光学装置及びその製造方法
【課題】同一の基板上に発光素子及び受光素子や導波路が形成されている場合でも、漏れ光が基板上の様々な伝搬経路を経て受光素子に入射することを防ぐことが出来る光学装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】光学装置は、基板の主面に沿って設けられた発光素子及び受光素子と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路と、を含み、当該発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に形成された遮光領域を有する。当該光学装置の製造方法は、基板の主面に沿って発光素子及び受光素子を形成する工程と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路を基板の主面に沿って形成する工程と、を含み、当該発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に遮光領域を形成する工程を有する。
【解決手段】光学装置は、基板の主面に沿って設けられた発光素子及び受光素子と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路と、を含み、当該発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に形成された遮光領域を有する。当該光学装置の製造方法は、基板の主面に沿って発光素子及び受光素子を形成する工程と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路を基板の主面に沿って形成する工程と、を含み、当該発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に遮光領域を形成する工程を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板と、当該基板の主面に沿って設けられた発光素子及び受光素子と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路と、を含む光学装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンドが発展し、一般家庭まで光ファイバが導入されるようになっている。それに伴い、光ファイバを使用した通信に用いられる部品の小型化及び低コスト化が要求されている。このような要求にこたえるために、同一の基板上に多数の部品を混載した光学装置、例えば、ONUデバイス等が用いられるようになっている。ONUデバイスにおいては、発光素子及び受光素子と、その発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路等が同一の基板上に形成されている。導波路は、例えば、特許文献1に示すように、シリコンで形成されたコアと、そのコアを覆う酸化シリコンで形成されたクラッドから構成されている。
【特許文献1】特開2002−14242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した如きONUデバイスのような光学装置においては、同一の基板上に発光素子及び受光素子や導波路等が形成されている。それ故、発光素子からの光のうち導波路に入射しない光である漏れ光が、基板上の様々な伝搬経路を経て受光素子に入射することが起こりえる。漏れ光は、例えば、発光素子及び受光素子や導波路等が形成されていない基板上の領域を伝搬して、受光素子に入射していると考えられる。このように漏れ光が受光素子に入射すると、光学的ノイズにより受光素子において受光された信号が劣化してしまう。信号の劣化が起こると、データエラーが増大する等の問題が生じる。
【0004】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、同一の基板上に発光素子及び受光素子や導波路が形成されている場合でも、漏れ光が基板上の様々な伝搬経路を経て受光素子に入射することを防ぐことが出来る光学装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光学装置は、基板と、基板の主面に沿って設けられた発光素子及び受光素子と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路と、を含む光学装置であって、発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に形成された遮光領域を有することを特徴とする。
【0006】
本発明の光学装置の製造方法は、基板の主面に沿って発光素子及び受光素子を形成する素子形成工程と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路を基板の主面に沿って形成する導波路形成工程と、を含む光学装置の製造方法であって、発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に遮光領域を形成する遮光領域形成工程を有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明に係る光学装置の第1の実施例の構造を示す平面図である。光学装置1は、1つの基板の主面に沿って設けられた発光素子3及び受光素子4と、その発光素子3及び受光素子4の間の光の伝搬経路となる導波路5a〜5cから構成されている。導波路5a〜5cには、波長フィルタ6a〜6dが設けられている。また、発光素子3と受光素子4と導波路5a〜5cの間の基板の主面に沿った領域には、遮光領域7が形成されている。発光素子3から発せられた光は、導波路5aを伝搬していき、図示しない光ファイバに入射する。図示しない光ファイバから光学装置1に入射した光は、導波路5bを伝搬していき、受光素子4に入射する。
【0009】
図2は、図1の光学装置1の2−2線における断面図である。シリコン基板91の主面上には、下部クラッド92が形成されている。この下部クラッド92は、酸化シリコンによって形成されている。下部クラッド92上の所定の領域には、コア51a及び51bと、遮光領域7が形成されている。コア51a及び51bは、シリコンによって形成されている。また、遮光領域7も、シリコンによって形成されている。下部クラッド92、コア51a及び51b、遮光領域7上には、上部クラッド94が形成されている。この上部クラッド94は、酸化シリコンによって形成されている。導波路5aは、コア51aと、そのコア51aの下部を覆う下部クラッド92、コア51aの上部及び側面を覆う上部クラッド94から構成されている。導波路5bは、コア51bと、そのコア51bの下部を覆う下部クラッド92、コア51bの上部及び側面を覆う上部クラッド94から構成されている。
【0010】
次に、光学装置1の製造方法について説明する。光学装置1の製造には、図3に示すようなSOI基板90を使用する。SOI基板90は、シリコン基板91と、シリコン基板91の主面上の厚さ1〜5μmの酸化シリコン膜92と、酸化シリコン膜92上の厚さ0.1〜0.5μmのシリコン層93によって構成されている。光学装置1の製造を行う場合には、まず、このSOI基板90を、1%のフッ化水素酸溶液で20秒間洗浄して、更に、純水で5分間のリンスを行う。
【0011】
次に、SOI基板90のシリコン層93上にレジストを塗布して、露光マスクを用いて露光を行い、現像することにより、図4に示すようなレジストパターン95a及び95bを形成する。レジストパターン95aは、コア51a及び51bを形成するためのレジストパターンである。また、レジストパターン95bは、遮光領域7を形成するための遮光領域レジストパターンである。
【0012】
レジストパターン95a及び95bを形成した後で、このレジストパターン95a及び95bをエッチングマスクとしたエッチングを行うことにより、シリコン層93をパターニングして、図5に示すような、コア51a及び51bと、遮光領域7を形成する。尚、このとき形成するコア51a及び51bの幅及び高さは、0.3μmにすることが望ましい。また、エッチング方法としては、例えば、ドライエッチングを使用することが出来る。このときのエッチングガスとしては、例えば、CF4に20%のO2を添加したガスを使用することが出来る。
【0013】
エッチングを行うことにより、コア51a及び51bと、遮光領域7を形成した後、図6に示すように、上部クラッド94として、厚さ1〜5μmの酸化シリコンを堆積する。堆積方法としては、例えば、並行平板型プラズマ化学気相成長法、スパッタ法、蒸着法等を使用することが出来る。また、このときの原料ガスとしては、テトラエトキシシラン及びO2を使用することが出来る。尚、上部クラッド94を形成する際には、予め、遮光領域7の上部にマスキングを施し、遮光領域7の部分には上部クラッド94が形成されないようにしてもよい。
【0014】
このようにして、導波路5a〜5c及び遮光領域7が形成される。また、図示しないが発光素子3及び受光素子4も実装される。このようにして形成された光学装置1においては、発光素子からの光のうち導波路に入射しない光である漏れ光は、遮光領域7により伝搬を阻まれる。それ故、漏れ光が、基板上の様々な伝搬経路を経て、受光素子に入射することを防ぐことが出来る。
【0015】
以下で、本発明の第2の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図7は、本発明に係る光学装置の第2の実施例の構造を示す平面図である。光学装置1は、1つの基板の主面に沿って設けられた発光素子3及び受光素子4と、その発光素子3及び受光素子4の間の光の伝搬経路となる導波路5a〜5cから構成されている。導波路5a〜5cには、波長フィルタ6a〜6dが設けられている。また、発光素子3と受光素子4と導波路5a〜5cの間の基板の主面に沿った領域には、遮光領域7が形成されている。発光素子3から発せられた光は、導波路5aを伝搬していき、図示しない光ファイバに入射する。図示しない光ファイバから光学装置1に入射した光は、導波路5bを伝搬していき、受光素子4に入射する。
【0017】
図8は、図7の光学装置1の8−8線における断面図である。シリコン基板91の主面上には、下部クラッド92が形成されている。この下部クラッド92は、酸化シリコンによって形成されている。下部クラッド92上の所定の領域には、コア51a及び51bと、遮光領域7が形成されている。コア51a及び51bは、シリコンによって形成されている。また、遮光領域7も、シリコンによって形成されている。この遮光領域7の側面は、シリコン基板91の主面に対して傾斜した平面となっている。下部クラッド92、コア51a及び51b、遮光領域7上には、上部クラッド94が形成されている。この上部クラッド94は、酸化シリコンによって形成されている。導波路5aは、コア51aと、そのコア51aの下部を覆う下部クラッド92、コア51aの上部及び側面を覆う上部クラッド94から構成されている。導波路5bは、コア51bと、そのコア51bの下部を覆う下部クラッド92、コア51bの上部及び側面を覆う上部クラッド94から構成されている。
【0018】
次に、光学装置1の製造方法について説明する。光学装置1の製造には、図9に示すようなSOI基板90を使用する。SOI基板90は、シリコン基板91と、シリコン基板91の主面上の厚さ1〜5μmの酸化シリコン膜92と、酸化シリコン膜92上の厚さ0.1〜0.5μmのシリコン層93によって構成されている。光学装置1の製造を行う場合には、まず、このSOI基板90を、1%のフッ化水素酸溶液で20秒間洗浄して、更に、純水で5分間のリンスを行う。
【0019】
次に、SOI基板90のシリコン層93上にレジストを塗布して、露光マスクを用いて露光を行い、現像することにより、図10に示すようなレジストパターン95a及び95bを形成する。レジストパターン95aは、コア51a及び51bを形成するためのレジストパターンである。また、レジストパターン95bは、遮光領域7を形成するための遮光領域レジストパターンである。レジストパターン95bの側面は、シリコン層93の主面に対して傾斜した平面となっている。
【0020】
レジストパターン95bのように、側面がシリコン層93の主面に対して傾斜した平面となるようなレジストパターンを形成する方法について以下で説明する。図11に、このようなレジストパターンを形成する際に用いられる露光マスクの例を示す。露光マスク110は、複数のマスクセル111〜11nが、露光に用いる装置の光学系の解像限界以下の間隔で配置されて構成されている。マスクセル111〜11nの各々の幅、すなわち、マスクセルの間隔は、例えば、400nmである。マスクセル111は、遮光部111−aと開口部111−bから構成されている。尚、他の複数のマスクセル112〜11nもマスクセル111と同様に遮光部と開口部から構成されている。開口部の幅は、例えば、120nm〜280nmの間で段階的に変化している。開口部の幅の変化する単位は、例えば、10nmである。
【0021】
図12に、図11に示すような露光マスク110のマスクセルの開口部の幅と、露光及び現像後に残存するレジスト膜厚の関係を示す。開口部の幅は、120nm〜280nmの間で、10nm毎に変化させている。このとき使用したレジストは、JSR社製、IX410(商品名)である。露光装置としては、i線ステッパ、例えば、Nikon社製、NSR−2205i11D(商品名)を用い、露光条件を開口数NA=0.5、σ=0.5、縮小投影倍率を5倍とした。レジストパターンを得るまでの手順は以下の通りである。まず、基板上にレジストを塗布して、90度の温度下で60秒間のプリベーク処理を行う。そして、i線ステッパを用いて280ミリ秒間の露光を行い、110度の温度下で100秒間の露光後ベーク処理を行う。更に、アルカリ現像液、例えば、東京応化社製、NMD−3(商品名)を用いて90秒間の現像処理を行い、120度の温度下で100秒間の現像後ベーク処理を行うことによりレジストパターンが得られる。このようにして得られたレジストパターンの膜厚は、図12に示すように、開口部の幅に応じて変化している。レジストパターンの側面を、シリコン層93の主面に対して傾斜した平面にする場合、すなわち、残存するレジストの膜厚を場所によって変化させる場合は、レジストの膜厚に応じて露光マスク110のマスクセルの開口部の幅を変化させればよい。
【0022】
レジストパターン95bのように、側面がシリコン層93の主面に対して傾斜した平面となるようなレジストパターンを形成する場合の露光マスク110のマスクセルの開口部の幅を図13に示す。図13に示すように、開口部の幅を120nm〜280nmの間で段階的に変化させることにより、レジストパターンの側面をシリコン層93の主面に対して傾斜した平面にすることが出来る。残存するレジストの膜厚を薄くする場所では、開口部の幅を大きくする。残存するレジストの膜厚を厚くする場所では、開口部の幅を小さくする。このように露光マスク110のマスクセルの開口部の幅を変化させることにより、残存するレジストの膜厚を場所により変化させることが出来、レジストパターンの側面をシリコン層93の主面に対して傾斜した平面にすることが出来る。
【0023】
レジストパターン95a及び95bを形成した後で、このレジストパターン95a及び95bをエッチングマスクとしたエッチングを行うことにより、シリコン層93をパターニングして、図14に示すような、コア51a及び51bと、遮光領域7を形成する。レジストパターン95bのように、側面がシリコン層93の主面に対して傾斜した平面の場所では、エッチング後のシリコン層93の側面も傾斜した平面となる。それ故、遮光領域7のように、側面を、シリコン基板91の主面に対して傾斜した平面にすることが出来る。尚、このとき形成するコア51a及び51bの幅及び高さは、0.3μmにすることが望ましい。また、エッチング方法としては、例えば、ドライエッチングを使用することが出来る。このときのエッチングガスとしては、例えば、CF4に20%のO2を添加したガスを使用することが出来る。
【0024】
このように、図11に示したようにマスクセルの開口部の幅が段階的に変化している露光マスク110を用いることにより、1回の露光、現像、エッチングの工程を行うことで、側面がシリコン基板91の主面に対して傾斜した平面となる遮光領域7を形成することが出来る。
【0025】
エッチングを行うことにより、コア51a及び51bと、遮光領域7を形成した後、図15に示すように、上部クラッド94として、厚さ1〜5μmの酸化シリコンを堆積する。堆積方法としては、例えば、並行平板型プラズマ化学気相成長法、スパッタ法、蒸着法等を使用することが出来る。また、このときの原料ガスとしては、テトラエトキシシラン及びO2を使用することが出来る。尚、上部クラッド94を形成する際には、予め、遮光領域7の上部にマスキングを施し、遮光領域7の部分には上部クラッド94が形成されないようにしてもよい。
【0026】
このようにして、導波路5a〜5c及び遮光領域7が形成される。また、図示しないが発光素子3及び受光素子4も実装される。このようにして形成された光学装置1においては、発光素子からの光のうち導波路に入射しない光である漏れ光は、遮光領域7により伝搬を阻まれ、漏れ光が、基板上の様々な伝搬経路を経て、受光素子に入射することを防ぐことが出来る。また、遮光領域7の側面は、シリコン基板91の主面に対して傾斜した平面であるので、遮光領域7に入射した光が、側面から再度出射することを防ぐことが出来る。
【0027】
尚、ここに示した大きさ、材料、条件等は、一例に過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0028】
上記説明したように、本発明の光学装置によれば、発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に遮光領域が形成されているので、発光素子からの光のうち導波路に入射しない光である漏れ光は、遮光領域により伝搬を阻まれる。それ故、漏れ光が、基板上の様々な伝搬経路を経て、受光素子に入射することを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施例である光学装置を示す平面図である。
【図2】図1の光学装置の2−2線における断面を示す断面図である。
【図3】図1の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】図1の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】図1の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】図1の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例である光学装置を示す平面図である。
【図8】図7の光学装置の8−8線における断面を示す断面図である。
【図9】図7の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】図7の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図11】図7の光学装置の製造に用いられる露光マスクを示す平面図である。
【図12】図11の露光マスクの開口部の幅と残存するレジスト膜厚の関係を示すグラフである。
【図13】図11の露光マスクの開口部の幅を示すグラフである。
【図14】図7の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図15】図7の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 光学装置
3 発光素子
4 受光素子
5a〜5c 導波路
51a〜51b コア
7 遮光領域
90 SOI基板
91 シリコン基板
92 下部クラッド
94 上部クラッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板と、当該基板の主面に沿って設けられた発光素子及び受光素子と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路と、を含む光学装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンドが発展し、一般家庭まで光ファイバが導入されるようになっている。それに伴い、光ファイバを使用した通信に用いられる部品の小型化及び低コスト化が要求されている。このような要求にこたえるために、同一の基板上に多数の部品を混載した光学装置、例えば、ONUデバイス等が用いられるようになっている。ONUデバイスにおいては、発光素子及び受光素子と、その発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路等が同一の基板上に形成されている。導波路は、例えば、特許文献1に示すように、シリコンで形成されたコアと、そのコアを覆う酸化シリコンで形成されたクラッドから構成されている。
【特許文献1】特開2002−14242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した如きONUデバイスのような光学装置においては、同一の基板上に発光素子及び受光素子や導波路等が形成されている。それ故、発光素子からの光のうち導波路に入射しない光である漏れ光が、基板上の様々な伝搬経路を経て受光素子に入射することが起こりえる。漏れ光は、例えば、発光素子及び受光素子や導波路等が形成されていない基板上の領域を伝搬して、受光素子に入射していると考えられる。このように漏れ光が受光素子に入射すると、光学的ノイズにより受光素子において受光された信号が劣化してしまう。信号の劣化が起こると、データエラーが増大する等の問題が生じる。
【0004】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、同一の基板上に発光素子及び受光素子や導波路が形成されている場合でも、漏れ光が基板上の様々な伝搬経路を経て受光素子に入射することを防ぐことが出来る光学装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光学装置は、基板と、基板の主面に沿って設けられた発光素子及び受光素子と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路と、を含む光学装置であって、発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に形成された遮光領域を有することを特徴とする。
【0006】
本発明の光学装置の製造方法は、基板の主面に沿って発光素子及び受光素子を形成する素子形成工程と、発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路を基板の主面に沿って形成する導波路形成工程と、を含む光学装置の製造方法であって、発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に遮光領域を形成する遮光領域形成工程を有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明に係る光学装置の第1の実施例の構造を示す平面図である。光学装置1は、1つの基板の主面に沿って設けられた発光素子3及び受光素子4と、その発光素子3及び受光素子4の間の光の伝搬経路となる導波路5a〜5cから構成されている。導波路5a〜5cには、波長フィルタ6a〜6dが設けられている。また、発光素子3と受光素子4と導波路5a〜5cの間の基板の主面に沿った領域には、遮光領域7が形成されている。発光素子3から発せられた光は、導波路5aを伝搬していき、図示しない光ファイバに入射する。図示しない光ファイバから光学装置1に入射した光は、導波路5bを伝搬していき、受光素子4に入射する。
【0009】
図2は、図1の光学装置1の2−2線における断面図である。シリコン基板91の主面上には、下部クラッド92が形成されている。この下部クラッド92は、酸化シリコンによって形成されている。下部クラッド92上の所定の領域には、コア51a及び51bと、遮光領域7が形成されている。コア51a及び51bは、シリコンによって形成されている。また、遮光領域7も、シリコンによって形成されている。下部クラッド92、コア51a及び51b、遮光領域7上には、上部クラッド94が形成されている。この上部クラッド94は、酸化シリコンによって形成されている。導波路5aは、コア51aと、そのコア51aの下部を覆う下部クラッド92、コア51aの上部及び側面を覆う上部クラッド94から構成されている。導波路5bは、コア51bと、そのコア51bの下部を覆う下部クラッド92、コア51bの上部及び側面を覆う上部クラッド94から構成されている。
【0010】
次に、光学装置1の製造方法について説明する。光学装置1の製造には、図3に示すようなSOI基板90を使用する。SOI基板90は、シリコン基板91と、シリコン基板91の主面上の厚さ1〜5μmの酸化シリコン膜92と、酸化シリコン膜92上の厚さ0.1〜0.5μmのシリコン層93によって構成されている。光学装置1の製造を行う場合には、まず、このSOI基板90を、1%のフッ化水素酸溶液で20秒間洗浄して、更に、純水で5分間のリンスを行う。
【0011】
次に、SOI基板90のシリコン層93上にレジストを塗布して、露光マスクを用いて露光を行い、現像することにより、図4に示すようなレジストパターン95a及び95bを形成する。レジストパターン95aは、コア51a及び51bを形成するためのレジストパターンである。また、レジストパターン95bは、遮光領域7を形成するための遮光領域レジストパターンである。
【0012】
レジストパターン95a及び95bを形成した後で、このレジストパターン95a及び95bをエッチングマスクとしたエッチングを行うことにより、シリコン層93をパターニングして、図5に示すような、コア51a及び51bと、遮光領域7を形成する。尚、このとき形成するコア51a及び51bの幅及び高さは、0.3μmにすることが望ましい。また、エッチング方法としては、例えば、ドライエッチングを使用することが出来る。このときのエッチングガスとしては、例えば、CF4に20%のO2を添加したガスを使用することが出来る。
【0013】
エッチングを行うことにより、コア51a及び51bと、遮光領域7を形成した後、図6に示すように、上部クラッド94として、厚さ1〜5μmの酸化シリコンを堆積する。堆積方法としては、例えば、並行平板型プラズマ化学気相成長法、スパッタ法、蒸着法等を使用することが出来る。また、このときの原料ガスとしては、テトラエトキシシラン及びO2を使用することが出来る。尚、上部クラッド94を形成する際には、予め、遮光領域7の上部にマスキングを施し、遮光領域7の部分には上部クラッド94が形成されないようにしてもよい。
【0014】
このようにして、導波路5a〜5c及び遮光領域7が形成される。また、図示しないが発光素子3及び受光素子4も実装される。このようにして形成された光学装置1においては、発光素子からの光のうち導波路に入射しない光である漏れ光は、遮光領域7により伝搬を阻まれる。それ故、漏れ光が、基板上の様々な伝搬経路を経て、受光素子に入射することを防ぐことが出来る。
【0015】
以下で、本発明の第2の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図7は、本発明に係る光学装置の第2の実施例の構造を示す平面図である。光学装置1は、1つの基板の主面に沿って設けられた発光素子3及び受光素子4と、その発光素子3及び受光素子4の間の光の伝搬経路となる導波路5a〜5cから構成されている。導波路5a〜5cには、波長フィルタ6a〜6dが設けられている。また、発光素子3と受光素子4と導波路5a〜5cの間の基板の主面に沿った領域には、遮光領域7が形成されている。発光素子3から発せられた光は、導波路5aを伝搬していき、図示しない光ファイバに入射する。図示しない光ファイバから光学装置1に入射した光は、導波路5bを伝搬していき、受光素子4に入射する。
【0017】
図8は、図7の光学装置1の8−8線における断面図である。シリコン基板91の主面上には、下部クラッド92が形成されている。この下部クラッド92は、酸化シリコンによって形成されている。下部クラッド92上の所定の領域には、コア51a及び51bと、遮光領域7が形成されている。コア51a及び51bは、シリコンによって形成されている。また、遮光領域7も、シリコンによって形成されている。この遮光領域7の側面は、シリコン基板91の主面に対して傾斜した平面となっている。下部クラッド92、コア51a及び51b、遮光領域7上には、上部クラッド94が形成されている。この上部クラッド94は、酸化シリコンによって形成されている。導波路5aは、コア51aと、そのコア51aの下部を覆う下部クラッド92、コア51aの上部及び側面を覆う上部クラッド94から構成されている。導波路5bは、コア51bと、そのコア51bの下部を覆う下部クラッド92、コア51bの上部及び側面を覆う上部クラッド94から構成されている。
【0018】
次に、光学装置1の製造方法について説明する。光学装置1の製造には、図9に示すようなSOI基板90を使用する。SOI基板90は、シリコン基板91と、シリコン基板91の主面上の厚さ1〜5μmの酸化シリコン膜92と、酸化シリコン膜92上の厚さ0.1〜0.5μmのシリコン層93によって構成されている。光学装置1の製造を行う場合には、まず、このSOI基板90を、1%のフッ化水素酸溶液で20秒間洗浄して、更に、純水で5分間のリンスを行う。
【0019】
次に、SOI基板90のシリコン層93上にレジストを塗布して、露光マスクを用いて露光を行い、現像することにより、図10に示すようなレジストパターン95a及び95bを形成する。レジストパターン95aは、コア51a及び51bを形成するためのレジストパターンである。また、レジストパターン95bは、遮光領域7を形成するための遮光領域レジストパターンである。レジストパターン95bの側面は、シリコン層93の主面に対して傾斜した平面となっている。
【0020】
レジストパターン95bのように、側面がシリコン層93の主面に対して傾斜した平面となるようなレジストパターンを形成する方法について以下で説明する。図11に、このようなレジストパターンを形成する際に用いられる露光マスクの例を示す。露光マスク110は、複数のマスクセル111〜11nが、露光に用いる装置の光学系の解像限界以下の間隔で配置されて構成されている。マスクセル111〜11nの各々の幅、すなわち、マスクセルの間隔は、例えば、400nmである。マスクセル111は、遮光部111−aと開口部111−bから構成されている。尚、他の複数のマスクセル112〜11nもマスクセル111と同様に遮光部と開口部から構成されている。開口部の幅は、例えば、120nm〜280nmの間で段階的に変化している。開口部の幅の変化する単位は、例えば、10nmである。
【0021】
図12に、図11に示すような露光マスク110のマスクセルの開口部の幅と、露光及び現像後に残存するレジスト膜厚の関係を示す。開口部の幅は、120nm〜280nmの間で、10nm毎に変化させている。このとき使用したレジストは、JSR社製、IX410(商品名)である。露光装置としては、i線ステッパ、例えば、Nikon社製、NSR−2205i11D(商品名)を用い、露光条件を開口数NA=0.5、σ=0.5、縮小投影倍率を5倍とした。レジストパターンを得るまでの手順は以下の通りである。まず、基板上にレジストを塗布して、90度の温度下で60秒間のプリベーク処理を行う。そして、i線ステッパを用いて280ミリ秒間の露光を行い、110度の温度下で100秒間の露光後ベーク処理を行う。更に、アルカリ現像液、例えば、東京応化社製、NMD−3(商品名)を用いて90秒間の現像処理を行い、120度の温度下で100秒間の現像後ベーク処理を行うことによりレジストパターンが得られる。このようにして得られたレジストパターンの膜厚は、図12に示すように、開口部の幅に応じて変化している。レジストパターンの側面を、シリコン層93の主面に対して傾斜した平面にする場合、すなわち、残存するレジストの膜厚を場所によって変化させる場合は、レジストの膜厚に応じて露光マスク110のマスクセルの開口部の幅を変化させればよい。
【0022】
レジストパターン95bのように、側面がシリコン層93の主面に対して傾斜した平面となるようなレジストパターンを形成する場合の露光マスク110のマスクセルの開口部の幅を図13に示す。図13に示すように、開口部の幅を120nm〜280nmの間で段階的に変化させることにより、レジストパターンの側面をシリコン層93の主面に対して傾斜した平面にすることが出来る。残存するレジストの膜厚を薄くする場所では、開口部の幅を大きくする。残存するレジストの膜厚を厚くする場所では、開口部の幅を小さくする。このように露光マスク110のマスクセルの開口部の幅を変化させることにより、残存するレジストの膜厚を場所により変化させることが出来、レジストパターンの側面をシリコン層93の主面に対して傾斜した平面にすることが出来る。
【0023】
レジストパターン95a及び95bを形成した後で、このレジストパターン95a及び95bをエッチングマスクとしたエッチングを行うことにより、シリコン層93をパターニングして、図14に示すような、コア51a及び51bと、遮光領域7を形成する。レジストパターン95bのように、側面がシリコン層93の主面に対して傾斜した平面の場所では、エッチング後のシリコン層93の側面も傾斜した平面となる。それ故、遮光領域7のように、側面を、シリコン基板91の主面に対して傾斜した平面にすることが出来る。尚、このとき形成するコア51a及び51bの幅及び高さは、0.3μmにすることが望ましい。また、エッチング方法としては、例えば、ドライエッチングを使用することが出来る。このときのエッチングガスとしては、例えば、CF4に20%のO2を添加したガスを使用することが出来る。
【0024】
このように、図11に示したようにマスクセルの開口部の幅が段階的に変化している露光マスク110を用いることにより、1回の露光、現像、エッチングの工程を行うことで、側面がシリコン基板91の主面に対して傾斜した平面となる遮光領域7を形成することが出来る。
【0025】
エッチングを行うことにより、コア51a及び51bと、遮光領域7を形成した後、図15に示すように、上部クラッド94として、厚さ1〜5μmの酸化シリコンを堆積する。堆積方法としては、例えば、並行平板型プラズマ化学気相成長法、スパッタ法、蒸着法等を使用することが出来る。また、このときの原料ガスとしては、テトラエトキシシラン及びO2を使用することが出来る。尚、上部クラッド94を形成する際には、予め、遮光領域7の上部にマスキングを施し、遮光領域7の部分には上部クラッド94が形成されないようにしてもよい。
【0026】
このようにして、導波路5a〜5c及び遮光領域7が形成される。また、図示しないが発光素子3及び受光素子4も実装される。このようにして形成された光学装置1においては、発光素子からの光のうち導波路に入射しない光である漏れ光は、遮光領域7により伝搬を阻まれ、漏れ光が、基板上の様々な伝搬経路を経て、受光素子に入射することを防ぐことが出来る。また、遮光領域7の側面は、シリコン基板91の主面に対して傾斜した平面であるので、遮光領域7に入射した光が、側面から再度出射することを防ぐことが出来る。
【0027】
尚、ここに示した大きさ、材料、条件等は、一例に過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0028】
上記説明したように、本発明の光学装置によれば、発光素子と受光素子と導波路とのうちの少なくとも2つの間の基板の主面に沿った領域に遮光領域が形成されているので、発光素子からの光のうち導波路に入射しない光である漏れ光は、遮光領域により伝搬を阻まれる。それ故、漏れ光が、基板上の様々な伝搬経路を経て、受光素子に入射することを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施例である光学装置を示す平面図である。
【図2】図1の光学装置の2−2線における断面を示す断面図である。
【図3】図1の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】図1の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】図1の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】図1の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例である光学装置を示す平面図である。
【図8】図7の光学装置の8−8線における断面を示す断面図である。
【図9】図7の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】図7の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図11】図7の光学装置の製造に用いられる露光マスクを示す平面図である。
【図12】図11の露光マスクの開口部の幅と残存するレジスト膜厚の関係を示すグラフである。
【図13】図11の露光マスクの開口部の幅を示すグラフである。
【図14】図7の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【図15】図7の光学装置の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 光学装置
3 発光素子
4 受光素子
5a〜5c 導波路
51a〜51b コア
7 遮光領域
90 SOI基板
91 シリコン基板
92 下部クラッド
94 上部クラッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の主面に沿って設けられた発光素子及び受光素子と、前記発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路と、を含む光学装置であって、
前記発光素子と前記受光素子と前記導波路とのうちの少なくとも2つの間の前記基板の主面に沿った領域に形成された遮光領域を有することを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記遮光領域の側面は、前記基板の主面に対して傾斜した平面であることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
【請求項3】
前記基板は、SOI基板であることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
【請求項4】
前記導波路は、コアと前記コアの周囲を覆うクラッドからなり、前記コアの幅及び高さが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
【請求項5】
基板の主面に沿って発光素子及び受光素子を形成する素子形成工程と、前記発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路を前記基板の主面に沿って形成する導波路形成工程と、を含む光学装置の製造方法であって、
前記発光素子と前記受光素子と前記導波路とのうちの少なくとも2つの間の前記基板の主面に沿った領域に遮光領域を形成する遮光領域形成工程を有することを特徴とする光学装置の製造方法。
【請求項6】
前記遮光領域形成工程は、前記遮光領域の側面を前記基板の主面に対して傾斜した平面にすることを特徴とする請求項5記載の光学装置の製造方法。
【請求項7】
前記基板はSOI基板であり、
前記遮光領域形成工程は、前記SOI基板の主面にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、前記レジストに露光マスクを用いた露光及び現像を行うことにより前記遮光領域を形成するための遮光領域レジストパターンを形成する遮光領域レジストパターン形成工程と、前記遮光領域レジストパターンの形成されたSOI基板の主面に対してエッチングを行うことにより遮光領域を形成するエッチング工程と、からなることを特徴とする請求項5記載の光学装置の製造方法。
【請求項8】
前記露光マスクは、開口部と遮光部からなるマスクセルが露光に用いる装置の光学系の解像限界以下の間隔で配置されており、前記開口部の幅が段階的に変化していることを特徴とする請求項7記載の光学装置の製造方法。
【請求項9】
前記導波路は、コアと前記コアの周囲を覆うクラッドからなり、前記コアの幅及び高さが0.5μm以下であることを特徴とする請求項5記載の光学装置の製造方法。
【請求項1】
基板と、前記基板の主面に沿って設けられた発光素子及び受光素子と、前記発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路と、を含む光学装置であって、
前記発光素子と前記受光素子と前記導波路とのうちの少なくとも2つの間の前記基板の主面に沿った領域に形成された遮光領域を有することを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記遮光領域の側面は、前記基板の主面に対して傾斜した平面であることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
【請求項3】
前記基板は、SOI基板であることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
【請求項4】
前記導波路は、コアと前記コアの周囲を覆うクラッドからなり、前記コアの幅及び高さが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
【請求項5】
基板の主面に沿って発光素子及び受光素子を形成する素子形成工程と、前記発光素子及び受光素子の間の光の伝搬経路となる導波路を前記基板の主面に沿って形成する導波路形成工程と、を含む光学装置の製造方法であって、
前記発光素子と前記受光素子と前記導波路とのうちの少なくとも2つの間の前記基板の主面に沿った領域に遮光領域を形成する遮光領域形成工程を有することを特徴とする光学装置の製造方法。
【請求項6】
前記遮光領域形成工程は、前記遮光領域の側面を前記基板の主面に対して傾斜した平面にすることを特徴とする請求項5記載の光学装置の製造方法。
【請求項7】
前記基板はSOI基板であり、
前記遮光領域形成工程は、前記SOI基板の主面にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、前記レジストに露光マスクを用いた露光及び現像を行うことにより前記遮光領域を形成するための遮光領域レジストパターンを形成する遮光領域レジストパターン形成工程と、前記遮光領域レジストパターンの形成されたSOI基板の主面に対してエッチングを行うことにより遮光領域を形成するエッチング工程と、からなることを特徴とする請求項5記載の光学装置の製造方法。
【請求項8】
前記露光マスクは、開口部と遮光部からなるマスクセルが露光に用いる装置の光学系の解像限界以下の間隔で配置されており、前記開口部の幅が段階的に変化していることを特徴とする請求項7記載の光学装置の製造方法。
【請求項9】
前記導波路は、コアと前記コアの周囲を覆うクラッドからなり、前記コアの幅及び高さが0.5μm以下であることを特徴とする請求項5記載の光学装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−103792(P2009−103792A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273645(P2007−273645)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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