュエータを駆動するための油圧ポンプの吸収トルクを制御する。
【0019】
ここでは、一般的に最も負荷のかかる作業機用油圧ポンプの吸収トルクが制御されるので、本制御によって走行性能に最も影響を与えることができ、走行性能の低下を素早く回復させることができる。
【0020】
第5発明に係る作業車両のエンジン負荷制御装置は、第1から第4発明のいずれかの制御装置において、油圧ポンプ負荷検出手段は、ステアリング機構に含まれるステアリング用油圧アクチュエータを駆動するためのステアリング用油圧ポンプの吐出圧を検出する。
【0021】
ここでは、ステアリング用油圧ポンプの吐出圧(負荷)を検出して、作業機用油圧ポンプ等の制御油圧ポンプの吸収トルクを制御している。ステアリング機構は、この機構が機能しない場合には走行に重大な影響を与える。したがって、このステアリング機構を駆動するためのステアリング用油圧ポンプの負荷を考慮し、ステアリング機構が必ず機能するように考慮した上で制御油圧ポンプを制御し、走行性能の向上を図っている。
【0022】
第6発明に係る作業車両のエンジン負荷制御装置は、第1から第5発明のいずれかの制御装置において、指示内容検出手段はアクセル装置の開度を検出する。
【0023】
ここでは、オペレータの意思が最も良く現れているアクセルペダル等のアクセル装置の開度を検出し、このアクセル開度を考慮して制御油圧ポンプを制御している。このため、オペレータの意思に対してより忠実に走行制御することができる。
【0024】
第7発明に係る作業車両のエンジン負荷制御装置は、第3発明の制御装置において、作業モードが、パワー重視のパワーモードに設定されているか省エネルギ重視のエコノミーモードに設定されているかを判断する作業モード判断手段をさらに備え、吸収トルク制御手段は、作業モードに応じて制御油圧ポンプの吸収トルクの低下率を制御する。
【0025】
作業モードとして、パワーモードとエコノミーモードとを選択できるようになっている車両では、例えばアクセル開度に対して目標のエンジン回転数が異なる。したがって、この場合は、作業モードに応じて制御油圧ポンプの吸収トルクの低下率を制御している。したがって、適切な制御を行うことができる。
【0026】
第8発明に係る作業車両のエンジン負荷制御装置は、第3発明の制御装置において、吸収トルク制御手段は、作業機用油圧アクチュエータを駆動するための油圧ポンプの吸収トルクを制御するものであり、吸収トルク低下手段は作業機用油圧ポンプの最大吸収トルクを制御する。
【0027】
第9発明に係る作業車両のエンジン負荷制御装置は、第3発明の制御装置において、吸収トルク制御手段は、作業機用油圧アクチュエータを駆動するための油圧ポンプの吸収トルクを制御するものであり、吸収トルク低下手段は、作業機用油圧ポンプの吐出圧と作業機用油圧アクチュエータの負荷圧との差圧が所定の設定差圧になるように作業機用油圧ポンプの容量を制御する。
【発明の効果】
【0028】
以上のように本発明では、車両全体のエンジン負荷を総合的に考慮して、バランスのとれた適切なエンジン負荷制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態による制御装置を搭載した作業車両としてのホイールローダの制御ブロック図である。この図に示すように、ホイールローダ100は、主に、エンジン1と、このエンジン1によって駆動される走行側の機構及び作業機側の機構と、これらの機構を制御するためのコントローラ18とを有している。そして、エンジン1と各機構との間には、歯車及び軸からなるPTO(パワー・テイク・オフ)機構6が設けられている。
【0030】
エンジン1はディーゼルエンジンであり、その出力の制御は、シリンダ内に噴射する燃料の量を調整することで行われる。この調整はエンジン1の燃料ポンプに付設されたガバナを制御することで行われる。ガバナとしては、一般的にオールスピード制御方式のガバナが用いられる。すなわち、ガバナによって、アクセルペダル17の踏み込み量に応じた目標回転数と実際のエンジン回転数との差がなくなるように、燃料噴射量が増減される。
【0031】
走行側機構は、エンジン1の出力が入力されるトルクコンバータ2と、トルクコンバータ2に連結されたトランスミッション3と、トランスミッション3の出力軸に連結されたデファレンシャルギア4と、駆動輪5とを有している。トランスミッション3は、前進用油圧クラッチ、後進用油圧クラッチ、複数の変速用クラッチ等を備えており、各油圧クラッチをオン、オフ制御することにより、前後進の切り換え及び変速が行われる。
【0032】
このホイールローダ100は、エンジン1によって駆動される機構として、走行系の機構以外に、主に、ステアリング機構、車体の前部に設けられたローダ(ともに図示せず)及びファン16を有している。
【0033】
これらの各機構を駆動するために、油圧ポンプ及びアクチュエータが設けられている。すなわち、ステアリング機構を駆動するために、ステアリング用油圧ポンプ7、ステアリング用制御弁11及びステアリング機構に接続されたステアリング用油圧シリンダ13が設けられている。また、ローダを駆動するために、ローダ用油圧ポンプ8、ローダ用制御弁12及びローダに接続されたローダ用油圧シリンダ14が設けられている。さらに、ファン16を駆動するために、ファン用油圧ポンプ9及びファン用油圧モータ15が設けられている。そして、これらの各ポンプ7,8,9は、PTO機構6を介してエンジン1に連結されている。また、トルクコンバータ用として、トルコン潤滑用油圧ポンプ10も設けられており、このポンプ10もPTO機構6を介してエンジン1に連結されている。
【0034】
なお、ステアリング用油圧ポンプ7、ローダ用油圧ポンプ8及びファン用油圧ポンプ9は、それぞれ斜板7a,8a,9aを有する可変容量型油圧ポンプであり、それぞれ斜板7a,8a,9aの傾転角を変更することにより、ポンプ容量q(cc/rev)を制御することが可能である。
【0035】
<エンジン負荷制御のための構成>
このホイールローダ100は、エンジンの負荷制御のために、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ1aと、アクセルペダル17の開度を検出するストロークセンサ17aと、ステアリング油圧ポンプ7aの吐出圧を検出する吐出圧センサ7bと、コントローラ18とを有している。
【0036】
コントローラ18はCPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータであり、図1に示すように、コントローラ18には、エンジン回転数センサ1aのセンサ出力、アクセルペダル17のストロークセンサ17aのセンサ出力、ステアリング油圧ポンプ7aの油圧センサ7bのセンサ出力が入力されている。そして、コントローラ18はエンジン1、各油圧ポンプ7,8,9に対して制御信号を出力するようになっている。
【0037】
図2にローダを制御するための制御ブロック図を示している。なお、図2では、ローダ用油圧ポンプ8を制御するための構成を示しているが、他の可変容量型油圧ポンプ7,9についても同様の構成である。
【0038】
この図2に示すように、油圧ポンプ8の斜板8aを制御するために、PC弁(馬力制御弁)19及びサーボ弁20が設けられている。PC弁19には、油圧ポンプ8の吐出圧Pp(kg/cm)がパイロット圧として入力されるとともに、コントローラ18からの制御信号i1が入力されている。サーボ弁20にはPC弁19からの圧油が供給されており、これにより油圧ポンプ8の容量qを制御している。より詳細には、PC弁19によって、油圧ポンプ8の吐出圧Ppと油圧ポンプ8の容量qの積が一定トルクを越えないように、油圧ポンプ8の斜板8aが制御される。したがって、エンジン1の回転数が一定であれば、油圧ポンプ8の吐出圧Ppと油圧ポンプ8の容量qの積が一定の馬力を越えないように、油圧ポンプ8の斜板8aが制御されることになる。
【0039】
次に、コントローラ18の機能を図3にブロック図で示す。図3に示すように、コントローラ18は第1〜第6演算機能部18a〜18fを有している。
【0040】
第1演算機能部18aは、図4(a)及び(b)に示すテーブル1P,1Eを参照して、作業モード及びエンジン回転数に応じて、始動性向上及びエンスト防止機能を実現するためのEPC出力電流(mA)を決定する。なお、EPC出力電流とは、図2に示すコントローラ18からPC弁19に出力される信号iに対応しており、電流値が大きいほど斜板8aの傾転角度が小さくなってポンプ吐出量が絞られ、ポンプの吸収トルクが小さくなる(ポンプ容量が小さくなる)。また、図4において、「パワーモード」とは、出力優先の作業モードであり、「エコノミーモード」とは、省エネルギ優先の作業モードである。
【0041】
第2演算機能部18bは、図4(c)及び(d)に示すテーブル2P,2Eを参照して、作業モード及びエンジン回転数に応じてEPC出力電流を選択し、第3演算機能部18cは、図4(e)及び(f)に示すテーブル3P,3Eを参照して、作業モード及びアクセル開度(%)に応じてEPC出力電流を選択し、第4演算機能部18dは、図4(g)及び(h)に示すテーブル4P,4Eを参照して、作業モード及びステアリング用油圧ポンプ7の吐出圧に応じてEPC出力電流を選択する。
【0042】
また、第5演算機能部18eは、第2〜第4演算機能部18b〜18dによって選択されたEPC出力電流のうちから最小の電流値を選択する。ここで、第5演算機能部18eにおいて最小の電流値を選択するのは、走行側の条件を考慮する場合であっても、油圧ポンプ8の吸収トルクの低下率をもっとも少なくして、作業を効率よく行えるようにするためである。そして、第6演算機能部18fでは、第1演算機能部18aで選択された電流値と第5演算機能部18eで選択された電流値のうち大きい方の電流値を選択してPC弁19に出力する。ここで、第6演算機能部18fで大きい方の電流値を選択するのは、エンジン停止を避けることを最優先するためである。
【0043】
<各機構の動作>
エンジン1の出力は、トルクコンバータ2を介してトランスミッション3に入力され、このトランスミッション3において、前後進用油圧クラッチのオン、オフ制御によって前後進が切り換えられ、また変速用油圧クラッチのオン、オフ制御によって変速制御がなされる。そして、トランスミッション3の出力はデファレンシャルギア4を介して駆動輪5に伝達される。
【0044】
一方、エンジン1の出力はPTO機構6を介して各油圧ポンプ7,8,9,10に伝達されて、各油圧ポンプが駆動される。
【0045】
ステアリング油圧ポンプ7が駆動されると、その吐出圧油がステアリング用制御弁11を介してステアリング用油圧シリンダ13に供給される。このステアリング油圧用シリンダ13に圧油が供給されると、ステアリング機構が作動し、車体が旋回する。なお、ステアリング用制御弁11のスプールは図示しないステアリングハンドルの操作に応じて移動し、それに応じて制御弁11の開口面積が変化し、ステアリング用油圧シリンダ13に供給される流量が変化する。
【0046】
また、ローダ用油圧シリンダ8が駆動されると、その吐出圧油がローダ用制御弁12を介してローダ用油圧シリンダ14に供給される。ローダ用油圧シリンダ14に圧油が供給されると、ローダが作動する。すなわち、ローダを構成するブームが上昇あるいは下降し、バケットがチルトする。なお、ローダ用制御弁12のスプールは図示しないローダ用操作レバーの操作に応じて移動し、それに応じて制御弁12の開口面積が変化し、ローダ用油圧シリンダ14に供給される流量が変化する。
【0047】
ファン用油圧ポンプ9が駆動されると、その吐出圧油がファン用油圧モータ15に供給され、冷却用ファン16が作動する。
【0048】
トルコン潤滑用油圧ポンプ10が駆動されると、吐出圧油がトルクコンバータ2に供給され、トルクコンバータ2が潤滑される。
【0049】
<エンジン制御>
次にアクセルペダル17によるエンジン制御について説明する。図5はエンジン回転数N、エンジントルクTe及び油圧負荷の関係を示したものである。図5において、最大トルク線で規定される領域が、エンジン1が出力し得る性能を示している。エンジン1は、ガバナによって、エンジントルクが最大トルク線を越えて排気煙限界とならないように、またエンジン回転数Nがハイアイドル回転数Nを越えて過回転とならないように制御される。
【0050】
例えば、アクセルペダル17が最大限に踏み込まれると、コントローラ18によって最大目標回転数が設定され、ガバナによって、定格点とハイアイドル点Nとを結ぶ最高速レギュレーションラインFe上で調速が行われる。アクセルペダル17の踏み込み量が小さくなり、目標回転数が小さくなるに伴って、レギュレーションラインFe-1,Fe-2,・・・Fe-n・・・Fが順次定められ、各レギュレーションライン上で調速が行われる。
【0051】
アクセルペダル17の踏み込み量が最小、つまり踏み込まれていないときは、目標回転数としてローアイドル回転数Nが設定され、ローアイドル点Nを結ぶレギュレーションラインF上で調速が行われる。このとき、油圧負荷Tpが矢印Aに示すように変動すると、エンジン1の出力とポンプ吸収馬力とが釣り合うマッチング点Vは、その変動に従いレギュレーションライン上を移動する。
【0052】
ここで、エンジン1の特性上、レギュレーションライン上でマッチング点が低負荷から高負荷まで移動する時間は、高回転数域(ハイアイドル回転数N)よりも低回転数域(ローアイドル回転数N)の方が長くかかる。すなわち、高回転数域よりも低回転数域の方がエンジン1のレスポンスが悪い。このため、従来装置では、油圧負荷が低負荷であってマッチング点V0でマッチングしていた状態で、高油圧負荷Tp1が急激にかかったときに、エンジントルクはマッチング点V1(図6参照)まで上昇する必要があるところ、エンジンのトルク上昇が間に合わず、図6のBで示すように、エンジンが停止する場合がある。
【0053】
また、作業機側に高い油圧負荷がかかった状態でアクセルペダル17を踏み込んでも、エンジン回転数の上昇に時間がかかる等、レスポンスが悪くなり、オペレータにストレスを与える。
【0054】
<エンジン負荷制御>
そこで本実施形態では、エンジン回転数、オペレータの意思としてのアクセル開度に加えて、ステアリング油圧の情報をもコントローラ18に入力し、これらの情報に基づいてローダ用油圧ポンプ8の吸収トルクを低下させる制御を実行している。以下、この制御について図7に示すフローチャート等を用いて説明する。
【0055】
まず、図7のステップS1では、エンジン回転数が1400rpm以下であるか否かを判断する。エンジン回転数が1400rpmを越えているときは、エンストの可能性は低いし、またアクセルペダル17の踏み込みに対するレスポンスの悪さは目立たないので、本制御は実行されない。
【0056】
エンジン回転数が1400rpm以下の場合は、ステップS1からステップS2に移行する。ステップS2では、作業モードがパワーモードに設定されているか否かを判断する。パワーモードに設定されている場合は、ステップS2からステップS3aに移行し、エコノミーモードに設定されている場合は、ステップS2からステップS3bに移行する。
【0057】
ステップS3aでは、テーブル1Pを参照して、エンジン回転数に対するEPC出力電流を決定する。なお、テーブル1Pには「800rpm」、「880rpm」、「900rpm」、「920rpm」、「930rpm」に対する電流値しか設定されていないが、これらの回転数の間の電流値については、データ補間を行って求める。なお、この各データ間の補間については、以下の処理についても同様である。
【0058】
次にステップS4aでは、テーブル2Pを参照してエンジン回転数に対するEPC出力電流を決定し、ステップS5aではテーブル3Pを参照してアクセル開度に対するEPC出力電流を決定し、ステップS6aはテーブル4Pを参照してステアリング油圧に対するEPC出力電流を決定する。なお、各ステップで決定された電流値については、バッファ等に一時的に蓄えられる。次にステップS7aでは、以上の各ステップS3a〜6aで決定された電流値の最小値を選択する。すなわち、前述のように、ポンプ容量の低下率が最も少なくなるように電流値を選択する。
【0059】
次にステップS8aでは、ステップS3aで決定された電流値と、ステップS7aで選択された電流値のうち、大きい方の電流値を選択する。これは、エンストの防止を最優先させるためである。
【0060】
また、エコノミーモードの場合は、ステップS3b〜ステップS8bの処理を実行する。このステップS3b〜8bの処理は、パワーモードの場合と比較して、参照するテーブルが、テーブル1P〜4Pではなくテーブル1E〜4Eである点を除いて、全く同様の処理である。
【0061】
以上のようにして得られた電流値に相当する制御信号i1が、ステップS9において、PC弁19に対して出力される。
【0062】
以上のような制御により、エンストしない範囲で、ステアリング機構が作動不可能になることがなく、しかもアクセルペダル17の踏み込み量(オペレータの意思)も考慮した上で、ローダ用油圧ポンプ8が制御される。具体的には、以上の各条件を考慮した上で、ローダ用油圧ポンプ8は最も小さい低下率で吸収トルクが低下される。
【0063】
<吸収トルク制御動作>
以上の制御によってローダ用油圧ポンプ8の吸収トルクが低下する動作について以下に詳細に説明する。
【0064】
前述のように、PC弁19は、油圧ポンプ8の吐出圧Ppをパイロット圧として入力し、吐出圧Ppに応じた駆動圧油をサーボ弁20に供給することで、油圧ポンプ8の容量qを制御している。
【0065】
図8に、油圧ポンプ8の吐出圧Ppと油圧ポンプ8の容量q(=斜板8aの傾転角)の関係を示す。この図8に示すように、油圧ポンプ8の吐出圧Ppが一定圧以下であれば、油圧ポンプ8の斜板8aの傾転角が最大に設定され、油圧ポンプ8は最大容量qmaxとなっている。油圧負荷が大きくなり、ポンプ吐出圧Ppが一定圧を越えると、特性LN1にしたがってポンプ容量qを減少させて斜板傾転角を最小にし、ポンプ容量を最小容量qminにする。
【0066】
このようにして、油圧ポンプ8では、油圧負荷、すなわち吸収トルクが最大吸収トルクTp1を越えない範囲で、ポンプ吐出圧Ppに応じてポンプ容量qが制御される。
【0067】
ここで、PC弁19には、前述の制御処理によってコントローラ18から制御信号i1が入力されており、この制御信号i1に応じて最大吸収トルクが制御される。この制御信号i1によってPC弁19に与えられる電流値(図7の制御処理で得られた電流値)が高くなればなるほど、図8の矢印Dに示すように、特性LN1から特性LN2側に変化し、ポンプ容量の減少を開始するポンプ吐出圧の値が小さくなり、最大吸収トルク値が小さな値Tp2に設定される。
【0068】
したがって、図7の制御処理によって得られた電流値をPC弁19に与えることにより、エンジン回転数、アクセル開度及びステアリング油圧を参照して、ローダ用油圧ポンプ8の吸収トルクを、最小の低下率で小さくすることができる。したがって、エンストを防止できるとともにアクセルペダル17の踏み込みに対するレスポンスの悪化を抑えることができ、しかもローダを有効に機能させることができる。
【0069】
[第2実施形態]
前記実施形態では、PC19によるPC制御によってローダ用油圧ポンプ8を制御したが、LS弁(ロードセンシング弁)によるLS制御によって制御するようにしても良い。以下に、LS制御を行う場合の実施形態を説明する。
【0070】
<LS制御>
図9はローダ用油圧ポンプ8をLS制御するための構成を示しており、前記実施形態の図2に相当する構成である。ここでは、前記実施形態のPC弁19に代わって、LS弁22と差圧設定部23とが設けられている。
【0071】
LS弁22は、油圧ポンプ8の吐出圧Ppとローダ用油圧シリンダ14の負荷圧PLSとの差圧ΔPが一定差圧ΔPLSとなるように、油圧ポンプ8の斜板8aの傾転角を制御するものである。すなわち、LS弁22には一定差圧ΔPLSを設定するためのバネが設けられている。そして、LS弁22のバネ側と反対側のパイロットポートには、油圧ポンプ8の吐出圧Ppがパイロット圧として加えられ、バネ側のパイロットポートには、ローダ用油圧シリンダ14の負荷圧PLSがパイロット圧として加えられる。そして、LS弁22から駆動圧油がサーボ弁20に供給されることで、油圧ポンプ8の容量qが制御される。
【0072】
また、ローダ用制御弁12の開口面積をA、抵抗係数をcとすると、油圧ポンプ8の吐出流量Qは、
Q=c・A・√(ΔP)
で表される。差圧ΔPはLS弁22により一定になるので、ポンプ流量Qは制御弁12のスプールの開口面積Aによってのみ変化する。
【0073】
具体的操作としては、ローダ用操作レバーを操作すると、その操作量に応じてローダ用制御弁12の開口面積Aが増加し、開口面積Aの増加に応じてポンプ流量Qが増加する。このとき、ポンプ流量Qは、油圧負荷の影響を受けず、ローダ用操作レバーの操作量のみによって定まる。このようにLS弁22を設けることによって、ポンプ流量Qは油圧負荷によって増減することなく、オペレータの意思通りに(ローダ用操作レバーの操作位置に応じて)変化し、ファインコントロール性、すなわち中間操作領域における操作性が向上する。
【0074】
しかし、ファインコントロール時など、油圧ポンプ8の最大流量を超えない領域でも、常にローダ用油圧シリンダ14が要求する通りの流量を供給するために、エンジン1が低回転域でも高回転域と同じ吐出流量となってしまう。
【0075】
<本実施形態>
そこで、この第2実施形態では、前記第1実施形態と同様の処理(図7の処理)によって得られたコントローラ18からの制御信号i2により、差圧設定値ΔPLSを下げて、吐出流量を抑える制御を実行する。具体的には、LS弁22には、バネの設定バネ力を変化させるための差圧設定部23が設けられており、この差圧設定部23にコントローラ18からの制御信号i2が与えられると、差圧設定部23はLS弁22のバネの設定バネ力を変化させ、差圧設定値ΔPLSを変更する。
【0076】
なお、図10に示すように、LS弁22の電磁ソレノイドに制御信号i2を与えることで、LS弁22のバネの設定バネ力を変化させ、差圧設定値ΔPLSを変更するようにしても良い。
【0077】
<差圧設定値の変更制御>
以上のような差圧設定値の変更制御について、図11を用いて説明する。図11は、油圧ポンプ8の吐出圧力Ppと油圧ポンプ8の容量q(斜板8aの傾転角)の関係を示す図である。
【0078】
図11に示すように、油圧ポンプ8の吐出圧PpがPp1であり、このときのポンプ容量qが最大値qmaxになっているときに、差圧設定値ΔPLSを小さい値に変更すると、上記式(Q=c・A・√(ΔP))の右辺が小さくなったことに相当する。これにより、図11の矢印Eで示すように、ポンプ容量qは最大値qmaxから小さな値q1に変更される。ポンプ容量qが小さくなることで、油圧ポンプ8の吸収トルク、つまり油圧負荷が小さくなる。
【0079】
以上のような制御によって、第1実施形態と同様に、エンジン回転数、アクセル開度及びステアリング油圧を参照して、ローダ用油圧ポンプ8の吸収トルクを、最小の低下率で小さくすることができる。したがって、エンストを防止できるとともにアクセルペダル17の踏み込みに対するレスポンスの悪化を抑えることができ、しかもローダを有効に機能させることができる。
【0080】
[他の実施形態]
(a)前記各実施形態では、エンジン回転数、アクセルペダルのストローク(アクセル開度)及びステアリング用油圧ポンプの吐出圧を検出し、これらの情報に基づいてローダ用油圧ポンプの吸収トルクを制御するようにしたが、制御のための情報はこれらの機器からの情報に限定されない。
【0081】
すなわち、オペレータの意思としてのアクセルレバー等、回転数をオペレータが指示するものであれば、アクセルペダルに限定されない。また、ステアリング用油圧ポンプの吐出圧に代わって他の機器を駆動する油圧ポンプの吐出圧を検出するようにしても良いし、ステアリング用油圧ポンプの吐出圧に加えて他の機器の油圧ポンプの吐出圧を検出するようにしても良い。
【0082】
(b)制御すべき油圧ポンプとして、前記実施形態ではローダ用油圧ポンプを例にとったが、他の作業機用の油圧ポンプの吸収トルクを制御するようにしても良い。
【0083】
(c)油圧ポンプの吸収トルクを制御する構成としては、PC制御及びLS制御に限定されるものではなく、他の制御によって吸収トルクを低下させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態による制御装置が搭載された作業車両のブロック構成図。
【図2】ローダ用油圧ポンプのPC制御ブロック図。
【図3】前記実施形態の制御機能図。
【図4】EPC出力電流を決定するためのテーブルの一例を示す図。
【図5】エンジン回転数とエンジントルクとの関係を示す図。
【図6】エンジン回転数とエンジントルクとの関係を示す図。
【図7】制御フローチャート。
【図8】油圧ポンプの最大吸収トルクを変更する制御を説明するための図。
【図9】ローダ用油圧ポンプのLS制御ブロック図。
【図10】LS制御の他の実施形態の一部を示す図。
【図11】油圧ポンプの容量を変更する制御を説明するための図。
【符号の説明】
【0085】
1 エンジン
1a エンジン回転数センサ
2 トルクコンバータ
3 トランスミッション
7 ステアリング用油圧ポンプ
7b 吐出圧センサ
8 ローダ用油圧ポンプ
9 ファン用油圧ポンプ
11 ステアリング用制御弁
12 ローダ用制御弁
13 ステアリング用油圧シリンダ
14 ローダ用油圧シリンダ
17 アクセルペダル
17a ストロークセンサ
18 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転数指示装置によって回転数が制御されるエンジンの出力が、駆動輪に伝達されるとともに複数の可変容量型油圧ポンプを介して作業機用油圧アクチュエータを含む複数の油圧アクチュエータに伝達される作業車両のエンジン負荷制御装置であって、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
前記回転数指示装置の指示内容を検出する指示内容検出手段と、
前記複数の可変容量型油圧ポンプのうちの少なくともいずれか1つの負荷検出油圧ポンプの負荷を検出する油圧ポンプ負荷検出手段と、
前記エンジン回転数検出手段、前記指示内容検出手段及び前記油圧ポンプ負荷検出手段の検出結果に基づいて、前記負荷検出油圧ポンプ以外の少なくとも1つの制御油圧ポンプの吸収トルクを制御する吸収トルク制御手段と、
を備えた作業車両のエンジン負荷制御装置。
【請求項2】
前記吸収トルク制御手段は、エンジン回転数が第1エンジン回転数以下の場合に制御処理を実行する、請求項1に記載の作業車両のエンジン負荷制御装置。
【請求項3】
前記吸収トルク制御手段は、
エンジン回転数がエンジン停止防止用として設定されたローアイドル回転数以下の第2エンジン回転数以下にならないように前記制御油圧ポンプの吸収トルクを小さくするための第1低下率を決定する第1低下率決定手段と、
エンジン回転数に応じて前記制御油圧ポンプの吸収トルクの第2低下率を決定する第2低下率決定手段と、
前記エンジン回転数の指示内容に応じて前記制御油圧ポンプの吸収トルクの第3低下率を決定する第3低下率決定手段と、
前記負荷検出油圧ポンプの負荷に応じて前記制御油圧ポンプの吸収トルクの第4低下率を決定する第4低下率決定手段と、
前記第2、第3及び第4低下率のうちから最小の低下率を選択する最小低下率選択手段と、
前記第1低下率及び前記最小低下率のうちの大きい低下率を選択する最大低下率選択手段と、
前記最大低下率選択手段で選択された低下率に応じて前記制御用油圧ポンプの吸収トルクを低下させる吸収トルク低下手段と、
を備えた、請求項1又は2に記載の作業車両のエンジン負荷制御装置。
【請求項4】
前記吸収トルク制御手段は、作業機用油圧アクチュエータを駆動するための油圧ポンプの吸収トルクを制御する、請求項1から3のいずれかに記載の作業車両のエンジン負荷制御装置。
【請求項5】
前記油圧ポンプ負荷検出手段は、ステアリング機構に含まれるステアリング用油圧アクチュエータを駆動するためのステアリング用油圧ポンプの吐出圧を検出する、請求項1から4のいずれかに記載の作業車両のエンジン負荷制御装置。
【請求項6】
前記指示内容検出手段はアクセル装置の開度を検出する、請求項1から5のいずれかに記載の作業車両のエンジン負荷制御装置。
【請求項7】
作業モードが、パワー重視のパワーモードに設定されているか省エネルギ重視のエコノミーモードに設定されているかを判断する作業モード判断手段をさらに備え、
前記吸収トルク制御手段は、作業モードに応じて前記制御油圧ポンプの吸収トルクの低下率を制御する、
請求項3に記載の作業車両のエンジン負荷制御装置。
【請求項8】
前記吸収トルク制御手段は、作業機用油圧アクチュエータを駆動するための油圧ポンプの吸収トルクを制御するものであり、
前記吸収トルク低下手段は前記作業機用油圧ポンプの最大吸収トルクを制御する、
請求項3に記載の作業車両のエンジン負荷制御装置。
【請求項9】
前記吸収トルク制御手段は、作業機用油圧アクチュエータを駆動するための油圧ポンプの吸収トルクを制御するものであり、
前記吸収トルク低下手段は、前記作業機用油圧ポンプの吐出圧と前記作業機用油圧アクチュエータの負荷圧との差圧が所定の設定差圧になるように前記作業機用油圧ポンプの容量を制御する、
請求項3に記載の作業車両のエンジン負荷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−162754(P2007−162754A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356816(P2005−356816)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】