説明

切り替え可能インダクタネットワーク

制御信号に応じて設定可能インダクタンスを有する切換可能インダクタネットワークを提供するための技術。前記切り替え可能インダクタネットワークは、差動モード動作の寄生素子の影響を低減するために完全に対称的なアーキテクチャを採用することができる。前記切り替え可能インダクタネットワークは、特に、マルチモード通信回路への用途、例えば、電圧制御発振器(VCO)またはそのような回路におけるアンプもしくはバッファに適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集積回路(IC)のためのインダクタの設計に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の無線通信デバイスは、マルチモード動作、例えば、一つまたは複数のいくつかの異なる通信プロトコルまたは規格を使用して、多重の無線周波数範囲上で信号の送信および受信をしばしばサポートする。例えば、単一の携帯電話は、携帯電話のためのWCDMA、CDMA、GSM(登録商標)、EDGEおよびLTEの規格のいずれかまたはすべてを使用して、このような通信に割り当てられた任意の周波数範囲上で通信することができる。
【0003】
マルチモード動作は、各周波数範囲内で異なる値、例えば、周波数範囲内での動作に対して回路を最適に調整するために、各周波数レンジ内で異なるインダクタンス値を有する回路要素を必要とする可能性がある。従来技術では、各周波数範囲ごとに別々のインダクタおよび/または回路のインスタンスを提供することに頼ることがある。これは、通信デバイスの設計の複雑さを増やすばかりではなく、ダイ面積(die area)を望ましくなく増やす可能性がある。
【0004】
通信デバイス内でマルチモード動作をサポートするために、設定可能なインダクタンスを有するインダクタを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様は、一対のノードにまたがって(across)切換可能インダクタンスを提供する装置を提供し、前記装置は、切り替え可能インダクタネットワークを具備してなること、前記インダクタネットワークは、前記一対のノードに結合された端子を有する第1のコイル、前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第2のコイル、前記第2のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、および制御信号に応えて、前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)するように構成されたスイッチを具備すること。
【0006】
本開示の他の態様は、一対のノードにまたがって切換可能インダクタンスを提供するための方法を提供し、前記切換可能インダクタンスは前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第1のコイルを具備すること、切換可能インダクタンスは前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第2のコイルをさらに具備すること、前記第2のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、前記方法は、制御信号に応えて、前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)することを具備してなること。
【0007】
本開示のさらに別の態様は、一対のノードにまたがって選択可能なインダクタンスを提供する装置を提供し、前記装置は、少なくとも2つの設定の中から前記切り替え可能インダクタネットワークの前記インダクタンスを選択するための手段を具備してなること。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、無線通信のためのデバイスを提供し、前記デバイスは、TX LO信号発生器、前記TX LO信号発生器に結合されたTX PLL、少なくとも1つのベースバンドTXアンプ、前記TX LO信号発生器および前記少なくとも1つのベースバンドTXアンプに結合されたアップコンバータ、前記アップコンバータの前記出力に結合されたTXフィルタ、前記TXフィルタに結合されたパワーアンプ(PA)、RX LO信号発生器、前記RX LO信号発生器に結合されたRX PLL、RXフィルタ、前記RX LO信号発生器および前記RXフィルタに結合されたダウンコンバータ、前記RXフィルタに結合された低ノイズアンプ(LNA)、および、前記PAおよび前記LNAに結合された送受切換え器(duplexer)、前記RX LO信号発生器およびTX LO信号発生器の少なくとも1つは、一対のノード(In1,In2)にまたがって選択可能インダクタンスを提供する切り替え可能インダクタネットワークを具備してなること、前記切り替え可能インダクタネットワークは、前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第1のコイル、前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第2のコイル、前記第2のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、および制御信号に応えて、前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)するように構成されたスイッチを具備すること。
【0009】
本開示のさらに別の態様は、無線通信のためのデバイスを提供し、前記デバイスは、TX LO信号発生器、前記TX LO信号発生器に結合されたTX PLL、少なくとも1つのベースバンドTXアンプ、前記TX LO信号発生器および前記少なくとも1つのベースバンドTXアンプに結合されたアップコンバータ、前記アップコンバータの前記出力に結合されたTXフィルタ、前記TXフィルタに結合されたパワーアンプ(PA)、RX LO信号発生器、前記RX LO信号発生器に結合されたRX PLL、RXフィルタ、前記RX LO信号発生器および前記RXフィルタに結合されたダウンコンバータ、前記RXフィルタに結合された低ノイズアンプ(LNA)、前記PAおよび前記LNAに結合された送受切換え器(duplexer)、前記RX LO信号発生器およびTX LO信号発生器の少なくとも1つはLOバッファを具備してなること、前記LOバッファは一対のノード(In1,In2)にまたがって選択可能インダクタンスを提供する切り替え可能インダクタネットワークを具備してなること、前記切り替え可能インダクタネットワークは、前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第1のコイル、前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第2のコイル、前記第2のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、および制御信号に応えて、前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)するように構成されたスイッチを具備すること。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は従来のPLLの簡略ブロック図を示す。
【図2】図2は、本開示に係るマルチモード回路の設計の例示的な実施形態を示す。
【図2A】図2Aは、ノードIn1およびIn2で、それぞれ、差動電圧V+およびV−を提供する回路の例示的な実施形態を示す図である。
【図3】図3は、図2および2Aの切り替え可能インダクタネットワークの物理的なレイアウトの例示的な実施形態を示すである。
【図4】2つ以上の切換可能なインダクタを収容する切り替え可能インダクタネットワークの例示的な実施形態を示す図である。
【図5】エリア制約のある(area-constrained)設計のアプリケーション向けに最適化された切り替え可能インダクタネットワークの代替の例示的な実施形態を示す図である。
【図6】図6は、本開示に係る切り替え可能インダクタネットワークを利用するCMOS電圧制御発振器(VCO)の例示的な実施形態を示す図である。
【図6A】図6Aは、切り替え可能インダクタネットワークに現れる可能性があるさまざまな寄生素子(parasitic elements)を詳細に示す図である。
【図7】図7は、本開示に係る切り替え可能インダクタネットワークを活用したローカル発振器(LO)バッファの例示的な実施形態を示す図である。
【図8】図8は本開示に係る例示的な方法を示す図である。
【図9】図9は、本開示の技術が実装され得る無線通信デバイスの設計のブロック図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の説明として意図されており、本発明が実施できる唯一の実施形態を示すためには意図されていない。用語“例示的な(exemplary)”は、“例(example)、事例(instance)または例証(illustration)として仕えること”を意味するために本明細書では使用され、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましいまたは有利であるとは本明細書では必ずしも解釈されない。詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の徹底的な理解を提供することを目的とする具体的な詳細を含む。これらの具体的な説明がなくても当業者であれば、本明細書に記載された本発明の例示的な実施形態は実施できることは明らかであろう。いくつかの事例では、周知の構造およびデバイスは、ここに提示された例示的な設計の新規性が不明瞭になることを避けるために、ブロック図の形式で示されている。
【0012】
この明細書および特許請求の範囲において、要素が別の要素“に接続”または“に結合”されると言及される場合、それは、別の要素もしくは介在要素(intervening elements)に直接的に接続または結合する可能性があることは理解されるであろう。その一方、要素が別の要素“に直接的に接続”または“に直接的に結合”されると言及される場合、介在要素は存在しない。
【0013】
図1は、2つの別個の周波数範囲内で動作するようにマルチモード回路を設計するための従来技術を示す図である。図1において、回路110.1は、第1の周波数範囲内で動作するように設計されており、そのノードIn1およびIn2が第1のインダクタL1 120.1に結合されて示されている。回路110.2は、第1の周波数範囲とは異なる第2の周波数範囲内で動作するように設計されており、そのノードIn1およびIn2が第2のインダクタL1 120.2に結合されて示されている。回路110.1および回路110.2の両方は、例えば、所望の動作周波数範囲に応じて動作するために、回路110.1または110.2のいずれかを選択する制御信号100aに結合されている。回路110.1および回路110.2の出力はお互いに出力ノードOut1およびOut2に結合されている。
【0014】
当業者であれば、いくつかのアプリケーションにおいては、回路110.1および回路110.2が同一の回路設計を利用することができることは、理解するであろう。このようなアプリケーションでは、図1に示される別々になった回路110.1および回路110.2の提供は、ダイ面積を望ましくなく増やし、および、マルチモード回路の設計を複雑にする可能性がある
図2は、本発明に係るマルチモード回路の設計の例示的な実施形態200を示す図である。図2においては、回路230の単一のインスタンスが提供されており、そして、回路230のノードIn1およびIn2は、切り替え可能インダクタネットワーク205に結合されている。回路230の出力は、出力ノードOut1およびOut2で提供される。
【0015】
切り替え可能インダクタネットワーク205は、図2に示すように、2つの直列結合されたインダクタ210.1および210.2に分かれて示されている、プライマリ・インダクタ210を含む。切り替え可能インダクタネットワーク205は、さらに、図2に示すように、2つの直列結合されたインダクタ(またはセグメント)220.1および220.2に分かれて示されている、切り替え可能インダクタ220を含む。制御信号200aはスイッチ230の構成を制御し、そして、例えば、ノードIn1およびIn2にまたがってインダクタ210と並列に現れるために、220.1および220.2の直列の組合せを可能とするためにスイッチ230を閉じるか、または、220.1および220.2を無効とするためにスイッチ230を開くことができる。
【0016】
当業者であれば、スイッチ230が閉じられることに起因するインダクタ210および220の並列の組合せは、一般に、スイッチ230が開かれるときに現れる単一のインダクタ210よりも低いインダクタンスを有することは、理解するであろう。したがって、例示的な実施形態では、第1の周波数範囲内での回路200による操作(operation)を可能にするために、スイッチ230を開くことができ、そして、第1の周波数範囲よりも高い第2の周波数範囲内での回路200による操作(operation)に可能にするために、スイッチ230を閉じることができる。2つの周波数範囲内でのマルチモード動作は、このように回路200を用いて実現される。当業者であれば、3つ以上の周波数範囲内でのマルチモード動作を可能にするために、開示された技術をインダクタ210と並列に結合された2つ以上の切換可能なインダクタに容易に拡張できることは、理解するであろう。このような代替の例示的な実施形態は、本開示の範囲内であると考えられる。
【0017】
図2Aは、ノードIn1およびIn2で、それぞれ、差動電圧V+およびV−を提供する回路の例示的な実施形態を示す図である。例示的な実施形態において、インダクタ210および220の物理的なレイアウトは、好ましくは、例えば、図2Aに示すように、スイッチ230が閉じられたときに、差動グランドが、210と220との間の中間点ノード215、および、220.1と220.2との間の中間点ノード225に存在するように、ノードIn1とIn2との間の物理的な中間点をクロスする軸に対して対称にしても構わない。ノード215および225の差動接地の提供は、さらに以下に記載するように、回路200A内の寄生素子の影響を有利に減らすことができる。
【0018】
図3は、図2および2Aの切り替え可能インダクタネットワーク205の物理的なレイアウトの例示的な実施形態300を示す図である。図3において、切り替え可能インダクタネットワーク300は、内側コイル320および外側コイル310の両方に結合された入力端子In1およびIn2を持ち、外側コイル(outer coil)310内部の内側コイル(inner coil)320として物理的にレイアウトされている。内側コイル320は、スイッチ330により中間点ノード325に結合される2つのセクション320.1および320.2を含む。スイッチ330を開き閉じすることにより、内側コイル320に関連付けられたインダクタンスは、図2を参照して説明した切換可能なインダクタネットワーク205の機能を選択的に実装できなくしたり、できるようにすることができる。
【0019】
当業者であれば、一態様において、図3に示された物理的なレイアウトは、外側コイル310内にすでに存在する空地(open area)内に内側コイル320を提供することにより、IC内にインダクタネットワーク205を実装するために必要なダイ面積を有利に減らすことは、理解するであろう。
【0020】
図3において、中間点ノード315および325は、それぞれ、外側コイル310および内側コイル320の物理的な中間点に対応することができる。当業者であれば、In1およびIn2での電圧が差動方式で変化するときに、そのような中間点ノードは、切り替え可能インダクタネットワーク300の差動接地ノードに有利に対応することができることは、理解するであろう。図のように例示的な実施形態において、内側コイル320および外側コイル310は、中間点ノード315および325を通過する軸311に対して対称に配置されている。
【0021】
例示的な実施形態において、外側コイル310は、内側コイル320よりも広い幅を有するように設計されても構わない。このような実施形態では、内側コイル320は、外側コイル310よりも相応に低いインダクタンスを持つことになり、そして、高周波電流のほとんどは、したがって、スイッチ330が閉じられたときに、内側コイル320を通過する。
【0022】
例示的な実施形態において、外側コイル310と内側コイル320との組合せの全体のインダクタンスの計算において、スイッチ330が閉じられたときの相互結合を無視できるように、外側コイル310と内側コイル320との間の分離は十分に大きくても構わない。これは、切り替え可能インダクタネットワーク300を組み込む回路のコンピュータシミュレーションを有利に簡略化することができる。
【0023】
当業者であれば、切り替え可能インダクタネットワークのレイアウトおよびコンフィギュレーションにおける様々な修正は、本開示の範囲内で可能であることは、理解するであろう。例えば、図4は、2つ以上の切換可能なインダクタを収容する切り替え可能インダクタネットワークの例示的な実施形態400を示す図である。図4において、外側コイル410の内部には2つの内側コイル420および430が設けられている。内側コイル420および430は、それぞれ、対応するスイッチ450および440によって選択的に有効にされる。当業者であれば、図のように複数の入れ子にされたコイルを設けることにより、切り替え可能インダクタネットワークに対して3つ以上のモードの動作が可能であることは、理解するであろう。このような代替の例示的な実施形態は、本開示の範囲内であると考えられる。
【0024】
図5は、エリア制約のある設計のアプリケーション向けに最適化された切り替え可能インダクタネットワークの代替の例示的な実施形態500を示す図である。実施形態500においては、各コイルが複数の巻きを伴って、外側コイル510内に内側コイル520は入れ子にされている。例えば、図5の540aおよび540bなどの点で直接的な電気的接触を伴わないコイルの重なり合っている巻きは、当業者には、例えば、周知の標準シリコンプロセスにおける上側および下側の金属層を用いて達成することができる。スイッチ530は、本開示の技術に従って内側コイル520のインダクタンスを有効または無効にするために提供されることができる。
【0025】
ある例示的な実施形態においては、外側コイル510および内側コイル520の両方の金属の幅は、そのレイアウトに必要な面積を最小限に抑えるために狭くすることができる。いくつかの事例(instance)のように、狭い金属幅はインダクタの全体的な品質ファクタ(Q)低下と関連することがあり、実施形態500は、例えば、低いインダクタ品質ファクタ(Q)が許容され得る、ある面積制約のある用途に採用することができる。
【0026】
図6は、本開示に係る切り替え可能インダクタネットワークを活用したCMOS電圧制御発振器(VCO)の例示的な実施形態600を示す図である。VCO600は、ノードA1およびA2で、クロス結合(cross-coupled)NMOSトランジスタ640,642に結合されたクロス結合PMOSトランジスタ対610,612を含む。さらに、ノードA1およびA2に結合されているのは、電圧制御キャパシタンスを有するバラクタ630と、本開示の技術を利用した切り替え可能インダクタネットワーク620とである。本明細書で前に述べられているように、切り替え可能インダクタネットワーク620は、プライマリ・インダクタ622と、スイッチ625によって結合される2つのインダクタ624.1および624.2に分けられる切換可能なインダクタ624とを含むことができる。切り替え可能インダクタネットワーク620の全体のインダクタンスは、本明細書で前に述べられた原則に従って、スイッチトランジスタ625を制御する制御信号C1によって選択可能である。
【0027】
例示的な実施形態において、切り替え可能インダクタネットワーク620は、図3および図4に示された実施形態300もしくは400の物理的なレイアウト、または、明示的には図に示されていない本開示の範囲内の他の物理的なレイアウトのいずれかを使用することによって、設計することができる。
【0028】
図6Aは、切り替え可能インダクタネットワーク620に現れる可能性があるさまざまな寄生素子(parasitic elements)を詳細に示す図である。図6Aにおいて、プライマリ・インダクタ622は、2つの直列結合インダクタ622.1および622.2に分けられて示され、そして、図6のスイッチ625は、NMOSスイッチ625.1として実装されて示されている。NMOSスイッチ625.1は、図のように、ゲート−ソース間容量(Cgs)、ゲート−ドレイン間容量(Cgd)、ソース−バルク容量(Csb)、およびドレイン−バルク容量(Cdb)を含む、様々な関連寄生容量を含んでいる。当業者であれば、スイッチ625.1がターンオンにすると、寄生容量CgsおよびCgdの効果はスイッチ625.1のオン抵抗が小さいと仮定すると無視でき、一方、ノード645aおよび645b(それぞれトランジスタ625.1のソースおよびドレインノードを表す)は差動接地に近くなると想定されるので、寄生容量CsbおよびCdbの効果もまた無視できることは、理解するであろう。したがって、切り替え可能インダクタネットワーク620の対称レイアウト、および、ネットワーク内における差動接地ノードの存在によって、回路内の寄生素子の負の影響は、あるケースでは、有利に減少する。
【0029】
図7は、本開示に係る切り替え可能インダクタネットワークを活用したローカル発振器(LO)バッファの例示的な実施形態700を示す図である。図7において、トランジスタ710,712,714,716は、トランジスタ710、712に結合された入力Buffer_in1およびBuffer_in2、および、負荷としての差動出力ノードB1およびB2に結合された切り替え可能インダクタネットワーク720を伴う、差動カスコード構成で配置されている。明細書で前に述べられた原則に従って、ノードB1およびB2でネットワーク720によって現れるインダクタンスは、スイッチ725を制御する制御信号C2を設定することによって選択することができる。例示的な実施形態において、切り替え可能インダクタネットワーク720は、例えば、図5に示されるトポロジを使用して、物理的にレイアウトすることができる。
【0030】
当業者であれば、実施形態700において、出力ノードB1およびB2はスイッチ725に直接的には結合されておらず、それだから、スイッチ725の寄生容量は出力ノードB1およびB2から有利に分離されることは、理解するであろう。
【0031】
図8は本開示に係る例示的な方法800を示す図である。なお、方法800は、例示の目的としてのみ示されており、本開示の範囲を何か特定の方法に制限することは意図していない。
【0032】
図8には、切り替え可能インダクタネットワーク内の一対のノードにまたがって選択可能なインダクタンスを提供するための方法が示され、前記切り替え可能インダクタネットワークは、前記一対のノードに結合された端子を有する第1のコイルを具備しており、前記切り替え可能インダクタネットワークは、さらに、前記一対のノードに結合された端子を有する第2のコイルを具備しており、前記第2のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備する。
【0033】
ステップ810で、第1のセグメントは、制御信号に応えて、第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)される。
【0034】
ステップ820で、切り替え可能インダクタネットワークは、さらに、前記一対のノードに結合された端子を有する第3のコイルを具備し、前記第3のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備し、そして、前記第3のコイルの前記第1のセグメントは、制御信号に応えて、前記第3のコイルの前記第2のセグメントに選択的に結合または減結合される。
【0035】
ステップ830Aで、前記一対のノードにまたがる容量は、前記一対のノードにまたがる選択可能な周波数を有する差動電圧を発生するために、変化させられる。
【0036】
ステップ830Bで、差動入力電圧は、前記一対のノードにまたがる差動出力電圧を発生するために、増幅される。
【0037】
当業者であれば、ステップ830Aおよび830Bの一方 または、両方のステップ830Aおよび830Bの結合は、本開示の例示的な実施形態のステップ810および820と組み合わせても構わないことは、理解するであろう。
【0038】
図9は、本開示の技術が実装され得る無線通信デバイス900の設計のブロック図を示す図である。図9に示された設計においては、無線デバイス900は、トランシーバ920と、データおよびプログラムコードを格納するためのメモリ912を有するデータプロセッサ910とを含む。トランシーバ920は、双方向通信をサポートする送信機930および受信機950を含む。一般に、無線デバイス900は、任意の数の通信システムおよび周波数範囲に対して、任意の数の送信機、および、任意の数の受信機を含むことができる。
【0039】
送信機または受信機は、スーパーヘテロダインアーキティクチャまたは直接変換アーキティクチャで実装されても構わない。スーパーヘテロダインアーキティクチャにおいては、受信機のために、信号は、無線周波数(RF)とベースバンドとの間で、複数のステージ、例えば、一つのステージにてRFから中間周波数(IF)へと、そして次に、別のステージにてIFからベースバンドへと周波数変換される。直接変換アーキティクチャにおいては、信号は、一つのステージにてRFからベースバンドへと周波数変換される。スーパーヘテロダインアーキティクチャおよび直接変換アーキテクチャは、異なる回路ブロックを用いても、および/または、異なる要件を有していても構わない。図9に示された設計においては、送信機930および受信機950は直接変換アーキティクチャで実装されている。
【0040】
送信パスにおいて、データプロセッサ910は、送信されるデータを処理し、そして、送信機930にIおよびQアナログ出力信号を提供する。送信機930内では、先のデジタル・アナログ変換でもたらされた望ましくないイメージを除去するために、ローパスフィルタ932aおよび932bは、それぞれ、IおよびQアナログ出力信号をフィルタする。増幅器(Amp)934aおよび934bは、それぞれ、ローパスフィルタ932aおよび932bからの信号を増幅し、そして、IおよびQベースバンド信号を提供する。アップコンバータ940は、TX LO信号発生器970からのIおよびQ送信(TX)ローカル発信(LO)信号を用いて、IおよびQベースバンド信号をアップコンバートし、そして、アップコンバートされた信号を提供する。フィルタ942は、受信周波数バンド内の雑音だけでなく、周波数アップコンバージョンでもたらされた望ましくないイメージを除去するために、アップコンバートされた信号をフィルタする。パワー増幅器(PA)944は、所望の出力パワーレベルを得るために、フィルタ942からの信号を増幅し、そして、送信RF信号を提供する。送信RF信号は、送受切換え器(duplexer)またはスイッチ946を経由し、そして、アンテナ948を介して送信される。
【0041】
受信パスにおいて、アンテナ948は、基地局から送信された信号を受信し、そして、送受切換え器またはスイッチ946を経由して低雑音増幅器(LNA)952に提供される、受信信号を提供する。所望のRF入力信号を得るために、受信RF信号は、LNA952によって増幅され、そして、フィルタ954によってフィルタされる。ダウンコンバータ960は、RX LO信号発生器980からのIおよびQ受信(RX)LO信号を用いて、RF入力信号をダウンコンバータし、そして、IおよびQベースバンド信号を提供する。データプロセッサ910に提供されるIおよびQアナログ入力信号を得るために、IおよびQベースバンド信号は、増幅器962aおよび962bによって増幅され、そして、ローバスフィルタ964aおよび964bによってさらにフィルタされる。
【0042】
TX LO信号発生器970は、周波数アップコンバージョンに用いられるIおよびQTX LO信号を発生する。RX LO信号発生器980は、周波数ダウンコンバージョンに用いられるIおよびQRX LO信号を発生する。各LO信号は特定の基本周波数を伴う周期的信号である。TX PLL972は、データプロセッサ910からタイミング情報を受け取り、そして、LO信号発生器970からのTX LO信号の周波数および/または位相を調整するために用いられる、制御信号を発生する。同様に、RX PLL982は、データプロセッサ910からタイミング情報を受け取り、そして、LO信号発生器980からのRX LO信号の周波数および/または位相を調整するために用いられる、制御信号を発生する。実施形態において、後続の(subsequent)負荷からのVCO出力をバッファするために、LOバッファ(図示せず)はTX LO信号発生器970またはRX LO信号発生器980の出力に提供されても構わない。
【0043】
当業者であれば、本開示の切り替え可能インダクタの技術は、上記のトランシーバ920の様々な部分の設計に容易に適用できることは、理解するであろう。例えば、TX LO信号発生器970またはRX LO信号発生器980内に使用されるVCOは、LCタンク内の切換可能なインダクタネットワークを含んでも構わない。代わりに、または、共同で、LO信号発生器970またはRX LO信号発生器980に対してのLOバッファは、負荷としての切換可能なインダクタを含んでも構わない。代わりに、または、共同で、トランシーバ920の他の回路ブロックは、本開示に係る切換可能なインダクタを含んでも構わない。このような例示的な実施形態は、本開示の範囲内であると考えられる。
【0044】
図9は、トランシーバの設計の例を示している。一般に、トランスミッタおよびレシーバ内の信号の調整は、一つまたは複数段のアンプ、フィルタ、アップコンバータ、ダウンコンバータなどによって実施することができる。これらの回路ブロックは、図9に示す構成とは異なって配置することができる。さらに、図9に示されない他の回路ブロックもまた、トランスミッタおよびレシーバ内の信号を調整するために使用することができる。図9内のいくつかの回路ブロックもまたは省略することができる。トランシーバ920の全てまたは一部は、1つまたは複数のアナログ集積回路(IC)、RF集積回路(RFICの)、ミックスドシグナルICなどで実装しても構わない。
【0045】
当業者であれば、情報および信号は、種々の異なる技術や手法の任意のものを用いて表され得ることが、理解するだろう。例えば、上記記載を全体にわたって言及されるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁界粒子、光場または光粒子、またはこれらを組み合わせたものによって表され得る。
【0046】
当業者には、本明細書に開示された実施形態に関連して説明された種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムステップは、電子的なハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはこれらの組み合わせとして実装され得ることが、さらに理解されるだろう。ハードウェアとソフトウェアとの互換性を明確に示すために、種々の例示的な要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、全般的にそれらの機能性の観点から、上記では説明してきた。そのような機能性がハードウェアで実装されるかソフトウェアで実装されるかは、個々のアプリケーションおよび全体のシステムに課せられた設計の制約に依存する。当業者は、上記の機能性を、各個別のアプリケーションにつき種々の方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の例示的な実施形態の範囲からの逸脱を生じさせると解釈するべきではない。
【0047】
本明細書内に開示された実施形態に関連して述べられた種々の例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、本明細書で述べられた機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものによって、実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりにプロセッサは従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されてもよく、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものである。
【0048】
本明細書に開示された実施形態に関連して述べられた方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体内に存在し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが、記憶媒体から情報を読み出し、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合されている。代替では、記憶媒体は、プロセッサと一体であってよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在してもよい。ASICは、ユーザ端末内に存在してもよい。代替では、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内でディスクリートコンポーネントとして存在してもよい。
【0049】
1つまたは複数の例示の実施形態においては、記載された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの適切な任意の組合せの形で実装され得る。ソフトウェアの形で実装される場合、コンピュータ読取り可能媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または転送される。コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータストレージ媒体、および、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の通信媒体の両方を含んでいる。ストレージ媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。例として、限定するものではないが、そのようなコンピュータストレージ媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用でき、かつ、コンピュータによってアクセスされることができる他の任意の媒体を備えることができる。また、いかなる接続(connection)もコンピュータ読取り可能媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア(twisted pair)、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、そのときには同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義の中に含まれる。ここにおいて使用されるようなディスク(Disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(compact disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスク(Blu-ray disc)を含み、ここでディスク(disks)は通常、データを磁気的に再生するが、ディスク(discs)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ読取り可能媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0050】
本開示の先の説明は、当業者に本発明の実施または使用を可能とするために提供されている。これらの例示的な実施形態に対する種々の変更は当業者には容易に明らかであろうし、そして、本明細書で規定される一般的な原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の例示的な実施形態に適用することができる。したがって、本発明は、本明細書で示す例示的な実施形態に限定されることを意図されるのではなく、本明細書に開示された原理および新規な特徴に矛盾しない、最も広い範囲に一致するべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のノードにまたがって切換可能インダクタンス(selectable inductance)を提供する装置、前記装置は、切り替え可能インダクタネットワーク(selectable inductor network)を具備してなること、
前記インダクタネットワークは、
前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第1のコイル、
前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第2のコイル、前記第2のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、および
制御信号に応えて、前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)するように構成されたスイッチを具備すること。
【請求項2】
請求項1の装置において、前記第1のコイルは外側コイル(outer coil)であること、前記第2のコイルは内側コイル(inner coil)であること、前記内側コイルは前記外側コイル内で完全に入れ子にされている(nested)こと。
【請求項3】
請求項2の装置において、前記内側コイルは、前記外側コイルの幅よりも小さいかまたは同じ幅を有すること。
【請求項4】
請求項1の装置において、前記切り替え可能インダクタネットワークは、さらに、
前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第3のコイル、前記第3のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、および
前記第3のコイルの前記第1のセグメントを前記第3のコイルの前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)するように構成された第2のスイッチを具備すること。
【請求項5】
請求項1の装置において、前記第1のコイルは複数の巻き(multiple turns)を有すること、前記第2のコイルは複数の巻き(multiple turns)を有すること。
【請求項6】
請求項5の装置において、少なくとも1巻きは直接的な電気的接触を伴わないで他の巻きにオーバーラッピングしていること。
【請求項7】
請求項6の装置において、前記少なくとも1巻きは上側メタル層から形成されていること、前記他の巻きは下側メタル層から形成されていること。
【請求項8】
請求項1の装置において、前記第1および第2のコイルは互いに軸に対して対称であること、前記一対のノードはさらに前記軸に関して対称に置かれていること。
【請求項9】
請求項1の装置において、前記スイッチはトランジスタを具備してなり、前記トランジスタの前記ドレインおよびソースは前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに結合すること。
【請求項10】
請求項1の装置において、前記切り替え可能インダクタネットワークを具備する電圧制御発振器をさらに具備してなること。
【請求項11】
請求項1の装置において、増幅器をさらに具備してなること、前記増幅器の出力ノード(output nodes)は前記切り替え可能インダクタネットワークの前記一対のノードに結合される。
【請求項12】
切り替え可能インダクタネットワーク(selectable inductor network)内で一対のノードにまたがって切換可能インダクタンス(selectable inductance)を提供するための方法、前記切換可能インダクタンスは前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第1のコイルを具備すること、切換可能インダクタンスは前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第2のコイルをさらに具備すること、前記第2のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、前記方法は、
制御信号に応えて、前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)することを具備してなること。
【請求項13】
請求項12の方法において、前記第1のコイルは外側コイル(outer coil)であること、前記第2のコイルは内側コイル(inner coil)であること、前記内側コイルは前記外側コイル内で完全に入れ子にされている(nested)こと。
【請求項14】
請求項13の方法において、前記切り替え可能インダクタネットワークは、前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第3のコイルをさらに具備すること、前記第3のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、前記方法は、
前記第3のコイルの前記第1のセグメントを前記第3のコイルの前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)することをさらに具備すること。
【請求項15】
請求項12の方法において、前記一対のノードにまたがって選択可能な周波数を有する差動電圧を発生するために、前記一対のノードにまたがって容量を変化することをさらに具備してなること。
【請求項16】
請求項12の装置において、前記一対のノードにまたがって差動出力電圧を発生するために、差動入力電圧を増幅することをさらに具備してなること。
【請求項17】
一対のノードにまたがって選択可能なインダクタンス(selectable inductance)を提供する装置、前記装置は、
少なくとも2つの設定の中から前記切り替え可能インダクタネットワーク(selectable inductor network)の前記インダクタンスを選択するための手段を具備してなること。
【請求項18】
請求項17の装置において、前記選択するための手段に結合された差動電圧を増幅するための手段をさらに具備してなること。
【請求項19】
請求項17の装置において、前記一対のノードにまたがって制御された周波数を有する差動電圧を発生するための手段をさらに具備してなること。
【請求項20】
無線通信のためのデバイス、前記デバイスは、TX LO信号発生器、前記TX LO信号発生器に結合されたTX PLL、少なくとも1つのベースバンドTXアンプ、前記TX LO信号発生器および前記少なくとも1つのベースバンドTXアンプに結合されたアップコンバータ、前記アップコンバータの前記出力に結合されたTXフィルタ、前記TXフィルタに結合されたパワーアンプ(PA)、RX LO信号発生器、前記RX LO信号発生器に結合されたRX PLL、RXフィルタ、前記RX LO信号発生器および前記RXフィルタに結合されたダウンコンバータ、前記RXフィルタに結合された低ノイズアンプ(LNA)、および、前記PAおよび前記LNAに結合された送受切換え器(duplexer)、前記RX LO信号発生器およびTX LO信号発生器の少なくとも1つは、一対のノード(In1,In2)にまたがって選択可能インダクタンス(selectable inductance)を提供する切り替え可能インダクタネットワーク(selectable inductor network)205を具備してなること、前記切り替え可能インダクタネットワークは、
前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第1のコイル、
前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第2のコイル、前記第2のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、および
制御信号に応えて、前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)するように構成されたスイッチを具備すること。
【請求項21】
無線通信のためのデバイス、前記デバイスは、TX LO信号発生器、前記TX LO信号発生器に結合されたTX PLL、少なくとも1つのベースバンドTXアンプ、前記TX LO信号発生器および前記少なくとも1つのベースバンドTXアンプに結合されたアップコンバータ、前記アップコンバータの前記出力に結合されたTXフィルタ、前記TXフィルタに結合されたパワーアンプ(PA)、RX LO信号発生器、前記RX LO信号発生器に結合されたRX PLL、RXフィルタ、前記RX LO信号発生器および前記RXフィルタに結合されたダウンコンバータ、前記RXフィルタに結合された低ノイズアンプ(LNA)、前記PAおよび前記LNAに結合された送受切換え器(duplexer)、前記RX LO信号発生器およびTX LO信号発生器の少なくとも1つはLOバッファを具備してなること、前記LOバッファは一対のノード(In1,In2)にまたがって選択可能インダクタンス(selectable inductance)を提供する切り替え可能インダクタネットワーク(selectable inductor network)205を具備してなること、前記切り替え可能インダクタネットワークは、
前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第1のコイル、
前記一対のノードに結合された端子(terminals)を有する第2のコイル、前記第2のコイルは少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを具備すること、および
制御信号に応えて、前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに選択的に結合(couple)または減結合(decouple)するように構成されたスイッチを具備すること。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−503501(P2013−503501A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527982(P2012−527982)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/047387
【国際公開番号】WO2011/026133
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.BLU−RAY DISC
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】