説明

内燃機関および過給機

本発明は、内燃機関の効率と性能を高めるために内燃機関の条件に合うように内燃機関に空気を供給するための過給機を備えた内燃機関を提供する。内燃機関11は可変内部圧縮比過給機18に連結して、この過給機は内燃機関の負荷条件に合うように内燃機関に空気量を変化させながら供給する。過給機18にある一対のねじ型ロータ34,36は内燃機関11によって同期的に駆動されながら内燃機関に空気を供給する。ロータ34,36に連結したスライドアセンブリ22はコントローラ24によって動きながら、空気を大気にバイパスさせる一方、ロータで圧縮されて、内燃機関に供給される空気の空気量と圧力を調節して、エンジンの効率を上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の効率と性能を高めるために内燃機関の要件に合うように内燃機関に空気を供給するための過給機を備えた内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関に空気と燃料の供給を増やして馬力を高めるために空気置換装置が開発され、用いられている。このような空気置換装置の一例として、P.H.Rootsの米国特許第30,157号とG.Scheererの米国特許第2,201,014号に紹介された“Roots Blower”がある。これらの装置は2個のロータを駆動するのにベルト駆動軸を利用する。ロータが1回転するごとに所定の空気量を内燃機関のような圧縮機に送る。ロータの回転速度はアンスロットルド(unthrottled)空気量を決める決定的な要素である。
【0003】
C.N.HansenとP.C.Crossの米国特許第6,241,498号に紹介された過給機のロータは内燃機関に連結して、燃料/空気混合物を燃焼室に供給する。このロータには半円筒形のポケットと突出部が備えられていて、空気が連続的に過給機を通過する。過給機によって排出されるアンスロットルド空気量は、過給機を駆動する内燃機関の作動速度によって左右される。一定速度で動作する過給機によって排出されるアンスロットルド空気量はほとんど変わらない。この装置には、過給機を出入する空気を調節するための制御装置がない。
【0004】
J.E.Whitfieldの米国特許第3,151,806号は、ハウジング内で一対のロータが回転するスクリュー型圧縮機を紹介する。固定されたバルブスペーサ(spacer)の入口側に体積調節バルブが位置する。固定されたバルブスペーサの出口側に位置する圧縮調節バルブが出口の大きさと長さを調節する。バルブに連結したスクリューを利用してバルブの位置を調節し、流体供給量と内部圧縮比を所望のとおり調節する。
【0005】
F.SoderlundとK.Karlssonの米国特許第4,597,726号は、ハウジング内で互いに噛み合って一対のロータが回転するスクリュー型圧縮機を紹介する。圧縮機の圧力比と容量は、互いに独立して動くように設置された2個のスライドで調節する。一方のスライドは圧縮機の容量を調節し、他方のスライドは圧縮機の体積比を調節する。
【0006】
N.Tsubolの米国特許第4,951,638号は、一対の雌雄ロータが備えられたスクリュー型過給機を紹介する。それぞれのロータの一端部に設置されたギアによって、ロータが同期的に回転するが、互いに接触はしない。一方のロータは内燃機関に連結して、内燃機関が過給機に動力を供給する。内燃機関の吸気マニホールドに排出される空気量を調節する吸気空気量制御装置がこの過給機にはない。
【0007】
J.Oscarssonの米国特許第4,802,457号は、過給機の圧縮室内にロータが配置された内燃機関を紹介する。内燃機関に負荷がかかって、ロータチャンバに入る空気が制限されると、過給機の入口に連結した空気スロットル装置がアクセレータによって作動する。
【0008】
A.B.Riachの米国特許第5,791,315号は、過給機に供給される空気を制御する制御装置を備えたスパーク点火内燃機関を紹介する。この制御装置の入口バルブは、最大エンジン負荷で開き、エンジン負荷が低くなりながら次第に閉じて、スロットルバルブは最大エンジン負荷で開き、負荷が低くなる時、順次閉じる。
【0009】
G.Kirstenの米国特許第6,022,203号は、可変置換スクリュー型圧縮機を紹介する。ここでは一対のロータが入口チャネルから出口チャネルに圧縮空気を送る。ロータと関連したハウジングが圧縮機の内部圧縮比を制御する。ステッパモータによって回転する制御カムによって、ハウジングがスプーリングに対して動く。
【0010】
4行程ディーゼルエンジンは、始動と連続動作のために圧縮空気を供給する送風機や過給機を必要としない。最初の行程では、ピストンが下がりながら、シリンダに空気が入る。シリンダの空気は上昇行程によって圧縮されながら、燃料の点火温度以上に上昇される。ピストンの上端部からシリンダ内に燃料が噴射されながら、高温の圧縮空気によって、自動点火が起こる。燃料の急速燃焼による急激な気体圧縮比上昇でピストンが下降する。続く上昇行程では、気体と粒子が排気バルブを通して排気マニホールドに排出される。4行程ディーゼルエンジンの出力トルクはシリンダ内に噴射されて燃焼する燃料量に制御される。それぞれの吸気行程の間、ディーゼルエンジンシリンダに自然に吸入される空気量は、エンジンの速度やトルクによってほとんど変わらないが、毎サイクルごとに噴射される燃料の最大量を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第30,157号
【特許文献2】米国特許第2,201,014号
【特許文献3】米国特許第6,241,498号
【特許文献4】米国特許第3,151,806号
【特許文献5】米国特許第4,597,726号
【特許文献6】米国特許第4,951,638号
【特許文献7】米国特許第4,802,457号
【特許文献8】米国特許第5,791,315号
【特許文献9】米国特許第6,022,203号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、ディーゼルエンジンとディーゼル型エンジンの動力対重量比を改善することを目的とする。本発明は、過給機と4行程ディーゼルエンジンやディーゼル型エンジンを結合して、エンジンの最大動力に対してもエンジンの携帯性を改善して、エンジンの大きさと重量は減らすことを他の目的とする。本発明は、エンジンに供給される空気の圧力と空気量をエンジン作動範囲以上に効率的に調節して、エンジンの燃料効率を上げて、エンジンの排気量を変化させる性能を有する空気置換過給機をディーゼルエンジンやディーゼル型エンジンと結合することをまた他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、大気圧以上で空気を受け入れる吸気マニホールドを備えて、自動車駆動装置やポンプや発電機のような負荷に連結した内燃機関に関し、内燃機関に空気量を可変的に供給するために内部圧縮比と空気量が可変的な過給機を利用する。このような内燃機関の例としては、ディーゼルエンジンやスパーク点火エンジンがある。一般的にスロットル式吸気マニホールドなしで動作する他のエンジンもディーゼルエンジンの範疇に含まれ、本発明の内燃機関に属するといえる。過給機は、エンジンの出力が負荷条件を満たすほどに適切な時、吸気マニホールドで何の空気圧上昇も起こらないように、エンジンに吸入された空気量とエンジンに伝達された空気量を一致させる作用をする。また、過給機は、エンジンの昇圧した吸気マニホールドの空気圧に比例する空気量を圧縮して吸気マニホールドに送る作用もする。その結果、圧力を高める昇圧機なしでもエンジンを最も効率的に作動させられる。過給機は、エンジンによって作動する空気置換機構であったり気体圧縮機であり、エンジンの重量比に合うように動力を高める。電動機のような他の動力機も空気置換機構を作動させることができる。気体圧縮機は、第1気体量は第1の場所に、第2気体量は第2の場所に選択的に送る作用をする。速度が一定の場合、過給機の空気量制御装置は過給機に圧縮された空気の空気量と圧力を調節して、エンジンの速度を一定に維持するようにする。過給機は、エンジンの動力条件に合うようにシリンダに入る空気量を高めて、全般的なエンジン効率を改善する。ねじ山と螺旋溝が形成されて互いに協力しながら、定圧空気量を生成する一対の雌雄ロータによって過給機を通し、エンジンまで空気が移動する。これらのロータは、コンパクト且つ効率的な空気圧縮機の部品であり、エンジンに空気を供給し、必要な性能を得る。過給機が排出する空気量はロータの間に閉じ込められた有効空気の長さを調節して、制御される。ロータに連結した一つ以上のスライドアセンブリが過給機の空気移動/圧縮動作を制御する。ロータの片方の近くに配置された長いスライド部材を備えた過給機が回転中のロータに閉じ込められた空気量を調節しながら、余剰空気は大気に排出するので、ロータと付近のハウジングが冷却されて過給機のポンピング効率も改善される。スライド部材に連結したアクチュエータはスライド部材をロータに対する最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間に動かす役割をする。この部材が最大バイパス位置にある時は、自然に吸入される空気量の分だけ過給機によって、エンジンのシリンダにポンピングされる。過給機によって、エンジンに供給される空気量は、スライド部材を前記3個の位置の間に徐々に動かしながら調節される。アクチュエータはコントローラの制御を受けて、エンジンの速度と負荷条件に合うようにエンジンに供給される空気量を制御する。エンジンの速度と負荷を示す信号に応答するプロセッサは、噴射開始タイミングとシリンダに噴射される燃料量を調節せよとの命令信号をコントローラに送る。手動で作動するコントローラを利用して、プロセッサに入力信号を送ってアクチュエータでもってスライド部材の動作位置を調節するようにする。過給機がエンジンに送る空気量に応答する空気量センサは、シリンダに対する燃料の供給と過給機の動作を制御する追加の入力信号をプロセッサに送る。可変圧縮比過給機は過給機の圧縮荷重を最小化して、エンジンの現在の動力条件を満たし、システムの損失動力を最小化する。過給機は吸入空気を利用して、過給機で生じる熱を除去するが、この時、冷却用余剰空気は大気にバイパスさせる。バイパスされた空気は過給機に再び戻す必要がない。この場合、大気に排出された余剰空気のため、過給機の内部が冷却されてエンジンに供給される圧縮空気の温度が下降する。このような冷却効果のため、冷却器を小型化して、吸気室の温度を低くし、与えられた空気量に対する空気圧力を低くし、排出量に合うように空気量を調節することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、自動車、ポンプ、発電機のような負荷に動力を供給する方法を含む。ディーゼルエンジンや圧縮点火エンジンのような空気圧縮燃料点火エンジンは、負荷に連結する。過給機の空気はエンジンの動力条件に合うように量を変化させながら、エンジンに向かう。エンジンに供給される空気量はエンジンに自然に吸入される空気量と同じに、またはそれ以上に調節される。エンジンの動力条件や負荷条件を満たす適切な時点に燃焼室内の空気に誘導される燃料の燃料量は適切な燃焼性能と排気性能を出すように制御される。過給機で生成された圧縮されていない第1空気量は大気に排出されて、過給機で生成された第2空気量はエンジンに向かう。大気に排出された第1空気量はエンジンに向かう第2空気量を選択的に変化させるように調節される。第1空気量はロータによる空気圧縮で生じた熱を伝達して、ロータとハウジングを冷却する。このため、エンジンに向かう第2空気量の温度が下降する。過給機で生じたすべての空気が燃焼室へ向かう時、エンジンに供給される空気の圧力を高めて(昇圧して)エンジンの冷却始動を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の負荷と過給機に連結された内燃機関の概略図である。
【図2】本発明の過給機と発電機に連結された内燃機関の概略図である。
【図3】図1の過給機の斜視図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】図3の過給機の背面図である。
【図6】図1の6−6線断面図である。
【図7】スライドアセンブリが最大バイパス位置において最小空気量が過給機からエンジンに供給される状態を示す図6の7−7線断面図である。
【図8】スライドアセンブリが中間バイパス位置において選択された空気量が過給機からエンジンに供給される状態を示す図7と同一の断面図である。
【図9】スライドアセンブリが最小バイパス位置において最大空気量が過給機からエンジンに供給される状態を示す図7と同一の断面図である。
【図10】最大バイパス位置のスライドアセンブリとロータを示す過給機の一部の斜視断面図である。
【図11】は、中間バイパス位置のスライドアセンブリとロータを示す過給機の一部の斜視断面図である。
【図12】最小バイパス位置のスライドアセンブリとロータを示す過給機の一部の斜視断面図である。
【図13】図2の過給機の一部の上面斜視断面図である。
【図14】本発明の他の例の過給機と負荷に連結した内燃機関を示す概略図である。
【図15】図14の過給機の拡大斜視図である。
【図16】ロータが見える状態の図15の過給機の斜視図である。
【図17】ロータ、最大バイパス位置にある空気制御スライドアセンブリおよび体積比制御スライドアセンブリを示す図15の過給機の部分断面上面斜視図である。
【図18】ロータ、中間バイパス位置にある空気制御スライドアセンブリおよび体積比制御スライドアセンブリを示す図15の過給機の部分斜視断面図である。
【図19】ロータ、最小バイパス位置にある空気制御スライドアセンブリおよび体積比制御スライドアセンブリを示す図15の過給機の部分斜視断面図である。
【図20】図15の過給機の部分斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して、本発明について詳しく説明する。
【0017】
図1は、本発明の過給機と負荷に連結した内燃機関11の概略図である。図1の内燃機関11は、吸気マニホールド12と駆動軸14を有し、この駆動軸は負荷15に連結する。この内燃機関11は、従来のディーゼルエンジンのような圧縮点火機関であり、インジェクタ13が燃焼室内に燃料を適時噴射する。この機関11は、燃焼室内に噴射された燃料を最終圧縮行程の間、圧縮気体の熱で点火して燃焼させる内燃機関である。内燃機関11には、吸気マニホールド内で大気圧付近やそれ以上で動作するエンジンと空気圧縮スパーク補助エンジンが含まれる。このようなエンジンをディーゼルエンジンともいう。負荷15は自動車駆動システム、ポンプ、発電機、駆動軸14に連結した機械などを含む。内燃機関11の前方駆動軸16はベルト−プーリパワートランスミッション17を過給機18に連結して、過給機は空気を圧縮して、エアクーラーやインタークーラー19に送る。トランスミッション17はチェーン−スプロケット(chain−sprocket)やギアドライブ(gear drive)でありうる。過給機18を動かすのに電動機のような他の種類の装置を使ったりもする。換気機21によって空気はエアクーラー19を通過しながら膨張して、温度が下降した後、吸気マニホールド12に連結した配管20に排出される。配管20に連結した空気質量センサ25は、プロセッサ26に電気信号を送る。過給機18は図7〜9に示された空気量制御スライドアセンブリ22を含み、このアセンブリはリニア軸と見られるアクチュエータ23を有するが、このアクチュエータはスライドアセンブリ22の最大空気バイパス、中間空気バイパスおよび最小空気バイパス位置を調整して、吸気マニホールド12に対する空気の供給と大気中にバイパスされる空気を調節する。回転式サーボモータやリニアアクチュエータのようなコントローラ24は、アクチュエータ23に連結して、スライドアセンブリ22を開放位置、閉鎖位置および中間位置の間に動かすようにアクチュエータ23を作動させて、エンジンの作動条件に応じて大気中にバイパスされる空気量と過給機18によってエンジン11の燃焼室に送られる残りの空気量を変化させる。開放位置、閉鎖位置および中間位置は各々最大、最小および中間バイパス位置に対応する。スライドアセンブリ22が最小空気バイパス位置にある時、エンジンの冷却始動をして、最大の空気膨張量が燃焼室に供給されるようにする。空気膨張は冷却始動を助ける。コントロールプロセッサまたはマイクロプロセッサ26は、コントローラ24、空気質量センサ25およびセンサ27に連結して、センサ27は、エンジン11の駆動軸14の回転速度に合う電気信号を送る。フットペダル81(foot pedal)に連結したオペレーターコントローラ80は、エンジン11のオペレーターによるフットペダル81の作動に応答した電気信号をプロセッサ26に送るのに用いられる。フットペダル81を手動で動かし、コントローラ80が作動すればエンジン11の作動速度と動力を高めよとの電気信号が生じて、プロセッサ26に送られる。コントローラ80を作動させるのに他の方式を用いることもできる。センサ27で生じた信号をプロセッサ26の電子素子が処理し、コントローラ24を作動させる制御信号や命令信号を生成して、コントローラはスライドアセンブリ22の位置を変えるようにアクチュエータ23を作動させて、過給機18によって圧縮されて、エンジン11に供給される空気量を調節する。プロセッサ26はシリンダに噴射される燃料量と噴射タイミングを調節する制御モジュールでもあり、負荷条件を満たす最適の経済性でエンジンのRPMと空気量を決めることができる。
【0018】
図2は、過給された内燃機関動力部110の第1変形例の概略図であり、従来のディーゼルエンジン111の駆動軸114は発電機115に連結して、発電機115は電気負荷125に連結する。エンジン111によって駆動する過給機118は、プロセッサ126とコントローラ124の制御を受け、コントローラ124は発電機115に連結した電気負荷が変わる間、エンジン111を一定速度に維持する機能をする。エンジン111は、発電機115を作動させるために可変的な速度で動作することもできる。過給機18に対応する過給機118の部分は、図1と同じ番号で表わす。
【0019】
図6〜7に示された過給機18のハウジング28には、第1円筒チャンバ31を囲む第1円筒壁29と第2円筒チャンバ33を囲む第2円筒壁32がある。チャンバ31,33は軸線が互いに平行であり、隣接の円弧区間を互いに共有する。チャンバ33の長さに応じて雌ねじ型ロータ34が配置され、チャンバ31の長さに応じて雄ねじ型ロータ36が配置される。図4、7〜9および11に示されたベアリング37,38が端部部材39,41でロータ34,36を支持する。ロータ34に備えられた8個の螺旋溝42はロータ36と噛み合う。図6に示すように、ロータ36の円筒形壁面には複数個のねじ山43が放射状に突出している。それぞれのねじ山の凸側壁は螺旋溝42の壁面と一致する形状を有する。螺旋溝42とねじ山43の大きさ、個数、形状、螺旋構造および長さは変わりうる。図6のように、ロータ36の6個のねじ山43は、ロータ34の8個の螺旋溝42と協力して、チャンバ31,33内の空気を圧縮させて動く。ロータ34,36の螺旋溝とねじ山の個数と大きさを異にすることもできる。図7〜9によれば、ロータ軸47,48に連結した同期ギア44,46は、2個のロータ34,36を同時に反対方向に回転させる。軸47はエンジン11を過給機18に結合するパワートランスミッション17のベルトと噛み合うプーリやスプロケットホイール49(sprocket wheel)に結合され、エンジンの駆動軸16の回転速度と関連した速度で2個のロータ34,36を互いに反対に回転させる。
【0020】
図3、4、7によれば、管状端部52が備えられた引込端部板51が締結具53で端部部材39に固定される。管状端部52はロータ34,36の吸気孔に通じる吸気口54を囲む。図1のエアフィルター56は管状端部52に設置され、矢印57で表された周辺空気から異物を取り除いて清潔な空気を吸気口54を通じて、ロータ34,36内に送る。
【0021】
図3〜6によれば、ハウジング28の上端に設置されたボックス59(box)の内部チャンバ61の空気は、開口部58と大気連通しており、矢印63方向に沿ってスリーブ62を通じてエアクーラー19内に入る。スリーブ62はエアクーラー19が使われない時、エンジン11に空気を供給するために吸気マニホールド12に直接連結できる。
【0022】
図7〜9に示された空気量調節スライドアセンブリ22は、ピン66でハウジング28に固定された部材64を有する。この部材64は、部材71の長さと動きによっては不要でありうる。この部材64の傾斜面67は、ハウジング28側の空気バイパス通路68とロータ36の間に配置される。部材64はないこともあり、空気量移動の最大化のためや、製造上の必要に応じてスライド部材71の走行要件を最小化する役割だけをする。傾斜面67は、ロータ36のねじ山のヘリカル角度に一致する。アクチュエータ23のロッド69は、第2スライド部材71に連結する。ロッド69が部材71に締められれば、ロッド69が回転する時、部材71はハウジング28の通路73に沿ってリニア運動する。サーボモータ、リニアアクチュエータ、ソレノイド、フットペダルなどの他の装置とコントローラは、ロータ36の長さに対する部材71の位置を調節するのに用いられる。部材71のせん断部の傾斜面72は、部材64の後端部の傾斜面67に平行である。部材64,71の傾斜面67,72は矢印75方向にロータ36からバイパス通路68に向かう空気の流れを促進する。バイパス通路68上にハウジング28に設置されたマニホールドキャップ74は、曲線チューブ77に空気を案内する通路76を有し、図1の矢印78方向に空気を大気中に排出することができる。チューブ77は騒音を減らすためのマフラーでもありうる。ロータ34,36によって動く空気によって、ロータの表面とハウジング28が冷たく維持されるが、これはスライドアセンブリ22が最大、中間または最小バイパス位置にある時、エンジン11に向かわない空気がバイパス通路68を通じて大気中に排出されるためである。余剰高温空気はロータ34,36の吸気口に戻らない。このため、エンジンに供給される圧縮空気の温度が下降する。
【0023】
ロータ36に対するスライドアセンブリ22の位置を調節すると、過給機18が分配する空気量を変更して、エンジン11の動力条件を満たすことができる。エンジン11によって駆動される過給機18は、エンジンの回転速度であるRPMに反応して、エンジン11に供給される空気量をエンジンが使う空気量に一致させる。過給機18は大気中にバイパスされる空気量を変化させたり、吸気マニホールド12に入る空気量を増加させたり、エンジンの燃焼シリンダに入る空気量と空気圧を増加させる。スライドアセンブリ22は、大気中に排出される空気量と過給機18によってエンジン11に供給される空気量を調節するために、図7〜12に示すように、最大、中間、最小バイパス位置の間でコントローラ24で作動する。図7、10に示すように、スライドアセンブリ22の稼動部材71が最大バイパス位置にあれば、最小の空気量がエンジン11に供給され、余剰空気はバイパス通路68を通じて大気中に排出される。ロータ34,36が回転すれば、スライド部材71によって空気が閉じ込められる時まで引込まれた余剰空気がバイパス通路68を経て大気へ出て行く。最大バイパス位置では閉じ込められた空気がチャンバ61に入って、マニホールド12に向かう前までは全く圧縮されない。図8と11のスライドアセンブリ22が中間バイパス位置にあれば、選択された空気量がロータ34,36によって圧縮されて、エンジン11に供給される。図9、12は、ロータ34,36によって最大空気量が圧縮され、エンジン11に供給される最小バイパス位置にある空気制御スライドアセンブリ22を示す。空気制御スライドアセンブリ22は、大気に排出される空気量と圧力とロータ34,36で圧縮する空気量を変化させるために最大、中間および最小バイパス位置の間を動く。ロータ34,36で圧縮されて、バイパス通路68を通じて、大気へ向かう余剰空気は、ロータ34,36とハウジング28を冷却するが、これは余剰空気がロータ34,36による圧縮過程で生じた熱を伝達するためである。余剰空気は再びロータ34,36に戻る必要がない。このため、エンジン11に向かった圧縮空気の温度が下降する。一方、余剰空気がエアクーラー(図示されていない)を通して過給機18の吸気口54に戻ることもできる。
【0024】
過給機18は最小膨張や膨張率を変化させて、内燃機関11を効率的に作動させるために内燃機関に供給される空気量を変化させる。ロータ34,36の同期回転によって、空気が連続的に供給される。生成された空気量中の余剰部分である第1空気量は、過給機18から大気に送り出される。この空気は大気圧に近いバイパス空気である。生成された空気量中の残りの第2空気量は、動力に必要な分だけ内燃機関11に供給される。大気に送り出された第1空気量は、スライドアセンブリ22によって調節されながら、内燃機関11に供給される第2空気量を選択的に変化させる。第2空気量は内燃機関に入る前にエアクーラー19によって冷却されることができ、エアクーラー19が使われなければマニホールド12に直接送られることもできる。
【0025】
図14〜20に示されたものは、本発明の過給機218の他の変形例であり、吸気マニホールド212、インジェクタ213および出力駆動軸214を備えた内燃機関211で駆動される。駆動軸214は、負荷215に連結する。負荷215は発電機、ポンプ、エンジン211で動力を受ける自動車駆動装置などを含む。エンジン211の前方駆動軸216は過給機218を駆動するパワートランスミッション217に連結する。エンジン211はディーゼルエンジンである。空気は過給機218から配管220が備えられたマニホールド212に連結されたエアクーラー219に排出される。エアクーラー219に設置された自動車換気機221によって空気がエアクーラーを通過すると、エアクーラーを通過する空気がさらに冷却される。エアクーラー219が使われなければ、空気をエンジン211に供給するために過給機218が吸気マニホールド212に直接連結することができる。配管220に連結した空気量センサ225は、プロセッサ226に電気信号を送る。
【0026】
大気にバイパスされる空気量と過給機によって、内燃機関211に供給される空気量は、過給機218内に配置された空気制御スライドアセンブリ222によって調節される。スライドアセンブリ222は、アクチュエータ223によって最大、中間および最小バイパス位置の間を動くスライド部材271を有する。アクチュエータ223に連結したコントローラ224によって部材271が最大、中間および最小バイパス位置の間を動きながら、過給機218で内燃機関211に供給される空気量を調節する。
【0027】
アクチュエータ223に連結したコントローラ224はプロセッサ226に連結して、プロセッサは、コントローラ224の動作を指示する。プロセッサ226は空気量センサ225にも連結して、センサ227は駆動軸214の回転速度に応じた信号をプロセッサ226に送って、プロセッサはこの信号を処理して、コントローラ224に命令信号を送り、コントローラ224はアクチュエータ223を作動させて、スライドアセンブリ222の位置を調節することによって、過給機218によって圧縮され、エンジン211に供給される空気量と大気にバイパスされる空気量を調節する。手動式装置280がプロセッサ226に手動入力をすると、スライドアセンブリ222の位置が変わりながら大気にバイパスされ、エンジン211に供給される空気量が調節される。空気量センサ225はスライドアセンブリ222を調節し、エンジンの燃焼室に供給される燃料を調節するようにプロセッサ226に電気信号を提供したりもする。
【0028】
図15〜19に示された過給機218のハウジング228には、円筒形チャンバ231,233の各々を囲む一対の平行な円筒壁229,232が備えられている。チャンバ231,233は、隣接の円弧区間を共有する。チャンバ231に沿って延びた雌ねじ型ロータ234は、チャンバ233内に位置した雄ねじ型ロータ236と協力して、ロータ234,236の長さに沿って空気を移動させる。ロータ234,236にもロータ34,36と同様に螺旋溝とねじ山が形成されている。このようなロータのサイズ、形状および長さを異にして過給機218に用いることもできる。ロータ234,236は、スパーギア244、246(spur gear)と結合したパワートランスミッション217を有するエンジン211によって同期的に回転して、スパーギアは、ハウジング240によって囲まれたロータの軸247,248に連結する。ロータ234,236は、エンジンの駆動軸216の回転速度と関連した回転速度で回転する。電動機のような別途の駆動装置を用いてロータ234,236を回転させることもできる。
【0029】
図19によれば、ハウジング228の両端部に固定された端部部材239,241に支持されるベアリング237,238にロータ駆動軸が挟まれる。管状端部252が備えられた吸気板251は、締結具253で端部部材239に固定される。管状端部252の吸気口254はロータ234,236の吸気端部に連結して、空気は矢印257方向に沿って過給機218に入る。図14に示され、管状端部252に設置されたエアフィルター256は吸気口254に入る空気から異物を取り除く。過給機218に入る空気から異物を取り除くのに他の種類のエアクリーナーを使うこともできる。
【0030】
図15、16、20に示すように、ハウジング228上に設置されたボックス259の内部通路261は、チャンバ231,233の後端部に連結して、ロータ234,236で圧縮された空気を受け取る。空気は矢印263方向に沿ってスリーブ262の通路258を通じて、エアクーラー219を経てエンジン211に入る。スリーブ262はエンジン211のマニホールド212に直接連結して、過給機218からエンジン211に空気を供給する。エアクーラー219の空気は配管220に設置された空気量センサ225を通過して、このセンサ225は、プロセッサ226に電気信号を供給し、プロセッサは、エンジン211の燃焼室に供給された燃料と過給機218を制御する。
【0031】
図17〜19に示された空気制御スライドアセンブリ222は、ピン266でハウジング228に固定された第1スライド部材264と、第1部材264と軸方向に整列した第2スライド部材271を有する。これらの部材264,271は、上述したスライド部材64,71と構造が同じである。部材271はロータ236に近いハウジング222の孔273中で軸方向に動く。部材264を通じて延びたロッド269は部材271に連結され、これにより部材271が部材264に対して最大、中間、最小バイパス位置まで動くが(図17〜19参照)、これらの3個の位置は、空気バイパス通路268に対する位置であり、この通路は大気と連結する。図17のように部材271が最大バイパス位置にあれば、ロータ234,236によって動いた第1空気量が矢印278方向に通路268を通じて大気に排出される。第2空気量は圧縮されずエンジンの燃焼室に移動する。バイパスされた空気は、ロータ234,236に戻らない。一方、余剰空気は、エアクーラーを通して過給機218の吸気口254に戻ることができる。ロータ234,236によってバイパス通路268を通過した空気は、ロータ234,236と近隣ハウジング228を冷却する。このため、エンジン211の燃焼室へ向かう空気の温度が下降する。図19のスライドアセンブリ222は、最小バイパス位置にあるので、この時、最大空気量がロータ234,236によってエンジン211に供給される。図17のようにスライドアセンブリ222が最大バイパス位置にあれば、最小量の空気がエンジン211に供給されて、最大量の余剰空気は、矢印275に沿ってバイパス通路268を通じて大気に排出される。図16〜19に示すように、バイパス通路268は、スリーブに連結したキャップ274で覆われ、スリーブは矢印278で表されたとおり空気を曲線チューブ277を通じて大気に送る。チューブ227は騒音を減らすマフラーを含む。空気制御スライドアセンブリ222の部材271は、アクチュエータ223によって最大、中間、最小バイパス位置の間を動きながら、部材264,271の間の開口を変化させて、バイパス通路268を通じて大気に排出される空気量とエンジンの燃焼室へ向かう空気量を調節する。このように部材271を調節して過給機218によって圧縮され、エンジン211に供給される空気量をエンジン211の動力条件に合うように選択的に増減することができる。
【0032】
チャンバ231,233の交差点の凹部上にあるハウジング228のチャネル284に第2スライドアセンブリ283が軸方向に動きながら、過給機218で圧縮されて、エンジン211に供給される空気の圧力を調節する。スライドアセンブリ283の長い本体286は、上面が凸曲面で下面がV型に突出して、ロータ234,236の間の凹部に位置する。スライドアセンブリの後側排気端部の壁287は、ボックス259の通路261と向かい合って後側に行きながら、下方へ傾斜して、ロータ234,236から通路261に空気が流れるようにする。本体286の両面と協力するガイドレール288,289のため、本体286は、ハウジング228に支持されたままロータ234,236に対して線形に動くことができる。ロッド291を通じてアクチュエータ292に連結した本体286がロータ234,236に対して動きながら、過給機218によって圧縮され、エンジン211に供給される空気の体積比を変化させる。図14によれば、プロセッサ226に連結したコントローラ293は、プロセッサ226の専用プログラムと、配管220内の空気量センサ225とマニホールドの圧力センサ230からの信号に応答して、アクチュエータ292を作動させる。空気量センサは、スリーブ262の空気通路258に配置することができる。エンジン211に向かってバイパス通路268を通じて大気に排出される空気量は、エンジン211の動力条件に合わせて、スライドアセンブリ222によって調節される。
【0033】
図7〜9に示された過給機18は、一つのスライドアセンブリ22がアクチュエータ23に連結して、最大、中間および最小バイパス位置を占めながら、第1空気量は大気に送り戻して、第2空気量はエンジンの吸気マニホールドに供給して、負荷条件を満たす。第2空気量制御スライドアセンブリがアクチュエータに連結した過給機に設置されて、最小、中間および最大バイパス位置を調節することができる。第2スライドアセンブリは、ロータ34付近に位置しながら、チャンバ33に連結して、空気を大気に送ることができる。第2スライドアセンブリは、スライドアセンブリ22のような構造と機能を有する。プロセッサ26は、コントローラを通してアクチュエータを作動させ、スライドアセンブリの最大、中間および最小バイパス位置を調節する。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、これはあくまでも例を挙げただけであり、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ決まる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の燃焼室に空気を供給するための過給機を備えた内燃機関であって:
前記過給機が一対のチャンバを備えたハウジング、一方のチャンバと大気を連結する空気バイパス通路、一対のロータ、空気量調節装置、アクチュエータ、パワートランスミッション、燃料供給装置、センサおよび制御プロセッサを含み;
前記ロータは前記チャンバ内に位置しながら、ハウジングを通して大気と燃焼室に空気を送り;
前記空気量調節装置は内燃機関の動力条件に対応するように燃焼室に供給される空気の量と圧力を変化させ、燃焼室に供給される空気量を燃焼室に自然に吸収される空気量以上に高め;
空気量調節装置が前記ロータと空気バイパス通路に対して最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間を動くようにハウジングに設置されたスライドアセンブリを含み、スライドアセンブリが最大および中間バイパス位置にある時、ロータによって移動した第1空気量は大気に向かい、ロータによって移動した第2空気量は内燃機関の燃焼室へ向かい;
前記アクチュエータはスライドアセンブリに連結して、最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間にスライドアセンブリを選択的に動かして燃焼室に向かう第2空気量を変化させることによって、内燃機関の燃焼室のロータによって移動する空気量と関連空気圧縮比を選択的に増減することができ;
前記パワートランスミッションは過給機のロータに内燃機関を連結して、過給機が空気を生成するようにし;
前記燃料供給装置は過給機によって燃焼室に供給された空気量に対応する燃料を燃焼室内の空気に供給して;
前記センサは内燃機関の負荷条件を示す信号を提供し;
前記制御プロセッサはセンサの信号に応答してアクチュエータを作動させる命令信号を提供し、前記燃料供給装置を制御して燃焼室内部への燃料噴射タイミングと燃料供給量を調節することを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記ロータが雌ねじロータと雄ねじロータを含み、前記バイパス通路は雄ねじロータの側面部分に連結されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記スライドアセンブリが稼動式第1部材と第2部材を含み;
前記空気バイパス通路の一部分が前記第1部材と第2部材の間に位置し;
前記アクチュエータは第2部材に対して第1部材を最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置に動かすように第1部材に連結したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項4】
ロータによって、ハウジングを通して、移動した空気の圧縮比を調節するための第2の空気制御スライドアセンブリをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記ハウジングが一対のチャンバを有し;
前記ロータは前記チャンバ内に位置し;
前記ハウジング内のチャネルが前記チャンバに連結して;
ロータによってハウジングを通して移動した空気の圧縮比を調節するための第2の空気制御スライドアセンブリが前記チャネル内に移動可能に配置され;
第2の空気制御スライドアセンブリをロータに対して動かすための第2のアクチュエータが第2の空気制御スライドアセンブリに連結され、該第2のアクチュエータはプロセッサに連結し、プロセッサの命令信号が第2アクチュエータの動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項6】
前記ロータが雌ねじロータと雄ねじロータを含むことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
【請求項7】
前記過給機と燃焼室の間に空気冷却装置をさらに配置することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項8】
過給機から燃焼室に流れる空気の空気量信号を生成する空気量センサをさらに含み、前記空気量信号はプロセッサに送られ、プロセッサは燃料供給装置を制御して燃焼室に噴射される燃料量を調節することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項9】
圧縮空気と燃料が同時に入る内燃機関の燃焼室に空気を供給するための過給機を備えた内燃機関であって:
過給機は内燃機関の負荷条件に合うように燃焼室に空気を供給し;
過給機のハウジングにチャンバが一つあり;
過給機を通して空気を大気と燃焼室に移動させるためのロータが前記ハウジングの前記チャンバ内に配置され;
前記ハウジング内に前記チャンバと大気に通じる空気バイパス通路があり;
前記ロータとバイパス通路に対して最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間を動くようにハウジングに設置されたスライドアセンブリを備えた制御装置があり、スライドアセンブリが最大バイパス位置と中間バイパス位置にある時は、ロータによって動いた第1空気量がバイパス通路を通じて大気に排出され、ロータによって動いた第2空気量は燃焼室へ向かい;
最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間にスライドアセンブリを選択的に動かして、燃焼室へ向かう第2空気量を変化させるためのアクチュエータがスライドアセンブリに連結して、ロータによって燃焼室に移動した空気の空気量と関連圧縮比を選択的に増減することができ;
ロータを回転させて、空気を供給するための駆動装置があり;
燃料供給装置によって、過給機によって燃焼室へ向かう空気量に合うように燃焼室内の空気に燃料が供給されて;
内燃機関の負荷条件に対応するように制御プロセッサがスライドアセンブリの位置を調節するようにアクチュエータを作動させて燃焼室へ向かう空気量を調節する一方、燃料供給装置を制御して燃焼室に供給される燃料量を調節することを特徴とする内燃機関。
【請求項10】
前記ロータが雌ねじロータと雄ねじロータを含み;
前記バイパス通路は雄ねじロータの側面部分に連結することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関。
【請求項11】
前記スライドアセンブリが稼動式第1部材と第2部材を有し;
前記空気バイパス通路の一部分が前記第1部材と第2部材の間に位置し;
前記アクチュエータは第2部材に対して第1部材を最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置に動かすように第1部材に連結したことを特徴とする請求項9に記載の内燃機関。
【請求項12】
ロータによって、ハウジングを通して移動した空気の圧縮比を調節するための第2の空気制御スライドアセンブリをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の内燃機関。
【請求項13】
前記ハウジングが前記チャンバに通じるチャネルを有し;
第2の空気制御スライドアセンブリが前記チャネル内に動けるように位置して、ロータによって、ハウジングを通して移動した空気の圧縮比を調節し;
第2の空気制御スライドアセンブリをロータに対して動かすための第2のアクチュエータが第2の空気制御スライドアセンブリに連結して、このような第2のアクチュエータはプロセッサに連結し、プロセッサの命令信号が第2アクチュエータの動作を制御することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関。
【請求項14】
前記ロータが雌ねじロータと雄ねじロータを含むことを特徴とする請求項13に記載の内燃機関。
【請求項15】
前記過給機と燃焼室の間に空気冷却装置をさらに配置することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関。
【請求項16】
過給機から燃焼室に流れる空気の空気量信号を生成する空気量センサをさらに含み、前記空気量信号はプロセッサに送られ、プロセッサは燃料供給装置を制御して燃焼室に噴射される燃料量を調節することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関。
【請求項17】
内燃機関の燃焼室に空気を供給するための過給機を備えた内燃機関であって:
内燃機関は大気圧以上の圧力で空気を吸入するための吸気マニホールドおよび少なくとも1つの燃焼室を備え;
パワートランスミッションを通して内燃機関が過給機に連結し、過給機が空気を生成するようにし;
前記過給機は内燃機関の負荷条件に対応するように燃焼室に供給される空気の圧力と空気量を変化させる空気量制御装置を備え、燃焼室に自然に吸入される空気量より多い空気量が燃焼室に供給されるようにし;
過給機によって、燃焼室に供給された空気量に対応する燃料が燃料供給装置によって燃焼室内の空気に供給されることを特徴とする内燃機関。
【請求項18】
前記過給機が一対のチャンバを備えたハウジング、前記チャンバのうちの一つと大気に通じる空気バイパス通路、および前記チャンバ内に位置する一対のロータを含み;
前記制御装置は前記ロータに対して最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間を動かすようにハウジングに設置されたスライドアセンブリを備え、スライドアセンブリが最大バイパス位置と中間バイパス位置にある時は、ロータによって、燃焼室に動いた空気の空気量と圧縮比を選択的に増加させたり減少させて、余剰空気は大気に排出されることを特徴とする請求項17に記載の内燃機関。
【請求項19】
前記過給機と燃焼室の間に空気冷却装置をさらに配置することを特徴とする請求項17に記載の内燃機関。
【請求項20】
前記過給機のハウジングにチャンバが並んで形成されて;
前記チャンバ内に過給機を通して空気を移動させるためのロータが配置され;
前記ハウジングにはチャンバ内の一つと大気に通じる空気バイパス通路があり;
前記制御装置は前記ロータとバイパス通路に対して最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間を動くようにハウジングに設置されたスライドアセンブリを含み、スライドアセンブリが最大バイパス位置と中間バイパス位置にある時はロータによって動いた第1空気量が前記チャンバからバイパス通路を通じて大気に排出されて、ロータによって動いた第2空気量は燃焼室へ向かい;
最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間にスライドアセンブリを選択的に動かして、前記燃焼室へ向かう前記第2空気量を変化させるようにスライドアセンブリに連結したアクチュエータ;
内燃機関の動力条件を示す信号を出すセンサ;および
前記センサの信号に応答してアクチュエータを作動させる命令信号を提供し、燃焼室に噴射された燃料量と燃焼室内の空気に供給される燃料のタイミングを制御するプロセッサ;をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の内燃機関。
【請求項21】
前記過給機のハウジングに一対のチャンバと、このチャンバに通じるチャネルがあり;
前記チャンバ内に位置する一対のロータ;
ロータによって、ハウジングを通して移動する空気の圧縮比を調節するように前記チャネル内に動かすことができるように配置される空気制御スライド部材;および
前記ロータに対して空気制御スライド部材を動かすように空気制御スライド部材に連結し、ロータによって移動した空気の圧縮比を調節するアクチュエータ;をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の内燃機関。
【請求項22】
大気圧以上で空気を吸入するための吸気マニホールドと、負荷に連結する燃焼室を備えた内燃機関であって:
内燃機関に空気を供給する過給機;および
内燃機関の速度に反応するように内燃機関を過給機に連結するパワートランスミッション;を含み、
前記過給機は、
並んで形成されたチャンバと、大気に通じる空気バイパス通路を備えたハウジング;
ロータを回転させて内燃機関に空気を供給するように、前記チャンバ内部に配置されてパワートランスミッションに連結される一対のロータ;
前記バイパス通路に対して最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間を動く部材を具備して、バイパス通路を通じて大気に排出される空気量と燃焼室へ向かう空気量を制御するスライドアセンブリ;および
最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間に前記部材を移動させる制御装置;を含むことを特徴とする内燃機関。
【請求項23】
過給機から内燃機関に流れる空気を冷却するために過給機と内燃機関に連結されたエアクーラーをさらに配置することを特徴とする請求項22に記載の内燃機関。
【請求項24】
前記ロータが雌ねじロータと雄ねじロータを含み;
前記スライドアセンブリの部材が一方のロータの側面とバイパス通路に連結されるハウジング内の通路内に位置し、この部材が最大バイパス位置や中間バイパス位置にある時は、ロータによってポンピングされた余剰空気がバイパス通路を通じて大気に排出されることを特徴とする請求項22に記載の内燃機関。
【請求項25】
前記制御装置が、
内燃機関の動力条件に合う信号を出すセンサ;
最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間に前記部材を動かすようにこの部材に連結したアクチュエータ;および
最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間に前記部材を動かすように前記アクチュエータを作動させる命令信号を前記センサの信号に応答して提供する信号プロセッサ;を含み、
前記信号プロセッサは燃焼室への燃料噴射のタイミングの開始と燃焼室に噴射された燃料量を制御するモジュールを備えたことを特徴とする請求項22に記載の内燃機関。
【請求項26】
前記ハウジングが前記チャンバに連結するチャネルを有し;
ロータによって、ハウジングを通して移動する空気の圧縮比を調節するための空気制御スライド部材が前記チャネル内に動けるように配置され;
前記ロータに対して空気制御スライド部材を動かすアクチュエータが空気制御スライド部材に連結していて、ロータによって移動する空気の圧縮比を調節できることを特徴とする請求項22に記載の内燃機関。
【請求項27】
燃料と空気が入る燃焼室を備えた内燃機関を作動させるステップ;
内燃機関を負荷に連結するステップ;
過給機を利用して内燃機関の燃焼室に空気を供給するステップ;
内燃機関で過給機を駆動させるステップ;
過給機によって、燃焼室に供給される空気の圧力と空気量を内燃機関の動力条件に合うように変化させて、燃焼室に供給された空気の空気量を自然に燃焼室に吸入される空気量以上に変化させるステップ;および
内燃機関の負荷条件を満たすために、燃焼室に供給される空気の空気量に合うように燃焼室に燃料を供給するステップ;を含むことを特徴とする負荷に動力を供給する方法。
【請求項28】
燃焼室に供給された空気が過給機の作動によって生成されることを特徴とする請求項27に記載の負荷に動力を供給する方法。
【請求項29】
燃焼室に供給される空気量が過給機の動作を調節して、内燃機関の動力条件に応じて燃焼室に供給される空気量を変化させて制御されることを特徴とする請求項28に記載の負荷に動力を供給する方法。
【請求項30】
過給機によって空気が連続的に生成されて;
過給機によって生成された第1空気量は大気に排出され;
過給機によって生成された第2空気量は燃焼室へ向かい;
大気に排出された第1空気量を制御して、燃焼室へ向かう第2空気量を選択的に変化させることを特徴とする請求項27に記載の負荷に動力を供給する方法。
【請求項31】
第1空気量が燃焼室へ向かう前に第2空気量を冷却することを特徴とする請求項27に記載の負荷に動力を供給する方法。
【請求項32】
連続的な空気の生成が互いに協力する一対のロータの回転によってなされて;
大気に排出される第1空気量の制御がロータから大気に流れる空気量を調節する移動式スライドアセンブリによって形成されることを特徴とする請求項27に記載の負荷に動力を供給する方法。
【請求項33】
燃焼室へ向かう第2空気量が内燃機関の動力条件に対応することを特徴とする請求項27に記載の負荷に動力を供給する方法 。
【請求項34】
燃焼室に行く空気の圧力を高めて、内燃機関の冷却始動を促進することを特徴とする請求項27に記載の負荷に動力を供給する方法。
【請求項35】
連続的に空気を生成するステップ;
第1空気量は大気に排出されるステップ;
第2空気量は内燃機関に送るステップ;および
大気に排出される第1空気量を制御して、内燃機関へ向かう第2空気量を選択的に変化させるステップ;を含むことを特徴とする内燃機関に空気を供給する方法。
【請求項36】
第2空気量を内燃機関に送る前に冷却させることを特徴とする請求項35に記載の内燃機関に空気を供給する方法。
【請求項37】
連続的な空気の生成が互いに協力する一対のロータの回転によってなされて;
大気に排出される第1空気量の制御がロータから大気に流れる空気量を調節する移動式スライドアセンブリによってなされることを特徴とする請求項35に記載の内燃機関に空気を供給する方法。
【請求項38】
内燃機関へ向かう第2空気量が内燃機関の動力条件に対応することを特徴とする請求項35に記載の内燃機関に空気を供給する方法。
【請求項39】
互いに並んでいる一対のチャンバ、チャンバのうちの一つに隣接した通路、および前記通路と第1の場所に連結する気体バイパス通路を有するハウジング;
前記チャンバ内に回転可能に配置されて、ハウジングと気体バイパス通路を通して第1の場所に気体を動かすように回転する一対のロータ;
前記チャンバのうちの一つに隣接するようにハウジングの通路内で動き、気体バイパス通路に対して最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間に動く移動式部材を有するスライドアセンブリ;
最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間に前記移動式部材を選択的に動かすように移動式部材に連結し、バイパス通路を通して第1の場所に排出される気体量とハウジングを通して、第2に場所に移動する残りの気体量を変化させる制御装置;を含むことを特徴とする気体生成気体圧縮機。
【請求項40】
前記スライドアセンブリが
ハウジングに固定された第1部材;および
気体バイパス通路に対する最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置に第1部材に対して動くように前記通路内に位置する第2部材;を含み、
前記制御装置は気体バイパス通路と第1部材に対して最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間に第2部材を選択的に動かすように第2部材に連結したアクチュエータを含むことを特徴とする請求項39に記載の気体生成気体圧縮機。
【請求項41】
前記チャンバに連結されるハウジング内部のチャネル;
前記チャネル内に移動可能に配置され、ロータによってハウジングを通して移動する気体の体積比を制御する第2気体制御スライドアセンブリ;および
第2気体制御スライドアセンブリをロータに対して動かすように第2気体制御スライドアセンブリに連結し、ロータによって、ハウジングを通して第2の場所に移動する気体の体積比を制御するアクチュエータ;をさらに含むことを特徴とする請求項39に記載の気体生成気体圧縮機。
【請求項42】
気体入口と気体出口を有するチャンバ、前記チャンバに隣接してチャンバに連結する通路、および前記通路と第1の場所に連結する気体バイパス通路を有するハウジング;
チャンバの気体入口から気体出口まで移動するようにチャンバ内に配置される気体置換装置;
気体バイパス通路に対して最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間を動くようにハウジングの通路内に設置される移動式部材を有するスライドアセンブリ;および
最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間に移動式部材を選択的に動かすように移動式部材に連結して、第1の場所に連結した気体バイパス通路を通して排出される気体量と、ハウジングを通して移動して、チャンバの排出端部から第2の場所に排出される残りの気体量を変化させる制御装置;を含むことを特徴とする気体生成気体圧縮機。
【請求項43】
前記スライドアセンブリが移動式部材に隣接して位置する固定式部材を含み、気体バイパス通路が固定式部材と移動式部材の間に位置し;
前記制御装置は気体バイパス通路と固定式部材に対して最大バイパス位置、中間バイパス位置および最小バイパス位置の間に移動式部材を動かすように移動式部材に連結されたアクチュエータを含むことを特徴とする請求項42に記載の気体生成気体圧縮機。
【請求項44】
前記チャンバに連結するハウジング内部のチャネル;
前記チャネル内に移動可能に配置されて、気体置換装置によってハウジングを通して移動する気体の体積比を制御する第2気体制御スライドアセンブリ;および
第2気体制御スライドアセンブリをロータに対して動かすように第2気体制御スライドアセンブリに連結して、気体置換装置によってハウジングを通して第2の場所に移動する気体の体積比を制御するアクチュエータ;をさらに含むことを特徴とする請求項42に記載の気体生成気体圧縮機。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−508597(P2013−508597A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534154(P2012−534154)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/002570
【国際公開番号】WO2011/046584
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(512098142)
【出願人】(512098153)
【Fターム(参考)】