説明

内燃機関の排気浄化装置

【課題】排気ガスの状態や排気処理装置の状態に応じて、排気処理装置の好適な運転条件を短時間で達成できる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気浄化装置は、酸化触媒13と、機関排気通路の断面積より小さな断面積を有する小型酸化触媒14と、燃料供給弁15と、グロープラグ51と、電子制御ユニットとを備える。排気浄化装置は、燃料供給弁15により燃料が供給されている状態で、グロープラグ51による加熱により着火する第1の制御状態、グロープラグ51による加熱を行うが燃料は着火しない第2の制御状態、およびグロープラグ51による加熱が停止している第3の制御状態を有する。電子制御ユニットは、着火が可能な運転領域において、第1の制御状態または第3の制御状態に制御し、着火が不可能な運転領域において、第2の制御状態または第3の制御状態に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関は、機関本体で燃料が燃焼され、汚染物を含む排気ガスが排出される。有害な汚染物としては、例えば、一酸化炭素(CO)、未燃炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)またはパティキュレート(PM)などを挙げることができる。
【0003】
内燃機関には排気を浄化するために排気処理装置が取り付けられる。排気処理装置には、一酸化炭素などを酸化するための酸化触媒、窒素酸化物を除去するためのNO吸蔵触媒、パティキュレートを除去するためのパティキュレートフィルタ等が含まれる。
【0004】
特表平8−509044号公報においては、自動車エンジンから放出される汚染物を減少させるための装置が開示されている。この装置は、燃料供給体と、エンジンに関連した排気ガス排出ライン中に、低発火温度燃料を供給するための弁によって制御された燃料ラインとを含む。また、この装置は、空気ポンプを備え、空気ポンプは、空気ラインを通して排気ガス排出ライン中に燃焼空気を供給するように形成されている。
【0005】
この装置には、粒子汚染物を除去するための粒子フィルタよりも上流の排気パイプ中で、排気ガス流中の粒子汚染物を焼却することが開示されている。この結果、粒子フィルタの寿命を延ばすことが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特表平8−509044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
排気処理装置は、それぞれの機能を発揮するために温度や還元剤の量などの好適な運転条件を有する。内燃機関から排出される排気の浄化が必要なときには、この運転条件を短時間に達成できることが好ましい。
【0008】
特表平8−509044号公報に開示されている装置では、排気管の内部で火炎を生成することにより下流の触媒を加熱することができる。この装置では、火炎を生成するために空気ラインにて排気管の内部に空気を送入して酸素を供給している。これに対して、空気ラインにて空気を送入しない場合には、排気ガスの酸素濃度が高いと火炎を生成することができる一方で、排気ガスの酸素濃度が低いと火炎を生成することができなくなる。排気管の内部で火炎を生成できないと下流の触媒を短時間で昇温することができなくなり、触媒の好適な運転条件を達成するために時間がかかってしまう場合がある。
【0009】
排気管の内部で火炎を生成しない場合においては、例えば酸化触媒が活性化温度未満の場合に酸化触媒を排気ガスで加熱して活性化温度まで昇温することができるが、より短時間で昇温できることが好ましい。または、例えば酸化触媒が活性化温度以上の場合には、排気ガス中に含まれる還元剤を用いて酸化触媒の酸化反応熱により昇温することができる。この場合にも、より多量の還元剤を酸化触媒に供給して、短時間で昇温することが好ましい。
【0010】
本発明は、排気ガスの状態や排気処理装置の状態に応じて、排気処理装置の好適な運転条件を短時間で達成できる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の内燃機関の排気浄化装置は、機関排気通路内に配置され、排気ガスの浄化を行う排気処理装置と、機関排気通路内において排気処理装置よりも上流側に配置され、機関排気通路の断面積より小さな断面積を有し、排気ガスの一部が内部を流通する小型酸化触媒とを備える。排気浄化装置は、小型酸化触媒に向けて燃料を供給する燃料供給作用を有する燃料供給手段と、小型酸化触媒と燃料供給手段との間に配置され、加熱作用を有する加熱手段と、燃料供給手段および加熱手段の制御を行う制御手段とを備える。排気浄化装置を運転するときには、燃料供給手段により排気ガス中に燃料を供給して、加熱手段により燃料を加熱したときに、燃料の着火が可能な運転領域と着火が不可能な運転領域とが存在する。排気浄化装置は、燃料供給手段による燃料の供給を行いながら、加熱手段による加熱を行って燃料を着火させる第1の制御状態、燃料供給手段による燃料の供給を行いながら、加熱手段による加熱を行うが燃料は着火しない第2の制御状態、および燃料供給手段による燃料の供給を行いながら、加熱手段による加熱が停止している第3の制御状態を有する。制御手段は、着火が可能な運転領域において、第1の制御状態または第3の制御状態に制御して、着火が不可能な運転領域において、第2の制御状態または第3の制御状態に制御する。この構成により、排気ガスの状態や排気処理装置の状態に応じて、第1の制御状態、第2の制御状態および第3の制御状態で運転を行うことができ、排気処理装置の好適な運転条件を短時間で達成することができる。
【0012】
上記発明において、第1の制御状態で制御するときに、燃料の着火により生成される火炎の一部が小型酸化触媒と機関排気通路の壁面との間を通るように形成されていることが好ましい。この構成により、小型酸化触媒の下流で火炎を生成することができる。また、小型酸化触媒の内部での熱応力が小さくなり、小型酸化触媒の耐熱性が向上する。
【0013】
上記発明においては、制御手段は、第1の制御状態を開始するときに、第1の燃料供給量で燃料を供給しながら着火を行って、所定期間の経過後に燃料の供給量を減少させて第2の燃料供給量になるように燃料供給手段を制御することが好ましい。この構成により、第1の制御状態において安定した着火を行うことができる。
【0014】
上記発明において、制御手段は、第1の制御状態から第3の制御状態に切り替えるときに、加熱手段による加熱を停止して、燃料供給手段による燃料の供給を停止する期間を介在させることが好ましい。この構成により、小型酸化触媒の急冷による破損を抑制することができる。
【0015】
上記発明において、機関排気通路内の排気ガスの流量を調整するように形成され、制御手段により制御される排気ガス流量調整手段を備え、制御手段は、第1の制御状態を開始するときに、第1の流量で排気ガスを供給した状態で着火を行って、所定期間の経過後に排気ガスの流量を増加させて第2の流量になるように排気ガス流量調整手段を制御することが好ましい。この構成により、安定した着火を行うことができる。
【0016】
上記発明において、制御手段は、第1の制御状態を行うときに小型酸化触媒の温度が一の閾温度以上の場合に、一の閾温度よりも低い温度で供給する量よりも多い燃料を供給するように燃料供給手段を制御することが好ましい。この構成により、還元剤を大量に小型酸化触媒の下流に供給することができる。
【0017】
上記発明において、排気処理装置は、酸化触媒、NO吸蔵触媒およびパティキュレートフィルタのうち、少なくとも一の装置を含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、排気ガスの状態や排気処理装置の状態に応じて、排気処理装置の好適な運転状態を短時間で達成できる内燃機関の排気浄化装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施の形態1)
図1から図12を参照して、実施の形態1における内燃機関の排気浄化装置について説明する。
【0020】
図1に、本実施の形態における圧縮着火式の内燃機関の全体図を示す。本実施の形態においては、ディーゼルエンジンを例に取り上げて説明する。内燃機関は、機関本体1を備える。機関本体1は、各気筒の燃焼室2と、各燃焼室2内に夫々燃料を噴射するための電子制御式の燃料噴射弁3と、吸気マニホールド4と、排気マニホールド5とを含む。
【0021】
吸気マニホールド4は、吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結されている。コンプレッサ7aの入口は、吸入空気量検出器8を介してエアクリーナ9に連結されている。吸気ダクト6内にはステップモータにより駆動されるスロットル弁10が配置され、更に吸気ダクト6の周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置11が配置されている。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置11内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。
【0022】
一方、排気マニホールド5は、排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結されている。排気タービン7bの出口は、排気管12を介して排気浄化触媒としての酸化触媒13に連結されている。酸化触媒13下流の機関排気通路内には排気ガス中のパティキュレートを捕集するためのパティキュレートフィルタ16が配置されている。また、図1に示される実施例では、パティキュレートフィルタ16の下流の機関排気通路内に、NO吸蔵触媒17が配置されている。これらの酸化触媒13、パティキュレートフィルタ16およびNO吸蔵触媒17は、排気を浄化する機能を有する排気処理装置として機能する。
【0023】
酸化触媒13の上流の機関排気通路内、即ち排気管12内には、酸化触媒13よりも体積が小さい小型酸化触媒14が配置されている。小型酸化触媒14は、酸化触媒13に流入する排気ガスの一部が内部に流入する。小型酸化触媒14の上流の機関排気通路内には、即ち排気管12内には、小型酸化触媒14に向けて燃料を供給するための燃料供給手段として、燃料供給弁15が配置されている。燃料供給弁15は、燃料を供給したり停止したりする燃料供給作用を有するように形成されている。燃料供給弁15と小型酸化触媒14との間には、グロープラグ51が配置されている。グロープラグ51は、周りを加熱したり停止したりする加熱作用を有する加熱手段として機能する。グロープラグ51は、後述する着火が可能な運転領域において、燃料供給弁15から噴射される燃料を着火できるように形成されている。
【0024】
排気マニホールド5と吸気マニホールド4との間には、排気ガス再循環(EGR)を行うためにEGR通路18が配置されている。EGR通路18内には電子制御式のEGR制御弁19が配置されている。また、EGR通路18の周りにはEGR通路18内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置20が配置されている。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置20内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
【0025】
それぞれの燃料噴射弁3は、燃料供給管21を介してコモンレール22に連結されている。このコモンレール22は、電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ23を介して燃料タンク24に連結されている。燃料タンク24内に貯蔵されている燃料は、燃料ポンプ23によってコモンレール22内に供給される。コモンレール22内に供給された燃料は、それぞれの燃料供給管21を介して燃料噴射弁3に供給される。
【0026】
電子制御ユニット30は、デジタルコンピュータからなる。本実施の形態における電子制御ユニット30は、排気浄化装置の制御手段として機能する。電子制御ユニット30は、双方性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を備える。
【0027】
小型酸化触媒14の下流には小型酸化触媒14の温度を検出するための温度センサ25が配置されている。パティキュレートフィルタ16の下流には、酸化触媒13又はパティキュレートフィルタ16の温度を検出するための温度センサ26が配置されている。NO吸蔵触媒17の下流にはNO吸蔵触媒17の温度を検出するための温度センサ27が配置されている。これら温度センサ25,26,27の出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。
【0028】
また、パティキュレートフィルタ16には、パティキュレートフィルタ16の前後差圧を検出するための差圧センサ28が取付けられている。この差圧センサ28および吸入空気量検出器8の出力信号は、夫々対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。アクセルペダル40には、アクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続されている。負荷センサ41の出力電圧は、対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続されている。一方、出力ポート36は、対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁3、スロットル弁10の駆動用ステップモータ、EGR制御弁19および燃料ポンプ23に接続されている。さらに、出力ポート36は、対応する駆動回路38を介して燃料供給弁15およびグロープラグ51に接続されている。
【0029】
図2(A)に、排気管における小型酸化触媒の周りの部分の拡大概略断面図を示し、図2(B)に、小型酸化触媒の概略断面図を示す。図2(B)は、図2(A)においてB−B線に沿って切断した概略断面図である。
【0030】
図2(A)を参照して、排気管12は、筒状に形成されている。燃料供給弁15は、小型酸化触媒14の上流側の端面に向けて燃料を供給するように形成されている。燃料供給弁15は噴射口を有し、噴射口は小型酸化触媒14の端面に向いている。本実施の形態における燃料供給弁15の噴射口は、燃料を放射状に噴射する様に形成されている。本実施の形態における排気浄化装置は、機関本体1の燃料である軽油が燃料供給弁15から噴射されるように形成されている。燃料については、この形態に限られず機関本体の燃料とは異なる燃料が供給されていても構わない。
【0031】
グロープラグ51は、燃料供給弁15から供給される燃料を加熱するように配置されている。グロープラグ51は、先端の温度が上昇するように形成されている。グロープラグ51は、この先端が燃料供給弁15から噴射される燃料と接触する位置に配置されている。
【0032】
本実施の形態におけるグロープラグ51および燃料供給弁15は、それぞれが棒状に形成されている。グロープラグ51および燃料供給弁15は、排気管12の周方向のうち、一の方向から排気管12に挿入されている。なお、グロープラグ51および燃料供給弁15は、任意の形状のものが任意の位置に配置されていても構わない。
【0033】
図2(A)および図2(B)に示される装置例では、小型酸化触媒14は、金属薄肉平板と金属薄肉波形板との積層構造からなる基体を有している。小型酸化触媒14の基体の表面上には、例えばアルミナからなる触媒担体の層が形成されている。この触媒担体上には白金Pt、ロジウムRd、パラジウムPdのような貴金属触媒が担持されている。なお、この基体はコージライトから形成することもできる。小型酸化触媒14は円筒状外枠14a内に配置されている。円筒状外枠14aは複数のステー29によって排気管12に支持されている。
【0034】
小型酸化触媒14は、酸化触媒13に向かう排気ガスの全流路断面よりも小さな断面を有している。すなわち、小型酸化触媒14は、排気管12の断面積よりも小さな断面積を有している。小型酸化触媒14は、排気管12内の略中央において排気ガスの流れ方向に延びる筒状をなしている。小型酸化触媒14の周りには、排気ガスが流れる流路が形成されている。
【0035】
酸化触媒13は、小型酸化触媒よりも体積の大きな排気浄化酸化触媒である。酸化触媒13は、例えば、円筒形状のケース本体の内部に排気ガスの流れ方向に伸びる隔壁を有する基体を備える。基体は、例えばハニカム構造に形成されている。基体の表面には、例えば多孔質酸化物粉末よりなるコート層が形成され、このコート層に白金Pt等の貴金属触媒が担持されている。
【0036】
図2(A)を参照して、本実施の形態における内燃機関の排気浄化装置は、燃料供給弁15から噴射された燃料をグロープラグ51により加熱して、火炎を生成することができる。ここで、排気管12の内部の雰囲気に依存して、火炎の生成が可能な場合と生成可能な場合と生成不可能な場合とが生じる。すなわち、機関本体から排出される排気ガスの状態に応じて、燃料の着火が可能な運転領域と着火が不可能な運転領域が存在する。火炎を生成できるか否かについては、例えば、排気ガスの酸素濃度および排気ガスの流量Gaに依存する。
【0037】
図3に、燃料供給弁から噴射された燃料が着火する範囲を説明するグラフを示す。横軸が排気ガスの酸素濃度であり、縦軸が排気ガスの流量である。排気ガスの酸素濃度については、着火可能な濃度以上になると着火を行うことができる。また、排気ガスの酸素濃度が高いほど容易に着火する。これに対して、排気ガスの流量については、流量が小さいほど容易に着火できる。図3に示すように、着火が可能な領域が画定される。また、着火が可能な領域のうち着火が容易な領域が区分される。
【0038】
図1を参照して、本実施の形態における排気浄化装置は、燃料供給弁15により燃料の噴射が行われ、グロープラグ51により加熱を行なって燃料を着火させて、火炎を生成する第1の制御状態で運転を行うことができる。また、燃料供給弁15により燃料の噴射が行われ、グロープラグ51による加熱を行なうが燃料が着火しない第2の制御状態で運転を行うことができる。また、燃料供給弁15により燃料の供給が行なわれ、グロープラグ51による加熱が停止している第3の制御状態で運転を行うことができる。さらに、燃料供給弁15により燃料の供給が行われず、グロープラグ51に通電している第4の制御状態で運転を行うことができる。
【0039】
本実施の形態における電子制御ユニット30は、着火が可能な運転領域において、第1の制御状態または第3の制御状態に制御する。また、着火が不可能な運転領域において、第2の制御状態または第3の制御状態に制御する。
【0040】
以下、本実施の形態における内燃機関の浄化装置の運転例を取り上げて、それぞれの制御状態について説明する。なお、本実施の形態においては、電子制御ユニット30により、それぞれの制御状態の制御を行っている。すなわち、燃料供給弁15、グロープラグ51およびERG制御弁19等の制御は、電子制御ユニット30にて行われている。
【0041】
図4に、第1の制御状態を説明するタイムチャートを示す。この運転例では、小型酸化触媒14より下流の酸化触媒13を昇温するために第1の制御状態にて運転を行う。排気浄化装置は、火炎を生成して排気処理装置を加熱する。初期の状態では、小型酸化触媒14は、活性化温度T未満である。即ち、小型酸化触媒は不活性の状態である。一方で、排気浄化装置は、着火が可能な運転領域で運転されており、排気管12の内部は着火が可能な雰囲気である。
【0042】
図2(A)および図4を参照して、初めに燃料供給弁15からの燃料の噴射を行わずに、グロープラグ51を通電する。すなわち、第4の制御状態で運転する。第4の制御状態は、主にグロープラグ51自体の温度を上昇させるために行う。グロープラグ51に通電することによりグロープラグ51が点灯して先端が昇温する。なお、第4の制御状態においても、グロープラグ51の発する熱量により、緩やかに排気ガスを加熱することができて、小型酸化触媒14および酸化触媒13の温度を上昇させることができる。
【0043】
図4に示す運転例においては、グロープラグ51の温度が高くなったら第4の制御状態を終了する。この運転例では、通電時間を予め定めておいてグロープラグ51の加熱を行っている。第4の制御状態の終期については、この形態に限られず、他の任意の方法により定めることができる。例えば、グロープラグの下流に温度センサを配置して温度を計測することにより、グロープラグの通電の終期を定めることができる。
【0044】
次に、グロープラグ51の温度が高くなったら、燃料供給弁15からの燃料の噴射を行なう。燃料の噴射を行なうことにより火炎が生成される。即ち、第1の制御状態に移行する。この運転例においては、燃料供給弁15から間欠的に(パルス状に)燃料の噴射を行っている。また、一定量の燃料を一定の間隔をあけて複数回噴射している。
【0045】
図5に、第1の制御状態で運転を行っているときの小型酸化触媒の部分の拡大概略断面図を示す。グロープラグ51の加熱により着火した燃料は火炎になり、矢印61,62に示すように、排気ガスの流れに沿って下流に向かう。火炎は、排気ガスの温度を上昇させる。
【0046】
本実施の形態においては、グロープラグ51は、小型酸化触媒14の上流側に小型酸化触媒14から距離を空けて配置されている。また、小型酸化触媒14の外側には排気ガスの流路が形成されている。このため、生成される火炎の一部が、矢印62に示すように、小型酸化触媒14の側面14bと排気管12との間に形成される流路を通る。すなわち、火炎の一部が小型酸化触媒14と機関排気通路の壁面との間を通る。このように、この運転例においては、小型酸化触媒14を包むように火炎が生じる。小型酸化触媒14の外側を通る火炎は、側面14bに接触しながら流れる。また、生成される火炎の一部は、矢印61に示すように、小型酸化触媒14の上流側の端面に到達して、小型酸化触媒14に侵入する。
【0047】
図1、図4および図5を参照して、火炎を生成する第1の制御状態で運転することにより、排気ガスの温度が高くなって、矢印64に示すように下流側に高温の排気ガスを送ることができる。このため、小型酸化触媒14、酸化触媒13、パティキュレートフィルタ16、またはNO吸蔵触媒17等の下流側に配置されている構成部材を短時間で加熱することができる。これにより、酸化触媒13または小型酸化触媒14が活性化温度未満の場合には、短時間で活性化温度まで昇温させることができ、酸化触媒13または小型酸化触媒14が活性化温度以上の場合には、短時間で昇温することにより触媒の酸化能力を高めることができる。
【0048】
さらに、火炎を生成することにより燃料の改質が行なわれ、たとえばHCやCO等の還元剤が生成される。この還元剤を下流の酸化触媒13に送ることができる。酸化触媒13が活性化温度以上の場合には、この還元剤の酸化反応熱により酸化触媒13の温度を素早く上昇させることができる。
【0049】
図4に示す運転例においては、小型酸化触媒が活性化温度Tに達した後も第1の制御状態を継続している。小型酸化触媒14が活性化温度に達したら、小型酸化触媒14においても、噴射された未燃の燃料の改質が行われてHC等の還元剤が生成される。または、HC等が燃焼されて、より軽質な還元剤が生成される。このため、火炎により生成される還元剤とともに、下流の酸化触媒13に多くの還元剤を供給することができる。または、小型酸化触媒14での酸化反応により小型酸化触媒14が発熱して、排気ガスの温度を更に高くすることができ、酸化触媒13等の下流側に配置されている排気処理装置を短時間で昇温させることができる。
【0050】
図5を参照して、矢印63に示すように小型酸化触媒14から排出される還元剤は、霧化および微粒子化された状態で排出される。小型酸化触媒14から排出される還元剤は、矢印62に示す小型酸化触媒14の外側を通る排気ガスにより着火することができる。すなわち、小型酸化触媒14の出口において火炎を生成することができる。小型触媒14の出口において火炎が生成されることにより、排気管12全体で火炎が広がって、小型酸化触媒14下流での燃焼効率を高めることができる。このため、排気ガスの温度をさらに上昇させることができる。または、より軽質な還元剤を生成することができる。この結果、酸化触媒13等の下流側に配置されている排気処理装置をより短時間で昇温することができる。
【0051】
図6に、小型酸化触媒の出口で火炎が生成される範囲を示すグラフを示す。図6では、グロープラグを配置して火炎を生成する場合と、グロープラグがない状態で火炎を生成する場合とを示している。小型酸化触媒14の出口において、火炎が生成されるか否かは、排気ガスの酸素濃度および小型酸化触媒14の温度(小型酸化触媒14出口のガス温度)に依存する。小型酸化触媒14の出口では、排気ガスの酸素濃度が高いほど、容易に火炎が生成される。また、小型酸化触媒の温度が高いほど、容易に火炎が生成される。グロープラグが配置されていない場合においても、所定の条件下で火炎を生成することができる。図6に示すように、グロープラグを配置している場合と配置していない場合を比較すると、グロープラグを配置することにより、小型酸化触媒14の出口において、より広い温度範囲で火炎を生成できることが分かる。
【0052】
図7に、第1の制御状態で運転を行っているときの小型酸化触媒の拡大概略断面図を示す。小型酸化触媒14では、供給される未燃の燃料等が酸化されることにより、温度が上昇する。このときに、小型酸化触媒14は、内部から外側に向かって温度上昇する。このために、小型酸化触媒14の基材には温度勾配が生じる。
【0053】
この運転例においては、矢印62に示すように、火炎が小型酸化触媒14の外側を通る。即ち、火炎が小型酸化触媒14と機関排気通路の壁面との間を通る。このために、矢印65に示すように、火炎の熱が小型酸化触媒14の外側から内側に向かって伝熱され、基材に生じる温度勾配を小さくすることができる。基材の内部で生じる熱応力を小さくすることができる。この結果、小型酸化触媒14の耐熱性を向上させることができる。
【0054】
本実施の形態においては、グロープラグ51にて生成された火炎の一部が小型酸化触媒14の外側を通るように形成されているが、この形態に限られず、グロープラグ51にて生成された火炎の全てが、小型酸化触媒14の端面に供給されていても構わない。この構成により、小型酸化触媒14を短時間で温度上昇させることができる。
【0055】
図4に示す運転例においては、小型酸化触媒14が活性化温度に達した後もグロープラグを点灯する第1の制御状態を継続しているが、この形態に限られず、例えば小型酸化触媒14が活性化温度に達したことを温度センサ25で検知して、グロープラグ51の通電を停止しても構わない。すなわち、小型酸化触媒が活性化温度に達したときに、制御状態を第3の制御状態に移行しても構わない。グロープラグが配置されていない場合には、機関本体1から排出される排気ガスにより小型酸化触媒を加熱して活性化温度になるまで待つ必要があるが、グロープラグを配置して第1の制御状態で運転することにより、短時間で小型酸化触媒を活性化温度まで昇温することができる。この結果、小型酸化触媒の下流に配置されている酸化触媒等の排気処理装置を短時間で昇温することができる。
【0056】
次に、図8および図9を参照して、本実施の形態における第2の制御状態および第3の制御状態について説明する。
【0057】
図8は、第2の制御状態で運転を行なった後に、第3の制御状態で運転を行なうタイムチャートである。第2の制御状態は、グロープラグにより加熱しても燃料が着火されない運転領域で行う。初めに、燃料供給弁15を閉止した状態でグロープラグ51に通電する第4の制御状態で運転する。小型酸化触媒14の温度は、活性化温度T未満である。グロープラグ51が高い温度に達したら、グロープラグ51に通電した状態で、燃料供給弁15から燃料を噴射する。このときに、燃料の着火が不可能であるために、火炎が形成されずに燃料が液体のまま小型酸化触媒14に供給される。
【0058】
図9に、グロープラグがある場合とグロープラグがない場合の小型酸化触媒の温度上昇を説明するグラフを示す。横軸は時間であり、縦軸は小型酸化触媒の温度である。小型酸化触媒14の温度が活性化温度未満であり、グロープラグがない場合においては、小型酸化触媒14が不活性である。小型酸化触媒14の温度は、排気ガスにより緩やかに上昇する。これに対して、小型酸化触媒14の上流にグロープラグを配置して、グロープラグ51に通電しながら小型酸化触媒14に燃料を供給することにより、小型酸化触媒14の温度が素早く上昇する。すなわち、グロープラグ51が配置されていない場合には小型酸化触媒14が不活性の雰囲気中においても、グロープラグ51を配置して燃料を噴射することにより、小型酸化触媒14を活性化することができる。このために、小型酸化触媒14の温度を短時間で上昇させることができる。
【0059】
図8を参照して、第2の制御状態で運転を行なうことにより、小型酸化触媒14の温度を短時間で活性化温度まで上昇することができる。小型酸化触媒14の温度が活性化温度に達したらグロープラグ51への通電を停止する。すなわち、グロープラグへの通電を停止した状態で、燃料の噴射を行なう第3の制御状態を行なう。小型酸化触媒14が活性化温度に到達しているために、小型酸化触媒14の内部に噴射された燃料が酸化される。燃料の酸化の際に発生する酸化反応熱によって小型酸化触媒14の温度を素早く上昇させることができる。小型酸化触媒14の温度が上昇することにより、排気ガスの温度が高くなって酸化触媒13等の排気処理装置を加熱することができる。
【0060】
特に、小型酸化触媒14は、内部の流路抵抗が大きいので小型酸化触媒14内を流れる排気ガス量は少ない。また、小型酸化触媒14の内部で酸化反応が生じると小型酸化触媒14内でガスが膨張するために、小型酸化触媒14の内部を流れる排気ガス量が更に減少する。また酸化反応によりガス温度が上昇するとガスの粘性が高くなるために小型酸化触媒14の内部を流れる排気ガス量が更に減少する。従って小型酸化触媒14内における排気ガスの流速は排気管12内を流れる排気ガスの流速に比べてかなり遅い。
【0061】
このように小型酸化触媒14内における排気ガスの流速が遅いので、小型酸化触媒14における酸化反応は活発となり、また小型酸化触媒14の体積が小さいので小型酸化触媒14の温度は急速にかなり高温まで上昇する。
【0062】
また、小型酸化触媒14の温度が高くなると炭素数の多い燃料中の炭化水素が分解して炭素数の少ない反応性の高い炭化水素が生成される。即ち燃料が反応性の高い軽質の燃料に改質される。酸化触媒13が活性化温度以上の場合には、小型酸化触媒14から排出される還元剤により、酸化触媒13にて生じる酸化反応により温度を早期に上昇させることができる。このように、小型酸化触媒14に燃料が供給されると、小型酸化触媒14は一方では急速に発熱する急速発熱器を構成し、他方では改質された燃料を排出する改質燃料排出器を構成する。
【0063】
図8に示す運転例においては、小型酸化触媒が活性化温度に達したら、第2の制御状態から第3の制御状態に切り替えているが、この形態に限られず、小型酸化触媒が活性化温度に達した以降においても第2の制御状態を継続しても構わない。
【0064】
図10に、本実施の形態における制御状態と、エンジン負荷、排気ガス流量および排気ガスの酸素濃度の関係を例示する概略図を示す。この例においては、エンジン負荷が小さくなって、排気ガスの流量が小さくなり、酸素濃度が高くなった場合においては、容易に着火することができるために、第1の制御状態で運転を行なう。すなわち、火炎を生成して、下流の排気処理装置を素早く昇温することができる。エンジンの負荷が大きくなり、排気ガスの流量が大きくなり、酸素濃度が低下した場合においては、着火が困難になって第2の制御状態にて運転を行なう。更に、エンジンの負荷が大きくなって、排気ガスの流量が大きくなり、酸素濃度が低下した場合においては第3の制御状態で運転を行なっている。
【0065】
第1の制御状態、第2の制御状態または第3の制御状態の選択は、エンジン負荷、排気ガス流量、酸素濃度、バッテリの状態等により、任意に選択することができる。たとえば、着火可能な領域では優先して第1の制御状態を行っても構わないし、第1の制御状態と第3の制御状態とを併用しても構わない。また、それぞれの制御状態は、適宜その順序を変えて運転することができる。
【0066】
それぞれの制御状態の終了については、たとえば、小型酸化触媒の下流に配置されている酸化触媒が要求温度に達したら、それぞれの制御状態を終了することができる。すなわち、排気処理装置の要求事項が達成されたら、それぞれの制御状態を終了することができる。または、小型酸化触媒の温度が破壊に関する上限温度に達したときにそれぞれの制御状態を終了する。このように、制御状態の終了時期については、任意の条件を採用することができる。
【0067】
次に、小型酸化触媒の下流に配置される排気処理装置がNO吸蔵触媒である場合について説明する。
【0068】
図11に、NO吸蔵触媒の概略断面図を示す。NO吸蔵触媒17は、基体上に例えばアルミナからなる触媒担体45が担持されている。触媒担体45の表面上には貴金属触媒46が分散して担持されている。触媒担体45の表面上にはNO吸収剤47の層が形成されている。貴金属触媒46としては、例えば白金Ptが用いられる。NO吸収剤47を構成する成分としては、例えばカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つが用いられている。
【0069】
機関吸気通路、燃焼室、または排気通路内において、空気および燃料(炭化水素)の比を空燃比と称すると、NO吸収剤47は排気ガスの空燃比がリーンのとき(排気ガス中の酸素濃度が高いとき)には、排気ガス中に含まれるNOが貴金属触媒46上において酸化されてNO2となる。次いで硝酸イオンNO3-の形でNO吸収剤47内に吸蔵される。
【0070】
これに対して、排気ガスの空燃比がリッチ(排気ガス中の燃料濃度が高いとき)或いは理論空燃比にされると排気ガス中の酸素濃度が低下するために反応が逆方向(NO3-→NO2)に進む。NO吸収剤47内の硝酸イオンNO3-がNO2の形でNO吸収剤47から放出される。次いで、放出されたNOは排気ガス中に含まれる未燃HC、COによって還元される。
【0071】
本実施の形態における運転例では、NO吸収剤47の吸収能力が飽和する前に燃料供給弁15から燃料を供給することによって排気ガスの空燃比を一時的にリッチにして、それによってNO吸収剤47からNOを放出させるようにしている。
【0072】
図1の実施例のように、小型酸化触媒14とNO吸蔵触媒17との間に、酸化触媒13が配置されている場合には、第1の制御状態、第2の制御状態または第3の制御状態で運転を行うことにより、前述したように酸化触媒13の温度を短時間で上昇させて活性化温度にすることができ、酸化触媒13により形成された還元剤をNO吸蔵触媒に供給することができる。
【0073】
小型酸化触媒とNO吸蔵触媒との間に、酸化触媒が配置されていない場合においても、前述したように第1の制御状態または第2の制御状態で運転を行うことにより、短時間で小型酸化触媒の温度を上昇させることができて、小型酸化触媒により形成された還元剤をNO吸蔵触媒に供給することができる。また、小型酸化触媒が活性化温度以上の場合には、第3の制御状態で運転を行うことにより、小型酸化触媒により形成された還元剤をNO吸蔵触媒に供給することができる。
【0074】
また、第1の制御状態で運転を行うことにより、小型酸化触媒14における燃料の改質に加えて、生成される火炎によっても燃料の改質を行なうことができる。このため、軽質のHC等の良質な還元剤をNO吸蔵触媒に供給することができる。さらに、多量の還元剤をNO吸蔵触媒に供給することができる。
【0075】
ところで、排気ガス中にはSO、即ちSOが含まれている。このSOは、NO吸蔵触媒17に流入すると、貴金属触媒46において酸化されてSOとなる。次いでこのSOはNO吸収剤47に吸収されて、例えば炭酸バリウムBaCO3と結合しながら、硫酸イオンSO2-の形でNO吸収剤47内に拡散し、安定した硫酸塩BaSOを生成する。しかしながらNO吸収剤47が強い塩基性を有するためにこの硫酸塩BaSOは安定していて分解しづらく、排気ガスの空燃比を単にリッチにしただけでは硫酸塩BaSOは分解されずにそのまま残る。従ってNO吸収剤47内には時間が経過するにつれて硫酸塩BaSOが増大することになる。このため時間が経過するにつれてNO吸収剤47が吸収しうるNO量が低下することになる。即ち、NO吸蔵触媒17がイオウ被毒を生ずることになる。
【0076】
この場合には、NO吸蔵触媒17の温度を例えば600℃以上のSO放出温度まで上昇させた状態でNO吸蔵触媒17に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするとNO吸収剤47からSOが放出することができる。
【0077】
図1の装置例のように、小型酸化触媒14とNO吸蔵触媒17との間に酸化触媒13が配置されている場合には、第1の制御状態、第2の制御状態または第3の制御状態にて運転を行なうことにより、前述したように酸化触媒13の温度を上昇させて、排気ガスを高温にすることができる。この結果、短時間でNO吸蔵触媒17を昇温することができる。特に、第1の制御状態では、火炎により排気ガスの温度が上昇する。また、小型酸化触媒14および火炎により多量の改質燃料を生成して、この改質燃料を酸化触媒13内で酸化させることができる。このため、短時間でNO吸蔵触媒の温度をSO放出温度まで上昇させることができる。
【0078】
NO吸蔵触媒と小型酸化触媒との間に酸化触媒が配置されていない場合には、前述の様に、第1の制御状態にて運転を行うことにより、火炎による排気ガスの加熱と小型酸化触媒による酸化反応の発熱とにより、排気ガスを高温にすることができて、短時間でNO吸蔵触媒をSO放出温度まで上昇させることができる。または、第2の制御状態および第3の制御状態のうち少なくとも一方の制御状態にて運転を行うことにより、小型酸化触媒を短時間で昇温して排気ガスを高温にすることができて、この結果、NO吸蔵触媒を短時間で昇温することができる。
【0079】
次に、小型酸化触媒の下流に配置されるパティキュレートフィルタの再処理について説明する。
【0080】
パティキュレートフィルタは、排気ガス中に含まれる炭素微粒子、サルフェート等のイオン系微粒子等の粒子状物質(パティキュレート)を除去するフィルタである。パティキュレートフィルタは、たとえば、ハニカム構造を有し、ガスの流れ方向に伸びる複数の流路を有する。複数の流路において、下流端が封止された流路と上流端が封止された流路とが交互に配置されている。流路の隔壁は、コージライトのような多孔質材料で形成されている。この隔壁を、排気ガスが通過するときにパティキュレートが捕捉される。
【0081】
図1を参照して、粒子状物質は、パティキュレートフィルタ16上に捕集されて酸化される。しかしながら捕集される粒子状物質の量が酸化される粒子状物質の量よりも多くなると粒子状物質がパティキュレートフィルタ16上に次第に堆積する。粒子状物質の堆積量が増大すると機関出力の低下を招いてしまう。この場合、空気過剰の雰囲気中でパティキュレートフィルタ16の温度を例えば600℃程度まで上昇させて堆積した粒子状物質を酸化除去するフィルタ再処理を行う。
【0082】
図1に示す装置例においては、パティキュレートフィルタ16上に堆積した粒子状物質の量が許容量を越えたときに、排気ガスの空燃比がリーンのもとでパティキュレートフィルタ16の温度を上昇させ、それによって堆積した粒子状物質を酸化除去する。差圧センサ28により検出されたパティキュレートフィルタ16の前後差圧ΔPが許容値Pを越えたときに堆積粒子状物質の量が許容量を越えたと判断される。
【0083】
パティキュレートフィルタ16の再生においても、NO吸蔵触媒の昇温と同様に、第1の制御状態、第2の制御状態または第3の制御状態で運転を行なうことにより、短時間で酸化触媒13を昇温させることができて、パティキュレートフィルタ16を短時間で昇温させることができる。または、パティキュレートフィルタと小型酸化触媒との間に酸化触媒が配置されていない場合にも、NO吸蔵触媒の昇温と同様に、短時間でパティキュレートフィルタを昇温させることができる。
【0084】
なお、図1に示される装置例ではパティキュレートフィルタ16上には貴金属触媒は担持されていない。しかしながらパティキュレートフィルタ16に白金Ptのような貴金属触媒を担持させることもでき、この場合にはパティキュレートフィルタ16を酸化触媒として用いることができる。
【0085】
図12に、燃料供給弁から供給される燃料の他の供給形態を説明するタイムチャートを示す。図12に示すように、燃料供給弁からの燃料の供給形態としては、連続的に燃料の供給を行なっても構わない。または、燃料の供給においては、一定量の噴射を継続しても構わないし、運転中に燃料の供給量を変更しても構わない。
【0086】
図4または図8に示す運転例においては、燃料供給弁から間欠的に燃料を供給している。燃料を間欠的に供給することにより、供給される燃料同士の間に空気を介在させることができる。すなわち、間欠的に供給された燃料が多くの空気と接触して燃焼する。この結果、燃焼特性が向上して火炎の温度を高くすることができる。または、未燃の燃料を燃焼することができる。
【0087】
ここで、連続的にリッチな(空燃比A/Fが小さい状態の)燃料を燃料供給弁から供給した場合には、燃料に対して空気の量が少なくなるため燃焼されない燃料が多くなる。しかしながら、燃料を間欠的に供給することにより、燃焼特性が向上して燃焼されない燃料を低減させることができる。または、燃料の空燃比を小さくすることができる。小型酸化触媒の下流に配置されている排気処理装置がNO吸蔵触媒である場合には、間欠的に供給する燃料の空燃比を小さくすることができるため、NO吸蔵触媒に好適な還元剤を供給することができる。
【0088】
なお、排気浄化装置は、グロープラグによる着火が可能か否かについて判別を行なう判別手段を備えることができる。排気浄化装置の制御手段は、判別手段の結果を用いて制御状態の選択を行なうことができる。判別手段は、例えば、排気ガスの流量を検知する流量センサと、酸素濃度を検知する酸素センサとを含む。酸素濃度を検知するためには、空燃比センサを用いて代替的に排気管の内部の酸素濃度を推定しても構わない。または、エンジンの回転数と駆動力に依存する酸素濃度のマップを作成することにより、排気管内の酸素濃度を推定しても構わない。このように、判別手段は、流量検知装置と酸素濃度検知装置からの信号により火炎を生成できるか否かについて判別することができる。判別手段としては、さらに、排気ガスの温度を検知する排気ガス温度検知装置を含んでいても構わない。
【0089】
本実施の形態においては、燃料供給手段として燃料供給弁が採用されているが、この形態に限られず、燃料供給手段は、小型酸化触媒に向けて燃料を供給できるように形成されていれば構わない。
【0090】
本実施の形態においては、加熱手段としてグロープラグが採用されているが、この形態に限られず、供給される燃料を着火することが出来る任意の加熱手段を採用することができる。例えば、加熱手段として、点火プラグまたはセラミックヒーターなどが採用されていても構わない。
【0091】
本実施の形態における制御手段は、機関本体を制御する電子制御ユニットが採用されているが、この形態に限られず、排気浄化装置のそれぞれの制御状態に制御することができる任意の制御手段を採用することができる。例えば、機関本体を制御する電子制御ユニットとは分離された、独立の排気浄化装置の制御ユニットが配置されていても構わない。
【0092】
本実施の形態における排気処理装置としては、酸化触媒、NO吸蔵触媒およびパティキュレートフィルタを例に取り上げて説明したがこの形態に限られず、排気を浄化するための任意の装置に本発明を適用することができる。また、それぞれの排気処理装置を単独または複数組み合わせて配置しても構わない。
【0093】
本実施の形態においては、内燃機関としてディーゼルエンジンを例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、任意の内燃機関の排気浄化装置に本発明を適用することができる。
【0094】
(実施の形態2)
図13から図17を参照して、実施の形態2における内燃機関の排気浄化装置について説明する。本実施の形態においては、実施の形態1における排気浄化装置の運転例について説明する。
【0095】
図13は、第1の制御状態を開始するときのタイムチャートである。図13に示す運転例においては、第1の制御状態で運転を開始するときの第1の燃料供給量Qが予め設定されている。また、第1の制御状態で定常的に運転するときの第2の燃料供給量Q1TAが予め設定されている。第1の燃料供給量Qは、第2の燃料供給量Q1TAよりも大きく設定されている。第1の制御状態を開始するときには、第1の燃料供給量Qを供給した状態で着火を行なって、所定期間の経過後に燃料供給量を第2の燃料供給量Q1TAに減少している。本実施の形態においては、燃焼安定期間の経過後に燃料供給量を減少している。
【0096】
ここで、燃焼安定期間とは、燃料の燃焼が安定する状態になるまでの期間を示す。本実施の形態においては、予め燃焼安定期間となる時間を設定している。燃焼安定期間の終期の決定については、任意の形態を採用することができる。たとえば、小型酸化触媒の出口の温度を計測して所定温度まで上昇したことを検知して、燃焼安定期間の終期を決定しても構わない。
【0097】
グロープラグによる着火を行なうときには、多くの燃料を供給することにより、安定した着火を行なうことができる。たとえば、着火を行なうときに、周辺の温度が低く着火が不安定になる場合がある。このような場合には、第1の燃料供給量Qにて燃料を多く供給することにより安定した着火を行うことができる。火炎が形成されて周辺温度が上昇すると燃焼が安定する。この後に、燃料供給量を低減しても燃焼は安定するため、第2の燃料供給量Q1TAに噴射量を減らす制御を行う。この制御を行うことにより、過剰な燃料の消費や過剰なHCの放出等を削減することができる。
【0098】
図14は、第1の制御状態から第3の制御状態に切り替えるときのタイムチャートである。図14に示す運転例においては、第1の制御状態から第3の制御状態に切り替えるときに、グロープラグによる加熱を停止して、さらに、燃料供給弁による燃料の供給を停止する期間を介在している。すなわち、第1の制御状態の要求事項が達成されたら、燃料供給弁からの燃料の噴射を遮断して、グロープラグの通電量を0にする。燃料噴射停止期間の経過後に燃料供給弁から燃料の供給を行なって、第3の制御状態に移行する。
【0099】
図14に示すように、第1の制御状態を行った後に第3の制御状態に移行する運転を行う場合がある。たとえば、第1の制御状態を行って小型酸化触媒を活性化温度まで上昇させ、活性化温度に達したら第3の制御状態に移行する場合がある。第1の制御状態で運転を行なうことにより、火炎が小型酸化触媒の端面に衝突して端面の温度が高くなっている。または、小型酸化触媒の側面に火炎が接触して側面の温度が高くなっている場合がある。特に、火炎を生成しているときには、小型酸化触媒の端面が局部的に非常に高い温度になっている場合がある。この状態で第3の制御状態に移行して、低温の液体燃料が直接的に小型酸化触媒に向けて噴射されると、基材が急冷されることにより基材が割れてしまう場合がある。
【0100】
しかしながら、燃料の供給を停止して、さらにグロープラグの通電を停止する期間を介在させることにより、小型酸化触媒の温度を下げることができ、小型酸化触媒の急冷を抑制することができる。本実施の形態においては、予め燃料噴射停止期間の時間を設定している。燃料噴射停止期間の終期の決定については、任意の形態を採用することができる。たとえば、小型酸化触媒の出口の温度を計測して、所定の温度まで下降したことを検知することにより、燃料噴射停止期間の終期を決定しても構わない。
【0101】
図15は、第1の制御状態を開始するときのタイムチャートである。図15に示す運転例においては、排気管を通る排気ガスの流量を変更することにより、着火の安定化を図っている。第1の制御状態を開始する時に、第1の制御状態の排気ガスの第2の流量Ga1TAよりも小さな第1の流量Gaの排気ガスを供給した状態で着火を行なう。図15の運転例においては、着火を行うときに排気ガスの流量を小さくして、所定期間の経過後に排気ガスの流量を増加する。本実施の形態においては、燃焼安定期間の経過後に排気ガスの流量を第2の流量Ga1TAまで増加する制御を行っている。
【0102】
図1を参照して、本実施の形態における内燃機関の浄化装置は、機関排気通路内の排気ガスの流量を調整できるように形成されている排気ガス流量調整手段を備える。たとえば、機関本体1に燃料を供給するスロットル弁10を調整することにより、排気ガスの流量を調整することができる。または、機関本体1の再循環流路に配置されているEGR制御弁19を調整することにより、触媒に流れる排気ガスの流量を調整することができる。例えば、着火を行なうときに、一時的に排気ガスの再循環流量を増やすことにより、触媒に流入する排気ガスの流量を減らすことができる。
【0103】
本実施の形態における排気ガス流量調整手段は、電子制御ユニット30により制御されている。排気ガス流量調整手段としては、これらの形態に限られず、排気浄化装置に流入する排気ガスの流量を変化させる任意の手段を採用することができる。
【0104】
排気ガスの流量が大きいと着火が不安定になる場合がある。燃料を着火する時に排気ガスの流量を小さくすることにより、安定した着火を行なうことができる。燃焼安定期間の経過後には、燃焼が安定しているために、排気ガスの流量を多くすることができる。排気ガスの流量を多くすることにより、排気ガスの乱流の生成が促進されて、火炎の燃焼性や拡散性が向上する。特に、図1に示す装置例においては、小型酸化触媒14に向かって多くの排気ガスが衝突して、小型酸化触媒14の下流で排気ガスの乱流の生成が促進される。
【0105】
さらに、排気ガスの乱流の生成が促進されるために、小型酸化触媒14に付着する液体の燃料を吹き飛ばして小型酸化触媒14の周りで燃焼させることができる。この結果、小型酸化触媒14から噴出される還元剤の着火性能を高めることができる。
【0106】
図16および図17に、第1の制御状態で運転を行なうときの運転例を示す。図16に、第1の制御状態で運転を行なうときのタイムチャートを示す。この運転例においては、第1の制御状態において、小型酸化触媒の温度が閾温度以上の場合に、燃料の噴射量を増加させる制御を行う。図1を参照して、小型酸化触媒の温度は、温度センサ25により小型酸化触媒の出口の排気ガスの温度を測定することにより検知することができる。
【0107】
第1の制御状態を開始して小型酸化触媒が一の閾温度に達したら、燃料供給弁から噴射される燃料の量を増加させる。閾温度としては、例えば、小型酸化触媒の活性化温度Tを採用することができる。すなわち、第1の制御状態において、燃料供給量Qで運転を行っているときに小型酸化触媒が閾温度に達したら、燃料供給量Qによりも多い燃料供給量Qに変更する。
【0108】
酸化触媒は、活性化温度以上の領域において、温度が高くなると改質性能が高くなる特性を有する。酸化触媒の温度が高くなると、火炎により行う燃料の改質に加えて小型酸化触媒による高い改質を同時に行なうことができる。このため、燃料供給弁による燃料の噴射量を増加させて運転を行うことができる。この結果、改質された燃料を小型酸化触媒の下流に大量に供給することができる。
【0109】
例えば、小型酸化触媒の下流に酸化触媒が配置され、酸化触媒が活性化状態のときには、大量の還元剤を酸化触媒に供給することにより、短時間で排気ガスの温度を上昇させることができる。または、大量の還元剤を下流の排気処理装置に供給することができる。
【0110】
図17に、図16に示した第1の制御状態で運転を行うときのフローチャートを示す。初めに、小型酸化触媒の温度Tcを計測する。次に、小型酸化触媒の温度Tcが閾値以上である場合には、燃料供給弁から噴射される燃料の供給量を増加させる。小型酸化触媒の温度Tcが閾値未満である場合には、所定の間隔をあけて小型酸化触媒の温度Tcを計測する。
【0111】
燃料の供給量を増加したら、燃料の供給量が目標の供給量にまで達しているか否かを判別する。燃料の供給量が目標の供給量に達してなかったら燃料の供給量を再び増加する。または、燃料の供給量が目標の供給量にまで達していたら、この制御を終了する。
【0112】
燃料の1回の増加量や小型酸化触媒の温度に対する燃料の供給量については、排気処理装置の温度に対する供給量のマップ、または小型酸化触媒の温度に対する供給量のマップを制御手段に含めることができる。燃料の増加量や供給量の決定については、この形態に限られず、任意の方法により決定することができる。
【0113】
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0114】
また、上記のそれぞれの実施の形態を組み合わせても構わない。
【0115】
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、上記の実施の形態においては、特許請求の範囲に含まれる変更が意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】圧縮着火式の内燃機関の全体図である。
【図2】(A)は、排気浄化装置の小型酸化触媒の部分の概略断面図であり、(B)は、小型酸化触媒の概略断面図である。
【図3】燃料供給弁から供給される燃料の着火領域を示すグラフである。
【図4】実施の形態1における第1の制御状態を説明するタイムチャートである。
【図5】排気管において、小型酸化触媒の部分の拡大概略断面図である。
【図6】小型酸化触媒の出口における火炎の生成範囲を示すグラフである。
【図7】小型酸化触媒における伝熱を説明する小型酸化触媒の拡大概略断面図である。
【図8】実施の形態1における第2の制御状態および第3の制御状態を説明するタイムチャートである。
【図9】第2の制御状態において小型酸化触媒の昇温を説明するグラフである。
【図10】第1の制御状態、第2の制御状態および第3の制御状態が使用される領域の例を説明する図である。
【図11】NO吸蔵触媒の拡大概略断面図である。
【図12】燃料供給弁からの燃料の供給例を説明するタイムチャートである。
【図13】実施の形態2における第1の運転例を説明するタイムチャートである。
【図14】実施の形態2における第2の運転例を説明するタイムチャートである。
【図15】実施の形態2における第3の運転例を説明するタイムチャートである。
【図16】実施の形態2における第4の運転例を説明するタイムチャートである。
【図17】実施の形態2における第4の運転例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
1 機関本体
5 排気マニホールド
13 酸化触媒
14 小型酸化触媒
14a 円筒状外枠
14b 側面
15 燃料供給弁
16 パティキュレートフィルタ
17 NO吸蔵触媒
18 EGR通路
19 EGR制御弁
25 温度センサ
26 温度センサ
27 温度センサ
28 差圧センサ
29 ステー
30 電子制御ユニット
45 触媒担体
46 貴金属触媒
47 吸収剤
51 グロープラグ
61〜65 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機関排気通路内に配置され、排気ガスの浄化を行う排気処理装置と、
前記機関排気通路内において前記排気処理装置よりも上流側に配置され、前記機関排気通路の断面積より小さな断面積を有し、排気ガスの一部が内部を流通する小型酸化触媒と、
前記小型酸化触媒に向けて燃料を供給する燃料供給作用を有する燃料供給手段と、
前記小型酸化触媒と前記燃料供給手段との間に配置され、加熱作用を有する加熱手段と、
前記燃料供給手段および前記加熱手段の制御を行う制御手段と
を備え、
前記燃料供給手段により前記排気ガス中に前記燃料を供給して、前記加熱手段により前記燃料を加熱したときに、前記燃料の着火が可能な運転領域と着火が不可能な運転領域とが存在しており、
前記燃料供給手段による前記燃料の供給を行いながら、前記加熱手段による加熱を行って前記燃料を着火させる第1の制御状態、前記燃料供給手段による前記燃料の供給を行いながら、前記加熱手段による加熱を行うが前記燃料は着火しない第2の制御状態、および前記燃料供給手段による燃料の供給を行いながら、前記加熱手段による加熱が停止している第3の制御状態を有し、
前記制御手段は、前記着火が可能な運転領域において、前記第1の制御状態または前記第3の制御状態に制御して、前記着火が不可能な運転領域において、前記第2の制御状態または前記第3の制御状態に制御することを特徴とする、内燃機関の排気浄化装置。
【請求項2】
前記第1の制御状態で制御するときに、前記燃料の着火により生成される火炎の一部が前記小型酸化触媒と前記機関排気通路の壁面との間を通るように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の制御状態を開始するときに、第1の燃料供給量で前記燃料を供給しながら着火を行って、所定期間の経過後に前記燃料の供給量を減少させて第2の燃料供給量になるように前記燃料供給手段を制御することを特徴とする、請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の制御状態から前記第3の制御状態に切り替えるときに、前記加熱手段による加熱を停止して、前記燃料供給手段による燃料の供給を停止する期間を介在させることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項5】
前記機関排気通路内の前記排気ガスの流量を調整するように形成され、前記制御手段により制御される排気ガス流量調整手段を備え、
前記制御手段は、前記第1の制御状態を開始するときに、第1の流量で前記排気ガスを供給した状態で着火を行って、所定期間の経過後に前記排気ガスの流量を増加させて第2の流量になるように前記排気ガス流量調整手段を制御することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1の制御状態を行うときに前記小型酸化触媒の温度が一の閾温度以上の場合に、前記一の閾温度よりも低い温度で供給する量よりも多い燃料を供給するように前記燃料供給手段を制御することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項7】
前記排気処理装置は、酸化触媒、NO吸蔵触媒およびパティキュレートフィルタのうち、少なくとも一の装置を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−59886(P2010−59886A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227512(P2008−227512)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】